説明

情報作成装置、情報作成方法及びプログラム

【課題】スクールゾーンを学生の実際の通行状態に合わせて設定することが可能となる情報作成装置、情報作成方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報配信センタ3のCPU11は、ネットワーク4を介して受信したスクール情報を学校毎に分類してセンタ側スクールゾーンDB16に順次記憶して収集する(S111〜S112)。そして、CPU11は、スクールゾーンの設定タイミングになった場合には、全国の各学校毎に対応する全スクール情報を抽出する。また、CPU11は、抽出した各スクール情報から自車位置を表す各座標データを読み出し、更新用地図情報14Aに基づいて当該学校を中心として、時計方向又は反時計方向に所定角度範囲毎に、半径方向最も外側に位置する自車位置を選択し、この選択した学校の周囲外側の自車位置を順番に繋いで、スクールゾーンを設定する(S113〜S117)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学校を中心とする所定エリア内をスクールゾーンとして設定する情報作成装置、情報作成方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、学校を中心とする所定エリア内をスクールゾーンとして設定する走行案内装置に関し種々提案されている。
例えば、保育園、幼稚園、養護学校、小学校、中学校などの学校種別で分類された学校施設の位置(緯度・経度)情報を含んだ道路地図データを基に、各地の実施の通学区域を参考にして、学校施設を中心に半径何キロメートルのエリア内をスクールゾーンとして設定する走行案内装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−250632号公報(段落(0019)〜(0022))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1に記載される走行案内装置は、学校施設を中心に一定距離範囲内をスクールゾーンとして設定するため、実際には学生が通行しない地域や時間帯によって学生が通行しない道路等がスクールゾーン内に含まれるという問題がある。また、道路地図データが古いバージョンの場合には、新しくできた学校施設に関する地図データが含まれないため、当該学校施設に関するスクールゾーンを設定することができず、スクールゾーンの正確な案内ができないという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、スクールゾーンを学生の実際の通行状態に合わせて設定することが可能となる情報作成装置、情報作成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係る情報作成装置は、自車位置を検出する自車位置検出手段(21)と、学校の位置情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段(37)と、車両周辺を撮影する撮影手段(51、53)と、前記撮影手段によって撮影された画像に基づいて学生を検出する学生認識手段(23)と、前記学生認識手段によって学生を検出した前記自車位置を学生検出位置として記憶する検出位置記憶手段(42)と、前記地図情報と前記学生検出位置とに基づいて該学生検出位置の周辺の学校を検索する学校検索手段(23)と、前記学校検索手段によって検索した学校と前記学生検出位置とを相互に対応させてスクール情報として収集する収集手段(23、38、10、16)と、前記収集手段によって収集したスクール情報に基づいて学校毎のスクールゾーンを設定するスクールゾーン設定手段(10)と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る情報作成装置は、請求項1に記載の情報作成装置(2、3)において、前記スクールゾーン設定手段(10)は、前記学校毎に対応する前記学生検出位置を繋いだエリア内をスクールゾーンとして設定することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る情報作成装置は、請求項1又は請求項2に記載の情報作成装置(2、3)において、前記学生認識手段(23)は、前記画像に基づいて学生の種別を判定し、前記学校検索手段(23)は、前記学生認識手段によって判定された学生の種別に対応した学校を検索することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る情報作成装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報作成装置(2、3)において、前記スクール情報は、前記学生認識手段によって学生を検出した日時情報を含み、前記スクールゾーン設定手段(10)は、前記日時情報に基づいて、所定時間帯毎にスクールゾーンを設定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係る情報作成方法は、自車位置を検出する自車位置検出工程(S11)と、車両周辺を撮影する撮影手段によって撮影された画像に基づいて学生を検出する学生認識工程(S13、S14、S16、S18)と、前記学生認識工程で学生を検出した前記自車位置を学生検出位置として記憶する検出位置記憶工程(S20)と、学校の位置情報を含む地図情報と前記学生検出位置とに基づいて該学生検出位置の周辺の学校を検索する学校検索工程(S15、S17、S19)と、前記学校検索工程で検索した学校と前記学生検出位置とを相互に対応させてスクール情報として収集する収集工程(S20〜S21、S111〜S112)と、前記収集工程で収集したスクール情報に基づいて学校毎のスクールゾーンを設定するスクールゾーン設定工程(S113〜S116)と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
更に、請求項6に係るプログラムは、コンピュータに、自車位置を検出する自車位置検出工程(S11)と、車両周辺を撮影する撮影手段によって撮影された画像に基づいて学生を検出する学生認識工程(S13、S14、S16、S18)と、前記学生認識工程で学生を検出した前記自車位置を学生検出位置として記憶する検出位置記憶工程(S20)と、学校の位置情報を含む地図情報と前記学生検出位置とに基づいて該学生検出位置の周辺の学校を検索する学校検索工程(S15、S17、S19)と、前記学校検索工程で検索した学校と前記学生検出位置とを相互に対応させてスクール情報として収集する収集工程(S20〜S21、S111〜S112)と、前記収集工程で収集したスクール情報に基づいて学校毎のスクールゾーンを設定するスクールゾーン設定工程(S113〜S116)と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
前記構成を有する請求項1に係る情報作成装置では、車両周辺を撮影する撮影手段によって学生を検出した学生検出位置と、この学生検出位置の周辺の学校とを相互に対応させて収集したスクール情報に基づいて学校毎にスクールゾーンを設定するため、各学校のスクールゾーンを学生の実際の通行状態に合わせて設定することが可能となる。
【0012】
また、請求項2に係る情報作成装置では、学校毎に学生を検出した学生検出位置を繋いでスクールゾーンを設定するため、各学校のスクールゾーンを学生の実際の通行状態に合わせて正確に設定することが可能となる。
【0013】
また、請求項3に係る情報作成装置では、画像に基づいて判定された学生の種別に対応した学校を検索するため、画像に基づいて検出した学生が通学する学校をより正確に検索することが可能となる。
【0014】
また、請求項4に係る情報作成装置では、学生を検出した日時情報に基づいて、所定時間帯毎の各学校のスクールゾーンを設定することが可能となり、スクールゾーンを所定時間帯毎に変更することが可能となり、スクールゾーンの信頼性をより高いものにすることが可能となる。
【0015】
また、請求項5に係る情報作成方法では、車両周辺を撮影する撮影手段によって学生を検出した学生検出位置と、この学生検出位置の周辺の学校とを相互に対応させて収集したスクール情報に基づいて学校毎にスクールゾーンを設定するため、各学校のスクールゾーンを学生の実際の通行状態に合わせて設定することが可能となる。
【0016】
更に、請求項6に係るプログラムでは、コンピュータは当該プログラムを読み込むことによって、該コンピュータは、車両周辺を撮影する撮影手段によって学生を検出した学生検出位置と、この学生検出位置の周辺の学校とを相互に対応させて収集したスクール情報に基づいて学校毎にスクールゾーンを設定するため、各学校のスクールゾーンを学生の実際の通行状態に合わせて設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る情報作成装置、情報作成方法及びプログラムをナビゲーションシステムについて具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
[ナビゲーションシステムの概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーションシステム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーションシステム1を示したブロック図である。
【0019】
図1に示すように本実施例に係るナビゲーションシステム1は、ナビゲーション装置2と、ナビゲーション装置2に対して地図情報を更新する為の更新情報や後述のスクールゾーンを設定するスクールゾーン設定手段の一例としての情報配信センタ3と、ネットワーク4から基本的に構成されている。そして、ナビゲーション装置2と情報配信センタ3は、携帯電話回線網等によって構成されるネットワーク4を介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されている。
尚、ナビゲーション装置2の構成に関しては後に図2を用いて詳細に説明する。
【0020】
情報配信センタ3は、図1に示すようにサーバ10と、サーバ10に接続された地図情報記録部としてのセンタ側地図情報データベース(センタ側地図情報DB)14と、ナビ更新履歴情報データベース(ナビ更新履歴情報DB)15と、センタ側スクールゾーンデータベース(センタ側スクールゾーンDB)16と、センタ側通信装置17とを備える。
【0021】
また、サーバ10は、サーバ10の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU11、並びにCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM12、ナビゲーション装置2からの要求に基づいてナビゲーション装置2に記憶された地図情報の内、所定エリアの地図情報を新たなバージョンの地図情報に更新する為の更新情報をセンタ側地図情報DB14から抽出し、ナビゲーション装置2に対して配信する地図情報更新処理や、後述の各学校毎にスクールゾーンを設定するスクールゾーン設定処理(図4参照)等を行うための各種の制御プログラムが記録されたROM13等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ19を備えている。尚、CPU11に代えてMPU等を使用することができる。
【0022】
また、センタ側地図情報DB14には、情報配信センタ3で作成され、ナビゲーション装置2に記憶された地図情報を更新する際の基本となる地図情報である更新用地図情報14Aがバージョン毎に区分されて記憶されている。更に、現在のナビゲーション装置2に記憶される地図情報の一部又は全部を更新用地図情報14Aに更新する為の更新情報についても記憶されている。ここで、バージョンとは地図情報が作成された時期を特定する為の作成時期情報であり、バージョンを参照することによって地図情報が作成された時期を特定することが可能となっている。
【0023】
また、センタ側地図情報DB14に記憶された更新用地図情報14Aには、ナビゲーション装置2で経路案内及び地図表示を行うのに必要な各種情報が記録されており、例えば、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(道路リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である小学校、中学校等の各種学校、店舗等のPOI(Point of Interest)に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0024】
ここで、特に地図表示データとしては、約10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。
【0025】
また、リンクデータとしては、道路を構成する各道路リンク(以下、「リンク」という。)を識別するリンクIDと、各リンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)等に関するデータが記録される。
【0026】
また、探索データとしては、設定された目的地までの経路を探索及び表示する際に使用されるデータについて記録されており、ノードを通過する際の右左折や道路を構成するリンクの距離、道幅、道路種別等によって決定される各ノードの重み付け(以下、「コスト」という。)を算出する為に使用するコストデータ、経路探索により選択された経路をナビゲーション装置2の液晶ディスプレイ25(図2参照)の地図上に表示するための経路表示データ等から構成されている。
【0027】
また、施設データとしては、各地域の幼稚園、小学校、中学校等の各種学校、ホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDとともに記録される。なお、前記センタ側地図情報DB14には、所定の情報をナビゲーション装置2のスピーカ26(図2参照)によって出力するための音声出力データも記録される。
【0028】
そして、情報配信センタ3は、ナビゲーション装置2からの要求があったタイミングで、センタ側地図情報DB14に格納された更新用地図情報14Aの内、最もバージョンの新しい更新用地図情報14Aによってナビゲーション装置2に記憶された地図情報の更新を行う。
【0029】
一方、ナビ更新履歴情報DB15には、ナビゲーション装置2に記憶されている地図情報について現在までに更新を行った更新履歴に関する情報が、ナビゲーション装置2を特定するナビ識別IDとともに記憶される。更新履歴としては、具体的に地図情報を構成するリンクデータやノードデータ毎にどのバージョンの地図情報が用いられているかが記憶されており、ナビゲーション装置2の地図情報の更新を行う毎に新たな更新履歴に書き換えられる。
【0030】
また、センタ側スクールゾーンDB16には、後述のスクールゾーン設定処理によって設定された各地域の幼稚園、小学校、中学校等の各学校を中心とするスクールゾーンが格納されている。そして、後述のように、各学校に通学する園児や小学生や中学生等の通行状態に基づいて、スクールゾーンは、拡張又は減少されて、再度、センタ側スクールゾーンDB16に格納される(図4参照)。ここで、以下、園児、小学生、中学生等を「学生」という。
【0031】
そして、情報配信センタ3のCPU11は、ナビゲーション装置2から要求があったタイミングで、センタ側スクールゾーンDB16に格納された該ナビゲーション装置2の周辺に存在するスクールゾーンのエリアを表すエリア情報を選択して配信する。
【0032】
尚、情報配信センタ3のCPU11は、ナビゲーション装置2の地図情報を更新するための更新情報を配信する際に、センタ側スクールゾーンDB16に格納された該ナビゲーション装置2の周辺に存在するスクールゾーンのエリアを表すエリア情報を選択して配信するようにしてもよい。また、情報配信センタ3のCPU11は、センタ側スクールゾーンDB16に格納された各ナビゲーション装置2の周辺に存在するスクールゾーンのエリアを表すエリア情報を選択して、該当するナビゲーション装置2へ定期的に配信するようにしてもよい。また、情報配信センタ3は、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体にセンタ側スクールゾーンDB16に格納されたスクールゾーンのエリアを表すエリア情報を格納して、各ナビゲーション装置2へ提供するようにしてもよい。
【0033】
次に、本実施例に係るナビゲーションシステム1を構成するナビゲーション装置2の概略構成について図2を用いて説明する。図2は本実施例に係るナビゲーション装置2を示したブロック図である。
【0034】
図2に示すように本実施例に係るナビゲーション装置2は、自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出する現在地検出処理部21と、各種のデータが記録されたデータ記録部22と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部23と、操作者からの操作を受け付ける操作部24と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ25と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ26と、不図示の道路交通情報センタ(VICS(登録商標))や情報配信センタ3等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置27と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部23には自車の走行速度を検出する車速センサ28が接続される。
【0035】
また、ナビゲーション制御部13には、CCDカメラ等を駆動制御するカメラECU(Electronic ControlUnit)51が電気的に接続されている。そして、このカメラECU51には、ルームミラー付近等に固定された2台のCCDカメラ等により構成されて進行方向前方を撮影する前方撮像用カメラ53が電気的に接続されている。
また、前方撮像用カメラ53を構成する両カメラの光軸は互いに平行(実質的に平行であればよい)で、かつ撮像面の水平軸が同一線上に揃うように配置されている。尚、前方用撮像カメラ53の設置場所はルームミラー付近に限られることなく、進行方向前方を撮影することができる場所であれば、車体のどの位置に設けてもよい。
【0036】
以下に、ナビゲーション装置2を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部21は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
【0037】
具体的には、GPS31は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時刻を検出する。また、方位センサ32は、地磁気センサやジャイロセンサ、或いは、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等により構成され、自車方位を検出する。また、距離センサ33は、例えば、自車の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等から構成され、自車の移動距離を検出する。
【0038】
また、データ記録部22は、外部記憶装置及び記憶媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶されたナビ側地図情報データベース(ナビ側地図情報DB)37、スクールゾーンデータベース(スクールゾーンDB)38及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0039】
ここで、ナビ側地図情報DB37には、ナビゲーション装置2の走行案内や経路探索に使用されるとともに情報配信センタ3による更新対象となるナビ地図情報37Aが格納されている。ここで、ナビ地図情報37Aには、更新用地図情報14Aと同様に経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である幼稚園、小学校、中学校等の各種学校や店舗等のPOIに関する施設データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。尚、各データの詳細については既に説明したので、ここではその詳細は省略する。そして、ナビ側地図情報DB37の内容は、情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0040】
また、スクールゾーンDB38には、情報配信センタ3による更新対象となる各学校を中心とするスクールゾーンのエリアを表すエリア情報が格納されている。そして、スクールゾーンDB38に格納される各学校を中心とするスクールゾーンのエリアを表すエリア情報の内容は、情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
また、スクールゾーンDB38には、後述のように、前方撮像用カメラ53によって撮影された撮影画像データに基づいて園児、小学生、中学生等の学生を検出した自車位置と、この検出された学生に対応する学校等とから構成されるスクール情報が順次格納される。
【0041】
また、図2に示すように、ナビゲーション装置2を構成するナビゲーション制御部23は、ナビゲーション装置2の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データや情報配信センタ3から受信した交通情報等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の前方撮像用カメラ53によって園児、小学生、中学生等の学生を検出した自車位置と検索した学校等とから構成されるスクール情報を情報配信センタ3へ送信するスクール情報送信処理プログラム(図3参照)が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0042】
更に、前記ナビゲーション制御部23には、操作部24、液晶ディスプレイ25、スピーカ26、通信装置27の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0043】
この操作部24は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。尚、操作部24としては、キーボード、マウス等や、液晶ディスプレイ25の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
また、液晶ディスプレイ25には、ナビ地図情報37Aに基づく地図が表示されて各リンク上の交通情報が表示される経路案内画面の他、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報等が表示される。
【0044】
また、スピーカ26は、ナビゲーション制御部23からの指示に基づいて、誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」や「スクールゾーンを通過しています。」等がある。また、本実施例では、自車両がスクールゾーン内に入った場合には、CPU41は、液晶ディスプレイ25に表示される道路地図上に注意表示を行うと共に、スピーカ26を介してスクールゾーンを通過している旨の音声案内を行う。
【0045】
そして、通信装置27は、情報配信センタ3と通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、情報配信センタ3との間で最もバージョンの新しい更新地図情報やスクールゾーンに関するエリア情報等の送受信を行う。また、通信装置27は、情報配信センタ3に加えて、不図示の道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報やサービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0046】
また、カメラECU51は、ナビゲーション制御部13から送信された制御情報を受信するデータ受信部51Aを備えると共に、この前方撮像用カメラ53によって撮影された撮影画像の画像認識を行う画像認識部51Bとを備えている。
【0047】
ここで、画像認識部51Bは、前方撮像用カメラ53から入力された車両前方の画像データから、パターン認識等の画像処理手法を用いて歩行者を検出するものである。歩行者の検出には、例えば、ニューラルネットワーク、SVM(Support Vector Machine)、テンプレートマッチング等の技術が用いられる。また、画像認識部51Bは、例えばステレオ視の原理を用いて、検出された歩行者の3次元位置(自車両の所定部位を原点とした相対位置座標)を取得する。また、画像認識部51Bは、検出された歩行者の属性、例えば色、大きさ、性別等を画像処理により取得する。そして、画像認識部51Bは、歩行者の検出の有・無や、検出された歩行者の3次元位置と歩行者の属性等とによって構成される検出歩行者情報を出力する。
【0048】
[スクール情報送信処理]
次に、前記構成を有するナビゲーションシステム1において、ナビゲーション装置2のCPU41が実行する処理であって、前方撮像用カメラ53によって園児、小学生、中学生等の学生を検出した自車位置と検索した学校等とから構成されるスクール情報を情報配信センタ3へ送信する「スクール情報送信処理」について図3に基づいて説明する。
【0049】
図3はナビゲーション装置2のCPU41が実行する処理であって、学生を検出した自車位置と検索した学校等とから構成されるスクール情報を情報配信センタ3へ送信する「スクール情報送信処理」を示すフローチャートである。尚、図3にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2のROM43に格納されており、CPU41により所定時間毎(例えば、約10m秒〜約5秒毎等である。)に実行される。
【0050】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、現在地検出部21により自車位置及び自車の向きを表す自車方位を検出して、自車位置を表す座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)と自車方位をRAM42に記憶する。また、CPU41は、タイマ45を介して現在の年月日、曜日及び時刻を表す日時情報を取得してRAM42に記憶する。
【0051】
そして、S12において、CPU41は、カメラECU51に対して、前方撮像用カメラ53の撮影画像の画像認識データを出力するように指示する制御信号を出力し、前方撮像用カメラ53の撮影画像上における歩行者の有・無や、検出された歩行者の3次元位置と歩行者の属性(例えば色、大きさ、性別等である。)等の検出歩行者情報を取得してRAM42に記憶する。
【0052】
続いて、S13において、CPU41は、カメラECU51を介して取得した検出歩行者情報をRAM42から再度読み出し、自車両の前方に歩行者がいるか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、自車両の前方に歩行者がいない場合、即ち、検出歩行者情報の内容が、歩行者無しで歩行者の3次元位置等の情報が含まれていない場合には(S13:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0053】
一方、自車両の前方に歩行者がいる場合、即ち、検出歩行者情報の内容が、歩行者有りで歩行者の3次元位置等の情報が含まれている場合には(S13:YES)、CPU41は、S14の処理に移行する。S14において、CPU41は、この検出歩行者情報に基づいて、自車両の前方にいる歩行者は、中学生か否かを判定する判定処理を実行する。
【0054】
ここで、CPU41は、検出歩行者情報に含まれる歩行者の属性から、歩行者の頭部の色が黄色で、大きさ(身長)が110cm未満の場合には、当該歩行者は園児であると判定する。また、CPU41は、検出歩行者情報に含まれる歩行者の属性から、歩行者の頭部の色が黄色で、大きさ(身長)が110cm以上の場合には、当該歩行者は小学生であると判定する。また、CPU41は、検出歩行者情報に含まれる歩行者の属性から、歩行者の頭部の色が黄色以外で、大きさ(身長)が140cm以上の場合には、当該歩行者は中学生であると判定する。
【0055】
そして、自車両の前方にいる歩行者を中学生であると判定した場合には(S14:YES)、CPU41は、S15の処理に移行する。S15において、CPU41は、自車位置をRAM42から読み出し、この自車位置とナビ地図情報37Aとに基づいて自車位置周辺(例えば、半径約500m〜2km以内の範囲である。)の最も近い中学校を検索して抽出する。そして、CPU41は、この抽出した中学校に関する位置座標(例えば、緯度と経度である。)と施設データ(例えば、POI識別ID等である。)とをナビ地図情報37Aから読み出して、検索した学校に関する情報としてRAM42に記憶後、後述のS20の処理に移行する。
【0056】
また一方、自車両の前方にいる歩行者を中学生でないと判定した場合には(S14:NO)、CPU41は、S16の処理に移行する。S16において、CPU41は、検出歩行者情報をRAM42から再度読み出し、この検出歩行者情報に基づいて、自車両の前方にいる歩行者は、小学生か否かを判定する判定処理を実行する。
【0057】
そして、自車両の前方にいる歩行者を小学生であると判定した場合には(S16:YES)、CPU41は、S17の処理に移行する。S17において、CPU41は、自車位置をRAM42から読み出し、この自車位置とナビ地図情報37Aとに基づいて自車位置周辺(例えば、半径約500m〜2km以内の範囲である。)の最も近い小学校を検索して抽出する。そして、CPU41は、この抽出した小学校に関する位置座標(例えば、緯度と経度である。)と施設データ(例えば、POI識別ID等である。)とをナビ地図情報37Aから読み出して、検索した学校に関する情報としてRAM42に記憶後、後述のS20の処理に移行する。
【0058】
一方、自車両の前方にいる歩行者を小学生でないと判定した場合には(S16:NO)、CPU41は、S18の処理に移行する。S18において、CPU41は、検出歩行者情報をRAM42から再度読み出し、この検出歩行者情報に基づいて、自車両の前方にいる歩行者は、園児か否かを判定する判定処理を実行する。
そして、自車両の前方にいる歩行者を園児でないと判定した場合には(S18:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0059】
また一方、自車両の前方にいる歩行者を園児であると判定した場合には(S18:YES)、CPU41は、S19の処理に移行する。S19において、CPU41は、自車位置をRAM42から読み出し、この自車位置とナビ地図情報37Aとに基づいて自車位置周辺(例えば、半径約500m〜2km以内の範囲である。)の最も近い幼稚園を検索して抽出する。そして、CPU41は、この抽出した幼稚園に関する位置座標(例えば、緯度と経度である。)と施設データ(例えば、POI識別ID等である。)とをナビ地図情報37Aから読み出して、検索した学校に関する情報としてRAM42に記憶後、S20の処理に移行する。ここで、上記S14、S16、S18の処理は、画像データに基づく学生の種別の判定処理に相当する。
【0060】
S20において、CPU41は、上記S11で記憶した自車位置を表す座標データ及び日時情報と、上記S15、S17又はS19で検索した学校に関する情報とを相互に対応させてスクール情報としてスクールゾーンDB38に記憶する。
そして、S21において、CPU41は、スクールゾーンDB38に記憶した最新のスクール情報を読み出し、当該ナビゲーション装置2を識別するナビ識別IDと共に通信装置27を介して情報配信センタ3へ送信後、当該処理を終了する。
【0061】
[スクールゾーン設定処理]
次に、前記構成を有するナビゲーションシステム1において、情報配信センタ3のCPU11が実行する処理であって、各学校毎にスクールゾーンを設定するスクールゾーン設定処理について図4に基づいて説明する。
図4は情報配信センタ3のCPU11が実行する処理であって、各学校毎にスクールゾーンを設定するスクールゾーン設定処理を示すフローチャートである。尚、図4に示されるプログラムは、情報配信センタ3が備えているROM13に格納されており、CPU11により所定時間毎に(例えば、約10ミリ秒毎乃至100ミリ秒毎である。)実行される。
【0062】
図4に示すように、S111において、CPU11は、センタ側通信装置17を介して、ナビ識別IDと共に上記スクール情報を受信した場合には、この受信したスクール情報をRAM12に記憶する。
そして、S112において、CPU11は、受信したスクール情報をRAM12から読み出し、このスクール情報に含まれる施設データに基づいて、当該スクール情報を該当する学校毎に、即ち、各幼稚園、小学校、中学校を識別するPOI識別ID毎に分類してセンタ側スクールゾーンDB16に格納する。
【0063】
続いて、S113において、CPU11は、スクールゾーンを設定する設定タイミングになったか否かを判定する判定処理を実行する。尚、CPU11は、各学校毎のスクールゾーンを定期的に(例えば、約1時間毎、24時間毎、1週間毎、1月毎等である。)設定している。
そして、各学校毎のスクールゾーンを設定するタイミングになっていない場合には(S113:NO)、CPU11は、当該処理を終了する。
【0064】
一方、学校毎のスクールゾーンを設定するタイミングになった場合には(S113:YES)、CPU11は、S114の処理に移行する。S114において、CPU11は、センタ側スクールゾーンDB16に記憶される全国の各学校を順番に処理対象として設定する。そして、CPU11は、処理対象として設定された学校に対応する全スクール情報をセンタ側スクールゾーンDB16から抽出してRAM12に記憶する。
【0065】
続いて、S115において、CPU11は、この抽出した各スクール情報から自車位置を表す各座標データを読み出す。そして、CPU11は、更新用地図情報14Aに基づいて当該スクール情報に対応する学校の位置座標を中心として、時計方向又は反時計方向に所定角度範囲毎に(例えば、約0.5度乃至約5度の範囲毎である。)、半径方向最も外側に位置する自車位置を選択してRAM12に記憶する。そして、CPU11は、この選択した学校の周囲外側の自車位置を順番に繋いで、当該学校のスクールゾーンの境界線としてRAM12に記憶する。
【0066】
そして、S116において、CPU11は、当該学校のスクールゾーンの境界線をRAM12から読み出し、この境界線内を新たなスクールゾーンとして設定し、この新たなスクールゾーンのエリアを表すエリア情報を当該処理対象として設定された学校に対応させて、即ち、当該学校に付されたPOI識別IDを付して、センタ側スクールゾーンDB16に格納後、S117の処理に移行する。
【0067】
続いて、S117において、CPU11は、S114で処理対象とした次の学校があるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、S114で処理対象とした次の学校がある場合には、CPU11は、この次の学校を処理対象と設定し、この処理対象として設定された学校に対応する全スクール情報をセンタ側スクールゾーンDB16から抽出してRAM12に記憶後、再度S115以降の処理を実行する。
一方、S114で処理対象とした次の学校が無い場合には、全学校についてスクールゾーンを設定する処理を実行したと判定し、ループを終了して、当該処理を終了する。
【0068】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーションシステム1では、ナビゲーション装置2のCPU41は、前方撮像用カメラ53によって撮影した撮影画像に基づいて園児、小学生、中学生の学生を検出した自車位置及び日時情報と、この検出した学生に対応する自車位置周辺の最も近い学校とを相互に対応させたスクール情報を情報配信センタ3へ送信する(S11〜S21)。また、情報配信センタ3のCPU11は、ネットワーク4を介して受信したスクール情報を学校毎に分類してセンタ側スクールゾーンDB16に順次記憶して収集する。そして、CPU11は、スクールゾーンの設定タイミングになった場合には、収集したスクール情報に基づいて学校毎にスクールゾーンを設定する(S111〜S117)。
これにより、CPU11は、各学校のスクールゾーンを学生の実際の通行状態に合わせて設定することが可能となる。
【0069】
また、CPU11は、抽出した各スクール情報から自車位置を表す各座標データを読み出して、更新用地図情報14Aに基づいて当該スクール情報に対応する学校の位置座標を中心として、時計方向又は反時計方向に所定角度範囲毎に(例えば、約0.5度乃至約5度の範囲毎である。)、半径方向最も外側に位置する自車位置を繋いで、新たなスクールゾーンとして設定する(S115〜S116)。これにより、CPU11は、学校毎に学生を検出した自車位置を繋いでスクールゾーンを設定するため、各学校のスクールゾーンを学生の実際の通行状態に合わせて更に正確に設定することが可能となる。
【0070】
更に、ナビゲーション装置2のCPU41は、前方撮像用カメラ53によって撮影した撮影画像に基づいて検出した園児、小学生、中学生のそれぞれに対応する自車位置周辺の最も近い学校、即ち、幼稚園、小学校、中学校を検索するため(S15、S17、S19)、当該自車位置の周辺の学校をより正確に検索することが可能となる。
【0071】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0072】
(A)例えば、ナビゲーション装置2のCPU41は、上記ステップ20でスクールゾーンDB38に順次格納されたスクール情報に基づいて、各学校毎のスクールゾーンを定期的に(例えば、約1時間毎、24時間毎、1週間毎、1月毎等である。)作成して(上記ステップ114〜ステップ117参照。)、スクールゾーンDB38に格納するようにしてもよい。これにより、CPU41は、自車両が実際に走行する走行経路に最適なスクールゾーンを定期的に作成してスクールゾーンDB38に格納することが可能となる。
【0073】
そして、ナビゲーション装置2のCPU41は、スクールゾーンDB38に順次格納されたスクール情報に基づいて定期的に作成した新たなスクールゾーンのエリアを表すエリア情報を当該処理対象として設定された学校に対応させて、即ち、当該学校に付されたPOI識別IDを付して、情報配信センタ3へ送信するようにしてもよい。また、情報配信センタ3のCPU11は、受信したスクールゾーンのエリアを表すエリア情報とPOI識別IDとをスクールゾーンデータとしてセンタ側スクールゾーンDB16に順次格納する。そして、上記ステップ114〜ステップ117で、CPU11は、このスクールゾーンデータに基づいて全国の学校毎に、対応する全スクールゾーンを重ね合わせた周縁部を当該学校のスクールゾーンの境界線として、各学校のスクールゾーンを設定するようにしてもよい。これにより、情報配信センタ3のCPU11の処理の軽減化を図ることが可能となる。
【0074】
(B)また、例えば、上記S115〜S116において、情報配信センタ3のCPU11は、スクールゾーンを設定してセンタ側スクールゾーンDB16に格納後、センタ側スクールゾーンDB16から抽出した各スクール情報から自車位置を表す各座標データを再度読み出す。また、CPU11は、更新用地図情報14Aに基づいて当該スクール情報に対応する学校の位置座標を読み出す。そして、CPU11は、この各自車位置と学校とを結ぶ経路を探索し、探索された各経路をスクールゾーン道路(通学道路)として設定して、センタ側スクールゾーンDB16に格納するようにしてもよい。これにより、CPU11は、各学校毎にスクールゾーン内の通学道路まで特定してスクールゾーンを設定することが可能となる。
【0075】
尚、上記ステップ20において、ナビゲーション装置2のCPU41は、スクール情報と共に、当該スクール情報の自車位置から学校までの経路を探索して、探索された経路をスクールゾーン道路(通学道路)として当該スクール情報に対応させてスクールゾーンDB38に格納するようにしてもよい。そして、上記ステップ21において、CPU41は、スクールゾーンDB38に記憶した最新のスクール情報と、このスクール情報に対応するスクールゾーン道路とを情報配信センタ3へ送信するようにしてもよい。これにより、情報配信センタ3のCPU11は、上記S115〜S116において、受信したスクール情報に基づいてスクールゾーンを設定することが可能となると共に、各スクールゾーン内のスクールゾーン道路(通学道路)を特定することが可能となる。また、情報配信センタ3のCPU11の処理の軽減化を図ることが可能となる。また、ナビゲーション装置2のCPU41は、自車両がスクールゾーン内に入った場合には、液晶ディスプレイ25に表示される道路地図上にスクールゾーンの表示を行うと共に、自車両がスクールゾーン道路(通学道路)上を走行する場合には、スピーカ26を介してスクールゾーン道路上を走行している旨の音声案内を行うことが可能となる。つまり、自車両がスクールゾーン内に入った場合と、自車両がスクールゾーン道路(通学道路)上を走行する場合とで、運転者の注意レベルを変更させた案内を行うことが可能となる。
【0076】
更に、ナビゲーション装置2のCPU41は、スクールゾーンDB38に順次格納されたスクール情報とスクールゾーン道路(通学路)とに基づいて、各学校毎のスクールゾーンを定期的に(例えば、約1時間毎、24時間毎、1週間毎、1月毎等である。)作成して(上記ステップ114〜ステップ117参照。)、スクールゾーンDB38に格納するようにしてもよい。これにより、CPU41は、自車両が実際に走行する走行経路に最適なスクールゾーンを各学校毎にスクールゾーン内の通学道路まで特定して作成し、スクールゾーンDB38に格納することが可能となる。
【0077】
(C)また、例えば、上記各ステップ15、17、19に替えて、ナビゲーション装置2のCPU41は、中学生、小学生又は園児を検出した場合には(S14:YES、S16:YES、S18:YES)、自車の位置するリンクを識別するリンクIDをナビ地図情報37Aから読み出し、このリンクIDに「スクールリンク」の属性を付加してRAM42に記憶するようにしてもよい。そして、上記ステップ20において、CPU41は、このリンクIDと、「スクールリンク」の属性と、上記ステップ11で記憶した日時情報とを相互に対応させてスクールリンク情報としてスクールゾーンDB38に記憶するようにしてもよい。続いて、上記ステップ21において、CPU41は、スクールゾーンDB38に記憶した最新のスクールリンク情報を読み出し、当該ナビゲーション装置2を識別するナビ識別IDと共に通信装置27を介して情報配信センタ3へ送信するようにしてもよい。
【0078】
一方、上記ステップ111において、情報配信センタ3のCPU11は、受信したスクールリンク情報をセンタ側スクールゾーンDB16に記憶するようにしてもよい。そして、上記ステップ112〜ステップ117に替えて、CPU11は、この受信したスクールリンク情報からリンクIDを読み出し、このリンクIDに対応する更新用地図情報14Aに記憶されているリンクのリンクデータに「スクールリンク」の属性を付加して再度、更新用地図情報14Aに記憶するようにしてもよい。これにより、CPU11は、当該リンクIDに対応するリンクを中学生、小学生又は園児が通る通学道路として更新用地図情報14Aに登録することが可能となる。
【0079】
(D)また、例えば、ナビゲーション装置2のCPU41は、上記ステップ11〜ステップ21のスクール情報送信処理を月曜日から金曜日の午前6時〜午前9時、及び午後3時〜午後6時等の時間帯においてのみ実行するようにしてもよい。これにより、情報配信センタ3へ送信するスクール情報の信頼性の向上を図ることが可能となる。
【0080】
(E)また、例えば、上記ステップ115において、情報配信センタ3のCPU11は、設定された学校に対応する全スクール情報の各日時情報を読み出し、所定時間帯別に(例えば、午前6:00〜6:14、6:15〜6:29、6:30〜6:44、・・・のように15分毎等である。)スクール情報を分類するようにしてもよい。その後、CPU41は、各時間帯毎に、該当するスクール情報を抽出して、更新用地図情報14Aに基づいて当該スクール情報に対応する学校の位置座標を中心として、時計方向又は反時計方向に所定角度範囲毎に(例えば、約0.5度乃至約5度の範囲毎である。)、半径方向最も外側に位置する自車位置を選択してRAM12に記憶する。そして、CPU11は、この各時間帯毎に選択した学校の周囲外側の自車位置を順番に繋いで、当該学校の各時間帯毎のスクールゾーンの境界線としてRAM12に記憶するようにしてもよい。
【0081】
そして、上記ステップ116において、CPU11は、当該学校の各時間帯毎のスクールゾーンの境界線をRAM12から読み出し、この各時間帯毎の境界線内を新たなスクールゾーンとして設定し、この各時間帯毎の新たなスクールゾーンのエリアを表す各エリア情報を当該処理対象として設定された学校に対応させて、即ち、当該学校に付されたPOI識別IDを付して、センタ側スクールゾーンDB16に格納後、S117の処理に移行するようにしてもよい。これにより、CPU11は、所定時間帯毎のスクールゾーンを各学校毎に作成してセンタ側スクールゾーンDB16に格納することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本実施例に係るナビゲーションシステムを示したブロック図である。
【図2】ナビゲーションシステムのナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図3】ナビゲーション装置のCPUが実行する処理であって、スクール情報を情報配信センタへ送信する「スクール情報送信処理」を示すフローチャートである。
【図4】情報配信センタのCPUが実行する処理であって、各学校毎にスクールゾーンを設定するスクールゾーン設定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1 ナビゲーションシステム
2 ナビゲーション装置
3 情報配信センタ
4 ネットワーク
10 サーバ
11、41 CPU
12、42 RAM
13、43 ROM
14 センタ側地図情報DB
16 センタ側スクールゾーンDB
17 センタ側通信装置
21 現在地検出部
23 ナビゲーション制御部
27 通信装置
37 ナビ側地図情報DB
38 スクールゾーンDB
51 カメラECU
53 前方撮像用カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
学校の位置情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
車両周辺を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって撮影された画像に基づいて学生を検出する学生認識手段と、
前記学生認識手段によって学生を検出した前記自車位置を学生検出位置として記憶する検出位置記憶手段と、
前記地図情報と前記学生検出位置とに基づいて該学生検出位置の周辺の学校を検索する学校検索手段と、
前記学校検索手段によって検索した学校と前記学生検出位置とを相互に対応させてスクール情報として収集する収集手段と、
前記収集手段によって収集したスクール情報に基づいて学校毎のスクールゾーンを設定するスクールゾーン設定手段と、
を備えたことを特徴とする情報作成装置。
【請求項2】
前記スクールゾーン設定手段は、前記学校毎に対応する前記学生検出位置を繋いだエリア内をスクールゾーンとして設定することを特徴とする請求項1に記載の情報作成装置。
【請求項3】
前記学生認識手段は、前記画像に基づいて学生の種別を判定し、
前記学校検索手段は、前記学生認識手段によって判定された学生の種別に対応した学校を検索することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報作成装置。
【請求項4】
前記スクール情報は、前記学生認識手段によって学生を検出した日時情報を含み、
前記スクールゾーン設定手段は、前記日時情報に基づいて、所定時間帯毎にスクールゾーンを設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報作成装置。
【請求項5】
自車位置を検出する自車位置検出工程と、
車両周辺を撮影する撮影手段によって撮影された画像に基づいて学生を検出する学生認識工程と、
前記学生認識工程で学生を検出した前記自車位置を学生検出位置として記憶する検出位置記憶工程と、
学校の位置情報を含む地図情報と前記学生検出位置とに基づいて該学生検出位置の周辺の学校を検索する学校検索工程と、
前記学校検索工程で検索した学校と前記学生検出位置とを相互に対応させてスクール情報として収集する収集工程と、
前記収集工程で収集したスクール情報に基づいて学校毎のスクールゾーンを設定するスクールゾーン設定工程と、
を備えたことを特徴とする情報作成方法。
【請求項6】
コンピュータに、
自車位置を検出する自車位置検出工程と、
車両周辺を撮影する撮影手段によって撮影された画像に基づいて学生を検出する学生認識工程と、
前記学生認識工程で学生を検出した前記自車位置を学生検出位置として記憶する検出位置記憶工程と、
学校の位置情報を含む地図情報と前記学生検出位置とに基づいて該学生検出位置の周辺の学校を検索する学校検索工程と、
前記学校検索工程で検索した学校と前記学生検出位置とを相互に対応させてスクー
ル情報として収集する収集工程と、
前記収集工程で収集したスクール情報に基づいて学校毎のスクールゾーンを設定す
るスクールゾーン設定工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−286558(P2008−286558A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−129776(P2007−129776)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】