説明

情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体

【課題】乗降地点決定の最適化を図り、車両および利用者の効率的な集合を図ること。
【解決手段】複数の車両によって同一の目的地点へ向かう複数の利用者が、車両に乗降する乗降地点を設定する情報処理装置100において、取得部101は、複数の車両および複数の利用者の現在地点を取得する。抽出部102は、複数の車両および複数の利用者の現在地点と、目的地点とに応じて、地図情報の中から乗降地点の候補となる複数の候補地点を抽出する。算出部103は、抽出された複数の候補地点と、複数の車両および複数の利用者の現在地点とから、複数の車両および複数の利用者による候補地点および目的地点までの移動時間を算出する。そして、決定部104は、算出された移動時間に基づいて、車両と、車両に乗降する利用者と、候補地点との組合せを決定し、設定部105は、決定された組合せから、乗降地点を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の利用者が同一の目的地点へ移動するための情報を処理する情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は、上述した情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体には限られない。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の利用者が同一の目的地点へ車両で向かう場合、利用者間で決定した乗降地点に集合してから、車両に同乗して目的地点へ向かうことがある。近年では、利用者と合流相手との移動手段に応じて合流地点を設定する提案がされている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
具体的には、たとえば、上述した特許文献1に記載の発明では、利用者にとって適切な合流地点を設定するため、車両と公共交通機関によって移動する利用者が同程度の時間で到達可能な施設の周辺を合流地点としている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−105929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、利用者が複数の車両によって同一の目的地点へ向かう場合、合流地点ですべての利用者および車両が合流してから同乗することになるため、合流地点に早く到達できる車両や利用者は、すべての車両や利用者が合流地点に到達するまで待つなどの時間調整が必要となり、時間を浪費してしまうこととなる。
【0006】
すなわち、複数の車両ごとに、該車両に同乗する利用者に応じた合流地点の設定とはならないため、車両および利用者は、効率的に時間が利用ができていないという問題が一例として挙げられる。具体的には、たとえば、異なる地点から出発する複数の車両について、各車両の周辺にそれぞれ利用者がいる場合、設定された合流地点ですべての車両および利用者が待ち合わせることは、非効率的といえる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる情報処理装置は、複数の車両によって同一の目的地点へ向かう複数の利用者が、当該車両に乗降する乗降地点を設定する情報処理装置において、前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点と、前記目的地点とに応じて、地図情報の中から前記乗降地点の候補となる複数の候補地点を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された複数の候補地点と、前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点とから、当該複数の車両および当該複数の利用者による当該候補地点および前記目的地点までの移動時間を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された移動時間に基づいて、前記車両と、当該車両に乗降する前記利用者と、前記候補地点との組合せを決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された組合せから、前記乗降地点を設定する設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項10の発明にかかる情報処理方法は、複数の車両によって同一の目的地点へ向かう複数の利用者が、当該車両に乗降する乗降地点を設定する情報処理方法において、前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点を取得する取得工程と、前記取得工程によって取得された前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点と、前記目的地点とに応じて、地図情報の中から前記乗降地点の候補となる複数の候補地点を抽出する抽出工程と、前記抽出工程によって抽出された複数の候補地点と、前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点とから、当該複数の車両および当該複数の利用者による当該候補地点および前記目的地点までの移動時間を算出する算出工程と、前記算出工程によって算出された移動時間に基づいて、前記車両と、当該車両に乗降する前記利用者と、前記候補地点との組合せを決定する決定工程と、前記決定工程によって決定された組合せから、前記乗降地点を設定する設定工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項11の発明にかかる情報処理プログラムは、請求項10に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項12の発明にかかるコンピュータに読み取り可能な記録媒体は、請求項11に記載の情報処理プログラムを記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
(情報処理装置の機能的構成)
図1を用いて、本実施の形態にかかる情報処理装置の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる情報処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
図1において、複数の車両によって同一の目的地点へ向かう複数の利用者が、該車両に乗降する乗降地点を設定する情報処理装置100は、取得部101と、抽出部102と、算出部103と、決定部104と、設定部105と、通知部106と、から構成されている。
【0014】
取得部101は、複数の車両および複数の利用者の現在地点を取得する。具体的には、たとえば、取得部101は、複数の車両の乗車可能人数や、複数の利用者の移動に関する情報などを取得することとしてもよい。移動に関する情報は、たとえば、利用者が乗降地点まで移動する際の移動手段などでもよい。移動手段は、たとえば、徒歩、自転車、車両、バスや電車などの公共交通機関などであり、公共交通機関の場合、時刻表の情報などを含めて取得することとしてもよい。
【0015】
より具体的には、たとえば、取得部101は、車両や利用者の出発地点や出発時刻、目的地点や到着時刻、経由地点および乗降地点などの情報の入力を受け付けたり、通信によって受信したりする。
【0016】
また、取得部101は、乗降地点へ移動中の複数の車両および複数の利用者の現在地点を取得することとしてもよい。具体的には、たとえば、取得部101は、乗降地点へ移動中の複数の車両および複数の利用者から、乗降地点の変更要求を取得する構成としてもよい。すなわち、取得部101は、複数の車両および複数の利用者から、乗降地点の変更要求を取得することで、車両や利用者の出発地点や出発時刻、目的地点や到着時刻、経由地点および乗降地点などの情報を取得することとしてもよい。
【0017】
抽出部102は、取得部101によって取得された複数の車両および複数の利用者の現在地点と、目的地点とに応じて、地図情報の中から乗降地点の候補となる複数の候補地点を抽出する。具体的には、たとえば、候補地点は、複数の利用者が利用可能な公共交通機関の利用地点としてもよく、公共交通機関周辺の駐車場など、車両への乗降が可能な施設としてもよい。
【0018】
また、抽出部102は、取得部101によって取得された複数の車両の現在地点と、目的地点とに応じて特定される、候補地点の抽出対象エリアから候補地点を抽出する構成でもよい。抽出対象エリアは、たとえば、長径または短径に、車両の現在地点と、目的地点とからなる直線を含む楕円の範囲でもよく、所定数の候補地点を含む構成としてもよい。
【0019】
また、抽出部102は、取得部101によって取得された移動中の複数の車両および複数の利用者の現在地点と、目的地点とに応じて、地図情報の中から乗降地点の候補となる複数の候補地点を再抽出する構成でもよい。具体的には、たとえば、抽出部102は、取得部101によって変更要求が取得された場合、複数の車両および複数の利用者の現在地点と、目的地点とに応じて、地図情報の中から乗降地点の候補となる複数の候補地点を再抽出することとしてもよい。
【0020】
算出部103は、抽出部102によって抽出された複数の候補地点と、複数の車両および複数の利用者の現在地点とから、複数の車両および複数の利用者による候補地点および目的地点までの移動時間を算出する。具体的には、たとえば、算出部103は、取得部101によって取得された移動に関する情報に基づいて、移動時間を算出することとしてもよい。
【0021】
決定部104は、算出部103によって算出された移動時間に基づいて、車両と、車両に乗降する利用者と、候補地点との組合せを決定する。具体的には、たとえば、決定部104は、取得部101によって取得された乗車可能人数に応じて、車両と、候補地点で車両に乗車可能な利用者との組合せを決定することとしてもよい。
【0022】
より具体的には、たとえば、決定部104は、すべての利用者がいずれかの車両に乗降でき、かつ、乗車可能人数を超えない範囲で各車両に乗降する利用者の移動時間が最小となる候補地点を乗降地点に決定することとしてもよい。また、決定部104は、移動時間を最小とする代わりに、各車両および各利用者の移動時間の差異が小さくなるように乗降地点を決定してもよい。さらに、決定部104は、たとえば、移動時間の代わりに、利用者が移動にかかるコストや移動距離に応じて乗降地点を決定することとしてもよい。
【0023】
設定部105は、決定部104によって決定された組合せから、乗降地点を設定する。具体的には、たとえば、設定部105は、決定部104によって決定された組合せから、各車両および各利用者が乗降地点まで移動する移動経路などを設定することとしてもよい。
【0024】
通知部106は、設定部105によって設定された乗降地点を複数の車両および複数の利用者に通知する。具体的には、たとえば、通知部106は、複数の車両および複数の利用者に対して、乗降地点までの移動経路を通知する構成でもよい。
【0025】
(情報処理装置の処理の内容)
つぎに、図2を用いて、本実施の形態にかかる情報処理装置100の処理の内容について説明する。図2は、本実施の形態にかかる情報処理装置の処理の内容を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、まず、取得部101によって、複数の車両および複数の利用者の現在地点を取得したか否かを判断する(ステップS201)。
【0026】
ステップS201において、現在地点を取得するのを待って、取得した場合(ステップS201:Yes)は、抽出部102によって、ステップS201において取得された複数の車両および複数の利用者の現在地点と、目的地点とに応じて、地図情報の中から乗降地点の候補となる複数の候補地点を抽出する(ステップS202)。
【0027】
つぎに、算出部103によって、ステップS202において抽出された複数の候補地点と、複数の車両および複数の利用者の現在地点とから、複数の車両および複数の利用者による候補地点および目的地点までの移動時間を算出する(ステップS203)。具体的には、たとえば、算出部103は、取得部101によって取得された移動に関する情報に基づいて、移動時間を算出することとしてもよい。
【0028】
つぎに、決定部104によって、ステップS203において算出された移動時間に基づいて、車両と、車両に乗降する利用者と、候補地点との組合せを決定する(ステップS204)。
【0029】
そして、設定部105によって、ステップS204において決定された組合せから、乗降地点を設定し(ステップS205)、一連の処理を終了する。また、図2のフローチャートでは説明を省略したが、通知部106によって、ステップS205において設定された乗降地点を複数の車両および複数の利用者に通知することとしてもよい。
【0030】
なお、本発明の情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体は、図1に示した情報処理装置100によって、その機能を実現することとしたが、情報処理装置100に限ることはなく、図1に示す機能部を備える構成とすれば、複数の装置であってもよい。各機能部を異なる装置として接続する場合、装置間の接続は、たとえば、有線、無線を問わず、Bluetooth(登録商標)などによって通信をおこなって接続することとしてもよい。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態にかかる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体によれば、利用者が車両に乗降する乗降地点決定の最適化を図り、車両および利用者の効率的な集合を図ることができる。
【実施例1】
【0032】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、たとえば、車両(四輪車、二輪車を含む)などの移動体に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明の情報処理装置を実施した場合の一例について説明する。
【0033】
(乗車地点決定システムの概要)
まず、図3を用いて、本実施例1にかかる乗車地点決定システムの概要について説明する。図3は、本実施例1にかかる乗車地点決定システムの概要を示す説明図である。
【0034】
図3において、乗車地点決定システム300は、車両C1,C2と、利用者M1,M2,M3とが同一の目的地点Gへ向かう場合に、候補地点S1,S2,S3,S4のいずれかを乗車地点に決定するシステムである。候補地点S1,S2,S3,S4は、たとえば、公共交通機関である駅などである。
【0035】
さらに、乗車地点決定システム300は、決定した乗車地点における待ち合わせ情報を車両C1,C2と、利用者M1,M2,M3とに通知する。待ち合わせ情報は、たとえば、車両C1,C2と、利用者M1,M2,M3との現在地点から乗車地点までの経路情報などでもよい。
【0036】
経路情報は、たとえば、車両C1,C2と、利用者M1,M2,M3とが乗車地点に向かう経路を示す情報であり、道路交通情報、使用対象の移動手段、時刻情報などを含む構成でもよい。そして、車両C1,C2と、利用者M1,M2,M3とは、乗車地点決定システム300によって決定された乗車地点で待ち合わせて、利用者M1,M2,M3は、それぞれに対して決定された乗車地点で車両C1,C2のいずれかに乗車して目的地点Gへ向かうこととなる。
【0037】
具体的には、たとえば、乗車地点決定システム300は、少なくとも車両C1,C2のいずれかに搭載されたナビゲーション装置によって乗車地点を決定する。なお、本実施例1では、ナビゲーション装置によって乗車地点を決定することとして説明するが、利用者M1,M2,M3の通信端末や、図示しない情報処理サーバなどによって、乗車地点を決定する構成でもよい。
【0038】
また、詳細は図6〜図8を用いて説明するが、乗車地点の決定は、たとえば、車両C1,C2と、利用者M1,M2,M3との現在地点、目的地点Gを取得して、車両C1,C2、利用者M1,M2,M3のそれぞれについて、現在地点から乗車地点の候補地点S1,S2,S3,S4までの移動時間および候補地点S1,S2,S3,S4から目的地点Gまでの移動時間を算出することによって決定する。
【0039】
ここで、現在地点から候補地点までの移動時間の算出は、たとえば、図5を用いて説明する候補地点DB(データベース)に記録された候補地点の緯度・経度情報と、車両C1,C2、利用者M1,M2,M3の現在地点の緯度・経度情報を用いて算出する。また、車両C1,C2が移動する場合の経路の道路交通情報や、利用者M1,M2,M3が移動する際の移動手段などを取得して、移動時間を算出してもよい。利用者M1,M2,M3の移動手段は、たとえば、徒歩や自転車、公共交通機関であればその種別(たとえば、電車やバス)と時刻表情報などを含む構成でもよい。
【0040】
なお、本実施例1では、乗車地点決定システム300によって、利用者M1,M2,M3が他の利用者M1,M2,M3や車両C1,C2と待ち合わせをおこなって、車両C1,C2に乗車する乗車地点に限定して説明したが、降車地点の決定に適用してもよい。すなわち、同一の出発地点から、車両C1,C2、利用者M1,M2,M3がそれぞれ異なる目的地点へ向かう(たとえば、帰宅)場合に降車地点を決定する構成でもよい。
【0041】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
つぎに、図4を用いて、本実施例1にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成について説明する。図4は、本実施例1にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
図4において、ナビゲーション装置400は、車両(たとえば、図3に示した車両C1,C2)などの移動体に搭載されており、CPU401と、ROM402と、RAM403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、音声I/F(インターフェース)408と、スピーカ409と、入力デバイス410と、映像I/F411と、ディスプレイ412と、通信I/F413と、GPSユニット414と、各種センサ415と、を備えている。また、各構成部401〜415はバス420によってそれぞれ接続されている。
【0043】
まず、CPU401は、ナビゲーション装置400の全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラム、現在地点算出プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、音声生成プログラム、表示制御プログラムなどの各種プログラムを記録している。また、RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。
【0044】
現在地点算出プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット414および各種センサ415の出力情報に基づいて、車両の現在地点(ナビゲーション装置400の現在地点)を算出させる。
【0045】
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク405に記録されている地図情報を利用して、出発地点から目的地点や経由地点までの最適な経路を探索させる。ここで、最適な経路とは、目的地点や経由地点までの最短(あるいは最速)経路や利用者が指定した条件に最も合致する経路などである。
【0046】
具体的には、たとえば、経路探索プログラムは、出発地点から目的地点や経由地点までの移動時間を算出して最適な経路を探索させる。さらに、経路探索プログラムは、たとえば、自装置を搭載していない車両や利用者の出発地点(たとえば、現在地点)を取得して、目的地点や経由地点までの経路を探索させることとしてもよい。より具体的には、たとえば、経路探索プログラムは、車両と、利用者とが待ち合わせて同一の目的地点へ向かう場合に、待ち合わせ場所となる乗車地点および、待ち合わせ地点で同乗する車両と利用者の同乗組合せを決定し、それぞれ乗車地点までの経路を探索させる。
【0047】
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された誘導経路情報、現在地点算出プログラムを実行することによって算出された車両の現在地点情報、後述する磁気ディスク405から読み出された地図情報に基づいて、経路誘導情報の生成をおこなわせる。経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報は、CPU401を介して音声I/F408や映像I/F411へ出力される。
【0048】
また、経路誘導プログラムは、たとえば、自装置を搭載していない車両や利用者の誘導経路情報を待ち合わせ情報として生成し、待ち合わせ情報を後述する通信I/F413を介して車両や利用者に通知する構成でもよい。待ち合わせ情報は、たとえば、車両や利用者が乗車地点へ向かう誘導経路を示す情報、使用対象の移動手段、時刻情報などを含むこととしてもよい。
【0049】
音声生成プログラムは、パターンに対応したトーンと音声の情報を生成させる。すなわち、経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成をおこなわせる。生成された音声ガイダンス情報は、CPU401を介して音声I/F408へ出力される。
【0050】
表示制御プログラムは、映像I/F411によってディスプレイ412に表示する地図情報やコンテンツの表示形式を決定させ、決定された表示形式によって地図情報やコンテンツをディスプレイ412に表示させる。
【0051】
磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク405としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0052】
磁気ディスク405に記録される情報の一例として、経路探索・経路誘導などに用いる地図情報が挙げられる。地図情報は、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを有しており、ディスプレイ412の表示画面において2次元または3次元に描画される。
【0053】
また、地図情報は、たとえば、地図上の公共交通機関や各種施設に関する情報を含んでいる。具体的には、たとえば、公共交通機関に関する情報は、電車やバスに対する、駅やバス停の位置情報や運賃や発着時刻などの情報である。また、各種施設に関する情報は、たとえば、店舗の位置情報や営業時間や連絡先などの情報である。
【0054】
より具体的には、たとえば、地図情報は、図5を用いて説明する候補地点DBに記録された候補地点に関する情報を含む情報である。候補地点に関する情報は、経路探索プログラムによって、複数の車両と、利用者が同一の目的地点へ向かう場合に待ち合わせをする地点の候補地点の情報であり、利用者が利用可能な公共交通機関の利用地点である駅や周辺の駐車場などの緯度・経度情報である。
【0055】
なお、本実施例1では地図情報を磁気ディスク405に記録するようにしたが、後述する光ディスク407に記録するようにしてもよい。また、地図情報は、ナビゲーション装置400のハードウェアと一体に設けられているものに限って記録されているものではなく、ナビゲーション装置400外部に設けられていてもよい。その場合、ナビゲーション装置400は、たとえば、通信I/F413を通じて、ネットワークを介して地図情報を取得する。取得された地図情報はRAM403などに記憶される。
【0056】
光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって光ディスク407に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク407は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク407のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0057】
音声I/F408は、音声出力用のスピーカ409に接続され、スピーカ409からは音声が出力される。
【0058】
入力デバイス410は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。
【0059】
映像I/F411は、ディスプレイ412と接続される。映像I/F411は、具体的には、たとえば、ディスプレイ412全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ412を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0060】
ディスプレイ412には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ412は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0061】
通信I/F413は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置400とCPU401とのインターフェースとして機能する。通信I/F413は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU401とのインターフェースとしても機能する。
【0062】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F413は、たとえば、地上波デジタル放送やアナログテレビ放送やFMラジオなどを受信可能なチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0063】
GPSユニット414は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在地点を示す情報を出力する。GPSユニット414の出力情報は、後述する各種センサ415の出力値とともに、CPU401による車両の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図情報上の1点を特定する情報である。
【0064】
各種センサ415は、車速センサや加速度センサ、角速度センサなどを含み、車両の位置や挙動を判断することが可能な情報を出力する。各種センサ415の出力値は、CPU401による車両の現在地点の算出や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
【0065】
なお、本実施例1では、車両に搭載されたナビゲーション装置400による例について説明するが、利用者の通信端末や、情報処理サーバなどのPC(パーソナル・コンピュータ)によって本発明の情報処理装置100を実施するようにしてもよい。
【0066】
なお、図1に示した情報処理装置100が備える取得部101、抽出部102、算出部103、決定部104、設定部105、通知部106は図4に示したナビゲーション装置400におけるROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU401が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置400における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0067】
すなわち、本実施例1のナビゲーション装置400は、ナビゲーション装置400における記録媒体としてのROM402に記録されているプログラムを実行することにより、図1に示した情報処理装置100が備える機能を、図2に示した手順で実行することができる。
【0068】
(候補地点DBの概要)
つぎに、図5を用いて、本実施例1にかかる候補地点DBの概要について説明する。図5は、本実施例1にかかる候補地点DBの概要を示す説明図である。図5において、候補地点DB500は、図4に示した磁気ディスク405や光ディスク407などの記録媒体によってその機能を実現し、複数の車両と、利用者が待ち合わせをする乗車地点の候補となる候補地点に関する情報を記録している。
【0069】
具体的には、たとえば、候補地点DB500は、経路探索プログラムによって、複数の車両と、利用者が同一の目的地点へ向かう場合に候補地点となる公共交通機関の利用地点の緯度・経度情報を記録している。
【0070】
より具体的には、たとえば、候補地点DB500は、候補地点ごとに緯度・経度情報500−1〜500−nを記録している。緯度・経度情報500−1〜500−nは、候補地点ごとの緯度と経度を有している。具体的には、たとえば、候補地点Siについて緯度・経度情報500−iは、緯度が××°××′N、経度が××°××′Eである。
【0071】
なお、本実施例1では、候補地点DB500は、候補地点Siの緯度・経度情報500−iを記録することとして説明したが、その他、各候補地点が公共交通機関である場合、時刻表情報などをあわせて記録する構成でもよい。
【0072】
(同乗組合せおよび乗車地点の決定の概要)
ここで、図6および図7を用いて、本実施例1にかかるナビゲーション装置400における同乗組合せおよび乗車地点の決定の概要について説明する。なお、図6および図7では、図3に示した車両C1,C2と、利用者M1,M2,M3とが、候補地点S1,S2,S3,S4のいずれかを乗車地点として待ち合わせて目的地点Gへ向かう場合について説明する。
【0073】
まず、図6を用いて、本実施例1にかかるナビゲーション装置400における移動時間の算出について説明する。図6は、本実施例1にかかるナビゲーション装置における移動時間の算出の一例を示す説明図である。
【0074】
図6において、移動時間表600は、たとえば、車両C1,C2に関する車両情報と、利用者M1,M2,M3に関する利用者情報と、に応じて算出される所要時間によって構成されている。ここで、所要時間の単位は、たとえば、分である。
【0075】
具体的には、たとえば、移動時間表600は、利用者M1,M2,M3が出発地点(現在地点)から各候補地点S1,S2,S3,S4に到達するまでの所要時間と、車両C1,C2が出発地点(現在地点)から各候補地点S1,S2,S3,S4および目的地点Gに到達するまでの所要時間と、車両C1,C2が各候補地点S1,S2,S3,S4から目的地点Gに到達するまでの所要時間と、から構成されている。
【0076】
車両情報は、たとえば、車両C1,C2の乗車可能人数や出発地点(現在地点)の情報や目的地点Gの情報などである。また、利用者情報は、たとえば、利用者M1,M2,M3の出発地点(現在地点)の情報や目的地点Gの情報や利用可能な移動手段などである。また、車両情報や利用者情報は、出発時刻や到着時刻を含む構成としてもよく、その場合、移動時間表600における所要時間は、出発時刻や到着時刻との差異とする構成でもよい。
【0077】
車両情報および利用者情報は、図4に示した入力デバイス410によって入力を受け付けたり、通信I/F413によって、車両C1,C2や利用者M1,M2,M3から受信することとしてもよい。
【0078】
つぎに、図7を用いて、本実施例1にかかるナビゲーション装置400における同乗組合せおよび乗車地点の決定について説明する。図7は、本実施例1にかかるナビゲーション装置における同乗組合せおよび乗車地点の決定の一例を示す説明図である。
【0079】
図7において、同乗組合せ表700は、図6に示した移動時間表600を用いて算出される、候補地点S1,S2,S3,S4を乗車地点として同乗する車両C1,C2および利用者M1,M2,M3が目的地点Gに到達するまでの所要時間と、各同乗組合せ(1〜8)における最短の所要時間と、から構成されている。なお、車両C1,C2に同乗する利用者M1,M2,M3は、たとえば、乗車可能人数を超えない範囲とする構成である。
【0080】
具体的には、たとえば、同乗組合せ1における乗車地点をS1とした場合、車両C1は、利用者M1,M2,M3が同乗することなくそのまま目的地点へ向かうため、最短所要時間は、移動時間表600における車両C1が出発地点(現在地点)から目的地点Gに到達するまでの所要時間である19分となっている。
【0081】
また、車両C2は、利用者M1,M2,M3が同乗して目的地点へ向かう構成である。したがって、最短所要時間は、乗降地点を候補地点S1とした場合、車両C2、利用者M1,M2,M3のうちでS1に到達する時間が長い18分と、S1から目的地点Gまでの所要時間15分との合計である33分となっている。
【0082】
このようにして、ナビゲーション装置400は、すべての同乗組合せ(1〜8)と、最短所要時間とを算出することによって、同乗組合せおよび乗車地点を決定する構成である。同乗組合せおよび乗車地点の決定は、たとえば、最短所要時間が最も短い同乗組合せおよび乗車地点とすることとしてもよい。
【0083】
すなわち、図7に示した同乗組合せ表700の場合、同乗組合せ2における、車両C1に候補地点S2で利用者M1が同乗し、車両C2に候補地点S4で利用者M2,M3が同乗するよう乗車地点を決定する。さらに、同乗組合せ5における、車両C1に候補地点S2で利用者M1,M2が同乗し、車両C2に候補地点S4で利用者M3が同乗するよう乗車地点を決定することとしてもよい。これらの場合、乗車地点は、S2およびS4となる。
【0084】
なお、図7の説明では、最短所要時間が最も短い同乗組合せおよび乗車地点を決定することとして説明したが、最短所要時間の差分が最小となるように決定してもよい。このようにすれば、目的地点Gでの空白時間(待ち時間)を設けることなく、全員(車両C1,C2、利用者M1,M2,M3)が集合できることとなる。
【0085】
また、図6および図7の説明では、車両C1,C2が候補地点Siを経由して、あるいは直接目的地点Gへ到達する場合について説明したが、複数の候補地点Siを経由して目的地点へ到達する構成でもよい。このようにすれば、より最適な同乗組合せおよび乗車地点の決定を図ることができる。
【0086】
(ナビゲーション装置400の処理の内容)
つぎに、図8を用いて、本実施例1にかかるナビゲーション装置400の処理の内容について説明する。図8は、本実施例1にかかるナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。図8のフローチャートにおいて、まず、入力デバイス410によって、同一の目的地点へ向かう車両や利用者の車両情報および利用者情報の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS801)。
【0087】
車両情報および利用者情報の入力は、たとえば、入力デバイス410によって入力を受け付ける代わりに、通信I/F413によって受信する構成としてもよいし、他の車両や利用者に要求することによって取得することとしてもよい。
【0088】
ステップS801において、車両情報および利用者情報の入力を受け付けるのを待って、受け付けた場合(ステップS801:Yes)は、CPU401によって、利用者および車両ごとに移動時間を算出する(ステップS802)。具体的には、たとえば、利用者および車両ごとの移動時間の算出は、図6に示した移動時間表600を生成することとしてもよい。
【0089】
つぎに、CPU401によって、ステップS802において算出された利用者および車両ごとの移動時間を用いて、同乗組合せごとに移動時間を算出する(ステップS803)。具体的には、たとえば、同乗組合せごとの移動時間の算出は、図7に示した同乗組合せ表700を生成することとしてもよい。
【0090】
そして、CPU401によって、ステップS803において算出された同乗組合せごとの移動時間から、同乗組合せおよび乗車地点を決定する(ステップS804)。同乗組合せおよび乗車地点の決定は、たとえば、最短所要時間が最も短い同乗組合せおよび乗車地点や、最短所要時間の差分が最小となる同乗組合せおよび乗車地点を決定することとしてもよい。
【0091】
つぎに、CPU401によって、ステップS804において決定された同乗組合せおよび乗車地点に応じて、車両および利用者に対する待ち合わせ情報を生成する(ステップS805)。待ち合わせ情報は、たとえば、車両や利用者が乗車地点へ向かう誘導経路を示す情報、使用対象の移動手段、時刻情報などを含む情報などである。
【0092】
その後、通信I/F413によって、車両および利用者に対してステップS805において生成された待ち合わせ情報を通知する(ステップS806)。
【0093】
そして、通信I/F413によって、車両あるいは利用者から乗車地点の変更要求があったか否かを判断する(ステップS807)。変更要求は、たとえば、車両や利用者が、渋滞や遅延などによって乗車地点の到達が遅れる場合に車両や利用者がおこなうこととしてもよい。また、変更要求をおこなう代わりに、定期的に車両や利用者の現在地点を取得して、乗車地点への到達が遅れるか否かを判断する構成でもよい。このようにすることで、車両や利用者の移動の状況に応じて常に最適な乗車地点を決定することができる。
【0094】
ステップS807において、車両あるいは利用者から乗車地点の変更要求があった場合(ステップS807:Yes)は、ステップS801へ戻って処理を繰り返す。この場合、変更要求に応じて、車両情報および利用者情報の取得要求をおこなう構成でもよい。
【0095】
また、ステップS807において、車両あるいは利用者から乗車地点の変更要求がなかった場合(ステップS807:No)は、そのまま一連の処理を終了する。
【0096】
以上説明したように、本実施例1にかかるナビゲーション装置によれば、利用者が車両に乗車する乗車地点と、同乗組合せとを適切に決定することができ、車両および利用者は、効率的に目的地点へ向かうことができる。
【0097】
また、車両および利用者の移動状況に応じて、乗車地点と、同乗組合せとを再決定することで、常に最適な乗車地点を設定でき、利便性の向上を図ることができる。
【実施例2】
【0098】
つぎに、本発明の実施例2について説明する。本実施例2では、前述の実施例1で説明したナビゲーション装置400による同乗組合せおよび乗車地点の決定を、車両の出発地点と、目的地点とに応じて、候補地点を抽出する抽出対象エリアを特定してからおこなう場合について説明する。なお、本実施例2にかかるナビゲーション装置400のハードウェア構成については図4、候補地点DBの概要については図5とそれぞれほぼ同様であるため説明を省略する。
【0099】
(乗車地点決定システムの概要)
まず、図9を用いて、本実施例2にかかる乗車地点決定システムの概要について説明する。図9は、本実施例2にかかる乗車地点決定システムの概要を示す説明図である。
【0100】
図9において、乗車地点決定システム900は、車両C1,C2と、利用者M1〜M5とが同一の目的地点Gへ向かう場合に、候補地点S1〜S13のいずれかを乗車地点に決定するシステムである。また、乗車地点決定システム900は、決定した乗車地点における待ち合わせ情報を車両C1,C2と、利用者M1〜M5とに通知する。なお、本実施例2では、ナビゲーション装置によって乗車地点を決定することとして説明するが、利用者M1〜M5の通信端末や、図示しない情報処理サーバなどによって、乗車地点を決定する構成でもよい。
【0101】
処理の詳細は図10および図11を用いて説明するが、乗車地点決定システム900による乗車地点の決定は、車両C1,C2と、目的地点Gとに応じて設定される抽出対象エリア901,902に含まれる候補地点S1〜S5,S11〜S13の中から決定する。
【0102】
具体的には、たとえば、抽出対象エリア901,902は、車両C1,C2と、目的地点Gをそれぞれ焦点とした楕円でもよく、所定数の候補地点Siが含まれるような範囲を有していることとしてもよい。より具体的には、たとえば、抽出対象エリア901,902は、4つ以上の候補地点Siを含むこととしている。
【0103】
そして、乗車地点の決定は、たとえば、各抽出対象エリア901,902の候補地点Siについて、車両C1,C2、利用者M1〜M5のそれぞれについて、現在地点から乗車地点の候補地点Siまでの移動時間および候補地点Siから目的地点Gまでの移動時間を算出することによって決定する。具体的には、たとえば、図5に示した候補地点DB(データベース)500に記録された候補地点Siの緯度・経度情報500−iと、車両C1,C2、利用者M1〜M5の現在地点の緯度・経度情報を用いて算出する。
【0104】
また、各抽出対象エリア901,902の候補地点Siにおける利用者M1〜M5は、抽出対象エリア901,902に含まれる場合には、該抽出対象エリア901,902に限定し、含まれない場合にはすべての抽出対象エリア901,902について移動時間を算出する。
【0105】
具体的には、たとえば、抽出対象エリア901の候補地点S1〜S3およびS11について、車両C1と、抽出対象エリア901に含まれる利用者M1,M4と、抽出対象エリア901,902のいずれにも含まれていない利用者M2,M5とのそれぞれについて移動時間を算出する。
【0106】
同様に、抽出対象エリア902の候補地点S4,S5およびS11〜S13について、車両C2と、抽出対象エリア902に含まれる利用者M3,M4と、抽出対象エリア901,902のいずれにも含まれていない利用者M2,M5とのそれぞれについて移動時間を算出する。
【0107】
より具体的には、たとえば、移動時間の算出は、各抽出対象エリア901,902における候補地点Siと、車両C1,C2と、利用者M1〜M5とについて、図6に示した移動時間表600や図7に示した同乗組合せ表700を生成することとしてもよい。
【0108】
このように、抽出対象エリア901,902を設定して移動時間を算出することで、乗車地点を決定することとすれば、計算処理の時間および負荷を低減させることができ、かつ、最適な乗車地点を決定することができる。
【0109】
なお、本実施例2では、乗車地点決定システム900によって、利用者M1〜M5が他の利用者M1〜M5や車両C1,C2と待ち合わせをおこなって、車両C1,C2に乗車する乗車地点に限定して説明したが、降車地点の決定に適用してもよい。すなわち、同一の出発地点から、車両C1,C2、利用者M1〜M5がそれぞれ異なる目的地点へ向かう(たとえば、帰宅)場合に降車地点を決定する構成でもよい。
【0110】
(ナビゲーション装置400の処理の内容)
つぎに、図10を用いて、本実施例2にかかるナビゲーション装置400の処理の内容について説明する。図10は、本実施例2にかかるナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。図10のフローチャートにおいて、まず、入力デバイス410によって、同一の目的地点へ向かう車両や利用者の車両情報および利用者情報の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS1001)。
【0111】
車両情報および利用者情報の入力は、たとえば、入力デバイス410によって入力を受け付ける代わりに、通信I/F413によって受信する構成としてもよいし、他の車両や利用者に要求することによって取得することとしてもよい。
【0112】
ステップS1001において、車両情報および利用者情報の入力を受け付けるのを待って、受け付けた場合(ステップS1001:Yes)は、CPU401によって、抽出対象エリア設定処理をおこなう(ステップS1002)。抽出対象エリア設定処理は、たとえば、ステップS1001において入力された車両情報および利用者情報を用いて、抽出対象エリアと、抽出対象エリアにおける候補地点と、車両と、利用者とを設定する構成であり、抽出対象エリア設定処理の詳細は図11に後述する。
【0113】
つぎに、CPU401によって、ステップS1002において設定された抽出対象エリアに応じて、利用者および車両ごとに移動時間を算出する(ステップS1003)。具体的には、たとえば、利用者および車両ごとの移動時間の算出は、図6に示した移動時間表600を生成することとしてもよい。
【0114】
つぎに、CPU401によって、ステップS1003において算出された利用者および車両ごとの移動時間を用いて、同乗組合せごとに移動時間を算出する(ステップS1004)。具体的には、たとえば、同乗組合せごとの移動時間の算出は、図7に示した同乗組合せ表700を生成することとしてもよい。
【0115】
そして、CPU401によって、ステップS1004において算出された同乗組合せごとの移動時間から、同乗組合せおよび乗車地点を決定する(ステップS1005)。同乗組合せおよび乗車地点の決定は、たとえば、最短所要時間が最も短い同乗組合せおよび乗車地点や、最短所要時間の差分が最小となる同乗組合せおよび乗車地点を決定することとしてもよい。
【0116】
つぎに、CPU401によって、ステップS1005において決定された同乗組合せおよび乗車地点に応じて、車両および利用者に対する待ち合わせ情報を生成する(ステップS1006)。待ち合わせ情報は、たとえば、車両や利用者が乗車地点へ向かう誘導経路を示す情報、使用対象の移動手段、時刻情報などを含む情報などである。
【0117】
その後、通信I/F413によって、車両および利用者に対してステップS1006において生成された待ち合わせ情報を通知する(ステップS1007)。
【0118】
そして、通信I/F413によって、車両あるいは利用者から乗車地点の変更要求があったか否かを判断する(ステップS1008)。変更要求は、たとえば、車両や利用者が、渋滞や遅延などによって乗車地点の到達が遅れる場合に車両や利用者がおこなうこととしてもよい。また、変更要求をおこなう代わりに、定期的に車両や利用者の現在地点を取得して、乗車地点への到達が遅れるか否かを判断する構成でもよい。このようにすることで、車両や利用者の移動の状況に応じて常に最適な乗車地点を決定することができる。
【0119】
ステップS1008において、車両あるいは利用者から乗車地点の変更要求があった場合(ステップS1008:Yes)は、ステップS1001へ戻って処理を繰り返す。この場合、変更要求に応じて、車両情報および利用者情報の取得要求をおこなう構成でもよい。
【0120】
また、ステップS1008において、車両あるいは利用者から乗車地点の変更要求がなかった場合(ステップS1008:No)は、そのまま一連の処理を終了する。
【0121】
ここで、図11を用いて、本実施例2にかかるナビゲーション装置400における抽出対象エリア設定処理(図10のステップS1002)の内容について説明する。図11は、本実施例2にかかるナビゲーション装置における抽出対象エリア設定処理(図10のステップS1002)の内容について示すフローチャートである。図11のフローチャートでは、N台の車両について抽出対象エリアを設定する場合について説明する。
【0122】
図11のフローチャートにおいて、まず、CPU401によって、m=1に設定する(ステップS1101)。mは、たとえば、任意の車両を示す数字であり、1〜Nまでの整数によって車両をあらわす(たとえば、車両C1、C2、・・・Cm・・・CN)こととしてもよい。
【0123】
つぎに、CPU401によって、図10に示したステップS1001において入力された車両情報および利用者情報から、地図上におけるm番目の車両と、目的地点とを焦点とした楕円の長径および短径を設定する(ステップS1102)。具体的には、たとえば、楕円の設定は、図9に示した車両C1と、目的地点Gとを焦点とした抽出対象エリア901における長径と短径を設定することとしてもよい。
【0124】
そして、CPU401によって、ステップS1102において設定された楕円内に候補地点が所定数以上含まれるか否かを判断し(ステップS1103)、所定数以上含まれない場合(ステップS1103:No)は、CPU401によって、長径および短径を再設定し(ステップS1104)、ステップS1103に戻って処理を繰り返す。長径および短径の再設定は、たとえば、ステップS1103における判断によって、候補地点が所定数未満であると判断された場合、楕円の範囲が大きくなるように設定する構成でもよい。
【0125】
なお、図11のフローチャートでは、候補地点が所定数以上含まれるか否かについて判断し、楕円の長径および短径を設定しているが、所定数を一定数以上超えない範囲になるように楕円の長径および短径を設定することとしてもよい。このようにすれば、抽出対象エリアを設定した段階で多くの候補地点が含まれてしまい、結局計算処理および負荷が低減できないということを防ぎ、適切に計算処理および負荷を低減させることができる。
【0126】
ステップS1103において、候補地点が所定数以上含まれている場合(ステップS1103:Yes)は、CPU401によって、楕円内に利用者の出発地点が含まれているか否かを判断する(ステップS1105)。
【0127】
ステップS1105において、利用者の出発地点が含まれていない場合(ステップS1105:No)は、CPU401によって、楕円外の利用者の乗車する車両をすべての車両に設定する(ステップS1107)。
【0128】
また、ステップS1105において、利用者の出発地点が含まれている場合(ステップS1105:Yes)は、CPU401によって、楕円内の利用者の乗車する車両を限定する(ステップS1106)。具体的には、たとえば、車両の限定は、m番目の車両Cmに限定する構成である。
【0129】
そして、CPU401によって、楕円外の利用者の乗車する車両をすべての車両に設定する(ステップS1107)。
【0130】
その後、CPU401によって、m=Nであるか否かを判断する(ステップS1108)。すなわち、N台の車両すべてについて、抽出対象エリアを設定したか否かを判断することとなる。
【0131】
ステップS1108において、m=Nでない場合(ステップS1108:No)は、CPU401によって、m=m+1として(ステップS1109)、ステップS1102へ戻って処理を繰り返す。
【0132】
また、ステップS1108において、m=Nの場合(ステップS1108:Yes)は、そのまま、図10におけるステップS1002の抽出対象エリア901,902設定処理を終了して、ステップS1003へ移行する。
【0133】
以上説明したように、本実施例2にかかるナビゲーション装置によれば、車両の出発地点と、目的地点とに応じて設定される抽出対象エリアから、乗車地点の候補となる候補地点を限定することができるため、計算処理の時間や負荷を低減させることができる。さらに、抽出対象エリアに対する利用者を限定することができるため、適切な計算量で乗車地点を設定することができる。
【0134】
なお、前述した実施例1および実施例2では、ナビゲーション装置によって、抽出対象エリアを設定しない場合と設定する場合の候補地点についてそれぞれ説明したが、実施例1および実施例2の機能を兼ね備える構成としてもよい。具体的には、たとえば、抽出対象エリアを設定しないで候補地点を抽出した後、所定数以上の候補地点があった場合に、抽出対象エリアを設定する構成としてもよい。このようにすることで、計算量が多くなる場合に限定して、研鑽処理の時間および負荷を低減させることができ、効率的な乗車地点の決定を図ることができる。
【0135】
また、本実施例1および本実施例2ではナビゲーション装置によって本発明の情報処理装置を実施した場合について説明したが、利用者の携帯端末や、PC(パーソナル・コンピュータ)によって実施することとしてもよく、汎用性の向上を図ることができる。
【0136】
なお、本実施の形態で説明した情報処理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本実施の形態にかかる情報処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかる情報処理装置の処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】本実施例1にかかる乗車地点決定システムの概要を示す説明図である。
【図4】本実施例1にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本実施例1にかかる候補地点DBの概要を示す説明図である。
【図6】本実施例1にかかるナビゲーション装置における移動時間の算出の一例を示す説明図である。
【図7】本実施例1にかかるナビゲーション装置における同乗組合せおよび乗車地点の決定の一例を示す説明図である。
【図8】本実施例1にかかるナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】本実施例2にかかる乗車地点決定システムの概要を示す説明図である。
【図10】本実施例2にかかるナビゲーション装置の処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】本実施例2にかかるナビゲーション装置における抽出対象エリア設定処理(図10のステップS1002)の内容について示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0138】
100 情報処理装置
101 取得部
102 抽出部
103 算出部
104 決定部
105 設定部
106 通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両によって同一の目的地点へ向かう複数の利用者が、当該車両に乗降する乗降地点を設定する情報処理装置において、
前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点と、前記目的地点とに応じて、地図情報の中から前記乗降地点の候補となる複数の候補地点を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された複数の候補地点と、前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点とから、当該複数の車両および当該複数の利用者による当該候補地点および前記目的地点までの移動時間を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された移動時間に基づいて、前記車両と、当該車両に乗降する前記利用者と、前記候補地点との組合せを決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された組合せから、前記乗降地点を設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記設定手段によって設定された乗降地点を前記複数の車両および前記複数の利用者に通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記複数の車両の乗車可能人数を取得し、
前記決定手段は、前記取得手段によって取得された乗車可能人数に応じて、前記車両と、前記候補地点で当該車両に乗車可能な前記利用者との組合せを決定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記複数の利用者による前記複数の候補地点までの移動に関する情報を取得し、
前記算出手段は、前記取得手段によって取得された移動に関する情報に基づいて、前記移動時間を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記候補地点は、前記複数の利用者が利用可能な公共交通機関の利用地点であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記抽出手段は、前記取得手段によって取得された前記複数の車両の現在地点と、前記目的地点とに応じて特定される、前記候補地点の抽出対象エリアから当該候補地点を抽出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記抽出対象エリアは、長径または短径に、前記車両の現在地点と、前記目的地点とからなる直線を含む楕円の範囲であることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得手段は、前記乗降地点へ移動中の前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点を取得し、
前記抽出手段は、前記取得手段によって取得された移動中の前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点と、前記目的地点とに応じて、地図情報の中から前記乗降地点の候補となる複数の候補地点を再抽出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得手段は、前記乗降地点へ移動中の前記複数の車両および前記複数の利用者から、前記乗降地点の変更要求を取得し、
前記抽出手段は、前記取得手段によって変更要求が取得された場合、前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点と、前記目的地点とに応じて、地図情報の中から前記乗降地点の候補となる複数の候補地点を再抽出することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
複数の車両によって同一の目的地点へ向かう複数の利用者が、当該車両に乗降する乗降地点を設定する情報処理方法において、
前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点と、前記目的地点とに応じて、地図情報の中から前記乗降地点の候補となる複数の候補地点を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された複数の候補地点と、前記複数の車両および前記複数の利用者の現在地点とから、当該複数の車両および当該複数の利用者による当該候補地点および前記目的地点までの移動時間を算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出された移動時間に基づいて、前記車両と、当該車両に乗降する前記利用者と、前記候補地点との組合せを決定する決定工程と、
前記決定工程によって決定された組合せから、前記乗降地点を設定する設定工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−268080(P2008−268080A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−113227(P2007−113227)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】