掘削車の一体型動力伝達装置
【課題】掘削車の動力伝達装置の効率を改善する。
【解決手段】ディーゼルエンジン140を装備し、タワー95を支持した搭載回転テーブル104を支持している下部走行体110を包含する掘削車91の一体型動力伝達装置は、ディーゼルエンジンに連結された発電機142と回転テーブルの回転を指令するための第1のリニア電気モータ100と車両の並進を指令するための少なくとも1つの第2の高トルク・可逆型電気モータ121と発電機に接続された少なくとも1つの電圧及び電流強さ調整グループ144と回転テーブルに設けられ、第1のリニア電気モータ及び第2の高トルク・可逆型電気モータに電気的に接続した接点付回転分配器147と調整グループに接続されたバッテリグループ145を包含する。
【解決手段】ディーゼルエンジン140を装備し、タワー95を支持した搭載回転テーブル104を支持している下部走行体110を包含する掘削車91の一体型動力伝達装置は、ディーゼルエンジンに連結された発電機142と回転テーブルの回転を指令するための第1のリニア電気モータ100と車両の並進を指令するための少なくとも1つの第2の高トルク・可逆型電気モータ121と発電機に接続された少なくとも1つの電圧及び電流強さ調整グループ144と回転テーブルに設けられ、第1のリニア電気モータ及び第2の高トルク・可逆型電気モータに電気的に接続した接点付回転分配器147と調整グループに接続されたバッテリグループ145を包含する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削車の一体型動力伝達装置に関する。
【0002】
特に、本発明は、ホイール式掘削車又はクローラ式掘削車の回転テーブルの推進及び回転のための一体型機械式動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0003】
クローラ式掘削車及びホイール式掘削車のような土工機械を建造するための技術は、よく確立されている。
【0004】
このような機械は、かなり長い間確立されている本質的に同様の技術を介して、当業分野の大手製造業者によって確かに製造されている。
【0005】
機械の様々なクラス又はカテゴリーは、等価重量(例えば20トン、24トン、30トンのクラスなど)の車両を比較することによって比較され、これらは互いに、
− 寸法特性:単に幾つかを挙げると、ピッチ、掘削ダイヤグラム、サイズ及びアームのタイプ;
− 性能特性:掘削力、牽引力、テーブルの回転トルク及び速度、並進速度及び類似のもの;
− 運転特性:操縦者の快適性、やかましさ、指令の人間工学及び感度、電子的に支援された作業プログラムなど;
− 構造特性:機械構造部材、油圧構造部材及び電子構造部材のすべての構造技術の質;
において異なる。
【0006】
前述の機械は、一般に同じ構造形態により特徴付けられ、これらには、
− 溶接構造で作られた下部フレーム:このフレームは高剛性であり、2つの後方端部ですべての駆動輪減速装置を収蔵し、減速装置はクローラ式掘削車のための2つの側部クローラ装置あるいはホイール式機械のための4つのハブを介して車両の移動性を確保する。
− 「第五輪」として知られている軸方向ボールベアリングにより下部フレームに連結された回転上部部分(旋回タワー又は回転テーブル):タワーは、動力駆動装置(作動に必要なすべての付属品を備えたディーゼルエンジン)と、内部に設置された様々な作業及び移動機能を動かすのに適した油圧系統とを有する。油圧系統は、本質的且つ一般に、ディーゼルエンジンにより駆動される2つの油圧ポンプと、様々な操作機能(掘削シリンダ、回転、並進)に接続された方向弁のブロックとで構成される。すべての機能の指令は、油圧・電気油圧式連動装置(要求時に支援する電子プログムを備える)により「制御棒」を介して行われる。
− 上述したそれぞれの方向弁にパイプを介して接続された油圧シリンダによって指令されるスクープ又はかバケットの可動アームから成る掘削装置;
がある。
【0007】
特にタワーの回転及び車両の並進に関し、最も一般に採用される方法による先行技術は、図1〜4に概略的に記載され後述される。
【0008】
先行技術の図1〜4は例としてホイール式掘削車を参照するが、主な構成要素はクローラ装置にも存在する。
【0009】
図1は、先行技術による掘削車1の概略図を示すもので、この掘削車は、ハブ30に装着されたゴムタイヤ2を装備し、且つ、タワー5及び油圧シリンダ8により駆動される相対アーム7をもつバケット6を支持する回転テーブル4を取り付けている下部走行体3を包含する。
【0010】
図2は、回転タワー又は回転テーブルを回転させるための装置10の詳細な部分断面図を示すもので、回転テーブルは、「第五輪」11として知られている軸方向ボールベアリングによって下部フレーム(図示しない)に連結されている。図2に示されたバージョンでは、第五輪11は、下部走行体に固定された内部要素12と、回転テーブルに一体の外部要素13とを有する。第五輪11の内部要素12の内周に沿って、軸方向の歯14が、遊星歯車減速装置15’に連結された対応するピニオン15と噛合するように配設され、この遊星歯車減速装置は一般に2段式で、それぞれの方向弁により指令され回転テーブルに固定された油圧モータ16に連結されている。動力駆動装置(作動に必要なすべての付属品を備えたディーゼルエンジン)と、掘削車の様々な操作及び移動機能を駆動するのに適した油圧系統は、タワーに設置されている。
【0011】
図3は、下部走行体3(ホイール式掘削車)の分解斜視図を示すもので、下部走行体は、前車軸28、後車軸29、ダブルユニバーサルジョイントを備えた伝動装置27、車両の並進用の油圧モータ25、及びこのモータに連結された機械式変速機26を装備している。
【0012】
図4は、先行技術による車両の動力/動力伝達装置の概略図を示すもので、車両は、1つ以上の油圧ポンプ21に連結されたディーゼルエンジン20を包含し、油圧ポンプは、調整及び制御弁を含む分配グループ22に接続されている。
【0013】
このグループ22は、適宜の油圧回路23を介して油圧シリンダ8と油圧回転モータ16に接続され、この油圧回転モータは、第五輪11と係合するために回転テーブル4により支持された、ピニオン15を備える減速装置15’(図2に既に示してある)を駆動する。
【0014】
分配グループ22からの他の油圧接続部23は、回転テーブル4と下部走行体(簡略のため図示しない)との間に配設された油圧マニホルド24に、そして機械式変速機26に連結された油圧並進モータ25に油圧供給する。
【0015】
タワー5及びすべての掘削部品は、台車に対して動いて、操縦者により決定された場合にバケット6を放出することを適宜指示する。
【0016】
この動きは、第五輪又は軸方向ボールベアリングとの係合を介して行われ、第五輪の内部のピニオン歯車/歯を備えた機械式カップリングにより達成される。
【0017】
第五輪の内部の歯14はベアリングの一体部分であり、大きいモジュールを有する歯で作られている。
【0018】
ピニオン15は、遊星歯車減速装置(一般に2段式)に同軸に連結され、この遊星歯車減速装置は、この減速装置15’にフランジで取り付けた、高圧軸方向ピストンを備える油圧モータ16によって指令される。キャビテーション防止弁及び衝撃防止弁を介在し油圧管を介する油圧モータ16のそれぞれの方向弁との接続は、タワーの回転運動を2方向で得ることができる。
【0019】
クローラ式掘削車における車両の並進又は推進に関し、フレーム又は台車及びすべての機械は、それぞれの遊星歯車減速装置(一般に3段式)にフランジで取り付けた、軸方向ピストンを備える2つの油圧モータによって動かすことができる。
【0020】
それぞれのクローラに直接係合するモータのリムは、減速装置にフランジで取り付けられている。各軌道は他の軌道とは別個に指令され得る。油の流れは、それぞれの方向弁のタワー上方部分から出て、四方ロータリージョイントを横切り、安全弁(キャビテーション防止及び衝撃防止)により保護された2つの油圧モータに別個に油圧供給する。
【0021】
上述したことから、掘削車において、掘削機能と共に、上述した概略の方法に従って回転及び並進のための油圧伝達の解答を総合的に開発する構造技術は、よく確立されていると言うことができる。
【0022】
ディーゼル原動機は油圧ポンプに機械的な回転エネルギーを供給し、これらポンプは、ユーザに伝えられる流量及び圧力として方向弁のユニットに油圧エネルギーを供給する。油圧回転及び並進モータの場合、この油圧エネルギーは、機械的な回転エネルギーへ、すなわち、全体としてテーブルの(2方向の)動き及び/又はそれぞれの軌道の駆動輪の動きそして2つの進行方向の並進へ戻り変換する。
【0023】
回転と並進の両方の上述した機能は、キャビンに設置された相対的な油圧・電子式指令及び制御装置によって、また既述のように相対油圧回路の適宜の安全保護弁によって統合されている。
【0024】
すべての油圧系統は最終的にはオイルタンクに至り、ここからポンプが油圧供給し、また、要求された機能を使用した後に多種のラインがここに戻る。系統のすべてのオイルは、ディーゼル原動機のファンによって冷却される放射質量交換器を通して最終的に冷まされる。
【0025】
車両の回転及び並進用の前述した油圧要素の存在は、次のような一連の欠点を生じる:
− 構造の複雑さ:高価な油圧及び機械装置(方向弁、ロータリージョイント、油圧モータ、遊星歯車減速装置、高圧用剛性及び可撓性パイプ、油圧弁及び取付具)の存在は、相当の製造コストを意味する。
− エネルギーコスト:軸方向ピストンを備えたモータ及びポンプで作られた現在の油圧式動力伝達装置(回転及び並進)は、媒体圧力(250−280バール)の最適条件で、せいぜい75−80%の全収率であり、さらに、機械式動力伝達装置(3段式遊星歯車減速装置及びピニオン/第五輪の噛合の除去)は、エネルギー変換効率をさらに低下させ、オイルの冷却は、全収率を犠牲にしてエネルギーをさらに使用することを意味する。
− 騒音公害:近年の重要な技術的進歩にもかかわらず、油圧式動力伝達装置は非常に大きい特有の音を発生する。
− 保守コスト:油圧回路及び接続された装置は、本質的に連続して保守を必要とし、油圧回路の点検や設定(弁の目盛定め)は、装置及び専門の人材を必要とするためさらに高価となる。
− 車両の運転しやすさ:電子制御装置にもかかわらず、油圧の動作は、車両の運転し易さにおいて負の影響をもたらす、回転及び並進の正確さ、応答性、調整の可能性及漸進性に関する欠点を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
出願人は、掘削車の動力伝達装置の効率を改善することで問題に直面した。
【課題を解決するための手段】
【0027】
出願人は、テーブルの回転及び車両の並進を指令し制御するための油圧系統を、以下のような主構成要素を基にした電気エネルギー系統に置き換えるようにした掘削車の一体型動力伝達装置を提供することにより、前述の問題を解決することができた。すなわち、主構成要素は、
− ディーゼル原動機に連結した発電機;
− テーブルの回転を指令するためのリニア電気モータ;
− 並進を指令するための高トルク・可逆型アキシャル電気モータ;
− 電圧及び電流強さ調整グループ;
− 接点を備えた回転分配器;
− バッテリグループ;
である。
【0028】
従って、本発明の第1の様相によれば、請求項1に記載されたものによる掘削車の一体型動力伝達装置が提供されている。
【0029】
本発明のさらなる特徴は、従属請求項の対象をなしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明による掘削車の一体型動力伝達装置の特徴及び利点は、非限定的な例として与えられ添付図面を参照する下記説明から明らかになるであろう。
【実施例1】
【0031】
図5〜15に関して、ホイール式掘削車又はクローラ式掘削車の一体型動力伝達装置が概略的に示されている。
【0032】
特に図14に関し、ホイール式掘削車91は、単に一例として、先行技術(図1による)による掘削車と共通の外部要素を有し、従って、理解を容易にするために示されている。
【0033】
本発明による一体型動力伝達装置をもつ掘削車91は、ディーゼルエンジン140を装備し、ハブ120に装着したタイヤ付車輪92を装備した下部走行体110を包含する。
【0034】
下部走行体110は、タワー95及び油圧シリンダ98により駆動される相対アーム97をもつバケット6を支持し搭載した回転テーブル4を有する。
【0035】
掘削車91の一体型動力伝達装置は、
− ディーゼルエンジン140に連結した発電機142;
− 回転テーブル104の回転を指令するための第1のリニア電気モータ100;
− 並進を指令するための少なくとも1つの第2の高トルク・可逆型電気モータ121;
− 発電機142に接続された少なくとも1つの電圧及び電流強さ調整グループ144;
− 前記回転テーブル104に設けられ、前記第1のリニア電気モータ100及び前記第2の高トルク・可逆型電気モータ121に電気的に接続された、接点を備えた回転分配器147;
− 調整グループ144に接続されたバッテリグループ145;
を包含する。
【0036】
アーム97及びバケット96の掘削機能は、油圧系統によって管理され、その結果、様々な油圧シリンダ98の動力供給は、調整及び制御弁と油圧パイプ148を含む分配グループ143に接続されている油圧ポンプ141を包含する独立した油圧回路によって行われる。
【0037】
回転を指令するためのリニアモータ100は、図5〜8に示された変形例に従って作られるのに対し、ホイール式掘削車及びクローラ式掘削車の両方の並進のための電気モータ121(図9に概略的に示される)は、適用された革新的な技術により高トルクを供給できる、ロータ及びステータを装備した可逆型アキシャルモータである。
【0038】
前述の変形例に従って作ることができるテーブルの回転のためのリニアモータ100は、環状ディスク101bの表面のまわりに配設された複数のモータ素子101aを包含し、電流がモータ素子とディスクの間を流れるときに、前記ディスクに接線力Fを与える。
【0039】
この力Fは、ディスク自体の平面に垂直な中心軸Aの回りに、環状ディスクに対してモータ素子を相対回転させるトルクを生成する。
【0040】
従って、この構成により、モータ素子及び環状ディスクはステータ又はロータあるいはその逆となり得る。
【0041】
図6において、4つのモータ素子が描かれているが、矢印Fで識別された発揮される接線力、必要なトルク及び系統のサイズに応じて、2つ以上のモータ素子101aがある場合がある。
【0042】
このモータ素子101aは、好適には、環状ディスク101bの部分が位置されるウィングにおいてC形断面に作られる。
【0043】
モータ素子とディスクの間での電流の通過によりモータ素子101aの極102の間で誘起される磁界は、接線力Fを生成し、これによりトルクが伝達される。
【0044】
従って、第1のリニアモータ100は、運転範囲(例えば0〜12のテーブル回転)において、卓越した調整可能性、漸進性及び応答性を備えた動きを生じることができる。特に、前述のモータを採用することにより、以下の利点、すなわち、
− 高い発生トルクで始まるピックアップ;
− 緩やかな加速;
− 緩やかな減速;
− バケットの非常に正確な制動及び位置決め;
− 動きの静粛性;
が得られる。
【0045】
さらに、一体型動力伝達装置の構造簡素化は、先行技術による掘削車について既述した次の油圧及び機械的構成要素の除去、すなわち、
− 第五輪の歯の除去;
− ピニオン(3段式減速装置)及び油圧モータの除去;
− 方向弁及び保護弁の除去;
− ピニオン/第五輪用潤滑グリースタンクの除去;
により、動力装置を簡素化することができる。
【0046】
図7に関し、第1のモータ100において、モータ素子101aはロータとして働き、支持体109を介して回転テーブル104に固定され一緒に回転する。
【0047】
軸方向転がり軸受をなす第五輪105は、回転テーブルと一体の外部要素106、環状ディスク101bに固定された内部要素107、及び第五輪の前記両要素の相互回転を確保する複数のボール108を有する。環状ディスクは、ディスクの内側縁部に円周方向に固定された支持体103を介して、下部走行体に支持される。
【0048】
図8に示された変形例によれば、モータ素子101aはステータとして働き、下部走行体110に固定される。
【0049】
軸方向転がり軸受をなす第五輪105は、頂部をスペーサ106’の介在により回転テーブルに固定され且つ底部を回転テーブルと一体に環状ディスク101bの内側縁部分に固定された外部要素106を有する。内部要素107は、スペーサ103’の介在により支持体103を介して下部走行体110に固定される。
【0050】
第1及び第2のモータ100,121の両方は、それぞれのブレーキ装置(図示しない)を統合され、特に、第2のモータ用には油圧挟圧式ディスクブレーキが使用でき、あるいは、負指令型電磁ブレーキ(電圧を零にしたときにロックする)が両方のために有効に使用できる。
【0051】
車両の並進装置に関し、図9及び10は、可逆回転アキシャル型の第2の電気モータ121を表しており、このモータは、駆動輪に直接連結されるか、あるいはハブ123を支持するハブユニット120を構成するための単段式遊星歯車減速装置124に連結されるピニオン122を備えており、ハブユニットは、各タイヤ付車輪又はクローラの2つの駆動輪の各々に適合し、あるいは、適宜の動力伝達装置を介して車輪に伝えられる回転運動を供給するのにさらに適合する。
【0052】
図11は、前車軸130及び2つの後部ハブユニット120を装備した下部走行体110を示しており、後部ハブユニットは下部走行体110に直接にフランジで取り付けられている。
【0053】
図12及び13は、本発明による一体型動力伝達装置を支持するホイール式掘削車及びクローラ式掘削車のそれぞれの要素を、機能図と統合したブロック図で示している。
【0054】
両図とも、ディーゼルエンジン140に連結された発電機142、回転テーブル104の回転を指令するためのリニア電気モータ100、分配グループ143に接続された油圧ポンプ141を包含する独立した油圧回路を示しており、分配グループは、バケットとアームを動かすためにダクト148を介してオイルを油圧シリンダ146に循環させる調整及び制御弁を含む。
【0055】
電線149を通して発電機142に接続されているものは、電圧及び電流強さ調整グループ144及び前記回転テーブル104に設けた接点付回転分配器147であり、バッテリグループ145は調整グループ144に接続されている。
【0056】
両図とも、既述した回転テーブルの回転機構を示している。
【0057】
ホイール式掘削車の場合には、接点付回転分配器147は、電線149を通して、第2の可逆型電気モータ121をそれぞれ備える2つのハブユニット120を装備した前車軸130と、下部走行体に後部で固定された2つのハブユニット120とに電力を供給する。
【0058】
図13に示されたクローラ式掘削車の場合には、接点付回転分配器147は、後部に配設された2つの第2のハブユニット120に直接に電力を供給して、各クローラの牽引力を決定する。
【0059】
もちろん、ユニバーサルジョイント付伝動装置を介して推進を異なる形態で行い、必要なモータを4個から2個へ、あるいは単一の第2モータ121に減らすことが可能である。
【0060】
図15に部分的な概略図で示される変形例では、わずかに修正した装備が、図12及び13のものに対して予見され、ここでは、切離機構150が原動機140と発電機142の間に配設され、両方に連結され、また、発電機142はポンプ141に同軸に連結されている。
【0061】
切離機構150は、バッテリ145の充電レベルが所定の限界レベル以上にあるときに原動機140と発電機142との間の動作を切り離すことができるように、フリーホイール又は摩擦等の形式のもので作ることができる。
【0062】
この場合、好適な自動装置が原動機140を止め、バッテリ145により電力供給される発電機142は、最大のエネルギー節約を果たしつつ、ポンプ141の機能に必要な電力を提供する。
【0063】
任意の形態において、革新的な技術を備えた第2の高トルク・可逆型モータ121は、その特性のおかげで、
− 高いピックアップトルクと共に指令の卓越した調整可能性及び漸進性;
− 前進駆動及び後退における加速及び減速の両方での回転の規則正しさ;
− 作動中における振動の不在;
− 機械が下り坂を進む場合における全体のモータ回転制御;
を保証している。
【0064】
構造簡素化は、次の従来の構成要素、すなわち、
a) 並進減速装置(少なくとも部分的に)
b) 軸方向ピストン及び相対的なパイプを備えた油圧モータ;
c) キャビテーション防止及び衝撃防止弁を備えた油圧モータの方向弁;
d) 油圧モータに対するロータリージョイント;
e) 構造簡素化;
を除去するか減少することが可能である。
【0065】
本発明による一体型動力伝達装置は、次の目的を達成することができる。すなわち、
高価な油圧及び機械装置(方向弁、ロータリージョイント、遊星歯車減速装置、高圧用剛性及び可撓性パイプ、油圧弁及び取付具)の除去;
収率の増大によるエネルギーの節約:ポンプ及び軸方向ピストンを備えたモータで構成した現在の油圧式動力伝達装置(回転及び並進)は、中間圧力(250〜280バール)の最適条件で、せいぜい75〜80%の全収率である;
逆に、発電機/リニアモータの電気式動力伝達装置の収率は、90%を超える。さらに、回転の制動段階では、モータが発電機のように作用する理由で、エネルギー回収を得ることができる。同じ方法で、下り坂の並進段階あるいは減速段階では、原動機が発電機にエネルギーの供給を止め、そのエネルギーもバッテリ145に蓄積することができる。
【0066】
回転の場合には、3段式遊星歯車減速装置の除去及び第五輪の歯/ピニオンの噛合の除去は、
n=1段式減速装置の噛合収率=0.96
nt=3段式減速装置の噛合収率=0.963=0.88
ntの合計=遊星歯車減速装置=0.88
第五輪/ピニオンの噛合収率=0.9
減速装置及び第五輪のピニオンの合計収率=0.9x0.88=0.8
に等しい効率の改善をもたらす。
【0067】
従って、リニアモータでもって、係合する機械的な部材が存在しないことにより20%、また油圧式動力伝達装置から電気式動力伝達装置への移行により記述のような少なくとも10〜15%、合計で30〜35%の利得を獲得することが可能である。
【0068】
少なくとも2つの減速段を除去するクローラ式車両における並進の場合には、
nt=0.962=0.92
で、8%の利得に等しく、トルクモータ式動力伝達装置による10〜15%の利得を付加して、各クローラ(クローラ式掘削車の場合)のために18〜23%の合計利得を得る。
【0069】
ホイール式掘削車の場合には、4つのトルクモータがモータと車輪との間で、単一減速段を備え車軸に挿設されるので、従来周知の解決策に対して次の簡素化がある。すなわち、
a) 車軸の減速装置(悪評の2段式)における減速ジャンプの除去;
b) 車軸(油圧モータがフランジで取り付けられる)とでブロックをなす減速装置における減速ジャンプの除去;
c) 車軸における円錐トルク低減の除去(2つの円錐トルク);
d)2つの関節及び相対摩擦の除去;
である。
【0070】
収率を定量化すると、
a1=遊星歯車減速装置の収率=0.96
b1=減速装置のジャンプの収率=0.98
c1=2つの円錐形トルクの収率=0.942=0.88
d1=2つのユニバーサルジョイントの収率=0.982=0.96
となる。
【0071】
全体として、前述の収率の成果に等しい全収率ntotal=0.79、従って動力伝達装置の大幅な簡素化は、80%を超える利得を生じ、この利得は電気式動力伝達装置の高い効率の10〜15%を付加されて、30〜35%に等しい全体利益を得る。
【0072】
他の利点は、より小さい騒音及びより少ない保守必要性である。
【0073】
この最後の利点に関し、電気モータ及び発電機は、それらの特性により、定期保守整備をほとんど必要とせず、油圧構成要素よりも遥かに運転寿命を有することに注目されるべきである。また、油圧回路の制御(弁の目盛り定め)は、専門の人材及び装置を必要とするため非常に高価である。
【0074】
さらに、全コストと機械組立体の簡素化の両方により、生産コストの全面的な削減が得られる。
【0075】
リニアモータ及びアキシァルモータの既に強調された特性は、それらの動きをより正確に制御することを可能にしているので、より良い応答性、調整可能性及び漸進性を伴って、運転し易さをより容易にする。
【0076】
また、多数の原因(例えば、ディーゼルエンジン、油圧ポンプ、油圧モータ、方向弁、指令系統、パイプの破損などに依存する)による機械の故障の場合における油圧式動力伝達装置は、それぞれの並進モータがパイプ内の流体の非圧縮性によりロックされるので、車両を牽引したり動かすことを不能にすることが、強調されるべきである。
【0077】
この欠点は、素早く解決するのが難しい問題を呈する。
【0078】
これに対し、電気モータは、圧力を受けずに自由に回転することができるので、容易に車両を牽引することも可能である。
【0079】
従って、引張棒を受けるように予め設定された車両は、実際に「アイドル」状態で、前方の運搬車両によって牽引することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】先行技術の掘削車を示す概略図である。
【図2】先行技術の掘削車の構成要素の詳細図である。
【図3】先行技術の掘削車の他の構成要素の詳細斜視図である。
【図4】先行技術の掘削車の他の構成要素の概略図である。
【図5】本発明による回転装置に使用されるリニアモータの詳細を示す概略斜視図である。
【図6】本発明による回転装置に使用されるリニアモータの詳細を示す概略斜視図である。
【図7】掘削車の回転テーブルに適用された本発明による動力伝達装置の一実施例の概略部分断面図である。
【図8】掘削車の回転テーブルに適用された本発明による動力伝達装置の他の実施例の概略部分断面図である。
【図9】クローラ式掘削車の並進に適用された本発明による動力伝達装置の部分的に断面の正面図である。
【図10】クローラ式掘削車の並進に適用された本発明による他の動力伝達装置の部分的に断面の正面図である。
【図11】本発明によるホイール式掘削車の下部走行体の分解斜視図である。
【図12】本発明による一体型動力伝達装置を装備したホイール式掘削車の要素を示す概略図である。
【図13】本発明による一体型動力伝達装置を装備したクローラ式掘削車の要素を示す概略図である。
【図14】本発明による一体型動力伝達装置を装備したホイール式掘削車の概略側面図である。
【図15】本発明の変形例による一体型動力伝達装置を装備した掘削車の部分概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削車の一体型動力伝達装置に関する。
【0002】
特に、本発明は、ホイール式掘削車又はクローラ式掘削車の回転テーブルの推進及び回転のための一体型機械式動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0003】
クローラ式掘削車及びホイール式掘削車のような土工機械を建造するための技術は、よく確立されている。
【0004】
このような機械は、かなり長い間確立されている本質的に同様の技術を介して、当業分野の大手製造業者によって確かに製造されている。
【0005】
機械の様々なクラス又はカテゴリーは、等価重量(例えば20トン、24トン、30トンのクラスなど)の車両を比較することによって比較され、これらは互いに、
− 寸法特性:単に幾つかを挙げると、ピッチ、掘削ダイヤグラム、サイズ及びアームのタイプ;
− 性能特性:掘削力、牽引力、テーブルの回転トルク及び速度、並進速度及び類似のもの;
− 運転特性:操縦者の快適性、やかましさ、指令の人間工学及び感度、電子的に支援された作業プログラムなど;
− 構造特性:機械構造部材、油圧構造部材及び電子構造部材のすべての構造技術の質;
において異なる。
【0006】
前述の機械は、一般に同じ構造形態により特徴付けられ、これらには、
− 溶接構造で作られた下部フレーム:このフレームは高剛性であり、2つの後方端部ですべての駆動輪減速装置を収蔵し、減速装置はクローラ式掘削車のための2つの側部クローラ装置あるいはホイール式機械のための4つのハブを介して車両の移動性を確保する。
− 「第五輪」として知られている軸方向ボールベアリングにより下部フレームに連結された回転上部部分(旋回タワー又は回転テーブル):タワーは、動力駆動装置(作動に必要なすべての付属品を備えたディーゼルエンジン)と、内部に設置された様々な作業及び移動機能を動かすのに適した油圧系統とを有する。油圧系統は、本質的且つ一般に、ディーゼルエンジンにより駆動される2つの油圧ポンプと、様々な操作機能(掘削シリンダ、回転、並進)に接続された方向弁のブロックとで構成される。すべての機能の指令は、油圧・電気油圧式連動装置(要求時に支援する電子プログムを備える)により「制御棒」を介して行われる。
− 上述したそれぞれの方向弁にパイプを介して接続された油圧シリンダによって指令されるスクープ又はかバケットの可動アームから成る掘削装置;
がある。
【0007】
特にタワーの回転及び車両の並進に関し、最も一般に採用される方法による先行技術は、図1〜4に概略的に記載され後述される。
【0008】
先行技術の図1〜4は例としてホイール式掘削車を参照するが、主な構成要素はクローラ装置にも存在する。
【0009】
図1は、先行技術による掘削車1の概略図を示すもので、この掘削車は、ハブ30に装着されたゴムタイヤ2を装備し、且つ、タワー5及び油圧シリンダ8により駆動される相対アーム7をもつバケット6を支持する回転テーブル4を取り付けている下部走行体3を包含する。
【0010】
図2は、回転タワー又は回転テーブルを回転させるための装置10の詳細な部分断面図を示すもので、回転テーブルは、「第五輪」11として知られている軸方向ボールベアリングによって下部フレーム(図示しない)に連結されている。図2に示されたバージョンでは、第五輪11は、下部走行体に固定された内部要素12と、回転テーブルに一体の外部要素13とを有する。第五輪11の内部要素12の内周に沿って、軸方向の歯14が、遊星歯車減速装置15’に連結された対応するピニオン15と噛合するように配設され、この遊星歯車減速装置は一般に2段式で、それぞれの方向弁により指令され回転テーブルに固定された油圧モータ16に連結されている。動力駆動装置(作動に必要なすべての付属品を備えたディーゼルエンジン)と、掘削車の様々な操作及び移動機能を駆動するのに適した油圧系統は、タワーに設置されている。
【0011】
図3は、下部走行体3(ホイール式掘削車)の分解斜視図を示すもので、下部走行体は、前車軸28、後車軸29、ダブルユニバーサルジョイントを備えた伝動装置27、車両の並進用の油圧モータ25、及びこのモータに連結された機械式変速機26を装備している。
【0012】
図4は、先行技術による車両の動力/動力伝達装置の概略図を示すもので、車両は、1つ以上の油圧ポンプ21に連結されたディーゼルエンジン20を包含し、油圧ポンプは、調整及び制御弁を含む分配グループ22に接続されている。
【0013】
このグループ22は、適宜の油圧回路23を介して油圧シリンダ8と油圧回転モータ16に接続され、この油圧回転モータは、第五輪11と係合するために回転テーブル4により支持された、ピニオン15を備える減速装置15’(図2に既に示してある)を駆動する。
【0014】
分配グループ22からの他の油圧接続部23は、回転テーブル4と下部走行体(簡略のため図示しない)との間に配設された油圧マニホルド24に、そして機械式変速機26に連結された油圧並進モータ25に油圧供給する。
【0015】
タワー5及びすべての掘削部品は、台車に対して動いて、操縦者により決定された場合にバケット6を放出することを適宜指示する。
【0016】
この動きは、第五輪又は軸方向ボールベアリングとの係合を介して行われ、第五輪の内部のピニオン歯車/歯を備えた機械式カップリングにより達成される。
【0017】
第五輪の内部の歯14はベアリングの一体部分であり、大きいモジュールを有する歯で作られている。
【0018】
ピニオン15は、遊星歯車減速装置(一般に2段式)に同軸に連結され、この遊星歯車減速装置は、この減速装置15’にフランジで取り付けた、高圧軸方向ピストンを備える油圧モータ16によって指令される。キャビテーション防止弁及び衝撃防止弁を介在し油圧管を介する油圧モータ16のそれぞれの方向弁との接続は、タワーの回転運動を2方向で得ることができる。
【0019】
クローラ式掘削車における車両の並進又は推進に関し、フレーム又は台車及びすべての機械は、それぞれの遊星歯車減速装置(一般に3段式)にフランジで取り付けた、軸方向ピストンを備える2つの油圧モータによって動かすことができる。
【0020】
それぞれのクローラに直接係合するモータのリムは、減速装置にフランジで取り付けられている。各軌道は他の軌道とは別個に指令され得る。油の流れは、それぞれの方向弁のタワー上方部分から出て、四方ロータリージョイントを横切り、安全弁(キャビテーション防止及び衝撃防止)により保護された2つの油圧モータに別個に油圧供給する。
【0021】
上述したことから、掘削車において、掘削機能と共に、上述した概略の方法に従って回転及び並進のための油圧伝達の解答を総合的に開発する構造技術は、よく確立されていると言うことができる。
【0022】
ディーゼル原動機は油圧ポンプに機械的な回転エネルギーを供給し、これらポンプは、ユーザに伝えられる流量及び圧力として方向弁のユニットに油圧エネルギーを供給する。油圧回転及び並進モータの場合、この油圧エネルギーは、機械的な回転エネルギーへ、すなわち、全体としてテーブルの(2方向の)動き及び/又はそれぞれの軌道の駆動輪の動きそして2つの進行方向の並進へ戻り変換する。
【0023】
回転と並進の両方の上述した機能は、キャビンに設置された相対的な油圧・電子式指令及び制御装置によって、また既述のように相対油圧回路の適宜の安全保護弁によって統合されている。
【0024】
すべての油圧系統は最終的にはオイルタンクに至り、ここからポンプが油圧供給し、また、要求された機能を使用した後に多種のラインがここに戻る。系統のすべてのオイルは、ディーゼル原動機のファンによって冷却される放射質量交換器を通して最終的に冷まされる。
【0025】
車両の回転及び並進用の前述した油圧要素の存在は、次のような一連の欠点を生じる:
− 構造の複雑さ:高価な油圧及び機械装置(方向弁、ロータリージョイント、油圧モータ、遊星歯車減速装置、高圧用剛性及び可撓性パイプ、油圧弁及び取付具)の存在は、相当の製造コストを意味する。
− エネルギーコスト:軸方向ピストンを備えたモータ及びポンプで作られた現在の油圧式動力伝達装置(回転及び並進)は、媒体圧力(250−280バール)の最適条件で、せいぜい75−80%の全収率であり、さらに、機械式動力伝達装置(3段式遊星歯車減速装置及びピニオン/第五輪の噛合の除去)は、エネルギー変換効率をさらに低下させ、オイルの冷却は、全収率を犠牲にしてエネルギーをさらに使用することを意味する。
− 騒音公害:近年の重要な技術的進歩にもかかわらず、油圧式動力伝達装置は非常に大きい特有の音を発生する。
− 保守コスト:油圧回路及び接続された装置は、本質的に連続して保守を必要とし、油圧回路の点検や設定(弁の目盛定め)は、装置及び専門の人材を必要とするためさらに高価となる。
− 車両の運転しやすさ:電子制御装置にもかかわらず、油圧の動作は、車両の運転し易さにおいて負の影響をもたらす、回転及び並進の正確さ、応答性、調整の可能性及漸進性に関する欠点を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
出願人は、掘削車の動力伝達装置の効率を改善することで問題に直面した。
【課題を解決するための手段】
【0027】
出願人は、テーブルの回転及び車両の並進を指令し制御するための油圧系統を、以下のような主構成要素を基にした電気エネルギー系統に置き換えるようにした掘削車の一体型動力伝達装置を提供することにより、前述の問題を解決することができた。すなわち、主構成要素は、
− ディーゼル原動機に連結した発電機;
− テーブルの回転を指令するためのリニア電気モータ;
− 並進を指令するための高トルク・可逆型アキシャル電気モータ;
− 電圧及び電流強さ調整グループ;
− 接点を備えた回転分配器;
− バッテリグループ;
である。
【0028】
従って、本発明の第1の様相によれば、請求項1に記載されたものによる掘削車の一体型動力伝達装置が提供されている。
【0029】
本発明のさらなる特徴は、従属請求項の対象をなしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明による掘削車の一体型動力伝達装置の特徴及び利点は、非限定的な例として与えられ添付図面を参照する下記説明から明らかになるであろう。
【実施例1】
【0031】
図5〜15に関して、ホイール式掘削車又はクローラ式掘削車の一体型動力伝達装置が概略的に示されている。
【0032】
特に図14に関し、ホイール式掘削車91は、単に一例として、先行技術(図1による)による掘削車と共通の外部要素を有し、従って、理解を容易にするために示されている。
【0033】
本発明による一体型動力伝達装置をもつ掘削車91は、ディーゼルエンジン140を装備し、ハブ120に装着したタイヤ付車輪92を装備した下部走行体110を包含する。
【0034】
下部走行体110は、タワー95及び油圧シリンダ98により駆動される相対アーム97をもつバケット6を支持し搭載した回転テーブル4を有する。
【0035】
掘削車91の一体型動力伝達装置は、
− ディーゼルエンジン140に連結した発電機142;
− 回転テーブル104の回転を指令するための第1のリニア電気モータ100;
− 並進を指令するための少なくとも1つの第2の高トルク・可逆型電気モータ121;
− 発電機142に接続された少なくとも1つの電圧及び電流強さ調整グループ144;
− 前記回転テーブル104に設けられ、前記第1のリニア電気モータ100及び前記第2の高トルク・可逆型電気モータ121に電気的に接続された、接点を備えた回転分配器147;
− 調整グループ144に接続されたバッテリグループ145;
を包含する。
【0036】
アーム97及びバケット96の掘削機能は、油圧系統によって管理され、その結果、様々な油圧シリンダ98の動力供給は、調整及び制御弁と油圧パイプ148を含む分配グループ143に接続されている油圧ポンプ141を包含する独立した油圧回路によって行われる。
【0037】
回転を指令するためのリニアモータ100は、図5〜8に示された変形例に従って作られるのに対し、ホイール式掘削車及びクローラ式掘削車の両方の並進のための電気モータ121(図9に概略的に示される)は、適用された革新的な技術により高トルクを供給できる、ロータ及びステータを装備した可逆型アキシャルモータである。
【0038】
前述の変形例に従って作ることができるテーブルの回転のためのリニアモータ100は、環状ディスク101bの表面のまわりに配設された複数のモータ素子101aを包含し、電流がモータ素子とディスクの間を流れるときに、前記ディスクに接線力Fを与える。
【0039】
この力Fは、ディスク自体の平面に垂直な中心軸Aの回りに、環状ディスクに対してモータ素子を相対回転させるトルクを生成する。
【0040】
従って、この構成により、モータ素子及び環状ディスクはステータ又はロータあるいはその逆となり得る。
【0041】
図6において、4つのモータ素子が描かれているが、矢印Fで識別された発揮される接線力、必要なトルク及び系統のサイズに応じて、2つ以上のモータ素子101aがある場合がある。
【0042】
このモータ素子101aは、好適には、環状ディスク101bの部分が位置されるウィングにおいてC形断面に作られる。
【0043】
モータ素子とディスクの間での電流の通過によりモータ素子101aの極102の間で誘起される磁界は、接線力Fを生成し、これによりトルクが伝達される。
【0044】
従って、第1のリニアモータ100は、運転範囲(例えば0〜12のテーブル回転)において、卓越した調整可能性、漸進性及び応答性を備えた動きを生じることができる。特に、前述のモータを採用することにより、以下の利点、すなわち、
− 高い発生トルクで始まるピックアップ;
− 緩やかな加速;
− 緩やかな減速;
− バケットの非常に正確な制動及び位置決め;
− 動きの静粛性;
が得られる。
【0045】
さらに、一体型動力伝達装置の構造簡素化は、先行技術による掘削車について既述した次の油圧及び機械的構成要素の除去、すなわち、
− 第五輪の歯の除去;
− ピニオン(3段式減速装置)及び油圧モータの除去;
− 方向弁及び保護弁の除去;
− ピニオン/第五輪用潤滑グリースタンクの除去;
により、動力装置を簡素化することができる。
【0046】
図7に関し、第1のモータ100において、モータ素子101aはロータとして働き、支持体109を介して回転テーブル104に固定され一緒に回転する。
【0047】
軸方向転がり軸受をなす第五輪105は、回転テーブルと一体の外部要素106、環状ディスク101bに固定された内部要素107、及び第五輪の前記両要素の相互回転を確保する複数のボール108を有する。環状ディスクは、ディスクの内側縁部に円周方向に固定された支持体103を介して、下部走行体に支持される。
【0048】
図8に示された変形例によれば、モータ素子101aはステータとして働き、下部走行体110に固定される。
【0049】
軸方向転がり軸受をなす第五輪105は、頂部をスペーサ106’の介在により回転テーブルに固定され且つ底部を回転テーブルと一体に環状ディスク101bの内側縁部分に固定された外部要素106を有する。内部要素107は、スペーサ103’の介在により支持体103を介して下部走行体110に固定される。
【0050】
第1及び第2のモータ100,121の両方は、それぞれのブレーキ装置(図示しない)を統合され、特に、第2のモータ用には油圧挟圧式ディスクブレーキが使用でき、あるいは、負指令型電磁ブレーキ(電圧を零にしたときにロックする)が両方のために有効に使用できる。
【0051】
車両の並進装置に関し、図9及び10は、可逆回転アキシャル型の第2の電気モータ121を表しており、このモータは、駆動輪に直接連結されるか、あるいはハブ123を支持するハブユニット120を構成するための単段式遊星歯車減速装置124に連結されるピニオン122を備えており、ハブユニットは、各タイヤ付車輪又はクローラの2つの駆動輪の各々に適合し、あるいは、適宜の動力伝達装置を介して車輪に伝えられる回転運動を供給するのにさらに適合する。
【0052】
図11は、前車軸130及び2つの後部ハブユニット120を装備した下部走行体110を示しており、後部ハブユニットは下部走行体110に直接にフランジで取り付けられている。
【0053】
図12及び13は、本発明による一体型動力伝達装置を支持するホイール式掘削車及びクローラ式掘削車のそれぞれの要素を、機能図と統合したブロック図で示している。
【0054】
両図とも、ディーゼルエンジン140に連結された発電機142、回転テーブル104の回転を指令するためのリニア電気モータ100、分配グループ143に接続された油圧ポンプ141を包含する独立した油圧回路を示しており、分配グループは、バケットとアームを動かすためにダクト148を介してオイルを油圧シリンダ146に循環させる調整及び制御弁を含む。
【0055】
電線149を通して発電機142に接続されているものは、電圧及び電流強さ調整グループ144及び前記回転テーブル104に設けた接点付回転分配器147であり、バッテリグループ145は調整グループ144に接続されている。
【0056】
両図とも、既述した回転テーブルの回転機構を示している。
【0057】
ホイール式掘削車の場合には、接点付回転分配器147は、電線149を通して、第2の可逆型電気モータ121をそれぞれ備える2つのハブユニット120を装備した前車軸130と、下部走行体に後部で固定された2つのハブユニット120とに電力を供給する。
【0058】
図13に示されたクローラ式掘削車の場合には、接点付回転分配器147は、後部に配設された2つの第2のハブユニット120に直接に電力を供給して、各クローラの牽引力を決定する。
【0059】
もちろん、ユニバーサルジョイント付伝動装置を介して推進を異なる形態で行い、必要なモータを4個から2個へ、あるいは単一の第2モータ121に減らすことが可能である。
【0060】
図15に部分的な概略図で示される変形例では、わずかに修正した装備が、図12及び13のものに対して予見され、ここでは、切離機構150が原動機140と発電機142の間に配設され、両方に連結され、また、発電機142はポンプ141に同軸に連結されている。
【0061】
切離機構150は、バッテリ145の充電レベルが所定の限界レベル以上にあるときに原動機140と発電機142との間の動作を切り離すことができるように、フリーホイール又は摩擦等の形式のもので作ることができる。
【0062】
この場合、好適な自動装置が原動機140を止め、バッテリ145により電力供給される発電機142は、最大のエネルギー節約を果たしつつ、ポンプ141の機能に必要な電力を提供する。
【0063】
任意の形態において、革新的な技術を備えた第2の高トルク・可逆型モータ121は、その特性のおかげで、
− 高いピックアップトルクと共に指令の卓越した調整可能性及び漸進性;
− 前進駆動及び後退における加速及び減速の両方での回転の規則正しさ;
− 作動中における振動の不在;
− 機械が下り坂を進む場合における全体のモータ回転制御;
を保証している。
【0064】
構造簡素化は、次の従来の構成要素、すなわち、
a) 並進減速装置(少なくとも部分的に)
b) 軸方向ピストン及び相対的なパイプを備えた油圧モータ;
c) キャビテーション防止及び衝撃防止弁を備えた油圧モータの方向弁;
d) 油圧モータに対するロータリージョイント;
e) 構造簡素化;
を除去するか減少することが可能である。
【0065】
本発明による一体型動力伝達装置は、次の目的を達成することができる。すなわち、
高価な油圧及び機械装置(方向弁、ロータリージョイント、遊星歯車減速装置、高圧用剛性及び可撓性パイプ、油圧弁及び取付具)の除去;
収率の増大によるエネルギーの節約:ポンプ及び軸方向ピストンを備えたモータで構成した現在の油圧式動力伝達装置(回転及び並進)は、中間圧力(250〜280バール)の最適条件で、せいぜい75〜80%の全収率である;
逆に、発電機/リニアモータの電気式動力伝達装置の収率は、90%を超える。さらに、回転の制動段階では、モータが発電機のように作用する理由で、エネルギー回収を得ることができる。同じ方法で、下り坂の並進段階あるいは減速段階では、原動機が発電機にエネルギーの供給を止め、そのエネルギーもバッテリ145に蓄積することができる。
【0066】
回転の場合には、3段式遊星歯車減速装置の除去及び第五輪の歯/ピニオンの噛合の除去は、
n=1段式減速装置の噛合収率=0.96
nt=3段式減速装置の噛合収率=0.963=0.88
ntの合計=遊星歯車減速装置=0.88
第五輪/ピニオンの噛合収率=0.9
減速装置及び第五輪のピニオンの合計収率=0.9x0.88=0.8
に等しい効率の改善をもたらす。
【0067】
従って、リニアモータでもって、係合する機械的な部材が存在しないことにより20%、また油圧式動力伝達装置から電気式動力伝達装置への移行により記述のような少なくとも10〜15%、合計で30〜35%の利得を獲得することが可能である。
【0068】
少なくとも2つの減速段を除去するクローラ式車両における並進の場合には、
nt=0.962=0.92
で、8%の利得に等しく、トルクモータ式動力伝達装置による10〜15%の利得を付加して、各クローラ(クローラ式掘削車の場合)のために18〜23%の合計利得を得る。
【0069】
ホイール式掘削車の場合には、4つのトルクモータがモータと車輪との間で、単一減速段を備え車軸に挿設されるので、従来周知の解決策に対して次の簡素化がある。すなわち、
a) 車軸の減速装置(悪評の2段式)における減速ジャンプの除去;
b) 車軸(油圧モータがフランジで取り付けられる)とでブロックをなす減速装置における減速ジャンプの除去;
c) 車軸における円錐トルク低減の除去(2つの円錐トルク);
d)2つの関節及び相対摩擦の除去;
である。
【0070】
収率を定量化すると、
a1=遊星歯車減速装置の収率=0.96
b1=減速装置のジャンプの収率=0.98
c1=2つの円錐形トルクの収率=0.942=0.88
d1=2つのユニバーサルジョイントの収率=0.982=0.96
となる。
【0071】
全体として、前述の収率の成果に等しい全収率ntotal=0.79、従って動力伝達装置の大幅な簡素化は、80%を超える利得を生じ、この利得は電気式動力伝達装置の高い効率の10〜15%を付加されて、30〜35%に等しい全体利益を得る。
【0072】
他の利点は、より小さい騒音及びより少ない保守必要性である。
【0073】
この最後の利点に関し、電気モータ及び発電機は、それらの特性により、定期保守整備をほとんど必要とせず、油圧構成要素よりも遥かに運転寿命を有することに注目されるべきである。また、油圧回路の制御(弁の目盛り定め)は、専門の人材及び装置を必要とするため非常に高価である。
【0074】
さらに、全コストと機械組立体の簡素化の両方により、生産コストの全面的な削減が得られる。
【0075】
リニアモータ及びアキシァルモータの既に強調された特性は、それらの動きをより正確に制御することを可能にしているので、より良い応答性、調整可能性及び漸進性を伴って、運転し易さをより容易にする。
【0076】
また、多数の原因(例えば、ディーゼルエンジン、油圧ポンプ、油圧モータ、方向弁、指令系統、パイプの破損などに依存する)による機械の故障の場合における油圧式動力伝達装置は、それぞれの並進モータがパイプ内の流体の非圧縮性によりロックされるので、車両を牽引したり動かすことを不能にすることが、強調されるべきである。
【0077】
この欠点は、素早く解決するのが難しい問題を呈する。
【0078】
これに対し、電気モータは、圧力を受けずに自由に回転することができるので、容易に車両を牽引することも可能である。
【0079】
従って、引張棒を受けるように予め設定された車両は、実際に「アイドル」状態で、前方の運搬車両によって牽引することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】先行技術の掘削車を示す概略図である。
【図2】先行技術の掘削車の構成要素の詳細図である。
【図3】先行技術の掘削車の他の構成要素の詳細斜視図である。
【図4】先行技術の掘削車の他の構成要素の概略図である。
【図5】本発明による回転装置に使用されるリニアモータの詳細を示す概略斜視図である。
【図6】本発明による回転装置に使用されるリニアモータの詳細を示す概略斜視図である。
【図7】掘削車の回転テーブルに適用された本発明による動力伝達装置の一実施例の概略部分断面図である。
【図8】掘削車の回転テーブルに適用された本発明による動力伝達装置の他の実施例の概略部分断面図である。
【図9】クローラ式掘削車の並進に適用された本発明による動力伝達装置の部分的に断面の正面図である。
【図10】クローラ式掘削車の並進に適用された本発明による他の動力伝達装置の部分的に断面の正面図である。
【図11】本発明によるホイール式掘削車の下部走行体の分解斜視図である。
【図12】本発明による一体型動力伝達装置を装備したホイール式掘削車の要素を示す概略図である。
【図13】本発明による一体型動力伝達装置を装備したクローラ式掘削車の要素を示す概略図である。
【図14】本発明による一体型動力伝達装置を装備したホイール式掘削車の概略側面図である。
【図15】本発明の変形例による一体型動力伝達装置を装備した掘削車の部分概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼルエンジン(140)を装備し、タワー(95)を支持した搭載回転テーブル(104)を支持している下部走行体(110)を包含する、ホイール式又はクローラ式掘削車(91)の一体型動力伝達装置において、
− ディーゼルエンジン(140)に連結された発電機(142);
− 回転テーブル(104)の回転を指令するための第1のリニア電気モータ(100);
− 車両の並進を指令するための少なくとも1つの第2の高トルク・可逆型電気モータ(121);
− 発電機(142)に接続された少なくとも1つの電圧及び電流強さ調整グループ(144);
− 前記回転テーブル(104)に設けられ、第1のリニア電気モータ(100)及び第2の高トルク・可逆型電気モータ(121)に電気的に接続した接点付回転分配器(147);
− 調整グループ(144)に接続されたバッテリグループ(145);
を包含することを特徴とする一体型動力伝達装置。
【請求項2】
前記第1のリニアモータ(100)が、環状ディスク(101b)と、環状ディスク(101b)の少なくとも1つの表面に接近して配設された複数のモータ素子(101a)とを包含し、モータ素子と環状ディスクの間で電流が通過するとき前記環状ディスクに接線力(F)を与え、環状ディスクの平面に垂直な中心軸(A)の回りに、モータ素子と環状ディスクとの相対回転を生じさせる、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【請求項3】
前記モータ素子(101a)が、環状ディスク(101b)の部分が位置されるウィングにおいてC形断面に作られている、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【請求項4】
回転テーブル(104)の回転のための前記第1の電気モータ(100)において、モータ素子(101a)がロータであり、支持体(109)を介して回転テーブル(104)に固定され一緒に回転する、請求項3記載の一体型動力伝達装置。
【請求項5】
軸方向転がり軸受をなす第五輪(105)が、回転テーブル(104)と一体の外部要素(106)と、環状ディスク(101b)に固定された内部要素(107)と、第五輪の前記両要素の相互回転を確保する複数のボール(108)とを有し、環状ディスク(101b)が、環状ディスクの内側縁部に円周方向に固定された支持体(103)を介して下部走行体に支持されている、請求項4記載の一体型動力伝達装置。
【請求項6】
モータ素子(101a)がステータであり、下部走行体(110)に固定されている、請求項3記載の一体型動力伝達装置。
【請求項7】
軸方向転がり軸受をなす第五輪(105)が、頂部をスペーサ(106’)の介在により回転テーブルに固定され且つ底部を回転テーブルと一体に環状ディスク(101b)の内側縁部分に固定された外部要素(106)を有し、内部要素(107)が、スペーサ(103’)の介在により支持体(103)を介して下部走行体(110)に固定されている、請求項6記載の一体型動力伝達装置。
【請求項8】
掘削車の並進装置が、ピニオン(122)を備えた少なくとも1つの第2の高トルク・可逆型電気モータ(121)を包含し、このピニオンが、駆動輪に直接連結されるか、あるいはハブ(123)を支持するハブユニット(120)を構成するための単段式遊星歯車減速装置(124)に連結される、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【請求項9】
ホイール式掘削車の並進装置が、電力を供給する電線(149)を通して、前車軸(130)に装着された2つのハブユニット(120)に接続される接点付回転分配器(147)を包含し、2つのハブユニット(120)が下部走行体に後部で固定されている、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【請求項10】
クローラ式掘削車の並進装置が、後部に配設された2つの第2のハブユニット(120)に直接に電力を供給し各クローラの牽引力を決定する接点付回転分配器(147)を包含する、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【請求項11】
切離機構(150)が原動機(140)と発電機(142)の間に配設され、前記原動機(140)と発電機(142)に連結されている、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【請求項12】
前記切離機構(150)は、バッテリ(145)の充電レベルが所定の限界レベル以上にあるときに原動機(140)と発電機(142)との間の動作を切り離すことができるように、フリーホイール又は摩擦形式のもの又は同等物で作ることができる、請求項11記載の一体型動力伝達装置。
【請求項13】
前記発電機(142)がポンプ(141)に同軸に連結されている、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【請求項1】
ディーゼルエンジン(140)を装備し、タワー(95)を支持した搭載回転テーブル(104)を支持している下部走行体(110)を包含する、ホイール式又はクローラ式掘削車(91)の一体型動力伝達装置において、
− ディーゼルエンジン(140)に連結された発電機(142);
− 回転テーブル(104)の回転を指令するための第1のリニア電気モータ(100);
− 車両の並進を指令するための少なくとも1つの第2の高トルク・可逆型電気モータ(121);
− 発電機(142)に接続された少なくとも1つの電圧及び電流強さ調整グループ(144);
− 前記回転テーブル(104)に設けられ、第1のリニア電気モータ(100)及び第2の高トルク・可逆型電気モータ(121)に電気的に接続した接点付回転分配器(147);
− 調整グループ(144)に接続されたバッテリグループ(145);
を包含することを特徴とする一体型動力伝達装置。
【請求項2】
前記第1のリニアモータ(100)が、環状ディスク(101b)と、環状ディスク(101b)の少なくとも1つの表面に接近して配設された複数のモータ素子(101a)とを包含し、モータ素子と環状ディスクの間で電流が通過するとき前記環状ディスクに接線力(F)を与え、環状ディスクの平面に垂直な中心軸(A)の回りに、モータ素子と環状ディスクとの相対回転を生じさせる、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【請求項3】
前記モータ素子(101a)が、環状ディスク(101b)の部分が位置されるウィングにおいてC形断面に作られている、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【請求項4】
回転テーブル(104)の回転のための前記第1の電気モータ(100)において、モータ素子(101a)がロータであり、支持体(109)を介して回転テーブル(104)に固定され一緒に回転する、請求項3記載の一体型動力伝達装置。
【請求項5】
軸方向転がり軸受をなす第五輪(105)が、回転テーブル(104)と一体の外部要素(106)と、環状ディスク(101b)に固定された内部要素(107)と、第五輪の前記両要素の相互回転を確保する複数のボール(108)とを有し、環状ディスク(101b)が、環状ディスクの内側縁部に円周方向に固定された支持体(103)を介して下部走行体に支持されている、請求項4記載の一体型動力伝達装置。
【請求項6】
モータ素子(101a)がステータであり、下部走行体(110)に固定されている、請求項3記載の一体型動力伝達装置。
【請求項7】
軸方向転がり軸受をなす第五輪(105)が、頂部をスペーサ(106’)の介在により回転テーブルに固定され且つ底部を回転テーブルと一体に環状ディスク(101b)の内側縁部分に固定された外部要素(106)を有し、内部要素(107)が、スペーサ(103’)の介在により支持体(103)を介して下部走行体(110)に固定されている、請求項6記載の一体型動力伝達装置。
【請求項8】
掘削車の並進装置が、ピニオン(122)を備えた少なくとも1つの第2の高トルク・可逆型電気モータ(121)を包含し、このピニオンが、駆動輪に直接連結されるか、あるいはハブ(123)を支持するハブユニット(120)を構成するための単段式遊星歯車減速装置(124)に連結される、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【請求項9】
ホイール式掘削車の並進装置が、電力を供給する電線(149)を通して、前車軸(130)に装着された2つのハブユニット(120)に接続される接点付回転分配器(147)を包含し、2つのハブユニット(120)が下部走行体に後部で固定されている、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【請求項10】
クローラ式掘削車の並進装置が、後部に配設された2つの第2のハブユニット(120)に直接に電力を供給し各クローラの牽引力を決定する接点付回転分配器(147)を包含する、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【請求項11】
切離機構(150)が原動機(140)と発電機(142)の間に配設され、前記原動機(140)と発電機(142)に連結されている、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【請求項12】
前記切離機構(150)は、バッテリ(145)の充電レベルが所定の限界レベル以上にあるときに原動機(140)と発電機(142)との間の動作を切り離すことができるように、フリーホイール又は摩擦形式のもの又は同等物で作ることができる、請求項11記載の一体型動力伝達装置。
【請求項13】
前記発電機(142)がポンプ(141)に同軸に連結されている、請求項1記載の一体型動力伝達装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−291629(P2008−291629A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−201224(P2007−201224)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(507259545)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201224(P2007−201224)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(507259545)
【Fターム(参考)】
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