説明

成膜方法、成膜装置および基板処理方法

【課題】歩留りの高い成膜方法、成膜装置および基板処理方法を提供すること。
【解決手段】本発明の成膜方法は、被塗布基材7に液状の膜形成材料を塗布して膜8を形成する方法である。この成膜方法は、被塗布基材7に膜形成材料を塗布する塗布工程と、膜形成材料を加熱して乾燥させることにより膜8を得る熱処理工程と、膜8のストレスを検出し、該検出されたストレスに基づいて、膜8の少なくとも一部に対して再加熱を行ない、これにより、ストレスが均一になるように該ストレスを調整する調整工程とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜方法、成膜装置および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に膜を形成する方法が知られている。この方法は、膜を基板に形成した後、当該基板に傷やクラックが生じているか否かを検査する検査工程を有している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような方法では、検査工程が完了するまで、膜が形成された基板、すなわち、製品が良品か否かが分からないため、製品を製造する歩留りが劣っていた。
また、1種類の製品を大量に製造(生産)したとき、検査工程では、無作為に製品を抜き出し、当該製品に対して検査を行なっているが、多品種少量生産としたときには、生産された各製品に対して検査を行なう必要があり、検査工程における工数(時間)が増加するという問題があった。
【0003】
【特許文献1】特開2000−150604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、歩留りの高い成膜方法、成膜装置および基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の成膜方法は、基板に液状の膜形成材料を塗布して膜を形成する成膜方法であって、
前記基板に前記膜形成材料を塗布する塗布工程と、
前記膜形成材料を加熱して乾燥させることにより前記膜を得る熱処理工程と、
前記膜のストレスを検出し、該検出されたストレスに基づいて、前記膜の少なくとも一部に対して再加熱を行ない、これにより、前記ストレスが均一になるように該ストレスを調整する調整工程とを有することを特徴とする。
これにより、歩留りの高い成膜方法を提供することができる。
【0006】
本発明の成膜方法では、前記調整工程において、前記膜のストレスが大きい部分に対して再加熱を行なうことが好ましい。
これにより、ストレスが均一な膜を得ることができる。
本発明の成膜方法では、前記調整工程において、前記膜のストレスが小さい部分に対して再加熱を行なうことが好ましい。
これにより、ストレスが均一な膜を得ることができる。
【0007】
本発明の成膜方法では、前記調整工程の後、前記膜に少なくとも1つの層を積層する積層工程を有することが好ましい。
これにより、積層構造の膜を得ることができる。
本発明の成膜方法では、前記調整工程で得た前記ストレスに基づいて積層することが好ましい。
これにより、表面の状態が均一な膜を得ることができる。
【0008】
本発明の成膜方法では、前記調整工程の後、前記膜の表面の状態を検査する検査工程を有することが好ましい。
これにより、膜の表面の状態を確認することができる。
本発明の成膜方法では、前記調整工程で得た前記ストレスを用いて検査することが好ましい。
これにより、検査工程における工数(時間)を削減することができる。
【0009】
本発明の成膜装置は、基板に液状の膜形成材料を塗布して膜を形成する成膜装置であって、
前記基板に前記膜形成材料を塗布する塗布手段と、
前記基板における前記膜形成材料を加熱する加熱手段と、
前記膜形成材料を加熱して乾燥させることにより得られた前記膜のストレスを検出する検出手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段とを有し、
前記検出手段の作動により、前記膜のストレスを検出し、該検出されたストレスに基づいて、前記制御手段は、前記膜の少なくとも一部に対して再加熱を行なうよう前記加熱手段を制御し、これにより、前記膜のストレスが均一になるように該ストレスを調整することを特徴とする。
これにより、歩留りの高い成膜装置を提供することができる。
【0010】
本発明の基板処理方法は、基板を加熱する熱処理工程と、
前記基板のストレスを検出し、該検出されたストレスに基づいて、前記基板の少なくとも一部に対して再加熱を行ない、これにより、前記ストレスが均一になるように該ストレスを調整する調整工程とを有することを特徴とする。
これにより、歩留りの高い基板処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の成膜方法、成膜装置および基板処理方法の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の成膜装置の概略構成図、図2は、図1に示す成膜装置の第1の処理装置の概略構成図、図3は、図1に示す成膜装置の第2の処理装置に設置された基板の膜付近の拡大断面図である。なお、以下の説明では、図1〜図3中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
【0012】
図1に示す成膜装置10は、被塗布基材(基板)7に液状の膜形成材料Rを塗布して膜8を形成する装置である。この成膜装置10は、被塗布基材7に膜形成材料Rを処理(塗布)する第1の処理装置(塗布手段)1と、塗布された膜形成材料Rを処理する第2の処理装置20と、被塗布基材7が載置されるステージ5と、制御装置(制御手段)30とを有している。以下、各部の構成について説明する。
【0013】
図2に示す第1の処理装置1は、塗布ヘッド2と、液状の膜形成材料Rが貯留される液状材料タンク3と、塗布ヘッド2と液状材料タンク3との間を接続する液状材料供給配管4とを有している。
塗布ヘッド2は、高さを制御するモータ等の駆動手段(図示せず)が取り付けられている。この駆動手段は、制御装置30のシーケンスにより制御され、塗布ヘッド2は、図2中上下方向に移動することができる。
また、塗布ヘッド2は、スリット状(毛細管スリット状)の流路21と、流路21を流れる膜形成材料Rの圧力分布を均一にするマニホールド22と、流路21が開口する吐出口23とを有している。図示の構成では、塗布ヘッド2は、吐出口23が鉛直下方に向かって開口するよう構成されている。
【0014】
液状材料タンク3には、高さを制御するモータ等の駆動手段(図示せず)が取り付けられている。この駆動手段は、制御装置30のシーケンス制御され、液状材料タンク3は、図2中上下方向に移動することができる。
このように液状材料タンク3の高さを制御することによって、液状材料タンク3内の膜形成材料Rの液面と、マニホールド22とに高低差を調整することができ、液状材料タンク3を高くすると膜形成材料Rを供給することができ、液状材料タンク3を低くすると膜形成材料Rの供給を停止することができる。このようにして、マニホールド22(塗布ヘッド2)に供給する膜形成材料Rの量を調節することができる。
また、膜形成材料Rとしては、特に限定されないが、例えば、絶縁体材料、導電体材料、半導体材料、EL(エレクトロルミネッセンス)材料を用いることができる。
【0015】
液状材料供給配管4は、液状材料タンク3とマニホールド22(塗布ヘッド2)とを接続するものである。膜形成材料Rは、この液状材料供給配管4を介して液状材料タンク3から塗布ヘッド2に供給される。
液状材料供給配管4の途中には、フィルタ(図示せず)が設けられており、不純物の除去や脱泡等を行うことができる。
液状材料タンク3から液状材料供給配管4を介して塗布ヘッド2に供給された膜形成材料Rは、一旦、マニホールド22に貯留され、毛細管現象により流路21に吸い込まれる。
【0016】
ステージ5は、膜形成材料Rを塗布すべき被塗布基材7を保持する機能を有している。この被塗布基材7の保持は、例えば、真空吸引、粘着材による粘着等によって行うことができる。また、ステージ5は、図示しない移動手段の作動により、水平方向へ移動することができる。これにより、ステージ5は、第1の処理装置1から第2の処理装置20へ移動することができる。
【0017】
図1に示すように、第2の処理装置20は、第1の処理装置1に隣接して設けられている。この第2の処理装置20は、チャンバ201と、加熱手段6と、検出手段9とを有している。
チャンバ201は、開口部202を介して、第1の処理装置1内と連通している。
加熱手段6は、被塗布基材7上の膜形成材料Rを加熱することができる。これにより、膜形成材料Rが乾燥して、膜8が得られる(形成される)。
【0018】
加熱手段6は、行列状(マトリックス状)に配置された複数の赤外線ランプ61で構成されている。各赤外線ランプ61は、チャンバ201の天面(天板)203付近に設置されている。
また、各赤外線ランプ61は、制御装置30の制御(シーケンス制御)により、当該赤外線ランプ61から照射される赤外線(光)の出力(強さ)を変更することができる。
【0019】
検出手段9は、膜8のストレス(反り)を検出(測定)することができる。この検出手段9は、X線残留応力測定装置91で構成されている。
X線残留応力測定装置91は、X線を発信する発信部911と、当該発信されたX線を受信する受信部912とを有し、X線回折によってストレスを測定するよう構成されている。
【0020】
また、検出手段9(X線残留応力測定装置91)は、加熱手段6の上方に設けられている。
このような検出手段9(X線残留応力測定装置91)により、ストレスが大きい部分やストレスが小さい部分を認識することができる。
また、検出されたストレスの情報は、制御装置30の記憶部(メモリ)302に記憶される。
【0021】
制御装置30は、成膜装置10の前述した各部位(各手段)をそれぞれ制御する。この制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)301と、記憶部302とを有している。記憶部302は、CPU301に読み取り可能な記憶媒体(記録媒体)を有しており、この記憶媒体は、磁気的、光学的記録媒体、もしくは半導体メモリ等で構成されている。
【0022】
次に、以上説明したような成膜装置10を用いて、被塗布基材7に膜形成材料Rを塗布して膜8を形成する工程(成膜方法(第1実施形態))について説明する。
[1]塗布工程
まず、被塗布基材7を用意する。
次に、図2に示すように、被塗布基材7をステージ5に設置する。このとき、ステージ5は、第1の処理装置1内に位置している。
【0023】
次に、液状材料タンク3内の膜形成材料Rの液面とマニホールド22の高低差を調整し、液体材料をマニホールド22に供給する。このとき、塗布ヘッド2の吐出口23は、被塗布基材7と離間した状態となっている。
次に、供給された膜形成材料Rを、毛細管スリット状の流路21で吸い込み、吸い込まれた膜形成材料Rは、吐出口23において表面張力により盛り上がる、すなわち、吐出口23から突出する。
【0024】
次に、吐出口23と被塗布基材7とを接近させ、前記盛り上がった膜形成材料Rを被塗布基材7に接触させる。なお、この際、吐出口23と被塗布基材7との距離を、50〜200μm程度とするのが好適である。
次に、吐出口23と被塗布基材7との距離を保持しつつ、前記移動手段により、ステージ5を被塗布基材7とともに、図中矢印の方向に移動させる。
【0025】
ステージ5の移動とともに、被塗布基材7の一方の端部71から、膜形成材料Rが付着していく、すなわち、膜形成材料Rが塗布されていく。
被塗布基材7の他方の端部72まで膜形成材料Rを塗布したら、膜形成材料Rの供給を停止する。
以上により、被塗布基材7の上面全体に、膜形成材料Rが塗布されることとなる。
【0026】
[2]熱処理工程
次に、前記移動手段を作動させて、膜形成材料Rが塗布された被塗布基材7をチャンバ201に設置する(図1参照)。
その後、加熱手段6の作動させて、膜形成材料Rを加熱し、当該膜形成材料Rを乾燥(硬化)させる。これにより、膜8が得られる。
【0027】
[3]調整工程
次に、検出手段9を作動させて、膜8の複数箇所のストレスを検出する。各検出された(得られた)ストレスは、制御装置30の記憶部302に記憶される。
また、制御装置30は、複数のストレスをそれぞれ比較して、ストレスが小さい部分(例えば、小ストレス部81、82)を判断(判別)する。
【0028】
次に、図3(a)に示すように、制御装置30は、小ストレス部81および82に対してそれぞれ再加熱を行なうよう、小ストレス部81の上方に位置する赤外線ランプ61aと、小ストレス部82の上方に位置する赤外線ランプ61bとを作動させる。
これにより、小ストレス部81および82がそれぞれ再加熱されることとなり、当該各部分のストレスが増加するのに伴なって、ストレスが全体に渡って均一になる、すなわち、膜8の表面が平坦になる(図3(b)参照)。
【0029】
[4]検査工程
次に、検出手段9を作動させて、膜8の複数箇所のストレスを再度検出して膜8の表面の状態を検査するが、前記調整工程でストレスが小さい部分が判別(記憶)されているため、検査対象(検出対象)となる箇所は、小ストレス部81および82に相当する部分となる。
これにより、前記調整工程でストレスが検出された複数箇所を全て検査するのが省略され、よって、本検査工程における工数(時間)を削減することができる。
【0030】
以上のような工程を経ることにより、被塗布基材7に確実に成膜を施すことができ、よって、歩留りの高い成膜方法を提供することができる。
なお、前記調整工程では、膜8のストレスが小さい部分に対して再加熱を行なっていたが、膜8の構成材料(膜形成材料R)によっては、膜8のストレスが大きい部分に対して再加熱を行なってもよい。膜8のストレスが大きい部分に対して再加熱を行なった場合でも、ストレスが全体に渡って均一になる、すなわち、膜8の表面が平坦になる。
また、本実施形態の成膜方法では、前記検査工程を省略してもよい。
【0031】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、成膜方法が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
成膜装置10を用いて、成膜方法(第2実施形態)について説明する。
【0032】
[1]塗布工程
本実施形態の塗布工程は、前記第1実施形態の塗布工程とほぼ同様である。
[2]熱処理工程
本実施形態の熱処理工程は、前記第1実施形態の熱処理工程とほぼ同様である。
[3]調整工程
本実施形態の調整工程は、前記第1実施形態の調整工程とほぼ同様である。
【0033】
[4]積層工程
前記移動手段を作動させて、膜8が形成された被塗布基材7を第1の処理装置1内に再度設置する。
その後、前記塗布工程および前記熱処理工程とほぼ同様にして、膜8上に他の膜(層)を形成する、すなわち、積層する。これにより、積層構造の膜を得ることができる。
【0034】
なお、本工程では、前記調整工程で記憶されたストレスに基づいて積層してもよい。すなわち、例えば、他の膜の小ストレス部81および82に対応する部分が、ストレスが大きくなるように、積層(再加熱)してもよい。これにより、他の膜の表面が平坦となるように調整ことができる。
また、積層する膜は、1層であるのに限定されず、2層以上であってもよい。
また、前記積層工程の後、前記第1実施形態で記載したような検査工程を行なってもよい。
【0035】
<第3実施形態>
図4は、図1に示す成膜装置の第2の処理装置に基板が設置された状態を示す図、図5は、図4に示す基板付近の拡大断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、成膜方法に被塗布基材7を処理する工程が加えられていること以外は前記第1実施形態と同様である。
成膜装置10を用いた成膜方法(基板処理方法)について説明する。本実施形態の成膜方法は、例えば被塗布基材7に反りが生じている場合に、有効である。
【0036】
[1]基板熱処理工程(熱処理工程)
まず、被塗布基材7を用意する。
次に、図4に示すように、被塗布基材7をステージ5に設置する。このとき、ステージ5は、第2の処理装置20(チャンバ201)内に位置している。
この状態で、加熱手段6の作動させて、被塗布基材7を加熱する。これにより、例えば、被塗布基材7を膜形成材料Rが付着し易い状態とすることができる。
【0037】
[2]基板調整工程(調整工程)
次に、検出手段9を作動させて、被塗布基材7の複数箇所のストレスを検出する。各検出された(得られた)ストレスは、制御装置30の記憶部302に記憶される。
また、制御装置30は、複数のストレスをそれぞれ比較して、ストレスが小さい部分(例えば、小ストレス部73、74)を判断(判別)する。
【0038】
次に、図5(a)に示すように、制御装置30は、小ストレス部73および74に対してそれぞれ再加熱を行なうよう、小ストレス部73の上方に位置する赤外線ランプ61aと、小ストレス部74の上方に位置する赤外線ランプ61bとを作動させる。
これにより、小ストレス部73および74がそれぞれ再加熱されることとなり、当該各部分のストレスが増加するのに伴なって、ストレスが全体に渡って均一になる、すなわち、被塗布基材7の表面が平坦になる(図5(b)参照)。
以上のような工程を経ることにより、表面が平坦な被塗布基材7を得ることができ、よって、次工程(前記第1実施形態の工程[1]〜[4]とほぼ同様の工程)で、当該被塗布基材7に成膜を好適に施すことができる。
【0039】
以上、本発明の成膜方法、成膜装置および基板処理方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明の成膜装置では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、加熱手段は、複数の赤外線ランプで構成されているのに限定されず、例えば、ヒータ(電熱器)、電子線またはX線を照射する手段で構成されていてもよい。
また、検出手段は、X線残留応力測定装置で構成されているのに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の成膜装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す成膜装置の第1の処理装置の概略構成図である。
【図3】図1に示す成膜装置の第2の処理装置に設置された基板の膜付近の拡大断面図である。
【図4】図1に示す成膜装置の第2の処理装置に基板が設置された状態を示す図である。
【図5】図4に示す基板付近の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0041】
10……成膜装置 1……第1の処理装置 2……塗布ヘッド 21……流路 22……マニホールド 23……吐出口 3……液状材料タンク 4……液状材料供給配管 5……ステージ 6……加熱手段 61、61a、61b……赤外線ランプ 7……被塗布基材(基板) 71、72……端部 73、74……小ストレス部 8……膜 81、82……小ストレス部 9……検出手段 91……X線残留応力測定装置 20……第2の処理装置 201……チャンバ 202……開口部 203……天面(天板) 30……制御装置(制御手段) 301……CPU 302……記憶部(メモリ) R……膜形成材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に液状の膜形成材料を塗布して膜を形成する成膜方法であって、
前記基板に前記膜形成材料を塗布する塗布工程と、
前記膜形成材料を加熱して乾燥させることにより前記膜を得る熱処理工程と、
前記膜のストレスを検出し、該検出されたストレスに基づいて、前記膜の少なくとも一部に対して再加熱を行ない、これにより、前記ストレスが均一になるように該ストレスを調整する調整工程とを有することを特徴とする成膜方法。
【請求項2】
前記調整工程において、前記膜のストレスが大きい部分に対して再加熱を行なう請求項1に記載の成膜方法。
【請求項3】
前記調整工程において、前記膜のストレスが小さい部分に対して再加熱を行なう請求項1に記載の成膜方法。
【請求項4】
前記調整工程の後、前記膜に少なくとも1つの層を積層する積層工程を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の成膜方法。
【請求項5】
前記調整工程で得た前記ストレスに基づいて積層する請求項4に記載の成膜方法。
【請求項6】
前記調整工程の後、前記膜の表面の状態を検査する検査工程を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の成膜方法。
【請求項7】
前記調整工程で得た前記ストレスを用いて検査する請求項6に記載の成膜方法。
【請求項8】
基板に液状の膜形成材料を塗布して膜を形成する成膜装置であって、
前記基板に前記膜形成材料を塗布する塗布手段と、
前記基板における前記膜形成材料を加熱する加熱手段と、
前記膜形成材料を加熱して乾燥させることにより得られた前記膜のストレスを検出する検出手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段とを有し、
前記検出手段の作動により、前記膜のストレスを検出し、該検出されたストレスに基づいて、前記制御手段は、前記膜の少なくとも一部に対して再加熱を行なうよう前記加熱手段を制御し、これにより、前記膜のストレスが均一になるように該ストレスを調整することを特徴とする成膜装置。
【請求項9】
基板を加熱する熱処理工程と、
前記基板のストレスを検出し、該検出されたストレスに基づいて、前記基板の少なくとも一部に対して再加熱を行ない、これにより、前記ストレスが均一になるように該ストレスを調整する調整工程とを有することを特徴とする基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−294812(P2006−294812A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−112446(P2005−112446)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】