説明

抗利尿薬として有用なヘテロ環式縮合化合物

本発明は、一般式1:


(式中、Gはアミンである)
を有する化合物に関する。本発明の化合物はバソプレシンV受容体アゴニストである。前記化合物の医薬組成物は抗利尿薬として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペプチドホルモンバソプレシンのアゴニストとして作用する新規な化学物質類に関する。本発明の化合物は腎臓からの尿量を減じ、よって多尿を特徴とする特定のヒト疾患の治療において有用である。本発明の化合物は尿失禁のコントロール及び出血障害においても有用である。
【背景技術】
【0002】
バソプレシンは脳下垂体後葉より分泌されるペプチドホルモンである。バソプレシンは更に2002年1月3日に公開された国際特許出願公開第02/00626号のp.1〜3に記載されている。バソプレシンは水分貯留を増加させ、よって尿量を減ずるように腎臓に対して作用する。このため、バソプレシンは“抗利尿性ホルモン”として公知である。バソプレシンは血管系に対しても作用し、そこで昇圧効果を発揮する。これらの2つの作用を媒介する細胞受容体は特徴づけられており、異なることが判明している。抗利尿作用は、通常V受容体と称される2型バソプレシン受容体により媒介される。バソプレシンと同様にV受容体と相互作用し、活性化し得る物質はV受容体アゴニスト(または、単にVアゴニスト)と称されている。前記物質は抗利尿作用を有する。これらの物質がV受容体と選択的に相互作用し、他のバソプレシン受容体サブタイプと相互作用しないならば、バソプレシンの昇圧効果を示さないであろう。これは重要な安全面の配慮であり、よって前記物質は多尿(本明細書中では過度の尿生成を意味する)を特徴とするヒトの病的状態の治療にとって魅力的となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
代替Vアゴニストが依然として必要とされている。前記化合物が容易に合成される非ペプチドであることが有利であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1態様に従って、本発明はその互変異性体及び許容され得る塩を含めた請求項1の式1に従う化合物に関する。
【0005】
別の態様によれば、本発明は新規なVアゴニストに関する。
【0006】
別の態様によれば、本発明は少なくとも1つの本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。この組成物は、中枢性尿崩症、多尿症、夜間多尿症から生ずる多尿を含めた多尿の治療、尿失禁のコントロール、排尿の延期または出血障害の治療において有用であり得る。
【0007】
別の態様によれば、本発明は、中枢性尿崩症、多尿症、夜間多尿症から生ずる多尿を含めた多尿のような疾患の治療、尿失禁のコントロール、排尿の延期及び出血障害の治療用薬剤を製造するための化合物の使用に関する。
【0008】
更なる態様によれば、本発明は治療における本発明の化合物及び組成物の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、一般式1に従う一連の化合物並びにその互変異性体及び医薬的に許容され得る塩に関する。
【0010】
【化6】

この一般式中、
WはN及びCRから選択され、
XはCH(R)、O、S、N(R)、C(=O)、C(=O)O、C(=O)N(R)、OC(=O)、N(R)C(=O)、C(R)=CH及びC(R)から選択され、

【0011】
【化7】

一般式2〜9から選択される二環式または三環式縮合アゼピン誘導体であり、または一般式10に従うアニリン誘導体であり、
、A、A及びA10は各々独立してCH、C=O、O及びNR10から選択され、
、A、A、A11、A13、A14、A15、A19及びA20は各々独立してCH及びNから選択され、
が共有結合であり且つAがSであるか;またはAがN=CHであり且つAが共有結合であり、
、A12、A18及びA21は各々独立してCH=CH、NH、NCH及びSから選択され、
16及びA17は両方がCHであるか;またはA16及びA17の一方がCHであり、他方がC=O、CH(OH)、CF、O、SO及びNR10から選択され、
YはCH=CHまたはSから選択され、
及びRは独立してH、F、Cl、Br、アルキル、CF及びO−アルキルから選択され、
はH及びアルキルから選択され、
〜Rは独立してH、F、Cl、Br、アルキル、CF、OH及びO−アルキルから選択され、
はH、(CH及び(C=O)(CHから選択され、
はH、アルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、OH、O−アルキル、OC(=O)アルキル、NH、NHアルキル、N(アルキル)、CHO、COH、COアルキル、CONH、CONHアルキル、CON(アルキル)及びCNから選択され、
10はH、アルキル、COアルキル及び(CHOHから選択され、
11はアルキル、(CHAr、(CHOH、(CHNH、(CHCOOアルキル、(CHCOOH及び(CHOArから選択され、
12及びR13は各々独立してH、アルキル、F、Cl、Br、CH(OCH、CHF、CF、COOアルキル、CONHアルキル、(CHNHCHAr、CON(アルキル)、CHO、COOH、(CHOH、(CHNH、N(アルキル)、CONH(CHAr及びArから選択され、
Arは場合により置換されているヘテロ環または場合により置換されているフェニルから選択され、
aは1、2及び3から選択され、
bは1、2、3及び4から選択され、
cは0、1及び2から選択され、
dは0、1、2及び3から選択される。
【0012】
本発明の範囲内の特定化合物は互変異性体として存在し得る。例えば、Wが窒素であり、RまたはRがヒドロキシ基である場合、得られるヒドロキシピリジンはピリドン互変異性体として存在し得る。すべての互変異性体が本発明の範囲内であると見なされる。
【0013】
本明細書中で使用する場合、用語「アルキル」は低級アルキル基、すなわち直鎖、分枝鎖及び環状アルキル基を含めた1〜6個の炭素原子を含有する飽和炭化水素基を指すと意図される。アルキルの例にはC1−メチル;C2−エチル;C3−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル;C4−n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、メチルシクロプロピル;C5−n−ペンチル、ネオペンチル、シクロプロピルエチル、ジメチルシクロプロピル;及びC6−n−ヘキシル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
本発明の化合物は1個以上のステレオジェン中心(“非対称炭素原子”)を有し得、よって光学異性を呈し得る。単一異性体、混合物及びラセミ体を含めた一般式1に従う化合物のすべてのエピマー、エナンチオマー及びジアステレオマーが本発明の範囲に含まれる。
【0015】
一般式1を有する特定化合物は酸または塩基と塩を形成することができる。例えば、1個以上の塩基性窒素原子を含有する化合物は無機酸及び有機酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、クエン酸及び安息香酸)と付加塩を形成することができる。酸性基を含有する化合物は塩基と塩を形成することができる。前記塩の例にはナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、トリエチルアンモニウム塩及びテトラエチルアンモニウム塩が含まれる。更に、酸性基及び塩基性基の両方を有する化合物は内部塩(双性イオン物質)を形成することができる。医薬的に許容され得る限り、これらの塩は本発明の範囲内に含まれる。
【0016】
本発明の態様によれば、本発明の好ましい実施態様を以下に示す。
【0017】
これらの態様は、G
【0018】
【化8】

(ここで、R11、R12及びR13は上に定義した通りである)
から選択される化合物を含む。
【0019】
更に、G
【0020】
【化9】

(ここで、R11及びR12は上に定義した通りである)
から選択される化合物が好ましい。
【0021】

【0022】
【化10】

から選択される化合物がより好ましい。
【0023】
、R及びRの少なくとも1つがHでない化合物が好ましい。
【0024】
、R及びRの1つがメチル、ClまたはFであり、残りがHである化合物が更に好ましい。
【0025】
がメチルまたはClであり、R及びRが共にHである化合物がより好ましい。
【0026】
WがC−F、C−ClまたはC−Brである化合物が好ましい。
【0027】
WがC−Fである化合物がより好ましい。
【0028】
XがN(R)C(=O)であり、aが1である化合物が好ましい。
【0029】
がN(R)C(=O)であり、Rが(CHであり、aが1である化合物がより好ましい。
【0030】
がHまたはFであり、R及びRが共にHである化合物が好ましい。
【0031】
WがCRであり、XがN(R)C(=O)であり、RがHであり、RがメチルまたはClであり、RがHであり、RがFであり、R、R及びRがHであり、aが1である化合物が好ましい。
【0032】
が一般式7(ここで、YはCH=CHであり、A16はCHであり、A17はCHである)に従う基であり、RがHであり、RがメチルまたはClであり、RがHである化合物が好ましい。
【0033】
が一般式2(ここで、YはCH=CHであり、AはCHであり、A及びAが共にCHである)に従う基であり、RがHであり、RがメチルまたはClであり、RがHである化合物が好ましい。
【0034】
{1−[4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルカルバモイル]−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル}酢酸エチルエステル、
{4−[4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルカルバモイル]−5−フルオロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸メチルエステル、
{5,6−ジフルオロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸、
{5−クロロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸、
{5−フルオロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸、
{6−フルオロ−5−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル}酢酸、
4−(3−アミノプロピル)−8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
4−シアノメチル−8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
4−シアノメチル−8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
7,8−ジフルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
7,8−ジフルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
8−クロロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−クロロ−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(6,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−5−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−[5−(2−ヒドロキシエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボニル]−2−メチルベンジルアミド、
8−フルオロ−3−オキソ−4−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−3−オキソ−4−(2−オキソエチル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(7,8−ジヒドロ−6H−5−オキサ−9−アザベンゾシクロヘプテン−9−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
8−フルオロ−4−(2−メトキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
8−フルオロ−4−(2−メチルアミノエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−4−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(4H,10H−3,3a,9−トリアザ−ベンゾ[f]アズレン−9−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−4−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
9−フルオロ−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
9−フルオロ−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
9−フルオロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−[(2−フラン−2−イルフェニル)メチルカルバモイル]−2−メチルベンジルアミド、及び
8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−[メチル−(2−チオフェン−2−イルフェニル)カルバモイル]ベンジルアミド
からなる群から選択される化合物が特に好ましい。
【0035】
特に好ましい化合物は高活性を有するVアゴニストである。
【0036】
本発明の化合物は非ペプチド小分子である。これらの化合物がペプチドよりも経口的に活性である可能性が有意に高いことは公知である。よって、本発明の化合物はペプチドよりもより便利であり、より良い患者コンプライアンスを与える。更に、本発明の化合物は容易に合成される。
【0037】
1態様によれば、本発明は本発明の化合物を活性成分として含む医薬組成物に関する。
【0038】
本発明は更に、バソプレシンアゴニストとして使用される本発明の化合物を含む医薬組成物に関し、前記組成物は中枢性尿崩症、夜尿症及び夜間多尿症の治療において特に有用である。
【0039】
本発明の1態様によれば、医薬組成物は多尿の治療、尿失禁のコントロール、排尿の延期または出血障害の治療用である。
【0040】
医薬組成物は、膀胱機能不全を改善することが当業界で公知である第2の薬物、例えば鎮痙薬またはカリウムチャネルブロッカーをも含み得る。組成物が活性成分を1つしか含まないことが好ましい。組成物は当業界で一般的に知られている結合剤、充填剤、分散剤、溶媒、安定剤等から選択される賦形剤を含んでいる。
【0041】
使用される賦形剤は製剤の意図する種類に依存し、後者は意図する投与ルートに依存する。投与は経口、経粘膜(例えば、舌下、口腔内、鼻腔内、膣内及び直腸内)、経皮または注射(例えば、皮下、筋肉内及び静脈内)であり得る。通常、経口投与が好ましい。経口投与の場合、製剤は錠剤、カプセル剤またはサッシェ剤である。他の製剤には乾燥粉末剤、溶液剤、懸濁液剤、座剤等が含まれる。
【0042】
1態様によれば、本発明は、夜尿症、夜間多尿症、中枢性尿崩症から生ずる多尿、尿失禁及び出血障害から選択される疾患の治療用薬剤を製造するための本発明の化合物の使用に関する。
【0043】
本発明の化合物は、幾つかの疾患、障害または状態の治療のために有用である。本明細書中で使用される用語「治療」は、疾患、障害または状態を治癒または緩解させるための治療及び疾患、障害または状態の発現を予防するための治療に関する。治療は急性または慢性的に実施され得る。治療対象のヒトまたは動物、すなわち患者は本発明に従う治療を要するヒトまたは非ヒト哺乳動物であり得る。
【0044】
更なる態様で、本発明は特定のヒト生理学的機能不全の治療またはコントロール方法である。この方法は、治療を要するヒトに対して上記した化合物を活性成分として含む医薬組成物を有効量投与することを含む。この化合物は尿量を減ずるように作用し、よって本発明の方法は多い尿量が寄与因子であるあらゆる状態に対して適用され得る。また、本発明の化合物は第VIII因子及びウィルブランド因子として公知の血液凝固タンパク質の産生を増加させ、よって出血障害の治療に適用され得る。
【0045】
好ましい実施態様では、治療される状態は中枢性尿崩症である。これは身体が生理学的活性なバソプレシンを産生及び分泌することができないために起こり、その結果水再摂取が大きく低下し、大量の尿が生成される状態である。
【0046】
別の好ましい実施態様では、治療される状態は夜尿症である。これは人が寝ている間の排尿として定義される。主に小児が患っている状態であり、その病因には多数の要因が関与し得る。
【0047】
別の好ましい実施態様では、治療される状態は夜間多尿症である。これは夜間の間に個人が目を覚まして、排尿しなければならない程の大量の尿の生成として定義される。この状態も多数の要因の結果であり得る。
【0048】
別の好ましい実施態様では、治療される状態は失禁である。この状態は一部は少ない膀胱容量により特徴づけられ、頻繁に排尿しなければ不随意放尿が起こるようにコントロールする。失禁は2つの状態、すなわちストレス失禁及び切迫失禁に分けられている。多数の病因が関与すると考えられている。本発明に従う治療は、失禁患者が数時間(例えば、最長4時間)尿を出さなくてすむように排尿の必要性を遅らす(“排尿延期”)ために特に有用である。排尿延期は失禁状態でない人、例えば長時間会議に加わざるを得ない人に対しても有用であり得る。
【0049】
別の好ましい実施態様では、治療される状態は血友病Aまたはフォンウィルブランド病である。これは第VIII因子またはフォンウィルブランド因子の産生が減っている状態であり、個人は長期間出血している。
【0050】
別の好ましい実施態様では、血液の凝固性を高め、よって術中失血を減らすように手術(歯科手術を含む)前に組成物を投与する。
【0051】
本発明の組成物は通常医者のコントロール下で投与される。医者は、患者の肉体的状態及び治療目的を考慮して投与する組成物の量及び投与スケジュールを決定する。成人の尿崩症患者に対する典型的な1日用量は50mg〜1gの活性化合物であり、1錠としてまたは1日最高4錠として服用する。経口ルート以外の投与ルートでは、非経口ルートは治療薬の体循環へのデリバリーの点でより効率的である傾向にあるので化合物の量が減らされる。フォンウィルブランド病及び血友病Aを治療するためには、尿崩症を治療する場合よりも高量の化合物が必要であり得る。
【0052】
本発明の更なる態様は、上記した疾患、障害または状態の治療方法に関する。本発明の方法によれば、治療有効量の上記した化合物または医薬組成物を治療を要する患者に対して投与する。本発明の別の態様によれば、本発明は、治療を要するヒトに対して有効量の本発明の化合物を投与することを含む夜尿症、夜間多尿症、尿崩症、尿疾患及び出血障害から選択される疾患の治療方法に関する。好ましい態様によれば、本発明は尿失禁のコントロール方法に関し、この治療により排尿は延期される。
【0053】
用語「治療有効量」は所望の治療効果を得るであろう量である。治療有効量は適当な因子を考慮して担当医により決定される。通常1回量は0.1〜1000mg、好ましく1〜250mgの本発明の活性化合物を含む。用量は1回でまたは繰り返して投与され得る。繰り返して投与する場合、治療しようとする状態に応じて定期的に(例えば、1日1〜3回)または要求に応じて投与され得る。
【0054】
本発明の医薬組成物は当業界で公知の形態で提供され得る。例えば、組成物は錠剤、カプセル剤、散剤、座剤、クリーム剤、溶液剤または懸濁液剤として、またはより複雑な形態(例えば、粘着パッチ)で提供され得る。組成物は通常1つ以上の賦形剤(例えば、希釈剤、充填剤、結合剤、分散剤、溶媒、保存剤、着香剤等)を含む。組成物を錠剤またはカプセル剤として提供する場合、賦形剤は場合により1つ以上の活性物質の放出を調節する物質、例えば低pHでは不溶性であるが中性〜高pHでは可溶性であるポリマーのコーティングを含み得る。前記コーティング(“腸溶性コーティング”として公知)により、活性物質の胃での放出が防止され、腸で放出させることができる。また、組成物は1つ以上の追加の医薬的に活性な物質をも含み得る。組成物が追加の活性物質を含まないことが好ましい。
【0055】
治療剤として使用するとき、本発明の組成物は当業界で公知の適当なルートにより投与され得る。例えば、前記組成物は経口、口腔内、舌下、直腸内、膣内、鼻腔、肺または経皮ルートにより投与され得る。或いは、前記組成物は静脈内、皮下及び筋肉内注射を含めた注射により投与され得る。
【0056】
本発明の化合物は一般的な化学操作により製造され得る。前記操作は、例えば欧州特許出願第03003394.8号明細書の14頁32行目〜20頁31行目及び国際特許出願公開第03/016316号の12〜17頁に記載されている。
【0057】
通常、一般式1を有する化合物は3成分部分、すなわちGに相当する成分C、置換ベンゾイル単位に相当する成分C及び縮合二環式単位に相当する成分C
【0058】
【化11】

から構成されると考えられ得る。
【0059】
これらの成分に相当する中間体を製造し、その後組み立てて最終生成物を得る。これら3つの成分は、
(i)Cに関して、アミン、好ましくは第2級または第1級アミン
−H
(ii)Cに関して、置換安息香酸
【0060】
【化12】

(iii)Cに関して、縮合二環式第2級アミン
【0061】
【化13】

である。
【0062】
に関する置換安息香酸が最終化合物の組立て中に一時保護する必要がある2個の官能基を有していることが認められる。官能基保護の原則は当業界で公知であり、例えばJ.F.W.McOmie,“Protective Groups in Organic Chemistry”,Plenum Press(1973年)発行;T.W.Greene及びP.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”,第2版,John Wiley(1991年)発行;及びP.J.Kocienski,“Protective groups”,Georg Thieme Verlag(1994年)発行に記載されている。カルボン酸基は通常エステル(例えば、メチルエステル、ベンジルエステルまたはtert−ブチルエステル)として保護される。第1級アミンは通常カルバメート誘導体、例えばtert−ブチルカルバメート(BOC誘導体)、ベンジルカルバメート(CBZ、または単にZ誘導体)または9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc誘導体)として保護される。他の官能基も保護が必要なことがある。例えば、基Xは1個以上の第1級または第2級アミノ基を含み得、これらのアミノ基は保護しなければならないことがある。以下の合成方法の一般的説明において、必要なら前記保護を使用するとする。
【0063】
(i)Cに関するアミンの製造
(ここで、Gは一般式2〜9に従う基である)に相当する第2級アミンは通常市販されていない。第2級アミンは公表されている方法またはその方法の自明な改変に従って製造され得る。特に関連する主要文献には、Aranapakamら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1773(1993);Articoら,Farmaco.Ed.Sci.,24:276(1969);Articoら,Farmaco.Ed.Sci.,32:339(1977);Chakrabartiら,J.Med.Chem.,23:878(1980);Chakrabartiら,J.Med.Chem.,23:884(1980);Chakrabartiら,J.Med.Chem.,32:2573(1989);Chimirriら,Heterocycles,36:601(1993);Grunewaldら,J.Med.Chem.,39:3539(1996);Klunderら,J.Med.Chem.,35:1887(1992);Liegeoisら,J.Med.Chem.,37:519(1994);Olagbemiroら.J.Het.Chem.,19:1501(1982);Wrightら,J.Med.Chem.,23:462(1980);Yamamotoら,Tet.Lett.,24:4711(1983);国際特許出願公開第99/06403号が含まれる。Gが一般式10に従う基である場合、公表されている方法またはその方法の自明な改変に従って製造され得る。特に、文献に詳しく記載されているスズキ反応として公知の手順を用いてもよい。この文献の1つがHaoら,Hecheng Huaxue,8(4):335−338(2000)である。
【0064】
(ii)Cに関する置換安息香酸の製造
に相当する置換安息香酸は通常市販されておらず、公表されている方法またはその方法の自明な改変を用いて製造され得る。
【0065】
(iii)Cに関する縮合二環式第2級アミンの製造
に相当する縮合二環式第2級アミンの幾つかは市販されている。市販されていない縮合二環式第2級アミンは公表されている方法またはその方法の自明な改変に従って製造され得る。特に関連する主要文献にはKellerら,Polyhedron,2(7):595−602(1983);Bradleyら,Journal of the Chemical Society,Perkin Transactions 1:Organic and Bio−Organic Chemistry(1972−1999),16:2019−23(1972);Hoenelら,Journal of the Chemistry Society,Perkin Transactions 1:Organic and Bio−Organic Chemistry(1972−1999),(9):1933−9(1980);Jacobsenら,Journal of Medicinal Chemistry,39(1):158−75(1996)が含まれる。
【0066】
所要により適当に保護されている手元の3成分を用いて最終化合物を組み立てるには2つの結合、すなわちCとC間の結合及びCとC間の結合を形成しなければならない。これらの結合形成ステップは任意の順序で実施され得る。例えば、以下のシーケンスが提案され得る:
+C→C→C
+C→C→C
【0067】
(i)C−C結合の形成
とC間の結合は単純なアミド結合である。カルボン酸及び第2級または第1級アミンから前記結合を形成するための化学は有機合成の業界、特にペプチド合成の分野で公知である。カルボン酸はより反応性の物質、例えば(例えば、塩化オキサリルまたは塩化チオニルを用いて)酸クロリド、または(クロロギ酸イソブチルを用いて)混合無水物に変換され得る。次いで、この反応性物質を適当な溶媒、通常非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミド)中塩基(例えば、トリエチルアミンまたは4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で第2級または第1級アミンに添加する。反応は−20℃〜溶媒の沸点の範囲の温度で進行させる。反応のために許される温度及び時間の選択は2つの成分の反応性に依存する。
【0068】
或いは、カルボン酸及び第2級アミンは場合により塩基の存在下で、縮合剤を添加して上記した適当な溶媒中で混合され得る。適当な縮合剤にはカルボジイミド、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)及びN−エチル−N’−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDC;水溶性カルボジイミドに対してWSCDI);リン試薬、例えば(ベンゾトリアゾル−1−イルオキシ)−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、(ベンゾトリアゾル−1−イルキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PrBOP(登録商標))及びブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP(登録商標));尿素、例えばO−(ベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)が含まれる。
【0069】
(ii)C−C結合の形成
とC間の結合は尿素である。この結合形成の第1ステップでは、通常縮合二環式アミン誘導体をホスゲンまたはホスゲン均等物(例えば、クロロギ酸トリクロロメチル、ビス(トリクロロメチル)カーボネートまたはカルボニルジイミダゾール)と反応させる。この場合も非プロトン性溶媒及び第3級アミンが通常使用される。このステップで形成された中間体は通常単離されない。アミンを添加して反応を継続させると、カルバメートまたは尿素が直接形成される。代替方法では、反応性中間体をCをホスゲン均等物と反応させることにより形成し、合成の第2部で縮合二環式アミンを添加する。
【0070】
以下の実施例において本発明を更に説明する。これらの実施例は本発明の適用を示すためのものであり、本発明の範囲を限定しない。
【実施例】
【0071】
(略号)
以下の略号を使用した。
AIBN アゾ−ビス−(イソブチロニトリル)、
BOC tert−ブチルオキシカルボニル、
(BOC)O ジ−tert−ブチルジカーボネート、
DMF ジメチルホルムアミド、
EtOAc 酢酸エチル、
IPA イソプロパノール、
M.S. 質量分析、
NBS N−ブロモスクシンイミド、
pet.ether 石油エーテル、沸点60〜80℃留分、
THF テトラヒドロフラン、
WSCDI 水溶性カルボジイミド。
【0072】
(中間体の製造)
フラグメントGに相当する試薬は市販されているか、または特定実施例に詳記されている以外は公表されている手順に従って製造した。実施例A〜Gには中間体の合成が記載されている。実施例1〜219には本発明の化合物が記載されている。
【0073】
実施例A
4−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノメチル)−3−クロロ安息香酸
【0074】
【化14】

【0075】
A14−ブロモメチル−3−クロロ安息香酸メチル
3−クロロ−4−メチル安息香酸メチル(5.0g,27.1ミリモル)を四塩化炭素(50ml)中に含む溶液にNBS(5.8g,32.0ミリモル)及びAIBN(0.442g,2.70ミリモル)を添加した。混合物を還流下で18時間撹拌した。混合物を室温まで冷却した後、真空中で濃縮した。残渣をEtOAc:石油エーテル(0:100→5:95)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。収量:5.96g(84%)。
【0076】
A24−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノメチル)−3−クロロ安息香酸
アンモニアをエタノール(170ml)中に含む飽和溶液に実施例A1からの4−ブロモメチル−3−クロロ安息香酸メチル(5.5g,20.9ミリモル)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、真空中で濃縮した。残渣をジエチルエーテルと摩砕し、生じた白色結晶を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄した。この固体を水(100ml)中に含む溶液に(BOC)O(5.0g,23.0ミリモル)をジオキサン(100ml)中に含む溶液及び水酸化ナトリウム(1.86g,46.0ミリモル)を水(100ml)中に含む溶液を添加した。混合物を室温で18時間撹拌した後、真空中で濃縮した。水性残渣をクエン酸で酸性化し、クロロホルム/IPAで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮して、白色固体を得た。収量:2.8g(67%)。
【0077】
実施例B
5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン
【0078】
【化15】

【0079】
B11,2−ジフルオロ−3−ニトロベンゼン
氷塩浴で冷却しながら、2,3−ジフルオロアニリン(5.0g.38ミリモル)を水性テトラフルオロボロン酸(48%,18ml)を含む溶液に亜硝酸ナトリウム(3.9g,57ミリモル)を20分間かけて添加した。1時間後、混合物を濾過し、水性テトラフルオロボロン酸、アセトン/ジエチルエーテル(40:60)混合物で順次洗浄した。沈殿を水(90ml)中の銅(8.0g,121ミリモル)及び亜硝酸ナトリウム(39g,570ミリモル)の混合物に20分間かけて添加した。1時間後、混合物を濃硫酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(20:80)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。収量:1.4g(25%)。
【0080】
B2(2−フルオロ−6−ニトロフェニルアミノ)酢酸エチルエステル
実施例B1からの1,2−ジフルオロ−3−ニトロベンゼン(1.9g,12ミリモル)をアセトニトリル(75ml)中に含む溶液にグリシンエチルエステル塩酸塩(1.7g,12ミリモル)、フッ化カリウム(1.2g,20ミリモル)、18−クラウン−6(309mg,1.2ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(4.6ml,26ミリモル)を添加した。混合物を還流下で3時間撹拌し、冷却し、真空中で蒸発させた。残渣を水とEtOAcに分配した。有機層をブラインで洗浄し、濾過し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(20:80)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。収量:2.1g(73%)。
【0081】
B35−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン
実施例B2からの(2−フルオロ−6−ニトロフェニルアミノ)酢酸エチルエステル(2.1g,8.7ミリモル)をメタノール(65ml)中に含む溶液を脱気し、ここにパラジウム/炭素(10%,600mg)を添加した。混合物に水素ガスを75分間通気し、セライト(登録商標)を介して濾過し、真空中で減量した。残渣をEtOAc:石油エーテル(50:50)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。収量:1.02g(71%)。
【0082】
実施例C
4−シアノ−3−メチル安息香酸
【0083】
【化16】

【0084】
窒素雰囲気下−78℃で4−ブロモ−2−メチルベンゾニトリル(2.0g,10.2ミリモル)をTHF(100ml)中に含む溶液にn−ブチルリチウムの2.5M溶液(4.48ml,11.2ミリモル)を添加した。混合物を−78℃で1時間撹拌した後、THF(50ml)中の固体二酸化炭素(5g)上に注いだ。混合物を室温まで加温した。水(200ml)を添加し、混合物をジエチルエーテルで3回抽出した。水性層を濃HClを添加して酸性化し、クロロホルムで3回抽出した。合わせたクロロホルム抽出物を水で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮して、白色固体を得た。収量:1.2g(73%)。
【0085】
実施例D
4−シアノ−2−メチル安息香酸
【0086】
【化17】

【0087】
4−ブロモ−3−メチルベンゾニトリル(2.0g,10.2ミリモル)を実施例Cの方法に従って反応させて、黄色固体を得た。これをヘキサンと摩砕し、濾別した。収量:0.96g(59%)。
【0088】
実施例E
4−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノメチル)−2−フルオロ安息香酸
【0089】
【化18】

【0090】
E12−フルオロ−4−メチル安息香酸
4−ブロモ−3−フルオロトルエン(8.33g,44.07ミリモル)を実施例Cに従って反応させて、白色固体を得た。収量:4.89g(72%)。
【0091】
E22−フルオロ−4−メチル安息香酸メチル
実施例E1からの2−フルオロ−4−メチル安息香酸(6.04g,39.18ミリモル)をトルエン(80ml)中に含む溶液に塩化チオニル(65ml,89.11ミリモル)を添加した。混合物を2.5時間還流加熱し、冷却し、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン(50ml)中に溶解し、メタノール(50ml)を添加した。混合物を室温で2.5時間撹拌した後、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン(100ml)中に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮して、黄褐色固体を得た。収量:5.07g(77%)。
【0092】
E34−ブロモメチル−2−フルオロ安息香酸メチル
実施例E2からの2−フルオロ−4−メチル安息香酸メチル(5.07g,30.16ミリモル)を実施例A1の方法に従って反応させた。生成物をEtOAc:石油エーテル(20:80)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。収量:5.9g(80%)。
【0093】
E44−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノメチル)−2−フルオロ安息香酸
実施例E3からの4−ブロモメチル−2−フルオロ安息香酸メチル(5.9g,24.13ミリモル)を実施例A2の方法に従って反応させた。生成物をジオキサン/石油エーテルから再結晶化して、白色結晶を得た。収量:2.46g(38%)。
【0094】
実施例F
(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−イル)メタノン
【0095】
【化19】

【0096】
F12−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンゾニトリル
2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン(0.80g,5.4ミリモル)をジクロロメタン(40ml)中に含む溶液に実施例Cからの4−シアノ−3−メチル安息香酸(0.96g,6.0ミリモル)、トリエチルアミン(0.75ml,5.4ミリモル)、4−ジメチルアミノピリジン(0.66g,5.4ミリモル)及びWSCDI(2.2g,11ミリモル)を添加した。混合物を還流下で18時間撹拌し、冷却し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAcと1M KHSOに分配した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をEtOAc:石油エーテル(30:70)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。収量:1.1g(70%)。
【0097】
F2(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−イル)メタノン
実施例F1からの2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンゾニトリル(430mg,1.48ミリモル)をメタノール(25ml)中に含む溶液に塩化コバルト(II)(710mg,3.0ミリモル)を添加し、氷水浴において冷却した。ホウ水素化ナトリウム(570mg,15ミリモル)を少しずつ添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を蒸発させ、1N HCl(aq)(20ml)を添加し、15分間撹拌した。混合物をセライト(登録商標)を介して濾過し、セライト(登録商標)を2−プロパノール:クロロホルム(20:80)(100ml)で洗浄した。混合物を分離し、水性層をジエチルエーテルで洗浄した。水性層を2N NaOH(aq)で塩基性とし、クロロホルムを添加し、混合物をセライト(登録商標)を介して濾過した。セライト(登録商標)をクロロホルムで洗浄した。混合物を分離し、有機層を乾燥し、蒸発させた。収量:340mg(78%)。
【0098】
実施例G
(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−イル)メタノン
【0099】
【化20】

【0100】
G14−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチル−ベンゾニトリル
実施例Cからの4−シアノ−3−メチル安息香酸(1.2g,7.5ミリモル)及び塩化チオニル(3.6ml,54ミリモル)をトルエン(20ml)中に含む溶液を2時間還流加熱した。混合物を蒸発させ、トルエンと共沸させた。残渣をジクロロメタン中に溶解し、10,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン(1.4g,7.5ミリモル)を添加し、混合物を18時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残渣をEtOAc:石油エーテル(30:70→80:20)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、クリーム色固体を得た。収量:1.5g(63%)。
【0101】
G2(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−イル)メタノン
実施例F2に記載されているのと同様の手順に従って、実施例G1からの4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンゾニトリル(1.5g,4.6ミリモル)を塩化コバルト(II)(2.2g,9.2ミリモル)及びホウ水素化ナトリウム(1.75g,46ミリモル)で処理して、薄黄色固体を得た。収量:680mg(44%)。
【0102】
実施例1
{6−フルオロ−5−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル}酢酸tert−ブチルエステル
【0103】
【化21】

【0104】
1A3−(2−フルオロ−6−ニトロフェニルアミノ)プロピオン酸メチルエステル
実施例B1からの1,2−ジフルオロ−3−ニトロベンゼン(500mg,3.1ミリモル)をアセトニトリル(25ml)中に含む溶液にβ−アラニンメチルエステル塩酸塩(440mg,3.1ミリモル)、フッ化カリウム(310mg,5.3ミリモル)、18−クラウン−6(84mg,0.3ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(1.2ml,7ミリモル)を添加した。混合物を還流下で2時間撹拌し、冷却し、真空中で蒸発させた。残渣を水とEtOAcに分配した。有機層をブラインで洗浄し、濾過し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(25:75)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。収量:650mg(86%)。
【0105】
1B6−フルオロ−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
実施例1Aからの3−(2−フルオロ−6−ニトロフェニルアミノ)プロピオン酸メチルエステル(650mg,2.7ミリモル)をメタノール(40ml)中に含む溶液を脱気し、ここにパラジウム/炭素(10%,200m)を添加した。水素ガスを混合物中に2時間通気し、セライト(登録商標)を介して濾過し、減圧下で減量した。残渣をプロパン−2−オール(20ml)中に溶解し、そこに酢酸(2ml)を添加した。混合物を18時間撹拌し、2時間還流加熱し、冷却し、真空中で減量し、トルエンと共沸させた。収量:480mg(99%)。
【0106】
1C(6−フルオロ−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)酢酸tert−ブチルエステル
氷水浴において冷却しながら、実施例1Bからの6−フルオロ−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(220mg,1.2ミリモル)をDMF(4ml)中に含む溶液に水素化ナトリウム(60%,48mg,1.2ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、10分間撹拌した。ブロモ酢酸tert−ブチル(190μl,1.2ミリモル)を添加し、混合物を18時間撹拌した。ブラインを添加し、混合物を真空中で蒸発させた。残渣をEtOAcとブラインに分配し、有機層を真空中で減量した。残渣をEtOAc:石油エーテル(60:40)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。収量:240mg(67%)。
【0107】
1D{6−フルオロ−5−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル}酢酸tert−ブチルエステル
実施例1Cからの(6−フルオロ−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル)酢酸tert−ブチルエステル(240mg,0.80ミリモル)をTHF(8ml)中に含む溶液にホスゲンのトルエン溶液(20%,0.55ml,1.1ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(190μl,1.1ミリモル)を添加した。混合物を2時間撹拌した。混合物に実施例Fからの(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−イル)メタノン(220mg,0.75ミリモル)をTHF(2ml)中に含む溶液及びジイソプロピルエチルアミン(190μl,1.1ミリモル)を添加した。混合物を18時間撹拌し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(80:20)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:295mg(64%)。M.S.:計算値m/e 614.72、実測値[M+H] 615.3。
【0108】
実施例2
{6−フルオロ−5−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル}酢酸
【0109】
【化22】

【0110】
実施例1からの{6−フルオロ−5−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル}酢酸tert−ブチルエステル(250mg,0.40ミリモル)をジクロロメタン(8ml)中に含む溶液にトリフルオロ酢酸(8ml)を添加した。混合物を90分間撹拌し、真空中で蒸発させ、トルエンと共沸させて、オフホワイト色固体を得た。収量:220mg(99%)。M.S.:計算値m/e 558.61、実測値[M+H] 559.2。
【0111】
実施例3
9−フルオロ−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド
【0112】
【化23】

【0113】
氷水浴において冷却しながら、実施例2からの{6−フルオロ−5−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル}酢酸(170mg,0.30ミリモル)をTHF(6ml)中に含む溶液にN−メチルモルホリン(47μl,0.43ミリモル)及びクロロギ酸イソブチル(57μl,0.43ミリモル)を添加した。混合物を1時間撹拌し、濾過し、氷水浴において冷却しながらホウ水素化ナトリウム(27mg,0.70ミリモル)を水(1.5ml)中に含む溶液に添加した。混合物を室温までゆっくり加温し、2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(2ml)を添加し、混合物を真空中で蒸発させた。残渣をクロロホルムと水に分配し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣をメタノール:ジクロロメタン(6:94)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:104mg(64%)。M.S.:計算値m/e 544.63、実測値[M+H] 545.2。
【0114】
実施例4
{1−[4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルカルバモイル]−8−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−イリデン}酢酸エチルエステル
【0115】
【化24】

【0116】
4A(8−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−イリデン)酢酸エチルエステル
氷水浴において冷却しながら、水素化ナトリウム(60%,97mg,2.42ミリモル)をTHF(5ml)中に含む懸濁液にホスホノ酢酸トリエチル(480μl,2.42ミリモル)を添加した。2時間後、8−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オンを添加し、混合物を50℃に加温し、16時間撹拌した。混合物を冷却し、ブラインを添加し、混合物を蒸発させた。残渣にEtOAc及びブラインを添加し、分離した。有機層を乾燥し、蒸発させ、残渣を100% 石油エーテル→石油エーテル:EtOAc(90:10)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、(8−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−イリデン)酢酸エチルエステルとして同定される緑色固体(収量:50mg,18%)及び(8−フルオロ−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)酢酸エチルエステルとして同定される緑色固体(収量:20mg,7%)を得た。
【0117】
4B{1−[4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルカルバモイル]−8−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−イリデン}酢酸エチルエステル
トルエン(2ml)中の実施例4Aからの(8−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−イリデン)酢酸エチルエステル(50mg,0.21ミリモル)、クロロギ酸トリクロロメチル(28μl,0.23ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン(41μl,0.23ミリモル)及び活性炭(小スパチュラ)の混合物を2時間還流加熱した。冷却した後、EtOAcを添加し、混合物をセライト(登録商標)を介して濾過し、蒸発させた。残渣をTHF中に取り、ここに実施例Gからの(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−イル)メタノン(77mg,0.23ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(41μl,0.23ミリモル)をジクロロメタン(2ml)中に含む溶液を添加した。混合物を18時間撹拌し、蒸発させ、残渣をEtOAc:石油エーテル(20:80→50:50)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:4mg(3%)。M.S.:計算値m/e 592.7、実測値[M+H] 593.2。
【0118】
実施例5
{1−[4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルカルバモイル]−8−フルオロ−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル}酢酸エチルエステル
【0119】
【化25】

【0120】
実施例4Bに記載されているのと同様の手順に従って、実施例4Aからの(8−フルオロ−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)酢酸エチルエステル(20mg,0.085ミリモル)をクロロギ酸トリクロロメチル(11μl,0.094ミリモル)及び実施例Gからの(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−イル)メタノン(31mg,0.094ミリモル)と反応させた。EtOAc:石油エーテル(20:80→50:50)を溶離液とし、シリカを用いて精製して、白色固体を得た。収量:4mg(8%)。M.S.:計算値m/e 592.7、実測値[M+H] 593.2。
【0121】
実施例6
{1−[4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルカルバモイル]−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル}酢酸エチルエステル
【0122】
【化26】

【0123】
実施例4からの{1−[4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルカルバモイル]−8−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−イリデン}酢酸エチルエステル及び実施例5からの{1−[4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルカルバモイル]−8−フルオロ−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル}酢酸エチルエステルの混合物(75mg,0.13ミリモル)をメタノール(50ml)中に溶解した。この溶液に触媒量の10% パラジウム/炭素を添加し、混合物を水素雰囲気下で6時間撹拌した。混合物をセライト(登録商標)を介して濾過し、蒸発させた。混合物をメタノール(50ml)中に再溶解し、更に触媒量の10% パラジウム/炭素を添加し、混合物を水素雰囲気下で3時間撹拌した。混合物を濾過し、蒸発させて、白色固体を得た。収量:74mg(97%)。M.S.:計算値m/e 594.7、実測値[M+H] 595.2。
【0124】
実施例7
{5−フルオロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸tert−ブチルエステル
【0125】
【化27】

【0126】
7A(5−フルオロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル)酢酸tert−ブチルエステル
氷水浴において冷却しながら、実施例Bからの5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン(475mg,2.86ミリモル)をTHF(10ml)中に含む溶液に水素化ナトリウム(60%,115mg,2.86ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、30分間撹拌し、氷水浴において冷却した。ブロモ酢酸tert−ブチル(460μl,2.86ミリモル)を添加し、混合物を室温までゆっくり加温し、18時間撹拌した。ブラインを添加し、混合物を真空中で蒸発させた。残渣をブラインとEtOAcに分配し、有機層を乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(40:60)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:500mg(62%)。
【0127】
7B{5−フルオロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸tert−ブチルエステル
実施例7Aからの(5−フルオロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル)酢酸tert−ブチルエステル(84mg,0.30ミリモル)をトルエン(4.0ml)中に含む溶液にクロロギ酸トリクロロメチル(36μl,0.30ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン(54μl,0.30ミリモル)及び活性炭(スパチュラ一杯)を添加した。混合物を2時間還流加熱し、冷却し、セライト(登録商標)を介して濾過し、EtOAcで洗浄し、真空中で蒸発させた。残渣をTHF(3.0ml)中に取り、氷水浴において冷却しながら実施例Fからの(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−イル)メタノン(85mg,0.29ミリモル)をTHF(3.0ml)中に含む溶液に添加した。混合物を室温まで加温し、1時間撹拌し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(75:25)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:120mg(66%)。
【0128】
実施例8
{5−フルオロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸
【0129】
【化28】

【0130】
実施例7Bからの{5−フルオロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸tert−ブチルエステル(105mg,0.175ミリモル)をジクロロメタン(4.0ml)中に含む溶液にトリフルオロ酢酸(4.0ml)を添加した。混合物を1.5時間撹拌し、真空中で蒸発させ、トルエンと共沸して、白色固体を得た。収量:95mg(100%)。
【0131】
実施例9
8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド
【0132】
【化29】

【0133】
実施例8からの{5−フルオロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸(70mg,0.13ミリモル)をTHF(4.0ml)中に含む溶液にN−メチルモルホリン(18μl,0.18ミリモル)を添加した。溶液を氷水浴において冷却し、クロロギ酸イソブチル(23μl,0.18ミリモル)を添加した。混合物を氷水浴において1時間撹拌し、濾過し、氷水浴においてホウ水素化ナトリウム(12mg,0.32ミリモル)を水(1.0ml)中に含む溶液に添加した。混合物を室温までゆっくり加温し、室温で1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム(1ml)を添加し、混合物を真空中で蒸発させた。残渣を水中に取り、クロロホルムで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥し、真空中で蒸発させた。収量:56mg(81%)。
【0134】
実施例10
8−フルオロ−3−オキソ−4−(2−オキソエチル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド
【0135】
【化30】

【0136】
実施例9からの8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド(105mg,0.20ミリモル)をジクロロメタン(5ml)中に含む溶液にデス・マーチン・ペルヨージナン(100mg,0.24mg)を添加した。混合物を2時間撹拌し、蒸発させた。残渣をクロロホルム及び水中に取り、分離した。有機層を乾燥し、蒸発させた。残渣をメタノール:ジクロロメタン(4:96)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:73mg(69%)。M.S.:計算値m/e 528.59、実測値[M+H] 529.4。
【0137】
実施例11
8−フルオロ−4−(2−メチルアミノエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド
【0138】
【化31】

【0139】
実施例10からの8−フルオロ−3−オキソ−4−(2−オキソエチル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド(53mg,0.1ミリモル)をメタノール(4.0ml)中に含む溶液にメチルアミン塩酸塩(68mg,1.0ミリモル)を添加した後、混合物を氷水浴において冷却した。ジイソプロピルエチルアミン(185μl,1.0ミリモル)を添加し、混合物を20分間撹拌した。酢酸(0.40ml)及びシアノホウ水素化ナトリウム(6.3mg,0.1ミリモル)を添加し、混合物を室温まで加温した。混合物を3時間撹拌し、トルエンで希釈し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAcと飽和炭酸水素ナトリウム溶液に分配し、分離した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣をジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン(95:4:1)を溶離液とするシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:22mg(41%)。M.S.:計算値m/e 543.64、実測値[M+H] 544.8。
【0140】
実施例12
[5−クロロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)−ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル]酢酸tert−ブチルエステル
【0141】
【化32】

【0142】
12Atert−ブチル−(2−クロロ−6−ニトロフェニル)アミン
2,3−ジクロロニトロベンゼン(5g,26ミリモル)、tert−ブチルアミン(7.4ml,71ミリモル)及びエタノール(2.5ml)の混合物を密封管において150℃で3日間加熱した。混合物を蒸発させ、残渣をEtOAc中に取り、水及びブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させて、黄色固体を得た。収量:5.3g(90%)。
【0143】
12B−tert−ブチル−3−クロロベンゼン−1,2−ジアミン
実施例12Aからのtert−ブチル−(2−クロロ−6−ニトロフェニル)−アミン(5.7g,25ミリモル)及び酢酸ナトリウム(112g,1.4モル)をメタノール(205ml)及び水(63ml)中に含む溶液に塩化チタン(III)(20〜30% 塩酸中10重量%,120ml,78ミリモル)を滴下した。混合物を2時間撹拌し、残留固体を溶解させるために水を添加し、有機溶媒を蒸発させた。混合物を固体炭酸水素ナトリウムで中和し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を乾燥し、蒸発させて、橙色固体を得た。収量:4.7g(94%)。
【0144】
12C4−tert−ブチル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン
−78℃に冷却しながら、実施例12BからのN−tert−ブチル−3−クロロベンゼン−1,2−ジアミン(4.1g,21ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(11ml,63ミリモル)をTHF(75ml)中に含む溶液に臭化ブロモアセチル(2.8ml,32ミリモル)を滴下した。混合物を室温まで18時間かけて加温し、溶媒を蒸発させた。クロロホルムを添加し、混合物を炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣にアセトニトリル(90ml)、ジイソプロピルエチルアミン(5.6ml,32ミリモル)及びヨウ化ナトリウム(3.2g,21ミリモル)を添加した。混合物を18時間還流加熱し、冷却し、蒸発させた。残渣をクロロホルム中に取り、水で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を石油エーテル:EtOAc(100:0→50:50)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、橙色固体を得た。収量:1.5g(29%)。
【0145】
12D5−クロロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン
実施例12Cからの4−tert−ブチル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン(1.5g,6.1ミリモル)を2N 硫酸(45ml)中に懸濁し、18時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を炭酸水素ナトリウムで中和し、EtOAcで抽出し、乾燥し、蒸発させた。残渣をエタノール(30ml)中に取り、氷浴において冷却した。ホウ水素化ナトリウム(460mg,12ミリモル)を添加し、混合物を2時間かけて室温まで加温した。水(1ml)を添加し、混合物を蒸発させた。残渣を氷水と摩砕し、濾過し、氷冷水で洗浄し、真空中で五酸化リンを用いて乾燥して、橙色固体を得た。収量:550mg(49%)。
【0146】
12E(5−クロロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル)酢酸tert−ブチルエステル
実施例1Cに記載されているのと同じ手順に従って、実施例12Dからの5−クロロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン(350mg,1.9ミリモル)を水素化ナトリウム(60%,84mg,2.1ミリモル)及びブロモ酢酸tert−ブチル(340μl,2.1ミリモル)と反応させた。生成物を石油エーテル:EtOAc(100:0→50:50)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、褐色固体を得た。収量:450mg(79%)。
【0147】
12F{5−クロロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸tert−ブチルエステル
1Dに記載されているのと同じ手順に従って、実施例12Eからの(5−クロロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル)酢酸tert−ブチルエステル(450mg,1.5ミリモル)をホスゲン(2.0ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(2.0ミリモル)で処理し、その後実施例Fからの(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−イル)メタノン(450mg,1.5ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(2.0ミリモル)で処理した。生成物を石油エーテル:EtOAc(100:0→50:50)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、薄赤色固体として得た。収量:510mg(54%)。M.S.:計算値m/e 617.15、実測値[M+H] 617.2(35Cl)。
【0148】
実施例13
4−シアノメチル−8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カメボニル)ベンジルアミド
【0149】
【化33】

【0150】
13A(5−フルオロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル)アセトニトリル
氷水浴において冷却しながら、実施例Bからの5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン(316mg,1.9ミリモル)をTHF(2.0ml)中に含む溶液に水素化ナトリウム(60%,84mg,2.1ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、30分間撹拌した。ブロモアセトニトリル(146μl,2.1ミリモル)を添加し、混合物を18時間撹拌した。ブラインを添加した後、混合物を真空中で蒸発させた。残渣をEtOAcと水に分配し、分離し、有機相を乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣を100% 石油エーテル→EtOAc:石油エーテル(20:80)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。収量:183mg(47%)。
【0151】
13B4−シアノメチル−8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド
実施例13Aからの(5−フルオロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル)アセトニトリル(183mg,0.89ミリモル)をTHF(2ml)中に含む溶液にホスゲンのトルエン溶液(20%,0.61ml,1.2ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(200μl,1.2ミリモル)を添加した。混合物を2時間撹拌した。この混合物に実施例Fからの(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−イル)メタノン(260mg,0.89ミリモル)をTHF(2ml)中に含む溶液及びジイソプロピルエチルアミン(155μl,0.89ミリモル)を添加した。混合物を2時間撹拌し、真空中で蒸発せた。残渣をEtOAc:石油エーテル(80:20)→EtOAc(100%)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:268mg(57%)。M.S.:計算値m/e 525.58、実測値[M+H] 526.1。
【0152】
実施例14
8−フルオロ−3−オキソ−4−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド
【0153】
【化34】

【0154】
実施例13からの4−シアノメチル−8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド(210mg,0.40ミリモル)をDMF(5ml)中に含む溶液にアジ化ナトリウム(78mg,1.2ミリモル)及び塩化アンモニウム(21mg,0.40ミリモル)を添加し、混合物を100℃で18時間撹拌した。混合物を冷却し、真空中で蒸発させた。残渣をCHCl(100%)→CHCl:メタノール:トリエチルアミン(97:2:1)→CHCl:メタノール:トリエチルアミン(94:4:2)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。生成物をクロロホルムと硫酸水素カリウムに分配し、分離し、有機相を乾燥し、真空中で蒸発させた。収量:33mg(15%)。M.S.:計算値m/e 568.61、実測値[M+H] 569.1。
【0155】
実施例15
4−(3−アミノプロピル)−8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド
【0156】
【化35】

【0157】
15A1−(3−アミノプロピル)−5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン
氷水浴において冷却しながら、実施例Bからの5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン(200mg,1.2ミリモル)をDMF(3ml)中に含む溶液に水素化ナトリウム(60%,48mg,1.2ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、10分間撹拌した。(3−ブロモプロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(290mg,1.2ミリモル)及びヨウ化ナトリウム(180mg,1.2ミリモル)を添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。ブラインを添加し、混合物を真空中で蒸発させた。残渣をEtOAcとブラインに分配し、分離し、有機相を乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(50:50)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色ガムを得た。収量:230mg(59%)。
【0158】
15B(3−{5−フルオロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}プロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例15Aからの1−(3−アミノプロピル)−5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン(115mg,0.36ミリモル)をTHF(4ml)中に含む溶液にホスゲンのトルエン溶液(20%,0.25ml,0.47ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(85μl,0.47ミリモル)を添加した。混合物を2時間撹拌した。混合物に実施例Fからの(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−イル)メタノン(106mg,0.36ミリモル)をTHF(1ml)中に含む溶液及びジイソプロピルエチルアミン(85μl,0.47ミリモル)を添加した。混合物を2時間撹拌し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(85:15)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:145mg(63%)。
【0159】
15C4−(3−アミノプロピル)−8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド
4N HCl/ジオキサンの溶液(10ml)に実施例15Bからの(3−{5−フルオロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}プロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(90mg,0.14ミリモル)を添加し、混合物を0.5時間撹拌した。混合物をトルエンで希釈し、真空中で蒸発させ、トルエンと共沸させて、薄黄色固体を得た。収量:82mg(100%)。M.S.:計算値m/e 543.641、実測値[M+H] 544.2。
【0160】
実施例16
8−フルオロ−4−(2−メトキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド
【0161】
【化36】

【0162】
16A5−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン
氷水浴において冷却しながら、実施例Bからの5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン(300mg,1.8ミリモル)をDMF(6.0ml)中に含む溶液に水素化ナトリウム(60%,72mg,1.8ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、0.5時間撹拌した。混合物を氷水浴において冷却し、2−ブロモエチルメチルエーテル(170μl,1.8ミリモル)及びヨウ化ナトリウム(140mg,0.9ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、18時間撹拌した。混合物をブラインで希釈し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAcとブラインに分配し、分離した。有機相を乾燥し、蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(55:45)を溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色ガムを得た。収量:200mg(50%)。
【0163】
16B8−フルオロ−4−(2−メトキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド
実施例16Aからの5−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン(100mg,0.44ミリモル)をトルエン(7.0ml)中に含む溶液にクロロギ酸トリクロロメチル(54μl,0.45ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン(81μl,0.45ミリモル)及び活性炭(スパチュラ一杯)を添加した。混合物を2時間還流加熱した。混合物を室温まで冷却し、セライン(登録商標)を介して濾過し、蒸発させた。残渣をTHF(5.0ml)中に取り、氷水浴において冷却しながら実施例Gからの(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−イル)メタノン(145mg,0.44ミリモル)をTHF(5.0ml)中に含む溶液及びジイソプロピルエチルアミン(81μl,0.45ミリモル)に添加した。混合物を室温まで加温し、18時間撹拌し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(90:10)を溶離液とするシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、オフホワイト色固体を得た。収量:200mg(78%)。M.S.:計算値m/e 581.64、実測値[M+H] 582.2。
【0164】
実施例17
{4−[4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルカルバモイル]−5−フルオロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸メチルエステル
【0165】
【化37】

【0166】
17A(5−フルオロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル)酢酸メチルエステル
氷水浴において冷却しながら、実施例Bからの5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン(150mg,0.90ミリモル)をDMF(3.0ml)中に含む溶液に水素化ナトリウム(60%,36mg,0.90ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、0.5時間撹拌した。混合物を再び氷水浴において冷却し、ブロモ酢酸メチル(85μl,0.90ミリモル)を添加した。混合物を室温までゆっくり加温し、18時間撹拌した。ブラインを添加し、混合物を真空中で蒸発させた。残渣をEtOAcとブラインに分配し、分離した。有機相を乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(40:60)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:140mg(65%)。
【0167】
17B{4−[4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルカルバモイル]−5−フルオロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸メチルエステル
実施例17Aからの(5−フルオロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル)酢酸メチルエステル(72mg,0.30ミリモル)をトルエン(5.0ml)中に含む溶液にクロロギ酸トリクロロメチル(36μl,0.30ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン(54μl,0.30ミリモル)及び活性炭(スパチュラ一杯)を添加した。混合物を2時間還流加熱した。混合物を室温まで冷却し、濾過し、セライト(登録商標)を介して濾過し、蒸発させた。残渣をTHF(4.0ml)中に取り、氷水浴において冷却しながら実施例Gからの(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(5H,11H−ベンゾ[b]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−イル)メタノン(99mg,0.30ミリモル)をTHF(4.0ml)中に含む溶液及びジイソプロピルエチルアミン(54μl,0.30ミリモル)に添加した。混合物を室温まで加温し、18時間撹拌し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(75:25)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:61mg(34%)。M.S.:計算値m/e 595.63、実測値[M+H] 596.2。
【0168】
実施例18
8−フルオロ−4−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチル−ベンジルアミド
【0169】
【化38】

【0170】
18A5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン
氷水浴において冷却しながら、実施例Bからの5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン(415mg,2.5ミリモル)をTHF(10ml)中に含む溶液に水素化ナトリウム(60%,100mg,2.5ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、0.5時間撹拌した。混合物を再び氷水浴において冷却し、ヨードメタン(156μl,2.5ミリモル)を添加した。混合物を室温までゆっくり加温し、3日間撹拌した。ブラインを添加し、混合物を真空中で蒸発させた。残渣をEtOAcとブラインに分配し、分離した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(45:55)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:210mg(47%)。
【0171】
18B8−フルオロ−4−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチル−ベンジルアミド
実施例18Aからの5−フルオロ−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン(72mg,0.40ミリモル)をトルエン(4.0ml)中に含む溶液にクロロギ酸トリクロロメチル(48μl,0.40ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン(72μl,0.40ミリモル)及び活性炭(スパチュラ一杯)を添加した。混合物を2時間還流加熱した。混合物を室温まで冷却し、セライン(登録商標)を介して濾過し、蒸発させた。残渣をTHF(3.0ml)中に取り、氷水浴において冷却しながら実施例Gからの(4−アミノメチル−3−メチル−フェニル)−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−イル)メタノン(119mg,0.36ミリモル)をTHF(50ml)中に含む溶液及びジイソプロピルエチルアミン(72μl,0.40ミリモル)に添加した。混合物を室温まで加温し、1.5時間撹拌し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(85:15)を溶離液とするシリカフラッュクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体を得た。収量:112mg(58%)。M.S.:計算値m/e 537.60、実測値[M+H] 538.2。
【0172】
実施例19
9−フルオロ−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド
【0173】
【化39】

【0174】
19A2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−フルオロ安息香酸
−50℃未満に冷却しながら、(2−フルオロフェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの溶液にtert−ブチルリチウムのペンタン溶液(1.7M,34ml,58ミリモル)を注意しながら添加した。混合物をこの温度で維持し、3時間撹拌した後THF及びドライアイスのスラリーに注いだ。混合物を室温まで加温し、水で希釈し、真空中で蒸発させた。残渣を水中に取り、ジエチルエーテルで洗浄した。0.3M 硫酸水素カリウム溶液をpH6まで添加し、クロロホルムで抽出した。クロロホルム抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し、減量して、白色固体を得た。収量:2.7g(37%)。
【0175】
19B2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−フルオロ安息香酸2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチルエステル
炭酸セシウム(1.63g,5.0ミリモル)をDMF(10ml)中に含む溶液に実施例19Aからの2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−フルオロ安息香酸(1.15g,4.5ミリモル)、(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(1.08g,4.5ml)及びヨウ化ナトリウム(680mg,4.5ml)を添加した。混合物を65℃で3時間加熱し、真空中で蒸発させた。残渣をクロロホルムとブラインに分配し、有機相を乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(15:85)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、無色ガムを得た。収量:1.1g(59%)。
【0176】
19C2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−フルオロ安息香酸2−ヒドロキシエチルエステル
氷水浴において冷却しながら、実施例19Bからの2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−フルオロ安息香酸2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチルエステル(1.2g,2.9ミリモル)をTHF(25ml)中に含む溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム(1.0M,5.8ml,5.8ミリモル)のTHF溶液を添加した。混合物を室温まで加温し、18時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(20ml)を添加し、混合物を1時間撹拌し、真空中で蒸発させた。残渣をクロロホルムと水に分配し、有機相を乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(90:10)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、無色ガムを得た。収量:180mg(21%)。
【0177】
19D9−フルオロ−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
氷水浴において冷却しながら、実施例19Cからの2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−フルオロ−安息香酸2−ヒドロキシエチルエステル(180mg,0.60ミリモル)をTHF(6.0ml)中に含む溶液にトリフェニルホスフィン(204mg,0.78ミリモル)及びジエチルアゾジカルボキシレート(136mg,0.78ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、3日間撹拌し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(70:30)、次いでEtOAc:石油エーテル(40:60)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:50mg(30%)。
【0178】
19E9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−5−オン塩酸塩
実施例19Dからの9−フルオロ−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(50mg,0.18ミリモル)を塩酸のジオキサン溶液(4N,3ml)に添加し、1時間撹拌した。混合物をトルエンで希釈し、真空中で蒸発させ、トルエンと共沸させて、白色固体を得た。収量:35mg(90%)。
【0179】
19F9−フルオロ−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド
実施例19Eからの9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−5−オン塩酸塩(22mg,0.12ミリモル)をトルエン(3.0ml)中に含む溶液にクロロギ酸トリクロロメチル(15μl,1.02ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン(22μl,0.12ミリモル)及び活性炭(スパチュラ一杯)を添加した。混合物を2時間還流加熱した。混合物を室温まで冷却し、セライ(登録商標)を介して濾過し、蒸発させた。残渣をTHF(2.0ml)中に取り、氷水浴において冷却しながら実施例Fからの(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−イル)メタノン(35mg,0.12ミリモル)をTHF(2.0ml)中に含む溶液及びジイソプロピルエチルアミン(22μl,0.12ミリモル)に添加した。混合物を室温まで加温し、2時間撹拌し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(80:20)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:12mg(20%)。M.S.:計算値m/e 501.6、実測値[M+H] 502.3。
【0180】
実施例20
9−フルオロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド
【0181】
【化40】

【0182】
20A2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−フルオロ安息香酸メチルエステル
炭酸セシウム(1.3g,4.0ミリモル)をDMF(5.0ml)中に含む懸濁液に実施例19Aからの2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−フルオロ安息香酸(890mg,3.5ミリモル)及びヨードメタン(230μl,3.8ミリモル)を添加した。混合物を18時間撹拌し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAcとブラインに分配し、有機層を乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(25:75)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:680mg(72%)。
【0183】
20B2−[(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチル)−tert−ブトキシカルボニルアミノ]−3−フルオロ安息香酸
氷水浴において冷却しながら、実施例20Aからの2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−フルオロ安息香酸メチルエステル(750mg,2.8ミリモル)をDMF(8.0ml)中に含む溶液に水素化ナトリウム(60%,120mg,3.0ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、30分間撹拌した。(2−ブロモエチル)カルバミン酸ベンジルエステル(360mg,2.8ミリモル)及びヨウ化ナトリウム(420mg,2.8ミリモル)を添加し、混合物を65℃で18時間加熱した。混合物を冷却し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAcとブラインに分配し、有機層を乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(30:70)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、無色ガムを得た。収量:340mg(27%)。
【0184】
20C9−フルオロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
実施例20Bからの2−[(2−ベンジルオキシカルボニルアミノエチル)−tert−ブトキシカルボニルアミノ]−3−フルオロ安息香酸(390mg,0.87ミリモル)、10% パラジウム/炭素(〜100mg)及び酢酸(1.0ml)をメタノール(25ml)中に含む溶液を大気圧下で1.5時間水素化した。混合物を濾過し、真空中で蒸発させ、トルエンと共沸させた。残渣をIPAと酢酸(90:10)混合物(35ml)中に取り、4時間還流加熱した。混合物を冷却し、真空中で蒸発させ、トルエンと共沸させて、白色固体を得た。収量:250mg(100%)。
【0185】
20D9−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−5−オン塩酸塩
実施例20Cからの9−フルオロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(245mg,0.88ミリモル)を塩酸のジオキサン溶液(4N,10ml)に添加し、1時間撹拌した。混合物をトルエンで希釈し、真空中で蒸発させ、トルエンと共沸させて、白色固体を得た。収量:170mg(90%)。
【0186】
20E9−フルオロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド
実施例20Dからの9−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−5−オン塩酸塩(20mg,0.11ミリモル)をトルエン(3.0ml)中に含む溶液にクロロギ酸トリクロロメチル(14μl,0.11ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン(20l,0.11ミリモル)及び活性炭(スパチュラ一杯)を添加した。混合物を2時間還流加熱した。混合物を室温まで冷却し、セライト(登録商標)を介して濾過し、蒸発させた。残渣をTHF(2.0ml)中に取り、氷水浴において冷却しながら実施例Fからの(4−アミノメチル−3−メチルフェニル)−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−イル)メタノン(32mg,0.11ミリモル)をTHF(2.0ml)中に含む溶液及びジイソプロピルエチルアミン(20μl,0.11ミリモル)に添加した。混合物を室温まで加温し、2時間撹拌し、真空中で蒸発させた。残渣をメタノール:CHCl(4:96)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:6mg(11%)。M.S.:計算値m/e 500.6、実測値[M+H] 501.4。
【0187】
実施例21
8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−[(2−フラン−2−イルフェニル)メチルカルバモイル]−2−メチルベンジルアミド
【0188】
【化41】

【0189】
21A2−フラン−2−イルフェニルアミン
2−ブロモアニリン(137mg,0.80ミリモル)をTHF(4.0ml)中に含む溶液に2−フランボロン酸(89mg,0.80ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(92mg,0.08ミリモル)及び炭酸ナトリウム溶液(2M,2.0ml.4.0ミリモル)を添加した。混合物を密封管においてマイクロ波反応器(20W)を用いて130℃で25分間加熱した。この手順を5回繰り返し、反応混合物を合わせた。混合物を分離し、水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣を石油エーテル:EtOAc(85:15)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、褐色油状物を得た。収量:211mg(33%)。
【0190】
21B4−シアノ−N−(2−フラン−2−イルフェニル)−3−メチルベンズアミド
実施例Cからの4−シアノ−3−メチル安息香酸(187mg,1.16ミリモル)をトルエン(10ml)中に含む溶液に塩化チオニル(452μl,5.8ミリモル)を添加した。混合物を2時間還流加熱し、冷却し、真空中で蒸発させ、トルエンと共沸させた。残渣をCHCl(5.0ml)中に取り、実施例21Aからの2−フラン−2−イルフェニルアミン(185mg,1.16ミリモル)及びトリエチルアミン(324μl,2.32ミリモル)をCHCl(5.0ml)中に含む溶液に添加した、混合物を18時間撹拌し、水とクロロホルムに分配し、分離した。有機相を乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣を石油エーテル:EtOAc(80:20)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体を得た。収量:233mg(66%)。
【0191】
21C4−シアノ−N−(2−フラン−2−イルフェニル)−3,N−ジメチル−ベンズアミド
氷水浴において冷却しながら、実施例21Bからの4−シアノ−N−(2−フラン−2−イルフェニル)−3−メチルベンズアミド(222mg,0.734ミリモル)をDMF(8.0ml)中に含む溶液に水素化ナトリウム(60%,44mg,1.10ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、45分間撹拌した。ヨードメタン(68μl,1.10ミリモル)を添加し、混合物を18時間撹拌した。混合物を真空中で蒸発させ、残渣をEtOAc中に取り、ブラインで洗浄し、乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣を石油エーテル:EtOAc(80:20)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、褐色固体を得た。収量:198mg(85%)。
【0192】
21D4−アミノメチル−N−(2−フラン−2−イルフェニル)−3,N−ジメチルベンズアミド
実施例21Cからの4−シアノ−N−(2−フラン−2−イルフェニル)−3,N−ジメチル−ベンズアミド(198mg,0.626ミリモル)をメタノール(10ml)中に含む溶液にコバルト(II)六水和物(300mg,1.25ミリモル)を添加した。混合物を氷水浴において冷却し、ホウ水素化ナトリウム(237mg,6.26ミリモル)を少しずつ添加した。混合物を室温まで加温し、2時間撹拌した。アンモニア溶液(4.0ml)を添加し、混合物を30分間撹拌し、セライト(登録商標)を介して濾過し、真空中で蒸発させた。残渣をクロロホルム及びブライン中に取り、セライト(登録商標)を介して濾過し、分離し、有機層を乾燥し、真空中で蒸発させて、白色固体を得た。収量:200mg(100%)。
【0193】
21E1−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン
氷水浴において冷却しながら、実施例Bからの5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン(530mg,3.2ミリモル)の溶液に水素化ナトリウム(60%,128mg,3.2ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、10分間撹拌した。(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(789mg,3.3ミリモル)及びヨウ化ナトリウム(495mg,3.3ミリモル)を添加し、混合物を18時間撹拌した。ブラインを添加し、混合物を真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc及びブライン中に取り、分離し、有機層を乾燥し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc:石油エーテル(40:60)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色固体を得た。収量:600mg(58%)。
【0194】
21F4−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−[(2−フラン−2−イルフェニル)メチルカルバモイル]−2−メチルベンジルアミド
実施例21Eからの1−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン(110mg,0.34ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(77μl,0.44ミリモル)をTHF(8.0ml)中に含む溶液及びホスゲンのトルエン溶液(20%,233μl,0.44ミリモル)を一緒に2時間撹拌した。実施例21Dからの4−アミノメチル−N−(2−フラン−2−イルフェニル)−3,N−ジメチルベンズアミド(108mg,0.34ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(77μl,0.44ミリモル)をTHF(5.0ml)中に含む溶液を添加し、混合物を18時間撹拌し、真空中で蒸発させた。残渣を直接実施例21Gに記載の合成の次ステップに使用した。
【0195】
21G8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−[(2−フラン−2−イルフェニル)メチルカルバモイル]−2−メチルベンジルアミド
氷水浴において冷却しながら、実施例21Fからの4−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−[(2−フラン−2−イルフェニル)メチルカルバモイル]−2−メチルベンジルアミド(0.34ミリモル)をTHF(5.0ml)中に含む溶液にフッ化テトラブチルアンモニウムのTHF溶液(1.0M,1.0ml,1.0ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、3日間撹拌した。混合物を真空中で蒸発させ、残渣をCHCl中に取り、塩化アンモニウム溶液で洗浄した。有機相を乾燥し、真空中で蒸発させ、残渣をCHCl:メタノール(95:5)を溶離液とするシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体を得た。収量:120mg(64%)。
【0196】
上記方法に従って、以下の化合物も製造した。
【0197】
【表1】


















【0198】
実施例220:インビトロでのV受容体アゴニスト活性の測定
すべての化合物についてV受容体アゴニスト活性を測定し、本発明の化合物はすべて30μM以下の濃度で明らかな細胞活性化を生起する。好ましい化合物は300nM以下の濃度で有意な活性化を生起し、AVPと同一の最大効果を誘発し得る。
【0199】
実施例221:錠剤のための医薬組成物
100mgの実施例43の化合物を活性物質として含有する錠剤を以下の成分から製造する:
実施例43の化合物 200.0g
コーンスターチ 71.0g
ヒドロキシプロピルセルロース 18.0g
カルボキシメチルセルロースカルシウム 13.0g
ステアリン酸マグネシウム 3.0g
ラクトース 195.0g
合計 500.0g
材料を混合した後、プレスすると、250mgの錠剤2000個が得られる。各錠剤は実施例43の化合物を100mg含有している。
【0200】
上記実施例から、本発明の範囲内の化合物は一般的な化学技術を用いて容易に製造され、これらの化合物がV受容体アゴニストと予想される生物学的特性を有することが立証される。よって、本発明の化合物は現在デスモプレシンで治療可能なヒト疾患(例えば、中枢性尿崩症、夜尿症及び夜間多尿症)の治療において有用であり得ることは明らかである。更に、デスモプレシンのような抗利尿薬は特定タイプの尿失禁において有用であり得ることが示唆されている。これらの議論は本発明の化合物にも敷衍される。
【0201】
デスモプレシンは特定の凝血障害の治療にも使用される。この作用はV受容体を介して媒介されることを示唆する明らかな証拠もあり(例えば、J.E.Kaufmannら,“Vasopressin−induced von Willebrand factor secretion from endothelial cells involves V receptors and cAMP”,J.Clin.Invest.,106:107−116(2000);A.Bernatら,“V receptor antagonism of DDAVP−induced release of hemostasis factors in conscious dogs”,J.Pharmacol.Exp.Ther.,282:597−602(1997)を参照されたい)、よって本発明の化合物は有用な凝血原であると予想される。
【0202】
引用されている文献はすべて参照により本明細書中に含まれるとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式1を有する化合物、またはその互変異性体または医薬的に許容され得る塩である化合物
【化1】

[式中、
WはN及びCRから選択され、
XはCH(R)、O、S、N(R)、C(=O)、C(=O)O、C(=O)N(R)、OC(=O)、N(R)C(=O)、C(R)=CH及びC(R)から選択され、

一般式2〜9から選択される二環式または三環式縮合アゼピン誘導体または一般式10に従うアニリン誘導体であり、
【化2】

、A、A及びA10は各々独立してCH、C=O、O及びNR10から選択され、
、A、A、A11、A13、A14、A15、A19及びA20は各々独立してCH及びNから選択され、
が共有結合であり且つAがSであるか;またはAがN=CHであり且つAが共有結合であり、
、A12、A18及びA21は各々独立してCH=CH、NH、NCH及びSから選択され、
16及びA17は両方がCHであるか;またはA16及びA17の一方がCHであり且つ他方がC=O、CH(OH)、CF、O、SO及びNR10から選択され、
YはCH=CHまたはSから選択され、
及びRは独立してH、F、Cl、Br、アルキル、CF及びO−アルキルから選択され、
はH及びアルキルから選択され、
〜Rは独立してH、F、Cl、Br、アルキル、CF、OH及びO−アルキルから選択され、
はH、(CH及び(C=O)(CHから選択され、
はH、アルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、OH、O−アルキル、OC(=O)アルキル、NH、NHアルキル、N(アルキル)、CHO、COH、COアルキル、CONH、CONHアルキル、CON(アルキル)及びCNから選択され、
10はH、アルキル、COアルキル及び(CHOHから選択され、
11はアルキル、(CHAr、(CHOH、(CHNH、(CHCOOアルキル、(CHCOOH及び(CHOArから選択され、
12及びR13は各々独立してH、アルキル、F、Cl、Br、CH(OCH、CHF、CF、COOアルキル、CONHアルキル、(CHNHCHAr、CON(アルキル)、CHO、COOH、(CHOH、(CHNH、N(アルキル)、CONH(CHAr及びArから選択され、
Arは場合により置換されているヘテロ環または場合により置換されているフェニルから選択され、
aは1、2及び3から選択され、
bは1、2、3及び4から選択され、
cは0、1及び2から選択され、
dは0、1、2及び3から選択される]。
【請求項2】

【化3】

(式中、R11、R12及びR13は上に定義した通りである)
から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】

【化4】

(式中、R11及びR12は上に定義した通りである)
から選択される請求項2に記載の化合物。
【請求項4】

【化5】

から選択される請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
、R及びRの少なくとも1つはHでない請求項1ないし4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
、R及びRの1つはメチル、ClまたはFであり、残りはHである請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
はメチルまたはClであり、R及びRは共にHである請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
WはC−F、C−ClまたはC−Brである請求項1ないし7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
WはC−Fである請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
XはN(R)C(=O)であり、及びaは1である請求項1ないし9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
XはN(R)C(=O)であり、Rは(CHであり、及びaは1である請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
はHまたはFであり、及びR及びRは共にHである請求項1ないし11のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
WはCRであり、XはN(R)C(=O)であり、RはHであり、RはメチルまたはClであり、RはHであり、RはFであり、ならびにR、R及びRはHであり、ならびにaは1である請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
は一般式7(ここで、YはCH=CHであり、A16はCHであり、A17はCHである)に従う基であり、RはHであり、RはメチルまたはClであり、及びRはHである請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
は一般式2(ここで、YはCH=CHであり、AはCHであり、A及びAは共にCHである)に従う基であり、RはHであり、RはメチルまたはClであり、及びRはHである請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
{1−[4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルカルバモイル]−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル}酢酸エチルエステル、
{4−[4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルカルバモイル]−5−フルオロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸メチルエステル、
{5,6−ジフルオロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸、
{5−クロロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸、
{5−フルオロ−4−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル}酢酸、
{6−フルオロ−5−[2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルカルバモイル]−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−イル}酢酸、
4−(3−アミノプロピル)−8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
4−シアノメチル−8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
4−シアノメチル−8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
7,8−ジフルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
7,8−ジフルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
8−クロロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−クロロ−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(6,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−5−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
8−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−[5−(2−ヒドロキシエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボニル]−2−メチルベンジルアミド、
8−フルオロ−3−オキソ−4−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−3−オキソ−4−(2−オキソエチル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(7,8−ジヒドロ−6H−5−オキサ−9−アザベンゾシクロヘプテン−9−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
8−フルオロ−4−(2−メトキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
8−フルオロ−4−(2−メチルアミノエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−4−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−(4H,10H−3,3a,9−トリアザ−ベンゾ[f]アズレン−9−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−4−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−(5H,11H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10−カルボニル)−2−メチルベンジルアミド、
9−フルオロ−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
9−フルオロ−5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
9−フルオロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸2−メチル−4−(2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]アゼピン−1−カルボニル)ベンジルアミド、
8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸4−[(2−フラン−2−イルフェニル)メチルカルバモイル]−2−メチルベンジルアミド、及び
8−フルオロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−カルボン酸2−メチル−4−[メチル−(2−チオフェン−2−イルフェニル)カルバモイル]ベンジルアミド
から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれかに記載の化合物を活性物質として含む医薬組成物。
【請求項18】
経口投与のため、好ましくは錠剤、カプセル剤またはサッシェ剤として製剤化される請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
中枢性尿崩症、夜尿症、夜間多尿症により生ずる多尿を含めた多尿、尿失禁のコントロール、排尿の延期及び出血障害から選択される状態を治療するための請求項17または18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
中枢性尿崩症、夜尿症、夜間多尿症により生ずる多尿を含めた多尿、尿失禁のコントロール、排尿の延期及び出血障害から選択される状態を治療するための請求項1ないし16のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項21】
治療を要するヒトに対して請求項1ないし16のいずれかに記載の化合物を有効量投与することを含む夜尿症、夜間多尿症、尿崩症、尿失禁及び出血障害から選択される疾患の治療方法。

【公表番号】特表2008−509972(P2008−509972A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526462(P2007−526462)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054081
【国際公開番号】WO2006/018443
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(500297535)フェリング ベスローテン フェンノートシャップ (36)
【Fターム(参考)】