説明

半導体装置及びその製造方法並びに積層型半導体装置

【課題】貫通電極と直接に接続される配線の信頼性を向上できるようにする。
【解決手段】半導体装置100は、貫通孔1Aを有する半導体基板1と、半導体基板1の上に形成された第2層間絶縁膜7bと、第2層間絶縁膜7bに貫通孔1Aを覆うように形成された第1の外部接続用配線8aと、第2層間絶縁膜7bの上に、第1の外部接続用配線8aを覆うように形成された第3層間絶縁膜7cと、第3層間絶縁膜7cにおける第1の外部接続用配線8aの上側部分に形成された第2の外部接続用配線8bと、貫通孔1Aにおける少なくとも内壁面に形成されると共に、各外部接続用配線8a、8bとそれぞれ電気的に接続される貫通電極15Aとを備えている。第1の外部接続用配線8aは、複数の孔部19aを有し、第2の外部接続用配線8bは、第1の外部接続用配線8aの孔部19aを覆うように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、貫通電極を有する半導体装置及びその製造方法並びに積層型半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、性能向上及び占有面積の削減を目的として、システムLSI(Large Scale Integration)及びDRAM(Dynamic Random Access Memory)等を積層して、1パッケージ化した積層型半導体装置の開発及び量産が広く行われている。
【0003】
従来の積層型半導体装置は、積層した半導体装置(半導体チップ)同士の間を樹脂基板を介してワイヤボンディングにより接続している。このため、半導体装置同士の間の引き回し配線が長くなって遅延時間が大きくなり、また、積層型半導体装置自体の占有面積が大きくなるなど、その効果は限定的である。
【0004】
その解決策として、特許文献1に示されるように、半導体装置同士の間を、あらかじめ半導体装置に形成した貫通電極、例えばシリコン貫通電極(Through Silicon Via:TSV)によって接続する技術が開発されている。この技術を用いることにより、積層された半導体装置同士の間を最短距離で接続することができる。その結果、積層型半導体装置の性能の向上を図ることができ、且つ引き回し配線分の占有面積を削減できるため、該半導体装置の小型化にも有効となる。
【0005】
図15に示すように、特許文献1に記載された、従来の貫通電極を有する半導体装置200は、回路形成面にトランジスタ等の活性素子及び配線層により構成される回路が形成されている。さらに、シリコン基板201を薄くした上で、該シリコン基板201の裏面から第1の配線層203a、203bに達する貫通孔を形成し、形成した貫通孔の壁面に導電層を形成することにより、貫通電極207を構成している。
【0006】
シリコン基板201の裏面にも貫通電極207から延びる配線層が形成されており、該配線層は、他の半導体装置と接続するためのバンプ208と貫通電極207との間を引き回す配線として用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−295676号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の貫通電極を有する半導体装置は、貫通電極と直接に接続される第1の配線層及びその上の配線層において不具合が生じる。すなわち、貫通電極と直接に接続される配線の大きさが、例えば1辺が5μmの正方形状である場合に、その面積は25μmと極めて大きくなる。このため、面積が大きい配線を形成する際に、例えばダマシン法を用いると、絶縁膜上の不要な配線材料である銅(Cu)を化学機械研磨(Cu−CMP)法により除去する際に、ディッシングが生じ、配線の中央部分の厚さが薄くなることがある。このため、配線に所定の厚さを得られないことから、半導体装置の歩留まりが低下したり、さらには動作不良が生じたりする。
【0009】
一般に、面積が比較的に大きい配線パターンにおいて、CMPを行う際に生じるディッシングを防ぐには、配線層を一様なパターンとするのではなく、網目(メッシュ)状等にして、面積が大きい配線パターンの中に非金属部分を設ける。これにより、配線パターンが一様な大面積パターンとなることを避けることができ、ディッシングが防止される。
【0010】
ところが、半導体基板の裏面から貫通電極を形成する場合は、貫通電極と直接に接続される配線(第1の配線層)が、貫通孔の形成時にはエッチストップ層となる。このため、貫通孔の直径よりも大きい領域にわたって、一様な金属膜を形成する必要がある。これにより、ディッシングの発生を避けることができず、貫通電極と接続される配線の信頼性が低下するという問題がある。
【0011】
本発明は、前記の問題を解決し、貫通電極と直接に接続される配線の信頼性を向上できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するため、本発明は、半導体装置を、貫通電極と直接に接続される配線として、下層の絶縁膜に形成される孔部を有する第1の配線と、その上層に形成され第1の配線の孔部を覆う(塞ぐ)ように形成された第2の配線とを用いる構成とする。
【0013】
具体的に、本発明に係る半導体装置は、表裏方向に貫通する貫通孔を有する半導体基板と、半導体基板の上に形成された第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜に貫通孔を覆うように形成された第1の配線と、第1の絶縁膜の上に、第1の配線を覆うように形成された第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜における第1の配線の上側部分に形成された第2の配線と、貫通孔における少なくとも内壁面に形成されると共に、第1の配線及び第2の配線とそれぞれ電気的に接続される貫通電極とを備え、第1の配線は1つ又は複数の第1の孔部を有し、第2の配線は第1の配線の第1の孔部を覆うように形成されている。
【0014】
本発明の半導体装置によると、貫通電極は、貫通孔における少なくとも内壁面に形成されると共に、第1の配線及び第2の配線とそれぞれ電気的に接続される。その上、第1の配線は1つ又は複数の第1の孔部を有し、第2の配線は第1の配線の第1の孔部を覆うように形成されている。このように、第1の配線は1つ又は複数の孔部を有しているため、該配線のCMP等による形成時に生じるディッシングを防止することができる。また、第1の配線に孔部を設けても、貫通電極は該第1の配線の上に形成される第2の配線と電気的に接続されるので低抵抗を維持できる。その結果、貫通電極と直接に接続される配線の信頼性を向上することができる。
【0015】
本発明の半導体装置は、半導体基板に形成された活性素子をさらに備えていることが好ましい。
【0016】
本発明の半導体装置において、第2の配線は、貫通電極の上側の領域において互いに分離した複数の配線を含み、第2の配線を構成する複数の配線のそれぞれの平面積は、複数の第1の孔部のそれぞれの開口面積よりも大きいことが好ましい。
【0017】
このようにすると、貫通孔を形成する際のエッチング時に、第2の配線層をより確実にエッチストップ層とすることができる。
【0018】
この場合に、第1の孔部及び第2の配線の少なくとも一方は、平面多角形状であってもよい。
【0019】
さらにこの場合に、第1の孔部及び第2の配線の少なくとも一方は、平面四角形状であってもよい。
【0020】
本発明の半導体装置において、第2の配線は、貫通電極の上を覆う1つの配線からなり、且つ、第1の配線の第1の孔部と重ならない領域に形成された第2の孔部を有していてもよい。
【0021】
このようにすると、貫通電極と接続される第2の配線の体積が大きくなるため、貫通電極の全体としての熱抵抗を低減することが可能となる。
【0022】
この場合に、第1の孔部及び第2の孔部は、平面四角形状であってもよい。
【0023】
本発明の半導体装置において、第1の孔部は平面長方形状であり、且つ長手方向の端部は、貫通孔の端部と重なる位置に形成されていてもよい。
【0024】
このようにすると、貫通電極と第1の配線及び第2の配線との接触面積を大きく取ることができるため、貫通電極と各配線層との低抵抗化が可能となる。
【0025】
本発明の半導体装置において、第1の配線の幅は、貫通孔の開口幅よりも大きいことが好ましい。
【0026】
このようにすると、貫通孔を形成する際のエッチング時に、第1の配線層をより確実にエッチストップ層とすることができる。
【0027】
本発明に係る積層型半導体装置は、第1の半導体基板に形成された第1の半導体装置と、第1の半導体装置の上に積層されて固着され、第2の半導体基板に形成された第2の半導体装置とを備え、第1の半導体装置及び第2の半導体装置の少なくとも一方は、本発明に係る半導体装置である。
【0028】
本発明の積層型半導体装置によると、本発明に係る貫通電極を有する半導体装置を含むため、信頼性が高い積層型半導体装置を得ることができる。
【0029】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の上に第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、第1の絶縁膜に第1の配線を形成する工程(b)と、第1の絶縁膜の上に第2の絶縁膜を形成する工程(c)と、第2の絶縁膜に第2の配線を形成する工程(d)と、半導体基板における第1の絶縁膜と反対側の面から、第1の配線及び第2の配線と電気的に接続される貫通電極を形成する工程(e)とを備え、工程(b)において、第1の配線に1つ又は複数の第1の孔部を形成する工程を含み、工程(d)において、第2の配線は第1の配線の第1の孔部を覆うように形成する。
【0030】
本発明の半導体装置の製造方法によると、第1の配線を形成する工程において、1つ又は複数の第1の孔部を形成し、また、第2の配線を形成する工程において、第2の配線は第1の配線の第1の孔部を覆うように形成する。このため、貫通電極を形成する工程において、第1の配線は1つ又は複数の孔部を有しているので、該配線のCMP等による形成時に生じるディッシングを防止することができる。また、第1の配線に孔部を設けても、貫通電極は該第1の配線の上に形成される第2の配線と電気的に接続されるので低抵抗を維持できる。その結果、貫通電極と直接に接続される配線の信頼性を向上することができる。
【0031】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(a)よりも前に、半導体基板における貫通孔の形成領域を除く領域に、活性素子を形成する工程(f)をさらに備えていることが好ましい。
【0032】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(e)において、貫通電極は、半導体基板における第1の絶縁膜と反対側の面から、半導体基板を貫通すると共に、第1の配線の第1の孔部から第2の配線を露出する貫通孔を形成し、形成した貫通孔に導電材料を埋め込むことにより形成してもよい。
【0033】
このようにすると、貫通孔を形成する際のエッチング時に、第1の配線層及び第2の配線層をエッチストップ層とすることができる。
【0034】
この場合に、工程(e)において、貫通孔はドライエッチングにより形成することが好ましい。
【0035】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(d)において、第2の配線は、貫通電極の上側の領域において互いに分離した複数の配線として形成し、第2の配線の複数の配線のそれぞれの平面積は、複数の第1の孔部のそれぞれの開口面積よりも大きく形成することが好ましい。
【0036】
このようにすると、貫通孔を形成する際のエッチング時に、第2の配線層をより確実にエッチストップ層とすることができる。
【0037】
この場合に、工程(b)において、第1の配線の第1の孔部は、平面四角形状に形成し、工程(d)において、第2の配線の複数の配線の少なくとも1つは、平面四角形状に形成してもよい。
【0038】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(d)において、第2の配線は、貫通電極の上側の領域を覆う1つの配線として形成し、第1の配線の第1の孔部と重ならない領域に第2の孔部を形成してもよい。
【0039】
このようにすると、貫通電極と接続される第2の配線の体積が大きくなるため、貫通電極の全体としての熱抵抗を低減することが可能となる。
【0040】
この場合に、工程(b)において、第1の配線の第1の孔部は、平面四角形状に形成し、工程(d)において、第2の配線の第2の孔部は、平面四角形状に形成してもよい。
【0041】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(b)において、第1の孔部は、平面長方形状に形成し、第1の孔部の長手方向の端部は、貫通孔の端部と重なるように形成してもよい。
【0042】
このようにすると、貫通電極と第1の配線及び第2の配線との接触面積を大きくとることができるため、貫通電極と各配線層との低抵抗化が可能となる。
【0043】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(b)において、第1の配線の幅は、貫通孔の開口幅よりも大きく形成してもよい。
【0044】
このようにすると、貫通孔を形成する際のエッチング時に、第1の配線層をより確実にエッチストップ層とすることができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法並びに積層型半導体装置によると、貫通電極と直接に接続される配線の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1(a)本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図1(b)及び図1(c)は第1の実施形態に係る半導体装置を構成する貫通電極と直接に接続される外部接続用配線を示す平面図である。
【図2】図2(a)〜図2(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の断面図である。
【図3】図3(a)〜図3(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の断面図である。
【図4】図4(a)〜図4(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の断面図である。
【図5】図5(a)〜図5(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の断面図である。
【図6】図6(a)〜図6(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の断面図である。
【図7】図7(a)及び図7(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を構成する貫通電極の他の例を示す断面図である。
【図8】図8(a)及び図8(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を構成する貫通電極と直接に接続される外部接続用配線の他の例を示す断面図である。
【図9】図9(a)〜図9(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を構成する貫通電極と直接に接続される外部接続用配線の孔部の他の例を示す断面図である。
【図10】図10(a)及び図10(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置における貫通孔の開口形状の他の例を示す断面図である。
【図11】図11(a)及び図11(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を用いた積層型半導体装置を示す断面図である。
【図12】図12(a)本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図12(b)及び図12(c)は第2の実施形態に係る半導体装置を構成する貫通電極と直接に接続される外部接続用配線を示す平面図である。
【図13】図13(a)本発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図13(b)及び図13(c)は第3の実施形態に係る半導体装置を構成する貫通電極と直接に接続される外部接続用配線を示す平面図である。
【図14】図14は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置を構成する貫通電極と直接に接続される外部接続用配線の他の例を示す平面図である。
【図15】図15は従来の貫通電極を有する半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態係る半導体装置について図1(a)を参照しながら説明する。
【0048】
図1(a)に示すように、第1の実施形態に係る半導体装置100は、シリコン(Si)からなる半導体基板1に形成されたトランジスタ又はダイオード(図示せず)等の活性素子を有している。例えばトランジスタは、半導体基板1の上部に形成された素子分離2によって絶縁されたソース及びドレインである2つの不純物領域3と、半導体基板1の主面上であって、不純物領域3同士の間にゲート絶縁膜4を介在させて形成されたゲート電極5とを有している。
【0049】
半導体基板1の主面上にはゲート電極5を覆うように、例えば酸化シリコン(SiO)からなる第1層間絶縁膜7aが形成されている。第1層間絶縁膜7aには、不純物領域3及びゲート電極5とそれぞれ接続される複数のコンタクト6が形成されている。
【0050】
第1層間絶縁膜7aの上には、例えば酸化シリコン(SiO)、炭素含有酸化シリコン(SiOC)又はフッ素含有酸化シリコン(SiOF)からなる第2層間絶縁膜7bが形成されている。第2層間絶縁膜7bには、コンタクト6と接続され、且つ半導体装置内における信号の伝達又は電源電圧の供給を行う複数の第1配線8aが形成されている。
【0051】
第2層間絶縁膜7bの上には、例えばSiO、SiOC又はSiOFからなる第3層間絶縁膜7cが形成されている。第3層間絶縁膜7cには、第1配線8aと接続される第1ビア9aと、該第1ビア9aを介して第1配線8aと電気的に接続される第2配線8bが形成されている。
【0052】
第3層間絶縁膜7cの上には、例えばSiO、SiOC又はSiOFからなる第4層間絶縁膜7dが形成されている。第4層間絶縁膜7dには、第2配線8bと接続される第2ビア9bと、該第2ビア9bを介して第2配線8bと電気的に接続される第3配線8cが形成されている。
【0053】
第4層間絶縁膜7dの上には、例えばSiO、SiOC、SiOF又は窒化シリコン(SiN)からなる第5層間絶縁膜7eが形成されている。第5層間絶縁膜7eには、第3配線8cと接続される第3ビア9cと、該第3ビア9cと接続され且つ外部との信号の授受を行うパッド10が形成されている。
【0054】
ここで、第2層間絶縁膜7b、第3層間絶縁膜7c、第4層間絶縁膜7d及び第5層間絶縁膜7eと、第1配線8a、第2配線8b及び第3配線8cと、第1ビア9a、第2ビア9b及び第3ビア9cとから配線層8が構成されている。
【0055】
また、図1(a)に示すように、半導体基板1における第1層間絶縁膜7aと反対側の面(裏面)には、該半導体基板1を貫通する貫通孔1Aが形成されている。貫通孔1Aは、第1配線8aと同層の第2層間絶縁膜7bに形成された第1の外部接続用配線8aと、さらに第2配線8bと同層の第3層間絶縁膜7cに形成された第2の外部接続用配線8bとをそれぞれ露出するように形成されている。
【0056】
貫通孔1Aの少なくとも内壁面上には、例えばSiO又はSiNからなる絶縁膜12が形成されている。また、絶縁膜12における貫通孔1Aの少なくとも内壁面上には、バリア膜13が形成されている。バリア膜13には、貫通電極17を形成する導電材料に対してバリア性を持つ材料であることが望ましく、例えばタンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、チタン(Ti)、チタンタングステン(TiW)又は窒化チタン(TiN)等を用いてもよく、また、これらのうちの少なくとも2種類の材料を積層するか、合金として用いてもよい。絶縁膜12及びバリア膜13が形成された貫通孔1Aの内側には、導電材17からなる貫通電極15Aが形成されている。これにより、貫通電極15Aと第1の外部接続用配線8a及びその上の第2の外部接続用配線8bとが電気的に接続される。
【0057】
半導体基板1の裏面上には、貫通電極15Aと一体に形成された裏面配線15Bが形成されている。さらに、貫通孔1Aを埋めると共に、裏面配線15Bを覆うように裏面絶縁膜16が形成されている。裏面絶縁膜16には、ポリイミド又はベンゾシクロブテン(BCB)等の絶縁性樹脂材を用いることができる。裏面絶縁膜16には、裏面配線15Bと電気的に接続されるバンプ18が形成されている。
【0058】
図1(a)及び図1(b)に示すように、第1の実施形態に係る貫通電極15Aと直接に接続される第1の外部接続用配線8aは、貫通電極15Aと接触する面が一様な膜状ではなく、複数の孔部19aを設けた、いわゆるメッシュ状パターンを持つことを特徴とする。ここで、第1の外部接続用配線8aにおける幅は、貫通孔1Aの開口幅よりも大きいことが好ましい。このようにすると、第1の外部接続用配線8aを、貫通孔1Aを形成する際のエッチストッパとして確実に機能させることができる。
【0059】
また、図1(a)及び図1(c)に示すように、第1の外部接続用配線8aの上層に形成された第2の外部接続用配線8bは、それぞれの周囲に間隙19bを有する複数の島状パターン(格子状パターン)を持つ。さらに、第2の外部接続用配線8bは、それぞれ第1の外部接続用配線8aにおける各孔部19aを覆うことができるように、該孔部19aの開口面積より大きい平面積を持つことを特徴とする。なお、第2の外部接続用配線8bは、第1の外部接続用配線8aの孔部19aの開口寸法よりも少なくとも0.1μm程度大きいことが好ましい。
【0060】
第1の外部接続用配線8aにおける貫通電極15Aと対向する各孔部19aには、貫通孔1Aの内壁面上に形成された絶縁膜12と同一組成の絶縁膜と、バリア膜13と、貫通電極15Aと同一組成の導電材17とが埋め込まれている。
【0061】
このように、貫通電極15Aと対向する第1の外部接続用配線8aをメッシュ状パターンとし、且つ、第2の外部接続用配線8bを第1の外部接続用配線8aのメッシュ状パターンを塞ぐ複数の島状パターンとすることにより、各外部接続用配線8a、8bは、いずれも一様な金属膜とはならない。従って、各外部接続用配線8a、8bをそれぞれ形成する際に生じるディッシングを防止することができる。
【0062】
さらに、貫通孔1Aを形成する際に、エッチング法を用いる場合には、第1の外部接続用配線8aの各孔部19aにおいて、第2層間絶縁膜7bがエッチングされる。このエッチングプロセスにおいては、第2の外部接続用配線8bをエッチストップとして用いることができる。すなわち、貫通孔1Aをエッチングにより形成する際には、第1の外部接続用配線8a及び第2の外部接続用配線8bをそれぞれエッチストップ層として用いることができる。これにより、貫通孔1Aは、形状不良を起こすことなく、良好な形状で形成することができる。
【0063】
ここで、第1配線8a、第2配線8b及び第3配線8cと、第1ビア9a、第2ビア9b及び第3ビア9cと、第1の外部接続用配線8a及び第2の外部接続用配線8bとは、いずれも銅(Cu)又は銅(Cu)を主成分とする合金からなることが好ましい。また第1の外部接続用配線8aの厚さは、0.05μm〜1μm程度が好ましく、第2の外部接続用配線8bの厚さは、0.05μm〜1.5μm程度が好ましい。
【0064】
なお、図1(b)においては、第1の外部接続用配線8aに形成する孔部19aが縦横に3個ずつ形成されているが、これは便宜上に過ぎず、実際には第1の外部接続用配線8aの大きさに応じて、必要な個数が形成される。
【0065】
また、第1の外部接続用配線8aの孔部の開口形状及び第2の外部接続用配線8bの平面形状は、正方形状に限られず、長方形状であってもよい。
【0066】
−製造方法−
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図2〜図6を参照しながら説明する。
【0067】
まず、図2(a)に示すように、シリコン(Si)からなる半導体基板1の上部に、各活性素子を電気的に絶縁する素子分離2を公知のシャロウトレンチ分離(STI)等によって形成する。その後、不純物を選択的にイオン注入して、例えばトランジスタのウェル(図示せず)を形成する。
【0068】
続いて、半導体基板1の表面上に、ゲート絶縁膜4及びゲート電極5を選択的に形成し、その後、ゲート電極5をマスクとして、ウェルの上部にソース及びドレインとなる不純物領域3を形成する。続いて、化学気相堆積(CVD)法により、半導体基板1の主面上に、ゲート電極5を覆うように第1層間絶縁膜7aを形成する。その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、第1層間絶縁膜7aに、不純物領域3及びゲート電極5をそれぞれ露出する複数のコンタクトホールを形成する。続いて、CVD法又はスパッタ法等により、形成した各コンタクトホールに所定の金属を充填して、複数のコンタクト6を形成する。
【0069】
次に、図2(b)、図3(a)及び図3(b)に示すように、第1層間絶縁膜7aの上に、公知の技術、例えばダマシン法又はデュアルダマシン法等により複数の配線層を形成する。すなわち、第1層間絶縁膜7aの上に第2層間絶縁膜7bを堆積し、堆積した第2層間絶縁膜7bに第1配線8aを形成する。続いて、第2層間絶縁膜7bの上に第3層間絶縁膜7cを堆積し、堆積した第3層間絶縁膜7cに、第1配線8aと接続される第1ビア9aと、該第1ビア9aを介して第1配線8aと接続される第2配線8bを形成する。この工程を繰り返して、第4層間絶縁膜7d、第2ビア9b及び第3配線8cと、第5層間絶縁膜7e、該第3ビア9c及びパッド10とを形成し、所望の層数を有する配線層8を形成する。
【0070】
なお、図3(b)においては、配線層の層数を4層としたが、本発明は4層に限定されず、任意の層数に適用可能である。
【0071】
第1の実施形態の特徴として、第2層間絶縁膜7bにおける貫通孔形成領域22の上側部分に形成され、後工程で貫通電極と直接に接合する第1の外部接続用配線8aのレイアウトを一様な連続膜ではなく、図1(b)に示すメッシュ状パターンとして形成する。さらに、第2層間絶縁膜7bの上の第3層間絶縁膜7cに形成される第2の外部接続用配線8aのレイアウトは、少なくとも第1の外部接続用配線8aの各孔部19aを覆う(塞ぐ)ように、それぞれが各孔部19aの平面積よりも大きい複数の島状パターンとして形成する。第1の外部接続用配線8aの各孔部19aは、例えば1辺が200nm〜600nmの平面四角形状であり、400nm〜800nm程度の間隔で形成する。一方、第2の外部接続用配線8aのそれぞれの大きさは、一辺が300nm〜700nm程度とする。なお、第1の外部接続用配線8aの平面視での幅は、貫通孔形成領域22の径と比べて、少なくとも0.1μm程度大きいことが好ましい。
【0072】
次に、図4(a)に示すように、半導体基板1の裏面側から、グラインド又は化学機械研磨(CMP)等の公知技術により、半導体基板1を研磨して薄化する(裏面研磨)。薄化後の半導体基板1の厚さは10μm〜200μm、好ましくは50μm〜100μm程度である。
【0073】
次に、図4(b)に示すように、リソグラフィ法及びエッチング法により、薄化された半導体基板1の裏面の貫通孔形成領域22から、半導体基板1を貫いて、第1層間絶縁膜7aを露出する貫通孔1Aを形成する。貫通孔1Aの径は1μm〜200μm、望ましくは50μm〜100μm程度である。ここでのエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよい。続いて、貫通孔1Aの内壁面上及び底面上を含む半導体基板1の裏面の前面に、絶縁膜12を堆積する。絶縁膜12には、SiO、SiN又はSiON等を用い、その厚さは、貫通孔1Aの側壁面上で10nm〜1μm程度とする。
【0074】
次に、図4(c)に示すように、半導体基板1の裏面側からドライエッチングを行って、絶縁膜12の全面にわたってエッチングを施す。このエッチング工程は、堆積した絶縁膜12における、薄化された半導体基板1の裏面上の厚さと貫通孔1Aの底面上の厚さとの差を利用する。これにより、絶縁膜12における貫通孔1Aの底部と、その上の第1層間絶縁膜7a、第2層間絶縁膜7b及び第3層間絶縁膜7cとを順次除去する。
【0075】
具体的には、貫通孔1Aの底部で、第1層間膜7aの直下に堆積した絶縁膜12を除去する。続いて、第1層間絶縁膜7aと、第2層間絶縁膜7bにおける第1の外部接続用配線8aの各孔部19aに含まれる部分と、さらに各孔部19aを通して第3層間絶縁膜7cとを順次除去し、これにより、第1の外部接続用配線8a及び第2の外部接続用配線8aが貫通孔1Aからそれぞれ露出する。
【0076】
次に、図5(a)に示すように、貫通孔1Aを含む半導体基板1の裏面の全面に、バリア膜13及びシード膜14を順次堆積する。バリア13膜の材料には、前述したように、例えばタンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、チタン(Ti)、チタンタングステン(TiW)又は窒化チタン(TiN)を用いることができる。また、これらのうちの少なくとも2種類の材料を積層するか、合金として用いることができる。バリア膜13の堆積方法には、物理的気相堆積(PVD)法、CVD法又は原子層堆積(ALD)法等を用いることが望ましい。シード膜14の材料には、銅(Cu)、ニッケル(Ni)若しくはタングステン(W)、又はこれらを組み合わせて用いることが好ましい。シード膜14の堆積方法には、PVD法、CVD法又はALD法等を用いることが望ましい。なお、バリア膜13が十分に低い抵抗値を持ち、後工程のめっき工程において、不具合が生じない場合は、シード膜14は必ずしも設ける必要はない。
【0077】
次に、図5(b)に示すように、半導体基板1の裏面上に、リソグラフィ法により、貫通孔1A及び裏面配線の形成領域を開口パターンに持つレジスト膜を形成する。続いて、形成したレジスト膜の上から、導電材17である、めっきを施して、貫通電極15A及び該貫通電極15Aと一体に形成された裏面配線15Bとを形成する。その後、レジスト膜と、不要なシード膜14及びバリア膜13とを除去する。なお、用いるめっき法は、電解めっき法及び無電解めっき法のいずれでもよい。めっき金属には、銅(Cu)、ニッケル(Ni)又は金(Au)等を用いることができる。また、レジスト膜の除去並びに不要なシード膜及びバリア膜の除去にはウェットプロセスが望ましく、各材料に適した溶媒を用いる。
【0078】
次に、図6(a)に示すように、半導体基板1の裏面上に裏面絶縁膜16を、貫通電極15Aにおける貫通孔1Aの内側領域を埋めるように形成する。形成した裏面絶縁膜16は、裏面配線15Bのパッシベーション膜となると共に、該裏面絶縁膜16によって、半導体基板1の機械的な強度が向上する。裏面絶縁膜16の材料は、前述のように、ポリイミド又はBCB等を用いることが望ましい。また、裏面絶縁膜16の形成方法には、スピンコート法等の既知の技術を用いることができる。
【0079】
次に、図6(b)に示すように、裏面絶縁膜16における裏面配線15Bの出力位置に、開口部を設け、設けた開口部に裏面配線15Bと接続されるバンプ18を形成する。
【0080】
以上のようにして、貫通電極15Aを有する半導体装置100を得る。
【0081】
なお、第1の実施形態に係る半導体装置100は、図1(a)に示したように、貫通電極15Aを構成する導電材17が貫通孔1Aの壁面上にのみ形成される、いわゆるコンフォーマルな形状としたが、コンフォーマルな形状に限られない。例えば、図7(a)に示すように、貫通孔1Aの内部の全体を導電材17で埋め込む形状としてもよい。
【0082】
また、図7(b)に示すように、貫通孔1Aにおける基板面に垂直な方向の断面の径が、半導体基板1の裏面側で大きく、表面側で小さいテーパ構造としてもよい。この場合にも、貫通孔1Aの内部の全体を導電材17で埋め込む形状としてもよい。
【0083】
また、第1の実施形態においては、図1(b)及び図1(c)に示したように、第1の外部接続用配線8aに形成された複数の孔部19aの配置を行列状としているが、この配置に限られない。例えば、図8(a)及び図8(b)に示すように、千鳥状の配置、さらには任意の配置でも構わない。
【0084】
また、第1の実施形態においては、図1(b)及び図1(c)に示したように、第1の外部接続用配線8aに形成された各孔部19aの開口形状を正方形状としたが、この形状に限られない。例えば、孔部19aの開口形状は、図9(a)に示す長方形状、図9(b)に示す六角形状、又は図9(c)に示す八角形状等の任意の角数を有する多角形状でもよい。さらには、凸型の多角形状に限らず、図9(d)に示すような、十字型等の凹型の多角形状であってもよい。
【0085】
また、第1の実施形態においては、図1(b)及び図1(c)に示したように、貫通電極15Aを構成する貫通孔1Aの開口形状を円形状としたが、図10(a)及び図10(b)に示すように、六角形状又は八角形状でもよく、さらには任意の角数を有する多角形状でもよい。
【0086】
(第1の実施形態の第1変形例)
図11(a)に示すように、第1の実施形態に係る半導体装置は、第1変形例として、該半導体装置100A、100Bを2層以上積層することにより、積層型半導体装置150とすることができる。
【0087】
例えば、第1の半導体装置100Aを樹脂基板24の上にアンダーフィル材25により固着し、バンプ18及び裏面配線15Bを介して貫通電極15Aと電気的に接続する。さらに、第2の半導体装置100Bを第1の半導体装置100Aの上にアンダーフィル材25により固着し、パッド10、バンプ18及び裏面配線15Bを介して貫通電極15Aと電気的に接続する。
【0088】
(第1の実施形態の第2変形例)
図11(b)に示すように、第1の実施形態に係る半導体装置は、活性素子を含まない半導体基板に貫通電極15Aを設けることにより、シリコンインターポーザ100Cとして用いることも可能である。
【0089】
例えば、貫通電極15Aを有し且つ活性素子を含まないシリコンインターポーザ100Cを、樹脂基板24の上にアンダーフィル材25により固着し、バンプ18及び裏面配線15Bを介して貫通電極15Aと電気的に接続する。さらに、いずれも活性素子を有する第1の半導体チップ110Aのバンプ18と、第2の半導体チップ110Bのバンプ18とをシリコンインターポーザ100Cのパッド10とそれぞれ電気的に接続する。
【0090】
なお、第1及び第2の変形例においても、図7〜図10に記載した構成を適用することが可能である。
【0091】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について図12を参照しながら説明する。第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0092】
図12(c)に示すように、第2の実施形態に係る半導体装置101は、第1の実施形態に係る半導体装置100と比べて、貫通電極15Aと直接に接続される第2の外部接続用配線8bの構成が異なる。
【0093】
すなわち、第2の実施形態に係る第2の外部接続用配線8bは、複数の島状パターンに代えて、複数の孔部19cを有する一体の金属膜として形成される。さらに、第2の外部接続用配線8bの各孔部19cは、第1の外部接続用配線8aの各孔部19aの上側部分には形成されず、互いに重ならない領域に形成される。
【0094】
図12(c)に示す構造を用いることにより、貫通電極15Aを設けた半導体装置101は、該貫通電極15Aと直接に接続される第2の外部接続用配線8bの体積が第1の実施形態と比べて大きくなることにより、放熱性が向上するという効果を得られる。
【0095】
貫通電極15Aを設けた半導体装置を少なくとも1つ含む半導体装置を複数縦方向に積層した積層型半導体装置は、各半導体装置が発生する熱を効率良く拡散させることが難しく、温度上昇による活性素子の動作変動が課題となることがある。
【0096】
従って、第2の実施形態に係る第1の外部接続用配線8a及び第2の外部接続用配線8bの構造を用いることにより、放熱の課題を解決することが可能となる。
【0097】
なお、第2の実施形態においても、各孔部19a、19cの開口形状は、図9(a)〜図9(d)に示す形状としてもよい。また、第2の実施形態においても、貫通孔1Aの開口形状を図10(a)及び図10(b)に示す形状としてもよい。
【0098】
また、第2の実施形態に係る半導体装置101の製造方法は、第1の実施形態に係る半導体装置100と実質的に同等であり、第2の外部接続用配線8bのマスクパターンを図12(c)が得られるパターンとすればよい。
【0099】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置について図13を参照しながら説明する。第3の実施形態において、第1及び第2の実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0100】
図13(b)に示すように、第3の実施形態に係る半導体装置103は、第2の実施形態に係る半導体装置101と比べて、貫通電極15Aと直接に接続される第1の外部接続用配線8aの構成が異なる。
【0101】
すなわち、第3の実施形態に係る第1の外部接続用配線8aは、各孔部19aの開口形状を正方形状から、互いに並行に延びる長方形(スリット)状としている。従って、第1の外部接続用配線8aの上に形成される第2の外部接続用配線8bの各孔部19cは、第2の実施形態と同様に、各孔部19aと互いに重ならない領域に形成される。
【0102】
ここで、少なくとも1つの孔部19aにおける長手方向の端部は、貫通孔1Aの端部と重なる位置に形成されていることが好ましい。このようにすると、貫通電極15Aと第1の外部接続用配線8a及び第2の外部接続用配線8bとの接触面積を大きく取ることができるため、貫通電極15Aと各外部接続用配線層8a、8bとの低抵抗化が可能となる。
【0103】
なお、図14に示すように、第2の外部接続用配線8bの各孔部19cにおいても、第1の外部接続用配線8aと同様に、互いに並行に延びるスリット状であってもよい。
【0104】
また、第3の実施形態に係る半導体装置102の製造方法は、第2の実施形態に係る半導体装置101と実質的に同等であり、第1の外部接続用配線8a及び第2の外部接続用配線8bのそれぞれのマスクパターンを、図13(b)及び図13(c)又は図13(b)及び図14が得られるパターンとすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法並びに積層型半導体装置は、貫通電極と直接に接続される配線の信頼性を向上することができ、貫通電極を有する半導体装置、例えばTSVを有する半導体装置等に有用である。
【符号の説明】
【0106】
100 半導体装置
100A 半導体装置
100B 半導体装置
100C シリコンインターポーザ
101 半導体装置
102 半導体装置
150 積層型半導体装置
1 半導体基板
1A 貫通孔
2 素子分離
3 不純物領域
4 ゲート絶縁膜
5 ゲート電極
6 コンタクト
7a 第1層間絶縁膜
7b 第2層間絶縁膜(第1の絶縁膜)
7c 第3層間絶縁膜(第2の絶縁膜)
7d 第4層間絶縁膜
7e 第5層間絶縁膜
8 配線層
8a 第1配線
8a 第1の外部接続用配線
8b 第2配線
8b 第2の外部接続用配線
8c 第3配線
9a 第1ビア
9b 第2ビア
9c 第3ビア
10 パッド
12 絶縁膜
13 バリア膜
14 シード膜
15A 貫通電極
15B 裏面配線
16 裏面絶縁膜
17 導電材
18 バンプ
19a 孔部(第1の孔部)
19b 間隙
19c 孔部(第2の孔部)
22 貫通孔形成領域
24 樹脂基板
25 アンダーフィル材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏方向に貫通する貫通孔を有する半導体基板と、
前記半導体基板の上に形成された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜に前記貫通孔を覆うように形成された第1の配線と、
前記第1の絶縁膜の上に、前記第1の配線を覆うように形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜における前記第1の配線の上側部分に形成された第2の配線と、
前記貫通孔における少なくとも内壁面に形成されると共に、前記第1の配線及び第2の配線とそれぞれ電気的に接続される貫通電極とを備え、
前記第1の配線は、1つ又は複数の第1の孔部を有し、
前記第2の配線は、前記第1の配線の前記第1の孔部を覆うように形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記半導体基板に形成された活性素子をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2の配線は、前記貫通電極の上側の領域において互いに分離した複数の配線を含み、
前記第2の配線を構成する前記複数の配線のそれぞれの平面積は、前記複数の第1の孔部のそれぞれの開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の孔部及び第2の配線の少なくとも一方は、平面多角形状であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の孔部及び第2の配線の少なくとも一方は、平面四角形状であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2の配線は、前記貫通電極の上を覆う1つの配線からなり、且つ、前記第1の配線の前記第1の孔部と重ならない領域に形成された第2の孔部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の孔部及び第2の孔部は、平面四角形状であることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1の孔部は、平面長方形状であり、且つ、長手方向の端部は、前記貫通孔の端部と重なる位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1の配線の幅は、前記貫通孔の開口幅よりも大きいことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
第1の半導体基板に形成された第1の半導体装置と、
前記第1の半導体装置の上に積層されて固着され、第2の半導体基板に形成された第2の半導体装置とを備え、
前記第1の半導体装置及び第2の半導体装置の少なくとも一方は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置であることを特徴とする積層型半導体装置。
【請求項11】
半導体基板の上に第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記第1の絶縁膜に第1の配線を形成する工程(b)と、
前記第1の絶縁膜の上に第2の絶縁膜を形成する工程(c)と、
前記第2の絶縁膜に第2の配線を形成する工程(d)と、
前記半導体基板における前記第1の絶縁膜と反対側の面から、前記第1の配線及び第2の配線と電気的に接続される貫通電極を形成する工程(e)とを備え、
前記工程(b)において、前記第1の配線に、1つ又は複数の第1の孔部を形成する工程を含み、
前記工程(d)において、前記第2の配線は、前記第1の配線の前記第1の孔部を覆うように形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記工程(a)よりも前に、
前記半導体基板における前記貫通孔の形成領域を除く領域に、活性素子を形成する工程(f)をさらに備えていることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記工程(e)において、前記貫通電極は、前記半導体基板における前記第1の絶縁膜と反対側の面から、前記半導体基板を貫通すると共に、前記第1の配線の前記第1の孔部から前記第2の配線を露出する貫通孔を形成し、形成した前記貫通孔に導電材料を埋め込むことにより形成することを特徴とする請求項11又は12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記工程(e)において、前記貫通孔はドライエッチングにより形成することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記工程(d)において、前記第2の配線は、前記貫通電極の上側の領域において互いに分離した複数の配線として形成し、
前記第2の配線の前記複数の配線のそれぞれの平面積は、前記複数の第1の孔部のそれぞれの開口面積よりも大きく形成することを特徴と請求項11〜14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記工程(b)において、前記第1の配線の前記第1の孔部は、平面四角形状に形成し、
前記工程(d)において、前記第2の配線の前記複数の配線の少なくとも1つは、平面四角形状に形成することを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記工程(d)において、前記第2の配線は、前記貫通電極の上側の領域を覆う1つの配線として形成し、
前記第1の配線の前記第1の孔部と重ならない領域に第2の孔部を形成することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記工程(b)において、前記第1の配線の前記第1の孔部は、平面四角形状に形成し、
前記工程(d)において、前記第2の配線の前記第2の孔部は、平面四角形状に形成することを特徴とする請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記工程(b)において、前記第1の孔部は、平面長方形状に形成し、
前記第1の孔部の長手方向の端部は、前記貫通孔の端部と重なるように形成することを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記工程(b)において、前記第1の配線の幅は、前記貫通孔の開口幅よりも大きく形成することを特徴とする請求項11〜19のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−243953(P2012−243953A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112623(P2011−112623)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】