説明

太陽電池を製作するためのプラズマデポジション装置及び方法

【課題】太陽電池を製作するためのプラズマデポジション装置及び方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの基板を支持するための長手方向軸を持つコンベヤと、少なくとも1つの基板上に反応生成物の層を堆積するためのそれぞれ少なくとも1つのプラズマトーチを持つ少なくとも2つのモジュールと、前記コンベヤと前記少なくとも2つのモジュールとを含むチャンバと、排気システムとを備え、前記少なくとも1つのプラズマトーチは、少なくとも1つの基板から離れて置かれている、太陽電池を製作するためのプラズマデポジション装置。他の実施形態では、基板を支持する手段と、反応物を供給する手段と、前記基板上に生成物を堆積するためのプラズマトーチと、前記基板に対して前記プラズマトーチを振動させる手段とを備え、前記プラズマトーチは、前記基板から離れて置かれている、太陽電池を製作するためのプラズマデポジション装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光起電性モジュール又は太陽電池を製作するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
オイル価格が上昇し続け、他のエネルギー源にも限界があり、化石燃料の燃焼による排出物質からの世界的な警告に対する圧力が増加している。自由に利用できて二酸化炭素ガスを発生しない太陽エネルギーのような代替エネルギー源を探して使用する必要がある。これを受けて、多くの国では、安全かつ信頼できる長期間のパワー源、特に“グリーン”又は“クリーン”なエネルギー源に対する投資を増やしている。それにもかかわらず、太陽電池(光起電性セル又はモジュールとしてよく知られている)は、何年も開発されてきたが、これらのセル又はモジュールの製造コストが高いため使用がかなり限定され、化石燃料により生成されるエネルギーと競争することを困難にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,646,050号明細書
【特許文献2】米国特許第5,942,049号明細書
【特許文献3】米国特許第6,100,466号明細書
【特許文献4】米国特許第6,214,706号明細書
【特許文献5】米国特許第6,281,098号明細書
【特許文献6】米国特許第5,141,564号明細書
【特許文献7】米国特許第4,798,660号明細書
【特許文献8】米国特許第4,915,745号明細書
【特許文献9】米国特許第6,048,442号明細書
【特許文献10】米国特許第6,258,620号明細書
【特許文献11】米国特許第6,518,086号明細書
【特許文献12】米国特許第5,045,409号明細書
【特許文献13】米国特許第5,356,839号明細書
【特許文献14】米国特許第5,441,897号明細書
【特許文献15】米国特許第5,436,204号明細書
【特許文献16】米国特許第5,730,852号明細書
【特許文献17】米国特許第5,804,054号明細書
【特許文献18】米国特許第5,976,614号明細書
【特許文献19】米国特許第6,121,541号明細書
【特許文献20】米国特許第6,368,892号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、単結晶シリコン太陽電池は、最も良いエネルギー変換効率を有しているが、最も高い製造コストもまた有している。代わりに、薄膜シリコンは、単結晶セルと同じ高効率を有していないが、製造するのはより安い。したがって、低コストの光起電性電力生成の可能性を有している。銅・インジウム・ガリウム・二セレン化合物(CIGS)などの他の種類の薄膜材料もまた、より低コストで、単結晶シリコンに近い効率の有望な結果を示したが、まだ、化石燃料と効果的に競争するのに充分な低さではない。
【0005】
製造費用の理由の一部は、これらのプロセスの堆積速度が遅く、時間がかかることである。例えば、所望のシリコン層を形成するための高濃度水素ガス雰囲気中におけるシランのプラズマグロー放電の典型的なプロセスの堆積速度は、約20A/s又は0.12ミクロン/分である。他の例として、高品質のi型シリコン層を形成する典型的なプラズマ化学気相成長(CVD)法の報告された堆積速度は、約15A/s又は0.09ミクロン/分である。さらに他の例では、多結晶シリコンを蒸着するのに輸送媒体としてヨウ素蒸気を使用する典型的な化学気相輸送(CVT)法の膜成長速度は、最大で約3ミクロン/分である。
【0006】
シリコン太陽電池の技術と同様に、異なる技術を使用するCIGS型の太陽電池を製造する取り組みがなされてきた。1つの試みでは、CIGS型の太陽電池は、セレン化技術として知られる、種々の先駆的構造を使用する2段階のプロセスで製造される。セレン化技術を改良する試みが行われている。このような1つの試みでは、薄膜を形成するために、コンベヤシステムを有するマグネトロン(磁電管)スパッタリング技術を使用する2段階のプロセスが知られている。他の試みでは、CIGS膜を形成するのに気相再結晶プロセスが使用される。再結晶プロセスは、そのプロセスの第2ステップとして使用され、従来技術として示されているようにセレン化プロセスに取って代わる。さらに他の試みでは、CIGS膜は、物理気相成長による補助を受けて溶液内の電気化学析出を使用して製造される。この技術は、全体の変換効率が13.6%のCIGS型の太陽電池を生み出した。
【0007】
前述のこの種の太陽電池の効率的な製造の取り組みに加えて、多重接合太陽電池のような他の種類の太陽電池の効率的な製造の追加的な取り組みがなされてきた。これらの種類の太陽電池は、異なる材料の多層の構造を有する。異なる材料は、異なるバンドギャップを持ち、それらは、光エネルギーの種々の波長を吸収するであろう。したがって、これらの種類の太陽電池は、より広い光スペクトルをカバーし、太陽電池の効率を改善する。これらの種類の太陽電池を効率的に製造するためのいくつかの取り組みがなされてきている。このような1つの取り組みでは、多重接合太陽電池は、アモルファスシリコンと銅・インジウム・二セレン化合物(CIS)とそれらの合金とで製造される。しかし、この製造プロセスは、非常に複雑であり、異なる種類の製造装置を必要とし、これにより、これらの種類の太陽電池を製造するのに多くの費用がかかる。CIS又はCIGSの層を製造するいくつかの例は、溶液成長、スパッタリング、又は蒸発の手段によるこれらの層の堆積を含む。また、シリコンの層は、助長されたプラズマ化学気相成長法により堆積される。
【0008】
前述のように、薄膜太陽電池を製作するには、必要な層を堆積する堆積技術を必要とし、製造コストを低くする最も効果的な方法は、堆積速度を増加させることである。報告された最良のプラズマ助長化学気相成長(PECVD)の堆積速度は約5A/秒であり、シランのプラズマグロー放電の堆積速度は20A/秒である。
【0009】
さらに、遅い堆積速度に加えて、太陽電池の製造で一般に見られる他の遅いプロセスステップは、半導体材料のp−n接合を形成するためにp型及びn型ドーパントの導入を含む。このステップは、通常、薄膜層がすでに堆積された後、極めて遅い拡散炉で行われ、したがって、太陽電池を効率的に製造するプロセス全体をさらに遅くする。
【0010】
さらに、CIGS薄膜を形成するプロセスに関して、そのプロセスは通常、2つ以上の段階を使用する。プロセスの追加のステップの目的は、所望の又は最適な構成比とCIGS薄膜の相構成とを達成するために、これらの要素を堆積又は調整することである。第1段階では、要求値に比較的近い濃度比を有する必要な厚さの膜を形成するのに種々の技術が使用されてきた。これらのステップの組み合わせは、CIGS薄膜を形成するための効率的な製造プロセスを妨げている。
【0011】
これらの問題を示す試みに関する情報は、1997年7月8日、リ、その他に付与された米国特許第5,646,050号明細書(特許文献1);1999年8月24日、リ、その他に付与された米国特許第5,942,049号明細書(特許文献2);2000年8月8日、ニシモトに付与された米国特許第6,100,466号明細書(特許文献3);2001年4月10日、マダン、その他に付与された米国特許第6,214,706号明細書(特許文献4);2001年8月28日、ワン、その他に付与された米国特許第6,281,098号明細書(特許文献5);1992年8月25日、チェン、その他に付与された米国特許第5,141,564号明細書(特許文献6);1989年1月17日、エルマ、その他に付与された米国特許第4,798,660号明細書(特許文献7);1990年4月10日、ポロック、その他に付与された米国特許第4,915,745号明細書(特許文献8);2000年4月11日、クシヤ、その他に付与された米国特許第6,048,442号明細書(特許文献9);2001年7月10日、モレル、その他に付与された米国特許第6,258,620号明細書(特許文献10);2003年2月11日、ベック、その他に付与された米国特許第6,518,086号明細書(特許文献11);1991年9月3日、エバースパッカ、その他に付与された米国特許第5,045,409号明細書(特許文献12);1994年10月18日、タテュル、その他に付与された米国特許第5,356,839号明細書(特許文献13);1995年8月15日、ノウフィ、その他に付与された米国特許第5,441,897号明細書(特許文献14);1995年7月25日、アルビン、その他に付与された米国特許第5,436,204号明細書(特許文献15);1998年3月24日、ブハッタチャーヤ、その他に付与された米国特許第5,730,852号明細書(特許文献16);1998年9月8日、ブハッタチャーヤ、その他に付与された米国特許第5,804,054号明細書(特許文献17);1999年11月2日、ブハッタチャーヤ、その他に付与された米国特許第5,976,614号明細書(特許文献18);2000年9月19日、アーヤに付与された米国特許第6,121,541号明細書(特許文献19);及び2002年4月9日アーヤに付与された米国特許第6,368,892号明細書(特許文献20)に見出すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の問題は、本出願に開示される太陽電池を製作するためのプラズマデポジション装置及び方法により、解決され、技術的進歩が達成される。新規なプロセスは、薄膜太陽電池を製作するために誘導結合パラズマトーチを使用する。これは、より高い堆積速度を有し、薄膜の製造コストを劇的に低くすることができるような連続フロープロセスとして設計することができる。連続インラインプロセスのためのコンベヤシステムを使用することにより、このプロセスは、ガラス、フレキシブル金属、又は高温ポリマー材料などの基板上に必要な薄膜を堆積することができる。
【0013】
この新規な誘導結合プラズマデポジションプロセスは、適度に高い堆積速度を提供し、より低い製造コストに導く。太陽電池を製作するための新規なプラズマデポジション装置及び方法の他の主な特徴は、ポジティブ及び/又はネガティブなドーパント材料を薄膜の堆積中に同時に取り込むことにより、製造段階でとても遅く費用のかかる他のプロセスを排除することである。
【0014】
誘導結合プラズマトーチの1つの利点は、堆積速度(DR)が非常に高いことである。追加的な効率性及び製造コストの節約では、1つ以上の誘導結合プラズマトーチは、コンベヤシステムで集積されたデポジションモジュールを形成するために一組の誘導結合プラズマトーチを設けるために一緒にまとめることが可能である。それは容易であり、しかも堆積速度とスループットの高い汎用製造システムである。
【0015】
さらに、太陽電池を製作するための新規なプラズマデポジション装置及び方法は、あるデポジションモジュール又はデポジションチャンバから他のデポジションモジュール又はデポジションチャンバへ基板が動くようなコンベヤシステム上で望みの材料を適当なデポジションモジュールに容易に注入し、望みの層を堆積することができる。代わりに、太陽電池を製作するための新規なプラズマデポジション装置及び方法は、それぞれのサイクルで異なる化学物質が導入されるごとに同じデポジションモジュールに太陽電池が入場又は再入場することを可能にする。
【0016】
さらに、太陽電池を製作するためにこの新規なプラズマデポジション装置及び方法により薄膜をドーピングする時、ドーパント分布と、一般的な拡散プロセスよりも良い濃度プロファイルの直接的な制御が達成される。また、この装置及び方法は、エネルギー保存効率と化学・物理特性に大きく影響を及ぼす可能性がある。しかも、p型又はn型にドーピングされた薄膜を製作するのに、拡散プロセスの代わりにデポジションプロセスを使用することは、より良い制御と均一なドーパント分布を提供するばかりでなく、2ステッププロセスも排除し、高い生産性をもたらす。
【0017】
また、太陽電池を製作するための新規なプラズマデポジション装置及び方法は、i型層の品質の最適化を含む高品質な太陽電池を製造する取り組みに合致する。低コンタクト抵抗のためにp型及びn型にドーピングされた層、高いビルトインポテンシャル、及び不必要な光学的損失を減らす高い透明度と、太陽電子を製作するためのこの新規なプラズマデポジション装置及び方法は、そのような要求に適合する。
【0018】
1つの特徴では、太陽電池を製作するための新規なプラズマデポジション装置及び方法は、CIGSの薄い層を形成するためにプラズマフレームの中に注入される銅、インジウム、ガリウム、及びセレンの構成要素を含む材料を使用することができる。他の特徴では、太陽電池を製作するためのプラズマデポジション装置及び方法は、プラズマフレームの中に注入してCIGS薄膜を形成するために銅、インジウム、ガリウム、及びセレンの相応に設計された比率を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による太陽電池を製作するためのプラズマデポジション装置の破断側面図である。
【図2】本発明の一実施形態による基板に相対するプラズマデポジショントーチの近接する並びを示すプラズマデポジション装置の上面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるデポジションチャンバを含むプラズマデポジション装置の上面図である。
【図4】本発明の他の一実施形態による基板に相対するプラズマデポジショントーチの近接する並びを示すプラズマデポジション装置の上面図である。
【図5】本発明の他の一実施形態による基板に相対するプラズマデポジショントーチの近接する並びを示すプラズマデポジション装置の上面図である。
【図6】本発明の一実施形態による太陽電池を製作するためのプロセスのフロー図である。
【図7】本発明の一実施形態による太陽電池を製作するための他のプロセスのフロー図である。
【図8】本発明の一実施形態による太陽電池を製作するための他のプロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、コンベヤ106上で支持された基板104の上方に配置された誘導結合プラズマトーチ102を含むプラズマデポジション装置の一実施形態100を示す。この実施形態では、誘導結合プラズマトーチ102が、基板104上に反応生成物を堆積するために下方に向けられている。他の実施形態では、誘導結合プラズマトーチ102が、基板104に対して他の方法で又は他の方向に向けられていてもよい。誘導結合プラズマトーチ102は、ステンレススチールチャンバ112に取り付けられたように見える外部石英管108と短い内部石英管110の2つの石英管から構成される。
【0021】
コンベヤ106は、図3で示された矢印の方向と一致するように定められた長手方向軸を有している。コンベヤ106は、動かない台又は動くコンベヤであってもよい。好ましくは、それが、1つ又はいくつかの基板104の支持を提供し、誘導結合プラズマトーチ102が使用されるのに望ましい距離に、誘導結合プラズマトーチ102が置かれる。詳細は後述するが、さらに、コンベヤ106は、反応生成物の堆積のために基板の動きを止める前に、コンベヤの長手方向軸に沿った距離に基板104を動かしてもよい。
【0022】
一般的に、外部石英管108と内部石英管110との直径及び高さ又は長さは、外部石英管108及び内部石英管110の所望の用途に合った寸法でよい。好ましくは、内部石英管110は、外部石英管108より短い長さを有している。また、外部石英管108は、好ましくは、約50ミリメートル(mm)から約90mmの範囲の直径と、180mmから約400mmの範囲の高さとを有する。より好ましくは、外部石英管108の直径が約70mm、高さ又は長さが約200mmである。好ましくは、内部石英管110は、約50mmから約70mmの範囲の直径と、約120mmから約180mmの範囲の高さとを有する。より好ましくは、内部石英管110の直径が約60mm、高さが約150mmである。
【0023】
さらに、誘導結合パラズマトーチ102は、外部石英管108の低い部分の周辺に配置された銅誘導コイル114を備えている。コイル114は、約56mmから約96mmの範囲の直径を有する複数の巻線116を備えている。好ましくは、複数の巻線116は約82mmの直径を有する。一般的に、複数の巻線116は、誘導結合プラズマトーチ102の動作をするのに充分な距離でお互いに間隔を空けている。好ましくは、複数の巻線116は、お互いに約6mmの間隔を空けている。加えて、外部石英管108とコイル114との間のギャップは、約2mmから約10mmになり得る。また、コイル114の最も低い部分と基板104との間の距離は、“L”で示されているが、約30mmから約55mmの範囲である。
【0024】
さらに、誘導結合プラズマトーチ102は、前駆ソースケミカルを誘導結合プラズマトーチ102に運ぶ前駆ソースケミカルライン(precursor source chemical line、図示せず)に接続される1対の注入口118を含んでいる。内部石英管110を使用することにより、プラズマ形成ガスは、渦流パターンを有するであろう。シリコンなどの半導体薄膜材料の堆積(デポジション)のためのソースケミカルは、注入口118を通して注入される。両方ともここに参照として取り込まれる、ゴウスゴ、その他に付与された米国特許第6,253,580号明細書、及びゴウスゴ、その他に付与された米国特許第6,536,240号明細書で開示されたのと同じ理由のため、注入口118は、好ましくは、誘導結合プラズマトーチ102の側面の低い位置近くに配置され、V=0の位置に向けて配置される。一実施形態では、注入口118は、誘導結合プラズマトーチ102に接続される。他の実施形態では、注入口118は、誘導結合プラズマトーチに接続されず、ここで記載された本発明の他の構成要素に接続される。一実施形態では、誘導結合プラズマトーチ102は、誘導的に結合されたプラズマトーチである。注入口118は、好ましくは約3mmから約10mmの範囲の直径、より好ましくは約5mmの直径を有する石英管材で構成されるが、他の寸法である管材の直径が誘導結合プラズマトーチ102に使用されてもよい。この実施形態では、一対の注入口118がお互いに正反対の位置に置かれている。本発明の他の実施形態では、対照的に配置された3つ以上の注入口が利用されてもよい。
【0025】
さらに、誘導結合プラズマトーチ102は、誘導結合プラズマトーチ102へプラズマガスを運ぶプラズマガス供給ライン(図示せず)に接続される1対のプラズマガス入口120を含んでいる。プラズマガス入口120は、誘導結合プラズマトーチ102に実質的に同じ高さで入力している。好ましくは、これらのプラズマガス入口120は、5mmの直径を有するステンレススチールの管材で構成されるが、直径の範囲は、この目的のために充分であろう。
【0026】
また、誘導結合プラズマトーチ102には、冷却材入口122と冷却材出口124とが設けられている。使用の間、水などの冷却材が冷却材入口122を通って、ステンレススチールチャンバ112内を循環して、冷却材出口124を通って排出される。冷却材入口122と冷却材出口124は、好ましくは、ステンレススチールで形成され、例えば5mmの直径を有する。
【0027】
プラズマガス入口120、冷却材入口122、及び冷却材出口124は、すべて好ましくは、ステンレススチールチャンバ112内に形成される。チャンバ112は、好ましくは、一辺が80mmのステンレススチールの四角ブロックであり、例えば約40mmの高さを有する。チャンバ112は、支持スタンド(図示せず)の上に置かれる。
【0028】
高周波数ジェネレータ(図示せず)が、コイル114に電気的に接続され、最大60kWの可変の電力出力で5.28+/−0.13MHzの周波数に電力供給される。一実施形態では、そのジェネレータは、ドイツのフリッツヒューティンガエレクトロニック(Fritz Huettinger Electronic GmbH)から利用可能な型番IG60/5000である。このジェネレータは、誘導結合プラズマトーチ102に電圧を加える50Hz、3相、380Vの電源で駆動される。
【0029】
より広いデポジション(堆積)幅を確保するために、デポジションモジュール200を形成するのに誘導結合プラズマトーチ102の集団が一緒に置かれる。図2は、1組の誘導結合プラズマトーチ102から構成されるデポジションモジュールの一実施形態200を示す。高い堆積速度に加えて、デポジションモジュール200は、均一なデポジション(堆積)厚さを提供する。一例として、デポジションモジュール200は、70mmの直径を有する誘導結合プラズマトーチ102と、35mmの直径を有する2つのより小さい誘導結合プラズマトーチ102’とから構成される。この実施形態では、デポジションモジュール200は、均一な厚さを有する240mmのデポジション幅を形成するであろう。特定用途の所望のデポジション幅を実現するために、誘導結合プラズマトーチ102の他の配列と寸法が、デポジションモジュール内に使用されてもよい。
【0030】
一実施形態では、誘導結合プラズマトーチ102が1列で構成される。他の実施形態では、図2に示すように、オーバーラップ又は基板104上の反応生成物の平均的な堆積を実現するため、誘導結合プラズマトーチ102が2列以上で構成され、千鳥状配列に置かれている。図に示すように、これらの列は、好ましくは、コンベヤ106の長手方向軸に対して直角である。本発明の他の実施形態では、基板104上の反応生成物の平均的な堆積を実現するために、列は、他の構成で配列される。
【0031】
デポジションモジュール200は、さらに図3に示すようにある距離の間隔が空けられ、所望の用途に応じて隣接するようにしてもよい。さらに、各デポジションモジュール200は、同一の又は異なる反応生成物を堆積するために、後のデポジションモジュール200へ基板104が動く前に、特定の基板104上に特定の反応生成物を堆積するようにしてもよい。一実施形態では、1つのデポジションモジュール200は、1種類の材料又は反応生成物を堆積し、他のデポジションモジュール200は、他の種類の材料又は反応生成物を堆積するようにしてもよい。層の厚さを積み重ねるため、同じ材料を堆積するのに複数のデポジションモジュール200を使用することができる。設計に応じて、コンベヤ106の真上に配置されている異なるデポジションモジュール200から、真性又はドープした材料を堆積することができる。
【0032】
図3は、複数のデポジションモジュール200を囲むデポジションチャンバ302を含むプラズマデポジション装置の一実施形態300を示している。この実施形態は、コンベヤ106に沿って配置された多くのデポジションモジュール200による連続デポジションプロセスを提供する。矢印は、コンベヤ306の動き314の長手方向を示す。連続デポジションプロセスを提供するために、4つのデポジションモジュール200が、デポジションチャンバの内部に並んでいる。デポジションチャンバ302は、入口304と出口306とを含んでいる。デポジションチャンバ302の内部から外部環境を切り離すため、入口304に入口ガスカーテン308が設けられ、出口306に出口ガスカーテン310が設けられている。入口304と出口306は、所望の用途に合わせてどんな形状又は設計であってもよい。ガスカーテン308及び310は、好ましくはアルゴンなどの不活性ガスで構成される。いくつかの追加的な例のガスは、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドン、及び窒素を含む。
【0033】
デポジションチャンバ302は、さらに、副産ガス、フリューム、及び粒子をデポジションチャンバ302から取り除くために、排気口(図示せず)を有する排気システム312を含んでいる。排気システム312は、最適な堆積状態を維持するために、デポジションチャンバ302内の部分的な圧力を制御する。デポジションチャンバ302内の部分的な圧力の制御は、さらに、真空などの負圧の供給も含んでいる。他の実施形態では、部分的な圧力は、大気圧で又はそれに近く制御される。排気口の数は、特定の用途で要求されるように決められる。好ましくは、デポジションチャンバ302は、作業者を保護するため、爆発耐性の材料、及びRFシールド材料で作られる。
【0034】
図4及び図5は、1組の誘導結合プラズマトーチ102から構成されるデポジションモジュールの一実施形態400及び一実施形態500を示す。図に示すように、デポジションモジュール400は、70mmの直径を有する5つの誘導結合プラズマトーチ102から構成される。特定用途の所望のデポジション幅を提供するために、誘導結合プラズマトーチ102の他の配列及び寸法がデポジションモジュール内で使用されてもよい。例えば、デポジションモジュール500は、70mmの直径を有する3つの誘導結合プラズマトーチ102から構成される。これらの実施形態では、デポジションモジュール400及び500は、約240mmのデポジション幅を均一な厚さで生成するであろう。
【0035】
一実施形態では、デポジションモジュールが、1列の誘導結合プラズマトーチ102を含んでもよい。他の実施形態では、デポジションモジュールが、いくつかの列の誘導結合プラズマトーチ102を含んでもよい。デポジションモジュール400及び500は、オーバーラップのために図4及び図5に示すように千鳥状に配列された2列の誘導結合プラズマトーチ102を含んでおり、これにより、基板104上の反応生成物の平均的な堆積を可能にする。図に示すように、これらの誘導結合プラズマトーチ102の列は、コンベヤ106の長手方向軸に対して実質的に直角である。本発明の他の実施形態では、基板104上の反応生成物の所望の堆積結果を実現するために、誘導結合プラズマトーチ102の列は、別の構成で配列されてもよい。
【0036】
図4に示されたデポジションモジュール400では、2つの誘導結合プラズマトーチ102が、コンベヤ106の動き314の長手方向に関して3つの誘導結合プラズマトーチ102の後部に示されている。後部の2つの誘導結合プラズマトーチ102の間の中心間距離は、距離402として示され、3つの誘導結合プラズマトーチ102の間の中心間距離は、距離404として示されている。さらに、2列の誘導結合プラズマトーチ102の間の中心間距離は、距離406として示されている。一実施形態では、距離402及び404は約80mmであり、距離406は約100mmである。さらに、約80mmの振幅又は距離408(さらに後述する)で、320mmの均一なトータルデポジション幅を得ることができる。これは、以前のより少ない誘導結合プラズマトーチ102で達成されるよりも30%大きい幅である。
【0037】
同様に、図5に示すデポジションモジュール500では、1つの誘導結合プラズマトーチ102が、コンベヤ106の動き314の長手方向に関して2つの誘導結合プラズマトーチ102の後部に示されている。前部の2つの誘導結合プラズマトーチ102の間の中心間距離は、距離502として示されている。さらに、2列の誘導結合プラズマトーチ102の間の中心間距離は、距離504として示されている。一実施形態では、距離502は約80mm、距離504は約100mmである。注意すべき点は、デポジションモジュール200及び400と比較して、より少ない誘導結合プラズマトーチ102がデポジションモジュール500内で使用されているので、誘導結合プラズマトーチ102間の間隔はより大きい。さらに、約80mmの振幅又は距離508(さらに後述する)で、240mmの均一なトータルデポジション幅を得ることができる。この実施形態は、より少ない数の誘導結合プラズマトーチ102であるのにもかかわらず、実施形態200におけるのとほぼ同じデポジション幅を提供する。
【0038】
基板104の均一なデポジションカバレイジを提供するために、デポジションモジュール400及び500は、コンベヤ106の動き314の長手方向と実質的に直角な方向408で振動する。したがって、デポジションモジュール400及び500の誘導結合プラズマトーチ102は、コンベヤ106の動き314の長手方向に沿って支持されて動くように、基板104を横切って後と前に振動する。一形態では、デポジションモジュール400及び500は、振動動作の間、基板104から一定の距離で留まる。他の形態では、デポジションモジュール400及び500と基板104との間の距離は、可変としてもよい。この振動デポジションカバレイジは、デポジション(堆積)動作中に使用される誘導結合プラズマトーチ102をより少なくすることが可能である。より少ない誘導結合プラズマトーチ102を利用することにより、誘導結合プラズマトーチ102は、デポジションモジュール200の誘導結合プラズマトーチ102の間隔と比較してより大きい距離でお互いに間隔を空けることができる。
【0039】
振動又は往復動作は、基板104上の反応生成物の最適な堆積を提供するように設定される。この振動又は往復動作は、所望のデポジション結果を得るために、可変又は固定の振幅及び速度を有する。デポジションモジュール400及び500の振動動作の振幅は、一般に、コンベヤ106又は基板104に対して横方向408での端から端までに振動又は往復する距離として定義される。好ましくは、デポジションモジュール400は、距離402又は404(より大きい方により)と等しい振幅で振動又は往復する。デポジションモジュール500については、距離502と等しい振幅で振動又は往復する。これらは振幅の一例であり、所望のデポジション結果を得るために他の振幅が使用されてもよい。
【0040】
さらに、デポジションモジュール400及び500は、所望の周波数で振動又は往復する。この周波数は、通常、デポジションモジュール400及び500が、基板104又はコンベヤ106を横切って後方及び前方に所定時間に振動する回数として定義される。さらに、振動又は往復動作の結果、デポジションモジュール400及び500は、基板104又はコンベヤ106を横切って後方及び前方に所望の速度で移動するであろう。
【0041】
さらに、振動動作の速度及び周波数は、さらにコンベヤ106の速度によって決定してもよい。例えば、コンベヤ106の速度が遅い場合は、振動動作の速度及び周波数もまた遅くなるであろう。逆に、コンベヤ106の速度が速い場合は、振動動作の速度及び周波数もまた速くなるであろう。さらにまた、振動動作の速度及び周波数が固定の間にコンベヤ106の速度が変化する場合は、厚さの異なる反応生成物が基板104上で得られるであろう。また、特定のデポジションモジュール上で、より少ない誘導結合プラズマトーチ102が採用された場合は、横方向408の振幅はより大きくなるであろう。反対に、特定のデポジションモジュール上で、より多くの誘導結合プラズマトーチ102が採用された場合は、横方向408の振幅はより小さくなるであろう。
【0042】
組み合わせて、横方向408に沿った振動動作のこれらの特徴は、基板104上の反応生成物の望ましいデポジション結果を提供する。これらの特徴は、所望のデポジション結果を得るために、デポジションプロセスに先立って又はその間に設定され又は調整される。例えば、デポジションモジュール400は、デポジションモジュール500より少ない誘導結合プラズマトーチ102を含み、距離502及び504の間隔は、デポジションモジュール400の距離402,404,406より大きい。これらのより大きい距離及びより少ない誘導結合プラズマトーチ102のため、デポジションモジュール500の振動動作は、デポジションモジュール400より大きい速度及び周波数を有するであろう。振動動作のこれらの特徴のすべては、基板104上の反応生成物の最適なデポジション厚さを提供する特定用途のために最適化される。一般に、振幅は、ここで述べたように、デポジションモジュール400及び500が移動する距離に等しく、周波数時間は、完全な振動サイクルの時間に等しい。したがって、振動速度は、振幅を周波数時間で割ることによって計算される。
【0043】
距離402,404,及び406は、所望の堆積速度、及びカバレイジ、デポジション厚さ、デポジションの均一性、コンベヤ106の速度、誘導結合プラズマトーチ102の数、誘導結合プラズマトーチ102の向きなどを含むいくつかの要因に応じて同じか又は異なる。同様に、距離502及び504は、これらの要因に応じて同じか又は異なる。
【0044】
デポジションモジュール400及び500は、図3に示すようにデポジションモジュール200と同様に間隔を空けて置かれ、必要な用途に応じて、それらはお互いに隣接している。さらに、各デポジションモジュール200,400,500は、同一又は異なる反応生成物の堆積のために、基板104が後のデポジションモジュール200へ移動する前に、特定の基板104上に特定の反応生成物を堆積する。一実施形態では、1つのデポジションモジュール200,400,500が、1種類の材料又は反応生成物を堆積し、他のデポジションモジュール200,400,500が、他の種類の材料又は反応生成物を堆積する。層の厚さを積み重ねるため、複数のデポジションモジュール200,400,500を同じ材料を堆積するのに使用することも可能である。設計に応じて、コンベヤ106の真上に配置されている異なるデポジションモジュール200,400,500から、真性又はドープされた材料が堆積されることが可能である。
【0045】
本発明のさらに他の実施形態では、各デポジションモジュールの列は、お互いに関して振動又は往復してもよい。例えば、図4に示すように、前列で構成される3つの前方の誘導結合プラズマトーチ102は、デポジションモジュール400の後列の2つの誘導結合プラズマトーチ102に対して振動又は往復してもよい。一形態では、後方の2つの誘導結合プラズマトーチ102が距離又は振幅402で振動又は往復している間に、前方の3つの誘導結合プラズマトーチ102が定常に留まる。別の形態では、後方の2つの誘導結合プラズマトーチ102が定常に留まっている間に、前方の3つの誘導結合プラズマトーチ102が距離又は振幅404で振動又は往復してもよい。さらに別の形態では、所望のデポジションカバレイジを提供するために、後方の2つの誘導結合プラズマトーチ102が距離又は振幅402の半分で振動又は往復している間に、前方の3つの誘導結合プラズマトーチ102が距離又は振幅404の半分で振動又は往復してもよい。
【0046】
同様に、図5を参照して、前列を構成する前方の2つの誘導結合プラズマトーチ102が、デポジションモジュール500の後列の誘導結合プラズマトーチ102に対して振動又は往復してもよい。したがって、特定のデポジションモジュール内で、誘導結合プラズマトーチ102の列は、他の誘導結合プラズマトーチ102の列に関連して振動又は往復する。一形態では、前列を構成する前方の2つの誘導結合プラズマトーチ102は、デポジションモジュール400の後列の2つの誘導結合プラズマトーチ102に関連して振動又は往復する。一形態では、後方の誘導結合プラズマトーチ102がある距離又は振幅で振動又は往復している間に、前方の2つの誘導結合プラズマトーチ102は定常に留まる。別の形態では、後方の誘導結合プラズマトーチ102が定常に留まっている間に、前方の2つの誘導結合プラズマトーチ102が距離又は振幅502で振動又は往復する。さらに別の形態では、所望のデポジションカバレイジを提供するために後方の誘導結合プラズマトーチ102がある距離又は振幅の半分で振動又は往復している間に、前方の2つの誘導結合プラズマトーチ102が距離又は振幅508の半分で振動又は往復する。
【0047】
本発明のさらに別の実施形態では、1つの誘導結合プラズマトーチ102が上述のように振動する。この実施形態では、コンベヤ106は、連続的な動きではなく、ステップ単位で動く。例えば、コンベヤ106は、デポジションモジュールに関連する距離で基板104を動かし、デポジションモジュールは、基板104の一方側で始まり他方側へ横断して、基板104の全域を振動又は往復する。そして、コンベヤ106は、デポジションモジュールにより、基板104を別の距離で動かし、基板表面の別の横断のために止める。各ステップの距離は、誘導結合プラズマトーチ102の直径に依存する。本発明の別の形態では、コンベヤが連続的に又はステップ単位で動いている間に各パス上で特定の反応生成物を堆積している間に、単一又は複数の誘導結合プラズマトーチ102が基板104全域でいくつかの振動又は往復を行う。
【0048】
反応生成物は、誘導結合プラズマトーチ102の存在下で、前駆ガスソースの反応によって生成される。誘導結合プラズマトーチ102は、好ましくは、プラズマを形成するのに不活性プラズマソースガスを使用する。ここで、基板104上に反応生成物を堆積するために、反応は前駆ガスソースと誘導結合プラズマトーチ102との間で起こる。いくつかの例示的なプラズマソースガスとしては、シラン、水素、メタン、ジボラン、トリメチルボロン、ホスフィン、及びそれらの混合物を含む。前駆ガスソースは、ガス、蒸気、煙霧剤、微粒子、又は粉末等を含み、または追加的に形成される。例えば、所望のデポジション長を達成するために、1メートル幅又はそれ以上の幅をカバーして連続的にコンベヤを動かして誘導結合プラズマトーチ102を振動又は往復することにより、厚さ数ミクロンの薄膜を堆積することが可能である。
【0049】
反応生成物は、好ましくは、単一元素、化合物、又は元素又は化合物の混合物であり、銅、インジウム、ガリウム、セレン、シリコン、真性I型層、p型ドープシリコン層、及びn型ドープシリコンなどの元素及び化合物を含む。一実施形態では、反応生成物は、太陽電池に見出せる銅・インジウム・ガリウム・二セレン化物(CIGS)層である。
【0050】
一般的な太陽電池は、p−i−n又はn−i−p層構造を有する。さらに、シリコン太陽電池の個々の層は、以下の化学物質で形成される。
【0051】
真性シリコン(i型層)のために、シラン(SiH4)は、これらのシリコン層に使用される最も一般的な材料である。さらに、水素(H2)もまた、所望のSi:Hi型層を形成するガス流に付加される。p型ドープシリコンのために、例えば、SiH4、CH4、及びB26ガス混合物、又はSiH4、H2、及びトリメチルボロンB(CH33ガス混合物が使用される。n型ドープシリコンのために、例えば、SiH4、及びPH3ガス混合物、又はSiH4、H2、及びPH3ガス混合物が使用される。
【0052】
基板104は、太陽電池の分野で広く知られている寸法を含んだいかなる必要な寸法でもよい。好ましくは、基板は、例えばアサヒなどの酸化スズ被覆ガラス、又はコーニング1737などのモリブデン被覆ガラスから作られる。
【0053】
このプラズマデポジション装置の上記の形態及び実施形態に加えて、本発明は、さらに、これらの太陽電池を製造する方法を含んでいる。図6は、このようなプロセスの一実施形態600のフロー図を示す。ステップ602で、1つの基板104又は複数の基板104が、コンベヤ106上に置かれる。ステップ604で、基板104上への反応生成物の最適なデポジションのためにコンベヤ106の温度が適当な温度に制御される。ステップ606で、基板104上へ反応生成物を堆積するための最適な圧力を得られるように、デポジションチャンバ302内の部分圧が制御される。
【0054】
ステップ608で、誘導結合プラズマトーチ102が初期化される。このステップは、プラズマガス入口120へのプラズマガス供給のフローの初期化と、誘導コイル114へ電気を供給することによりプラズマ点火することを含んでもよい。さらに、ステップ608は、基板104又は複数の基板104上のデポジション中に所望の反応生成物を生成するのに使用される前駆ガスソースの選択を含んでもよい。また、ステップ608は、複数の誘導結合プラズマトーチがデポジションモジュール200内などに使用される場合、他のすべての誘導結合プラズマトーチ102を初期化することを含んでもよい。
【0055】
ステップ610で、誘導結合プラズマトーチ102が基板104上に反応生成物を堆積する。ステップ612で、誘導結合プラズマトーチ102によって反応生成物の他の層が堆積されるべきか否かという問い合わせがなされる。ステップ612の回答が“no”の場合は、処理は終了する。この問い合わせの回答が“yes”の場合は、ステップ613の他の問い合わせがなされる。ステップ613の問い合わせの回答が“no”の場合は、プロセスはステップ616へ進み、反応生成物の他の薄膜層を堆積する前に誘導結合プラズマトーチ102と基板104との間の距離が調節される。好ましくは、このステップは、ステップ610に戻って次に続く。上述のように、ステップ610は、同時に、1つ以上の誘導結合プラズマトーチ102で薄膜反応生成物層を均一に堆積することを含んでいる。ステップ613の問い合わせの回答が“yes”の場合は、ステップ614へ進み、コンベヤ106は、隣の誘導結合プラズマトーチ102又はデポジションモジュール200の複数の誘導結合プラズマトーチ102の方へ、その基板104又は複数の基板104を移動し、基板104又は複数の基板104上に反応生成物の次の層が堆積される。好ましくは、そしてプロセスがステップ612に戻り、その基板104又は複数の基板104上に反応生成物の他の層が堆積されるべきか否かという他の問い合わせがなされる。所望の数、種類及び厚さの反応生成物が、その基板104又は複数の基板104上に堆積されるまで、このプロセスが繰り返される。
【0056】
図7は、他のプロセスの実施形態700のフロー図を示す。ステップ702でコンベヤ106が起動し、ステップ704で、基板104上の反応生成物の最適なデポジションのための適当な温度になるようにコンベヤ106の温度が制御される。ステップ706で、基板104上の反応生成物のデポジションのための最適な圧力を供給するように、デポジションチャンバ302内の圧力が制御される。
【0057】
ステップ708で、誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102が初期化される。このステップは、プラズマガス入口120へのプラズマガス供給のフローの初期化と、誘導コイル114へ電気を供給することによりプラズマ点火することを含んでもよい。さらに、ステップ708は、基板104又は複数の基板104上のデポジション中に所望の反応生成物を生成するのに使用される前駆ガスソースの選択を含んでもよい。
【0058】
ステップ710で、前駆ガスソースが、誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102に注入される。一実施形態では、反応生成物層がすでに堆積された基板104の厚さ、組成、及び/又は特性をオフラインで測定することにより、前駆ガスソースのフローが設定され又は最適化されるようにしてもよい。厚さ、組成、及び/又は特性が設計標準内でない場合は、前駆ガスソース及び/又は前駆ガスソースのフロー速度が調節される。ステップ712で、誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102のプラズマ炎が安定化される。
【0059】
ステップ714で、追加の誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102が初期化されて安定化されるべきかという問い合わせがなされる。もしそうであるならば、プロセスは好ましくは、ステップ708へ戻って、誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102又はデポジションモジュール200が初期化される。ステップ714の問い合わせの回答が“no”の場合は、ステップ716の他の問い合わせがなされる。この問い合わせでは、追加のデポジションモジュール200が初期化されて安定化される。この問い合わせに対する回答が“no”の場合は、プロセスは、好ましくは、ステップ718へ進み、コンベヤ106上に基板104が載せられる。この後、ステップ720に進み、誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102と基板104との間の距離が調節される。
【0060】
ステップ722で、誘導結合プラズマトーチ102又はデポジションモジュール200の複数の誘導結合プラズマトーチ102が、基板104上に反応生成物を堆積する。ステップ724で、誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102によって反応生成物の他の層が堆積されるべきか否かという問い合わせがなされる。ステップ724の回答が“no”の場合は、プロセスは、好ましくは終了する。ステップ724の回答が“yes”の場合は、ステップ726の他の問い合わせがなされる。ステップ726では、基板104上に異なる反応生成物の薄膜層が堆積されるべきかという問い合わせがなされる。問い合わせに対する回答が“no”の場合は、好ましくは、プロセスはステップ720に戻り、誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102と基板104又は複数の基板104との間の距離が調節され、ステップ722の他の反応生成物層のデポジションに続く。ステップ726の問い合わせに対する回答が“yes”の場合は、ステップ728でコンベヤ106は、好ましくは、基板104又は複数の基板104を、隣の誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102又はデポジションモジュール200の方へ移動する。そして、ステップ730で、基板104又は複数の基板104上に反応生成物の次の層を、誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102が堆積し、またはデポジションモジュール200が堆積する。
【0061】
ステップ732で、反応生成物の他の薄膜層が堆積されるべきかという他の問い合わせがなされる。この問い合わせに対する回答が“yes”の場合は、プロセスは好ましくはステップ726に戻る。この問い合わせに対する回答が“no”の場合は、好ましくは、プロセスは終了し、基板104又は複数の基板104がコンベヤ106から取り除かれる。
【0062】
太陽電池を製造するこの方法の他の形態では、コンベヤ温度、デポジションチャンバ圧力、前駆ガスソースの組成、及び/又は1つ以上の誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102又はデポジションモジュール200への前駆ガスソースのフロー速度などの上記のプロセスパラメータのいずれかを調整することを決定するために、基板104は、デポジションプロセスの厚さ、組成、及び/又は特性を測定するために上記の時間以外にプロセスから取り除かれる。
【0063】
図8は、他のプロセスの実施形態800のフロー図を示す。ステップ802で、コンベヤ106が起動し、ステップ804で、基板104上の反応生成物の最適なデポジションのためにコンベヤ106の速度と温度が制御される。ステップ806で、基板104上の反応生成物のデポジションのために最適な圧力を供給するように、デポジションチャンバ302内の圧力が制御される。
【0064】
ステップ808で、誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102が初期化される。このステップは、プラズマガス入口120へのプラズマガスの供給のフローを初期化することと、誘導コイル114への電気の供給によるプラズマ点火とを含む。さらに、ステップ808はまた、基板104又は複数の基板104上のデポジション中に所望の反応生成物を生成するのに使用される前駆ガスソースの選択を含んでもよい。
【0065】
ステップ810で、基板104又は複数の基板104全域の所望のデポジションカバレイジを得るのに充分な振幅、速度、及び周波数を提供するために、1つ以上のデポジションモジュール400及び500が横方向に振動又は往復する。ステップ812で、前駆ガスソースが、誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102に注入される。一実施形態では、反応生成物層がすでに堆積された基板104の厚さ、組成、及び/又は特性をオフラインで測定することにより、前駆ガスソースのフローが設定され又は最適化されるようにしてもよい。厚さ、組成、及び/又は特性が設計標準内でない場合は、前駆ガスソース及び/又は前駆ガスソースのフロー速度が調節される。誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102のプラズマ炎が安定化される。
【0066】
ステップ814で、誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102によって反応生成物の他の層が堆積されるべきか否かという問い合わせがなされる。ステップ814の回答が“no”の場合は、好ましくは、処理が終了する。ステップ814の回答が“yes”の場合は、ステップ815の他の問い合わせがなされる。ステップ815で、反応生成物の異なる薄膜層が基板104上に堆積されるべきか否かという問い合わせがなされる。この問い合わせに対する回答が“no”の場合は、好ましくは、プロセスはステップ818へ戻り、誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102と基板104又は複数の基板104との間の距離が調節され、ステップ812の他の反応生成物層のデポジションに続く。ステップ815の問い合わせに対する回答が“yes”の場合は、ステップ816で、好ましくは、コンベヤ106が、基板104又は複数の基板104を隣の誘導結合プラズマトーチ102又はデポジションモジュール400及び500の複数の誘導結合プラズマトーチ102の方へ移動する。そして、ステップ814、815、818、及び812で、基板104又は複数の基板104上に次の反応生成物の層を、誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102が堆積し、又はデポジションモジュール400及び500が堆積する。
【0067】
太陽電池を製造するこの方法の他の形態では、コンベヤ温度、デポジションチャンバ圧力、前駆ガスソースの組成、及び/又は1つ以上の誘導結合プラズマトーチ102又は複数の誘導結合プラズマトーチ102又はデポジションモジュール400及び500への前駆ガスソースのフロー速度などの上記のプロセスパラメータのいずれかを調整することを決定するために、基板104は、デポジションプロセスの厚さ、組成、及び/又は特性を測定するために上記の時間以外にプロセスから取り除かれる。
【0068】
太陽電池を製作するプラズマデポジション装置及び方法の好適な実施形態であると現在考えられるものを説明してきたが、本プラズマデポジション装置は、その精神又は本質的特徴から逸脱することなしに、他の特定の形態で具体化することができることが理解されるであろう。例えば、太陽電池を製作する本プラズマデポジション装置及び方法の精神又は本質的特徴から逸脱することなしに、追加のプラズマトーチ又はデポジションモジュールの異なる構成、ここで説明したそれら以外が使用されることが可能である。したがって、本実施形態は、あらゆる面で、実例であり限定的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記の説明よりもむしろ添付されたクレームによって示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池を製作するためのプラズマデポジション装置であって、
基板を支持する手段と、
反応物を供給する手段と、
前記基板上に生成物を堆積するプラズマトーチ手段と、を備え、
前記プラズマトーチ手段が、前記基板からある距離に置かれていることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項2】
請求項1において、
堆積される前記太陽電池が、シリコン薄膜太陽電池であることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項3】
請求項1において、
堆積される前記太陽電池が、銅・インジウム・ガリウム・二セレン化(CIGS)薄膜太陽電池であることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記反応物が、ガス、蒸気、煙霧、微粒子、及び粉末からなる群から選ばれる形態であることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記プラズマを形成するガスがアルゴンガスであることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記生成物が、シラン、水素、メタン、ジボラン、トリメチルボロン、ホスフィン、及びこれらの混合から選ばれるガスによって生成されることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記生成物が、銅、インジウム、ガリウム、セレン、及びこれらの混合からなる群から選ばれる化学物質を含む反応物から生成されることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項8】
請求項1において、
前記基板が、酸化スズ被覆ガラス、及びモリブデン被覆ガラスからなる群から選ばれることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項9】
請求項1において、
前記距離は、前記プラズマトーチ手段と前記基板との間が約30〜55mmであることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項10】
太陽電池を製作するためのプラズマデポジション装置であって、
少なくとも1つの基板を支持するための長手方向軸を有するコンベヤと、
前記少なくとも1つの基板の上に反応生成物の層を堆積するための少なくとも1つのプラズマトーチをそれぞれ有する少なくとも2つのモジュールと、
前記コンベヤと、前記少なくとも2つのモジュールとを含むためのチャンバと、
排気システムと、を備え、
前記少なくとも1つのプラズマトーチは、前記少なくとも1つの基板からある距離に置かれていることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記チャンバは、入口と、前記チャンバの外部環境から前記チャンバを切り離すための入口ガスカーテンと、出口と、前記チャンバの外部環境から前記チャンバを切り離すための出口ガスカーテンと、をさらに備えることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記入口ガスカーテン及び前記出口ガスカーテンは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、及びこれらの混合からなる群から選ばれる不活性ガスを含むことを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項13】
請求項10において、
前記排気システムは、副産ガス及び粒子を前記チャンバから取り除くための排気口をさらに備えることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項14】
請求項10において、
前記排気システムは、前記チャンバ内の部分圧を制御することを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項15】
請求項10において、
前記少なくとも1つのプラズマトーチは、前記少なくとも1つの基板の上に前記反応生成物を堆積するために、前記コンベヤの前記長手方向軸に対して直角の列に配置されていることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項16】
請求項10において、
前記コンベヤは、前記少なくとも1つの基板の上の前記反応生成物の最適な堆積温度を維持するように温度が制御されることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項17】
請求項10において、
前記少なくとも1つのプラズマトーチは、誘導結合プラズマトーチであることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項18】
請求項10において、
前記少なくとも2つのモジュールは、前記チャンバ内の異なる場所にある複数の前記基板の上に前記反応生成物を堆積することを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項19】
請求項10において、
前記コンベヤは、前記少なくとも1つの基板を前記入口から前記出口へ移動することを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項20】
請求項10において、
前記コンベヤは、連続的な堆積プロセスを提供するために、前記少なくとも2つのモジュールに対して前記少なくとも1つの基板を移動することを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項21】
請求項10において、
前記反応生成物は、前記少なくとも2つのモジュールの異なるモジュールから堆積されるn型ドーパント及びp型ドーパントを含むことを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項22】
請求項10において、
前記反応生成物は、前記少なくとも2つのモジュールの異なるモジュールから堆積される少なくとも2つの異なる反応生成物を含むことを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項23】
請求項10において、
前記少なくとも2つのモジュールは、前記コンベヤに沿って前記少なくとも1つの基板の上に連続して前記反応生成物を堆積することを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項24】
請求項10において、
前記太陽電池は、p−i−n型及びn−i−p型の層構造からなる群から選ばれることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項25】
太陽電池を製作するためのプラズマデポジション装置であって、
少なくとも1つの基板を支持するための長手方向軸を有するコンベヤと、
前記少なくとも1つの基板の表面の少なくとも1つの軸の実質上すべての上に反応生成物の層を堆積するための前記長手方向軸と交差する少なくとも1つの高周波数誘導結合プラズマトーチの第1の列を有するモジュールと、
前記少なくとも1つの高周波数誘導結合プラズマトーチに接続されたプラズマガスソースと、
前記少なくとも1つの高周波数誘導結合プラズマトーチに接続された前記反応生成物の層の前駆化学ソースと、
前記コンベヤ及び前記モジュールを含むためのチャンバと、
排気システムと、を備え、
前記少なくとも1つの高周波数誘導結合プラズマトーチは、前記少なくとも1つの高周波数誘導結合プラズマトーチのそれぞれを包囲する誘導コイルを備え、
前記誘導コイルは、前記少なくとも1つの基板からある距離に置かれていることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項26】
請求項25において、
前記少なくとも1つの基板の表面の少なくとも1つの軸の実質上すべての上に反応生成物の層を堆積するための前記少なくとも1つの高周波数誘導結合プラズマトーチの第1の列の隣に置かれた少なくとも1つの高周波数誘導結合プラズマトーチの第2の列をさらに備えていることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項27】
請求項25において、
前記コイルと前記少なくとも1つの基板との間の前記距離は、約30〜55mmの間であることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項28】
請求項26において、
前記少なくとも1つの高周波数誘導結合プラズマトーチは、前記少なくとも1つの高周波数誘導結合プラズマトーチに前記前駆ガスソースを注入するための前記前駆ガスソースに接続された少なくとも1つの注入口をさらに含むことを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項29】
請求項25において、
前記少なくとも1つの高周波数誘導結合プラズマトーチは、外部の石英管と、内部の石英管と、前記外部の石英管及び前記内部の石英管に接続されたチャンバと、を備え、
前記プラズマガスソースは、前記プラズマガスソースを前記外部の石英管と前記内部の石英管との間に供給するために、前記チャンバに接続されていることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項30】
請求項29において、
前記外部の石英管は、約180〜400mmの長さを有することを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項31】
請求項29において、
前記外部の石英管は、約50〜90mmの直径を有することを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項32】
請求項29において、
前記内部の石英管は、約120〜180mmの長さを有することを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項33】
請求項29において、
前記内部の石英管は、約50〜70mmの直径を有することを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項34】
請求項25において、
前記誘導コイルは、前記外部の石英管の直径より大きい直径を有し、それぞれ約2〜10mmの間隔が空いている複数の巻線を備えていることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項35】
請求項25において、
前記誘導コイルと前記少なくとも1つの基板との間の前記距離は、約30〜55mmであることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項36】
請求項25において、
前記誘導コイルに接続された高周波数ジェネレータをさらに備えていることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項37】
請求項25において、
前記少なくとも1つの高周波数誘導結合プラズマトーチの第1の列と、前記少なくとも1つの高周波数誘導結合プラズマトーチの第2の列とは、相対して振動することを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項38】
デポジションチャンバ内で基板上に太陽電池の層を形成する方法であって、
前記基板を支持する工程と、
前記基板から30〜55mmの距離離れているコイルを備え、かつ、前記基板の1つの側の表面領域に沿って配置可能に選択された高周波数誘導結合プラズマトーチを用意する工程と、
前記コイル内でプラズマを形成するために、前記高周波数誘導結合プラズマトーチに、本質的に不活性ガスからなるプラズマガスを導入する工程と、
前記高周波数誘導結合プラズマトーチ内に前駆化学ソースを注入する工程と、
前記基板と前記コイルとの間の間隔を維持しつつ、前記基板上に、前記高周波数誘導結合プラズマトーチと前駆ガスソースとで前記反応生成物を堆積する工程と、を有することを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項39】
請求項38において、
前記チャンバ内の部分圧力を調節する工程をさらに有することを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項40】
請求項38において、
前記チャンバ内の部分圧力を排気する工程をさらに有することを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項41】
請求項38において、
前記チャンバ内の部分圧力を制御する工程をさらに有することを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項42】
請求項38において、
前記基板上の前記反応生成物の最適な堆積温度を維持するために、前記基板の温度を制御する工程をさらに有することを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項43】
請求項38において、
前記反応生成物は、真性の及びドープされたシリコンの薄膜層、及び銅・インジウム・ガリウム・二シラン化合物(CIGS)からなる群から選ばれることを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項44】
デポジションチャンバ内で少なくとも1つの基板上に太陽電池の層を形成する方法であって、
長手方向軸を有するコンベヤ上で前記少なくとも1つの基板を支持する工程と、
前記コンベヤの前記長手方向軸に沿って、お互いに離れて置かれた少なくとも2つのモジュールを用意する工程と、
前記コイル内でプラズマを形成するために、前記高周波数誘導結合プラズマトーチに、本質的に不活性ガスからなるプラズマガスを導入する工程と、
前記高周波数誘導結合プラズマトーチ内に前駆化学ソースを注入する工程と、
前記基板と前記コイルとの間の間隔を維持しつつ、前記基板上に、前記高周波数誘導結合プラズマトーチと前駆ガスソースとで前記反応生成物を堆積する工程と、
前記少なくとも1つの基板を前記長手方向軸に沿って移動する工程と、を有し、
前記少なくとも2つのモジュールのそれぞれは、前記少なくとも1つの基板上に反応生成物を堆積するための少なくとも1つのプラズマトーチを有し、
前記少なくとも1つのプラズマトーチは、前記少なくとも1つの基板からある距離に置かれており、
前記少なくとも1つのプラズマトーチはコイルを備え、
前記誘導結合プラズマトーチは、前記基板の1つの側の表面領域に沿って配置可能に選択され、
前記コイルは、前記基板から30〜55mmの距離離れている、ことを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項45】
請求項44において、
前記チャンバ内の部分圧力を調節する工程をさらに有することを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項46】
請求項44において、
前記チャンバ内の部分圧力を排気する工程をさらに有することを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項47】
請求項44において、
前記チャンバ内の部分圧力を制御する工程をさらに有することを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項48】
請求項44において、
前記基板上の前記反応生成物の最適な堆積温度を維持するために、前記基板の温度を制御する工程をさらに有することを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項49】
請求項44において、
前記反応生成物は、真性の及びドープされたシリコンの薄膜層、及び銅・インジウム・ガリウム・二シラン化合物(CIGS)からなる群から選ばれることを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項50】
太陽電池を製作するためのプラズマデポジション装置であって、
基板を支持する手段と、
反応物を供給する手段と、
前記基板上に生成物を堆積するプラズマトーチ手段と、
前記基板に対して前記プラズマトーチ手段を振動させる手段と、を備え、
前記プラズマトーチ手段が、前記基板からある距離に置かれていることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項51】
請求項50において、
堆積される前記太陽電池が、シリコン薄膜太陽電池であることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項52】
請求項50において、
堆積される前記太陽電池が、銅・インジウム・ガリウム・二セレン化(CIGS)薄膜太陽電池であることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項53】
請求項50において、
前記反応物が、ガス、蒸気、煙霧、微粒子、及び粉末からなる群から選ばれる形態であることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項54】
請求項50において、
前記プラズマを形成するガスがアルゴンガスであることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項55】
請求項50において、
前記生成物が、シラン、水素、メタン、ジボラン、トリメチルボロン、ホスフィン、及びこれらの混合から選ばれるガスによって生成されることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項56】
請求項50において、
前記生成物が、銅、インジウム、ガリウム、セレン、及びこれらの混合からなる群から選ばれる化学物質を含む反応物から生成されることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項57】
請求項50において、
前記基板が、酸化スズ被覆ガラス、及びモリブデン被覆ガラスからなる群から選ばれることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項58】
請求項50において、
前記距離は、前記プラズマトーチ手段と前記基板との間が約30〜55mmであることを特徴とするプラズマデポジション装置。
【請求項59】
デポジションチャンバ内で少なくとも1つの基板上に太陽電池の層を形成する方法であって、
基板を支持する工程と、
反応物を供給する工程と、
プラズマトーチ手段で前記基板上に生成物を堆積する工程と、
前記基板に対して前記プラズマトーチ手段を振動させる工程と、を有し、
前記プラズマトーチ手段が、前記基板からある距離に置かれていることを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項60】
請求項59において、
堆積される前記太陽電池が、シリコン薄膜太陽電池であることを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項61】
請求項59において、
堆積される前記太陽電池が、銅・インジウム・ガリウム・二セレン化(CIGS)薄膜太陽電池であることを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項62】
請求項59において、
前記反応物が、ガス、蒸気、煙霧、微粒子、及び粉末からなる群から選ばれる形態であることを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項63】
請求項59において、
前記プラズマを形成するガスがアルゴンガスであることを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項64】
請求項59において、
前記生成物が、シラン、水素、メタン、ジボラン、トリメチルボロン、ホスフィン、及びこれらの混合から選ばれるガスによって生成されることを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項65】
請求項59において、
前記生成物が、銅、インジウム、ガリウム、セレン、及びこれらの混合からなる群から選ばれる化学物質を含む反応物から生成されることを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項66】
請求項59において、
前記基板が、酸化スズ被覆ガラス、及びモリブデン被覆ガラスからなる群から選ばれることを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。
【請求項67】
請求項59において、
前記距離は、前記プラズマトーチ手段と前記基板との間が約30〜55mmであることを特徴とする太陽電池の層を形成する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−138611(P2012−138611A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−62538(P2012−62538)
【出願日】平成24年3月19日(2012.3.19)
【分割の表示】特願2009−505481(P2009−505481)の分割
【原出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(508196151)シリカ テック リミテッド ライアビリティ カンパニー (5)
【Fターム(参考)】