説明

抗マラリア剤としてのスルファモイル−フェニル−ウレイドベンズアミド誘導体

本発明は、原虫によって引き起こされる感染、及び、具体的にはマラリア原虫によって引き起こされる合併症のない又は重篤なマラリアの治療に適切である、式(I)を有する新規なスルファモイル−フェニル−ウレイド化合物、又はその生理学的に許容される塩若しくは誘導体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原虫によって引き起こされる感染症、具体的にはマラリア原虫によって引き起こされる合併症のない又は重篤なマラリアの治療に適した化合物に関する。
【0002】
マラリアは、雌のハマダカラ蚊に噛まれることによって、ヒトからヒトへと感染する生命をおびやかす寄生虫症である(Tuteja R.;Malaria−an overview.FEBS J,274(2007),4670−4679)。この疾患は、90を超える国において公の健康問題であり、2億を超える人々が危険に晒され、その大部分は熱帯アフリカに住んでいる。危険性の高い群には、子供、妊娠女性、流行地に入る移住労働者、観光客、又はビジネス旅行者が挙げられる(Snow R.W.,et al;The global distribution of clinical episodes of Plasmodium falciparum malaria.Nature 434(2005),214−217)。この重病の復活が最近登録された。それは、いくつかの因子、例えば、寄生虫による薬物耐性の増大、殺虫剤に対する蚊の耐性の増大、人口によって引き起こされる人口又は環境変化によって引き起こされる。
【0003】
これまで、サハラ以南のアフリカ及び東南アジアにおけるマラリア復活についての最も重要な因子は、使用には安価であり効果的な薬物、特にクロロキン及びスルファドキシン/ピリメタミンに対する熱帯熱マラリア原虫による耐性の促進である。アモジアキン、メフロキン、及びキニーネに耐性な致命的な熱帯熱マラリア原虫も同様に観察されている(Hyde J.E.;Drug−resistant malaria−an insight.FEBS J,274(2007),4688−4698)。現在、世界のこれらの場所におけるマラリアに対する推奨される新しい治療は、いわゆるACT(アルテミシニン系併用治療)であり、それは、アルテミシニン化合物の迅速な効果と、既知薬物プールから選択される長期の半減期を有する薬物との組み合わせである。例えば、Coartem(登録商標)は、アルテメーテルとルメファントリンとの組み合わせであり、一方、Coarsucam(登録商標)は、アルテスネートとアモジアキンの組み合わせであり、この種の他の薬物は、現在、販売されているか、又は最近、臨床開発段階である(Wells T.N.C.,et al;New medicines to improve control and contribute to the eradication of malaria.Nature Reviews Drug Discovery,8(2009),879−891)。世界保健機構(WHO)は、最近、熱帯熱マラリア原虫が主な感染種である地域の全てのマラリア感染について、「政策標準」としてACTを承認している。ACTの大規模使用、及び登録されたポジティブな結果は、翌年以内に、マラリアの蔓延を制御するという目的を達成する望みを強めている。
【0004】
2007年に、ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、世界的にマラリアを絶滅するための新たな世界的努力を呼びかけている(Mills A.,et al.;Malaria eradication:the economic,financial and institutional challenge.Malaria Journal,7(Suppl 1):S11(2008))。マラリアを絶滅するという構想は、臨床的には、これらのACT療法の有効性に依存している。残念なことに、アルテミシニン耐性は、タイ−カンボジア国境で生じているという最近の不安な証拠がある(Dondrop A.M.,et al.;Artemisinin Resistance in Plasmodium falciparum Malaria.New England Journal of Medicine,361(2009)455−467)。タイ−カンボジア国境領域は、歴史的には、抗マラリア剤耐性の世界的な離散の供給源である。熱帯熱マラリア原虫のクロロキン及びスルファドキシン−ピリメタミンへの耐性は、そこを起源とし、アジア及びアフリカ全域に広がり、数百万の死を引き起こす。
【0005】
明らかに、マラリア駆除及び絶命の目的を達成するために、抗マラリア剤開発は、主に寄生虫の無性血段階を標的として、マラリアを治療するための新しい薬剤の開発を引き続き取り掛からなければならない。好ましくは、これらの新しい薬物は、耐性現象を妨げ、併用療法への開発を開くために、全ての既知であり使用されている薬物から作用の多様性の機序を有するべきである。
【0006】
本発明者らは、抗寄生虫剤特性を有するジアリール−ウレア化合物を開発した(Leban J.,et al.;Sulfonyl−phenyl−ureido benzamidines:a novel structural class of potent antimalarial agents.Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,14(2004),1979−1982.;Aschenbrenner A.,et al;Derivatives of diphenylurea,diphenyloxalic acid diamide and diphenylsulfuric acid diamide and their use as medicaments.PCT Int.Appl.(2002)WO02/070467)。これらの化合物のいくつかは、インビトロで培養した熱帯熱マラリア原虫のクロロキン耐性菌株を殺傷することができた。残念なことに、これらの化合物は、感染した動物モデルの循環血液から寄生虫を完全に浄化する能力を欠いており、これは、乏しい物理化学的及び薬物動態特性に起因していた。予期せずに、本発明者らは、改善された吸収・分布・代謝及び排せつ(ADME)特性を有し、さらに、良好な物理化学的特徴を有する新しいタイプの化合物を見出した。これらは、さらに抗寄生虫活性及び抗マラリア活性も示し、おそらくは新しい作用機序を有する可能性がある。
【0007】
本発明は、式(I):
【0008】
【化1】

【0009】
で表される化合物、並びに生理学的に許容されるその塩及び誘導体に関する。
【0010】
式中、
aは、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−OCOR’、−C(O)R’、CONHR’又は−CO2R’であり;
b及びRcは、独立して、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリール、ヘテロシクリル又は−CO2R’であり、;あるいは
bは、Rcと一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールから選択される、3−、4−、5−、6−又は7−員の飽和した、部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成し、ここで、化学的に適切であれば、2つのR’’は一緒になって、基=Oを形成することができ;この複素環基は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、ピペリジン−4−オン−1−イル、S,S−ジオキソ−チオ−モルホリニル、ピペラジン−3−オン−1−イル、又はアゼパニルからなる群から優先的に選択され;
R’は、独立して、水素、−CO2R’’、−CONHR’’、−CR’’O、−SO2N(R’’)2、−SO2NHR’’、−NR’’−CO−ハロアルキル、−NO2、−NR’’−SO2−ハロアルキル、−NR’’−SO2−アルキル、−SO2−アルキル、−NR’’−CO−アルキル、−CN、アルキル、シクロアルキル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、ハロアリール、ハロアリールアルキル、アリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロアリールを表し;
R’’は、独立して、水素、−(CH2mR’、−CO2R’、−CON(R’)2、−CR’O、−SO2N(R’)2、−NR’−CO−ハロアルキル、−NO2、−NR’−SO2−ハロアルキル、−NR’−SO2−アルキル、−NR’−SO2−アリール、−NR’−SO2−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−NR’−CO−アルキル、−NR’−CO−アリール、−NR’−CO−ヘテロアリール、−NR’−CO−N(R’)2、−CN、アルキル、アミノ、アミド、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシル、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールを表し;ここで、化学的に適切であれば、2つのR’’は、一緒になって、基=Oを形成することができ;ここで、R’基は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
1及びR2は、独立して、水素、(CH2mR’、−CO2R’、−CON(R’)2、−CR’O、−SO2N(R’)2、−NR’−CO−ハロアルキル、NO2、−NR’−SO2−ハロアルキル、NR’−SO2−アルキル、−NR’−SO2−アリール、−NR’−SO2−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−NR’−CO−アルキル、−NR’−CO−アリール、−NR’−CO−ヘテロアリール、−NR’−CO−N(R’)2、−CN、アルキル、アミノ、アミド、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシル、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールを表し、ここで、R’は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり;
ここで、XがCR5である場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールからなる群から選択される、不飽和又は飽和の環式基を形成し、ここで、Xが二重結合の一部である場合、R5は存在せず;
5は、H、OH、ハロゲン、C1−C4−アルキルであり;あるいは
XがNである場合、
3は、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、又は−CO2R’であり;
4は、水素、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、アミノ、アルキル、アリールアルキル、又は場合により上記で定義されている通りのR’’で置換される、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ハロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される、部分的若しくは完全に不飽和又は飽和の環式基であり、あるいは
XがNである場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアリール及びヘテロアリールからなる、3−、4−、5−、6−若しくは7−員の飽和又は部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成する。
【0011】
別の好ましい態様では、本発明は、式(I)で表される化合物、並びに生理学的に許容されるその塩及び誘導体に関する。式中、
aは、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、又は−CO2R’であり;
1及びR2は水素であり;
b及びRcは、独立して、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリール、ヘテロシクリル又は−CO2R’であり;又は
bは、Rcと一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、3−、4−、5−、6−又は7−員の飽和した、部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成し;
R’は、独立して、水素、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、アミノ、アルキル、又はシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される不飽和若しくは飽和の環式基であり;
R’’は、独立して、水素、−(CH2mR’、−CO2R’、−CON(R’)2、−CR’O、−SO2N(R’)2、−NR’−CO−ハロアルキル、−NO2、−NR’−SO2−ハロアルキル、−NR’−SO2−アルキル、−NR’−SO2−アリール、−NR’−SO2−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−NR’−CO−アルキル、−NR’−CO−アリール、−NR’−CO−ヘテロアリール、−NR’−CO−N(R’)2、−CN、アルキル、アミノ、アミド、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシル、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールであり;ここで、化学的に適切であれば、2つのR’’は、一緒になって、基=Oを形成することができ;ここで、R’基は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり;
ここで、XがCR5である場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールからなる群から選択される、不飽和又は飽和の環式基を形成し、ここで、Xが二重結合の一部である場合、R5は存在せず;あるいは
XがNである場合、
3は、独立して、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、又は−CO2R’であり;
4は、独立して、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、アミノ、アルキル、アリールアルキル、又は場合により上記で定義されている通りのR’’で置換される、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ハロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される、部分的若しくは完全に不飽和又は飽和の環式基であり、あるいは
5は、H、OH、ハロゲン、C1−C4−アルキルであり;あるいは
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、3−、4−、5−、6−若しくは7−員の飽和した、又は部分的に若しくは完全に不飽和の複素環を形成する。
【0012】
好ましくは、R3はHであり、R4はアルキルアリールであり、RaはHであり、及びRbはRcと一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する6員の飽和した複素環を形成する。
【0013】
より好ましくは、R3はHであり、R4は、アミノスルホニルで置換されたベンジルであり、RaはHであり、及びRbはRcと一緒になって、n−ブチルで置換されたピペラジニルを形成する。
【0014】
別の好ましい態様では、本発明は、式(I)で表される化合物、並びに生理学的に許容されるその塩及び溶媒和物に関する。式中、
aは、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−OCOR’、−C(O)R’、−CONHR’又は−CO2R’であり;Rb及びRcは、独立して、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリール、ヘテロシクリル又は−CO2R’であり;
R’は、独立して、水素、−CO2R’’、−CONHR’’、−CR’’O、−SO2N(R’’)2、−SO2NHR’’、−NR’’−CO−ハロアルキル、−NO2、−NR’’−SO2−ハロアルキル、−NR’’−SO2−アルキル、−SO2−アルキル、−NR’’−CO−アルキル、−CN、アルキル、シクロアルキル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、ハロアリール、ハロアリールアルキル、アリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロアリールを表し;
R’’は、独立して、水素、−(CH2mR’、−CO2R’、−CON(R’)2、−CR’O、−SO2N(R’)2、−NR’−CO−ハロアルキル、−NO2、−NR’−SO2−ハロアルキル、−NR’−SO2−アルキル、−NR’−SO2−アリール、−NR’−SO2−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−NR’−CO−アルキル、−NR’−CO−アリール、−NR’−CO−ヘテロアリール、−NR’−CO−N(R’)2、−CN、アルキル、アミノ、アミド、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシル、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールであり;ここで、化学的に適切であれば、2つのR’’は、一緒になって、基=Oを形成することができ;ここで、R’基は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
1及びR2は、独立して、水素、(CH2mR’、−CO2R’、−CON(R’)2、CR’O、−SO2N(R’)2、−NR’−CO−ハロアルキル、NO2、−NR’−SO2−ハロアルキル、NR’−SO2−アルキル、−NR’−SO2−アリール、−NR’−SO2−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−NR’−CO−アルキル、−NR’−CO−アリール、−NR’−CO−ヘテロアリール、−NR’−CO−N(R’)2、−CN、アルキル、アミノ、アミド、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシル、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールを表し、ここで、R’基は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり;
ここで、XがCR5である場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールからなる群から選択される、不飽和又は飽和の環式基を形成し、ここで、Xが二重結合の一部である場合、R5は存在せず;
5は、H、OH、ハロゲン、C1−C4−アルキルであり;あるいは
XがNである場合、
3は、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、又は−CO2R’であり;
4は、水素、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、アミノ、アルキル、アリールアルキル、又は場合により上記で定義されている通りのR’’で置換される、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ハロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される、部分的若しくは完全に不飽和又は飽和の環式基であり、あるいは
XがNである場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアリール及びヘテロアリールからなる、3−、4−、5−、6−若しくは7−員の飽和又は部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成する。
【0015】
別の好ましい態様では、本発明は、式(I)で表される化合物、並びに医薬として許容されるその塩及び溶媒和物に関する。
aは、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−OCOR’、−C(O)R’、−CONHR’又は−CO2R’であり;
bは、Rcと一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される、3−、4−、5−、6−又は7−員の飽和した、部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成し、ここで、化学的に適切であれば、2つのR’’は一緒になって、基=Oを形成することができ;この複素環基は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、ピペリジン−4−オン−1−イル、S,S−ジオキソ−チオ−モルホリニル、ピペラジン−3−オン−1−イル、又はアゼパニルからなる群から優先的に選択され;
R’は、独立して、水素、−CO2R’’、−CONHR’’、−CR’’O、−SO2N(R’’)2、−SO2NHR’’、−NR’’−CO−ハロアルキル、−NO2、−NR’’−SO2−ハロアルキル、−NR’’−SO2−アルキル、−SO2−アルキル、−NR’’−CO−アルキル、−CN、アルキル、シクロアルキル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、ハロアリール、ハロアリールアルキル、アリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロアリールを表し;
R’’は、独立して、水素、−(CH2mR’、−CO2R’、−CON(R’)2、−CR’O、−SO2N(R’)2、−NR’−CO−ハロアルキル、−NO2、−NR’−SO2−ハロアルキル、−NR’−SO2−アルキル、−NR’−SO2−アリール、−NR’−SO2−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−NR’−CO−アルキル、−NR’−CO−アリール、−NR’−CO−ヘテロアリール、−NR’−CO−N(R’)2、−CN、アルキル、アミノ、アミド、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシル、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールを表し;ここで、化学的に適切であれば、2つのR’’は、一緒になって、基=Oを形成することができ;ここで、R’基は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
1及びR2は、独立して、水素、(CH2mR’、−CO2R’、−CON(R’)2、CR’O、−SO2N(R’)2、−NR’−CO−ハロアルキル、NO2、−NR’−SO2−ハロアルキル、NR’−SO2−アルキル、−NR’−SO2−アリール、−NR’−SO2−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−NR’−CO−アルキル、−NR’−CO−アリール、−NR’−CO−ヘテロアリール、−NR’−CO−N(R’)2、−CN、アルキル、アミノ、アミド、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシル、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールを表し、ここで、R’は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり;
ここで、XがCR5である場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールからなる群から選択される、不飽和又は飽和の環式基を形成し、ここで、Xが二重結合の一部である場合、R5は存在せず;
5は、H、OH、ハロゲン、C1−C4−アルキルであり;あるいは
XがNである場合、
3は、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、又は−CO2R’であり;
4は、水素、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、アミノ、アルキル、アリールアルキル、又は場合により上記で定義されている通りのR’’で置換される、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ハロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される、部分的若しくは完全に不飽和又は飽和の環式基であり、あるいは
XがNである場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアリール及びヘテロアリールからなる、3−、4−、5−、6−若しくは7−員の飽和又は部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成する。
【0016】
別の好ましい態様では、本発明は、式(I)で表される化合物、並びに医薬として許容されるその塩及び溶媒和物に関する。式中、
aは、水素又はアルキルであり;
b及びRcは、独立して、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、又は−CO2R’であり、;
R’は、独立して、水素、−CO2R’’、−SO2N(R’’)2、−SO2NHR’’、−CN、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールを表し;
R’’は、独立して、水素、−SO2N(R’)2、−NO2、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロゲンを表し;ここで、R’基は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
1及びR2は、独立して、水素、アルキル、アミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、又はハロアルキルを表し、ここで、R’は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
ここで、XがCR5である場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールからなる群から選択される、不飽和又は飽和の環式基を形成し、ここで、Xが二重結合の一部である場合、R5は存在せず;
5は、H、OH、ハロゲン、C1−C4−アルキルであり;あるいは
XがNである場合、
3は、水素又はアルキルであり;
4は、水素、アミノ、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ハロアリールアルキル又はヘテロアリールであり;あるいは
XがNである場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアリール及びヘテロアリールからなる、3−、4−、5−、6−若しくは7−員の飽和又は部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成する。
【0017】
別の好ましい態様では、本発明は、式(I)で表される化合物、並びに医薬として許容されるその塩及び溶媒和物に関する。式中、
aは、水素又はアルキルであり;
bは、Rcと一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールから選択される、3−、4−、5−、6−又は7−員の飽和した、部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成し、ここで、化学的に適切であれば、2つのR’’は一緒になって、=Oを形成することができ;この複素環基は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、ピペリジン−4−オン−1−イル、S,S−ジオキソ−チオ−モルホリニル、ピペラジン−3−オン−1−イル、又はアゼパニルからなる群から優先的に選択され;
R’は、独立して、水素、−CO2R’’、−SO2N(R’’)2、−SO2NHR’’、−CN、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリールを表し;ここで、R’は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
1及びR2は、独立して、水素、アルキル、アミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、又はハロアルキルを表し、ここで、R’は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
ここで、XがCR5である場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールからなる群から選択される、不飽和又は飽和の環式基を形成し、ここで、Xが二重結合の一部である場合、R5は存在せず;
5は、H、OH、ハロゲン、C1−C4−アルキルであり;あるいは
XがNである場合、
3は、水素又はアルキルであり;
4は、水素、アミノ、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ハロアリールアルキル又はヘテロアリールであり、あるいは
XがNである場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアリール及びヘテロアリールからなる、3−、4−、5−、6−若しくは7−員の飽和又は部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成する。
【0018】
好ましくは、R3はHであり、R4はアルキルアリールであり、RaはHであり、及びRbはRcと一緒になって、場合により、0、1、2又は3個の置換基R’’を有する6員の飽和した複素環を形成する。
【0019】
好ましくは、R3はHであり、R4はアルキルアリールであり、RaはHであり、及びRbは、Rcと一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、ピペリジン−4−オン−1−イル、S,S−ジオキソ−チオ−モルホリニル、ピペラジン−3−オン−1−イル、又はアゼパニルを形成する。
【0020】
より好ましくは、R3はHであり、R4はアミノスルホニルで置換されたベンジルであり、RaはHであり、及びRbは、Rcと一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有するピペラジニルを形成する。
【0021】
別の好ましい態様では、本発明は、式(I)で表される化合物、並びに医薬として許容されるその塩及び溶媒和物に関する。R3はHであり、R4はアリールであり、RaはHであり、及びRbは、Rcと一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、6員の飽和した複素環を形成する。
【0022】
好ましくは、R3はHであり、R4はアリールであり、RaはHであり、及びRbは、Rcと一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、ピペリジン−4−オン−1−イル、−S,S−ジオキソ−チオ−モルホリニル、ピペラジン−3−オン−1−イル、又はアゼパニルを形成する。
【0023】
より好ましくは、R3はHであり、R4はアミノスルホニルで置換されたフェニルであり、RaはHであり、及びRbは、Rcと一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有するピペラジニルを形成する。
【0024】
本発明の別の態様は、式(I)で表される化合物及び医薬として許容される担体又は希釈時を含む医薬組成物に関する。
【0025】
本発明の別の態様は、式(I)に係る化合物を投与することを含む、患者における疾患又は状態を治療若しくは予防又は改善するための方法である。
【0026】
好ましい態様では、疾患又は状態はマラリアである。
【0027】
より好ましい態様では、疾患又は状態の態様は、熱帯熱マラリア原虫によって引き起こされるマラリアである。
【0028】
アリール基は、5〜15個の炭素原子をもつ芳香族基を表し、これは、1以上の置換基R’に置換することができ、別の芳香環と融合させることができる。アリール基は、好ましくは、フェニル基、−o−C64−R’、−m−C64−R’、−p−C64−R’、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラセニル又は2−アントラセニルである。
【0029】
ヘテロアリール基は、5員又は6員の複素環式基を表し、O、S、Nのような少なくとも1つのヘテロ原子を含む。ここで、ヘテロ原子Nは、場合によりR’で置換され、及び/又は、ヘテロ原子Sは、場合により=O又は(=O)2と結合する。この複素環式基は別の芳香環と融合することができる。例えば、この基は、以下から選択することができる:チアジアゾール、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,5−オキサジアゾール−3−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−4−イル、ベンゾオキサゾール−5−イル、ベンゾイソオキサゾール−3−イル、ベンゾイソオキサゾール−4−イル、ベンゾイソオキサゾール−5−イル、1,2,5−オキサジアゾール−4−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、ベンゾイソチアゾール−3−イル、ベンゾイソチアゾール−4−イル、ベンゾイソチアゾール−5−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−イル、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、1,2,5−チアジアゾール−4−イル、4−イミダゾリル、ベンゾイミダゾール−4−イル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−フラニル、3−フラニル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピラニル、3−ピラニル、4−ピラニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、ピリド−2−イル、ピリド−3−イル、ピリド−4−イル、ピリド−5−イル、ピリド−6−イル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピラジニル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−5−イル、1H−テトラゾール−2−イル、1H−テトラゾール−3−イル、テトラゾリル、アクリジル、フェナジニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、インドリジン、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル、1−イソインドリル、3−イソインドリル、4−イソインドリル、5−イソインドリル、6−イソインドリル、7−イソインドリル、2−インドリニル、3−インドリニル、4−インドリニル、5−インドリニル、6−インドリニル、7−インドリニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾフラザン、ベンゾチオフラザン、ベンゾトリアゾール−1−イル、ベンゾトリアゾール−4−イル、ベンゾトリアゾール−5−イル、ベンゾトリアゾール−6−イル、ベンゾトリアゾール−7−イル、ベンゾトリアジン、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサゾリニル、シンノリン、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、プリン、フタラジン、プテリジン、チアテトラアザインデン、チアトリアザインデン、イソチアゾロピラジン、6−ピリミジニル、2,4−ジメトキシ−6−ピリミジニル、ベンズイミダゾール−2−イル、1H−ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾール−4−イル、ベンズイミダゾール−5−イル、ベンズイミダゾール−6−イル、ベンズイミダゾール−7−イル、テトラヒドロ−チエノ[3,4−d]イミダゾール−2−オン、ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン、イソチアゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリアジン、トリアゾロピリジン、トリアゾロピラジン、トリアゾロピリミジン、又は4−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル、1−フロ[2,3−c]ピリジン−4−イル、1−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル、1−フロ[2、3−c]ピリジン−3−イル、及びトリアゾロピリダジン基。この複素環式基は、1以上の置換基R’で置換することができる。ここで、R’は上記に定義された通りである。
【0030】
ヘテロシクリル又はヘテロシクロアルキル基は、3〜8員の複素環非芳香族基を示す。これは、O、N、及びSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含む。ここで、ヘテロシクリル基は別の非芳香環と融合することができ、1以上の置換基R’で置換することができる。ここで、R’は上記に定義された通りである;C3−C8−ヘテロシクリル残基は、以下から成る群より選択することができる:−シクロ−C35、−シクロ−C47、−シクロ−C59、−シクロ−C611、−シクロ−C713、−シクロ−C815、モルホリン−4−イル、ピペラジニル、モルホリン−4−イル、1−アルキルピペラジン−4−イル、ピロリジニル、ピロリジノ、ピペリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、ピペラジノ、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロピラニル、チアゾリジニル、ピペリジン−4−オン−1−イル、S,S−ジオキソ−チオ−モルホリニル、ピペラジン−3−オン−1−イル、アゼパニル、及びピラニル。
【0031】
ヘテロアリール基は、O、N、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5−又は6−員の複素環式非芳香族基を指す。ここで、ヘテロシクリル基は、芳香族環に縮合されてもよく、1以上の置換基R’によって置換されてもよい。ここで、R’は、上記で定義される通りである。
【0032】
定義をできるだけ短くするために、以下の段落では、「アルキル」はアルキル、アルケニル及びアルキニルを含むものと理解されるべきである。
【0033】
本発明との関連で、アルキル基は、他に指示がなければ、線状又は分岐のC1−C8−アルキル、好ましくは1〜5個の炭素原子の線状又は分岐鎖を指し;アルケニル基は、他に指示がなければ、線状又は分岐したC2−C8−アルキニルを指し;アルキニル基は、他に指示がなければ、線状又は分岐したC2−C8−アルキニル基を指し、それらは、1以上の置換基R’によって置換されてもよい。
【0034】
1−C8−アルキル、C2−C8−アルキニル及びC2−C8−アルキニル基は、−CH3、−C25、−CH=CH2、−C≡CH、−C37、−CH(CH32、−CH2−CH=CH2、−C(CH3)CH2、−CH=CH−CH3、−C≡C−CH3、−CH2−C=CH、−C49、−CH2−CH(CH32、−CH(CH3)−C25、−C(CH33、−C511、−C613、−C(R’)3、−C2(R’)5、−CH2−C(R’)3、−C3(R’)7、−C24−C(R’)3、−C24−CH=CH2、−CH=CH−C25、−CH=C(CH32、−CH2−CH=CH−CH3、−CH=CH−CH=CH2、−C24−C≡CH、−C≡C−C25、−CH2−C≡C−CH3、−C=C−CH=CH2、−CH=CH−C≡CH、−C≡C−C≡CH、−C24−CH(CH22、−CH(CH3)−C37、−CH2−CH(CH3)−C25、−CH(CH3)−CH(CH32、−C(CH22−C25、−CH2−C(CH33、−C36−CH=CH2、−CH=CH−C37、−C24−CH=CH−CH3、−CH2−CH=CH−C25、−CH2−CH=CH−CH=CH2、−CH=CH−CH=CH−CH3、−CH=CH−CH2−CH=CH2、−C(CH3)=CH−CH=CH2、−CH=C(CH3)−CH=CH2、−CH=CH−C(CH3)=CH2、−CH2−CH=C(CH32、−C(CH3)=C(CH32、−C36−C≡CH、−C≡C−C37、−C24−C=C−CH3、−CH2−C=C−C25、−CH2−C=C−CH=CH2、−CH2−CH=CH−C=CH、−CH2−C=C−C=CH、−C=C−CH=CH−CH3、−CH=CH−C=C−CH3、−C≡C−C≡C−CH3、−C=C−CH2−CH=CH2、−CH=CH−CH2−C=CH、−C=C−CH2−C=CH、−C(CH3)=CH−CH=CH2、−CH=C(CH3)−CH=CH2、−CH=CH−C(CH3)=CH2)−C(CH3)=CH−C≡CH、−CH=C(CH3)−C≡CH、−C≡C−C(CH3)=CH2、−C36−CH(CH32、−C24−CH(CH2)−C25、−CH(CH2)−C49、−CH2−CH(CH2)−C37、−CH(CH2)−CH2−CH(CH22、−CH(CH2)−CH(CH2)−C25、−CH2−CH(CH3)−CH(CH32、−CH2−C(CH22−C25、−C(CH22−C37、−C(CH22−CH(CH22、−C24−C(CH33、−CH(CH3)−C(CH33、−C48−CH=CH2、−CH=CH−C49、−C36−CH=CH−CH3、−CH2−CH=CH−C37、−C24−CH=CH−C25、−CH2−C(CH3)=C(CH32、−C24−CH=C(CH32、−C48−C=CH、−C=C−C49、−C36−C=C−CH3、−CH2−C=C−C37、及び−C24−C=C−C25からなる群から選択されてもよい。
【0035】
アリ−ルアルキル基は、本明細書中で定義される少なくとも1つのアリ−ル基で置換された線状又は分岐のC1−C8−アルキルを指す。典型的なアリ−ルアルキル基には、ベンジル、フェニルエチル、1−(1−フェニルエチル)、4−ヒドロキシベンジル、3−フルオロベンジル、2−フルオロフェニルエチルなどが含まれる。このアリ−ルアルキル基は、1以上の置換基R’によって置換されてもよく、R’は上記で定義される通りである。
【0036】
シクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子、好ましくは4〜8個の炭素原子を含む非芳香族環系を指す。ここで、この環に含まれる1以上の炭素原子は、基Eによって置換されてもよく、Eは、O、S、SO、SO2、N、又はNR’’であり、R’’は上記で定義される通りである;C3−C8−シクロアルキル基は、−シクロ−C35、−シクロ−C47、−シクロ−C59、−シクロ−C611、−シクロ−C713、−シクロ−C815、モルホリン−4−イル、ピペラジニル、及びl−アルキルピペラジン−4−イルからなる群から選択されてもよい。このシクロアルキル基は、1以上の置換基R’によって置換されてもよく、R’は上記で定義される通りである。
【0037】
アルコキシ基は、O−アルキル基を指し、アルキル基は、上記で定義される通りであり;アルコキシ基は、好ましくはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ又はペントキシ基である。
【0038】
アルキルチオ基は、S−アルキル基を指し、アルキルは、上記で定義される通りである。
【0039】
ハロアルキル基は、1以上のハロゲン原子によって置換された、好ましくは1〜5個のハロゲン原子によって置換された、上記で定義されるアルキル基を指し、ハロアルキル基は、好ましくは、−C(R103、−CR10(R10’)2、−CR10(R10’)R10’’、−C2(R105、−CH2−C(R103、−C(R10’)2−CH(R10’)2、−CH2−CR10(R10’)2、−CH2−CR10(R10’)R10’’、−C3(R107、又は−C24−C(R103であり、ここで、R10、R10’、R10’’は、F、Cl、Br又はI、好ましくはFを表す。
【0040】
ハロアリール基は、1以上のハロゲン原子によって置換された、好ましくは1〜5個のハロゲン原子によって置換された、上記で定義されるアリ−ル基を指す。
【0041】
ハロアリールアルキル基は、上記で定義される通りである少なくとも1つのハロアリ−ルで置換された線状又は分岐したC1−C8−アルキルを指す。
【0042】
シアノアルキル基は、NC−アルキル基を指し、アルキル基は、上記で定義される通りである。
【0043】
ヒドロキシアルキル基は、HO−アルキル基を指し、アルキル基は、上記で定義される通りである。
【0044】
ハロアルコキシ基は、1以上のハロゲン原子によって置換された、好ましくは1〜5個のハロゲン原子によって置換された、上記で定義されるアルコキシ基を指す。ハロアルコキシ基は、好ましくは、−OC(R103、−OCR10(R10’)2、−OCR10(R10’)R10’’、−OC2(R105、−OCH2−C(R103、−OCH2−CR10(R10’)2、−OCH2−CR10(R10’)R10’’、−OC3(R107又は−OC24−C(R103であり、ここで、R10、R10’、R10’’は、F、Cl、Br又はIを表し、好ましくはFである。
【0045】
ヒドロキシアルキルアミノ基は、(HO−アルキル)2−N−基又はHO−アルキル−NH−基を示し、アルキル基は上記で定義される通りである。
【0046】
アルキルアミノ基は、NH−アルキル又はN−ジアルキル基を指し、アルキル基は、上記で定義される通りであり;アミノアルキル基は、アルキル−NH2基を指し、アルキル基は、上記で定義される通りである。
【0047】
アルキルアミノアルキル基は、アルキル−NH−アルキル又はアルキル−N−ジアルキル基を指し、アルキル基は、上記で定義される通りである。
【0048】
ハロ又はハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を指し、好ましくは塩素又はフッ素である。
【0049】
例えば、R’とR’’単位の繰り返しからなる無限鎖を有する化合物などは本発明に包含されない。このようにして、本発明に係る化合物の各側鎖Ra、Rb、Rc、R1、R2、R3、及びR4において許容される最長の鎖は、3つの連結した置換基R’及び/又はR’’、例えば、R’’で置換され、さらにR’で置換されたR’などである。これは、上記で概要したより多くの繰り返しR’及び/又はR’’単位を含むオリゴマ−又はポリマ−側鎖が本はつめいの範囲内にないことを理解されるべきである。
【0050】
本明細書に記載されるように場合により置換される構成は、他に指示がなければ、任意の化学的に可能な位置で置換され得る。
【0051】
他に指示がなければ、本明細書で言及した不飽和原子価を有する複素環の任意のヘテロ原子は、その原子価を満たすように水素原子を有すると仮定される。
【0052】
任意の構成において任意の可変が1回を超えて生じる場合、各定義は独立している。
【0053】
当業者は、本発明の記載において言及された可変特性のある種の組み合わせが化学的には低い安定性の化合物に導かれることを、当業者の専門知識のために認識している。これは、例えば、ある種の化合物に適用可能であり、この場合、化学的に安定性について不利益であるという意味では、2つのヘテロ原子(S、N又はO)が直接に出会うか又は1つの炭素原子によってのみ分離される。本発明に係るそれらの化合物は、上記した可変置換基の組み合わせが化学的に低い安定性の化合物に導かれず、したがって、好ましい。
【0054】
また、本発明は、遊離形態で、又は医薬として許容される塩及び生理学的に機能的な誘導体の形態で、式(I)で表される化合物と、医薬として許容される希釈剤又は担体を含む医薬組成物を提供する。
【0055】
別の局面では、本発明はまた、有効量の式(I)で表される化合物、及びその生理学的に許容される塩又はその生理学的に機能的な誘導体を投与することを含む、原虫によるヒトへの抗原に起因して生じる疾患の治療又は予防のための方法を提供する。
【0056】
また、本発明は、寄生虫の減少が有益とされる疾患の予防及び治療のための薬剤を製造するための、式(I)で表される化合物、それらの薬理学的に許容される塩又は生理学的に機能的な誘導体の使用に関する。
【0057】
本発明に係る式(I)で表される化合物のための適切な塩は、置換に依存して、全ての酸付加塩又は全ての塩基を有する塩である。特定の言及は、調剤学において通例使用される、薬理学的に許容される無機酸及び有機酸で作られてもよい。一方、適切なものは、水不溶性、具体的には、例えば、以下の酸を有する水溶性酸付加塩であり、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、D−グルコン酸、安息香酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、酪酸、スルホサリチル酸、マレイン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、エンボン酸、ステアリン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又は3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸が挙げられる。酸は、一塩基酸又は多塩基酸が関わるかどうかに依存して、どの塩が所望であるかに依存して、等モルの量比又はそれとは異なるもので、塩調製において使用される。
【0058】
一方、塩基を有する塩はまた、置換基に依存して適切である。塩基を有する塩の例として、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、チタニウム、アンモニウム、メグルミン又はグアニジウム塩に言及され、ここでは、塩基は、等モルの量比又はそれとは異なるもので、塩の調製に使用される。
【0059】
薬理学的に許容される塩は、例えば、産業的規模で、本発明に係る式(I)で表される化合物の製造中のプロセス生産物として得ることができ、当業者に知られているプロセスによって、薬理学的に許容される塩に変換される。
【0060】
専門家の知識によれば、本発明に係る式(I)で表される化合物及びそれらの塩は、例えば、結晶形態で単離される場合、様々な量の溶媒を含んでもよい。したがって、本発明の範囲には、全ての溶媒和物、具体的には、本発明に係る式(I)で表される化合物の全ての水和物、具体的には、本発明に係る式(I)で表される化合物の塩の全ての水和物が含まれる。例えば、式(I)のモノ−、ジ−、トリ−、及びテトラ−水和物が含まれる。
【0061】
式(I)で表される化合物、及びそれらの薬理学的に許容される塩は、動物、好ましくは哺乳動物、具体的にはヒトに、治療薬それ自体として、別のものとの混合物として、あるいは望ましい又は非経口的使用を可能にし、活性な構成成分として、有効投薬量の式(I)で表される少なくとも1つの化合物又はその塩を含む医薬調製物の形態で、通例の医薬として無害な賦形剤及び付加物に加えて、投与され得る。また、式(I)で表される化合物は、それらの塩の形態で投与されてもよく、それらは、それぞれの化合物と生理学的に許容される酸及び塩基との反応によって得られる。
【0062】
治療薬は、例えば、ピル、受容剤、被覆錠剤、糖衣錠剤、硬質及び軟質ゼラチンカプセル、溶液、シロップ、エマルジョン若しくは懸濁液、又はエアロゾル混合物の形態で、経口投与されてもよい。しかしながら、投与はまた、例えば、座剤の形態で直腸に、あるいは、例えば、注射又は注入の形態で非経口的に、あるいは、例えば、軟膏、クリーム又はチンキの形態で経皮的に実施され得る。
【0063】
式(I)で表される活性な化合物に加えて、医薬組成物は、さらに通例、通常は不活性な担体材料又は賦形剤を含むことができる。このようにして、医薬調製物はまた、付加物、例えば、充填剤、増量剤、崩壊剤、結合剤、流動促進剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、防腐剤、甘味剤、着色剤、風味剤又は芳香剤、緩衝液成分、及びさらに溶媒又は可溶化剤、又は貯蔵効果を達成するための薬剤、並びに浸透圧を変えるために塩、被覆剤又は抗酸化剤を含むことができる。また、それらは、式(I)で表される2以上の化合物、又はそれらの薬理学的に許容される塩、さらに他の治療的に活性な物質を含んでもよい。
【0064】
このようにして、本発明の化合物は、単独で1つの物質の形態で、又は他の活性な化合物を組み合わせて、例えば、前述の疾患の治療としてすでに知られている薬剤を組み合わせて使用可能であり、有益な付加物の後者の場合には、増幅効果が示されている。
【0065】
医薬調製物を製造するために、医薬として不活性な無機又は有機賦形剤を使用してもよい。ピル、錠剤、被覆錠剤及び硬質ゼラチンカプセルを製造するために、例えば、ラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを使用することができる。軟ゼラチンカプセル及び座剤用の賦形剤は、例えば、脂肪、ワックス、半固形及び液体ポリオール、天然又は硬化油などである。溶液及びシロップを製造するための適切な賦形剤は、例えば、水、スクロース、転化糖、グルコース、ポリオールなどである。注射液を製造するための適切な賦形剤は、例えば、水、アルコール、グリセロール、ポリオール又は植物油である。
【0066】
また、生理学的に機能的な誘導体には、本発明の化合物のプロドラッグが含まれる。このようなプロドラッグは、本発明の化合物にインビボで代謝され得る。これらのプロドラッグは、それ自体で活性であってもよいし、又は活性でなくてもよい。
【0067】
本発明の化合物のプロドラッグには、限定されないが、対応する活性なアルコールにインビボで変換されるエステル、対応する活性な酸にインビボで変換されるエステル、対応するアミンにインビボで変換されるイミン、対応する活性なカルボニル誘導体(例えば、アルデヒド又はケトン)にインビボで変換されるイミン、活性なアミンにインビボで脱炭酸化される1−カルボキシ−アミン、ホスファターゼによって活性なアルコールに脱リン酸化されるホスホリオキシ化合物、対応するアミジンに変換されるアミドキシム、及び対応する活性なアミン又は酸にそれぞれ代謝されるアミドが挙げられる。
【0068】
プロドラッグの定義に関しては、例えば、Han Han H.K.,Amidon G.L.;Targeted Prodrug Design to Optimize Drug Delivery.AAPS PharmSci.,2(1):article 6.(2000),DOI:10.1208/ps020106 and Clement B.;Reduction of N−Hydroxylated Compounds:Amidoximes(N−Hydroxyamidines) as prodrugs of amidines.Drug Metabolism Reviews,34(2002),565−579を参照されたい。さらに、生理学的に機能的な誘導体には、例えば、グルクロニド、硫酸エステル、グリコシド及びリボシドが挙げられる。
【0069】
また、式(I)で表される化合物は、前駆体(プロドラッグ)の形態で、又はインビボで活性な化合物を放出する、適切に修飾された形態で使用され得る。
【0070】
本発明に係る化合物、及びそれを用いて製造された薬剤は、一般に、原虫によるヒト又は動物への攻撃によって引き起こされる疾患の利用に適している。この種の獣医的及びヒトに対して病原性の原虫は、好ましくはApicomplexa及びZoomastigophora網の細胞内で活性な寄生虫であり、具体的には、トリパノソーマ、マラリア原虫(マラリア寄生虫)、リーシュマニア、バベシア、タイレリア、クリプトスポリジイダエ、サルコクリスチダエ、アメーバ、コクシジア及びトリコモナス原虫である。化合物又は対応する薬剤は、特に好ましくは、マラリア原虫によって引き起こされる疾患、具体的には、熱帯熱マラリア原虫によって引き起こされる熱帯熱マラリアの治療、三日熱マラリア原虫や卵形マラリア原虫によって引き起こされる良性三日熱マラリアの治療、及び四日熱マラリア原虫によって引き起こされる四日熱マラリアの治療に適している。最も好ましいのは、コクシジウム症若しくはマラリア病の治療、又はコクシジウム症若しくはマラリア病の治療のための薬剤、又は適切な場合には食事を生産するための本発明に係る化合物の使用である。その治療は、この場合において、予防的に又は治療的に実施され得る。
【0071】
このようにして、本発明は、様々な種類のマラリアの治療、具体的には、熱帯熱マラリアの治療のための利用可能な新規な薬剤を製造する。驚くべきことに、化合物は、クロロキン感受性だけでなく、クロロキン耐性の熱帯熱マラリア原虫菌株に対しても活性であることが証明された。
【0072】
また、本発明の化合物は、Plasmodium属のeukaryotic protistsによって引き起こされる疾患の治療のために有用である。
【0073】
本発明は、薬剤を製造するための本発明に係る組成物の使用に関する。
【0074】
本発明の化合物は、単独で、または他の抗マラリア化合物、例えば、クロロキン、スルファドキシン/ピリメタミン、ダプソーン/ピリメタミン、スルホンアミド、ハロファントリン、アモジアキン、メフロキン、キニーネ、キニジン、ドキシサイクリン、ルメファントリン、プリマキン、プログアニル、アトバクオン、ピロナリジン、クロルプログアニル、アルテミシニン、アルテフレン、アルテムエーテル、アルテスネート、若しくはトリメトプリムとの併用が可能である。
【0075】
本発明に係る典型的な化合物は、以下から選択されるいずれかのものを含むことができる:
1. 4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミド
2. 4−(3−(3−((4−ヒドロキシピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミド
3. 4−(3−(3−(イミノ(ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミド
4. 1−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレア
5. 1−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−((4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレア
6. 1−(3−(イミノ(モルホリノ)メチル)フェニル)−3−(4−(4−ニトロフェニルスルホニル)フェニル)ウレア
7. 1−(3−(イミノ(ピロリジン−1−イル)メチル)フェニル)−3−(4−(4−ニトロフェニルスルホニル)フェニル)ウレア
8. 1−(3−(イミノ(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)−3−(4−(4−ニトロフェニルスルホニル)フェニル)ウレア
9. 1−(3−(イミノ(チアゾリジン−3−イル)メチル)フェニル)−3−(4−(4−ニトロフェニルスルホニル)フェニル)ウレア
10. 1−(3−((4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)−3−(4−(4−ニトロフェニルスルホニル)フェニル)ウレア
11. 1−(4−(4−クロロフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−((4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレア
12. 1−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−((4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレア
13. 3−(3−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)ウレイド)−N,N−ビス(2−メトキシエチル)ベンズイミドアミド
14. 1−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−(イミノ(チオモルホルノ)メチル)フェニル)ウレア
15. 1−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−(イミノ(ピロリジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレア
16. 1−((3−(3−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)ウレイド)フェニル)(イミノ)メチル)ピペリジン−4−カルボキサミド
17. 1−(4−(4−アミノフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−((4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレア
18. 4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−メチルベンゼンスルホンアミド
19. 4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−プロピルベンゼンスルホンアミド
20. 4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼンスルホンアミド
21. 1−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)−3−(4−(モルホリノスルホニル)フェニル)ウレア
22. 4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(7−クロロキノリン−4−イル)ベンゼンスルホンアミド
23. 4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミド
24. メチル 4−(イミノ(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルフェニル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
25. 4−(3−(3−(イミノ(モルホリノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミド
26. 4−(3−(3−(イミノ(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミド
27. 4−(3−(3−(イミノ(4−オキソピペリジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
28. 4−(3−(3−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
29. 4−(3−(3−((4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
30. N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)ベンズイミドアミド
31. 4−(3−(3−(イミノ(チオモルホリノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
32. N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)ベンズイミドアミド
33. 1−(イミノ(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)−フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペリジン−4−カルボキサミド
34. 4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
35. 4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(2,3,6−トリフルオロベンジル)ベンゼンスルホンアミド
36. N−ベンジル−4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミド
37. 4−(3−(3−((4−エチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
38. 4−(3−(3−(イミノ(4−プロピルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
39. 4−(3−(3−((4−アリルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
40. 4−(2−(4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)フェニルスルホニル)ヒドラジニル)ベンゼンスルホンアミド
41. 2−(4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)フェニルスルホニル)イソインドリン−5−スルホンアミド
42. 4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(1−(4−スルファモイルフェニル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
43. 4−(3−(3−(イミノ(モルホリノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
44. 4−(3−(3−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
45. 4−(3−(3−(イミノ(4−(ピリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
46. 4−(3−(3−(イミノ(ピロリジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
47. N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)−N−メチル−3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)ベンズイミドアミド
48. 4−(3−(3−((4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
49. 4−(3−(3−((3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
50. 4−(3−(3−(イミノ(2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
51. tert−ブチル 4−(イミノ(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
52. 4−(3−(3−(イミノ(ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
53. 4−(3−(3−(イミノ(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
54. 4−(3−(3−(イミノ(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
55. 4−(3−(3−(イミノ(4−ペンチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
56. 4−(3−(3−((4−ヘプチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
57. 4−(3−(3−((4−アセチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
58. 4−(3−(3−(イミノ(4−プロピオニルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
59. 4−(3−(3−(イミノ(4−ペンタノイルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
60. メチル 4−(イミノ(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
61. エチル 4−(イミノ(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
62. プロピル 4−(イミノ(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
63. 4−(3−(3−((4−ブチル−3−オキソピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
64. N,N−ジメチル−3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)ベンズイミドアミド
65. 4−(3−(3−((4−(2−シアノエチル)ピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
66. 4−(3−(3−((4−(シクロプロピルメチル)ピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
67. 4−(3−(3−((4−((1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
68. 4−(3−(3−(イミノ(4−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
69. 4−(3−(3−(イミノ(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
70. 5−((4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)フェニルスルホンアミド)メチル)チオフェン−2−スルホンアミド
71. 4−(3−(4−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド
72. メチル 4−((アセチルイミノ)(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
73. メチル 4−((オクタノイルイミノ)(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
74. メチル 4−((ヒドロキシイミノ)(4−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート。
【0076】
実験部
省略形の索引
以下の省略形は本明細書で使用されている:
DCM=ジクロロメタン;DMF=N,N’−ジメチルホルムアミド;MeOH=メタノール;EtOH=エタノール;DIEA=ジイソプロピルエチルアミド;TFA=トリフルオロ酢酸;MeCN=アセトニトリル;HPLC=高速液体クロマトグラフィー;rt=室温;eq=モル当量;h=時間;TLC=薄層クロマトグラフィー;DMSO−d6=重水素化メチルスフホキシド;HPLC−MS=高速液体クロマトグラフィー/質量分析計。
【0077】
使用した試薬
以下の試薬は、Fisher Scientific、Germanyから得た:イソプロパノール、DMA、DCM、DMF、DIEA、3−ニトロベンズアミジン、3−アミノベンズアミジン;二塩化スズ(II)・二水和物、ギ酸、アセトニトリル、4−トリフルオロ−メチルアニリン、3−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、2−アミノベンゾニトリル、2−ブロモ−4,6−ジフルオロアニリン、3−トリ−フルオロメチル−4−クロロアニリン、3−トリフルオロメチルアニリン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルアニリン、3,6−ビス−トリフルオロ−メチルアニリン、2,4−ジ−ブロモアニリン、ブチルアミン、ベンジル−アミン、アダマンチルアミン、オキサルアミド及びスルファミド。
【0078】
以下の化合物は、Acros Organics、Belgiumから得た:4−アミノスルホンアミド、3−イソシアネートベンゾニトリル、n−ブチルピペラジン、N−クロロスクシンイミド、4−ヒドロキシピペリジン、ピペラジン、ヒドロキシルアミン、3−ニトロベンズアルデヒド、シリカゲル、4−(4−ブロモフェニルスルホニル)アニリン、4−(4−ニトロフェニルスルホニル)アニリン、4−(4−クロロフェニルスルホニル)アニリン、メチルスルホキシド−d6
【0079】
以下の化合物は、Sigma−Aldrich Chemie GmbH、Germanyから得た:4−(クロロスルホニル)フェニルイソシアネート及び4−ニトロ−スルホニル−4−アニリン、ピロリジン、1−メチルピペラジン、チアゾリジン、ピペリジン−4−イルメタノール、ビス(2−メトキシエチル)アミン、チオモルホリン、ピペリジン−4−カルボキサミド、メチルピペラジン−1−カルボキシレート、モルホリン、4−ピペリドン、2−(ピペラジン−1−イル)エタノール、2−(エチルアミノ)エタノール、1−エチルピペラジン、n−プロピルピペラジン、1−アリルピペラジン、1−(ピリジン−4−イルメチル)ピペラジン、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート、1−イソプロピルピペラジン、n−ペンチルピペラジン、n−ヘプチルピペラジン、1−ブチルピペラジン−2−オン、N,N−ジメチルアミン。
【0080】
以下の化合物は、Maybridge Chemical Comp.Ltd.,United Kingdomから得た:1,1−ジオキソ−1H−ベンゾチオフェン−6−イルアミン、4−ベンゼン−スルホニルフェニルアミン及び3H−ベンズイミダゾール−5−イルアミン。
【0081】
分析的測定
分析用HPLC−MS測定は、Waters 2700 Autosampler, Waters 1525 Multisolvent Delivery System、及びエレクトロスプレイ源を備えたMicromass ZQ単一四極子質量分析計を用いて行われた。カラム:Chromolith Fast Gradient C18(Merck)、50×2mm、ステンレス製2μmプレフィルター。溶出液A、H2O+0.1%HCOOH;溶出液B、MeCN。
【0082】
調製用HPLC−MSは、Waters 2700 Autosampler、調製用ポンプヘッド(500μL)を備えたWaters 600 Multisolvent Delivery System、Waters 600S Controller、及びエレクトロスプレイ源を備えたWaters ZQ単一四極子質量分析計を用いて行われた。カラム:Waters X−Terra RP18、5μm、19×150mm。溶出液A、H2O+0.1%HCOOH;溶出液B、MeCN。異なる直線勾配、個々の試料に適用される。
【0083】
1H−NMRは、305Kの室温でBruker AV300(300.13Mhz)を用いて行われた。ピーク同定のために使用した省略形:s=一重項;d=二重項;t=三重項;q=四重項;m=多重項;J=1H−1Hカップリング定数。
【0084】
調製方法
本明細書に記載されている化合物は、以下の合成方法に記載の方法に従って調製された。
【0085】
手法A−化合物1〜3を合成するための一般的な手法
【0086】
【化2】

【0087】
1当量の4−アミノスルホンアミド(II)をDCM/DMF(3:1溶液)に溶解した。1当量の3−イソシアネートベンゾニトリル(I)を室温で分けて添加し、反応混合物を一晩撹拌した。沈殿した4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミド(III)をろ過した。アルゴン雰囲気下、乾燥させたシアノ化合物(III)をジオキサン/MeOH(5:1)中の4M HClに溶解し、一晩撹拌した。溶媒を除去し、残渣をジエチルエーテルで洗浄し、得られたメチル3−(3−(4−スルファモイルフェニル)ウレイド)ベンズイミデートは、さらに、55〜75℃の範囲の温度でDMF中の対応する第2級アミンと反応させた。生成物(1〜3)は、逆相カラム及び0.1%HCOOH水溶液中のアセトニトリルの勾配を用いた調製用HPLC後に得られた。
【0088】
手法B1−4−(置換された)−スルホニルアニリンの合成を用いた化合物4〜17の合成のための一般的手法
【0089】
【化3】

【0090】
これらの化合物の多段階合成は、すでに文献(例えば、E.D.Amstutz,et al.,J.Am.Chem.Soc,69(8),pp1922−1925,1947)に報告された方法に従い、4−(置換された)−スルホニルアニリンの調製を必要とし、次に、3−イソシアネートベンゾニトリル(I)と反応させ、最終的には所望の生成物に変換されたウレアを形成する。
【0091】
工程1.(4−ブロモフェニル)(4−ニトロフェニル)スルファンの合成
1当量の1−ヨード−ニトロベンゼン(IV)と4−ブロモベンゼンチオール(又は4−置換された−ベンゼンチオール)(V)をEtOHに溶解した。8当量の重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を還流して22時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を水に懸濁させた。沈澱物をろ過し、1M水酸化ナトリウム及び水で洗浄した。最終生成物は、エタノール/水から再結晶後に得られた(収率:60%)。
【0092】
工程2.1−ブロモ−4−(4−ニトロフェニルスルホニル)ベンゼン(VI)の合成
(4−ブロモフェニル)(4−ニトロフェニル)スルファン[又は対応の(4−置換された)(4−ニトロフェニル)スルファン]を、濃縮酢酸に溶解し、過酸化水の30%溶液を(12gのスルファンに対して18ml)をゆっくり添加した。溶液を2時間還流した。沈殿物は、溶液を室温まで冷却し、EtOHの添加することで形成された。沈殿物をろ過し、氷冷したEtOHで洗浄し(収率:91%)、乾燥した(収率:91%)。
【0093】
工程3.4−(4−ブロモフェニルスルホニル)アニリン(VII)の合成
濃縮酢酸(180mlに対し66.1g)中の塩化スズ(II)の懸濁液を、MeOH中のクロリド酸の3M溶液で30秒間処理した。結果として生じた懸濁液は、酢酸に溶解した1−ブロモ−4−(4−ニトロフェニルスルホニル)ベンゼン(IV)化合物(28.6g)[又は、1−置換された−4−(4−ニトロフェニルスルホニル)ベンゼンと対応する]に40秒間、分けて添加し、2時間80℃で攪拌した。2リットルの水を添加し、沈殿物を一晩かけて形成し、ろ過し、10%の水酸化ナトリウム水溶液と水で洗浄した。生成物は、温冷EtOHから結晶化した(収率:69%)。
【0094】
工程4.1−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−シアノフェニル)ウレア(VIII)の合成
4−(4−ブロモフェニルスルホニル)アニリン(VII)[又は対応の(4−置換された)スルホニルアニリン](1当量)をDCM/DMFの3:1溶液に溶解した。DCM中の3−イソシアネートベンゾニトリル(I)(1当量)溶液を滴下した。溶液を一晩室温にて撹拌し、溶媒を除去後、生成物を温冷MeOHから結晶化した(収率:97%)。
【0095】
工程5.1−(4−(4−ブロモフェニル)フェニル)−3−(3−((4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレア(4〜17)の合成
アルゴン雰囲気下、1当量の1−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−シアノフェニル)ウレア(VIII)[又は対応の1−(4−(4−置換された−フェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−シアノフェニル)ウレア]をジオキサン/MeOH(5:1)中の4M HClに溶解した。溶液を一晩室温にて撹拌し、次に、溶媒を真空中で除去した。残渣をジエチルエーテルで洗浄し、真空中で乾燥させ、乾燥MeOH(又はDMF)に溶解させ、1.1〜2当量のピペリジン−4−オール(又は1.1〜2当量の対応する第2級アミン)と、55〜70℃の温度で最小4時間、最大22時間反応させた。シリカゲルカラム及び溶出液としてDCM中のMeOHの適切な勾配を用いたフラッシュクロマトグラフィーより、又は逆相カラム及び0.1%HCOOH水溶液中のアセトニトリルの勾配を用いた調製用HPLCにより生成物を精製した。
【0096】
手法B2−4−(置換された)−スルホニルアニリンが市販されている場合の化合物4〜17を合成するための一般的な手法
4−(置換された)−スルホニルアニリン(VII)が市販源から利用可能である場合、合成は手法B1の工程4及び工程5に記載されたように行われた。
【0097】
手法C−化合物18〜71を合成するための一般的な手法
【0098】
【化4】

【0099】
工程1−シアノウレア化合物(XII)の製造
28mmolの3−アミノベンゾニトリル(IX)を40mlのDCMに溶解した。27mmolの4−イソシアネートベンゼン−1−スルホニルクロリド(X)を20分かけて分けて添加し、混合物を室温にて一晩撹拌した。沈殿したウレア製造物(XI)をろ過し、冷DCMで洗浄し、次の工程に直接使用した(収率93%)。適切なアミン又はアニリン化合物をMeCNに溶解し、DIEAを添加した(1.2〜3当量、アミン又はアニリン化合物に依存する)。溶液を0℃に冷却し、激しく撹拌しながら、1当量のウレイド−スルホニルクロリド化合物(XI)を分けて添加した。反応物を一晩撹拌し、温度を室温に上昇させた。溶媒を蒸発させ、製造物(XII)は、エチルアセテート/ペントールエーテル又はMeOH/ジエチルエーテルを用いた沈殿により得られた。必要に応じて、製造物は、さらに、溶出液としてDCM混合物に含まれるMeOHの勾配を用いてフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。
【0100】
工程2−シアノ化合物の官能化されたベンズアミジンへの変換
アルゴン雰囲気下、1当量のシアノウレイド(XII)化合物を20mlの乾燥MeOHで溶解し、ジオキサン中の4M HClを添加し、溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した;残渣をジエチルエーテルに採取し、蒸発させた。この操作を3回繰り返し、固体又は油状生成物を得た。1当量の乾燥したベンズイミデートをDMFに溶解し、様々な量の選択された第2級アミンを添加した(1.1〜3当量)。溶液を55〜70℃の温度で一晩撹拌した。溶媒を除去し、製造物は、調製用HPLC及び0.1%HCOOH水溶液中のアセトニトリルの勾配によって精製された。
【0101】
手法D−化合物74を合成するための一般的手法
化合物74及び類似体は、文献(例えば、Liu K.−C,et al.;A particularly convenient preparation of benzohydroximinoyl chlorides(nitrile oxide precursors).Journal of Organic Chemistry,45(1980),3916−3918;Johnson J.E.,et al.;Bisamidoximes:Synthesis and Complexation with Iron(III).Australian Journal of Chemistry,60(2007),685−690;Moehrle H.,et al.;Assistance of N,N−disubstituted amidoximes in cyclodehydrogenation reactions.Zeitschrift fuer Naturforschung,B:Chemical Sciences,47(1992),1333−1340)において既知の及び知られている方法に従って、多段階合成において調製することができる。
【0102】
【化5】

【0103】
0.13molの化合物XIIIを乾燥DMFに溶解した。各0.14molの酢酸ナトリウムとヒドロキシルアミン塩化物を添加し、混合物を一晩室温にて撹拌した。溶媒を除去後、オキシムをMeOH/ジエチルエーテルから沈殿した(収率70%)。この化合物を乾燥DMFに溶解し、1.1当量のN−クロロスクシンイミドを30分かけて分けて添加した。混合物を一晩室温にて撹拌し、次に、氷水に注いだ。懸濁液を酢酸エチルで抽出し、有機溶液を水及びブラインで洗浄した。化合物XIVは、有機溶媒の除去後に得られた。化合物XIVをDCMに溶解し、1当量のメチルピペラジン−1−カルボキシレート(又は別の第2級アミン)を2.1当量のDIEAの存在下で添加した。混合物を24時間室温にて撹拌し、溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルに採取した。有機溶液を水及びブラインで洗浄し、蒸発した。得られた油状物は、シリカゲル、及び溶出液としてDCM/MeOH(95:5)の混合物を用いたフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。ニトロ化合物XVはパラジウム触媒を用いた水素化により還元され、対応するアミノ化合物XVIを生成した。化合物XVIは、対応するジアリールウレアに完全に変換するまで、DCM中の1当量の化合物Xと反応させた。溶媒を除去し、残渣を乾燥DMFに溶解した。この溶液に、1当量の対応するアミノ化合物と1当量のDIEAを添加した。溶液を70℃で一晩撹拌し、次に、溶媒を除去し、化合物74を調製用HPLCによる精製後に得た。
【0104】
化合物のリスト
4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミド(1)
表題化合物を以下の手法Aに従って、第2級アミンとして3当量のn−ブチルピペラジンを用いて得た。
収率:15%。
[M+H]+:459.1。
【0105】
【化6】

【0106】
4−(3−(3−((4−ヒドロキシピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミド(2)
表題化合物を以下の手法Aに従って、第2級アミンとして2当量の4−ヒドロキシピペリジンを用いて得た。
収率:2%。
[M+H]+:418.9。
【0107】
4−(3−(3−(イミノ(ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミド(3)
表題化合物を以下の手法Aに従って、第2級アミンとして2当量のピペラジンを用いて得た。
収率:13%。
[M+H]+:403.0。
【0108】
1−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレア(4)
表題化合物を以下の手法B2(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)アニリンを用いる)に従って、第2級アミンとして1.14当量の4−ヒドロキシピペリジンを用いて得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
収率:27%。
[M+H]+:599.1。
【0109】
1−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−((4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレア(5)
表題化合物を以下の手法B1又はB2(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)アニリンを用いる)に従って、第2級アミンとして2当量の4−ヒドロキシピペリジンを用いて得た。生成物を調製用HPLCによって精製した。
収率:9%。
[M+H]+:556.6。
【0110】
【化7】

【0111】
1−(3−(イミノ(モルホリノ)メチル)フェニル)−3−(4−(4−ニトロフェニルスルホニル)フェニル)ウレア(6)
表題化合物を、4−(4−ニトロフェニルスルホニル)アニリンを用いた以下の手法B2に従って、第2級アミンとして0.8当量のモルホリンを用いて得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
収率:2%。
[M+H]+:510.1。
【0112】
1−(3−(イミノ(ピロリジン−1−イル)メチル)フェニル)−3−(4−(4−ニトロフェニルスルホニル)フェニル)ウレア(7)
表題化合物を、4−(4−ニトロフェニルスルホニル)アニリンを用いた以下の手法B2に従って、第2級アミンとして0.8当量のピロリジンを用いて得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
収率:5%。
[M+H]+:494.0。
【0113】
【化8】

【0114】
1−(3−(イミノ(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)−3−(4−(4−ニトロフェニルスルホニル)フェニル)ウレア(8)
表題化合物を、4−(4−ニトロフェニルスルホニル)アニリンを用いた以下の手法B2に従って、第2級アミンとして1.5当量の1−メチルピペラジンを用いて得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
収率:18%。
[M+H]+:523.2。
【0115】
【化9】

【0116】
1−(3−(イミノ(チアゾリジン−3−イル)メチル)フェニル)−3−(4−(4−ニトロフェニルスルホニル)フェニル)ウレア(9)
表題化合物を、4−(4−ニトロフェニルスルホニル)アニリンを用いた以下の手法B2に従って、第2級アミンとして1.5当量のチアゾリジンを用いて得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
収率:1%。
[M+H]+:512.1。
【0117】
1−(3−((4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)−3−(4−(4−ニトロフェニルスルホニル)フェニル)ウレア(10)
表題化合物を、4−(4−ニトロフェニルスルホニル)アニリンを用いた以下の手法B1又はB2に従って、第2級アミンとして1.5当量の4−ヒドロキシピペリジンを用いて得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
収率:10%。
[M+H]+:524.1。
【0118】
【化10】

【0119】
1−(4−(4−クロロフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−((4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレア(11)
表題化合物を、4−(4−ニトロフェニルスルホニル)アニリンを用いた以下の手法B2に従って、第2級アミンとして1.2当量のピペリジン−4−オールを用いて得た。生成物を調製用HPLCによって精製した。
収率:14%。
[M+H]+:513.0。
【0120】
【化11】

【0121】
1−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−((4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレア(12)
表題化合物を、4−(4−ブロモフェニルスルホニル)アニリンを用いた以下の手法B2に従って、第2級アミンとして1.14当量のピペリジン−4−イルメタノールを用いて得た。残渣を酢酸エチルに採取し、5%NaHCO3、水及びブラインで洗浄した。生成物をメタノール/エチルエーテルを用いた結晶化後に得た。
収率:20%。
[M+H]+:570.9。
【0122】
【化12】

【0123】
3−(3−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)ウレイド)−N,N−ビス(2−メトキシエチル)ベンズイミドアミド(13)
表題化合物を、4−(4−ブロモフェニルスルホニル)アニリンを用いた以下の手法B2に従って、第2級アミンとして1.14当量のビス(2−メトキシエチル)アミンを用いて得た。残渣を酢酸エチルに採取し、5%NaHCO3、水及びブラインで洗浄した。生成物をメタノール/エチルエーテルを用いた結晶化後に得た。
収率:30%。
[M+H]+:589.1。
【0124】
1−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−(イミノ(チオモルホルノ)メチル)フェニル)ウレア(14)
表題化合物を、4−(4−ブロモフェニルスルホニル)アニリンを用いた以下の手法B2に従って、第2級アミンとして1.14当量のチオモルホリンを用いて得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
収率:25%。
[M+H]+:559.0。
【0125】
1−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−(イミノ(ピロリジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレア(15)
表題化合物を、4−(4−ブロモフェニルスルホニル)アニリンを用いた以下の手法B2に従って、第2級アミンとして1.14当量のピロリジンを用いて得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
収率:38%。
[M+H]+:527.0。
【0126】
1−((3−(3−(4−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニル)ウレイド)フェニル)(イミノ)メチル)ピペリジン−4−カルボキサミド(16)
表題化合物を、4−(4−ブロモフェニルスルホニル)アニリンを用いた以下の手法B2に従って、第2級アミンとして1.14当量のピペリジン−4−カルボキサミドを用いて得た。反応混合物から直接沈殿させた生成物をろ過し、冷ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させた。
収率:54%。
[M+H]+:584.0。
【0127】
1−(4−(4−アミノフェニルスルホニル)フェニル)−3−(3−((4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレア(17)
濃縮した酢酸中の塩化スズ(II)二水和物(3当量)の懸濁液をメタノール中の3Mのクロリドリック酸溶液で30分間処理した。得られた懸濁液は、酢酸中の1−(3−((4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)−3−(4−(4−ニトロフェニルスルホニル)フェニル)ウレア(10)の溶液に分けて添加された。得られた溶液を2時間85℃で撹拌した。反応混合物を5%NaOH水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。表題化合物は、調製用HPLC後に得られた。
収率:18%。
[M+H]+:494.1。
【0128】
【化13】

【0129】
4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−メチルベンゼンスルホンアミド(18)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−メチルベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2.2当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:1%。
[M+H]+:473.2。
【0130】
4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−プロピルベンゼンスルホンアミド(19)
表題化合物を手法Cに従って3−(3−(4−(N−プロピルスルファモイル)フェニル)ウレイド)ベンズイミドアミドから、第2級アミンとして2当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:13%。
[M+H]+:501.3。
【0131】
【化14】

【0132】
4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼンスルホンアミド(20)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:18%。
[M+H]+:547.2。
【0133】
【化15】

【0134】
1−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)−3−(4−(モルホリノスルホニル)フェニル)ウレア(21)
表題化合物を手法Cに従って1−(3−シアノフェニル)−3−(4−(モルホリノスルホニル)フェニルウレアから、第2級アミンとして2当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:72%。
[M+H]+:529.2。
【0135】
【化16】

【0136】
4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(7−クロロキノリン−4−イル)ベンゼンスルホンアミド(22)
表題化合物を手法Cに従ってN−(7−クロロキノリン−4−イル)−4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:25%。
[M+H]+:620.2。
【0137】
【化17】

【0138】
4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミド(23)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1.2当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:16.5%。
[M+H]+:614.2。
【0139】
【化18】

【0140】
メチル 4−(イミノ(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルフェニル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(24)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1当量のメチルピペラジン−1−カルボキシレート、及び塩基として1当量のDIEAを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:5.3%。
[M+H]+:616.0。
【0141】
4−(3−(3−(イミノ(モルホリノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミド(25)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1当量のモルホリン、及び塩基として0.5当量のDIEAを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:31.6%。
[M+H]+:559.1。
【0142】
【化19】

【0143】
4−(3−(3−(イミノ(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミド(26)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1当量の1−メチルピペラジン、及び塩基として1当量のDIEAを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:33.8%。
[M+H]+:572.1。
【0144】
【化20】

【0145】
4−(3−(3−(イミノ(4−オキソピペリジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(27)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2.2当量の4−ピペリドン、及び塩基としてDIEAを用いて調製した。生成物は、最初に調製用HPLCによって、最終的には、調製用TLC(溶出液:MeOH中の2%の7M NH3溶液を含む石油エーテル/DCM/MeOH(2:3:1))を用いて精製された。
収率:3%。
[M+H]+:585.2。
【0146】
【化21】

【0147】
4−(3−(3−((4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(28)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1.2当量の2−(ピペラジン−1−イル)エタノールを用いて調製した。生成物は、調製用TLC(溶出液:MeOH中の2%の7M NH3溶液を含む石油エーテル/DCM/MeOH(2:3:1))によって精製された。
収率:3%。
[M+H]+:585.2。
【0148】
【化22】

【0149】
4−(3−(3−((4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(29)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2.2当量の4−ピペリジニルメタノールを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:40%。
[M+H]+:601.1。
【0150】
【化23】

【0151】
N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)ベンズイミドアミド(30)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1.1当量の2−(エチルアミノ)エタノールを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:7%。
[M+H]+:575.1。
【0152】
4−(3−(3−(イミノ(チオモルホリノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(31)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1.1当量のチオモルホリンを用いて調製した。生成物は、調製用TLC(溶出液DCM/MeOH(8:2))によって精製された。
収率:28%。
[M+H]+:589.0。
【0153】
【化24】

【0154】
N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)ベンズイミドアミド(32)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1.1当量のビス(2−メトキシエチル)アミンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:11%。
[M+H]+:619.1。
【0155】
【化25】

【0156】
1−(イミノ(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)−フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペリジン−4−カルボキサミド(33)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2.2当量のピペリジン−4−カルボキサミドを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:40%。
[M+H]+:614.1。
【0157】
【化26】

【0158】
4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(34)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルフェニル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1.1当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:21%。
[M+H]+:628.1。
【0159】
【化27】

【0160】
4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(2,3,6−トリフルオロベンジル)ベンゼンスルホンアミド(35)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(2,3,6−トリフルオロベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして3当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:8%。
[M+H]+:603.2。
【0161】
【化28】

【0162】
N−ベンジル−4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミド(36)
表題化合物を手法Cに従ってN−ベンジル−4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして3当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:6%。
[M+H]+:549.2。
【0163】
【化29】

【0164】
4−(3−(3−((4−エチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(37)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1.5当量の1−エチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。
収率:30%。
[M+H]+:600.1。
【0165】
4−(3−(3−(イミノ(4−プロピルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(38)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量のn−プロピルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:30%。
[M+H]+:614.1。
【0166】
【化30】

【0167】
4−(3−(3−((4−アリルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(39)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして5当量の1−アリルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:3%。
[M+H]+:612.1。
【0168】
4−(2−(4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)フェニルスルホニル)ヒドラジニル)ベンゼンスルホンアミド(40)
表題化合物を手法Cに従って4−(2−(4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)フェニルスルホニル)ヒドラジニル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:10%。
[M+H]+:629.1。
【0169】
2−(4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)フェニルスルホニル)イソインドリン−5−スルホンアミド(41)
表題化合物を手法Cに従って2−(4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)フェニルスルホニル)イソインドリン−5−スルホンアミドから、第2級アミンとして3当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:12%。
[M+H]+:640.2。
【0170】
【化31】

【0171】
4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(1−(4−スルファモイルフェニル)エチル)ベンゼンスルホンアミド(42)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(1−(4−スルファモイル)エチル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:8%。
[M+H]+:642.2。
【0172】
4−(3−(3−(イミノ(モルホリノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(43)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量のモルホリンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:38%。
[M+H]+:573.1。
【0173】
【化32】

【0174】
4−(3−(3−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(44)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1.5当量の1,1−ジオキソチオモルホリンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:13%。
[M+H]+:621.1。
【0175】
4−(3−(3−(イミノ(4−(ピリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(45)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量の1−(ピリジン−4−イルメチル)ピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:11%。
[M+H]+:663.2。
【0176】
【化33】

【0177】
4−(3−(3−(イミノ(ピロリジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(46)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量のピロリジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:16%。
[M+H]+:557.1。
【0178】
【化34】

【0179】
N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)−N−メチル−3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)ベンズイミドアミド(47)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量のN1,N1−ジエチル−N2−メチルエタン−1,2−ジアミンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:12%。
[M+H]+:616.2。
【0180】
【化35】

【0181】
4−(3−(3−((4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(48)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1.3当量の4−ヒドロキシ−ピペリジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:42%。
[M+H]+:587.1。
【0182】
【化36】

【0183】
4−(3−(3−((3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(49)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量のN,N−ジメチルピロリジン−3−アミンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:9%。
[M+H]+:600.2。
【0184】
【化37】

【0185】
4−(3−(3−(イミノ(2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(50)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量の1−(ピロリジン−2−イルメチル)ピロリジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:12%。
[M+H]+:640.2。
【0186】
tert−ブチル 4−(イミノ(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(51)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量のtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレートを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:15%。
[M+H]+:672.2。
【0187】
【化38】

【0188】
4−(3−(3−(イミノ(ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(52)
表題化合物は、化合物51からtert−ブチル−カルボキシレート基を除去して得られた。60mgのN−保護された化合物を5mlのテトラヒドロフランに溶解し、ジオキサン中の5mlの4M HClを0℃で撹拌しながらゆっくり添加した。室温で2時間撹拌後、溶媒を除去した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:85%。
[M+H]+:572.1。
【0189】
【化39】

【0190】
4−(3−(3−(イミノ(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(53)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量のN−メチル−ピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:12%。
[M+H]+:586.1。
【0191】
【化40】

【0192】
4−(3−(3−(イミノ(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(54)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1.5当量の1−イソプロピルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:3%。
[M+H]+:614.2。
【0193】
4−(3−(3−(イミノ(4−ペンチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(55)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量のn−ペンチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:13%。
[M+H]+:642.1。
【0194】
【化41】

【0195】
4−(3−(3−((4−ヘプチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(56)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1.5当量のn−ヘプチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:10%。
[M+H]+:670.1。
【0196】
4−(3−(3−((4−アセチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(57)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1当量の1−(ピペラジン−1−イル)エタノンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:14%。
[M+H]+:614.1。
【0197】
4−(3−(3−(イミノ(4−プロピオニルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(58)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1当量の1−(ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:16%。
[M+H]+:628.0。
【0198】
【化42】

【0199】
4−(3−(3−(イミノ(4−ペンタノイルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(59)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1当量の1−(ピペラジン−1−イル)ペンタン−1−オンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:9%。
[M+H]+:656.0。
【0200】
【化43】

【0201】
メチル 4−(イミノ(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(60)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1当量のメチルピペラジン−1−カルボキシレートを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:13%。
[M+H]+:630.1。
【0202】
【化44】

【0203】
エチル 4−(イミノ(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(61)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2当量のエチルピペラジン−1−カルボキシレートを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:8%。
[M+H]+:644.1。
【0204】
【化45】

【0205】
プロピル 4−(イミノ(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(62)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして1当量のプロピルピペラジン−1−カルボキシレートを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:5%。
[M+H]+:658.1。
【0206】
【化46】

【0207】
4−(3−(3−((4−ブチル−3−オキソピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(63)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2.2当量の1−ブチルピペラジン−2−オンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:35%。
[M+H]+:642.1。
【0208】
【化47】

【0209】
N,N−ジメチル−3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)ベンズイミドアミド(64)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2.2当量のN,N−ジメチルアミンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:54%。
[M+H]+:531.1。
【0210】
【化48】

【0211】
4−(3−(3−((4−(2−シアノエチル)ピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(65)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2.2当量の3−ピペラジノプロピオニトリルを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:57%。
[M+H]+:625.1。
【0212】
4−(3−(3−((4−(シクロプロピルメチル)ピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(66)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2.2当量の1−(シクロプロピルメチル)ピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:57%。
[M+H]+:625.1。
【0213】
【化49】

【0214】
4−(3−(3−((4−((1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(67)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2.2当量の1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)ピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:43%。
[M+H]+:658.1。
【0215】
【化50】

【0216】
4−(3−(3−(イミノ(4−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(68)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2.2当量の1−(テトラヒドロ−2−フリルメチル)ピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:48%。
[M+H]+:656.1。
【0217】
【化51】

【0218】
4−(3−(3−(イミノ(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(69)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして2.2当量の1−(2−メトキシエチル)ピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:41.5%。
[M+H]+:630.1。
【0219】
【化52】

【0220】
5−((4−(3−(3−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)フェニルスルホンアミド)メチル)チオフェン−2−スルホンアミド(70)
表題化合物を手法Cに従って5−((4−(3−(3−シアノフェニル)ウレイド)フェニルスルホンアミド)メチル)チオフェン−2−スルホンアミドから、第2級アミンとして2.2当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:58%。
[M+H]+:634.1。
【0221】
【化53】

【0222】
4−(3−(4−((4−ブチルピペラジン−1−イル)(イミノ)メチル)フェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(71)
表題化合物を手法Cに従って4−(3−(4−シアノフェニル)ウレイド)−N−(4−スルファモイルベンジル)ベンゼンスルホンアミドから、第2級アミンとして3当量のn−ブチルピペラジンを用いて調製した。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:2.4%。
[M+H]+:628.1。
【0223】
メチル 4−((アセチルイミノ)(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(72)
100mgの化合物60は、2当量のDIEAを含む2mlのDCM/DMF(1:1)溶液に溶解された。0℃で撹拌しながら、6当量のアセチルクロリドを30分間で分けて添加した。溶液を一晩室温で撹拌し、次に、水を添加し、沈殿物を形成させた。沈殿物を分離し、表題化合物を調製用HPLC精製後に得た。
収率:19%。
[M+H]+:672.2。
【0224】
メチル 4−((オクタノイルイミノ)(3−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(73)
表題化合物を化合物72について記載されるようにして、4当量のオクタノイルクロリドを用いて得た。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:1%。
[M+H]+:756.3。
【0225】
メチル 4−((ヒドロキシイミノ)(4−(3−(4−(N−(4−スルファモイルベンジル)スルファモイル)フェニル)ウレイド)フェニル)メチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(74)
表題化合物は、3−ニトロベンズアルデヒドから開始し、最終のアミノ試薬として1当量の4−(アミノメチル)ベンゼンスルホンアミドを用いて、手法Dに従って得られた。生成物は、調製用HPLCによって精製された。
収率:1%(6工程全体で)。
[M+H]+:646.2。
【0226】
表1 本発明の式(I)で表される典型的な化合物は、限定されないが、以下を含む。
【0227】
【表1A】

【0228】
【表1B】

【0229】
【表1C】

【0230】
【表1D】

【0231】
【表1E】

【0232】
【表1F】

【0233】
【表1G】

【0234】
【表1H】

【0235】
【表1I】

【0236】
【表1J】

【0237】
【表1K】

【0238】
【表1L】

【0239】
インビトロアッセイ
熱帯熱マラリア原虫のDd2菌株に対する抗マラリア原虫活性
上記の化合物の抗マラリア原虫活性の決定について、熱帯熱マラリア原虫の多耐性Dd2菌株を使用した。寄生虫核酸への[8−3H]ヒポキサチン取り込みを測定した。最終体積を200μlにし、種々の濃度の化合物の存在下、0.3%寄生虫血及び2.5%の赤血球ヘマトクリットでマラリア原虫をインキュベートした。使用した培地は、RPMI1640であり、10%熱処理したヒト血清と3mg/lのゲンタマイシンを含んでいた。インキュベーションでは、化合物濃度を0.001〜100μMに変化させた。48時間後、各バッチを50μlの[8−3H]ヒポキサンチン(1mCi/ml)で処理し、さらに18時間インキュベートした。細胞をろ過し、20μlのシンチレーション液に懸濁させた。次に、寄生虫によって吸収された放射線活性なヒポキサンチンは、シンチレーションカウンターを用いて定量された。結果を図示し、IC50値は、当てはめ関数を用いて決定された。IC50値、「阻害定数」は、50%の寄生虫成長阻害が起こるμMol/lの値を示す(R.E.Desjardins,et al,Antimicrobiol.Agent Chemother.16,pp.710−718,1979;J.D.Chulay,et al,Exp.Parasitol.55,pp.138−146,1983)。表2では、抗マラリア活性は、以下のとおり画定された:A:0.20μM〜0.02μMの間のIC50値;B:0.99μM〜0.21μMの間のIC50値;C:0.20μM〜0.02μMの間のIC50値;D:IC50値<0.02μM。
【0240】
表2 インビトロにおける抗マラリア原虫活性
【表2】

【0241】
異なるpHの50mMリン酸緩衝液中における溶解性及び溶解性範囲の決定
化合物を20mg/mlの濃度でDMSOに溶解した。これらのストック溶液は、数段階でDMSO(50μl溶液+50μlDMSO)で1:1に希釈した。続いて、これらの溶液を全4つのpH緩衝液(それぞれ、pH=4;pH=6;pH7.4;pH=9)中で1:100(5μlDMSOストック+495μlの50mMリン酸緩衝液)で希釈し、緩衝液中に最終のDMSO濃度が1%とした。これらの希釈物を激しく混合し、96ウェル読み取りプレートに移した。プレートを23℃で24時間、シェーカー(600rpm)中でインキュベートした。その後、ウェルの内容物をピペットで混合し、光学密度(OD)を波長500nm;600nm;650nm;及び700nmでTecan Sunriseプレートリーダーで記録した。化合物の未溶解濃度に対するカットオフCD合計を次のように定義した:カットオフCD合計=平均ブランクOD+0.050OD。可溶性範囲の決定については、以下の規則を適用した:
OD>カットオフ → この濃度で溶解しなかった化合物
OD<カットオフ → この濃度で溶解した化合物。
可溶性の決定について、滴定曲線(OC/濃度)を準備し、遠心分離後の混合物懸濁液の測定ODに基づいて濃度を決定した。可溶性値をμg/mlで示した(表3)。
【0242】
ヒト肝臓ミクロソームを用いたインビトロクリアランスの決定
これらの実験は、Nikemリサーチ(Via Zambeletti 25;Baranzate,Milan,Italy)で行われた。最終濃度が1μMである2点測定の試験化合物をDMSOに溶解し、リン酸緩衝液(pH7.4)、3mMのMgCl2中、最終濃度が0.5mg/mlのヒトミクロソームと共に10分間、37℃にてプレインキュベートした。プレインキュベート期間後、補因子混合物(NADP、Glc6P、G6P−DH)の添加によって反応を開始した;試料を0、5、10、15、20及び30分で採取し、アセトニトリルを添加して、代謝反応をクエンチし、遠心分離後、上清をHPLC/MSで分析し、定量した。補因子を含まない対照試料は、通常、試験化合物の化学的安定性を調べるために添加された。7−エトキシクマリンを参照標準として添加した。固定濃度のベラパミルは、HPLC/MSについての内部標準として全ての試料に添加された。異なる時間で残りの化合物の濃度をHPLC/MSにより決定した。
【0243】
指数減衰方程式(面積対時間)について生じた速度定数、k(分-1)を用いて、化合物の固有クリアランス(Cli)の速度を計算し、以下の式を用いた:Cli(μl/分/mg化合物)=k×V;式中、V(μl/mg化合物)=インキュベーション体積/mg添加化合物である。
【0244】
表3では、クリアランス(インビトロ代謝安定性)分類は以下の通りであった:Cli<10=安定な化合物;Cli、10〜60=低代謝;Cli、60〜600=中程度代謝;Cli>600=高代謝。
【0245】
表3 安定性及びインビトロでの代謝安定性
【表3A】

【0246】
【表3B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中:
aは、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−OCOR’、−C(O)R’、CONHR’又は−CO2R’であり;
b及びRcは、独立して、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリール、ヘテロシクリル又は−CO2R’であり;あるいは
bは、Rcと一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される、3−、4−、5−、6−又は7−員の飽和した、部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成し、ここで、化学的に適切であれば、2つのR’’は一緒になって、基=Oを形成することができ;この複素環基は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、ピペリジン−4−オン−1−イル、S,S−ジオキソ−チオ−モルホリニル、ピペラジン−3−オン−1−イル、又はアゼパニルからなる群から優先的に選択され;
R’は、独立して、水素、−CO2R’’、−CONHR’’、−CR’’O、−SO2N(R’’)2、−SO2NHR’’、−NR’’−CO−ハロアルキル、−NO2、−NR’’−SO2−ハロアルキル、−NR’’−SO2−アルキル、−SO2−アルキル、−NR’’−CO−アルキル、−CN、アルキル、シクロアルキル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、ハロアリール、ハロアリールアルキル、アリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロアリールを表し;
R’’は、独立して、水素、−(CH2mR’、−CO2R’、−CON(R’)2、−CR’O、−SO2N(R’)2、−NR’−CO−ハロアルキル、−NO2、−NR’−SO2−ハロアルキル、−NR’−SO2−アルキル、−NR’−SO2−アリール、−NR’−SO2−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−NR’−CO−アルキル、−NR’−CO−アリール、−NR’−CO−ヘテロアリール、−NR’−CO−N(R’)2、−CN、アルキル、アミノ、アミド、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシル、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールを表し;ここで、化学的に適切であれば、2つのR’’は、一緒になって、基=Oを形成することができ;ここで、R’基は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
1及びR2は、独立して、水素、(CH2mR’、−CO2R’、−CON(R’)2、CR’O、−SO2N(R’)2、−NR’−CO−ハロアルキル、NO2、−NR’−SO2−ハロアルキル、NR’−SO2−アルキル、−NR’−SO2−アリール、−NR’−SO2−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−NR’−CO−アルキル、−NR’−CO−アリール、−NR’−CO−ヘテロアリール、−NR’−CO−N(R’)2、−CN、アルキル、アミノ、アミド、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシル、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールを表し、ここで、R’基は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり;
ここで、XがCR5である場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールからなる群から選択される、不飽和又は飽和の環式基を形成し、ここで、Xが二重結合の一部である場合、R5は存在せず;
5は、H、OH、ハロゲン、C1−C4−アルキルであり;あるいは
XがNである場合、
3は、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、又は−CO2R’であり;
4は、水素、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、アミノ、アルキル、アリールアルキル、又は場合により上記で定義されている通りのR’’で置換される、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ハロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される、部分的若しくは完全に不飽和又は飽和の環式基であり、あるいは
XがNである場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアリール及びヘテロアリールからなる、3−、4−、5−、6−若しくは7−員の飽和又は部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成する)
で表される化合物、又はその生理学的に許容される塩若しくは誘導体。
【請求項2】
aが、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−OCOR’、−C(O)R’、−CONHR’又は−CO2R’であり;
b及びRcが、独立して、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリール、ヘテロシクリル又は−CO2R’であり;
R’が、独立して、水素、−CO2R’’、−CONHR’’、−CR’’O、−SO2N(R’’)2、−SO2NHR’’、−NR’’−CO−ハロアルキル、−NO2、−NR’’−SO2−ハロアルキル、−NR’’−SO2−アルキル、−SO2−アルキル、−NR’’−CO−アルキル、−CN、アルキル、シクロアルキル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、ハロアリール、ハロアリールアルキル、アリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロアリールを表し;
R’’が、独立して、水素、−(CH2mR’、−CO2R’、−CON(R’)2、−CR’O、−SO2N(R’)2、−NR’−CO−ハロアルキル、−NO2、−NR’−SO2−ハロアルキル、−NR’−SO2−アルキル、−NR’−SO2−アリール、−NR’−SO2−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−NR’−CO−アルキル、−NR’−CO−アリール、−NR’−CO−ヘテロアリール、−NR’−CO−N(R’)2、−CN、アルキル、アミノ、アミド、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシル、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールであり;ここで、化学的に適切であれば、2つのR’’は、一緒になって、基=Oを形成することができ;ここで、R’基は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
1及びR2が、独立して、水素、(CH2mR’、−CO2R’、−CON(R’)2、−CR’O、−SO2N(R’)2、−NR’−CO−ハロアルキル、NO2、−NR’−SO2−ハロアルキル、NR’−SO2−アルキル、−NR’−SO2−アリール、−NR’−SO2−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−NR’−CO−アルキル、−NR’−CO−アリール、−NR’−CO−ヘテロアリール、−NR’−CO−N(R’)2、−CN、アルキル、アミノ、アミド、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシル、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールを表し、ここで、R’は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
mが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり;
ここで、XがCR5である場合、
3が、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールからなる群から選択される、不飽和又は飽和の環式基を形成し、ここで、Xが二重結合の一部である場合、R5は存在せず;
5が、H、OH、ハロゲン、C1−C4−アルキルであり;あるいは
XがNである場合、
3が、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、又は−CO2R’であり;
4が、水素、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、アミノ、アルキル、アリールアルキル、又は場合により上記で定義されている通りのR’’で置換される、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ハロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される、部分的若しくは完全に不飽和又は飽和の環式基であり、あるいは
XがNである場合、
3が、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアリール及びヘテロアリールからなる、3−、4−、5−、6−若しくは7−員の飽和又は部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
aが、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−OCOR’、−C(O)R’、−CONHR’又は−CO2R’であり;
bは、Rcと一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される、3−、4−、5−、6−又は7−員の飽和した、部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成し、ここで、化学的に適切であれば、2つのR’’は一緒になって、基=Oを形成することができ;この複素環基は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、ピペリジン−4−オン−1−イル、S,S−ジオキソ−チオ−モルホリニル、ピペラジン−3−オン−1−イル、又はアゼパニルからなる群から優先的に選択され;
R’は、独立して、水素、−CO2R’’、−CONHR’’、−CR’’O、−SO2N(R’’)2、−SO2NHR’’、−NR’’−CO−ハロアルキル、−NO2、−NR’’−SO2−ハロアルキル、−NR’’−SO2−アルキル、−SO2−アルキル、−NR’’−CO−アルキル、−CN、アルキル、シクロアルキル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、ハロアリール、ハロアリールアルキル、アリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロアリールを表し;
R’’は、独立して、水素、−(CH2mR’、−CO2R’、−CON(R’)2、−CR’O、−SO2N(R’)2、−NR’−CO−ハロアルキル、−NO2、−NR’−SO2−ハロアルキル、−NR’−SO2−アルキル、−NR’−SO2−アリール、−NR’−SO2−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−NR’−CO−アルキル、−NR’−CO−アリール、−NR’−CO−ヘテロアリール、−NR’−CO−N(R’)2、−CN、アルキル、アミノ、アミド、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシル、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールを表し;ここで、化学的に適切であれば、2つのR’’は、一緒になって、基=Oを形成することができ;ここで、R’基は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
1及びR2は、独立して、水素、(CH2mR’、−CO2R’、−CON(R’)2、−CR’O、−SO2N(R’)2、−NR’−CO−ハロアルキル、NO2、−NR’−SO2−ハロアルキル、NR’−SO2−アルキル、−NR’−SO2−アリール、−NR’−SO2−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−NR’−CO−アルキル、−NR’−CO−アリール、−NR’−CO−ヘテロアリール、−NR’−CO−N(R’)2、−CN、アルキル、アミノ、アミド、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシル、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル又はヘテロアリールを表し、ここで、R’は、上記で定義される通りであり、互いに独立して選択されてもよく;
mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12であり;
ここで、XがCR5である場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールからなる群から選択される、不飽和又は飽和の環式基を形成し、ここで、Xが二重結合の一部である場合、R5は存在せず;
5は、H、OH、ハロゲン、C1−C4−アルキルであり;あるいは
XがNである場合、
3は、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、又は−CO2R’であり;
4は、水素、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、シアノアルキル、アミノ、アルキル、アリールアルキル、又は場合により上記で定義されている通りのR’’で置換される、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ハロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される、部分的若しくは完全に不飽和又は飽和の環式基であり、あるいは
XがNである場合、
3は、R4と一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアリール及びヘテロアリールからなる、3−、4−、5−、6−若しくは7−員の飽和又は部分的に不飽和若しくは完全に不飽和の複素環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
3がHであり、R4がアルキルアリールであり、RaがHであり、及びRbがRcと一緒になって、場合により、0、1、2又は3個の置換基R’’を有する6員の飽和した複素環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
3がHであり、R4がアリールであり、RaがHであり、及びRbがRcと一緒になって、場合により0、1、2又は3個の置換基R’’を有する6員の飽和した複素環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物及び医薬として許容される担体若しくは希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物の投与を含む、患者における疾患又は状態を治療又は予防又は改善するための方法。
【請求項8】
前記疾患又は状態がマラリアである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記疾患又は状態が、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)菌株によって引き起こされるマラリアである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物が、別の抗マラリア化合物と併用して投与される、請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記他の抗マラリア化合物が、クロロキン、スルファドキシン/ピリメタミン、ダプソーン/ピリメタミン、スルホンアミド、ハロファントリン、アモジアキン、メフロキン、キニーネ、キニジン、ドキシサイクリン、ルメファントリン、プリマキン、プログアニル、アトバクオン、ピロナリジン、クロロプログアニル、アルテメシニン、アルテフレン、アルテメーター、アルテスネート又はトリメトプリムから選択される、請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2012−516294(P2012−516294A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546715(P2011−546715)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000546
【国際公開番号】WO2010/086177
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(512089405)4エスツェー ディスカバリー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【Fターム(参考)】