説明

半導体装置の製造方法

【課題】低誘電率絶縁膜を用いた多層配線構造の配線の特性を向上する。
【解決手段】まず、フォトレジスト膜25cをマスクとしてストッパ絶縁膜21c/低誘電率絶縁膜22c/キャップ絶縁膜23cからなる積層絶縁膜24c中のストッパ絶縁膜21cを含めた状態までドライエッチングすることによって、積層絶縁膜24cに配線溝32を形成する。次いで、還元性プラズマ処理によって、フォトレジスト膜25cを除去した後、配線溝32に配線を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、ダマシン(Damascene)プロセスを用いた多層配線の形成に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の微細化に伴う配線遅延を抑制するために、配線抵抗および配線容量の低減が図られている。配線抵抗に関しては、設計技術による対応と、銅を主導体層とした配線の採用が検討されている。銅配線の形成には、絶縁膜に形成された溝の内部を含む基板上に銅を主導体層とする配線用金属を堆積した後、溝以外の領域の余分な金属をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて除去することにより、溝の内部に配線パターンを形成する方法、いわゆるダマシンプロセス(ダマシン工程、ダマシン法)が用いられている。
【0003】
一方、配線容量に関しては、酸化シリコン膜に対して相対的に低い比誘電率が2〜3程度の低誘電率材料の採用が検討されている。なかでも、機械的強度に優れたカーボンを含有する酸化シリコン(Silicon-oxycarbite:以下、SiOCと記す)膜が、低誘電率材料として有望視されている。
【0004】
特開2004−158832号公報(特許文献1)には、層間絶縁膜に低誘電率のSiOC膜を用いた多層配線に関する技術が開示されている。
【0005】
また、特開平6−132259号公報(特許文献2)には、シリコン基板上にレジストパターンを構成し、Asをイオン注入した後、μ波放電プラズマアッシャーでアッシングする際に還元性のガスであるCOを添加することにより、Asの酸化物は、還元されて基板上から除去され、残渣の生じないレジスト除去が達成される。還元性ガスがCOまたはSOまたはNOである技術を開示している(〔0008〕、〔0009〕)。
【0006】
また、特開2004−158691号公報(特許文献3)には、シリコン基板4上に形成されたレジストをマスクとしてイオン注入を行った際に、イオン注入により生じた変質層を含むレジストをシリコン基板から除去するときに、アンモニアを含むプロセスガスの雰囲気中にてレジストにプラズマ処理を施し、変質層18を含むレジスト16を除去する技術が開示されている(〔0017〕〜〔0024〕)。
【0007】
また、特開2004−172403号公報(特許文献4)には、水素を含むガスを用いてレジストをアッシングしてHラジカルにより低誘電率絶縁膜に変質層を形成させて誘電率を上昇させないように、水素を含むガスを用いたプラズマ処理によるレジストのアッシング時に、処理容器内の一部に水素原子と還元反応を生じる金属酸化物構造体を設けることにより処理容器内の水素原子濃度を減少させ、水素原子による低誘電率絶縁膜の変質を抑制する技術の開示がある(〔0015〕〜〔0018〕)。
【0008】
また、特開2002−9050号公報(特許文献5)には、有機系低誘電体膜とその上層として形成されたレジスト膜とを有する被処理基板に対してアッシング処理を施すためのアッシング方法において、プロセスガスとしては、O、N、H、NHのうちの少なくとも1つを含むガスを使用して、第1工程においてレジスト膜に対して異方性プラズマイオンアッシング処理を施した後、第2工程においてマイクロ波プラズマアッシングを施すようにして、有機系低誘電体膜がレジスト膜の下層として存在する場合でも、有機系低誘電体膜の劣化を招くことなく、しかも処理速度を低下させずにレジスト膜9を高速にてアッシングする技術が開示されている(〔0007〕〜〔0011〕)。
【0009】
また、特開2001−23984号公報(特許文献6)には、基板1上に、エッチングのストッパ膜、層間膜、IR損低減膜及びその下地膜を積層した後、フォトレジストを所望の形状にパターニングして、IR損低減膜、下地膜、層間膜、ストッパー膜をドライエッチングで除去した後フォトレジスト6を剥離し、バリア膜、シード膜を成膜する技術の開示がある(〔0006〕、〔0008〕〜〔0009〕)。
【0010】
また、特開平11−186391号公報(特許文献7)には、ヴィアホールが形成される層間絶縁膜12の下と配線溝が形成される層間絶縁膜13の下にエッチングストッパ膜を設けてフォトレジストをマスクに層間絶縁膜12、13 をエッチングした後、エッチング条件を変えてヴィアホールが形成される層間絶縁膜12の下のエッチングストッパ膜31 を除去することにより、フォトレジストパターンに合せずれが生じても、エッチングストッパ膜の下の層間絶縁膜11 にボイドを形成することなく、ヴィアホール5を形成できる技術の開示がある(〔0050〕〜〔0055〕)。
【特許文献1】特開2004−158832号公報
【特許文献2】特開平6−132259号公報(段落〔0008〕〜〔0009〕)
【特許文献3】特開2004−158691号公報(段落〔0017〕〜〔0024〕)
【特許文献4】特開2004−172403号公報(段落〔0015〕〜〔0018〕)
【特許文献5】特開2002−9050号公報(段落〔0007〕〜〔0011〕)
【特許文献6】特開2001−23984号公報(段落〔0006〕、〔0008〕〜〔0009〕)
【特許文献7】特開平11−186391号公報(段落〔0050〕〜〔0055〕)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者は、例えば200nmピッチ以下の多層配線を形成するダマシンプロセスについて検討している。以下は、本発明者によって検討された技術であり、図16を参照してその概要を説明する。図16は、本発明者が検討した半導体装置の要部を模式的に示す断面図であり、(a)〜(f)は製造過程を示す。
【0012】
まず、図16(a)に示すように、下層配線101上に、ストッパ絶縁膜102、低誘電率絶縁膜103およびキャップ絶縁膜104を積層した積層絶縁膜を形成する。ストッパ絶縁膜102は、例えば、プラズマCVD法によって形成されたSiC膜またはSiCN膜である。また、低誘電率絶縁膜103は、例えば、プラズマCVD法によって形成された比誘電率が3.0以下のSiOC膜である。また、キャップ絶縁膜104は、例えば、プラズマCVD法によって形成されたSiO膜または比誘電率が2.5〜3.0程度のSiOC膜である。
【0013】
続いて、図16(b)に示すように、積層絶縁膜上に、溝(または孔)パターンを有するフォトレジスト膜105を形成する。次いで、図16(c)に示すように、フォトレジスト膜105をマスクとして積層絶縁膜中のストッパ絶縁膜102を残した状態までドライエッチングした後、酸化性プラズマ処理(Oプラズマ処理)によってフォトレジスト膜105を除去すると図16(d)に示すようになる。
【0014】
続いて、図16(e)に示すように、露出しているストッパ絶縁膜102をドライエッチングし、積層絶縁膜に配線を形成するための配線溝106を形成する。このように、積層絶縁膜に対して配線溝106のパターンを形成する際に、フォトレジスト膜105のプラズマ除去が終了した後に、キャップ絶縁膜104をマスクとしてストッパ絶縁膜102をドライエッチングしている。この工程順が適用されるのは、フォトレジスト膜105のプラズマ除去に酸化性プラズマ処理が用いるため、仮に、先にストッパ絶縁膜102を除去した後に、フォトレジスト膜105のプラズマ除去を行った場合、露出している下層配線101の表面が酸化されてしまうからである。このため、フォトレジスト膜105のプラズマ除去後、ストッパ絶縁膜102をドライエッチングしているのである。
【0015】
ここで、ストッパ絶縁膜102をドライエッチングする際、ストッパ絶縁膜102を構成するSiC膜またはSiCN膜と、キャップ絶縁膜104を構成するSiO膜または比誘電率が2.5〜3.0程度のSiOC膜とは、エッチング選択比が低いため、積層絶縁膜の上部に、ファセット107が発生する問題が生じる。
【0016】
続いて、図16(f)に示すように、配線溝106へ例えば銅(Cu)を主体とした金属膜の埋め込みを行い、さらに配線溝106以外の余分な金属膜を化学的機械研磨(CMP)法によって取り除くことによって配線108を形成する。
【0017】
なお、下層配線101は、配線108と同様の工程で形成され、下層配線101には、例えば銅(Cu)を主体とした金属膜が適用されている。
【0018】
しかしながら、前記検討技術を用いた多層配線では、密集配線間のショートマージンの低下あるいは耐圧劣化といった問題が生じた。これは、図16(f)に示すように、積層絶縁膜の上部側にファセット107が発生したため、隣接する配線108のスペースが設計値の寸法(S)から、仕上がり時の寸法(S)まで短くなるからである。このようなファセット107が発生する原因として、積層絶縁膜の最上部に配置したキャップ絶縁膜104とストッパ絶縁膜102のエッチング選択比が低く、ストッパ膜102をエッチング除去する際に、同時にキャップ絶縁膜104もエッチングされてしまうことが考えられる。
【0019】
このファセット107発生を抑制するために、フォトレジスト膜105をマスクとして積層絶縁膜中のストッパ絶縁膜102を含めた状態までエッチングすることが考えられるが、前述したように、酸化性プラズマ処理によるフォトレジスト膜105を除去する際に、露出している下層配線101の酸化による接続不良が発生してしまう。
【0020】
このように、前記検討技術では、配線ピッチの微細化(200nmピッチ以下)に伴い、配線部分となる溝(トレンチ)部のファセット形状が、隣接配線間のショートマージン、あるいは耐圧劣化を引き起こす。
【0021】
本発明の目的は、低誘電率絶縁膜を用いた多層配線構造の配線の特性を向上することのできる技術を提供することにある。
【0022】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0024】
本発明は、ダマシン工程を含む半導体装置の製造方法である。まず、フォトレジスト膜をマスクとしてストッパ絶縁膜/低誘電率絶縁膜/キャップ絶縁膜からなる積層絶縁膜中のストッパ絶縁膜を含めた状態までドライエッチングすることによって、積層絶縁膜に溝または孔を形成する。次いで、還元性プラズマ処理によって、フォトレジスト膜を除去した後、溝または孔に配線またはプラグを形成する。
【発明の効果】
【0025】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0026】
本発明の半導体装置の製造技術によれば、積層絶縁膜上部のファセット発生を抑制し、低誘電率絶縁膜を用いた多層配線構造の配線の特性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、本願における低誘電率絶縁膜を、酸化シリコン膜に対して比誘電率が相対的に低い絶縁膜であって、比誘電率が3.0以下の絶縁膜として説明する。
【0028】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1では、ダマシン(Damascene)プロセスを用いて形成された多層配線を備えた半導体装置について説明する。図1〜図12は、本発明に係る製造工程中の半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【0029】
まず、図1に示すように、例えば、単結晶シリコンからなる半導体基板(以下、単に基板という)1の主面にnチャネル型MISトランジスタQnおよびpチャネル型MISトランジスタQpを形成する。また、図中の符号2は素子分離溝、符号4はp型ウエル、符号5はn型ウエルをそれぞれ示している。
【0030】
素子分離溝2は、基板1をエッチングして形成した溝の内部に絶縁膜として、例えば、酸化シリコン膜3を埋め込んで形成する。
【0031】
p型ウエル4およびn型ウエル5は、基板1にp型不純物(ホウ素)およびn型不純物(リン)をイオン注入し、続いて基板1を熱処理してこれらの不純物を基板1中に拡散させることによって形成する。
【0032】
nチャネル型MISトランジスタQnは、p型ウエル4の表面に形成された酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜からなるゲート絶縁膜6、ゲート絶縁膜6の上部に形成された多結晶シリコン膜などからなるゲート電極7、ゲート電極7の側壁に形成された酸化シリコン膜などからなるサイドウォールスペーサ8、ゲート電極7の両側のp型ウエル4に形成された一対のn型半導体領域(ソース、ドレイン)11などによって構成される。
【0033】
pチャネル型MISトランジスタQpは、ゲート絶縁膜6、ゲート電極7、サイドウォールスペーサ8、ゲート電極7の両側のn型ウエル5に形成された一対のp型半導体領域(ソース、ドレイン)12などによって構成される。nチャネル型MISトランジスタQnのゲート電極7を構成する多結晶シリコン膜中にはn型不純物(リン)が導入され、pチャネル型MISトランジスタQpのゲート電極7を構成する多結晶シリコン膜中にはp型不純物(ホウ素)が導入される。
【0034】
また、nチャネル型MISトランジスタQnのゲート電極7とn型半導体領域(ソース、ドレイン)11のそれぞれの表面、およびpチャネル型MISトランジスタQpのゲート電極7とp型半導体領域(ソース、ドレイン)12のそれぞれの表面には、ゲート電極7およびソース、ドレインの低抵抗化を目的としてCo(コバルト)シリサイド膜9が形成される。
【0035】
続いて、基板1上にCVD法で窒化シリコン膜13と酸化シリコン膜14とを堆積した後、酸化シリコン膜14の表面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法で平坦化する。
【0036】
続いて、nチャネル型MISトランジスタQnのn型半導体領域(ソース、ドレイン)11およびpチャネル型MISトランジスタQpのp型半導体領域(ソース、ドレイン)12のそれぞれの上部の酸化シリコン膜14をエッチングした後、その下層の窒化シリコン膜13をエッチングして接続孔15を形成する。
【0037】
続いて、接続孔15の内部にコンタクト(プラグ)16を形成する。コンタクト16は、例えばTiN膜とW(タングステン)膜との積層膜で構成する。ここで、TiN膜はW膜のバリアメタル膜として機能する。バリアメタル膜は、窒化チタン膜とTi(チタン)膜との積層膜で構成してもよい。
【0038】
続いて、図2に示すように、基板1の主面、すなわち酸化シリコン膜14上に、ストッパ絶縁膜21aを堆積する。次いで、ストッパ絶縁膜21a上に、比誘電率がストッパ絶縁膜21aより低い低誘電率絶縁膜(low−k膜)22aを堆積する。次いで、低誘電率絶縁膜22a上に、膜密度が低誘電率絶縁膜22aよりも高いキャップ絶縁膜23aを堆積して、ストッパ絶縁膜21a、低誘電率絶縁膜22aおよびキャップ絶縁膜23aからなる積層絶縁膜24aを形成する。ここで、低誘電率絶縁膜22aには、主に配線間容量を低減するために、比誘電率が3.0以下の材料が適用される。
【0039】
具体的には、ストッパ絶縁膜21aは、例えばプラズマCVD法によって形成された膜厚30nm程度のSiC膜またはSiCN膜からなり、主に配線に用いられる銅(Cu)などの拡散を防止するものである。また、低誘電率絶縁膜22aは、例えばプラズマCVD法によって形成された膜厚200nm程度、比誘電率が2.7程度のSiOC膜からなる。また、キャップ絶縁膜23aは、例えばプラズマCVD法によって形成された膜厚30nm程度のSiO膜またはプラズマCVD法によって形成された比誘電率が2.5〜3.0のSiOC膜からなり、SiOC膜からなる低誘電率絶縁膜22aよりも膜密度が高く、主に低誘電率絶縁膜22aの機械的強度を補強するものである。
【0040】
続いて、図3に示すように、積層絶縁膜24a上に、配線溝パターンを有するフォトレジスト膜25aを形成する。このフォトレジスト膜25aは、後工程で積層絶縁膜24aをエッチングするためのマスクとなり、積層絶縁膜24aに対してエッチング選択比が高いものが適用される。
【0041】
続いて、図4に示すように、フォトレジスト膜25aをマスクにしてキャップ絶縁膜23a、低誘電率絶縁膜22aおよびストッパ絶縁膜21aをドライエッチングすることによって積層絶縁膜24aに配線溝20を形成する。
【0042】
前述の本発明者が検討した技術では、図16を用いて説明したように、ストッパ絶縁膜102、低誘電率絶縁膜103およびキャップ絶縁膜104からなる積層絶縁膜上に形成されたフォトレジスト膜105をマスクとして、ストッパ絶縁膜102を残してキャップ絶縁膜104と低誘電率絶縁膜103をドライエッチングする。このストッパ絶縁膜102は、キャップ絶縁膜104をマスクとして、後工程でドライエッチングされることになる。その際、積層絶縁膜の上部にファセット107が発生する問題が生じた。
【0043】
この検討技術に対して本発明では、フォトレジスト膜25aをマスクにしてキャップ絶縁膜23a、低誘電率絶縁膜22aおよびストッパ絶縁膜21aをドライエッチングしているので、ファセットの発生を抑制することができる。特に、配線ピッチが200nm程度以下である場合、ファセットの発生を抑制することで、隣接配線間のショートマージン、あるいは耐圧劣化を防止することができる。
【0044】
続いて、下層にあるコンタクト(プラグ)16の上部が露出した状態のまま、還元性プラズマエッチングによってフォトレジスト膜25aを除去すると図5に示すようになる。すなわち、積層絶縁膜24aに配線溝20を形成するためにマスクとして用いたフォトレジスト膜25aを、例えばHまたはNHを主体とし、HeまたはNによって希釈された雰囲気中で還元性プラズマエッチングによって除去する。その際、配線などに用いられる金属が拡散するのを防止するため、基板1の加熱温度は400℃程度以下となるようにする。
【0045】
前述の本発明者が検討した技術では、図16を用いて説明したように、フォトレジスト膜105を除去するために、酸化性プラズマエッチングが適用された。
【0046】
この検討技術に対して本発明では、還元性プラズマエッチングを行っている。仮に、図4に示したように、例えばコンタクト16の上部が露出した状態で、フォトレジスト膜25aを除去するために酸化性プラズマエッチングを行った場合、コンタクト16の上部が酸化してしまう。しかしながら、本発明では、フォトレジスト膜25aを除去するために還元性プラズマエッチングを行うので、コンタクト16の上部の酸化を防止することができる。
【0047】
続いて、図6に示すように、配線溝20の内部にCu(銅)を主体とする金属膜を埋め込み、配線溝20の外部に溢れた金属膜をCMP法で除去することによって、第1層目の金属配線(以下、Cu配線という)19を形成する。すなわち、ストッパ絶縁膜21a、低誘電率絶縁膜22aおよびキャップ絶縁膜23aからなる積層絶縁膜24aにCu配線19を、ダマシンプロセスによって形成する。
【0048】
Cu配線19は、バリアメタル膜とCu膜との積層膜からなる。Cu配線19を形成するには、まず、配線溝20の内部とキャップ絶縁膜23a上に膜厚50nm程度のTiN膜、またはTiN膜とTi膜との積層膜からなるバリアメタル膜をスパッタリング法で堆積し、続いて配線溝20の内部を完全に埋め込む厚い(800nm〜1600nm程度)Cu膜をスパッタリング法またはメッキ法で堆積する。
【0049】
バリアメタル膜は、Cu膜が周囲の絶縁膜中に拡散するのを防ぐと共に、Cu膜と低誘電率絶縁膜22aと接着性を向上させるために形成する。バリアメタル膜としては、TiN膜の他、WN(窒化タングステン)膜やTaN(窒化タンタル)膜のような窒化金属膜またはこれらにSiを添加した合金膜、またTa膜、Ti膜、W膜、TiW膜のような高融点金属膜、もしくはこれら高融点金属膜の積層膜など、Cuと反応し難い各種導電膜を使用することができる。
【0050】
続いて、図7に示すように、基板1の主面上、すなわち積層絶縁膜24a上に、ストッパ絶縁膜21bを堆積する。次いで、ストッパ絶縁膜21b上に、比誘電率がストッパ絶縁膜21bより低い低誘電率絶縁膜22bを堆積する。次いで、低誘電率絶縁膜22b上に、膜密度が低誘電率絶縁膜22bよりも高いキャップ絶縁膜23bを堆積して、ストッパ絶縁膜21b、低誘電率絶縁膜22bおよびキャップ絶縁膜23bからなる積層絶縁膜24bを形成する。ここで、低誘電率絶縁膜22bには、主に配線間容量を低減するために、比誘電率が3.0以下の材料が適用される。
【0051】
具体的には、ストッパ絶縁膜21bは、例えばプラズマCVD法によって形成された膜厚30nm程度のSiC膜またはSiCN膜からなり、主に配線に用いられる銅(Cu)などの拡散を防止するものである。また、低誘電率絶縁膜22bは、例えばプラズマCVD法によって形成された膜厚150nm程度、比誘電率が2.7程度のSiOC膜からなる。また、キャップ絶縁膜23bは、例えばプラズマCVD法によって形成された膜厚30nm程度のSiO膜またはプラズマCVD法によって形成された比誘電率が2.5〜3.0のSiOC膜からなり、SiOC膜からなる低誘電率絶縁膜22bよりも膜密度が高く、主に低誘電率絶縁膜22bの機械的強度を補強するものである。
【0052】
続いて、図8に示すように、積層絶縁膜24b上に、配線溝パターンを有するフォトレジスト膜25bを形成する。このフォトレジスト膜25bは、後工程で積層絶縁膜24bをエッチングするためのマスクとなり、積層絶縁膜24bに対してエッチング選択比が高いものが適用される。
【0053】
続いて、フォトレジスト膜25bをマスクにしてキャップ絶縁膜23b、低誘電率絶縁膜22bおよびストッパ絶縁膜21bをドライエッチングすることによって積層絶縁膜24bに接続孔27を形成する。
【0054】
前述したように、本発明では、フォトレジスト膜25bをマスクにしてキャップ絶縁膜23b、低誘電率絶縁膜22bおよびストッパ絶縁膜21bをドライエッチングしているので、ファセットの発生を抑制することができる。特に、配線ピッチが200nm程度以下である場合、ファセットの発生を抑制することで、隣接配線間のショートマージン、あるいは耐圧劣化を防止することができる。
【0055】
続いて、下層の配線であるCu配線19の上部が露出した状態のまま、還元性プラズマエッチングによってフォトレジスト膜25bを除去する。すなわち、積層絶縁膜24bに接続孔27を形成するためにマスクとして用いたフォトレジスト膜25bを、例えばHまたはNHを主体とし、HeまたはNによって希釈された雰囲気中で還元性プラズマエッチングによって除去する。その際、配線などに用いられる金属(Cuなど)が拡散するのを防止するため、基板1の加熱温度は400℃程度以下となるようにする。
【0056】
前述したように、本発明では、還元性プラズマエッチングを行っている。仮に、図8に示したように、例えばCu配線19の上部が露出した状態で、フォトレジスト膜25bを除去するために酸化性プラズマエッチングを行った場合、Cu配線19の上部が酸化してしまう。しかしながら、本発明では、フォトレジスト膜25bを除去するために還元性プラズマエッチングを行うので、Cu配線19の上部の酸化を防止することができる。
【0057】
続いて、図9に示すように、接続孔27の内部にCu(銅)を主体とする金属膜を埋め込み、接続孔27の外部に溢れた金属膜をCMP法で除去することによって、ビア(プラグ)28を形成する。すなわち、ストッパ絶縁膜21b、低誘電率絶縁膜22bおよびキャップ絶縁膜23bからなる積層絶縁膜24bにビア28を、ダマシンプロセスによって形成する。このビア28は、Cu配線19と同様に、バリアメタル膜とCu膜との積層膜からなる。
【0058】
続いて、図10に示すように、基板1の主面上、すなわち積層絶縁膜24b上に、ストッパ絶縁膜21cを堆積する。次いで、ストッパ絶縁膜21c上に、比誘電率がストッパ絶縁膜21cより低い低誘電率絶縁膜22cを堆積する。次いで、低誘電率絶縁膜22c上に、膜密度が低誘電率絶縁膜22cよりも高いキャップ絶縁膜23cを堆積して、ストッパ絶縁膜21c、低誘電率絶縁膜22cおよびキャップ絶縁膜23cからなる積層絶縁膜24cを形成する。ここで、低誘電率絶縁膜22cには、主に配線間容量を低減するために、比誘電率が3.0以下の材料が適用される。
【0059】
具体的には、ストッパ絶縁膜21cは、例えばプラズマCVD法によって形成された膜厚30nm程度のSiC膜またはSiCN膜からなり、主に配線に用いられる銅(Cu)などの拡散を防止するものである。また、低誘電率絶縁膜22cは、例えばプラズマCVD法によって形成された膜厚200nm程度、比誘電率が2.7程度のSiOC膜からなる。また、キャップ絶縁膜23cは、例えばプラズマCVD法によって形成された膜厚30nm程度のSiO膜またはプラズマCVD法によって形成された比誘電率が2.5〜3.0のSiOC膜からなり、SiOC膜からなる低誘電率絶縁膜22cよりも膜密度が高く、主に低誘電率絶縁膜22cの機械的強度を補強するものである。
【0060】
続いて、図11に示すように、積層絶縁膜24c上に、配線溝パターンを有するフォトレジスト膜25cを形成する。このフォトレジスト膜25cは、後工程で積層絶縁膜24cをエッチングするためのマスクとなり、積層絶縁膜24cに対してエッチング選択比が高いものが適用される。
【0061】
続いて、フォトレジスト膜25cをマスクにしてキャップ絶縁膜23c、低誘電率絶縁膜22cおよびストッパ絶縁膜21cをドライエッチングすることによって積層絶縁膜24cに配線溝32を形成する。
【0062】
前述したように、本発明では、フォトレジスト膜25cをマスクにしてキャップ絶縁膜23c、低誘電率絶縁膜22cおよびストッパ絶縁膜21cをドライエッチングしているので、ファセットの発生を抑制することができる。特に、配線ピッチが200nm程度以下である場合、積層絶縁膜24cの上部にファセットの発生を抑制することで、隣接配線間のショートマージン、あるいは耐圧劣化を防止することができる。
【0063】
続いて、下層にあるビア(プラグ)28の上部が露出した状態のまま、還元性プラズマエッチングによってフォトレジスト膜25cを除去する。すなわち、積層絶縁膜24cに配線溝32を形成するためにマスクとして用いたフォトレジスト膜25cを、例えばHまたはNHを主体とし、HeまたはNによって希釈された雰囲気中で還元性プラズマエッチングによって除去する。その際、配線などに用いられる金属(Cuなど)が拡散するのを防止するため、基板1の加熱温度は400℃程度以下となるようにする。
【0064】
前述したように、本発明では、還元性プラズマエッチングを行っている。仮に、図11に示したように、例えばビア28の上部が露出した状態で、フォトレジスト膜25cを除去するために酸化性プラズマエッチングを行った場合、ビア28の上部が酸化してしまう。しかしながら、本発明では、フォトレジスト膜25cを除去するために還元性プラズマエッチングを行うので、ビア28の上部の酸化を防止することができる。
【0065】
続いて、図12に示すように、配線溝32の内部にCu(銅)を主体とする金属膜を埋め込み、配線溝32の外部に溢れた金属膜をCMP法で除去することによって、Cu配線33を形成する。すなわち、ストッパ絶縁膜21c、低誘電率絶縁膜22cおよびキャップ絶縁膜23cからなる積層絶縁膜24cにCu配線33を、ダマシンプロセスによって形成する。このCu配線33は、Cu配線19と同様に、バリアメタル膜とCu膜との積層膜からなる。
【0066】
その後、同様に、多層配線構造を形成して、保護膜(パッシベーション膜)で半導体装置の表面を覆うことによって、半導体装置が略完成する。
【0067】
次に、本発明に係るダマシンプロセスによって形成した微細隣接配線間のTDDB(Time Dependence on Dielectric Breakdown)特性について図13および図14を参照して説明する。
【0068】
ここで、Cu配線のTDDB特性とは、絶縁破壊の時間的依存性を客観的に計る尺度であって、所定の温度の測定条件下でCu配線間に比較的高い電圧を加え、この電圧印加からCu配線間の絶縁膜が絶縁破壊するまでの時間を印加電界に対してプロットしたグラフを作成し、このグラフから実際の使用電界強度に外挿して求めた時間(寿命)をいう。
【0069】
図13は、微細隣接配線間のTDDD特性を説明するための図であり、(a)は微細隣接配線の平面形状であり、(b)は(a)の配線間を模式的に示す断面図である。図13に示すように、配線幅の寸法とスペース(配線間)の寸法とが同一となるように、櫛歯状にCuを主体とするCu配線51が形成されている。このCu配線51は、酸化シリコン膜52上の積層絶縁膜56の配線溝に形成されている。また、積層絶縁膜56は、ストッパ絶縁膜53、低誘電率絶縁膜54およびキャップ絶縁膜55が積層してなるものである。さらに、符号57は、SiCN膜、符号58および符号59は酸化シリコン膜、符号60は窒化シリコン膜、符号61はAl(アルミニウム)パッドである。
【0070】
図14は、配線幅の寸法とスペースの寸法が共に90nmのTDDB特性の測定結果であり、(a)は本発明を用いた場合、(b)は検討技術を用いた場合を示す。図14に示すように、本発明を用いた配線間では、40V程度の電圧を印加するまで、絶縁破壊が起こらないが、検討技術を用いた配線間では、少なくとも10V程度の電圧印加で絶縁破壊が起こっている。
【0071】
前述したように、本発明者が検討した技術では、配線ピッチの微細化(200nmピッチ以下)に伴い、配線が形成される配線溝の上部に発生するファセットが、隣接配線間のショートマージン、あるいは耐圧劣化を引き起こし易くなる。そこで、本発明を用いることで、配線溝の上部でファセットの発生を防止することができる。すなわち、本発明によって、多層配線構造の配線の特性を向上することができる。
【0072】
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、積層絶縁膜を、ストッパ絶縁膜、低誘電率絶縁膜およびキャップ絶縁膜から構成した場合について説明したが、本実施の形態2では、積層絶縁膜を、キャップ絶縁膜を含まず、ストッパ絶縁膜および低誘電率絶縁膜から構成する場合について説明する。
【0073】
図15は、本発明の実施の形態2に係る半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。図15に示すように、ストッパ絶縁膜21aおよび低誘電率絶縁膜21aからなる積層絶縁膜24aにCu配線19が形成されている。Cu配線19の上部には、ストッパ絶縁膜21bおよび低誘電率絶縁膜21bからなる積層絶縁膜24bにビア28が形成されている。ビア28の上部には、ストッパ絶縁膜21cおよび低誘電率絶縁膜21cからなる積層絶縁膜24cにCu配線33が形成されている。
【0074】
ここで、ストッパ絶縁膜21cおよび低誘電率絶縁膜22cからなる積層絶縁膜24cにCu配線33を形成するダマシンプロセスについて説明する。なお、Cu配線19およびビア28も同様にして形成できるので、その説明は省略する。
【0075】
図15に示すように、基板1の主面上、すなわち積層絶縁膜24b上に、ストッパ絶縁膜21cを堆積する。次いで、ストッパ絶縁膜21c上に、比誘電率がストッパ絶縁膜21cより低い低誘電率絶縁膜22cを堆積して、ストッパ絶縁膜21cおよび低誘電率絶縁膜22cからなる積層絶縁膜24cを形成する。ここで、低誘電率絶縁膜22cには、主に配線間容量を低減するために、比誘電率が3.0以下の材料が適用される。
【0076】
具体的には、ストッパ絶縁膜21cは、例えばプラズマCVD法によって形成された膜厚30nm程度のSiC膜またはSiCN膜からなり、主に配線に用いられる銅(Cu)などの拡散を防止するものである。また、低誘電率絶縁膜22cは、例えばプラズマCVD法によって形成された膜厚200nm程度、比誘電率が2.7程度のSiOC膜からなる。
【0077】
続いて、積層絶縁膜24c上に、配線溝パターンを有するフォトレジスト膜(図示せず)を形成した後、このフォトレジスト膜をマスクにして低誘電率絶縁膜22cおよびストッパ絶縁膜21cをドライエッチングすることによって積層絶縁膜24cに配線溝32を形成する。次いで、ビア28の上部が露出した状態のまま、還元性プラズマエッチングによってフォトレジスト膜を除去する。このフォトレジスト膜は、積層絶縁膜24cをエッチングするためのマスクであり、積層絶縁膜24cに対してエッチング選択比が高いものが適用される。なお、還元性プラズマエッチングについては前記実施の形態1で説明したので省略する。
【0078】
積層絶縁膜24cに配線溝32を形成するために本発明者が検討した技術を用いた場合、低誘電率絶縁膜22cがマスクとなって、ストッパ絶縁膜21cをドライエッチングすることになり、積層絶縁膜24cの上部にファセットが発生してしまう。本実施の形態2では、前記実施の形態1のように、低誘電率絶縁膜22c上にキャップ絶縁膜23cを設けていない。したがって、キャップ絶縁膜23cより膜密度が低い低誘電率絶縁膜22cがドライエッチングされるため、前記実施の形態1より積層絶縁膜24cにはファセットが発生しやすくなる。
【0079】
しかしながら、本発明では、フォトレジスト膜をマスクにして低誘電率絶縁膜22cおよびストッパ絶縁膜21cをドライエッチングしているので、積層絶縁膜24cの上部にファセットの発生を抑制することができる。特に、配線ピッチが200nm程度以下である場合、ファセットの発生を抑制することで、隣接配線間のショートマージン、あるいは耐圧劣化を防止することができる。
【0080】
続いて、配線溝32の内部にCu(銅)を主体とする金属膜を埋め込み、配線溝32の外部に溢れた金属膜をCMP法で除去することによって、Cu配線33を形成する。すなわち、ストッパ絶縁膜21cおよび低誘電率絶縁膜22cからなる積層絶縁膜24cにCu配線33を、ダマシンプロセスによって形成する。
【0081】
その後、同様に、多層配線構造を形成して、保護膜(パッシベーション膜)で半導体装置の表面を覆うことによって、半導体装置が略完成する。
【0082】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0083】
例えば、前記実施の形態ではシングルダマシンに適用した場合について説明したが、デュアルダマシンに適用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態1に係る製造工程中の半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図2】図1に続く製造工程中の半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図3】図2に続く製造工程中の半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図4】図3に続く製造工程中の半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図5】図4に続く製造工程中の半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図6】図5に続く製造工程中の半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図7】図6に続く製造工程中の半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図8】図7に続く製造工程中の半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図9】図8に続く製造工程中の半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図10】図9に続く製造工程中の半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図11】図10に続く製造工程中の半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図12】図11に続く製造工程中の半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図13】微細隣接配線間のTDDD特性を説明するための図であり、(a)は微細隣接配線の平面形状であり、(b)は(a)の配線間を模式的に示す断面図である。
【図14】TDDB特性の測定結果であり、(a)は本発明を用いた場合、(b)は検討技術を用いた場合である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る半導体装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図16】本発明者が検討した半導体装置の要部を模式的に示す断面図であり、(a)〜(f)は製造過程を示す。
【符号の説明】
【0086】
1 基板
2 素子分離溝
3 酸化シリコン膜
4 p型ウエル
5 n型ウエル
6 ゲート絶縁膜
7 ゲート電極
8 サイドウォールスペーサ
9 Coシリサイド膜
11 n型半導体領域(ソース、ドレイン)
12 p型半導体領域(ソース、ドレイン)
13 窒化シリコン膜
14 酸化シリコン膜
15 接続孔
16 コンタクト(プラグ)
19 Cu配線
20 配線溝
21a、21b、21c ストッパ絶縁膜
22a、22b、22c 低誘電率絶縁膜
23a、23b、23c キャップ絶縁膜
24a、24b、24c 積層絶縁膜
25a、25b、25c フォトレジスト膜
27 接続孔
28 ビア(プラグ)
32 配線溝
33 Cu配線
51 Cu配線
52 酸化シリコン膜
53 ストッパ絶縁膜
54 低誘電率絶縁膜
55 キャップ絶縁膜
56 積層絶縁膜
57 SiCN膜
58、59 酸化シリコン膜
60 窒化シリコン膜
61 Alパッド
101 下層配線
102 ストッパ絶縁膜
103 低誘電率絶縁膜
104 キャップ絶縁膜
105 フォトレジスト膜
106 配線溝
107 ファセット
108 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の主面上に形成され、比誘電率が3.0以下の低誘電率絶縁膜と、
前記低誘電率絶縁膜上に形成され、膜密度が前記低誘電率絶縁膜より高いキャップ絶縁膜と、
前記低誘電率絶縁膜下に形成され、比誘電率が前記低誘電率絶縁膜および前記キャップ絶縁膜より高いストッパ絶縁膜と、
前記ストッパ絶縁膜下に形成された下層配線または下層プラグと、
前記ストッパ絶縁膜、前記低誘電率絶縁膜および前記キャップ絶縁膜を含む積層絶縁膜に形成された溝または孔と、
前記溝または孔に形成された上層配線または上層プラグとを有する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記積層絶縁膜上に、前記溝または孔のパターンを有するフォトレジスト膜を形成する工程と、
(b)前記フォトレジスト膜をマスクとして、前記キャップ絶縁膜をエッチングする工程と、
(c)前記フォトレジスト膜をマスクとして、前記低誘電率絶縁膜をエッチングする工程と、
(d)前記フォトレジスト膜をマスクとして、前記ストッパ絶縁膜をエッチングする工程と、
(e)還元性プラズマ処理によって、前記フォトレジスト膜を除去する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記上層配線は、銅を主体とすることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
隣接する前記上層配線または上層プラグのピッチが、200nm以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記低誘電率絶縁膜は、プラズマCVD法によって形成されたSiOC膜であり、
前記キャップ絶縁膜は、プラズマCVD法によって形成されたSiO膜、または、プラズマCVD法によって形成された比誘電率が2.5〜3.0のSiOC膜であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記ストッパ絶縁膜は、プラズマCVD法によって形成されたSiC膜、または、プラズマCVD法によって形成されたSiCN膜であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記工程(e)では、前記下層配線の表面が露出した状態のまま、還元性プラズマ処理によって前記フォトレジスト膜を除去することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記還元性プラズマ処理は、HまたはNHを主体とし、HeまたはNによって希釈された雰囲気中で行われることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記還元性プラズマ処理を行う際の前記半導体基板の加熱温度は、400℃以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
半導体基板と、
前記半導体基板の主面上に形成され、比誘電率が3.0以下の低誘電率絶縁膜と、
前記低誘電率絶縁膜下に形成され、比誘電率が前記低誘電率絶縁膜より高いストッパ絶縁膜と、
前記ストッパ絶縁膜下に形成された下層配線または下層プラグと、
前記ストッパ絶縁膜および前記低誘電率絶縁膜を含む積層絶縁膜に形成された溝または孔と、
前記溝または孔に形成された上層配線または上層プラグとを有する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記積層絶縁膜上に、前記溝または孔のパターンを有するフォトレジスト膜を形成する工程と、
(b)前記フォトレジスト膜をマスクとして、前記低誘電率絶縁膜をエッチングする工程と、
(c)前記フォトレジスト膜をマスクとして、前記ストッパ絶縁膜をエッチングする工程と、
(d)還元性プラズマ処理によって、前記フォトレジスト膜を除去する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記上層配線は、銅を主体とすることを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
隣接する前記上層配線または上層プラグのピッチが、200nm以下であることを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記低誘電率絶縁膜は、プラズマCVD法によって形成されたSiOC膜であることを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記ストッパ絶縁膜は、プラズマCVD法によって形成されたSiC膜、または、プラズマCVD法によって形成されたSiCN膜であることを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記工程(d)では、前記下層配線の表面が露出した状態のまま、還元性プラズマ処理によって前記フォトレジスト膜を除去することを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記還元性プラズマ処理は、HまたはNHを主体とし、HeまたはNによって希釈された雰囲気中で行われることを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記還元性プラズマ処理を行う際の前記半導体基板の加熱温度は、400℃以下であることを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−220795(P2007−220795A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38100(P2006−38100)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】