説明

廃タイヤリサイクル装置

【課題】タイヤのリサイクルは普及が遅れ不法投棄等が後を絶たないことから、今までにない採算性の良い廃タイヤリサイクル装置を提供する。
【解決手段】廃タイヤ1の処理数を増し採算性を良くするために、マイクロ波発振器6で発振したマイクロ波で廃タイヤの内部から250℃まで自己発熱させてロータリーキルン10に投入し、回転撹拌とキルン外部からの加熱で300℃〜450℃で熱分解させキルン内の網でガス、スチール、チャーに分離する。ガスは吸引冷却してキルン外部加熱バーナー28の燃料にし、スチールはチャーを再度分離して回収し、チャーは水蒸気賦活を行って活性炭にして回収する。連続工程で効率よく全て回収しリサイクルできるとともに、燃焼ガスのダイオキシン発生も抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は廃タイヤをリサイクルするために、出力コントロールが簡単で瞬間的に被加熱物に浸透し、周囲を熱くするロスがなく高い熱効率が得られるマイクロ波で予熱しロータリーキルンでチャーと油の回収率の良い温度で熱分解と分離を連続で行い、スチール、活性炭、ガス及び油を回収する方法の採算性に効力が得られる装置。
【背景技術】
【0002】
従来の廃タイヤリサイクル方法のうちマイクロ波加熱利用や活性炭製造及び装置。
【特許文献1】特開2001−89121公報
【特許文献2】特開2000−34114公報
【特許文献3】特開平9−227112公報
【特許文献4】特開2002−130960公報
【特許文献5】特開2003−75077公報
【特許文献6】特開平5−222377公報
【特許文献7】特開H9−59653公報等多くの方法や装置が提示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上のような従来の方法、装置では廃タイヤを連続でリサイクルすることが効率よくできず採算性が解決されていないため、不法投棄等も後を絶たない、よって採算のとれる廃タイヤリサイクル装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)
上記の目的を達成するために本発明は廃タイヤの加熱分解、分離、回収を行う方法で、廃タイヤは外部からの加熱だけでは熱が伝わりにくく効率が悪いためマイクロ波を利用し内部から自己発熱させる方法でマイクロ波の効率を良くするため予備加熱をする搬送装置はマイクロ波反射材であるステンレス鋼で製作し反射撹拌を効率よく行いマイクロ波の漏れ防止のため、ステンレス製反射板を入口に2枚、出口に2枚取付け、同時に開放しない構造と予熱が効率よくできるようにロータリーキルン加熱バーナー燃焼ガスを下槽に取込み加熱する構造を有した装置で、廃タイヤが熱分解を始める300℃以内、250℃前後の温度まで2.45GHzマイクロ波で廃タイヤ内部より自己発熱による予備加熱を行い、熱分解が短時間で効率よくできるようにしてロータリーキルンに投入する方法を特徴としている。
【0005】
(2)
ロータリーキルンに投入された廃タイヤの加熱分解と分離の方法で、内部より自己発熱した廃タイヤを外部から加熱するためロータリーキルンを熱分解で発生したガスと油を燃料に使用した混焼バーナーで外部加熱し高温となった内部で回転攪拌し温度を上げながらチャーと油の回収が多い温度の300℃〜450℃で熱分解し、螺旋付網でスチール、チャー、ガスへの分離を連続で行う方法を特徴としている。
【0006】
(3)
分離されたガス、スチール、チャーの回収方法で、ガスはブロアーで吸引し除塵、冷却、油水分離をして回収した油と、油にならなかったガスをキルン加熱の混焼バーナーの燃料として再利用し、スチールはチャーの付着を再度分離させるためローラーで圧縮して回収し、チャーは温水を吹付けスクリューコンベアーで搬送しながら加熱する方法で水蒸気賦活を行い活性炭として回収し、廃タイヤ構成物全てを分解、分離、回収を連続で効率よく行う方法を特徴として採算性にも効力が得られる。
【0007】
(4)
回収したガス及び油を混焼バーナーで燃焼した排ガスの排出方法で、キルン外部加熱の燃焼室は螺旋を付けてあり、燃焼ガスは螺旋に沿って回り800℃以上で外気を遮断した状態で滞留時間を長くし煙突内に水配管を配して排煙温度を200℃にして、ダイオキシン類の発生を抑制する方法を特徴とし、廃タイヤを連続して効率よく、公害及び廃棄物を排出せずにリサイクルでき環境保全にも効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(5)
以下本発明の廃タイヤリサイクル装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は本発明の実施例1の断面図であり、廃タイヤ1を搬送装置本体4にステンレス製のマイクロ波反射板2を通過させ、その反射板が閉じてから2枚目の反射板が開いて本体内部のステンレス製のマイクロ波加熱槽に入る加熱槽は下部にキルンより熱風通路27より燃焼ガスを取込み加熱する。2.45GHzマイクロ波発振器6で発振したマイクロ波は加熱槽で反射攪拌し廃タイヤ1を内部より自己発熱させ250℃前後の温度まで上昇させる。3枚目の反射板を開けて廃タイヤを移動させ3枚目の反射板を閉めて、4枚目の投入用反射板を開けてロータリーキルン本体10に投入する。以上の工程でマイクロ波の漏れ防止と廃タイヤの予備加熱を連続で行う。ロータリーキルン10に投入された廃タイヤは混焼バーナー28による外部からの加熱で温度を上げながら回転し300〜450℃で螺旋付網15においてスチール36、チャー35に分離される。分離されたガスはブロアー17で吸引し、サイクロン18で除塵し、ガス冷却器19で油化し油水分離器20を通して油を回収し、油にならなかったガスとをキルン加熱の混焼バーナー28の燃料とする。スチールは螺旋付網15でチャーと分離しながら排出され回転ローラー21で圧縮し再度チャーとの分離を行って回収する。スチールと分離したチャーは螺旋14によって排出され温水を吹付けスクリューコンベアー23で搬送しながら加熱バーナー34で加熱する水蒸気賦活を行って回収する。回収したガス及び油は混焼バーナー28で燃焼し、燃焼ガスは燃焼室11内部の螺旋12に沿って燃焼室11を滞留時間を長くして回り煙突16内に水配管37で排煙を200℃に冷却してダイオキシン類の発生を抑制して煙突16より排煙する。連続で効率よくリサイクルができ採算性に効力が得られる廃タイヤリサイクル装置である。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明の廃タイヤリサイクル装置は、燃焼処理方法が主流であるが今後はリサイクルに切替える必要があるので、廃タイヤ処理業には利用増が見込める。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を実施するための最良の形態の断面図である。
【図2】本発明を実施するための燃焼部の正面図である。
【図3】本発明を実施するためのキルン排出口の正面図である。
【符号の説明】
【0012】
1…廃タイヤ 2…マイクロ波反射板 3…廃タイヤ搬送装置 4…搬送装置本体
5…搬送ローラー 6…マイクロ波発振器 7…導波管 8…マイクロ波他電源(200V)
9…点検扉 10…ロータリーキルン本体 11…燃焼室 12…燃焼室螺旋
13…ロータリーキルン駆動ギヤー 14…チャー搬送用螺旋
15…スチール搬送及びチャーとの分離用螺旋付網 16…煙突 17…ガス吸引ブロアー 18…サイクロン 19…ガス冷却器 20…油水分離器 21…圧縮ローラー
22…駆動ギヤードモーター 23…スクリューコンベアー 24…駆動ギヤードモーター
25…スチール槽 26…ロータリーキルン駆動サイクロ減速モーター
27…熱風通路 28…ガス油混焼バーナー 29…熱分解油配管 30…熱分解ガス配管
31…サイドローラー 32…キルン受ローラー 33…耐火断熱材
34…チャー加熱バーナー
35…チャー 36…スチール 37…水配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃タイヤの加熱分解、分離、回収を行う方法で、廃タイヤは外部からの加熱だけでは熱が伝わりにくく効率が悪いためマイクロ波を利用し内部から自己発熱させる方法でマイクロ波の効率を良くするため予備加熱をする搬送装置はマイクロ波反射材であるステンレス鋼で製作し反射撹拌を効率よく行いマイクロ波の漏れ防止のため、ステンレス製反射板を入口に2枚、出口に2枚取付け、同時に開放しない構造と予熱が効率よくできるようにロータリーキルン加熱バーナー燃焼ガスを下槽に取込み加熱する構造を有した装置で、廃タイヤが熱分解を始める300℃以内、250℃前後の温度まで2.45GHzマイクロ波で廃タイヤ内部より自己発熱による予備加熱を行い、熱分解が短時間で効率よくできるようにしてロータリーキルンに投入する方法の廃タイヤリサイクル装置。
【請求項2】
前記方法により予備加熱をしてロータリーキルンに投入された廃タイヤは内部から自己発熱しており、キルン内では外部より加熱をするため、熱分解で発生したガス及び油を燃料としたバーナーでロータリーキルン外部からの加熱で温度を上昇させながら回転攪拌し300℃から熱分解を始め450℃前後のチャー及び油の回収率の良い温度で、螺旋付網によりスチールとチャー及びガスに分離させる方法の廃タイヤリサイクル装置。
【請求項3】
前記方法によりロータリーキルン内で分離されたガス、スチール、チャーの回収の方法で、ガスはブロアーで吸引しサイクロンで除塵し冷却器を通り、油水分離器を通して回収した油と油にならなかったガスをキルン加熱混焼バーナーの燃料とし、スチールは再度チャーとの分離を行うため圧縮ローラーを通して回収し、チャーは温水を吹付けスクリューコンベアーで搬送しながら加熱する方法で水蒸気賦活を行って活性炭にして回収する方法の廃タイヤリサイクル装置。
【請求項4】
前記方法で回収したガス、油を混焼バーナーで燃焼した排ガスは、キルン外部燃焼室螺旋を回り800℃以上で外気と遮断した状態で滞留時間を長くし煙突内に水配管を配して排煙温度を200℃にしてダイオキシン類の発生を抑制する方法の廃タイヤ熱分解ガス燃焼装置を有したリサイクル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−349224(P2006−349224A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−173449(P2005−173449)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【出願人】(504383597)白川生コン協業組合 (1)
【Fターム(参考)】