説明

情報交換システム

【課題】車両間で、無線通信により情報交換を行う情報交換システムにおいて、他の車両から取得した情報に基づいて、実際の道路状況により即した最適な経路案内情報の提供を実現する。
【解決手段】第1の車載器において、計時手段は通過中の道路における所定区間の通過に要する時間を計時し、第1の記憶手段は、計時された当該道路の所定区間の通過に要した時間に関する第1の道路通過情報を記憶し、探索手段は通信可能な第2の車載器を探索し、送信手段は第2の車載器に対して第1の道路通過情報を無線送信し、受信手段は、第2の車載器から無線送信された第2の道路通過情報を受信し、第2の記憶手段は第2の道路通過情報を記憶し、経路検索手段は、第2の記憶手段により記憶された第2の道路通過情報に含まれる道路の所定区間の通過に要した時間を用いて、目的地までの所要時間が最短となる案内経路を検索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行中の車両間で、無線通信により情報の交換を行うシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、特定種別の情報内容を保持している車両と、当該情報内容を要求している車両とが判明したときにのみ、その情報内容の送受信が行われる装置が提案されている。
また、例えば、特許文献2には、車両が走行する目的地までの経路探索を、経路探索センタに依頼すると、同じ目的地までの経路探索を依頼している他の車両の紹介を受け、紹介を受けた車両に連絡することにより、目的地に移動している途中でも、目的地を共有する車両同士で必要且つ有益な情報交換を行うことができるシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2006−281850号公報
【特許文献2】特開2003−317189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、目的地まで最短時間で到達する経路を探索する場合、従来では、道路の通過に要する平均的な所要時間に基づいて経路が探索される。しかしながら、渋滞等の影響で道路の通過に要する実際の所要時間は異なる場合があるため、その時々の道路状況に応じた、必ずしも最適な経路が探索されるとは限らないという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、車両間で、無線通信により情報交換を行う情報交換システムにおいて、他の車両から取得した情報に基づいて、実際の道路状況により即した最適な経路案内情報を提供することができる情報交換システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数車両に各々搭載された車載器間で、情報の交換を行う情報交換システムにおいて、
第1の車載器は、
通過中の道路における所定区間の通過に要する時間を計時する計時手段と、
前記計時手段により計時された当該道路の所定区間の通過に要した時間に関する第1の道路通過情報を記憶する第1の記憶手段と、
通信可能な第2の車載器を探索する探索手段と、
前記探索手段により探索された通信可能な第2の車載器に対して、前記第1の記憶手段により記憶された前記第1の道路通過情報を無線送信する送信手段と、
前記第2の車載器から無線送信された第2の道路通過情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記第2の道路通過情報を記憶する第2の記憶手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記第2の記憶手段により記憶された前記第2の道路通過情報に含まれる道路の所定区間の通過に要した時間を用いて、前記現在位置検出手段により検出された現在位置から目的地までの所要時間が最短となる案内経路を検索する経路検索手段と、
前記経路検索手段により検索された前記案内経路に関する経路案内情報を提供する提供手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報交換システムにおいて、前記経路検索手段は、前記第2の記憶手段により前記第2の道路通過情報が記憶される度に、目的地までの所要時間が最短となる前記案内経路を再検索することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、複数車両に各々搭載された車載器間で、情報の交換を行う情報交換システムにおいて、
第1の車載器は、
通過中の道路における所定区間の通過に要する時間を計時する計時手段と、
前記計時手段により計時された当該道路の所定区間の通過に要した時間に関する道路通過情報を記憶する第1の記憶手段と、
当該第1の車載器と通信可能な第2の車載器を探索する第1の探索手段と、
前記第1の探索手段により探索された第2の車載器に対して、前記第1の記憶手段により記憶された前記道路通過情報を無線送信する第1の送信手段と、を備え、
前記第2の車載器は、
前記第1の車載器から無線送信された道路通過情報を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段により受信された前記道路通過情報を記憶する第2の記憶手段と、
当該第2の車載器と通信可能な第3の車載器を探索する第2の探索手段と、
前記第2の探索手段により探索された第3の車載器に対して、前記第2の記憶手段により記憶された前記道路通過情報を無線送信する第2の送信手段と、を備え、
前記第3の車載器は、
前記第1の車載器が搭載される車両と同一方向に向かう車両に搭載され、
前記第2の車載器から無線送信された前記道路通過情報を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段により受信された前記道路通過情報を記憶する第3の記憶手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記第3の記憶手段により記憶された前記道路通過情報に含まれる道路の所定区間の通過に要した時間を用いて、前記現在位置検出手段により検出された現在位置から目的地までの所要時間が最短となる案内経路を検索する経路検索手段と、
前記経路検索手段により検索された前記案内経路に関する経路案内情報を提供する提供手段と、
を備え、
前記経路検索手段は、
前記第3の記憶手段により前記道路通過情報が記憶される度に、前記目的地までの所要時間が最短となる前記案内経路を再検索することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1の車載器において、計時手段により、通過中の道路における所定区間の通過に要する時間が計時され、第1の記憶手段により、計時手段により計時された道路の所定区間の通過に要した時間に関する第1の道路通過情報が記憶され、探索手段により、通信可能な第2の車載器が探索され、送信手段により、探索手段により探索された通信可能な第2の車載器に対して、第1の記憶手段により記憶された第1の道路通過情報が無線送信され、受信手段により、第2の車載器から無線送信された第2の道路通過情報が受信され、第2の記憶手段により、受信手段により受信された第2の道路通過情報が記憶され、現在位置検出手段により現在位置が検出され、経路検索手段により、第2の記憶手段により記憶された第2の道路通過情報に含まれる道路の所定区間の通過に要した時間が用いられて、現在位置検出手段により検出された現在位置から目的地までの所要時間が最短となる案内経路が検索され、提供手段により、経路検索手段により検索された案内経路に関する経路案内情報が提供される。
すなわち、第1の車載器において、過去に通過した道路における所定区間の通過に要した時間に関する第1の道路通過情報が第2の車載器に送信されるとともに、第2の車載器から送信された第2の道路通過情報が受信される。そして、受信した第2の道路通過情報に含まれる道路における所定区間の通過に要した時間に基づいて、目的地までの所要時間が最短の案内経路が検索されることとなる。したがって、車両間で無線通信により情報交換を行う情報交換システムにおいて、他の車両から取得した情報に基づいて、実際の道路状況により即した最適な経路案内情報を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明を行う。図1は、本実施形態の情報交換システム100の全体構成を示す図である。
【0011】
本実施形態の情報交換システム100は、図1に示すように、複数の車両C間で利用されるシステムである。図1では、例えば、車両C1及び車両C3が車線Aを同一方向に向けて走行中であり、車両C2は車線Aに対向する対向車線Bを、車両C1及びC3と対向する方向に向けて走行中である。各車両C1〜C3には、第1〜第3の車載器M1〜M3が搭載され、各車両C1〜C3の走行に従い、地図情報や、目的地までの経路探索・経路案内等の各種情報を、ユーザに提供する。
【0012】
また、図1に示すように、車両C1〜C3(第1〜第3の車載器M1〜M3)間で、無線通信ネットワークが構築されている。この無線通信ネットワークは、例えば、通信範囲内に存在する他の車載器Mを中継局として、データの伝送を行うアドホックネットワークである。アドホックネットワークでは、無線LAN(Local Area Network)における基地局や、アクセスポイント等のインフラを設けることなくネットワークを構築することができる。
【0013】
本実施形態では、図1の情報交換システム100において、車線Aを走行中の車両C1に搭載された第1の車載器M1(送信端末)から、対向車線Bを走行中の車両C2に搭載された第2の車載器M2(中継局)を中継することにより、第1の車載器M1の搭載された車両C1と同じ方向に向かう車両であり、第1の車載器M1が直接通信可能ではない車両C3に搭載された第3の車載器M3(受信端末)に情報の送信を行う場合を取り上げて、説明を行うこととする。
なお、以下の説明では、第1の車載器M1が送信端末としての役割を果たし、第2の車載器M2が中継局としての役割を果たし、第3の車載器M3が受信端末としての役割を果たす場合の構成及び処理についてのみ説明する。しかしながら、実際の情報交換システム100では、車載器Mのそれぞれが、送信端末としての第1の車載器M1・中継局としての第2の車載器M2・受信端末としての第3の車載器M3、の役割を担っており、各車載器M1〜M3が、送信端末・中継局・受信端末として相互に情報を伝送し合っている。
【0014】
(第1の車載器)
まず、車両C1に搭載される第1の車載器M1の要部構成について、図2を参照しながら説明する。
図2に示すように、第1の車載器M1は、例えば、装置本体内に、現在位置検出部11、第1の送信手段としての無線通信部12、表示部13、入力部14、制御部15等を備えて構成されている。
【0015】
現在位置検出部11は、例えば、第1の車載器M1の絶対座標を検出するGPS測位部等から構成され、第1の車載器M1自身の現在位置情報を検出し、検出した現在位置情報に基づく現在位置検出信号を制御部15に出力する。
具体的には、GPS測位部は、例えば、位置が既知である複数(例えば、4つ)の人工衛星からの電波をGPSアンテナ(図示省略)により受信し、各人工衛星から受信した電波の到達時間から、各人工衛星からの第1の車載器M1までの距離を算出し、各人工衛星からの距離の交点の緯度・経度データを特定する。
また、角速度を検出するジャイロセンサ等の方位センサ、走行に応じたパルスを計測することにより走行距離を検出する走行距離検出部等により、第1の車載器M1の現在位置を検出する構成であっても良い。
【0016】
無線通信部12は、例えば、通信範囲内に存在する他の車両Cに搭載された車載器Mと、無線通信ネットワークを介して情報の交換を行う。
また、無線通信部12は、図示しない情報提供装置とネットワーク接続されており、ネットワークを介して情報提供装置から送信された経路案内、地図情報等の各種情報を受信するよう構成されていても良い。
【0017】
表示部13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備えて構成され、制御部15からの制御に応じて、地図情報その他の各種情報を当該ディスプレイに表示させる。
【0018】
入力部14は、例えば、文字/数字キー、各種機能キー、表示部13と一体的に構成されたタッチパネル等から構成され、ユーザが、目的地点や出発地点等の各種情報の入力を行う。
具体的には、入力部14は、ユーザによるキーの押下に基づくキー押下信号を制御部15に出力するとともに、タッチパネルにおいてユーザによりタッチ操作が行われると、当該タッチ操作された座標を算出し、算出した座標に基づく押下信号を制御部15に出力する。
また、入力部14は、例えば、リモートコントローラ等に備わり、遠隔操作が可能な構成であってもよい。
【0019】
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)151、計時手段としてのRTC(Real Time Clock)152、メモリ部153、ROM(Read Only Memory)154等を備えて構成されている。
【0020】
CPU151は、第1の車載器M1の各部から入力された入力信号等に応じて、ROM154に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、第1の車載器M1の動作全般を統括制御する。
【0021】
RTC152は、現在時刻をカウントし、カウントした現在時刻をCPU151に対して出力する。
具体的には、RTC152は、車両C1の走行に応じて実行される第1の記憶プログラム154a(後述)の実行において、車両C1が通過中の道路を構成するリンク(所定区間)の通過に要する時間を、リンクを通過する度に計時する。
【0022】
メモリ部153は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリからなるワークエリア1531を備えており、CPU151によって各種プログラムが実行される際に生じる処理結果や、入力されたデータ等をこのワークエリア1531に記憶させる。
【0023】
また、メモリ部153は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)等の不揮発性メモリからなるデータエリア1532を備えている。データエリア1532は、例えば、地図情報DB1532a、第1の記憶手段としての第1の道路通過情報記憶部1532b等を記憶している。
【0024】
地図情報DB1532aは、例えば、種類や縮尺の異なる地図情報を階層構造で格納する。例えば、高速自動車国道や一般国道が収録された広域地図、広域地図で表示される道路に加えて都道府県道や市町村道が収録された中域地図、中域地図で表示される道路に加えて細街路が収録された詳細地図等が格納される。この地図情報には、道路情報の他、住所情報や、建物、施設、店舗、公園、鉄道に関する情報、地形情報等が含まれる。また、随時、無線通信部12により、ネットワークNを介して情報提供装置(図示省略)からダウンロードした最新の地図情報に更新されるようになっている。
【0025】
地図情報DB1532aに含まれる道路情報は、ノード情報及びリンク情報から構成される。
ノード情報は、リンクの交点(交差点)・リンクの端点(行き止まり)・リンクの属性が変わる点(例えば、高速自動車国道→都道府県道)を規定するものである。ノード情報には、例えば、各ノード固有のノードID、ノードの座標、交差点名称、ノードに接続されるリンクのリンクID等が含まれる。
また、リンク情報は、ノードとノードを結ぶ線分であるリンクを規定するものであり、1又は複数のリンクにより道路が構成される。リンク情報には、例えば、各リンク固有のリンクID、リンクの端点(始点・終点)であるノードの座標、リンクの長さを示すリンク長、道路名称、道路種別、幅員、車線数、交通規制、リンクの端点であるノードに接続されるリンクのリンクID、リンクの平均通過時間等が含まれる。
【0026】
なお、本実施形態では、道路を構成するリンクのそれぞれを、道路における「所定区間」として説明する。また、以下の説明では、所定区間としてのリンクの通過に要した時間を「リンク通過時間」と言う。
【0027】
第1の道路通過情報記憶部1532bは、後述する第1の記憶プログラム154aの実行において、車両C1が通過中の道路におけるリンクのリンク通過時間に関する道路通過情報(第1の道路通過情報)を記憶する。
図3は、第1の道路通過情報記憶部1532bを例示する図である。図3に示すように、第1の道路通過情報記憶部1532bは、履歴毎に、履歴ID、出発地情報(出発地の座標情報・日時情報)、目的地情報(目的地の座標情報・日時情報)、出発地を出発してから目的地に到達するまでに通過したリンクに関する通過リンク情報(リンクID・各リンクの通過方向・各リンクのリンク通過時間)を記憶している。
また、当該第1道路通過情報記憶部に記憶された道路通過情報は、記憶後所定期間(例えば、3時間)が経過すると削除され、所定期間の履歴のみが保持されるようになっている。
例えば、図3に示す第1道路通過情報記憶部における履歴ID「001」の道路通過情報には、出発地Start1から出発し、リンクa、リンクb、リンクc、リンクd、リンクeをそれぞれ通過して、目的地Goal2に到達した旨が記憶されている。また、リンクa〜リンクeのリンクIDと対応付けて、各リンクを通過した方向と、各リンクの通過に要したリンク通過時間が記憶されており、例えば、ノードn1からノードn2に向かう方向にリンクaを通過して、その通過には「5分30秒」かかった旨が記憶されている。
【0028】
ROM154は、不揮発性メモリから成るプログラム格納エリアを有しており、具体的には、第1の記憶プログラム154a、第1の探索プログラム154b、第1の送信プログラム154c等を備えている。
【0029】
第1の記憶プログラム154aは、例えば、CPU151に、通過中の道路におけるリンクの通過に要する時間を計時するとともに、計時された当該道路のリンクの通過に要した時間に関する道路通過情報(第1の道路通過情報)を記憶する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU151は、第1の車載器M1が搭載された車両C1が道路を走行する際に、車両C1が出発地を出発してから目的地に到達するまでに通過したリンクに関する通過リンク情報(リンクID・通過方向・リンク通過時間)を、第1の道路通過情報記憶部1532bに格納する。
より具体的には、CPU151は、車両C1の走行中にRTC152に計時処理を行わせ、第1の車載器M1がノードnを通過する度に、RTC152により計時されるノードnの通過時点の時刻を記憶する。そして、リンクの端点である2つのノードnを通過した場合に、これらのノードを結ぶリンクを通過したと判断して、1つ目のノードnを出発してから2つ目のノードnに到達するまでに要した時間を、リンク通過時間として算出し、第1の道路通過情報記憶部1532bに記憶する。
【0030】
また、CPU151は、第1の道路通過情報記憶部1532bに記憶された道路通過情報のうち、記憶後所定期間(例えば、3時間)が経過した道路通過情報を削除して、所定期間の履歴のみを保持する。さらに、CPU151は、第1の道路通過情報記憶部1532bに記憶された道路通過情報のうち、現在位置の所定範囲(例えば、半径100km以内)に含まれる道路通過情報のみを記憶し、現在位置の所定範囲に含まれない道路通過情報は削除する。
CPU151は、かかる第1の記憶プログラム154aを実行することにより、RTC152とともに計時手段として機能し、また、第1の道路通過情報記憶部1532bとともに第1の記憶手段として機能する。
【0031】
ここで、図4を参照しながら、車両C1が道路を走行する際に、第1の車載器M1において実行される道路通過情報の記憶処理について説明する。
図4において、車両C1は車線Aを走行しており、ノードn1から出発し、リンクa〜eを走行して、ノードn6に到着するものとする。対向車線Bは、車線Aに対向する車線である。
【0032】
例えば、車両C1がノードn1から出発すると、CPU151は、RTC152により計時されるノードn1を出発した時刻を一時的に記憶する。そして、車両C1がノードn2に到達すると、CPU151は、RTC152により計時されるノードn2に到達した時刻を一時的に記憶するとともに、ノードn1及びノードn2の間のリンクaを通過したと判断して、リンクaのリンク通過時間を算出し、算出したリンク通過時間を、リンクID・通過方向等のデータとともに第1の道路通過情報記憶部1532bに記憶させる。
次に、車両C1が、ノードn3に到達すると、CPU151は、RTC152により計時されるノードn3に到達した時刻を一時的に記憶するとともに、ノードn2及びノードn3の間のリンクbを通過したと判断して、リンクbのリンク通過時間を算出し、算出したリンク通過時間を、リンクID・通過方向等のデータとともに第1の道路通過情報記憶部1532bに記憶させる。
さらに、車両C1が、ノードn4、ノードn5、ノードn6に到達すると、CPU151は、ノードn4〜n5に到達した各地点において、リンクc〜eを通過したと判断し、各リンクのリンク通過時間を算出して第1の道路通過情報記憶部1532bに記憶させる。
【0033】
第1の探索プログラム154bは、例えば、CPU151に、第1の車載器M1と通信可能な第2の車載器M2を探索する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU151は、自車両C1と対向する方向に走行中の車両C2に搭載される通信可能な第2の車載器M2を探索する。そして、例えば、第2の車載器M2が通信範囲内に存在すると、当該第2の車載器M2と無線リンクを確立する処理を行う。
CPU151は、かかる第1の探索プログラム154bを実行することにより、第1の探索手段(探索手段)として機能する。
【0034】
第1の送信プログラム154cは、例えば、CPU151に、第1の探索プログラム154bの実行により探索された第2の車載器M2に対して、第1の記憶プログラム154aの実行により記憶された道路通過情報(第1の道路通過情報)を無線送信する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU151は、通信範囲内に存在し、無線リンクが確立された第2の車載器M2に対して、第1の道路通過情報記憶部1532bに記憶された道路通過情報を、無線通信部12により送信する。
CPU151は、かかる第1の送信プログラム154cを実行することにより、第1の送信手段(送信手段)として機能する。
【0035】
ここで、図5を参照しながら、車両C1が、車両C2とすれ違う場合に、第1の車載器M1と第2の車載器M2の間で実行される道路通過情報の送受信処理について説明する。
図5において、車両C1は、例えば、リンクeの車線Aを走行中である。また、車両C1は、既にリンクa〜dを通過しており、車両C1の第1の道路通過情報記憶部1532bには、各リンクa〜dの通過に要したリンク通過時間が記憶されているものとする。
【0036】
車両C1は、自車C2と対向する方向に走行中の車両C2に搭載された、通信可能な第2の車載器M2を探索する。そして、例えば、図5に示すように、リンクeの走行中に、対向車線Bを走行する車両C2とすれ違い、通信可能な第2の車載器M2が探索されたと判断すると、当該第2の車載器M2との間で無線リンクを確立する。そして、無線リンクを確立した第2の車載器M2に対して、第1の道路通過情報記憶部1532bに記憶された道路通過情報を、無線通信部12により無線送信する。すなわち、第2の車載器M2は、車両C1が過去に通過したリンク(リンクa〜d)のリンク通過時間を含む道路通過情報を取得することとなる。
【0037】
(第2の車載器)
次に、車両C2に搭載される第2の車載器M2の要部構成について、図6を参照しながら説明する。なお、第2の車載器M2の構成において、第1の車載器M1と同一部分の構成については、詳しい説明を省略することとする。
図6に示すように、第2の車載器M2は、例えば、装置本体内に、現在位置検出部21、第1の受信手段及び第2の送信手段としての無線通信部22、表示部23、入力部24、制御部25等を備えて構成されている。
【0038】
制御部25は、CPU251、RTC252、メモリ部253、ROM254等を備えて構成されている。
【0039】
CPU251は、第2の車載器M2の各部から入力された入力信号等に応じて、ROM254に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、第2の車載器M2の動作全般を統括制御する。
【0040】
メモリ部253は、例えば、RAM等の揮発性メモリからなるワークエリア2531と、EPROM等の不揮発性メモリからなるデータエリア2532を備えている。データエリア2532は、例えば、地図情報DB2532a、第2の記憶手段としての第2の道路通過情報記憶部2532b等を記憶している。
【0041】
第2の道路通過情報記憶部2532bは、車両C2が通過したリンクのリンク通過時間に関する道路通過情報を記憶するとともに、後述する第2の記憶プログラム254bの実行において、第1の車載器M1から受信した道路通過情報に基づいて更新する。
【0042】
ROM254は、不揮発性メモリから成るプログラム格納エリアを有しており、具体的には、第1の受信プログラム254a、第2の記憶プログラム254b、第2の探索プログラム254c、第2の送信プログラム254d等を備えている。
【0043】
第1の受信プログラム254aは、例えば、CPU251に、第1の車載器M1から無線送信された道路通過情報を受信する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU251は、通信範囲内に存在する車両C1に搭載された第1の車載器M1から、当該車両C1が過去に通過したリンクのリンク通過時間を含む道路通過情報が無線送信されると、当該道路通過情報を無線通信部22において受信する。
CPU251は、かかる第1の受信プログラム254aを実行することにより、無線通信部22とともに第1の受信手段として機能する。
【0044】
第2の記憶プログラム254bは、例えば、CPU251に、第1の受信プログラム254aの実行により受信された道路通過情報を記憶する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU251は、無線通信部22において受信した道路通過情報に基づいて、第2の道路通過情報記憶部2532bに記憶された道路通過情報を更新する。すなわち、CPU251は、第1の車載器M1から受信した道路通過情報に、第2の道路通過情報記憶部2532bに記憶されていないリンクのリンク通過時間が含まれている場合には、これを第2の道路通過情報記憶部2532bに記憶する。また、第1の車載器M1から受信した道路通過情報に、第2の道路通過情報記憶部2532bに記憶されているリンクのリンク通過時間が含まれている場合には、最新のデータに基づいて更新を行う。
【0045】
また、CPU251は、第2の道路通過情報記憶部2532bに記憶された道路通過情報のうち、記憶後所定期間(例えば、3時間)が経過した道路通過情報を削除して、所定期間の履歴のみを保持する。さらに、CPU251は、第2の道路通過情報記憶部2532bに記憶された道路通過情報のうち、現在位置の所定範囲(例えば、半径100km以内)に含まれる道路通過情報のみを記憶し、現在位置の所定範囲に含まれない道路通過情報は削除する。
CPU251は、かかる第2の記憶プログラム254bを実行することにより、第2の道路通過情報記憶部2532bとともに第2の記憶手段として機能する。
【0046】
第2の探索プログラム254cは、例えば、CPU251に、当該第2の車載器M2と通信可能な第3の車載器M3を探索する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU251は、第1の車載器M1が搭載される車両C1と同一方向に向けて走行中であり、車両C1の後を走行中の車両C3に搭載される通信可能な第3の車載器M3を探索する。そして、第3の車載器M3が通信範囲内に存在すると、当該第3の車載器M3と無線リンクを確立する処理を行う。
CPU251は、かかる第2の探索プログラム254cを実行することにより、第2の探索手段として機能する。
【0047】
第2の送信プログラム254dは、例えば、CPU251に、第2の探索プログラム254cの実行により探索された第3の車載器M3に対して、第2の記憶プログラム254bの実行により記憶された道路通過情報を無線送信する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU251は、通信範囲内に存在し、無線リンクが確立された第3の車載器M3に対して、第2の道路通過情報記憶部2532bに記憶された道路通過情報を、無線通信部22により送信する。
CPU251は、かかる第2の送信プログラム254dを実行することにより、無線通信部22とともに第2の送信手段として機能する。
【0048】
ここで、図7を参照しながら、車両C2が、過去にすれ違った車両C1と同じ方向に走行する車両C3とすれ違う場合に、第2の車載器M2と第3の車載器M3の間で実行される道路通過情報の送受信処理について説明する。
図7において、車両C2は、例えば、リンクaの対向車線Bを走行中である。車両C2に搭載された第2の車載器M2は、前述したように、リンクeの対向車線Bの走行中において車両C1とすれ違った際に、この車両C1に搭載された第1の車載器M1から送信された道路通過情報に基づいて、第2の道路通過情報記憶部2532bが更新済みである。すなわち、第2の道路通過情報記憶部2532bには、第1の車載器M1を搭載する車両C1が過去に通過したリンク(リンクa〜d)の通過に要したリンク通過時間が記憶されている。
【0049】
車両C2は、走行中に、送信端末としての第1の車載器M1が搭載される車両C1と同一方向に向けて走行中の車両C3に搭載された、通信可能な第3の車載器M3を探索する。そして、例えば、図7に示すように、リンクaの走行中に、車線Aを走行する車両C3とすれ違い、通信可能な第3の車載器M3が探索されたと判断すると、当該第3の車載器M3との間で無線リンクを確立する。そして、無線リンクを確立した第3の車載器M3に対して、第2の道路通過情報記憶部2532bに記憶された道路通過情報を、無線通信部22により無線送信する。
したがって、第3の車載器M3は、送信端末としての車両C1が過去に通過したリンク(リンクa〜d)の通過に要したリンク通過時間を含む道路通過情報を、中継局としての第2の車載器M2を介して取得することとなる。
【0050】
(第3の車載器)
次に、車両C3に搭載される第3の車載器M3の要部構成について、図8を参照しながら説明する。なお、第3の車載器M3の構成において、第1の車載器M1又は第2の車載器M2と同一部分の構成については、詳しい説明を省略することとする。
図8に示すように、第3の車載器M3は、例えば、装置本体内に、現在位置検出部31、第2の受信手段としての無線通信部32、表示部33、入力部34、制御部35等を備えて構成されている。
【0051】
制御部35は、CPU351、RTC352、メモリ部353、ROM354等を備えて構成されている。
【0052】
CPU351は、第3の車載器M3の各部から入力された入力信号等に応じて、ROM354に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、第3の車載器M3の動作全般を統括制御する。
【0053】
メモリ部353は、例えば、RAM等の揮発性メモリからなるワークエリア3531と、EPROM等の不揮発性メモリからなるデータエリア3532を備えている。データエリア3532は、例えば、地図情報DB3532a、第3の記憶手段としての第3の道路通過情報記憶部3532b等を記憶している。
【0054】
第3の道路通過情報記憶部3532bは、車両C3が通過したリンクのリンク通過時間に関する道路通過情報を記憶するとともに、後述する第3の記憶プログラム354bの実行において、第2の車載器M2から受信した道路通過情報に基づいて更新する。
【0055】
ROM354は、不揮発性メモリから成るプログラム格納エリアを有しており、具体的には、第2の受信プログラム354a、第3の記憶プログラム354b、現在位置検出プログラム354c、経路検索プログラム354d、提供プログラム354e等を備えている。
【0056】
第2の受信プログラム354aは、例えば、CPU351に、第2の車載器M2から無線送信された道路通過情報(第2の道路通過情報)を受信する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU351は、通信範囲内に存在する車両C2に搭載された第2の車載器M2から、当該車両C2が過去に通過したリンクのリンク通過時間と、第1の車載器M1から送信された道路通過情報に含まれるリンク通過時間と、に基づいて更新された道路通過情報が無線送信されると、当該道路通過情報を無線通信部32において受信する。
CPU351は、かかる第2の受信プログラム354aを実行することにより、無線通信部32とともに第2の受信手段(受信手段)として機能する。
【0057】
第3の記憶プログラム354bは、例えば、CPU351に、第2の受信プログラム354aの実行により受信された道路通過情報(第2の道路通過情報)を記憶する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU351は、無線通信部32において受信した道路通過情報に基づいて、第3の道路通過情報記憶部3532bに記憶された道路通過情報を更新する。すなわち、CPU351は、第2の車載器M2から受信した道路通過情報に、第3の道路通過情報記憶部3532bに記憶されていないリンクのリンク通過時間が含まれている場合には、これを第3の道路通過情報記憶部3532bに記憶する。また、第2の車載器M2から受信した道路通過情報に、第3の道路通過情報記憶部3532bに記憶されているリンクのリンク通過時間が含まれている場合には、最新のデータに基づいて更新を行う。
第2の車載器M2から受信した当該道路通過情報は、第2の車載器M2を搭載する車両C1が、第1の車載器M1を搭載する車両C1とすれ違った際に無線通信ネットワークにより送信された道路通過情報に基づいて更新されたものである。また、車両C3は、車両C1の後から、同一方向に向けて走行する車両である。したがって、車両C3がこの後に走行する可能性の高いリンクに関する最新のリンク通過時間データが、道路通過情報記憶部に記憶されることとなる。
【0058】
また、CPU351は、第3の道路通過情報記憶部3532bに記憶された道路通過情報のうち、記憶後所定期間(例えば、3時間)が経過した道路通過情報を削除して、所定期間の履歴のみを保持する。さらに、CPU351は、第3の道路通過情報記憶部3532bに記憶された道路通過情報のうち、現在位置の所定範囲(例えば、半径100km以内)に含まれる道路通過情報のみを記憶し、現在位置の所定範囲に含まれない道路通過情報は削除する。これにより、第3の道路通過情報記憶部3532bには、有用な道路通過情報のみが保持されることとなる。
CPU351は、かかる第3の記憶プログラム354bを実行することにより、第3の道路通過情報記憶部3532bとともに第3の記憶手段(第2の記憶手段)として機能する。
【0059】
現在位置検出プログラム354cは、例えば、CPU351に、現在位置を検出する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU351は、GPS測位部等から構成される現在位置検出部31に、第3の車載器M3自身の現在位置情報を取得させ、当該現在位置検出部31から出力される現在位置検出信号に基づいて、第3の車載器M3の現在位置としての座標(緯度・経度)を特定する。さらに、特定される現在位置に基づいて、マップマッチング処理を行い、第3の車載器M3が搭載された車両が位置している道路を、データエリア3532等の所定の領域に記憶されているマッチングデータ(図示省略)に基づいて特定する。マップマッチング処理には、例えば、車両の走行軌跡に応じて、マッチング候補となる道路を求め、マッチング候補から最も相関が高い道路を特定して、その道路上に現在位置をマッチングさせるパターンマッチング等を用いる。
CPU351は、かかる現在位置検出プログラム354cを実行することにより、現在位置検出部31とともに現在位置検出手段として機能する。
【0060】
経路検索プログラム354dは、例えば、CPU351に、第3の記憶プログラム354bの実行により記憶された道路通過情報に含まれる道路の所定区間の通過に要した時間を用いて、現在位置検出プログラム354cの実行により検出された現在位置から目的地までの所要時間が最短となる案内経路を検索する機能を実現させるためのプログラムである。また、当該経路検索プログラム354dは、第3の記憶プログラム354bの実行により道路通過情報が記憶される度に、目的地までの所要時間が最短となる案内経路を再検索する。
【0061】
具体的には、CPU351は、現在位置検出部31により検出される現在位置(出発地)から目的地に至る全経路の所要時間を算出する。当該所要時間は、第3の道路通過情報記憶部3532bに記憶された道路通過情報に含まれるリンクのリンク通過時間を優先的に用いるとともに、第3の道路通過情報記憶部3532bにリンク通過時間が記憶されていないリンクについては、地図情報DB3532aのリンク情報に含まれる平均通過時間を用いることにより、算出される。そして、候補となる経路のうち、算出した目的地までの所要時間が最短時間となる経路を、ユーザに提供する案内経路として決定する。
CPU351は、このような経路探索処理を、第2の車載器M2から受信した道路通過情報に基づいて、第3の道路通過情報記憶部3532bが更新される度に実行する。すなわち、CPU351は、自車両C3の先を走行する車両C1において記憶された道路通過情報を、中継局としての車両C2を介して受信する度に、現在位置から目的地までの所要時間が最短の案内経路を検索し直す。
したがって、車両C3では、走行先の道路状況をよりリアルタイム且つより正確に把握することが可能となるとともに、走行先の道路を他の車両C1が実際に通過した際に要した実際の時間に基づいて、案内経路が検索されることとなる。よって、より確実に、最短時間で目的地に到達することが可能となる。
CPU351は、かかる経路検索プログラム354dを実行することにより、経路検索手段として機能する。
【0062】
ここで、図7を参照しながら、第3の車載器M3において実行される経路検索処理について説明する。
図7において、車両C3に搭載された第3の車載器M3は、予め検索された、目的地まで最短で到着する案内経路に沿って走行を行っている。この案内経路は、例えば、ノードn6を目的地として、リンクa→リンクb→リンクc→リンクd→リンクeを通過する経路である。また、目的地としてのノードn6までの所要時間は、例えば、地図情報に含まれるリンク情報の平均通過時間に基づいて、「20分30秒」と算出されている。
【0063】
図7に示すように、車両C3が、リンクaの走行中に、対向車線Bを走行する車両C2とすれ違い、車両C3と車両C2の間で無線リンクが確立されると、前述したように、第3の車載器M3は、第2の車載器M2から無線通信ネットワークを介して送信された道路通過情報を受信する。この道路通過情報は、車両C2がリンクeを走行中に、すれ違った車両C1から送信された道路通過情報であり(図5参照)、車両C3が走行する予定のリンク(リンクb・リンクc・リンクd)のリンク通過時間を含むものである。第3の車載器M3のCPU351は、第2の車載器M2から受信した当該道路通過情報に基づいて、第3の道路通過情報記憶部3532bを更新する。
さらに、CPU351は、第3の道路通過情報記憶部3532bが更新されると、更新された第3の道路通過情報記憶部3532bの道路通過情報に基づいて、目的地までの所要時間が最短となる案内経路を再検索する。例えば、予め検索された案内経路に含まれるリンク(例えば、リンクc)が渋滞しており、渋滞しているリンクを含む経路(リンクa→リンクb→リンクc→リンクd→リンクeを通過する経路)の所要時間が「51分05秒」と算出され、一方で、渋滞しているリンクを含まない経路(例えば、リンクa→リンクb→リンクj→リンクk→リンクeを通過する経路)の所要時間が「20分10秒」と算出される。すると、CPU351は、ユーザに提供する案内経路を、所要時間が短い方の経路(リンクa→リンクb→リンクj→リンクk→リンクeを通過する経路)に変更する。
したがって、上述のように、予め検索された、目的地まで最短時間で到達する案内経路に含まれる道路が渋滞しており、目的地まで最短時間で到達することができなくなった場合であっても、その時々の道路状況に応じた目的地まで最短時間で到着する案内経路が再検索されるため、渋滞している道路を迂回して、目的地までより確実に最短時間で到達することができる。
【0064】
提供プログラム354eは、例えば、CPU351に、経路検索プログラム354dの実行により検索された案内経路に関する経路案内情報を提供する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU351は、前述の経路検索プログラム354dの実行により案内経路が検索されると、現在位置及び検索された案内経路を含む地図情報を地図情報DB3532aから読み出す。そして、地図上における自車C3の現在位置にマークを表示させるとともに、検索された案内経路に矢印等を表示させ、この地図情報を目的地までの所要時間等のデータとともに経路案内情報として表示部33に表示させて、進むべきルート及び所要時間をユーザに報知する。また、CPU351は、案内経路に関する経路案内情報の提供に際して、その案内経路における目的地までの所要時間を表示部33に表示させて、ユーザに報知する。また、車両の走行に沿って、音声ガイダンスによる経路案内情報を提供しても良い。
また、CPU351は、経路検索プログラム354dの実行により、目的地までの所要時間が最短となる案内経路が新たに再検索されると、現在位置及び再検索された案内経路を含む地図情報を、地図情報DB3532aから読み出す。そして、図9に示すように、案内経路が変更された旨を表示部33に表示させてユーザに報知する。また、地図上における自車C3の現在位置にマークを表示させるとともに、変更された案内経路に矢印等を表示させ、この地図情報を目的地までの所要時間等のデータとともに経路案内情報として表示部33に表示させて、変更された案内経路及び所要時間をユーザに報知する。
また、CPU351は、案内経路に変更が無い場合であっても、他の車載器Mから受信した道路通過情報に基づいて第3の道路通過情報記憶部3532bが更新されて、目的地までの所要時間が変更されると、変更された所要時間を表示部33に表示させてユーザに報知する。
CPU351は、かかる提供プログラム354eを実行することにより、提供手段として機能する。
【0065】
次に、図10のフローチャートを参照しながら、第1の車載器M1と第2の車載器M2の間で行われる道路通過情報の送受信処理について説明する。
【0066】
まず、ステップS1において、第1の車載器M1のCPU151は、第1の車載器M1がリンクを通過する度に、RTC152にリンク通過時間を計時させ、計時されたリンク通過時間を、道路通過情報として第1の道路通過情報記憶部1532bに記憶させる。ステップS2において、CPU151は、第1の道路通過情報記憶部1532bに記憶された道路通過情報のうち、記憶後所定期間の経過した道路通過情報と、現在位置検出部11により検出される現在位置の所定範囲を外れた道路通過情報を削除する。そして、ステップS3において、対向車線Bを走行中であり、通信可能な第2の車載器M2が存在するか否かを判断する。CPU151は、ステップS3において、通信可能な第2の車載器M2が存在しないと判断すると(ステップS3;No)、ステップS1に戻って以上の処理を繰り返す。一方、CPU151は、通信可能な第2の車載器M2が存在すると判断すると(ステップS2;Yes)、ステップS4において、第2の車載器M2との間で無線リンクを確立する。そして、ステップS5において、第1の道路通過情報記憶部1532bに記憶された道路通過情報を、無線通信ネットワークを介して、第2の車載器M2に送信し、本処理を終了する。
【0067】
一方、第2の車載器M2のCPU251は、ステップ6において、第1の車載器M1から受信した道路通過情報に基づいて、第2の道路通過情報記憶部2532bを更新する。そして、ステップS7において、第2の道路通過情報記憶部2532bに記憶された道路通過情報のうち、記憶後所定期間の経過した道路通過情報と、現在位置検出部21により検出される現在位置の所定範囲を外れた道路通過情報を削除して、本処理を終了する。
【0068】
次に、図11のフローチャートを参照しながら、第2の車載器M2と第3の車載器M3の間で行われる道路通過情報の送受信処理について説明する。
【0069】
まず、ステップS11において、第2の車載器M2のCPU251は、車線Aを走行中であり、第1の車載器M1と同一方向に向かう通信可能な第3の車載器M3が存在するか否かを判断する。CPU251は、ステップS11において、通信可能な第3の車載器M3が存在しないと判断すると(ステップS11;No)、ステップS11に戻って以上の処理を繰り返す。一方、CPU251は、通信可能な第3の車載器M3が存在すると判断すると(ステップS11;Yes)、ステップS12において、第3の車載器M3との間で無線リンクを確立する。そして、ステップS13において、第2の道路通過情報記憶部2532bに記憶された道路通過情報を、無線通信ネットワークを介して、第3の車載器M3に送信し、本処理を終了する。
【0070】
一方、第3の車載器M3のCPU351は、ステップS14において、第2の車載器M2から受信した道路通過情報に基づいて、第3の道路通過情報記憶部3532bを更新する。そして、ステップS15において、第3の道路通過情報記憶部3532bに記憶された道路通過情報のうち、記憶後所定期間の経過した道路通過情報と、現在位置検出部31により検出される現在位置の所定範囲を外れた道路通過情報を削除する。次に、CPU351は、ステップS16において、更新された第3の道路通過情報記憶部3532bに含まれるリンク通過時間、地図情報に含まれるリンク情報等に基づいて、現在位置から目的地までの所要時間が最短となる案内経路の検索(又は、既に案内経路が検索されている場合には、再検索)を実行する。ステップS17において、CPU351は、ステップS16において検索(又は、再検索)された案内経路に関する経路案内情報を提供し、本処理を終了する。
【0071】
以上説明した本実施形態における情報交換システム100によれば、第1の車載器M1において、第1の記憶プログラム154aの実行により、通過中の道路における所定区間の通過に要する時間が計時され、計時された当該道路の所定区間の通過に要した時間に関する道路通過情報が記憶され、第1の探索プログラム154bの実行により、当該第1の車載器M1と通信可能な第2の車載器M2が探索され、第1の送信プログラム154cの実行により、第1の探索プログラム154bの実行により探索された第2の車載器M2に対して、第1の記憶プログラム154aの実行により記憶された道路通過情報が無線送信される。
また、第2の車載器M2において、第1の受信プログラム254aの実行により、第1の車載器M1から無線送信された道路通過情報が受信され、第2の探索プログラム254bの実行により、第1の受信プログラム254aの実行により受信された道路通過情報が記憶され、第2の探索プログラム254cの実行により、当該第2の車載器M2と通信可能な第3の車載器M3が探索され、第2の送信プログラム254dの実行により、第2の探索プログラム254cの実行により探索された第3の車載器M3に対して、第2の記憶プログラム254bの実行により記憶された道路通過情報が無線送信される。
また、第1の車載器M1が搭載される車両と同一方向に向かう車両に搭載される第3の車載器M3において、第2の受信プログラム354aの実行により、第2の車載器M2から無線送信された道路通過情報が受信され、第3の記憶プログラム354bの実行により、第2の受信プログラム354aの実行により受信された道路通過情報が記憶され、現在位置検出プログラム354cの実行により、現在位置が検出され、経路検索プログラム354dの実行により、第3の記憶プログラム354bの実行により記憶された道路通過情報に含まれる道路の所定区間の通過に要した時間を用いて、現在位置検出プログラム354cの実行により検出された現在位置から目的地までの所要時間が最短となる案内経路が検索され、提供プログラム354eの実行により、経路検索プログラム354dの実行により検索された案内経路に関する経路案内情報が提供され、経路検索プログラム354dの実行により、第3の記憶プログラム354bの実行により道路通過情報が記憶される度に、目的地までの所要時間が最短となる案内経路が再検索される。
【0072】
したがって、車両間で無線通信により情報交換を行う情報交換システム100において、他の車両Cから取得した情報に基づいて、実際の道路状況により即した最適な経路案内情報を提供することが可能となる。すなわち、第1の車載器M1において、過去に通過した道路における所定区間の通過に要した時間に関する道路通過情報が第2の車載器M2を中継して、第1の車載器M1が搭載される車両C1と同一方向に向かう車両C3に搭載される第3の車載器M3に送信されることとなる。そして、第3の車載器M3において、第2の車載器M2を中継して第1の車載器M1から送信される度に、当該第1の車載器M1から送信された道路通過情報に含まれる道路の所定区間の通過に要した時間に基づいて、目的地までの所要時間が最短となる案内経路が検索される。したがって、第3の車載器M3では、走行先の道路状況をよりリアルタイム且つより正確に把握することが可能となるとともに、走行先の道路を、他の第1の車載器M1を搭載する車両C1が実際に通過した際に要した実際の時間に基づいて、案内経路が検索されることとなる。
例えば、予め検索された、目的地まで最短時間で到達する案内経路に含まれる道路が渋滞しており、目的地まで最短時間で到達することができなくなった場合であっても、その時々の道路状況に応じた目的地まで最短時間で到着する案内経路が再検索され、渋滞している道路を迂回して走行することができる。よって、より確実に、最短時間で目的地に到達することが可能となる。
【0073】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0074】
例えば、地図情報DB、道路通過情報記憶部等の記憶媒体は、ハードディスク(Hard Disc)や、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)等、光学的、磁気的、半導体メモリ等の何れの記憶媒体で構成しても良い。また、固定的に設けたもの(例えば、磁気テープ、ハードディスク等)でも良く、着脱自在に設けたもの(例えば、FD、MO、DVD等)であっても良い。
【0075】
また、中継局としての車載器Mは、送信端末・受信端末としての車載器Mと対向する車線を走行中の車両Cに搭載された車載器Mに限られず、送信端末・受信端末としての車載器Mと同一車線を同一方向に向けて走行中の車両Cに搭載された車載器Mであっても良い。
また、複数の車載器Mを中継局として、情報の伝送を行っても良い。
また、第1の車載器M1が、第3の車載器M3と通信可能である場合には、第2の車載器M2を中継することなく、直接、第3の車載器M3に対して道路通過情報を送信しても良い。
また、受信端末としての第3の車載器M3は、送信端末としての第1の車載器M1と同一車線を同一方向に向けて走行中の車両に搭載された車載器Mに限られず、送信端末としての第1の車載器M1と対向する車線を走行中の車両に搭載されていても良い。
【0076】
また、第3の車載器M3において、案内経路を複数提示して、所望の案内経路をユーザに選択させる構成であっても良い。
また、既に決定された案内経路よりも、目的地までの所要時間の短い新たな案内経路が検索された場合に、ユーザに、案内経路を変更するか否かを選択させても良い。
また、既に決定された案内経路における目的地までの所要時間が変更された場合に、ユーザに、案内経路の再検索を行うか否かを選択させ、ユーザが案内経路の再検索を行う旨の選択を行った場合にのみ、再検索を行う構成であっても良い。
【0077】
また、第1の記憶手段、第2の記憶手段、第3の記憶手段は、第1〜3の道路通過情報記憶部に記憶される道路通過情報のうち、現在位置から目的地へ向かう方向と逆の方向に存在するリンクの道路通過情報を削除する構成であっても良い。
また、第1の記憶手段、第2の記憶手段、第3の記憶手段は、各リンクのリンク通過時間のデータを、所定の時間帯毎に(例えば、2時間単位で)記憶し、案内経路の検索時の時間帯に応じた道路通過情報を利用する構成であっても良い。
【0078】
また、送信端末となる第1の車載器M1は、受信端末となる第3の車載器M3が必要としている道路通過情報のみを送信するように構成しても良い。すなわち、例えば、始めに第3の車載器M3から、必要な道路通過情報を示す情報(例えば、目的地に関する情報、案内経路に関する情報等)を第1の車載器M1に送信する。そして、第1の車載器M1において、第3の車載器M3から受信した情報に基づいて、第3の車載器M3において利用される可能性の高い道路通過情報(例えば、目的地の所定範囲に含まれるリンクの道路通過情報)のみを、第3の車載器M3に対して送信するように構成しても良い。
【0079】
また、中継局としての第2の車載器M2は、送信端末としての第1の車載器M1から受信した道路通過情報に基づいて、第2の道路通過情報記憶部2532bを更新せずにそのまま保持し、受信端末としての第3の車載器M3に、当該第1の車載器M1から受信した道路通過情報を送信した後に、当該道路通過情報を削除する構成であっても良い。
【0080】
また、道路における所定区間は、ノード間のリンクに限られることなく、道路を区分する何らかの単位であれば良い。例えば、国道・一般道等であっても良く、また、高速自動車国道における2つの出口の間の区間であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本実施形態における情報交換システムの全体構成を例示する図である。
【図2】第1の車載器の要部構成を例示する図である。
【図3】第1の道路通過情報記憶部を例示する図である。
【図4】第1の車載器において実行される道路通過情報の記憶処理について説明するための図である。
【図5】第1の車載器と第2の車載器の間で実行される道路通過情報の送受信処理について説明するための図である。
【図6】第2の車載器の要部構成を例示する図である。
【図7】第2の車載器と第3の車載器の間で実行される道路通過情報の送受信処理について説明するための図である。
【図8】第3の車載器の要部構成を例示する図である。
【図9】表示部に表示された、再検索された案内経路に関する経路案内情報の例示である。
【図10】第1の車載器と第2の車載器の間で行われる道路通過情報の送受信処理を例示するフローチャートである。
【図11】第2の車載器と第3の車載器の間で行われる道路通過情報の送受信処理を例示するフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
100 情報交換システム
M1 第1の車載器
12 無線通信部(第1の送信手段、送信手段)
152 RTC(計時手段)
1532b 第1の道路通過情報記憶部(第1の記憶手段)
151 CPU(計時手段、第1の記憶手段、第1の探索手段、探索手段、第1の送信手段、送信手段)
154a 第1の記憶プログラム(計時手段、第1の記憶手段)
154b 第1の探索プログラム(第1の探索手段、探索手段)
154c 第1の送信プログラム(第1の送信手段、送信手段)
M2 第2の車載器
22 無線通信部(第1の受信手段、第2の送信手段)
2532b 第2の道路通過情報記憶部(第2の記憶手段)
251 CPU(第1の受信手段、第2の記憶手段、第2の探索手段、第2の送信手段)
2532b 第2の道路通過情報記憶部(第2の記憶手段)
254a 第1の受信プログラム(第1の受信手段)
254b 第2の記憶プログラム(第2の記憶手段)
254c 第2の探索プログラム(第2の探索手段)
254d 第2の送信プログラム(第2の送信手段)
M3 第3の車載器(第1の車載器)
32 無線通信部(第2の受信手段)
351 CPU(第2の受信手段、受信手段、第3の記憶手段)
3532b 第3の道路通過情報記憶部(第3の記憶手段、第2の記憶手段)
354a 第2の受信プログラム(第2の受信手段、受信手段)
354b 第3の記憶プログラム(第3の記憶手段、第2の記憶手段)
354c 現在位置検出プログラム(現在位置検出手段)
354d 経路検索プログラム(経路検索手段)
354e 提供プログラム(提供手段)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数車両に各々搭載された車載器間で、情報の交換を行う情報交換システムにおいて、
第1の車載器は、
通過中の道路における所定区間の通過に要する時間を計時する計時手段と、
前記計時手段により計時された当該道路の所定区間の通過に要した時間に関する第1の道路通過情報を記憶する第1の記憶手段と、
通信可能な第2の車載器を探索する探索手段と、
前記探索手段により探索された通信可能な第2の車載器に対して、前記第1の記憶手段により記憶された前記第1の道路通過情報を無線送信する送信手段と、
前記第2の車載器から無線送信された第2の道路通過情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記第2の道路通過情報を記憶する第2の記憶手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記第2の記憶手段により記憶された前記第2の道路通過情報に含まれる道路の所定区間の通過に要した時間を用いて、前記現在位置検出手段により検出された現在位置から目的地までの所要時間が最短となる案内経路を検索する経路検索手段と、
前記経路検索手段により検索された前記案内経路に関する経路案内情報を提供する提供手段と、
を備えることを特徴とする情報交換システム。
【請求項2】
前記経路検索手段は、前記第2の記憶手段により前記第2の道路通過情報が記憶される度に、目的地までの所要時間が最短となる前記案内経路を再検索することを特徴とする請求項1に記載の情報交換システム。
【請求項3】
複数車両に各々搭載された車載器間で、情報の交換を行う情報交換システムにおいて、
第1の車載器は、
通過中の道路における所定区間の通過に要する時間を計時する計時手段と、
前記計時手段により計時された当該道路の所定区間の通過に要した時間に関する道路通過情報を記憶する第1の記憶手段と、
当該第1の車載器と通信可能な第2の車載器を探索する第1の探索手段と、
前記第1の探索手段により探索された第2の車載器に対して、前記第1の記憶手段により記憶された前記道路通過情報を無線送信する第1の送信手段と、を備え、
前記第2の車載器は、
前記第1の車載器から無線送信された道路通過情報を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段により受信された前記道路通過情報を記憶する第2の記憶手段と、
当該第2の車載器と通信可能な第3の車載器を探索する第2の探索手段と、
前記第2の探索手段により探索された第3の車載器に対して、前記第2の記憶手段により記憶された前記道路通過情報を無線送信する第2の送信手段と、を備え、
前記第3の車載器は、
前記第1の車載器が搭載される車両と同一方向に向かう車両に搭載され、
前記第2の車載器から無線送信された前記道路通過情報を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段により受信された前記道路通過情報を記憶する第3の記憶手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記第3の記憶手段により記憶された前記道路通過情報に含まれる道路の所定区間の通過に要した時間を用いて、前記現在位置検出手段により検出された現在位置から目的地までの所要時間が最短となる案内経路を検索する経路検索手段と、
前記経路検索手段により検索された前記案内経路に関する経路案内情報を提供する提供手段と、
を備え、
前記経路検索手段は、
前記第3の記憶手段により前記道路通過情報が記憶される度に、前記目的地までの所要時間が最短となる前記案内経路を再検索することを特徴とする情報交換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−309572(P2008−309572A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156432(P2007−156432)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】