塗工膜の欠陥検査装置及び検査方法
【課題】液晶用カラーフィルターや有機ELなどのディスプレイに用いられるカラーフィルターの製造工程における、塗膜コーテングでのスリットダイの搬送方向に発生している膜厚ムラを、膜厚ムラ検査装置の測定搬送時に発生している搬送擬似ムラと容易に、区別、判別することができる装置、方法を提供する。
【解決手段】透明基板8に製膜された塗工膜の欠陥を検査する装置、方法であって、撮像用センサーカメラ9と透過照明光源10を透明基板8の搬送方向と垂直方向にスライトさせながら透明基板8を撮像し、その画像データを短形処理により画像補正処理することによって、透明基板8の搬送方向に発生する疑似搬送ムラを容易に判別でき、膜厚ムラや濃度ムラを的確に検査できる長所を有する。
【解決手段】透明基板8に製膜された塗工膜の欠陥を検査する装置、方法であって、撮像用センサーカメラ9と透過照明光源10を透明基板8の搬送方向と垂直方向にスライトさせながら透明基板8を撮像し、その画像データを短形処理により画像補正処理することによって、透明基板8の搬送方向に発生する疑似搬送ムラを容易に判別でき、膜厚ムラや濃度ムラを的確に検査できる長所を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塗工膜の厚みムラ、色ムラ、濃度ムラ、ごみ欠陥や白抜け欠陥などの検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年液晶用カラーフィルターや有機ELなどのディスプレイには、透明な基板上に膜や層をコーティングした部材が使われている。例えばカラーフィルターの製造の場合、ガラス基板上にレジストコートしてフォトマスクを利用して露光後、現像してカラーフィルターパターンを形成するリソグラフィー方式が多用されている。この方式を用いてブラックマトリックス層(BM)を形成し、同様に赤画像層(1R)、緑画像層(1G)、青画像層(1B)を形成する。その後、透明電極層(ITO)、フォトスペーサー(PS)、アドバンストスーパービュー(ASV)を形成してカラーフィルター(図1)を製造している。
【0003】
これらの層は、スピンコートやスリットダイコート法などで基板上に設けられるが、これらの塗膜には、各種のムラなどの欠陥が発生しており、品質管理のため、欠陥検査が必要となる。これらの従来の検査方法としては、主に2方式あり、光干渉式の膜厚計法や(図1)の白色照明による透過照明下11でラインセンサーカメラ9により撮像し、得られた画像23に対して色膜の膜厚のムラを検査する方法(特許文献1)が試みられている。
【0004】
しかしながら、前者には、測定点での膜厚測定は可能だが、広い範囲の中で、測定点以外のムラを見逃してしまう問題がある。
【0005】
後者には、透過照明光源10とセンサーカメラ9の光路の間(光源もしくはセンサーカメラのどちらか)に異物などが付着すると、透明基板8の搬送方向5に搬送ムラ7(擬似ムラ)が発生し、パソコンモニター上23に搬送ムラ7と膜厚ムラ6が混在し(図2)、目的とする膜厚ムラ6と搬送ムラ7の区別が困難(図3)となってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−219108号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は従来技術の課題を解決するためになされたものであり、透明基板の搬送方向に発生している搬送ムラ(擬似ムラ)を容易に、膜厚ムラと区別、判別することができる塗工膜の欠陥検査及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の発明は、透明基板8に製膜された塗工膜の欠陥を検査する装置(図4、図5)であって、撮像用センサーカメラ9と、撮像用センサーカメラ9に向け照射する透過照明光源10と、透明基板8を載置し、搬送する機能を有するコンベア装置11とを具備し、透明基板8は撮像用センサーカメラ9と透過照明光源10との間を搬送され、撮像用センサーカメラ9は搬送方向5と垂直方向12に複数並設され、搬送方向5と垂直方向12にスライドできる機能を有することを特徴とする検査装置である。
【0009】
第二の発明は、透明基板8に製膜された塗工膜の欠陥を検査する方法であって、透明基板8をコンベア装置11に載置し、搬送し、透過照明光源10から、透明基板8を介し、搬送方向5と垂直方向12に複数並設した撮像用センサーカメラ9に向け照射し、撮像用センサーカメラ9を搬送方向5と垂直方向12にスライドし透明基板8を撮像して検査用画像データを得ることを特徴とする検査方法である。
【0010】
第三の発明は、搬送された透明基板8を、複数の撮像用センサーカメラ9をスライドして撮像して得られた画像データを、短形処理により画像補正処理する手段を有することを特徴とする第一の発明に記載の検査装置(図7)である。
【0011】
第四の発明は、検査用画像データを、短形処理により画像補正処理することを特徴とする第二の発明に記載の検査方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、透明基板8に製膜されたの塗工膜の欠陥を検査する装置(図4、図5及び図7)、方法であって、撮像用センサーカメラ9と透過照明光源10を透明基板8の搬送方向5と垂直方向12にスライトさせながら透明基板8を撮像し、その画像データを短形処理により画像補正処理(図6及び図11)することによって、透明基板8の搬送方向5に発生する疑似搬送ムラ7を容易に判別でき、目的とする膜の厚みムラ6や濃度ムラ6を的確に検査できる長所を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来の代表的なカラーフィルタの構成略図。
【図2】従来の膜厚ムラ検査装置の概略斜視図。
【図3】従来の膜厚ムラ検査装置の透過照明下でラインセンサーカメラにより撮像し、得られた画像に混在する搬送ムラと膜厚ムラの模式図。
【図4】第一の発明に係る装置を上から観た模式図。
【図5】第一の発明に係る装置を横から観た模式図。
【図6】本発明に係るムラ欠陥検査機の動作フロー図
【図7】第三の発明に係る透明基板撮像時の装置の動作模式図。
【図8】第三の発明に係る透明基板撮像時の撮像画像の模式図。長方形の透明基板を撮像すると画面上では透明基板は平行四辺形の画像となる。
【図9】第三の発明に係る撮像画像の短形処理の補正前の模式図。
【図10】第三の発明に係る撮像画像の短形処理の補正後の模式図。
【図11】補正矩形処理に関する関係式の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による透明基板8の搬送方向5に発生する疑似搬送ムラ7を容易に判別でき、目的とする膜の厚みムラ6や濃度ムラ6を的確に検査できる方法の実施の形態を説明する。
【0015】
(図4)は、第一の発明に係る装置を上から観た模式図であり、塗工膜の欠陥を検査する装置であって、撮像用センサーカメラ9と透過照明光源10および透明基板8を載置し、搬送できるコンベア装置11を具備し、撮像用センサーカメラ9と透過照明光源10を同期させて作動、可動するようになっており、透明基板8の搬送方向5と垂直方向12にスライトさせながら透明基板8を撮像できるようになっている検査装置である。
【0016】
(図5)は、第一の発明に係る装置を横から観た模式図であり、塗工膜の欠陥を検査する装置であって、透明基板8を載置し、搬送できるコンベア装置11が、撮像用センサーカメラ9と透過照明光源10の可動、移動方向とは垂直方向12に透明基板8をスライト搬送できるようになっており、同時に透明基板8を撮像できる検査装置である。
【0017】
(図6)は、本発明に係るムラ欠陥検査機の動作フロー図である。
(1)段階は、センサーカメラをスライドさせながらの画像撮像であり、透明基板を搬送方向に移動しつつ、センサーカメラを搬送方向と垂直方向に移動させながら撮像を行う。
(2)段階は、撮像画像の基板端またはカラーフィルターパターンのエッジの検出であり、(1)の撮像画像について、複数箇所のエッジを検出する(n番目を使用)。
(3)段階は、(2)で検出したエッジより1次の傾き補正関数(式)を求める。
(4)段階は、撮像画像の矩形処理であり、(3)の補正式を用いて(1)の撮像画像を補正する。
(5)段階は、ムラ、欠陥検出処理であり、(4)で得られた補正画像に対してムラ、欠陥の検出処理を行う。
(6)段階は、搬送ムラと膜厚ムラの判別であり、(5)で検出されたムラ、欠陥について判別を行う。
【0018】
(図7)は、第三の発明に係る透明基板撮像時の装置の動作模式図であり、透明基板8の搬送方向5とは垂直方向12に、センサーカメラ9と透過照明光源10を同期させながら位置関係を変えずに長方形の透明基板8を撮像するが、撮像した画像は(図8)のように画面上の透明基板8は平行四辺形の画像が得られる。
【0019】
(図9)は、本発明における補正処理前の撮像画面で、透過照明光源10とセンサーカメラ9の光路の間(光源もしくはセンサーカメラのどちらか)に異物などが付着した場合に透明基板8の搬送方向5に沿って、搬送ムラ7が発生し、膜厚ムラ6と搬送ムラ7が撮像画面上で混在している。
【0020】
この場合は長方形の補正前の撮像画面の中に、搬送ムラ7は画面の長辺と平行に細い帯状の白抜け状で写っている、一方、長方形であった透明基板8の膜厚ムラ6は長方形画面の対角線方向に平行四辺形の形に成って写っている。搬送ムラ7は、透過照明光源10、センサーカメラ9及び異物の位置関係が変わらないため、補正処理前の撮像画面では、試料基板8の搬送方向5に一直線に写つり出される。
【0021】
(図10)は、本発明における補正後の撮像画面であって、補正前に長方形であった撮像画面は、補正後は右にずれた平行四辺形の画面となった。補正前に長方形画面の長辺と平行に細い帯状の白抜け状であった搬送ムラ7は、補正後は平行四辺形の画面の長辺と平行に細い短冊が階段状に繋がって白抜け状で写っている、一方、補正前の長方形画面の対角線方向に平行四辺形の形に成って写っていた透明基板8の膜厚ムラ6は、補正後は平行四辺形の画面の上短辺と下短辺に垂直方向に長方形の形に写っている。
【0022】
(図11)は、補正前の撮像画面で平行四辺形であった透明基板8を補正後には、長方形にした矩形補正処理に関する関係式の説明図である。
【0023】
本発明における透明基板8を(図7)のように搬送方向に移動しつつ、センサーカメラ9と透過照明光源10を同期させ、お互いの位置関係を変えずに移動させ、かつ透明基板の搬送方向5とは垂直方向12に移動させながら透明基板8を撮像する。長方形の透明基板8を撮像した画像は(図8)のように平行四辺形となる。
【0024】
本発明における撮像画面(図9)から透明基板8の端またはカラーフイルターパターンのエッジを検出し、1次の傾き補正関数を求めて撮像画像の矩形補正処理を行う(図11)。
【0025】
本発明における撮像画像の矩形補正処理で得られた補正処理後の画像(図10)よりムラ、欠陥の検出処理判別を行う。補正処理後の平行四辺形の画像中の平行四辺形の長辺と平行に細い短冊が階段状に繋がって白抜け状で写っているのが搬送ムラ7であり、補正処理後の平行四辺形の画像中の平行四辺形の上短辺と下短辺に垂直方向に長方形の形に写っているのが試料基板8の膜厚ムラ6である。
【0026】
本発明における撮像後の矩形補正処理方法は以下のとおりである。
(1)透明基板8の搬送方向5をY軸、搬送方向5に垂直な方向12をX軸とする。撮像画像の左側から右側方向に輪郭エッジを検出する。複数のY軸の座標(Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、 、 、)についてX軸方向にエッジの検出処理を行い得られたエッジ(X1‘、X2‘、X3‘、X4‘、X5‘、 、 、)とする。
(2)エッジ座標(X1‘、Y1)(X2‘、Y2)(X3‘、Y3)(X4‘、Y4)(X5‘、Y5)、 、 、より1次近似式Y=aX+bを求める。
(3)撮像画像の補正前の座標を(x、y)とし、平行四辺形から矩形への補正後の座標を(x‘、y‘)とするとx‘=x−y/a、y‘=yの関係式が得られる。
(4)(3)で求めた式を用いて撮像画像の矩形補正処理を行う。
【符号の説明】
【0027】
1R R画素、1G G画素、1B B画素、1BM ブラックマトリックス
2 ITO
3 PS
4 ASV
5 搬送方向
6 膜厚ムラ
7 搬送ムラ
8 透明基板
9 ラインセンサーカメラ
10 透過照明光源
11 搬送コロ式コンベアー
12 カメラと光源を同期させ透明基板搬送方向に対し垂直方向にスライド
13 余白部分
21 補正前の撮像画像の透明基板のエッジ部
22 補正前の撮像画像の透明基板のカラーフィルターのパターンのエッジ部
23 パソコン、モニター
24 補色フィルター
【技術分野】
【0001】
本発明は塗工膜の厚みムラ、色ムラ、濃度ムラ、ごみ欠陥や白抜け欠陥などの検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年液晶用カラーフィルターや有機ELなどのディスプレイには、透明な基板上に膜や層をコーティングした部材が使われている。例えばカラーフィルターの製造の場合、ガラス基板上にレジストコートしてフォトマスクを利用して露光後、現像してカラーフィルターパターンを形成するリソグラフィー方式が多用されている。この方式を用いてブラックマトリックス層(BM)を形成し、同様に赤画像層(1R)、緑画像層(1G)、青画像層(1B)を形成する。その後、透明電極層(ITO)、フォトスペーサー(PS)、アドバンストスーパービュー(ASV)を形成してカラーフィルター(図1)を製造している。
【0003】
これらの層は、スピンコートやスリットダイコート法などで基板上に設けられるが、これらの塗膜には、各種のムラなどの欠陥が発生しており、品質管理のため、欠陥検査が必要となる。これらの従来の検査方法としては、主に2方式あり、光干渉式の膜厚計法や(図1)の白色照明による透過照明下11でラインセンサーカメラ9により撮像し、得られた画像23に対して色膜の膜厚のムラを検査する方法(特許文献1)が試みられている。
【0004】
しかしながら、前者には、測定点での膜厚測定は可能だが、広い範囲の中で、測定点以外のムラを見逃してしまう問題がある。
【0005】
後者には、透過照明光源10とセンサーカメラ9の光路の間(光源もしくはセンサーカメラのどちらか)に異物などが付着すると、透明基板8の搬送方向5に搬送ムラ7(擬似ムラ)が発生し、パソコンモニター上23に搬送ムラ7と膜厚ムラ6が混在し(図2)、目的とする膜厚ムラ6と搬送ムラ7の区別が困難(図3)となってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−219108号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は従来技術の課題を解決するためになされたものであり、透明基板の搬送方向に発生している搬送ムラ(擬似ムラ)を容易に、膜厚ムラと区別、判別することができる塗工膜の欠陥検査及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の発明は、透明基板8に製膜された塗工膜の欠陥を検査する装置(図4、図5)であって、撮像用センサーカメラ9と、撮像用センサーカメラ9に向け照射する透過照明光源10と、透明基板8を載置し、搬送する機能を有するコンベア装置11とを具備し、透明基板8は撮像用センサーカメラ9と透過照明光源10との間を搬送され、撮像用センサーカメラ9は搬送方向5と垂直方向12に複数並設され、搬送方向5と垂直方向12にスライドできる機能を有することを特徴とする検査装置である。
【0009】
第二の発明は、透明基板8に製膜された塗工膜の欠陥を検査する方法であって、透明基板8をコンベア装置11に載置し、搬送し、透過照明光源10から、透明基板8を介し、搬送方向5と垂直方向12に複数並設した撮像用センサーカメラ9に向け照射し、撮像用センサーカメラ9を搬送方向5と垂直方向12にスライドし透明基板8を撮像して検査用画像データを得ることを特徴とする検査方法である。
【0010】
第三の発明は、搬送された透明基板8を、複数の撮像用センサーカメラ9をスライドして撮像して得られた画像データを、短形処理により画像補正処理する手段を有することを特徴とする第一の発明に記載の検査装置(図7)である。
【0011】
第四の発明は、検査用画像データを、短形処理により画像補正処理することを特徴とする第二の発明に記載の検査方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、透明基板8に製膜されたの塗工膜の欠陥を検査する装置(図4、図5及び図7)、方法であって、撮像用センサーカメラ9と透過照明光源10を透明基板8の搬送方向5と垂直方向12にスライトさせながら透明基板8を撮像し、その画像データを短形処理により画像補正処理(図6及び図11)することによって、透明基板8の搬送方向5に発生する疑似搬送ムラ7を容易に判別でき、目的とする膜の厚みムラ6や濃度ムラ6を的確に検査できる長所を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来の代表的なカラーフィルタの構成略図。
【図2】従来の膜厚ムラ検査装置の概略斜視図。
【図3】従来の膜厚ムラ検査装置の透過照明下でラインセンサーカメラにより撮像し、得られた画像に混在する搬送ムラと膜厚ムラの模式図。
【図4】第一の発明に係る装置を上から観た模式図。
【図5】第一の発明に係る装置を横から観た模式図。
【図6】本発明に係るムラ欠陥検査機の動作フロー図
【図7】第三の発明に係る透明基板撮像時の装置の動作模式図。
【図8】第三の発明に係る透明基板撮像時の撮像画像の模式図。長方形の透明基板を撮像すると画面上では透明基板は平行四辺形の画像となる。
【図9】第三の発明に係る撮像画像の短形処理の補正前の模式図。
【図10】第三の発明に係る撮像画像の短形処理の補正後の模式図。
【図11】補正矩形処理に関する関係式の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による透明基板8の搬送方向5に発生する疑似搬送ムラ7を容易に判別でき、目的とする膜の厚みムラ6や濃度ムラ6を的確に検査できる方法の実施の形態を説明する。
【0015】
(図4)は、第一の発明に係る装置を上から観た模式図であり、塗工膜の欠陥を検査する装置であって、撮像用センサーカメラ9と透過照明光源10および透明基板8を載置し、搬送できるコンベア装置11を具備し、撮像用センサーカメラ9と透過照明光源10を同期させて作動、可動するようになっており、透明基板8の搬送方向5と垂直方向12にスライトさせながら透明基板8を撮像できるようになっている検査装置である。
【0016】
(図5)は、第一の発明に係る装置を横から観た模式図であり、塗工膜の欠陥を検査する装置であって、透明基板8を載置し、搬送できるコンベア装置11が、撮像用センサーカメラ9と透過照明光源10の可動、移動方向とは垂直方向12に透明基板8をスライト搬送できるようになっており、同時に透明基板8を撮像できる検査装置である。
【0017】
(図6)は、本発明に係るムラ欠陥検査機の動作フロー図である。
(1)段階は、センサーカメラをスライドさせながらの画像撮像であり、透明基板を搬送方向に移動しつつ、センサーカメラを搬送方向と垂直方向に移動させながら撮像を行う。
(2)段階は、撮像画像の基板端またはカラーフィルターパターンのエッジの検出であり、(1)の撮像画像について、複数箇所のエッジを検出する(n番目を使用)。
(3)段階は、(2)で検出したエッジより1次の傾き補正関数(式)を求める。
(4)段階は、撮像画像の矩形処理であり、(3)の補正式を用いて(1)の撮像画像を補正する。
(5)段階は、ムラ、欠陥検出処理であり、(4)で得られた補正画像に対してムラ、欠陥の検出処理を行う。
(6)段階は、搬送ムラと膜厚ムラの判別であり、(5)で検出されたムラ、欠陥について判別を行う。
【0018】
(図7)は、第三の発明に係る透明基板撮像時の装置の動作模式図であり、透明基板8の搬送方向5とは垂直方向12に、センサーカメラ9と透過照明光源10を同期させながら位置関係を変えずに長方形の透明基板8を撮像するが、撮像した画像は(図8)のように画面上の透明基板8は平行四辺形の画像が得られる。
【0019】
(図9)は、本発明における補正処理前の撮像画面で、透過照明光源10とセンサーカメラ9の光路の間(光源もしくはセンサーカメラのどちらか)に異物などが付着した場合に透明基板8の搬送方向5に沿って、搬送ムラ7が発生し、膜厚ムラ6と搬送ムラ7が撮像画面上で混在している。
【0020】
この場合は長方形の補正前の撮像画面の中に、搬送ムラ7は画面の長辺と平行に細い帯状の白抜け状で写っている、一方、長方形であった透明基板8の膜厚ムラ6は長方形画面の対角線方向に平行四辺形の形に成って写っている。搬送ムラ7は、透過照明光源10、センサーカメラ9及び異物の位置関係が変わらないため、補正処理前の撮像画面では、試料基板8の搬送方向5に一直線に写つり出される。
【0021】
(図10)は、本発明における補正後の撮像画面であって、補正前に長方形であった撮像画面は、補正後は右にずれた平行四辺形の画面となった。補正前に長方形画面の長辺と平行に細い帯状の白抜け状であった搬送ムラ7は、補正後は平行四辺形の画面の長辺と平行に細い短冊が階段状に繋がって白抜け状で写っている、一方、補正前の長方形画面の対角線方向に平行四辺形の形に成って写っていた透明基板8の膜厚ムラ6は、補正後は平行四辺形の画面の上短辺と下短辺に垂直方向に長方形の形に写っている。
【0022】
(図11)は、補正前の撮像画面で平行四辺形であった透明基板8を補正後には、長方形にした矩形補正処理に関する関係式の説明図である。
【0023】
本発明における透明基板8を(図7)のように搬送方向に移動しつつ、センサーカメラ9と透過照明光源10を同期させ、お互いの位置関係を変えずに移動させ、かつ透明基板の搬送方向5とは垂直方向12に移動させながら透明基板8を撮像する。長方形の透明基板8を撮像した画像は(図8)のように平行四辺形となる。
【0024】
本発明における撮像画面(図9)から透明基板8の端またはカラーフイルターパターンのエッジを検出し、1次の傾き補正関数を求めて撮像画像の矩形補正処理を行う(図11)。
【0025】
本発明における撮像画像の矩形補正処理で得られた補正処理後の画像(図10)よりムラ、欠陥の検出処理判別を行う。補正処理後の平行四辺形の画像中の平行四辺形の長辺と平行に細い短冊が階段状に繋がって白抜け状で写っているのが搬送ムラ7であり、補正処理後の平行四辺形の画像中の平行四辺形の上短辺と下短辺に垂直方向に長方形の形に写っているのが試料基板8の膜厚ムラ6である。
【0026】
本発明における撮像後の矩形補正処理方法は以下のとおりである。
(1)透明基板8の搬送方向5をY軸、搬送方向5に垂直な方向12をX軸とする。撮像画像の左側から右側方向に輪郭エッジを検出する。複数のY軸の座標(Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、 、 、)についてX軸方向にエッジの検出処理を行い得られたエッジ(X1‘、X2‘、X3‘、X4‘、X5‘、 、 、)とする。
(2)エッジ座標(X1‘、Y1)(X2‘、Y2)(X3‘、Y3)(X4‘、Y4)(X5‘、Y5)、 、 、より1次近似式Y=aX+bを求める。
(3)撮像画像の補正前の座標を(x、y)とし、平行四辺形から矩形への補正後の座標を(x‘、y‘)とするとx‘=x−y/a、y‘=yの関係式が得られる。
(4)(3)で求めた式を用いて撮像画像の矩形補正処理を行う。
【符号の説明】
【0027】
1R R画素、1G G画素、1B B画素、1BM ブラックマトリックス
2 ITO
3 PS
4 ASV
5 搬送方向
6 膜厚ムラ
7 搬送ムラ
8 透明基板
9 ラインセンサーカメラ
10 透過照明光源
11 搬送コロ式コンベアー
12 カメラと光源を同期させ透明基板搬送方向に対し垂直方向にスライド
13 余白部分
21 補正前の撮像画像の透明基板のエッジ部
22 補正前の撮像画像の透明基板のカラーフィルターのパターンのエッジ部
23 パソコン、モニター
24 補色フィルター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板に製膜された塗工膜の欠陥を検査する装置であって、撮像用センサーカメラと、撮像用センサーカメラに向け照射する透過照明光源と、透明基板を載置し、搬送する機能を有するコンベア装置とを具備し、透明基板は撮像用センサーカメラと透過照明光源との間を搬送され、撮像用センサーカメラは搬送方向と垂直方向に複数並設され、搬送方向と垂直方向にスライドできる機能を有することを特徴とする検査装置。
【請求項2】
透明基板に製膜された塗工膜の欠陥を検査する方法であって、透明基板をコンベア装置に載置し、搬送し、透過照明光源から、透明基板を介し、搬送方向と垂直方向に複数並設した撮像用センサーカメラに向け照射し、撮像用センサーカメラを搬送方向と垂直方向にスライドし透明基板を撮像して検査用画像データを得ることを特徴とする検査方法。
【請求項3】
搬送された透明基板を、複数の撮像用センサーカメラをスライドして撮像して得られた画像データを、短形処理により画像補正処理する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項4】
検査用画像データを、短形処理により画像補正処理することを特徴とする請求項2に記載の検査方法。
【請求項1】
透明基板に製膜された塗工膜の欠陥を検査する装置であって、撮像用センサーカメラと、撮像用センサーカメラに向け照射する透過照明光源と、透明基板を載置し、搬送する機能を有するコンベア装置とを具備し、透明基板は撮像用センサーカメラと透過照明光源との間を搬送され、撮像用センサーカメラは搬送方向と垂直方向に複数並設され、搬送方向と垂直方向にスライドできる機能を有することを特徴とする検査装置。
【請求項2】
透明基板に製膜された塗工膜の欠陥を検査する方法であって、透明基板をコンベア装置に載置し、搬送し、透過照明光源から、透明基板を介し、搬送方向と垂直方向に複数並設した撮像用センサーカメラに向け照射し、撮像用センサーカメラを搬送方向と垂直方向にスライドし透明基板を撮像して検査用画像データを得ることを特徴とする検査方法。
【請求項3】
搬送された透明基板を、複数の撮像用センサーカメラをスライドして撮像して得られた画像データを、短形処理により画像補正処理する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項4】
検査用画像データを、短形処理により画像補正処理することを特徴とする請求項2に記載の検査方法。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図11】
【図1】
【図8】
【図9】
【図10】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図11】
【図1】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−88139(P2012−88139A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234372(P2010−234372)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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