半導体装置の製造方法
【課題】半導体装置の層間絶縁膜として用いられる有機SOG膜にコンタクトを形成する際のポイズンドビアの発生を抑制する。
【解決手段】半導体基板42上に配置した複数の下層配線46とその間隙47とを覆って、有機SOG膜を塗布し平坦化する。有機SOG膜をイオン注入により改質し、コンタクトホール56より深い位置まで改質SOG膜52に変える。特に、下層配線46の上からずれて形成されるコンタクトホール56bは、下層配線46の上面より低い位置まで到達する。改質SOG膜52は、このコンタクトホール56bが到達する深さより深い位置まで形成される。この改質SOG膜52の形成後、コンタクトホール56が形成される。コンタクトホール56の内部には、未改質の有機SOG膜50が現れず、プラグ60を埋め込む際にポイズンドビアとなることが防止される。
【解決手段】半導体基板42上に配置した複数の下層配線46とその間隙47とを覆って、有機SOG膜を塗布し平坦化する。有機SOG膜をイオン注入により改質し、コンタクトホール56より深い位置まで改質SOG膜52に変える。特に、下層配線46の上からずれて形成されるコンタクトホール56bは、下層配線46の上面より低い位置まで到達する。改質SOG膜52は、このコンタクトホール56bが到達する深さより深い位置まで形成される。この改質SOG膜52の形成後、コンタクトホール56が形成される。コンタクトホール56の内部には、未改質の有機SOG膜50が現れず、プラグ60を埋め込む際にポイズンドビアとなることが防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に有機SOG(Spin On Glass)膜を用いた層間絶縁膜に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路のさらなる高集積化を実現するために、配線の微細化および多層化を進めることが要求されている。配線の多層化においては各配線層間に設ける層間絶縁膜の表面が平坦でないと、当該層間絶縁膜の上部に形成された配線に段差が生じて断線などの故障が引き起こされる。そのため、層間絶縁膜の表面を平坦化する平坦化技術が重要となる。
【0003】
平坦化を図る上で最も多用される層間絶縁膜としてSOG膜がある。SOGとは、シリコン化合物を有機溶剤に溶解した溶液、および、その溶液から形成される二酸化シリコンを主成分とする膜の総称である。SOG膜を形成するには、まず、シリコン化合物を有機溶剤に溶解した溶液を基板上に滴下して基板を回転させる。すると、当該溶液の被膜は、配線によって形成される基板上の段差に対して、その凹部には厚く、その凸部には薄く、段差を緩和するように形成される。その結果、当該溶液の被膜の表面は平坦化される。次に、熱処理が施されると、有機溶剤が蒸発すると共に重合反応が進行して、表面が平坦なSOG膜が形成される。
【0004】
SOG膜には、シリコン化合物中に有機成分を含まない無機SOG膜と、シリコン化合物中に有機成分を含む有機SOG膜とがある。これらのうち、有機SOG膜は、無機SOG膜に比べ熱処理時におけるクラックの発生が抑制され、膜厚を0.5〜1μm 程度にすることができる。従って、有機SOG膜を用いれば、膜厚の大きな層間絶縁膜を得ることができ、基板上の大きな段差に対しても十分な平坦化が可能である。
【0005】
図9〜図12は、有機SOG膜を層間絶縁膜として用いた従来の半導体装置の製造方法を説明するための、主要な工程での断面図である。この半導体装置では、半導体基板2上に絶縁膜4が形成され、その上に複数の下層配線6が配置される。下層配線6の表面を薄いシリコン酸化膜8で覆った後、有機SOGが塗布される。有機SOGは下層配線6の間隙を埋め、さらに下層配線6の上に厚く積層し、その上面がなだらかに平坦化された有機SOG膜10を形成する(図9)。
【0006】
ここで、有機SOG膜は、密度が低いため、基本的に水分を吸収しやすい性質を有している。また、有機SOG膜は、プラズマに対する耐性が低い。このため、有機SOG膜10に下層配線6に対するコンタクトホールを形成する際にマスクとして用いたレジストを、プラズマエッチングを用いたアッシング処理により除去する工程にて、コンタクトホール内の有機SOG膜の露出面から有機成分が脱離し得る。有機成分が脱離した有機SOG膜の露出面は、水分の吸収が活発になる。この場合、コンタクトホール内に金属材料からなるプラグを形成する際に、有機SOG膜の露出部分から水分が放出されるため、その放出された水分に起因してプラグに空洞が形成されるいわゆるポイズンドビア(poisoned via)現象が発生し得る。その結果、プラグの抵抗値が上昇したり、断線不良などが発生するという不都合がある。
【0007】
そこで、上記した不都合を解消するために、イオン注入により有機SOG膜を改質する技術が提案されている。このイオン注入12により、有機SOG膜10に含まれる有機成分が分解され、高密度化された改質SOG膜14が形成される(図10)。
【0008】
この改質SOG膜14の上にシリコン酸化膜16が形成される(図11)。
【0009】
続いて、シリコン酸化膜16の上にレジストで形成されたエッチングマスクを用いて、改質SOG膜14およびシリコン酸化膜8,16を異方性エッチングし、下層配線6の上面に達するコンタクトホール18を形成する。そして、このコンタクトホール18内に、タングステン(W)、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)などの金属材料を埋め込んでプラグ20を形成する(図12)。
【0010】
ちなみに、既に述べたように有機SOG膜10は比較的厚く塗布できる。このことは平坦化に有利である一方で、イオン注入により改質すべき膜厚も大きくなる。例えば、下層配線6の上には、0.5〜1μm程度の厚みに有機SOG膜が積層される。
【特許文献1】特開2003−234403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
下層配線6に対するコンタクトホール18は基本的には、コンタクトホール18aのようにその底面が下層配線6の上面内に位置するように形成されるので、下層配線6上に存在する有機SOG膜10を改質すれば、ポイズンドビア現象は防止できるはずである。しかし、コンタクトホール18はコンタクトホール18bのように下層配線6上からずれた位置に形成されることもある。この場合、コンタクトホール18bは、例えば、下層配線6の上面より低い位置までオーバーエッチングされ得る。そのため、改質SOG膜14が下層配線6の上面近傍までしか形成されない場合、コンタクトホール18の下部に改質されていない有機SOG膜10が露出し、ポイズンドビアの原因になり得るという問題があった。
【0012】
本発明はこの問題を解決するためになされたものであり、半導体装置の有機SOG膜の改質においてポイズンドビアの発生が好適に抑制される製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、有機SOGを塗布し平坦化して、半導体基板上に形成された配線層及び当該配線層の下地の表面を覆う絶縁膜となる有機SOG膜を形成する工程と、前記有機SOG膜にイオン注入を行うことにより、前記絶縁膜に形成された開口部が到達可能な深さを超える深さまで前記有機SOG膜を改質する改質工程と、前記改質工程後の前記絶縁膜をエッチングして、前記開口部を形成する工程と、を有する方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、開口部が到達可能な深さを超える深さまで有機SOG膜が改質される。ここで、開口部が到達可能な深さは、エッチングストッパとなり得る配線層が存在しない位置での開口部の深さに相当する。この深さより深い位置まで改質SOG膜を形成することで、コンタクトホールの位置が配線層の上面からずれた場合でも、当該コンタクトホールの下部に未改質の有機SOG膜が露出することが防止されるので、ポイズンドビアの発生が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明の実施形態である半導体装置の模式的な断面図である。本半導体装置40では、半導体基板42上に形成されたシリコン酸化膜44を下地として、その上に所定の間隔を隔てて複数の下層配線46が形成される。
【0017】
下層配線46の側面及び上面と、下層配線46の間隙47に露出するシリコン酸化膜44には、シリコン酸化膜48が形成される。なお、シリコン酸化膜48を設けることで、後述する有機SOG膜50が下層配線46及びシリコン酸化膜44に好適に密着し得る。
【0018】
シリコン酸化膜48上には、有機SOG膜50及び改質SOG膜52が、下層配線46の間隙47等の段差を埋め込んで積層される。これらSOG膜50,52の厚みは、改質SOG膜52の表面にて下層配線46の段差の影響が緩和され、上層配線54の形成に十分な平坦性が得られるように設計される。
【0019】
改質SOG膜52は、下層配線46を覆って塗布された有機SOG膜にホウ素イオン(B+)をイオン注入する改質処理によって形成される。その有機SOG膜のうち改質されずに残った部分が図1に示す有機SOG膜50である。イオン注入による改質は有機SOG膜の特性を変化させ、これにより、改質SOG膜52は、イオンが到達せずに当初の状態に留まる有機SOG膜50とは特性に違いを有する。
【0020】
改質SOG膜52をどの程度の厚みに形成するか、換言すれば、当初の有機SOG膜を改質する目的深さは、下層配線46に対するコンタクトホール56が到達し得る深さとの兼ね合いを考慮して設計される。すなわち、コンタクトホール56の内面に有機SOG膜50が露出しないようにしてポイズンドビア現象を防止するために、改質SOG膜52はコンタクトホール56の到達深さより深い位置まで形成される。具体的には、コンタクトホール56aのように、確実に下層配線46上にコンタクトホール56が形成されるならば、改質SOG膜52は基本的に、下層配線46上でのシリコン酸化膜48の表面に達すれば足りるが、実際には、目合わせずれ等によってコンタクトホール56bのように、その形成位置が下層配線46上からずれ得る。コンタクトホール56の形成では、その底面が下層配線46の上面が好適に露出するようにオーバーエッチングが行われる。そのため、コンタクトホールが下層配線46の上からずれた場合には、当該コンタクトホールは下層配線46の上面より低い位置までエッチングされ得る。この場合に対応して、改質SOG膜52は、図1に示すように下層配線46の段差より低い位置まで形成され、具体的には、その深さは、コンタクトホール56のオーバーエッチング量に応じて定められ、コンタクトホール56bが到達し得る深さより深く設定される。
【0021】
改質SOG膜52上には、シリコン酸化膜58が形成される。コンタクトホール56はシリコン酸化膜58の積層後に形成される。コンタクトホール56a,56b内には、チタン(Ti)層と窒化チタン(TiN)層とのバリア層(図示せず)と、そのバリア層を介して形成されたタングステン(W)とを含むプラグ60がそれぞれ形成される。また、プラグ60の上面に接触するように、上層配線54が形成される。
【0022】
次に、半導体装置40の製造方法について説明する。図2〜図8は、半導体装置40の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【0023】
まず、図2に示すように、半導体基板42上に、シリコン酸化膜44を形成する。シリコン酸化膜44の上面に接触するように、複数の下層配線46を相互間に間隙47を設けて配置する。下層配線46は、アルミニウム(Al)などの金属材料で、例えば、約0.5μm前後の厚みに形成される。
【0024】
その後、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、下層配線46の側面及び上面と、シリコン酸化膜44の露出した上面とに、シリコン酸化膜48を薄く堆積する。
【0025】
次に、シリコン酸化膜48の上に、有機SOG膜50aを塗布、成膜する。この有機SOG膜50aは、有機SOGの材料となるシリコン化合物をアルコール系溶媒に溶かした溶液をスピンコート法により塗布することにより行われる。塗布された溶液は、下層配線46相互間の間隙47に入り込み、下層配線46と間隙47との段差を緩和する。当該溶液の被膜の表面を十分に平坦化する上では、溶液の被膜を厚くすることが有効である。有機SOGはこの膜厚を厚くする点で好適であり、一度の塗布で、例えば、下層配線46上にて0.5μm程度の厚みの被膜を形成できる。
【0026】
その後、熱処理により被膜中のアルコール系溶媒を蒸発させ、シリコン化合物の重合反応を進行させて、表面がなだらかに平坦化された有機SOG膜50aが形成される(図3)。
【0027】
次に、イオン注入法による有機SOG膜50aの改質を行う。この有機SOG膜50aの改質は、上述のように、この後に形成されるコンタクトホール56の到達深さを考慮して設定される目的深さまで行われる。
【0028】
例えば、下層配線46の厚みを0.5μm程度とすると、下層配線46上と間隙47との段差も0.5μm程度となる。この段差を平滑化するために下層配線46上にて有機SOG膜50aを0.5μmの厚みに積層すると、間隙47部分での有機SOG膜50aの厚みは1μm程度となる。この例において、目的深さは例えば、0.8μmに設定され得る。
【0029】
このような比較的大きな目的深さに対し、本実施形態の半導体装置の製造方法では、改質処理は複数段階に分けて行われ、例えば、予備改質工程と本改質工程との2段階に分けて行われる。第1段階の予備改質工程では、目的深さより浅い中間深さまでを改質し、第2段階の本改質工程で、目的深さまでを改質する。改質の深さは、イオン注入のエネルギーやイオン種により調節することができる。本実施形態の予備改質工程と本改質工程では、同一のイオン種、例えば、B+イオンをエネルギーを変えて注入する。すなわち、予備改質工程は、本改質工程よりも低いエネルギーでイオン注入を行う。
【0030】
例えば、中間深さは、下層配線46上での有機SOG膜50aの膜厚に応じた値に設定することができる。この場合、予備改質工程にて、間隙47による段差より上に位置する有機SOG膜50aの上部層の膜厚の全部又は大部分が改質され(図4)、本改質工程は、間隙47に充填された有機SOG膜50aを主に改質することができる(図5)。例えば、0.4〜0.5μm程度の中間深さまでの予備改質工程は、70keV程度のエネルギーでB+イオンを注入することで実現可能であり、さらにその下から目的深さ0.8μmまでの本改質工程は、140keV程度のエネルギーでB+イオンを注入することで実現可能である。
【0031】
有機SOG膜50aのうちのB+イオンが注入された部分は、有機成分が含まれず、かつ、水分および水酸基がわずかしか含まれない高密度化された改質SOG膜に改質される。このようにして、予備改質工程にて、上部改質SOG膜52uが形成され(図4)、本改質工程にて、下部改質SOG膜52dが形成され(図5)、これら上部改質SOG膜52uと下部改質SOG膜52dとによって図1に示す改質SOG膜52が構成される。
【0032】
有機SOG膜50aのうち間隙47により形成される段差の上端より上の部分(以下、上部層と称する)は、その下が下層配線46であるか間隙47であるかの相違による影響が小さく、基本的に一様な層を構成する。上述のように、上部改質SOG膜52uはこの上部層の全部又は大半の膜厚を改質して形成される。一方、下部改質SOG膜52dは有機SOG膜50aのうち上部改質SOG膜52uより下に残る部分である下部層50bを改質して形成される。この下部層50bは、下層配線46と間隙47とに応じた凹凸を有し、上部層より不均一性が大きい。このことから、予備改質工程にて発生する上部層内でのストレスの不均一性は、本改質工程にて発生する下部層でのストレスの不均一性に比べて小さく、上部改質SOG膜52uでは、上部層及び下部層を一度に改質する場合に比べてクラックが発生しにくいことが期待できる。
【0033】
なお、予備改質工程にて改質する膜厚は上部層の全部でなくてもよいが、当該膜厚が小さくなるほど、本改質工程にて改質すべき下部層50bの膜厚が増加して、本改質工程で生じる下部層のストレスの不均一性が大きくなり、その影響を受けて上部改質SOG膜52uにクラックが発生しやすくなることが考えられる。一方、予備改質工程にて改質する膜厚を過度に増加させると、やはり上部改質SOG膜52uにクラックが発生しやすくなると考えられる。すなわち、予備改質工程にて改質する具体的な膜厚は、このトレードオフの関係下にてクラックが発生しない範囲内で任意に設定することができる。
【0034】
次に、図6に示すように、プラズマCVD法を用いて、改質SOG膜52(上部改質SOG膜52u)の上面上に、シリコン酸化膜58を形成する。そして、シリコン酸化膜58の上面を、CMP法を用いて研磨することにより平坦化する。
【0035】
このシリコン酸化膜58上に、フォトリソグラフィー技術を用いて、パターン化されたレジスト70を形成する。そして、このレジスト70をマスクとして、異方性エッチング技術を用いて、コンタクトホール56を形成する(図7)。
【0036】
コンタクトホール56の形成後、レジスト70をプラズマエッチングを用いたアッシング処理により除去する。そして、コンタクトホール56内に、プラグ60を形成する。プラグ60は、コンタクトホール56の内壁面を覆うバリア層と、当該バリア層の内側の開口部を埋めるタングステン(W)とで構成される。バリア層は、スパッタ法により堆積されたTi膜と、その上にさらにCVD法により堆積されたTiN膜とで形成される。バリア層の形成後、コンタクトホール56内にCVD法でタングステン(W)を堆積する。そして、表面を、CMP法を用いてシリコン酸化膜58の上面が露出するまで研磨する。これにより、図8に示すような、下層配線46と接続されるプラグ60が形成される。
【0037】
最後に、シリコン酸化膜58及びプラグ60の上面上とに、金属膜(図示せず)を堆積した後、フォトリソグラフィー技術及び異方性エッチング技術を用いてその金属膜をパターニングすることによって、図1に示したような、上層配線54を形成する。このようにして、半導体装置40が完成される(図8)。
【0038】
なお、本実施形態では、有機SOG膜の改質を2回の改質工程で行ったが、さらに多くの回数の改質工程に分けて行っても良い。一方、上述の実施形態ではクラックの発生を抑制する観点から改質工程を複数回に分けて行う例を示したが、クラックの発生等の問題がなければ、コンタクトホール56が到達可能な深さを超える深さまで、有機SOG膜50aを一度に改質してもよい。そのような場合として例えば、改質すべき有機SOG膜の厚みが比較的薄い場合が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態である半導体装置の模式的な断面図である。
【図2】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図3】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図4】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図5】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図6】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図7】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図8】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図9】有機SOG膜を層間絶縁膜として用いた従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図10】有機SOG膜を層間絶縁膜として用いた従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図11】有機SOG膜を層間絶縁膜として用いた従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図12】有機SOG膜を層間絶縁膜として用いた従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0040】
40 半導体装置、42 半導体基板、44 シリコン酸化膜、46 下層配線、47 間隙、48 シリコン酸化膜、50,50a 有機SOG膜、50b 下層部、52 改質SOG膜、52u 上部改質SOG膜、52d 下部改質SOG膜、54 上層配線、56,56a,56b コンタクトホール、58 シリコン酸化膜、60 プラグ、70 レジスト。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に有機SOG(Spin On Glass)膜を用いた層間絶縁膜に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路のさらなる高集積化を実現するために、配線の微細化および多層化を進めることが要求されている。配線の多層化においては各配線層間に設ける層間絶縁膜の表面が平坦でないと、当該層間絶縁膜の上部に形成された配線に段差が生じて断線などの故障が引き起こされる。そのため、層間絶縁膜の表面を平坦化する平坦化技術が重要となる。
【0003】
平坦化を図る上で最も多用される層間絶縁膜としてSOG膜がある。SOGとは、シリコン化合物を有機溶剤に溶解した溶液、および、その溶液から形成される二酸化シリコンを主成分とする膜の総称である。SOG膜を形成するには、まず、シリコン化合物を有機溶剤に溶解した溶液を基板上に滴下して基板を回転させる。すると、当該溶液の被膜は、配線によって形成される基板上の段差に対して、その凹部には厚く、その凸部には薄く、段差を緩和するように形成される。その結果、当該溶液の被膜の表面は平坦化される。次に、熱処理が施されると、有機溶剤が蒸発すると共に重合反応が進行して、表面が平坦なSOG膜が形成される。
【0004】
SOG膜には、シリコン化合物中に有機成分を含まない無機SOG膜と、シリコン化合物中に有機成分を含む有機SOG膜とがある。これらのうち、有機SOG膜は、無機SOG膜に比べ熱処理時におけるクラックの発生が抑制され、膜厚を0.5〜1μm 程度にすることができる。従って、有機SOG膜を用いれば、膜厚の大きな層間絶縁膜を得ることができ、基板上の大きな段差に対しても十分な平坦化が可能である。
【0005】
図9〜図12は、有機SOG膜を層間絶縁膜として用いた従来の半導体装置の製造方法を説明するための、主要な工程での断面図である。この半導体装置では、半導体基板2上に絶縁膜4が形成され、その上に複数の下層配線6が配置される。下層配線6の表面を薄いシリコン酸化膜8で覆った後、有機SOGが塗布される。有機SOGは下層配線6の間隙を埋め、さらに下層配線6の上に厚く積層し、その上面がなだらかに平坦化された有機SOG膜10を形成する(図9)。
【0006】
ここで、有機SOG膜は、密度が低いため、基本的に水分を吸収しやすい性質を有している。また、有機SOG膜は、プラズマに対する耐性が低い。このため、有機SOG膜10に下層配線6に対するコンタクトホールを形成する際にマスクとして用いたレジストを、プラズマエッチングを用いたアッシング処理により除去する工程にて、コンタクトホール内の有機SOG膜の露出面から有機成分が脱離し得る。有機成分が脱離した有機SOG膜の露出面は、水分の吸収が活発になる。この場合、コンタクトホール内に金属材料からなるプラグを形成する際に、有機SOG膜の露出部分から水分が放出されるため、その放出された水分に起因してプラグに空洞が形成されるいわゆるポイズンドビア(poisoned via)現象が発生し得る。その結果、プラグの抵抗値が上昇したり、断線不良などが発生するという不都合がある。
【0007】
そこで、上記した不都合を解消するために、イオン注入により有機SOG膜を改質する技術が提案されている。このイオン注入12により、有機SOG膜10に含まれる有機成分が分解され、高密度化された改質SOG膜14が形成される(図10)。
【0008】
この改質SOG膜14の上にシリコン酸化膜16が形成される(図11)。
【0009】
続いて、シリコン酸化膜16の上にレジストで形成されたエッチングマスクを用いて、改質SOG膜14およびシリコン酸化膜8,16を異方性エッチングし、下層配線6の上面に達するコンタクトホール18を形成する。そして、このコンタクトホール18内に、タングステン(W)、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)などの金属材料を埋め込んでプラグ20を形成する(図12)。
【0010】
ちなみに、既に述べたように有機SOG膜10は比較的厚く塗布できる。このことは平坦化に有利である一方で、イオン注入により改質すべき膜厚も大きくなる。例えば、下層配線6の上には、0.5〜1μm程度の厚みに有機SOG膜が積層される。
【特許文献1】特開2003−234403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
下層配線6に対するコンタクトホール18は基本的には、コンタクトホール18aのようにその底面が下層配線6の上面内に位置するように形成されるので、下層配線6上に存在する有機SOG膜10を改質すれば、ポイズンドビア現象は防止できるはずである。しかし、コンタクトホール18はコンタクトホール18bのように下層配線6上からずれた位置に形成されることもある。この場合、コンタクトホール18bは、例えば、下層配線6の上面より低い位置までオーバーエッチングされ得る。そのため、改質SOG膜14が下層配線6の上面近傍までしか形成されない場合、コンタクトホール18の下部に改質されていない有機SOG膜10が露出し、ポイズンドビアの原因になり得るという問題があった。
【0012】
本発明はこの問題を解決するためになされたものであり、半導体装置の有機SOG膜の改質においてポイズンドビアの発生が好適に抑制される製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、有機SOGを塗布し平坦化して、半導体基板上に形成された配線層及び当該配線層の下地の表面を覆う絶縁膜となる有機SOG膜を形成する工程と、前記有機SOG膜にイオン注入を行うことにより、前記絶縁膜に形成された開口部が到達可能な深さを超える深さまで前記有機SOG膜を改質する改質工程と、前記改質工程後の前記絶縁膜をエッチングして、前記開口部を形成する工程と、を有する方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、開口部が到達可能な深さを超える深さまで有機SOG膜が改質される。ここで、開口部が到達可能な深さは、エッチングストッパとなり得る配線層が存在しない位置での開口部の深さに相当する。この深さより深い位置まで改質SOG膜を形成することで、コンタクトホールの位置が配線層の上面からずれた場合でも、当該コンタクトホールの下部に未改質の有機SOG膜が露出することが防止されるので、ポイズンドビアの発生が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明の実施形態である半導体装置の模式的な断面図である。本半導体装置40では、半導体基板42上に形成されたシリコン酸化膜44を下地として、その上に所定の間隔を隔てて複数の下層配線46が形成される。
【0017】
下層配線46の側面及び上面と、下層配線46の間隙47に露出するシリコン酸化膜44には、シリコン酸化膜48が形成される。なお、シリコン酸化膜48を設けることで、後述する有機SOG膜50が下層配線46及びシリコン酸化膜44に好適に密着し得る。
【0018】
シリコン酸化膜48上には、有機SOG膜50及び改質SOG膜52が、下層配線46の間隙47等の段差を埋め込んで積層される。これらSOG膜50,52の厚みは、改質SOG膜52の表面にて下層配線46の段差の影響が緩和され、上層配線54の形成に十分な平坦性が得られるように設計される。
【0019】
改質SOG膜52は、下層配線46を覆って塗布された有機SOG膜にホウ素イオン(B+)をイオン注入する改質処理によって形成される。その有機SOG膜のうち改質されずに残った部分が図1に示す有機SOG膜50である。イオン注入による改質は有機SOG膜の特性を変化させ、これにより、改質SOG膜52は、イオンが到達せずに当初の状態に留まる有機SOG膜50とは特性に違いを有する。
【0020】
改質SOG膜52をどの程度の厚みに形成するか、換言すれば、当初の有機SOG膜を改質する目的深さは、下層配線46に対するコンタクトホール56が到達し得る深さとの兼ね合いを考慮して設計される。すなわち、コンタクトホール56の内面に有機SOG膜50が露出しないようにしてポイズンドビア現象を防止するために、改質SOG膜52はコンタクトホール56の到達深さより深い位置まで形成される。具体的には、コンタクトホール56aのように、確実に下層配線46上にコンタクトホール56が形成されるならば、改質SOG膜52は基本的に、下層配線46上でのシリコン酸化膜48の表面に達すれば足りるが、実際には、目合わせずれ等によってコンタクトホール56bのように、その形成位置が下層配線46上からずれ得る。コンタクトホール56の形成では、その底面が下層配線46の上面が好適に露出するようにオーバーエッチングが行われる。そのため、コンタクトホールが下層配線46の上からずれた場合には、当該コンタクトホールは下層配線46の上面より低い位置までエッチングされ得る。この場合に対応して、改質SOG膜52は、図1に示すように下層配線46の段差より低い位置まで形成され、具体的には、その深さは、コンタクトホール56のオーバーエッチング量に応じて定められ、コンタクトホール56bが到達し得る深さより深く設定される。
【0021】
改質SOG膜52上には、シリコン酸化膜58が形成される。コンタクトホール56はシリコン酸化膜58の積層後に形成される。コンタクトホール56a,56b内には、チタン(Ti)層と窒化チタン(TiN)層とのバリア層(図示せず)と、そのバリア層を介して形成されたタングステン(W)とを含むプラグ60がそれぞれ形成される。また、プラグ60の上面に接触するように、上層配線54が形成される。
【0022】
次に、半導体装置40の製造方法について説明する。図2〜図8は、半導体装置40の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【0023】
まず、図2に示すように、半導体基板42上に、シリコン酸化膜44を形成する。シリコン酸化膜44の上面に接触するように、複数の下層配線46を相互間に間隙47を設けて配置する。下層配線46は、アルミニウム(Al)などの金属材料で、例えば、約0.5μm前後の厚みに形成される。
【0024】
その後、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、下層配線46の側面及び上面と、シリコン酸化膜44の露出した上面とに、シリコン酸化膜48を薄く堆積する。
【0025】
次に、シリコン酸化膜48の上に、有機SOG膜50aを塗布、成膜する。この有機SOG膜50aは、有機SOGの材料となるシリコン化合物をアルコール系溶媒に溶かした溶液をスピンコート法により塗布することにより行われる。塗布された溶液は、下層配線46相互間の間隙47に入り込み、下層配線46と間隙47との段差を緩和する。当該溶液の被膜の表面を十分に平坦化する上では、溶液の被膜を厚くすることが有効である。有機SOGはこの膜厚を厚くする点で好適であり、一度の塗布で、例えば、下層配線46上にて0.5μm程度の厚みの被膜を形成できる。
【0026】
その後、熱処理により被膜中のアルコール系溶媒を蒸発させ、シリコン化合物の重合反応を進行させて、表面がなだらかに平坦化された有機SOG膜50aが形成される(図3)。
【0027】
次に、イオン注入法による有機SOG膜50aの改質を行う。この有機SOG膜50aの改質は、上述のように、この後に形成されるコンタクトホール56の到達深さを考慮して設定される目的深さまで行われる。
【0028】
例えば、下層配線46の厚みを0.5μm程度とすると、下層配線46上と間隙47との段差も0.5μm程度となる。この段差を平滑化するために下層配線46上にて有機SOG膜50aを0.5μmの厚みに積層すると、間隙47部分での有機SOG膜50aの厚みは1μm程度となる。この例において、目的深さは例えば、0.8μmに設定され得る。
【0029】
このような比較的大きな目的深さに対し、本実施形態の半導体装置の製造方法では、改質処理は複数段階に分けて行われ、例えば、予備改質工程と本改質工程との2段階に分けて行われる。第1段階の予備改質工程では、目的深さより浅い中間深さまでを改質し、第2段階の本改質工程で、目的深さまでを改質する。改質の深さは、イオン注入のエネルギーやイオン種により調節することができる。本実施形態の予備改質工程と本改質工程では、同一のイオン種、例えば、B+イオンをエネルギーを変えて注入する。すなわち、予備改質工程は、本改質工程よりも低いエネルギーでイオン注入を行う。
【0030】
例えば、中間深さは、下層配線46上での有機SOG膜50aの膜厚に応じた値に設定することができる。この場合、予備改質工程にて、間隙47による段差より上に位置する有機SOG膜50aの上部層の膜厚の全部又は大部分が改質され(図4)、本改質工程は、間隙47に充填された有機SOG膜50aを主に改質することができる(図5)。例えば、0.4〜0.5μm程度の中間深さまでの予備改質工程は、70keV程度のエネルギーでB+イオンを注入することで実現可能であり、さらにその下から目的深さ0.8μmまでの本改質工程は、140keV程度のエネルギーでB+イオンを注入することで実現可能である。
【0031】
有機SOG膜50aのうちのB+イオンが注入された部分は、有機成分が含まれず、かつ、水分および水酸基がわずかしか含まれない高密度化された改質SOG膜に改質される。このようにして、予備改質工程にて、上部改質SOG膜52uが形成され(図4)、本改質工程にて、下部改質SOG膜52dが形成され(図5)、これら上部改質SOG膜52uと下部改質SOG膜52dとによって図1に示す改質SOG膜52が構成される。
【0032】
有機SOG膜50aのうち間隙47により形成される段差の上端より上の部分(以下、上部層と称する)は、その下が下層配線46であるか間隙47であるかの相違による影響が小さく、基本的に一様な層を構成する。上述のように、上部改質SOG膜52uはこの上部層の全部又は大半の膜厚を改質して形成される。一方、下部改質SOG膜52dは有機SOG膜50aのうち上部改質SOG膜52uより下に残る部分である下部層50bを改質して形成される。この下部層50bは、下層配線46と間隙47とに応じた凹凸を有し、上部層より不均一性が大きい。このことから、予備改質工程にて発生する上部層内でのストレスの不均一性は、本改質工程にて発生する下部層でのストレスの不均一性に比べて小さく、上部改質SOG膜52uでは、上部層及び下部層を一度に改質する場合に比べてクラックが発生しにくいことが期待できる。
【0033】
なお、予備改質工程にて改質する膜厚は上部層の全部でなくてもよいが、当該膜厚が小さくなるほど、本改質工程にて改質すべき下部層50bの膜厚が増加して、本改質工程で生じる下部層のストレスの不均一性が大きくなり、その影響を受けて上部改質SOG膜52uにクラックが発生しやすくなることが考えられる。一方、予備改質工程にて改質する膜厚を過度に増加させると、やはり上部改質SOG膜52uにクラックが発生しやすくなると考えられる。すなわち、予備改質工程にて改質する具体的な膜厚は、このトレードオフの関係下にてクラックが発生しない範囲内で任意に設定することができる。
【0034】
次に、図6に示すように、プラズマCVD法を用いて、改質SOG膜52(上部改質SOG膜52u)の上面上に、シリコン酸化膜58を形成する。そして、シリコン酸化膜58の上面を、CMP法を用いて研磨することにより平坦化する。
【0035】
このシリコン酸化膜58上に、フォトリソグラフィー技術を用いて、パターン化されたレジスト70を形成する。そして、このレジスト70をマスクとして、異方性エッチング技術を用いて、コンタクトホール56を形成する(図7)。
【0036】
コンタクトホール56の形成後、レジスト70をプラズマエッチングを用いたアッシング処理により除去する。そして、コンタクトホール56内に、プラグ60を形成する。プラグ60は、コンタクトホール56の内壁面を覆うバリア層と、当該バリア層の内側の開口部を埋めるタングステン(W)とで構成される。バリア層は、スパッタ法により堆積されたTi膜と、その上にさらにCVD法により堆積されたTiN膜とで形成される。バリア層の形成後、コンタクトホール56内にCVD法でタングステン(W)を堆積する。そして、表面を、CMP法を用いてシリコン酸化膜58の上面が露出するまで研磨する。これにより、図8に示すような、下層配線46と接続されるプラグ60が形成される。
【0037】
最後に、シリコン酸化膜58及びプラグ60の上面上とに、金属膜(図示せず)を堆積した後、フォトリソグラフィー技術及び異方性エッチング技術を用いてその金属膜をパターニングすることによって、図1に示したような、上層配線54を形成する。このようにして、半導体装置40が完成される(図8)。
【0038】
なお、本実施形態では、有機SOG膜の改質を2回の改質工程で行ったが、さらに多くの回数の改質工程に分けて行っても良い。一方、上述の実施形態ではクラックの発生を抑制する観点から改質工程を複数回に分けて行う例を示したが、クラックの発生等の問題がなければ、コンタクトホール56が到達可能な深さを超える深さまで、有機SOG膜50aを一度に改質してもよい。そのような場合として例えば、改質すべき有機SOG膜の厚みが比較的薄い場合が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態である半導体装置の模式的な断面図である。
【図2】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図3】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図4】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図5】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図6】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図7】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図8】図1に示した半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図9】有機SOG膜を層間絶縁膜として用いた従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図10】有機SOG膜を層間絶縁膜として用いた従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図11】有機SOG膜を層間絶縁膜として用いた従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【図12】有機SOG膜を層間絶縁膜として用いた従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0040】
40 半導体装置、42 半導体基板、44 シリコン酸化膜、46 下層配線、47 間隙、48 シリコン酸化膜、50,50a 有機SOG膜、50b 下層部、52 改質SOG膜、52u 上部改質SOG膜、52d 下部改質SOG膜、54 上層配線、56,56a,56b コンタクトホール、58 シリコン酸化膜、60 プラグ、70 レジスト。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成された配線層と、前記配線層及び当該配線層の下地の上を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜に形成された開口部に埋め込まれ前記配線層の上面に接触する埋込電極とを備えた半導体装置の製造方法において、
有機SOGを塗布し平坦化して、前記絶縁膜となる有機SOG膜を形成する工程と、
前記有機SOG膜にイオン注入を行うことにより、前記開口部が到達可能な深さを超える深さまで前記有機SOG膜を改質する改質工程と、
前記改質工程後の前記絶縁膜をエッチングして、前記開口部を形成する工程と、
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の厚みの途中深さまで形成された開口部と、前記開口部に埋め込まれた埋込金属部とを備えた半導体装置の製造方法において、
有機SOGを塗布し平坦化して、前記絶縁膜となる有機SOG膜を形成する工程と、
前記有機SOG膜にイオン注入を行うことにより、前記開口部が到達可能な深さを超える深さまで前記有機SOG膜を改質する改質工程と、
前記改質工程後の前記絶縁膜をエッチングして、前記開口部を形成する工程と、
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項1】
半導体基板上に形成された配線層と、前記配線層及び当該配線層の下地の上を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜に形成された開口部に埋め込まれ前記配線層の上面に接触する埋込電極とを備えた半導体装置の製造方法において、
有機SOGを塗布し平坦化して、前記絶縁膜となる有機SOG膜を形成する工程と、
前記有機SOG膜にイオン注入を行うことにより、前記開口部が到達可能な深さを超える深さまで前記有機SOG膜を改質する改質工程と、
前記改質工程後の前記絶縁膜をエッチングして、前記開口部を形成する工程と、
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の厚みの途中深さまで形成された開口部と、前記開口部に埋め込まれた埋込金属部とを備えた半導体装置の製造方法において、
有機SOGを塗布し平坦化して、前記絶縁膜となる有機SOG膜を形成する工程と、
前記有機SOG膜にイオン注入を行うことにより、前記開口部が到達可能な深さを超える深さまで前記有機SOG膜を改質する改質工程と、
前記改質工程後の前記絶縁膜をエッチングして、前記開口部を形成する工程と、
を有することを特徴とする製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−64858(P2009−64858A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−229780(P2007−229780)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(506227884)三洋半導体株式会社 (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(506227884)三洋半導体株式会社 (1,155)
【Fターム(参考)】
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