説明

抗炎症性アリールニトリル化合物

炎症性及び免疫の状態及び疾患の治療に有用である化合物(I)、組成物及び方法を、本明細書に提供する。特に、本発明は、ケモカイン受容体の発現及び/又は機能を調整するアリールニトリル化合物を提供する。本方法は、多発性硬化症、リウマチ様関節炎、I型糖尿病、喘息、乾癬及び炎症性腸疾患などの炎症性及び免疫調節性の障害及び疾患の治療に有用である。全ての定義は、請求項1に与えられたとおりである。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1. 技術分野)
本発明は、CXCR3受容体の新規アリールニトリルモジュレーター、新規化合物を含む組成物、並びに例えば喘息及びアレルギー疾患、並びにリウマチ様関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患、乾癬及びアテローム性動脈硬化症などの自己免疫性病態を含む、炎症性及び免疫調節性の障害及び疾患の治療のためのこれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(2. 本発明の背景)
ケモカインは、マクロファージ、T細胞、好酸球、好塩基球及び好中球を炎症部位に誘引するために多種多様な細胞によって放出される走化性サイトカインである(Schall, Cytokine, 3:165-183 (1991), Schallらの論文, Curr. Opin. Immunol., 6:865-873 (1994)及びMurphyの論文, Rev. Immun., 12:593-633 (1994)において概説されている)。応答性細胞のケモカインにより、走化性を刺激することに加えて、細胞形態、細胞内遊離カルシウムイオン([Ca2+])i濃度の一過性上昇、顆粒開口分泌、インテグリンアップレギュレーション、生理活性脂質(例えば、ロイコトリエン)の形成及び白血球活性化と関連した呼吸バーストの変化を含むその他の変化を選択的に誘導することができる。従って、ケモカインは、炎症反応の初期の引き金であり、感染又は炎症の部位への炎症性メディエーター放出、走化性及び血管外遊走を生じさせる。
【0003】
最初の2つのシステインが単一アミノ酸(C-X-C)によって分離されているか、隣接するか(C-C)、システイン対を欠損したか(C)、又は3アミノ酸(CXC3)によって分離されているかどうかに応じて、ケモカイン、CXC(α)、CC(β)、C(γ)及びCX3C(δ)の4分類がある。インターロイキン-8(IL-8)、黒色腫増殖刺激性活性タンパク質(MGSA)及び間質細胞由来1因子(SDF-1)などのαケモカインは、主に好中球及びリンパ球に対して走化性であるが、RANTES、MIP-1α、MIP-1β、単球走化性タンパク質-1(MCP-1)、MCP-2、MCP-3及びエオタキシンなどのβ-ケモカインは、マクロファージ、T細胞、好酸球及び好塩基球に対して走化性である(Dengらの論文, Nature, 381:661-666 (1996))。Cケモカインリンホタクチンは、リンパ球に対する特異性を示し(Kelnerらの論文, Science, 266:1395-1399 (1994))、一方、CX3Cケモカインフラクタルキンは、リンパ球及び単球に対する特異性を示す(Bazanらの論文 , Nature, 385:640-644 (1997))。
【0004】
ケモカインは、「ケモカイン受容体」と名付けられたGタンパク質結合7回膜貫通ドメインタンパク質のファミリーに属する特異的細胞表面受容体に結合する(Horuk, Trends Pharm. Sci., 15:159-165 (1994)において概説されている)。これらの同族リガンドの結合により、ケモカイン受容体は、会合したヘテロ三量体Gタンパク質を介して細胞内シグナルを伝達し、細胞内カルシウム濃度の迅速な増大を生じる。以下の特徴パターンを備えたβ-ケモカインに結合するか、又は反応する少なくとも12個のヒトケモカイン受容体がある:CCR1(又は「CKR-1」若しくは「CC-CKR-1」)MIP-1α、MIP-1β、MCP-3、RANTES(Ben-Barruchらの論文, J. Biol. Chem., 270:22123-22128 (1995); Neoteらの論文, Cell, 72:415-425 (1993));CCR2A及びCCR2B(又は「CKR-2A」/「CKR-2A」若しくは「CC-CKR-2A」/「CC-CKR2A」)MCP-1、MCP-3、MCP-4;CCR3(又は「CKR-3」若しくは「CC-CKR-3」)エオタキシン、RANTES、MCP;(Ponathらの論文, J. Exp. Med., 183:2437-2448 (1996));CCR4(又は「CKR-4」若しくは「CC-CKR-4」)TARC、MDC(Imaiらの論文, J.Biol. Chem., 273:1764-1768 (1998));CCR5(又は「CKR-5」若しくは「CC-CKR-5」)MIP-1α、RANTES、MIP-1β(Sansonらの論文, Biochemistry, 35:3362-3367 (1996));CCR6 MIP-3α(Greavesらの論文, J. Exp. Med., 186:837-844 (1997));CCR7 MIP-3β及び6Ckine(Campbellらの論文, J. Cell. Biol., 141:1053-1059(1998));CCR8 I-309、HHV8 vMIP-I、HHV-8 vMIP-II、MCV vMCC-I(Dairaghiらの論文, J. Biol. Chem., 274:21569-21574 (1999));CCR9 TECK(Zaballosらの論文, J. Immunol., 162:5671-5675 (1999))、D6 MIP-1β、RANTES及びMCP-3(Nibbsらの論文, J. Biol. Chem., 272:32078-32083 (1997))並びにダフィ式血液型抗原RANTES、MCP-1(Chaudhunらの論文, J. Biol. Chem., 269:7835-7838 (1994))。
【0005】
CCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CX3CR1及びXCR1などのケモカイン受容体は、喘息及びアレルギー疾患、並びにリウマチ様関節炎及びアテローム性動脈硬化症などの自己免疫病態を含む炎症性及び免疫調節性の障害並びに疾患の重要なメディエーターであるとして意味づけられていた。
【0006】
CXCR3ケモカイン受容体は、主にTリンパ球に発現され、その機能的活性は、サイトゾルカルシウム上昇又は走化性によって測定することができる。受容体は、以前にはGPR9又はCKR-L2と呼ばれた。その染色体位置は、Xq13に局在化することにおいてケモカイン受容体の中では異常である。選択的であり、及び高親和性である同定されたリガンドは、CXCケモカイン、IP10、MIG及びITACである。
【0007】
CXCR3の高度に選択的な発現により、これは、不適当なT細胞輸送を中断する介入のための理想的な標的となる。このような介入のための臨床的指標は、多発性硬化症、リウマチ様関節炎及びI型糖尿病などのT細胞を媒介した自己免疫疾患にある。また、不適当なT細胞浸潤は、乾癬及びその他の病原性皮膚炎症状対において引き起こされるが、該疾患は、真の自己免疫疾患ではないであろう。この点に関しては、ケラチノサイトにおけるIP-10発現のアップレギュレーションは、皮膚免疫病態における共通の特色である。CXCR3の阻害は、臓器移植において拒絶反応を減少させるのに有益であり得る。一定の腫瘍、特にB細胞悪性腫瘍サブセットにおけるCXCR3の異所性の発現は、CXCR3の選択的阻害剤が腫瘍免疫療法、特に転移の減弱に価値を有することを示す。
【0008】
CXCR3の臨床的重要性からみて、CXCR3機能を調整する化合物の同定は、新たな治療薬の開発において魅力的な手法を提示する。国際公開番号WO02/083143は、例えばCXCR3アンタゴニストを記述する。CXCR3モジュレーターの研究により、新たな化合物を導くことが認識される新たな開発及び改善を本明細書において提供した。
【発明の開示】
【0009】
(3. 本発明の要旨)
本発明は、例えば喘息、乾癬、炎症性腸疾患及びアレルギー疾患、並びにリウマチ様関節炎及び多発性硬化症などの自己免疫病状を含む、特定の炎症性及び免疫調節性の障害並びに疾患の治療又は予防に有用である化合物を提供する。
【0010】
一つの態様において、提供される化合物は、一般式Iを有する:
【化1】

【0011】
式中、Xは、結合、-C(O)-、-C(R5)(R6)-、-C(R5)=、-S(O)-、-S(O)2-及び-N=からなる群から選択されるメンバーであり;Zは、結合、-N=、-O-、-S-、-C(R7)=及び-N(R14)-からなる群から選択されるメンバーであり、ただしX及びZは、両方とも結合ではないという条件であり:Lは、結合、C(O)-(C1-C8)アルキレン、(C1-C8)アルキレン及び(C2-C8)ヘテロアルキレンからなる群から選択されるメンバーであり;Qは、(C1-C8)アルキレン、-C(O)-、-OC(O)-、-N(R8)C(O)-、-CH2CO-、-CH2SO-、及び-CH2SO2-からなる群から選択されるメンバーであり;又は、任意に、L及びQは、共に連結して1〜3個のヘテロ原子を有する5若しくは6員の複素環基を形成することができる。R1及びR2は、独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択されるか、又は任意に結合して環頂点として0〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員環を形成し;任意に、R2は、Lと共に連結して1〜4個のヘテロ原子を有する5員又は6員の複素環基を形成することができる。R3は、存在しないか、又はヒドロキシ、(C1-C8)アルコキシ、アミノ、(C1-C8)アルキルアミノ、ジ(C1-C8)アルキルアミノ、(C1-C20)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、シクロ(C3-C9)ヘテロアルキル、(C1-C8)アシルアミノ、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、シアノ、ヘテロアリール、-CONR9R10及び-CO2R11からなる群から選択されるメンバーであり、又は、任意に、R3は、R2と結合して、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む4員環、5員環、6員環、7員環又は8員環を形成してもよい。R4は、(C2-C20)アルキル、(C2-C20)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C6)ヘテロアルキル、アリール(C1-C6)アルキル及びアリール(C2-C6)ヘテロアルキルからなる群から選択されるメンバーである。R5及びR6は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択されるメンバーであるか、又は任意に、R5及びR6は、結合して3〜7員環形成する。R7及びR8は、独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択される。それぞれR9、R10及びR11は、独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール(C1-C8)アルキル及びアリール(C2-C8)ヘテロアルキルからなる群から選択される。Rx、Ry及びRzは、それぞれ独立してH、F、又はシアノであり、式中Rx、RY及びRzの少なくとも1つは、シアノである。
【0012】
次に環頂点Y1、Y2、Y3及びY4に移って:Y1及びY2は、独立して-C(R12)=、-CH(R12)-、-N=、-O-、-S-、及び-N(R13)-からなる群から選択されるメンバーである。Y3は、N又はCであり、式中Y3がCであるときに、Y3は、Y2、Y4又はZと二重結合を共有する。Y4は、N又はCであり、式中Y4がCであるときに、Y4は、X、Y1又はY3と二重結合を共有する。それぞれのR12は、H、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(C1-C8)アルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択されるメンバーであり、又は任意に、Y1及びY2がそれぞれ-C(R12)=又は-CH(R12)-の1つであるときに、2つのR12基は結合して、置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができる。任意に、Y1が-C(R12)=又は-CH(R12)-であり、かつXが-C(R5)=又は-C(R5)(R6)-であるときに、R12及びR5は結合して、置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができる。それぞれのR13は、H、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール(C1-C8)アルキル及びアリール(C2-C8)ヘテロアルキルからなる群から選択されるメンバーである。任意に、Y1及びY2が-C(R12)=又は-CH(R12)-であり、かつその他が-N(R13)-であるときに、R12及びR13は結合して、置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができ、或いは任意に、Y1及びY2が両方とも-N(R13)-であるときに、2つのR13基は結合して、置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができる。R14は、H、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール(C1-C8)アルキル及びアリール(C2-C8)ヘテロアルキルからなる群から選択されるメンバーであり、或いは任意に、Y2が-C(R12)=、-CH(R12)-又は-N(R13)-であるときに、R14又はR7は、R12又はR13と結合して、置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができる。
当業者には明らかであるように、X、Y1、Y2、Y3、Y4及びZを含む環は、芳香族であることができる。
他に示されない限り、上の式で提供される化合物は、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ又は異性体を含むことが意味される。
【0013】
もう一つの態様において、本発明は、式IIを有する化合物を提供する:
【化2】

式中、
L、Q、R2、R3、R4、Y4及びZは、式Iにおいて上記したとおりであり;かつ、Y1及びY2は、それぞれ独立して-C(R12)=、-N=、-O-、-S-、及び-N(R13)-からなる群から選択されるメンバーであり、式中、それぞれのR12は、独立してH、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(C1-C8)アルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択されるメンバーであり、それぞれのR13は、H、(C1-C8)アルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール(C1-C8)アルキル及びアリール(C2-C6)ヘテロアルキルからなる群から選択されるメンバーである。
当業者には明らかであるように、Y1、Y2、Y4及びZを含む環は、芳香族であることができる。
【0014】
もう一つの態様において、提供される化合物は、式IIIを有する:
【化3】

式中、L、Q、R2、R3、R4及びそれぞれのR12は、式IIにおいて上記したとおりである。
【0015】
もう一つの態様において、提供される化合物は、式IVを有する:
【化4】

【0016】
式中、L、Q、R1、R2、R3、R4、Rx、Ry、Rz、X及びY4は、式Iにおいて上記したとおりであり;
Zは、-N=又は-CH=であり;Y1は、N又はCであり、式中Y1がCであるときに、Y1は、A1、Y2、X又はY4と二重結合を共有し;Y2は、Cであり、式中、炭素原子は、A4、Y1又はZと二重結合を共有し;A1、A3及びA4は、それぞれ独立して-N=、-N(R15)-、-S-、=C(R16)-、-C(R16)(R17)-、-C(O)-又は-O-であり;A2は、結合、-N=、-N(R15)-、=C(R16)、-C(R16)(R17)-又は-C(O)-であり;かつ、それぞれR15、R16及びR17は、独立してH、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C1-C8)アルキル、ヘテロアリール(C1-C8)アルキル、-OR'、-OC(O)R'、-NR'R''、-SR'、-R'、-CN、-NO2、-CO2R'、-CONR'R''、-C(O)R'、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR''C(O)2R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NHC(NH2)NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-N3、-CH(Ph)2、ペルフルオロ(C1-C4)アルコキシ及びペルフルオロ(C1-C4)アルキルからなる群から選択されるメンバーであり、式中、R'、R''、及びR'''はそれぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、(非置換アリール)-(C1-C4)アルキル、及び(置換されいていないアリール)オキシ-(C1-C4)アルキルである。
当業者には明らかであるように、A1、A2、A3、A4、Y1及びY2を含む環若しくはX、Y1、Y2、Y3、Y4及びZを含む環のいずれか、又は両方の環は、芳香族であることができる。
【0017】
もう一つの態様において、提供される化合物は、式Vを有する:
【化5】

式中、L、Q、R2、R3及びR4は、式IVにおいて上記したとおりであり;A1、A2及びA3は、それぞれ独立して-C(R16)(R17)-又は-C(O)-であり;A4は、-N(R15)-又は-C(R16)(R17)-であり、それぞれのR15、R16及びR17は、独立してH、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C1-C8)アルキル又はヘテロアリール(C1-C8)アルキルである。
【0018】
もう一つの態様において、提供される化合物は、式VIを有する:
【化6】

式中、L、Q、R2、R3、R4、R16、Ry、Rz及びA4は、式IVにおいて上記したとおりである。
【0019】
もう一つの態様において、提供される化合物は、式VIIを有する:
【化7】

式中、L、Q、R2、R3、R4及びR16は、式IVにおいて上記したとおりである。
【0020】
もう一つの態様において、提供される化合物は、式VIIIを有する:
【化8】

式中、L、Q、R2、R3、R4及びR16は、式IVにおいて上記したとおりである。
【0021】
もう一つの態様において、提供される化合物は、式IXを有する:
【化9】

式中、L、Q、R2、R3、R4及びR16は、式IVにおいて上記したとおりである。
【0022】
また、本発明は、式I〜IXの化合物と医薬として許容し得る賦形剤又は担体とを含む医薬組成物を提供する。
本発明は、炎症性若しくは免疫性の状態又は疾患を治療する方法であって、このような治療を必要とする対象に式I〜IXの化合物の治療上有効量を投与することを含む方法を更に提供する。
【0023】
また、本発明は、CXCR3ケモカイン受容体を媒介した状態又は疾患を治療する方法であって、このような治療を必要とする対象に式I〜IXの化合物の治療上有効量を投与することを含む方法を提供する。
また、本発明は、細胞を式I〜IXの化合物と接触させることを含む、CXCR3の調整方法を提供する。
本発明は、CXCR3タンパク質を式Iの化合物と接触させることを含む、CXCR3の調整方法をさら提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(4. 発明の詳細な説明)
(4.1. 定義)
「アルキル」という用語は、それ自体で、又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、直鎖若しくは分枝鎖又は環状炭化水素ラジカル、又はその組み合わせを意味し、これらは、完全に飽和したか、一価又は多価不飽和であってもよく、かつ指定された炭素原子数を有する二価及び多価ラジカルを含むことができる(すなわち、C1-C10は、1〜10炭素を意味する)。飽和炭化水素ラジカルの例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、相同体及び異性体、例えばn-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどの基を含む。不飽和アルキル基は、1つ以上の二重結合又は三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例には、ビニル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(l,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-及び3-プロピニル、3-ブチニル、並びにより高級の相同体及び異性体を含む。
【0025】
「アルキレン」という用語は、それ自体で、又は別の置換基の一部として、-CH2CH2CH2CH2-によって例証されるようなアルカンに由来する二価ラジカルを意味し、更に、「ヘテロアルキレン」として下に記述した基を含む。典型的には、アルキル(又はアルキレン)基は、1〜24炭素原子を有し、10個以下の炭素原子を持つ基が、本発明において好ましい。「低級アルキル」又は「低級アルキレン」は、一般に8個以下の炭素原子を有するより短鎖のアルキル又はアルキレン基である。
【0026】
「アルコキシ」、「アルキルアミノ」及び「アルキルチオ」(又はチオアルコキシ)という用語は、これらの従来の意味で使用され、それぞれ酸素原子、アミノ基又は硫黄原子を介して分子の残部に結合されたアルキル基をいう。同様に、ジアルキルアミノという用語は、同じか、又は異なることができる2つの結合したアルキル基を有するアミノ基をいう。
【0027】
「ヘテロアルキル」という用語は、それ自体で、又は別の用語と組み合わせて、特に明記しない限り、明示された炭素原子数からなり、かつO、N、Si及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子からなり安定な直鎖若しくは分枝鎖又は環状炭化水素ラジカル、又はそれらの組み合わせを意味し、窒素及び硫黄原子は、任意に酸化されていてもよく、かつ窒素ヘテロ原子は、任意に四級化されていてもよい。ヘテロ原子O、N及びSは、ヘテロアルキル基のいずれの内部の位置に置かれてもよい。ヘテロ原子Siは、アルキル基が分子の残部に結合される位置を含む、ヘテロアルキル基のいずれの位置に置かれてもよい。例には、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-CH=CH-O-CH3、-Si(CH33、-CH2-CH=N-OCH3、及び-CH=CH-N(CH3)-CH3を含む。例えば-CH2-NH-OCH3及び-CH2-O-Si(CH33など、2つまでのヘテロ原子が連続してもよい。(C2-C8)などの接頭辞がヘテロアルキル基をいうために使用されるときに、炭素の数(この例では、2〜8個)にも、同様にヘテロ原子を含むことが意味される。例えば、C2-ヘテロアルキル基は、例えば-CH2OH(1つの炭素原子及び1つの炭素原子を置換するヘテロ原子)及び-CH2SHを含むことが意味される。「ヘテロアルキレン」という用語は、それ自体で、又は別の置換基の一部として、-CH2-CH2-S-CH2CH2-及び-CH2-S-CH2-CH2-NH-CH2-によって例証されるような、ヘテロアルキルに由来する二価のラジカルを意味する。ヘテロアルキレン基については、ヘテロ原子が鎖末端の一方又は両方をまた占めることができる(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。更に、アルキレン及びヘテロアルキレン連結基については、連結基の向きは含意されない。
【0028】
「シクロアルキル」及び「シクロ」「ヘテロアルキル」という用語は、それら自体で、又はその他の用語と組み合わせて、それぞれ、特に明記しない限り、「アルキル」及び「ヘテロアルキル」の環状バージョンを表す。加えて、シクロヘテロアルキルについては、ヘテロ原子は、シクロヘテロアルキルが分子の残部に結合された位置を占めることができる。シクロアルキルの例には、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどを含む。シクロヘテロアルキルの例には、1-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジル)、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-モルホリニル、3-モルホリニル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロチエン-3-イル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニルなどを含む。
【0029】
「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、それら自体で、又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。加えて、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことが意味される。例えば、「ハロ(C1-C4)アルキル」という用語は、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピルなどを含むことが意味される。
【0030】
「アリール」という用語は、特に明記しない限り、多価不飽和の、典型的には芳香族の、単一環又は共に融合されるか若しくは共有結合的に連結された複数環(3環まで)であることができる炭化水素置換基を意味する。「ヘテロアリール」という用語は、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を0〜4個含むアリール基(又は環)をいい、窒素及び硫黄原子は、任意に酸化されており、かつ窒素原子は、任意に四級化される。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残部に結合することができる。アリール及びヘテロアリール基の非限定的な例には、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、4-ビフェニル、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-ピラゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、ピリジニル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、2-フェニル-4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、3-イソキサゾリル、4-イソキサゾリル、5-イソキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジル、4-ピリミジル、5-ベンゾチアゾリル、プリニル、2-ベンゾイミダゾリル、5-インドリル、1-イソキノリル、5-イソキノリル、2-キノキサリニル、5-キノキサリニル、3-キノリル及び6-キノリルを含む。上記のアリール及びヘテロアリール環系のそれぞれに対する置換基は、下に記述した許容し得る置換基の群から選択される。
【0031】
簡潔には、「アリール」という用語は、その他の用語と組み合わせて使用されるときは(例えば、アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)、上記の通りのアリール環及びヘテロアリール環の両方を含む。従って、「アリールアルキル」という用語は、アリール基が、例えば酸素原子によって炭素原子(例えば、メチレン基)が置換されたアルキル基(例えば、フェノキシメチル、2-ピリジルオキシメチル、3-(1-ナフチルオキシ)プロピルなど)を含む、アルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチルなど)に結合されたラジカルを含むことが意味される。
上の用語(例えば、「アルキル」「ヘテロアルキル」「アリール」及び「ヘテロアリール」)のそれぞれは、示されたラジカルの置換された形態及び置換されていない形態を含むことが意味される。各タイプのラジカルのための好ましい置換基を下に提供する。
【0032】
アルキル及びヘテロアルキルラジカル(たいてい、アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロアルケニル及びシクロヘテロアルケニルと呼ばれる基を含む)のための置換基は、0〜(2m'+1)(式中、m'は、このようなラジカルの総炭素原子数である)の範囲の数で:-OR'、=O、=NR'、=N-OR'、-NR'R''、-SR'、-ハロゲン、-SiR'R''R'''、-OC(O)R'、-C(O)R'、-CO2R'、-CONR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NR''C(O)2R'、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-CN 及び-NO2から選択される種々の基であることができる。R'、R''及びR'''は、それぞれ独立してH、非置換(C1-C8)アルキル及びヘテロアルキル、非置換アリール、1〜3個のハロゲンで置換されたアリール、アルコキシ基若しくはチオアルコキシ基又はアリール-(C1-C4)アルキル基から選択される。R'及びR''が同じ窒素原子に結合されるときに、これらは、窒素原子と結合して5、6又は7員を有する環を形成することができる。例えば、-NR'R''は、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルを含むことが意味される。上の置換基の説明から、当業者であれば、「アルキル」という用語が、その最も広い意味で、ハロアルキル(例えば、-CF3及び-CH2CF3)及びアシル(例えば、-C(O)CH3、-C(O)CF3、-C(O)CH2OCH3、など)などの基を含むことが意味されることを理解するであろう。好ましくは、特に明記しない限り、アルキル基は、0〜3個の置換基、より好ましくは0、1又は2個の置換基を有する。
【0033】
同様に、アリール基及びヘテロアリール基に対する置換基は、様々であり、かつ0〜芳香環構造上の空いた原子価の総数の範囲の数で:-ハロゲン、-OR'、-OC(O)R'、-NR'R''、-SR'、-R'、-CN、-NO2、-CO2R'、-CONR'R''、-C(O)R'、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR''C(O)2R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-N3、-CH(Ph)2、ペルフルオロ(C1-C4)アルコキシ及びペルフルオロ(C1-C4)アルキルから選択され;式中、R'、R''及びR'''は、独立してH、(C1-C8)アルキル及びヘテロアルキル、非置換アリール及びヘテロアリール、(非置換アリール)-(C1-C4)アルキル及び(非置換アリール)オキシ-(C1-C4)アルキルから選択される。
【0034】
アリール環又はヘテロアリール環の隣接する原子上の2つの置換基は、任意に式-T-C(O)-(CH2q-U-の置換基で置換してもよく、式中T及びUは、独立して-NH-、-O-、-CH2-又は単結合であり、qは、0〜2の整数である。或いは、アリール基又はヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは、任意に式-A-(CH2r-B-の置換基で置換してもよく、式中A及びBは、独立して-CH2-、-O-、-NH-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-S(O)2NR'-又は単結合であり、rは、1〜3の整数である。こうして形成された新たな環の単結合の1つは、任意に二重結合で置換してもよい。或いは、アリール環又はヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは、任意に式-(CH2s-X-(CH2t-の置換基で置換してもよく、式中s及びtは、独立して0〜3の整数であり、Xは、-O-、-NR'-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-又は-S(O)2NR'-である。置換基-NR'-及び-S(O)2NR'-のR'は、水素又は非置換(C1-C6)アルキルから選択される。
本明細書に使用される「ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)及びケイ素(Si)を含むことが意味される。特定の実施態様において、「ヘテロ原子」という用語は、O、N又はSを示す。
【0035】
「医薬として許容し得る塩」という用語は、本明細書に記述した化合物上に見いだされる特定の置換基に応じて、相対的に無毒の酸又は塩基で調製される活性化合物の塩を含むことが意味される。本発明の化合物が相対的に酸性官能基を含むとき、このような化合物の中性形態を所望の塩の十分な量と、混ぜ物のなく、又は適切な不活性溶媒中で接触させることによって塩基付加塩を得ることができる。医薬として許容し得る塩基付加塩の例には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミノ塩若しくはマグネシウム塩又は同様の塩を含む。本発明の化合物が相対的に塩基性の官能基を含むとき、このような化合物の中性形態を所望の酸の十分な量と、混ぜ物なく、又は適切な不活性溶媒中で接触させることによって酸付加塩を得ることができる。医薬として許容し得る酸付加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫酸一水素、ヨウ化水素酸又は亜リン酸などのような無機酸から生じたもの、並びに酢酸、プロピオン酸、イソブチル酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタン硫酸などのような相対的に無毒の有機酸から生じたものを含む。また、アルギン酸塩などのアミノ酸の塩及びグルクロン酸又はガラクツロン酸などのような有機酸の塩も含まれる(例えば、Bergeらの論文 (1977) J. Pharin. Sci. 66:1-19を参照されたい)。本発明の一定の具体的化合物には、化合物を塩基又は酸付加塩に変換することができる塩基性及び酸性の官能基を含む。
【0036】
化合物の中性形態は、塩を塩基又は酸と接触させること、及び従来の様式で親化合物を単離することによって再生してもよい。化合物の親形態は、極性溶媒中の溶解度などの一定の物理的性質が種々の塩形態と異なるが、その他の点では、塩は、本発明のための化合物の親形態と同等である。
塩形態に加えて、本発明は、プロドラッグ形態である化合物も提供する。本明細書に記述される化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を受けて、本発明の化合物を提供する化合物である。加えて、プロドラッグは、エキソビボ環境において化学的又は生化学的方法によって本発明の化合物に変換することができる。例えば、プロドラッグは、適切な酵素又は化学試薬と共に経皮パッチ貯蔵源に置いたときに、本発明の化合物にゆっくりと変換することができる。いくつかの状況において、プロドラッグは、親薬物よりも投与するのが容易であろうため、これらは、有用であることが多い。これらは、例えば、親薬物が経口投与によって生物が利用可能ではない場合に、利用可能であるかもしれない。また、プロドラッグは、親薬物以上の薬理学的組成物中の溶解度の改善があってもよい。プロドラッグの加水開裂又は酸化的活性化によるものなど、多種多様なプロドラッグ誘導体が当該技術分野において公知である。プロドラッグの例には、限定することなく、エステルとして投与されるが、代謝的にカルボン酸(活性実体)に加水分解される本発明の化合物(「プロドラッグ」)があろう。さらなる例には、本発明の化合物のペプチジル誘導体を含む。
【0037】
本発明の特定の化合物は、溶媒和されていない形態、並びに水和形態を含む溶媒和された形態で存在することができる。一般に、溶媒和された形態は、溶媒和されていない形態と同等であり、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
本発明の特定の化合物は、複数の結晶形態又は非結晶形態で存在してもよい。一般に、すべての物理的形態が本発明の範囲内であることが意図される。一定の実施態様において、本発明の化合物は、結晶形態である。一部の実施態様において、本発明の化合物は、非結晶形態である。一部の実施態様において、固体形態の本発明の化合物の純度は、少なくとも80%純粋な、少なくとも85%純粋な、少なくとも90%純粋な、少なくとも92%純粋な、少なくとも95%純粋な、少なくとも97%純粋な、又は少なくとも98%純粋である。
本発明の特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)又は二重結合を有し;ラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体及び個々の異性体は、全て本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0038】
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「立体異性体」又は化合物の「立体異性的に純粋」という用語は、その化合物のその他の立体異性体を実質的に含まない1つの立体異性体を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する立体異性的に純粋な化合物は、該化合物の反対のエナンチオマーを実質的に含まない。2つのキラル中心を有する立体異性的に純粋な化合物は、該化合物のその他のエナンチオマーを実質的に含まない。典型的な立体異性的に純粋な化合物は、化合物の一方の立体異性体の約80重量%よりも多く及び化合物の他方の立体異性体の約20重量%未満を含み、より好ましくは化合物の一方の立体異性体の約90重量%よりも多く及び化合物の他方の立体異性体の約10重量%未満を含み、更に好ましくは、化合物の一方の立体異性体の約95重量%よりも多く及び化合物の他方の立体異性体の約5重量%未満を含み、最も好ましくは化合物の一方の立体異性体の約97重量%よりも多く及び化合物の他方の立体異性体の約3重量%未満を含む。構造の立体化学又は構造の一部が、例えば太字体又は破線で示されない場合、構造の立体化学又は構造の一部が、そのすべての立体化学を包含するものと解釈される点に留意すべきである。
【0039】
本発明の種々の化合物は、1つ以上のキラル中心を含み、エナンチオマーのラセミ混合物、ジアステレオマーの混合物又はエナンチオマー的若しくは光学的に純粋な化合物として存在することができる。本発明は、このような化合物の立体異性的に純粋な形態の使用、並びにこれらの形態の混合物の使用を包含する。例えば、本発明の特定の化合物の同量又は等しくない量のエナンチオマーを含む混合物を本発明の方法及び組成物に使用してもよい。これらの異性体は、キラルカラム又はキラル分離薬などの標準的技術を使用して非対称に合成しても、又は分離してもよい。例えば、ジェイクス、J.らの論文、 エナンチオマー、ラセミ体及び分割(ワイリー-インターサイエンス、ニューヨーク、1981);ワイレン、S. H.らの論文、四面体 33:2725 (1977);エリエル、B. L. の論文、炭素化合物の立体化学 (マグローヒル、NY、1962);及びワイレン、S. H. の論文、分割薬及び光学分割の表、p. 268 (E. L. エリエル編、ノートルダム大学プレス、ノートルダム、IN, 1972)(Jacques, J.らの論文, Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley-Interscience, New York, 1981); Wilen, S. H.らの論文, Tetrahedron 33:2725 (1977); Eliel, B. L., Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962);及び Wilen, S. H., Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E. L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN, 1972))を参照されたい。
【0040】
また、本発明の化合物は、このような化合物を構成する原子の1つ以上に、天然にはない比率の原子同位元素を含んでいてもよい。例えば、化合物は、例えばトリチウム(3H)、ヨウ素125(125I)又は炭素14(14C)などの放射性同位元素で放射標識してもよい。放射標識した化合物は、治療薬、例えば癌治療薬、研究試薬、例えば結合アッセイ試薬及び診断薬、例えばインビボでのイメージング剤として有用である。放射性であるか否かにかかわらず、本発明の化合物の全ての同位体のバリエーションが、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0041】
本明細書に使用される「活性な」という用語は、CXCR3機能を調整する、例えば阻害するために有効なことを意味する。
本明細書に使用される「治療する」、「治療すること」又は「治療」という用語は、疾患及び/若しくはその付随する症候を軽減するか、又は抑止する方法をいう。本明細書に使用される「予防する」、「予防すること」又は「予防」という用語は、対象が疾患を獲得するのを妨げる方法をいう。
【0042】
(4.2. 本発明の実施態様)
本発明は、ケモカイン受容体活性、特にCXCR3の調整に有用な化合物、組成物及び方法に向けられる。本発明の化合物は、例えば炎症性及び免疫調節性の障害の治療のために有用であり、並びに処方された医薬として対象、例えばヒトに直接投与することができる。また、本発明の化合物は、CXCR3機能を調整する化合物、例えばCXCR3アンタゴニスト及び生理学的条件下でCXCR3機能を調整する1つ以上の化合物に変換される化合物を同定し、並びに/又はデザインするために有用である。
【0043】
本発明の化合物は、哺乳動物CXCR3タンパク質、例えばヒトCXCR3タンパク質の少なくとも1つの機能又は特徴を阻害するものである。化合物がこのような機能を阻害する能力は、結合アッセイ法(例えば、リガンド結合又はアゴニスト結合)、シグナリングアッセイ法(例えば、哺乳動物Gタンパク質の活性化、迅速な誘導及びサイトゾル遊離カルシウムの濃度の一過性の増大)及び/又は細胞応答機能(例えば、走化性の刺激、開口分泌又は白血球による炎症性メディエーター放出)において証明することができる。例示的アッセイ法は、米国特許出願公開第2003/0055054 A1号及び国際公開第WO 02/083143号に記述されており、これらの内容は、これらの全体がそれぞれ引用として本明細書に組み込まれる。
【0044】
(4.3. 化合物)
本発明は、炎症の治療のために特に有用性を有する、CXCR3のアンタゴニストとして有用である化合物を提供する。本明細書において提供される化合物は、一般式I:
【化10】

を有し、
式中、L、Q R1、R2、R3、R4、Rx、Ry、Rz、X、Y1、Y2、Y3、Y4及びZは、下に定義したとおりである。
【0045】
Xは、結合、-C(O)-、-C(R5)(R6)-、-C(R5)=、-S(O)-、-S(O)2-又は-N=である。
Zは、結合、-N=、-O-、-S-、-C(R7)=又は-N(R14)-であり、ただしX及びZは、両方とも結合ではないことを条件とする。
Lは、結合、C(O)-(C1-C8)アルキレン、(C1-C8)アルキレン又は(C2-C8)ヘテロアルキレンである。
Qは、(C1-C8)アルキレン、-C(O)-、-OC(O)-、-N(R8)C(O)-、-CH2CO-、-CH2SO-、又は-CH2SO2-である。任意に、L及びQは、共に連結して1〜3個のヘテロ原子を有する5員又は6員の複素環基を形成することができる。
【0046】
R1及びR2は、独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択されるメンバーであるか、又は任意に結合して環頂点として0〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員環を形成する。
任意に、R2は、Lと共に連結して1〜4個のヘテロ原子を有する5員又は6員の複素環基を形成することができる。
【0047】
特定の実施態様において、R1はHであり、R2は、
【化11】

からなる群から選択されるメンバーである。
【0048】
R3は、存在しないか、又は水素、ヒドロキシ、(C1-C8)アルコキシ、アミノ、(C1-C8)アルキルアミノ、ジ(C1-C8)アルキルアミノ、(C1-C20)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、シクロ(C3-C9)ヘテロアルキル、(C1-C8)アシルアミノ、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、シアノ、ヘテロアリール、-CONR9R10及び-CO2R11からなる群から選択されるメンバーである。任意に、R3は、R2と結合して、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む4員環、5員環、6員環、7員環又は8員環を形成してもよい。
特定の好ましい実施態様において、R3は、チオエーテル、スルホキシド又はスルホンを含む、(C2-C8)ヘテロアルキル又はシクロ(C3-C9)ヘテロアルキルである。
【0049】
一部の実施態様において、R3は、-CHR21R22、-S(O)mR23、-S(O)mN(R24)R25、-S(O)mN(R24)CH2R26、-N(R24)SO2R23、-N(R24)CH2R26
【化12】

からなる群から選択されるメンバーであり、式中、mは、0、1又は2であり、基R21、R22、R23、R24、R25、R26、V1、V2、V3及びV4は、下記で定義してある。
【0050】
一部の実施態様において、R3は、-SO2CH3、-SO2CH2CH3、-CH(CH3)CH3
【化13】

からなる群から選択されるメンバーである。
【0051】
R4は、(C2-C20)アルキル、(C2-C20)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C6)ヘテロアルキル、アリール(C1-C6)アルキル又はアリール(C2-C6)ヘテロアルキルである。
特定の実施態様において、Qは、-CH2CO-であり、かつR4は、アリール又はヘテロアリールである。
【0052】
一部の実施態様において、Q-R4は、全体として、
【化14】

であり、
式中、Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立して-H、ハロゲン、-CN、-OCF3又は-CF3である。一部の実施態様において、Ra及びRbは、それぞれ独立してハロゲン、-OCF3又は-CF3であり、かつRcは-Hである。一部の実施態様において、Raは、-CF3であり、Rbは、-Fであり、かつRcは、-Hである。
【0053】
R5及びR6は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール若しくはアリールであるか、又は任意にR5及びR6は、結合して3〜7員環を形成する。
R7及びR8は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択されるメンバーである。
【0054】
R9、R10及びR11は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール(C1-C8)アルキル及びアリール(C2-C8)ヘテロアルキルからなる群から選択される。
R21及びR22は、独立して水素、(C1-C8)アルキル又は(C2-C8)ヘテロアルキルである。
【0055】
R23は、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。
R24は、水素、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール又はアリールである。
R25は、(C1-C8)アルキルである。
R26は、アリールである。
【0056】
V1は、CH又はNである。
V2は、結合、(C1-C6)アルキレン又は(C1-C6)ヘテロアルキレンである。
V3は、(C1-C6)アルキレンである。
【0057】
Rx、Ry及びRzは、それぞれ独立してH、F、又はシアノであり、式中Rx、Ry及びRzの少なくとも1つは、シアノである。
特定の実施態様において、Rz及びRxは、Hである。
特定の実施態様において、R1、Rz及びRxは、Hであり、Lは、メチレン又はエチレンであり、Qは、-CH2CO-であり、かつR4は、アリール又はヘテロアリールである。
【0058】
Y1及びY2は、それぞれ独立して-C(R12)=、-CH(R12)-、-N=、-O-、-S-又は-N(R13)-である。
Y3は、N又はCであり、Y3がCである場合は、Y3は、Y2、Y4又はZと二重結合を共有する。
Y4は、N又はCであり、Y4がCである場合は、Y4は、X、Y1又はY3と二重結合を共有する。
R12は、H、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(C1-C8)アルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール又はアリールである。
【0059】
任意に、Y1及びY2がそれぞれ-C(R12)=又は-CH(R12)-の1つであるときに、2つのR12基は結合して、置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができる。
任意に、Y1が-C(R12)=又は-CH(R12)-であり、かつXが-C(R5)=又は-C(R5)(R6)-であるときに、R12及びR5は結合して、置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができる。
【0060】
R13は、H、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール(C1-C8)アルキル又はアリール(C2-C8)ヘテロアルキルである。
【0061】
任意に、Y1及びY2が-C(R12)=又は-CH(R12)-であり、かつその他が-N(R13)-であるときに、R12及びR13は、結合して置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができる。
任意にY1及びY2が両方とも-N(R13)-であるときに、2つのR13基は、結合して置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができる。
【0062】
R14は、H、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール(C1-C8)アルキル及びアリール(C2-C8)ヘテロアルキルからなる群から選択されるメンバーであり、式中、任意に、Y2が-C(R12)=、-CH(R12)-又は-N(R13)-であるときに、R14又はR7は、R12又はR13と結合して、置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができる。
特定の実施態様において、X、Y1、Y2、Y3、Y4及びZは、5員又は6員の芳香環を形成する。
【0063】
上記式によって表される実施態様は、頂点X、Z、Y1、Y2、Y3及びY4を有する環系を適切な足場と置換することによって認識することができ、結合位置は、パラ置換されたシアノフェニル及び/又はメタ置換されたシアノフェニルの結合、並びにR1及びR2基を有する炭素原子:
【化15】

を表す。
【0064】
例えば、環系又は「足場」は、以下(その置換されたバージョンを含む)を含むことが意味され、式中「A」環は:
【化16】

としての示された実施態様から選択される。
【0065】
更にその他のA環足場は、6員環(さらなる縮合環を伴わない)であり、
【化17】

を含む。
【0066】
その他の実施態様において、A環足場は、5員環(さらなる縮合環を伴わない)であり、例えば:
【化18】

を含む。
【0067】
典型的には、環置換基(上記の5員環においてR及びR'基として示されているが、縮合環セット又は上記の6員環には、示されていない)は、電子的、及び/又は更に疎水性若しくは親水性の特徴を分子に提供して、全体の物理的特性を一連の最も好ましい化合物6,6-二環式縮合環のものと一致させるようにデザインする。
【0068】
上記実施態様の群のそれぞれの中で、好ましい実施態様は、Ryがシアノであり、かつRx及びRzが水素であるものである。いずれの特定の理論又は機構によって限定されることは意図しないが、例えば下記の第5.14節において証明されたように、パラ-シアノフェニル含有構造は、例えばパラ-アルコキシフェニル含有構造と比較して、生理学的条件下での代謝に対する耐性の改善を示す。更に、本発明の化合物は、CCR3アンタゴニストの望ましい特色である時間依存的チトクロームP450 3A(「CYP」)阻害を回避するようである。
【0069】
式Iに戻って、好ましい実施態様の1つの基において、Xは、-C(O)-である。もう一つの基において、Zは、-N=である。好ましい実施態様の更にもう一つの基において、Y1は、-C(R12)=又は-N(R13)-であり、Y2は、-C(R12)=であり、式中2つのR12基又はR13及びR12基は、結合して、融合した6員のアリール環又はヘテロアリール環を形成する。特に好ましいのは、これらの好ましい基のそれぞれを組み合わせた実施態様である。従って、特に好ましい実施態様の1つの基において、Xは、-C(O)-であり;Zは、-N=であり;Y3は、Cであり;かつ、Y1及びY2は、それぞれ-C(R12)=であり、式中2つのR12は、結合して、融合した6員の置換若しくは非置換アリール環又はヘテロアリール環を形成する。特に好ましい実施態様のもう一つの基において、Xは、-C(O)-であり;Zは、-Nであり;Y3は、Cであり;Y1は、-N(R13)-であり、かつY2は-C(R12)=であり、式中R13及びR12基は結合して、融合した6員の置換若しくは非置換アリール環又はヘテロアリール環を形成する。
【0070】
一部の好ましい実施態様において、Lは、メチレン又はエチレンであり;Qは、-CH2C(O)-であり、R4は、アリール又はヘテロアリール、好ましくは置換されたフェニルであり;R3は、チオエーテル、スルホキシド若しくはスルホンを含む、(C2-C8)ヘテロアルキル又はシクロ(C3-C9)ヘテロアルキルであり;R1は、Hであり;R2は、(C1-C4)アルキルであり;Y3は、Cであり;かつY3含有環構造は、キノリン、キナゾリン、イミダゾール、ピリド[2,3-d]ピリミジン-4-オン、ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、7-フルオロ-ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、キノリノン、キナゾリノン、トリアゾリノン、ピリミジン-4-オン、ベンゾイミダゾール、チアゾール、イミダゾール、ピリジン、ピラジン及びベンゾジアゼピンから選択される。
【0071】
実施態様のもう一つの基において、Xは、結合であり;Y4は、Nであり;Y3は、Cであり;Zは、-N=であり;かつ、Y1及びY2は、それぞれ-C(R12)=である。実施態様のもう一つの基において、Xは、-C(R5)=であり;Y4は、Cであり;Y3は、Cであり;Zは、-C(R7)=であり;かつY1及びY2は、それぞれ-C(R12)=である。実施態様のもう一つの基において、Xは、結合であり;Zは、-N=であり;Y4は、Cであり;Y1は、-O-、-S-及び-N(R13)-からなる群から選択され;かつ、Y2は、-C(R12)=である。
上記の好ましい実施態様の基のそれぞれにおいて、R1は、最も好ましくはHである。
【0072】
特定の実施態様において、式Iの化合物は、下記のものではないことが理解されるであろう:2-ビフェニル-4-イル-N-{1-[3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル]-エチル}-N-(2-メトキシ-エチル)-アセトアミド;2-ビフェニル-4-イル-N-{1-[3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル]-エチル}-N-(2-エトキシ-エチル)-アセトアミド;2-ビフェニル-4-イル-N-{1-[3-(4-シアノフェニル)-5-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル]-プロピル}-N-(2-エトキシ-エチル)-アセトアミド;2-((N-2-エトキシエチル)-N-(4-トリフルオロメチルフェニルアセチル)-1-アミノエチル)-3-(4-シアノフェニル)-3H-キナゾリン-4-オン;N-{1R-{3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-ピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル]-エチル}-N-(1H-イミダゾール-2-イルメチル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-アセトアミド;N-{1R-[3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-ピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル]-エチル}-N-ピリジン-3-イルメチル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-アセトアミド;N-{1R-[3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-ピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル]-エチル}-N-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-アセトアミド;N-{1-[3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル]-エチル}-2-(3-フルオロ-4-トリフルオロメチル-フェニル)-N-ピリジン-3-イルメチル-アセトアミド;又は(R)-N-{1-[3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-ピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル]-エチル}-2-(4-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-N-ピリジン-3-イルメチル-アセトアミド。
【0073】
一部の実施態様において、本発明は、式IIを有する化合物を提供する:
【化19】

式中、L、Q、R2、R3、R4、Y4及びZは、式Iにおいて上記したとおりであり;かつY1及びY2は、後述するとおりである。
【0074】
Y1及びY2は、それぞれ独立して-C(R12)=、-N=、-O-、-S-又は-N(R13)-からなる群から選択されるメンバーであり、式中、それぞれのR12は、H、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(C1-C8)アルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、それぞれのR13は、H、(C1-C8)アルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール(C1-C8)アルキル又はアリール(C2-C8)ヘテロアルキルである。
【0075】
特定の実施態様において、Y1、Y2、Y4及びZを含む環は、芳香族であることができる。
式IIの特定の実施態様において、R3は、チオエーテル、スルホキシド若しくはスルホンを含む、(C2-C8)ヘテロアルキル又はシクロ(C3-C9)ヘテロアルキルであり、Lは、メチレン又はエチレンであり、Qは、-CH2CO-であり、かつR4は、置換アリール又は置換ヘテロアリールである。
【0076】
一部の実施態様において、Q-R4は、全体として、
【化20】

であり、
式中、Ra、Rb及びRcはそれぞれ独立して-H、ハロゲン,-CN、-OCF3又は-CF3である。一部の実施態様において、Ra及びRbは、それぞれ独立してハロゲン、-OCF3又は-CF3であり、かつRcは、Hである。一部の実施態様において、Raは、-CF3であり、Rbは、-Fであり、かつRcは、-Hである。
【0077】
特定の実施態様において、本発明の化合物は、式IIIを有する:
【化21】

式中、L、Q、R2、R3、R4及びそれぞれのR12は、式IIにおいて上記したとおりである。
【0078】
一部の実施態様において、本発明は、式IVを有する化合物を提供する:
【化22】

【0079】
式中、L、Q、R1、R2、R3、R4、Rx、Ry、Rz、X及びY4は、式Iにおいて上記したとおりであり、かつY1、Y2、A1、A2、A3、A4は、下記に記述してある。
Zは、-N=又は-CH=である。
Y1は、N又はCであり、Y1がCである場合は、Y1は、A1、Y2、X又はY4と二重結合を共有する。
【0080】
Y2は、Cであり、炭素原子は、A4、Y1又はZと二重結合を共有する。
A1、A3,及びA4は、それぞれ独立して-N=、-N(R15)-、-S-、=C(R16)-、-C(R16)(R17)-、-C(O)-又は-O-である。
A2は、結合、-N=、-N(R15)-、=C(R16)-、-C(R16)(R17)-又は-C(O)-である。
【0081】
R15、R16及びR17は、それぞれ独立してH、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C1-C8)アルキル、ヘテロアリール(C1-C8)アルキル、-OR'、-OC(O)R'、-NR'R''、-SR'、-R'、-CN、-NO2、-CO2R'、-CONR'R''、-C(O)R'、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR''C(O)2R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NHC(NH2)=NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-N3、-CH(Ph)2、ペルフルオロ(C1-C4)アルコキシ及びペルフルオロ(C1-C4)アルキルからなる群から選択され、式中R'、R''及びR'''は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、(非置換アリール)-(C1-C4)アルキル及び(非置換アリール)オキシ-(C1-C4)アルキルから選択される。
特定の実施態様において、A1、A2、A3、A4、Y1及びY2を含む環若しくはX、Y1、Y2、Y3、Y4及びZを含む環又は両方の環は、芳香族であることができる。
【0082】
式IVの特定の実施態様において、R3は、チオエーテル、スルホキシド若しくはスルホンを含む、(C2-C3)ヘテロアルキル又はシクロ(C3-C9)ヘテロアルキルである。
特定の実施態様において、Xは、結合であり、R1、Rz及びRは、それぞれHである。
特定の実施態様において、Qは、-CH2CO-であり、R4は、アリール又はヘテロアリールである。
【0083】
一部の実施態様において、Q-R4は、全体として、
【化23】

であり、式中、Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立して-H、ハロゲン、-CN、-OCF3又は-CF3である。一部の実施態様において、Ra及びRbは、それぞれ独立してハロゲン、-OCF3又は-CF3であり、かつRcは、-Hである。一部の実施態様において、Raは、-CF3であり、Rbは、-Fであり、かつRcは、-Hである。
【0084】
式IVの一部の実施態様において、A1及びA3は、=C(R16)-であり;A2及びA4は、-N=又は=C(R16)-であり;R1及びRxは、Hであり;並びにそれぞれのR16は、独立してH、ハロゲン、-OR'、-OC(O)R'、-NR'R''、-SR'、-R'、-CN、-NO2,-CO2R'、-CONR'R''、-C(O)R'、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR''C(O)2R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NHC(NH2)=NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-N3,-CH(Ph)2、ペルフルオロ(C1-C4)アルコキシ及びペルフルオロ(C1-C4)アルキルからなる群から選択され、式中R'、R''及びR'''は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、(非置換アリール)-(C1-C4)アルキル及び(非置換アリール)オキシ-(C1-C4)アルキルから選択される。
式IVの特定の実施態様において、R1、Rz及びRxは、Hであり;Xは、-C(O)-であり;Zは、-N=であり;かつ、A2は、結合である。
【0085】
一部の実施態様において、本発明の化合物は、式Vを有する:
【化24】

【0086】
式中、L、Q、R2、R3及びR4は、式IVにおいて上記したとおりである。記号A1、A2、A3及びA4は、後述したとおりである。
A1、A2及びA3は、それぞれ独立して-C(R16)(R17)-又は-C(O)-である。
A4は、-N(R15)-又は-C(R16)(R17)-である。
【0087】
R15、R16又はR17は、それぞれ独立してH、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C1-C8)アルキル、又はヘテロアリール(C1-C8)アルキルである。
特定の実施態様において、式Vの化合物は、ラセミ化合物である。一部の実施態様において、式Vの化合物は、(S)及び(R)エナンチオマーの混合物である。
【0088】
一部の実施態様において、化合物は、式Va又はYbを有する:
【化25】

式中A1、A2、A3、A4、L、Q、R2、R3及びR4は、式Vにおいて上記したとおりである。
【0089】
さらなる実施態様において、本発明は、式VIを有する化合物を提供する:
【化26】

式中、L、Q、R2、R3、R4、R16、Ry、Rz及びA4は、式IVにおいて上記したとおりである。
【0090】
特定の実施態様において、式VIの化合物は、ラセミ化合物である。一部の実施態様において、式VIの化合物は、(S)及び(R)エナンチオマーの混合物である。一部の実施態様において、式VIの化合物は、(S)エナンチオマーである。一部の実施態様において、式VIの化合物は、(R)エナンチオマーである。
【0091】
一部の実施態様において、本発明の化合物は、式VIIを有する:
【化27】

式中、L、Q、R2、R3、R4及びR16は、式IVにおいて上記したとおりである。
【0092】
特定の実施態様において、式VIIの化合物は、ラセミ化合物である。一部の実施態様において、式VIIの化合物は、(S)及び(R)エナンチオマーの混合物である。一部の実施態様において、式VIIの化合物は、(S)エナンチオマーである。一部の実施態様において、式VIIの化合物は、(R)エナンチオマーである。
【0093】
一部の実施態様において、本発明の化合物は、式VIIIを有する:
【化28】

式中L、Q、R2、R3、R4及びR16は、式IVにおいて上記したとおりである。
【0094】
一部の実施態様において、Q-R4は、全体として
【化29】

であり、
式中Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立して-H、ハロゲン、-CN、-OCF3又は-CF3である。一部の実施態様において、Ra及びRbは、それぞれ独立してハロゲン、-OCF3又は-CF3であり、かつRcは、-Hである。一部の実施態様において、Raは、-CF3であり、Rbは、-Fであり、かつRcは、-Hである。
【0095】
式VIIIの特定の実施態様において、R3は、チオエーテル、スルホキシド若しくはスルホンを含む、(C2-C8)ヘテロアルキル又はシクロ(C3-C9)ヘテロアルキルである。
特定の実施態様において、式VIIIの化合物は、ラセミ化合物である。一部の実施態様において、式VIIIの化合物は、(S)及び(R)エナンチオマーの混合物である。
【0096】
特定の実施態様において、化合物は、式VIIIa又はVIIIbを有する:
【化30】

式中R2、R3、R4、R16、L及びQは、式VIIIにおいて定義したとおりである。
【0097】
特定の実施態様において、化合物は下記からなる群から選択される:
【化31】

【0098】
一部の実施態様において、本発明は、式IXを有する化合物を提供する:
【化32】

式中、L、Q、R2、R3、R4及びR16は、式IVにおいて上記したとおりである。
【0099】
一部の実施態様において、Q-R4は、全体として、
【化33】

であり、
式中Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立して-H、ハロゲン、-CN、-OCF3又は-CF3である。一部の実施態様において、Ra及びRbは、それぞれ独立してハロゲン、-OCF3又は-CF3であり、かつRcは、-Hである。一部の実施態様において、Raは、-CF3であり、Rbは、-Fであり、かつRcは、-Hである
【0100】
式IXの特定の実施態様において、R3は、チオエーテル、スルホキシド若しくはスルホンを含む、(C2-C8)ヘテロアルキル又はシクロ(C3-C9)ヘテロアルキルである。
特定の実施態様において、式IXの化合物は、ラセミ化合物である。一部の実施態様において、式IXの化合物は、(S)及び(R)エナンチオマーの混合物である。
【0101】
特定の実施態様において、化合物は、式IXa又はIXbを有する:
【化34】

式中R2、R3、R4、R16、L及びQは、式IXにおいて定義したとおりである。
【0102】
特定の実施態様において、化合物は下記からなる群から選択される:
【化35】

【0103】
一部の実施態様において、本発明は、式Xを有する化合物を提供する:
【化36】

式中、Q、R3及びR4は、上記の式Iにおいて定義したとおりである。
【0104】
Xは、-C(O)-、-CH2又は-S(O)2-である。
A1及びA4は、独立してN又はC(R16)であり、式中、それぞれのR16は、独立してハロゲン、-OR'、-OC(O)R'、-NR'R''、-SR'、-R'、-CN、-NO2、-CO2R'、-CONR'R''、-C(O)R'、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR''C(O)2R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NHC(NH2)=NR'、-S(O)R',-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-N3、-CH(Ph)2、ペルフルオロ(C1-C4)アルコキシ及びペルフルオロ(C1-C4)アルキルからなる群から選択されるメンバーであり、式中R、R''及びR'''は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、(非置換アリール)-(C1-C4)アルキル及び(非置換アリール)オキシ-(C1-C4)アルキルから選択される。
【0105】
W1は、存在しないか、又は-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(O)-、-CH2-若しくは-NR18-からなる群から選択される。
W2及びW4は、独立して-CH2-、-CHR19-、-CH=、-CR19=、-NH-、-N=又は-NR18-である。
W3は、存在しないか、又は-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-CH2-、-CHR20-、-CH=、-CR20=、-NH-、-N=若しくは-NR20-からなる群から選択される。
【0106】
R18は、H、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される。
R19及びR20は、独立して(C1-C20)アルキル、(C2-C20)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C6)ヘテロアルキル、アリール(C1-C6)アルキル及びアリール(C2-C6)ヘテロアルキルである。
上記式I〜Xにおいて提供される化合物には、特に明記しない限り、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ又は異性体を含む。
【0107】
(4.4. 化合物の調製)
本発明の化合物は、種々の合成技術又は半合成技術によって調製することができる。国際公開番号WO 02/83143の図1〜18及び下記の第6節の実施例では、本明細書に提供した化合物についての種々の合成経路を提供する。適切な出発材料の合成は、公知であるか、若しくは当業者に明らかな技術によって調製することができるか、又は出発材料が市販されているかもしれない。例えば、このような材料は、米国特許出願第2002/0160159 A1号及び第2003/0055054 A1号の方法及び国際公開番号WO 02/83143に従って調製することができ、これらの内容は、その全体がそれぞれ引用として本明細書に組み込まれる。当業者であれば、複素環足場の調製の前に、間に、若しくは後に、置換基を付加し、又は変更することができること、及び例示的条件(例えば、温度、溶媒、その他)における適切な調整を行うことができることを認識するであろう。加えて、当業者であれば、保護基が特定の化合物の調製のために必要とされるであろうことを認識しているであろうし、選択された保護基に適合する条件を知っているであろう。
本明細書に記述した例示的方法及び例は、本発明を例証するものであり、これらの範囲を限定するものとして解釈されない。
【0108】
(4.5. 組成物)
もう一つの態様において、本発明は、ヒト及び動物におけるケモカイン受容体活性を調整するための医薬組成物を提供する。組成物には、医薬として許容し得る賦形剤、担体又は希釈剤と共に本発明の化合物を含む。
【0109】
ケモカイン受容体活性の「調整」又は調整することは、その種々の形態で本明細書に使用され、特定のケモカイン受容体、好ましくはCXCR3受容体と関連する活性のアンタゴニズム、アゴニズム、部分的アンタゴニズム及び/又は部分的アゴニズムを包含することが意図される。本明細書に使用される「組成物」という用語は、特定された成分を含む生成物(及び、示された場合には、特定された量で)、並びに特定された量の特定された成分の組み合わせから直接的又は間接的に生じる任意の生成物を包含することが意図される。「医薬として許容し得る」とは、担体、希釈剤又は賦形剤が、製剤のその他の成分と適合性でなければならず、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0110】
本発明の化合物の投与のための医薬組成物は、都合よくは、単位剤形で提示してもよく、薬学の技術分野において周知の方法のいずれによって調製してもよい。全ての方法は、活性成分を1つ以上の付属の成分を構成する担体と結合させる工程を含む。一般に、医薬組成物は、活性成分を液体キャリア若しくは微粉固体担体又は両方と一様かつ親密に結合させ、次いで必要に応じて、生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。医薬組成物において、化合物は、疾患の過程又は状態に対して所望の効果を生じるほど十分な量で含まれる。
【0111】
活性成分を含む医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性若しくは油性懸濁液、分散可能な粉末若しくは顆粒、乳剤、硬若しくは軟カプセル又はシロップ若しくはエリキシルとして、経口的使用のために適した形態であってもよい。経口的使用が意図される組成物は、医薬組成物の製造のための技術分野において公知のいずれの方法に従って調製してもよく、このような組成物は、医薬として上品かつ味のよい製剤を提供するために、甘味料、香料、着色剤及び保存剤からなる群から選択される1つ以上の薬剤を含んでいてもよい。錠剤は、錠剤の製造のために適した無毒の医薬として許容し得る賦形剤との混合物中に活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;例えばコーンスターチ又はアルギン酸などの顆粒化及び崩壊剤;例えばデンプン、ゼラチン又はアカシアなどの結合剤、及び例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクなどの滑沢剤であってもよい。錠剤は、コーティングしていなくてもよく、又はこれらは、胃腸管における崩壊及び吸収を遅延させることにより、より長期間にわたって持続された作用を提供するために公知の技術によってコートしてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延材料を使用してもよい。また、これらは、徐放のための浸透圧治療錠を形成するための米国特許第4,256,108号;第4,160,452号及び第4,265,874号に記述された技術によってコートしてもよい。
【0112】
また、経口的使用のための製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合された硬ゼラチンカプセルとして、又は活性成分が水又は油性媒体、例えば落花生油、流動パラフィン又はオリーブ油と混合された軟ゼラチンカプセルとして提示してもよい。
【0113】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造のために適した賦形剤と共に混合物中に活性物質を含む。このような賦形剤は、懸濁剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル-ピロリドン、トラガントゴム及びアラビアゴムであり;分散剤又は湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えばレシチン又は脂肪酸とアルキレンオキシドとの縮合物、例えばポリオキシ-エチレンステアラート又は長鎖脂肪族アルコールとエチレンオキサイドとの縮合物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール又はポリオキシエチレンソルビトールモノオレアートなどの脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルとエチレンオキサイドの縮合物又は脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレアートであってもよい。また、水性懸濁液は、ショ糖又はサッカリンなどの1つ以上の防腐剤、例えばエチル、又はn-プロピル、p-ヒドロキシベンゾアート、1つ以上の着色剤、1つ以上の香料及び1つ以上の甘味料を含んでいてもよい。
【0114】
油性懸濁液は、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油若しくはヤシ油中に、又は流動パラフィンなどの鉱油中に活性成分を懸濁することによって製剤化してもよい。油性懸濁液は、糊料、例えば蜜蝋、固形パラフィン又はセチルアルコールを含んでいてもよい。上に記載したものなどの甘味料及び香料を添加して味のよい経口製剤を提供してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤の添加によって保存してもよい。
【0115】
水の添加によって水性懸濁液を調製するために適した分散可能な粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤薬剤、懸濁剤及び1つ以上の防腐剤との混合物中に活性成分を提供する。適切な分散剤又は湿潤薬剤及び懸濁剤は、すでに前述したものによって例証される。また、さらなる賦形剤、例えば甘味料、香味料及び着色剤が存在してもよい。
【0116】
また、本発明の医薬組成物は、水中油型乳剤の形態であってもよい。油性相は、植物油、例えばオリーブ油若しくは落花生油又は鉱油、例えば流動パラフィン又はその混合物であってもよい。適切な乳化剤は、天然に存在するゴム、例えばアラビアゴム又はトラガントゴム、天然に存在するホスファチド、例えばダイズ、レシチン及び脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来するエステル又は部分エステル、例えばソルビタンモノオレアート並びにエチレンオキシドと前記部分エステルの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートであってもよい。また、乳剤には、甘味料及び香料を含んでいてもよい。
【0117】
シロップ及びエリキシルは、甘味料、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はショ糖と共に製剤化してもよい。また、このような製剤は、粘滑薬、保存剤及び香味料、並びに着色剤を含んでいてもよい。
医薬組成物は、無菌の注射用の水性又はオレイン酸(oleagenous)の懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、前述した適切な分散剤又は湿潤薬剤及びその懸濁剤を使用して、公知の技術に従って製剤化してもよい。また、無菌注射用製剤は、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液として、無毒の非経口的に許容し得る希釈剤若しくは溶媒中の無菌の注射用溶液又は懸濁液であってもよい。水、リンゲル液及び等張性塩化ナトリウム溶液は、使用してもよい許容し得る媒体及び溶媒の一つである。加えて、無菌の不揮発性油も、溶媒又は懸濁媒として従来法にて使用される。この目的のためには、合成のモノグリセリド又はジグリセリドを含むいずれの穏やかな不揮発性油も使用される。加えて、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製における使用が見いだされる。
【0118】
また、本発明の化合物は、薬物の直腸投与のための坐薬の形態で投与してもよい。これらの組成物は、常温にて固体であるが、直腸温にて液体であり、従って直腸で溶解して薬物を放出するであろう適切な非刺激性の賦形剤と薬物を混合することによって調製することができる。このような材料には、カカオ脂及びポリエチレングリコールを含むが、限定されない。
【0119】
局所的使用のためには、本発明の化合物を含むクリーム、軟膏、ゼリー、溶液又は懸濁液などが使用される。また、本明細書に使用される局所適用は、口内洗剤及びうがい薬の使用を含むことが意味される。
本発明の医薬組成物及び方法は、上述した病的状態の治療又は予防に通常適用される本明細書において言及したその他の治療的に有効な化合物を更に含んでいてもよい。
【0120】
(4.6. 使用方法)
もう一つの態様において、本発明は、CXCR3を媒介した状態又は疾患を、このような疾患又は状態を有する対象に本発明の化合物又は組成物の治療上有効量を投与することによって治療する方法を提供する。「対象」は、本明細書において、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含むが、限定されない哺乳類などの動物を含むものと定義される。
【0121】
本明細書に使用される、「CXCR3を媒介した状態又は疾患」という句及び関連した句、並びに用語は、不適当な、例えば正常よりも少ない、又は高いCXCR3活性によって特徴づけられる状態をいう。不適当なCXCR3活性は、CXCR3を通常発現しない細胞におけるCXCR3発現、CXCR3発現の増加(例えば、炎症性及び免疫調節性の障害、並びに疾患を引き起こす)又はCXCR3発現の減少(例えば、特定の癌及び血管形成並びに脈管形成に関連した障害を引き起こす)の結果として生じるかもしれない。不適当なCXCR3機能的活性は、CXCR3を通常発現しない細胞におけるCXCR3発現、CXCR3発現の増加(例えば、炎症性及び免疫調節性の障害、並びに疾患を引き起こす)又はCXCR3発現の減少の結果として生じるかもしれない。また、不適当なCXCR3機能的活性は、CXCケモカインを通常分泌しない細胞によるケモカイン分泌、ケモカイン発現の増加(例えば、炎症性及び免疫調節性の障害、並びに疾患を引き起こす)又はケモカイン発現の減少の結果として生じるかもしれない。CXCR3を媒介した状態又は疾患は、不適当なCXCR3機能的活性によって、完全に、又は部分的に媒介されていてもよい。しかし、CXCR3を媒介した状態又は疾患は、CXCR3の調整が根底にある状態又は疾患に対していくらかの効果を生じるものである(例えば、CXCR3アンタゴニストは、少なくとも一部の患者において患者にいくらかの満足のいく改善を生じる)。
【0122】
「治療上有効量」という用語は、研究者、獣医師、医学博士若しくはその他の臨床家によって探求されているか、又は治療される疾患の症候の1つ以上の発症を予防するか、又はある程度軽減するのに十分である、組織、系、動物若しくはヒトの生物学的又は医学的反応を誘発する対照化合物の量を意味する。
【0123】
炎症、感染及び癌と関連する疾患並びに状態は、本化合物及び組成物で治療することができる。実施態様の一つの群において、ヒト若しくはその他の種の疾患又は慢性疾患を含む状態は、CXCR3機能の阻害剤で治療することができる。これらの疾患又は状態には:(1)全身アナフィラキシー若しくは過感受性反応、薬物アレルギー、昆虫針アレルギー及び食事性アレルギーなどの炎症性又はアレルギー性の疾患;クローン病、潰瘍性大腸炎、回腸炎及び腸炎などの炎症性腸疾患;膣炎;乾癬、並びに皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、蕁麻疹などの炎症性皮膚疾患;血管炎;脊椎関節症;強皮症;喘息及びアレルギー性鼻炎、過感受性肺疾患などの呼吸器アレルギー性疾患、(2)関節炎(リウマチ様及び乾癬性)、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、I型糖尿病、糸球体腎炎などの自己免疫疾患、(3)移植片拒絶(同種異系移植片拒絶反応及び移植片対宿主病を含む)及びそれに関連した状態、並びに(4)望まれない炎症反応が阻害されるその他の疾患、例えばアテローム性動脈硬化症、筋炎、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、脳炎、髄膜炎、肝炎、腎炎、敗血症、サルコイドーシス、結膜炎、耳炎、慢性閉塞性肺疾患、副鼻腔炎及びベーチェット症候群を含む。実施態様のもう一つの群において、疾患又は状態は、CXCR3機能のアゴニストで治療される。CXCR3アゴニストで治療される疾患の例には、癌、血管形成又は新血管新生が役割を果たす疾患(腫瘍疾患、網膜症及び黄斑変性症)、感染症及び免疫抑制疾患を含む。
【0124】
好ましくは、本方法は、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、多発性硬化症、乾癬、全身性エリテマトーデス、リウマチ様関節炎、アテローム性動脈硬化症、脳炎、髄膜炎、肝炎、腎炎、敗血症、サルコイドーシス、乾癬、湿疹、蕁麻疹、I型糖尿病、喘息、結膜炎、耳炎、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、副鼻腔炎、皮膚炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、ベーチェット症候群、痛風、癌、ウイルス感染(例えば、HIV)、細菌感染及び器官移植状態又は皮膚移植状態から選択される疾患若しくは条件の治療又は予防に向けられる。「臓器移植状態」という用語は、骨髄移植状態及び固形器官(例えば、腎臓、肝臓、肺、心臓、膵臓又はそれらの組み合わせ)移植状態を含むことが意味される。
【0125】
本化合物及び組成物で治療することができる疾患又は状態には、一般に(1)炎症性疾患又はアレルギー性疾患、(2)自己免疫疾患、(3)移植片拒絶及び(4)上記のような望まれない炎症反応が阻害されるその他の疾患と関連した疾患を含む。例えば、バルーン血管形成術などの手法の後の再狭窄は、一般にアテローム性動脈硬化症と関連し、本化合物及び組成物で治療することができる。
【0126】
治療される疾患及び対象の状態に応じて、本発明の化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射又は輸液、皮下注射又は移植)、吸入スプレー、経鼻、経膣、直腸、舌下又は局所的投与経路によって投与してもよく、単独で、又は共に、投与のそれぞれの経路に適切な従来の無毒の医薬として許容し得る担体、アジュバント及び媒体を含む適切な用量単位製剤に製剤化してもよい。
【0127】
ケモカイン受容体調節が必要である状態の治療又は予防において、適切な投薬量レベルは、一般に1日あたり1kg患者体重あたり約0.001〜100mgであり、1回又は複数回用量で投与することができる。好ましくは、投薬量レベルは、1日あたり約0.01〜約25mg/kg;より好ましくは1日あたり約0.05〜約10mg/kgである。適切な投薬量レベルは、1日あたり約0.01〜25mg/kg、1日あたり約0.05〜10mg/kg又は1日あたり約0.1〜5mg/kgであってもよい。この範囲内で、投薬量は、1日あたり0.005〜0.05、0.05〜0.5又は0.5〜5.0mg/kgであってもよい。経口投与については、組成物は、治療される患者に対する投薬量の症候調節のために、好ましくは1.0〜1000ミリグラムの活性成分、特に1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0 、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0及び1000.0ミリグラムの活性成分を含む錠剤の形態で提供される。化合物は、1日あたり1〜4回、好ましくは1日あたり1回又は2回の処方計画で投与してもよい。
【0128】
しかし、任意の特定の患者に対する投薬量の具体的服用レベル及び頻度は、変更してもよく、使用される具体的化合物の活性、代謝安定性及びその化合物の作用期間、年齢、体重、一般的健康、性、食餌、投与の様式及び時間、排泄の割合、複合製剤、特定の状態の重症度及び療法を受けている宿主を含む種々の要因に依存することが理解されよう。
【0129】
本発明の化合物は、喘息及びアレルギー疾患を含む炎症性及び免疫性の障害及び疾患、並びにリウマチ様関節炎及びアテローム性動脈硬化症などの自己免疫病状及び上記の病態を治療し、又は予防するための関連した有用性を有するその他の化合物と組み合わせることができる。多くの例において、本発明の化合物と代わりの、又は第2の治療薬を含む組成物は、投与されたときに、相加的又は相乗的効果を有する。
【0130】
例えば、炎症の治療又は予防において、本化合物は、オピエートアゴニストなどの抗炎症薬又は鎮痛薬、5-リポキシゲナーゼの阻害剤などのリポキシゲナーゼ阻害剤、シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤などのシクロオキシゲナーゼ阻害薬、インターロイキン-1阻害剤などのインターロイキン阻害剤、NMDAアンタゴニスト、一酸化窒素の阻害剤若しくは一酸化窒素の合成の阻害剤、非ステロイド性抗炎症薬又はサイトカインを抑制する抗炎症薬、例えばアセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド性鎮痛薬、スフェンタニル、サンリンダク(sunlindac)、テニダプ(tenidap)などの化合物と、併用して又は組み合わせて使用してもよい。同様に、本化合物は、鎮痛剤;カフェイン、H2-アンタゴニスト、シメチコン、アルミニウム又は水酸化マグネシウムなどの増強物質;フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン又はレボ-デオキシ-エフェドリンなどの鬱血除去薬;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン又はデキストロメトルファンなどの抗咳薬;利尿薬;及び鎮静又は非鎮静抗ヒスタミン剤と共に投与してもよい。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患若しくは状態の治療/予防/抑制又は回復に使用される他剤と組み合わせて使用してもよい。このような他剤は、一般に使用される経路によって、及び量で、従って本発明の化合物と共に同時に、又は連続して投与してもよい。本発明の化合物が1つ以上の他剤と同時に使用されるときは、本発明の化合物に加えて、このような他剤を含む医薬組成物が好ましい。従って、本発明の化合物に加えて、本発明の医薬組成物は、また、1つ以上のその他の活性成分を含むものを含む。本発明の化合物と組み合わせてもよいその他の活性成分の例には、別々か、又は同じ医薬組成物において投与するかのいずれにおいても:(a)VLA-4アンタゴニスト、(b)ベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、デキサメサゾン及びヒドロコルチゾンなどのステロイド;(c)シクロスポリン(シクロスポリンA、サンディミュン(Sandimmune)(登録商標)、ネオラル(Neoral)(登録商標))、タクロリムス(FK-506、プログラフ(Prograf)(登録商標))、ラパマイシン(シロリムス、ラパミュン(Rapamune)(登録商標))及びその他のFK-506型免疫抑制剤及びミコフェノラート、例えばミコフェノール酸モフェチル(セルセプト(CellCept)(登録商標))などの免疫抑制薬;(d)ブロモフェニラミン、クロルフェニラミン、デキサクロルフェニルアミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミンピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デカルボエトキシロラタジンなどの抗ヒスタミン剤(H1-ヒスタミンアンタゴニスト);(e)β2-アゴニスト(テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、ビトルテロール及びピルブテロール)、テオフィリン、クロモリンナトリウム、アトロピン、臭化イプラトロピウム、ロイコトリエンアンタゴニスト(ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト、ポビルカスト、SKB-106,203)、ロイコトリエン生合成阻害剤(ジロートン、BAY-1005)などの非ステロイド性気管支喘息治療薬;(f)プロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸及びチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナック、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナック、フェンクロジン酸、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナック、イソキセパック、オキシピナク、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン及びゾメピラック)、フェナム酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸及びトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサル及びフルフェニサル)、オキシカム(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカム及びテノキシカン)、サリチラート(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)及びピラゾロン(アパゾン、ビズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン)などの非ステロイド系消炎薬(NSAID);(g)セレコキシブ(セレブレックス(Celebrex)(登録商標))及びロフェコキシブ(ビオックス(Vioxx)(登録商標))などのシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害剤;(h)ホスホジエステラーゼIV型(PDE-IV)の阻害剤;(i)オーラノフィン及びオーロチオグルコースなどの金化合物;(j)ホスホジエステラーゼIV型(PDE-IV)の阻害剤;(k)ケモカイン受容体、特にCCR1、CCR2、CCR3、CCR5、CCR6、CCR8及びCCR10のその他のアンタゴニスト;(l)HMG-CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチン及びプラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、並びにその他のスタチン)、捕捉剤(コレスチラミン及びコレスチポール)、ニコチン酸、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラート及びベンザフィブラート)及びプロブコールなどのコレステロール低下薬;(m)インスリン、スルホニル尿素、ビグアミド(メトホルミン)、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース)及びグリタゾン(トログリタゾン及びピオグリタゾン)などの抗糖尿病性薬剤;(n)インターフェロンβ(インターフェロンβ-1α、インターフェロンβ-1β)の製剤;(o)エタナーセプト(エンブレル(Enbrel)(登録商標));(p)オルトクローン(OKT3)、ダクリズマブ(ゼナパックス(Zenapax)(登録商標))、インフリキシマブ(レミケード(Remicade)(登録商標))、バシリキシマブ(シムレクト(Simulect)(登録商標))及び抗CD40リガンド抗体(例えば、MRP-1)などの抗体療法、並びに(q)5-アミノサリチル酸及びそのプロドラッグ、ヒドロキシクロロキン、D-ペニシラミン、アザチオプリン及び6-メルカプトプリンなどの抗代謝剤、並びに細胞障害性癌化学療法薬などのその他の化合物を含むが、これらに限定されるわけではない。第2の活性成分に対する本発明の化合物の重量比は、変更してもよく、それぞれの成分の有効用量に依存する。一般に、それぞれの有効用量が使用されるであろう。従って、例えば、本発明の化合物をNSAIDと組み合わせるときは、本発明の化合物のNSAIDに対する重量比は、一般に約1000:1〜約1:1000、好ましくは約200:1〜約1:200の範囲であろう。また、本発明の化合物とその他の活性成分との組み合わせは、一般に上述した範囲内にあるであろうが、いずれの場合においても、それぞれの活性成分の有効用量が使用されるべきである。
【0131】
本発明の範囲内の免疫抑制剤は、レフルノミド、RAD001、ERL080、FTY720、CTLA-4、オルトクローン(OKT3)、ダクリズマブ(ゼナパックス(Zenapax)(登録商標))及びバシリキシマブ(シムレクト(Simulect)(登録商標))などの抗体療法、並びに胸腺グロブリンなどの抗胸腺細胞グロブリンを更に含むが、限定されない。
特に好ましい実施態様において、本方法は、本発明の化合物を単独で、又はベタセロン、アボネックス、アザチオプリン(イムレク(Imurek)(登録商標)、イムラン(Imuran)(登録商標))、カポキソン、プレドニゾロン及びシクロホスファミドから選択される第2の治療薬と組み合わせて使用する、多発性硬化症の治療又は予防に向けられる。組み合わせて使用されるときに、開業医は、治療薬の組み合わせを投与することができ、又は投与は、連続的であることができる。
【0132】
更にその他の特に好ましい実施態様において、本方法は、本発明の化合物を単独で、又はメトトレキセート、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキン、シクロスポリンA、D-ペニシラミン、インフリキシマブ(レミケード(Ramicade)(登録商標))、エタナーセプト(エンブレル(Enbrel)(登録商標))、オーラノフィン及びオーロチオグルコースからなる群から選択される第2の治療薬と組み合わせて、いずれかで投与される、リウマチ様関節炎の治療又は予防に向けられる。
【0133】
更にその他の特に好ましい実施態様において、本方法は、本発明の化合物を単独で又はシクロスポリンA、FK-506、ラパマイシン、ミコフェノラート、プレドニゾロン、アザチオプリン、シクロホスファミド及び抗リンパ球グロブリンからなる群から選択される第2の治療薬と組み合わせて使用される、臓器移植状態の治療又は予防に向けられる。
【実施例】
【0134】
(5.実施例)
以下で使用する試薬及び溶媒は、Sigma-Aldrich 社(St. Lou, MO, USA)などの市販の供与源から得ることができる。1H-NMRスペクトルは、Bruker 500 MHZ核磁気共鳴分光計で記録した。有意なピークは:プロトン(多重度)の数(s、一重項;d、二重項;t、三重項;q、四重項;m、多重項;br s、広い一重項)及びヘルツ(Hz)での結合定数の順番に作表してある。エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量分析解析は、試料送達のためにHP 1100 HPLCを使用してHewlett-Packard 1100 MSDエレクトロスプレー質量分析計で行った。質量分析結果は、電荷に対する質量の比として報告してある。それぞれの化合物は、0.1mg/mLにてメタノールに溶解し、1マイクロリットルを送達溶媒と共に質量分析計に注入して、これを100〜1500ダルトンでスキャンした。送達溶媒として1%の酢酸を含む1:1アセトニトリル/水を使用して、それぞれの化合物をポジティブESIモードで解析することができた。また、それぞれの化合物は、送達溶媒としてアセトニトリル/水中の2mM NH4OAcを使用してネガティブESIモードで解析することができる。
【0135】
(5.1. 実施例1)
【化37】

(a)NMM、ICBF、CH2Cl2、-25℃、1.5時間;(b)2-アミノニコチン酸、CH2Cl2、-25〜15℃、12時間;(c)1)4-ヨードアニリン、CH2Cl2、-10〜15℃、12時間;(d)NMM、IBCF、CH2Cl2、-25℃、12時間(全体で13%);(e)(PH3P)4Pd、CuI、NaCN、MeCN、70℃、30分(89%)。
【0136】
化合物1は、スキームAに示したように市販の出発材料から合成した。
(R)-tert-ブチルl-(3-(4-ヨードフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)エチルカルバマート(A3)。Boc-d-アラニンの溶液、A1(10.0g、52.9mmol)のCH2Cl2(140nl)溶液を-25℃に冷却した(内部測定)。N-メチルモルホリン(NMM)(13.8mL、125mmol)、続いてイソ-ブチルクロロホルマート(IBCF)(13.5mL、104mmol)をこのような割合にて添加し、内部温度を-25℃以下に維持した。1.5時間後、カニューレを介して混合物を250mLの、温度計を備え、かつ乾燥2-アミノニコチン酸を含む三首フラスコに移した(7.28g、52.7mmol)。添加完了後(およそ10分)、混合物の内部温度を-10℃に調整した。反応混合物を17時間以上勢いよく撹拌しながら温め、15℃の最終温度に到達させた。混合物を0℃に冷却して、氷冷1N HCl(2×100mL)、鹹水(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。生じるA2の溶液を250mLの三首に満たし、-25℃に冷却して、固体の4-ヨードアニリン(11.61g、53mmol)で処理した。生じる暗い混合物を12時間以上撹拌しながら15℃に温めた。溶液を1N HCL(2×100 mL)、飽和NaHCO3(2×100mL)、鹹水(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。混合物を-25℃に冷却し、NMM(6.8mL、61.8mmol)、続いてIBCF(6.7mL、56.1)で処理して内部温度を-25℃以下に維持する。12時間攪拌後、反応混合物を1N HCl(2×100mL)、飽和NaHCO3(2×100mL)、鹹水(100mL)をで洗浄して、Na2SO4で乾燥し、濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィーによる濃縮物の精製(50×400mmカラム;5%のアセトン/CH2Cl2〜25%のアセトン/CH2Cl2)により、A3を得た(3.41g、13%;純度96% AUC)。Rf= 0.37(15% アセトン/CH2Cl2)。
【0137】
(R)-tert-ブチル1-(3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)エチルカルバマート(1)。A3(2.02g、4.10mmol)、(Ph3P)4Pd(439mg、0.38mmol)、CuI(157mg、0.82mmol)及びNaCN (406mg、8.29mmol)を、還流冷却器を備えた25mLの西洋ナシ形フラスコ内で合わせた。混合物を高真空下で真空にして、乾燥N2で3回充填し直した。次いで、アセトニトリル(6mL)を添加して、生じる懸濁液を30分間70℃に加熱し、その時点でTLC及びHPLC解析は、完全に近いA3の消費を示した。混合物をEtOAc(100mL)で希釈して、セライトのパッドを通して濾過した。濾液を飽和NaHCO3(100mL)で洗浄した。水性洗浄液を、さらなるEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥させて、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーによる残渣の精製(50× 400 mmカラム;80% EtOAc/ヘキサン〜100% EtOAc)により、1を得た(1.42g、89%;純度96% AUC;キラルHPLC解析によって92% e.e.)。Rf= 0.35(80% EtOAc/ヘキサン)。
【0138】
(5.2. 実施例2)
【化38】

【0139】
(R)-4-(2-(1-アミノエチル)-4-オキソピリド[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)ベンゾニトリル(B1)。化合物1(1.05g、2.68mmol)をCH2Cl2(40mL)に溶解して、TFA(40mL)で処理した。生じる混合物を1.5時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。濃縮物をCH2Cl2(100mL)に再溶解して、飽和NaHCO3(100mL)で洗浄した。水性洗浄液を、さらなるCH2Cl2(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濃縮して、17時間高真空下で乾燥してB1(767mg、98%)を得て、これは、更に精製しなくても使用に適していた。
【0140】
(R)N-(1-(3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)エチル)-N-(2-(エチルスルホニル)エチル)-2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド(2)。粗製B1(567mg、1.95mmol)及びエチルビニルスルホン(0.26mL、2.49mmol)をMeOH無水物(6.5mL)中で合わせた。混合物を17時間撹拌しながら50℃(外部の温度)まで加熱し、その時点で、反応混合物のLC-MS解析では、出発材料の完全な消費を示した。反応混合物をEtOAc(100mL)と水(50mL)との間で分けた。EtOAc層は、水(2×50mL)で洗浄した。合わせた洗浄液を、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥させて、濃縮した。残渣を4-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェニル酢酸(680mg、2.93mmol)、EDCI(2.98mmol)及びHOBt(376mg、2.78mmol)のDMF(5mL)溶液中で合わせた。生じる混合物をHunig塩基(1.35mL、7.75mmol)で処理して、室温にて17時間撹拌させた。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈して、1N HCl(2×100mL)で洗浄した。合わせた洗浄液を、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた抽出物を飽和NaHCO3(200mL)、水(3×100mL)及び鹹水(100mL)で洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥させて、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10% THF/CH2Cl2〜20% THF/CH2Cl2〜100%のTHF)によって精製し、254nMにて>97%純度AUCで、非結晶の白色固体として2(780mg、1.27mmol、65%)を得た。Rf= 0.2(15% THF/CH2Cl2)。DSCでは、179℃の吸熱イベントのみを示した。
【0141】
(5.3. 実施例3)
本実施例は、市販の出発材料からの化合物3の合成を記述する。
【化39】

【0142】
(R)-ベンジル1-(6,8-ジフルオロH-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)エチルカルバマート(C2)。フラスコに、2-アミノ-3,5-ジフルオロピリジン(1.56g、12mmol)及び(R)-ベンジル4-ブロモ-3-オキソブタン-2-イルカルバマートC1(3.6 g、12mmol)、続いて35mLのエタノール無水物を添加した。生じる反応混合物を還流まで一晩加熱した。次いで、溶媒を除去して、反応を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム溶液との間で分けた。酢酸エチル層を乾燥させて、濃縮した。少量のエーテルの添加により、純粋な生成物である結晶を生じた。残りの混合物を4:1ジクロロメタン:酢酸エチルでクロマトグラフした。合計1.75gのC2を生じた。
【0143】
(R)-1-(6,8-ジフルオロH-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)エタンアミン(C3)。C2(1.51g、4.6mmol)をトルエンで共沸混合した。PdCl2をフラスコに添加して、反応フラスコを窒素で流した。次いで、ジクロロメタン無水物(23mL)を添加し、続いてトリエチルアミン(446μL、3.2mmol)及びトリエチルシラン(2.92mL、18.3mmol)を添加した。生じる混合物を1時間20分間還流した。飽和塩化アンモニウムを添加して反応混合物をクエンチした。ジクロロメタン層を取っておいた。固体の炭酸水素ナトリウムを添加して、水層のpHを8に調整した。次いで、水層を5回、30%イソプロパノールのクロロホルム溶液で抽出した。合わせたイソプロパノールクロロホルム抽出物を乾燥させ、濃縮してC3(836mg)を得て、これを更に精製することなく使用した。
【0144】
(R)-1-(6,8-ジフルオロH-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)-N-(2-(エチルスルホニル)エチル)エタンアミン(C4)。C3(836mg、4.2mmol)を21mLのメタノールに溶解した。トリエチルアミン(0.59mL、4.2mmol)続いてエチルビニルスルホン(0.44rnL、4.2mmol)を添加した。反応を50℃にて一晩加熱した。メタノールの除去後、混合物を1:1ジクロロメタン:酢酸エチル、次いで3%メタノールのジクロロメタン溶液及び6%メタノールのジクロロメタン溶液でのクロマトグラフィーによって精製し、1.1gのC4を得た。
【0145】
(R)-N-(1-(6,8-ジフルオロH-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)エチル)-N-(2-(エチルスルホニル)エチル)-2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド(C5)。C4(1.03g、3.2mmol)を含むフラスコに、2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)酢酸(794mg、3.6mmol)、EDC(1.87g、9.8mmol)、HOBt(220mg、1.6mmol)、続いて40mLのDMF無水物及びN-メチルモルホリン(1.07mL、9.8mmol)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌し、酢酸エチル及び水でワークアップした。カラムクロマトグラフィーによりC5を得た(1.64g)。
【0146】
(R)-N-(1-(6,8-ジフルオロ-3-ヨードH-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)エチル)-N-(2-(エチルスルホニル)エチル)-2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド(C6)。C5(309mg、0.59mmol)を酢酸4mLに溶解した。N-ヨードスクシンアミド(140mg、0.59mmol)を添加した。ヨウ素化は、25分で完了した。水を添加して、反応物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を乾燥させて、濃縮し、ジクロロメタン及び酢酸エチルでクロマトグラフして240mgのC6を得た。
【0147】
(R)-N-(1-(3-(4-シアノフェニル)-6,8-ジフルオロH-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)エチル)-N-(2-(エチルスルホニル)エチル)-2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド(3)。C6(157mg、0.24mmol)、4-シアノフェニルホウ酸(43mg、0.29mmol)及びPd(dppf)2Cl2(20mg、0.024mmol)を10mLのCEMマイクロ波チューブに添加し、続いてTHF(2.4mL)及び炭酸ナトリウム(1.2mL、2M)を添加した。混合物を10分間150℃にてマイクロ波によって反応させ、次いで水と酢酸エチルとの間で分けた。勾配ジクロロメタン:酢酸エチル(4:1〜3:1〜2:1)でのカラムクロマトグラフィーにより、固体の明るい黄色として115mgの化合物3を得た。生成物は、NMRにより、一対の回転異性体(1:0.88)として存在した。1H NMR (CDCl3, 500 MHz):δ 7.94(d, J = 7.8, 1.7H), 7.9 (m, 3H), 7.66 (s, 1H), 7.61 (m, 4H), 7. 52 (m, 2.3 H), 7.25 (d, J = 6.6, 0.8H), 7.19 (dd, J = 7.5, 8.7, 1.9 H), 7. 04 (m, 1.9H), 5.96 (q, J = 7.2, 1H), 5.27 (q, J = 7.0, 0.9H), 4.10 (m, 1. 9H), 3.83 (m, 3.7H), 3.55 (s, l.6H), 3.44 (m, 1H), 3.20 (m, 1.9H), 3.06 (m, 4.6H), 1.61 (d, J = 6.8, 2.6H), 1.56 (d, J = 7.0, 3H), 1.47 (t, J = 7.4, 3H), 1.37 (t, J = 7.4, 2.7H). LC/MS (ES): 623.0 [M+H]。
【0148】
(5.4. 実施例4)
以下の実施例は、第5.3節に記載したとおりのスキームCを変更して合成した。
【化40】

化合物4.01。LC/MS(ES):635.0 [M+H]。
【0149】
【化41】

化合物4.02。LC/MS(ES):655.2 [M+H]。
【0150】
【化42】

化合物4.03。LC/MS(ES):605.2 [M+H]。
【0151】
【化43】

化合物4.04。LC/MS(ES):659.2 [M+H]。
【0152】
(5.5. 実施例5)
【化44】

【0153】
(R)-ベンジル1-(H-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)エチルカルバマート(D1)。
98ミリグラム(1mmol)の 2-アミノピリジン及びC1(300mg、1mmol)を、続いて3.6mLのエタノール無水物をフラスコに添加した。生じる反応混合物を還流まで一晩加熱した。次いで、溶媒を除去して、反応を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム溶液との間で分けた。酢酸エチル層を乾燥させて、濃縮した。混合物をクロマトグラフし、白色固体として122mgのD1を得た。
【0154】
(R)-ベンジル1-(3-ヨードH-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)エチルカルバマート(D2)。
D1(1.36g、4.6mrnol)をアセトニトリル無水物10mLに溶解し、これに、N-ヨードコハク酸アミド(1.09g、4.6mmol)を添加した。ヨウ素化は、30分間で完了した。沈殿物を濾過して、アセトニトリルを除去した。残渣を酢酸エチルに再溶解して、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回洗浄した。酢酸エチル層を乾燥させて、濃縮し、油として2.1gのD2を得て、これを更に精製することなく使用した。
【0155】
(R)-ベンジル1-(3-(4-シアノフェニル)H-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)エチルカルバマート(D3)。
D2(1g、2.4mmol)をトルエンと共にトルエン共沸混合した。4-シアノフェニルホウ酸(436mg、3mmol)及びPd(PPh34(270mg、0.24mmol)を、続いてジメトキシエタン20mL及び炭酸ナトリウム(11.9mL、0.5M)を添加した。生じる混合物を窒素下で80℃にて一晩加熱した。水を添加して、混合物を酢酸エチルで抽出した。乾燥及び濃縮の後、残渣をジクロロメタン/酢酸エチル(4:1〜3:1)によるクロマトグラフィーで精製し、泡の固体としてD3(570mg)を得た。
【0156】
(R)-4-(2-(l-アミノエチル)H-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)ベンゾニトリル(D4)。
D3(300mg、0.76mmol)をジクロロメタン無水物に溶解し、続いて-10℃にて窒素下でBBr3(3.8mL、1M ジクロロメタン溶液)を滴下添加した。-10℃にて1時間、次いで室温にて1時間攪拌を続けた。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加して反応をクエンチし、続いて酢酸エチルで2回、及び30%イソプロパノール/クロロホルムで1回抽出した。合わせた有機層を乾燥させて、濃縮した。1%の水酸化アンモニウムを含む勾配メタノールのジクロロメタン溶液でのカラム精製により、固体として105mgのD4を与えた。
【0157】
(R)-4-(2-(1-(2-(エチルスルホニル)エチルアミノ)エチル)H-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)ベンゾニトリル(D5)。
D4(48.8mg、0.19mmol)をエチルビニルスルホン(20μL、0.19mmol)を含む2mLメタノールに溶解した。反応を50℃にて一晩加熱した。メタノールの除去後、混合物を1:1ジクロロメタン:酢酸エチル、次いで勾配メタノールのジクロロメタン溶液(2%〜4%〜6%)でのクロマトグラフィーによって精製し、油としてD5(29.6mg)を得た。
【0158】
(R)-N-(1-(3-(4-シアノフェニル)H-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)エチル)-N-(2-(エチルスルホニル)エチル)-2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド(5)。
D4(29.6mg、0.08mmol)を含むフラスコに、2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)酢酸(19mg、0.086mmol)、EDC(45g、0.23mmol)、HOBt(6mg、0.043mmol)、続いて2.2mLのDMF無水物及びN-メチルモルホリン(26μL、0.23mmol)を添加した。反応を室温で一晩撹拌して、酢酸エチル及び水でワークアップした。カラムクロマトグラフィーにより、泡の固体として46mgの5を得た。生成物は、NMRによる一対の回転異性体(1:0.7)として存在した。1HNMR(CDCl3, 400 MHz):δ 8.10 (d, J = 6.8, 0.7H), 7.91 (d, J = 8.7, 2.8H), 7. 84 (d, J = 8.2, 1.4H), 7.70 (d, J = 9.2, 1H), 7.55 (m, 5.1H), 7.35 (t, J = 7.8, 1.7H), 7.24 (m, 2.1H), 7.19 (dd, J = 9.7, 11.9, 2H), 6.90 (t, J = 6.6, 1.7H),6.00 (q, J = 7.0, 0.7H), 5.26 (q, J = 6.8, 1H), 4.14 (m, l.4H), 3.96-3.80 (m, 4.2H), 3.51 (m, 2H), 3.17 (m, 1.6H), 3.00 (m, 4.4H), 1.63 (d, J = 6.9, 3H), 1.57 (d, J = 7.0, 2.1H), 1.40 (t, J = 7.5, 2.1H), 1.36 (t, J = 7.5, 3H). LC/MS (ES): 587.2 [M+H]
【0159】
(5.6. 実施例6)
以下の実施例は、第5.5節に記載したとおりのスキームDを修飾することによって合成した。
【化45】

化合物6.01。LC/MS(ES):606.1[M+H]。
【0160】
【化46】

化合物6.02。LC/MS(ES):580.2[M+H]。
【0161】
【化47】

化合物6.03。LC/MS(ES):610.2[M+H]。
【0162】
【化48】

化合物6.04。LC/MS(ES):588.1[M+H]。
【0163】
【化49】

化合物6.05。LC/MS(ES):607.3[M+H]。
【0164】
(5.7. 実施例7)
【化50】

【0165】
ベンジル1-(7-フルオロ-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2-イル)エチルカルバマート(E1)。(R)-エチル4-(ベンジルオキシカルボニル)-3-オキソペンタノアート(1.18g、4.0mmol)及び2-アミノ-5-フルオロピリジン(453mg、4.0mmol)を圧力チューブ内で9.2mLの酢酸に溶解した。反応を90℃にて一晩加熱した。圧力容器を冷却して、溶液をフラスコに移して、濃縮した。次いで、反応を酢酸エチルで希釈して、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄した。酢酸エチル層を乾燥させて、濃縮した。勾配酢酸エチル/ヘキサン、続く3:1ジクロロメタン:酢酸エチルでのクロマトグラフィーによって、1:1位置異性体混合物を得た。溶出剤を濃縮することにより、望まれない位置異性体の一部が沈殿してきた。固体を濾過して、残基を再び濃縮した。本過程を再び繰り返して、所望のE1が優勢な385mgの5:1位置異性体混合物を得た。立体中心は、この反応にてラセミ化した。
【0166】
ベンジル1-(3-ブロモ-7-フルオロ-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2-イル)エチルカルバマート(E2)。E1(385mg、1.13mmol)を14mLの酢酸に溶解した。臭素(58μL、1.13mmol)を滴下添加した。反応を室温で30分間撹拌した。水(40mL)を反応に添加して、反応を更に30分間撹拌して白色沈殿を生じさせて、これを濾過し、水で洗浄して、乾燥させ、E2(312mg)を得た。
【0167】
2-(1-アミノエチル)-3-ブロモ-7-フルオロ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(E3)。E2(312mg、0.74mmol)を18mLのジクロロメタン無水物に溶解した。BBr3(3.7mL、1M ジクロロメタン溶液)を-10℃にて窒素下で滴下添加した。-10℃にて50分間、次いで室温にて45分間撹拌を続けた。水を添加して反応をクエンチした。ジクロロメタン層を取っておいた。水層を炭酸水素ナトリウムでpH 8に調整し、30%イソプロパノールのクロロホルム溶液で4回抽出した。ジクロロメタン層を鹹水で洗浄し、鹹水層を炭酸水素ナトリウムでpH 8に調整し、30%イソプロパノールのクロロホルム溶液で1回抽出した。クロロホルム抽出物中の合わせた30%イソプロパノールを乾燥させて、濃縮し、固体として222mgのE3を得て、これを次の工程のために直接使用した。
【0168】
3-ブロモ-2-(1-(2-(エチルスルホニル)エチルアミノ)エチル)-7-フルオロ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(E4)。E3(222mg、0.78mmol)を5mLのメタノールに溶解した。トリエチルアミン(0.11mL、0.78mmol)を、続いてエチルビニルスルホン(0.082mL、0.78mmol)を添加した。反応を50℃にて一晩加熱した。メタノールの除去後、混合物を1:1ジクロロメタン:酢酸エチル、次いで勾配メタノールのジクロロメタン溶液(2%〜4%〜6%)でのクロマトグラフィーによって精製し、油として318mgのE4を得た。
【0169】
N-(1-(3-ブロモ-7-フルオロ-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2-イル)エチル)-N-(2-(エチルスルホニル)エチル)-2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド(E5)。E4(310mg、0.77mmol)を含むフラスコに、2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)酢酸(187mg、0.84mmol)、EDC(440g、2.3mmol)、HOBt(52mg、0.38mmol)を、続いて14mLのDMF無水物及びN-メチルモルホリン(0.25mL、2.3mmol)を添加した。反応を室温で一晩攪拌して、酢酸エチル及び水でワークアップした。勾配酢酸エチル/ジクロロメタン(3:1〜2:1〜1:1)でのカラムクロマトグラフィーにより、黄色の泡の固体として460mgのE5を得た。
【0170】
N-(1-(3-(4-シアノフェニル)-7-フルオロ-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2-イル)エチル)-N-(2-(エチルスルホニル)エチル)-2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド(7.01)。E5(66.8mg、0.11mmol)、4-シアノフェニルホウ酸(20mg、0.13mmol)及びPd(dppf)2Cl2(9mg、0.01mmol)を10mLのCEMマイクロ波チューブに添加し、続いてTHF(1.1mL)及び炭酸ナトリウム(0.55mL、2M)を添加した。混合物を150℃にて10分間マイクロ波によって反応させ、次いで水と酢酸エチルとの間で分けた。勾配ジクロロメタン:酢酸エチル(4:1〜3:1〜2:1)でのカラムクロマトグラフィーにより、ラセミ混合物の黄色の泡の固体として38mgの7.01を与えた。さらなる量の7.01を調製して合わせた。
【0171】
(R)-N-(1-(3-(4-シアノフェニル)-7-フルオロ-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2-イル)エチル)-N-(2-(エチルスルホニル)エチル)-2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド(7.02)。化合物7.01を、異性体の分離のための溶出剤として40%イソプロパノールのヘキサン溶液でのキラルHPLC(AD-H)カラムに充填した。異性体7.02は、白い泡の固体として29mgで得られた。生成物は、NMRによる一対の回転異性体(1:0.43)として存在した。1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ 8.98 (m, 1.4H), 7.93 (m, 1H), 7.87 (d, J = 8.3, 2H), 7.81 (m, 2H), 7.70(m, 1.3H), 7.53 (d, J = 8.1, 2.4 H), 7.45 (m, 1H), 7.14 (m, 1.5H), 7.06 (m, 2H), 5.52 (q, J = 7.2, 0.43H), 5.00(q, J = 6.7, 1H), 4.39 (m, 0.45H), 4.16(m, 1.44H), 3.97 (m, 1H), 3.81 (q, J = 11.5, 0.89H), 3.41 (m, 1.88H), 3.03(m, 6H), 1.56 (d, J = 6.8, 3H), 1.46 (t, J = 7.5, 1.6H), 1.40 (t, J = 7.5, 3H), 1.36 (d, J = 7.3, 1.4H). (LC/MS (ES): 633.4 [M+H]
【0172】
(5.8. 実施例8)
化合物8.01は、スキームFに示したとおりに合成した。反応条件は、第5.5節で詳述したものと同様であった。
【化51】

化合物8.01。LC/MS(ES):592.0[M+H]。
【0173】
(5.9. 実施例9)
【化52】

G2. DMF(5滴)を酸G1(4.02g、15mmol)及び塩化オキサリル(1.61mL、18mmol)を含むジクロロメタン溶液(30mL)に室温で添加した。1時間撹拌後、過剰なジクロロメタンを、減圧を使用して除去した。残りの残渣を乾燥THFに溶解して、次いで銅含有エチル(ethyl cuperate)を含むTHF溶液に-20℃にて(23mmol)添加した。20分後、次いで飽和硫酸銅溶液を-20℃にて添加し、混合物を室温に温めた。生じる溶液を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮した。残りの残渣を30%酢酸エチル/ヘキサン溶液で溶出するシリカで精製し、2.29g(56%、収率)のケトンG2を得た:ESI(MH+)m/z 275。
【0174】
G3. DMFジメチルアセタール(1.13mL、8.5mmol)及びケトンG2(2.32g、8.5mmol)をDMF溶液(10mL)中で60℃にて1.5時間共に加熱した。冷却後、溶液を酢酸エチルと水とで分けた。次いで、有機層を鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮した。残渣を50%の酢酸エチル/ヘキサン溶液で溶出するシリカで精製した。同様の画分をプールして、濃縮し、1.83g(65%、収率)のG3を得た:ESI(MH+)m/z = 330。
【0175】
G4. 水素化ナトリウム(186mg、4.7mmol)を中間体G3(1.02g、3.1mmol)及びシクロプロパンカルボキサミド(0.56g、4.7mmol)を含むエタノール溶液に添加した。生じる混合物を16時間還流にて加熱し、次いで濃縮した。残りの残渣を50%の酢酸エチル/ヘキサン溶液で溶出するシリカで精製した。同様の画分をプールして、濃縮し、0.62g(58%、収率)のピリミジンG4を得た:E51(MH+)m/z 351。
【0176】
G5. アルゴン洗浄したアセトニトリル(25mL)をピリミジンG4(0.62g、1.8mmol)、シアン化ナトリウム(174mg、3.6mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(103mg、0.09mmol)及びヨウ化銅(34mng、0.2mmol)を含むフラスコにアルゴン雰囲気下で添加した。生じる混合物を還流にて5時間加熱し、次いで濃縮した。残りの残渣を55%の酢酸エチル/ヘキサン溶液で溶出するシリカで精製し、0.4g(89%、収率)のピリミジンG5を得た:ESI(MH+)m/z 250。
【0177】
G6. AIBN(50mg)をピリミジンG5(0.4g、1.6mmol)及びNBS(0.29g、1.6mmol)を含む四塩化炭素溶液に添加して、還流にて7時間加熱した。次いで、混合物を室温に冷却して、水と分けた。次いで、有機層を鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮した。この材料を更に精製することなく次の工程に使用した:ESI(MH+)m/z 328。
【0178】
G7. アジ化ナトリウム(0.1g、1.6mmol)及びブロミドG6(1. 6mmol)をDMF(10mL)中で混合して、80℃にて2時間加熱した。加熱後、溶液を酢酸エチルと水とで分けた。次いで、有機層を鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮し、アジドG7を得た。この材料を更に精製することなく次の工程に使用した:ESI(MH+)m/z 291。
【0179】
G8. アジドG7(1.6mmol)をエタノール(25mL)中の10% Pd/C(50mg)上で水素(大気圧)の雰囲気下で15分間水素付加した。次いで、懸濁液を、セライトのケークを通して濾過して、濃縮し、アミンG8を得た。この材料を更に精製することなく次の工程に使用した:ESI(MH+)m/z 265。
【0180】
G9. ビニルスルホン(0.17mL、1.6mmol)、トリエチルアミン(0.22mL、1.6mmol)及びアミンG8(1.6mmol)をメタノール/水溶液(1:1、20mL)に溶解して、50℃に4時間加熱した。次いで、溶媒を減圧下で除去して、残りの残渣G9を精製することなく次の工程に使用した:ESI(MH+)m/z 385。
【0181】
化合物9.01. 中間体G9(1.6mmol)、2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)酢酸(355mg、1.6mmol)、EDAC(368mg、1.9mmol)及びトリエチルアミン(0.33mL、2.4mmol)をジクロロメタン(10mL)中で4時間混合した。次いで、過剰な溶媒を除去して、生じる材料を70%の酢酸エチル/ヘキサン溶液で溶出するシリカで精製した。同様の画分をプールして、濃縮し、9.01を得た:1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ8.42 (s, 0.5 H), 8.31 (s, 0.5H), 7. 83 (d, J = 8Hz, 1H), 7.77 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.41-7.48 (m, 2H), 7.09-7.16 (m, 1H), 7.05 (m, 1H), 5.60 (q, J = 7 Hz, 0.5H), 5.03 (q, J = 7 Hz, 0.5H), 4.20 (m, 0.5 H), 4.06-4.12 (m, 1H), 3.88 (m, 1H), 3.41 (m, 0.5H), 3.22 (m, 0.5H), 3.11 (m, 1.5H), 3.01 (m, 2H), 2.89 (d. J = 15 Hz, 0.5H), 2.36 (m, 0.5H), 2.18 (m, 0.5H), 1.51 (d, J = 7 Hz, 1.5H), 1.43 (t, J = 7 Hz, 1.5H), 1.37 (t, J = 7 Hz, 1.5H), 1.28 (t, J = 7 Hz, 1.5H), 1.17-1.26 (m, 5H), 1.07 (m, 2H), 0.89 (m, 1H); 解析用HPLC方法A @254 nm: rt 7.492 分; ESI (MH) m/z 589。
【0182】
(5.10. 実施例10)
【化53】

化合物10.01. 化合物10.01は、国際公開WO 02/083143の図8に記述されたイミダゾールの合成のための一般的なスキームに従って、p-メトキシフェニル基の代わりにp-シアノフェニル(cycanophenyl)基を形成するように変更して合成した。
【0183】
化合物10.02. PdCl2PPh3(19mg、0.02mmol)をヨウ化10.01(380mg、0.5mmol)及びトリブチル(ビニル)スズ(206mg、0.6mmol)を含む乾燥脱ガスDMF溶液(2mL)にアルゴン雰囲気下で添加した。次いで、混合物を封止チューブ内で180℃にて6分間マイクロ波処理した。加熱後、過剰なDMFを、減圧を使用して除去し、残りの残渣を50%のヘキサン/エチルアセテート溶液で溶出するシリカで精製した。同様の画分をプールして、濃縮し、白色固体として10.02を得た:解析HPLC法A@ 254nm:rt =6.626分;ESI(MH+)m/z 603。
【0184】
化合物10.03. 化合物10.02(369mg、0.6mmol)を、OsO4(触媒量)を含む3:1ジオキサン/水溶液(10mL)に溶解した。10分後、溶液は、色が暗くなり、またNaIO4(260mg、1.2mmol)を含む水溶液を添加した。反応が完了して2時間以内に、混合物を水(50mL)と酢酸エチル(50mL)とで分けた。次いで、有機層をNa2S2O3の飽和溶液、続いて鹹水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させて、濃縮し、10.03を得た。この物質は、精製することなく次の工程に使用した:解析HPLC法A@ 254nm:rt =7.279分;ESI(MH+)m/z 605。
【0185】
化合物10.04. 封止したチューブ内で、DAST(194mg、1.2mmol)を10.03のジクロロメタン(2mL)溶液と54℃にて8時間混合した。次いで、真空を使用して溶媒を除去し、残りの残渣を調製用HPLC(C18カラム、10%〜90%アセトニトリル/水勾配)を使用して精製した。10.04:1H NMR(化合物は、配座異性体の混合物として存在する)。10.04: 1H NMR (化合物は、高次構造異性体の混合物として存在する(500 MHz, CDC13) δ7.89 (s, 1H) 7.76 (m, 1H), 7.45 (m, 3H), 7.16 (m, 1H), 7.10 (m, 1H) , 6.23 (t, J = 50.9 Hz, 1H), 5.47 (q, J = 6.81 Hz, 0.6H), 4.72, (m, 0.4H), 3.92 (m, 1H), 3.67 (m, 2H), 3.18 (m, 1H), 3.02 (m, 3H) , 2.77 (m, 1H), 1.88 (m, 1H), 1.48 (d, J = 6.90 Hz, 1H), 1.43 (t, J = 7.46 Hz, 2H), 1.39 (m, 4H), 1.07 (m, 1H), 0.89-0.99 (m, 4H) ; 解析用HPLC 方法A @ 254nm: rt = 7.357 分; ESI (MH+) m/z 627。
【0186】
(5.11. 実施例11)
【化54】

J1. (R)-ベンジル4-ブロモ-3-オキソブタン-2-イルカルバマート(5.00g、16.7mmol)及びピリミジン-2-アミン(1.58g、16.6mmol)のEtOH(50mL)溶液の混合物を16時間還流した。EtOHを除去して、生じる油をEtOAc及び飽和NaHCO3で希釈した。沈殿する黄色の固体を濾過した(1.42g;MS(ES):297[M+H])。有機層を分離して、とっておいた。水層をEtOAcで3回洗浄し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空濃縮した。粗製物質を(2:1)EtOAc/CH2Cl2、続く2〜4%MeOH/CH2Cl2の勾配溶出を使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。この物質を再結晶によって更に精製した((1:9)MeOH/EtOAc)。0.85gのJ1が黄色の固体として得られた。上記のとおりのJ1のさらなる標品とで組み合わせたときに、2.27gのJ1が単離された(46%、収率)。
【0187】
J2. NIS(1.98g、8.36mmol、95%純度)をJ1(2.27g、7.66mmol)のCH3CN(100mL)溶液に添加して、混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残りの残渣を(2:1)EtOAc/CH2Cl2、続いて(3:1)EtOAc/CH2Cl2を使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、黄色の固体として3.00g(93%、収率)のJ2を与えた。
【0188】
J3. J2(2.76g、6.53mmol)をCH2Cl2(220mL)に溶解して、-10℃に冷却した。次いで、BBr3(1M CH2Cl2溶液、19.5mL、19.5mmol)を滴下添加して、混合物を-10℃にて1時間撹拌した。冷却浴槽を除去して、反応を30分にわたって室温に温めた。室温で更に1時間撹拌後、反応を飽和NaHCO3で慎重にクエンチした。次いで、反応混合物を1N HClの Et2O溶液で処理してJ3の塩を形成させた。沈殿する固体を濾過して、取っておいた(MS(ES):289[M+ H])。次いで、水層を有機から分離して、(3:7)IPOH/CHCl3(8回)で抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、真空濃縮した。得られた黄色の固体を以前に濾過した固体と合わせ、J3のHCl塩として1.75g(82%、収率)を得た。この物質は、更に精製することなく直接使用した。
【0189】
J4. J3(1.75g、5.40mmol)をMeOH(40mL)に溶解し、これにTEA(1.5mL、10.8mmol)を添加し、続いてエチルビニルスルホン(1.2mL、11.5mmol)を添加した。次いで、反応を50℃にて4.5時間加熱した。室温に冷却後、溶媒を蒸発させて、黄色の泡としての2.30gのJ4を与えた。
J5. J4(2.20g、5.39mmol)を2回トルエンと共に共沸混合し、次いで、DMF(35mL)に溶解した。次いで、その溶液に、4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル酢酸(1.70g、7.66mmol)、EDC(3.15g、16.4mmol)、HOBT(380mg、2.81mmol)及びNMM(1.80mL、16.4mmol)をその順番に添加した。次いで、生じる混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を除去して、粗製反応混合物を、2% MeOH/CH2Cl2を使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、黄色の固体として2.81g(85%、2工程にわたる収率)のJ5を与えた。
【0190】
化合物11. J5(79.00mg、0.129mmol)及び4-シアノ3-フルオロフェニルホウ酸(26.00mg、0.158mmol)をTHF(1mL)に溶解した。この溶液に、Pd(dppf)Cl2(11.00mg、0.013mmol)及び2M Na2CO3(0.5mL)を添加した。反応混合物をマイクロ波中で150℃にて10分間加熱した。溶媒を蒸発させ、粗製反応混合物を1〜2% MeOH/CH2Cl2の勾配溶出でのシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、オレンジ泡として57.6mg(74%、収率)の11を与えた。1H NMR (400 MHz, CDC13;回転異性体の混合物): 8.63 (m, 0.75H), 8.40 (m, 0.45H), 8.23 (m, 0.18H), 7.84 (m, 0.72H), 7.45 (m, 3.42H) , 7.28 (m, 1.13H), 7.16 (m, 1.22H), 6.99 (m, 1.17H), 5.99 (m, 0.60H), 5.29(m, 0.40H), 4.15 (m, 1.26H), 3.91 (m, 0.83H), 3.82 (m, 1.35H), 3.66 (s, 0.65H), 3.48 (s, 0.39H), 3.33 (m, 1.68H), 3.05 (m, 3.55H), 1.60 (m, 4.38H), 1.44 (m, 2.36H), 1.29 (m, 1.51H). MS (ES): 606 [M+ H]。
【0191】
(5.12. 実施例12)
以下の実施例では、12.01及び12.02の合成を記述する。
【化55】

【0192】
3-ブロモ-2-エチル4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(K2)。
アミノピリジン(32.6g、347mmol)、エチルプロピオニルアセテート(50.0g、347mmol)及びAcOH(250ml)の溶液を還流にて一晩加熱した。溶液を室温に冷却して、更に250mlの酢酸を添加した。反応を水バッチ中で冷却した。生じる溶液をおよそ10分にわたって17.8mlの臭素液滴で処理した。2時間室温で撹拌した後、沈殿物を濾過した。固体をエーテルで2回、及び40%酢酸エチル-ヘキサンで1回洗浄して、真空中で乾燥させ、最初の生成物として31.5gのK2を得た。濾液を小量に濃縮して、沈殿物を濾過した。固体をエーテルで2回及び40%酢酸エチル-ヘキサンで1回洗浄して、真空中で乾燥させ、第2の生成物として47.1g のK2を得た。合わせた収率:2工程にわたって89.9%。
【0193】
3-ブロモ-2-(1-ブロモエチル)-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(K3)。K2(16.4g、64.8mmol)、NBS(11.5g、64.8mmol)及びα,α,α-トリフルオロトルエン(160ml)を油浴中で90℃にて3日間加熱した。反応混合物を冷却して、EtOAc(1L)とH2O(1L)との間で分けた。相を分離して、有機層をH2O(4×750ml)で洗浄した。有機層を収集し、スラリーに濃縮して、濾過し、褐色の固体(12.5g)及び暗赤色の濾液を得た。濾液を更に濃縮し、メタノールで処理して、再び濾過し、茶色の固体のK3(1.91g)を得た。合わせた収率:67%。LC-MS(+esi、M+H+=330.9)。
【0194】
2-(1-(3-ブロモ-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2-イル)エチル)イソインドリン-1,3-ジオン(K4)。K3(3.2g、9.6mmol)、K2CO3(0.77g、5.3mmol)及びフタルイミド(1.41g、9.6mmol)を結晶化ディッシュにおいて一緒に粉砕した。生じる固体の混合物を丸底フラスコへ移して、80℃にて真空下で〜1時間乾燥した。DMF(50ml)を添加して、混合物を油浴中で80℃にて3時間加熱した。反応混合物を一晩冷却させ、次いでH2O(50ml)で処理して、濾過した。固体を60℃にて真空下で〜1時間乾燥した。オフホワイトの固体のK4(3.48g、9 1%)を得た。LC-MS(+esi、M+H+=398.0)。
【0195】
2-(1-アミノエチル)-3-ブロモ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン(K5)。K4(3.48g、8.74mmol)、水和ヒドラジン(0.5ml、9.61mmol)及びEtOH(80ml)を還流にて一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却させ、次いで濃HCl(7.2ml)で処理した。白いスラリーを還流にて〜1時間加熱した。混合物を室温に冷却し、白いスラリーを濾過した。H2O(50ml)を濾液に添加して、溶液をロータベープ(rotavap)へ移し、大部分のエタノールを真空中で除去した。生じる水溶液を飽和炭酸水素塩で塩基性化させ、固体塩化ナトリウムで飽和させ、ほとんど生成物が水層に残らなくなるまで、EtOAcで抽出した。有機物を合わせ、真空中で濃縮して、高真空に置いて、2.42g(〜100%)の黄色の固体のK5を得た。LC-MS(+esi、M+H+=268.0)。
【0196】
N-(1-(3-ブロモ-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2-イル)エチル)-N-(2-(エチルスルホニル)エチル)-2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド(K7)。K5(2.42g、9.02mmol)、エチルビニルスルホン(1.03ml、9.93mmol)、トリエチルアミン(1.38ml、9.93mmol)、メタノール(〜20ml)及びH2O(〜10ml)の溶液を50℃にて一晩加熱した。LC-MSは、残った出発物質を示した。さらなるエチルビニルスルホン(0.5ml)を添加して、溶液を更に〜6時間加熱した。LC-MSは、微量の出発物質を示した。反応混合物を真空中で濃縮して、生じる残渣をH2O(100ml)とEtOAc(100ml)との間で分けた。水層をEtOAc(2×100ml)で抽出した。有機抽出物を合わせて、油を含むK6(4.2gの粗製物、定量的)に濃縮した。LC-MS(+esi、M+H+=388.0)。
【0197】
上記の粗製油をDMF(50ml)に溶解した。N-メチルモルホリン(3ml、27.1mmol)、HOBT(609mg、4.51mmol)4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル酢酸(2.20g、9.92mmol)及びEDC・HCl(5.19g、27.1mmol)を溶液にその順序で添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をH2O(500ml)とEtOAc(500ml)との間で分けた。有機層をH2O(2×500ml)で洗浄し、収集して油まで濃縮した。油をCH2Cl2に溶解して、シリカゲルでクロマトグラフした(0% EtOAc〜30% EtOAcのCH2Cl2溶液)。所望の画分を合わせて、油状残渣(4.60g、2工程にわたって86%)に濃縮した。メタノール(50ml)に残渣を溶解することにより、結晶を形成し、生じるスラリーを濾過して、白色固体K7(3.41g)を得た。LC-MS(+esi、M+H+=592.0)。
【0198】
(R)-N-(1-(3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2-イル)エチル)-N-(2-(エチルスルホニル)エチル)-2-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド(12.02)。K7(300mg、0.506mmol)、4-シアノフェニルホウ酸(89mg、0.608mmol)、Pd(dppf)Cl2(40mg、0.05mmol)、THF(2ml)及び2M Na2CO3(1ml、2mmol)をマイクロ波チューブ内で混合して、CEMマイクロ波中で150℃にて10分間加熱した。有機層をシリカゲル(1:1 EtOAc:CH2Cl2)でクロマトグラフして、所望の画分を、12.01を含む油まで濃縮した。油をメタノールに溶解して、Chiralpak AD-Hカラムへの5回の注射を経て分離した(2×25cm、5μ;35% IPA:65% ヘキサン;12ml/分)。後期に溶出するエナンチオマーを収集して、濃縮した。生じる油を最小量のCH3CNに溶解し、H2Oで処理し、次いで凍結乾燥させ、ふわふわした白色固体12.02(110mg、35%)を得た。LC-MS(+esi、M+ H+=615.1)。
【0199】
(5.13. 実施例13)
さらなる例示的化合物は、上記の反応スキームに従って、わずかに変更して合成した。
【化56】

化合物13.01。
【0200】
【化57】

化合物13.02。
【0201】
【化58】

化合物13.03。
【0202】
【化59】

化合物13.04。
【0203】
【化60】

化合物13.05。
【0204】
【化61】

化合物13.06。
【0205】
【化62】

化合物13.07。
【0206】
【化63】

化合物13.08。
【0207】
【化64】

化合物13.09。
【0208】
(5.14. 実施例14)
表1に提供した以下の実施例は、上記の合成経路図に従って少し変更して合成した。
【表1】




【0209】




【0210】




【0211】





【0212】
(5.15. 実施例15)
以下の実施例では、本発明の化合物の利点を例証する比較データを提供する。本明細書に記述され、及び例えばWO 02/083143において以前に記述された化合物を含むCXCRモジュレーターを、細胞遊走アッセイ法における活性についての、及びこれらがチトクロームP450 3A(「CYP」)を阻害する能力についてのCXCR3結合アッセイに供した。更に、本発明の化合物及び前述したものを生理学的条件下で研究して、これらの代謝を評価した。これらの研究は、肝臓ミクロソーム標品中で特定の化合物をインキュベートすること、及び化合物の分解又は代謝生成物について画分を解析することによって行った。これらのアッセイ法を行うための方法は、以下に提供してある。結果は、表2〜4に提供してある。
【0213】
CXCR3結合アッセイ:CXCR3結合アッセイは、ヒト血漿の非存在下(「結合用緩衝液」)又は存在下において、以前に記述されたとおりに行った(例えば、WO 02/083143の実施例12を参照されたい。その全体が引用により本明細書に組み込まれる)。他に断らない限り、使用したすべての試薬は、市販の供与源(例えば、Sigma-Aldrich, St. Lou, MO, USA)から入手可能である。試験化合物をDMSOに、40倍の意図される最終アッセイ濃度である濃度に希釈し;5μLを96ウェル平底ポリプロピレンプレート(例えば、Greiner, Inc.から)のそれぞれのウェルに移した。ChemoCentryxから得られたCXCR3発現細胞をアッセイ法に使用し、下記のデータセットを作製した。細胞をアッセイ緩衝液(25mM Hepes、80mM NaCl、1mM CaCl2、5mM MgCl2、0.2% ウシ血清アルブミン、4℃にて貯蔵、pH 7.1)に1mLあたり5,000,000の細胞にて再懸濁し;次いで、この細胞懸濁液の100μLを希釈された試験化合物を含む96ウェルプレートのそれぞれのウェルに移す。125I標識されたケモカイン(市販の供与源、例えばAmersham、PE Life Scienceから購入したもの)をアッセイ緩衝液中におよそ60pMの濃度に希釈し;このケモカイン溶液の100μLを化合物及び細胞懸濁液を含む96ウェルプレートのそれぞれのウェルに移す。プレートを市販のホイルプレートシール(例えば、E&K Scientificから)で封止して、4℃にて2〜4時間の期間貯蔵し、穏やかに振動させる。このインキュベーション期間終了後、アッセイプレートの内容物を、セル‐ハーベスタ(Packard)を使用して0.3% ポリエチレンイミン(Sigma-Aldrich)を含む溶液へ液浸し、洗浄液緩衝液(25mM Hepes、500mM NaCl、1mM CaCl2、5mM MgCl2、室温にて貯蔵、pH 7.1)で2回洗浄することによってプレコートしたGF/Bフィルタプレート(Packard)へ移す。フィルタプレートをプレートシール(Packard)で底面に封止して、50μLのMicroscint-20シンチレーション液(Packard)をそれぞれのウェルに添加し、プレートの上面を透明プラスチック(TopSeal A, Packard)で封止する。プレートをPackard TopCounなどのシンチレーションカウンターで計数する。非特異的結合を測定するために、非標識「冷却」ケモカインを含む4つのウェルをそれぞれの96ウェルプレートに含めた。最大結合量を測定するために、5μLのDMSO、100μLの細胞懸濁液及び100μLの125I標識されたケモカイン溶液を含む4つのウェルをそれぞれの96ウェルプレートに含めた。データは、市販のソフトウェア(例えば、MicrosoftからのExcel、GraphPad Softwear Inc.からのPrism)を使用して解析した。
【0214】
CYP阻害アッセイ法: 時間依存的CYP阻害アッセイ法は、NADPHの存在下においてプールされたヒト肝ミクロソーム(1mg/mLのタンパク質)を含む0.1mMリン酸緩衝液中の試験化合物を0、15及び30分間インキュベートすることによって開始した。それぞれの時点にて、プレインキュベーション混合物の一定分量を取り出して、0.1mMリン酸緩衝液及び新鮮なNADPHを含むマーカー基質(ミダゾラム)に添加した。残りのCYP活性は、プレインキュベーションの0、15及び30分後に、5分間モニターした。データは、0分にて形成されたものと比較した15分における%1-OHミダゾラム形成として表してある。ポジティブ対照は、公知の時間依存的CYP阻害剤である15μMトロレアンドマイシン(TAO)であり、これは、15分のプレインキュベーション後におよそ50%までCYP活性を減少させた。DMSO(媒体対照)は、15分にわたってCYP活性の10%の低下を生じさせた。
【0215】
ラットにおけるインビボでの代謝評価:インビボにおける試験化合物の代謝経路を研究するために、スプラーグドーリー系(SD)ラットに懸濁液の試験化合物を投与した(経口的胃管栄養法)。血液試料(〜0.3mL/時点)を投薬1、2、4、8、24、30及び48時間後にEDTAを含むチューブにて収集した。全ての血液試料は、イソフルラン麻酔法下で尾動脈静脈穿刺を介して収集した。血液試料は、遠心分離によって血漿を処理して、解析まで凍結貯蔵した(-20℃〜-70℃)。試料は、感受性が高く、かつ選択的なLC/MS/MS法を使用して解析した。簡潔には、試料を、タンパク質沈澱を使用して解析のために調製した。生じる上清の一定分量をLC/MS/MS解析に供した。内因性材料からの分析物の分離は、逆相HPLCを使用して達成した。カラム流出液を、Sciex Turbolon SprayプローブでSciex API 365三連四極質量分析計をを使用してモニターした。未知の濃度の試験品物は、1〜2000ng/mLの検量線を使用して決定した。
【0216】
I-TA C遊走アッセイ法:ヒト末梢血単核細胞(PBMC)をOKT3(ハイブリドーマ株化細胞OKT3(ATCC CRL-8001)からのAB溶液によって精製したもの)及びIL-2(Peprotech, Inc., Rocky Hill, NJ, USA)で活性化した。14日後、細胞を1ng/mLのCMFDA中で活性化されたPBMCを組織培養インキュベーターにおいて37℃にて1.5時間以上インキュベートすることによって、クロロメチル-フルオレッセイン-ジアセタート(CMFDA)(Molecular Probes社)と共に充填した。細胞を充填すると共に、試験化合物をDMSO中に、意図される最終アッセイ法濃度の100倍である濃度に希釈した。次に100ng/mLのヒトITAC(Peprotech)のヒト血漿(EDTA、薬物を含まない、Biological Specialty社)溶液を調製した。試験化合物をヒトITAC調製に添加した。細胞を0.5% BSAを含む予熱された(37℃)RPMI(Invitrogen)培地中で一度洗浄して、ヒト血漿に5,000,000細胞/mlに再懸濁した。試験化合物をPBMCに添加した。96ウェル走化性遊走プレート(Neuro plate社)をウェルあたり30μLのITAC/化合物の混合物を、より下のチャンバーに添加することによって構築し、ITAC/化合物ウェルの上に不浸透性膜を置いて、ウェルに50μLのPBMC/化合物の混合物を添加した。プレートをカバーして、2.5時間の加湿された組織培養インキュベーター内でインキュベートした。試験プレートについての参照として使用されるCMFDAを充填した細胞の標準曲線を調製した。遊走プレートを分解して、475nm吸光度、517nm発光に設定した蛍光定量プレートリーダーに読み込む。蛍光定量の読みを、標準曲線を使用して細胞数に変換し、遊走細胞の割合を算出した。
【0217】
その他のアッセイ法を使用して、CXCR3ケモカイン受容体活性(例えば結合アッセイ)を調整する化合物を同定してもよいことが理解されよう(例えば、Weng らの論文 (1998) J. Biol. Chem. 273:18288-18291, Campbell らの論文 (1998) J. Cell Biol. 141:1053-1059, Endres らの論文 (1999).J. Exp. Med. 189:1993-1998 及びNg らの論文 (1999) J Med. Chern. 42:4680-4694を参照されたい)、カルシウム流量アッセイ法(例えば、Wang らの論文 (2000) Mol. Pharm. 57:1190-1198及びRabin らの論文 (1999) J. Immunol. 162:3840-3850を参照されたい)及び走化性アッセイ法(例えば、Albanesi らの論文 (2000) J. Irninunol. 165:1395-1402 及び Loetscher らの論文 (1998) Eur. J Immunol. 28:3696-3705を参照されたい)。
【0218】
【表2】

【0219】
【表3】

【0220】
【表4】

【0221】
表2〜4は、CXCR3結合、I-TAC遊走及びCYP3A阻害に関して、本発明の化合物の利点を例証する。CYP3A阻害研究により、本発明の化合物が、CXCR3アンタゴニストにおける望ましい特色であるCYP3Aを阻害しないことを示した。更に、本発明の化合物は、CXCR3結合及びI-TAC遊走活性に関して、強力なCXCR3アンタゴニストであることを見いだした。
【0222】
生理学的条件下で(例えば、肝臓ミクロソーム標品において)インキュベートしたときに、本発明の化合物は、代謝されなかった。同様の生理学的条件下でインキュベートしたときに、パラ-アルコキシフェニル構造上のアルコキシ基は、ヒドロキシル基に代謝され、これによりそうでない場合の親パラ-アルコキシフェニル構造に関連した有効が減少した。表2〜4に示したように、パラ-ヒドロキシフェニル構造は、CYPの時間依存的阻害と関連していた。
【0223】
CXCR3結合研究は、一般に、全てのCXCR3アンタゴニストのIC50が、ヒト血漿の非存在下で行われた結合アッセイと比較してヒト血漿を結合アッセイに含めたときに増加するであろうことを示す。しかし、本発明の化合物は、CXCR3有効性を維持することがより多く、すなわち、本発明の化合物は、例えばパラ-アルコキシフェニル構造よりも少ししかIC50の増大を示さなかった。
【0224】
本発明の例示的化合物の薬物動態をラットにおいて評価した。これらのパラメーターを表5に示す。
【表5】

【0225】
本明細書に引用される全ての刊行物及び特許出願は、あたかも個々の刊行物又は特許明細書が、引用として組み込まれたことを具体的かつ個々に示したかのように、本明細書に引用により組み込まれる。前述の本発明は、理解の明快さのために図と例とによりいくらか詳細に記述したが、添付の特許請求の範囲の精神又は範囲のから逸脱することなく、一定の変更及び改変をそれに対して行ってもよいことは、本発明の教示を考慮して、当業者には直ちに明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)を有する化合物又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ若しくは異性体:
【化1】

(式中、
Xは、結合、-C(O)-、-C(R5)(R6)-、-C(R5)=、-S(O)-、-S(O)2-及び-N=からなる群から選択されるメンバーであり;
Zは、結合、-N=、-O-、-S-、-C(R7)=及び-N(R14)-からなる群から選択されるメンバーであり、ただしX及びZは、両方とも結合ではないという条件であり;
Lは、結合、C(O)-(C1-C8)アルキレン、(C1-C8)アルキレン及び(C2-C8)ヘテロアルキレンからなる群から選択されるメンバーであり;
Qは、(C1-C8)アルキレン、-C(O)-、-OC(O)-、-N(R8)C(O)-、-CH2CO-、-CH2SO-、及び-CH2SO2-からなる群から選択されるメンバーであり;
任意に、L及びQは、共に連結して1〜3個のヘテロ原子を有する5員又は6員の複素環基を形成することができ;
R1及びR2は、独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択されるメンバーであるか、又は任意に結合して環頂点として0〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員環を形成し;
任意に、R2は、Lと共に連結して1〜4個のヘテロ原子を有する5員又は6員の複素環基を形成することができ;
R3は、存在しないか、又は水素、ヒドロキシ、(C1-C8)アルコキシ、アミノ、(C1-C8)アルキルアミノ、ジ(C1-C8)アルキルアミノ、(C1-C20)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、シクロ(C3-C9)ヘテロアルキル、(C1-C8)アシルアミノ、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、シアノ、ヘテロアリール、-CONR9R10及び-CO2R11からなる群から選択されるメンバーであり;
任意に、R3は、R2と結合して、N、O及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む4員環、5員環、6員環、7員環又は8員環を形成してもよく;
R4は、(C2-C20)アルキル、(C2-C20)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C6)ヘテロアルキル、アリール(C1-C6)アルキル及びアリール(C2-C6)ヘテロアルキルからなる群から選択されるメンバーであり;
R5及びR6は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択されるメンバーであるか、又は任意に、R5及びR6は、結合して3〜7員環を形成し;
R7及びR8は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択され;
それぞれのR9、R10及びR11は、独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール(C1-C8)アルキル及びアリール(C2-C8)ヘテロアルキルからなる群から選択され;
Rx、Ry及びRzは、それぞれ独立してH、F又はシアノであり、式中Rx、RY及びRzの少なくとも1つは、シアノであり;
Y1及びY2は、それぞれ独立して-C(R12)=、-CH(R12)-、-N=、-O-、-S-及び-N(R13)-からなる群から選択されるメンバーであり;
Y3は、N又はCであり、式中Y3がCであるときに、Y3は、Y2、Y4又はZと二重結合を共有し;かつ、
Y4は、N又はCであり、式中Y4がCであるときに、Y4は、X、Y1又はY3と二重結合を共有し、
式中、
それぞれのR12は、H、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(C1-C8)アルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択されるメンバーであり;
任意に、Y1及びY2がそれぞれ-C(R12)=又は-CH(R12)-の1つであるときに、2つのR12基は結合して、置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができ;
任意に、Y1が-C(R12)又は-CH(R12)-であり、かつXが-C(R5)=又は-C(R5)(R6)-であるときに、R12及びR5は結合して、置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができ;
それぞれのR13は、H、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール(C1-C8)アルキル及びアリール(C2-C8)ヘテロアルキルからなる群から選択されるメンバーであり;
任意に、Y1及びY2の1つが-C(R12)=又は-CH(R12)-であり、かつその他が-N(R13)-であるときに、R12及びR13は結合して、置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができ;
任意にY1及びY2が両方とも-N(R13)-であるときに、2つのR13基は結合して、置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができ;かつ、
R14は、H、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール(C1-C8)アルキル及びアリール(C2-C8)ヘテロアルキルからなる群から選択されるメンバーであり;式中、
任意に、Y2が-C(R12)=、-CH(R12)-又は-N(R13)-であるときに、R14又はR7は、R12又はR13と結合して、置換又は非置換の5〜6員のシクロアルキル環、シクロヘテロアルキル環、アリール環又はヘテロアリール環を形成することができ;
ただし、前記化合物は、
2-ビフェニル-4-イル-N-{1-[3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル]-エチル}-N-(2-メトキシ-エチル)-アセトアミド;
2-ビフェニル-4-イル-N-{1-[3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル]-エチル}-N-(2-エトキシ-エチル)-アセトアミド;
2-ビフェニル-4-イル-N-{1-[3-(4-シアノフェニル)-5-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル]-プロピル}-N-(2-エトキシ-エチル)-アセトアミド;
2-((N-2-エトキシエチル)-N-(4-トリフルオロメチルフェニルアセチル)-1-アミノエチル)-3-(4-シアノフェニル)-3H-キナゾリン-4-オン;
N-{1R-[3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-ピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル]-エチル}-N-(1H-イミダゾール-2-イルメチル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-アセトアミド;
N-{1R-{3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-ピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル]-エチル}-N-ピリジン-3-イルメチル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-アセトアミド;
N-{1R-[3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-ピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル]-エチル}-N-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-アセトアミド;
N-{1-[3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル]-エチル}-2-(3-フルオロ-4-トリフルオロメチル-フェニル)-N-ピリジン-3-イルメチル-アセトアミド;
(R)-N-{1-[3-(4-シアノフェニル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-ピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル]-エチル}-2-(4-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-N-ピリジン-3-イルメチル-アセトアミド、
ではないことを条件とする。)。
【請求項2】
X、Y1、Y2、Y3、Y4及びZが全体として
【化2】

、及び結合価が許される場合は、それらの置換された形態からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
前記置換基が炭素に結合したハロゲン、ヒドロキシル、メチル、エチル、シアノ、トリハロメチル、メトキシ又はエトキシである、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
X、Y1、Y2、Y3、Y4及びZが全体として5員又は6員の芳香環を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
R1、Rz及びRがHであり、Lがメチレン又はエチレンであり、Qが-CH2CO-であり、かつR4がアリール又はヘテロアリールである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
R3が、チオエーテル、スルホキシド又はスルホンを含む、(C2-C8)ヘテロアルキル又はシクロ(C3-C9)ヘテロアルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
Q-R4が全体として
【化3】

であり、式中Ra、Rb及びRcが、それぞれ独立してH、ハロゲン、-CN、-OCF3又は-CF3である、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
式(II)を有する請求項1記載の化合物又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ若しくは異性体:
【化4】

(式中、
L、Q、R2、R3、R4、Y4及びZは、式Iにおいて上記したとおりであり;かつ、
Y1及びY2は、それぞれ独立して-C(R12)=、-N=、-O-、-S-、及び-N(R13)-からなる群から選択されるメンバーであり、式中、
それぞれのR12は、独立してH、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(C1-C8)アルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択されるメンバーであり、かつ、
それぞれのR13は、H、(C1-C8)アルキル、シクロ(C3-C6)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール(C1-C8)アルキル及びアリール(C2-C8)ヘテロアルキルからなる群から選択されるメンバーである。)。
【請求項9】
Y1、Y2、Y4及びZを含む環が芳香族である、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
R3が、チオエーテル、スルホキシド若しくはスルホンを含む、(C2-C8)ヘテロアルキル又はシクロ(C3-C9)ヘテロアルキルであり、Lがメチレン又はエチレンであり、Qが-CH2CO-であり、かつR4が置換アリール又は置換ヘテロアリールである、請求項8記載の化合物。
【請求項11】
式(III)を有する、請求項8記載の化合物:
【化5】

(式中、L、Q、R2、R3、R4及びそれぞれのR12は、式IIにおいて上記したとおりである。)。
【請求項12】
式(IV)を有する、請求項1記載の化合物:
【化6】

(式中、L、Q、R1、R2、R3、R4、Rx、Ry、Rz、X及びY4は、式Iにおいて上記したとおりであり;
Zは、-N=又は-CH=であり;
Y1は、N又はCであり、式中、Y1がCであるときに、Y1は、A1、Y2、X又はY4と二重結合を共有し;
Y2は、Cであり、式中、炭素原子は、A4、Y1又はZと二重結合を共有し;
A1、A3及びA4は、それぞれ独立して-N=、-N(R15)-、-S-、=C(R16)-、-C(R16)(R17)-、-C(O)-及び-O-であり;
A2は、結合、-N=、-N(R15)-、=C(R16)、-C(R16)(R17)-又は-C(O)-であり;かつ、
それぞれのR15、R16及びR17は、独立してH、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C1-C8)アルキル、ヘテロアリール(C1-C8)アルキル、-OR'、-OC(O)R'、-NR'R''、-SR'、-R'、-CN、-NO2、-CO2R'、-CONR'R''、-C(O)R'、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR''C(O)2R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NHC(NH2)NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-N3、-CH(Ph)2、ペルフルオロ(C1-C4)アルコキシ及びペルフルオロ(C1-C4)アルキルからなる群から選択されるメンバーであり、式中R'、R''及びR'''は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、(非置換アリール)-(C1-C4)アルキル及び(非置換アリール)オキシ-(C1-C4)アルキルから選択される。)。
【請求項13】
A1、A2、A3、A4、Y1及びY2を含む環、若しくはX、Y1、Y2、Y3、Y4及びZを含む環、又は両方の環が芳香族である、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
R3が、チオエーテル、スルホキシド又はスルホンを含む、(C2-C8)ヘテロアルキル又はシクロ(C3-C9)ヘテロアルキルである、請求項12記載の化合物。
【請求項15】
R1、Rz及びRxがHであり、Lがメチレン又はエチレンであり、Qが-CH2CO-であり、かつR4がアリール又はヘテロアリールである、請求項12記載の化合物。
【請求項16】
Q-R4が全体として、
【化7】

であり、式中Ra、Rb及びRcがそれぞれ独立して-H、ハロゲン、-CN、-OCF3又は-CF3である、請求項12記載の化合物。
【請求項17】
Raが-CF3であり、Rbが-Fであり、かつRcが-Hである、請求項16記載の化合物。
【請求項18】
式(V)を有する、請求項12記載の化合物:
【化8】

(式中、L、Q、R2、R3及びR4は、式IVにおいて上記したとおりであり;
A1、A2及びA3は、それぞれ独立して-C(R16)(R17)-又は-C(O)-であり;
A4は、-N(R15)-又は-C(R16)(R17)-であり、かつ、
それぞれのR15、R16及びR17は、独立してH、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C1-C8)アルキル又はヘテロアリール(C1-C8)アルキルである。)。
【請求項19】
Xが結合であり、R1、Rz及びRxがそれぞれHである、請求項12記載の化合物。
【請求項20】
A1及びA3が=C(R16)-であり;
A2及びA4 が-N=又は=C(R16)-であり;
R1及びRxがHであり;かつ、
それぞれのR16が、独立してH、ハロゲン、-OR'、-OC(O)R'、-NRR''、-SR'、-R'、-CN、-NO2、-CO2R'、CONR'R''、-C(O)R'、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR''C(O)2R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NHC(NH2)=NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-N3、-CH(Ph)2、ペルフルオロ(C1-C4)アルコキシ及びペルフルオロ(C1-C4)アルキルからなる群から選択されるメンバーであり、式中R'、R''及びR'''は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、(非置換アリール)-(C1-C4)アルキル及び(非置換アリール)オキシ-(C1-C4)アルキルから選択される、請求項12記載の化合物。
【請求項21】
R3が、チオエーテル、スルホキシド又はスルホンを含む、(C2-C8)ヘテロアルキル又はシクロ(C3-C9)ヘテロアルキルである、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
Qが-CH2CO-であり、かつR4がアリール又はヘテロアリールである、請求項20記載の化合物。
【請求項23】
A4が-N=である、請求項20記載の化合物。
【請求項24】
式(VI)を有する、請求項12記載の化合物:
【化9】

(式中、L、Q、R2、R3、R4、R16、Ry、Rz及びA4は、式IVにおいて上記したとおりである。)。
【請求項25】
式(VII)を有する、請求項12記載の化合物:
【化10】

(式中、L、Q、R2、R3、R4及びR16は、式IVにおいて上記したとおりである。)。
【請求項26】
式(VIII)を有する、請求項12記載の化合物:
【化11】

(式中、L、Q、R2、R3、R4及びR16は、式IVにおいて上記したとおりである。)。
【請求項27】
R3が、チオエーテル、スルホキシド又はスルホンを含む、(C2-C8)ヘテロアルキル又はシクロ(C3-C9)ヘテロアルキルである、請求項26記載の化合物。
【請求項28】
Q-R4が全体として
【化12】

であり、
式中、Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立してH、ハロゲン、-OCF3又は-CF3である、請求項26記載の化合物。
【請求項29】
前記化合物が
【化13】

又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ若しくは異性体である、請求項26記載の化合物。
【請求項30】
前記化合物が
【化14】

からなる群から選択される、請求項29記載の化合物。
【請求項31】
式(VIIIa)又は(VIIIb)を有する、請求項26記載の化合物:
【化15】


【請求項32】
式(IX)を有する、請求項12記載の化合物:
【化16】

(式中、L、Q、R2、R3、R4及びR16は、式IVにおいて上記したとおりである。)。
【請求項33】
R3が、チオエーテル、スルホキシド又はスルホンを含む、(C2-C8)ヘテロアルキル又はシクロ(C3-C9)ヘテロアルキルである、請求項32記載の化合物。
【請求項34】
式(IXa)又は(IXb)を有する、請求項32記載の化合物:
【化17】


【請求項35】
Q-R4が全体として
【化18】

であり、式中Ra、Rb及びRcがそれぞれ独立してH、ハロゲン,-OCF3又は-CF3である、請求項32記載の化合物。
【請求項36】
前記化合物が、
【化19】

又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ若しくは異性体である、請求項32記載の化合物。
【請求項37】
前記化合物が、
【化20】

からなる群から選択される、請求項36記載の化合物。
【請求項38】
R1、Rz及びRxがHであり;
Xが-C(O)-であり;
Zが-N=であり;かつ、
A2が結合である、請求項12記載の化合物。
【請求項39】
式(X)を有する化合物:
【化21】

(式中、Q、R3、及びR4は、式Iにおいて定義したとおりであり;
Xは、-C(O)-、-CH2-又は-S(O)2-であり;
A1及びA4は、独立してN、又はC(R16)であり;
それぞれのR16は、独立してハロゲン,-OR'、-OC(O)R'、-NR'R''、-SR'、-R'、-CN、-NO2、-CO2R'、-CONR'R''、-C(O)R'、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR''C(O)2R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NHC(NH2)=NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-N3、-CH(Ph)2、ペルフルオロ(C1-C4)アルコキシ及びペルフルオロ(C1-C4)アルキルからなる群から選択されるメンバーであり、式中R'、R''及びR'''は、それぞれ独立してH、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、(非置換アリール)-(C1-C4)アルキル及び(非置換アリール)オキシ-(C1-C4)アルキルから選択され;
W1は、存在しないか、又は-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(O)-、-CH2-及び-NR18-からなる群から選択され、
W2及びW4は、独立して-CH2-、-CHR19-、-CH=、-CR19=、-NH-、-N=又は-NR18-であり;
W3は、存在しないか、又は-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-CH2-、-CHR20-、-CH=、-CR20=、-NH-、-N=及び-NR20-からなる群から選択され;
R18は、H、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)ヘテロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され、
R19及びR20は、独立して(C1-C20)アルキル、(C2-C20)ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C2-C6)ヘテロアルキル、アリール(C1-C6)アルキル及びアリール(C2-C6)ヘテロアルキルである。)。
【請求項40】
請求項1記載の化合物と医薬として許容し得る賦形剤、担体又は希釈剤とを含む、医薬組成物。
【請求項41】
対象における炎症性若しくは免疫性の状態又は疾患を治療する方法であって、このような治療を必要とする対象に、請求項1記載の化合物の治療上有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項42】
前記化合物が経口的に、非経口的に、又は局所的に投与される、請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記化合物がCXCR3を調整する、請求項41記載の方法。
【請求項44】
前記化合物がCXCR3アンタゴニストである、請求項41記載の方法。
【請求項45】
前記炎症性若しくは免疫性の状態又は疾患が神経変性疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、リウマチ様関節炎、アテローム性動脈硬化症、脳炎、髄膜炎、肝炎、腎炎、敗血症、サルコイドーシス、乾癬、湿疹、蕁麻疹、I型糖尿病、喘息、結膜炎、耳炎、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、副鼻腔炎、皮膚炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、ベーチェット症候群、痛風、ウイルス感染、細菌感染、臓器移植状態、皮膚移植状態及び移植片対宿主病からなる群から選択される、請求項41記載の方法。
【請求項46】
前記化合物が第2の治療薬と組み合わせて投与され、前記第2の治療薬が神経変性疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、リウマチ様関節炎、アテローム性動脈硬化症、脳炎、髄膜炎、肝炎、腎炎、敗血症、サルコイドーシス、乾癬、湿疹、蕁麻疹、I型糖尿病、喘息、結膜炎、耳炎、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、副鼻腔炎、皮膚炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、ベーチェット症候群、痛風、ウイルス感染、細菌感染、臓器移植状態、皮膚移植状態及び移植片対宿主病を治療するために有用である、請求項41記載の方法。
【請求項47】
対象における癌を治療する方法であって、このような治療を必要とする対象に、請求項1記載の化合物の治療上有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項48】
対象におけるCXCR3を媒介した状態又は疾患を治療する方法であって、このような治療を必要とする対象に、請求項1の化合物の治療上有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項49】
前記CXCR3を媒介した状態が神経変性疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、リウマチ様関節炎、アテローム性動脈硬化症、脳炎、髄膜炎、肝炎、腎炎、敗血症、サルコイドーシス、乾癬、湿疹、蕁麻疹、I型糖尿病、喘息、結膜炎、耳炎、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、副鼻腔炎、皮膚炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、ベーチェット症候群、痛風、ウイルス感染、細菌感染、臓器移植状態、皮膚移植状態及び移植片対宿主病からなる群から選択される、請求項48記載の方法。
【請求項50】
前記化合物がCXCR3を調整する、請求項48記載の方法。
【請求項51】
前記化合物が第2の治療薬と組み合わせて投与され、前記第2の治療薬が神経変性疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、リウマチ様関節炎、アテローム性動脈硬化症、脳炎、髄膜炎、肝炎、腎炎、敗血症、サルコイドーシス、乾癬、湿疹、蕁麻疹、I型糖尿病、喘息、結膜炎、耳炎、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、副鼻腔炎、皮膚炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、ベーチェット症候群、痛風、ウイルス感染、細菌感染、臓器移植状態、皮膚移植状態及び移植片対宿主病を治療するために有用である、請求項48記載の方法。
【請求項52】
前記CXCR3を媒介した状態が多発性硬化症、乾癬、リウマチ様関節炎、炎症性腸疾患及び臓器移植状態からなる群から選択される、請求項48記載の方法。
【請求項53】
前記化合物が、レミケード(登録商標)、エンブレル(登録商標)、COX2阻害剤、糖質コルチコイド、免疫抑制剤、メトトレキセート、プレドニゾロン、アザチオプリン、シクロホスファミド、タクロリムス、ミコフェノラート、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、シクロスポリンA、D-ペニシラミン、金化合物、抗リンパ球又は抗胸腺細胞グロブリン、ベタセロン、アボネックス及びコパキソンからなる群から選択される、別の治療薬と組み合わせて使用される、請求項48記載の方法。
【請求項54】
前記CXCR3を媒介した状態が臓器移植状態であり、かつ前記化合物が単独で、又はシクロスポリンA、FK-506、ラパマイシン、ミコフェノラート、プレドニゾロン、アザチオプリン、シクロホスファミド及び抗リンパ球グロブリンからなる群から選択される第2の治療薬と組み合わせて使用される、請求項48記載の方法。
【請求項55】
前記CXCR3を媒介した状態がリウマチ様関節炎であり、前記化合物は単独で、又はメトトレキセート、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキン、シクロスポリンA、D-ペニシラミン、レミケード(登録商標)、エンブレル(登録商標)、オーラノフィン及びオーロチオグルコースからなる群から選択される第2の治療薬と組み合わせて使用される、請求項48記載の方法。
【請求項56】
前記CXCR3を媒介した状態が多発性硬化症であり、前記化合物は単独で、又はベタセロン、アボネックス、アザチオプリン、カポキソン(capoxone)、プレドニゾロン及びシクロホスファミドからなる群から選択される第2の治療薬と組み合わせて使用される、請求項48記載の方法。
【請求項57】
前記対象がヒトである、請求項48記載の方法。
【請求項58】
細胞におけるCXCR3機能の調整方法であって、前記細胞を請求項1の化合物と接触させることを含む、前記方法。
【請求項59】
CXCR3機能の調整方法であって、CXCR3タンパク質を請求項1の化合物と接触させることを含む、前記方法。

【公表番号】特表2008−546843(P2008−546843A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519499(P2008−519499)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/025056
【国際公開番号】WO2007/002701
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(506147331)アムゲン インコーポレイティッド (27)
【Fターム(参考)】