説明

半導体装置

【課題】pn接合ダイオードの接合面積を大きくし、かつコストダウンを可能とすること。
【解決手段】半導体基板10とpn接合を形成する第1拡散領域32を含む第1pnダイオード33を含み、前記半導体基板上に形成された電子回路20と、前記電子回路とスクライブライン26との間の前記半導体基板内に設けられ前記電子回路を囲み前記第1拡散領域と同じ導電型であり前記半導体基板とpn接合を形成する第2拡散領域24を、含む第2pnダイオード23と、前記電子回路と前記スクライブラインとの間の前記半導体基板上に、前記第2拡散領域と重なるように設けられ、前記電子回路を囲む金属層18と、を具備する半導体装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、例えば、pn接合ダイオードを備える半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
受光素子等のpn接合ダイオードを備える半導体装置は、例えば半導体撮像装置等に用いられている。メイン回路とは別にダイオード等の特性を確認するためのモニタを設けることがある。モニタを測定することにより、メイン回路内のダイオードの特性を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−300905号公報
【特許文献2】特開2009−089078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
pn接合ダイオードの電流特性を測定するモニタは、接合面積が小さいとpn接合に形成された欠陥によるリーク電流を検出することができない。一方、pn接合ダイオードの接合面積を大きくすると、ウエーハ内に配置できる半導体チップが減ってしまいコストアップとなる。
【0005】
本半導体装置は、pn接合ダイオードの接合面積を大きくし、かつコストダウンを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、半導体基板とpn接合を形成する第1拡散領域を含む第1pnダイオードを含み、前記半導体基板上に形成された電子回路と、前記電子回路とスクライブラインとの間の前記半導体基板内に設けられ前記電子回路を囲み前記第1拡散領域と同じ導電型であり前記半導体基板とpn接合を形成する第2拡散領域を、含む第2pnダイオードと、前記電子回路と前記スクライブラインとの間の前記半導体基板上に、前記第2拡散領域と重なるように設けられ、前記電子回路を囲む金属層と、を具備することを特徴とする半導体装置を用いる。
【発明の効果】
【0007】
本半導体装置によれば、pn接合ダイオードの接合面積を大きくし、かつコストダウンを可能とすることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施例1のウエーハの平面図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、実施例1のチップ領域を示す図である。
【図3】図3は、実施例2に係る半導体装置の平面図である。
【図4】図4は、実施例2に係る半導体装置の断面模式図である。
【図5】図5は、実施例2のスクライブライン近傍の平面図である。
【図6】図6は、図5のA−A断面図である。
【図7】図7は、図5のB−B断面図である。
【図8】図8(a)および図8(b)は、実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す図(その1)である。
【図9】図9(a)および図9(b)は、実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す図(その2)である。
【図10】図10(a)および図10(b)は、実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す図(その3)である。
【図11】図11(a)および図11(b)は、実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す図(その4)である。
【図12】図12(a)および図12(b)は、実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す図(その5)である。
【図13】図13は、実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す図(その6)である。
【図14】図14は、実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す図(その7)である。
【図15】図15は、実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す図(その8)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照に実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、実施例1のウエーハの平面図である。図1のように、ウエーハ110内に複数のチップ領域25がX方向およびY方向に配列している。なお、チップ領域25は、例えばウエーハ110を個片化した際にチップとなる領域である。チップ領域25の間には、ウエーハ110を切断する領域であるスクライブライン26が形成されている。ウエーハ110のエッジには、ウエーハ110の結晶方位を示すノッチ112が形成されている。チップ領域25のうちクロスで示した領域が、個片化後製品として出荷可能な領域である。
【0011】
図2(a)および図2(b)は、実施例1のチップ領域を示す図である。図2(a)はチップ領域近傍の平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A断面図である。図2(a)のように、チップ領域25はスクライブライン26に囲まれている。チップ領域25には、電子回路20、パッド22および第2拡散領域24が形成されている。パッド22は電子回路20の回りを囲んで設けられている。パッド22は、電子回路20と電気的に接続されている。パッド22の回りにスクライブライン26に沿って第2拡散領域24が形成されている。第2拡散領域24は、電子回路20とスクライブライン26との間に形成され、電子回路20を囲むように形成されている。スクライブライン26内に第1パッド28および第2パッド29が形成されている。第1パッド28は、第2拡散領域24に電気的に接続されている。第2パッド29は、第2拡散領域24とpn接合を形成する半導体基板10に電気的に接続されている。
【0012】
図2(b)のように、半導体基板10内にイオン注入法により第1拡散領域32および第2拡散領域24が形成されている。半導体基板(または半導体基板内に形成された拡散領域)10は例えばp型であり、第1拡散領域32および第2拡散領域24は、例えば同じn型である。半導体基板10がn型であり、第1拡散領域32および第2拡散領域24が同じp型でもよい。第1拡散領域32と半導体基板10との間にpn接合が形成される。第1pnダイオード33は第1拡散領域32を含む。第2拡散領域24と半導体基板10との間にpn接合が形成される。第2pnダイオード23は第2拡散領域24を含む。
【0013】
半導体基板10上に絶縁膜12が形成されている。絶縁膜12は、例えば配線の層間絶縁膜であり、例えば酸化シリコン膜である。絶縁膜12は、1層から形成されていてもよいし、複数の層から形成されていてもよい。絶縁膜12内に金属層18が形成されている。金属層18は第2拡散領域24と重なって形成されており、スクライブライン26に沿って形成されている。金属層18上にパッド19が形成されていてもよい。絶縁膜12上に、パッド22が形成されている。パッド22の上面に開口を備えた絶縁膜14が絶縁膜12上に形成されている。
【0014】
電子回路20は、第1pnダイオード33を含む回路である。第1pnダイオード33は、例えば受光素子であり、電子回路20は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサのような半導体画像装置である。
【0015】
第1パッド28と第2パッド29とにプローブ針を接触させ、第1パッド28と第2パッド29との間の電気的特性を測定することにより、第2pnダイオード23の電気的特性を測定することができる。例えば、第2pnダイオード23に逆方向バイアスを印加し、リーク電流を測定することにより、接合面における欠陥の有無を評価することができる。
【0016】
実施例1によれば、第2拡散領域24が、電子回路20とスクライブライン26との間の半導体基板10内に設けられ電子回路20を囲んでいる。金属層18が、電子回路20とスクライブライン26との間の半導体基板10上に設けられ電子回路20を囲んでいる。さらに、金属層18は、第2拡散領域24と重なるように設けられている
【0017】
第2拡散領域24が、電子回路20とスクライブライン26との間に設けられ電子回路20を囲んでいるため、第2pnダイオード23の接合面積を大きくできる。第2pnダイオード23の接合面積を大きくすることで、微小のリーク電流を測定することができる。これにより、例えばpn接合に形成された欠陥有無を評価することができる。pn接合面に形成される欠陥は、面積に依存する。電子回路20内には、多くの第1pnダイオード33が形成されている。そこで、電子回路20内の第1pnダイオード33の接合における欠陥を評価するためには、接合面積の大きいモニタpnダイオードを形成することが好ましい。第2拡散領域24は、上視した場合電子回路20の少なくとも一部を囲むように設けられていればよいが、接合面積の観点から、第2拡散領域24は、上視した場合電子回路20の全てを囲むように設けられることが好ましい。第2pnダイオード23の接合面積は、電子回路20内の第1pnダイオード33の接合面積より大きいことが好ましい。
【0018】
さらに、金属層18が電子回路20とスクライブライン26との間に第2拡散領域24と重なるように設けられているため、第2拡散領域24を設けることによる面積の増加を抑制できる。よって、コストダウンが可能となる。金属層18は、例えば電子回路20への水分の浸入を抑制する耐湿リングとすることができる。耐湿リングは、絶縁膜12に侵入した水分が電子回路20に至ることを抑制している。例えば、スクライブライン26でウエーハ110を切断した場合、絶縁膜12の切断面から水分が絶縁膜12に侵入する。電子回路20に水分が至ると、電子回路20が劣化してしまう。耐湿リングが電子回路20を囲むように設けることで、電子回路20の劣化を抑制できる。金属層18を耐湿リングとして用いる場合、上視した場合電子回路20を全て囲むことが好ましいが、少なくとも一部を囲めばよい。また、面積縮小の観点から、第2拡散領域24が形成される領域は、全て金属層18が形成される領域に含まれることが好ましいが、第2拡散領域24は金属層18と少なくとも一部が重なっていればよい。
【0019】
さらに、金属層18は、第2拡散領域24の半導体基板10上に接して設けられ、半導体基板10から最上配線層まで形成されていることが好ましい。これにより、金属層18が、絶縁膜12に侵入した水分が電子回路20に至ることをより抑制することができる。
【0020】
第1拡散領域32と第2拡散領域24とは、同じドーパント、同じイオン注入エネルギーおよび同じドーズ量を用い形成されることが好ましい。例えば、第1拡散領域32と第2拡散領域24の不純物分布は同じであることが好ましい。これにより、第2pnダイオード23の電気的特性を測定することにより、電子回路20内の第1pnダイオード33の電気的特性をより正確に評価することができる。さらに、第1拡散領域32とpn接合する半導体基板10と、第2拡散領域24とpn接合する半導体基板10との不純物分布も同じであることが好ましい。これにより、電子回路20内の第1pnダイオード33の電気的特性をより適切に評価することができる。
【0021】
さらに、第2拡散領域24に電気的に接続された第1パッド28と半導体基板10に電気的に接続された第2パッド29とがスクライブライン26に形成されている。これにより、チップ領域25の面積を抑制することができる。
【実施例2】
【0022】
実施例2は、実施例1の具体例である。図3は、実施例2に係る半導体装置の平面図である。スクライブライン26内に電子回路20が含むトランジスタ等の特性を測定するためのモニタ102が設けられている。スクライブライン26内に、モニタ102と電気的に接続するパッド101が設けられている。スクライブライン26内にウエーハを切断する際の切断線103を図示している。その他の構成は実施例1の図2(a)と同じであり説明を省略する。切断線103において、ウエーハを切断すると、チップ領域25がチップとなる。ウエーハを例えばダイシング法を用い切断すると、スクライブライン26の中心付近が切りしろとなる。モニタ102は、ウエーハを切断した後に用いることはない。そこで、モニタ102をスクラインブライン26に設けることにより、チップ領域25の面積を抑制することができる。
【0023】
図4は、実施例2に係る半導体装置の断面模式図である。チップ領域25内のpnダイオード33が形成される領域104、パッド22、第2拡散領域24および金属層18が形成される領域100およびスクライブライン26内のモニタトランジスタ領域を図示している。パッド22下には電子回路のトランジスタ35が形成されている。スクライブライン26には、モニタトランジスタ37が形成されている。領域104には第1pnダイオード33が形成されている。領域100には第2pnダイオード23が形成されている。第1pnダイオード33および第2pnダイオード23が形成される領域には、p型半導体基板10内にn型の第1拡散領域32および第2拡散領域24が形成されている。モニタトランジスタ37およびトランジスタ35が形成される領域には、半導体基板10内にp型の拡散領域34が形成されている。各ダイオードおよびトランジスタ間を電気的に分離するため半導体基板10内に素子分離酸化膜36が形成されている。
【0024】
トランジスタ35およびモニタトランジスタ37の拡散領域34上にゲート電極40がゲート絶縁膜38を介し形成されている。ゲート電極40の側面にサイドウォール42が形成されている。半導体基板10上にシリサイド抑制膜44およびエッチングストッパ膜46が形成されている。さらに、半導体基板10上に絶縁膜52が形成されている。絶縁膜52を上下に貫通するビア内にバリア層54が形成されている。バリア層54内にプラグ金属層56が形成されている。バリア層54とプラグ金属層56とは金属層58を形成する。
【0025】
絶縁膜52および金属層58上にエッチングストッパ膜60aが形成されている。エッチングストッパ膜60a上に絶縁膜62aが形成されている。絶縁膜62aを上下に貫通するビア内にバリア層64aが形成されている。バリア層64a内に配線層66aが形成されている。バリア層64aと配線層66aとは金属層68aを形成する。絶縁膜62aおよび金属層68a上にエッチングストッパ膜60bが形成されている。エッチングストッパ膜60b上に絶縁膜62bが形成されている。絶縁膜62bを上下に貫通するビア内にバリア層64bが形成されている。バリア層64b内にプラグ金属層66bが形成されている。バリア層64bとプラグ金属層66bとは金属層68bを形成する。
【0026】
絶縁膜62bおよび金属層68b上にエッチングストッパ膜60cが形成されている。エッチングストッパ膜60c上に絶縁膜62cが形成されている。絶縁膜62cを上下に貫通するビア内にバリア層64cが形成されている。バリア層64c内に配線層66cが形成されている。バリア層64cと配線層66cとは金属層68cを形成する。絶縁膜62cおよび金属層68c上にエッチングストッパ膜60dが形成されている。エッチングストッパ膜60d上に絶縁膜62dが形成されている。絶縁膜62dを上下に貫通するビア内にバリア層64dが形成されている。バリア層64d内にプラグ金属層66dが形成されている。バリア層64dとプラグ金属層66dとは金属層68dを形成する。
【0027】
絶縁膜62d上に、金属層68dに電気的に接続する金属層78が形成されている。金属層78は、例えばバリア層74、配線層76および表面層77から形成される。絶縁膜62d上および金属層78を覆うように、カバー膜として酸化シリコン膜72および窒化シリコン膜80が形成されている。カバー膜に開口82が設けられている。開口82を介し金属層78に外部より電気的に接続することができる。
【0028】
図5は、実施例2のスクライブライン近傍の平面図である。図5のように、第2拡散領域24に配線90を介し電気的に接続する第1パッド28が設けられている。半導体基板10に配線92を介し電気的に接続する第2パッド29が設けられている。第1パッド28および第2パッド29の幅L1は、例えば82μm、第2拡散領域24の幅L2は、例えば10μmである。第2拡散領域24間の間隔L3は例えば126μm、チップ領域25間の間隔L4は、例えば146μmである。チップ領域25の大きさは、例えば25mm×25mmである。第1pnダイオード33の第1拡散領域32の大きさは例えば50μm×50μmである。
【0029】
図6は、図5のA−A断面図である。図6のように、第1パッド28は、配線層76により金属層18に電気的に接続されている。金属層18は、金属層58が第2拡散領域24に接触することにより、第2拡散領域24と電気的に接続されている。第1パッド28は、金属層78、68d、68c、68bおよび68aにより形成されている。第1パッド28下の半導体基板10には素子分離絶縁膜36が形成されている。これらにより、第1パッド28は、第2拡散領域24に電気的に接続され、半導体基板10には電気的に接続されていない。
【0030】
図7は、図5のB−B断面図である。図7のように、半導体基板10内に拡散領域31が形成されている。拡散領域31は、例えば不純物濃度が半導体基板10より高いP型領域である。第2パッド29は、金属層78、68d、68c、68b、68aおよび58により拡散領域31に電気的に接続されている。
【0031】
実施例2のように、金属層18は、第2拡散領域24の半導体基板10上に接して設けられ、半導体基板10から最上配線層(金属層78)まで形成されていることが好ましい。これにより、耐湿リングとしての機能を高めることができる。なお、耐湿リングとしての機能をより高めるため、各プラグ金属層56、66bおよび66dは、電子回路を囲むようにリング状に形成されていることが好ましい。各配線層66a、66cおよび76は、電子回路を囲むようにリング状に形成されていることが好ましい。
【0032】
図8(a)から図15は、実施例2に係る半導体装置の製造工程を示す図である。図8(a)、図9(a)、図10(a)、図11(a)および図12(a)はフォトマスク上の平面図である。図8(b)、図9(b)、図10(b)、図11(b)、図12(b)および図13から図15は、断面図である。図8(a)、図9(a)、図10(a)、図11(a)および図12(a)のA−A断面に相当する。図8(b)のように、半導体基板10内に素子分離絶縁膜36を形成する。トランジスタが形成される領域の半導体基板10内にp型拡散領域34を形成する。半導体基板10は、例えばシリコン基板であり、p型の不純物濃度は、例えば1×1015cm−3である。素子分離絶縁膜36は、例えば酸化シリコン膜である。p型拡散領域34は、半導体基板10内にB等の不純物をイオン注入し、その後熱処理することにより形成される。図8(a)のように、素子分離絶縁膜36を形成するマスクのパターンは、pnダイオードおよびトランジスタが形成される領域以外の領域に素子分離絶縁膜36が形成されるように設けられている。拡散領域34を形成するマスクのパターンの端は、素子分離絶縁膜36上に一部重なるように設けられている。なお、図8(a)内のクロスで示した領域が素子分離絶縁膜36が形成される領域である。
【0033】
図9(b)のように、pnダイオードが形成される領域に第1拡散領域32および第2拡散領域24を形成する。第1拡散領域32および第2拡散領域24は、例えばPイオンを350keVの注入エネルギー、5×1012cm−2のドーズ量、7°のチルトでイオン注入する。その後熱処理する。これにより、半導体基板10と第1拡散領域32および第2拡散領域24との間にpn接合が形成される。図9(a)のように、第1拡散領域32および第2拡散領域24を形成するマスクのパターンは、素子分離絶縁膜36より内側に設けられている。
【0034】
図10(b)のように、半導体基板10上にゲート絶縁膜38を形成する。ゲート絶縁膜38上にゲート電極40を形成する。ゲート電極40をマスクにゲート絶縁膜38をエッチングする。半導体基板10上にゲート電極40を覆うように絶縁膜を形成する。絶縁膜を異方性エッチングすることにより、ゲート電極40の両側側面にサイドウォール42を、半導体基板10上にシリサイド抑制膜44を形成する。ゲート電極40の上面、トランジスタのソースおよびドレインとなる領域の半導体基板10の上面、pnダイオードのコンタクト領域45の半導体基板10の上面をシリサイド化する。このとき。pnダイオードの半導体基板10の上面は、コンタクト領域45以外はシリサイド化されない。ゲート絶縁膜38は例えば酸化シリコン膜により形成する。ゲート電極40は、例えば多結晶シリコン膜により形成する。サイドウォール42およびシリサイド抑制膜44は、例えば酸化シリコン膜により形成する。シリサイド化は、例えばCoを用いコバルトシリサイドを形成する。
【0035】
図10(a)のように、ゲート電極40を形成するマスクのパターンは、トランジスタを形成する領域の素子分離絶縁膜36を横切るように設けられる。シリサイド抑制膜44を形成するマスクのパターンは、トランジスタが形成される領域の素子分離絶縁膜36から半導体基板が露出する領域とゲート電極40が露出するように設けられる。また、シリサイド抑制膜44を形成するマスクのパターンは、pnダイオードが形成される領域のコンタクト領域45にも受けられる。
【0036】
図11(b)のように、半導体基板10上にエッチングストッパ膜46を形成する。コンタクト領域45以外の第2pnダイオード23および33上にはエッチングストッパ膜が残存しないようにエッチングストッパ膜46をエッチングする。エッチングストッパ膜46は、例えば窒化シリコン膜である。図11(b)のように、エッチングストッパ膜46を形成するマスクのパターンは、pnダイオードが形成される領域においてコンタクト領域45以外にエッチングストッパ膜が残存しないように設けられる。
【0037】
図12(b)のように、シリサイド抑制膜44およびエッチングストッパ膜46上に絶縁膜52を形成する。絶縁膜52を上下に貫通するビアを形成する。ビア内および絶縁膜52上にバリア層54を形成する。ビア内のバリア層54内および絶縁膜52上のバリア層54上にプラグ金属層56を形成する。CMP(Chemical Mechanical Polish)法を用い、絶縁膜52上の余分なバリア層54およびプラグ金属層56を除去する。バリア層54およびプラグ金属層56により金属層58が形成される。エッチングストッパ膜46は、ビアを形成する際のストッパ膜として機能する。例えば、絶縁膜52を貫通するビアを形成する際に、エッチングストッパ膜46はエッチングされない。その後、エッチングストッパ膜を貫通するビアを形成する。これにより、シリサイド化された半導体基板10およびゲート電極40の上面へのダメージが緩和される。バリア層54は、例えばTiN膜を用い形成する。プラグ金属層56は、例えばW膜を用い形成する。図12(a)のように、金属層58を形成するマスクのパターンは、pnダイオードが形成される領域のコンタクト領域にビアが形成されるように設けられる。また、金属層58を形成するマスクのパターンは、トランジスタが形成される領域のゲート電極40、ソース、ドレイン領域にビアが形成されるように設けられる。
【0038】
図13のように、絶縁膜52および金属層58上にエッチングストッパ膜60aを形成するエッチングストッパ膜60a上に絶縁膜62aを形成する。エッチングストッパ膜60aおよび絶縁膜62aを上下に貫通するビアを形成する。ビア内および絶縁膜62a上にバリア層64aを形成する。ビア内のバリア層64a内および絶縁膜62a上のバリア層64a上に配線層66aを形成する。CMP(Chemical Mechanical Polish)法を用い、絶縁膜62a上の余分なバリア層64aおよび配線層66aを除去する。バリア層64aおよび配線層66aにより金属層68aが形成される。例えば、絶縁膜62aを貫通するビアを形成する際に、エッチングストッパ膜60aはエッチングされない。その後、エッチングスポッパ膜60aを貫通するビアを形成する。エッチングストッパ膜60aは例えば炭化酸化シリコン膜から形成される。絶縁膜62aは、例えば酸化シリコン膜から形成される。バリア層64aは、例えばTa膜を用い形成する。配線層66aは、例えばCu膜を用い形成する。
【0039】
図14のように、絶縁膜62aおよび金属層68a上にエッチングストッパ膜60bを形成する。エッチングストッパ膜60b上に絶縁膜62bを形成する。絶縁膜62b上にエッチングストッパ膜60cを形成する。エッチングストッパ膜60c上に絶縁膜62cを形成する。エッチングストッパ膜60bおよび絶縁膜62bを上下に貫通するビアと、エッチングストッパ膜60cおよび絶縁膜62cを上下に貫通するビアを形成する。ビア内および絶縁膜62c上にバリア層64bおよび64cを形成する。ビア内のバリア層64bおよび64c内および絶縁膜62c上のバリア層64c上にプラグ金属層66bおよび配線層66cをめっき法を用い同時に形成する。CMP法を用い、絶縁膜62c上の余分なバリア層64cおよび配線層66cを除去する。バリア層64bおよびプラグ金属層66bにより金属層68bが形成される。バリア層64cおよび配線層66cにより金属層68cが形成される。エッチングストッパ膜60bおよび60cは例えば炭化酸化シリコン膜から形成される。絶縁膜62bおよび62cは、例えば酸化シリコン膜から形成される。バリア層64bおよび64cは、例えばTa膜を用い形成する。プラグ金属層66bおよび配線層66cは、例えばCu膜を用い形成する。このように、配線は例えばデュアルダマシン法を用い形成される。
【0040】
図15のように、絶縁膜62cおよび金属層68c上にエッチングストッパ膜60dを形成する。エッチングストッパ膜60d上に絶縁膜62dを形成する。エッチングストッパ膜60dおよび絶縁膜62dを上下に貫通するビアを形成する。ビア内および絶縁膜62d上にバリア層74を形成する。ビア内のバリア層74内および絶縁膜62c上のバリア層74上に配線層76を形成する。配線層76上に表面層77を形成する。バリア層74、配線層76および表面層77により金属層78が形成される。バリア層64cおよび配線層66cにより金属層68cが形成される。エッチングストッパ膜60dは例えば炭化酸化シリコン膜から形成される。絶縁膜62dは、例えば酸化シリコン膜から形成される。バリア層74は、例えばTiN膜を用い形成する。配線層76は、例えばAlCu膜を用い形成する。表面層77は、例えばTiN膜を用い形成する。
【0041】
その後、絶縁膜62d上に金属層78を覆うように、カバー膜として酸化シリコン膜72および窒化シリコン膜80を形成する。カバー膜に開口82を形成する。以上により、図4に示した半導体装置が形成される。
【0042】
図8(a)から図15を用い、実施例2に係る半導体装置の製造方法の一例を説明したが、言うまでもなく、その他の方法を用い、実施例2に係る半導体装置を形成してもよい。
【0043】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 半導体基板
18 金属層
20 電子回路
23 第2pnダイオード
24 第2拡散領域
25 チップ領域
26 スクライブライン
28 第1パッド
29 第2パッド
32 第1拡散領域
33 第1pnダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板とpn接合を形成する第1拡散領域を含む第1pnダイオードを含み、前記半導体基板上に形成された電子回路と、
前記電子回路とスクライブラインとの間の前記半導体基板内に設けられ前記電子回路を囲み前記第1拡散領域と同じ導電型であり前記半導体基板とpn接合を形成する第2拡散領域を、含む第2pnダイオードと、
前記電子回路と前記スクライブラインとの間の前記半導体基板上に、前記第2拡散領域と重なるように設けられ、前記電子回路を囲む金属層と、
を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記金属層は、前記第2拡散領域の前記半導体基板上に接して設けられ、前記半導体基板から最上配線層まで形成されていること特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記金属層は、前記電子回路への水分の浸入を抑制する耐湿リングであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1拡散領域と前記第2拡散領域との不純物濃度は同じであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記スクライブライン内に形成され、前記第2拡散領域と電気的に接続する第1パッドと、
前記スクライブライン内に形成され、前記半導体基板と電気的に接続する第2パッドと、
を具備することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−94718(P2012−94718A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241429(P2010−241429)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】