半導体装置及びその製造方法
【課題】 半導体装置の高集積化、高速度化が進んでも、保護回路を構成するトランジスタがその機能を十分果たすことが可能な構造を提供する。
【解決手段】 保護回路が形成された第1導電型ウエル領域5aと、この第1導電型ウエル領域5aに上部は素子分離領域2に隔てられ、素子分離領域2の底面より下では、接合されている高不純物濃度の第2導電型ウエル領域4とを備えている。第1導電型ウエル領域は、素子分離領域を越えて第2導電型ウエル領域に入り込んでいるか素子分離領域の幅の半分より第2導電型領域側に入り込んでいる。過電流は保護回路のトランジスタのソース/ドレイン領域間を流れずに、ドレイン領域から空乏層が延びて第1導電型ウエル領域の第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分に接触して、ドレイン領域と第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分との間を流れるようになる。
【解決手段】 保護回路が形成された第1導電型ウエル領域5aと、この第1導電型ウエル領域5aに上部は素子分離領域2に隔てられ、素子分離領域2の底面より下では、接合されている高不純物濃度の第2導電型ウエル領域4とを備えている。第1導電型ウエル領域は、素子分離領域を越えて第2導電型ウエル領域に入り込んでいるか素子分離領域の幅の半分より第2導電型領域側に入り込んでいる。過電流は保護回路のトランジスタのソース/ドレイン領域間を流れずに、ドレイン領域から空乏層が延びて第1導電型ウエル領域の第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分に接触して、ドレイン領域と第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分との間を流れるようになる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電破壊から本体回路を保護する保護回路を備えた半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ICやLSIなどの半導体装置は、高集積化、高速度化が進められている。そのため、トランジスタのソース/ドレイン領域の高濃度化が図られている。その為、電界緩和したLDDトランジスタと保護回路として用いるConv.トランジスタの耐圧差が無くなっており、サージ印加時に静電破壊を防止するために保護回路として用いられる保護トランジスタよりも先に本体破壊している。図8は、従来の半導体装置に形成された本体回路を静電破壊から保護する保護回路を示す回路図である。そして図9は、その本体回路に用いるLDD(LightlyDoped Drain) 構造のMOSトランジスタの断面図であり、図10は、保護回路に用いるコンベンショナルな構造のMOSトランジスタの断面図である。本発明は、トランジスタが形成されるウエル領域に特徴があり、従って図8及び図9に示される保護回路及びトランジスタは、本発明用としても利用される。図8において、半導体基板に形成された本体回路は、例えば、メモリ、ロジックなどからなり、主として図9に示されるLDD化されたトランジスタを用いている。本体回路とその外部端子との間には保護回路が接続されている。保護回路は、MOSトランジスタPTrから構成されている。
【0003】図9の本体回路のトランジスタには、例えば、P型もしくはN型シリコン半導体基板11を使用する。半導体基板11には、例えば、STI(Shallow TrenchIsolation)構造の素子分離領域12が形成されている。素子分離領域12に囲まれた素子領域は、Pウエル領域13で構成されている。このPウエル領域13に隣接し、素子分離領域12に隔てられた隣接の素子領域にはPウエルもしくはNウエル領域14が形成されている。素子分離領域は、LOCOS構造などを用いることも可能である。これらのウエル領域の不純物濃度は、例えば、1017/cm3 程度である。Pウエル領域13には、例えば、不純物濃度が1020/cm3 程度のN型ソース領域15及びN型ドレイン領域15aが形成され、さらにソース領域15やドレイン領域15aより低濃度のLDD構造16がそれらの先端に形成されトランジスタの耐圧を高めている。ソース領域15及びドレイン領域15a間の上にゲート酸化膜17を介してポリシリコンなどからなるゲート電極18が形成されており、このゲート電極18の側壁にはシリコン窒化膜などからなる側壁絶縁膜19が形成されている。
【0004】一方、図10に示す従来の保護回路に用いるトランジスタは、図9と同じく、例えば、P型もしくはN型シリコン半導体基板21を用いる。半導体基板21には、例えば、STI構造の素子分離領域22が形成されている。素子分離領域22に囲まれた素子領域は、Pウエル領域23で構成されている。このPウエル領域23に隣接し、素子分離領域22に隔てられた隣接の素子領域にはPウエルもしくはNウエル領域24が形成されている。これらのウエル領域の不純物濃度は、例えば、1017/cm3 程度である。Pウエル領域23には、例えば、不純物濃度が1020/cm3 程度のN型ソース領域25及びN型ドレイン領域25aが形成されている。ソース領域25及びドレイン領域25a間の上にゲート酸化膜27を介してポリシリコンなどからなるゲート電極28が形成されており、このゲート電極28の側壁にはシリコン窒化膜などを材料とする側壁絶縁膜29が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、半導体装置は、静電破壊から半導体装置の本体回路を守るために図8に示すように保護回路を用いている。そして、保護回路としては、本体回路がLDD構造のMOSトランジスタを用いているのに対して、例えば、図10に示すコンベンショナルな構造のNMOSトランジスタ(Conv)を用いていた。図11にも示すように、従来のLDD構造のトランジスタ(従来のLDD)は、耐圧が高いので、コンベンショナルな構造のMOSトランジスタ(Conv)との耐圧差が大きく、この耐圧差を利用して本体回路に加わる過電流を半導体基板に逃がすようにしている。しかし、現状のLDD構造のトランジスタ(LDD)は、ゲート長が細く、ショートチャネル効果の抑制と駆動力を稼ぐためにLDD領域の不純物濃度を上げている。そのため現状のLDD構造のトランジスタ(LDD)の耐圧が下がり、上記耐圧差が著しく小さくなっている。
【0006】このように、半導体装置の高集積化、高速度化の結果、本体回路に用いるトランジスタにLDD構造を採用しても、本体回路の高集積化、高速度化されたトランジスタ(LDD)と保護回路のトランジスタ(Conv)との耐圧差は、従来のLDD構造のトランジスタを用いた場合に比較して非常に小さくなっている。図1111は、縦軸に電流I(A)、横軸に耐圧V(V)をとっている。従来のLDD構造のトランジスタより現状のLDD構造のトランジスタ耐圧は低く、その結果保護回路のトランジスタとの耐圧差が小さくなり、保護回路としての機能が十分でなく、本体回路に過電流が流れてしまう恐れがあるという問題が生じているのが現状である。本発明は、このような事情によりなされたものであり、半導体装置の高集積化、高速度化が進んでも、保護回路を構成するトランジスタがその機能を十分果たすことが可能な半導体装置及びその製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、保護回路が形成された第1導電型ウエル領域と、この第1導電型ウエル領域に上部は素子分離領域に隔てられ、素子分離領域の底面より下では、接合されている高不純物濃度の第2導電型ウエル領域とを備えた半導体装置において、前記第1導電型ウエル領域は、前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込んでいること、もしくは前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型領域側に入り込んでいるを特徴としている。本体回路の外部端子に過電流が加わったときに過電流は保護回路のトランジスタのソース/ドレイン領域間を流れずに、ドレイン領域から空乏層が延びて第1導電型ウエル領域の第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分に接触して、ドレイン領域と第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分との間を流れるようになる。つまり、第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分との間の距離は、ソース/ドレイン領域間の距離(ゲート長)より短くなるように形成されている。そして、過電流がソース/ドレイン領域間よりも流れ易い通路(ドレイン領域−第1導電型ウエル領域の第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分間)を形成することにより、保護回路を構成するトランジスタの保護機能を向上させることができる。
【0008】すなわち、本発明の半導体装置は、複数の素子領域が素子分離領域により区画されて形成されている半導体基板と、前記半導体基板に形成された第1導電型ウエル領域と、前記半導体基板に形成され、前記第1導電型ウエル領域とは前記素子分離領域により分離されている第2導電型ウエル領域とを備え、前記第1導電型ウエル領域は、前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込むようにすることを特徴としている。前記第2導電型ウエル領域の内、所定の領域には保護回路が形成されているようにしても良い。前記保護回路は、第1導電型MOSトランジスタから構成されているようにしても良い。前記第1導電型ウエル領域は、前記第2導電型ウエル領域より不純物濃度が高いようにしても良い。前記保護回路が形成されている前記第2導電型ウエル領域に隣接する前記第1導電型ウエル領域の不純物濃度は、前記保護回路が形成されている第2導電型ウエル領域とは隣接していない前記第1導電型ウエル領域より不純物濃度が高いようにしても良い。また、本発明の半導体装置は、複数の素子領域が素子分離領域により区画されて形成されている半導体基板と、前記半導体基板に形成された第1導電型ウエル領域と、前記半導体基板に形成され、前記第1導電型ウエル領域とは前記素子分離領域により分離されている第2導電型ウエル領域とを備え、前記第1導電型ウエル領域は、前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型ウエル領域側に入り込んでいることを特徴としている。
【0009】また、本発明の半導体装置は、複数の素子領域が素子分離領域により区画されて形成されている半導体基板と、前記半導体基板に形成されたNウエル領域と、前記半導体基板に形成され、前Nウエル領域とは前記素子分離領域により分離されているPウエル領域とを備え、前記Nウエル領域は、前記素子分離領域の幅の半分より前記Pウエル領域側に入り込んでおり、且つ前記Pウエル領域のドレイン領域と前記Nウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分との間の距離は、前記ソース/ドレイン領域間のチャネル長より短くなるように形成されていることを特徴としている。このように構成することにより、過電流がソース/ドレイン領域間よりも流れ易い通路(ドレイン領域−Nウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分間)を形成することになり、保護回路を構成するトランジスタの保護機能を向上させることができる。従来よりNウエル領域の耐圧が小さいのでLDD構造のトランジスタとの耐圧差を大きくすることができる。本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物をイオン注入して第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物をイオン注入して第2導電型ウエル領域を形成する工程とを備え、前記第1導電型ウエル領域のイオン注入量は、前記第2導電型ウエル領域のイオン注入量より多くして前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込むようにすることを特徴としている。前記第2導電型ウエル領域の内、所定の領域に保護回路を形成する工程をさらに備えているようにしても良い。
【0010】また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物を拡散させて第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物を拡散させて第2導電型ウエル領域を形成する工程と、前記第1導電型ウエル領域に第1導電型イオンを注入し、加熱拡散させる工程とを備え、前記イオン注入、加熱拡散工程により前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込むようにすることを特徴としている。また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物をイオン注入して第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物をイオン注入して第2導電型ウエル領域を形成する工程とを備え、前記第1導電型ウエル領域のイオン注入量は、前記第2導電型ウエル領域のイオン注入量より多くして前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型ウエル領域側に入り込んでいるようにすることを特徴としている。
【0011】また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物を拡散させて第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物を拡散させて第2導電型ウエル領域を形成する工程と、前記第1導電型ウエル領域に第1導電型イオンを注入し、加熱拡散させる工程とを備え、前記イオン注入、加熱拡散工程により前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型ウエル領域側に入り込んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して発明の実施の形態を説明する。まず、図1乃至図4を参照して第1の実施例を説明する。図1は、半導体装置の保護回路部分を示す概略断面図、図2乃至図4は、半導体装置の製造工程断面図である。この半導体装置は、トランジスタ形成のために、例えば、P型もしくはN型シリコン半導体基板1を用いる。半導体基板1には、例えば、シリコン酸化物が埋め込まれたSTI構造の素子分離領域2が形成されている。素子分離領域2に囲まれた素子領域は、Pウエル領域4で構成されている。このPウエル領域4に隣接し、素子分離領域2に隔てられた隣接の素子領域にはNウエル領域5aが形成されている。Pウエル領域4の不純物濃度は、例えば、1017/cm3 程度であり、Pウエル領域4に隣接するNウエル領域5aの不純物濃度は、Pウエル領域4の約3倍程度である。Pウエル領域4には、例えば、不純物濃度が1020/cm3 程度のN型ソース領域8a及びN型ドレイン領域8などの不純物拡散領域が形成されている。ソース領域8a及びドレイン領域8間の上にゲート酸化膜(SiO2 )6aを介してポリシリコンなどからなるゲート電極6が形成されており、このゲート電極6の側壁にはシリコン窒化膜などからなる側壁絶縁膜7が形成されている。
【0013】ソース領域8a及びNウエル領域5aは、接地(GND)されている。また、ドレイン領域8は、電源9に接続されている。Pウエル領域4に隣接し、素子分離領域2に隔てられた他方の素子領域にはPウエルもしくはNウエル領域5cが形成されている。PウエルもしくはNウエル領域5cの不純物濃度は、例えば、1017/cm3 程度である。Nウエル領域5aは、素子分離領域2の底部を越えてPウエル領域に入り込んでいる。このように構成された結果、外部端子9に過電流が加わったときに、過電流は、保護回路を構成するトランジスタのソース領域8a−ドレイン領域8間を流れずに、ドレイン領域8から空乏層が延びてNウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分5bに接触して、ドレイン領域8とPウエル領域に入り込んだ部分5bとの間を流れるようになる。つまり、ドレイン領域8とNウエル領域5aのPウエル領域に入り込んだ部分5bとの間の距離は、ソース/ドレイン領域8a、8間の距離(チャネル長)より短くなるように形成されている。そして、過電流がソース/ドレイン領域間よりも流れ易い通路(ドレイン領域8−Nウエル領域5aのPウエル領域に入り込んだ部分間)を形成することにより、保護回路を構成するトランジスタの保護機能を向上させることができる。従来よりNウエル領域の耐圧が小さいのでLDD構造のトランジスタとの耐圧差を大きくすることができる(図12参照)。
【0014】次に、図2乃至図4を参照して図1の半導体装置の製造工程を説明する。まず、P型もしくはN型シリコン半導体基板1の表面領域をRIE(ReactiveIon Etching)などによりエッチングして、素子分離領域を形成するために所定のパターンの溝を形成する。次に、半導体基板1表面及び溝中にCVD(ChemicalVapour Deposition)法などによりシリコン酸化膜(TEOS膜)を堆積させる。このシリコン酸化膜を表面からCMP(Chemical Mechanical Polishing) 法により研磨して溝以外のシリコン酸化膜を除去し、溝にシリコン酸化膜が埋め込まれたSTI構造の素子分離領域2が形成される。素子分離領域2は、複数の素子領域を区画している(図2R>2(a))。次に、半導体基板1上にリソグラフィ法によりフォトレジスト3を形成し、これをパターニングしてPウエル領域を形成する素子領域の表面を開口させる。そして、この開口された素子領域にB+などの不純物イオンを注入してPウエル領域4を形成する(図2(b))。その後、フォトレジスト3を除去してから、半導体基板1上に再度リソグラフィ法によりフォトレジスト3aを形成し、これをパターニングしてNウエル領域を形成する素子領域の表面を開口させる。
【0015】そして、この開口された素子領域にP+などの不純物イオンを注入して先に形成したPウエル領域4に隣接するNウエル領域5を形成する。このときのドーズ量は、Pウエル領域4を形成したときの約3倍である(図3(a))。次に、フォトレジスト3aを取り除いてから半導体基板1を加熱処理すると、Nウエル領域5は、Pウエル領域4の約3倍のドーズ量を受けているので、領域が拡大してPウエル領域4に入って行き、Pウエル領域への入り込み部分5bを有するNウエル領域5aが形成される(図3(b))。次に、隣接するNウエル領域5aが入り込んでいるPウエル領域4に保護回路として用いられるコンベンショナルな構造のMOSトランジスタを形成する。Pウエル領域4表面に熱処理によりゲート酸化膜(SiO2 )6aを形成する。そして、半導体基板1上に形成されたポリシリコン膜をリソグラフィ法によりパターニングしてゲート酸化膜6a上にポリシリコンからなるゲート電極6を形成する。このゲート電極6を含む半導体基板1上に窒化シリコン膜(SiN)を堆積させ、これをRIE法などにより異方性エッチングを行ってゲート側壁にシリコン窒化膜を材料とする側壁絶縁膜7を形成し、その他の部分に存在するシリコン窒化膜を除去する(図4(a))。
【0016】次に、半導体基板1にリソグラフィ法により、Pウエル領域4中にAs+、P+などのN型不純物イオンを注入してN型不純物拡散領域を形成し、これをソース領域8a、ドレイン領域8とする(図4(b))。その後、Nウエル領域5a及びソース領域8aを接地(GND)にする(図1参照)。ドレイン領域とNウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分との間の距離は、ソース/ドレイン領域間の距離(チャネル長)より短くなるように形成されている。そして、過電流がソース/ドレイン領域間よりも流れ易い通路(ドレイン領域−Nウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分間)を形成することにより、保護回路を構成するトランジスタの保護機能を向上させることができる。従来よりNウエル領域の耐圧が小さいのでLDD構造のトランジスタとの耐圧差を大きくすることができる。
【0017】次に、図5乃至図7を参照して第2の実施例を説明する。図5乃至図7は、半導体装置の製造工程断面図である。この実施例は、製造工程に特徴がある。この半導体装置は、保護回路が形成されたPウエル領域に隣接し、素子分離領域に隔てられたNウエル領域の不純物濃度分布が第1の実施例の半導体装置とは相違しているが、その他の構成は同じである。すなわち、Pウエル領域34及びNウエル領域35aの不純物濃度は、例えば、1017/cm3 程度であり、Pウエル領域34に隣接するNウエル領域35aのPウエル領域34への入り込み部分35b及びその近傍を含む部分35dは不純物濃度がPウエル領域34より高くなっている(図7参照)。
【0018】まず、P型もしくはN型シリコン半導体基板31を用い、半導体基板31上にリソグラフィ法によりフォトレジストを形成し、これをパターニングしてPウエル領域を形成する素子領域の表面を開口させ、この開口された素子領域にB+などの不純物イオンを注入してPウエル領域34を形成する。この工程までは、第1の実施例(図2(a)及び図2(b))と同じであるので、図示はしない。その後、フォトレジストを除去してから、半導体基板1上に再度リソグラフィ法によりフォトレジスト33aを形成し、これをパターニングしてNウエル領域を形成する素子領域の表面を開口させる。そして、この開口された素子領域にP+などの不純物イオンを注入して先に形成したPウエル領域34に隣接するNウエル領域35を形成する。このときのドーズ量は、Pウエル領域34を形成したときと同じである(図5(a))。次に、フォトレジスト33aを除去してから、半導体基板31上にリソグラフィ法によりフォトレジスト33bを形成し、これをパターニングしてNウエル領域を形成する素子領域の表面を再度開口させる。
【0019】そして、この開口された素子領域にP+などの不純物イオンを注入してNウエル領域35の底部に高濃度領域35dを形成する(図5(b))。次に、フォトレジスト33bを取り除いてから半導体基板31を加熱処理すると、高濃度領域35dは、領域が拡大してPウエル領域34に入って行き、Pウエル領域への入り込み部分35bを有するNウエル領域35aが形成される(図6(a))。次に、隣接するNウエル領域35aが入り込んでいるPウエル領域34に保護回路として用いられるコンベンショナルな構造のMOSトランジスタを形成する。Pウエル領域34の表面に熱酸化によるゲート酸化膜(SiO2 )36aを形成する。そして、半導体基板31上に形成されたポリシリコン膜をリソグラフィ法によりパターニングしてゲート酸化膜36a上にポリシリコンからなるゲート電極36を形成する。このゲート電極36を含む半導体基板31上に窒化シリコン膜(SiN)を堆積させ、これをRIE法などにより異方性エッチングを行ってゲート側壁にシリコン窒化膜を材料とする側壁絶縁膜37を形成し、その他の部分に存在するシリコン窒化膜を除去する(図6(b))。次に、半導体基板31にリソグラフィ法により、Pウエル領域34中にAs+、P+などのN型不純物イオンを注入してN型不純物拡散領域を形成し、これをソース領域38a、ドレイン領域38とする。その後Nウエル領域35a及びソース領域38aを接地(GND)にする(図7)。
【0020】ドレイン領域とNウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分との間の距離は、ソース/ドレイン領域間の距離(チャネル長)より短くなるように形成されている。そして、過電流がソース/ドレイン領域間よりも流れ易い通路(ドレイン領域−Nウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分間)を形成することにより、保護回路を構成するトランジスタの保護機能を向上させることができる。従来よりNウエル領域の耐圧が小さいのでLDD構造のトランジスタとの耐圧差を大きくすることができる。図13は、図1に示された保護回路をメモリなどの半導体装置の周辺回路に接続させた半導体基板の断面図である。周辺回路にはPウエル領域、Nウエル領域にMOSトランジスタTr1、Tr2が形成されている。保護回路にはゲート電極とソース領域8aとが短絡されたMOSトランジスタTrがPウエル領域4に形成され、素子分離領域(STI)2を介して隣接しているNウエル領域5aは、高濃度領域(例えば、Pウエル領域の3倍程度)となっている。このNウエル領域5aは、接地(GND)されており、通常はトランジスタが形成されていない。外部から半導体装置に流れ込む過電流は、保護回路のドレイン領域8からNウエル領域5bに流れて周辺回路を保護している。
【0021】
【発明の効果】本発明は、以上の構成により、本体回路の外部端子に過電流が加わったときに過電流は保護回路のトランジスタのソース/ドレイン領域間を流れずに、ドレイン領域から空乏層が延びて第1導電型ウエル領域の第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分に接触して、ドレイン領域と第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分との間を流れるようになるので、保護回路を構成するトランジスタの保護機能を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の装置の断面図。
【図2】第1の実施例の半導体装置の製造工程断面図。
【図3】第1の実施例の半導体装置の製造工程断面図。
【図4】第1の実施例の半導体装置の製造工程断面図。
【図5】第2の実施例の半導体装置の製造工程断面図。
【図6】第2の実施例の半導体装置の製造工程断面図。
【図7】第2の実施例の半導体装置の断面図。
【図8】本発明及び従来の保護回路を示す回路図。
【図9】 本発明及び従来の半導体装置に用いるLDD構造のMOSトランジスタの断面図。
【図10】 従来の保護回路に用いるコンベンショナルな構造のMOSトランジスタの断面図。
【図11】本発明及び従来のLDD構造のトランジスタとコンベンショナルな構造のMOSトランジスタ(Conv)との耐圧差を示す特性図。
【図12】本発明のNウエル領域の耐圧を示す特性図。
【図13】本発明の保護回路を接続した半導体装置の断面図。
【符号の説明】
1、11、21、31・・・半導体基板、 2、12、22、32・・・素子分離領域、 3、3a、33a、33b・・・フォトレジスト、4、13、23、34・・・Pウエル領域、 5、5a、5c、14、24、35、35a、35c・・・Nウエル領域、 5b・・・Nウエル領域の入り込み部、 6、18、28・・・ゲート電極、 6a、17、27、36a・・・ゲート酸化膜、 7、19、29、37・・・側壁絶縁膜、 8、15a、25a、38・・・ドレイン領域、 8a、15、25、38a・・・ソース領域、 9・・・電源、 35d・・・Nウエル領域の高濃度領域。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電破壊から本体回路を保護する保護回路を備えた半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ICやLSIなどの半導体装置は、高集積化、高速度化が進められている。そのため、トランジスタのソース/ドレイン領域の高濃度化が図られている。その為、電界緩和したLDDトランジスタと保護回路として用いるConv.トランジスタの耐圧差が無くなっており、サージ印加時に静電破壊を防止するために保護回路として用いられる保護トランジスタよりも先に本体破壊している。図8は、従来の半導体装置に形成された本体回路を静電破壊から保護する保護回路を示す回路図である。そして図9は、その本体回路に用いるLDD(LightlyDoped Drain) 構造のMOSトランジスタの断面図であり、図10は、保護回路に用いるコンベンショナルな構造のMOSトランジスタの断面図である。本発明は、トランジスタが形成されるウエル領域に特徴があり、従って図8及び図9に示される保護回路及びトランジスタは、本発明用としても利用される。図8において、半導体基板に形成された本体回路は、例えば、メモリ、ロジックなどからなり、主として図9に示されるLDD化されたトランジスタを用いている。本体回路とその外部端子との間には保護回路が接続されている。保護回路は、MOSトランジスタPTrから構成されている。
【0003】図9の本体回路のトランジスタには、例えば、P型もしくはN型シリコン半導体基板11を使用する。半導体基板11には、例えば、STI(Shallow TrenchIsolation)構造の素子分離領域12が形成されている。素子分離領域12に囲まれた素子領域は、Pウエル領域13で構成されている。このPウエル領域13に隣接し、素子分離領域12に隔てられた隣接の素子領域にはPウエルもしくはNウエル領域14が形成されている。素子分離領域は、LOCOS構造などを用いることも可能である。これらのウエル領域の不純物濃度は、例えば、1017/cm3 程度である。Pウエル領域13には、例えば、不純物濃度が1020/cm3 程度のN型ソース領域15及びN型ドレイン領域15aが形成され、さらにソース領域15やドレイン領域15aより低濃度のLDD構造16がそれらの先端に形成されトランジスタの耐圧を高めている。ソース領域15及びドレイン領域15a間の上にゲート酸化膜17を介してポリシリコンなどからなるゲート電極18が形成されており、このゲート電極18の側壁にはシリコン窒化膜などからなる側壁絶縁膜19が形成されている。
【0004】一方、図10に示す従来の保護回路に用いるトランジスタは、図9と同じく、例えば、P型もしくはN型シリコン半導体基板21を用いる。半導体基板21には、例えば、STI構造の素子分離領域22が形成されている。素子分離領域22に囲まれた素子領域は、Pウエル領域23で構成されている。このPウエル領域23に隣接し、素子分離領域22に隔てられた隣接の素子領域にはPウエルもしくはNウエル領域24が形成されている。これらのウエル領域の不純物濃度は、例えば、1017/cm3 程度である。Pウエル領域23には、例えば、不純物濃度が1020/cm3 程度のN型ソース領域25及びN型ドレイン領域25aが形成されている。ソース領域25及びドレイン領域25a間の上にゲート酸化膜27を介してポリシリコンなどからなるゲート電極28が形成されており、このゲート電極28の側壁にはシリコン窒化膜などを材料とする側壁絶縁膜29が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、半導体装置は、静電破壊から半導体装置の本体回路を守るために図8に示すように保護回路を用いている。そして、保護回路としては、本体回路がLDD構造のMOSトランジスタを用いているのに対して、例えば、図10に示すコンベンショナルな構造のNMOSトランジスタ(Conv)を用いていた。図11にも示すように、従来のLDD構造のトランジスタ(従来のLDD)は、耐圧が高いので、コンベンショナルな構造のMOSトランジスタ(Conv)との耐圧差が大きく、この耐圧差を利用して本体回路に加わる過電流を半導体基板に逃がすようにしている。しかし、現状のLDD構造のトランジスタ(LDD)は、ゲート長が細く、ショートチャネル効果の抑制と駆動力を稼ぐためにLDD領域の不純物濃度を上げている。そのため現状のLDD構造のトランジスタ(LDD)の耐圧が下がり、上記耐圧差が著しく小さくなっている。
【0006】このように、半導体装置の高集積化、高速度化の結果、本体回路に用いるトランジスタにLDD構造を採用しても、本体回路の高集積化、高速度化されたトランジスタ(LDD)と保護回路のトランジスタ(Conv)との耐圧差は、従来のLDD構造のトランジスタを用いた場合に比較して非常に小さくなっている。図1111は、縦軸に電流I(A)、横軸に耐圧V(V)をとっている。従来のLDD構造のトランジスタより現状のLDD構造のトランジスタ耐圧は低く、その結果保護回路のトランジスタとの耐圧差が小さくなり、保護回路としての機能が十分でなく、本体回路に過電流が流れてしまう恐れがあるという問題が生じているのが現状である。本発明は、このような事情によりなされたものであり、半導体装置の高集積化、高速度化が進んでも、保護回路を構成するトランジスタがその機能を十分果たすことが可能な半導体装置及びその製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、保護回路が形成された第1導電型ウエル領域と、この第1導電型ウエル領域に上部は素子分離領域に隔てられ、素子分離領域の底面より下では、接合されている高不純物濃度の第2導電型ウエル領域とを備えた半導体装置において、前記第1導電型ウエル領域は、前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込んでいること、もしくは前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型領域側に入り込んでいるを特徴としている。本体回路の外部端子に過電流が加わったときに過電流は保護回路のトランジスタのソース/ドレイン領域間を流れずに、ドレイン領域から空乏層が延びて第1導電型ウエル領域の第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分に接触して、ドレイン領域と第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分との間を流れるようになる。つまり、第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分との間の距離は、ソース/ドレイン領域間の距離(ゲート長)より短くなるように形成されている。そして、過電流がソース/ドレイン領域間よりも流れ易い通路(ドレイン領域−第1導電型ウエル領域の第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分間)を形成することにより、保護回路を構成するトランジスタの保護機能を向上させることができる。
【0008】すなわち、本発明の半導体装置は、複数の素子領域が素子分離領域により区画されて形成されている半導体基板と、前記半導体基板に形成された第1導電型ウエル領域と、前記半導体基板に形成され、前記第1導電型ウエル領域とは前記素子分離領域により分離されている第2導電型ウエル領域とを備え、前記第1導電型ウエル領域は、前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込むようにすることを特徴としている。前記第2導電型ウエル領域の内、所定の領域には保護回路が形成されているようにしても良い。前記保護回路は、第1導電型MOSトランジスタから構成されているようにしても良い。前記第1導電型ウエル領域は、前記第2導電型ウエル領域より不純物濃度が高いようにしても良い。前記保護回路が形成されている前記第2導電型ウエル領域に隣接する前記第1導電型ウエル領域の不純物濃度は、前記保護回路が形成されている第2導電型ウエル領域とは隣接していない前記第1導電型ウエル領域より不純物濃度が高いようにしても良い。また、本発明の半導体装置は、複数の素子領域が素子分離領域により区画されて形成されている半導体基板と、前記半導体基板に形成された第1導電型ウエル領域と、前記半導体基板に形成され、前記第1導電型ウエル領域とは前記素子分離領域により分離されている第2導電型ウエル領域とを備え、前記第1導電型ウエル領域は、前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型ウエル領域側に入り込んでいることを特徴としている。
【0009】また、本発明の半導体装置は、複数の素子領域が素子分離領域により区画されて形成されている半導体基板と、前記半導体基板に形成されたNウエル領域と、前記半導体基板に形成され、前Nウエル領域とは前記素子分離領域により分離されているPウエル領域とを備え、前記Nウエル領域は、前記素子分離領域の幅の半分より前記Pウエル領域側に入り込んでおり、且つ前記Pウエル領域のドレイン領域と前記Nウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分との間の距離は、前記ソース/ドレイン領域間のチャネル長より短くなるように形成されていることを特徴としている。このように構成することにより、過電流がソース/ドレイン領域間よりも流れ易い通路(ドレイン領域−Nウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分間)を形成することになり、保護回路を構成するトランジスタの保護機能を向上させることができる。従来よりNウエル領域の耐圧が小さいのでLDD構造のトランジスタとの耐圧差を大きくすることができる。本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物をイオン注入して第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物をイオン注入して第2導電型ウエル領域を形成する工程とを備え、前記第1導電型ウエル領域のイオン注入量は、前記第2導電型ウエル領域のイオン注入量より多くして前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込むようにすることを特徴としている。前記第2導電型ウエル領域の内、所定の領域に保護回路を形成する工程をさらに備えているようにしても良い。
【0010】また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物を拡散させて第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物を拡散させて第2導電型ウエル領域を形成する工程と、前記第1導電型ウエル領域に第1導電型イオンを注入し、加熱拡散させる工程とを備え、前記イオン注入、加熱拡散工程により前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込むようにすることを特徴としている。また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物をイオン注入して第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物をイオン注入して第2導電型ウエル領域を形成する工程とを備え、前記第1導電型ウエル領域のイオン注入量は、前記第2導電型ウエル領域のイオン注入量より多くして前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型ウエル領域側に入り込んでいるようにすることを特徴としている。
【0011】また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物を拡散させて第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物を拡散させて第2導電型ウエル領域を形成する工程と、前記第1導電型ウエル領域に第1導電型イオンを注入し、加熱拡散させる工程とを備え、前記イオン注入、加熱拡散工程により前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型ウエル領域側に入り込んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して発明の実施の形態を説明する。まず、図1乃至図4を参照して第1の実施例を説明する。図1は、半導体装置の保護回路部分を示す概略断面図、図2乃至図4は、半導体装置の製造工程断面図である。この半導体装置は、トランジスタ形成のために、例えば、P型もしくはN型シリコン半導体基板1を用いる。半導体基板1には、例えば、シリコン酸化物が埋め込まれたSTI構造の素子分離領域2が形成されている。素子分離領域2に囲まれた素子領域は、Pウエル領域4で構成されている。このPウエル領域4に隣接し、素子分離領域2に隔てられた隣接の素子領域にはNウエル領域5aが形成されている。Pウエル領域4の不純物濃度は、例えば、1017/cm3 程度であり、Pウエル領域4に隣接するNウエル領域5aの不純物濃度は、Pウエル領域4の約3倍程度である。Pウエル領域4には、例えば、不純物濃度が1020/cm3 程度のN型ソース領域8a及びN型ドレイン領域8などの不純物拡散領域が形成されている。ソース領域8a及びドレイン領域8間の上にゲート酸化膜(SiO2 )6aを介してポリシリコンなどからなるゲート電極6が形成されており、このゲート電極6の側壁にはシリコン窒化膜などからなる側壁絶縁膜7が形成されている。
【0013】ソース領域8a及びNウエル領域5aは、接地(GND)されている。また、ドレイン領域8は、電源9に接続されている。Pウエル領域4に隣接し、素子分離領域2に隔てられた他方の素子領域にはPウエルもしくはNウエル領域5cが形成されている。PウエルもしくはNウエル領域5cの不純物濃度は、例えば、1017/cm3 程度である。Nウエル領域5aは、素子分離領域2の底部を越えてPウエル領域に入り込んでいる。このように構成された結果、外部端子9に過電流が加わったときに、過電流は、保護回路を構成するトランジスタのソース領域8a−ドレイン領域8間を流れずに、ドレイン領域8から空乏層が延びてNウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分5bに接触して、ドレイン領域8とPウエル領域に入り込んだ部分5bとの間を流れるようになる。つまり、ドレイン領域8とNウエル領域5aのPウエル領域に入り込んだ部分5bとの間の距離は、ソース/ドレイン領域8a、8間の距離(チャネル長)より短くなるように形成されている。そして、過電流がソース/ドレイン領域間よりも流れ易い通路(ドレイン領域8−Nウエル領域5aのPウエル領域に入り込んだ部分間)を形成することにより、保護回路を構成するトランジスタの保護機能を向上させることができる。従来よりNウエル領域の耐圧が小さいのでLDD構造のトランジスタとの耐圧差を大きくすることができる(図12参照)。
【0014】次に、図2乃至図4を参照して図1の半導体装置の製造工程を説明する。まず、P型もしくはN型シリコン半導体基板1の表面領域をRIE(ReactiveIon Etching)などによりエッチングして、素子分離領域を形成するために所定のパターンの溝を形成する。次に、半導体基板1表面及び溝中にCVD(ChemicalVapour Deposition)法などによりシリコン酸化膜(TEOS膜)を堆積させる。このシリコン酸化膜を表面からCMP(Chemical Mechanical Polishing) 法により研磨して溝以外のシリコン酸化膜を除去し、溝にシリコン酸化膜が埋め込まれたSTI構造の素子分離領域2が形成される。素子分離領域2は、複数の素子領域を区画している(図2R>2(a))。次に、半導体基板1上にリソグラフィ法によりフォトレジスト3を形成し、これをパターニングしてPウエル領域を形成する素子領域の表面を開口させる。そして、この開口された素子領域にB+などの不純物イオンを注入してPウエル領域4を形成する(図2(b))。その後、フォトレジスト3を除去してから、半導体基板1上に再度リソグラフィ法によりフォトレジスト3aを形成し、これをパターニングしてNウエル領域を形成する素子領域の表面を開口させる。
【0015】そして、この開口された素子領域にP+などの不純物イオンを注入して先に形成したPウエル領域4に隣接するNウエル領域5を形成する。このときのドーズ量は、Pウエル領域4を形成したときの約3倍である(図3(a))。次に、フォトレジスト3aを取り除いてから半導体基板1を加熱処理すると、Nウエル領域5は、Pウエル領域4の約3倍のドーズ量を受けているので、領域が拡大してPウエル領域4に入って行き、Pウエル領域への入り込み部分5bを有するNウエル領域5aが形成される(図3(b))。次に、隣接するNウエル領域5aが入り込んでいるPウエル領域4に保護回路として用いられるコンベンショナルな構造のMOSトランジスタを形成する。Pウエル領域4表面に熱処理によりゲート酸化膜(SiO2 )6aを形成する。そして、半導体基板1上に形成されたポリシリコン膜をリソグラフィ法によりパターニングしてゲート酸化膜6a上にポリシリコンからなるゲート電極6を形成する。このゲート電極6を含む半導体基板1上に窒化シリコン膜(SiN)を堆積させ、これをRIE法などにより異方性エッチングを行ってゲート側壁にシリコン窒化膜を材料とする側壁絶縁膜7を形成し、その他の部分に存在するシリコン窒化膜を除去する(図4(a))。
【0016】次に、半導体基板1にリソグラフィ法により、Pウエル領域4中にAs+、P+などのN型不純物イオンを注入してN型不純物拡散領域を形成し、これをソース領域8a、ドレイン領域8とする(図4(b))。その後、Nウエル領域5a及びソース領域8aを接地(GND)にする(図1参照)。ドレイン領域とNウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分との間の距離は、ソース/ドレイン領域間の距離(チャネル長)より短くなるように形成されている。そして、過電流がソース/ドレイン領域間よりも流れ易い通路(ドレイン領域−Nウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分間)を形成することにより、保護回路を構成するトランジスタの保護機能を向上させることができる。従来よりNウエル領域の耐圧が小さいのでLDD構造のトランジスタとの耐圧差を大きくすることができる。
【0017】次に、図5乃至図7を参照して第2の実施例を説明する。図5乃至図7は、半導体装置の製造工程断面図である。この実施例は、製造工程に特徴がある。この半導体装置は、保護回路が形成されたPウエル領域に隣接し、素子分離領域に隔てられたNウエル領域の不純物濃度分布が第1の実施例の半導体装置とは相違しているが、その他の構成は同じである。すなわち、Pウエル領域34及びNウエル領域35aの不純物濃度は、例えば、1017/cm3 程度であり、Pウエル領域34に隣接するNウエル領域35aのPウエル領域34への入り込み部分35b及びその近傍を含む部分35dは不純物濃度がPウエル領域34より高くなっている(図7参照)。
【0018】まず、P型もしくはN型シリコン半導体基板31を用い、半導体基板31上にリソグラフィ法によりフォトレジストを形成し、これをパターニングしてPウエル領域を形成する素子領域の表面を開口させ、この開口された素子領域にB+などの不純物イオンを注入してPウエル領域34を形成する。この工程までは、第1の実施例(図2(a)及び図2(b))と同じであるので、図示はしない。その後、フォトレジストを除去してから、半導体基板1上に再度リソグラフィ法によりフォトレジスト33aを形成し、これをパターニングしてNウエル領域を形成する素子領域の表面を開口させる。そして、この開口された素子領域にP+などの不純物イオンを注入して先に形成したPウエル領域34に隣接するNウエル領域35を形成する。このときのドーズ量は、Pウエル領域34を形成したときと同じである(図5(a))。次に、フォトレジスト33aを除去してから、半導体基板31上にリソグラフィ法によりフォトレジスト33bを形成し、これをパターニングしてNウエル領域を形成する素子領域の表面を再度開口させる。
【0019】そして、この開口された素子領域にP+などの不純物イオンを注入してNウエル領域35の底部に高濃度領域35dを形成する(図5(b))。次に、フォトレジスト33bを取り除いてから半導体基板31を加熱処理すると、高濃度領域35dは、領域が拡大してPウエル領域34に入って行き、Pウエル領域への入り込み部分35bを有するNウエル領域35aが形成される(図6(a))。次に、隣接するNウエル領域35aが入り込んでいるPウエル領域34に保護回路として用いられるコンベンショナルな構造のMOSトランジスタを形成する。Pウエル領域34の表面に熱酸化によるゲート酸化膜(SiO2 )36aを形成する。そして、半導体基板31上に形成されたポリシリコン膜をリソグラフィ法によりパターニングしてゲート酸化膜36a上にポリシリコンからなるゲート電極36を形成する。このゲート電極36を含む半導体基板31上に窒化シリコン膜(SiN)を堆積させ、これをRIE法などにより異方性エッチングを行ってゲート側壁にシリコン窒化膜を材料とする側壁絶縁膜37を形成し、その他の部分に存在するシリコン窒化膜を除去する(図6(b))。次に、半導体基板31にリソグラフィ法により、Pウエル領域34中にAs+、P+などのN型不純物イオンを注入してN型不純物拡散領域を形成し、これをソース領域38a、ドレイン領域38とする。その後Nウエル領域35a及びソース領域38aを接地(GND)にする(図7)。
【0020】ドレイン領域とNウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分との間の距離は、ソース/ドレイン領域間の距離(チャネル長)より短くなるように形成されている。そして、過電流がソース/ドレイン領域間よりも流れ易い通路(ドレイン領域−Nウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分間)を形成することにより、保護回路を構成するトランジスタの保護機能を向上させることができる。従来よりNウエル領域の耐圧が小さいのでLDD構造のトランジスタとの耐圧差を大きくすることができる。図13は、図1に示された保護回路をメモリなどの半導体装置の周辺回路に接続させた半導体基板の断面図である。周辺回路にはPウエル領域、Nウエル領域にMOSトランジスタTr1、Tr2が形成されている。保護回路にはゲート電極とソース領域8aとが短絡されたMOSトランジスタTrがPウエル領域4に形成され、素子分離領域(STI)2を介して隣接しているNウエル領域5aは、高濃度領域(例えば、Pウエル領域の3倍程度)となっている。このNウエル領域5aは、接地(GND)されており、通常はトランジスタが形成されていない。外部から半導体装置に流れ込む過電流は、保護回路のドレイン領域8からNウエル領域5bに流れて周辺回路を保護している。
【0021】
【発明の効果】本発明は、以上の構成により、本体回路の外部端子に過電流が加わったときに過電流は保護回路のトランジスタのソース/ドレイン領域間を流れずに、ドレイン領域から空乏層が延びて第1導電型ウエル領域の第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分に接触して、ドレイン領域と第2導電型ウエル領域に入り込んだ部分との間を流れるようになるので、保護回路を構成するトランジスタの保護機能を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の装置の断面図。
【図2】第1の実施例の半導体装置の製造工程断面図。
【図3】第1の実施例の半導体装置の製造工程断面図。
【図4】第1の実施例の半導体装置の製造工程断面図。
【図5】第2の実施例の半導体装置の製造工程断面図。
【図6】第2の実施例の半導体装置の製造工程断面図。
【図7】第2の実施例の半導体装置の断面図。
【図8】本発明及び従来の保護回路を示す回路図。
【図9】 本発明及び従来の半導体装置に用いるLDD構造のMOSトランジスタの断面図。
【図10】 従来の保護回路に用いるコンベンショナルな構造のMOSトランジスタの断面図。
【図11】本発明及び従来のLDD構造のトランジスタとコンベンショナルな構造のMOSトランジスタ(Conv)との耐圧差を示す特性図。
【図12】本発明のNウエル領域の耐圧を示す特性図。
【図13】本発明の保護回路を接続した半導体装置の断面図。
【符号の説明】
1、11、21、31・・・半導体基板、 2、12、22、32・・・素子分離領域、 3、3a、33a、33b・・・フォトレジスト、4、13、23、34・・・Pウエル領域、 5、5a、5c、14、24、35、35a、35c・・・Nウエル領域、 5b・・・Nウエル領域の入り込み部、 6、18、28・・・ゲート電極、 6a、17、27、36a・・・ゲート酸化膜、 7、19、29、37・・・側壁絶縁膜、 8、15a、25a、38・・・ドレイン領域、 8a、15、25、38a・・・ソース領域、 9・・・電源、 35d・・・Nウエル領域の高濃度領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の素子領域が素子分離領域により区画されて形成されている半導体基板と、前記半導体基板に形成された第1導電型ウエル領域と、前記半導体基板に形成され、前記第1導電型ウエル領域とは前記素子分離領域により分離されている第2導電型ウエル領域とを備え、前記第1導電型ウエル領域は、前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込むようにすることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】 前記第2導電型ウエル領域の内、所定の領域には保護回路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】 前記保護回路は、第1導電型MOSトランジスタから構成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】 前記第1導電型ウエル領域は、前記第2導電型ウエル領域より不純物濃度が高いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】 前記保護回路が形成されている前記第2導電型ウエル領域に隣接する前記第1導電型ウエル領域の不純物濃度は、前記保護回路が形成されている第2導電型ウエル領域とは隣接していない前記第1導電型ウエル領域より不純物濃度が高いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項6】 複数の素子領域が素子分離領域により区画されて形成されている半導体基板と、前記半導体基板に形成された第1導電型ウエル領域と、前記半導体基板に形成され、前記第1導電型ウエル領域とは前記素子分離領域により分離されている第2導電型ウエル領域とを備え、前記第1導電型ウエル領域は、前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型ウエル領域側に入り込んでいることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】 複数の素子領域が素子分離領域により区画されて形成されている半導体基板と、前記半導体基板に形成されたNウエル領域と、前記半導体基板に形成され、前Nウエル領域とは前記素子分離領域により分離されているPウエル領域とを備え、前記Nウエル領域は、前記素子分離領域の幅の半分より前記Pウエル領域側に入り込んでおり、且つ前記Pウエル領域のドレイン領域と前記Nウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分との間の距離は、前記ソース/ドレイン領域間のチャネル長より短くなるように形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】 半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物をイオン注入して第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物をイオン注入して第2導電型ウエル領域を形成する工程とを備え、前記第1導電型ウエル領域のイオン注入量は、前記第2導電型ウエル領域のイオン注入量より多くして前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込むようにすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】 前記第2導電型ウエル領域の内、所定の領域に保護回路を形成する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】 半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物を拡散させて第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物を拡散させて第2導電型ウエル領域を形成する工程と、前記第1導電型ウエル領域に第1導電型イオンを注入し、加熱拡散させる工程とを備え、前記イオン注入、加熱拡散工程により前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込むようにすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】 半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物をイオン注入して第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物をイオン注入して第2導電型ウエル領域を形成する工程とを備え、前記第1導電型ウエル領域のイオン注入量は、前記第2導電型ウエル領域のイオン注入量より多くして前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型ウエル領域側に入り込んでいるようにすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】 半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物を拡散させて第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物を拡散させて第2導電型ウエル領域を形成する工程と、前記第1導電型ウエル領域に第1導電型イオンを注入し、加熱拡散させる工程とを備え、前記イオン注入、加熱拡散工程により前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型ウエル領域側に入り込んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項1】 複数の素子領域が素子分離領域により区画されて形成されている半導体基板と、前記半導体基板に形成された第1導電型ウエル領域と、前記半導体基板に形成され、前記第1導電型ウエル領域とは前記素子分離領域により分離されている第2導電型ウエル領域とを備え、前記第1導電型ウエル領域は、前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込むようにすることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】 前記第2導電型ウエル領域の内、所定の領域には保護回路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】 前記保護回路は、第1導電型MOSトランジスタから構成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】 前記第1導電型ウエル領域は、前記第2導電型ウエル領域より不純物濃度が高いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】 前記保護回路が形成されている前記第2導電型ウエル領域に隣接する前記第1導電型ウエル領域の不純物濃度は、前記保護回路が形成されている第2導電型ウエル領域とは隣接していない前記第1導電型ウエル領域より不純物濃度が高いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項6】 複数の素子領域が素子分離領域により区画されて形成されている半導体基板と、前記半導体基板に形成された第1導電型ウエル領域と、前記半導体基板に形成され、前記第1導電型ウエル領域とは前記素子分離領域により分離されている第2導電型ウエル領域とを備え、前記第1導電型ウエル領域は、前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型ウエル領域側に入り込んでいることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】 複数の素子領域が素子分離領域により区画されて形成されている半導体基板と、前記半導体基板に形成されたNウエル領域と、前記半導体基板に形成され、前Nウエル領域とは前記素子分離領域により分離されているPウエル領域とを備え、前記Nウエル領域は、前記素子分離領域の幅の半分より前記Pウエル領域側に入り込んでおり、且つ前記Pウエル領域のドレイン領域と前記Nウエル領域のPウエル領域に入り込んだ部分との間の距離は、前記ソース/ドレイン領域間のチャネル長より短くなるように形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】 半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物をイオン注入して第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物をイオン注入して第2導電型ウエル領域を形成する工程とを備え、前記第1導電型ウエル領域のイオン注入量は、前記第2導電型ウエル領域のイオン注入量より多くして前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込むようにすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】 前記第2導電型ウエル領域の内、所定の領域に保護回路を形成する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】 半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物を拡散させて第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物を拡散させて第2導電型ウエル領域を形成する工程と、前記第1導電型ウエル領域に第1導電型イオンを注入し、加熱拡散させる工程とを備え、前記イオン注入、加熱拡散工程により前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域を越えて前記第2導電型ウエル領域に入り込むようにすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】 半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物をイオン注入して第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物をイオン注入して第2導電型ウエル領域を形成する工程とを備え、前記第1導電型ウエル領域のイオン注入量は、前記第2導電型ウエル領域のイオン注入量より多くして前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型ウエル領域側に入り込んでいるようにすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】 半導体基板に素子分離領域により区画された複数の素子領域を形成する工程と、前記半導体基板の所定素子領域に第1導電型不純物を拡散させて第1導電型ウエル領域を形成する工程と、前記半導体基板の他の素子領域に第2導電型不純物を拡散させて第2導電型ウエル領域を形成する工程と、前記第1導電型ウエル領域に第1導電型イオンを注入し、加熱拡散させる工程とを備え、前記イオン注入、加熱拡散工程により前記第1導電型ウエル領域が前記素子分離領域の幅の半分より前記第2導電型ウエル領域側に入り込んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図4】
【図8】
【図3】
【図5】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図6】
【図13】
【図2】
【図4】
【図8】
【図3】
【図5】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図6】
【図13】
【公開番号】特開2001−168204(P2001−168204A)
【公開日】平成13年6月22日(2001.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−352802
【出願日】平成11年12月13日(1999.12.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成13年6月22日(2001.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成11年12月13日(1999.12.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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