説明

基板の両面形状測定システム

【課題】 大型・重量化した基板の表面および裏面の両面形状を、作業性に優れ簡便にしかも高精度に測定できる基板の両面形状測定システムを提供する。
【解決手段】 基板の両面形状測定システムは、主要な構成装置として、基板形状測定装置1、基板ハンドリング・ロボット2およびコンピュータ3を備える。基板形状測定装置1は、垂直状態に配置した縦型定盤4と、それに平行に被測定基板Pを保持する基板保持機構5と、変位計走査コラム6とを有し、被測定基板Pの両面形状を同時に測定する。基板ハンドリング・ロボット2は、未測定の被測定基板Pを垂直状態にして上記基板保持機構5に装着し、あるいは測定済みの被測定基板Pを基板保持機構5から取り外す。ここで、基板形状測定装置1および基板ハンドリング・ロボット2は、コンピュータ3により一括制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の両面形状が重要な要素となる被測定基板、例えば大型・重量化した液晶用フォトマスク等の基板の表面および裏面の両面形状を簡便にしかも高精度に測定する基板の両面形状測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ基板のTFT(薄膜トランジスタ)アレイの製造においては、フォトマスク表面に形成された遮光膜からなるマスクパターンが、フォトリソグラフィ技術により露光投影され、上記液晶ディスプレイ基板となるマザーガラス上にパターン転写される。そして、このフォトリソグラフィ技術といわゆる加工技術とにより上記マザーガラス上にTFTアレイが形成される。同様に、液晶ディスプレイ基板のカラーフィルターも染料含浸法と呼ばれるリソグラフィーを用いた方法により製造される。
【0003】
上記マザーガラスは、1枚から多数の液晶ディスプレイ基板を製造できるようにするために益々その大型化が図られており、例えば、第8世代のマザーガラスは、縦横寸法が2160mm×2460mm程度、第9世代のそれは2400mm×2800mm程度になるといわれる。そして、これに伴い、TFTアレイ側およびカラーフィルター側のいずれの製造においても、大型化し重量化したフォトマスクが必要になる。例えば、上記フォトマスクは、縦横寸法が1500mm×1800mm以上になり、その板厚が20mm程度にもなる。また、高精度のパターン転写を実施するために、これ等の大型フォトマスクの材料は線膨張係数の小さい合成石英ガラスが主に用いられる。このために、その重量は200kg以上に達するようになる。
【0004】
上記大型フォトマスクでは、フォトマスク全面にわたって上記マスクパターンが形成される表面の平坦度が重要な要素となる。そして、フォトマスクの個々においてその表面の平坦度を測定し、規格範囲内のものを選択する厳重な品質管理が必須になる。そこで、上記大型フォトマスクの表面の平坦度を測定する装置として、これまで種々のものが提案された(例えば、特許文献1,2を参照)。そして、その一部は既に実用に供され上記大型フォトマスクのような被測定基板の平坦度の管理に用いられている。
【0005】
一方、上記液晶ディスプレイ基板は、VGAからSVGA、XGA、SXGA、UXGA、QXGAと高精細化が益々進んできている。更には、低温ポリシリコンを用いて上記TFTを形成すると共に、ディスプレイの画素とは別にマザーガラスの外周部にドライバー用ICを形成する方法が実用化されてきた。そして、これ等に伴って、TFTアレイ側のパターン転写の精度、特に上記パターンの露光投影における重ね合わせ精度の向上が益々要求されるようになってきている。
【0006】
上記フォトリソグラフィにおけるパターン転写の高精度化は、フォトマスク全面にわたる上記フォトマスク表面の平坦度と共に、その対向するフォトマスク面(フォトマスクの裏面という)の平坦度の厳重な品質管理も必要としてきている。これについて図9を参照して説明する。ここで、図9(a)は、フォトマスク101の表面102が凸形状になり、裏面103形状が比較的に平坦となる場合である。図9(b)は、フォトマスク101の表面102形状が比較的に平坦であり、裏面103が凹形状になる場合である。
図9(a)に示すように、フォトマスク101表面に凸形状があると、フォトマスク101の裏面103側から入射する実線の露光光104は、その表面102の凸形状により曲折を起してマザーガラス105表面の感光膜(不図示)を露光する。この露光光104の曲折のために、パターン転写において転写位置にズレが生じるようになる。ここで、図中の点線は、上記凸形状が無く光が直進する理想の光路を示している。そこで、上述したようにフォトマスク表面の平坦度を上げ理想の光路に近づけるようにして、上記TFTアレイ側のパターン転写の精度を向上させている。
【0007】
また、図9(b)の場合においても、その程度は小さいものの図9(a)の場合と同様のことが生じる。図9(b)に示すように、露光光104が、凹形状を有する裏面103側から入射すると、その光路はそこで曲折して表面102に達する。そして、表面102において上記曲折の度合いが軽減されてマザーガラス105表面の感光膜(不図示)を露光する。このため、この場合においても上記パターン転写の転写位置のズレは、図9(a)の場合に比べて小さいけれども生じてしまう。
そして、上述した液晶ディスプレイの高精細化、あるいはドライバー用ICの混載により上記パターン転写の高精度化が必要になってくると、フォトマスク裏面の凹凸形状によるパターン転写の位置ズレが問題として顕在化する。このために、理想の光路に近づけるようにフォトマスク裏面の平坦度を上げることが要求され、その平坦度の厳重な品質管理が必要になってきている。
【特許文献1】特開平3−90805号公報
【特許文献2】特開2000−55641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記液晶用フォトマスクのように大型・重量化した基板の表面の形状および裏面の形状を、作業性に優れ簡便で高精度に測定できる基板の両面形状測定システムは未だ開発されていない。
【0009】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、基板の両面形状が重要な要素となる被測定基板、例えば大型・重量化した液晶用フォトマスクの表面および裏面の両面形状を、作業性に優れ簡便にしかも高精度に測定することができる基板の両面形状測定システムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明にかかる基板の両面形状測定システムは、定盤の基準平面がほぼ垂直状態となるように配置された定盤と、被測定基板の板面が前記基準平面にほぼ平行になるように被測定基板を保持する保持機構と、前記定盤の基準平面と、前記保持機構によって保持された前記被測定基板の板面の一面との間に配置され、垂直面内において走査可能であり前記走査と共に前記定盤の基準平面との距離を測定する第1の変位計および前記被測定基板の板面の一面との距離を測定する第2の変位計と、前記板面の一面に対向する他面側に配置され、垂直面内において走査可能であり前記走査と共に前記板面の他面との距離を測定する第3の変位計と、を備えた基板形状測定装置と、前記基板形状測定装置の前記保持機構への被測定基板の装着および前記保持機構からの前記被測定基板の取り外しを行う基板着脱装置と、前記基板形状測定装置および前記基板着脱装置の動作を制御する処理制御装置と、を有する構成になっている。
【0011】
上記発明において、前記基板着脱装置は、ハンドリング用ロボットのアーム先端に取り付けられたロボットハンドを有し、前記被測定基板を垂直状態にして前記保持機構への被測定基板の装着および前記保持機構からの前記被測定基板の取り外しを行う。そして、前記保持機構への被測定基板の装着および前記保持機構からの前記被測定基板の取り外しの操作は、前記基板形状測定装置に内臓の制御部と前記基板着脱装置に内臓の制御部との間の通信手段を通して行われる。
【0012】
上記構成にすることで、基板の両面形状が重要な要素となる被測定基板、特に大型・重量化した液晶用フォトマスクの表面および裏面の両面形状を、作業性に優れ簡便にしかも高精度に測定することが可能になる。
【0013】
上記発明において、前記処理制御装置は、前記基板形状測定装置の前記第1の変位計、第2の変位計および第3の変位計による測定結果に基づいて被測定基板の両面の表面形状を演算する演算手段を備えている。
【0014】
そして、上記発明において、前記基準平面における垂直軸方向に移動可能な第1のY軸移動機構に前記第1の変位計と前記第2の変位計とが搭載され、前記第1のY軸移動機構とは独立に前記基準平面における垂直軸方向に移動可能な第2のY軸移動機構に前記第3の変位計が搭載され、前記第1のY軸移動機構と前記第2のY軸移動機構とが、前記基準平面における水平軸方向に移動可能なZ軸移動機構に搭載されている。
【0015】
上記構成にすることで、上記Y軸移動機構およびZ軸移動機構の移動運動において非常に高い真直度と高い位置決め精度が得られるようになる。これに伴って、上記第1の変位計、第2の変位計および第3の変位計は、定盤の基準平面に対して高精度で正確な走査が可能になる。そして、上記基準平面を基準面として、被測定基板の一面および他面の両面形状を同時にしかも高精度に測定することが可能になり、被測定基板の平坦度あるいは板厚分布が短時間で高精度に測定される。
【0016】
本発明の好適な一態様では、前記第1のY軸移動機構および前記第2のY軸移動機構はボールねじおよびそれに結合したスライドにより構成され、前記Z軸移動機構はV−Vころがり案内あるいはV−Vすべり案内により構成される。前記スライドとして、エアスライドを採用することにより、ボールねじによる位置決め時の振動による精度の劣化を防止することができる。
【0017】
また、本発明の好適な一態様では、前記第1の変位計、第2の変位計および第3の変位計は非接触レーザ変位計により構成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、大型・重量化した液晶用フォトマスクの表面および裏面の両面形状を、作業性に優れ簡便で高精度に測定する基板の両面形状測定システムを提供することができる。そして、基板の両面形状が重要な要素となる被測定基板において、その表面および裏面の両面形状を簡便に測定することができ、基板の両面の平坦度を短時間で高精度に測定することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の好適な実施形態について図1ないし図8を参照して説明する。図1はこの実施形態の基板の両面形状測定システムの一例を示す全体構成図である。図1に示すように、上記両面形状測定システムは、主要な構成装置として、基板形状測定装置1、基板ハンドリング・ロボット2(基板着脱装置)およびコンピュータ3(処理制御装置)を備えている。
【0020】
上記基板形状測定装置1は、その詳細はその動作機構のところで後述されるが、垂直状態の基準平面を有する縦型定盤4、被測定基板Pを垂直状態に取り付ける基板保持機構5、被測定基板Pの表面形状および裏面形状を計測するための変位計走査コラム6および形状測定制御部7を備えている。この形状測定制御部7は、コンピュータ3に接続されており、上記基板保持機構5および変位計走査コラム6の動作を制御する。更に、形状測定制御部7は、後述する基板ハンドリング・ロボット2の基板ハンドリング制御部と双方通信するようになっている。
ここで、基板保持機構5には、図1に示すように、被測定基板Pを垂直状態に固定保持する一対の基板下部支持台5a、5bと基板上部支持台5cが設けられている。更に、上記基板保持機構5には、基板ハンドリング・ロボット2により被処理基板Pを着脱する際に用いられる一対のガイド溝8(8a、8b)が設けられている。
【0021】
基板ハンドリング・ロボット2は、例えばセラミックスから成る二本のフォーク状のロボットハンド9(9a、9b)、該ロボットハンド9の自在な運動とフリーバランスを保証するロボットアーム10、該ロボットアーム10を支えるロボット本体11、基板ハンドリング制御部12および台座13を備えている。ここで、ロボット本体11および基板ハンドリング制御部12は台座13上に取り付けられ、台座13と共に移動できるようになっている。ここで、ロボットハンド9の先端領域には、図1に示すように、例えばセラミックスから成る矩形枠状の支持部材14が固定して取り付けられ、支持部材14の上部および下部にはそれぞれ一対の基板把持用ツメ15が設けられている。
【0022】
被測定基板Pは、この基板把持用ツメ15により垂直状態にクランプでき、ロボットハンド9によりフリーバランスがとられ移送される。また、被測定基板Pは、このロボットハンド9により垂直状態にされ、基板形状測定装置1の基板保持機構5との間で被測定基板Pの着脱がなされる。その詳細は後述するが、ロボットハンド9aおよび9bが、それぞれガイド溝8aおよび8bに挿入され、被処理基板Pの着脱が、基板保持機構5の基板下部支持台5a、5bおよび基板上部支持台5cと基板ハンドリング・ロボット2との間において垂直状態のままでなされる。
【0023】
コンピュータ3は、図1に示しているように、測定装置本体1に隣接して配置され、例えばイーサネット(登録商標)を構成するケーブル16によって基板形状測定装置1の形状測定制御部7に接続されている。ここで、コンピュータ3は、プロセッサ(CPU)、メモリ(RAM)、プログラム格納装置(HDD)、フロッピドライブあるいは光ディスクなどのディスクドライブ、およびキーボードやマウスなどの入力デバイスを備えている。あるいは、ネットワーク・インタフェースおよび周辺インタフェースを備えていてもよい。
コンピュータ3は、基板の両面形状測定システムの動作の全体を制御する中央制御部であり、HDDに格納されたプログラムに従って上記システムを作動させる。また、後述する基板形状測定装置1の変位計の走査から得られた種々のデータを演算処理し、被測定基板Pの両面の平坦度あるいは基板の板厚を含む表面形状を算出してもよい。そして、基板の両面形状測定システムの動作状態あるいは上記算出結果が出力デバイスであるディスプレイ17またはプリンタ18から出力される。
【0024】
上記基板の両面形状測定システムにおいては、例えば液晶用フォトマスクのように大型・重量化した基板は垂直状態にされ、基板ハンドリング・ロボット2により、基板形状測定装置1の基板保持機構5との間でその着脱が極めて容易になされる。また、基板の表面と裏面の形状は同時に短時間でしかも高精度に測定され、それ等の結果は、中央制御部であるコンピュータ3の出力デバイスにより表示される。
【0025】
次に、本実施形態における基板の両面形状測定システムを構成する基板形状測定装置1の詳細とその動作機構について説明する。図2は基板形状測定装置1の斜視図であり、図3は被測定基板Pの両面形状を測定する変位計の走査部を説明するための斜視図である。
【0026】
図2に示すように、上述した基板形状測定装置1の縦型定盤4は、金属製のベッド21上の一端部に配置されている。この縦型定盤4としては、鋳物により構成するのが好適である。そして、この縦型定盤4の垂直面は、すり合わせ加工あるいはラップ加工され、その表面がニッケルメッキされた基準平面4aを有している。この基準平面4aは平坦度400nm以下の高精度な平面形状になっている。
なお、上記縦型定盤4は、その他に金属、セラミックスあるいは石定盤といわれる例えばグラナイト等、高精度な平坦加工が可能な材質を用いることができる。
【0027】
上記ベッド21上における縦型定盤4の手前には、縦横の長さが例えば1650mm×1850mm程度で、板厚が20mm程度の大型液晶用石英ガラス製フォトマスクなどの被測定基板Pを保持する基板保持機構5が配置されている。この基板保持機構5は金属製あるいはセラミックス製の保持部材22を有している。この保持部材22の一対の側柱22aの間には、それぞれモータ22cによって駆動され上下に昇降可能に横架された横桁22bが備えられており、この横桁22bの上下動によって、被測定基板Pのサイズに合わせた支持調整ができるようになっている。
そして、被測定基板Pは、保持部材22の下部の長手方向に離間して配置された一対の基板下部支持台5a、5bと、保持部材22の上部の横桁22bの長手方向のほぼ中央部に配置された基板上部支持台5cにより、垂直状態に保持される。ここで、これ等の基板支持台(5a、5b、5c)はサーボモータによって駆動され、サーボモータを駆動することによって上記基板支持台の位置制御がされ、被測定基板Pの板面を精度よく垂直状態に配置することができる。また、上記一対の基板下部支持部台5a、5bの離間距離は、被測定基板Pのサイズに合わせて自動あるいは手動で調整できるようになっている。
【0028】
そして、図2,3に示すように、ベッド21上において、縦型定盤4の基準平面4aにおけるZ軸方向(水平軸方向)に移動する構造の変位計走査コラム6(Z軸移動機構)が配置されている。この変位計走査コラム6は、ベッド21の上面に設けた一対のV溝23に沿って直線運動するV−Vころがり案内により、図3に記すZ軸方向に高精度に移動できるようになっている。
【0029】
上記変位計走査コラム6は、大きな重量となる例えば金属製のテーブル24、該テーブル24上に設けられた第1のエアスライド25(第1のY軸移動機構)と第2のエアスライド26(第2のY軸移動機構)を有する。ここで、第1のエアスライド25は、テーブル24上にほぼ垂直に取り付けられた案内レール27とボールネジ28有し、その上部において固定板29に保持されている。そして、第1のエアスライド25の第1のスライダ30は、テーブル24に内蔵のモータ駆動のボールネジ28により、案内レール27に沿い上記基準平面4aにおけるY軸方向(垂直軸方向)に高精度に移動するようになっている。
同様にして、第2のエアスライド26は、テーブル24上に垂直に取り付けられ別の案内レール31とボールネジ32有し、その上部において固定板29に保持されている。そして、第2のエアスライド26の第2のスライダ33は、テーブル24に内蔵のモータ駆動のボールネジ32により、案内レール31に沿い上記基準平面4aにおけるY軸方向に高精度に移動するようになっている。上記案内レール27,31および第1のスライダ30および第2のスライダ33の材質は、軽量で剛性率の高い例えばアルミニウムまたはセラミックスであると好適である。
ここで、図3に示すように、第1のスライダ30および第2のスライダ33は、ボールネジ28,32のそれぞれのナット34,35に一体になるように取り付けられている。このために、テーブル24内蔵のモータ駆動によるボールネジ28,32の回転運動に伴いY軸方向にそれぞれ移動する。
【0030】
更に、図3に示すように、例えばアルミニウムあるいはセラミックスから成る一対の支柱36が上記テーブル24と固定板29との間に垂直に取り付けられている。この一対の支柱36は、変位計走査コラム6を補強するものでありその変形を防止する機能を有する。
【0031】
そして、図3に示すように、第1のスライダ30は、それに固定して取り付けられた第1の変位計37および第2の変位計38を備えている。同様に、第2のスライダ33は、それに固定して取り付けられた第3の変位計39を備えている。ここで、上記第1の変位計37、第2の変位計38および第3の変位計39は、例えばレーザダイオードを備えた非接触レーザ変位計により構成されると好適である。
【0032】
ここで、上記エアスライドは、V−Vころがり案内の場合と同様に、高い真直度を有している。また、その位置決めも高精度にできる。このために、変位計走査コラム6に搭載された上記第1の変位計37、第2の変位計38および第3の変位計39は、後述するように、ほぼ垂直面内を走査するようになる。
【0033】
基板形状測定装置1の形状測定制御部7は、上述したようなV−Vころがり案内による変位計走査コラム6のZ軸駆動機構、エアスライド案内による第1のスライダ30のY軸駆動機構および第2のスライダ33のY軸駆動機構を、それぞれ所定のシーケンスにしたがって駆動するように制御する。ここで、上記Z軸駆動機構および上記2つのY軸駆動機構の駆動部は、ステッピングモータ、DCサーボモータあるいはACサーボモータ等を有している。
また、形状測定制御部7は、基板保持機構5の横桁22bの上下動の制御、基板下部支持台5a、5bおよび基板上部支持台5cの位置制御、等を行い、被測定基板Pの垂直状態の調整を行う。これ等の形状測定制御部7の制御動作は、上述したようにコンピュータ3からの指令信号によってなされる。
【0034】
上記基板形状測定装置1の測定時における操作および動作は次のようになされる。図2において、被測定基板Pとして、例えば高さ1650mm(H)、幅1850mm(W)、板厚20mmの合成石英ガラス基板を基板保持機構5に装着する。ここで、被測定基板Pは、その下端縁を基板下部支持台5a、5bの所定の位置止めにのせて、その上端縁を基板上部支持台5cにおける所定の位置止めに当接させて、ほぼ垂直になるように立てかけられる。そして、形状測定制御部7からの制御信号に基づくサーボモータ駆動により上記横桁22bを垂直下降させ、基板下部支持台5a、5bの二点と基板上部支持台5cの一点とにより、被測定基板Pは基板保持機構5に固定保持される。
そして、基板支持台(5a、5b、5c)の位置制御を行うことにより、被測定基板Pは、縦型定盤4の基準平面4aと同様にほぼ垂直状態にされ、上記基準平面4aとほぼ平行になるようにアライメント配置される。
【0035】
そして、図2,3に示すように、上述した変位計走査コラム6は、その第1のエアスライド25と第2のエアスライド26の間に上記基板保持機構5を挟んだまま、一対のV溝23に沿ってZ軸方向(水平軸方向)に一定速度で直線運動する。また、それと共に、第1のスライダ30および第2のスライダ33を、それぞれ案内レール27,31に沿ってY軸方向(垂直軸方向)に一定速度で直線運動させる。また、第1のスライダ30および第2のスライダ33は互いに独立に直線運動してもよいし、同期した直線運動になるようにしてもよい。
【0036】
ここで、上記Z軸方向およびY軸方向の移動制御は、コンピュータ3により入力したプログラムに基づく形状測定制御部7からの制御信号を通し、変位計走査コラム6のZ軸駆動機構、第1のスライダ30のY軸駆動機構および第2のスライダ33のY軸駆動機構を制御することによって行われる。そして、このZ軸方向およびY軸方向により構成されるほぼ垂直面内において走査移動する、上記第1のスライダ30および第2のスライダ33に取り付けた第1の変位計37、第2の変位計38および第3の変位計39による後述するような縦型定盤4の基準平面4aからの図3に示すX軸方向の距離の計測を通して、被測定基板P全面に亘りその両面における表面形状および板厚分布を測定する。
【0037】
次に、基板の両面形状測定方法について図4、図5を参照して説明する。ここで、図2および図3で説明したのと同一または類似の部分には共通の符号を付している。
図4は、例えば上述した第1のスライダ30に互いに一体に取り付けられた一対の第1の変位計37と第2の変位計38、および第2のスライダ33に取り付けられた第3の変位計39によって、板面がほぼ垂直状態に設定された被測定基板Pの両面の表面形状を測定する実施形態の主要部を示している。ここで、第1の変位計37は非接触レーザ変位計であり、これは第1のスライダ37において縦型定盤4に対向し、縦型定盤4の基準平面4aとの距離Lを測定する。また、第2の変位計38も非接触レーザ変位計であり、第1のスライダ30において被測定基板Pの第1の板面S1(例えば表面)に対向し、被測定基板Pの第1の板面S1との距離Lを測定する。そして、第3の変位計39は非接触レーザ変位計であり、第2のスライダ33において被測定基板Pの第2の板面S2(例えば裏面)に対向し、被測定基板Pの第2の板面S2との距離Lを測定する。
【0038】
そして、第1の変位計37および第2の変位計38を、基準平面4aにおけるY軸方向およびZ軸方向により構成されるところのほぼ垂直面内を走査し、被測定基板Pの第1の板面S1の各部における上記距離LおよびLを計測していく。同時に、第3の変位計39を上記第1の変位計37および第2の変位計38に同期して走査し、被測定基板Pの第2の板面S2の各部における上記距離Lを計測する。そして、被測定基板Pの各部における上記距離データはコンピュータ3において蓄積される。
【0039】
図4において、第1および第2の変位計37,38は、共に第1のスライダ30に一体に搭載されており、したがって上記変位計間の距離Lは一定となる。このために、図4に示す状態において、縦型定盤4の基準平面4aと、被測定基板Pの第1の板面S1の各部との距離をRとすると、距離をRは、R=L+L+Lの計算により求めることができる。このようにして、図5に示すように、縦型定盤4の基準平面4aを基準面にして距離Rを計測/算出し、この距離Rデータはコンピュータ3に蓄積される。そして、被測定基板Pの第1の板面S1の表面形状、平坦度が算出される。
【0040】
図4において、縦型定盤4の基準平面4aから第3の変位計39までの距離Aは、基板の両面測定装置の機械構造により決まっている。このため、この距離Aを初めに全面に亘り一度計測しておき、それ以降の基板の両面測定においては上記距離A値をそのまま使用する。そして、基準平面4aからの上記距離Aのなす基準面は、図5に示したような仮想基準面SPを構成する。
そして、上記距離Aデータおよび距離Lデータから、図5に示すように、R=A−Lとして、縦型定盤4の基準平面4aを基準面にした距離Rの計測/算出をし、この距離Rデータはコンピュータ3に蓄積される。そして、被測定基板Pの第2の板面S2の表面形状、平坦度が算出される。
更に、図5において、被測定基板Pの板厚tは、t=A−L−R=R−Rの計算により求めることができる。そして、被測定基板Pにおける板厚tの分布を算出し、板厚tのデータはコンピュータ3に蓄積される。
【0041】
図4で説明した基板の両面形状測定方法は、第1の変位計37および第2の変位計38と第3の変位計39の走査を同期させるものであった。この両面形状測定では、上記第3の変位計39の走査を第1の変位計37および第2の変位計38の走査と非同期に行ってもよい。この場合、第1の変位計37および第2の変位計38の走査と距離計測により、図5に示したように被測定基板Pの第1の板面S1の縦型定盤4の基準平面4aからの距離Rの分布を求める。同様にして、第3の変位計39の走査と距離計測により、図5に示したように被測定基板Pの第2の板面S2の縦型定盤4の基準平面4aからの距離Rの分布を求める。
【0042】
次に、基板の両面形状測定システムを構成する基板ハンドリング・ロボット2を用いた被測定基板Pの着脱動作について図6,7,8を参照して説明する。図6は上記システムにおける主要な制御系統を示す図である。そして、図7は基板ハンドリング・ロボット2を用いた被測定基板Pの着脱を説明するための動作説明図である。また、図8は基板形状測定装置1の基板保持機構5に被測定基板Pを装着する動作説明図である。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付している。
【0043】
図6に示すように、中央制御部であるコンピュータ3が、基板形状測定装置1の形状測定制御部7および基板ハンドリング・ロボット2の基板ハンドリング制御部12を一括制御する構成になっている。これ等の制御は、コンピュータ3と形状測定制御部7と基板ハンドリング制御部12を、例えばイーサネット(登録商標)に接続して行うと好適である。
形状測定制御部7は、コンピュータ3からの指令に従って、上述したように、被測定基板Pの表面形状を測定する場合に、制御対象である基板保持機構5と変位計走査コラム6の上述したような制御を行い、被測定基板Pの着脱の際には、基板保持機構5における基板支持台(5a、5b、5c)および保持部材22の横桁22bの上下動の制御を行う。
基板ハンドリング制御部12は、コンピュータ3からの指令に従って、被測定基板Pの着脱の際に、制御対象である後述するロボット位置決め機構とロボットハンド作動機構の制御を行う。
更に、図6に示したように、上記形状測定制御部7および基板ハンドリング制御部12は、コンピュータ3を介さないで、例えば上記イーサネット(登録商標)を通した通信手段により直接に双方通信するようにもなっている。
【0044】
図7に示すように、被測定基板Pの装着の動作では、破線で示した基板ハンドリング・ロボット2は、カセット40に保管されている中から未測定の被測定基板Pを取り出し、その旋回動作と移動動作により基板形状測定装置1まで移送する。ここで、基板ハンドリング・ロボット2の台座13には、上記ロボット位置決め機構である旋回機構と移動機構(不図示)が具備されており、基板ハンドリング・ロボット2は、このロボット位置決め機構により基板形状測定装置1の前の所定の決められた場所に位置決めされる。
そして、基板ハンドリング・ロボット2のロボット本体11に内蔵するロボットハンド作動機構により、ロボットハンド9の適切な動作が行われる。このロボットハンド9の動作により、その上の支持部材14の基板把持用ツメ15で垂直状態にクランプされた被測定基板Pが、基板表面測定装置1の基板保持機構5の基板支持台(5a、5b、5c)に装着される。
【0045】
上記被測定基板Pの装着において、図8に示すように、初めロボットハンド9およびその上の支持部材14は垂直状態から少し傾斜した姿勢制御がとられるとよい。そして、ロボットハンド作動機構により基板保持機構5の正面の所定位置のところで、ロボットハンド9およびその上の支持部材14を垂直状態の姿勢に制御し、基板把持用ツメ15が被測定基板Pを垂直状態にクランプする。そして、基板保持機構5の横桁22bの上昇状態において、ロボットハンド作動機構は、基板保持機構5に取り付けた位置センサ(不図示)を通した誘導によりロボットハンド9を所定位置までガイド溝8に挿入する。
なお、上記傾斜した姿勢制御は必ずしもしなくてよく、初めから支持部材14を垂直状態にしても構わない。但し、この場合は、基板把持用ツメ15による被測定基板Pのクランプを確実にし、被測定基板Pの脱落が生じないようにする。
【0046】
上記ロボットハンド9の挿入において、形状測定制御7と基板ハンドリング制御部12の間における直接の双方通信を通し、ロボットハンド9およびガイド溝8相互間の迅速で精確な位置決め制御がなされる。そして、基板下部支持台5a、5bの所定の位置止め41aおよび41bに被測定基板Pをのせ、形状測定制御部7からの制御信号に基づくサーボモータ駆動により上記横桁22bを垂直下降させて、基板上部支持台5cの所定の位置止め41cで被処理基板Pの上端縁を押圧する。そして、所定の押圧(例えば1kg圧力の印加)の時点でサーボモータ駆動を停止し、基板下部支持台5a、5bの二点と基板上部支持台5cの一点とにより、被測定基板Pを基板保持機構5に固定保持する。
このようにした後に、ロボットハンド作動機構が基板把持用ツメ15のクランプを解除しロボットハンド9を基板保持機構5から後退させる。この基板把持用ツメ15のクランプ解除においても、形状測定制御7と基板ハンドリング制御部12の間における直接の双方通信がなされ、基板保持機構5による被測定基板Pの固定保持とのタイミング制御がなされる。
以上のようにして、大型・重量化した被測定基板Pが自動制御の下に簡便に基板保持機構5に装着される。
【0047】
また、その説明は省略するが、基板形状測定装置1により測定された被測定基板Pは、上記装着と全く逆過程を経て基板保持機構5から取り外される。そして、基板把持用ツメ15によりクランプされた測定済みの被測定基板Pは、基板ハンドリング・ロボット2により移送され、測定済み用の別のカセットに格納される。
【0048】
上記実施形態における基板の両面形状測定システムを構成する基板形状測定装置1は、ベッド21上の一端部にほぼ垂直状態に配置した縦型定盤4の基準平面4aと、それにほぼ平行に被測定基板Pを保持する基板保持機構5と、変位計走査コラム6とを有する。ここで、変位計走査コラム6は、第1の変位計37と第2の変位計38が搭載された第1のエアスライド25、第3の変位計39が搭載された第2のエアスライド26および一対の支柱36を一体構造になるように備えており、上記ベッド21上において一対のV溝23に沿って上記基準平面4aにおける水平軸方向に移動できるようになっている。また、変位計走査コラム6上において第1のエアスライド25および第2のエアスライド26は上記基準平面4aにおける垂直軸方向に移動するようになっている。
このために、変位計走査コラム6の水平軸方向の直線運動において非常に高い真直度と位置決め精度が得られるようになる。同様に、第1のエアスライド25および第2のエアスライド26の垂直軸方向の直線運動において非常に高い真直度と高い位置決め精度が得られるようになる。
そして、これに伴い、上記第1のエアスライド25に搭載した第1の変位計37と第2の変位計38および第2のエアスライド26に搭載した第3の変位計39は、上記基準平面4aに対して高精度で正確な走査が可能になる。
そして、第1の変位計37と第2の変位計38により、上記縦型定盤4の基準平面4aを基準面とし被測定基板Pの板面の一面の表面形状を精密に測定することができる。同時に、第3の変位計39により、上記基準平面4aを基準面とし被測定基板Pの板面の他面の表面形状を精密に測定することができる。そして、これ等の表面形状の測定精度は1μm以下になる。
【0049】
また、上記実施形態における基板の両面形状測定システムを構成する基板ハンドリング・ロボット2は、上記基板形状測定装置1に対する大型・重量化した被測定基板Pの着脱と、大型・重量化した被測定基板Pの移送を自動的に行う。
【0050】
そして、上記実施形態における基板の両面形状測定システムを構成するコンピュータ3は、上記基板形状測定装置1と基板ハンドリング・ロボット2を一括制御する。また、上記基板ハンドリング・ロボット2による大型・重量化した被測定基板Pの着脱においては、基板形状測定装置1に備えられた形状測定制御部7と基板ハンドリング・ロボット2に備えられた基板ハンドリング制御部12間で直接の双方通信が行われる。これにより、上記被測定基板Pの迅速で精確な装着とその極めて安全な取り外しとが可能になる。
【0051】
このように、上記実施形態における基板の両面形状測定システムは、大型・重量化した基板である例えば液晶用フォトマスクのような被測定基板Pの両面形状を、作業性に優れ簡便で高精度に測定することができる。そして、基板の両面形状が重要な要素となる被測定基板においても、その表面および裏面の両面形状を簡便に測定することができ、基板の両面の平坦度を短時間で高精度に測定することができる。
【0052】
本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採ることができる。例えば、被測定基板Pをロボットハンド9に載置し支持部材14の基板把持用ツメ15にクランプする代わりに、被測定基板Pの縁端部を吸着パッドに真空吸着させる構成であってもよい。
また、ベッド21上において、縦型定盤4の基準平面4aにおける水平軸方向に移動する構造の変位計走査コラム6は、V−Vすべり案内により移動できる構成になっていてもよい。
また、テーブル24上に設けられる第1のエアスライド25と第2のエアスライド26はリニアモータにより垂直軸方向に移動できる構成になっていてもよい。
また、被測定基板Pの平坦度あるいはその板厚を含む表面形状の算出は、上記実施形態のようなコンピュータ3の他にも形状測定制御部7で行える構成にしてもよい。
また、本発明では、被処理基板Pの縦横寸法は自在に変更でき、その最小寸法が100mm×300mmまで可能となるようにすることもできる。そして、上記液晶用石英ガラス製フォトマスク以外にも、基板の両面形状が重要な要素となる被測定基板には同様に適用できるものである。例えば、被処理基板として半導体ウェーハの両面形状測定においても効果的に適用できる。
また、上記変位計としては、他にエアースケールセンサ方式、渦電流方式あるいは静電容量方式等も知られており、これ等は被測定基板を構成する物質に応じて適宜選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明にかかる基板の両面形状測定システムを示す構成図。
【図2】同システムを構成する基板形状測定装置の斜視図。
【図3】図2に示した基板形状測定装置の変位計走査部を示す斜視図。
【図4】被測定基板の両面形状を測定する主要部を示した模式図。
【図5】被測定基板の両面形状測定および板厚測定を示す模式図。
【図6】本発明にかかる基板の両面形状測定システムの制御系統図。
【図7】本発明にかかる基板の両面形状測定システムにおける基板ハンドリング・ロボットを用いた被測定基板の着脱を説明するための動作説明図。
【図8】本発明にかかる基板の両面形状測定システムにおける基板形状測定装置への被測定基板の装着を示す動作説明図。
【図9】フォトマスクに露光した場合の光路を説明するための模式図。
【符号の説明】
【0054】
1 基板形状測定装置
2 基板ハンドリング・ロボット
3 コンピュータ
4 縦型定盤
4a 基準平面
5 基板保持機構
5a、5b 基板下部支持台
5c 基板上部支持台
6 変位計走査コラム
7 形状測定制御部
8(8a、8b) ガイド溝
9(9a、9b) ロボットハンド
10 ロボットアーム
11 ロボット本体
12 基板ハンドリング制御部
13 台座
14 支持部材
15 基板把持用ツメ
16 ケーブル
17 ディスプレイ
18 プリンタ
21 ベッド
22 保持部材
22a 側柱
22b 横桁
22c モータ
23 V溝
24 テーブル
25 第1のエアスライド
26 第2のエアスライド
27,31 案内レール
28,32 ボールネジ
29 固定板
30 第1のスライダ
33 第2のスライダ
34,35 ナット
36 支柱
37 第1の変位計
38 第2の変位計
39 第3の変位計
40 カセット
41a、41b、41c 位置止め

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定盤の基準平面がほぼ垂直状態となるように配置された定盤と、被測定基板の板面が前記基準平面にほぼ平行になるように被測定基板を保持する保持機構と、前記定盤の基準平面と、前記保持機構によって保持された前記被測定基板の板面の一面との間に配置され、垂直面内において走査可能であり前記走査と共に前記定盤の基準平面との距離を測定する第1の変位計および前記被測定基板の板面の一面との距離を測定する第2の変位計と、前記板面の一面に対向する他面側に配置され、垂直面内において走査可能であり前記走査と共に前記板面の他面との距離を測定する第3の変位計と、を備えた基板形状測定装置と、
前記基板形状測定装置の前記保持機構への被測定基板の装着および前記保持機構からの前記被測定基板の取り外しを行う基板着脱装置と、
前記基板形状測定装置および前記基板着脱装置の動作を制御する処理制御装置と、
を有することを特徴とする基板の両面形状測定システム。
【請求項2】
前記基板着脱装置は、ハンドリング用ロボットのアーム先端に取り付けられたロボットハンドを有し、前記被測定基板を垂直状態にして前記保持機構への被測定基板の装着および前記保持機構からの前記被測定基板の取り外しを行うことを特徴とする請求項1に記載の基板の両面形状測定システム。
【請求項3】
前記保持機構への被測定基板の装着および前記保持機構からの前記被測定基板の取り外しの操作は、前記基板形状測定装置に内臓の制御部と前記基板着脱装置に内臓の制御部との間の通信手段を通して行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板の両面形状測定システム。
【請求項4】
前記処理制御装置は、前記基板形状測定装置の前記第1の変位計、第2の変位計および第3の変位計による測定結果に基づいて被測定基板の両面の表面形状を演算する演算手段を備えていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の基板の両面形状測定システム。
【請求項5】
前記基準平面における垂直軸方向に移動可能な第1のY軸移動機構に前記第1の変位計と前記第2の変位計とが搭載され、
前記第1のY軸移動機構とは独立に前記基準平面における垂直軸方向に移動可能な第2のY軸移動機構に前記第3の変位計が搭載され、
前記第1のY軸移動機構と前記第2のY軸移動機構とが、前記基準平面における水平軸方向に移動可能なZ軸移動機構に搭載されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の基板の両面形状測定システム。
【請求項6】
前記第1のY軸移動機構および前記第2のY軸移動機構がボールねじおよびそれに結合したスライドにより構成されていることを特徴とする請求項5に記載の基板の両面形状測定システム。
【請求項7】
前記Z軸移動機構がV−Vころがり案内あるいはV−Vすべり案内により構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の基板の両面形状測定システム。
【請求項8】
前記第1の変位計、第2の変位計および第3の変位計が非接触レーザ変位計であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の基板の両面形状測定システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−57502(P2007−57502A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246608(P2005−246608)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【出願人】(000221122)東芝セラミックス株式会社 (294)
【Fターム(参考)】