説明

基板処理構成部品からの残留物の除去

【課題】残留物よりも下にポリマーコーティングを有する基板処理構成部品の表面から、残留物を除去する。
【解決手段】一変形例においては、構成部品表面を有機溶媒と接触させて、ポリマーコーティングに損傷を与えることなく、またはポリマーコーティングを除去することなく残留物を除去する。残留物はプロセス残留物でも可能であり、または接着剤残留物でも可能である。この洗浄プロセスは、改装プロセスの一部として行うことができる。別の変更形態においては、構成部品表面にわたってレーザを走査させることによって、残留物をアブレーションする。さらに別の変形例においては、ことによって、構成部品の表面にわたってプラズマ切断機を走査させることによって、残留物を蒸発させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、基板処理構成部品の表面からの残留物の洗浄に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の処理の際にプロセス環境にさらされる基板処理チャンバ構成部品の表面は、プロセスサイクル間に周期的に洗浄される。基板処理中、基板をプロセスチャンバ内に設置し、エネルギが与えられたガスに曝して、基板上に材料を堆積させる、または基板上の材料をエッチングする。構成部品表面に堆積するプロセス残留物としては、CVDもしくはPVDプロセスにおいて堆積される材料、エッチングされた材料、またはエッチングプロセスにおいて除去されたポリマーフォトレジストさえも挙げられる。後に続くプロセスサイクルにおいて、蓄積した残留物が構成部品表面からはげ落ち、基板またはチャンバ内部に落下し汚染することがある。したがって、グリットブラスト、溶媒もしくは研磨材を用いたスクラビング、および二酸化炭素(CO2)ブラストを含む洗浄プロセスを用いて、構成部品の表面を周期的に洗浄する。しかしながら、従来の洗浄方法は多くの場合、構成部品表面を完全には洗浄しないため、結果として構成部品表面が侵食される、または構成部品表面上に有機洗浄堆積物の薄膜が残される。
【0003】
洗浄プロセス残留物はまた、構成部品表面の組成およびそれら構成部品表面を覆う残留物によっては、固有の問題を有することもある。例えば、一部の構成部品表面が従来の洗浄溶媒に対して敏感である。例えば、静電チャック、炭化ケイ素構成部品、アルミニウムチャンバ壁など、ポリマーシーラントで密封されているセラミック構成部品は、洗浄が困難である。アセトンやイソプロピルアルコールなどの有機溶媒は、これらのコーティングを溶解し、酸化し、またはそうでなければこれらのコーティングと化学的に反応する。炭素含有ポリマー残留物で被覆された、ポリマーでコーティングされている表面を洗浄することは特に困難である。というのは、部分的にポリマーである残留物を溶解する洗浄溶媒は、下層のポリマーシーラントをも溶解することができるからである。
【0004】
チャンバ壁などの構成部品から、炭素堆積物またはフッ化アルミニウムを備えるプロセス残留物を洗浄することも困難である。チャンバ壁のグリットブラストは、炭素残留物をストリップするだけでなく、セラミック材料の表面をひっかくまたは侵食する。チャンバ壁上に堆積する高濃度のフッ化アルミニウム膜を含む残留物も特に除去するのが困難である。というのは、フッ化アルミニウムは、大部分の化学的ストリッパに対して耐性があるからである。現在は、HF/HNO3混合物を使用してフッ化アルミニウムをエッチング除去するが、酸混合物は多くの場合、下層のセラミック材料もエッチング除去してしまう。構成部品が薄い陽極酸化された酸化アルミニウム層で被覆されている場合には、陽極酸化層も研磨またはエッチング除去されることがある。
【0005】
化学気相堆積(CVD)、プラズマ気相堆積(PVD)およびエッチングチャンバにおいて使用される構成部品から粘着性のポリマー残留物を洗浄する場合には、さらに別の問題が生じる。誘電体およびポリシリコンのエッチング用途では、構成部品を炉内で数時間加熱して有機残留物を焼き取らなければならず、これは時間がかかる。金属のCVDおよびPVDチャンバについては、現在の洗浄方法が、プロセス堆積物を除去するためにPIRANHA(登録商標)(NH4OH/H22)の化学作用を利用する。このような化学作用では、有毒で危険な材料を洗浄溶液中で使用する。グリットブラストを使用することもできるが、構成部品材料から薄い層の少なくとも一部を除去してしまう、または構成部品上にグリット堆積物を残してしまうことがある。誘電体のCVDチャンバでは、セラミックのチャンバ構成部品上の炭素残留物をまずグリットブラストによって除去し、次いで上を覆うAlF3堆積物を、HF/HNO3混合物を用いてエッチング除去するが、これらは共に下層の構成部品の侵食を引き起こすことがある。
【0006】
作製または再利用中に構成部品表面に露出される接着剤を含む洗浄残留物の洗浄も困難である。例えば、シート電極を囲むポリイミド層をアクリル接着剤で金属基材に接着することによって、静電チャックを作製することができる。ヒータもまた、接着剤によってそれらヒータの表面に接着されたポリイミドおよび他の絶縁シートを有する。作製または再利用の際、チャックまたはヒータの表面層を除去した場合、下層の基材上に残っている接着剤残留物をストリップ除去する必要がある。さもなければ、これら残留物が焼き取られた炭素汚染物質を基板処理中に生成してしまう。アセトンおよび雑巾を用いる従来の洗浄方法により、多くの場合、改装された部品の性能に悪影響を及ぼす接着剤または洗浄残留物が残される。Scotch−Brite(商標)、3M Companyなどの研磨パッドを使用することによって洗浄を高めることができるが、これにより構成部品の表面仕上げが侵食されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003−0188685号
【0008】
構成部品のテクスチャ表面から残留物を洗浄する際には、さらに別の問題が生じる。例えば、化学機械研磨(CMP)システムにおいては、金属製の基板保持リングが、エポキシ層および非金属耐磨耗性層によって覆われているテクスチャ加工表面を有する。構成部品を再利用するためには、これら非金属耐磨耗性層およびエポキシ層を、下層の金属を過度に侵食することなく機械加工により除去しなければならない。しかしながら、この金属はテクスチャ加工表面を有するため、テクスチャ加工表面の一部も典型的には機械加工により除去して、清浄な金属表面を得るが、それにより金属部品の厚さが減少し、その構造的完全性(structural integrity)が損なわれる。レーザにより形成された陥凹部のパターンを有する構成部品表面から残留物を洗浄すること(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWangらの米国特許出願公開第2003−0188685号に開示されているように)も、残留物が陥凹部に集まるため困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、洗浄プロセスにおいて生じる他の残留物を残すことなく構成部品の表面から残留物を効率的に落とすことが望ましい。ポリマーコーティングで被覆されている構成部品表面に実質的には損傷を与えることなくポリマー残留物を除去することができるとさらに望ましい。過度の侵食なしにテクスチャ加工金属またはセラミックの構成部品表面を洗浄することも望ましい。構成部品に損傷を与えることなく、または構成部品を侵食することなく接着剤残留物を落とすことがさらに望ましい。イン・シトゥーでチャンバを解体することなく構成部品表面を洗浄することも望ましい。
【0010】
本発明は、基板処理構成部品の表面からの残留物の優れた洗浄を提供する。一態様においては、ポリマーコーティングと、ポリマーコーティング上に形成される残留物とを有する表面を備える基板処理構成部品を洗浄するための洗浄方法が提供される。この方法は、基板処理構成部品の表面上のポリマーコーティングを有機溶媒に接触させること、およびポリマーコーティングを除去することなく有機溶媒によって残留物を除去することを含む。
【0011】
別の態様においては、接着剤により下層セラミック構造に付着しているポリマー層を備える基板処理構成部品を改装する方法が提供される。この方法は、セラミック構造からポリマー層を除去し、それによりセラミック構造上に残留接着剤を残すこと、残留接着剤を有機溶媒と接触させて、下層セラミック構造から残留接着剤を除去すること、およびセラミック構造上のポリマー層を取り換えることを備える。
【0012】
さらなる態様では、下層金属構造を覆うポリマー層の上に接着剤残留物を備える表面を備える基板処理構成部品を改装する方法が、接着剤残留物をアブレーションするために十分に高いエネルギ密度レベルで、基板処理構成部品の表面にわたってレーザビームを走査させること、および金属構造上に新しいポリマー層を形成することを備える。
【0013】
さらに別の態様においては、基板処理構成部品を洗浄する方法が、残留物を有する基板処理構成部品の表面をプラズマ流と接触させること、および残留物を蒸発させるために十分に高い温度で、基板処理構成部品の表面にわたってプラズマ流を走査させることを備える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明のこれらの特徴、態様および利点は、本発明の一例を示す以下の説明および添付の特許請求の範囲ならびに添付図面に関してよりよく理解される。しかしながら、これら特徴はいずれも、単に特定の図面の状況においてだけでなく一般に本発明において使用することができ、本発明はこれらの特徴の任意の組合せを含むことを理解されたい。
【図1】洗浄プロセスによって洗浄することができる構成部品表面を有する基板処理チャンバの例示的な実施形態の側断面図である。
【図2】静電チャックである構成部品の側断面図である。
【図3】ヒータブロックを有する静電チャック側断面図である。
【図4A】CMP装置用のポリマーでコーティングされている保持リングを備える構成部品のテクスチャ加工表面からの接着剤残留物のレーザ洗浄を示す概略図である。
【図4B】接着剤残留物を有するガス分配板を備える構成部品からの接着剤残留物のレーザ洗浄を示す概略図である。
【図5】CMP保持リングの斜視図である。
【図6】異なるサイズの複数のガス供給孔を示す、ガス分配板の上面図である。
【図7A】平行なトレンチおよびリッジを有する構成部品のテクスチャ加工表面の概略上面図である。
【図7B】図7Aの部品のテクスチャ加工表面の断面斜視図である。
【図7C】リッジおよび陥凹部を有する構成部品のテクスチャ加工表面の別の実施形態の概略上面図である。
【図7D】図7Bに示す構成部品のテクスチャ加工表面の断面斜視図である。
【図8】プラズマ切断装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
基板処理構成部品は、洗浄するために基板処理装置302から取り外してもよく、または装置302内で直接洗浄してもよい。この洗浄プロセスには、構成部品のタイプおよび部品表面に残っている残留物の性質に応じて、異なる様々な実施形態がある。これらの洗浄方法をそれぞれ別々に、または互いに組み合わせて使用することができ、したがって、特有の洗浄方法による特定の構成部品の洗浄についての例示的な説明を、記載された組合せに本発明を限定するために使用すべきではない。残留物としては、例えば、エッチング、CVDまたはPVDプロセス残留物361、ストリッピングまたは除去プロセス後に基板上に残っている接着性またはコーティング残留物361、他のタイプの残留物361など、基板304の処理時に形成されるプロセス残留物361を挙げることができる。
【0016】
一変形例においては、この洗浄方法を使用して、チャンバ内部壁面312、静電チャック370の露出面、基板304のまわりの堆積リングまたは他のリング、ガス分配板600またはノズル(図示せず)などの構成部品を含む、ポリマーコーティングで被覆されている基板処理構成部品の表面を洗浄する。これら露出している構成部品表面を、チャンバ306内の基板304を処理するために使用される、エネルギが与えられたガス環境にさらす。これら構成部品表面を、ポリマーでコーティングされている表面上の残留物361を軟化し溶解する有機溶媒または有機溶媒の混合物と接触させることによって洗浄する。例えば、構成部品表面から除去される残留物361は、チャンバ306内で行われる先に実施した基板プロセスの間に形成されるプロセス堆積物であってもよい。この方法で使用される有機洗浄溶媒は、以下の化合物、すなわちテトラヒドロフラン(THF)、N−メチルピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルエン、ヒドロキシルアミン、エタノールアミンおよび2−エトキシエタノールアミンのうちの1つ以上でよい。これらの溶媒は独立に、または混合物として使用することができる。軟化した、または溶解した残留物361は、ポリマーコーティングを除去することも過度に溶解させることもなく基板処理構成部品表面から除去される。さらに、接着剤残留物361は、基板処理構成部品を腐食することもなければ、基板処理構成部品に損傷を与えることもなく、有機溶媒によって除去される。
【0017】
一般に、この残留物除去方法は、残留物除去およびストリッピングのレベルが、特に、実際はポリマーである残留物361では実現することができるため、有利である。これらの溶媒は相対的に即効性で、イン・シトゥーでチャンバ306の内面から残留物361を除去するために数分しかかからないことがあるため、さらなる利点が生まれる。加えて、これらの溶媒は、例えばメタクリレートを含むポリマーシーラントなど、構成部品表面上のポリマーコーティングに悪影響を及ぼすことなくポリマー残留物を選択的に溶解させることがわかっている。
【0018】
これら選択した溶媒はまた、異なる様々な用途について特有の利点を有する。例えば、テトラヒドロフラン(THF)は、塩化炭素表面を有する構成部品表面から残留物361を洗浄するためには特に有利である。これらのタイプの残留物361は、例えば、Cl2やCCl4などの塩素化ガスをエッチングチャンバ内で使用した場合に構成部品表面上に形成することがある。THFのポリマー残留物との反応時間は、THFが残留物361と積極的に反応するため相対的に短い。しかしながら、このTHFは、深く貫入する反応物ではなく、むしろより表面反応物である。
【0019】
別の例としては、N−メチルピロリドン(NMP)が、構成部品表面から厚い残留物層を洗浄するためには特に有利である。これら厚い残留物層は、プロセスチャンバ306の使用時間が相対的により長い、またはプロセスチャンバ306のプロセスサイクルが増大するためにチャンバ表面上に形成することがある。NMP溶媒は、有利には、一つにはNMPの蒸気圧がより低いためにポリマー残留物の表面よりも下に貫入し、残留物361の表面よりも下にNMPが貫入することによって残留物361を除去する。NMPは、本発明の他の溶媒、特にTHFよりも貫入するが、残留物361の除去の際、NMPはTHFほど積極的ではない。本発明において使用される有機溶媒は、相対的に、残留物361を除去する際にアセトンよりも効果的である。
【0020】
基板処理構成部品は、シーラントとして働くポリマーコーティングによって封止する。この構成部品は、例えば、アルミニウムチャンバ壁または基板支持体310でも可能である。また、この構成部品は、複合構造物、例えば、ニッケルめっきもしくは陽極酸化が施されたアルミニウムでも可能であり、または酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素などのセラミック材料でも可能である。一変形例においては、基板処理構成部品が、(i)ニッケルめっき、(ii)陽極酸化アルミニウム、(iii)炭化ケイ素および(iv)ポリマーシーラントで被覆されているアルミニウム構造物である基板処理チャンバ壁312を備える。構成部品の露出面に塗布することができる適切なポリマーシーラントは、メタクリレートを備える。例えば、一変形例としては、陽極酸化層とメタクリレート層の最上層とを有するアルミニウムベースを備える構成部品であり得る。このメタクリレートシーラントコーティングは、構成部品表面の露出している外側部分を覆う。本発明によりポリマーシーラントとして有用な重合性液体材料の好ましい配合物は、重合性モノマーまたはモノマーの組合せを約90〜99重量%、重合開始剤を約0.1〜10重量%、より好ましくは2〜6重量%、促進剤または促進剤の組合せを約0〜10重量%、より好ましくは0.1〜4重量%含み、百分率はすべて、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるCollinsらに付与された米国特許第5,792,562号に記載されているように、重合性混合物の不揮発性成分の総重量に基づいている。好ましいモノマー類としては、ポリエチレングリコールのアクリレート類およびメタクリレート類(ポリマー当たり平均9個の繰り返しエトキシ単位を有する生成物)、ならびにテトラエチレングリコールジメタクリレートとヒドロキシエチルメタクリレートとの組合せ、例えば、テトラエチレングリコールジメタクリレート約70〜90重量%とヒドロキシエチルメタクリレート約10〜30重量%との組合せが挙げられる。好ましい促進剤の組合せとしては、サッカリン、N,N−ジメチル−p−トルイジンおよび/またはテトラヒドロキノリンの混合物、例えば、サッカリン約1〜3重量%と、N,N−ジメチルトルイジン0.1〜1重量%との混合物が挙げられる。
【0021】
成部品表面用シーラントとしての使用にも適している具体的なシーラント配合物としては、Loctite209(商標)およびLoctite900(商標)接着性シーラント(コネティカット州、ニューイントン、Loctite Corporationから市販されている)、Perma−Lok HL126(商標)(ニュージャージー州、エングルウッド、Permabond International Corporationから市販されている)が挙げられる。本発明に従って採用することができるさらなるシーラント配合物については、やはり参照によりその全体が本明細書に組み込まれるCatenaに付与された米国特許第5,256,450号に記載されている。
【0022】
チャンバ306を解体することなく、プロセスチャンバ壁312の内面など構成部品の表面にイン・シトゥーで溶媒に浸した吸収剤を塗布することによって、構成部品表面を洗浄することができる。残留物361の除去は、溶媒に浸した吸収剤を用いてプロセスチャンバ壁312の表面を拭くことによって実現する。残留物361が実質的に除去されるまで、吸収剤を用いて表面に数回溶媒を塗布することもできる。有機溶媒を塗布した後、清潔な乾燥雑巾で表面をさらに拭いて、残留物361をさらに除去することができる。吸収剤を用いた溶媒の塗布により、残留物361が軟化し、溶解し、除去される。
【0023】
適切な吸収剤としては、クリーンルーム要件を満たす雑巾、アプリケータ、スポンジおよびタオルが挙げられる。クリーンルーム製品は、粒子放出レベル、イオン性汚染物質のレベル、吸収性(absorptiveness)、磨耗または洗浄材料への曝露による劣化に対する耐性などの特性について選択される。この吸収剤、雑巾、アプリケータ、スポンジまたはタオルは、上記特性に対するミクロ汚染物質(microcontamination)を回避するように選択することができる。粒子および汚染物質、最小の粒子および汚染物質でさえ、マイクロ電子デバイスの特徴部寸法の何倍も大きいことが多い。したがって、クリーンルーム要件を満たして粒子汚染物質を低減するように、適切な吸収剤を選択することができる。適切な吸収剤は、クリーンルーム要件を満たす特性を有する、メルトスパン(meltspun)ポリオレフィン基板などの織布または不織布材料から作製することができる。
【0024】
雑巾などの吸収剤は、複数の雑巾と共に、実質的に気密性の袋にあらかじめ同梱することもできる。この機密性の容器は、取扱い時および保存時に雑巾が完全に乾くこと、または塵埃を引き付けることを防止して、雑巾の汚染物質を低減する。この雑巾用の保存袋、容器または槽はまた、望ましくは使用される有機溶媒に対して不活性である。一変形例においては、雑巾が入っている保存袋または雑巾それ自体を、室温よりもわずかに高い温度まで、溶媒の発火温度よりも低い温度まで温めて、ポリマー堆積物と雑巾の有機溶媒との間の反応を促進することができる。あらかじめ同梱した雑巾により気密性の包装が提供されて、雑巾の汚染物質が低減される。
【0025】
別の実施形態では、この方法においてスプレーアプリケータ(spray applicator)を使用して、構成部品表面の残留物と有機溶媒を接触させ、その後汚染物質を含まない吸収剤で構成部品表面を拭く。このスプレーアプリケータは、推進剤(propellant)またはポンプによりノズルを介して溶媒を分配して、構成部品の表面に有機溶媒を吹き付ける。次いで、吸収性の雑巾を使用して構成部品表面を拭うことにより、有機溶媒を広げ、軟化または溶解した残留物361を除去する。このスプレーアプリケータは、望ましくは、有機溶媒およびプロセスチャンバ306の汚染を防ぐために使用される有機溶媒に対して不活性である1種以上の材料から作製される。
【0026】
別の実施形態においては、基板処理構成部品表面を浴中の有機溶媒に浸す。この浴は、再循環ポンプと、場合により浴から残留物361を除去するためのろ過システムとを使用される槽に収容する。例えば、槽内の溶媒を、槽の壁、例えば底壁に取り付けられている超音波振動子が提供する超音波振動または超音波エネルギによって撹拌することもできる。機械的なプロペラによる撹拌を含む他の撹拌方法を使用して、浴中の有機溶媒を撹拌することもできる。非常に高濃度の残留物361である、または残留物361の洗浄が困難である場合には、浴法が好ましい。というのは、浴法により、溶媒が残留物361と化学的に反応し残留物361を除去することが可能となり、また溶媒が構成部品の表面の微細な特徴部に浸透することも可能となるためである。チャンバ壁312の構成部品は、基板304をチャンバ306から除去する前もしくは除去後に、または雑巾もしくは溶媒スプレーを用いることによるチャンバ306自体内における臨時の洗浄と、残留物361をきちんと除去して洗浄するための浴中における臨時の洗浄とを含む方法の組合せ用いて洗浄することができる。
【0027】
さらに、構成部品表面を有機溶媒と接触させることができ、ポリマーおよびセラミックコーティングのような敏感なコーティングを除去することも、またはこれらコーティングに悪影響を及ぼすこともなく有機溶媒で残留物361を除去する。加えて、有機溶媒は、相対的に速い様態で残留物361を溶解、反応および/または軟化させる。例えば、残留物361を、例えばメタクリレートなど、ポリマーシーラントなどのポリマーコーティングから除去することができ、有機溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチルピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルエン、ヒドロキシルアミン、エタノールアミン、2−エトキシ2−エタノールアミンまたはこれらの混合物でも可能である。この有機溶媒を、吸収性基板、スプレーアプリケータ、または吸収性基板とスプレーアプリケータとの両方の組合せを用いて塗布することができる。構成部品表面は、有機溶媒と2回以上接触させることも、または有機溶媒と単回接触させることもできる。さらに、この方法をスタンドアロンの(stand−alone)方法として、または1つ以上の前処理ステップとしての他の先行技術の方法と併せて使用してもよい。
【0028】
上記洗浄プロセスを使用して、その例示的変形形態を図1に示す基板処理装置302の構成部品のいずれかを洗浄することができ、この基板処理装置302は、半導体ウエハなどの基板304のエッチングに適している。この装置302は、コントローラ300によって動作するプロセスチャンバ306などの構成部品を含む。このチャンバ306は、ポリマーシーラント360を除去することなく、基板304の処理中に生成される残留物361361を除去するために洗浄することができる側壁314、底壁316および天井318を含む、典型的には金属またはセラミック材料から形成される壁312など、さらなる構成部品を備える。動作中、ガス供給部338は、チャンバ306にプロセスガスを提供する。このガス供給部338は、1つ以上の流量制御弁334を有するガス導管336に接続されている。導管336は、チャンバ306内の1つ以上のガス注入口342に終点がある。使用済みのプロセスガスおよびエッチャント副生成物が、使用済みのプロセスガスを受けるポンプチャネル346と、チャンバ306内のプロセスガスの圧力を制御するための絞り弁350と、1つ以上の排気ポンプ352を含む排気管344を通って排出される。排気管344は、排気管からの望ましくないガスを削減するための削減システム(図示せず)を含むこともできる。
【0029】
チャンバ306のプロセスゾーン308(図示のとおり)において、またはチャンバ306の上流側にある遠方ゾーン(図示せず)においてプロセスガスにエネルギを結合する対ガスエネルギ付与装置354である別のチャンバ構成部品によって、チャンバ306に供給されたプロセスガスにエネルギを与えて基板304を処理する。一変形例においては、対ガスエネルギ付与装置354が、チャンバ306中心について円対称性を有していてもよい1つ以上の誘導コイル358を備えるアンテナ356を備える。アンテナ356がチャンバ306の天井318近くに位置する場合には、天井の隣接部分を、高周波数(RF)または電磁場に対して透明である二酸化ケイ素などの誘電材料から形成してもよい。アンテナ電源355は、例えば、典型的には約50KHz〜約60MHz、より典型的には約13.56MHzの周波数で、また約100〜約5000ワットの電力レベルで、アンテナ356に高周波数電力を提供する。高周波数整合ネットワーク(図示せず)を提供してもよい。あるいは、または加えて、対ガスエネルギ付与装置354は、マイクロ波または「上流」ガス活性剤(図示せず)を備えてもよい。
【0030】
一変形例においては、対ガスエネルギ付与装置354が、プロセスガスにエネルギを与えるために使用することができる電極313、378など追加のプロセス構成部品を、さらにまたは代替的に備えてもよい。典型的には、プロセス電極313、378は、チャンバ306の側壁314または天井318にあり、基板304よりも下の支持体310にある電極378など別の電極と容量結合している電極313を含む。天井構成部品318が電極としても働く場合には、天井318は、天井318よりも上にあるアンテナ356によって送信される高周波数誘導電磁界に対して低インピーダンスを提供する誘導電磁界透過窓303として働く誘電材料を備えることができる。採用することができる適切な誘電材料として、酸化アルミニウムや二酸化ケイ素などの材料が挙げられる。一般に、これらのプロセス電極313、378には、高周波数バイアス電圧を提供するための交流電圧源を含む電極電圧源(図示せず)によって、互いに対して電気的にバイアスをかけることができる。この高周波数バイアス電圧は、約50kHz〜約60MHzの周波数を備えることができ、高周波数バイアス電流の電力レベルは、典型的には約50〜約300ワットである。
【0031】
動作中、例えばロボットアーム(図示せず)などの基板輸送部311である別のチャンバ構成部品が、チャンバ306内の基板支持体310上へと基板304を輸送する。基板304は典型的には、基板304を受け止めるために基板支持体310から延出し、支持体310上に基板304を堆積するために基板支持体310へと引っ込むリフトピン構成部品(図示せず)上に受け止められる。基板支持体310は、電極378を少なくとも部分的に覆う誘電体374を備え、基板受け表面380を含んでもよい静電チャック370を備えてもよい。電極378は、上述のプロセス電極の一方として働いてもよい。電極378は、支持体310または静電チャック370に基板304を静電的に保持するための静電荷を発生させる能力があってもよい。電源382が、電極378に静電チャック電圧を提供する。
【0032】
装置302は、放射線放出の1つ以上の波長の強度を検出し、検出した強度に対する1つ以上の信号を発生するようになっている1つ以上の検出器構成部品309をさらに備える。適切な検出器309は、例えば光電子増倍管、スペクトロメータ、電荷結合素子、フォトダイオードなどのセンサ301を備える。検出器309は、典型的には、所望の波長の放射線に対して透過性がある、チャンバ306の壁312に形成される窓303を通過する放射線を検出するように位置する。検出器309は、放射線放出の波長の強度を検出して、チャンバ処置または処理条件を制御する。
【0033】
洗浄プロセスの別の変形例においては、チャンバ306から除去した基板処理構成部品の表面から、残留物361361を除去し、洗浄プロセスの後、場合によりこの表面を改装する。例えば、洗浄し改装しようとする構成部品が静電チャック370であってもよい。図2に示すように、静電チャック370は、アクリル接着剤などの接着剤により金属体(図示せず)に接着している上層105を備えることができる。この層105は、部分的に導電性の、導電性の、もしくは絶縁性のポリアミドであってもよく、またはChomeric(商標)から入手可能な部分的に導電性の、導電性のまたは絶縁性のテープであってもよく、層105は、チャック370からのポリマー層のピーリングなどの物理的プロセスによってチャック370から除去される。層105は、チャック370に基板304を保持するために静電荷を発生するよう帯電可能となることができる埋め込み電極(図示せず)を含む。接着剤100は、層105を除去する前に、有機溶媒と接触させることによって軟化することもできる。接着剤100を洗浄するための使用に適している有機溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエチルケトン(MEK)、ヘプタン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン(NMP)、シクロヘキサノン、トルエン、ヒドロキシルアミン、エタノールアミン、2−エトキシエタノールアミンまたはこれらの混合物である。接着剤100をこの有機溶媒と接触させ、セラミックの静電チャック370に悪影響を及ぼすことなく接着剤100を拭き取るまたはすすぐことで除去する。
【0034】
頻繁に洗浄し改装する特定の基板処理構成部品が、埋め込まれたヒータコイル230を有するヒータブロック255に取り付けられている静電チャック370であり、その一例が図3に概略的に示してある。静電チャック370はセラミック構造で、接着剤200により上層または上側シート205に接着し、接着剤210により層215に接着している。接着剤220、層215および接着剤210は、Chomeric(商標)から入手可能な接着剤を具備する導電性テープであってもよい。また、層205および接着剤200も、やはりChomeric(商標)から入手可能な接着剤を具備する導電性テープであってもよい。下側ポリマー層215は、接着剤220によりヒータブロック255にも接着している。接着剤200はアクリル接着剤でよく、ヒータブロック255は金属構造である。層205および215はポリアミドから形成することができ、一部の変形例においては、埋め込まれた銅電極(図示せず)を含む。上層205は、セラミックの静電チャック370からのシートのピーリングなどの物理的プロセスによって除去され、接着剤200は、ポリマー層205を除去する前に、有機溶媒と接触させることによって軟化させることができる。接着剤200、210および220を洗浄するために使用される有機溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエチルケトン(MEK)、ヘプタン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン(NMP)、シクロヘキサノン、トルエン、ヒドロキシルアミン、エタノールアミン、2−エトキシ2−エタノールアミンまたはこれらの混合物である。静電チャック370およびヒータブロック255を有機溶媒と接触させて、下層215と静電チャック370とヒータブロック255とを分離する前に接着剤を軟化させることができる。上層205を除去し、静電チャック370とヒータブロック255と下層215とを分離した後、接着剤200、210および220を有機溶媒と接触させ、セラミックの静電チャック370およびヒータブロック255に悪影響を及ぼすことなく接着剤200、210および220を拭き取るまたはすすぐことで除去する。一変形例においては、セラミック構造上のポリマー層を取り換える。
【0035】
洗浄プロセスのさらに別の変形例を使用して、例えば構成部品の改装時に、基板処理構成部品の表面を、例えば残留接着剤などの残留物361を洗浄する。この変形例においては、図4Aに示すように、レーザ400が、適当な波長および十分なエネルギ密度を具備する、パルス波または連続波ビームの形のレーザビーム410を提供し、このレーザビーム410を、残留接着剤418をはぎ取り、また焼き取るまたはアブレーションするように構成部品表面415にわたって走査する。レーザビーム410は、基板処理装置302から構成部品を除去した後、構成部品表面415に適用してもよい。レーザビーム410は、その中に構成部品を設置するレーザビーム処置チャンバ430の窓420を通して、構成部品表面415に適用してもよく、窓420は、光透過性の耐薬品性材料から形成されている。レーザ400は、レーザチャンバ430内側に位置することもできる(図示せず)。キャリアガスを、基板処理構成部品の表面にわたって流すことによって使用して、除去したガス状または蒸発した接着性堆積物をレーザチャンバの下流領域へ運ぶこともできる。
【0036】
適切なレーザ400には、CO2レーザ、Nd−YAGレーザ(ネオジム・イットリウム・アルミニウム・ガーネット)、Er:Nd−YAGレーザ(エルビウム・ND−YAG)、アルゴンレーザ、高出力ダイオードレーザおよび他の固体レーザを備える。アルゴンレーザは488nmまたは514nmの波長を有し、ダイオードレーザは810〜980nmを提供し、ND/YAGレーザは典型的には1064nmの波長を発生させ、Er:Nd−YAGレーザは2940nmを提供し、CO2レーザは9300〜10600nmを提供する。一部が波長範囲を示し、値が提供されているが、これらの範囲および値を他の波長範囲に変更することができることが知られている。
【0037】
レーザ出力密度は、(i)接着性またはポリマー残留物などの残留物361を、構成部品の下層構造に損傷を与えることなくデフラグし(defragment)蒸発させ、(ii)接着剤残留物とエポキシ層とを共に除去し、かつ/または(iii)下層構造に特徴部をスクライブするように調節される。残留物361を有する構成部品の表面輪郭全体に焦点を合わせ走査するためには、十分に制御された動的集束ビームが望ましい。最高洗浄効率を実現するためには、多ビーム構成が必要となることがある。適切なレーザ400は、約100〜約5000ワットの範囲にある出力レベルを有するレーザについては、例えば、9.6×106W/cm2〜8.6×107W/cm2の出力密度を提供する。5kWのレーザについての密度は、より大きくなる可能性は低いが、より幅広いレーザを有する可能性が高い。別の重要なレーザのパラメータはパルス周波数で、各パルスの出力は、その周波数が減少するにつれて増大する。例えば、ポリマー表面コーティングを除去するためには、10〜90kHz、より典型的には約30KHzのパルス周波数を使用することができる。レーザ400を用いる表面テクスチャ加工では、適切なパルス周波数として、約4〜約36kHz、より典型的には12kHzのパルス周波数が挙げられる。
【0038】
一変形例においては、下層金属構造上にあるポリマー層の上に接着剤残留物361を備える表面を備える基板処理構成部品を改装する。この接着剤残留物361はアクリル接着剤残留物を備える。ポリマー層はエポキシ層を備える。接着剤残留物361およびエポキシ層をアブレーションすると共に、接着剤残留物361およびエポキシ層のアブレーションに加えて金属構造の表面を除去ラインによりスクライブするために十分に高いエネルギ密度レベルで、基板処理構成部品の表面にわたってレーザビームを走査させる。その後、場合により、金属構造上に新しいポリマー層を形成する。
【0039】
一例においては、図4Aに示すように、Nd−YAGレーザ400が、化学機械研磨(CMP)装置からの保持リング500を備える基板処理構成部品上のLavacoat(商標)層450の上のエポキシ塗膜440の表面上など、構成部品表面415上にある接着剤残留物418をアブレーションし蒸発させるレーザビーム410を発生させる。有利には、レーザビーム410は、表面415から接着剤残留物361を落とすことができると共に、エポキシ塗膜440をアブレーションすることができ、さらにはLavacoat(商標)層450の陥凹部および特徴部を洗浄することができる。保持リング500は、研磨パッドを有する研磨ヘッドに面する基板キャリア上に取り付けられている基板304の平坦化ために、カリフォルニア州、サンタクララのApplied Materialから入手可能なCMP装置などのCMP装置において使用する。CMP装置については、米国特許第5,738,574号に記載されており、キャリアヘッドについては、米国特許第6,251,215号に記載されている。これらの特許は共に、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0040】
図5は、平坦な底面503を有する第1の下部505を備える保持リング500を示し、この保持リング500は、チャネル510、すなわち溝と、傾斜部分530/590と、垂直部分525とを含む。真っすぐなチャネル510は、底面の内周で始まり底面の外周で終わるが、保持リング500の周りに等角度間隔で分布させることができる。チャネル510は、典型的には保持リング500の中心を通って延出する放射状セグメントに対して45°の方位にあるが、30°〜60°など他の方位角も可能である。保持リングの下部505は、CMPプロセスに対して化学的に不活性で、また保持リング500に対する基板縁部の接触により基板304が細かく砕けるまたは割れることがないよう十分に弾性である材料から形成することができる。
【0041】
保持リング500の第2の片、上部545は、平坦な底面と、垂直部分580と、底面と平行な上面560とを有する。上面560は、ボルト、ねじ、保持リング500とキャリアヘッドとを一緒に固定するための他の金物を受けるための孔565を含む。加えて、1つ以上のアライメントアパーチャ570を上部545に配置することができる。保持リング500がアライメントアパーチャ570を有する場合、キャリアヘッドは、キャリアヘッドと保持リング500とが正しく位置合わせされるとアライメントアパーチャ570と噛み合う対応するピン(図示せず)を有することができる。上部545は、金属などの剛性材料から形成することができる。上部を形成するための適切な金属としては、ステンレス鋼、モリブデンまたはアルミニウムが挙げられるが、セラミックを使用することもできる。下部505と上部545とは、接着剤、ねじまたは圧力ばめ構成を用いて連結することができる。接着層は、ジョージア州、チャンブリー、Magnolia Plasticsから入手可能なMagnobond−6375(商標)などの二液性緩硬性(slow−curing)エポキシであり得る。
【0042】
図4Bは、レーザ400を用いてレーザアブレーションによって洗浄することができる、処理チャンバ306において使用されるガス分配板600を備える構成部品の一部を示す。レーザビーム410は、板600の露出面上に残されている接着剤残留物361、418をアブレーションし蒸発させることができる。この変形例においては、板600からアルミニウム層を除去し、板600の露出面601上の接着剤残留物361、418を残す。この板600は複数の孔610を有し、プロセスチャンバ内の構成部品の使用時にこれらの孔をガスが通過する。残留物361は、板600の表面と共に孔610の内面612にも付着可能である。レーザアブレーションを使用して、固定速度で板600全体にレーザ400を単に横切らせることによって板600の露出面601および孔610の内面612を共に洗浄する。約100ワット〜約5000ワットの出力で適切なレーザを操作することができる。
【0043】
図6は、より少なくより小さいアパーチャ606を有するより薄い中央部分602と、より多くより大きいアパーチャ608を有するより厚い周縁部分604とを具備するガス分配板600の別の実施形態を示す。ガス分配板600の質量は、放射熱損失によって決まる平衡温度までの急速加熱が可能となるよう十分に小さく、ガス分配板600によりさらに、基板304の表面にわたってガス分布が提供される。ガス分配板600の中央部分は、中央の速いプロセスガス流を補償するより小さい孔606を有してもよく、ウエハの縁部でプロセスガスの流量を増大させるために、ガス分配板600のより厚い周縁部604に近づくと孔の数およびサイズは増大する。アパーチャの実際の配置は選択の余地があると考えられ、ガス分配板600に与えられる断面形状に関係なく実際の配置に到達することができる。ガス分配板600のサイズが異なる様々な孔により、レーザアブレーションが、ガス分配板600の露出面およびサイズが異なる様々な孔の内面を洗浄するために特に適切なものとなる。なぜなら、レーザは、残留物アブレーションプロセスのために同じアブレーションエネルギを提供しながらも、露出面およびサイズが異なる様々な孔全体をより容易に横切ることができるためである。
【0044】
残留接着剤のレーザアブレーションの後、構成部品をレーザビーム410によってさらにアブレーションして表面に特徴部をスクライブすることで、レーザテクスチャ加工表面をもたらすこともできる。例えば、図7Aは、基板処理構成部品720のレーザテクスチャ加工表面724の概略上面図を示し、図7Bは、同じレーザテクスチャ加工表面724の断面斜視図を示す。基板処理構成部品720は、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、タンタル、チタンなどの金属;酸化アルミニウム、石英、窒化ケイ素、酸化チタンなどのセラミック;ポリイミド、複合プラスチック、PEEKなどのポリマーを備える本体を有する。構成部品720は、酸化アルミニウムまたは金属成分上のポリマーコーティングなど、これらの材料の組合せを備えることもできる。別の例として、構成部品720は、チタンなどの金属である第1の材料を備える本体と、酸化チタンなどのセラミックである第2の材料を備えるコーティングとを有してもよい。
【0045】
構成部品720のレーザテクスチャ加工表面724により、処理チャンバ306内の構成部品720上に形成される残留物361の付着が改善される。構成部品720のレーザテクスチャ加工表面724は、構成部品720の任意の表面でよい。例えば、構成部品720のレーザテクスチャ加工表面724は、構成部品表面上に堆積するプロセス残留物を通常もたらす基板処理チャンバ306内のガスまたはプラズマにさらされる、構成部品720の表面でもよい。レーザテクスチャ加工表面724は、処理チャンバ306の内部環境に表面特徴部を提示する。処理チャンバ306上には、残留物361が集まり付着し、複数回の基板処理サイクルにおいてテクスチャ加工表面に相当量の残留物361が堆積された後でさえも依然としてしっかりと固着したままでも可能である。レーザテクスチャ加工表面724にしっかりと付着していることによって、残留物361が構成部品720からはがれ落ち、チャンバ306内で処理されている基板304を汚染することを実質的に防ぐ。残留物361の付着の改善により、より長い期間連続してチャンバを使用することが可能となり、その後、構成部品720からはがれ落ちるまたは剥離することがある残留物361を除去するために構成部品720を洗浄することが必要となる。
【0046】
レーザテクスチャ加工の一変形例においては、図7Aおよび図7Bに示すように、レーザテクスチャ加工表面724は、周期的に離間された溝728のアレイ726を備える。このアレイ726内の個々の溝728は、幅729、長さ730および深さ731、ならびに長さ730に沿って走る長手方向軸732を有する。溝728は、レーザテクスチャ加工表面724に対する残留物361の付着および保持を改善するために溝に付着させようとする残留物361のタイプに応じて、幅729に対する長さ730の、または幅729に対する深さ733の特定の比率を有するように作製することができる。例えば、幅に対する長さの比率が高い、長く幅が狭い溝728は、優れた付着の軟質残留物361を提供する。というのは、このような溝728は、軟質残留物361をより良く引き付ける相対的に高い表面積を提供するからである。また、幅が狭くあまり深くない溝728は、軟質残留物361を除去するためにより容易に洗浄される。これらの溝728は、エッチングプロセスチャンバにおいて行われるエッチングプロセスにおいて形成される軟質ポリマーエッチング残留物361にふさわしい。一変形例においては、溝728は幅729に対する長さ730の比率が約40:1を超え、より好ましくは約80:1を超える。例えば、このような狭い溝728は、0.1mm〜2mmの深さ、より典型的には0.25mmの深さ、また0.1mm〜2mmの幅、典型的には0.25mmの幅、および少なくとも約20mmの長さを含む寸法を有することができる。溝728は、表面の縁部からチャンバ構成部品の中心まで延出する単一らせんを形成することもでき、溝728を、同心の弧または平行な同心円として形成することもできる。
【0047】
長さ対幅の比率がより小さい幅広の溝728が、PVDプロセスにおいて形成されるアルミニウムまたは銅堆積物などの残留物361の付着には有利であることがある。というのは、これらのより軟質の金属材料は、溝の所与の深さについて脆性材料よりも砕けるか、またははがれ落ちる可能性が低いからである。また、相対的により幅広い溝728により、より軟質の材料が溝728の中へまたは溝728に沿って流れ、またはリフローすることが可能となり、隣接するリッジの表面上への残留物361の蓄積が低減される。例えば、溝728は、アルミニウムリフロー残留物材料が入るための溜めとして働くことができる。一変形例においては、このような溝728の幅729に対する長さ730の比率は、約30:1未満でも可能である。例えば、これらの溝728は、1mm〜5mmの深さおよび1mm〜10mmの幅を含む寸法を有することができる。
【0048】
より硬くより脆性の残留物361は典型的に、レーザテクスチャ加工表面724の幾何学的形状の急激な変化の発生率が相対的に低い溝728により良く付着する。レーザテクスチャ加工表面724の高表面積により、残留物361が集まり付着することができるより大きな領域が提供され、したがってレーザテクスチャ加工表面724の有効性が高まって残留物361を収集し保持する。しかしながら、数多くの溝728によって生じる表面幾何学的形状の頻繁に起こる急激な変化は、特に残留物361が脆性である場合には、堆積された残留物361内に機械的応力増大の局所化事例を生成することがある。機械的応力増大のこれらの局所化事例では、残留物361の応力に関連するフレーキングおよびピーリングを誘発することによって残留物361の付着が低減することがある。したがって、レーザテクスチャ加工表面724の幾何学的形状の急激な変化の発生率が相対的に低いと、レーザテクスチャ加工表面724の有効性も増大し、硬質残留物を収集し保持する。典型的な脆性残留物には、タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタンなど、セラミックおよび耐火金属が含まれる。これらより脆性の材料は、幅729に対する長さ730の比率が約40:1、例えば、10:1〜30:1で、レーザテクスチャ加工表面724の表面幾何学的形状において鋭い隅部および縁部のより少ない溝と典型的にはより良く付着する。
【0049】
周期的に離間された溝728のアレイ726は、隣接する溝728の中心間の特徴的な分離距離736を有することもできる。この分離距離は、アレイ726の物理的特徴部が繰り返す周期である。例えば、溝728の断面輪郭は、溝728のアレイ726にわたって周期的に繰り返す丸み帯びた隅部を含んでもよい。分離距離736は、レーザテクスチャ加工表面724に対する残留物361の付着を最適化するように選択する。例えば、一変形例においては、分離距離736は、レーザテクスチャ加工表面724に対する残留物361の収集および保持を高めるために処理チャンバの環境にさらされるレーザテクスチャ加工表面724の表面積を最適化するように選択する。分離距離736は、溝728が露出面にわたって相対的に密に配置され、それにより表面積が増大するように十分に小さく、また隣接する溝728が重なり合わず、表面積を減少させないように十分大きく選択することができる。分離距離736は、溝728のアレイ726を形成するために使用されるレーザテクスチャ加工プロセスにも関係していることがある。例えば、一変形例においては、約0.5e〜約5.0eなど、レーザテクスチャ加工表面724を発出するために使用されるレーザの波長の関数となるように分離距離736が選択される。ここで、eは、レーザテクスチャ加工表面724を形成するために使用されるレーザの波長である。分離距離736のこの変形例は、レーザ装置400を作動させるために便利な範囲の分離距離736であり、またレーザテクスチャ加工表面724の最適化表面積をもたらすため、有利である。
【0050】
一変形例においては、処理チャンバ306の内部環境にさらされる構成部品720の表面を、周期的に離間された溝728のアレイ726によってほぼ完全に覆ってもよい。周期的に離間された溝728のアレイ726を、レーザテクスチャ加工表面724を有する構成部品720の幾何学的特徴部または曲率と合うように設けることもできる。例えば、構成部品720は、実質的に円形の幾何学的形状、または他の何らかの幾何学的形状を有してもよく、離間された溝728のアレイ726を、溝728の長手方向軸732が構成部品720の曲率に従うように位置合わせしてもよい。これによりレーザテクスチャ加工表面724の有効性が高まって、残留物361を収集し保持する。例えば、構成部品720の曲率に従う長手方向軸732を有する溝728は一般に、長さ対幅比率を相対的に大きくすることができる。反対に、構成部品720の曲率に従わない長手方向軸732を有する溝728は、構成部品表面上の境界または移行領域と遭遇し、この領域により溝728が時期尚早に終わることが必要となることがある。構成部品720の曲率に従う長手方向軸732を有する溝728により、構成部品720上にレーザテクスチャ加工表面724を作製することができる際の容易性も高めることができる。例えば、レーザ装置400が、構成部品720の固有幾何学的形状に逆らうのではなく従うことがより容易であることがある。反対に、構成部品720の曲率に反して長手方向軸732を有するレーザテクスチャ加工表面724の溝728のアレイ726の作製するために、溝728を作成するために相対的に複雑な位置決め設備が必要となることがある。
【0051】
別の変形例においては、レーザテクスチャ加工表面724が、図7Cおよび図7Dに示すように、周期的に離間されたノブ740によって形成された溝728のアレイ738を備える。周期的に離間されたノブ740のアレイ738は、2つの直交軸を有するグリッド状に要素が整列されている2次元アレイを備える。ノブ740は、構成部品720の表面から延出する、特徴的な断面を有する方形または丸み帯びた突起でよい。一変形例においては、ノブ740が、テーパー状の側壁を有する方形の断面を有する。ノブ740のアレイ738は、アレイ738の第1の軸746に沿った第1の分離距離744およびアレイ738の第2の軸750に沿った第2の分離距離748を含め、隣接する個々のノブ740の中心間に特徴的な分離距離を有する。アレイ738の第1および第2の軸746、750は互いに垂直で、ノブ740が実質的に整列し繰り返す方向に向けられている。一変形例においては、第1および第2の分離距離744、748が等しく、レーザテクスチャ加工表面724に対する残留物361の収集および保持を最適化するように選択される。例えば、一実施形態においては、第1および第2の分離距離744、748は、ノブ740の高さ742と関係を有するように選択される。分離距離744、748とノブ740の高さ742との間の関係は、レーザテクスチャ加工表面724の表面積を増大させるように、また残留物361の収集および保持のための最適な幾何学的形状を提供するように最適化する。一変形例においては、ノブ740のアレイ738の、等しい第1および第2の分離距離744、748に対するノブ740の高さ742の比率が、約0.2:1〜約1:1である。堆積される膜に応じて、溝間の第1の分離距離744および溝の高さ733は、相対的に小さく、例えば、0.010’’〜 0.20’’程度でよく、この場合、比率1:1が適切となるはずである。しかしながら、エッチングチャンバ内でポリマーエッチャント残留物の蓄積を制御する際には、より浅いトレンチを具備する溝728がより優れている。PVDチャンバにおいてなど、他の用途においては、溝728の幅を増大させることができ、溝の高さ733をより深く、例えば、0.10’’ずつ深くすることができる。
【0052】
ノブ740は丸み帯びた縁部を有することもでき、縁部の丸み付けの程度は、ノブ740のアレイ738に対する残留物361の付着を増大させるように選択される。例えば、方形突起の丸み帯びた隅部における曲率半径を増大させることによって、レーザテクスチャ加工表面724における鋭い特徴部の発生を減少させるようにノブ740を丸くすることができる。ノブ740を丸くする程度は、ノブ740のアレイ738を作製するために使用されるレーザテクスチャ加工プロセスを調整することによって達成される。一般に、テクスチャ加工表面上に脆性堆積物が形成された場合に蓄積した膜応力を減少させるために、また軟質または粘着性堆積物の洗浄を助けるために、鋭い隅部を回避することが望ましい。加えて、表面をコンフォーマルコーティング(conformal coating)で上塗りしようとする場合、または基材がアルミニウムである場合には、鋭い陽極酸化隅部は、コーティング欠陥または一貫性のない膜厚を生成する可能性が高い。
【0053】
洗浄および改装の別の変形例においては、有機物(炭素)を含むポリマー残留物ならびに誘電体、石英および金属基板処理構成部品からのAlF3堆積物を除去することによって、プロセスチャンバ306を洗浄する。この変形例においては、残留物を有する基板処理構成部品の表面を、プラズマ切断機810によって生成されるプラズマ流、十分に高い温度のプラズマ流に接触させ、このプラズマ流を基板処理構成部品の表面にわたって走査して、CVD、PVDおよびエッチング基板処理構成部品上のポリマー残留物361を焼き取るまたは蒸発させる。ポリマー残留物361は、酸素含有プラズマ流、例えば空気を用いて高温で酸化させる。AlF3堆積物は、アルゴン、窒素、水素、ヘリウムなど数種類のプラズマ流のいずれかを用いて蒸発させるが、有機堆積物は、酸素プラズマを用いて蒸発させる。
【0054】
このプロセスにおいては、基板処理構成部品から相対的に重要な部分を除去することなく、AlF3などのポリマー残留物361を除去することができる。AlF3については、プラズマ流ストリッピングを使用して、セラミックまたは誘電体を含む構成部品などの基材から膜を蒸発させる。このプラズマは、基材の融点または昇華点に対してより低い温度で残留物が昇華または融解する場合には、基材を蒸発させることなく残留物を蒸発させる。フッ化アルミニウムは1000〜1250℃の温度で昇華するが、酸化アルミニウム(Al23)、石英(SiO2)、窒化アルミニウム(AlN)、および他のいくつかの誘電体材料を含む基板処理構成部品は、1400℃以上の温度で融解する。加えて、これらの材料の熱浸透性は、それら材料の熱伝導率が低いため乏しく、AlF3残留物361を蒸発させることが可能となる一方、プラズマ流温度の影響を受けない構成部品の下層誘電体が残される。AlNは相対的に高い熱伝導率を有するが、相対的に高い2000℃の昇華温度を有し、これによりAlF3堆積物を蒸発させることが可能となるが、誘電体基板は手付かずのままである。プロセス残留物361の温度は、プロセス残留物361上を通過するプラズマ切断機810の速度およびこの切断機において使用されるガスの種類を設定することによって制御することができる。例えば、ロボット型CNCプラズマ切断機810を、下層構成部品表面に対する損傷または加熱を最小限にして残留物361を確実に除去するように、構成部品表面にわたって所定の速度で横断させることができる。典型的には、プラズマの温度は約12,000℃〜約20,000℃未満で、より典型的には約14,000〜17,000℃である。これらの高温により、プラズマ流がAlF3残留物を蒸発させることが可能となるが、下層構成部品の表面は名目上加熱されるだけである。
【0055】
このプロセスにおいては、実際はより有機物である残留物361を、構成部品の相対的に重要な部分を除去することなく除去することができる。プロセスチャンバ306および構成部品は、セラミックであっても、誘電体であっても、金属であってもよい。有機残留物では、酸素または空気プラズマ流が、基板処理構成部品上で炭素化合物を揮発性の一酸化炭素または二酸化炭素へと分解することができる酸化性プラズマ流を作成するため、好ましい。有機残留物では、プロセス速度を増大させるためにプラズマ切断機810のより高い速度を維持することが望ましい。しかし、誘電体およびセラミック構成部品は、このプラズマ流によって酸化されず、したがって基材を除去することなく構成部品が洗浄される。
【0056】
このプロセスでは、低コストプラズマ切断機810を利用してプラズマ流を作成する。プラズマ切断機810は、電位で場にエネルギを与えながら2つの電極間にガスを通過させることによって、高密度プラズマ流を生成する。これは、Miller Thermal Inc(商標)製のプラズマ切断機810など、プラズマ切断機810の業者の工具仕様に特有である。プラズマ流は通常2インチもない。広く行き渡るプラズマ流が、より広い適用範囲を作成しながら流れの温度をより使用可能なレベルまで落とすことができるため、好ましい。部品上のプラズマ流の共鳴時間を最小限に抑えるためには、構成部品を誤って融解、蒸発および/または破壊させる可能性がほとんどないように、部品をターンテーブル上で回転させるべきである。プラズマ切断機810の温度が15,000℃を超えることが可能であるため、部品上のプラズマ流の共鳴時間は限定されなければならない。
【0057】
プラズマ流を発出するために適している例示的なプラズマ切断機810を図8に概略的に示す。このプラズマ切断機810においては、カソードおよびアノードなど2つの電極805間にキャリアガスを流す。カソードは円錐形状でよく、アノードは円柱形でよい。電圧源回路806が、これらの電極にわたり必要な電圧を供給する。電極805間には、高電流アーク804が生成される。電気アーク804はキャリアガスをイオン化し、それにより高圧プラズマ流803が作成され、この高圧プラズマ流803が残留物361、807を蒸発させる。このプラズマ切断機810を制御可能なロボットアーム(図示せず)に取り付けて、洗浄しようとする表面からのプラズマ流の距離および角度を調整することができる。
【0058】
本発明の例示的な実施形態をこのようにして説明してきたが、様々な代替形態、変更形態および改良形態が当業者には容易に想到されることが明らかである。このような明白な代替形態、変更形態および改良形態は、上で明確に記載しているわけではないが、それでもなお暗示されているものとし、本発明の精神および範囲内にある。したがって、前述の説明は限定的ではなく例示的なものにすぎず、本発明は以下の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ限定され定義される。
【符号の説明】
【0059】
100…接着剤、105…上層、200…接着剤、205…上層、210…接着剤、215…下層、220…接着剤、230…ヒータコイル、255…ヒータブロック、300…コントローラ、301…検出器、302…基板処理装置、303…窓、304…基板、306…チャンバ、308…プロセスゾーン、309…検出器構成部品、310…基板支持体、311…基板輸送部、312…チャンバ壁、313…電極、314…側壁、316…底壁、318…天井、334…流量制御弁、336…ガス導管、338…プロセスガス供給部、342…ガス注入口、344…排気管、346…ポンプチャネル、350…絞り弁、352…排気ポンプ、354…対ガスエネルギ付与装置、355…アンテナ電源、356…アンテナ、358…誘導コイル、360…ポリマーシーラント、361…残留物、370…静電チャック、374…誘電体、378…電極、380…基板受け表面、382…電極電源、400…レーザ、410…レーザビーム、415…構成部品表面、418…接着剤残留物、420…窓、430…レーザビーム処理チャンバ、440…エポキシ塗膜、450…Lavacoat(商標)層、500…保持リング、503…底面、505…下部、510…チャネル、525…垂直部分、530/590…傾斜部分、545…上部、560…上面、565…孔、570…アライメントアパーチャ、580…垂直部分、600…ガス分配板、601…露出面、602…中央部分、604…周縁部分、606、608…アパーチャ、610…孔、612…内面、720…基板処理構成部品、724…レーザテクスチャ加工表面、726…アレイ、728…溝、729…幅、730…長さ、731…深さ、732…長手方向軸、733…深さ、736…分離距離、738…アレイ、740…ノブ、742…高さ、744…第1の分離距離、746…第1の軸、748…第2の分離距離、750…第2の軸、803…高圧プラズマ流、804…高電流アーク、805…電極、806…電圧源回路、807…残留物、810…プラズマ切断機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーコーティングと、前記ポリマーコーティング上に形成される残留物とを有する表面を備える基板処理構成部品を洗浄する方法であって、
(a)前記基板処理構成部品の前記表面上の前記ポリマーコーティングを有機溶媒と接触させるステップと、
(b)前記ポリマーコーティングを除去することなく前記有機溶媒によって前記残留物を除去するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記基板処理構成部品の前記表面上の前記ポリマーコーティングを有機溶媒と接触させる前記ステップが、
(i)前記有機溶媒を染み込ませた雑巾と前記表面を接触させる工程であって、前記雑巾が、複数の染み込ませた雑巾と共にあらかじめ同梱された容器から選択される工程、
(ii)前記表面上に前記有機溶媒を吹き付ける工程、または
(iii)前記有機溶媒に前記基板処理構成部品表面を浸漬する工程、
のうち少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有機溶媒が、シクロヘキサノン、エタノールアミン、酢酸エチル、2−エトキシエタノールアミン、ヘプタン、ヒドロキシルアミン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフランおよびトルエンのうち少なくとも1つを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ(iii)において、前記有機溶媒が、前記浸漬ステップ中に超音波エネルギによって撹拌される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマーコーティングが、メタクリレートを備えるポリマーシーラントを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基板処理構成部品の前記表面を接触させる前記ステップが、(i)ニッケルめっき、(ii)陽極酸化アルミニウム、(iii)炭化ケイ素および(iv)ポリマーシーラントを含むポリマーコーティングで被覆されているアルミニウム構造を備える基板処理チャンバ壁を接触させる工程を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリマーコーティングが接着剤残留物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
接着剤により下層セラミック構造に付着しているポリマー層を備える基板処理構成部品を改装する方法であって、
(a)前記セラミック構造から前記ポリマー層を除去し、それにより前記セラミック構造上に残留接着剤を残すステップと、
(b)前記残留接着剤を有機溶媒と接触させて、前記下層セラミック構造から前記残留接着剤を除去するステップと、
(c)前記セラミック構造上の前記ポリマー層を取り換えるステップと、
を備える方法。
【請求項9】
前記有機溶媒が、シクロヘキサノン、エタノールアミン、酢酸エチル、2−エトキシエタノールアミン、ヘプタン、ヒドロキシルアミン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフランおよびトルエンのうち少なくとも1つを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
基板処理構成部品の表面から接着剤残留物をアブレーションする方法であって、
(a)前記接着剤残留物をアブレーションするために十分に高いエネルギ密度で、前記基板処理構成部品の前記表面にわたってレーザビームを走査させるステップを含む方法。
【請求項11】
前記レーザビームが、以下の特性、
(i)前記ビームが、約9.6×106W/cm2〜約8.6×107W/cm2のワット数を提供すること、
(ii)前記ビームがパルス波ビームであること、
(iii)前記ビームが連続波ビームであること、
(iv)前記ビームが、CO2レーザ、Nd−YAGレーザ、Er:Nd−YAGレーザ、アルゴンレーザ、高出力ダイオードレーザまたは他の固体レーザによって生成されること、および
(v)前記ビームが、約100ワット〜約5000ワットの出力領域を有すること、
のうちの少なくとも1つを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基板処理構成部品が前記アクリル残留物より下にポリマーコーティングを備え、前記ステップ(a)が、前記接着剤残留物をアブレーションする工程に加えて、前記ポリマーコーティングおよび前記アクリルコーティングをアブレーションする(ablating)工程を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ステップ(a)が、前記接着剤残留物をアブレーションする工程に加えて、前記構成部品の前記表面上の特徴部をスクライブする工程を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記基板処理構成部品が保持リングまたはガス分配板を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記基板処理構成部品の前記表面にわたってキャリアガスを流すことによって、前記接着剤残留物を除去するステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
下層金属構造を覆うポリマー層の上に接着剤残留物を備える表面を備える基板処理構成部品を改装する方法であって、
(a)前記接着剤残留物をアブレーションするために十分に高いエネルギ密度レベルで、前記基板処理構成部品の前記表面にわたってレーザビームを走査させるステップと、
(b)前記金属構造上に新しいポリマー層を形成するステップと、
を備える方法。
【請求項17】
前記レーザビームが、以下の特性、
(i)前記ビームが、約9.6×106W/cm2〜約8.6×107W/cm2のワット数を提供すること、
(ii)前記ビームがパルス波ビームであること、
(iii)前記ビームが連続波ビームであること、
(iv)前記ビームが、CO2レーザ、Nd−YAGレーザ、Er:Nd−YAGレーザ、アルゴンレーザ、高出力ダイオードレーザまたは他の固体レーザによって生成されること、および
(v)前記ビームが、約100ワット〜約5000ワットの出力領域を有すること、のうちの少なくとも1つを有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
基板処理構成部品を洗浄する方法であって、
(a)残留物を有する前記基板処理構成部品の表面を、プラズマ流と接触させるステップと、
(b)前記残留物を蒸発させるために十分に高い温度で、前記基板処理構成部品の前記表面にわたって前記プラズマ流を走査させるステップと、
を備える方法。
【請求項19】
前記プラズマ流が、下記
(i)酸素または空気と、
(ii)アルゴン、窒素またはヘリウムと、
の少なくとも一方を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記プラズマ流が、プラズマ切断機によって生成される、請求項18に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−216849(P2012−216849A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−124612(P2012−124612)
【出願日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【分割の表示】特願2009−533334(P2009−533334)の分割
【原出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(512008602)クアンタム グローバル テクノロジーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (2)
【Fターム(参考)】