説明

半導体集積回路装置およびその製造方法、配線配置装置、配線配置方法、配線配置プログラム、並びに記録媒体

【課題】スタンダードセルを利用して機能回路ブロックをレイアウトする際、供給電源の品質を動作レベルに保ちながら、製造品質を左右する各配線層の占有率のばらつきを少なくする。
【解決手段】スタンダードセル1を、これを構成するセル構成トランジスタを有し、全スタンダードセルに共通接続される電源供給配線及び接地供給配線、および個々のスタンダードセルの機能を実現するための信号配線を含まず、かつ各スタンダードセルの機能を該セル構成トランジスタにより決定する最小限の配置配線、および該セル構成トランジスタの直近に配置され、該スタンダードセルの信号端子を含むよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路装置およびその製造方法、配線配置装置、配線配置方法、配線配置プログラム、並びに記録媒体に関し、特に、半導体集積回路装置のレイアウトにおける基本単位を構成するスタンダードセルを用いた半導体集積回路装置、およびその製造方法に関するものであり、さらに、該スタンダードセルを配置して配線する配置配線装置および配置配線方法、並びに、該配線配置方法をコンピュータにより実行するための配線配置プログラム、該配線配置プログラムを格納した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、スタンダードセルをマトリックス状に配置し、各スタンダードセルに配線を施して機能回路ブロックを実現したスタンダードセル方式等の半導体集積回路装置がある。
【0003】
図5に従来のスタンダードセル18の一例(第1の従来技術)を示す。
【0004】
スタンダードセル18は、電源電圧VDD及び接地電位VSSを供給するために、スタンダードセル18内に電源電圧配線VDD及び、接地電位配線VSSである、いわゆるVDDパワーレール19及びVSSパワーレール20を備えている。
【0005】
またVDDパワーレール19は、PMOSトランジスタ23のソース端子21に、VSSパワーレール20は、NMOSトランジスタ24のソース端子22に接続される。
【0006】
VDDパワーレール19と、VSSパワーレール20をスタンダードセル内に固定して配置配線しておけば、スタンダードセル18をマトリックス状に配置した場合、VDDパワーレール19及びVSSパワーレール20が所定の配線トラック上に配置されることになる。これらVDDパワーレール19及び、VSSパワーレール20は回路動作上重要な配線であるため最下層メタル配線で構成されることが一般的である。
【0007】
これら従来のスタンダードセル方式の配置配線方法のために用意されたスタンダードセル18においては、セル面積が大きくなり、またVDD及びVSSパワーレール19、20が他の配線の妨げとなることが指摘されており、この問題点を解決するためのセル構造及び配線方法(第2の従来技術)について開示されている。
【0008】
図3に、第2の従来技術のセル構成を示す。
【0009】
ここにおけるスタンダードセル12は、スタンダードセル間に共通に配線される固定配線をスタンダードセル12内に備えておらず、上位の配線層で配線する際に接続されるべき接続端子13、14を備える構造となっている。
【0010】
ただし、電源供給端子13、接地供給端子14から、PMOSトランジスタのソース端子、NMOSトランジスタのソース端子への配線も備えておらず、全て上位配線にて接続される構造となっている。
【0011】
そして、このスタンダードセル12に対しての電源電圧配線VDD、及び、接地電位配線VSSは、図4に示す一例の通り、このスタンダードセルをマトリックス状に配置してなる機能ブロック15において、上位配線にていわゆるVDDパワーレール16及び、VSSパワーレール17を配線する配線方法により実現している。
【0012】
第2の従来技術では、スタンダードセル12内にVDD及びVSSパワーレールを備えないため、図4に示す横方向への配線のみでなく、縦方向に配線する方法や、スタンダードセル12を覆うように配線層を配置することが可能であり、VDD,VSSパワーレール以外の配線について自由度があると述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2002−299450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、前記従来技術のスタンダードセル18においては、第2の従来技術にも示されている通り、VDD,VSSパワーレールの配線方向、配線幅及び、配線層が固定されており、その変更が困難であり、またその第2の従来技術に示されるスタンダードセル12においては、VDD,VSSパワーレールが備えられておらず、上位階層での電源供給端子13、接地供給端子14までの配線と、スタンダードセル12内の電源供給端子13からPMOSトランジスタのソース端子への配線及び、接地供給端子14からNMOSトランジスタのソース端子への配線が別途行われるため、配線抵抗の計算が困難となる。
【0015】
また、スタンダードセル12内の配線について、上位配線工程での最下層メタルの多用により、最下層メタル配線の占有率が高くなり、第2の従来技術による配線方法でレイアウトされた機能ブロックと、その他のレイアウト方法によってなされた機能ブロックとの間で各配線層の占有率の制御が困難となる。
【0016】
本発明は前記従来技術の問題点を解消するためになされたものであり、スタンダードセルを利用して機能回路ブロックをレイアウトする際、供給電源の品質を動作レベルに保ちながら、製造品質を左右する各配線層の占有率のばらつきを少なくすることが可能な半導体集積回路装置およびその製造方法、配置配線装置、配置配線方法、配置配線プログラム並びに記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る半導体集積回路装置は、決められた演算を行う機能回路ブロックを1以上有する半導体集積回路装置であって、該機能回路ブロックは、回路レイアウトの基本単位であるスタンダードセルを用いて構成されたものであり、該スタンダードセルは、これを構成するセル構成トランジスタを有し、全スタンダードセルに共通接続される電源供給配線及び接地供給配線、および個々のスタンダードセルの機能を実現するための信号配線を含まず、かつ各スタンダードセルの機能を該セル構成トランジスタにより決定する最小限の配置配線、および該セル構成トランジスタの直近に配置され、該スタンダードセルの信号端子を含むよう構成されており、該機能回路ブロックは、該スタンダードセルを2以上組合せ、かつそれぞれスタンダードセルに対して、電源供給配線、接地供給配線、及び入出力端子に対する信号配線を施してなるものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0018】
本発明は、上記半導体集積回路装置において、前記スタンダードセルは、全てのスタンダードセルに共通に接続される電源供給及び接地供給用の固定配線の制約を受けずに、その縦方向及び横方向のセル長を任意に設定したものであることが好ましい。
【0019】
本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、上述した本発明に係る半導体集積回路装置を製造する方法であって、前記スタンダードセルを2以上組合せて、ある機能回路ブロックを実現するためのその配置及び配線を行う際、前記電源供給用の配線のIRドロップ量を計算しながら配線を行うものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0020】
本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、上述した本発明に係る半導体集積回路装置を製造する方法であって、前記スタンダードセルを2以上組合せて、ある機能回路ブロックを実現するためのその配置及び配線を行う際、前記電源供給用の配線以外の信号配線の遅延時間を計算しながら、所望の遅延時間を満たすよう配線を行うものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0021】
本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、上述した本発明に係る半導体集積回路装置を製造する方法であって、前記スタンダードセルを2以上組合せて、ある機能回路ブロックを実現するためのその配置及び配線を行う際、該スタンダードセルの配置及び配線実行前に決定した、該スタンダードセルが配置される領域の物理面積内で、該配線としての配線層が前記物理面積を占有する占有率を計算しながら配線を行うものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0022】
本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、上述した本発明に係る半導体集積回路装置を製造する方法であって、前記スタンダードセルを2以上組合せて、ある機能回路ブロックを実現するためのその配置及び配線を行う際、該スタンダードセルの配置及び配線実行前に決定した、該スタンダードセルが配置される領域の物理面積内で、該配線としての配線層が前記物理面積を占有する占有率がある一定量に満たない場合に、該配線とは関係の無い位置にその配線層と同じ層からなるダミー配線層を配置して、該配線層の占有率を調整するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0023】
本発明は、上記半導体集積回路装置の製造方法において、前記スタンダードセルを2以上組合せて、ある機能回路ブロックを実現するためのその配置及び配線を行う際に決定する配線層の占有率として、前以て測定した、該半導体集積回路装置全体における該スタンダードセルを配置する領域とは別の領域での占有率の平均値を用いることが好ましい。
【0024】
本発明に係る配置配線装置は、回路レイアウトの基本単位であるスタンダードセルを配列し、該スタンダードセルに対する配線を配置して半導体集積回路装置を設計する配線配置装置であって、前記スタンダードセルの物理情報、遅延時間情報を含む基本情報を格納するセル情報記憶手段と、該スタンダードセルに電源を供給する電源供給配線のIRドロップ量、および該電源供給配線を構成する配線層の、該スタンダードセルの配置領域での占有率を計算する計算手段と、最適な配置配線を行うために必要な制御情報を入力するためのデータ入力手段と、前記配置された配線のレイアウトを画像として表示する表示手段とを備えたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0025】
本発明に係る配置配線方法は、回路レイアウトの基本単位であるスタンダードセルを配列し、該スタンダードセルに対する配線を配置して半導体集積回路装置を設計する配線配置方法であって、前記スタンダードセルの物理情報、遅延時間情報を含む基本情報を格納するセル情報記憶ステップと、該スタンダードセルに電源を供給する電源供給配線のIRドロップ量、および該電源供給配線を構成する配線層の、該スタンダードセルの配置領域での占有率を計算する計算ステップと、最適な配置配線を行うために必要な制御情報を入力する入力ステップと、前記配置された配線のレイアウトを画像として表示する表示ステップとを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0026】
本発明に係る配線処理プログラムは、上述した本発明に係る配線配置方法をコンピュータにより実行するための配線処理プログラムであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明に係る記憶媒体は、上述した本発明に係る配線処理プログラムを格納したものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0027】
以下、本発明の作用について説明する。
【0028】
本発明においては、スタンダードセルを、これを構成するセル構成トランジスタを有し、全スタンダードセルに共通接続される電源供給配線及び接地供給配線、および個々のスタンダードセルの機能を実現するための信号配線を含まず、かつ各スタンダードセルの機能を該セル構成トランジスタにより決定する最小限の配置配線、および該セル構成トランジスタの直近に配置され、該スタンダードセルの信号端子を含むよう構成したので、スタンダードセルを利用して機能回路ブロックをレイアウトする際、供給電源の品質を動作レベルに保ちながら、製造品質を左右する各配線層の占有率のばらつきを少なくすることができる。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明によれば、スタンダードセルを利用して機能回路ブロックをレイアウトする際、供給電源の品質を動作レベルに保ちながら、製造品質を左右する各配線層の占有率のばらつきを少なくすることができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置を構成するスタンダードセルの一実施例を表わす構成図。
【図2】本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置を構成するスタンダードセルの配線状態の一実施例を表わす構成図。
【図3】従来技術に係る実施形態の半導体集積回路装置を構成するスタンダードセルの一実施例を表わす構成図。
【図4】従来技術に係る実施形態の半導体集積回路装置を構成する配線状態の一実施例を表わす構成図。
【図5】一般的な実施形態の半導体集積回路装置を構成するスタンダードセルの一実施例を表わす構成図。
【図6】従来技術に係る実施形態の半導体集積回路装置を構成する配線状態の一実施例である否定論理積回路(NAND回路)のレイアウト図。
【図7】従来技術に係る実施形態の半導体集積回路装置を構成する配線状態の一実施例である否定論理和回路(NOR回路)のレイアウト図。
【図8】本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置を構成するスタンダードセルの配線状態のうち、最下層メタル配線以外での配線状態の一実施例を表わす構成図。
【図9】本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置の製造方法の一実施例のレイアウト方法のフローチャート図。
【図10】本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置の製造方法の一実施例のレイアウト方法の電源供給線及び接地供給線の配線を表すレイアウト図。
【図11】本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置の製造方法の一実施例の信号配線を表すレイアウト図。
【図12】本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置の製造方法の一実施例の配線経路の変更方法を表わすチップレイアウト概略図。
【図13】本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置の製造方法の一実施例のダミーパターン配置例を示すレイアウト図。
【図14】本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置の一実施例のチップレイアウトの構成例を示すチップ概略図。
【図15】本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置の自動配置配線システムの構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0032】
(実施形態1)
以下、本発明による実施形態1による半導体集積回路装置について図面を参照しながら説明する。
【0033】
図1に本発明の実施形態1による半導体集積回路装置の基本構成となるスタンダードセルのレイアウトパターン図を示す。
【0034】
この実施形態1の半導体集積回路装置は、決められた演算を行う機能回路ブロック(以下、単に機能ブロックともいう。)を1以上有する半導体集積回路装置である。ここで機能回路ブロックは、回路レイアウトの基本単位であるスタンダードセル1を用いて設計されたものであり、該スタンダードセルは、これを構成するセル構成トランジスタを有している。
【0035】
また、スタンダードセル1は、全スタンダードセルに共通接続される電源供給配線及び接地供給配線、および個々のスタンダードセルの機能を実現するための信号配線を含まず、かつ各スタンダードセルの機能を該セル構成トランジスタにより決定する最小限の配置配線、および該セル構成トランジスタの直近に配置され、該スタンダードセルの信号端子を含むよう構成されている。このようなスタンダードセルを用いて構成した機能回路ブロックは、該スタンダードセルを2以上組合せ、かつそれぞれスタンダードセルに対して、電源供給配線、接地供給配線、及び入出力端子に対する信号配線を施してなるものである。
【0036】
以下、具体的に説明する。
【0037】
スタンダードセル1は、入力信号を反転した信号を出力する、CMOSインバータ回路のレイアウトパターンである。
【0038】
本スタンダードセル1は、PMOSトランジスタ2、NMOSトランジスタ3を備え、PMOSトランジスタ2は、ゲート端子2g、ソース供給端子5、ドレイン端子2dを備え、NMOSトランジスタ3は、ゲート端子3g、ソース供給端子6、ドレイン端子3dを備える。PMOSトランジスタ2のドレイン端子2dと、NMOSトランジスタ3のドレイン端子3dとは、出力信号配線4で接続されている。ここで出力信号配線4は、最下層メタルで接続されることが一般的である。
【0039】
PMOSトランジスタ2のゲート端子2gとNMOSトランジスタ3のゲート端子3gとは、入力信号端子7を経て相互に接続されている。
【0040】
この実施形態の例では、夫々のゲート端子を構成するPoly配線層で直接接続されているが、この限りではなく、例えば夫々のトランジスタのゲート端子のPoly配線から最下層メタル配線に接続変更し、最下層メタル配線で、それぞれのゲート端子を接続される構成も考えられる。
【0041】
ここで、PMOSトランジスタのソース供給端子5、PMOSトランジスタのドレイン端子2d、NMOSトランジスタのソース供給端子6、NMOSトランジスタのドレイン端子3dは夫々、最下層メタルを有しており、夫々のトランジスタソース及びドレイン部を構成する拡散層にコンタクト穴で接続されている。
【0042】
入力信号端子7は、最下層メタルを有しており、PMOS/NMOSトランジスタのゲートを構成するPoly層にコンタクト穴で接続されている。
【0043】
この実施形態では、CMOSインバータ回路について述べたが、本発明に関する考え方については、図6に示す一実施例である、否定論理積回路25(NAND回路)や、図7に示す一実施例である、否定論理和回路26(NOR回路)の他、論理積(AND回路)、論理和(OR回路)、排他的論理和(XOR回路)、フリップフロップ回路などに適用可能である。
【0044】
図2に前記CMOSインバータ回路を用い、本発明の一実施例の半導体集積回路装置の製造方法で配線したレイアウトパターン図を示す。
【0045】
図2において、スタンダードセル1は前記のCMOSインバータ回路である。
【0046】
ここで、スタンダードセル1に対する上位階層での配線は、PMOSトランジスタのソース供給端子5に対して接続される配線8と、NMOSトランジスタのソース供給端子6に対して接続される配線10と、PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタのゲート部に接続された入力信号端子11に対して接続される配線9と、出力信号配線4に対して接続される配線4‘が配線される。
【0047】
ここでは、配線が接続される方向が縦もしくは横方向から決められたかのように示されているが、全ての端子において、接続方向は縦/横に限定されない。
【0048】
またこの実施例では、各端子との接続層は、素子との接続を容易にするため、最下層メタルを使用しているが、図8に示すように、インバータセル27に対して、夫々のトランジスタの各端子から第2メタル配線層と接続するために接続用VIA28〜31を配置した後、第2メタル配線32〜35を接続する場合等、半導体集積回路装置の製造方法によるメタル配線層の数にあわせて全てのメタル層で接続できる構造としてもよい。
【0049】
またここでは、最下層メタルとの接続について、VIA28〜31を夫々の端子から離れた位置に配置しているが、製造条件により、トランジスタのゲート端子に接続されるPoly層と最下層メタルを接続し、また、トランジスタのソース/ドレイン端子部の拡散層と最下層メタルを接続するコンタクト上にVIAを配置するいわゆるスタックVIAが利用可能な半導体集積回路装置の製造方法である場合は、スタックVIAを接続することも可能となる。
【0050】
次に、前記構造のスタンダードセルを利用して構成した半導体集積回路装置のレイアウト方法について図面を参照しながら説明する。
【0051】
図15は本発明のスタンダードセルを利用した半導体集積回路装置のレイアウトを実現するための配置配線システムのブロック図である。
【0052】
図15の自動配置配線システム100は、レイアウト処理を行うための処理装置75と、各種情報を入力するための入力装置78と、入力された情報や、配置配線の処理において計算された結果、スタンダードセルの基本情報などを記憶するための外部記憶装置80と、情報入力の状況やレイアウト実行結果(つまり、スタンダードセルや配線のレイアウト)などを画像表示するための表示装置79とを有している。また、処理装置75は、各種演算を行うためのCPU(中央演算処理装置)76と、メモリ装置77とを備えている。
【0053】
図9に本発明の一実施例の半導体集積回路装置の製造方法におけるスタンダードセルおよび配線のレイアウト方法のフローチャート図を示す。
【0054】
まず、ステップS1において、設計された半導体集積回路装置の論理回路に対するスタンダードセルを選択し、論理回路の信号伝達が最適となるよう判断して、選択したスタンダードセルを配置する。各スタンダードセルのタイミング情報や、レイアウトパターンについて、あらかじめデータベースとして準備されている。また、設計された半導体集積回路装置の機能を実現するために必要な電圧レベルや、タイミング情報についても、あらかじめデータベースとして準備しておく。
【0055】
次に、ステップS2において、配線しようとする信号が電源供給線または、接地供給線か否かを判定し、電源供給線または、接地供給線であった場合に、ステップS3へ進み、それ以外の信号線である場合、ステップS5に進むよう分岐する。
【0056】
次に、ステップS3においては、電源供給線もしくは、接地供給線について、ステップS1において配置された全てのスタンダードセルに対して仮の配線を行う。ここでは、配線抵抗、コンタクト抵抗等を計算し、前述の電圧レベルを格納したデータベースを用い、全ての電源供給線及び、接地供給線について、電圧降下量いわゆるIRドロップ量を求めてその情報を蓄積し、仮配線が終了すると次のステップへ進む。
【0057】
次に、ステップS4において、前述のIRドロップ量の蓄積情報から、前述のスタンダードセル及び、半導体集積回路装置の機能を実現するために必要な、データベースに準備した電圧レベルを比較する。そしてそのIRドロップ量が、所望の電圧レベルに達していない場合、NG(No Good)として、ステップS3の仮配線処理に戻る。所望の電圧レベルに達した場合は、OKとして、ステップS7に進む。
【0058】
一方、ステップS2において、配線しようとする信号が電源供給及び、接地供給線以外の半導体集積回路装置の論理回路を実現するための入力信号線及び、出力信号線であった場合、ステップS5に進む。
【0059】
次に、ステップS5においては、論理回路を実現するための入力信号線及び、出力信号線について、ステップS1において配置された全てのスタンダードセルに対して仮の配線を行う。ここでは、論理回路を実現するためのネットリストの情報から各スタンダードセルの負荷容量、負荷抵抗及び、仮配線を実行して得られた配線容量、配線抵抗の情報を加えて遅延時間を計算する。
【0060】
次に、ステップS6において、前述の遅延計算結果から、所望の半導体集積回路装置の論理回路を実現するためのタイミングが満たされているか、前述のスタンダードセル及び、半導体集積回路装置の機能を実現するために必要な、データベースに準備したタイミング情報と比較する。その結果、半導体集積回路装置の機能が実現できるタイミングを満たしていなければ、NG(No Good)としてステップS5の仮配線処理に戻る。所望のタイミングを満たした場合は、OKとしてステップS7に進む。
【0061】
次に、ステップS7において、半導体集積回路装置の機能を実現するために必要な仮配線が全て終了したか否かを判定する。ここで、全ての仮配線が完了していない場合ステップS2に戻る。全ての仮配線の完了が確認された場合は、次のステップに進む。
【0062】
次に、ステップS8において、前述のステップで行われた仮配線処理の結果を元に各配線層の占有率を算出する。ここでは、半導体集積回路装置全体に対する占有率と、半導体集積回路装置をあるサイズの区画に分割して、その区画内での占有率を算出される。
【0063】
次に、ステップS9において、ステップS8において算出された半導体集積回路装置全体に対する占有率を確認し、各メタル配線層の占有率がほぼ同じ量になるよう実配線処理を行う。具体的には占有率の低いメタル配線層を優先層に指定してこの実配線処理を行う。ここでは、実配線処理でのメタル配線層の半導体集積回路装置全体に対する占有率と、半導体集積回路装置をあるサイズの区画に分割して、その区画内での占有率をデータベースとして同時に蓄積する。
【0064】
次に、ステップS10において、全て配線された実配線後の区画毎の占有率を確認する。そして、所望の占有率に達していない区画を調査し、一つでも該当する区画があれば、NG(No Good)として、ステップ11へ進む。
【0065】
一方、全ての区画について、所望の占有率に達していることが確認できれば、全ての配置配線処理を終了する。
【0066】
次に、ステップS11において、ステップS10から得られた占有率情報を受け、所望の占有率を満たすようにするための分析を実施し、配線仕様の変更や、ダミーメタルの追加仕様の設定等を行う。ここでは、その仕様を元に関連する配線について、一度取り外す処理も含まれる。
【0067】
そして、再度ステップS2に戻り、IRドロップ量、タイミング及び、占有率の条件を全て満たすまで、前述の配線処理のステップを繰り返す。
【0068】
次に、前記構造のスタンダードセルを利用して構成した半導体集積回路装置の配線方法について図面を参照しながら説明する。
【0069】
図10は、本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置の製造方法における一実施例のレイアウト方法を説明する図であり、電源供給線及び接地供給線のレイアウトを示している。
【0070】
ここでは、縦方向の配線を第2メタル配線層、横方向の配線を第3メタル配線層、スタンダードセルへの最終接続を最下層メタル層を利用した例で説明するが、実際はこれに限定されることはなく状況に応じて、適切な階層の配線層を利用する。
【0071】
前記構造のスタンダードセル45に対して、半導体集積回路装置の外部から電源を供給するための電源パッド36から第2メタル配線38を縦方向に配線し、適当な地点で他の信号線と交差するための第3メタル配線40に接続VIA39で接続して横方向の配線を施す。続いて縦方向に配線を延長するために第3メタル配線40と、次なる第2メタル配線42とを接続VIA41で接続する。
【0072】
更に第2メタル配線42から接続VIA43を経由して最下層メタル44に接続した後、スタンダードセル45の電源供給端子に接続される。
【0073】
同様に、スタンダードセル45に対して、半導体集積回路装置の外部から接地を供給するための接地パッド37から第2メタル配線46を縦方向に配線し、スタンダードセル45の接地供給端子に接続するために最適な地点で接続VIA47を経由して最下層メタル48に接続した後、スタンダードセル45の接地供給端子に接続される。
【0074】
ここで示される電源供給端子及び、接地供給端子の位置は、一実施例の一つであって、この位置関係に限定されるものではない。
【0075】
図11は、本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置の製造方法の一実施例の信号配線を表すレイアウト図を示す。ここでは、説明を簡略化するため、スタンダードセル直近周辺の接続について説明する。
【0076】
前記構造のスタンダードセル56に対して、第2メタル配線49を縦方向に配線し、適当な地点で他の信号線と交差するための第3メタル配線51に接続VIA50で接続して横方向の配線を施す。続いて縦方向に配線を延長するために第3メタル配線51と、次なる第2メタル配線53とを接続VIA52で接続する。更に第2メタル配線53から接続VIA54を経由して最下層メタル55に接続した後、スタンダードセル56の信号端子に接続される。
【0077】
同様に、スタンダードセル56に対して、第2メタル配線57を縦方向に配線し、スタンダードセル56の端子の接続するために最適な地点で接続VIA58を経由して最下層メタル59に接続した後、スタンダードセル56の端子に接続される。ここでも、縦方向の配線を第2メタル配線層、横方向の配線を第3メタル配線層、スタンダードセルへの最終接続を最下層メタル層を利用した例で説明したが、これに限定されるものではない。またここでの入力、出力端子の個数や位置関係についても限定されない。
【0078】
図12に本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置の製造方法の一実施例のレイアウト方法の配線占有率によって配線経路を変更を表すレイアウト図を示す。
【0079】
図9に示すレイアウト方法のフローチャート図において、ステップS9の実配線実行後のステップS10で該当の半導体集積回路装置60をある大きさの区分に分割して区画毎の占有率を評価した結果の一実施例として、図12のA5列/B3行の区画の占有率が指定の基準値を超えており、かつ、A6列/B3行の区画のメタル占有率が指定の基準値以下である場合、A5列/B0行からA6列/B4行に向かう当初経路62によって、A5列/B3行のメタル占有率を上げていると判断し、A5列/B0行からA6列/B4行へ向かう新規経路61に変更する。これにより、A5列/B3行の占有率が減少し、A6列/B3行のメタル占有率が増加するため、夫々の占有率に対するリスクが緩和されることになる。
【0080】
次に前記配線経路変更によってもメタル占有率が改善されない場合の処理に関して図13を用いて説明する。
【0081】
図13は、メタル占有率が不足するある区画に対して、ダミーメタルを配置したレイアウト結果の一実施例を示す。ここで、第2メタル配線層、第3メタル配線層及び最下層メタル配線層を経由し、スタンダードセル66に接続される配線において、最下層メタル層、第2メタル層及び第3メタル層共にメタル占有率が指定の基準値以下である場合、その不足分に応じて、最適なサイズに計算された最下層ダミーメタル65を半導体集積回路装置の機能に影響の無い部分を選択して配置する。同様に第2メタル層に対しては第2メタル層ダミーメタル63を配置し、第3メタル層に対しては第3メタル層ダミーメタル64を配置することで各層のメタル占有率を上げる。
【0082】
このようにメタル層の占有率を均一化することにより、メタル層のエッチング時のエッチングむらを抑えることでき、また、メタル層の上層にレジスト膜を形成する場合の露光光の不均一な反射を回避することができるといった効果が得られる。
【0083】
次に前記メタル占有率の基準値の指定方法について、図面を参照しながら説明する。
【0084】
図14は、本発明に係る実施形態の半導体集積回路装置の一実施例を示す。
【0085】
この半導体集積回路装置67は、本半導体集積回路装置の動作の基準となる、クロック信号を生成するためのPLL回路68と、本半導体集積回路装置に必要な電源電圧レベルを制御する電源回路69と、本半導体集積回路装置の動作に関する各種情報を保存するためのメモリ装置70、71と、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D変換器73と、デジタル信号をアナログ信号に変換するためのD/A変換器74を備え、これらブロックの制御や、この半導体集積回路装置の機能を司るための各種制御回路を実現するためのスタセルブロック72が本発明でレイアウトされる部分である。
【0086】
このように既にレイアウト設計が完了している機能ブロックを有する半導体集積回路装置においてメタル占有率の基準値を決定する一実施例として、図9に示すレイアウト方法のフローチャートにおいて、ステップS8にて、これら機能ブロックの夫々の領域について、あらかじめ全ての使用メタル層についてメタル占有率を計算しておく。
【0087】
基準値の決定については、例えば全ての機能ブロックの平均値を利用するか、全ての機能ブロックのうち、最小のメタル占有率を利用する、もしくは、最大のメタル占有率を利用するなど、レイアウト設計ポリシーに準じて設定すればよい。
【0088】
例えば、最下層メタルの占有率が、夫々、PLL回路68が30%、電源回路69が31%、メモリ装置70が35%、メモリ装置71が29%、A/D変換器73が30%、D/A変換器74が32%となっていた場合、
平均値をとるとするならば、
平均占有率=(30+31+35+29+30+32)÷6
=187÷6
≒31.2%
となる。
【0089】
また、最小値をとるならば、メモリ装置71が29%であるし、最大値をとるならば、メモリ装置70の35%となる。
【0090】
また、もう一つのメタル占有率の基準値を決定する一実施例は、本発明の配置配線装置において、半導体集積回路装置の製造過程においての基準規則(以下、プロセスデザインルールと称す)で、最適な製造条件となるメタル占有率を別途設定する方法が考えられる。
【0091】
いずれも、ここに示した数値はあくまでも一実施例であり、該当する半導体集積回路装置のレイアウト状態によりあらゆる数値が想定される。
【0092】
このように本実施形態によれば、スタンダードセル1を、これを構成するセル構成トランジスタを有し、全スタンダードセルに共通接続される電源供給配線及び接地供給配線、および個々のスタンダードセルの機能を実現するための信号配線を含まず、かつ各スタンダードセルの機能を該セル構成トランジスタにより決定する最小限の配置配線、および該セル構成トランジスタの直近に配置され、該スタンダードセルの信号端子を含むよう構成したので、スタンダードセルを利用して機能回路ブロックをレイアウトする際、供給電源の品質を動作レベルに保ちながら、製造品質を左右する各配線層の占有率のばらつきを少なくすることができる。
【0093】
なお、上記実施形態で説明した配線配置方法はコンピュータにより配線処理プログラムに従って実行されるものであり、このようなプログラムは、DVDディスクやハードディスクなどに格納されるものである。
【0094】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、半導体集積回路装置およびその製造方法、配線配置装置、配線配置方法、配線配置プログラム、および記録媒体の分野において、スタンダードセルを利用して機能回路ブロックあるいは半導体集積回路装置をレイアウトする際、供給電源の品質を動作レベルに保ちながら、製造品質を左右する各配線層の占有率のばらつきを少なくすることが可能となる。
【符号の説明】
【0096】
1 スタンダードセル
2 PMOSトランジスタ
2d PMOSトランジスタ2のドレイン端子
2g PMOSトランジスタ2のゲート端子
3 NMOSトランジスタ
3d PMOSトランジスタ3のドレイン端子
3g PMOSトランジスタ3のゲート端子
4 出力信号配線
4‘ 出力信号配線4に対して接続される配線
5 PMOSトランジスタのソース供給端子
6 NMOSトランジスタのソース供給端子
7 入力信号端子
8 ソース供給端子5に対して接続される配線
9 入力信号端子11に対して接続される配線
10 ソース供給端子6に対して接続される配線
11 NMOSトランジスタのゲート部に接続された入力信号端子
12 従来技術その2に示されるスタンダードセル
13 電源供給端子
14 接地供給端子
15 スタンダードセルをマトリックス状の配置した機能ブロック
16 機能ブロック15におけるVDDパワーレール
17 機能ブロック15におけるVSSパワーレール
18 従来技術のスタンダードセル
19 従来技術のスタンダードセル18のVDDパワーレール
20 従来技術のスタンダードセル18のVSSパワーレール
21 PMOSトランジスタ23のソース端子
22 NMOSトランジスタ24のソース端子
23 スタンダードセル18のPMOSトランジスタ
24 スタンダードセル18のNMOSトランジスタ
25 否定論理積回路(NAND回路)
26 否定論理和回路(NOR回路)
27 インバータセル
28〜31 接続用VIA
32〜35 第2メタル配線
36 電源パッド
37 接地パッド
38、42 第2メタル配線
39、41 第2メタル配線と第3メタル配線を接続する接続VIA
40 第3メタル配線
43 第2メタル配線と最下層メタル配線を接続する接続VIA
44 スタンダードセル45へ電源を供給する最下層メタル配線
45 スタンダードセル
46 第2メタル配線
47 第2メタル配線と最下層メタル配線を接続する接続VIA
48 スタンダードセル45へ接地を供給する最下層メタル配線
49、53 第2メタル配線
50、52 第2メタル配線と第3メタル配線を接続する接続VIA
51 第3メタル配線
54 第2メタル配線と最下層メタル配線を接続する接続VIA
55、59 スタンダードセル56のへ信号を供給する最下層メタル
56 スタンダードセル
57 第2メタル配線
58 第2メタル配線と最下層メタル配線を接続する接続VIA
60 配線経路変更を説明する一実施例の半導体集積回路装置
61 メタル占有率を改善するためのメタル配線新規経路
62 メタル配線の当初経路
63 第2メタル層ダミーメタル
64 第3メタル層ダミーメタル
65 最下層メタル層ダミーメタル
66 スタンダードセル
67 半導体集積回路装置
68 PLL回路
69 電源回路
70 メモリ装置1
71 メモリ装置2
72 スタセルブロック
73 A/D変換器
74 D/A変換器
75 レイアウト処理装置
76 CPU(中央演算処理装置)
77 メモリ装置
78 入力装置
79 表示装置
80 外部記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
決められた演算を行う機能回路ブロックを1以上有する半導体集積回路装置であって、
該機能回路ブロックは、回路レイアウトの基本単位であるスタンダードセルを用いて構成されたものであり、
該スタンダードセルは、これを構成するセル構成トランジスタを有し、
全スタンダードセルに共通接続される電源供給配線及び接地供給配線、および個々のスタンダードセルの機能を実現するための信号配線を含まず、かつ各スタンダードセルの機能を該セル構成トランジスタにより決定する最小限の配置配線、および該セル構成トランジスタの直近に配置され、該スタンダードセルの信号端子を含むよう構成されており、
該機能回路ブロックは、該スタンダードセルを2以上組合せ、かつそれぞれスタンダードセルに対して、電源供給配線、接地供給配線、及び入出力端子に対する信号配線を施してなるものである、半導体集積回路装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体集積回路装置において、
前記スタンダードセルは、全てのスタンダードセルに共通に接続される電源供給及び接地供給用の固定配線の制約を受けずに、その縦方向及び横方向のセル長を任意に設定したものである、半導体集積回路装置。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体集積回路装置を製造する方法であって、
前記スタンダードセルを2以上組合せて、ある機能回路ブロックを実現するためのその配置及び配線を行う際、前記電源供給用の配線のIRドロップ量を計算しながら配線を行う、半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体集積回路装置を製造する方法であって、
前記スタンダードセルを2以上組合せて、ある機能回路ブロックを実現するためのその配置及び配線を行う際、前記電源供給用の配線以外の信号配線の遅延時間を計算しながら、所望の遅延時間を満たすよう配線を行う半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体集積回路装置を製造する方法であって、
前記スタンダードセルを2以上組合せて、ある機能回路ブロックを実現するためのその配置及び配線を行う際、該スタンダードセルの配置及び配線実行前に決定した、該スタンダードセルが配置される領域の物理面積内で、該配線としての配線層が前記物理面積を占有する占有率を計算しながら配線を行う半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体集積回路装置を製造する方法であって、
前記スタンダードセルを2以上組合せて、ある機能回路ブロックを実現するためのその配置及び配線を行う際、該スタンダードセルの配置及び配線実行前に決定した、該スタンダードセルが配置される領域の物理面積内で、該配線としての配線層が前記物理面積を占有する占有率がある一定量に満たない場合に、該配線とは関係の無い位置にその配線層と同じ層からなるダミー配線層を配置して、該配線層の占有率を調整する半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
前記スタンダードセルを2以上組合せて、ある機能回路ブロックを実現するためのその配置及び配線を行う際に決定する配線層の占有率として、前以て測定した、該半導体集積回路装置全体における該スタンダードセルを配置する領域とは別の領域での占有率の平均値を用いる、半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項8】
回路レイアウトの基本単位であるスタンダードセルを配列し、該スタンダードセルに対する配線を配置して半導体集積回路装置を設計する配線配置装置であって、
前記スタンダードセルの物理情報、遅延時間情報を含む基本情報を格納するセル情報記憶手段と、
該スタンダードセルに電源を供給する電源供給配線のIRドロップ量、および該電源供給配線を構成する配線層の、該スタンダードセルの配置領域での占有率を計算する計算手段と、
最適な配置配線を行うために必要な制御情報を入力するためのデータ入力手段と、
前記配置された配線のレイアウトを画像として表示する表示手段とを備えた、配置配線装置。
【請求項9】
回路レイアウトの基本単位であるスタンダードセルを配列し、該スタンダードセルに対する配線を配置して半導体集積回路装置を設計する配線配置方法であって、
前記スタンダードセルの物理情報、遅延時間情報を含む基本情報を格納するセル情報記憶ステップと、
該スタンダードセルに電源を供給する電源供給配線のIRドロップ量、および該電源供給配線を構成する配線層の、該スタンダードセルの配置領域での占有率を計算する計算ステップと、
最適な配置配線を行うために必要な制御情報を入力する入力ステップと、
前記配置された配線のレイアウトを画像として表示する表示ステップとを含む、配置配線方法。
【請求項10】
請求項9に記載の配線配置方法をコンピュータにより実行するための配線処理プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の配線配置プログラムを格納した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−119486(P2011−119486A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275956(P2009−275956)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】