説明

微細構造の作製方法

【課題】自由度を損なうことなく高解像度を実現する微細構造の作製方法を提供すること。
【解決手段】まず、図1(b)のように、ネガ型レジスト102を基板101に塗布する。次に、図1(c)のように、ネガ型レジスト102に、電子ビーム(エネルギービームに対応)103を第1のパターンで照射する(第1の露光ステップ)。ついで、図1(d)のように、ネガ型レジスト102を現像して、ブロック状(第1の構造に対応)のレジスト102Aを形成する(第1の現像ステップ)。そして、図1(e)のように、ブロック状のレジスト102Aに、電子ビーム103を第1のパターンとは異なる第2のパターンで照射する(第2の露光ステップ)。最後に、図1(f)のように、ブロック状のレジスト102Aを現像して、3本の直交ナノワイヤ状(第2の構造に対応)のレジスト102Bを形成する(第2の現像ステップ)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細構造の作製方法に関し、より詳細には、半導体製造分野で用いられているリソグラフィ技術を用いた微細構造の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、次のようなリソグラフィ技術を用いて、微細構造が作製されている。まず、エネルギービームに感光するレジストを基板上に塗布する。次に、所望のパターンでエネルギービームをレジストに照射する。ついで、現像液を用いて現像し、レジストの微細構造を得る。エネルギービームとしては、光、紫外線、X線、電子ビーム、イオンビームなど目的に応じて様々な種類が用いられる。半導体製造分野では、作製した微細構造を基板に転写するなどして半導体回路を作製している。詳細については、例えば非特許文献1を参照されたい。
【0003】
近年、ナノ電気機械システム(NEMS)を始めとした様々なナノテクノロジ分野への応用を目的として、上記リソグラフィ技術を利用した3次元的な極微細構造(以下「3次元ナノ構造」という。)の作製技術が注目されている。たとえば、非特許文献2及び3には、ポジ型レジストに対して複数の方向から電子ビームの照射(露光)を行い、ついで現像することで、3次元ナノ構造を作製する技術が開示されている。また、露光および現像を複数回繰り返すことで、深くて且つ微細な構造を作製できることが記載されている。
【0004】
図5を参照して、そのような3次元ナノ構造作製方法を説明する。まず、基板501上に、ポジ型レジスト502を塗布する((b))。ついで、電子ビーム503を用いてレジスト502に所望の第1のパターンを描画した後((c))、現像を行う((d))。次に、第1のパターンとは異なる第2のパターンを、現像によって得たレジスト502Aに描画し((e))、これを現像することで3次元ナノ構造のレジスト502Bが作製される。図6は、図5(f)のVI−VI線に沿った断面図である。第1のパターンと第2のパターンでは電子ビーム503の照射方向が異なるため、パターンの描画に当たり十分な位置精度が必要となるが、その方法については特許文献1に詳細に開示されており、当業者であれば適用できるものである。
【0005】
【特許文献1】特開2005−85984号公報
【非特許文献1】鳳紘一郎編著、「半導体リソグラフィ技術」、産業図書、1984年
【非特許文献2】Technical Digest of 17th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems, IEEE, 2004, p. 609
【非特許文献3】Japanese Journal of Applied Physics, 2004, Vol. 43, p. L1111
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような従来の3次元ナノ構造作製方法では、解像度に問題があった。電子ビームリソグラフィ技術において近接効果として知られているように、電子ビーム描画の際にレジストや基板内で電子が散乱する。そのため、ポジ型レジストを用いた場合に露光および現像を繰り返すと、ある程度広い領域に渡ってポジ型レジストがうっすら感光してしまい、解像度が低下する。高解像度を維持するために描画回数を減らすことも考えられるが、それでは作製できる3次元ナノ構造の自由度が低くなる。ポジ型レジストを用いたリソグラフィにおいては、エネルギービーム未照射の部分を現像後に残す方法で作製した構造の最小寸法(「残しの解像度」)を、現像後に除去される空間の最小寸法(「抜きの解像度」)に比べて小さくすることが一般に非常に困難であるという問題もある。
【0007】
また、ネガ型レジストを用いたリソグラフィ技術では、微細構造を得るために露光および現像を繰り返すという方法が有効でない。1回目の露光および現像で残った部分は、ネガ型という性質上、その後の現像でも残ってしまうからである。したがって、ネガ型レジストを用いると作製できる3次元ナノ構造の自由度が低くなる。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、自由度を損なうことなく高解像度を実現する微細構造の作製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ネガ型レジストを用いた微細構造の作製方法において、ネガ型レジストに、エネルギービームを第1のパターンで照射する第1の露光ステップと、前記ネガ型レジストを現像して、第1の構造のネガ型レジストを形成する第1の現像ステップと、前記第1の構造のネガ型レジストに、エネルギービームを前記第1のパターンとは異なる第2のパターンで照射する第2の露光ステップと、前記第1の構造のネガ型レジストを現像して、第2の構造のネガ型レジストを形成する第2の現像ステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記第2の現像ステップの現像の現像性は、前記第1の現像ステップの現像の現像性よりも高くなるように調整することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記第1の露光ステップの照射による前記ネガ型レジストのエネルギー吸収量は、前記ネガ型レジストが、前記第2の現像ステップの現像において溶解するエネルギー吸収量であり、前記第2の露光ステップの照射による前記ネガ型レジストのエネルギー吸収量は、前記ネガ型レジストが、前記第2の現像ステップの現像において残留するエネルギー吸収量であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3において、前記第1および第2の現像ステップの現像性は、横軸に前記ネガ型レジストの総エネルギー吸収量、縦軸に規格化された残膜厚をとった前記ネガ型レジストの感度曲線が1及び0となる総エネルギー吸収量の領域が存在するものであることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかにおいて、前記第1の露光ステップの前に、ポジ型レジストに1または複数の組の露光および現像を行って、ポジ型レジストの鋳型を作製するステップと、前記ポジ型レジストの鋳型に、前記第1の露光ステップにおいて露光を行う前記ネガ型レジストを塗布するステップとをさらに含むことを特徴とする。請求項1から4のいずれかに記載の微細構造の作製方法。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記第2の現像ステップの前に、前記ポジ型レジストの鋳型を溶解させて、前記ポジ型レジストの鋳型を前記第1の構造のネガ型レジストから除去するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、請求項2において、前記現像性は、現像液のレジストに対する溶解性の強弱、または現像時間の長短により調整することを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7において、前記ネガ型レジストは、水素化シルセスキオキサンであり、前記現像性は、現像液のレジストに対する溶解性の強弱により調整し、前記第1の現像ステップの現像液は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液であり、前記第2の現像ステップの現像液は、水酸化カリウム水溶液であることを特徴とする。
【0017】
また、請求項9に記載の発明は、ポジ型レジストに対して、エネルギービームを照射する露光および現像を1または複数の組行って、ポジ型レジストの鋳型を作製するステップと、前記ポジ型レジストの鋳型に、ネガ型レジストを塗布するステップと、前記ネガ型レジストに、エネルギービームを照射する露光ステップと、前記ネガ型レジストを現像する現像ステップとを含むことを特徴とする微細構造の作製方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ネガ型レジストを用いることで、エネルギービーム照射した部分が構造として残るため、残った微細構造の最小寸法をポジ型レジストを用いる場合より小さくできる。加えて、ネガ型レジストを用いても複数回の露光および現像が可能であるため、従来の方法に比べて自由度を損なうことなく高解像度を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(用語の定義)
本明細書において用いる「レジスト」とは、高分子を主成分とする混合材料をいう。光、放射線等に対して感光性を有し、分解、架橋等の化学変化による物性変化を起こすものである。耐エッチング性を有し、デバイス等の超微細加工技術に利用される。具体的な材料組成は、露光源の線質(紫外線、X線、電子線、シンクロトロン放射光、イオンビーム、エキシマレーザなど)により異なる。
【0020】
また、本明細書において用いる「ネガ型レジスト」とは、現像後に露光部分が残留する特性を有するレジストをいう。
【0021】
また、本明細書において用いる「ポジ型レジスト」とは、現像後に露光部分が溶解除去され、未露光部分が残留する特性を有するレジストをいう。
【0022】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る微細構造の作製方法を説明するための図である。まず、図1(b)のように、ネガ型レジスト102を基板101に塗布する。次に、図1(c)のように、ネガ型レジスト102に、電子ビーム(エネルギービームに対応)103を第1のパターンで照射する(第1の露光ステップ)。ついで、図1(d)のように、ネガ型レジスト102を現像して、ブロック状(第1の構造に対応)のレジスト102Aを形成する(第1の現像ステップ)。そして、図1(e)のように、ブロック状のレジスト102Aに、電子ビーム103を第1のパターンとは異なる第2のパターンで照射する(第2の露光ステップ)。最後に、図1(f)のように、ブロック状のレジスト102Aを現像して、3本の直交ナノワイヤ状(第2の構造に対応)のレジスト102Bを形成する(第2の現像ステップ)。第1のパターンと第2のパターンでは電子ビーム103の照射方向が異なるため、パターンの描画に当たり十分な位置精度が必要となるが、その方法については特許文献1に詳細に開示されており、当業者であれば適用できるものである。
【0023】
ネガ型レジスト102には、水素化シルセスキオキサン(以下「HSQ」という。)レジスト等を用いることができる。
【0024】
1回目の現像には、2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(以下「TMAH水溶液」という。)等を用い、2回目の現像には、20%水酸化カリウム水溶液(以下「KOH水溶液」という。)等を用いることができる。1回目および2回目の現像の現像性は、現像液とレジストとの親和性(溶解性)の強弱、または現像時間の長短により調整することができる。
【0025】
図2は、ネガ型レジストの感度曲線を説明するための図である。シリコン基板上に塗布した厚さ100nmのHSQレジストをTMAH水溶液またはKOH水溶液で現像した際の、残膜の厚さを初期膜厚で規格化したもの(以下「残膜厚」という。)と照射した加速電圧70kVの電子ビームのドース量との関係を示したグラフであり、感度曲線と呼ばれる。横軸は、電子ビームのドース量および加速電圧から求まるネガ型レジストの総エネルギー吸収量としてもよい。
【0026】
グラフから分かるように、2回目の現像で用いる現像液であるKOH水溶液の現像性は、1回目の現像で用いる現像液であるTMAH水溶液の同一ドース量における現像性よりも高い。ドース量が約1000から3000μC/cm2の範囲で、KOH水溶液による現像では完全に現像される(溶解する)が、TMAH水溶液による現像では、ほぼ完全に現像されない(溶解しない)ことが分かる。よって、1回目の露光では、1000から3000μC/cm2のドース量で描画を行い、2回目の露光ではより高いドース量(例えば10000μC/cm2)で描画を行うことにより、1回目の現像でブロック状のレジストが形成され、2回目の現像で、3本の直交ナノワイヤの部分が残る。すなわち、現像性およびドース量は、1回目の露光によるネガ型レジストのエネルギー吸収量が、ネガ型レジストが2回目の現像において溶解するエネルギー吸収量であり、2回目の露光によるネガ型レジストのエネルギー吸収量が、ネガ型レジストが2回目の現像において残留するエネルギー吸収量であるようにすればよい。
【0027】
特に、1回目および2回目の現像の現像性を、ネガ型レジストの感度曲線が0及び1となる総エネルギー吸収量の領域が存在するものとすることにより、1回目の現像により溶解するレジスト部分と2回目の現像により溶解するレジスト部分とを高精度に分けることができる。このような現像性の調整は、1回目の現像と2回目の現像で異なる現像液を用いることによってもできるし、同一の現像液を用いて現像時間を2回目の現像において長くすることによってもできる。
【0028】
本実施形態に係る微細構造の作製方法は、ネガ型レジストを用いることで、エネルギービーム照射した部分が構造として残るため、残った微細構造の最小寸法をポジ型レジストを用いる場合より小さくできる。加えて、ネガ型レジストを用いても複数回の露光および現像が可能であるため、従来の方法に比べて自由度を損なうことなく高解像度を実現することができる。
【0029】
なお、エネルギービームとして電子ビームを用いる場合を示したが、他の種類のエネルギービームでもよい。また、3次元的なナノ構造を作製する場合を示したが、2次元的な構造を作製してもよい。また、エネルギービームの照射方向が基板に対して直交する3つの方向(X、Y、Z方向)のみの場合を示したが、様々な別の方向でもよい。
【0030】
上述の説明はあくまで例示であり、レジストの種類、現像液等の溶液の種類を始めとしたリソグラフィ技術における様々な既存の方法、ならびにエネルギービームの照射および現像の繰返し回数等の選択によって、様々な実施態様により所望の微細構造を高精度に作製することができる。具体的な組み合わせは、目的とする構造の解像度、構造の形状、エネルギービームの種類等に応じて最適なものを選択すればよい。
【0031】
また、感度曲線の残膜厚が1又は0であるというような表現がされる場合、厳密に1又は0であることを意図しているのではなく、殆どの目的のためには5〜10%程度の誤差があっても問題がないため、この程度の精度であることを理解されたい。
【0032】
(実施形態2)
実施形態2に係る微細構造の作製方法は、ネガ型レジストを塗布する前に、ポジ型レジストを用いて鋳型を作製する点で実施形態1と異なる。ポジ型レジストの鋳型にネガ型レジストを充填し、そのネガ型レジストに対して実施形態1で説明した露光および現像を複数回行うことにより、自由度を損なうことなく3次元ナノ構造の最小寸法を小さくする、つまり高解像度とすることができる。
【0033】
図3を参照してポジ型レジストの鋳型の作製方法を説明する。まず、図3(b)のように、ポジ型レジスト302を基板301に塗布する。次に、図3(c)のように、ポジ型レジスト302に、電子ビーム303を第1のパターンで照射する。ついで、図3(d)のように、ポジ型レジスト302を現像して、微細な穴が開いたブロック状のレジスト302Aを形成する。そして、図3(e)のように、ブロック状のレジスト302Aに、電子ビーム303を第1のパターンとは異なる第2のパターンで照射する。最後に、図3(f)のように、ブロック状のレジスト302Aを現像して、鋳型となる3次元的に穴が開いたレジスト302Bを形成する。
【0034】
ポジ型レジスト302には、ポリメチルメタクリレート(以下「PMMA」という。)レジストを用いることができる。
【0035】
1回目および2回目の現像は、メチルイソブチルケトンをイソプロピルアルコールで希釈した現像液を用いて行うことができる。
【0036】
次に図4を参照して、鋳型を用いた微細構造の作製方法を説明する。まず、図4(a)のように、ネガ型レジスト402を基板301に塗布して、鋳型302Bを充填する。次に、図4(c)のように、ネガ型レジスト402に、電子ビーム403を第1のパターンで照射する。第1のパターンは、鋳型302Bが存在する領域付近とすることが好ましい。ついで、図4(c)のように、ネガ型レジスト402を現像して、鋳型302Bの3次元的な穴に埋まった状態のレジスト402Aを形成する。そして、図4(d)のように、レジスト402Aに、電子ビーム403を第1のパターンとは異なる第2のパターンで照射する。ここで、第2のパターンは、鋳型302Bの穴の位置と合わせる必要はなく、所望の構造に応じて設計すればよい。次に、図4(e)のように、張合わせ基板404を張合わせた後、ポジ型レジストの現像液(メチルイソブチルケトンをイソプロピルアルコールで希釈した溶媒等)を用いて、鋳型302Bを溶解しながら、基板301をネガ型レジスト402Aから除去する。このようにして得られるのが、図4(f)に示す構造のネガ型レジスト402Aである。最後に、レジスト402Aに対して2回目の現像を行い不要な部分を溶解させて、3次元ナノ構造のネガ型レジスト402Bを形成する。これは、2回目の露光(図4(d)参照)を行った部分のみが残留した構造である。
【0037】
ネガ型レジスト402には、HSQレジスト等を用いることができる。HSQレジストを用いる場合、その溶媒には、メチルイソブチルケトンを用いるとよい。この溶媒は、PMMAレジスト等のポジ型レジストに対する濡れ性が優れているため、鋳型302Bの3次元的な穴に良く充填される。
【0038】
ネガ型レジストの現像における現像性は、実施形態1で説明したように、現像液とレジストとの親和性(溶解性)の強弱、あるいは現像時間の長短により調整する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施形態1に係る微細構造の作製方法を説明するための図である。
【図2】ネガ型レジストの感度曲線を説明するための図である。
【図3】実施形態2に係るポジ型レジストの鋳型の作製方法を説明するための図である。
【図4】実施形態2に係る鋳型を用いた微細構造の作製方法を説明するための図である。
【図5】従来の3次元ナノ構造作製方法を説明するための図である。
【図6】従来の3次元ナノ構造作製方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0040】
101 基板
102 ネガ型レジスト
102A 第1の構造のネガ型レジスト
102B 第2の構造のネガ型レジスト
103 電子ビーム(エネルギービームに対応)
301 基板
302 ポジ型レジスト
302A 第1の構造のポジ型レジスト
302B 第2の構造のポジ型レジスト(鋳型に対応)
303 電子ビーム(エネルギービームに対応)
402 ネガ型レジスト
402A 第1の構造のネガ型レジスト
402B 第2の構造のネガ型レジスト
403 電子ビーム(エネルギービームに対応)
404 張合わせ基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネガ型レジストを用いた微細構造の作製方法において、
ネガ型レジストに、エネルギービームを第1のパターンで照射する第1の露光ステップと、
前記ネガ型レジストを現像して、第1の構造のネガ型レジストを形成する第1の現像ステップと、
前記第1の構造のネガ型レジストに、エネルギービームを前記第1のパターンとは異なる第2のパターンで照射する第2の露光ステップと、
前記第1の構造のネガ型レジストを現像して、第2の構造のネガ型レジストを形成する第2の現像ステップと
を含むことを特徴とする微細構造の作製方法。
【請求項2】
前記第2の現像ステップの現像の現像性は、前記第1の現像ステップの現像の現像性よりも高くなるように調整することを特徴とする請求項1に記載の微細構造の作製方法。
【請求項3】
前記第1の露光ステップの照射による前記ネガ型レジストのエネルギー吸収量は、前記ネガ型レジストが、前記第2の現像ステップの現像において溶解するエネルギー吸収量であり、
前記第2の露光ステップの照射による前記ネガ型レジストのエネルギー吸収量は、前記ネガ型レジストが、前記第2の現像ステップの現像において残留するエネルギー吸収量であることを特徴とする請求項1または2に記載の微細構造の作製方法。
【請求項4】
前記第1および第2の現像ステップの現像性は、横軸に前記ネガ型レジストの総エネルギー吸収量、縦軸に規格化された残膜厚をとった前記ネガ型レジストの感度曲線が1及び0となる総エネルギー吸収量の領域が存在するものであることを特徴とする請求項2または3に記載の微細構造の作製方法。
【請求項5】
前記第1の露光ステップの前に、
ポジ型レジストに1または複数の組の露光および現像を行って、ポジ型レジストの鋳型を作製するステップと、
前記ポジ型レジストの鋳型に、前記第1の露光ステップにおいて露光を行う前記ネガ型レジストを塗布するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の微細構造の作製方法。
【請求項6】
前記第2の現像ステップの前に、
前記ポジ型レジストの鋳型を溶解させて、前記ポジ型レジストの鋳型を前記第1の構造のネガ型レジストから除去するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の微細構造の作製方法。
【請求項7】
前記現像性は、現像液のレジストに対する溶解性の強弱、または現像時間の長短により調整することを特徴とする請求項2に記載の微細構造の作製方法。
【請求項8】
前記ネガ型レジストは、水素化シルセスキオキサンであり、
前記現像性は、現像液のレジストに対する溶解性の強弱により調整し、
前記第1の現像ステップの現像液は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液であり、
前記第2の現像ステップの現像液は、水酸化カリウム水溶液であることを特徴とする請求項7に記載の微細構造の作製方法。
【請求項9】
ポジ型レジストに対して、エネルギービームを照射する露光および現像を1または複数の組行って、ポジ型レジストの鋳型を作製するステップと、
前記ポジ型レジストの鋳型に、ネガ型レジストを塗布するステップと、
前記ネガ型レジストに、エネルギービームを照射する露光ステップと、
前記ネガ型レジストを現像する現像ステップと
を含むことを特徴とする微細構造の作製方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−237154(P2009−237154A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81954(P2008−81954)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】