外壁パネルの目地構造
【課題】取り付け及び取り外しを容易にし、かつ、耐久性及び水密性に優れた外壁パネルの目地構造を提供する。
【解決手段】互いに隣接する両外壁パネルPの目地部側端部に、隙間Sを残して対峙する水密保持材30を設けると共に、一方のパネルの目地部側端部に目地支持材40を設ける。目地材6を、両外壁パネルPの目地部を外部から覆う目板部60と、目板部60の室内側面から室内側に向かって延在する突出部61と、突出部61の先端から折曲されて隙間Sを塞ぐ折曲部62と、折曲部62の室内側面に装着されるパッキン50とで形成する。折曲部62を、パッキン50を介して水密保持材30の室外側面に当接すると共に、隙間Sを塞いだ状態で、目板部60を目地支持材40の室外側面に固定ねじ18によって固定する。
【解決手段】互いに隣接する両外壁パネルPの目地部側端部に、隙間Sを残して対峙する水密保持材30を設けると共に、一方のパネルの目地部側端部に目地支持材40を設ける。目地材6を、両外壁パネルPの目地部を外部から覆う目板部60と、目板部60の室内側面から室内側に向かって延在する突出部61と、突出部61の先端から折曲されて隙間Sを塞ぐ折曲部62と、折曲部62の室内側面に装着されるパッキン50とで形成する。折曲部62を、パッキン50を介して水密保持材30の室外側面に当接すると共に、隙間Sを塞いだ状態で、目板部60を目地支持材40の室外側面に固定ねじ18によって固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建築物の外壁を構成するパネル間の目地部を閉塞する外壁パネルの目地構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、コンビニエンスストア,ファミリーレストラン等のフランチャイズ店や仮設住宅等の建築物の需要が高まっている。これらの建築物は使用期間が限られているものが多いため、その構成部材は解体後も保管,再利用可能な構造となっている。
【0003】
外壁についても解体後は、保管,再利用可能とするために、複数のパネルを所定の場所に配置させて壁面を構成する構造が採られている。
【0004】
ところで、これら外壁を構成するパネルの目地部からの雨水等の水分浸入をどのように防ぐかが問題となっている。
【0005】
パネル間の目地部の水密構造として、例えばパネル間の目地部にコーキング材を充填する構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、別の水密構造として、パネル間の目地部に軟質部を有する目地材を一方のパネル端部に接着した構造のものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】実開平5−89612号公報(実用新案登録請求の範囲、図1,図4)
【特許文献2】特開平11−247314号公報(特許請求の範囲、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前者すなわち実開平5−89612号公報に記載の構造のものは、外壁パネル間の目地部にコーキング材を充填されているため、損傷や老朽化等により外壁パネルを交換する際には、まずコーキング材を剥がし取り、新たな外壁パネルを配置した後、再びコーキング材を充填する必要がある。また、後者すなわち特開平11−247314号公報に記載の構造においては、目地材が外壁パネルに接着されているため、これにおいても損傷や老朽化等により外壁パネルを交換する際には、目地材を剥がし取り、新たな外壁パネルを配置した後、再び目地材を接着する必要がある。
【0007】
したがって、従来のこの種の目地構造においては、いずれも作業に熟練と労力を要する上、コーキング材や目地材自体は再利用不可能であるという問題があった。また、コーキング材や目地材自身が軟質であるため、物理的な力や腐食,紫外線等により劣化や損傷を受け易いという問題もあった。
【0008】
この発明は、上記事情に鑑みなされたのもので、容易に取り付け,取り外しが可能で、かつ、耐久性及び水密性に優れた外壁パネルの目地構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、この発明は、次のように構成したものである。
【0010】
この発明の外壁パネルの目地構造は、建築物の外壁を構成するパネル間の目地部を閉塞する目地材を用いる外壁パネルの目地構造を前提とし、 互いに隣接する上記両パネルの目地部側端部に、隙間を残して対峙する水密保持材を設けると共に、一方のパネルの目地部側端部に、水密保持材の室外側に延在する目地支持材を設け、 上記目地材は、上記両パネルの目地部を外部から覆う目板部と、この目板部の室内側面から室内側に向かって延在する突出部と、この突出部の先端から折曲されて上記水密保持材間の隙間を塞ぐ折曲部と、この折曲部の室内側面に装着されるパッキンとを具備してなり、 上記折曲部を、上記パッキンを介して上記隙間を塞ぐべく上記水密保持材の室外側面に当接すると共に、上記目板部を、上記目地支持材の室外側面に当接し、かつ、固定部材によって固定してなる、ことを特徴とする(請求項1)。
【0011】
この発明において、上記目地材の目板部に室外側が開口する凹溝を長手通しに設け、この凹溝を目地支持材に当接し、かつ、凹溝内に収容される固定部材によって固定することを特徴とする(請求項2)。この場合、上記凹溝の開口部に化粧材を被着する方が好ましい(請求項3)。
【0012】
また、上記水密保持材及び目地支持材を、パネルを構成する補強桁枠に設けるようにしてもよく(請求項4)、あるいは、上記水密保持材及び目地支持材を、パネルを構成する窓枠材に設けるようにしてもよい(請求項5)。
【0013】
加えて、上記目地材の材質は任意のものであっても差し支えないが、好ましくはアルミニウム合金製の押出形材にて形成する方がよい(請求項6)。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
【0015】
(1)請求項1記載の発明によれば、隣接する両パネルの目地部側端部に、隙間を残して対峙する水密保持材を設けると共に、一方のパネルの目地部側端部に、水密保持材の室外側に延在する目地支持材を設け、目地材に、両パネルの目地部を外部から覆う目板部と、この目板部の室内側面から室内側に向かって延在する突出部と、この突出部の先端から折曲されて水密保持材間の隙間を塞ぐ折曲部と、この折曲部の室内側面に装着されるパッキンとを設けて、折曲部を、パッキンを介して隙間を塞ぐべく水密保持材の室外側面に当接すると共に、目板部を、目地支持材の室外側面に当接して、固定部材によって固定するので、熟練や多くの労力を要することなく容易に目地材を取り付け,取り外しすることができる。また、取付時においては、パッキンを介して折曲部が水密保持材間に隙間を塞ぐので、気密性の向上が図れる。
【0016】
(2)請求項2記載の発明によれば、目地材の目板部に室外側が開口する凹溝を長手通しに設け、この凹溝を目地支持材に当接し、かつ、凹溝内に収容される固定部材によって固定するので、固定部材の外部への露出を抑制することができる。したがって、上記(1)に加えて、更に外観の美観を高めることができる。この場合、凹溝の開口部に化粧材を被着することにより、固定部材を外部から目隠しすることができるので、更に外観の美観を高めることができる(請求項3)。
【0017】
(3)請求項4,5記載の発明によれば、パネルを構成する補強桁枠や窓枠材に、水密保持材及び目地支持材を設けることにより、水密保持材及び目地支持材をパネルと一体的に取り付けることができる。したがって、上記(1),(2)に加えて、更に水密保持材及び目地支持材に高い剛性を持たせることができ、かつ、構成部材の削減が図れると共に、取付作業の低減が図れる。
【0018】
(4)請求項6記載の発明によれば、目地材をアルミニウム合金製の押出形材にて形成するので、複雑な形状の目地材を効率よく生産できると共に、目地材自体の物理的強度,耐食,紫外線等に対して優れた強度を有し、かつ、外観の体裁を良好なものにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、この発明の最良の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
<第1実施形態>
図1は、この発明に係る外壁パネルの目地構造を適用した建築物の正面図、図2は、この発明における外壁パネルを示す正面図、図3は、外壁パネルの取付状態を示す断面図(a)及び(a)のI部を示す拡大断面図、図4は、この発明に係る外壁パネルの目地構造の第1実施形態を示す断面図である。ここでは、建築物を、例えばコンビニエンスストアに用いられるプレハブ式の建物に適用した場合について説明する。
【0021】
上記建築物B(以下に建物Bという)は、図1に示すように、略直方体の鉄骨製構造体(図示せず)と、この構造体の上面を覆う屋根ユニットRと、構造体の前後左右の壁面を形成する外壁パネルPを組み合わせることによって外装が形成されている。上記外壁パネルPは、外壁面を形成する外壁パネル材1と、窓面等を形成する窓パネル材7とによって形成されている。この場合、建物Bの前面側は2枚の外壁パネル材1と、7枚の窓パネル材7とを連結することによって構成されている。
【0022】
上記外壁パネル材1は、図2及び図3に示すように、外側に長板状に形成されたパネル体10を縦方向に複数枚(この場合7枚)を積み重ねて連結され、積み重ねられたこれらパネル体10の内側の周縁部に、フレーム状に補強桁枠11が取り付けられている。
【0023】
上記補強桁枠11は、図2及び図3に示すように、例えばスチール製の中空状の角パイプによって4辺を形成する補強枠材11aと、この補強枠材11aにおける上下対向する2辺の補強枠材11aに連結される互いに平行な2本の補強縦枠材11bと、下辺の補強枠材11aに例えば溶接等により沿設され、パネル体10の最下端部を固定する下枠材11cとで構成されている。また、上辺の補強枠材11aの両端部には建物Bの構造体に外壁パネル材1を取付固定するための連結金具12が設けられると共に、連結金具12より中心側の対向する2箇所に、建物Bの天井部に敷設されたレール90(図3)上を転動する車輪13が装着されている。
【0024】
上記パネル体10は、例えばアルミニウム合金やスチール等の金属薄板10aによって中空状に形成されており、中空部内に例えばスポンジ等の発泡性心材10bを充填して形成されている。また、パネル体10は、下端部の内側面に段部10cを有して薄肉に形成されており、パネル体10の外側面に垂下する下方突片10dと、内側面から垂下する金属薄板状の係合片10eとによって下方に開口する嵌合溝10fが長手通しに形成されている。一方、パネル体10の上端部には嵌合溝10fに嵌合可能な嵌合凸条10gが形成されると共に、内側面から延在する金属薄板状のねじ受片10hが形成されている。
【0025】
このように形成されたパネル体10同士を連結して外壁パネル材1を組み立てるには、まず、金属薄板によって形成され断面略ヘアピン状のスタータ14をスペーサ15を介して補強桁枠11の下枠材11cに取付ねじ16によって取り付ける。次に、スタータ14にパネル体10の係合片10eを係合することによって、最下段のパネル体10の位置決めをする。この状態で、最下段のパネル体10の上端部に形成されたねじ受片10hを補強枠材11aと補強縦桁材11bとの間にスペーサ15を介して取付ねじ16を螺合することによって、最下段のパネル体10を補強桁枠11に取り付ける。次に、積み重ねるパネル体10の嵌合溝10fに、補強桁枠11に取り付けられたパネル体10の嵌合凸条10gを嵌合してパネル体10を積み重ねると共に、上記と同様に、ねじ受片10hを補強枠材11aと補強縦桁材11bとの間にスペーサ15を介して取付ねじ16によって取り付ける。この作業を繰り返して、複数枚(この場合7枚)のパネル体10を積み重ねて補強桁枠11に取り付けることによって、外壁パネル材1を組み立てることができる。なお、上記嵌合溝10fの底部付近にはパッキン10iが取り付けられており、パネル体10の連結状態において連結部の気水密性が維持されている。
【0026】
このように形成された外壁パネル材1は、図2及び図3に示すように、補強桁枠11の上端の例えば2箇所に車輪13が装着されており、この車輪13を建物Bの構造体に設けられたレール90上を走行させることによって、建物Bの組み立て時および解体時に外壁パネル材1を容易に移動することができる。
【0027】
また、外壁パネル材1の室内側には、建物Bの内壁を形成する内壁パネル20が配設されており、内壁パネル20の上端には天井を形成する天井パネル21が取り付けられている。なお、内壁パネル20及び天井パネル21は、一対の表面板22と、これら表面板22の辺部間に介在される枠材23と、両表面板22及び枠材23にて形成される空間内に充填される例えば発泡ポリウレタン等の発泡性の断熱心材24とで主に構成されている。なお、内壁パネル20は、地面に打ち付けられたアンカーボルト91に取り付けられた受け枠92に嵌合して立設されている。
【0028】
上記外壁パネル材1には、図4に示すように、互いに隣接する外壁パネル材1の補強桁枠11の目地部側端部に、隙間Sを残して対峙する水密保持材30を設けられている。また、一方の外壁パネル材1(図4において右側)の補強桁枠11の目地部側端部には、水密保持材30の室外側に延在する目地支持材40が設けられている。
【0029】
上記水密保持材30は、例えばアルミニウム合金製の断面略L字状の押出形材にて形成されており、補強桁枠11の目地部側端部に例えば溶接等によって取り付けられる固定片31と、後述する目地材6のパッキン50を保持する水密保持片32とで形成されている。
【0030】
なお、水密保持材30の表面及び補強桁枠11のパネル体10側の面には、図4ないし図8において破線で示すように、防水シート5が被覆されている。
【0031】
上記目地支持材40は、例えばアルミニウム合金製の断面略L字状の押出形材にて形成されており、水密保持材30の固定片31上に取付ねじ17によって取り付けられる取付片41と、後述する目地材6の凹溝63の底部63aを保持する目地支持片42とで形成されている。なお、水密保持材30の固定片31と目地支持材40の取付片41との間に、例えばエチレン・プロピレン共重合体(EPDM)によって形成される緩衝材(図示せず)を介在してもよい。
【0032】
一方、目地材6は、例えばアルミニウム合金製の押出形材にて形成されており、図4ないし図8に示すように、両外壁パネル材1の目地部を外部から覆う目板部60と、この目板部60の室内側面から室内側に向かって延在する突出部61と、この突出部61の先端から折曲されて上記水密保持材30間の隙間Sを塞ぐ折曲部62と、この折曲部62の室内側面に装着されるパッキン50とによって主に構成されている。
【0033】
この場合、目板部60は、略中央に室外側に開口し長手通しに形成される凹溝63と、凹溝63の開口両端部から外壁パネル材1の目地部側端部に向かって延在すると共に、先端部がシール部材51を介してパネル体10に当接する一対の目地片64とによって形成されている。
【0034】
上記凹溝63には、上記目地支持材40の目地支持片42に当接すると共に、凹溝63内に収容される固定部材すなわち固定ねじ18によって目地支持片42に固定される底部63aが形成されると共に、凹溝63の両開口端から開口部内方に向かって突出する係合突起63bが形成されている。なお、凹溝63には、凹溝63の開口部を目隠しする化粧材65が着脱可能に取り付けられている。
【0035】
上記化粧材65は、凹溝63側に開口を有する断面略コ字状に形成されており、凹溝63の開口部を目隠しする状態において、開口内に上記固定ねじ18の頭部を収容すると共に、一対の側片の基端部に凹溝63の開口端に設けられた係合突起63bに係合可能な隆起部65aを形成してなる。このように形成される化粧材65は、例えばアルミニウム合金製押出形材あるいは合成樹脂製部材時等にて形成される。
【0036】
このように目地材6の凹溝63に化粧材65を嵌入することで、凹溝63を目隠しすることができるので、目地部の美観の向上を図ることができる。
【0037】
一方、目地片64は、パネル体10に対して水平に形成されており、先端部の室内側にシール部材51を着脱可能に装着するチャンネル状の収容溝64aが形成されている。
【0038】
上記シール部材51は、外壁パネル材1のパネル体10に弾性を有して当接する断面略く字状のシール部と、弾性変形可能な中空状の嵌合部とで形成されている。
【0039】
このように形成されるシール部材51によって、外壁パネル材1の目地部に目地材6を取り付けた際、目地材6とパネル体10とを気水密にすることができる。
【0040】
上記突出部61は、目板部60の凹溝63の一方の側部(図4ないし図8において左側)から室内側に向かって延在されている。
【0041】
上記折曲部62は、突出部61の先端から図4ないし図8において右側に略直角に折曲されており、室内側面に例えば接着剤等の接着手段によりパッキン50が取り付けられている。
【0042】
上記パッキン50は、耐候性,耐熱性等に富む弾性を有する材料、例えばエチレン・プロピレン共重合体(EPDM)によって形成されている。このパッキン50は、上記両水密保持片32に当接されると共に、両水密保持材30間に形成される隙間Sを塞ぐように弾性変形することによって、目地材6と水密保持材30とを密接することができるので、目地部の気水密性の向上を図ることができる。
【0043】
上記のように形成された目地材6によって外壁パネル材1の目地部を閉塞するには、以下の手順によって行う。まず、目地材6の両収容溝64aにシール部材51を嵌装した状態で、図7及び図8に示すように、右側に位置する目地片64の端部を外壁パネル材1のパネル体10に当接させると共に、反対側すなわち左側に位置する目地片64を外壁パネル材1から離れた位置に配置する。この状態において目地材6の折曲部62が目地支持材40の目地支持片42と干渉しないように、右側の目地片64の端部を中心にして目地材6を時計回りに回転させると共に、折曲部62を目地支持片42の室内側空間に移動させる。
【0044】
次に、外壁パネル材1間の目地部を目地材6の目板部60によって閉塞するように、目地材6の取り付け位置を決め、この状態で、目地材6の凹溝63内に適宜間隔をおいて電動ドリル等によって凹溝63の底部63aと目地支持材40の目地支持片42とを貫通する取付孔(図示せず)を穿設する。そして、この取付孔に固定ねじ18を螺合することによって目地材6と目地支持材40が固定されると共に、目地材6の折曲部62に取り付けられたパッキン50が両水密保持材30に当接し、更に固定ねじ18をねじ込むことによって、両水密保持材30間に形成される隙間Sを塞ぐようにパッキン50が弾性変形して、隙間Sを密閉することができる。また、両目地片64の先端部に装着されたシール部材51は、固定ねじ18をねじ込むことによって、パネル体10に当接すると共に、弾性変形するので、目地材6とパネル体10の気水密性の向上を図ることができる。このように目地材6を外壁パネル材1の目地部に固定ねじ18によって取り付けた後に、目地材6の凹溝63に化粧材65を嵌入することで、外壁パネル材1の目地部への目地材6の取付作業を終了する。
【0045】
また、建物Bを解体する際に、外壁パネル材1の目地部から目地材6を取り外すには、上記説明と逆の手順を行えばよく、まず、目地材6の凹溝63から化粧材65を取り外し、凹溝63内の固定ねじ18を緩めることによって、目地材6と水密保持材30との固定が解かれる。次に、目地部から目地材6を引き離すと共に、目地材6の折曲部62が目地支持材40の目地支持片42と干渉しないように、右側に位置する目地片64の端部をパネル体10に当接させる。そして、この右側の目地片64の端部を中心に目地材6を反時計回りに回転することによって、折曲部62を目地支持片42より室外側に移動させて目地材6を外壁パネル材1の目地部から取り外すことで、目地材6の取り外し作業を終了する。
【0046】
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態を、図9ないし図13を参照して説明する。図9は、この発明に係る外壁パネルの目地構造の第2実施形態を示す断面図、図10は、第2実施形態を示す断面斜視図、図11は、第2実施形態を示す分解斜視図、図12は、第2実施形態における目地材の取付状態を示す斜視図、図13は、第2実施形態における目地材の取付状態を示す断面図である。
【0047】
第2実施形態は、外壁パネルPを構成する外壁パネル材1と窓パネル材7との目地構造に関するものである。すなわち、外壁パネル材1と窓パネル材7との目地部に目地材6を取り付けて、目板部60を閉塞した場合である。
【0048】
第2実施形態において、窓パネル材7は、図9に示すように、窓部を形成するガラス板8と、このガラス板8を固定する窓枠材70とによって主に構成されている。
【0049】
上記窓枠材70は、ガラス板8の縁部を収容し挟持して固定するガラス受け部71と、建物Bの室外側に位置し、上記外壁パネル材1のパネル体10と同一面を形成する枠縁面72と、外壁パネル材1に設けられた水密保持材30の水密保持片32に対峙するように突設される水密保持部73と、上記目地材6の凹溝63の底部63aを保持する目地支持部74と、建物Bの内壁を形成する内壁パネル40に、連結部材(図示せず)を介して連結される内壁連結部75とを有する、例えばアルミニウム合金製の押出形材によって一体に形成されている。
【0050】
上記ガラス受け部71は、窓枠材70の内方に向かって開口する凹溝状に形成されており、建物Bの室内側の開口端部に、ガラス板8の縁部内面と接触する内シール体52が嵌装され、対向する側すなわち建物Bの室外側の開口端部に、ガラス板8の縁部外面と接触する外シール体53が嵌装されている。
【0051】
このようにガラス受け部71を形成することによって、ガラス板8の縁部を内シール体52と外シール体53とで押圧した状態で挟持することにより、ガラス板8を窓枠材70に固定することができ、内シール体52及び外シール体53によってガラス板8と窓枠材70との気水密性を保つことができる。
【0052】
なお、第2実施形態において目地材6は、上記第1実施形態において説明した目地材6と同一形状であり、天地を逆にすることによって第2実施形態における目地材6として用いることができる。また、外壁パネル材1は、目地支持材40を設けない構造のもので、第2実施形態のその他の部分は、上記第1実施形態と同様なので、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0053】
上記のように形成された窓パネル材7と外壁パネル材1の目地部を目地材6によって閉塞するには、以下の手順によって行う。まず、目地材6の両収容溝64aにシール部材51を嵌装した状態で、図12及び図13に示すように、左側に位置する目地片64の端部を窓枠材70の枠縁面72に当接させると共に、反対側すなわち右側に位置する目地片64を外壁パネル材1から離れた位置に配置する。この状態において目地材6の折曲部62が窓枠材70の目地支持部74と干渉しないように、左側の目地片64の端部を中心にして目地材6を反時計回りに回転させると共に、折曲部62を目地支持部74の室内側空間に移動させる。
【0054】
次に、窓パネル材7と外壁パネル材1間の目地部を目地材6の目板部60によって閉塞するように、目地材6の取り付け位置を決め、この状態で、目地材6の凹溝63内に適宜間隔をおいて電動ドリル等によって凹溝63の底部63aと窓枠材70の目地支持部74とを貫通する取付孔(図示せず)を穿設する。そして、この取付孔に固定ねじ18を螺合することによって目地材6と窓枠材70が固定されると共に、目地材6の折曲部62に取り付けられたパッキン50が水密保持部73と水密保持片32に当接し、更に固定ねじ18をねじ込むことによって、水密保持部73と水密保持片32間に形成される隙間Sを塞ぐようにパッキン50が弾性変形して、隙間Sを密閉することができる。また、両目地片64の先端部に装着されたシール部材51は、固定ねじ18をねじ込むことによって、枠縁面72及びパネル体10に当接すると共に、弾性変形するので、目地材6と窓枠材70及びパネル体10の気水密性の向上を図ることができる。このように目地材6を窓パネル材7と外壁パネル材1の目地部に固定ねじ18によって取り付けた後に、目地材6の凹溝63に化粧材65を嵌入することで、窓パネル材7と外壁パネル材1の目地部への目地材6の取付作業を終了する。
【0055】
また、建物Bを解体する際に、窓パネル材7と外壁パネル材1の目地部から目地材6を取り外すには、上記説明と逆の手順を行えばよく、まず、目地材6の凹溝63から化粧材65を取り外し、凹溝63内の固定ねじ18を緩めることによって、目地材6と窓枠材70との固定が解かれる。次に、目地部から目地材6を引き離すと共に、目地材6の折曲部62が窓枠材70の目地支持部74と干渉しないように、左側に位置する目地片64の端部を枠縁面72に当接させる。そして、この左側の目地片64の端部を中心に目地材6を時計回りに回転することによって、折曲部62を目地支持部74より室外側に移動させて目地材6を窓パネル材7と外壁パネル材1の目地部から取り外すことで、目地材6の取り外し作業を終了する。
【0056】
<その他の実施形態>
なお、上記第1及び第2実施形態では、コンビニエンスストア等のプレハブ式建物における外壁パネルの目地構造について説明したが、コンビニエンスストア等のプレハブ式建物以外の建物における外壁パネルの目地構造に適用できることは勿論であり、外壁以外の目地構造に適用できることも勿論である。
【0057】
また、上記第1実施形態では、隣接する外壁パネル材1間の目地部の目地構造について、第2実施形態では、窓パネル材7と外壁パネル材1間の目地部の目地構造について説明したが、上記の組合せ以外の例えば隣接する窓パネル材7間の目地部の目地構造に適用できることも勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明に係る外壁パネルの目地構造を適用した建築物の一例を示す正面図である。
【図2】この発明における外壁パネルの一例を示す正面図である。
【図3】外壁パネルの取付状態を示す断面図(a)及び、(a)のI部を示す拡大断面図(b)である。
【図4】この発明に係る目地構造の第1実施形態を示す断面図である。
【図5】上記目地構造を示す断面斜視図である。
【図6】この発明における外壁パネル及び目地材を示す分解斜視図である。
【図7】目地材の取付状態を示す斜視図である。
【図8】目地材の取付状態を示す断面図である。
【図9】この発明に係る目地構造の第2実施形態を示す断面図である。
【図10】第2実施形態の断面斜視図である。
【図11】第2実施形態の分解斜視図である。
【図12】第2実施形態における目地材の取付状態を示す断面斜視図である。
【図13】第2実施形態における目地材の取付状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0059】
S 隙間
P 外壁パネル
1 外壁パネル材
6 目地材
7 窓パネル材
11 補強桁枠
18 固定ねじ(固定部材)
30 水密保持材
40 目地支持材
50 パッキン
60 目板部
61 突出部
62 折曲部
63 凹溝
65 化粧材
70 窓枠材
【技術分野】
【0001】
この発明は、建築物の外壁を構成するパネル間の目地部を閉塞する外壁パネルの目地構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、コンビニエンスストア,ファミリーレストラン等のフランチャイズ店や仮設住宅等の建築物の需要が高まっている。これらの建築物は使用期間が限られているものが多いため、その構成部材は解体後も保管,再利用可能な構造となっている。
【0003】
外壁についても解体後は、保管,再利用可能とするために、複数のパネルを所定の場所に配置させて壁面を構成する構造が採られている。
【0004】
ところで、これら外壁を構成するパネルの目地部からの雨水等の水分浸入をどのように防ぐかが問題となっている。
【0005】
パネル間の目地部の水密構造として、例えばパネル間の目地部にコーキング材を充填する構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、別の水密構造として、パネル間の目地部に軟質部を有する目地材を一方のパネル端部に接着した構造のものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】実開平5−89612号公報(実用新案登録請求の範囲、図1,図4)
【特許文献2】特開平11−247314号公報(特許請求の範囲、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前者すなわち実開平5−89612号公報に記載の構造のものは、外壁パネル間の目地部にコーキング材を充填されているため、損傷や老朽化等により外壁パネルを交換する際には、まずコーキング材を剥がし取り、新たな外壁パネルを配置した後、再びコーキング材を充填する必要がある。また、後者すなわち特開平11−247314号公報に記載の構造においては、目地材が外壁パネルに接着されているため、これにおいても損傷や老朽化等により外壁パネルを交換する際には、目地材を剥がし取り、新たな外壁パネルを配置した後、再び目地材を接着する必要がある。
【0007】
したがって、従来のこの種の目地構造においては、いずれも作業に熟練と労力を要する上、コーキング材や目地材自体は再利用不可能であるという問題があった。また、コーキング材や目地材自身が軟質であるため、物理的な力や腐食,紫外線等により劣化や損傷を受け易いという問題もあった。
【0008】
この発明は、上記事情に鑑みなされたのもので、容易に取り付け,取り外しが可能で、かつ、耐久性及び水密性に優れた外壁パネルの目地構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、この発明は、次のように構成したものである。
【0010】
この発明の外壁パネルの目地構造は、建築物の外壁を構成するパネル間の目地部を閉塞する目地材を用いる外壁パネルの目地構造を前提とし、 互いに隣接する上記両パネルの目地部側端部に、隙間を残して対峙する水密保持材を設けると共に、一方のパネルの目地部側端部に、水密保持材の室外側に延在する目地支持材を設け、 上記目地材は、上記両パネルの目地部を外部から覆う目板部と、この目板部の室内側面から室内側に向かって延在する突出部と、この突出部の先端から折曲されて上記水密保持材間の隙間を塞ぐ折曲部と、この折曲部の室内側面に装着されるパッキンとを具備してなり、 上記折曲部を、上記パッキンを介して上記隙間を塞ぐべく上記水密保持材の室外側面に当接すると共に、上記目板部を、上記目地支持材の室外側面に当接し、かつ、固定部材によって固定してなる、ことを特徴とする(請求項1)。
【0011】
この発明において、上記目地材の目板部に室外側が開口する凹溝を長手通しに設け、この凹溝を目地支持材に当接し、かつ、凹溝内に収容される固定部材によって固定することを特徴とする(請求項2)。この場合、上記凹溝の開口部に化粧材を被着する方が好ましい(請求項3)。
【0012】
また、上記水密保持材及び目地支持材を、パネルを構成する補強桁枠に設けるようにしてもよく(請求項4)、あるいは、上記水密保持材及び目地支持材を、パネルを構成する窓枠材に設けるようにしてもよい(請求項5)。
【0013】
加えて、上記目地材の材質は任意のものであっても差し支えないが、好ましくはアルミニウム合金製の押出形材にて形成する方がよい(請求項6)。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
【0015】
(1)請求項1記載の発明によれば、隣接する両パネルの目地部側端部に、隙間を残して対峙する水密保持材を設けると共に、一方のパネルの目地部側端部に、水密保持材の室外側に延在する目地支持材を設け、目地材に、両パネルの目地部を外部から覆う目板部と、この目板部の室内側面から室内側に向かって延在する突出部と、この突出部の先端から折曲されて水密保持材間の隙間を塞ぐ折曲部と、この折曲部の室内側面に装着されるパッキンとを設けて、折曲部を、パッキンを介して隙間を塞ぐべく水密保持材の室外側面に当接すると共に、目板部を、目地支持材の室外側面に当接して、固定部材によって固定するので、熟練や多くの労力を要することなく容易に目地材を取り付け,取り外しすることができる。また、取付時においては、パッキンを介して折曲部が水密保持材間に隙間を塞ぐので、気密性の向上が図れる。
【0016】
(2)請求項2記載の発明によれば、目地材の目板部に室外側が開口する凹溝を長手通しに設け、この凹溝を目地支持材に当接し、かつ、凹溝内に収容される固定部材によって固定するので、固定部材の外部への露出を抑制することができる。したがって、上記(1)に加えて、更に外観の美観を高めることができる。この場合、凹溝の開口部に化粧材を被着することにより、固定部材を外部から目隠しすることができるので、更に外観の美観を高めることができる(請求項3)。
【0017】
(3)請求項4,5記載の発明によれば、パネルを構成する補強桁枠や窓枠材に、水密保持材及び目地支持材を設けることにより、水密保持材及び目地支持材をパネルと一体的に取り付けることができる。したがって、上記(1),(2)に加えて、更に水密保持材及び目地支持材に高い剛性を持たせることができ、かつ、構成部材の削減が図れると共に、取付作業の低減が図れる。
【0018】
(4)請求項6記載の発明によれば、目地材をアルミニウム合金製の押出形材にて形成するので、複雑な形状の目地材を効率よく生産できると共に、目地材自体の物理的強度,耐食,紫外線等に対して優れた強度を有し、かつ、外観の体裁を良好なものにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、この発明の最良の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
<第1実施形態>
図1は、この発明に係る外壁パネルの目地構造を適用した建築物の正面図、図2は、この発明における外壁パネルを示す正面図、図3は、外壁パネルの取付状態を示す断面図(a)及び(a)のI部を示す拡大断面図、図4は、この発明に係る外壁パネルの目地構造の第1実施形態を示す断面図である。ここでは、建築物を、例えばコンビニエンスストアに用いられるプレハブ式の建物に適用した場合について説明する。
【0021】
上記建築物B(以下に建物Bという)は、図1に示すように、略直方体の鉄骨製構造体(図示せず)と、この構造体の上面を覆う屋根ユニットRと、構造体の前後左右の壁面を形成する外壁パネルPを組み合わせることによって外装が形成されている。上記外壁パネルPは、外壁面を形成する外壁パネル材1と、窓面等を形成する窓パネル材7とによって形成されている。この場合、建物Bの前面側は2枚の外壁パネル材1と、7枚の窓パネル材7とを連結することによって構成されている。
【0022】
上記外壁パネル材1は、図2及び図3に示すように、外側に長板状に形成されたパネル体10を縦方向に複数枚(この場合7枚)を積み重ねて連結され、積み重ねられたこれらパネル体10の内側の周縁部に、フレーム状に補強桁枠11が取り付けられている。
【0023】
上記補強桁枠11は、図2及び図3に示すように、例えばスチール製の中空状の角パイプによって4辺を形成する補強枠材11aと、この補強枠材11aにおける上下対向する2辺の補強枠材11aに連結される互いに平行な2本の補強縦枠材11bと、下辺の補強枠材11aに例えば溶接等により沿設され、パネル体10の最下端部を固定する下枠材11cとで構成されている。また、上辺の補強枠材11aの両端部には建物Bの構造体に外壁パネル材1を取付固定するための連結金具12が設けられると共に、連結金具12より中心側の対向する2箇所に、建物Bの天井部に敷設されたレール90(図3)上を転動する車輪13が装着されている。
【0024】
上記パネル体10は、例えばアルミニウム合金やスチール等の金属薄板10aによって中空状に形成されており、中空部内に例えばスポンジ等の発泡性心材10bを充填して形成されている。また、パネル体10は、下端部の内側面に段部10cを有して薄肉に形成されており、パネル体10の外側面に垂下する下方突片10dと、内側面から垂下する金属薄板状の係合片10eとによって下方に開口する嵌合溝10fが長手通しに形成されている。一方、パネル体10の上端部には嵌合溝10fに嵌合可能な嵌合凸条10gが形成されると共に、内側面から延在する金属薄板状のねじ受片10hが形成されている。
【0025】
このように形成されたパネル体10同士を連結して外壁パネル材1を組み立てるには、まず、金属薄板によって形成され断面略ヘアピン状のスタータ14をスペーサ15を介して補強桁枠11の下枠材11cに取付ねじ16によって取り付ける。次に、スタータ14にパネル体10の係合片10eを係合することによって、最下段のパネル体10の位置決めをする。この状態で、最下段のパネル体10の上端部に形成されたねじ受片10hを補強枠材11aと補強縦桁材11bとの間にスペーサ15を介して取付ねじ16を螺合することによって、最下段のパネル体10を補強桁枠11に取り付ける。次に、積み重ねるパネル体10の嵌合溝10fに、補強桁枠11に取り付けられたパネル体10の嵌合凸条10gを嵌合してパネル体10を積み重ねると共に、上記と同様に、ねじ受片10hを補強枠材11aと補強縦桁材11bとの間にスペーサ15を介して取付ねじ16によって取り付ける。この作業を繰り返して、複数枚(この場合7枚)のパネル体10を積み重ねて補強桁枠11に取り付けることによって、外壁パネル材1を組み立てることができる。なお、上記嵌合溝10fの底部付近にはパッキン10iが取り付けられており、パネル体10の連結状態において連結部の気水密性が維持されている。
【0026】
このように形成された外壁パネル材1は、図2及び図3に示すように、補強桁枠11の上端の例えば2箇所に車輪13が装着されており、この車輪13を建物Bの構造体に設けられたレール90上を走行させることによって、建物Bの組み立て時および解体時に外壁パネル材1を容易に移動することができる。
【0027】
また、外壁パネル材1の室内側には、建物Bの内壁を形成する内壁パネル20が配設されており、内壁パネル20の上端には天井を形成する天井パネル21が取り付けられている。なお、内壁パネル20及び天井パネル21は、一対の表面板22と、これら表面板22の辺部間に介在される枠材23と、両表面板22及び枠材23にて形成される空間内に充填される例えば発泡ポリウレタン等の発泡性の断熱心材24とで主に構成されている。なお、内壁パネル20は、地面に打ち付けられたアンカーボルト91に取り付けられた受け枠92に嵌合して立設されている。
【0028】
上記外壁パネル材1には、図4に示すように、互いに隣接する外壁パネル材1の補強桁枠11の目地部側端部に、隙間Sを残して対峙する水密保持材30を設けられている。また、一方の外壁パネル材1(図4において右側)の補強桁枠11の目地部側端部には、水密保持材30の室外側に延在する目地支持材40が設けられている。
【0029】
上記水密保持材30は、例えばアルミニウム合金製の断面略L字状の押出形材にて形成されており、補強桁枠11の目地部側端部に例えば溶接等によって取り付けられる固定片31と、後述する目地材6のパッキン50を保持する水密保持片32とで形成されている。
【0030】
なお、水密保持材30の表面及び補強桁枠11のパネル体10側の面には、図4ないし図8において破線で示すように、防水シート5が被覆されている。
【0031】
上記目地支持材40は、例えばアルミニウム合金製の断面略L字状の押出形材にて形成されており、水密保持材30の固定片31上に取付ねじ17によって取り付けられる取付片41と、後述する目地材6の凹溝63の底部63aを保持する目地支持片42とで形成されている。なお、水密保持材30の固定片31と目地支持材40の取付片41との間に、例えばエチレン・プロピレン共重合体(EPDM)によって形成される緩衝材(図示せず)を介在してもよい。
【0032】
一方、目地材6は、例えばアルミニウム合金製の押出形材にて形成されており、図4ないし図8に示すように、両外壁パネル材1の目地部を外部から覆う目板部60と、この目板部60の室内側面から室内側に向かって延在する突出部61と、この突出部61の先端から折曲されて上記水密保持材30間の隙間Sを塞ぐ折曲部62と、この折曲部62の室内側面に装着されるパッキン50とによって主に構成されている。
【0033】
この場合、目板部60は、略中央に室外側に開口し長手通しに形成される凹溝63と、凹溝63の開口両端部から外壁パネル材1の目地部側端部に向かって延在すると共に、先端部がシール部材51を介してパネル体10に当接する一対の目地片64とによって形成されている。
【0034】
上記凹溝63には、上記目地支持材40の目地支持片42に当接すると共に、凹溝63内に収容される固定部材すなわち固定ねじ18によって目地支持片42に固定される底部63aが形成されると共に、凹溝63の両開口端から開口部内方に向かって突出する係合突起63bが形成されている。なお、凹溝63には、凹溝63の開口部を目隠しする化粧材65が着脱可能に取り付けられている。
【0035】
上記化粧材65は、凹溝63側に開口を有する断面略コ字状に形成されており、凹溝63の開口部を目隠しする状態において、開口内に上記固定ねじ18の頭部を収容すると共に、一対の側片の基端部に凹溝63の開口端に設けられた係合突起63bに係合可能な隆起部65aを形成してなる。このように形成される化粧材65は、例えばアルミニウム合金製押出形材あるいは合成樹脂製部材時等にて形成される。
【0036】
このように目地材6の凹溝63に化粧材65を嵌入することで、凹溝63を目隠しすることができるので、目地部の美観の向上を図ることができる。
【0037】
一方、目地片64は、パネル体10に対して水平に形成されており、先端部の室内側にシール部材51を着脱可能に装着するチャンネル状の収容溝64aが形成されている。
【0038】
上記シール部材51は、外壁パネル材1のパネル体10に弾性を有して当接する断面略く字状のシール部と、弾性変形可能な中空状の嵌合部とで形成されている。
【0039】
このように形成されるシール部材51によって、外壁パネル材1の目地部に目地材6を取り付けた際、目地材6とパネル体10とを気水密にすることができる。
【0040】
上記突出部61は、目板部60の凹溝63の一方の側部(図4ないし図8において左側)から室内側に向かって延在されている。
【0041】
上記折曲部62は、突出部61の先端から図4ないし図8において右側に略直角に折曲されており、室内側面に例えば接着剤等の接着手段によりパッキン50が取り付けられている。
【0042】
上記パッキン50は、耐候性,耐熱性等に富む弾性を有する材料、例えばエチレン・プロピレン共重合体(EPDM)によって形成されている。このパッキン50は、上記両水密保持片32に当接されると共に、両水密保持材30間に形成される隙間Sを塞ぐように弾性変形することによって、目地材6と水密保持材30とを密接することができるので、目地部の気水密性の向上を図ることができる。
【0043】
上記のように形成された目地材6によって外壁パネル材1の目地部を閉塞するには、以下の手順によって行う。まず、目地材6の両収容溝64aにシール部材51を嵌装した状態で、図7及び図8に示すように、右側に位置する目地片64の端部を外壁パネル材1のパネル体10に当接させると共に、反対側すなわち左側に位置する目地片64を外壁パネル材1から離れた位置に配置する。この状態において目地材6の折曲部62が目地支持材40の目地支持片42と干渉しないように、右側の目地片64の端部を中心にして目地材6を時計回りに回転させると共に、折曲部62を目地支持片42の室内側空間に移動させる。
【0044】
次に、外壁パネル材1間の目地部を目地材6の目板部60によって閉塞するように、目地材6の取り付け位置を決め、この状態で、目地材6の凹溝63内に適宜間隔をおいて電動ドリル等によって凹溝63の底部63aと目地支持材40の目地支持片42とを貫通する取付孔(図示せず)を穿設する。そして、この取付孔に固定ねじ18を螺合することによって目地材6と目地支持材40が固定されると共に、目地材6の折曲部62に取り付けられたパッキン50が両水密保持材30に当接し、更に固定ねじ18をねじ込むことによって、両水密保持材30間に形成される隙間Sを塞ぐようにパッキン50が弾性変形して、隙間Sを密閉することができる。また、両目地片64の先端部に装着されたシール部材51は、固定ねじ18をねじ込むことによって、パネル体10に当接すると共に、弾性変形するので、目地材6とパネル体10の気水密性の向上を図ることができる。このように目地材6を外壁パネル材1の目地部に固定ねじ18によって取り付けた後に、目地材6の凹溝63に化粧材65を嵌入することで、外壁パネル材1の目地部への目地材6の取付作業を終了する。
【0045】
また、建物Bを解体する際に、外壁パネル材1の目地部から目地材6を取り外すには、上記説明と逆の手順を行えばよく、まず、目地材6の凹溝63から化粧材65を取り外し、凹溝63内の固定ねじ18を緩めることによって、目地材6と水密保持材30との固定が解かれる。次に、目地部から目地材6を引き離すと共に、目地材6の折曲部62が目地支持材40の目地支持片42と干渉しないように、右側に位置する目地片64の端部をパネル体10に当接させる。そして、この右側の目地片64の端部を中心に目地材6を反時計回りに回転することによって、折曲部62を目地支持片42より室外側に移動させて目地材6を外壁パネル材1の目地部から取り外すことで、目地材6の取り外し作業を終了する。
【0046】
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態を、図9ないし図13を参照して説明する。図9は、この発明に係る外壁パネルの目地構造の第2実施形態を示す断面図、図10は、第2実施形態を示す断面斜視図、図11は、第2実施形態を示す分解斜視図、図12は、第2実施形態における目地材の取付状態を示す斜視図、図13は、第2実施形態における目地材の取付状態を示す断面図である。
【0047】
第2実施形態は、外壁パネルPを構成する外壁パネル材1と窓パネル材7との目地構造に関するものである。すなわち、外壁パネル材1と窓パネル材7との目地部に目地材6を取り付けて、目板部60を閉塞した場合である。
【0048】
第2実施形態において、窓パネル材7は、図9に示すように、窓部を形成するガラス板8と、このガラス板8を固定する窓枠材70とによって主に構成されている。
【0049】
上記窓枠材70は、ガラス板8の縁部を収容し挟持して固定するガラス受け部71と、建物Bの室外側に位置し、上記外壁パネル材1のパネル体10と同一面を形成する枠縁面72と、外壁パネル材1に設けられた水密保持材30の水密保持片32に対峙するように突設される水密保持部73と、上記目地材6の凹溝63の底部63aを保持する目地支持部74と、建物Bの内壁を形成する内壁パネル40に、連結部材(図示せず)を介して連結される内壁連結部75とを有する、例えばアルミニウム合金製の押出形材によって一体に形成されている。
【0050】
上記ガラス受け部71は、窓枠材70の内方に向かって開口する凹溝状に形成されており、建物Bの室内側の開口端部に、ガラス板8の縁部内面と接触する内シール体52が嵌装され、対向する側すなわち建物Bの室外側の開口端部に、ガラス板8の縁部外面と接触する外シール体53が嵌装されている。
【0051】
このようにガラス受け部71を形成することによって、ガラス板8の縁部を内シール体52と外シール体53とで押圧した状態で挟持することにより、ガラス板8を窓枠材70に固定することができ、内シール体52及び外シール体53によってガラス板8と窓枠材70との気水密性を保つことができる。
【0052】
なお、第2実施形態において目地材6は、上記第1実施形態において説明した目地材6と同一形状であり、天地を逆にすることによって第2実施形態における目地材6として用いることができる。また、外壁パネル材1は、目地支持材40を設けない構造のもので、第2実施形態のその他の部分は、上記第1実施形態と同様なので、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0053】
上記のように形成された窓パネル材7と外壁パネル材1の目地部を目地材6によって閉塞するには、以下の手順によって行う。まず、目地材6の両収容溝64aにシール部材51を嵌装した状態で、図12及び図13に示すように、左側に位置する目地片64の端部を窓枠材70の枠縁面72に当接させると共に、反対側すなわち右側に位置する目地片64を外壁パネル材1から離れた位置に配置する。この状態において目地材6の折曲部62が窓枠材70の目地支持部74と干渉しないように、左側の目地片64の端部を中心にして目地材6を反時計回りに回転させると共に、折曲部62を目地支持部74の室内側空間に移動させる。
【0054】
次に、窓パネル材7と外壁パネル材1間の目地部を目地材6の目板部60によって閉塞するように、目地材6の取り付け位置を決め、この状態で、目地材6の凹溝63内に適宜間隔をおいて電動ドリル等によって凹溝63の底部63aと窓枠材70の目地支持部74とを貫通する取付孔(図示せず)を穿設する。そして、この取付孔に固定ねじ18を螺合することによって目地材6と窓枠材70が固定されると共に、目地材6の折曲部62に取り付けられたパッキン50が水密保持部73と水密保持片32に当接し、更に固定ねじ18をねじ込むことによって、水密保持部73と水密保持片32間に形成される隙間Sを塞ぐようにパッキン50が弾性変形して、隙間Sを密閉することができる。また、両目地片64の先端部に装着されたシール部材51は、固定ねじ18をねじ込むことによって、枠縁面72及びパネル体10に当接すると共に、弾性変形するので、目地材6と窓枠材70及びパネル体10の気水密性の向上を図ることができる。このように目地材6を窓パネル材7と外壁パネル材1の目地部に固定ねじ18によって取り付けた後に、目地材6の凹溝63に化粧材65を嵌入することで、窓パネル材7と外壁パネル材1の目地部への目地材6の取付作業を終了する。
【0055】
また、建物Bを解体する際に、窓パネル材7と外壁パネル材1の目地部から目地材6を取り外すには、上記説明と逆の手順を行えばよく、まず、目地材6の凹溝63から化粧材65を取り外し、凹溝63内の固定ねじ18を緩めることによって、目地材6と窓枠材70との固定が解かれる。次に、目地部から目地材6を引き離すと共に、目地材6の折曲部62が窓枠材70の目地支持部74と干渉しないように、左側に位置する目地片64の端部を枠縁面72に当接させる。そして、この左側の目地片64の端部を中心に目地材6を時計回りに回転することによって、折曲部62を目地支持部74より室外側に移動させて目地材6を窓パネル材7と外壁パネル材1の目地部から取り外すことで、目地材6の取り外し作業を終了する。
【0056】
<その他の実施形態>
なお、上記第1及び第2実施形態では、コンビニエンスストア等のプレハブ式建物における外壁パネルの目地構造について説明したが、コンビニエンスストア等のプレハブ式建物以外の建物における外壁パネルの目地構造に適用できることは勿論であり、外壁以外の目地構造に適用できることも勿論である。
【0057】
また、上記第1実施形態では、隣接する外壁パネル材1間の目地部の目地構造について、第2実施形態では、窓パネル材7と外壁パネル材1間の目地部の目地構造について説明したが、上記の組合せ以外の例えば隣接する窓パネル材7間の目地部の目地構造に適用できることも勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明に係る外壁パネルの目地構造を適用した建築物の一例を示す正面図である。
【図2】この発明における外壁パネルの一例を示す正面図である。
【図3】外壁パネルの取付状態を示す断面図(a)及び、(a)のI部を示す拡大断面図(b)である。
【図4】この発明に係る目地構造の第1実施形態を示す断面図である。
【図5】上記目地構造を示す断面斜視図である。
【図6】この発明における外壁パネル及び目地材を示す分解斜視図である。
【図7】目地材の取付状態を示す斜視図である。
【図8】目地材の取付状態を示す断面図である。
【図9】この発明に係る目地構造の第2実施形態を示す断面図である。
【図10】第2実施形態の断面斜視図である。
【図11】第2実施形態の分解斜視図である。
【図12】第2実施形態における目地材の取付状態を示す断面斜視図である。
【図13】第2実施形態における目地材の取付状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0059】
S 隙間
P 外壁パネル
1 外壁パネル材
6 目地材
7 窓パネル材
11 補強桁枠
18 固定ねじ(固定部材)
30 水密保持材
40 目地支持材
50 パッキン
60 目板部
61 突出部
62 折曲部
63 凹溝
65 化粧材
70 窓枠材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の外壁を構成するパネル間の目地部を閉塞する目地材を用いる外壁パネルの目地構造であって、
互いに隣接する上記両パネルの目地部側端部に、隙間を残して対峙する水密保持材を設けると共に、一方のパネルの目地部側端部に、水密保持材の室外側に延在する目地支持材を設け、
上記目地材は、上記両パネルの目地部を外部から覆う目板部と、この目板部の室内側面から室内側に向かって延在する突出部と、この突出部の先端から折曲されて上記水密保持材間の隙間を塞ぐ折曲部と、この折曲部の室内側面に装着されるパッキンとを具備してなり、
上記折曲部を、上記パッキンを介して上記隙間を塞ぐべく上記水密保持材の室外側面に当接すると共に、上記目板部を、上記目地支持材の室外側面に当接し、かつ、固定部材によって固定してなる、ことを特徴とする外壁パネルの目地構造。
【請求項2】
請求項1記載の外壁パネルの目地構造において、
上記目地材の目板部に室外側が開口する凹溝を長手通しに設けると共に、この凹溝を目地支持材に当接し、かつ、凹溝内に収容される固定部材によって固定してなる、ことを特徴とする外壁パネルの目地構造。
【請求項3】
請求項2記載の外壁パネルの目地構造において、
上記凹溝の開口部に化粧材を被着してなる、ことを特徴とする外壁パネルの目地構造。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の外壁パネルの目地構造において、
上記水密保持材及び目地支持材は、パネルを構成する補強桁枠に設けられている、ことを特徴とする外壁パネルの目地構造。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の外壁パネルの目地構造において、
上記水密保持材及び目地支持材は、パネルを構成する窓枠材に設けられている、ことを特徴とする外壁パネルの目地構造。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の外壁パネルの目地構造において、
上記目地材は、アルミニウム合金製の押出形材にて形成されている、ことを特徴とする外壁パネルの目地構造。
【請求項1】
建築物の外壁を構成するパネル間の目地部を閉塞する目地材を用いる外壁パネルの目地構造であって、
互いに隣接する上記両パネルの目地部側端部に、隙間を残して対峙する水密保持材を設けると共に、一方のパネルの目地部側端部に、水密保持材の室外側に延在する目地支持材を設け、
上記目地材は、上記両パネルの目地部を外部から覆う目板部と、この目板部の室内側面から室内側に向かって延在する突出部と、この突出部の先端から折曲されて上記水密保持材間の隙間を塞ぐ折曲部と、この折曲部の室内側面に装着されるパッキンとを具備してなり、
上記折曲部を、上記パッキンを介して上記隙間を塞ぐべく上記水密保持材の室外側面に当接すると共に、上記目板部を、上記目地支持材の室外側面に当接し、かつ、固定部材によって固定してなる、ことを特徴とする外壁パネルの目地構造。
【請求項2】
請求項1記載の外壁パネルの目地構造において、
上記目地材の目板部に室外側が開口する凹溝を長手通しに設けると共に、この凹溝を目地支持材に当接し、かつ、凹溝内に収容される固定部材によって固定してなる、ことを特徴とする外壁パネルの目地構造。
【請求項3】
請求項2記載の外壁パネルの目地構造において、
上記凹溝の開口部に化粧材を被着してなる、ことを特徴とする外壁パネルの目地構造。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の外壁パネルの目地構造において、
上記水密保持材及び目地支持材は、パネルを構成する補強桁枠に設けられている、ことを特徴とする外壁パネルの目地構造。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の外壁パネルの目地構造において、
上記水密保持材及び目地支持材は、パネルを構成する窓枠材に設けられている、ことを特徴とする外壁パネルの目地構造。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の外壁パネルの目地構造において、
上記目地材は、アルミニウム合金製の押出形材にて形成されている、ことを特徴とする外壁パネルの目地構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−176955(P2006−176955A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−368232(P2004−368232)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
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