説明

平坦化膜用塗布液および平坦化膜

【課題】厚膜でも全くクラックが入らず、さらに耐候性に優れた平坦化膜用塗布液および該塗布液を用いて形成される平坦化膜を提供する。
【解決手段】下記式(1)に示すシルセスキオキサン誘導体を用いて得られる重合体及び溶剤を含有する平坦化膜用塗布液を用いて平坦化膜を作製する。
【化1】


式(1)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y1は式(a−1)、(a−3)、(a−5)、(a−7)、(a−8)または(a−9)で示される基である。Raがビニル、アリルまたはスチリルであって、X11,X13,X15,X17,X19が炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦化膜用塗布液、さらに該塗布液を用いて形成される、耐候性に優れた平坦化膜に関する。
【背景技術】
【0002】
LSIなどの半導体集積回路や、FPDパネル、あるいは液晶プロジェクターなどの製造において、製造過程において生じた凹凸を埋め、平坦化する技術が重要となっている。また、特に液晶プロジェクター等の投射型表示装置で使用される平坦化膜では、平坦化膜に光強度の強い光が照射されることから、平坦化膜の耐候性が非常に重要となっている。
【0003】
従来、このような平坦化膜としては、通常シリカ系皮膜が用いられている。例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)のようなアルコシシシランとアルコールが主成分の有機溶剤から得られる塗布液をSOG法により塗布、焼成することで形成される。しかしこのような無機シリカ膜は、厚膜になればクラックが入るなどの問題を生じる。またTEOSとメチルトリメトキシシランやジメチルジメトキシシランのようなアルキルアルコキシシランとの共加水分解物と有機溶剤からなる塗布液や、ポリメチルシルセスキオキサンとテトラアルキルアンモニウムと有機溶剤からなる塗布液などがある。これらは有機基の存在により、縮合によるひずみが緩和され厚膜にしてもクラックが入りづらくなっている。しかしながら、これらの塗布液を焼成して形成される膜も、焼成工程における、シラノール基やアルコキシ基の縮合により形成されることから、膜のひずみについては本質的な問題を解決しているとは言えず、厚膜になればクラックが入ったり、基板から剥離したりする可能性が残っている。
【0004】
さらに、ポリイミド樹脂を用いた平坦化膜も提案されている。このような有機膜は厚膜にしてもひずみが入りづらく、クラック等の問題は解消される。しかしながらこれは焼成すると平坦性が低下する、埋め込み性が低いなどの問題を抱えており、さらに耐候性が低く、強い光にさらされる環境では使用することが出来ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来技術の有する欠点を解消し、厚膜でも全くクラックが入らず、さらに耐候性に優れた平坦化膜用塗布液および該塗布液を用いて形成される平坦化膜を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、特定の構造を有するシルセスキオキサンについて鋭意研究を行った結果、該シルセスキオキサン誘導体を用いた有機-無機複合平坦化膜は、厚膜でもクラックが入らず、耐候性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は下記の(1)〜(12)の構成に関するものである。
【0008】
(1)式(1−1)で示されるシルセスキオキサン誘導体、及び式(2−1)で示される化合物、式(3−1)で示される化合物、式(4−1)で示される化合物、式(5−1)で示される化合物、式(6−1)で示される化合物、式(7−1)で示される化合物の少なくとも1つを用いて得られる重合体並びに溶剤を含有する平坦化膜用塗布液。
【化1】

式(1−1)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y1は式(a−1)で示される基である。式(a−1)においてRaがビニル、アリルまたはスチリルであって、X11が炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【化2】

式(2−1)において、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X21の少なくとも2つは水素であり、X21の残りはR1である。
【化3】

式(3−1)において、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(c)で示される基である。そして式(c)において、R2はR1
と同様に定義される基であり、mは1〜30の整数である。
【化4】

式(4−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、t−ブチル、iso−ブチル、又はトリフルオロプロピルであり、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X31の少なくとも2つは水素であって、その残りはR1である。
【化5】

式(5−1)において、RおよびR1はそれぞれ式(4−1)におけるRおよびR1と同様に定義される基である。X31の少なくとも2つは水素であって、その残りはR1である。
【化6】

式(6−1)において、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【化7】

式(7−1)において、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
(2)Rが非置換のフェニルである、(1)の平坦化膜用塗布液。
(3)式(1−3)で示されるシルセスキオキサン誘導体と、式(8−3)で示される化合物を用いて得られる重合体および溶剤を含有する平坦化膜用塗布液。
【化8】

(4)Rが非置換のフェニルである、(3)の平坦化膜用塗布液。
(5)式(1−5)で示されるシルセスキオキサン誘導体、及びカルボン酸、カルボン酸無水物、エポキシドの少なくとも1つを用いて得られる重合体、並びに溶剤を含有する平坦化膜用塗布液。
【化9】

式(1−5)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y5は式(a−5)で示される基である。R4は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X15は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。(6)Rが非置換のフェニルである、(5)の平坦化膜用塗布液。
(7)式(1−7)で示されるシルセスキオキサン誘導体と、ジアミンを用いて得られる重合体および溶剤を含有する平坦化膜用塗布液。
【化10】

式(1−7)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y7は式(a−7)もしくは(a−8)のいずれかで示される基である。式(a−7)におけるR4は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。式(a−8)におけるR5は単結合もしくは炭素数1〜20の2価の有機基であり、X17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
(8)Rが非置換のフェニルである、(7)の平坦化膜用塗布液。
(9)式(1−5)で示されるシルセスキオキサン誘導体と式(1−7)で示されるシルセスキオキサン誘導体を用いて得られる重合体および溶剤を含有する平坦化膜用塗布液。
【化11】

式(1−5)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y5は式(a−5)で示される基である。R4は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X15は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【化12】

式(1−7)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y7は式(a−7)もしくは(a−8)のいずれかで示される基である。式(a−7)におけるR4は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。式(a−8)におけるR5は単結合もしくは炭素数1〜20の2価の有機基であり、X17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
(10)Rが非置換のフェニルである、(9)の平坦化膜用塗布液。
(11)式(1−7)で示されるシルセスキオキサン誘導体と式(1−9)で示されるシルセスキオキサン誘導体を用いて得られる重合体および溶剤を含有する平坦化膜用塗布液。
【化13】

式(1−7)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y7は式(a−7)もしくは(a−8)のいずれかで示される基である。式(a−7)におけるR4は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。式(a−8)におけるR5は単結合もしくは炭素数1〜20の2価の有機基であり、X17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【化14】

式(1−9)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y9は式(a−9)で示される基である。R6は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X19は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。(12)Rが非置換のフェニルである、(11)の平坦化膜用塗布液。
更に、前記(1)〜(12)のいずれかの平坦化膜用塗布液を用いて形成される平坦化膜に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の平坦化膜用塗布液より形成される平坦化膜は、厚膜でもクラックが入らず、しかも耐候性に優れていることから、特に液晶プロジェクターのような強い光にさらされる環境で有用に用いることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下の説明においては、本発明における平坦化膜用塗布液を本発明における塗布液または単に塗布液と表記する場合がある。式(1−1)で示される化合物を化合物(1−1)と表記することがある。式(2−1)で示される化合物を化合物(2−1)と表記することがある。他の式で示される化合物についても、同様の方法で簡略化して表記することがある。なお、化合物を示す式において同じ記号で表される基が複数あるときは、定義された基から選ばれる限り、それらは同じ基であってもよいし、異なる基であってもよい。例えば、式(1−1)において、Rは、独立して、非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、t−ブチルから選ばれる基であり、同一の基でも異なる基でもよい。その他の式においても同様である。以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0011】
本発明中のアルキルは、いずれの場合も直鎖の基であってもよく、分岐された基であってもよく、または一部もしくは全てが環状の基であってもよい。また2価の有機基の具体例として、メチレン、エタンジイル、プロパンジイル、ブタンジイル、ペンタンジイル、ヘキサンジイル、ヘプタンジイル、シクロブタンジイル、シクロペンタンジイル、シクロヘキサンジイル、ベンゼンジイル(フェニレン)を挙げることができる。
【0012】
更に、水素原子がフッ素で置換されたジフルオロメチレン、テトラフルオロエタンジイル、ヘキサフルオロプロパンジイル、オクタフルオロブタンジイル、パーフルオロペンタンジイル、パーフルオロヘキサンジイル、パーフルオロヘプタンジイル、ヘキサフルオロシクロブタンジイル、パーフルオロシクロペンタンジイル、パーフルオロシクロヘキサンジイル、フルオロベンゼンジイル(フルオロフェニレン)等の2価の基を挙げることができる。
【0013】
これらの炭化水素基において結合基の位置は任意である。例えば、エタンジイルの場合、1,2−エタンジイルと1,1−エタンジイルの両方の場合を含む。ベンゼンジイルは、1,4−ベンゼンジイル、1,3−ベンゼンジイル、および1,2−ベンゼンジイルの場合を含む。また、これら炭化水素の任意の−CH2−を、酸素、エステル結合、アミド結合あるいはカルボニル基で置換してもよい。このような場合、2個以上の酸素が連続する場合は化学的に不安定であるため好ましくない。
【0014】
本発明の平坦化膜用塗布液に含まれる重合体の第1の態様は、式(1−1)で示されるシルセスキオキサン誘導体、及び式(2−1)で示される化合物、式(3−1)で示される化合物、式(4−1)で示される化合物、式(5−1)で示される化合物、式(6−1)で示される化合物、式(7−1)で示される化合物の少なくとも1つを用いて得られる重合体である。これらの化合物を溶剤及び触媒を用いてヒドロシリル化重合させることにより重合体(重合体1)を得ることができる。
【0015】
【化15】

式(1−1)において、すべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はt−ブチルであり、特に好ましくは非置換のフェニルである。Y1は式(a−1)で示される基であり、Raがビニル、アリルまたはスチリルであって、X11が炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
化合物(1−1)は、国際公開第03/024870号パンフレットに記載されている方法により製造することができる。
化合物(1−1)として具体的には、後述の合成例1、2で示す化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
【化16】

式(2−1)において、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X21の少なくとも2つは水素であり、X21の残りはR1である。
【0017】
【化17】

式(3−1)において、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(c)で示される基である。そして式(c)において、R2はR1
と同様に定義される基であり、mは1〜30の整数である。
【0018】
【化18】

式(4−1)におけるすべてのRは、非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、t−ブチル、iso−ブチル、又はトリフルオロプロピルであり、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X31の少なくとも2つは水素であって、その残りはR1である。
化合物(4−1)は、特開2005-015738号公報に記載されている方法を参照して製造することができる。
化合物(4−1)として具体的には、後述の合成例1、2で示す化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
【化19】

式(5−1)におけるすべてのRは、非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルである。R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。X31の少なくとも2つは水素であって、その残りはR1である。
化合物(5−1)は、国際公開第2004/024741号パンフレットに記載されている方法を参照して製造することができる。
化合物(5−1)として具体的には、後述の合成例1で示す化合物が挙げられるが、これに限定されない。
【0020】
【化20】

式(6−1)において、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
化合物(6−1)として具体的には、後述の合成例2で示す化合物が挙げられるが、これに限定されない。
【0021】
【化21】

式(7−1)において、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【0022】
なお、上記で示した化合物はハイブリッド・プラスチック社から入手することもできる。
【0023】
ヒドロシリル化重合に用いる溶剤は、反応の進行を阻害しないものであれば特に制限されない。好ましい溶剤は、ヘキサンやヘプタンなどの炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン(以下、THF)、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤などである。これらの溶剤は単独で使用しても、その複数を組み合わせて使用してもよい。これらの溶剤の中でも、芳香族炭化水素系溶剤、その中でもトルエンが最も好ましい。溶剤に対する本発明の化合物の好ましい割合は、溶剤の重量に基づいて0.05〜80重量%である。より好ましい割合は20〜50重量%である。
【0024】
ヒドロシリル化重合は室温で実施してもよい。重合を促進させるために加熱してもよい。重合による発熱または好ましくない重合等を制御するために冷却してもよい。ヒドロシリル化重合では、必要に応じて触媒を用いることができる。ヒドロシリル化触媒を添加することによって、重合をより容易に進行させることができる。好ましいヒドロシリル化触媒の例は、カルステッド(Karstedt)触媒、スパイヤー(Spier)触媒、ヘキサクロロプラチニック酸などであり、これらは一般的によく知られた触媒である。これらのヒドロシリル化触媒は、反応性が高いので少量添加すれば十分反応を進めることができる。その使用量は、触媒に含まれる遷移金属のヒドロシリル基に対する割合で、10-9〜1モル%である。好ましい添加割合は10-7〜10-3モル%である。10-9モル%は、重合を進行させることができ、容認できる時間内で終了させるために必要な添加割合の下限である。製造コストを低く抑えることを考慮すれば、この割合は1モル%以下である方がよい。
【0025】
ヒドロシリル化重合により得られる重合体の分子量は3000〜20万が好適である。3000以下では溶剤に溶解しにくく、20万以上では容易にゲル化してしまう。またより好ましくは分子量3000〜20000である。なお本発明における塗布液においては分子量の異なる重合体を2種類以上混合して使用してもよい。
【0026】
本発明の平坦化膜用塗布液に含まれる重合体の第2の態様は、式(1−3)で示されるシルセスキオキサン誘導体と、式(8−3)で示される化合物を用いて得られる重合体である。これらの化合物を溶剤及び触媒を用いて脱水重縮合反応させることにより、重合体(重合体2)が得られる。
【0027】
【化22】

式(1−3)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、特に好ましくは非置換のフェニルである。Y3は式(a−3)で示される基である。式(a−3)においてX13が炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
化合物(1−3)は、国際公開第03/024870号パンフレットに記載されている方法により製造することができる。
化合物(1−3)として具体的には、後述の合成例4で示す化合物が挙げられるが、これに限定されない。
【0028】
【化23】

式(8−3)におけるR1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニル、R3はフェニル、ナフタレン、アントラセンである。
化合物(8−3)として具体的には、後述の合成例4で示す1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本発明における脱水重縮合反応に用いる溶剤は、化合物(1−3)を溶解しやすい、ジエチルエーテル、THF、ジオキサンなどのエーテル系溶剤や酢酸エチルなどのエステル系溶剤と重合体2を溶解しやすい、ヘキサンやヘプタンなどの炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶剤を混合して使用するのが好ましい。ただし両者を溶解できるものであればこれに制限されるわけではない。溶剤に対する本発明の化合物の好ましい割合は、溶剤の重量に基づいて1重量%〜80重量%である。より好ましい割合は20〜50重量%である。
【0030】
本発明における脱水重縮合反応は重合を促進させるために加熱条件下で行われることが好ましい。温度としては40℃以上が好ましく、60〜120℃の範囲がより好ましい。本発明における脱水重縮合反応では、必要に応じて塩基性触媒を用いることができる。これ
らの触媒は、少量添加すれば十分反応を進めることができる。その使用量は、特に限定されるものではないが10-3〜10-1モル%が好ましい。10-3モル%以下だと反応が十分に進行しないことがあり、10-1モル%以上では化合物(1−3)自体が分解してしまうことがある。
【0031】
用いられる塩基触媒は、塩基性物質であれば特に限定されるものではないが、具体例として、テトラメチルグアニジウム−2−エチルヘキサン酸、N,N,N,N−テトラメチルアンモニウムハイドロキシド、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、ジ−iso−プロピルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタンが挙げられる。
【0032】
本発明における重縮合反応で得られる重合体の分子量は3000〜20万が好適である。3000以下では溶媒に溶解しにくく、20万以上では溶剤に対する溶解性が低下してしまう。またより好ましくは分子量3000〜20000である。本発明における塗布液においては分子量の異なる重合体を2種類以上混合して使用してもよい。
【0033】
本発明の平坦化膜用塗布液に含まれる重合体の第3の態様は、式(1−5)で示されるシルセスキオキサン誘導体と、カルボン酸、カルボン酸無水物、エポキシドを用いて得られる重合体である。化合物(1−5)をカルボン酸、カルボン酸無水物、エポキシのいずれかもしくは2種類以上と有機溶媒中で反応させることにより重合体(重合体3)を得ることができる。
【0034】
【化24】

式(1−5)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、t−ブチルであり、特に好ましくは非置換のフェニルである。Y5は式(a−5)で示される基である。R4は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X15は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
化合物(1−5)は、国際公開第03/024870号パンフレットに記載されている方法により製造することができる。
化合物(1−5)として具体的には、後述の合成例3で示す化合物が挙げられるが、これに限定されない。
【0035】
重合体3において用いられるカルボン酸はテトラカルボン酸もしくはジカルボン酸より選ばれる多価のカルボン酸である。本発明におけるテトラカルボン酸は、テトラカルボン酸
の他、テトラカルボン酸のエステルもしくは酸ハライドであってもかまわない。ジカルボン酸も同様である。
【0036】
テトラカルボン酸は、脂肪族系、脂環式系、芳香族系のいずれの群に属するものであってもよい。これらはシロキサン基を含むものであっても光学活性であってもよい。テトラカルボン酸には異性体が存在するものもあるが、それらを含む混合物であってもよい。2つ以上のテトラカルボン酸を併用してもよい。2つ以上のテトラカルボン酸を用いるときには、同じ種類から2つ以上を選択してもよいし、異なる種類からそれぞれ少なくとも1つを選択してもよい。
【0037】
ジカルボン酸は、脂肪族系、脂環式系、芳香族系のいずれの群に属するものであってもよい。これらはシロキサン基を含むものであっても光学活性であってもよい。ジカルボン酸には異性体が存在するものもあるが、それらを含む混合物であってもよい。2つ以上のジカルボン酸を併用してもよい。2つ以上のジカルボン酸を用いるときには、同じ種類から2つ以上を選択してもよいし、異なる種類からそれぞれ少なくとも1つを選択してもよい。なお、本発明に使用するジカルボン酸を下記に例示するが、下記の例示化合物に限定されるものではない。
【0038】
脂肪族ジカルボン酸の例は、マロン酸、蓚酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ムコン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライイン酸、セバシン酸、およびスベリン酸である。
【0039】
脂環式系のジカルボン酸の例は、1,1−シクロプロパンジカルボン酸、1,2−シクロプロパンジカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、3,4−ジフェニル−1,2−シクロブタンジカルボン酸、2,4−ジフェニル−1,3−シクロブタンジカルボン酸、1−シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロブテン−3,4−ジカルボン酸、1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−(2−ノルボルネン)ジカルボン酸、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボン酸、2,5−ジオキソ−1,4−ビシクロ[2.2.2]オクタンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、4,8−ジオキソ−1,3−アダマンタンジカルボン酸、2,6−スピロ[3.3]ヘプタンジカルボン酸、1,3−アダマンタン二酢酸、およびカンファー酸である。
【0040】
芳香族ジカルボン酸の例は、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−アミノイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、テトラメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−アントラセンジカルボン酸、1,4−アントラキノンジカルボン酸、2,5−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸、1,5−ビフェニレンジカルボン酸、4,4"−タ−フェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルプロパンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルヘキサフルオロプロパンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ビベンジルジカルボン酸、4,4'−スチルベンジカルボン酸、4,4'−トランジカルボン酸、4,4'−カルボニル二安息香酸、4,4'−スルホニル二安息香酸、4,4'−ジチオ二安
息香酸、p−フェニレン二酢酸、3,3'−p−フェニレンジプロピオン酸、4−カルボキシ桂皮酸、p−フェニレンジアクリル酸、3,3'−(4,4'−(メチレンジ−p−フェニレン))ジプロピオン酸、4,4'−(4,4'−(オキシジ−p−フェニレン))ジプロピオン酸、4,4'−(4,4'−(オキシジ−p−フェニレン))二酪酸、(イソプロピリデンジ−p−フェニレンジオキシ)二酪酸、およびビス(p−カルボキシフェニル)ジメチルシランである。
【0041】
複素環を含むジカルボン酸の例は、1,5−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸、3,4−フランジカルボン酸、4,5−チアゾールジカルボン酸、2−フェニル−4,5−チアゾールジカルボン酸、1,2,5−チアジアゾール−3,4−ジカルボン酸、1,2,5−オキサジアゾール−3,4−ジカルボン酸、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、3,4−ピリジンジカルボン酸、および3,5−ピリジンジカルボン酸である。
【0042】
重合体3において用いられるカルボン酸無水物はテトラカルボン酸二無水物より選ばれる二価のカルボン酸無水物である。テトラカルボン酸二無水物は、脂肪族系、脂環式系、芳香族系のいずれの群に属するものであってもよい。これらはシロキサン基を含むものであっても光学活性であってもよい。テトラカルボン酸二無水物には異性体が存在するものもあるが、それらを含む混合物であってもよい。2つ以上のテトラカルボン酸二無水物を併用してもよい。2つ以上のテトラカルボン酸を用いるときには、同じ種類から2つ以上を選択してもよいし、異なる種類からそれぞれ少なくとも1つを選択してもよい。なお、本発明に使用するテトラカルボン酸二無水物を下記に例示するが、下記の例示化合物に限定されるものではない。
【0043】
脂肪族テトラカルボン酸二無水物の例は、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物である。脂環式系テトラカルボン酸二無水物の例は、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロヘプタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロオクタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3、4−ジカルボキシ−1、2、3、4−テトラヒドロナフタレン−1−琥珀酸二無水物、3,3'−ビシクロヘキシル−1,1',2,2'−テトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、およびテトラシクロ[6.2.11,3.02,7]ドデカン−4,5,9,10−テトラカルボン酸二無水物である。
【0044】
芳香族テトラカルボン酸二無水物の例は、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン酸二無水物(2,3,6,7−ナフタレン酸無水物等)、3,3'−4,4'−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、3,3'−4,4'−ジフェニルエタンテトラカルボン酸二無水物、3,3'−4,4'−ジフェニルプロパンテトラカルボン酸二無水物、3,3'−4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルメチル)ジフェニルメタン二無水物、4,4'−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニルメチル)ジフェニルエタン二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルメチル)ジフェニルプロパン二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタン二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエタン二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3',4,4'−パ−フルオロプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルスルフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4'−ジフェニルエ−テル二無水物、およびビス(トリフェニルフタル酸)−4,4'−ジフェニルメタン二無水物である。
【0045】
重合体3において用いられるエポキシドは脂肪族、脂環式系、芳香族のいずれの群に属するものであってもよく、またこれらはシロキサン基を含むものであっても光学活性であってもよい。また、エポキシドには異性体が存在するものもあるが、それらを含む混合物であってもよい。2つ以上のエポキシドを併用してもよい。そして、2つ以上のエポキシドを用いるときには、同じ種類から2つ以上を選択してもよいし、異なる種類からそれぞれ少なくとも1つを選択してもよい。
【0046】
本発明の平坦化膜用塗布液に含まれる重合体の第4の態様は、式(1−7)で示されるシルセスキオキサン誘導体と、ジアミンを用いて得られる重合体である。これらを有機溶媒中で反応させることにより重合体(重合体4)を得ることができる。
【0047】
【化25】

式(1−7)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、t−ブチルであり、特に好ましくは非置換のフェニルである。Y7は式(a−7)もしくは(a−8)のいずれかで示される基である。R4は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。式(a−7)におけるR5は単結合もしくは炭素数1〜20の2価の有機基であり、式(a−8)における
17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
化合物(1−7)は、国際公開第03/024870号パンフレットに記載されている方法により製造することができる。
化合物(1−7)として具体的には、後述の合成例3,5で示す化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
重合体4において用いられるジアミンとしては、脂肪族、脂環式系、芳香族のいずれの群に属するものであってもよく、またこれらはシロキサン基を含むものであっても光学活性であってもよい。脂肪族ジアミンの例は、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、およびヘキサメチレンジアミンである。これらのアルキレンジアミンにおいて、任意の−CH2−が−O−で置き換えられた構造のジアミンでもよい。また、ジアミンには異性体が存在するものもあるが、それらを含む混合物であってもよい。2つ以上のジアミンを併用してもよい。そして、2つ以上のジアミンを用いるときには、同じ種類から2つ以上を選択してもよいし、異なる種類からそれぞれ少なくとも1つを選択してもよい。なお本発明に使用するジアミンを下記に例示するが、下記の例示化合物に限定されない。
【0049】
脂環式系ジアミンの例は、1,4−ジアミノジシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(2−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、2,5−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,3−ジアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ジアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ジアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,7−ジアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,3−ジアミノ−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ジアミノ−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ジアミノ−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,3−ジアミノ−7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ジアミノ−7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ジアミノ−7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,3−ジアミノビシクロ[2.2.2]オクタン、2,5−ジアミノビシクロ[2.2.2]オクタン、2,6−ジアミノビシクロ[2.2.2]オクタン、2,5−ジアミノビシクロ[2.2.2]オクタン−7−エン、2,5−ジアミノ−7−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,5−ジアミノ−7−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン、2,5−ジアミノ−7−チアビシクロ[2.2.2]オクタン、2,6−ジアミノビシクロ[3.2.1]オクタン、2,6−ジアミノアザビシクロ[3.2.1]オクタン、2,6−ジアミノオキサビシクロ[3.2.1]オクタン、2,6−ジアミノチアビシクロ[3.2.1]オクタン、2,6−ジアミノビシクロ[3.2.2]ノナン、2,6−ジアミノビシクロ[3.2.2]ノナン−8−エン、2,6−ジアミノ−8−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、2,6−ジアミノ−8−オキサビシクロ[3.2.2]ノナン、および2,6−ジアミノ−8−チアビシクロ[3.2.2]ノナンである。
【0050】
芳香族ジアミンの例は、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,6−ジアミノピリジン、ビス−(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、ビス−(4−アミノフェニル)ジフェニルシラン、ビス−(4−アミノフェニル)エチルホスフィンオキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)−N−ブチルアミン、N,N−ビス−(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、N−(3−アミノフェニル)−4−アミノベンズアミド、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、2、2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジ
アミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、1,2−ビス(3−ジアミノフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ジアミノフェニル)エタン、4,4'−ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルエ−テル、3,4'−ジアミノジフェニルエ−テル、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)メタン、1,1−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)エタン、1,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ブタン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルケトン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、1,3−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ベンゼン、4,4'−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ビフェニル、1,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)シクロヘキサン、1,3−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)シクロヘキサン、1,4−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)シクロヘキサン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−カルバモイル−4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−スルファモイル−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−カルボキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−スルファモイル−4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−カルボキシ−4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(2,2−{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス(p−β−メチル−γ−アミノペンチル)ベンゼン、ビスp−(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エ−テル、ビス(4−アミノベンゾルオキシ)メタン、ビス(4−アミノベンゾルオキシ)エタン、ビス(4−アミノベンゾルオキシ)プロパン、ビス(4−アミノベンゾルオキシ)シクロヘキサン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエタン、4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメチルベンジジン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−2−メチルフェニル)メタン、1,2−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)エタン、1,3−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)プロパン、1,2−ビス(4−アミノ−2−メチルフェニル)エタン、1,3−ビス(4−アミノ−2−メチルフェニル)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス((4−アミノフェニル)メチル)ベンゼン、1,4−ビス((3−アミノフェニル)メチル)ベンゼン、1,4−ビス((4−アミノフェニル)エチル)ベンゼン、1,4−ビス((3−アミノフェニル)エチル)ベンゼン、1,4−ビス((4−アミノ−3−メチル−フェニル)メチル)ベンゼン、1,4−ビス((4−アミノ−3−メチル−フェニル)エチル)ベンゼン、4,4'−(4−アミノフェニル)ビフェニル、ビス−((4−(4−アミノフェニルメチル)フェニル)メタン、ビス−((4−(4−アミノフェニルメチル)フェニル)エタン、ビス−((4−(3−アミノフェニルメチル)フェニル)メタン 、ビス−((4−(3−アミノフェニルメチル)フェニル)エタン、2,2−ビス−((4−(4−アミノフェニルメ
チル)フェニル)プロパン、および2,2−ビス−((4−(3−アミノフェニルメチル)フェニル)プロパンである。
【0051】
本発明の平坦化膜用塗布液に含まれる重合体の第5の態様は、式(1−5)で示されるシルセスキオキサン誘導体と式(1−7)で示されるシルセスキオキサン誘導体を用いて得られる重合体である。これらを有機溶媒中で反応させることにより重合体(重合体5)を得ることができる。
【0052】
本発明の平坦化膜用塗布液に含まれる重合体の第6の態様は、式(1−7)で示されるシルセスキオキサン誘導体と式(1−9)で示されるシルセスキオキサン誘導体を用いて得られる重合体である。これらを有機溶媒中で反応させることにより重合体(重合体6)を得ることができる。
【0053】
【化26】

式(1−9)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、t−ブチルであり、特に好ましくは非置換のフェニルである。Y9は式(a−9)で示される基である。R6は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X19は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
化合物(1−9)は、国際公開第03/024870号パンフレットに記載されている方法により製造することができる。
化合物(1−9)として具体的には、後述の合成例5で示す化合物が挙げられるが、これに限定されない。
【0054】
重合体3〜6を合成するための反応において、用いられる溶媒は、重合反応を阻害することなく、モノマーとポリマーを溶解することができるものであれば特に制限されない。具体例として、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンを挙げることができる。好ましくは、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフランである。これらの溶媒は、単独で用いても複数混合して使用してもよい。
【0055】
さらに必要により、塗布性改善などの目的で表面張力の低い溶媒を併用してもよい。具体
例として、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノ−ル、テトラリン、イソホロン、エチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(エチレングリコ−ルモノブチルエ−テルなど)、ジエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(ジエチレングリコ−ルモノエチルエ−テルなど)、エチレングリコ−ルモノアルキルまたはフェニルアセテ−ト、トリエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル、プロピレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(プロピレングリコ−ルモノブチルエ−テルなど)、マロン酸ジアルキル(マロン酸ジエチルなど)を挙げることができる。これらの溶媒は、先の良溶媒に対して貧溶媒的なものが多い。従って、溶解成分が析出しない程度の量を添加することが好ましい。
【0056】
さらに、基板との密着性を向上させるために、アミノシラン化合物を配合することも可能である。好ましいアミノシラン化合物として、アミノメチル−ジ−n−プロポキシ−メチルシラン、(β−アミノエチル)−n−プロポキシ−メチルシラン、(β−アミノエチル)−ジエトキシ−フェニルシラン、(β−アミノエチル)−トリ−n−プロポキシシラン、(β−アミノエチル)−ジメトキシ−メチルシラン、(γ−アミノプロピル)−ジ−n−プロポキシ−メチルシラン、(γ−アミノプロピル)−ジ−n−ブトキシ−メチルシラン、(γ−アミノプロピル)−トリエトキシシラン、(γ−アミノプロピル)−ジ−n−ペントキシ−フェニルシラン、(γ−アミノプロピル)−メトキシ−n−プロポキシ−メチルシラン、(δ−アミノブチル)−ジメトキシ−メチルシラン、(3−アミノフェニル)−ジ−n−プロポキシシラン、(4−アミノフェニル)−トリ−n−プロポキシシラン、{β−(4−アミノフェニル)エチル}−ジエトキシ−メチルシラン、{β−(3−アミノフェニル)エチル}−ジ−n−プロポキシ−フェニルシラン、{γ−(4−アミノフェニル)プロピル}−ジ−n−プロポキシ−メチルシラン、{γ−(4−アミノフェノキシ)プロピル}−ジ−n−プロポキシ−メチルシラン、{γ−(3−アミノフェノキシ)プロピル}−ジ−n−ブトキシ−メチルシラン、{γ−(3−アミノフェノキシ)プロピル}−ジメチル−メトキシシラン、(γ−アミノプロピル)−メチル−ジエトキシシラン、(γ−アミノプロピル)エチル−ジ−n−プロポキシシラン、(4−アミノフェニル)−トリメトキシシラン、(3−アミノフェニル)−トリメトキシシラン、(4−アミノフェニル)−メチル−ジメトキシ−シラン、(3−アミノフェニル)−ジメチル−メトキシシラン、(4−アミノフェニル)−トリエトキシシラン、{3−(トリエトキシシリル)プロピル}尿素を挙げることができる。
【0057】
上記の重合体を適当な溶剤に溶解することで平坦化膜用塗布液ができる。
本発明における塗布液において使用される溶剤は、該重合体を溶解可能な溶剤であればよく、特に制限はない。具体例として、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、THF、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノ−ル、テトラリン、イソホロン、エチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(エチレングリコ−ルモノブチルエ−テルなど)、ジエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(ジエチレングリコ−ルモノエチルエ−テルなど)、エチレングリコ−ルモノアルキルまたはフェニルアセテ−ト、トリエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル、プロピレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(プロピレングリコ−ルモノブチルエ−テルなど)、マロン酸ジアルキル(マロン酸ジエチルなど)を挙げることができる。好ましくは、トルエン、メシチレン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、THF、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。これらの溶剤は、単独で用いても複数混合して使用してもよい。
【0058】
本発明における塗布液の重合体濃度は、特に限定されないが0.5重量%〜70重量%で
あることが好ましい。例えばスピンナー法によって塗布する場合は、1重量%〜40重量%で用いるのが好適である。しかしながら、平坦化膜用塗布液の塗布方法によっては、0.5重量%よりもさらに希薄な濃度で使用してもよい。
【0059】
本発明における塗布液には、平坦化能力向上のための界面活性剤を配合することが出来る。界面活性剤の例は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などであり、これらを塗布液の特性を損なわない範囲において用いることができる。
【0060】
上記のようにして得られる塗布液を基板上に塗布することで平坦膜が得られる。膜厚は、特に制限されないが、0.05μm〜100μmの範囲が好ましい。更に好ましくは、0.1μm〜5μmである。
平坦化膜の形成は、平坦化膜用塗布液を基板上へ塗布する工程と、これに続く焼成工程により行われる。基板としては、ガラス基板、プラスティック基板、またはフィルム状基板などを用いることができる。塗布の方法としてスピンナー法、スプレー法、ディッピング法などが一般に知られている。これらの方法は本発明においても同様に適用可能である。また、平坦化膜用塗布液を焼成する方法として、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法やホットプレート上で加熱処理する方法などが一般に知られている。これらの方法も本発明において同様に適用可能である。また、加熱処理工程は一般に80〜300℃程度の温度下で行うことが好ましい。
【0061】
本発明における塗布液により平坦化膜を形成した基板に対して、膜表面の平坦性を向上させるため、エッチバックを適用することも出来る。これにより平坦性を更に向上させることが出来る。
【0062】
本発明の平坦化膜は、LSIなどの半導体集積回路や、FPDパネル、あるいは液晶プロジェクターなどの製造において、製造過程において生じた凹凸を埋めるためなどに有用に使用される。また、液晶プロジェクター等の投射型表示装置にも使用される。
【実施例】
【0063】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はそれら実施例に限定されるものではない。
【0064】
(合成例1)
温度計、冷却管、撹拌機、油浴を備えた2Lの四つ口フラスコに化合物(1) 170.0g(141.0mM)、化合物(2)51.9g(46.9mM)、化合物(3)45.9g(35.3mM)、トルエン1071gを入れ、窒素シール下、80℃で加熱攪拌した。反応液が80℃に達したら、カルステッド触媒 100μlを添加して同温度で2時間攪拌した。撹拌終了後、油浴を氷浴に取替え反応液を10℃以下まで冷却した。反応液をナス型フラスコに移し、エバポレーターにてトルエン溶媒を除去した。その後、さらに40℃、0.4kPaで8時間乾燥し、白色固体 265.0gを得た。得られた固体の分子量は、重量平均分子量(Mw):3200であった。ここでいう分子量とは、GPC装置:日本分光株式会社製、JASCO GULLIVER 1500 (インテリジェント示差屈折率計 RI-1530)において、以下の条件で測定した値である。カラム:東ソー製カラムG4000HXL、G3000HXL、G2500HXLおよびG2000HXLの4本をこの順序に接続して使用、カラム温度:40℃、展開溶剤:THF、流量:1ml/min、標準物質:分子量既知のポリスチレン(以下同じ)。
【0065】
【化27】

【0066】
【化28】

【0067】
【化29】

【0068】
(合成例2)
温度計、冷却管、撹拌機、油浴を備えた2Lの四つ口フラスコに化合物(1) 170.3g(141.2mM)、化合物(2)51.3g(46.4mM)、化合物(4)11.6g(35.3mM)、トルエン932.8gを入れ、窒素シール下、80℃で加熱攪拌した。反応液が80℃に達したら、カルステッド触媒 100μlを添加して同温度で3時間攪拌した。撹拌終了後、油浴を氷浴に取替え反応液を10℃以下まで冷却した。反応液をナス型フラスコに移し、エバポレーターにてトルエン溶媒を除去した。その後、さらに40℃、0.4kPaで8時間乾燥し、白色固体 233.0gを得た。得られた固体の分子量は、Mw:14600であった。
【0069】
【化30】

【0070】
【化31】

【0071】
【化32】

【0072】
(合成例3)
温度計、マグネチックスターラー、スターラーチップを備えた10mlの三つ口フラスコに化合物(6) 0.50g、N,N−ジメチルアセトアミド 0.75g、シクロヘキサノン 0.75gを入れ、窒素シール下、室温で攪拌して化合物(6)を溶解させた。次に、化合物(7) 0.50gを入れ、そのまま室温で4時間攪拌し、極淡黄色透明のポリアミック酸溶液を得た。
【0073】
【化33】

【0074】
(合成例4)
化合物(5)5.00g(4.22mM)、1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼン0.95g(4.22mM)、酢酸エチル29.8g、トルエン29.8gを100mlの四つ口フラスコに入れ、窒素シール下50℃に加熱攪拌した。液温が50℃に達したら、触媒(テトラメチルグアニジウム−2−エチルヘキサン酸)0.059gを投入した。触媒投入後、共沸脱水を16hr行った。反応液を室温まで冷却した後、1μmのPTFEメンブランフィルターを用いてろ過した。ろ液から室温、減圧下(0.4kPa)にて溶媒を留去して、白色固体5.8gを得た。得られた固体の分子量は、Mw=44700であった。
【0075】
【化34】

【0076】
(合成例5)
温度計、マグネチックスターラー、スターラーチップを備えた10mlの三つ口フラスコに化合物(8) 0.2g、ジメチルアセトアミド 1.8gを入れ、窒素シール下で攪拌して化合物(8)を溶解させた。次に、化合物(7) 0.21gを入れ、そのまま攪拌した。
【0077】
【化35】

【0078】
実施例1
合成例1にて得られた重合体 0.50gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEA) 9.50gに溶解し、この溶液を0.2μmのPTFE製のフィルターでろ過した。得られた溶液を塗布液1とした。
【0079】
実施例2
合成例1にて得られた重合体 0.50gをPGMEA 9.50gに溶解し、これに界面活性剤を溶液に対して500ppm添加した。この溶液を0.2μmのPTFE製のフィルターでろ過した。得られた溶液を塗布液2とした。
【0080】
実施例3
合成例1にて得られた重合体 4.01gをPGMEA 6.00gに溶解し、この溶液を0.2μmのPTFE製のフィルターでろ過した。得られた溶液を塗布液3とした。
【0081】
実施例4
合成例2にて得られた重合体 4.00gをPGMEA 7.01gに溶解し、この溶液を0.2μmのPTFE製のフィルターでろ過した。得られた溶液を塗布液4とした。
【0082】
実施例5
合成例3にて得られたポリアミック酸溶液を0.2μmのPTFE製のフィルターでろ過した。得られた溶液を塗布液5とした。
【0083】
実施例6
合成例1にて得られた重合体140.0gをトルエン42.0gおよびメシチレン18.0gに溶解し、この溶液を0.1μmのPTFEメンブレンフィルターを備えたろ過器において0.2MPaの圧力で加圧ろ過した。得られた溶液を塗布液6とした。
【0084】
実施例7
合成例2にて得られた重合体140.0gをトルエン42.0gおよびメシチレン18.0gに溶解し、この溶液を0.1μmのPTFEメンブレンフィルターを備えたろ過器において0.2MPaの圧力で加圧ろ過した。得られた溶液を塗布液7とした。
【0085】
(平坦化膜の作製)
実施例1において得られた塗布液1、実施例2で得られた塗布液2をそれぞれ、0.1μmの段差を有するガラス基板上に、スピンナーにて段差のないガラス基板上に塗布した時に0.1μmの膜厚になる条件で塗布し、80℃にて3分間予備焼成した。次いで、300℃にて60分間焼成して平坦化膜を形成した。得られた平坦化膜について、外観と平坦性を評価した。外観は、目で見てクラック、膜の剥がれがともになしは○、どちらか有り△、両方あり×で評価した。平坦性は平坦化膜形成後の基板上の膜表面の段差を触針式膜厚計(商品名;alpha−step200、TENCOR INSTRUMENTS製)を用いて測定した。その結果を表1に示した。
【0086】
【表1】

【0087】
(耐候性試験−1)
実施例3において得られた塗布液3、実施例4で得られた塗布液4、実施例5で得られた塗布液5と比較例1として、市販で入手可能であり本発明におけるシルセスキオキサン誘導体を含まないポリアミック酸ワニスをそれぞれ、ガラス基板上に、スピンナーにて塗布し、80℃にて3分間予備焼成した。次いで、230℃にて60分間焼成して、耐候性試験サンプルを形成した。形成された膜はガラス基板上に1〜5μmの膜厚を有していた。
【0088】
(耐候性試験−2)
耐候性試験は、キセノンウェザオメーター(アトラス社製、Ci65A型)を用い、JIS K 7350−2に準拠して行い、ブラックパネル温度83±3℃、相対湿度50%、水噴霧なしにより促進耐候性試験を行った。250時間後及び500時間後に耐候性試験サンプルの外観を目視により観察した。結果を表2に示した。表中表記について、○:膜表面荒れ、膜減りともになし、△:膜表面荒れ、もしくは膜減りのどちらか有り、×:膜表面荒れ、膜減りともに有りである。
【0089】
【表2】

【0090】
(厚膜評価)
実施例6において得られた塗布液6、実施例7で得られた塗布液7をそれぞれ、ガラス基板上へ、ドクターブレードタイプのアプリケーターを用いて塗布し、150℃にて60分間焼成した。次いで、250℃にて60分間焼成して、膜厚100μmおよび500μmの厚膜を得た。得られた膜の状態を目視により観察したが、クラック、膜の剥離はいずれの場合においても観察されなかった。
【0091】
以下、参考例として、本発明の塗布液に含まれる重合体の製造に用いられる化合物の製造
法を例示する。
【0092】
[参考例1]
<化合物(3−1−1)の合成>
還流冷却器、温度計、撹拌装置を備えた内容積50リットルの反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(6.54kg)、2−プロパノール(26.3リットル)、純水(0.66kg)、および水酸化ナトリウム(0.88kg)を仕込み、乾燥窒素でシールした。撹拌しながら加熱し、還流状態で5時間反応させた。反応終了後、反応容器から加熱器を取り外し、この容器を室温下に15時間放置して、反応混合物を冷却した。このようにして得られた反応混合物から、デカンテーションによって上澄み液を除去した。そして、反応容器に残った白色固体を、2−プロパノール(9.87kg)で1回洗浄した。これをポリテトラフルオロエチレンシートで内張したステンレス製バットに移し、減圧乾燥機を用いて、庫内温度80℃、圧力6.7×10-4MPaで24時間乾燥して、2.22kgの白色粉末状の化合物(3−1−1)を得た。
【0093】
[参考例2]
<化合物(3−1−1)へのトリメチルシリル基の導入>
還流冷却器を取り付けた50mlの4つ口フラスコに、化合物(3−1−1)(1.2g)、テトラヒドロフラン(10g)、およびトリエチルアミン(1.6g)を投入し、乾燥窒素にてシールした。マグネチックスターラーによる攪拌下で、溶液温度を15℃〜20℃に保ちながらトリメチルクロロシラン(2.2g)を約1分間で滴下した。滴下終了後、15℃で3.5時間撹拌を続けた。反応終了後、純水で洗浄し、真空乾燥して白色固形物(1.2g)を得た。これを化合物(3−T)とする。
【0094】
【化36】

【0095】
【化37】

【0096】
[参考例3]
<化合物(a)の合成>
滴下漏斗、温度計、および還流冷却器を取り付けた内容積300ミリリットルの3つ口フラスコに、撹拌子、実施例1の方法を利用して得られた化合物(3−1−1)(11.
6g)、テトラヒドロフラン(100g)仕込み、乾燥窒素にてシールした。マグネチックスターラーで撹拌しながら、メチルジクロロシラン(3.4g)を滴下した。滴下終了後室温で1時間攪拌した。反応終了後、純水50gを投入して、生成した塩化ナトリウムを溶解するとともに、未反応のメチルジクロロシランを加水分解した。このようにして得られた反応混合物を分液漏斗に移し有機層と水層とに分離した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄した後、中性になるまで水洗を繰り返した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレータで減圧濃縮した。そして得られた残渣をメタノールで洗浄し、乾燥して6.9gの白色粉末状固体を得た。この化合物は下記解析データから、式(a)で表される構造を有していることが示唆された。
1H NMR (400MHz, CDCl3, TMS 標準:δ=0.0 ppm): 0.37 (s, 6H), 4.99 (s, 2H), 7.15〜7.56 (m, 40H).
29Si NMR (79MHz, CDCl3, TMS 標準:δ=0.0 ppm): -32.78 (s, 2Si), -77.91 (s, 4Si),
-79.39 (t, 4Si).
【0097】
【化38】

【0098】
[参考例4]
<化合物(1−3−7)の製造>
下記の経路により化合物(1−3−7)を製造した。
【0099】
【化39】

【0100】
第1段:アリル−p−ニトロフェニルエーテルの製造
窒素雰囲気下、p−ニトロフェノール(25.0g、0.18mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(250ml)溶液に炭酸カリウム(49.7g、0.36mol)を加えて懸濁し、3−ブロモプロペン(21.7g、0.18mol)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した後、水を加えてジエチルエーテルで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を溜去して得られた残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン)で精製した。減圧下でトルエンを溜去した後、エタノールから再結晶してアリル−p−ニトロフェニルエーテル(25.7g)を得た。
【0101】
第2段:化合物(b)の製造
窒素雰囲気下、化合物(a)(50.0g、43.3mmol)にトルエン(500ml)を加えて懸濁し、白金−ジビニルシロキサン錯体(3wt%トルエン溶液、25μl)を加えて90℃に加熱した。これにアリル−p−ニトロフェニルエーテル(16.3g、91mmol)を5分かけて滴下し、還流状態で2時間加熱した。放冷後、トルエン(100ml)および水(300ml)を加えて抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下でトルエンを溜去して、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン)で精製した。減圧下でトルエンを溜去した後、エタノール/酢酸エチルから再結晶して化合物(b)18.7gを得た。
1H−NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm);0.34(s,6H)、0.85−0.88(t,4H)、1.92−1.95(m,4H)、3.85−3.88(t,4H)、6.60−6.63(d,4H)、7.15−7.52(m,40H)、7.94−7.97(d,4H).
29Si−NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm);−17.8(d,2Si)、−78.5(s,4Si)、−79.4(t,4Si).
【0102】
第3段:化合物(1−3−7)の製造
化合物(b)(10.0g、6.61mmol)、Pd/C(1g)、およびTHF(100ml)の混合物を水素雰囲気下、室温で120時間攪拌した。Pd/Cをろ別後、減圧下でTHFを溜去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製した。減圧下で酢酸エチルを溜去して化合物(1−3−7)6.3gを得た。
1H−NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm);0.31(s,6H)、0.83−0.87(t,4H)、1.82−1.87(m,4H)、3.71−3.74(t,4H)、6.51−6.57(d,8H)、7.14−7.95(m,40H).
29Si−NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm);−17.5(d,2Si)、−78.6(s,4Si)、−79.6(t,4Si).
【0103】
[参考例5]
<化合物(1−1−4)の製造>
下記の経路により化合物(1−1−4)を製造した。
【0104】
【化40】

【0105】
窒素雰囲気下、化合物(a)(50.0g、43.3mmol)にTHF(150ml)を加えて懸濁し、白金−ジビニルシロキサン錯体(3wt%トルエン溶液、320μl)を加えて90℃に加熱した。これにアリルコハク酸無水物(14.5g、103.5mmol)を5分かけて滴下し、還流状態で7時間加熱した。放冷後、減圧下で溶媒を溜去してから、得られた残渣にメタノール(150ml)を加えて、室温で2時間撹拌した。固体をろ取してTHF(150ml)に溶解し、活性炭(6g)を加えて室温で2時間撹拌した。活性炭をろ別後、減圧下でTHFを溜去して、化合物(1−1−4)55.9gを得た。
1H−NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm);0.32(s,6H)、0.70−0.79(t,4H)、1.32−1.42(m,6H)、1.74−1.80(m,2H)、1.89−1.99(m,2H)、2.24−2.37(m,2H)、2.51−2.60(m,2H)、7.15−7.56(m,40H).
29Si−NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm);−18.1(d,2Si)、−78.5(s,4Si)、−79.4― −79.8(t,4Si).
【0106】
[参考例6]
<化合物(1−1−5)の製造>
下記の経路により化合物(1−1−5)を製造した。
【0107】
【化41】

【0108】
窒素雰囲気下、化合物(a)(5.0g、4.33mmol)にトルエン(50ml)を加えて懸濁し、白金−ジビニルシロキサン錯体(3wt%トルエン溶液、30μl)を加えて90℃に加熱した。これにアリルグリシジルエーテル(1.04g、9.1mmol)を滴下し、還流状態で3時間加熱した。放冷後、トルエン(50ml)、水(100ml)を加えて抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下でトルエンを溜去して、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン/酢酸エチル)で精製した。減圧下で溶媒を溜去した後、エタノール/酢酸エチルから再結晶して化合物(1−1−5)1.6gを得た。
1H−NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm);0.30(s,6H)、0.73−0.76(t,4H)、1.66−1.72(m,4H)、2.42−2.44(m,2H)、2.64−2.66(m,2H)、2.95−2.98(m,2H)、3.15−3.19(m,2H)、3.28−3.39(m,4H)、3.44−3.48(m,2H)、7.18−7.53(m,40H).
29Si−NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm);−17.4(s,2Si)、−78.6(s,4Si)、−79.5― −79.6(t,4Si).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1−1)で示されるシルセスキオキサン誘導体、及び
式(2−1)で示される化合物、式(3−1)で示される化合物、式(4−1)で示される化合物、式(5−1)で示される化合物、式(6−1)で示される化合物、式(7−1)で示される化合物の少なくとも1つを用いて得られる重合体、並びに溶剤を含有する平坦化膜用塗布液。
【化1】

式(1−1)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはt−ブチルであり、Y1は式(a−1)で示される基である。式(a−1)において、Raがビニル、アリルまたはスチリルであって、X11が炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【化2】

【化3】

式(2−1)において、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X21の少なくとも2つは水素であり、X21の残りはR1である。
式(3−1)において、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(c)で示される基である。そして式(c)において、R2はR1
と同様に定義される基であり、mは1〜30の整数である。
【化4】

式(4−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、t−ブチル、iso−ブチル、又はトリフルオロプロピルであり、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり;X31の少なくとも2つは水素であって、その残りはR1である。
【化5】

式(5−1)において、RおよびR1はそれぞれ式(4−1)におけるRおよびR1と同様に定義される基である。X31の少なくとも2つは水素であって、その残りはR1である。
【化6】

式(6−1)において、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【化7】

式(7−1)において、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【請求項2】
Rが非置換のフェニルである、請求項1記載の平坦化膜用塗布液。
【請求項3】
式(1−3)で示されるシルセスキオキサン誘導体と式(8−3)で示される化合物を用いて得られる重合体および溶剤を含有する平坦化膜用塗布液。
【化8】

【請求項4】
Rが非置換のフェニルである、請求項3記載の平坦化膜用塗布液。
【請求項5】
式(1−5)で示されるシルセスキオキサン誘導体、及び
カルボン酸、カルボン酸無水物、エポキシドの少なくとも1つを用いて得られる重合体、並びに溶剤を含有する平坦化膜用塗布液。
【化9】

式(1−5)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y5は式(a−5)で示される基である。R4は炭素数1〜20
の2価の有機基であり、X15は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【請求項6】
Rが非置換のフェニルである、請求項5記載の平坦化膜用塗布液。
【請求項7】
式(1−7)で示されるシルセスキオキサン誘導体とジアミンを用いて得られる重合体および溶剤を含有する平坦化膜用塗布液。
【化10】

式(1−7)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y7は式(a−7)もしくは(a−8)のいずれかで示される基である。式(a−7)におけるR4は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。式(a−8)におけるR5は単結合もしくは炭素数1〜20の2価の有機基であり、X17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【請求項8】
Rが非置換のフェニルである、請求項7記載の平坦化膜用塗布液。
【請求項9】
式(1−5)で示されるシルセスキオキサン誘導体と式(1−7)で示されるシルセスキオキサン誘導体を用いて得られる重合体および溶剤を含有する平坦化膜用塗布液。
【化11】

式(1−5)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y5は式(a−5)で示される基である。R4は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X15は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【化12】

式(1−7)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y7は式(a−7)もしくは(a−8)のいずれかで示される基である。式(a−7)におけるR4は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。式(a−8)におけるR5は単結合もしくは炭素数1〜20の2価の有機基であり、X17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【請求項10】
Rが非置換のフェニルである、請求項9記載の平坦化膜用塗布液。
【請求項11】
式(1−7)で示されるシルセスキオキサン誘導体と式(1−9)で示されるシルセスキオキサン誘導体を用いて得られる重合体および溶剤を含有する平坦化膜用塗布液。
【化13】

式(1−7)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y7は式(a−7)もしくは(a−8)のいずれかで示される基である。式(a−7)におけるR4は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。式(a−8)におけるR5は単結合もしくは炭素数1〜20の2価の有機基であり、X17は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【化14】

式(1−9)におけるすべてのRは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、Y9は式(a−9)で示される基である。R6は炭素数1〜20の2価の有機基であり、X19は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルである。
【請求項12】
Rが非置換のフェニルである、請求項11記載の平坦化膜用塗布液。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の平坦化膜用塗布液を用いて形成される平坦化膜。

【公開番号】特開2006−233155(P2006−233155A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−53807(P2005−53807)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【Fターム(参考)】