説明

半導体装置及び表示装置

【課題】フォトセンサを有する表示装置において、フォトセンサへの入射光の強度にかかわらず、高精度の撮像を行うことを目的の一とする。
【解決手段】フォトセンサが配置された表示パネルを有し、フォトセンサにより入射光を測定し、入射光に応じてフォトセンサの感度を変更して撮像を行う機能を有する表示装置を提供する。入射光が暗いときにフォトセンサの感度を上げて撮像の精度を向上することで、接触の誤認識の防止や鮮明な画像取り込みを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、表示装置とその駆動方法に関する。特に、フォトセンサを有する表示装置とその駆動方法に関する。また、半導体装置とその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチセンサを搭載した表示装置が注目されている。タッチセンサを搭載した表示装置は、タッチパネル又はタッチスクリーンなどと呼ばれている(以下、これを単に「タッチパネル」と呼ぶ)。タッチセンサには、動作原理の違いにより、抵抗膜方式、静電容量方式、光方式などがあり、被検出物(ペン、指など)が表示装置に接触したことを検出することができる。そのため、タッチセンサを入力装置として用い、表示装置の制御などを行うためのデータを入力することができる。また、光方式のタッチセンサを搭載した表示装置は、密着型エリアセンサとして用いることもできる(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、表示パネルを有さない装置の一例として、イメージセンサ等の半導体装置が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−292276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の様なフォトセンサを有する表示装置では、フォトセンサへの入射光の強度が強すぎる場合や弱すぎる場合、撮像の精度に影響を及ぼすという問題がある。撮像の精度が低下すると、検出位置の誤認識や、取り込み画像が不鮮明になる。特に、外部からの光(外光)の影響を受けやすい。
【0006】
上記の問題に鑑み、入射光の強度にかかわらず、高精度の撮像を行うことを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
表示装置の一態様は、画素にフォトセンサが配置された表示パネルを有し、フォトセンサにより入射光を測定し、入射光に応じてフォトセンサの感度を変更する機能を有している。
【0008】
また、表示装置の他の一態様は、画素にフォトセンサが配置された表示パネルを有し、フォトセンサにおいて第1の撮像を行って被検出物の画像を生成し、当該画像からフォトセンサへの入射光を測定し、入射光に応じてフォトセンサの感度を変更した後に第2の撮像を行う機能を有している。
【0009】
即ち、画素に配置されたフォトセンサは入射光を測定する機能及び被検出物の撮像を行う機能を有している。入射光を測定する手法は、撮像した画像における濃度のヒストグラムから画像の明るさ(輝度)を検出すればよい。
【0010】
また、感度の変更の手法は、フォトセンサに印加される電圧を調整してもよい。
【0011】
また、フォトセンサは、トランジスタ及びトランジスタのゲートに電気的に接続されるフォトダイオードを有しており、フォトダイオードに印加される電圧を調整することで、フォトセンサの感度を変更してもよい。
【0012】
また、上記トランジスタのソースとドレインとの間に印加される電圧を調整することで、フォトセンサの感度を変更してもよい。
【0013】
また、フォトセンサは、リセット動作、累積動作、及び選択動作を行う機能を有し、累積動作を行う時間を調整することで、フォトセンサの感度を変更してもよい。なお累積動作は、リセット動作において初期化した後、選択動作において読み出しを行うまでの動作である。
【0014】
また、表示装置は画像処理部を有し、画像処理部において二値化処理を行う場合、二値化のしきい値を変更することで、撮像の精度を調整してもよい。
【0015】
また、表示装置の他の一態様は、画素に第1のフォトセンサが配置され、且つ、画素の外に第2のフォトセンサが配置された表示パネルを有し、第2のフォトセンサにおいて入射光を測定し、入射光に応じて第1のフォトセンサの感度を変更した後に撮像を行う機能を有している。即ち、画素に配置された第1のフォトセンサは被検出物の撮像を行う機能を有し、画素の外に配置された第2のフォトセンサは入射光の測定を行う機能を有している。フォトセンサの感度の変更は、上記と同様に行う。
【発明の効果】
【0016】
入射光の強度に応じてフォトセンサの感度を変更することで、常に高精度な撮像を行うことが可能である。特に、外光の影響を受けにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】表示装置の構成を説明する図。
【図2】表示装置の構成を説明する図。
【図3】表示装置の構成を説明する図。
【図4】タイミングチャート。
【図5】表示装置の構成を説明する図。
【図6】表示装置の構成を説明する図。
【図7】表示装置の断面図を説明する図。
【図8】表示装置の断面図を説明する図。
【図9】表示装置の断面図を説明する図。
【図10】表示装置を用いた電子機器の一例を示す図。
【図11】表示装置の構成を説明する図。
【図12】表示装置を用いた電子機器の一例を示す図。
【図13】ヒストグラム。
【図14】ヒストグラム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下の実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
(実施の形態1)
本実施の形態では、表示装置について図1〜図4を参照して説明する。
【0020】
表示パネルの構成について、図1を参照して説明する。表示パネル100は、画素回路101、表示素子制御回路102及びフォトセンサ制御回路103を有する。画素回路101は、行列方向にマトリクス状に配置された複数の画素104を有する。各々の画素104は、表示素子105とフォトセンサ106を有する。フォトセンサ106は、表示パネル100に接触又は接近した被検出物を検出し撮像することができる。なお、フォトセンサ106は、画素104の外に設けてもよい。また、フォトセンサ106の個数は、表示素子105の個数と異なっていてもよい。
【0021】
表示素子105は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)、保持容量、及び液晶素子などを有する。薄膜トランジスタは、保持容量への電荷の注入もしくは保持容量からの電荷の排出を制御する機能を有する。保持容量は、液晶素子に印加する電圧に相当する電荷を保持する機能を有する。液晶素子に電圧を印加し、光の透過又は非透過を制御することで、階調表示が行われる。液晶層を透過する光は、光源(バックライト)によって液晶表示装置の裏面から照射される光を用いる。
【0022】
なお、表示素子105が液晶素子を有する場合について説明したが、発光素子などの他の素子を有していてもよい。発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子であり、具体的には発光ダイオード、OLED(Organic Light Emitting Diode)等が挙げられる。
【0023】
フォトセンサ106は、受光することで電気信号を生成する機能を有する素子(受光素子)と、トランジスタとを有する。受光素子としては、フォトダイオード等を用いることができる。なお、フォトセンサ106は、被検出物により外光が遮蔽されて影になっているか、あるいは外光が入射されているか、を表示パネル100への入射光により判別することで、被検出物を検出する。また、バックライトから照射され被検出物によって反射した光を利用することもできる。外光と反射光との両方を利用してもよい。
【0024】
表示素子制御回路102は、表示素子105を制御するための回路であり、ビデオデータ信号線などの信号線(「ソース信号線」ともいう。)を介して表示素子105に信号を入力する表示素子駆動回路107と、走査線(「ゲート信号線」ともいう。)を介して表示素子105に信号を入力する表示素子駆動回路108を有する。例えば、走査線側の表示素子駆動回路108は、特定の行に配置された画素が有する表示素子を選択する機能を有する。また、信号線側の表示素子駆動回路107は、選択された行の画素が有する表示素子に任意の電位を与える機能を有する。なお、走査線側の表示素子駆動回路108により高電位を印加された表示素子では、薄膜トランジスタが導通状態となり、信号線側の表示素子駆動回路107により与えられる電荷が供給される。
【0025】
フォトセンサ制御回路103は、フォトセンサ106を制御するための回路であり、フォトセンサ出力信号線、フォトセンサ基準信号線等の信号線側のフォトセンサ読み出し回路109と、走査線側のフォトセンサ駆動回路110を有する。走査線側のフォトセンサ駆動回路110は、特定の行に配置された画素が有するフォトセンサ106に対して、後述するリセット動作と選択動作とを行う機能を有する。また、信号線側のフォトセンサ読み出し回路109は、選択された行の画素が有するフォトセンサ106の出力信号を取り出す機能を有する。なお、信号線側のフォトセンサ読み出し回路109は、アナログ信号であるフォトセンサの出力を、OPアンプを用いてアナログ信号のまま表示装置外部に取り出す構成や、A/D変換回路を用いてデジタル信号に変換してから表示装置外部に取り出す構成が考え得る。
【0026】
画素104の回路図について、図2を用いて説明する。画素104は、トランジスタ201、保持容量202及び液晶素子203を有する表示素子105と、フォトダイオード204、トランジスタ205及びトランジスタ206を有するフォトセンサ106とを有する。
【0027】
トランジスタ201は、ゲートがゲート信号線207に、ソース又はドレインの一方がビデオデータ信号線210に、ソース又はドレインの他方が保持容量202の一方の電極と液晶素子203の一方の電極に電気的に接続されている。保持容量202の他方の電極と液晶素子203の他方の電極は一定の電位に保たれている。液晶素子203は、一対の電極と、該一対の電極の間に液晶層を含む素子である。
【0028】
トランジスタ201は、ゲート信号線207に”H”(Highの電圧)が印加されると、ビデオデータ信号線210の電位を保持容量202と液晶素子203に印加する。保持容量202は、印加された電位を保持する。液晶素子203は、印加された電位により、光の透過率を変更する。
【0029】
フォトダイオード204は、一方の電極がフォトダイオードリセット信号線208に、他方の電極がトランジスタ205のゲートに電気的に接続されている。トランジスタ205は、ソース又はドレインの一方がフォトセンサ基準信号線212に、ソース又はドレインの他方がトランジスタ206のソース又はドレインの一方に電気的に接続されている。トランジスタ206は、ゲートが読み出し信号線209に、ソース又はドレインの他方がフォトセンサ出力信号線211に電気的に接続されている。
【0030】
次に、フォトセンサ読み出し回路109の構成について、図3を用いて説明する。図3において、画素1列分のフォトセンサ読み出し回路300は、p型トランジスタ301、保持容量302、を有する。また、フォトセンサ読み出し回路109は当該画素列のフォトセンサ出力信号線211、プリチャージ信号線303を有する。
【0031】
フォトセンサ読み出し回路300では、画素内におけるフォトセンサの動作に先立ち、フォトセンサ信号線211の電位を基準電位に設定する。図3では、プリチャージ信号線303を”L”(Lowの電圧)とすることで、フォトセンサ出力信号線211を基準電位である高電位に設定することができる。なお、保持容量302は、フォトセンサ出力信号線211の寄生容量が大きい場合には、特別に設けなくても良い。なお、基準電位は、低電位とする構成も可能である。この場合、n型トランジスタを用いることで、プリチャージ信号線303を”H”とすることで、フォトセンサ出力信号線211を基準電位である低電位に設定することができる。
【0032】
次に、本表示パネルにおけるフォトセンサの読み出し動作について、図4のタイミングチャートを用いて説明する。図4において、信号401〜信号404は、図2におけるフォトダイオードリセット信号線208、トランジスタ206のゲートが接続された読み出し信号線209、トランジスタ205のゲートが接続されたゲート信号線213、フォトセンサ出力信号線211の電位に相当する。また、信号405は、図3におけるプリチャージ信号線303の電位に相当する。
【0033】
時刻Aにおいて、フォトダイオードリセット信号線208の電位(信号401)を”H”とする(リセット動作)と、フォトダイオード204が導通し、トランジスタ205のゲートが接続されたゲート信号線213の電位(信号403)が”H”となる。また、プリチャージ信号線303の電位(信号405)を”L”とすると、フォトセンサ出力信号線211の電位(信号404)は”H”にプリチャージされる。
【0034】
時刻Bにおいて、フォトダイオードリセット信号線208の電位(信号401)を”L”にする(累積動作)と、フォトダイオード204のオフ電流により、トランジスタ205のゲートが接続されたゲート信号線213の電位(信号403)が低下し始める。フォトダイオード204は、外光が照射されるとオフ電流が増大するので、照射される光の量に応じてトランジスタ205のゲートが接続されたゲート信号線213の電位(信号403)は変化する。すなわち、トランジスタ205のソースとドレイン間の電流が変化する。
【0035】
時刻Cにおいて、読み出し信号線209の電位(信号402)を”H”にする(選択動作)と、トランジスタ206が導通し、フォトセンサ基準信号線212とフォトセンサ出力信号線211とが、トランジスタ205とトランジスタ206とを介して導通する。すると、フォトセンサ出力信号線211の電位(信号404)は、低下していく。なお、時刻C以前に、プリチャージ信号線303の電位(信号405)は”H”とし、フォトセンサ出力信号線211のプリチャージを終了しておく。ここで、フォトセンサ出力信号線211の電位(信号404)が低下する速さは、トランジスタ205のソースとドレイン間の電流に依存する。すなわち、フォトダイオード204に照射されている光の量に応じて変化する。
【0036】
時刻Dにおいて、読み出し信号線209の電位(信号402)を”L”にすると、トランジスタ206が遮断され、フォトセンサ出力信号線211の電位(信号404)は、時刻D以後、一定値となる。ここで、一定値となる値は、フォトダイオード204に照射されている光の量に応じて変化する。したがって、フォトセンサ出力信号線211の電位を取得することで、フォトダイオード204に照射されている光の量を知ることができる。
【0037】
上記のように、個々のフォトセンサの動作は、リセット動作、累積動作、選択動作を繰り返すことで実現される。表示装置において、全画素のフォトセンサのリセット動作、累積動作、選択動作を実行することで、表示パネルに接触又は接近した被検出物を撮像することができる。
【0038】
ここで、表示パネル100への入射光の強度が強すぎる場合、撮像の精度が低下し、画像が不鮮明になる可能性がある。特に外部環境として、外光の影響を受けやすい。
【0039】
そのような場合、表示パネル100への入射光の強度に応じてフォトセンサ106の感度を変更することで、撮像の精度を向上させることができる。
【0040】
その手順としては、撮像した被検出物の画像から撮像時におけるフォトセンサ106への入射光の測定を行い、入射光の強度に応じてフォトセンサ106の感度を変更して最適化を行い、最適化されたフォトセンサ106によって再度撮像を行えばよい。
【0041】
撮像した画像から入射光の測定を行うことで、画像に合わせて最適な感度に自動調整することが可能である。以下に、感度を変更する方法を説明する。
【0042】
まず、撮像した被検出物の画像における輝度のヒストグラムから、入射光の強度を判定する。図13にヒストグラムを示す。縦軸は画素数、横軸は輝度値である。輝度は最小値を0、最大値を255とした。
【0043】
そして、ヒストグラムから入射光の強度の判定を行う。例えば、図13の実線1301で示すヒストグラムは、被検出物の検出位置を示すピーク1302と、検出位置以外を示すピーク1303との2つのピークの輝度値が分離している。すなわち、撮像された画像において明暗の区別が明確になるため、入射光は適正であると判断される。
【0044】
また、破線1311で示すヒストグラムは、入射光が暗い場合であり、検出位置を示すピーク1302と検出位置以外を示すピーク1312との2つのピークの輝度値が接近している。さらに接近することでピークが1つしか確認できなくなる。すなわち、撮像された画像において明暗の区別が困難になるため、被検出物を正確に認識することが難しく、検出位置の判断も困難になる可能性がある。
【0045】
また、破線1321で示すヒストグラムは、入射光が明るい場合であり、検出位置以外を示すピーク1322の1つしかピークが確認できない。すなわち、撮像された画像において明暗の区別が困難になるため、被検出物を正確に認識することが難しく、検出位置の判断も困難になる可能性がある。
【0046】
このように、ヒストグラムにおいて2つのピークの輝度値が接近している場合又はピークが1つしか確認できない場合に、入射光が暗すぎる又は明るすぎると判定される。
【0047】
また、撮像した画像の輝度から表示パネル100への入射光の強度を算出してもよい。入射光の強度には、上限値及び下限値を設定されている。測定した強度が下限値から上限値までの範囲に入る場合は、入射光は適正であると判定される。しかし、強度が下限値未満(又は以下)の場合は、入射光が暗すぎると判定される。また、強度が上限値以上である場合は、入射光が明るすぎると判定される。
【0048】
そして、入射光が暗すぎる場合や明るすぎる場合には、フォトセンサの感度の変更を行う。感度を変更することで、ヒストグラムにおいて2つのピークの輝度値が分離して得られ、画像を鮮明にすることができる。
【0049】
感度の変更の具体的な手法としては、図2の構成において、(1)フォトダイオードリセット信号線208の電位(信号401)を変更して、フォトダイオード204に印加される電圧、すなわちトランジスタ205のゲートに印加される電圧(信号403)を変更する、(2)フォトセンサ基準信号線212の電位とプリチャージ信号線303の電位(信号405)との電位差を変更して、トランジスタ205のソースとドレインとの間に印加される電圧を変更する、(3)フォトセンサ106の累積動作に要する時間(累積時間:時刻Bから時刻Cまでの時間)を変更することが有効である。また、これらの手法を組み合わせて感度を変更することも効果的である。
【0050】
(1)の手法では、フォトダイオード204に印加する電圧を大きくすることで、光を蓄積することができる量が増えるためフォトセンサ106の感度が向上する。(2)の手法では、トランジスタ205のソースとドレインとの間の電圧を大きくすることで、光を蓄積することができる量が増えるため、フォトセンサ106の感度が向上する。そして(3)の手法では、累積時間を長くすることで光を蓄積する時間が長くなるため、フォトセンサ106の感度が向上する。(1)〜(3)の手法を用いることで、外光が弱く入射光の強度が小さい環境においても、フォトセンサの感度を向上させ、撮像の精度を高めることができる。また、入射光の強度が大きい環境の場合は、逆の処理の動作を行いフォトセンサ106の感度を下げることで撮像の精度を高めてもよい。
【0051】
また、フォトセンサを有する表示装置は、被検出物が表示パネルに接触している場合だけでなく、非接触の場合にも検出を行うことができる。しかし、非接触の被検出物は、接触している被検出物よりも検出が困難である。なぜならば、表示パネルから被検出物が離れるに伴い、被検出物の影が薄くなり明暗の区別が困難になるためである。したがって、(1)〜(3)の手法を用いて感度を向上させることで、非接触の被検出物に対しても高精度の撮像を行うことができる。
【0052】
なお、これらの感度の変更は手動で行うこともできる。手動で行う場合は、入射光の測定は行わなくてもよく、撮像された画像の明るさ等を判断して(1)〜(3)を適宜実施すればよい。
【0053】
なお、入射光の測定は、必ずしも撮像された被検出物の画像の輝度を用いなくてもよい。例えば、撮像を行う前に、画素に設けられたフォトセンサの一部または全部を用いて、予め入射光の測定を行ってもよい。ただ、撮像した画像の輝度から入射光を測定する方が、画像に応じて感度を変更することができるため効果的である。
【0054】
また、バックライトの明るさを調整することで、被検出物からの反射光の輝度を調節することもできる。外光が著しく弱いような環境では特に有効である。
【0055】
以上のような形態とすることで、入射光の強度に応じて、あるいは影の濃さに応じてフォトセンサの感度を変更し、常に高精度の撮像を行うことができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、フォトセンサを有する表示装置について説明したが、フォトセンサを有する半導体装置にも容易に応用できる。すなわち、本実施の形態における表示装置から、表示に要する回路、具体的には、表示素子制御回路102、表示素子105を取り除いて、半導体装置を構成することができる。当該半導体装置としては、例えばイメージセンサが挙げられる。このような半導体装置は、フォトセンサが設けられた入力部に接触または接近する被検出物を、上記と同様に検出することができる。
【0057】
本実施の形態は、他の実施の形態又は実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0058】
(実施の形態2)
本実施の形態では、入射光を測定する方法について、実施の形態1とは異なる構成を図5を用いて説明する。
【0059】
図5に、表示パネルの一例を示す。図5では、画素の外に第2のフォトセンサ502を設けている点において、図1とは異なる。第2のフォトセンサ502は、表示パネル100への入射光として外光の測定を行う。なお、第2のフォトセンサ502は表示パネル100の外に設けてもよい。
【0060】
本実施の形態では、予め第2のフォトセンサ502で入射光の測定を行い、実施の形態1で説明した手法を用いて画素104に配置された第1のフォトセンサ501の感度を入射光の強度に応じて調整した後、被検出物の検出を行う。入射光に応じて感度を変更するため、高精度の撮像が可能となる。この場合、撮像した画像の輝度から入射光の強度を測定する処理を省くことができる。
【0061】
また、第2のフォトセンサ502の個数は、1個でも複数個でもよい。複数個にした場合は、複数の第2のフォトセンサ502から得られた入射光の強度のうち、最大値、最小値、又は平均値を適宜用いることができる。通常は平均値を用い、最大値と最小値との差が大きい場合は、第2のフォトセンサ502のいずれかが遮蔽されている可能性が高いため、最大値を用いることが好ましい。また、最大値及び最小値が共に小さい場合は、外光が暗い可能性が高いため、最小値を用いることが好ましい。なお、第2のフォトセンサ502が1個だと、第2のフォトセンサ502が局所的に遮蔽されている場合、入射光の強度が弱いと誤認され、感度が適切に調節できない可能性がある。よって、このような誤認を避けるために第2のフォトセンサ502を複数設けておく方が好ましい。また、誤認防止のために少なくとも表示パネル100の四隅に第2のフォトセンサ502を設けておくと、表示パネル100の全体を第2のフォトセンサ502でまんべんなく検知できるので好ましい。
【0062】
本実施の形態は、他の実施の形態又は実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0063】
(実施の形態3)
本実施の形態では、撮像した被検出物の画像に対し、入射光の強度に応じた画像処理を施す構成について説明する。
【0064】
撮像した被検出物の画像は、画像処理として二値化処理が施される。二値化処理とは、撮像した被検出物の画像を、画素毎に所定の明るさ(しきい値)と比較して、明るい部分又は暗い部分のいずれかに置きなおす処理である。ここで二値化処理のしきい値を入射光の強度に応じて変更することで、より精度のよい撮像を行うことができる。
【0065】
以下に、入射光の強度に応じて二値化処理のしきい値を変更する手法の一例を説明する。図6は、本実施の形態の表示装置601の構成の一例であり、少なくとも表示パネル100と画像処理部602を有している。
【0066】
まず、実施の形態1と同様にして、表示パネル100で撮像された被検出物の画像における各画素の明るさ(輝度)を測定し、図14のようなヒストグラムを得る。図14ではピーク1401は検出位置の輝度を示しており、ピーク1402は検出位置以外の輝度を示している。輝度のデータは画像処理部602に送信される。
【0067】
画像処理部602では、各画素の輝度を、予め設定したしきい値と比較する。そして、画素の輝度が、しきい値未満又はしきい値以上のいずれかに偏っている場合に、入射光が暗すぎる又は明るすぎると判定される。そして、画像処理部602は、フォトセンサ106への入射光に応じてフォトセンサ106の感度を変更するための制御信号を表示パネル100中のフォトセンサ106へ供給する。
【0068】
例えば、図14のヒストグラムでは、予め設定したしきい値1403に対して、しきい値未満である画素数が全画素数の70%以上を占めている。この場合は、入射光が暗すぎると判定される。そのため、しきい値1403による二値化処理では、鮮明な画像を得ること困難になる。逆に、しきい値以上の画素数が全画素数の70%以上の場合は、入射光が明るすぎると判定される(図示せず)。
【0069】
入射光が暗すぎる又は明るすぎる場合、しきい値の変更を行う。図14の場合、しきい値未満及びしきい値以上の画素が全画素数の70%未満となるよう、しきい値1403からしきい値1404へ変更すればよい。すると、被検出物の検出位置を示すピーク1401と、検出位置以外を示すピーク1402との間にしきい値1404を設けることができる。そして、しきい値1404による二値化処理により、検出位置を暗い部分、検出位置以外を明るい部分にそれぞれ置きかえることができる。
【0070】
また、被検出物が表示パネルに接触している場合だけでなく、非接触の場合にも検出を行うことができる。非接触の被検出物は、接触している被検出物よりも影が薄くなるため、明暗の区別が困難になる。入射光に応じてしきい値を変更することで、非接触の被検出物に対しても高精度の撮像を行うことができる。
【0071】
以上のように、入射光の強度に応じた画像処理を行うことで、入射光が暗すぎる又は明るすぎる場合にも、撮像の精度を向上させ、検出位置の誤認識の防止、又は取り込み画像を鮮明にすることができる。
【0072】
なお、画素数の偏りを70%としなくてもよく、被検出物が画像全体に占める面積の割合、又は求める撮像の精度に応じて変更することができる。また、しきい値を変更する方法は、上記以外を用いてもよい。例えば、2つのピーク1401とピーク1402との谷にしきい値1403をしきい値1404へ変更する方法、又は、しきい値で分離された2つの部分の分散が最大とするようにしきい値を変更する方法等を用いることができる。
【0073】
また、画素の特定の領域に絞って画像処理を行ってもよい。領域を絞って画像処理を行うことで、処理時間を短縮することが可能である。
【0074】
本実施の形態は、他の実施の形態又は実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0075】
(実施の形態4)
図7に、表示パネルの断面図の一例を示す。図7に示す表示パネルでは、絶縁表面を有する基板(TFT基板)1001上に、フォトダイオード1002、トランジスタ1003、保持容量1004、液晶素子1005が設けられている。
【0076】
フォトダイオード1002と、保持容量1004とは、トランジスタ1003を作製するプロセスにおいて、トランジスタ1003と共に形成することが可能である。フォトダイオード1002は横型接合タイプのpinダイオードであり、フォトダイオード1002が有する半導体膜1006は、p型の導電性を有する領域(p層)と、i型の導電性を有する領域(i層)と、n型の導電性を有する領域(n層)とを有している。なお、本実施の形態では、フォトダイオード1002がpinダイオードである場合を例示しているが、フォトダイオード1002はpnダイオードであっても良い。横型接合タイプのpin接合またはpn接合は、p型を付与する不純物と、n型を付与する不純物とを、それぞれ半導体膜1006の特定の領域に添加することで、形成することが出来る。
【0077】
また、TFT基板1001上に成膜した一の半導体膜をエッチングなどにより所望の形状に加工(パターニング)することで、フォトダイオード1002の島状の半導体膜と、トランジスタ1003の島状の半導体膜とを一緒に形成することができ、通常のパネル作製プロセスに追加するプロセスが不要となり、コストを低減できる。
【0078】
なお、横型接合タイプのフォトダイオードとせずに、p層、i層、及びn層を積層させた構造を採用することもできる。
【0079】
液晶素子1005は、画素電極1007と、液晶1008と、対向電極1009とを有する。画素電極1007は、基板1001上に形成されており、トランジスタ1003と、保持容量1004と、導電膜1010を介して電気的に接続されている。また、対向電極1009は、基板(対向基板)1013上に形成されており、画素電極1007と対向電極1009の間に、液晶1008が挟まれている。なお、本実施の形態では、フォトセンサに用いられているトランジスタについては図示していないが、当該トランジスタも、トランジスタ1003を作製するプロセスにおいて、トランジスタ1003と共に基板(TFT基板)1001上に形成することが可能である。
【0080】
画素電極1007と、対向電極1009の間のセルギャップは、スペーサー1016を用いて制御することが出来る。図7では、フォトリソグラフィーで選択的に形成された柱状のスペーサー1016を用いてセルギャップを制御しているが、球状のスペーサーを画素電極1007と対向電極1009の間に分散させることで、セルギャップを制御することも出来る。
【0081】
また液晶1008は、基板(TFT基板)1001と基板(対向基板)1013の間において、封止材により囲まれている。液晶1008の注入は、ディスペンサ式(滴下式)を用いても良いし、ディップ式(汲み上げ式)を用いていても良い。
【0082】
画素電極1007には、透光性を有する導電性材料、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、酸化亜鉛を含むインジウム亜鉛酸化物(IZO)、ガリウムを含む酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物などを用いることが出来る。
【0083】
また、本実施の形態では、透過型の液晶素子1005を例に挙げているので、画素電極1007と同様に、対向電極1009にも上述した透光性を有する導電性材料を用いることが出来る。
【0084】
画素電極1007と液晶1008の間には配向膜1011が、対向電極1009と液晶1008の間には配向膜1012が、それぞれ設けられている。配向膜1011、配向膜1012はポリイミド、ポリビニルアルコールなどの有機樹脂を用いて形成することができ、その表面には、ラビングなどの、液晶分子を一定方向に配列させるための配向処理が施されている。ラビングは、配向膜に圧力をかけながら、ナイロンなどの布を巻いたローラーを回転させて、上記配向膜の表面を一定方向に擦ることで、行うことが出来る。なお、酸化珪素などの無機材料を用い、配向処理を施すことなく、蒸着法で配向特性を有する配向膜1011、配向膜1012を直接形成することも可能である。
【0085】
また、液晶素子1005と重なるように、特定の波長領域の光を通すことができるカラーフィルタ1014が、基板(対向基板)1013上に形成されている。カラーフィルタ1014は、顔料を分散させたアクリル系樹脂などの有機樹脂を基板1013上に塗布した後、フォトリソグラフィーを用いて選択的に形成することができる。また、顔料を分散させたポリイミド系樹脂を基板1013上に塗布した後、エッチングを用いて選択的に形成することもできる。或いは、インクジェットなどの液滴吐出法を用いることで、選択的にカラーフィルタ1014を形成することもできる。
【0086】
また、フォトダイオード1002と重なるように、光を遮蔽することが出来る遮蔽膜1015が、基板(対向基板)1013上に形成されている。遮蔽膜1015を設けることで、基板(対向基板)1013を透過して表示パネル内に入射したバックライトからの光が、直接フォトダイオード1002に当たるのを防ぐことができる他、画素間における液晶1008の配向の乱れに起因するディスクリネーションが視認されるのを防ぐことができる。遮蔽膜1015には、カーボンブラック、低次酸化チタンなどの黒色顔料を含む有機樹脂を用いることができる。または、クロムを用いた膜で、遮蔽膜1015を形成することも可能である。
【0087】
また、基板(TFT基板)1001の画素電極1007が形成されている面とは反対の面に、偏光板1017を設け、基板(対向基板)1013の対向電極1009が形成されている面とは反対の面に、偏光板1018を設ける。
【0088】
液晶素子は、TN(Twisted Nematic)型の他、VA(Vertical Alignment)型、OCB(optically compensated Birefringence)型、IPS(In−Plane Switching)型等であっても良い。なお、本実施の形態では、画素電極1007と対向電極1009の間に液晶1008が挟まれている構造の液晶素子1005を例に挙げて説明したが、本発明の一態様に係る表示パネルはこの構成に限定されない。IPS型のように、一対の電極が、共に基板(TFT基板)1001側に形成されている液晶素子であっても良い。
【0089】
また、本実施の形態では、フォトダイオード1002、トランジスタ1003、保持容量1004に、薄膜の半導体膜を用いている場合を例に挙げているが、単結晶半導体基板、SOI基板などを用いて形成されていても良い。
【0090】
光は、矢印1025のように基板(TFT基板)1001側から照射される。被検出物1021において光が遮られるため、フォトダイオード1002への入射光が遮られる。すなわち、フォトダイオード1002は、被検出物の影を検出することになる。
【0091】
また、バックライトからの光を用いる場合、基板(対向基板)1013側から照射され、液晶素子1005を通って、基板(TFT基板)1001側にある被検出物1021に照射され、フォトダイオード1002に入射する。すなわち被検出物からの反射光を検出することになる。
【0092】
また、本実施の形態の表示装置は、フォトセンサ(フォトダイオード1002)の受光面の向きと、表示パネルの表示面(基板1001側)の向きとが同一である。そのため、表示パネルにおいて、被検出物を撮像することができ、CCDイメージセンサ等を設けた場合に比べて有効である。
【0093】
本実施の形態は、他の実施の形態又は実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0094】
(実施の形態5)
図8に、実施の形態2とは異なる表示パネルの断面図の一例を示す。図8に示す表示パネルでは、フォトダイオード1002は、トランジスタ1003のゲート電極を構成する導電膜1019で、遮蔽膜2019を構成している点が、図7と異なる。フォトダイオード1002に遮蔽膜を構成することで、バックライトの光がi型の導電性を有する領域(i層)に直接入射することを回避することができる。
【0095】
また、フォトダイオード1002を横型接合タイプのpinダイオードとする際には、p型の導電性を有する領域(p層)とn型の導電性を有する領域(n層)とを形成する際に、遮蔽膜をマスクとして用いることで、セルフアラインで形成することができる。これは、微細なフォトダイオードを作製する際に有効であり、画素サイズの縮小や開口率の向上に有効である。
【0096】
以上のような形態とすることで、非接触の被検出物の動きを検出することで、データを入力することのできる表示パネルを提供することができる。
【0097】
なお、図8では横型接合タイプのフォトダイオードを採用しているが、p層、i層、及びn層を積層させた構造を採用することもできる。
【0098】
なお、フォトダイオード1002への入射光について、及びフォトセンサの受光面と表示パネルの表示面との向きについては、実施の形態4と同様である。
【0099】
本実施の形態は、他の実施の形態又は実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0100】
(実施の形態6)
図9に、実施の形態2とは異なる表示パネルの断面図の別の一例を示す。図9に示す表示パネルでは、光が、矢印2025のように基板(対向基板)1013側から照射される点において、図7と異なる。この場合、フォトダイオード1002の上部の遮蔽膜1015に開口を設ける等、光がフォトダイオード1002に入射するようにすればよい。
【0101】
本実施の形態では、フォトダイオード1002の下部に遮蔽膜2015を設ける。遮蔽膜2015を設けることで、基板(TFT基板)1001を透過して表示パネル内に入射したバックライトからの光が、直接フォトダイオード1002に当たるのを防ぐことができ、高精度の画像撮像が可能な表示パネルを提供することができる。遮蔽膜2015には、カーボンブラック、低次酸化チタンなどの黒色顔料を含む有機樹脂を用いることができる。または、クロムを用いた膜で、遮蔽膜2015を形成することも可能である。
【0102】
なお、図9では横型接合タイプのフォトダイオードを採用しているが、p層、i層、及びn層を積層させた構造を採用することもできる。
【0103】
フォトセンサ(フォトダイオード1002)の受光面が表示パネルの表示面(基板1013側)に向いていることで、表示パネルにおいて被検出物を撮像できる。
【0104】
また、バックライトからの光を用いる場合、基板(TFT基板)1001側から照射され、液晶素子1005を通って、基板(対向基板)1013側にある被検出物1021に照射され、フォトダイオード1002に入射する。すなわち被検出物からの反射光を検出することになる。
【0105】
本実施の形態は、他の実施の形態又は実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0106】
(実施の形態7)
フォトセンサを有する表示パネルを用いたライティングボード(黒板、ホワイトボード等)の例を示す。
【0107】
例えば、図10の表示パネル9696の位置にフォトセンサを有する表示パネルを設ける。
【0108】
表示パネル9696は、フォトセンサと表示素子とを有している。
【0109】
ここで、表示パネル9696の表面にはマーカー等を用いて自由に書き込みができる。
【0110】
なお、定着剤が含まれていないマーカー等を用いれば文字の消去が容易である。
【0111】
また、マーカーのインクを落としやすくするため、表示パネル9696の表面は十分な平滑性を有していると良い。
【0112】
例えば、表示パネル9696の表面がガラス基板等であれば平滑性は充分である。
【0113】
また、表示パネル9696の表面に透明な合成樹脂シート等を貼り付けても良い。
【0114】
合成樹脂としては例えばアクリル等を用いると好ましい。この場合、合成樹脂シートの表面を平滑にしておくと好ましい。
【0115】
そして、表示パネル9696は、表示素子を有しているので、特定の画像を表示するとともに表示パネル9696の表面にマーカーで記載することができる。
【0116】
また、表示パネル9696は、フォトセンサを有しているので、プリンター等と接続しておけばマーカーで記載した文字を読み取って印刷することも可能である。
【0117】
さらに、表示パネル9696は、フォトセンサと表示素子を有しているので、画像を表示させた状態で表示パネル9696表面にマーカーで文字、図形等を書き込むことにより、フォトセンサで読み取ったマーカーの軌跡を画像と合成して映し出すこともできる。
【0118】
なお、抵抗膜方式、静電容量方式等のセンシングを用いた場合、マーカー等での書き込みと同時にしかセンシングをすることができない。
【0119】
一方、フォトセンサを用いた場合、マーカー等で書き込んだ後、時間が経った場合でもいつでもセンシングが可能な点で優れている。
【0120】
本実施の形態は、他の実施の形態又は実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【実施例1】
【0121】
本実施例では、パネルと光源の配置について説明する。図11は、表示パネルの構造を示す斜視図の一例である。図11に示す表示パネルは、一対の基板間に液晶素子、フォトダイオード、薄膜トランジスタなどを含む画素が形成されたパネル1601と、第1の拡散板1602と、プリズムシート1603と、第2の拡散板1604と、導光板1605と、反射板1606と、複数の光源1607を有するバックライト1608と、回路基板1609とを有している。
【0122】
パネル1601と、第1の拡散板1602と、プリズムシート1603と、第2の拡散板1604と、導光板1605と、反射板1606とは、順に積層されている。光源1607は導光板1605の端部に設けられており、導光板1605内部に拡散された光源1607からの光は、第1の拡散板1602、プリズムシート1603及び第2の拡散板1604によって、対向基板側から均一にパネル1601に照射される。
【0123】
なお、本実施例では、第1の拡散板1602と第2の拡散板1604とを用いているが、拡散板の数はこれに限定されず、単数であっても3以上であっても良い。そして、拡散板は導光板1605とパネル1601の間に設けられていれば良い。よって、プリズムシート1603よりもパネル1601に近い側にのみ拡散板が設けられていても良いし、プリズムシート1603よりも導光板1605に近い側にのみ拡散板が設けられていても良い。
【0124】
またプリズムシート1603は、図11に示した断面が鋸歯状の形状に限定されず、導光板1605からの光をパネル1601側に集光できる形状を有していれば良い。
【0125】
回路基板1609には、パネル1601に入力される各種信号を生成もしくは処理する回路、パネル1601から出力される各種信号を処理する回路などが設けられている。そして図11では、回路基板1609とパネル1601とが、FPC(Flexible Printed Circuit)1611を介して接続されている。なお、上記回路は、COG(Chip ON Glass)法を用いてパネル1601に接続されていても良いし、上記回路の一部がFPC1611にCOF(Chip ON Film)法を用いて接続されていても良い。
【0126】
図11では、光源1607の駆動を制御する、制御系の回路が回路基板1609に設けられており、該制御系の回路と光源1607とがFPC1610を介して接続されている例を示している。ただし、上記制御系の回路はパネル1601に形成されていても良く、この場合はパネル1601と光源1607とがFPCなどにより接続されるようにする。
【0127】
なお、図11は、パネル1601の端に光源1607を配置するエッジライト型の光源を例示しているが、本発明の表示パネルは光源1607がパネル1601の直下に配置される直下型であっても良い。
【0128】
例えば、被検出物である指1612をTFT基板側からパネル1601に近づけると、バックライト1608からの光が、パネル1601を通過し、その一部が指1612において反射し、再びパネル1601に入射する。各色に対応する光源1607を順に点灯させ、色ごとに撮像データの取得を行うことで、被検出物である指1612のカラーの撮像データを得ることが出来る。
【0129】
本実施例は、他の実施の形態又は実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【実施例2】
【0130】
本発明の一態様に係る表示装置は、高分解能である撮像データの取得を行うことができるという特徴を有している。よって、本発明の一態様に係る表示装置を用いた電子機器は、表示装置をその構成要素に追加することにより、より高機能のアプリケーションを搭載することができるようになる。本発明の表示装置は、表示装置、ノート型パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る表示装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図12に示す。
【0131】
図12(A)は表示装置であり、筐体5001、表示部5002、支持台5003等を有する。本発明の一態様に係る表示装置は、表示部5002に用いることができる。表示部5002に本発明の一態様に係る表示装置を用いることで、高分解能である撮像データの取得を行うことができ、より高機能のアプリケーションが搭載された表示装置を提供することができる。なお、表示装置には、パーソナルコンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
【0132】
図12(B)は携帯情報端末であり、筐体5101、表示部5102、スイッチ5103、操作キー5104、赤外線ポート5105等を有する。本発明の一態様に係る表示装置は、表示部5102に用いることができる。表示部5102に本発明の一態様に係る表示装置を用いることで、高分解能である撮像データの取得を行うことができ、より高機能のアプリケーションが搭載された携帯情報端末を提供することができる。
【0133】
図12(C)は現金自動預け入れ払い機であり、筐体5201、表示部5202、硬貨投入口5203、紙幣投入口5204、カード投入口5205、通帳投入口5206等を有する。本発明の一態様に係る表示装置は、表示部5202に用いることができる。表示部5202に本発明の一態様に係る表示装置を用いることで、高分解能である撮像データの取得を行うことができ、より高機能のアプリケーションが搭載された現金自動預け入れ払い機を提供することができる。そして、本発明の一態様に係る表示装置を用いた現金自動預け入れ払い機は、指紋、顔、手形、掌紋及び手の静脈の形状、虹彩等の、生体認証に用いられる生体情報の読み取りを、より高精度で行うことが出来る。よって、生体認証における、本人であるにもかかわらず本人ではないと誤認識してしまう本人拒否率と、他人であるにもかかわらず本人と誤認識してしまう他人受入率とを、低く抑えることができる。
【0134】
図12(D)は携帯型ゲーム機であり、筐体5301、筐体5302、表示部5303、表示部5304、マイクロホン5305、スピーカー5306、操作キー5307、スタイラス5308等を有する。本発明の一態様に係る表示装置は、表示部5303または表示部5304に用いることができる。表示部5303または表示部5304に本発明の一態様に係る表示装置を用いることで、高分解能である撮像データの取得を行うことができ、より高機能のアプリケーションが搭載された携帯型ゲーム機を提供することができる。なお、図12(D)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部5303と表示部5304とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
【0135】
本実施例は、他の実施の形態又は実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0136】
100 表示パネル
101 画素回路
102 表示素子制御回路
103 フォトセンサ制御回路
104 画素
105 表示素子
106 フォトセンサ
107 表示素子駆動回路
108 表示素子駆動回路
109 フォトセンサ読み出し回路
110 フォトセンサ駆動回路
201 トランジスタ
202 保持容量
203 液晶素子
204 フォトダイオード
205 トランジスタ
206 トランジスタ
207 信号線
208 フォトダイオードリセット信号線
209 信号線
210 ビデオデータ信号線
211 フォトセンサ出力信号線
212 フォトセンサ基準信号線
213 信号線
300 フォトセンサ読み出し回路
301 p型トランジスタ
302 保持容量
303 プリチャージ信号線
401〜405 信号
501 第1のフォトセンサ
502 第2のフォトセンサ
601 表示装置
602 画像処理部
1001 基板
1002 フォトダイオード
1003 トランジスタ
1004 保持容量
1005 液晶素子
1006 半導体膜
1007 画素電極
1008 液晶
1009 対向電極
1010 導電膜
1011 配向膜
1012 配向膜
1013 基板
1014 カラーフィルタ
1015 遮蔽膜
1016 スペーサー
1017 偏光板
1018 偏光板
1019 導電膜
1021 被検出物
1025 矢印
1301 実線
1302 ピーク
1303 ピーク
1311 破線
1312 ピーク
1321 破線
1322 ピーク
1401 ピーク
1402 ピーク
1403 しきい値
1404 しきい値
1601 パネル
1602 第1の拡散板
1603 プリズムシート
1604 第2の拡散板
1605 導光板
1606 反射板
1607 光源
1608 バックライト
1609 回路基板
1610 FPC
1611 FPC
1612 指
2015 遮蔽膜
2019 遮蔽膜
2015 遮蔽膜
2019 遮蔽膜
2025 矢印
5001 筐体
5002 表示部
5003 支持台
5101 筐体
5102 表示部
5103 スイッチ
5104 操作キー
5105 赤外線ポート
5201 筐体
5202 表示部
5203 硬貨投入口
5204 紙幣投入口
5205 カード投入口
5206 通帳投入口
5301 筐体
5302 筐体
5303 表示部
5304 表示部
5305 マイクロホン
5306 スピーカー
5307 操作キー
5308 スタイラス
9696 表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトセンサが配置された入力部を有し、
前記フォトセンサへの入射光を測定し、前記入射光に応じて前記フォトセンサの感度を変更する機能を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
フォトセンサが配置された入力部と、
前記フォトセンサから出力信号を受け取り、且つ、入射光に応じて前記フォトセンサの感度を変更するための制御信号を供給する画像処理部と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
フォトセンサが配置された表示パネルを有し、
前記フォトセンサへの入射光を測定し、前記入射光に応じて前記フォトセンサの感度を変更する機能を有することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
フォトセンサが配置された表示パネルと、
前記フォトセンサから出力信号を受け取り、且つ、入射光に応じて前記フォトセンサの感度を変更するための制御信号を供給する画像処理部と、を有することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
フォトセンサが配置された表示パネルを有し、
前記フォトセンサにおいて第1の撮像を行い被検出物の画像を生成し、前記画像から前記フォトセンサへの入射光を測定し、前記入射光に応じて前記フォトセンサの感度を変更した後に第2の撮像を行う機能を有することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5のいずれか一において、
前記フォトセンサに印加される電圧を調整することで、前記フォトセンサの感度を変更することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項3乃至請求項6のいずれか一において、
前記フォトセンサは、トランジスタ、及び前記トランジスタのゲートに電気的に接続されたフォトダイオードを有し、
前記フォトダイオードに印加される電圧を調整することで、前記フォトセンサの感度を変更することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項3乃至請求項7のいずれか一において、
前記フォトセンサは、トランジスタ、及び前記トランジスタのゲートに電気的に接続されたフォトダイオードを有し、
前記トランジスタのソースとドレインとの間に印加される電圧を調整することで、前記フォトセンサの感度を変更することを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項3乃至請求項8のいずれか一において、
フォトセンサは、リセット動作、累積動作、及び選択動作を行う機能を有し、
前記累積動作に要する時間を変更することで、前記フォトセンサの感度を変更することを特徴とする表示装置。
【請求項10】
画素に第1のフォトセンサが配置され、且つ、前記画素の外に第2のフォトセンサが配置された表示パネルを有し、
前記第2のフォトセンサにおいて入射光を検出し、前記入射光に応じて前記第1のフォトセンサの感度を変更した後に撮像を行う機能を有することを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−129107(P2011−129107A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256404(P2010−256404)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】