説明

地図情報転送システム及び車載端末装置

【課題】車を駐車場にとめる際に、リアルタイムな地図情報を手間かけることなく、更新することができる地図情報転送システム及び車載端末装置を提供する。
【解決手段】路側装置は、常時、問合せ信号を送信しており、蓄積データ更新機能を備えた車載端末装置が、更新機能有りを路側装置に通知すると、路側装置が施設情報と地図データのバージョン情報を送信する。そして、車載端末装置は、このバージョン情報に基づいて蓄積データが古いと判定すると、HMI系装置に蓄積データの更新確認画面を表示し、ユーザの確認結果を路側装置に送信するとともに、路側装置から受信した施設情報の更新データや駐車場周辺の地図データにより蓄積データを更新した後、更新結果をHMI系装置によりユーザに通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データの更新を行う地図情報転送システム及び車載端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のカーナビゲーション装置は、目的地までの道順を指示したり、道路交通情報システム(ITS)から得られる、リアルタイムの渋滞情報を用いて目的地までの最適な道順を検索する、等の基本的な機能だけでなく、様々な付加的な情報提供機能を備えている。
例えば、様々な施設の位置を表示部の地図上に表示したり、条件等を入力することで所望の施設(例えば、駅、公園、飲食店、駐車場、ガソリンスタンド、宿泊施設等)の情報を表示させることもできる。
【0003】
このように、カーナビゲーション装置には、種々の情報提供機能が備えられているが、カーナビゲーション装置に含まれる情報のみでは情報が限られるとともに、逐次情報を更新しないと、古い情報を提供することとなりうるので、DSRC等の狭域無線を利用し、車両がある駐車場に立ち寄ると、DSRCを介してその駐車場に隣接した施設の情報(列車時刻など)を受信するサービスが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−23083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、従来、車両がある駐車場に立ち寄った場合、DSRCを介してその駐車場に隣接した施設の情報を受信するサービスが考えられており、駐車場に入る際、施設情報を受信できることは便利であるが、その施設周辺の地図が古い場合、使用者が駐車場に車を止めて、その地図で目的の施設までの道のりを確認した後降車し、目的の施設へ行こうとしても、道が古くてその場所にたどり着けない可能性がある。
【0005】
またその一方で、センターを介して古い地図情報を更新することも行われているが、目的の施設から離れている場所で更新すると、目的の施設に到着した時にはその周辺の地図情報や施設情報が古くなっていることもあって、リアルタイムな最新地図を受信することができない。
さらに、目的の施設周辺の地図情報を更新する場合には、運転者がその地域を探し出して更新しなければならず、手間がかかっていた。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、車を駐車場にとめる際に、リアルタイムな地図情報を手間かけることなく、更新することができる地図情報転送システム及び車載端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明に係る地図情報転送システム(1)は、
地図情報を保存する地図情報保存手段と狭帯域通信手段とを備えた車載端末装置と、
駐車場に設けられ、駐車場周辺の地図情報を蓄積する地図情報蓄積手段と狭帯域通信手段とを備えた路側装置とからなり、
上記路側装置の無線エリアに車両が到達した時、上記車載端末装置の地図情報保存手段に保存された駐車場周辺の地図情報が上記路側装置の地図情報蓄積手段に蓄積された駐車場周辺の地図情報より古いことを判定すると、狭帯域通信により上記路側装置の駐車場周辺の地図情報が上記車載端末装置に転送され、上記地図情報保存手段に保存されている駐車場周辺の地図情報が更新されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る地図情報転送システム(2)は地図情報転送システム(1)において、
上記路側装置が、駐車場周辺の地図情報とともに当該駐車場の施設の固有情報を上記車載端末装置に転送することを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明に係る車載端末装置(1)は、
地図情報を保存する地図情報保存手段と、
駐車場に設けられた路側装置との間で狭帯域通信を行う狭帯域通信手段と、
上記路側装置の無線エリアに車両が到達した時、上記地図情報保存手段に保存された駐車場周辺の地図情報が上記路側装置に蓄積された駐車場周辺の地図情報より古いことを判定すると、狭帯域通信により上記路側装置から駐車場周辺の地図情報を受信し、上記地図情報保存手段に保存されている駐車場周辺の地図情報を更新する地図情報更新手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る車載端末装置(2)は車載端末装置(1)において、
施設情報保存手段を備え、
上記地図情報更新手段が、路側装置から上記駐車場周辺の地図情報とともに転送される当該駐車場の施設の固有情報を上記施設情報保存手段に保存することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る地図情報転送システム(1)、車載端末装置(1)によれば、車載端末装置の地図情報保存手段に保存された駐車場周辺の地図情報が駐車場の路側装置に蓄積された駐車場周辺の地図情報より古い場合、狭帯域通信により路側装置から駐車場周辺の地図情報が車載端末装置に転送されて更新されるので、車を駐車場にとめる際に、リアルタイムな地図情報を手間かけることなく、更新することができる。
【0012】
また、本発明に係る地図情報転送システム(2)、車載端末装置(2)によれば、路側装置から駐車場周辺の地図情報とともに当該駐車場の施設の固有情報が車載端末装置に転送されるので、最新の施設データをカーナビゲーション装置等の車載装置に蓄積することができ、例えば、駐車場の利用料金情報等をリアルタイムで知ることが可能となる。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明の地図情報転送システムの実施例について図面により説明する。図1は本発明の地図情報転送システムの概略ブロック図であり、1は車両に搭載された車載端末装置、2は施設の駐車場に設けられる路側装置であり、駐車場周辺の地図データや駐車料金等の施設の更新情報が登録されたデータベースを備えている。
【0014】
車載端末装置1は、位置検出手段としての位置検出部11、地図データ及び施設情報を記憶している地図データ格納部12、表示部13、入力部14、メモリ部15、音声出力部16、狭帯域無線通信装置17及び制御部18を備えている。
位置検出部11は、GPSセンサやジャイロセンサ等から構成され、車両の現在位置と進行方向を検出し、地図データ格納部12は、DVDプレーヤやHDD(ハードディスクドライバ)等から構成され、道路地図データを含む地図データ及び各種の施設に関する情報を記憶している。表示部13は、地図や施設情報を表示するためのディスプレイ装置であり、入力部14は、表示部13のディスプレイ装置の左右や上下に取り付けられたスイッチ類やディスプレイ装置に設けられたタッチパネルによって構成され、ユーザはこの入力部14を介して各種の指示を行うことができる。
【0015】
メモリ部15は、例えばROMやRAM(図示せず)から構成されており、ROMにはナビゲーションのプログラムを始め各種処理を実行するためのプログラムや地図アイコンデータベース(DB)が格納され、RAMには、プログラム実行時の一時的なデータや路側装置2から取得したデータ等を一時格納する領域が形成されている。また、音声出力部16は、ユーザをナビゲートするための音声を出力し、狭帯域無線通信装置17は、DSRC、ETC、無線LANなどの比較的狭い範囲で通信を行う通信装置である。
なお、DSRC(狭域通信:Dedicated Short-Range Communication)は、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport System)の道路自動料金収受(ETC:Electronics Toll Collection)システムなどに用いられる狭域通信方式である。
【0016】
また、制御部18は、車載端末装置1の上記各部を制御するもので、地図データ取得部21、経路計算部22、経路案内部23、描画部24、画面制御部25、通信制御部26及び施設情報/地図更新制御部27から構成されているが、これらの各部は、CPU、ROM、RAM等のメモリ、HDD等によって構成され、各部の機能はソフトウェアにより実行される。
【0017】
地図データ取得部21、経路計算部22、経路案内部23、描画部24及び画面制御部25は通常のカーナビゲーション装置と同様の機能を有し、ユーザが目的地を入力部14から入力すると、通常のカーナビゲーション装置と同様に、地図データ取得部21が位置検出部11から車両の現在位置を取得して地図データ格納部12から現在の車両位置の地図を取得し、経路計算部22が当該地図の情報に基づいて目的地までの経路を算出し、経路案内部23が描画部24及び画面制御部25を制御することにより表示部13に車両近辺の地図及び経路を表示する。
また、通信制御部26は、施設の路側装置2から問合せがあった場合、狭帯域無線通信装置17に指示して、路側装置2との相互通信が可能な状態にし、施設情報/地図更新制御部27は、路側装置2から受信した当該施設の施設情報や駐車場周辺の地図データの更新制御を実行する。
【0018】
一方、路側装置2は、駐車場、コンビニエンスストア、公園、ビル、駅、ホテル、レジャー施設、商店、飲食店、あるいは、ガソリンスタンド等の施設の駐車場に設けられるものであり、制御装置31、狭帯域無線通信装置32及び情報サーバ33により構成されている。
情報サーバ33には当該駐車場周辺の地図データや駐車料金等の更新情報が登録されており、地図データは、区切られた地図データの当該駐車場近傍の1ブロック単位のデータを備えている。
【0019】
そして、車載端末装置1から情報要求があった場合、路側装置2は、駐車料金等の施設情報、更新エリアの基点座標、更新エリアの地図データ、地図アイコンの種類のデータ、及び、施設情報と更新地図データの作成日時またはバージョン情報を車載端末装置1に送信する。
なお、更新エリアの基点座標は、ナビゲーション装置の地図データと位置関係をリンクさせるのに必要なものであるが、GPSの位置情報を使用してアイコンと関連づけを行う方法もある。また、施設情報と更新地図データの作成日時またはバージョン情報はバージョン管理により新旧判断を行うためのものであり、地図アイコンの種類データは、車載端末装置1のメモリ部15内のアイコンデータベース(DB)から所望のアイコンを呼出すためのものであるが、特殊なアイコンに関しては路側装置2側より上記のアイコンDBに蓄積するようにしてもよい。
【0020】
図2は地図情報転送システムの概略的な構成を示す図であり、41は自動車(車両)、42は道路、43は歩道、44は路側装置アンテナである。この地図情報転送システムにおいて、自動車41が路側装置アンテナ44のエリアに進入し、施設情報/地図更新、エリアから離脱するまでの一連の動作について、以下、説明する。
【0021】
自動車41が駐車場へ進入するため減速し、方向指示器をONした(1)後、駐車場に進入すると、駐車場への進入時(2)に、車載端末装置1の狭帯域無線通信装置17が路側装置アンテナ44を介して路側装置2の狭帯域無線通信装置32と通信し、更新データの有無を確認して、更新する/しないの問合せポップアップを表示し、停車時(3)に問合せ結果を保存する。なお、ユーザが何も判断しない場合には、車起動時に再度問合せ表示を行う。そして、ユーザの判断に応じて、自動車41が駐車場から退出するとき(4)、施設情報を更新し、新しい施設情報/地図データが保存される(5)。
なお、ユーザ判断の有無に関わらず、更新データを予め受信しておくようにしてもよく、この場合、ユーザ設定によりデータの更新の可否を決定することができる。また、自動車41の駐車場所が路側装置アンテナ44の通信可能エリアに入っている場合には、施設情報/地図データの更新を駐車場所で実行することも可能である。
【0022】
図3は、自動車41の駐車場所が路側装置アンテナ44の通信可能エリアに入っており、施設情報/地図データの更新を駐車場で実施する場合のタイムチャートを示す図であり、図に示すように、路側装置2は、常時、蓄積データ更新機能付きナビゲーション装置か否かを問合せる信号を路側装置アンテナ44から送信しており、自動車41の車載端末装置1が蓄積データ更新機能を備えている場合、車載端末装置1は更新機能有りを路側装置2に通知し、路側装置2は施設情報と地図データのバージョン情報を車載端末装置1に送信する。
【0023】
そして、車載端末装置1は、受信した施設情報と地図データのバージョンと車載端末装置1が保有している施設情報と地図データのバージョンとを照合することにより、蓄積データが古いか否かを判定して照合結果を路側装置2に通知するとともに、HMI(ヒューマンインターフェース)系装置に蓄積データの更新確認画面を表示する。
【0024】
ユーザの確認結果をHMI系装置から受けると、車載端末装置1はその確認結果を路側装置2に送信し、蓄積データの更新が要求された場合には、路側装置2が施設情報の更新データを車載端末装置1に送付する。なお、蓄積データの更新が要求されていない場合でも、路側装置2は駐車場周辺の地図データのみは送信する。
路側装置2から更新データを受信すると、車載端末装置1は蓄積データを更新した後、更新結果を路側装置2に通知するとともに、HMI系装置に更新結果を通知し、HMI系装置は更新結果をユーザに通知する。
【0025】
図4は、上記の施設情報/地図データの更新を実施する場合の、施設情報/地図更新制御部27の作用を示すフローチャートであり、以下、施設情報/地図データの更新時の施設情報/地図更新制御部27の作用を詳細に説明する。
なお、この車載端末装置1は、蓄積データ更新機能を備えているものとして説明する。
施設情報/地図更新制御部27は、一定時間毎に、図4のフローチャートに示す施設情報/地図更新プログラムを実施しており、このプログラムを開始すると、狭帯域無線通信装置17を介して路側装置2から蓄積データ更新機能付きナビゲーション装置か否かを問合せる信号を受信したか否かを判定し(ステップ101)、路側装置2からの問合せがないと判定した場合、プログラムを終了する。
【0026】
自動車41が路側装置アンテナ44の通信可能エリア内に入り、ステップ101で路側装置2からの問合せが有ったと判定した場合、施設情報/地図更新制御部27は、更新データの受信準備処理を行うとともに、路側装置2に蓄積データ更新機能を備えている旨を通知した(ステップ102)後、路側装置2から施設情報と更新地図データのバージョン情報を受信したか否かを判定する(ステップ103)。
そして、路側装置2から施設情報と更新地図データのバージョン情報を受信したと判定すると、施設情報/地図更新制御部27は、受信した施設情報のバージョンとメモリ部15に記憶されている当該施設の施設情報のバージョンとを照合することにより、蓄積データが古いか否かを判定する(ステップ104)。
【0027】
受信した施設情報のバージョンとメモリ部15に記憶されている当該施設の施設情報のバージョンとが同じであり、更新すべき情報がないと判定した場合、施設情報/地図更新制御部27は、受信した地図データのバージョンとメモリ部15に記憶されている当該施設から受信した地図データのバージョンとを照合することにより、駐車場周辺の地図データが古いか否かを判定し(ステップ105)、受信した地図データのバージョンとメモリ部15に記憶されている当該施設から受信した地図データのバージョンが同じであり、地図データの更新が不要と判定した場合、路側装置2に更新データの送信不要を通知し(ステップ106)、プログラムを終了する。
【0028】
また、受信した地図データのバージョンとメモリ部15に記憶されている当該施設から受信した地図データのバージョンが異なり、地図データの更新が必要と判定した場合、施設情報/地図更新制御部27は、路側装置2に更新データの送信不要、地図データの送信必要を通知した(ステップ107)後、路側装置2から更新地図データの情報及び地図アイコンの種類データを受信したか否かを判定し(ステップ108)、路側装置2から更新地図データと地図アイコンの種類データの情報を受信すると、受信した地図データのバージョン情報をメモリ部15に記憶し、地図データを地図データ格納部12に格納するとともに、描画部24に指示して表示部13に更新された地図を表示する(ステップ109)。
【0029】
なお、地図データの更新は、例えば、図5に示すような地図表示画面で、図6に示すように、区切られた地図データの1ブロック単位で地図が更新されるか、あるいは、ナビゲーション地図上でGPSデータの中心位置を定義しておき、地図データ及び更新地図データの定義されている中心位置を重ね合わせることにより地図が更新され、図7に示すように、当該施設のアイコン、すなわち、駐車場を示すアイコン(P)が追加されて地図が表示される。
この地図データ更新直後に、ユーザの設定に応じて画面更新部分を強調表示したり、あるいは、図8に示すように更新領域の色付け表示を行ったり、更新日時の表示を行うようにすることもできる。また、更新完了後に、図9に示すように、ポップアップにより、地図が更新された旨を表示したり、音声出力部16から音声により地図が更新されたことを通知するようにしてもよい。
また、更新エリアの地図データは、更新エリア(最小単位)の地図データを完全にダウンロードできないときは、完全にダウンロードされるまで更新せず、ダウンロード途中のデータを残しておき、次回継続でダウンロードできるようにする。
【0030】
一方、ステップ104で受信した施設情報のバージョンとメモリ部15に記憶されている当該施設の施設情報のバージョンとが異なり、更新すべき情報があると判定した場合、施設情報/地図更新制御部27は、路側装置2に更新すべき情報がある旨を通知した(ステップ110)後、ユーザへの更新確認画面の表示を画面制御部25に指示する(ステップ111)。
これにより、表示部13に図10に示すような、更新確認画面が表示される。この更新確認画面には、図に示すように、新しい駐車場料金データがある旨及び、「はい」ボタンと「いいえ」ボタンが表示されているので、ユーザは必要に応じていずれかのボタンを押下すればよい。
【0031】
更新確認画面を表示した後、施設情報/地図更新制御部27は、「はい」ボタンが押下されたか否かを判定し(ステップ112)、「はい」ボタンが押下されていないと判定した場合、「いいえ」ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップ113)。さらに、「いいえ」ボタンが押下されていないと判定した場合、施設情報/地図更新制御部27は、更新確認画面を表示した後、一定時間が経過したか否かを判定し(ステップ114)、一定時間が経過していないと判定した場合、ステップ112に戻って再び「はい」ボタンが押下されたか否かを判定する。
【0032】
そして、ステップ112で「はい」ボタンが押下されたと判定した場合、施設情報/地図更新制御部27は、路側装置2へ更新対象データの種別を通知するとともに、地図データの更新も必要な場合は、地図データも含めてデータの要求を行った(ステップ115)後、路側装置2からデータを受信したか否かを判定する(ステップ116)。
路側装置2からデータを受信したと判定すると、施設情報/地図更新制御部27は、メモリ部15に施設データのバージョン情報を記憶するとともに、受信した施設情報を地図データ格納部12に格納した(ステップ117)後、ユーザに施設情報が更新された旨を通知する(ステップ118)。なお、地図データの要求を行っていた場合には、上記と同様に、受信した地図データのバージョン情報をメモリ部15に記憶し、地図データを地図データ格納部12に格納する。
【0033】
これにより、上記と同様にして、地図データの更新表示が行われるとともに、施設情報の更新時から一定時間の間、地図上で動きのある表示、例えば、図11に示すように、施設アイコンを円で囲んだ動きや、アイコンの色反転、あるいは、大きめのアイコンを表示することにより、施設情報が更新されたことをユーザに知らせる。なお、上記と同様に、ポップアップ表示や音声により施設情報が更新されたことをユーザに知らせるようにしてもよい。
【0034】
そして、上記のように、地図データ、施設情報データが更新された後、図12に示すように、ユーザがナビゲーション画面上でアイコンをタッチすると、画面制御部25が更新された施設情報を地図データ格納部12から読み出して表示部13に供給することにより、図13に示すように、更新された施設情報が表示部13に表示される。
この場合、保存されている施設データの位置情報(GPS、あるいは、地図座標)から該当する情報を検索して、検索された情報を表示したり、あるいは、画面にナビゲーション地図を表示する際に、あらかじめ画面に入る施設の施設情報データを地図データ格納部12から読み出し、リスト化してメモリ部15に記憶しておき、ユーザがタッチした際にそのリストからピックアップするようにしてもよい。
【0035】
また、ステップ113で「いいえ」ボタンが押下されたと判定した場合、または、ステップ114で一定時間が経過したと判定した場合、施設情報/地図更新制御部27は、上記と同様に、受信した地図データのバージョンとメモリ部15に記憶されている当該施設から受信した地図データのバージョンとを照合することにより、駐車場周辺の地図データが古いか否かを判定する(ステップ105)。
【0036】
以上のように、車載端末装置1に保存された駐車場周辺の地図情報が古い場合、狭帯域無線通信により路側装置2から駐車場周辺の地図情報が車載端末装置1に転送されて更新されるので、車を駐車場にとめる際に、リアルタイムな地図情報を手間かけることなく、更新することができる。
【0037】
また、路側装置2から駐車場周辺の地図情報とともに当該駐車場の施設の固有情報が車載端末装置1に転送されるので、最新の施設データをカーナビゲーション装置等の車載装置に蓄積することができ、例えば、駐車場の利用料金情報等をリアルタイムで知ることが可能となる。さらに、車載端末装置1の施設情報が古い場合、ユーザに対して更新確認通知が行われるので、ユーザの必要なデータのみを更新することができる。
【0038】
なお、上記の実施例では、車載端末装置がナビゲーション機能を備えた例について説明したが、ナビゲーション機能を備えていない車載端末装置をナビゲーション装置とは別個の装置として設け、この車載端末装置が路側装置から受信した施設情報や駐車場周辺の地図データをナビゲーション装置に転送するようにすることも可能である。
【0039】
また、上記の実施例では、更新情報がない場合、あるいは、ユーザが施設情報を更新しないと判断した場合にも、路側装置から駐車場周辺の地図データを車載端末装置に転送するようにしたが、更新情報がない場合、あるいは、ユーザが施設情報を更新しないと判断した場合には、路側装置から駐車場周辺の地図データを車載端末装置に転送せず、施設の更新情報を転送する場合にのみ、路側装置から駐車場周辺の地図データを車載端末装置に転送するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の地図情報転送システムの概略ブロック図である。
【図2】地図情報転送システムの概略的な構成を示す図である。
【図3】施設情報/地図データの更新を実施する場合のタイムチャートである。
【図4】施設情報/地図データの更新を実施する場合の作用を示すフローチャートである。
【図5】地図表示画面の一例である。
【図6】地図データの更新状況を説明するための図である。
【図7】当該施設のアイコンが追加された地図の一例である。
【図8】地図データ更新部分の強調表示の一例である。
【図9】ポップアップによる地図更新表示の一例である。
【図10】更新確認画面の一例である。
【図11】施設情報更新時の表示の一例である。
【図12】ナビゲーション画面上でのアイコン押下時の状態を示す図である。
【図13】更新された施設情報の表示の一例である。
【符号の説明】
【0041】
1 車載端末装置
11 位置検出部
12 地図データ格納部
13 表示部
14 入力部
15 メモリ部
16 音声出力部
17、32 狭帯域無線通信装置
18 制御部
2 路側装置
31 制御装置
33 情報サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を保存する地図情報保存手段と狭帯域通信手段とを備えた車載端末装置と、
駐車場に設けられ、駐車場周辺の地図情報を蓄積する地図情報蓄積手段と狭帯域通信手段とを備えた路側装置とからなり、
上記路側装置の無線エリアに車両が到達した時、上記車載端末装置の地図情報保存手段に保存された駐車場周辺の地図情報が上記路側装置の地図情報蓄積手段に蓄積された駐車場周辺の地図情報より古いことを判定すると、狭帯域通信により上記路側装置の駐車場周辺の地図情報が上記車載端末装置に転送され、上記地図情報保存手段に保存されている駐車場周辺の地図情報が更新されることを特徴とする地図情報転送システム。
【請求項2】
上記路側装置が、駐車場周辺の地図情報とともに当該駐車場の施設の固有情報を上記車載端末装置に転送することを特徴とする、請求項1に記載された地図情報転送システム。
【請求項3】
地図情報を保存する地図情報保存手段と、
駐車場に設けられた路側装置との間で狭帯域通信を行う狭帯域通信手段と、
上記路側装置の無線エリアに車両が到達した時、上記地図情報保存手段に保存された駐車場周辺の地図情報が上記路側装置に蓄積された駐車場周辺の地図情報より古いことを判定すると、狭帯域通信により上記路側装置から駐車場周辺の地図情報を受信し、上記地図情報保存手段に保存されている駐車場周辺の地図情報を更新する地図情報更新手段と、を備えたことを特徴とする車載端末装置。
【請求項4】
施設情報保存手段を備え、
上記地図情報更新手段が、路側装置から上記駐車場周辺の地図情報とともに転送される当該駐車場の施設の固有情報を上記施設情報保存手段に保存することを特徴とする、請求項3に記載された車載端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−256128(P2007−256128A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81927(P2006−81927)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】