説明

地盤変位測定機構を用いた警報発生装置

【課題】地盤変位の測定に於いて拡散レーザ光を用い、レーザ光の単位面積当たりの光量を減少し、人、動物への眼に対する影響を減少する。また、雨、霧、雪等の影響を少なくした観測を可能とする。また、地盤変位の発生が予測される位置への設置作業を迅速にし作業者の安全性を確保できる。また、測定機構により測定した位相のズレが一定の許容範囲を超えたときに警報発生機構によって警報を発生させる。
【解決手段】照射先のビーム直径を照射元のビーム直径よりも大きくした拡散レーザ光4を発振するレーザ光発振部1と、地盤変位の発生予測位置に設置するレーザ光反射板6と、反射される反射波7を受光する検出器8と、この検出器8によって受光した反射波7とレーザ光発振部1の照射波10の位相のズレからレーザ光発振部1とレーザ光反射板6の距離を計測する測定機構11と、位相のズレが設置時における基準値の許容範囲を超えたときに警報を発生させる警報発生機構14とから成るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土砂災害危険斜面や災害崩壊斜面において斜面の変位をいち早くとらえ、崩壊復旧作業員、斜面下に居住する住民や道路の通行者に斜面の変位が起きたことを警報発生装置により知らせ、迅速な避難、通行止め処置を講じたり、工事中の切土、盛土斜面や床堀斜面においても、施工中の斜面の変位をいち早くとらえ工事の作業員に斜面の変位が起きたことを警報発生装置により知らせ、迅速な避難、工事中止の処置を講じたり、トンネル、地中構築物、ダムの堰堤等の面の変位が起きた場合にもこの変位をいち早くとらえ警報発生装置により保守管理者に知らせ対策を講じる事を可能とする地盤変位測定機構を用いた警報発生装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、斜面等の地盤変位を計測する機器として、特許文献1、2、3に示す如く地盤変位の発生が予測される位置にインバ−線を設置し、このインバ−線を利用した地表伸縮計を用い、インバ−線の伸縮を電位差データ等の電気信号に変換し、この電気信号の変化を観測する事により斜面変位を計測することが行われている。また、特許文献4に示す如く、地盤変位の発生が予測される位置に、伸縮可能な管体を設置し、この管体内に一端を地盤の基準点に固定し他端を変位計に接続した計測線を挿入し、この計測線の伸縮を測定する事により斜面変位を計測することも行われている。
【0003】
そして、土砂災害や工事中斜面の変位が発生するケースとしては、降雨などの天候不良、視界不良時に発生することが多い。また、土砂災害危険斜面は急峻で複雑な地形を呈していることが多く、また、土砂災害危険斜面は樹木や草が生い茂っていることが多い。そして、工事中の斜面は暫定的に安定勾配よりも急勾配としていることが多く、かつその形状は工事の進捗により随時変化する。地盤変位測定機構を用いた警報発生装置はこれらの障害に対応できる事が要求される。
【0004】
【特許文献1】特開2000−329548号公報
【特許文献2】特開2002−357666号公報
【特許文献3】特開2010−151701号公報
【特許文献4】特開平11−72323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インバー線を使用した接点式の計器の場合には移動点と不動点の間に支柱を数基設置する構造となる。このため、作業員が危険な斜面に立ち入って設置する必要があるうえ、設置に労力と時間を要するものとなる。また、インバー線を使用することが、通行の支障となる場所や、沢や川を挟む場所では、移動点と不動点に大きな高低差がある場所には設置できない問題点がある。また、インバー線を使用する場合には、一般的に移動点と不動点との距離は、測定精度を確保するため10 mを原則とし、最大でも15 m程度までとすることが望ましいとされている。そのため、設置できる場所が大きく制限されるものとなる。
【0006】
そして、特許文献1、2、3に示す発明に於いては、地盤変位の発生が予測される位置の移動点と不動点の間にインバー線を設置し、このインバー線の伸縮を電位差に変換して測定し、地盤変位を知るものであるが、前述の如く作業員が危険な斜面に立ち入って長時間をかけてインバー線を設置する必要があり、作業員に危険を及ぼすものとなると共に多くの手数と費用を発生させるものとなる。特許文献4に示す発明に於いても、伸縮可能な管体を地盤変位の発生が予測される位置に設置し、管体の伸縮を測定して地盤変位を知るものであるから、上記と同様の問題点を有するものである。
【0007】
また、地盤変位の発生が予測される位置に基準点を設け、この基準点を視覚的測量機器を用いて測定する事により基準点の変位を知る事も行われている。しかしながら、この場合は、見通しが必要な測量であるため、移動点と固定点の間に障害物がある場合に安定した計測ができない問題点があるほか、その計測精度に対応した測量機器と測量技師が必要となり、多くの手数と経費を必要とする。また、視界を妨げる降雨や降雪、霧など視界不良時には計測不能となる欠点を有している。
【0008】
そこで、本願発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、設置および計測が短時間にでき特別な技術が不要で、連続計測が可能であるとともに低コストで現場に常時設置できること。また、一般的に観測対象となる地すべり規模に適した、大きな計測距離(数十m〜百m)を持つとともに1 mm単位(分解能0.1〜0.2 mm)の変位を計測でき且つ30 cm以上の変位も計測できることを可能にするものである。従来、上記条件でも計測可能な計測器としてはレーザ距離計が存在する。レーザ距離計の計測原理は、光源から投光されたレーザ光を反射板で反射し、レーザ光の照射波と反射波の位相のずれから、レーザ光発振部と反射板の距離である基線長を計測するものである。
【0009】
しかし、投光ビームの直径が6 mm程度の一般的なレーザ距離計を野外で利用する場合には、光源と反射板の間に、雨や雪、霧、雑草などが介在すると、これらが障害物となってレーザ光が遮光され、計測が不能となったり、発光部の汚れによる受光光量の減少などで、安定した計測ができなくなる問題がある。一方、レーザ光の出力を高めることで、上記の計測阻害要因に対する耐性を強化することが可能である。しかし、レーザ光の出力を高めると人体、動物等の特に眼への影響が懸念されるため、不特定多数の人が立ち入る場所や、動物が通行する場所での工事現場で採用することは難しく、それゆえ野外でのレーザ距離計による連続自動計測は困難となっている。
【0010】
本発明は、特別な技術が不要で設置および計測が短時間にでき、連続計測が可能であるとともに低コストで現場に常時設置でき、一般的に観測対象となる地すべり規模に適した、大きな計測距離を持つとともに地盤の少量の変位を計測可能にする。そして、観測位置に雨や雪、霧、雑草などが介在しても計測を可能とするとともに、人体、動物等の特に眼への影響を極力少なくし、不特定多数の人や動物が立ち入る場所や、工事現場等でも連続自動計測を可能にしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は上述の如き課題を解決するため、発光したレーザ光の直径を光学レンズを介して拡開し照射先のビーム直径を照射元のビーム直径よりも大きくした拡散レーザ光を発振するレーザ光発振部と、地盤変位の発生が予測される予測位置に設置しレーザ光発振部から照射されたレーザ光を受光して反射するレーザ光反射板と、このレーザ光反射板から反射される反射波を受光する検出器と、この検出器によって受光した反射波とレーザ光発振部の照射波の位相のズレからレーザ光発振部と反射板の距離を計測する測定機構と、この測定機構により測定した位相のズレが反射板の設置時における基準値に比較し一定の許容範囲を超えたときに警報を発生させる警報発生機構とからなるものである。
【0012】
また、警報は、音または光により発生させるものであっても良い。
【0013】
また、警報は、メール通信機を介して特定の登録者にメールにより告知されるものであっても良い。
【0014】
また、警報は、ウエブサーバに送信し、インターネット上でデータ閲覧を可能としたものであっても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述の如く、発光したレーザ光の直径を光学レンズを介して拡開し照射先のビーム直径を照射元のビーム直径よりも大きくした拡散レーザ光を発振するレーザ光発振部を使用するものであるから、レーザ光発振部から照射されたレーザ光はレーザ光発振部とは距離を置いた照射先に至るに従って拡散されビーム直径を大きなものとするから、レーザ光の単位面積当たりの光量は小さなものとなり、仮に通行人、観測作業者、土砂崩れの復興作業員、動物等に照射された場合にも、眼に対する影響を極力小さくし安全な使用を可能とする事ができる。
【0016】
また、悪天候によって、雨、霧、雪等が発生しても、拡散されビーム直径を大きなものとするから、雨、霧、雪等の水滴や結晶よりもレーザ光の断面積を大きなものとする事ができ、レーザ光の断面積の一部は遮断されるものとなっても、断面積の全てを同時に遮断する確率は低いものとなる。また、装置の設置時には存在しなかった雑草や木が成長したような場合も、上記と同様にレーザ光の断面積の一部は遮断するものとなっても、断面積の全てを同時に遮断する確率は低いものとなる。従って発光したレーザ光の直径を光学レンズを介して拡開し照射先のビーム直径を照射元のビーム直径よりも大きくした拡散レーザ光を発振するレーザ光発振部を使用することにより、安全で自然界の悪条件にも対応しての観測が可能となる。
【0017】
また、上記の拡散レーザ光は、地盤変位の発生が予測される位置に設置したレーザ光反射板に照射して反射し、レーザ光反射板から反射される反射波を検出器で受光して受光した反射波とレーザ光発振部の照射波の位相のズレからレーザ光発振部と反射板の距離を測定機構により測定するものであるから、地盤変位の発生が予測される位置に設置するのはレーザ光反射板のみであり、インバー線や伸縮可能な配管等は一切不要となり、装置の設置作業を迅速で簡易に行う事が可能となるため、作業者の安全性を確保できるととともに廉価な作業を可能とする事ができる。
【0018】
また、測定機構により測定した位相のズレが反射板の設置時における基準値に比較し一定の許容範囲を超えたときに警報発生機構によって警報を発生させる事が出来るから、地盤変位の発生を、作業者、付近の住民、作業管理者、地方自治体等に広く且つ迅速に知らせる事が可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の設置例1を示す概略図。
【図2】本発明の拡散型レーザ光と従来の非拡散型レーザ光の比較を示す概略図。
【図3】霧、雨、雪等の雰囲気下に於ける拡散型レーザ光と従来の非拡散型レーザ光の照射状態を示す説明図。
【図4】拡散レーザ測定器の原理図。
【図5】拡散レーザ測定器と警報発生機構のフロー図で、設置現場のみでの警報発生を示している。
【図6】拡散レーザ測定器と警報発生機構のフロー図で、設置現場での警報発生と特定クライアントへのメール送信による警報発生を示している。
【図7】拡散レーザ測定器と警報発生機構のフロー図で、設置現場での警報発生と特定クライアントへのメール送信による警報発生及びインターネットを使用した警報配信を示している。
【図8】本発明の設置例2を示す概略図。
【実施例1】
【0020】
以下本発明の実施例1を図1〜図5に於いて説明すると、(1)はレーザ光発振部で、発光したレーザ光(2)の直径を光学レンズ(3)を介して拡開し、照射先のビーム直径を照射元のビーム直径よりも大きくした拡散レーザ光(4)を発振するものである。この拡散レーザ光(4)は、図2の(b)(c)に示す如く、レーザ光発振部(1)から照射したレーザ光(2)を光学レンズ(3)で拡開することにより、照射先のビーム直径を照射元のビーム直径よりも大きくした拡散レーザ光(4)を形成する。この拡散レーザ光(4)は、図2の(b)に示す実施例では、レーザ光発振部(1)から照射した直径35mmのレーザ光(2)を光学レンズ(3)によって0.0473°拡開することにより100m先で直径200mmのビーム直径とする。また、図2の(c)に示す実施例の如く、レーザ光発振部(1)から照射した直径10mmのレーザ光を光学レンズ(3)によって0.0544°拡開することにより100m先で直径200mmのビーム直径とすることができる。また、図2(a)に示すものはビーム直径の拡開を行わない直進型のレーザ光(2)を示している。
【0021】
そして、上記の拡散レーザ光(4)は、地盤変位の発生が予測される予測位置(5)に設置したレーザ光反射板(6)に照射され、図4に示す如くこのレーザ光反射板(6)は拡散レーザ光(4)を反射する。反射された反射波(7)は検出器(8)に受光され、この検出器(8)によって受光した反射波(7)とレーザ光発振部(1)の照射波(10)との位相のズレを測定機構(11)で測定し、レーザ光発振部(1)とレーザ光反射板(6)の距離を計測する。また、レーザ光反射板(6)は図1に示す如く、地盤変位の予測される予測位置(5)に設置されるとともに測定機構(11)、レーザ光発振部(1)等の測定用の部材は、地盤変位の予測されない安全な設置位置(9)に設置する。この設置位置(9)は、予測位置(5)とは道(22)、河川(23)等を介した位置であっても、概ね100m以内であれば設置して計測が可能となる。
【0022】
この計測は、レーザ光発振部(1)の光源を駆動する電気信号を制御し、レーザ光発振部(1)の光源にて発光するレーザ光(2)の強さに周期的な強弱を付加する。発光したレーザ光(2)を、投光側の光学レンズ(3)においてビーム径およびビーム広がり角の調整などをおこなった後、レーザ光反射板(6)に向けて照射する。照射したレーザ光(2)はレーザ光反射板(6)にあたって反射するが、この反射した光の一部が受光側の検出器(8)に到達することで反射波(7)を受光する。この検出器(8)への受光は、受光側光学レンズ(12)で検出器(8)に集光する。集光した光は検出器(8)によって電気信号に変換される。このとき、基線長や測定条件の違いによって受光側の電気信号の振幅の大きさは変化するが、その周期は変化することがない。次に、発光側と受光側の振幅の周期を比較し、その位相のずれ量を検出することで発光から受光までの時間差Δtを測定する。大気中の光速をcとすれば、計器と反射板の間の距離Lは[数1]の式により算出できる。なお、本実施例では観測開始時の基線長を初期値として、初期値からの差分を求めることで変位量を求めている。
【数1】

【0023】
そして、上記の変位量の測定は、地滑り等の危険がある地盤変位の発生が予測される予測位置(5)にインバー線や、伸縮管を設置して行うものではなく、地盤変位の発生が予測される予測位置(5)にはレーザ光反射板(6)を設置するのみであるから、短時間で簡易な設定が可能であり、インバー線や、伸縮管を設置する方法に対し設置作業者の安全性を高める事が可能となる。
【0024】
また、レーザ光発振部(1)から発光したレーザ光(2)は照射先のビーム直径を照射元のビーム直径よりも大きくした拡散レーザ光(4)を使用するものであるから、拡散レーザ光(4)の単位面積当たりの光量は小さなものとなり、仮に通行人、観測作業者、土砂崩れの復興作業員、動物等に照射された場合にも、眼に対する影響を極力小さくし安全な使用を可能とする事ができる。
【0025】
また、悪天候によって、雨、霧、雪等が発生しても、拡散されビーム直径を大きなものとするから、図3の(b)(c)に示す如く、雨、霧、雪の水滴や結晶等の障害物(13)よりもレーザ光(2)の断面積を大きなものとする事ができ、障害物(13)が拡散レーザ光(4)の断面積の一部を遮断するものとなっても、断面積の全てを同時に遮断する確率は低いものとなる。また、装置の設置時には存在しなかった雑草や木等の障害物(13)が成長したような場合も、上記と同様に拡散レーザ光(4)の断面積の一部は遮断するものとなっても、断面積の全てを同時に遮断する確率は低いものとなる。従って発光したレーザ光(2)の直径を光学レンズ(3)を介して拡開し、照射先のビーム直径を照射元のビーム直径よりも大きくした拡散レーザ光(4)を使用することにより、人や動物に対し安全で、自然界の悪条件にも対応した使用が可能となる。これに対し、図3の(a)に示す拡散を行わない直進型のレーザ光(2)に於いては、雨、霧、雪の水滴や結晶等の障害物(13)によって簡単に遮断されてしまい、レーザ光反射板(6)まで到達する事ができず、地盤変位の測定が困難なものとなる。
【0026】
上記測定結果は、測定機構(11)により測定した位相のズレが、レーザ光反射板(6)の設置時における基準値に比較し、一定の許容範囲を超えたときに警報発生機構(14)を作動させて警報を発生させるものである。この警報は種々の方法を用いる事が出来るが、図5に示すフロー図は、地盤変位が発生した現場にのみ警報を発生するものであって、測定機構(11)の計測データが,予め設定した警報基準を超えると,警報発生機構(14)を作動させ、回転灯、サイレン等の警報手段(15)を作動させ、住民,通行者,工事作業員に地盤変位が発生したことを知らせ,避難,通行止,立入禁止,工事中止等の待避処置(16)を講じるものである。
【0027】
また、図6に示す実施例では、上記と同様に測定機構(11)により測定した地盤の変位がレーザ光反射板(6)の設置時における基準値に比較し一定の許容範囲を超えたときに警報発生機構(14)を作動させ、回転灯、サイレン等の警報手段(15)を作動させ、住民,通行者,工事作業員に地盤変位が発生したことを知らせ,避難,通行止,立入禁止,工事中止等の待避処置(16)を講じる。同時に、警報発生機構(14)が作動すると、この警報をメール通信機(17)により警報情報が記載されたメールをクライアント(18)に送信することにより、クライアント(18)はメールを読み、測定機構(11)の計測データが警報基準を超えたことを知る事が出来る。
【0028】
また、図7に示す実施例では、上記と同様に測定機構(11)により測定した地盤変位が、レーザ光反射板(6)の設置時における基準値に比較し一定の許容範囲を超えたときに警報発生機構(14)を作動させ、回転灯、サイレン等の警報手段(15)を作動させ、住民,通行者,工事作業員に地盤変位が発生したことを知らせ,避難,通行止,立入禁止,工事中止等の処置を講じる。同時に、警報発生機構(14)が作動すると、この警報をメール通信機(17)により警報情報が記載されたメールをクライアント(18)に送信することにより、クライアント(18)はメールを読み測定機構(11)の計測データが警報基準を超えたことを知る事が出来る。更に、この警報をインターネット配信することが可能となる。インターネット配信をするには、1時間〜数十分の定時間隔毎に、ウエブサーバ
(20)から測定機構(11)までの通信を自動的に接続する。ウエブサーバ(20)は測定機
構(11)に対して,計測データを送るように指示を出し、測定機構(11)は通信機(21)
を経由してウエブサーバ(20)に計測データを送信する。ウエブサーバ(20)は追加され
た計測データをもとにウエブ画面を更新し、クライアント(18)はインターネット(22)
を経由してウエブ画面を閲覧し、測定機構(11)の計測データを確認する事が出来る。
【0029】
また、上記の実施例に於いては、地盤変位の発生が予測される予測位置(5)として、地滑りや、崩落等が発生したり、発生が予測される急斜面に本発明装置を設置する場合を説明した。しかし、本発明装置の設置は必ずしもこのような場所ではなく、図8に示す如く、トンネル、地中構造物や橋梁、堤防等の地盤変位の影響を強く受けることが予測される予測位置(5)に広く設置し、これらのトンネル、地中構造物、橋梁、堤防等の安全確保を可能とするものである。そして、この場合に於いても、本発明装置の設置や使用方法は前記実施例と実質的に変わる事はない。
【符号の説明】
【0030】
1 レーザ光発振部
2 レーザ光
3 光学レンズ
4 拡散レーザ光
5 予測位置
6 レーザ光反射板
7 反射波
8 検出器
10 照射波
11 測定機構
14 警報発生機構
20 ウエブサーバ
22 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光したレーザ光の直径を光学レンズを介して拡開し照射先のビーム直径を照射元のビーム直径よりも大きくした拡散レーザ光を発振するレーザ光発振部と、地盤変位の発生が予測される予測位置に設置しレーザ光発振部から照射されたレーザ光を受光して反射するレーザ光反射板と、このレーザ光反射板から反射される反射波を受光する検出器と、この検出器によって受光した反射波とレーザ光発振部の照射波の位相のズレからレーザ光発振部と反射板の距離を計測する測定機構と、この測定機構により測定した位相のズレがレーザ光反射板の設置時における基準値に比較し一定の許容範囲を超えたときに警報を発生させる警報発生機構とからなる事を特徴とする地盤変位測定機構を用いた警報発生装置。
【請求項2】
警報は、音または光により発生させる事を特徴とする請求項1の地盤変位測定機構を用いた警報発生装置。
【請求項3】
警報は、メール通信機を介して特定の登録者にメールにより告知される事を特徴とする請求項1の地盤変位測定機構を用いた警報発生装置。
【請求項4】
警報は、ウエブサーバに送信し、インターネット上でデータ閲覧を可能とした事を特徴とする請求項1の地盤変位測定機構を用いた警報発生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−247259(P2012−247259A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118193(P2011−118193)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(396009171)明治コンサルタント株式会社 (4)
【Fターム(参考)】