説明

半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造およびデバイスの成長と作製のための方法及び装置

特定のデバイス応用に対する所望の材料特性を同定するステップと、前記所望の材料特性に基づいて半極性成長方位を選択するステップと、選択された半極性成長方位の成長のための適当な基板を選択するステップと、前記基板上に平坦な半極性(Ga,Al,In,B)Nテンプレートまたは核形成層を成長するステップと、および前記平坦な半極性(Ga,Al,In,B)Nテンプレートまたは核形成層上に半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造あるいはデバイスを成長するステップとを備えた半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスの成長と作製の方法が提供される。前記の方法を用いることにより基板表面に平行な、大きな面積をもつ半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスが実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は米国特許法第119条(e)に基づいて、本発明の譲受人に譲渡された以下の同時係属の仮出願の利益を主張する。
【0002】
ロバート・M.ファレル(Robert M.Farrell)、トロイ・J.ベーカー(Troy J.Baker)、アーパン チャクラボーティ(Arpan Chakraborty)、ベンジャミン・A.ハスケル(Benjamin A.Haskell)、P.モルガン パチソン(P.Morgan Pattison)、ラジャット・シャーマ(Rajat Sharma)、ウメシュ・K.ミシュラ(Umesh K.Mishra)、スティーブン・P.デンバース(Steven P.DenBaars)、ジェームス・S.スペック(James S.Speck)、および中村修二による出願第60/686,244号、2005年6月1日出願、発明の名称「半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造およびデバイスの成長と作製のための方法及び装置(TECHNIQUE FOR THE GROWTH AND FABRICATION OF SEMIPOLAR(Ga,Al,In,B)N THIN FILMS,HETEROSTRUCTURES,AND DEVICES)」代理人整理番号30794.140 US−P1(2005−668)。
この出願は参照として本明細書中に組み込まれる。
【0003】
本出願は本発明の譲受人に譲渡された以下の同時係属の出願の関連出願である。
【0004】
マイケル・D.クレイブン(Michael D.Craven)、ステーシア・ケラー(Stacia Keller)、スティーブン・P.デンバース、タル・マーガリス(Tal Margalith)、ジェームス・S.スペック、中村修二、ウメシュ・K.ミシュラによる米国実用特許出願第10/413,690号、2003年4月15日出願、発明の名称「無極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸とヘテロ構造材料及びデバイス(NON−POLAR (Al,B,In,Ga)N QUANTUM WELL AND HETEROSTRUCTURE MATERIALS AND DEVICES)」、代理人整理番号30794.101−US−U1(2002−301)。上記出願は米国特許法第119条(e)に基づいて、次の特許文献の優先権を主張している。
【0005】
マイケル・D.クレイブン、ステーシア・ケラー、スティーブン・P.デンバース、タル・マーガリス、ジェームス・S.スペック、中村修二、ウメシュ・K.ミシュラによる米国特許仮出願第60/372,909号、2002年4月15日出願、発明の名称「無極性窒化ガリウム・ベースの薄膜とヘテロ構造材料(NON−POLAR GALLIUM NITRIDE BASED THIN FILMS AND HETEROSTRUCTURE MATERIALS)」、代理人整理番号30794.95−US−P1。
【0006】
アーパン チャクラボーティ、ベンジャミン・A.ハスケル、ステーシア・ケラー、ジェームス・S.スペック、スティーブン・P.デンバース、中村修二、ウメシュ・K.ミシュラによる米国実用特許出願第11/123,805号、2005年5月6日出願、発明の名称「有機金属化学気相成長法による無極性窒化インジウム・ガリウム薄膜、ヘテロ構造、及びデバイスの作製(FABRICATION OF NONPOLAR INDIUM GALLIUM NITRIDE THIN FILMS,HETEROSTRUCTURES AND DEVICES BY METALORGANIC CHEMICAL VAPOR DEPOSITION)」、代理人整理番号30794.117−US−U1(2004−495)。上記出願は米国特許法第119条(e)に基づいて、次の特許文献の利益を主張している。
【0007】
アーパン チャクラボーティ、ベンジャミン・A.ハスケル、ステーシア・ケラー、ジェームス・S.スペック、スティーブン・P.デンバース、中村修二、ウメッシュ・K.ミシュラによる米国特許仮出願第60/569,749号、2004年5月10日出願、発明の名称「有機金属化学気相成長法による無極性InGaN薄膜、ヘテロ構造及びデバイスの作製(FABRICATION OF NONPOLAR InGaN THIN FILMS,HETEROSTRUCTURES AND DEVICES BY METALORGANIC CHEMICAL VAPOR DEPOSITION)」、代理人整理番号30794.117−US−P1および、トロイ・J.ベーカー、ベンジャミン・A.ハスケル、ポール・T.フィニ(Paul T.Fini)、スティーブン・P.デンバース、ジェームス・S.スペック、および中村修二による米国特許仮出願第60/660,283号、2005年3月10日出願、発明の名称「平坦な半極性窒化ガリウムの成長技術(TECHNIQUE FOR THE GROWTH OF PLANAR SEMI−POLAR GALLIUM NITRIDE)」、代理人整理番号30794.128−US−P1(2005−471)。
【0008】
これらの出願は参照として本明細書中に組み込まれる。
【背景技術】
【0009】
1.本発明の技術分野
本発明は半導体材料、方法、およびデバイスに関わり、より具体的には半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスの成長と作製に関係するものである。
2.関連技術の説明
(注意:この出願は、本明細書を通じて、括弧で囲まれる一つ以上の参照番号、たとえば[参考文献x]で示された、多くの異なる刊行物を参照する。参照番号順に並べられたこれらの文献のリストは以下の[参考文献]と書かれたセクションに示す。これらの刊行物はそれぞれ参照として本明細書中に組み込まれる。)
窒化ガリウム(GaN)とその合金(Ga,Al,In,B)Nの有用性は可視光および紫外光の光電子デバイスおよび高出力電子デバイスの作製において十分に確立された。図1に示すように、現状技術の窒化物薄膜、ヘテロ構造およびデバイスはウルツ鉱型窒化物結晶構造100の[0001]軸102に沿って成長される。このような薄膜の全分極は自発分極成分と圧電分極成分より成り、どちらもウルツ鉱型窒化物結晶構造100の唯一の有極性の[0001]軸102から生じるものである。窒化物ヘテロ構造が擬似格子整合するように成長されると、分極の不連続が結晶の表面と界面に形成される。この不連続によって表面と界面においてキャリアが蓄積または減少し、そして電界を発生させる。この内蔵電界の方向は窒化物薄膜およびヘテロ構造の通常の成長方向[0001]と一致するため、この電界は窒化物デバイスのエネルギーバンドを傾斜させる効果を持つ。
【0010】
c面ウルツ鉱型(Ga,Al,In,B)N量子井戸において、この傾斜したエネルギーバンド104と106は、図1に示すように、正孔の波動関数108と電子の波動関数110を空間的に分離する。この空間的な電荷分離は輻射遷移の振動子強度を低減し、発光の波長をレッド・シフトさせる。これらの効果は量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)の現れであり、窒化物量子井戸に対しては十分に解析されている[参考文献1〜4]。更に、大きな分極誘起の電界はドーパントと注入されたキャリアによって部分的に遮蔽されることも起こり[参考文献5、6]、それ故に発光特性を正確に設計するのは困難になる。
【0011】
更に、擬似格子整合する2軸性歪はc面ウルツ鉱型(Ga,Al,In,B)N量子井戸における正孔の有効質量の低減にはほとんど影響しないことが示されている[参考文献7]。これは通常のIII−V閃亜鉛鉱型InP−およびGaAsベースの量子井戸の場合とは全く対照的であり、後者の場合には異方性歪が誘起する、重い正孔バンドと軽い正孔バンドの分離が正孔の有効質量の大幅な低減をもたらす。通常のIII−V閃亜鉛鉱型InP−およびGaAsベースの量子井戸の場合、正孔の有効質量の低減により一定のキャリア密度に対する擬フェルミ準位は大幅に増加する。この擬フェルミ準位の分離が増大することの直接の結果として、光学利得を発生するために必要なキャリア密度は大幅に小さくなる[参考文献8]。しかしながら、ウルツ鉱型窒化物結晶構造では、2軸性歪を受けたc面窒化物量子井戸においては、六方晶系の対称性のために、また、窒素原子におけるスピン軌道相互作用が小さいため、発生する重い正孔と軽い正孔のバンドの分離はごく小さい[参考文献7]。このように、2軸性歪を受けたc面窒化物量子井戸においては、正孔の有効質量は電子の有効質量に比べてはるかに大きいままであり、光学利得を発生させるために必要なキャリア密度は非常に高い。
【0012】
(Ga,Al,In,B)Nデバイスにおいて、分極の影響を取り除き、正孔の有効質量を低減するための1つの方法は、デバイスを結晶の無極性な面上に成長することである。これらの面はまとめてa面と呼ばれる{11−20}面、およびまとめてm面と呼ばれる{1−100}面を含んでいる。このような面はガリウムと窒素の原子を面内で同数含んでおり、電荷中性である。その結果、異なる無極性層はお互いに等価であり、バルク結晶は成長方向に沿って分極することはない。さらに、歪を受けた無極性InGaN量子井戸は歪を受けたc面InGaN量子井戸よりも正孔の有効質量が大幅に小さいということが示された[参考文献9]。しかしながら、カリフォルニア大学や他の研究者が達成してきた進展[参考文献10〜15]にもかかわらず、無極性(Ga,Al,In,B)Nデバイスの成長と作製は依然として難しい課題が多く残っており、窒化物産業界で広く採用されるまでに至っていない。
【0013】
(Ga,Al,In,B)Nデバイスにおける分極の影響を低減し、正孔の有効質量を低減する他の方法は、デバイスを結晶の半極性面上に成長することである。用語「半極性面」はc面、a面、またはm面として分類できない面を指して用いられる。結晶学的用語を用いると、半極性面は少なくとも2つの0でないミラー指数h、i、またはkと、0ではないミラー指数lを持つ面は全て該当する。
【0014】
半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜およびヘテロ構造の成長はc面配向ストライプのパターン上の側壁上にて実証された。ニシズカ(Nishizuka)ら[参考文献16]はこの方法で{11−22}InGaN量子井戸を成長した。しかしながら、半極性窒化物薄膜またはヘテロ構造を作製するこの方法は、エピタキシャル横方向オーバーグロス(ELO)の加工品であり、本発明の開示事項とは明確に異なる。この方法では半極性結晶面は基板表面に平行ではなく、利用できる表面面積は小さすぎて半極性デバイスに加工することは出来ない。
【0015】
本発明は、半極性薄膜の大きな面積が基板表面に平行であるように、適当な基板あるいは平坦な(Ga,Al,In,B)Nテンプレート上に半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスを成長して作製するための方法を記述する。半極性窒化物としてこれまでに実験されたマイクロメータの寸法の傾斜面の成長とは対照的に、この方法は標準的なリソグラフィ技術を用いて半極性(Ga,Al,In,B)Nデバイスを大規模に作製することを可能とするものである。
【0016】
閃亜鉛鉱型InP−およびGaAs−ベースの量子井戸ヘテロ構造およびデバイスと比較すると、ウルツ鉱型c面(Ga,Al,In,B)N量子井戸ヘテロ構造およびデバイスは光学利得を発生するために高いキャリア密度が必要である。これは大きな分極誘起の電界の存在と、本質的に大きな正孔の有効質量に起因するものである[参考文献17、18]。それ故に、内蔵電界と正孔の有効質量の低減とは高性能(Ga,Al,In,B)Nデバイスの実現にとって本質的に重要なことである。
【0017】
典型的なInPおよびGaAsベースのヘテロ構造デバイスの設計には、通常は組成、厚さおよび歪などの色々な薄膜パラメータが含まれる。これらのパラメータを変えると、各エピタキシャル層のバンドギャップ、誘電定数、および正孔の有効質量のような、電子的、光学的な物性を変えることができる。InP−およびGaAs−ベースのデバイスの設計においては通常は用いられないが、結晶成長方位を変えることも各エピタキシャル層の電子的、光学的な物性に影響を及ぼすことが出来る。特に、結晶成長方位を変えると、窒化物薄膜およびヘテロ構造においては分極の影響と正孔の有効質量を低減することが出来る。この新しい設計パラメータを含めるために、われわれは半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスの成長と作製の方法を発明した。結晶の成長のために正しい基板または半極性テンプレートを適切に選択することによって、個別のデバイス応用に適した、正味の分極と正孔の有効質量の最適な組み合わせを選択することが出来る。
【0018】
結晶の成長方位を変更することによる効果を示すために、圧縮歪を受けたInGa1−xN量子井戸に対して圧電分極を計算し、一般的な成長方向とc軸の間の角度の関数としてプロットすることが出来る[参考文献9、18〜20]。図2は、c面結晶の成長に対する従来の座標系(x,y,z)と一般的な結晶の成長方位に対する新しい座標系(x’,y’,z’)の間の関係を示す。従来の座標系(x,y,z)は新しい座標系(x’,y’,z’)に次の回転行列を用いて変換できる。
【0019】


【0020】

ここでφとθは、それぞれ新しい座標系の[0001]軸に対する方位角および極角である。図2に示したように、z軸は[0001]軸102に対応し、z’軸200は新しい一般の結晶の成長軸に対応する。ウルツ鉱型材料における圧電効果は[0001]軸に沿って単軸等方性を示すため、物理的なパラメータの計算において、方位角(φ)202依存性は無視できる[参考文献21]。このようにして、等価な半極性面のファミリーは唯一の極角(θ)204を用いて一義的に表すことが出来る。θを以後、単に結晶角204と呼ぶことにする。有極性、無極性、およびいくつかの選択された半極性面の結晶角204を下の表1に示す。
【0021】
表1:有極性、無極性、およびいくつかの選択された半極性面と対応する結晶角の表


予想されるとおり{0001}面はθ=0°に対応し、{1−100}と{11−20}面はθ=90°に対応し、半極性面は0°<θ<90°に対応する。
【0022】
結晶の圧電分極は結晶の歪状態によって決められる。格子整合のとれていない結晶の層のヘテロエピタキシャル成長に対しては、各層の歪状態は成長面における2軸性応力で決まる。
【0023】
z’軸 200に沿った一般の結晶の成長方位に対しては、成長面内の2軸性応力成分σx’x’とσy’y’は変換行列Uを用いて通常の(x,y,z)座標系に変換できる。この結果、(x,y,z)座標系における歪状態と圧電分極を決めることができる。このように、(x,y,z)座標系における圧電分極は、変換行列Uを介して結晶角(θ)204の関数として変化する。一般の結晶の成長方位に対しては、圧電分極は(x,y,z)座標系における分極ベクトルPと一般的な結晶の成長方向に沿った単位ベクトルz’のスカラー積をとることによって求めることができる。
【0024】

【0025】

ここでPとPは(x,y,z)座標系における圧電分極の成分を表し、上に記したように結晶角(θ)204に依存する。
【0026】
図3は歪のないGaNバリヤ層を持ち、圧縮歪を受けたInGa1−xNの量子井戸に対して、成長方向とc軸の間の角度の関数として圧電分極300を示す[参考文献9、18〜20]。予想されるとおり、分極300はc面成長(θ=0°)に対して最大となり、a面またはm面成長(θ=90°)に対してゼロとなる。この2点を両端とするその中間で分極は一度符号を変え、ある角度θ302でゼロになる。θ302の正確な値は圧電テンソルや弾性定数など、多くは現状ではほとんど未知の状態にあるいくつかの物理パラメータの値に依存している[参考文献21〜25]。
【0027】
圧電分極効果とほぼ同様に、圧縮歪InGa1−xN量子井戸の正孔の有効質量も結晶の成長方位を変えることによって大きく低減させることが出来る。理論的検討結果[参考文献9]は異方性歪が誘起する、重い正孔バンドと軽い正孔バンドの分離によって、圧縮歪InGa1−xN量子井戸の正孔の有効質量が結晶角の増加と共に単調に減少することを示している。このように、半極性方位で、特に大きな結晶角を持つ方位で圧縮歪InGa1−xN量子井戸を成長することにより正孔の有効質量が大きく低減するであろう。
[参考文献1] T.Takeuchi,S.Sota,M.Katsuragawa,M.Komori,H.Takeuchi,H.Amano,and I.Akasaki,Jpn.J.Appl.Phys.Lett.,36,L382(1997).
[参考文献2] P.Lefebvre,A.Morel,M.Gallart,T.Taliercio,J.Allegre,B.Gil,H.Mathieu,B.Damilano,N.Grandjean,and J.Massies,Appl.Phys.Lett.,78,1252(2001).
[参考文献3] N.Grandjean,B.Damilano,S.Dalmasso,M.Leroux,M.Laugt,and J.Massies,J.Appl.Phys.,86,3714(1999).
[参考文献4] J.S.Im,H.Kollmer,J.Off,A.Sohmer,F.Scholz,and A.Hangleiter,Phys.Rev.B,57,R9435(1998).
[参考文献5] A.Di Carlo,F.Della Sala,P.Lugli,V.Fiorentini,and F.Bernardini,Appl.Phys.Lett.,76,3950(2000).
[参考文献6] F.Della Sala,A.Di Carlo,P.Lugli,F.Bernardini,V.Fiorentini,R.Scholz,and J.M.Jancu,Appl.Phys.Lett.,74,2002(1999).
[参考文献7] M.Suzuki and T.Uenoyama,Jpn.J.Appl.Phys.,35,1420(1996).
[参考文献8] E.Yablonovitch and E.O.Kane,J.Lightwave Tech.,4,504(1986).
[参考文献9] S.H.Park,J.Appl.Phys.,91,9904(2002).
[参考文献10] A.Chakraborty,B.A.Haskell,S.Keller,J.S.Speck,S.P.DenBaars,S.Nakamura,and U.K.Mishra,Appl.Phys.Lett.,85,5143(2004).
[参考文献11] A.Chakraborty,B.A.Haskell,S.Keller,J.S.Speck,S.P.DenBaars,S.Nakamura,and U.K.Mishra,Jpn.J.Appl.Phys.,44,L173(2005).
[参考文献12] A.Chakraborty,S.Keller,C.Meier,B.A.Haskell,S.Keller,P.Waltereit,S.P.Denbaars,S.Nakamura,J.S.Speck JS,and U.K.Mishra,Appl.Phys.Lett.,86,031901(2005).
[参考文献13] Y.J.Sun,O.Brandt,S.Cronenberg,S.Dhar,H.T.Grahm,K.H.Ploog,P.Waltereit,and J.S.Speck,Phys.Rev.B,67,041306(2003).
[参考文献14] A.Chitnis,C.Chen,V.Adivarahan,M.Shatalov,E.Kuokstis,V.Mandavilli,J.Yang,and M.A.Khan,Appl.Phys.Lett.,84,3663(2004).
[参考文献15] N.F.Gardner,J.C.Kim,J.J.Wierer,Y.C.Shen,and M.R.Krames,Appl.Phys.Lett.,86,111101(2005).
[参考文献16] K.Nishizuka,M.Funato,Y.Kawakami,S.Fujita,Y.Narukawa,and T.Mukai,Appl.Phys.Lett.,85,3122(2004).
[参考文献17] S.H.Park,Jpn.J.Appl.Phys.,42,L170(2003).
[参考文献18] S.H.Park,Jpn.J.Appl.Phys.,42,5052(2003).
[参考文献19] S.H.Park and S.L.Chuang,Phys.Rev.B,59,4725(1999).
[参考文献20] T.Takeuchi,H.Amano and I.Akasaki,Jpn.J.Appl.Phys.,39,413(2000).
[参考文献21] T.Takeuchi,C.Wetzel,S.Yamaguchi,H.Sakai,H.Amano,I.Akasaki,Y.Kaneko,S.Nakagawa,Y.Yamaoka,and N.Yamada,Appl.Phys.Lett.,73,1691(1998).
[参考文献22] F.Bernardini,V.Fiorentini,D.Vanderbilt,Phys.Rev.B,56,R10024(1997).
[参考文献23] Polian,M.Grimsditch,I.Grzegory,J.Appl.Phys.,79,3343(1996).
[参考文献24] K.Kim,W.R.L.Lambrecht,and B.Segall,Phys Rev.B,53,16310(1996).
[参考文献25] I.Vurgaftman and J.R.Meyer,J.Appl.Phys.Lett.,94,3675(2003).
[参考文献26] F.Bertram,T.Riemann,J.Christen,A.Kaschner,A.Hoffmann,C.Thomsen,K.Hiramatsu,T.Shibata,and N.Sawaki,Appl.Phys.Lett.,74,359(1999).
[参考文献27] H.Sone,S.Nambu,Y.Kawaguchi,M.Yamaguchi,H.Miyake,K.Hiramatsu,Y.Iyechika,T.Maeda,and N.Sawaki,Jpn.J.Appl.Phys.,38,L356(1999).
[参考文献28] S.Nakamura,M.Senoh,S.Nagahama,N.Iwasa,T.Yamada,T.Matsushita,H.Kiyoku,Y.Sugimoto,T.Kozaki,H.Umemoto,M.Sano,and K.Chocho,Appl.Phys.Lett.,72,211(1998).
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は半極性(Ga,Al,In,B)Nの薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスの成長および作製の方法を記述するものである。これらの構造は適当な基板上に直接成長するか、その基板上にあらかじめ成膜された半極性(Ga,Al,In,B)Nテンプレート層上に成長する。半極性(Ga,Al,In,B)N構造を成長するために有機金属化学気相成長法(MOCVD)およびハイドライド気相エピタキシャル成長法(HVPE)のような気相エピタキシャル成長法が用いられる。しかしながら本発明は分子線エピタキシャル成長法(MBE)或いは他の適当な成長技術による半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスの成長にも等しく適用できる。
【0029】
半極性窒化物薄膜およびヘテロ構造の成長技術は、ウルツ鉱型窒化物デバイス構造における分極の影響および正孔の有効質量を低減するための手段を提供するものである。窒化物という用語は0≦w≦1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、およびw+x+y+z=1を持つ(GaAlIn)Nの分子式を持つ(Ga,Al,In,B)N半導体のあらゆる合金組成を指している。現在市販されている窒化物デバイスは有極性[0001]c−方向に沿って成長される。その結果生じる分極誘起の電界と、大きな正孔の有効質量とは、現在の技術の窒化物を用いた光電子デバイスの特性に致命的な影響を与えている。
【0030】
半極性方向に沿ってこれらのデバイスを成長すると、内蔵電界と正孔の有効質量とを低減することによって、デバイス特性を著しく改善することが出来るであろう。内蔵電界を低減すると、窒化物量子井戸の中の空間的な電荷分離を低減することになる。同様に、正孔の有効質量を低減すると、窒化物レーザダイオードにおける光学利得を発生するために必要なキャリア密度を低減することになる。
【0031】
以下、図面を参照し、対応する部分には一貫して同じ参照番号を付与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下の好ましい実施形態の説明においては、添付の図面を参照する。添付の図面は、本発明を実施することができる特定の実施形態を例示するために示す。なお、本発明の技術範囲を逸脱することなしに他の実施形態を利用してもよく、構造上の変化を施してもよいことは明らかである。
【0033】
概要
本発明は半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスの成長および作製の方法を含んで構成されている。図4のフローチャート400は、半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜およびヘテロ構造の成長における重要な工程を要約したものである。
【0034】
工程402と404は半極性成長方位を選択するために用いられるトップダウン的デバイス設計の手順を概説している。第1に、工程402に示すように、特定のデバイス応用に対する所望の材料特性(圧電分極、正孔の有効質量など)を決めなければならない。これらの所望の特性に基づいて、半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜とヘテロ構造を成長するために、工程404において、材料特性が最適な組み合わせである半極性方位を選択しなければならない。このトップダウン的なデバイス設計の手順はもちろん理想化されたものである。即ち全ての半極性方位に対して結晶の品質は同等であると仮定する。実行過程と一致させるようにデバイス設計手続における調整が行われる。
【0035】
最適な半極性成長方位を選択した後に、工程406にて、適当な基板を選択しなければならない。この基板は成長すべき構造と格子整合が取れた組成を持つ自立の半極性窒化物ウェーハであることが理想である。しかしながら、基板はMgAl(スピネル)或いはAl(サファイヤ)のような異種材料である場合の方が多い。場合によっては、異種基板は窒化物テンプレート層で被覆されるが、このテンプレート層はHVPE、MOCVD、MBE、液相エピタキシャル成長法(LPE)、化学ビームエピタキシャル成長法(CBE)プラズマ増殖化学気相成長法(PECVD)、昇華あるいはスパッタ法を含むがこれに限定されるものではなく、全ての適当な成長技術を用いて成膜される。テンプレート層の組成は成膜すべき構造の組成とは正確には一致する必要はない。テンプレート層の厚さは数ナノメートル(この場合は核形成層またはバッファー層とよばれる。)から数10或いは数100マイクロメータの範囲に及ぶ。テンプレート層は必ず必要なものではないが、テンプレートを用いると一般に均一性が改善され、半極性窒化物デバイスの歩留まりが向上する。この技術開示の記述の以下の部分では、本発明の実施のためにHVPE成長半極性GaNテンプレートを用いる場合を記述するが、本発明の技術範囲を制限するものではなく、例示を目的とする。
【0036】
基板或いはテンプレートが選択されると、工程408では、それを反応装置に搭載して、所望の半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜およびヘテロ構造の成長に備える。本発明の実行のために、工程410〜418において用いられる適当な成長方法はHVPE、MOCVD、MBE、LPE、CBE、PECVD、昇華、スパッタリング或いはその他全ての気相成長方法を含むが、これらに限定されるものではない。例示目的のために、この技術開示の説明の以下の部分ではMOCVDによる半極性薄膜およびヘテロ構造の成長を記述する。しかしながら、この方法に焦点をあてることは本発明を他の成長技術に適用することを制限するものではない。最後に、半極性(Ga,Al,In,B)N構造が成長されると、結晶は薄膜成長反応装置から取り出されて、工程420で半極性デバイスに加工される。
【0037】
技術に関する説明
半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスの成長および作製を記述する本発明は次の要素を含んでいる。
1.特定のデバイス応用に対する所望の材料特性を同定すること。
2.材料特性が最適な組み合わせである半極性方位を選択すること。
3.所望の半極性方位の成長のために適当な基板或いはテンプレートを選択すること。
4.適当な成長技術を用いて半極性薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスを成長すること。
【0038】
上記のように、本発明を実行することの意味がHVPEで成長した厚い平坦な半極性GaNテンプレートを用いることによって強調される。今日までに、HVPE法による数種類の平坦な半極性GaNテンプレート方位の成長に成功してきている。テンプレート成長の詳細は別に開示されている。以下の文献参照。
【0039】
トロイ J.ベーカー(Troy J.Baker)、ベンジャミン A.ハスケル(Benjamin A.Haskell)、ポール T.フィニ(Paul T.Fini)、スティーブン P.デンバース(Steven P. DenBaars)、ジェームス S.スペック(James S.Speck)、および中村修二(Shuji Nakamura)による米国特許仮出願第60/660,283号、2005年3月10日出願、発明の名称「平坦な半極性窒化ガリウムの成長技術(TECHNIQUE FOR THE GROWTH OF PLANAR SEMI−POLAR GALLIUM NITRIDE)」、代理人整理番号30794.128−US−P1(2005−471)。この出願は参照として本明細書中に組み込まれる。
【0040】
要約すると、平坦な半極性窒化物テンプレートに関する次の4つの例が実験的に示されている。
【0041】
1.指定された方向にミスカットした{100}スピネル上の{10−11}GaN。
【0042】
2.{110}スピネル上の{10−13}GaN。
【0043】
3.{1−100}サファイヤ上の{11−22}GaN。
【0044】
4.{1−100}サファイヤ上の{10−13}GaN。
【0045】
これら半極性面の結晶の品質は成長温度と圧力にはほとんど依存しない。{10−11}および{10−13}方位は10Torrから1,000Torrの間の圧力と900℃から1,200℃の間の温度で成長したが、全体の結晶の品質には差異は少なかった。このように圧力と温度の範囲が広いということは、特定の基板上に成長するとき、これら半極性面は非常に安定であることを示している。特定の基板と特定の半極性面との間のエピタキシャルの関係は、薄膜を作製するために用いられる成長システムのタイプに関わらず当てはまる。しかしながらこれらの面を成長するための最適な反応装置条件は、個々の反応装置の設計と成長方法によって変わる。
【0046】
MOCVDを用いて半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜およびヘテロ構造を成長するために、テンプレートとしてこれら平坦なHVPE成長半極性GaN層を用いて、いくつかの異なる半極性方位上に半極性(Ga,Al,In,B)NLEDを成長して作製した。特に、{100}スピネル上の{10−11}GaNテンプレート上、{1−100}サファイヤ上の{10−13}GaNテンプレート上、および{110}スピネル上の{10−13}GaNテンプレート上の半極性LEDを実験的に例示することに成功した。
【0047】
図5に示すように、第1の例である半極性LED構造は{100}スピネル基板504上の厚さ10μmのHVPE成長{10−11}GaNテンプレート502上に、MOCVDによって再成長した。垂直型MOCVD反応装置を用いて行われた再成長は、2.0μmの厚さのSiドープ、n型GaNベース層506の成長から始まった。活性領域508は厚さ16nm、SiドープのGaNバリヤ層と厚さ4nm、InGaN量子井戸を積層した5周期の多重量子井戸(MQW)からなっている。厚さ16nm、アンドープGaNバリヤ層510を低温度で成膜して、前記のInGaNのMQW構造をキャップして、成長の後半で活性領域からInGaNが蒸発解離するのを防ぐ。次に厚さ300nmのMgドープp型GaN層512を成膜する。この構造を厚さ40nm、Mg高ドープp型GaNコンタクト層514でキャップする。
【0048】
成長に続いて、300×300μmダイオードメサを塩素ベースの反応性イオンエッチング(RIE)で切り出す。p型GaNおよびn型GaNの電極516および518としてそれぞれPd/Au(20/200nm)およびAl/Au(20/200nm)が用いられた。半極性LED構造の概略的な断面および{10−11}面520が図5に示されている。ダイオードの電気的特性と発光特性をデバイスのウェーハ上検査手段を用いて測定した。典型的なLEDの電流−電圧(I−V)特性600を図6に示す。直流(dc)条件で測定した相対光パワーは、スピネル基板を通して裏面へ出射される光を、校正された大面積Siフォトダイオードを用いて測定した。LEDのエレクトロルミネッセンス(EL)スペクトルと出射光出力が駆動電流の関数として測定され、それぞれ図7と8に示されている。全ての測定は室温で行われた。
【0049】
図6に示すように、ダイオードのI−V特性600は直列抵抗6.9Ωであり、低いターンオン電圧3.1Vを示す。ELスペクトルも30から200mAの範囲の駆動電流にて測定された。図7に示すように、デバイスは全ての駆動電流に対して439nmの青色スペクトル領域で発光スペクトル700−710を示し、ピークシフトは認められない。発光スペクトル700−710はそれぞれ駆動電流30mA−200mAに対応している。駆動電流を増加しても発光ピークにブルーシフトが生じないことは、この波長領域で同様の駆動電流領域で動作するc面LEDにおいて通常ブルーシフト現象が観察されることと対比すべきことである。
【0050】
最後に、ウェーハ上出力パワーと外部量子効率がdc駆動電流の関数として測定された。図8に示すように、出力パワー800は駆動電流が10mAから300mAに増加するにつれてほぼ直線的に増加した。順方向電流が20mAのときの出力パワーは11μWであり、対応する外部量子効率(EQE)802は0.02%であった。630μWものDCパワーが300mAの駆動電流のときに測定された。駆動電流が増加すると共にEQEは増加し、200mAで0.081%という最大値をとり、そこで順方向電流が200mAを超えて増大すると共にやや減少した。駆動電流の増加と共にEQEの大幅な減少が起こらないことは、この波長領域で同様の駆動電流領域で動作するc面LEDにおいて通常観察されるEQEの大幅な減少がおこる現象と対比すべきことである。
【0051】
ここには示していないが、{100}スピネル上の{10−11}GaNテンプレート上に成長した青色(〜439nmピーク)半極性LEDと、一緒に搭載した{0001}サファイヤ上の{0001}GaNテンプレート上に成長したc面LEDとに関してフォトルミネッセンス(PL)スペクトルを比較した。「一緒に搭載」とは、c面テンプレートが半極性テンプレートと同時にMOCVD反応装置に搭載されることを意味し、2つのテンプレートは成長の期間中同じ支持台上に載せられていることを意味する。半極性LEDのPLスペクトルは一緒に搭載のc面LEDのPLスペクトルと非常に似ていた。このことは半極性InGa1−xN薄膜およびc面InGa1−xN薄膜のインジウムの取り込み効率は同等であることを意味している。この結果は、半極性面に沿って不純物の強い取り込みがあることを示すものであり、半極性面に沿った横方向エピタキシャルオーバーグロスに関する以前の研究結果と一致する[参考文献26、27]。
【0052】
{100}スピネル上の{10−11}GaNテンプレート上に成長した青色(〜439nmピーク)LEDに加えて、図9は{1−100}サファイヤ基板904上の{10−13}GaNテンプレート902上に成長した緑色(〜525nmピーク)LED900を示す。この半極性LED構造900は{1−100}サファイヤ904上の厚さ10μm、HVPE成長{10−13}GaNテンプレート902上にMOCVDを用いて再成長されたものである。再成長は従来の水平なガス流を持つMOCVD反応装置内で行われ、まず厚さ500nm、Siドープ、n型GaNのベース層906の成長から始まった。活性領域908は厚さ8nm、アンドープGaNバリヤ層と厚さ4nmのInGaN量子井戸を5周期積層した多重量子井戸(MQW)から成っている。厚さ20nm、Mgドープ、p型AlGaNバリヤ層910が低温で成膜され、これにより前記のInGaNのMQW構造をキャップして、成長の後半で活性領域908からInGaNが蒸発解離するのを予防する。この構造は厚さ200nmのMgドープ、p型GaN912でキャップされる。
【0053】
成長の後で、300×300μmのダイオードメサが塩素ベースのRIEによって切り出される。p型GaNおよびn型GaNの電極914および916としてそれぞれPd/Au(5/6nm)およびTi/Al/Ni/Au(20/100/20/300nm)を用いた。図9は半極性LED構造の概略的断面と{10−13}面918とを示す。ダイオードの電気的特性と発光特性をデバイスのウェーハ上検査手段を用いて測定した。典型的なLEDの電流−電圧(I−V)特性1000を図10に示す。直流(dc)条件で測定した相対光パワーは、サファイヤ基板を通して裏面へ出射される光を、校正された大面積Siフォトダイオードを用いて測定した。LEDのエレクトロルミネッセンス(EL)スペクトルと出射光出力が駆動電流の関数として測定されて、それぞれ図11と12に示されている。全ての測定は室温で行われた。
【0054】
図10に示すように、ダイオードのI−V特性1000は直列抵抗14.3Ωを持ち、低いターンオン電圧3.2Vを示す。ELスペクトルも30から200mAの範囲の駆動電流にて測定された。図11に示すように、ELスペクトル1100はデバイス900が緑色スペクトル領域で発光し、20mAでの528nmから200mAでの522nmまで少しだけしかピークシフトしないことを示している。駆動電流を増加しても発光ピークに大きなブルーシフトが生じないことは、この波長領域で同様の駆動電流領域で動作するc面LEDにおいて通常大きなブルーシフト現象が観察されることと対比すべきことである。
【0055】
ウェーハ上出力パワーと外部量子効率もdc駆動電流の関数として測定された。図12に示すように、出力パワー1200は駆動電流が10mAから250mAに増加するにつれてほぼ直線的に増加した。順方向電流が20mAのときの出力パワー1200は19.3μWであり、対応する外部量子効率(EQE)1202は0.041%であった。264μWものDCパワーが250mAの駆動電流のときに測定された。駆動電流が増加すると共にEQE1202は増加し、120mAで0.052%という最大値をとり、順方向電流が120mAを超えて増大すると共に少ししか減少しなかった。駆動電流の増加と共にEQE1202の大幅な減少が起こらないことは、この波長領域で同様の駆動電流領域で動作するc面LEDにおいて通常観察されるEQE1202の大幅な減少がおこる現象と対比すべきことである。
【0056】
最後に、図13は{110}スピネル基板1304上の{10−13}GaNテンプレート1302上に再成長した青色(〜440nmピーク)半極性LED1300を示す。垂直型MOCVD反応炉を用いて行われた再成長は、まず2.0μmの厚さのSiドープ、n型GaNベース層1306を成長した。活性領域1308は厚さ16nm、SiドープのGaNバリヤ層と厚さ4nm、InGaN量子井戸を積層した5周期の多重量子井戸(MQW)からなっている。厚さ16nm、アンドープGaNバリヤ層1310を低温で成膜して、これにより前記のInGaNのMQW構造をキャップして、成長の後半で活性領域1308からInGaNが蒸発解離するのを防ぐ。次に厚さ300nmのMgドープ、p型GaN層1312を成膜する。この構造を厚さ40nm、Mg高ドープ、p型GaNコンタクト層1314でキャップする。
【0057】
成長に続いて、300×300μmダイオードメサを塩素ベースのRIEで切り出す。p型GaNおよびn型GaNの電極1316および1318として、それぞれPd/Au(20/200nm)およびAl/Au(20/200nm)が用いられた。半極性LED構造の概略的な断面および{10−13}面1320が図13に示されている。ダイオードの電気的特性と発光特性をデバイスのウェーハ上検査手段を用いて測定した。直流(dc)条件で測定した相対光パワーは、スピネル基板を通して裏面へ出射される光を、校正された大面積Siフォトダイオードを用いて測定した。ここには示していないが、I−V特性と駆動電流の関数としてのELスペクトルは{100}スピネル上の{10−11}GaNテンプレート上に成長した青色(〜439nmピーク)半極性LEDと同様であった。LEDの出射光出力が駆動電流の関数として測定されて、図14に示されている。全ての測定は室温で行われた。
【0058】
図14に示すように、出力パワー1400は駆動電流が10mAから90mAへ増加するときほぼ直線的に増加し、それからは250mAまでサブリニアに増加した。20mAの順方向電流における出力パワー1400は190μWであり、対応する外部量子効率(EQE)1402が0.34%であった。250mAの駆動電流において1.53mWという高いDC出力が測定された。EQE1402は駆動電流の増加と共に増加し、50mAで最大値0.41%をとり、それから順方向電流が50mAを超えて増加すると大きく減少する。このように駆動電流が増大するとEQE1402が大きく減少することは、{100}スピネル上の{10−11}GaNテンプレート上に成長した(〜439nmピーク)半極性LED、および{1−100}サファイヤ上の{10−13}GaNテンプレートの上に成長した緑色(〜525nm)半極性LEDにおけるEQE1402ではこの減少が見られないことと対比すべきことである。しかしながら、これら他の2つの半極性LEDにくらべて、この半極性LEDはピーク出力パワー1400およびピークEQE1402の値が大幅に高いことを示し、c面窒化物技術との競争において明確にその可能性を示すものである。
【0059】
上記のデバイス構造は半極性InGaNベースのLEDを機能させた最初の報告を構成するものである。要約すると、本発明は2つの異なる半極性方位上で、3つの異なる基板上で、かつ2つの異なるスペクトル領域で動作する半極性LEDを実証して見せたことである。これらは{100}スピネル上の{10−11}GaNテンプレート上に成長した青色(〜439nmピーク)半極性LED、{1−100}サファイヤ上の{10−13}GaNテンプレートの上に成長した緑色(〜525nm)半極性LED、および{100}スピネル上の{10−13}GaNテンプレート上に成長した青色(〜440nmピーク)半極性LEDを含んでいる。これら3つの例を示すことは例示の目的だけであり、本発明を他の成長方位或いはデバイス構造へ応用する可能性を制限するものであると解釈してはならない。
可能な変更と変形
技術に関する説明の項で記載したデバイスは発光ダイオードを含むものであった。しかしながら、本発明の技術範囲はいかなる半極性(Ga,Al,In,B)Nデバイスの成長と作製をも含むものである。したがってデバイス構造はLEDに限定されているのではない。本発明の方法を用いて成長され、作製されることが出来る他の可能性のある半極性デバイスは端面発光レーザダイオード(EEL)、垂直共振器面発光レーザダイオード(VCSEL)、共振器つきLED(RCLED)、微小共振器LED(MCLED)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)、ヘテロ接合電界効果トランジスタ(HFET)、および可視、紫外、および近紫外フォトデテクタを含んでいる。さらにこれらの例や他の可能性は、半極性(Ga,Al,In,B)Nデバイスの利点の全てを所有している。この可能性のあるデバイスのリストは、例示することのみを目的としており、本発明の応用に関して制限するものではない。むしろ、本発明は、半極性方向に沿って、あるいは半極性面上に成長した全ての窒化物ベースのデバイスを請求項に含むものである。
【0060】
とくに、本発明は(Ga,Al,In,B)Nレーザダイオードの設計と作製に大きな利点を提供することができる。そのような利点は、特に図15に示すような概念上のデバイス1500のような、特に大きな圧電電界を持つ長波長レーザダイオードにおいて重要である。更には、理論的な計算が示すように、異方性歪が誘起する、重い正孔バンドと軽い正孔バンドの分離によって、圧縮歪InGa1−xN量子井戸に対する正孔の有効質量は結晶角が増加することにより単調に減少する[参考文献9]。圧縮歪InGa1−xN量子井戸に対する多体光学利得の自己無撞着の計算結果はピーク利得が正孔の有効質量に極めて敏感であり、この利得が結晶角の増加と共に単調に増加することを示唆している[参考文献17、18]。このように、通常の窒化物ベースのレーザダイオードにおいて光学利得を発生するために必要な高いキャリア密度は、半極性方位上に、特にθ=90°に近い結晶角を持つ方位上にレーザ構造を成長することによって低減できる。
【0061】
このことは図15に示したレーザダイオード1500の設計に反映されている。われわれが実験的に示した半極性方位の中で、{10−11}方位1501は最大の結晶角(θ=62.0°)を持ち、最も大きな光学利得の改善を提供するものである。{100}スピネル基板1502を用いて{10−11}半極性GaNテンプレート1504を成長し、そこで上記のようにn−GaN層1506の再成長を行う。次にn−AlGaN/GaNクラッド層1508を成長し、その上にn−GaN導波路層1510を成長する。次にMQW活性層1512を成長し、そのMQW活性層1512上にp−GaN導波路層1514が成長される。そこでもう1つのクラッド層1516を成長し、p−GaNコンタクト層を成長する。Ni/Au電極1520およびTi/Al/Ni/Au電極1522が成膜される。
【0062】
本発明は電子デバイスの特性にも利得をもたらす。歪をうけた半極性(Ga,Al,In,B)N層における低減した正孔の有効質量は正孔の移動度の向上につながり、これにより半極性p型(Ga,Al,In,B)N層の導電率が増加する。歪をうけた半極性p型(Ga,Al,In,B)N層におけるより大きな移動度はHBTのようなバイポーラ電子デバイスの特性改善につながる。また、半極性窒化物におけるp型導電率が高くなるとp−n接合ダイオードおよびLEDの直列抵抗が低くなる。更に、結晶の成長方位を変更することで、圧電分極の大きさと方向を特別なデバイス応用に適合させることが出来る。このように、(HEMTのような)デバイスの所望の特性を作り出すために圧電分極を利用するデバイスは、多用性を持つ本発明から利点を得ることになる。
【0063】
本発明の技術範囲を逸脱することなく、半極性(Ga,Al,In,B)N量子井戸およびヘテロ構造の変形が可能である。さらに、成長される量子井戸の個数に加えて、層の固有の厚さや組成も特定のデバイス設計に応じて変えることができ、本発明の別の実施形態において用いてもよい。例えば、本発明の好ましい実施形態におけるデバイスは青色および緑色のスペクトル領域における発光のためにInGaNベースの量子井戸を利用している。しかしながら、本発明の技術範囲はAlGaN−、AlInN−、およびAlInGaNベースの量子井戸を持ったデバイスも含み、これらを他のスペクトル領域における発光のための設計に取り込むことが出来る。更には、半極性HEMT、HBTおよびHFETのような将来のデバイスはそれぞれのデバイス構造の中に量子井戸を含まないこともありうる。
【0064】
成長温度、成長圧力、V/III比、前駆体の流量およびソース材料などのMOCVD成長条件における変更も本発明の技術範囲を逸脱すること無しに可能である。界面品質の制御はプロセスの重要な側面であり、特定の反応炉設計の流量切り替え能力に直接関係する。成長条件の最適化の努力を続けることは上記の半極性薄膜およびヘテロ構造の組成および厚さをより正確に制御することにつながる。
【0065】
本発明に記述された半極性窒化物薄膜、ヘテロ構造、あるいはデバイスに別の不純物やドーパントを取り込むことも可能である。たとえば、Fe、Mg、およびSiは窒化物ヘテロ構造におけるさまざまな層にドープされるが、これはこの層や隣接する層の伝導特性を変更する目的で添加されるのがしばしばである。このようなドーパントや、ここに挙がっていないその他のドーパントを用いることは本発明の技術の範囲内である。
【0066】
好ましい実施形態では、まずHVPEで半極性テンプレートを成長して、その次にMOCVDで半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜およびヘテロ構造を成長するステップを含んでいる。しかしながら、本発明の他の実施形態では、異なる成長方法と手順を用いることも出来る。他の可能な成長方法はHVPE、MOCVD、MBE、LPE、CBE、PECVD、昇華およびスパッタリングを含む。図4に示したフローチャートは、本発明の実施のためにはどれ位の成長方法の数と手順が用いられるのかを示すための、一般化された実施例を提供するものである。
【0067】
本発明の技術範囲は好ましい実施形態にて記された4つの半極性GaNテンプレート方位以外をも含むものである。本発明のアイディアは全ての半極性方位上の全ての(Ga,Al,In,B)N 組成に関係するものである。例えば、ミスカットの(100)スピネル基板上に{10−11}AlN、InN、AlGaN、InGaN、AlInN、あるいはAlGaInNを成長することが出来る。同様に、適当な基板が見つかれば{20−21}テンプレートを成長することも出来る。さらにこれらの例や他の可能性は、平坦な半極性薄膜による全ての利益を享受する。
【0068】
本発明はまた、特定の結晶の終端と極性の選択を含むものである。この明細書を通して用いている中括弧{}は対称等価な面のファミリーを示している。これゆえ、{10−12}ファミリーは(10−12)、(−1012)、(1−102)、(−1102)、(01−12)、および(0−112)面を含んでいる。これらの面の全てはIII族原子で終端されている。ということは、結晶のc軸は基板から離れる向きに向いていることを意味している。この面のファミリーはまた同じ指数を持つ対応する窒素終端面を含んでいる。換言すれば、{10−12}ファミリーは(10−1−2)、(−101−2)、(1−10−2)、(−110−2)、(01―1−2)、および(0−11−2)面もまた含んでいる。これら成長方位のそれぞれについては、結晶のc軸は基板の方へ向くような向きを持っている。極性の選択は横方向成長プロセスの挙動に影響を及ぼすが、単一の結晶学的ファミリー内の全ての面は本発明の目的に対しては等価である。いくつかの応用では窒素終端半極性面上に成長するのが望ましく、他の場合はIII族終端面上での成長が好ましい。半極性面の終端は基板の選択と前処理によって大きく動かされる。両方の終端とも本発明の実施条件を満たしている。
【0069】
さらに、サファイヤとスピネル以外の基板を半極性テンプレートの成長に用いることも出来る。本発明の技術範囲は全ての可能な基板の全ての可能な結晶学的方位上に半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスの成長と作製を含むものである。このような基板としてシリコンカーバイド、窒化ガリウム、シリコン、酸化亜鉛、窒化ホウ素、アルミ酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ゲルマニウム、窒化アルミニウム、ガリウム酸リチウム、部分置換されたスピネル、およびγ−LiAlO構造を共有する4元四面体酸化物を含むがこれに限定されるものではない。
【0070】
さらに、半極性(Ga,Al,In,B)N核形成層(あるいはバッファー層)と核形成層成長方法を変更することは、本発明の実施の条件を満たしている。核形成層の成長温度、成長圧力、方位、および組成は引き続く半極性薄膜およびヘテロ構造の成長温度、成長圧力、方位、および組成と一致する必要はない。本発明の技術範囲は、全ての可能な核形成層と核形成層成長方法を用いて、全ての可能な基板上に半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスを成長することと作製することを含む。
【0071】
上記の半極性(Ga,Al,In,B)Nデバイスは平坦な半極性GaNテンプレート上に成長したものであった。しかしながら、本発明の技術範囲はまた、半極性エピタキシャル横方向オーバーグロス(ELO)テンプレート上に成長した半極性(Ga,Al,In,B)Nデバイスを含んでいる。ELO技術は引き続くエピタキシャル層内の貫通転位(TD)の密度を低減する方法である。TD密度を低減するとデバイス特性が向上する。LEDでは、これらの改善点は、内部量子効率の向上と逆方向リーク電流の減少を含むものである。レーザダイオードに対しては、これらの改善点は、出力パワーの向上、内部量子効率の向上、デバイスの長寿命化、および閾値電流密度の低減を含む[参照 28]。これらの利点は半極性ELOテンプレート上に成長した全ての半極性の平坦な薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスに関係する。
【0072】
上記実施形態および他の実施形態は、異種基板上に成長した半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスについての考察であった。だが、理想的には基板は、成長すべき構造に格子整合した組成をもつ、自立した半極性窒化物ウェーハである。自立した半極性窒化物ウェーハは厚い半極性窒化物層から異種基板を除去することによって、またはバルク窒化物インゴット或いはボールを個々の半極性窒化物ウェーハに切り出すことによって、または他の可能な結晶の成長またはウェーハ製造技術によって作ることが出来る。本発明の技術範囲は全ての可能な結晶の成長方法とウェーハ製造技術を用いて作られる、全ての可能な自立した半極性窒化物ウェーハ上に半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスを成長することと作製することを含むものである。
【0073】
以上、本発明の一つ以上の実施形態を例示および説明のために示した。開示の形態そのものによって本発明を包括または限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、本発明の範囲を逸脱することなく多くの変更および変形が可能である。本発明の範囲は、この詳細な記載によってではなく、添付の請求項によって限定されるものである。
利点と改良点
現在の技術は有極性[0001]c方向に沿って(Ga,Al,In,B)N薄膜およびヘテロ構造を成長することである。その結果である、分極が誘起する電界ともともと大きな正孔の有効質量は、現状技術の窒化物光電子デバイスの特性にとって致命的である。本発明の利点は、半極性方向に沿って(Ga,Al,In,B)N薄膜およびヘテロ構造を成長すると、分極の影響および正孔の有効質量を低減することによって、デバイス特性を劇的に改良することが出来るということである。本発明の前には、大きな面積をもつ半極性窒化物薄膜、ヘテロ構造、あるいはデバイスを成長するための手段は存在しなかった。
【0074】
現在の技術に対する改良の可能性の例示として、前記の{1−100}サファイヤ上の{10−13}GaNテンプレート上に成長した我々の緑色(〜525nmピーク)半極性LEDのデバイス特性をc面GaNテンプレート上に成長した典型的な市販の緑色スペクトル領域(〜525nmピーク)をもつInGaNのLEDのデバイス特性と比較する。以下に示すデータは半球状のエポキシ・ドーム中に封じられた標準的な市販のデバイスから集めたものである。活性領域の全面積は300×300μmであり、これは我々の緑色半極性LEDの活性領域の面積と同じであった。
【0075】
市販のLEDの電気的特性および発光特性はパッケージに封入されたデバイスにバイアスを印加して測定した。LEDのI−V特性は図16に示す。直流(dc)条件下で測定した相対的光出力は、半球状のエポキシ・ドームの上部からの光を校正された大面積Siフォトダイオード上に集めて得られた。LEDのELスペクトルと発光光出力も駆動電流の関数として測定された。このデータはそれぞれ図17および19に示されている。全ての測定は室温で行われた。
【0076】
図16に示すように、市販のLEDのI−V特性1600はターンオン電圧3.5V、直列抵抗28.9Ωを示した。これらの値は我々の緑色半極性LEDの、それぞれ順方向電圧および直列抵抗の値である3.1Vおよび14.3Ωと比べて大きい。2つのLEDのターンオン電圧における差は、市販のLEDに比べて半極性LEDにおいては分極誘起の電界が減少したことに帰すのが最も自然な説明である。内蔵電界の減少によって、半極性ダイオードでは、n型およびp型擬フェルミ準位の分離が小さくても電流が流れることができ、その結果、ターンオン電圧は低くなる。
【0077】
図17に示すように、市販のLEDのELスペクトル1700も20mAから100mAの範囲の駆動電流で測定された。駆動電流の関数としてELピークシフトを市販の緑色LEDと我々の緑色半極性LEDとで比較した。図18に示すように、市販のデバイスの波長グラフ1800は20mAのときの523nmから100mAの時の511nmへと、電流80mAの範囲で全体で波長12nmに亘ってシフトした。市販のデバイスと比較すると、緑色半極性LEDの波長のグラフ1802は、20mAの電流時の528nmから250mAの電流時の522nmへと、電流230mAの範囲で、全体で6nmに亘ってシフトした。半極性LEDでは駆動電流の増加と共に発光ピークのブルーシフトが低下するのは、市販のLEDに比べて半極性LEDでは活性領域における分極誘起の電界が低減することに帰する。
【0078】
市販のLEDに対して相対的な光出力パワーおよび外部量子効率もまた、dc駆動電流の関数として測定された。光出力は半球状のエポキシ・ドームの上部から発した光を、校正された大面積Siフォトダイオード上に集めて測定した。このようなパワー測定法を用いるのは、駆動電流の関数として相対的な出力パワーの測定値を得ようと意図するものであり、市販のLEDから発光される全出力パワーを測定しようとするものではない。図19に示すように、駆動電流が10mAから130mAへと増加すると出力パワー1900はサブリニアに増加し、90mAでおそらく熱効果による異常な飛びを示した。110mAで出力パワーは飽和し、さらに電流が増加するとその大きさが低下し、ついには140mAでデバイスは熱効果によって壊れた。
【0079】
半極性LEDとは異なり、市販のLEDのEQE1902は、10mAという非常に低い駆動電流においてピークとなり、それから高い駆動電流ではかなり低くなる。図19に示すように、市販のLEDのEQE1902は電流10mAと130mAとの間で65.7%も減少する。比較として図12に示したように、半極性LEDのEQEは120mAという比較的高い駆動電流でピークとなり、それから駆動電流を120mAを超えて増加させてもわずか約8%しか減少しない。我々の半極性LEDが駆動電流を上昇してもEQEにおける著しい低下が見られないことは、この波長帯で同様の駆動電流領域で動作する市販のc面LEDで通常EQEの著しい低下現象が見られることと対比すべきである。我々の半極性LEDと市販のLEDのEQE−I特性におけるこのようなかなり大きな差異の背景の機構は現在不明であるが、市販のc面LEDに比べて半極性LEDの分極誘起の電界が低減することに関係するものではないかと推論出来る。
【0080】
最後に、市販のc面窒化物LEDはそのエレクトロルミネッセンスにおいて分極異方性は少しも示さない。一方、無極性m面窒化物LEDは[0001]軸に沿って強い分極異方性を示した[参考文献15]。この分極は、圧縮歪を受けたm面InGa1−xN量子井戸中の重い正孔バンドと軽い正孔バンドの異方性歪誘起の分離に帰すと言える。同様に、一般の結晶の成長方位に対して、重い正孔バンドと軽い正孔バンドの異方性歪誘起の分離は、x’方向に分極した光学行列要素とy’方向に分極した光学行列要素とにおける大きな不一致となる[参考文献9]。このように、半極性窒化物光電子デバイスの発光も強い分極異方性を示すことになる。
【0081】
上記考察は半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造およびデバイスと市販のc面(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造およびデバイスとの比較を含むものである。同様の比較は無極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造およびデバイスとの間で行うことも出来る。半極性薄膜およびヘテロ構造と同じように、無極性薄膜およびヘテロ構造も分極の影響と正孔の有効質量を低減することによってデバイス特性を改善するために用いることが出来る。しかしながら、高品質の無極性テンプレート、薄膜およびヘテロ構造を成長するのは大変困難であるため、無極性デバイスは現在製造されていない。無極性薄膜およびヘテロ構造に対し、半極性薄膜およびヘテロ構造の1つの利点は、結晶成長の容易さである。本発明は、無極性薄膜およびヘテロ構造よりも成長時の許容パラメータ空間が大きい半極性薄膜およびヘテロ構造を開示する。たとえば、無極性薄膜およびヘテロ構造は大気圧下では成長しないが、半極性薄膜およびヘテロ構造は62.5Torrから760Torrまで成長することが実験的に示されており、これよりも更に広い領域で成長する可能性がある。このように、無極性薄膜およびヘテロ構造とは異なり、半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜およびヘテロ構造は、成長圧力と結晶の品質との間の相関は比較的少ないことが示されている。
【0082】
無極性面に対し、半極性面のもう1つの利点は、インジウムの取り込み効率の改善である。無極性a面InGa1−xN薄膜におけるインジウムの取り込み効率が低いことはa面GaNテンプレート上に光電子デバイスの成長を行うときの重大な問題点であった[参考文献12]。上記考察のように、我々のデータは半極性InGa1−xN薄膜におけるインジウムの取り込み効率はc面InGa1−xN薄膜におけるインジウムの取り込み効率と同等であるということを示唆する。我々の{1−100}サファイヤ上の{10−13}GaNテンプレート上に成長した緑色(〜525nm)LEDによって既に実証したように、この高いインジウムの取り込み効率は、半極性のInGa1−xNのLEDの発光領域を長波長まで延ばすのに役立つ。
【0083】
ニシズカら[参考文献16]がパターン化されたc面配向のストライプの側壁上に成長した{11−22}InGaN量子井戸について最近開示した報告は、我々の研究と最も近い比較対象になる。しかしながら、半極性薄膜およびヘテロ構造を製作するこの方法はエピタキシャル横方向オーバーグロス(ELO)の副産物であり、我々の本開示技術とは著しく異なる。半極性結晶面は基板表面に平行ではなく、入手できる表面の面積は半極性デバイスに加工するには小さすぎる。
【0084】
本発明の利点は半極性薄膜の大きな面積が基板表面に平行である適当な基板あるいはテンプレート上に半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造およびデバイスを成長と作製することを含む。半極性窒化物として以前に例示されたマイクロメータ寸法で、傾いた面を持つ成長に対比すると、本方法は標準的リソグラフィ法を用いて半極性(Ga,Al,In,B)Nデバイスの大規模作製を可能にするものである。
【0085】
本発明の新しい特徴は平坦な半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜、ヘテロ構造およびデバイスの成長と作製が出来るということを確立したことである。これは3つの異なる半極性方位上に成長した(Ga,Al,In,B)Nデバイスに関して著者らによって実験的に確認されたものである。前に議論した利点はすべての平坦な半極性窒化物薄膜、ヘテロ構造およびデバイスに当てはまる。

工程図
図20は本発明による工程図を示す。
【0086】
ボックス2000は半極性成長方位を選択する工程を示す。
【0087】
ボックス2002は選択された半極性成長方位の成長と融合する基板を選択する工程を示す。
【0088】
ボックス2004は基板の表面上に平坦な半極性(Ga,Al,In,B)Nテンプレート層を成長する工程を示す。
【0089】
ボックス2006は半極性(Ga,Al,In,B)Nテンプレート層上に半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜を成長する工程を示す。
参考文献
次の参考文献は参照として本明細書中に組み込まれている。
【0090】
1. T.Takeuchi,S.Sota,M.Katsuragawa,M.Komori,H.Takeuchi,H.Amano,and I.Akasaki,Jpn.J.Appl.Phys.Lett.,36,L382(1997).
2. P.Lefebvre,A.Morel,M.Gallart,T.Taliercio,J.Allegre,B.Gil,H.Mathieu,B.Damilano,N.Grandjean,and J.Massies,Appl.Phys.Lett.,78,1252(2001).
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6. F.Della Sala,A.Di Carlo,P.Lugli,F.Bernardini,V.Fiorentini,R.Scholz,and J.M.Jancu,Appl.Phys.Lett.,74,2002(1999).
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9. S.H.Park,J.Appl.Phys.,91,9904(2002).
10. A.Chakraborty,B.A.Haskell,S.Keller,J.S.Speck,S.P.DenBaars,S.Nakamura,and U.K.Mishra,Appl.Phys.Lett.,85,5143(2004).
11. A.Chakraborty,B.A.Haskell,S.Keller,J.S.Speck,S.P.DenBaars,S.Nakamura,and U.K.Mishra,Jpn.J.Appl.Phys.,44,L173(2005).
12. A.Chakraborty,S.Keller,C.Meier,B.A.Haskell,S.Keller,P.Waltereit,S.P.Denbaars,S.Nakamura,J.S.Speck JS,and U.K.Mishra,Appl.Phys.Lett.,86,031901(2005).
13. Y.J.Sun,O.Brandt,S.Cronenberg,S.Dhar,H.T.Grahm,K.H.Ploog,P.Waltereit,and J.S.Speck,Phys.Rev.B,67,041306(2003).
14. A.Chitnis,C.Chen,V.Adivarahan,M.Shatalov,E.Kuokstis,V.Mandavilli,J.Yang,and M.A.Khan,Appl.Phys.Lett.,84,3663(2004).
15. N.F.Gardner,J.C.Kim,J.J.Wierer,Y.C.Shen,and M.R.Krames,Appl.Phys.Lett.,86,111101(2005).
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19. S.H.Park and S.L.Chuang,Phys.Rev.B,59,4725(1999).
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21. T.Takeuchi,C.Wetzel,S.Yamaguchi,H.Sakai,H.Amano,I.Akasaki,Y.Kaneko,S.Nakagawa,Y.Yamaoka,and N.Yamada,Appl.Phys.Lett.,73,1691(1998).
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23. Polian,M.Grimsditch,I.Grzegory,J.Appl.Phys.,79,3343(1996).
24. K.Kim,W.R.L.Lambrecht,and B.Segall,Phys Rev.B,53,16310(1996).
25. I.Vurgaftman and J.R.Meyer,J.Appl.Phys.Lett.,94,3675(2003).
26. F.Bertram,T.Riemann,J.Christen,A.Kaschner,A.Hoffmann,C.Thomsen,K.Hiramatsu,T.Shibata,and N.Sawaki,Appl.Phys.Lett.,74,359(1999).
27. H.Sone,S.Nambu,Y.Kawaguchi,M.Yamaguchi,H.Miyake,K.Hiramatsu,Y.Iyechika,T.Maeda,and N.Sawaki,Jpn.J.Appl.Phys.,38,L356(1999).
28. S.Nakamura,M.Senoh,S.Nagahama,N.Iwasa,T.Yamada,T.Matsushita,H.Kiyoku,Y.Sugimoto,T.Kozaki,H.Umemoto,M.Sano,and K.Chocho,Appl.Phys.Lett.,72,211(1998).
29. S.Nakamura and G.Fasol,The Blue Laser Diode,(Springer,Heidelberg,1997).この本はc面(Ga,Al,In,B)N光電子技術を概説している。
【0091】
30. L.Coldren and S.Corzine,Diode Lasers and Photonic Integrated Circuits,(Wiley Interscience,New York,1995).第4章および付録8〜11は歪量子井戸の設計に関する理論を提供している。
結論
これで本発明の好ましい実施形態の説明を終える。本発明の一つ以上の実施形態を例示および説明のために示した。開示の形態そのものによって本発明を包括または限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、本発明の範囲を逸脱することなく多くの変更および変形が可能である。本発明の範囲は、この詳細な記載によってではなく、添付の請求項によって限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】分極誘起の電界による圧縮歪lnGa1−xN量子井戸におけるバンドの曲がりを表す図である。
【図2】c面結晶の成長に対する通常の座標系(x,y,z)と一般の結晶の成長方位に対する変換座標系(x’,y’,z’)の間の関係を示す図である。方位角と極角はそれぞれφとθで示される。
【図3】歪のないGaNバリヤ層を持ち、圧縮歪を受けたInGa1−xNの量子井戸に対して、成長方向とc軸の間の角度の関数として圧電分極300を示す図である。
【図4】半極性(Ga,Al,In,B)Nの薄膜、ヘテロ構造、およびデバイスの成長および作製の主な工程を概観するフローチャートである。このフローチャートは、本発明の技術範囲の中で多くの異なる成長方法と工程を用いることが出来ることを示す。
【図5】{10−11}半極性GaNテンプレート上に成長した青色(−439nmピーク)LEDの概略的断面図である。
【図6】{10−11}半極性GaNテンプレート上に成長した青色(−439nmピーク)LEDの電流−電圧(I−V)特性のグラフである。
【図7】{10−11}半極性GaNテンプレート上に成長した青色(−439nmピーク)LEDの、色々な駆動電流におけるエレクトロルミネセンス(EL)スペクトルを表す図である。
【図8】{10−11}半極性GaNテンプレート上に成長した青色(−439nmピーク)LEDにおける、ウェーハ状態での出力パワーと外部量子効率(EQE)を駆動電流の関数として表すグラフである。
【図9】{10−13}半極性 GaN テンプレート上に成長した緑色(−525nmピーク)LEDの概略的断面図である。
【図10】{10−13}半極性GaNテンプレート上に成長した緑色(−525nmピーク)LEDの電流−電圧(I−V)特性のグラフである。
【図11】{10−13}半極性GaNテンプレート上に成長した緑色(−525nmピーク)LEDの色々な駆動電流におけるエレクトロルミネセンス(EL)スペクトルを表す図である。
【図12】{10−13}半極性GaNテンプレート上に成長した緑色(−525nmピーク)LEDにおける、ウェーハ状態での出力パワーと外部量子効率(EQE)を駆動電流の関数として表すグラフである。
【図13】{10−13}半極性GaNテンプレート上に成長した青色(−440nmピーク)LEDの概略的断面図である。
【図14】{10−13}半極性GaNテンプレート上に成長した青色(−440nmピーク)LEDにおける、ウェーハ状態での出力パワーと外部量子効率(EQE)を駆動電流の関数として表すグラフである。
【図15】緑色領域のスペクトル(−525nmピーク)で発光するように設計した半極性窒化物レーザダイオードの概略図である。例示した半極性方位の中で、{10−11}半極性方位が半極性窒化物レーザの活性領域における正味の分極と正孔の有効質量の最適の組み合わせを提供する。
【図16】c面GaNテンプレート上に成長した緑色(−525nmピーク)の市販LEDの電流−電圧(I−V)特性のグラフである。
【図17】c面GaNテンプレート上に成長した緑色(−525nmピーク)の市販LEDの色々な駆動電流におけるエレクトロルミネセンス(EL)スペクトルを表す図である。
【図18】{10−13}半極性GaNテンプレート上に成長した緑色(−525nmピーク)LEDの色々な駆動電流におけるエレクトロルミネセンス(EL)のピープ波長とc面GaNテンプレート上に成長した緑色(‐525nmピーク)の市販LEDとを比較するグラフである。
【図19】c面GaNテンプレート上に成長した緑色(−525nmピーク)の市販LEDにおける、パッケージ後の出力パワーと外部量子効率(EQE)を駆動電流の関数として表すグラフである。
【図20】本発明によるプロセス・チャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜の成長と作製の方法であって、
(a)半極性成長方位を選択する工程と、
(b)前記選択された半極性成長方位の成長と融合する基板を選択する工程と、
(c)前記基板の表面上に平坦な半極性(Ga,Al,In,B)Nテンプレート層を成長する工程、および
(d)前記半極性(Ga,Al,In,B)Nテンプレート層上に前記半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜を成長する工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記選択工程(a)は、特定のデバイス応用に対する所望の材料特性を同定する工程と、前記所望の材料特性に基づいて前記半極性成長方位を選択する工程とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板は前記半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜に格子整合した組成を持つ自立半極性窒化物ウェーハを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板は異種材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記異種材料は窒化物テンプレート層で被覆されていることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜の大きな面積は前記基板の表面に平行であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記テンプレート層は核形成層であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜がヘテロ構造であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜をデバイスに加工する工程を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前期基板を選択する工程は、前記半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜内の正孔の有効質量を低減することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法を用いて作製されるデバイス。
【請求項12】
半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜の成長と作製の方法であって、
(a)半極性成長方位を選択する工程と、
(b)前記選択された半極性成長方位の成長と融合する基板を選択する工程、および
(c)前記基板上に前記半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜を成長する工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記選択工程(a)は、特定のデバイス応用に対する所望の材料特性を同定する工程と、前記所望の材料特性に基づいて前記半極性成長方位を選択する工程とを備えることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板は前記半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜に格子整合した組成を持つ自立半極性窒化物ウェーハを含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記基板は異種材料を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記異種材料は窒化物テンプレート層で被覆されていることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜の大きな面積は前記基板の表面に平行であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜をデバイスに加工する工程を更に備えていることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記基板を選択する工程は前記半極性(Ga,Al,In,B)N薄膜内の正孔の有効質量を低減することを含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
請求項12に記載の方法を用いて作製されるデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2008−543089(P2008−543089A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514810(P2008−514810)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/021128
【国際公開番号】WO2006/130696
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】