説明

感放射線性組成物、ドライフィルムレジスト、マイクロレンズ、それらの製造法および液晶表示素子

【課題】高い硬度を有することが要求されるマイクロレンズ形成において、レンズ形成時の硬度が良好となる感放射線性樹脂層を有するドライフィルムレジストを提供すること。
【解決手段】ベースフィルム、ベースフィルム上に積層された感放射線性樹脂組成物の層および該積層上に積層されたカバーフィルムからなり、そして上記感放射線性樹脂組成物が(A1)オキセタン基含有アルカリ可溶性共重合体を含有する感放射線性ドライフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は感放射線性組成物、ドライフィルムレジスト、マイクロレンズ、それらの製造法ならびにマイクロレンズを具備する液晶表示素子に関する。
表示素子の中でも、特に液晶表示素子は、低消費電力、高い信頼性、幅広いサイズに対応できる柔軟性、その高精彩な表示特性、薄型軽量などの優れた特徴から、フラットパネルディスプレイの中で最も広く使用されているが、パソコン、ワープロなどのOA機器、液晶テレビ、携帯電話、プロジェクターなどの普及に伴い、近年その性能に対する要求がますます厳しくなっている。これらの要求に応えるものとして、特許文献1〜5に、マイクロレンズアレイを設け、開口部に外光またはバックライトの光を集光させることにより、液晶表示素子の輝度やコントラストを向上させる方法が提案されている。これらの方法では多くの場合、マイクロレンズが存在する集光層から液晶画素開口部への焦点距離が非常に短いため、マイクロレンズを形成する材料と平坦化膜との屈折率差を大きくとり、かつレンズの曲率半径を精密に制御する必要がある。
【0002】
このような液晶表示素子用のマイクロレンズを形成する方法としては、ガラス基板をドライエッチングして凹みを形成させ、これに高屈折率の紫外線硬化型樹脂で埋める方法、レンズパターンを形成したのち加熱処理することによって、パターンをメルトフローさせ、そのままレンズとして利用する方法、感放射線性樹脂組成物からパターンを形成してメルトフローさせることにより、所定形状のマスクを作製し、このマスクを介しドライエッチングして、下地に所定のレンズ形状に転写させる方法等が挙げられる。しかし、このような方法では何れの場合も、マイクロレンズの形成プロセスが煩雑で高コストであり、工業的に十分とはいえなかった。
そこで、マイクロレンズに要求される諸特性、例えば、膜厚、解像度、パターン形状、透明性、耐熱性、耐溶剤性等を満足でき、また保存安定性が良好であり、かつ簡便な方法でマイクロレンズを形成しうる感放射線性樹脂組成物の開発が強く求められている。
【0003】
また、感放射線性樹脂組成物を用いた液晶表示素子用のマイクロレンズを形成する方法には、その多くが樹脂組成物に有機溶剤を含んでおり、その組成物をスピンコート法やディッピング法、スプレー法などの手法によって、基材に組成物層を積層させるものである。それらの手法では、所定の膜厚を得るための条件出しに要する時間が必要であったり、溶剤の揮発など環境面でも問題が見られたりしていた。よって、従来のマイクロレンズの製造方法と比較して、フィルムを基材に積層し所定量の放射線を照射した後に現像するだけで、短時間、かつ低コストである感放射線性樹脂組成物のドライフィルムを用いたマイクロレンズの製造方法の開発の要望がある。
【0004】
マイクロレンズには、高い集光性、低欠陥、高解像度、高精彩、強度、耐溶剤性が要求される。マイクロレンズにキズがつくとレンズの集光性能が低下するため、表示素子の作製工程を通じてキズがつかないよう高硬度が要求されるが、ドライフィルムを用いたメルトフロー法によりマイクロレンズを作製しようとする場合、マイクロレンズ形成後の強度を十分に得ることが難しい。すなわち、強度を得ようとして硬い材料を用いればパターン形成後にメルトフローさせてレンズ形状を作製することが困難であり、また、ドライフィルムとして保存している際に硬化が進行する懸念がある。さらに、レンズ形成後の表示素子作製工程において溶剤に触れてもレンズが溶解しないように耐溶剤性が要求されるが、感光性樹脂組成物を用いた材料においては一般に硬度が低いと十分な耐溶剤性を得ることが難しい。
以上に記したように、簡便なドライフィルム法を用いて、高硬度なマイクロレンズを高い歩留まりで大量に作製する手法の開発が強く求められているが、形成されたマイクロレンズの硬度が高くないことが問題となっている。
【特許文献1】特開2003−255318号公報
【特許文献2】特開2001−154181号公報
【特許文献3】特開2001−117114号公報
【特許文献4】特開平11−109417号公報
【特許文献5】特開平10−268305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、高い硬度を有することが要求されるマイクロレンズ形成において、レンズ形成時の硬度が良好となる感放射線性樹脂層を有するドライフィルムレジストを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、上記ドライフィルムの感放射線性樹脂層を形成するための感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、高い硬度を有するマイクロレンズおよび該マイクロレンズを備えた液晶表示素子を提供することにある。
【0008】
また、本発明のさらに他の目的は、解像度、パターン形状、透明性、耐熱性、耐溶剤性、塗布ムラ等の優れた感放射線性樹脂層を用いた上記ドライフィルムを作製する方法を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、
ベースフィルム、ベースフィルム上に積層された感放射線性樹脂組成物の層および該積層上に積層されたカバーフィルムからなり、そして上記感放射線性樹脂組成物が(A1)オキセタン基含有アルカリ可溶性共重合体を含有する、ことを特徴とする感放射線性ドライフィルムによって達成される。
【0011】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に、
(A1)オキセタン基含有アルカリ可溶性共重合体を含有することを特徴とする感放射線性ドライフィルム用感放射線性樹脂組成物によって達成される。
【0012】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第3に、
ベースフィルムの表面上に、感放射線性樹脂組成物を塗布そして乾燥して感放射線性樹脂組成物層を形成し、次いで上記感放射線性樹脂組成物層をカバーフィルムでカバーする、ことを特徴とするドライフィルムの製造法により達成される。
【0013】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第4に、
少なくとも下記(i)〜(iv)の工程を含むことを特徴とするマイクロレンズの形成方法により達成される。
(i)本発明のドライフィルムの感放射線性樹脂組成物層をガラス基板へ転写し、塗膜する工程。
(ii)該塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程。
(iii)照射後の塗膜を現像する工程。
(iv)現像後の塗膜を加熱する工程。
【0014】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第5に、
本発明のマイクロレンズ形成用ドライフィルムを用いて形成されたマイクロレンズにより達成される。
【0015】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第6に、
本発明のマイクロレンズを具備する液晶表示素子により達成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、オキセタン基含有アルカリ可溶性共重合体を含有する感放射線性樹脂層をベースフィルム上に積層し、この感放射線性樹脂層を基板に転写、露光、現像、ポストベークすることによって、高い硬度と耐溶剤性を有するマイクロレンズを簡便に作製することのできる感放射線性ドライフィルムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明について詳述する。
【0018】
本発明に用いられるベースフィルムの厚さは特に限定されないが、例えば5〜125μmが好ましい。より好ましくは、10〜50μmの厚さである。このような厚さのベースフィルムとしては、例えばPETフィルム「R340G16」(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、16μm厚、)、「E2」(帝人デュポンフィルム(株)製)、「X83」(帝人デュポンフィルム(株)製)、ダイアホイル「R310」(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、16μm厚)、コスモシャイン「A4100」(東洋紡績(株)製、50μm厚、)、「A4300」(東洋紡績(株)製、50μm)、ダイアホイル「T100B25」(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、25μm厚)、「T100G38」(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、38μm厚)などが市販品として入手できる。
【0019】
本発明のドライフィルムは、上記ベースフィルムの上に感放射線性樹脂組成物層を有し、この組成物層をさらにカバーフィルムがカバーしている。
カバーフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムおよびポリエチレン(PE)フィルムが好ましく用いられる。
カバーフィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば5〜200μmが好ましい。
【0020】
PETフィルムは離形処理してあるものが好ましい。市販品の離形処理済みPETフィルムとしては、例えばピューレックスフィルム「A31」(帝人デュポンフィルム(株)製、25μm厚および38μm厚)、ピューレックスフィルム「A54」(帝人デュポンフィルム(株)製、25μm厚および38μm厚)、ダイアホイル「MRF」(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、25μm厚および38μm厚)、「MRA50」(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、50μm厚)などを挙げることができる。
また、市販品のPEフィルムとしては、例えば「ワコークリーンフィルムPE」(ワコー樹脂(株)製、21μm厚および40μm厚)、「GF−1」(タマポリ(株)製)、「GF−3」(タマポリ(株)製、30μm厚)、「PE−LD」(旭化成ケミカルズ(株)製)、「PE−HD」(旭化成ケミカルズ(株)製)などを挙げることができる。
【0021】
次に、感放射線性樹脂組成物層の感放射線性樹脂組成物について説明する。感放射線性樹脂組成物は、好ましくは(A)共重合体として(A1)オキセタン基含有アルカリ可溶性共重合体と、より好ましくはさらに(A2)オキセタン基非含有アルカリ可溶性共重合体を含有する。感放射線性樹脂組成物は、さらに好ましくは(B)重合性不飽和化合物および(C)感放射線性重合開始剤を含有してなり、特に好ましくは(A)(B)(C)に加えて、(D)感熱酸発生剤もしくは(E)オキセタン基高含有共重合体添加剤、(F)溶解促進剤を含有する。
【0022】
−(A1)オキセタン基含有アルカリ可溶性共重合体−
本発明における(A1)成分は、オキセタン基を含有しており、マイクロレンズを製造する際に、その現像処理工程において用いられるアルカリ現像液に対して可溶性を有し、可視光波長の光が良好に透過するものであれば、特に限定されるものではなく、酸性官能基を有するアルカリ可溶性共重合体が好ましい。特に、(a)分子内に1個以上の酸性官能基を有する重合性不飽和化合物(以下、「(a)酸性重合性不飽和化合物」という。)10〜60重量%、および(b)分子内に1個以上のオキセタン基を有する重合性不飽和化合物(以下、「(b)オキセタン基含有重合性不飽和化合物」という。)10〜60重量%、(c)他の重合性不飽和化合物5〜80重量%(ただし、(a)+(b)+(c)=100重量%)からなるアルカリ可溶性共重合体(以下、「(A)共重合体」という。)が好ましい。
【0023】
(A1)成分は一種類に限るものでなく、例えば、酸性官能基を多く有してアルカリ可溶性に優れた樹脂と硬度など機械的性質の優れた樹脂を混ぜるなど、ひとつの感放射線樹脂組成物層に2種類以上の異なる(A1)成分を混ぜることができる。
(a)酸性重合性不飽和化合物の酸性官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基など、特に好ましくはカルボキシル基を挙げることができる。
【0024】
カルボキシル基を有する(a)酸性重合性不飽和化合物(以下、「(a1)カルボキシル基含有酸性重合性不飽和化合物」という。)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、アクリル酸またはクロトン酸のα−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基もしくはシアノ基などの置換基で置換された化合物などの不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物;上記不飽和ジカルボン酸中の一方のカルボキシル基の水素原子がメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基などの置換基で置換されたハーフエステル;上記不飽和ジカルボン酸中の一方のカルボキシル基がアミド基に変換されたハーフアミド;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとコハク酸とのモノエステル化物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとマレイン酸とのモノエステル化物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとヘキサヒドロフタル酸とのモノエステル化物(以下、「2−モノ(ヘキサヒドロフタロイルオキシ)エチル(メタ)アクリレート」と表記する。)などのカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルなどを挙げることができる。
【0025】
これらの(a1)カルボキシル基含有酸性重合性不飽和化合物のうち、(メタ)アクリル酸、2−モノ(ヘキサヒドロフタロイルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシポリカクロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどが好ましい。
本発明において、(a)酸性重合性不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。特に、(メタ)アクリル酸と2−モノ(ヘキサヒドロフタロイルオキシ)エチル(メタ)アクリレートとの併用が好ましい。
【0026】
(A1)共重合体中に占める(a)酸性重合性不飽和化合物に由来する重合単位含有率は、より好ましくは10〜50重量%であり、さらに好ましくは15〜40重量%である。(a)酸性重合性不飽和化合物に由来する重合単位の含有率が10重量%未満であると、得られる共重合体がアルカリ現像液に溶解し難くなって現像後に膜残りを生じ、十分な解像度を得ることが困難となるおそれがあり、一方50重量%を超えると、得られる共重合体のアルカリ現像液に対する溶解性が大きくなりすぎて、放射線照射部の膜減りが大きくなる傾向がある。
【0027】
(b)オキセタン基含有重合性不飽和化合物は、主として(A1)共重合体の硬度、耐溶剤性をコントロールする目的で使用されるものが多い。
(A1)共重合体中に占める(b)オキセタン基含有重合性不飽和化合物に由来する重合単位の含有率は、より好ましくは20〜50重量%であり、さらに好ましくは30〜40重量%である。
(b)オキセタン基含有重合性不飽和化合物としては、例えば、下記式(I)または(II):
【0028】
【化1】

【0029】
[ここで、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であり、そしてnは1〜6の整数である。]
で表わされる化合物を好ましいものとして挙げることができる。
【0030】
上記式(I)で示される化合物(b1)としては、例えば3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、2−エチル−3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、2,2−ジフロロ−3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフロロオキセタン等のメタクリル酸エステル;
3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフロロオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフロロオキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、2−エチル−3−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、2,2−ジフロロ−3−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフロロオキセタン等のアクリル酸エステルが挙げられる。
【0031】
また、上記式(II)で示される化合物(b2)としては、例えば2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−メチル−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−メチル−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、4−メチル−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−3−トリフロロメチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−4−トリフロロメチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−3−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−4−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−3−フェニルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−4−フェニルオキセタン、2,3−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2,4−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3,3−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3,4−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、4,4−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−3,3,4−トリフロロオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−3,4,4−トリフロロオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−3,3,4,4−テトラフロロオキセタン、
2−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、2−(2−(2−メチルオキセタン))エチルメタクリレート、2−(2−(3−メチルオキセタン))エチルメタクリレート、2−(メタクリロイルオキシエチル)−2−メチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−4−メチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−3−トリフロロメチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−4−トリフロロメチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−3−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−4−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−3−フェニルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−4−フェニルオキセタン、2,3−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、2,4−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3,3−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3,4−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、4,4−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−3,3,4−トリフロロオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−3,4,4−トリフロロオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−3,3,4,4−テトラフロロオキセタン等のメタクリル酸エステル;
2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−メチル−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−メチル−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、4−メチル−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−3−トリフロロメチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−4−トリフロロメチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−3−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−4−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−3−フェニルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−4−フェニルオキセタン、2,3−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、2,4−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3,3−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3,4−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、4,4−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−3,3,4−トリフロロオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−3,4,4−トリフロロオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−3,3,4,4−テトラフロロオキセタン、
2−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、2−(2−(2−メチルオキセタン))エチルメタクリレート、2−(2−(3−メチルオキセタン))エチルメタクリレート、2−(アクリロイルオキシエチル)−2−メチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−4−メチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−3−トリフロロメチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−4−トリフロロメチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−3−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−4−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−3−フェニルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−4−フェニルオキセタン、2,3−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、2,4−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3,3−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3,4−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、4,4−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−3,3,4−トリフロロオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−3,4,4−トリフロロオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−3,3,4,4−テトラフロロオキセタン等のアクリル酸エステルが挙げられる。
【0032】
これらのうち、3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−4−トリフロロメチルオキセタンなどが得られる感光性樹脂組成物のプロセスマージンが広く、かつ、得られるレンズの耐薬品性を高める点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0033】
(c)他の重合性不飽和化合物は、主として(A1)共重合体の機械的特性をコントロールする目的で使用されるものが多い。
(c)他の重合性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル、不飽和カルボン酸グリシジルエステル、上記(a)酸性重合性不飽和化合物について例示した不飽和ジカルボン酸のジエステル、芳香族ビニル化合物、共役ジオレフィン、ニトリル基含有不飽和化合物、塩素含有不飽和化合物、アミド結合含有不飽和化合物、不飽和イミド、不飽和エーテル、脂肪酸ビニルエステル、脂環式炭化水素基含有不飽和化合物、重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマーなどを挙げることができる。
【0034】
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、4−i−ペンチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングルコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、アントラセニル(メタ)アクリレート、アントラキノニル(メタ)アクリレート、ピペロニル(メタ)アクリレート、サリチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート、クレシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリフェニルメチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロ−n−プロピル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロ−i−プロピル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、フリル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、α−(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトンなどを挙げることができる。
【0035】
上記不飽和カルボン酸アミノアルキルエステルとしては、例えば、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
上記不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
上記不飽和ジカルボン酸のジエステルとしては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチルなどを挙げることができる。
上記芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、安息香酸ビニルなどを挙げることができる。
上記共役ジオレフィンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。
上記ニトリル基含有不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン、α−クロロアクリロニトリルなどを挙げることができる。
上記塩素含有不飽和化合物としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどを挙げることができる。
【0036】
また、(c)他の重合性不飽和化合物のうち、(A1)共重合体の熱的特性および機械的特性をコントロールして良好なレンズする目的で、アミド結合含有不飽和化合物を含めることが好ましい。例えば、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、マレイミドなどを挙げることができる。
アミド結合含有不飽和化合物のうち、特に好ましいのはN位−置換マレイミドモノマーであり、N位−置換マレイミドモノマーに由来する重合単位の含有率は、好ましくは5〜40重量%であり、より好ましくは10〜35重量%である。上記N位−置換マレイミドモノマーとしては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどを挙げることができる。
【0037】
上記不飽和エーテルとしては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
上記脂肪酸ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピロン酸ビニルなどを挙げることができる。
上記脂環式炭化水素基含有不飽和化合物としては、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
上記マクロモノマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンなどの重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有する化合物などを挙げることができる。
【0038】
本発明において、(a)酸性重合性不飽和化合物および(b)オキセタン基含有重合性不飽和化合物、(c)他の重合性不飽和化合物は、それぞれ単独で、または2種以上を混合して使用することができる。(A1)共重合体の好ましい具体例としては、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/イソプレン/トリシクロデカニル(メタ)アクリレート/2−モノ(ヘキサヒドロキシフタロイルオキシ)エチル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/1,3‐ブタジエン/トリシクロデカニル(メタ)アクリレート/2−モノ(ヘキサヒドロキシフタロイルオキシ)エチル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカクロラクトンモノ(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体
等を挙げることができる。
【0039】
(A1)共重合体中に占める(c)他の重合性不飽和化合物に由来する重合単位の含有率は、より好ましくは20〜60重量%であり、さらに好ましくは30〜50重量%である。
(A1)共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは2,000〜100,000であり、さらに好ましくは5,000〜50,000である。(A1)共重合体のMwが2,000未満であると、アルカリ現像性、残膜率、パターン形状、耐熱性などが低下する傾向があり、一方100,000を超えると、感度やパターン形状が低下する傾向がある。
また、(A1)共重合体のMwとポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。
(A1)共重合体は、(a)酸性重合性不飽和化合物、(b)オキセタン基含有重合性不飽和化合物、(c)他の重合性不飽和化合物を適当な溶剤中で重合することによって製造することができる。
【0040】
上記重合に用いられる溶剤としては、例えば、
メタノール、エタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエチレングリコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのジエチレングリコールアルキルエーテル;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルモノエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸n−プロピル、ヒドロキシ酢酸n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸n−プロピル、メトキシ酢酸n−ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸n−プロピル、エトキシ酢酸n−ブチル、n−プロポキシ酢酸メチル、n−プロポキシ酢酸エチル、n−プロポキシ酢酸n−プロピル、n−プロポキシ酢酸n−ブチル、n−ブトキシ酢酸メチル、n−ブトキシ酢酸エチル、n−ブトキシ酢酸n−プロピル、n−ブトキシ酢酸n−ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸n−プロピル、2−メトキシプロピオン酸n−ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸n−プロピル、2−エトキシプロピオン酸n−ブチル、2−n−プロポキシプロピオン酸メチル、2−n−プロポキシプロピオン酸エチル、2−n−プロポキシプロピオン酸n−プロピル、2−n−プロポキシプロピオン酸n−ブチル、2−n−ブトキシプロピオン酸メチル、2−n−ブトキシプロピオン酸エチル、2−n−ブトキシプロピオン酸n−プロピル、2−n−ブトキシプロピオン酸n−ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸n−プロピル、3−メトキシプロピオン酸n−ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸n−プロピル、3−エトキシプロピオン酸n−ブチル、3−n−プロポキシプロピオン酸メチル、3−n−プロポキシプロピオン酸エチル、3−n−プロポキシプロピオン酸n−プロピル、3−n−プロポキシプロピオン酸n−ブチル、3−n−ブトキシプロピオン酸メチル、3−n−ブトキシプロピオン酸エチル、3−n−ブトキシプロピオン酸n−プロピル、3−n−ブトキシプロピオン酸n−ブチルなどの他のエステルなどを挙げることができる。
【0041】
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物や、過酸化水素などを挙げることができる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、還元剤を併用してレドックス型開始剤としてもよい。
【0042】
本発明において、(A1)共重合体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0043】
−(A2)オキセタン基非含有アルカリ可溶性共重合体−
本発明において、(A)共重合体は、オキセタン基を含有する(A1)共重合体に加えて、1種類以上のオキセタン基を含有しない(A2)オキセタン基非含有アルカリ可溶性共重合体を混ぜ合わせて用いることができる。
(A2)共重合体としては、感放射線性樹脂組成物層の熱的特性および機械的特性をコントロールして良好なレンズする目的で、アミド結合含有不飽和化合物を含めることが好ましい。例えば、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、マレイミドなどを挙げることができる。
アミド結合含有不飽和化合物のうち、特に好ましいのはN位−置換マレイミドモノマーであり、N位−置換マレイミドモノマーに由来する重合単位の含有率は、好ましくは5〜40重量%であり、より好ましくは10〜35重量%である。上記N位−置換マレイミドモノマーとしては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどを挙げることができる。
【0044】
−(B)重合性不飽和化合物−
本発明における(B)重合性不飽和化合物は、(C)感放射線性重合開始剤の存在下における放射線の照射により重合する化合物である。
(B)重合性不飽和化合物としては、例えば、分子内に1個のエチレン性不飽和結合を有する化合物、分子内に2個のエチレン性不飽和結合を有する化合物、分子内に3個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物などを挙げることができる。
上記分子内に1個のエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、1価アルコールのモノ(メタ)アクリレート、好ましくは、下記式(1)で表わされる化合物を挙げることができる。
【0045】
【化2】

【0046】
〔式(1)中、lは0〜8の整数であり、Rは水素原子または炭素数1〜9の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を示す。〕
式(1)で表わされる化合物の具体例としては、商品名で、アロニックスM−101(l=約2、R=H)、同M−102(l=約4、R=H)、同M−111〔l=約1、R=n−C19(n−ノニル基、以下同様。)〕、
同M−113(l=約4、R=n−C19)、
同M−114(l=約8、R=n−C19)、
同M−117(l=2.5、R=n−C19)〔以上、東亜合成化学工業(株)製〕、KAYARAD R−564(l=約2.3、R=H)〔日本化薬(株)製〕などを挙げることができる。
【0047】
また、式(1)で表わされる化合物とは異なる、分子内に1個のエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、商品名で、KAYARAD TC−110S、同 TC−120S〔以上、日本化薬(株)製〕、V−158、V−2311〔以上、大阪有機化学工業(株)製〕などを挙げることができる。
また、分子内に1個のエチレン性不飽和結合を有する化合物は、その他に、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸ジエステル、(A)共重合体における(a)重合性不飽和化合物、(b)他の重合性不飽和化合物について例示した化合物と同様のものを使用することができる。
次に、分子内に2個のエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、2価アルコールのジ(メタ)アクリレート、好ましくは、下記式(2)で表わされる化合物、下記式(3)で表わされる化合物および下記式(4)で表わされる化合物などを挙げることができる。
【0048】
【化3】

【0049】
〔式(2)中、nおよびmはそれぞれ0〜8の整数であり、各Rは相互に独立に水素原子またはメチル基を示す。〕
式(2)で表わされる化合物の具体例としては、商品名で、アロニックスM−210(n=約2、m=約2、R=CH)〔東亜合成化学工業(株)製〕、KAYARAD R−551(n+m=約4、R=CH)、同 R−712(n+m=約4、R=H)〔以上、日本化薬(株)製〕などを挙げることができる。
【0050】
【化4】

【0051】
〔式(3)中、Rは炭素数2〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を示し、pは1〜10の整数である。〕
式(3)で表わされる化合物の具体例として、商品名で、アロニックスM−220〔R=−(CH−、p=約3〕、同M−225〔R=−(CH−、p=約7〕、同M−270〔R=−(CH−、p=約12〕、同M−240〔R=−CHCH−、p=約4〕、同M−245〔R=−CHCH−、p=約9〕〔以上、東亜合成化学工業(株)製〕、
KAYARAD HDDA〔R=−(CH−、p=1〕、
同 NPGDA〔R=−CHC(CHCH−、p=1〕、
同 TPGDA〔R=−CHCH(CH)−、p=1〕、
同 PEG400DA〔R=−CHCH−、p=約8〕、
同 MANDA〔R=−CHC(CHCH−、p=1〕、
同 R−167〔R=−CHCH(OH)CHO(CHOCHCH(OH)CH−、p=1〕〔以上、日本化薬(株)製〕、ライトアクリレート1.9−NDA〔R=−(CH−、p=1〕などを挙げることができる。
【0052】
【化5】

【0053】
〔式(4)中、各Rは相互に独立に水素原子またはメチル基を示し、Mは2価アルコールの残基を示し、Nは2塩基酸の残基を示し、qは0または1である。〕
式(4)で表わされる化合物の具体例としては、商品名で、アロニックスM−6100、同M−6200、同M−6250、同M−6300、同M−6400、同M−6500〔以上、東亜合成化学工業(株)製〕、ライトエステルEG(q=0、M=−CHCH−、R=CH、同2EG(q=1、M=−(CHCH)−、N=−O−、R=CH)、同1.4BG(q=0、M=−(CH−、R=CH)、同1.6HX(q=0、M=−(CH−、R=CH)、同1.9ND(q=0、M=−(CH−、R=CH)、同G−101P(q=0、M=−CHCH(OH)CH−、R=CH)、ライトアクリレート3EG−A(q=2、M=−(CHCH)−、N=−O−、R=H)、同4EG−A(q=約3、M=−(CHCH)−、N=−O−、R=H)、同9EG−A(q=約8、M=−(CHCH)−、N=−O−、R=H)、同14EG−A(q=約13、M=−(CHCH)−、N=−O−、R=H)、同1.6HX−A(q=0、M=−(CH−、R=H)、同1.9ND−A(q=0、M=−(CH−、R=H)〔以上、共栄社化学(株)製〕などを挙げることができる。
【0054】
さらに、上記以外の2個のエチレン性不飽和結合を有する化合物として、下記式(5−1)で表される化合物〔商品名KAYARAD HX−220、日本化薬(株)製〕、式(5−2)で表される化合物〔商品名KAYARAD HX−620、日本化薬(株)製〕や、商品名で、R−604〔日本化薬(株)製〕、V−260、V−312、V−335HP〔以上、大阪有機化学工業(株)製〕などを挙げることができる。
【0055】
【化6】

【0056】
〔式(5−1)中、rおよびsはそれぞれ0〜2の整数で、r+s=2である。〕
〔式(5−2)中、tおよびuはそれぞれ0〜4の整数で、t+u=4である。〕
次に、分子内に3個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、3価以上のアルコールのポリ(メタ)アクリレート、好ましくは、下記式(6)で表わされる化合物、下記式(7)で表わされる化合物、下記式(8)で表わされる化合物および下記式(9)で表わされる化合物などを挙げることができる。
【0057】
【化7】

【0058】
〔式(6)中、vは0〜8の整数であり、R10は水素原子、水酸基またはメチル基を示す。〕
【0059】
【化8】

【0060】
〔式(7)中、R11は酸素原子またはメチレン基を示す。〕
【0061】
【化9】

【0062】
〔式(8)中、各R12は相互に独立に水素原子またはメチル基を示し、Xは3価アルコールの残基を示し、Yは2塩基酸の残基を示し、wは0〜15の整数である。〕
【0063】
【化10】

【0064】
〔式(9)中、AはCH=CHCO−を示し、xは1または2であり、aは2〜6の整数、bは0〜4の整数で、a+b=6である。〕
式(6)で表わされる化合物の具体例としては、商品名で、アロニックスM−305(v=0、R10=OH)、同M−309(v=0、R10=CH)、同M−310(v=約1、R10=CH)、同M−320(v=約2、R10=CH)、同M−450(v=0、R10=CHCHCOO)、同M−402(v=0、R10=(CHCHCOOCH(RCHO)CCH−O−、R=“H”または“COCH=CH”)〔以上、東亜合成化学工業(株)製〕、KAYARAD TMPTA(v=0、R10=CH)〔日本化薬(株)製〕、V−295(v=0、R10=CH)、V−300(v=0、R10=OH)〔以上、大阪有機化学工業(株)製〕などを挙げることができる。
【0065】
また、式(7)で表わされる化合物の具体例としては、商品名で、アロニックスM−400〔東亜合成化学工業(株)製〕などを挙げることができる。
また、式(8)で表わされる化合物の具体例としては、商品名で、アロニックスM−7100、同M−8030、同M−8060、同M−8100、同M−9050〔以上、東亜合成化学工業(株)製〕、KAYARAD T−1420(T)(X=C(CHCH)−、Y=−(CHOCH)−)、日本化薬(株)製〕などを挙げることができる。
また、式(9)で表わされる化合物の具体例としては、商品名で、KAYARAD DPCA−20(x=約1、a=約2、b=約4)、同 DPCA−30(x=約1、a=約3、b=約3)、同 DPCA−60(x=約1、a=約6、b=約0)、同 DPCA−120(x=約2、a=約6、b=約0)〔以上、日本化薬(株)製〕、V−360、V−GPT、V−3PA、V−400〔以上、大阪有機化学工業(株)製〕などを挙げることができる。
【0066】
これらの(B)重合性不飽和化合物のうち、分子内に2個のエチレン性不飽和結合を有する化合物および3個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく、さらに好ましくは、式(4)で示される化合物および式(8)で示される化合物などである。
本発明において、(B)重合性不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、(B)重合性不飽和化合物の使用量は、(A)共重合体100重量部に対して、好ましくは30〜150重量部、さらに好ましくは50〜100重量部である。(B)重合性不飽和化合物の使用量が30重量部未満であると、放射線の照射時の感度が低下しやすく、一方150重量部を超えると、(A)共重合体との相溶性が悪くなり、塗膜表面に膜荒れを生じるおそれがある。
【0067】
−(C)感放射線性重合開始剤−
本発明における(C)成分は、放射線の照射により、(B)重合性不飽和化合物の重合を開始しうる活性種(例えば、ラジカルなど)を生じる感放射線性重合開始剤からなる。
【0068】
このような(C)感放射線性重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ジアセチルなどのα−ジケトン;ベンゾインなどのアシロイン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロインエーテル;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸などのチオキサントン;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α’−ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノンなどのアセトフェノン;アントラキノン、1,4−ナフトキノンなどのキノン;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロゲン化合物;ジ−t−ブチルペルオキシドなどの過酸化物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド;1−(9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル)−ノナン−1,2−ノナン−2−オキシム−O−ベンゾアート、1−(9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル)−ノナン−1,2−ノナン−2−オキシム−O−アセタート、1−(9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル)−ペンタン−1,2−ペンタン−2−オキシム−O−アセタート、1−(9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル)−オクタン−1−オンオキシム−O−アセタート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾアート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−アセタート、1−〔9−エチル−6−(1,3,5−トリメチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾアート、1−〔9−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾアート、1,2−オクタジオン−1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1,2−ブタンジオン−1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1,2−ブタンジオン−1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−アセチルオキシム)、1,2−オクタジオン−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1,2−オクタジオン−1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−〔O−(4―メチルベンゾイルオキシム)〕などのO−アシルオキシムなどを挙げることができる。
【0069】
また、(C)感放射線性重合開始剤の市販品としては、商品名で、イルガキュア184、同500、同651、同907、同369、同379、同CG24−61(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ルシリンLR8728、ルシリンTPO(以上、BASF社製)、ダロキュア1116、同1173(以上、メルク社製)、ユベクリルp36(UCB社製)などを挙げることができる。
これらの(C)感放射線性重合開始剤のうち、好ましくは、2−メチル〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オンなどのアセトフェノン類や、フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどである。
【0070】
本発明において、(C)感放射線性重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また1種以上の放射線増感剤を併用することもできる。
本発明における(C)感放射線性重合開始剤の使用量は、(B)重合性不飽和化合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜100重量部、より好ましくは1〜90重量部、さらに好ましくは10〜80重量部である。(C)感放射線性重合開始剤の使用量が0.01重量部未満であると、感度が低下する傾向があり、一方100重量部を超えると、(A)共重合体や(B)重合性不飽和化合物との相溶性が悪くなったり、得られる樹脂組成物の保存安定性が低下する傾向がある。
【0071】
−(D)感熱酸発生剤−
本発明の感放射線性樹脂組成物には、加熱により酸を発生させるような感熱酸発生剤を添加することができる。このような(D)感熱酸発生剤としては、好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは110〜200℃、特に好ましくは120〜180℃で酸を発生するものが望ましい。
(D)感熱酸発生剤の使用量は、(A)オキセタン基を含有する共重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。この割合が20重量部を超える場合には、析出物が発生し、パターニングが困難となる傾向がある。一方、この割合が0.01重量部未満の場合には、熱硬化時の硬化速度が遅くなり硬度が上がらない傾向がある。
本発明で用いられる(D)感熱酸発生剤としては、例えば、スルホニウム塩(但し、前記トリアリールスルホニウム塩を除く。)、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩(但し、前記ジアリールホスホニウム塩を除く。)、スルホンイミド化合物等を挙げることができ、これらのうち、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、スルホンイミド化合物が特に好ましい。
【0072】
(D)感熱酸発生剤のうち、スルホニウム塩としては、例えば、
4−アセトフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−3−クロロ−4−アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のアルキルスルホニウム塩;
ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等のベンジルスルホニウム塩;
ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジベンジル−4−アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−メトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等のジベンジルスルホニウム塩;
4−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−ニトロベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3,5−ジクロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2−クロロベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等の置換ベンジルスルホニウム塩
等を挙げることができる。
【0073】
これらのスルホニウム塩のうち、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が好ましい。
また、前記ベンゾチアゾニウム塩としては、例えば、3−ベンジルベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、3−ベンジルベンゾチアゾニウムテトラフルオロボレート、3−(4−メトキシベンジル)ベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−2−メチルチオベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−5−クロロベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート等のベンジルベンゾチアゾニウム塩等を挙げることができる。これらのベンゾチアゾニウム塩のうち、特に、3−ベンジルベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネートが好ましい。
【0074】
感熱酸発生剤の市販品のうち、アルキルスルホニウム塩としては、例えば、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(以上、旭電化工業(株)製)等を挙げることができる。
また、ベンジルスルホニウム塩としては、例えば、SI−60、SI−80、SI−100、SI−110、SI−145、SI−150、SI−80L、SI−100L、SI−110L(以上、三新化学工業(株)製)等を挙げることができる。
これらの市販品のうち、SI−80、SI−100、SI−110等が、得られる保護膜が高い表面硬度を有する点で好ましい。
前記感熱酸発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0075】
感熱酸発生剤のうち、スルホニウム塩としては、例えば、
N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2ートリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−{(5−メチル−5−カルボキシメタンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)スルホニルオキシ}スクシンイミド等の1種又は2種以上を混合して使用することができる。
【0076】
さらに、感熱酸発生剤としては、例えばトリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などのような光酸発生剤として知られる化合物等を用いることもできる。これらの化合物は光だけでなく熱によっても酸を発生するため、感熱酸発生剤として用いることができる。
【0077】
上記トリクロロメチル−s−トリアジン類としては、例えば2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
【0078】
上記ジアリールヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。
【0079】
上記トリアリールスルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニル−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。
【0080】
これらの化合物のうち、トリクロロメチル−s−トリアジン類としては、2−(3−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンまたは2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン;
ジアリールヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートまたは4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート;
トリアリールスルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナートまたは4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテートをそれぞれ好ましいものとして挙げることができる。
【0081】
−(E)オキセタン基高含有共重合体−
本発明の感放射線性樹脂組成物には、レジストの硬度を上げるために(E)オキセタン基高含有共重合体を添加することができる。
本発明において、(E)オキセタン基高含有共重合体の使用量は、(A)共重合体100重量部に対して、好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは10〜25重量部である。(E)オキセタン基高含有共重合体の使用量が5重量部未満であると、硬度の向上の効果が得られにくく、一方50重量部を超えると、(A)共重合体との相溶性が悪くなりドライフィルム塗膜表面に膜荒れを生じたり、ポストベーク時のメルトフローによりレンズ形状が悪くなったり、解像度が低下するおそれがある。
【0082】
(E)オキセタン基高含有共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは2,000〜100,000であり、さらに好ましくは5,000〜30,000である。(E)オキセタン基高含有共重合体のMwが2,000未満であると、アルカリ現像性、残膜率、パターン形状、耐熱性などが低下する傾向があり、一方100,000を超えると、感度が低下したりパターン形状およびレンズ形状が悪化する傾向がある。
【0083】
また、(E)オキセタン基高含有共重合体のMwとポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。
(E)オキセタン基高含有共重合体は、(a)酸性官能基を有する重合性不飽和化合物0〜40重量%、(b)オキセタン基含有重合性不飽和化合物60〜90重量%、(c)他の重合性不飽和化合物0〜40重量%(但し、(a)+(b)+(c)=100重量%)からなる。より好ましい重量比は、(a)酸性官能基を有する重合性不飽和化合物10〜30重量%、(b)オキセタン基含有重合性不飽和化合物60〜90重量%、(c)他の重合性不飽和化合物10〜30重量%(但し、(a)+(b)+(c)=100重量%)である。(b)が60重量%未満であると、硬度が向上しにくい傾向があり、90重量%よりも大きいと重合性、転嫁率の劣化が起こる傾向がある。
【0084】
(E)オキセタン基高含有共重合体の好ましい具体例としては、
3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタンを含む共重合体として、
(メタ)アクリル酸/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、
3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタンを含む共重合体として、
(メタ)アクリル酸/3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン共重合体、
2−(メタクリロイルオキシメチル)を含む共重合体として、
(メタ)アクリル酸/2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン共重合体、
などが得られる感光性樹脂組成物の耐薬品性、硬度を高め、マイクロレンズの良好な形状を得る点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0085】
本発明の感放射線性樹脂組成物には、(A)共重合体のアルカリ現像液に対する溶解性を調節するために、(F)溶解促進剤を添加することができる。すなわち、(A)共重合体のアルカリ現像液に対する溶解性が低すぎる場合は、その溶解性を高めて、アルカリ現像時の(A)共重合体の溶解速度を適度に増大させる作用を有する溶解促進剤を配合することができる。
上記溶解促進剤としては、特に限定されるものではないが、感放射線性樹脂組成物のプレベーク、露光、現像などの工程において化学変化しない化合物が好ましい。
【0086】
溶解促進剤としては、例えば、ベンゼン環数が2〜6個程度の低分子量のフェノール性化合物を挙げることができ、より具体的には、ビスフェノール類、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン類などを挙げることができる。
(F)溶解促進剤の添加量は、使用される(A)共重合体の種類に応じて適宜調整することができるが、それぞれ(A)共重合体100重量部に対して、好ましくは50重量部以下、さらに好ましくは30重量部以下である。
これらの(F)溶解促進剤はそれぞれ、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0087】
本発明の感放射線性樹脂組成物には、アルカリ現像液に対する溶解性を微調整するために、カルボキシル基および/またはカルボン酸無水物基を有する化合物(以下、「カルボン酸系添加剤」という。)を添加することができる。
【0088】
カルボン酸系添加剤としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−吉草酸、イソ吉草酸、安息香酸、けい皮酸などのモノカルボン酸;乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−ヒドロキシけい皮酸、m−ヒドロキシけい皮酸、p−ヒドロキシけい皮酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、シリンギン酸などのヒドロキシモノカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸;無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、ドデセニルコハク酸無水物、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(トリメリテート)二無水物、グリセリントリス(トリメリテート)三無水物などの酸無水物を挙げることができる。
【0089】
これらのカルボン酸系添加剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
カルボン酸系添加剤の添加量は、(A)共重合体100重量部に対して、好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下である。
本発明の感放射線性樹脂組成物には、(A)共重合体のアルカリ現像液に対する溶解性が高すぎる場合は、その溶解性を制御し、アルカリ現像時の(A)共重合体の溶解速度を適度に減少させる作用を有する溶解制御剤を配合することができる。
また、溶解制御剤としては、例えば、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、アセナフテンなどの芳香族炭化水素;アセトフェノン、ベンゾフェノン、フェニルナフチルケトンなどのケトン;メチルフェニルスルホン、ジフェニルスルホン、ジナフチルスルホンなどのスルホンなどを挙げることができる。
溶解制御剤は単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、1種類以上の(F)溶解促進剤と混合して使用することができる。
【0090】
−(G)界面活性剤−
本発明の感放射線性樹脂組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させるために、(G)界面活性剤を添加することができる。
このような(G)界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などを挙げることができる。
【0091】
上記フッ素系界面活性剤としては、商品名で、例えば、FTX−212D、同−218、同−208D(以上、ネオス社製)、BM−1000、同−1100(以上、BM CHIMIE社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、同F410、同F411、同F443、同F445、同F470、同F471、同F474、同F475、同F477、同F478、同F479、同F487〔以上、大日本インキ化学工業(株)製〕、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431〔以上、住友スリーエム(株)製〕、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141,同S−145、同S−382,同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106〔以上、旭硝子(株)製〕、ポリフローKL−600〔共栄社化学(株)製〕などを挙げることができる。
【0092】
また、上記シリコーン系界面活性剤としては、商品名で、例えば、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、同−190〔以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製〕、KP341〔信越化学工業(株)製〕、エフトップEF301、同EF303、同EF352〔以上、新秋田化成(株)製〕、グラノール100、同400、同440、同450、同482、ポリフローKL−245、同KL−260、同KL−270、同KL−280、フローレンTW−4000〔以上、共栄社化学(株)製〕などを挙げることができる。
【0093】
また、上記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステルなどを挙げることができる。
【0094】
さらに、上記以外の界面活性剤として、商品名で、例えば、ポリフローNo.3、同No.50、同No.50EHF、同No.57、同No.64、同No.64HF、同No.75、同No.77、同No.85、同No.85HF、同No.90、同No.95、同KL−505、同KL−510〔以上、共栄社化学(株)製〕などを挙げることができる。
【0095】
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の添加量は、(A)共重合体100重量部に対して、好ましくは0.001〜5重量部、さらに好ましくは0.01〜1重量部である。(G)界面活性剤の添加量が0.01重量部以下だと、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させることができず、(G)界面活性剤の添加量が5重量部を超えると、塗布時に塗膜の膜荒れが生じやすくなったり、感放射線樹脂組成物層がガラス基板に密着しにくくなる傾向がある。
【0096】
本発明の感放射線性樹脂組成物には、(H)シランカップリング剤を添加することができる。
本発明において、(H)シランカップリング剤は、基板との接着性を向上させるための接着助剤として働くものである。
このような(H)成分としては、例えば、カルボキシル基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤が好ましく、より具体的には、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどを挙げることができる。
これらの(H)シランカップリング剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
(H)シランカップリング剤の添加量は、(A)共重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部である。30重量部以上含有する場合、得られる感放射線性樹脂組成物の保存安定性が損なわれるおそれがある。
【0097】
本発明の感放射線性樹脂組成物には、プレベーク時の熱かぶりによる現像性の低下を抑えるために、(I)熱重合禁止剤を添加することができる。
このような(I)熱重合禁止剤としては、例えば、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、t−ブチルカテコール、メチルヒドロキノン、n−アミルキノン、n−アミロイロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノ−n−プロピルエーテル、4,4’−〔1−{4−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパンなどを挙げることができる。
これらの(I)熱重合禁止剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
熱重合禁止剤の添加量は、(D)熱重合性化合物100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは3重量部以下である。
【0098】
さらに、本発明の感放射線性樹脂組成物には、さらに、充填材、着色剤、粘度調整剤などを、感放射線性樹脂組成物の本来の特性を損なわない範囲、好ましくはこれらの合計添加量が、得られる組成物全体の50重量%以下となる範囲で添加することもできる。
上記充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、ベントナイト、ジルコニウムシリケート、粉末ガラスなどを挙げることができる。
これらの充填材は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0099】
また、上記着色剤としては、例えば、アルミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウムなどの体質顔料;亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラックなどの無機顔料;ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの有機顔料;マゼンタ、ローダミンなどの塩基性染料;ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジなどの直接染料;ローセリン、メタニルイエローなどの酸性染料などを挙げることができる。
【0100】
これらの着色剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、上記粘度調整剤としては、例えば、ベントナイト、シリカゲル、アルミニウム粉末などを挙げることができる。
これらの粘度調整剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0101】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、(A)共重合体、(B)重合性不飽和化合物、(C)感放射線性重合開始剤、(D)熱架橋剤、(E)界面活性剤および必要に応じて使用される添加剤を均一に混合し、また基板上への塗布作業を容易とする目的で、有機溶媒で希釈して、液状組成物とすることが好ましい。
上記有機溶媒としては、感放射線性樹脂組成物を構成する各成分を均一に溶解ないし分散させることができ、該各成分と反応せず、適度の揮発性を有するものが好ましい。
【0102】
このような有機溶媒としては、例えば、上記(A)共重合体を製造する重合について例示した溶剤と同様の有機溶媒のほか、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテートなどの高沸点溶媒を挙げることができる。
【0103】
これらの有機溶媒のうち、溶解性、各成分との反応性および塗膜形成の容易性から、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート;乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルなどの他のエステル;ジアセトンアルコールなどのケトンなどが好ましい。
上記有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機溶媒の使用量は、感放射線性樹脂組成物の具体的な用途、塗布方法などに応じて適宜選定することができる。
【0104】
本発明の感放射線性樹脂組成物を調製する際には、充填材や顔料を添加しない場合は、通常の方法で撹拌混合するだけでよく、充填材や顔料を添加する場合は、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用いて分散混合させればよい。また、本発明の感放射線性樹脂組成物は、必要に応じて、調製後にメッシュ、メンブレンフィルターなどによりろ過して使用に供してもよい。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、感放射線性ドライフィルムとして、特に、表示素子用のレンズの形成に極めて好適に使用することができる。
−他の添加剤−
本発明の感放射線性組成物は、必要に応じて、種々の他の添加剤を含有することもできる。
本発明における感放射線性樹脂組成物を調製する際には、充填材や顔料を添加しない場合は、通常の方法で撹拌混合するだけでよく、充填材や顔料を添加する場合は、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミル等の分散機を用いて分散混合させればよい。また、本発明における感放射線性樹脂組成物は、必要に応じて、調製後にメッシュ、メンブレンフィルター等によりろ過して使用に供してもよい。
【0105】
ドライフィルムの製造法
本発明のドライフィルムは、前記ベースフィルムの表面上に、感放射線性樹脂組成物を塗布しそして乾燥して該感放射線性樹脂組成物の層を積層し、次いで該層をカバーフィルムでカバーすることによって製造することができる。優れた感放射線性ドライフィルム1は、図1に示すように、ベースフィルム2の上に感放射線性樹脂組成物層3が、好ましくは2〜200μmの厚さに、積層されそしてさらにカバーフィルム4でカバーされて一体化された構造を持っている。
ドライフィルム用のベースフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂フィルムが使用できる。ベースフィルムの厚さは15〜125μmの範囲が適当である。
【0106】
塗膜の形成には、アプリケーター、バーコーター、ロールコーター、カーテンフローコーターなどが使用される。
乾燥温度は低すぎると乾燥に時間がかかり、高すぎるとベースフィルムの熱収縮や感放射線性樹脂組成物の気化等が生じてしまう。乾燥温度は、40〜180℃の範囲が適当であり、さらに好ましくは60〜130℃である。
【0107】
ドライフィルム用のカバーフィルムは、未使用時の感放射線層を安定に保護しておくためのものであり、使用時に除去される。従って、未使用時には剥がれず、使用時には容易に剥がすことができるように、適度な離型性を有する必要がある。このような条件を満たすカバーフィルムとしては、各々シリコーンをコーティングまたは焼き付けしたPETフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどを使用できる。
カバーフィルムの厚みは15〜50μm程度がよい。
カバーフィルムは室温で感放射線樹脂組成物層に貼り付けることができるが、40〜60℃程度に加熱しながら貼り付けることもできる。
【0108】
マイクロレンズの製造法
本発明のドライフィルムは、マイクロレンズの形成に用いられる。
本発明のマイクロレンズは、各種のOA機器、液晶テレビ、携帯電話、プロジェクター等の液晶表示素子を始めとして、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系、光ファイバコネクタ等に極めて好適に使用することができる。
マイクロレンズの形成は、下記(i)〜(iv)の工程からなる。
(i)本発明のドライフィルムの感放射線性樹脂組成物層をガラス基板へ転写し、塗膜を基板上に形成する工程。
(ii)該塗膜の少なくとも一部に放射線を照射(以下、「露光」という。)する工程。
(iii)露光後の塗膜を現像する工程。
(iv)現像後の塗膜を加熱(以下、「ベーク」という。)する工程。
【0109】
以下、これらの工程について説明する。
【0110】
−(i)工程−
この工程においては、上記ドライフィルム製造工程に従ってマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物を可とう性のベースフィルム上に感放射線性樹脂組成物を予め塗布・乾燥して感放射線性の塗膜(感放射線性樹脂組成物層)を形成し、これを基板に貼り付けて使用する。
作製したドライフィルムを使用する場合は、まず、カバーフィルムを除去し、常圧熱ロール圧着法、真空熱ロール圧着法、真空熱プレス圧着法等の圧着手法を用いて、適当な熱と圧力を加えながら、ドライフィルムを基板上に転写する。
形成される塗膜の膜厚は3〜50μm程度が好ましく、さらに好ましくは10〜30μm程度である。
使用できる基板の種類としては、ガラス基板、シリコンウエハーや、これらの表面に各種の金属層が形成された基板等を挙げることができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物層を基板に塗布する方法としては、ドライフィルムを作製してから基板に貼り付ける方法以外にも、例えば、スピンコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法等の適宜の方法を採用することができる。
【0111】
−(ii)工程−
この工程においては、形成された塗膜の少なくとも一部に露光する。塗膜の一部に露光する際には、所定パターンのマスクを介して露光する。
露光に用いられる放射線としては、特に限定されるものではないが、使用される感放射線性重合開始剤の種類等に応じて、例えば、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)等の紫外線、KrFエキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線等を適宜選択する。
これらの放射線のうち、紫外線が好ましく、特にg線および/またはi線を含む放射線が好ましい。
また、露光量は、50〜10,000J/m程度が好ましい。
(i)工程でドライフィルム法を用いたとき、感放射線性転写層上のベースフィルムは、露光工程の前に剥離除去してもよく、また、露光工程後、現像工程の前に剥離除去してもよい。
【0112】
−(iii)工程−
この工程においては、露光された塗膜を現像液、好ましくはアルカリ現像液により現像して、未露光部を除去することにより、所定形状のパターンを形成する。
前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の塩基性化合物の水溶液を挙げることができる。
前記塩基性化合物の水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加することもできる。
なお、アルカリ現像液で現像したのちは、通常、例えば流水洗浄等により洗浄する。
【0113】
また、顔料や充填材等の不溶性成分を含有しない感放射線性樹脂組成物の場合には、当該組成物を構成する各成分を溶解する各種の有機溶媒を現像液として使用することもできる。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法等の適宜の方法を採用することができる。
現像時間は、感放射線性樹脂組成物の組成によって異なるが、通常、常温で30〜300秒間程度である。本発明の感放射線性樹脂組成物の場合、現像液の温度を30〜35℃程度とすることで現像時間を短くしても、良好なパターンおよびマイクロレンズを形成でき、タクトタイム短縮の面で有利である。
【0114】
マイクロレンズの形成に用いられる従来の感放射線性樹脂組成物では、現像時間が最適条件から20〜25秒程度超過すると、形成されたパターンに剥がれが生じるため、現像時間を厳密に制御する必要があったが、本発明における感放射線性樹脂組成物の場合、最適現像時間からの超過時間が30秒以上となっても、良好なパターンを形成でき、製品歩留りの面で有利である。
【0115】
−(iv)工程−
この工程においては、現像後の塗膜を、例えば、ホットプレート、オーブン等の加熱装置によりベークすることにより、該パターンをメルト、硬化させてレンズ形状を得る。
ベーク条件は、感放射線性樹脂組成物を構成する各成分の種類や使用割合、所望するパターン形状、加熱装置等によっても異なりが、ホットプレートの場合は、例えば、150〜240℃で10〜30分間程度であり、オーブンの場合は、150〜240℃で30〜90分間程度である。また、ベークに際しては、2回以上加熱処理するステップベーク法等を採用することもできる。また、現像して得られたパターンをべーク前もしくはベーク後に露光するポスト露光法を採用することもできる。
以上のように、本発明で用いられる感放射線性樹脂組成物は、解像度が高く、保存安定性、塗布性等に優れ、優れた特性バランスを有する高精細なマイクロレンズおよびマイクロレンズアレイを形成することができる。
【0116】
また、本発明のマイクロレンズは、膜厚、解像度、パターン形状、透明性、耐熱性、耐熱変色性、耐溶剤性等の特性バランスに優れており、特に、各種のOA機器、液晶テレビ、携帯電話、プロジェクター等の液晶表示素子に極めて好適に使用することができる。
また、本発明のドライフィルム製造方法およびマイクロレンズ製造方法によると、優れた特性を有する高精細なマイクロレンズおよびマイクロレンズアレイを感放射線性ドライフィルムを用いる簡便なプロセスで形成することができる。
【実施例】
【0117】
以下に実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0118】
ドライフィルムレジストの実用性評価
各例のフィルムを用いてマイクロレンズ形成用感放射線性ドライフィルムレジストを製造した。即ち、各ベースフィルムに感放射線性樹脂組成物層を塗布した。次いで、得られたドライフィルムレジストを用いてマイクロレンズの製造を行った。即ち、まずガラス基板上にドライフィルムレジストの感放射線性樹脂組成物層側を熱圧着した。続いて、当該ガラス板のフィルム側をパターニングマスクで覆い、紫外線の露光を行い、ベースフィルムを剥離した。そして、現像、洗浄等の一連の現像操作を行ってパターンを形成した。得られたパターンをオーブンにて加熱処理し、パターンをメルトさせることでマイクロレンズを作製した。現像後パターンの解像度、加熱処理後のレンズ形状、マルテンス硬さ、現像速度について評価した。
【0119】
合成例1
フラスコを窒素置換したのち、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2g、溶剤として3−メトキシプロピオン酸メチル200gを仕込み、ラジカル重合開始剤が溶解するまで撹拌した。その後、メタクリル酸15g、2−モノ(ヘキサヒドロフタロイルオキシ)エチルメタクリレート13g、スチレン12g、トリシクロデカニルメタクリレート30g、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン30gを仕込んでゆるやかに撹拌を始めた。その後、反応溶液の温度を90℃に上昇させ、この温度で4時間重合を行ない、メタクリル酸/2−モノ(ヘキサヒドロフタロイルオキシ)エチルメタクリレート/スチレン/トリシクロデカニルメタクリレート/3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタンの共重合体(共重合重量比=15/13/12/30/30、Mw=20,000、Mn=8,500)を得た。この共重合体を、共重合体(A1−ア)とする。
下記表1に示す(A1)共重合体、(A2)共重合体、(E)共重合体は、合成例1と同様の手法によって合成した。
【0120】
【表1】

【0121】
実施例1〜6および比較例1〜6
ドライフィルムの作製および転写、露光は以下のごとく行った。
ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルムであるダイアホイルR340G16(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)上に、アプリケーターを用いて表1に記載の組成からなる各感放射線性樹脂組成物を均一に塗布し、塗膜を100℃で5分間加熱し、厚さ20μmの感放射線性ドライフィルムを作製した。次に、感放射線性樹脂層の表面をガラス基板の表面に当接し、熱圧着法で感放射線性ドライフィルムをガラス基板に転写した。
次いで、得られた基板に所定パターンのマスクを介して、波長365nmにおける強度が200W/mの紫外線を5秒間露光した。その後、基板上の感放射線性ドライフィルムからベースフィルムを剥離除去し、0.5重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、25℃で2分間現像したのち、純水で1分間洗浄して、パターンを形成し、膜厚18.7μmのパターン状薄膜を得た。得られたパターン上薄膜の表面粗度を下記の要領で評価を行った。その後、塗膜を150℃のオーブン中で60分間ベークしてメルトおよび硬化させることにより、マイクロレンズを形成した。得られたマイクロレンズ形状について、下記の要領で評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0122】
【表2】

【0123】
−解像度の評価−
現像後のパターン状薄膜について、ライン/スペース=10μm/10μmのパターンが解像できている場合を○、ライン/スペース=20μm/20μmのパターンを解像できている場合を△、両者のパターンが解像できていない場合を×として、評価した。
【0124】
−レンズ形状の評価−
ポストベーク後のマイクロレンズを形成した薄膜について、ライン/スペース=50μm/50μmあるいは30μm/30μmのパターンを透過型電子顕微鏡で観察し、図2のいずれの形状に該当するかを評価した。(a)のような半球形状でレンズ形状が良好な場合を○とし、(b)のようにメルト不足によりレンズ形状とならず逆皿形状である場合を△とし、(c)のように全くメルトせず角張っている形状の場合を×とした。
【0125】
−硬度の評価−
ポストベーク後のパターンの硬度を微小圧縮試験機(Fisherscope H100C、Fisher instruments)を用いて評価した。直径50μmの平面圧子により、50mNの荷重を加えたときのマルテンス硬さを測定した(測定温度:23℃)。この値が250N/mm以上のとき硬度をAとし、それ未満のときをBとした。
【0126】
−現像速度の評価−
未露光の感放射線性樹脂組成物層について、シャワー現像装置を用いて30℃、水酸化カリウム0.3%現像液を用い、30秒間現像した際の現像速度を評価した。現像前の膜厚と現像後の膜厚を測定し、その差を現像時間30秒で割り、現像速度を求めた。現像速度が0.4μm/秒以上のとき現像時間を○とし、それ未満のときを×とした。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明のドライフィルムの断面を示す説明図。
【図2】レンズの断面形状を示す模式図。
【符号の説明】
【0128】
1.ドライフィルム
2.ベースフィルム
3.感放射線性樹脂組成物層
4.カバーフィルム
(a)良好なレンズ形状
(b)メルト不十分な場合
(c)全くメルトしない場合

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフィルム、ベースフィルム上に積層された感放射線性樹脂組成物の層および該積層上に積層されたカバーフィルムからなり、そして上記感放射線性樹脂組成物が(A1)オキセタン基含有アルカリ可溶性共重合体を含有することを特徴とする感放射線性ドライフィルム。
【請求項2】
上記オキセタン基含有アルカリ可溶性共重合体(A1)が(a)酸性官能基を有する重合性不飽和化合物、(b)オキセタン基含有重合性不飽和化合物および(c)上記不飽和化合物(a)、(b)と異なる他の重合性不飽和化合物の共重合体である請求項1に記載のドライフィルム。
【請求項3】
上記感放射線性樹脂組成物が(A2)オキセタン基非含有アルカリ可溶性共重合体をさらに含有する請求項1に記載のドライフィルム。
【請求項4】
上記オキセタン基非含有アルカリ可溶性共重合体(A2)が酸性官能基を有する重合性不飽和化合物、N−置換マレイミドおよびそれと異なる他の重合性不飽和化合物との共重合体である請求項3に記載のドライフィルム。
【請求項5】
感放射線性樹脂組成物が感熱酸発生剤をさらに含有する請求項1に記載のドライフィルム。
【請求項6】
感熱酸発生剤がイミドスルホン系化合物である請求項5に記載のドライフィルム。
【請求項7】
感放射線性樹脂組成物がオキセタン基高含有共重合体をさらに含有する請求項1に記載のドライフィルム。
【請求項8】
感放射線性樹脂組成物が溶解促進剤をさらに含有する請求項1に記載のドライフィルム。
【請求項9】
感放射線性樹脂組成物が界面活性剤をさらに含有する請求項1に記載のドライフィルム。
【請求項10】
感放射線性樹脂組成物がシランカップリング剤をさらに含有する請求項1に記載のドライフィルム。
【請求項11】
(A1)オキセタン基含有アルカリ可溶性共重合体を含有することを特徴とする感放射線性ドライフィルム用感放射線性樹脂組成物。
【請求項12】
上記オキセタン基含有アルカリ可溶性共重合体(A1)が(a)酸性官能基を有する重合性不飽和化合物、(b)オキセタン基含有重合性不飽和化合物および(c)上記不飽和化合物(a)、(b)と異なる他の重合性不飽和化合物の共重合体である請求項11に記載の感放射線性樹脂組成物。
【請求項13】
(A2)オキセタン基非含有アルカリ可溶性共重合体をさらに含有する請求項11に記載の感放射線性樹脂組成物。
【請求項14】
上記オキセタン基非含有アルカリ可溶性共重合体(A2)が酸性官能基を有する重合性不飽和化合物、N−置換マレイミドおよびそれと異なる他の重合性不飽和化合物との共重合体である請求項13に記載のドライフィルム。
【請求項15】
感熱酸発生剤をさらに含有する請求項11に記載の感放射線性樹脂組成物。
【請求項16】
感熱酸発生剤がイミドスルホン系化合物である請求項15に記載のドライフィルム。
【請求項17】
オキセタン基高含有共重合体をさらに含有する請求項11に記載の感放射線性樹脂組成物。
【請求項18】
溶解促進剤をさらに含有する請求項11に記載の感放射線性樹脂組成物。
【請求項19】
界面活性剤をさらに含有する請求項11に記載の感放射線性樹脂組成物。
【請求項20】
シランカップリング剤をさらに含有する請求項11に記載の感放射線性樹脂組成物。
【請求項21】
可とう性のベースフィルム上に、オキセタン基含有アルカリ可溶性共重合体を含有する感放射線性樹脂組成物を塗布・乾燥して感放射線性樹脂層を形成し、次いで塗膜層をカバーフィルムでカバーすることを特徴とする感放射線性ドライフィルムの製造方法。
【請求項22】
マイクロレンズ形成用である請求項1に記載のドライフィルム。
【請求項23】
請求項22に記載のマイクロレンズ形成用ドライフィルムを用いて形成されたマイクロレンズ。
【請求項24】
少なくとも下記(イ)〜(ニ)の工程を含むことを特徴とするマイクロレンズの形成方法。
(イ)請求項22に記載のドライフィルムをガラス基板へ転写して塗膜する工程。
(ロ)該塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程。
(ハ)照射後の塗膜を現像する工程。
(ニ)現像後の塗膜を加熱する工程。
【請求項25】
請求項23に記載のマイクロレンズを具備する液晶表示素子。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−216563(P2008−216563A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−52859(P2007−52859)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】