説明

携帯型電子機器、および携帯型電子機器の動作方法

【課題】画像、および当該画像に関連する地図の視認性を向上させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】携帯電話機1Aは、第1表示部15を有する第1筐体と、第2表示部16を有する第2筐体と、画像データと当該画像データに関連付けられた位置情報とを取得する取得手段と、現在位置に関する現在位置情報を取得する位置情報取得部115と、画像データに関連付けられた位置情報と現在位置情報とに基づいて、現在位置から画像データに関連付けられた位置情報によって示される地点までの経路を表した案内地図を生成する案内情報取得部116と、第1表示部15および第2表示部16における表示内容を制御する表示制御部113とを備え、表示制御部113は、案内地図を第1表示部に表示させ、画像データに基づく画像を第2表示部に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型電子機器を用いた情報提供技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地図情報の電子化に伴い、画像データに関する位置情報と地図情報とを関連付けて利用する技術が存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、撮影地点の位置情報を含む画像データから撮影地点の情報を含む地図データを抽出し、当該地図データをディスプレイ等の画像出力装置に出力する地図検索装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−202976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、画像をディスプレイに表示した状態から、当該画像に関連して抽出された地図をディスプレイに表示させると、画像を確認することができなくなる。
【0006】
そこで、本発明は、画像、および当該画像に関連する地図の視認性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る携帯型電子機器は、第1表示部を有する第1筐体と、第2表示部を有する第2筐体と、画像データと当該画像データに関連付けられた位置情報とを取得する取得手段と、現在位置に関する現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記画像データに関連付けられた前記位置情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記現在位置から前記画像データに関連付けられた前記位置情報によって示される地点までの経路を表した案内地図を取得する案内情報取得手段と、前記第1表示部および前記第2表示部における表示内容を制御する表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記案内地図を前記第1表示部に表示させ、前記画像データに基づく画像を前記第2表示部に表示させる。
【0008】
また、本発明に係る携帯型電子機器の一態様では、携帯型電子機器は、前記第2表示部を視認可能な第1状態と、前記第2表示部を視認不可能な第2状態との間で変位可能に、前記第1筐体と前記第2筐体とを連結する機構と、前記第1状態と前記第2状態とを検出する状態検出手段とをさらに備え、前記表示制御手段は、前記案内地図を前記第1表示部に表示させるとともに、前記状態検出手段によって前記第1状態が検出された場合、前記画像データに基づく撮影画像を前記第2表示部に表示させる。
【0009】
また、本発明に係る携帯型電子機器は、第1表示部を有する第1筐体と、第2表示部を有する第2筐体と、前記第2表示部を視認可能な第1状態と、前記第2表示部を視認不可能な第2状態との間で変位可能に、前記第1筐体と前記第2筐体とを連結する機構と、前記第1状態と前記第2状態とを検出する状態検出手段と、画像データと当該画像データに関連付けられた位置情報とを取得する取得手段と、現在位置に関する現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、入力された目的地に関する目的地情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記現在位置から前記目的地までの経路を表した案内地図を取得する案内情報取得手段と、前記第1表示部および前記第2表示部における表示内容を制御する表示制御手段と、前記画像データの中から、前記目的地周辺の位置情報を関連付けられた画像データを検索する画像検索手段とをさらに備え、前記表示制御手段は、前記案内地図を前記第1表示部に表示させるとともに、前記状態検出手段によって前記第1状態が検出された場合、前記画像検索手段によって検索された画像データに基づく画像を前記第2表示部に表示させる。
【0010】
また、本発明に係る携帯型電子機器の一態様では、携帯型電子機器は、前記第1表示部の表示面に設けられた第1タッチパネルをさらに備え、前記表示制御手段は、前記第1タッチパネル上での所定操作に応じて、第1表示部の表示内容と第2表示部の表示内容とを入れ替える。
【0011】
また、本発明に係る携帯型電子機器の一態様では、携帯型電子機器は、前記第2表示部の表示面に設けられた第2タッチパネル、をさらに備え、前記表示制御手段は、前記第2タッチパネル上での所定操作に応じて、第1表示部の表示内容と第2表示部の表示内容とを入れ替える。
【0012】
また、本発明に係る第1表示部および第2表示部を有する携帯型電子機器の動作方法は、a)画像データと当該画像データに関連付けられた位置情報とを取得する工程と、b)現在位置に関する現在位置情報を取得する工程と、c)前記画像データに関連付けられた前記位置情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記現在位置から前記画像データに関連付けられた前記位置情報によって示される地点までの経路を表した案内地図を取得する工程と、d)前記案内地図を前記第1表示部に表示させ、前記画像データに基づく画像を前記第2表示部に表示させる工程とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像、および当該画像に関連する地図の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】携帯型電子機器を含む通信システムの構成図である。
【図2】携帯電話機の外観構成を示す図である。
【図3】携帯電話機の外観構成を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る携帯電話機の機能構成を示すブロック図である。
【図5】ナビゲーションモードにおける携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図6】画像を選択する際の選択画面を示す図である。
【図7】データテーブルとして記憶された表示変更可否データを示す図である。
【図8】携帯電話機の各表示部における表示態様を示す図である。
【図9】携帯電話機の各表示部における表示態様を示す図である。
【図10】ナビゲーションモードにおける携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図11】携帯電話機のスライド状態に応じた表示部の表示態様を示す図である。
【図12】第3実施形態に係る携帯電話機の機能構成を示すブロック図である。
【図13】ナビゲーションモードにおける携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図14】タッチパネル操作による表示内容の入れ替え動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
<1.第1実施形態>
<構成概要>
図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯型電子機器10を含む通信システムSYの構成図である。なお、本発明では、携帯型電子機器10として携帯電話機1Aを採用する場合について例示する。図2および図3は、携帯電話機1Aの外観構成を示す図である。
【0017】
図1に示されるように、通信システムSYは、携帯電話機1A、通信ネットワーク5、インターネット7、サーバ装置6、および衛星8を含んで構成され、現在位置から目的地までの経路を地図上に案内するサービスを携帯電話機1Aで提供する。携帯電話機1Aは、通信ネットワーク(移動体通信網)5を介してコンテンツプロバイダ側のサーバ装置6およびインターネット7に接続されている。また、携帯電話機1Aは、衛星8からのGPS信号を受信可能に構成され、衛星8からのGPS信号に基づいて現在位置を特定可能となっている。
【0018】
図2に示されるように、携帯電話機1Aは、2つの筐体11,12を有している。2つの筐体11,12は、互いの相対位置をオープン状態(開状態)とクローズ状態(閉状態)との間で変位可能にする機構によって連結されている。図2には、一方の筐体(例えば筐体12)を他方の筐体(例えば筐体11)に対してスライド移動させたオープン状態の携帯電話機1Aが示され、図3には、クローズ状態の携帯電話機1Aが示されている。
【0019】
また、筐体11,12には、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示部15,16がそれぞれ設けられている。これにより、携帯電話機1Aのオープン状態では、ユーザ(使用者)は、筐体11,12に設けられた表示部15,16をそれぞれ視認することが可能になる。一方、携帯電話機1Aのクローズ状態では、第2表示部16は筐体11によって隠されるので、ユーザは、第2表示部16を視認することができなくなる。
【0020】
<携帯電話機1Aの機能>
次に、携帯電話機1Aの機能構成について説明する。図4は、携帯電話機1Aの機能構成を示すブロック図である。
【0021】
図4に示されるように、携帯電話機1Aは、GPS受信部101、無線送受信部102、撮像部103、音声出力部104、第1表示部15、第2表示部16、第1表示部15に設けられたタッチパネル105、第2表示部16に設けられたタッチパネル106、および全体制御部110等を備えている。
【0022】
GPS受信部101は、アンテナを介して衛星8からのGPS信号を受信し、GPS信号を全体制御部110に伝達する機能を有している。
【0023】
無線送受信部102は、通信ネットワーク5に接続されたサーバ装置6およびインターネット7と、アンテナを介して通信可能な機能を有している。
【0024】
撮像部103は、光電変換素子である撮像素子(CCDまたはCMOS等)を備えて構成され、被写体像に係る画像信号を取得する。撮像素子で生成された画像信号には、A/D変換、および画像処理等が施された後、撮影画像として例えば記憶部107に記憶される。
【0025】
音声出力部104は、全体制御部110からの音声データを、音声に変換して外部出力する機能を有し、例えば、ナビゲーションモード(後述)では経路案内のための音声が出力される。
【0026】
第1表示部15および第2表示部16の各表示面には、操作部として機能する透過式タッチパネル(単に「タッチパネル」とも称する)105,106が設けられている。タッチパネル105,106は、ユーザによるタッチ位置(接触位置)を検出可能であり、ユーザは、表示部15,16に表示される図柄に対応した指示をタッチパネル105,106を介して携帯電話機1Aに入力することができる。
【0027】
全体制御部110は、マイクロコンピュータとして構成され、主にCPU110A、RAM110BおよびROM110C等を備えている。全体制御部110は、ROM110C内に格納されたプログラムを読み出し、当該プログラムをCPU110Aで実行することによって、各種機能を実現する。図4における、撮影制御部111、操作内容認識部112、表示制御部113、状態検出部114、位置情報取得部115、および案内情報取得部(案内地図取得部)116は、全体制御部110においてプログラムを実行することによって実現される機能を機能ブロックとして表したものである。
【0028】
撮影制御部111は、被写体を撮影する際の撮影モードにおいて撮像部103を用いた撮影動作を制御する機能を有している。
【0029】
操作内容認識部112は、表示部15,16の表示内容と、タッチパネル105,106のタッチ位置とに基づいて、ユーザの操作内容を認識する機能を有している。
【0030】
表示制御部113は、表示部15,16における表示内容を制御する。例えば、表示制御部113は、記憶部107に記憶された画像データを表示する画像表示モードにおいて、記憶部107に蓄えられた各画像を表示部15(または表示部16)に表示させる。
【0031】
状態検出部114は、携帯電話機1Aを構成する筐体11,12のスライド状態に応じて、携帯電話機1Aの状態検出を行う。当該状態検出部114では、2つの表示部15,16を視認可能なオープン状態と、第2表示部16を視認不可能なクローズ状態とが検出される。
【0032】
位置情報取得部115は、GPS受信部101で受信されたGPS信号に基づいて、現在位置に関する情報(「現在位置情報」とも称する)を取得する。
【0033】
案内情報取得部116は、例えば、ナビゲーション用のソフトウェアを実行することにより実現される機能部であり、現在位置(現在地)から目的地までの経路(案内経路)を表した案内地図を案内情報として取得する。案内地図は、目的地に関する情報(目的地情報)と現在位置情報とに基づいて案内情報取得部116で生成されて取得される態様としてもよく、案内情報取得部116によって携帯電話機1Aの外部から取得される態様としてもよい。
【0034】
具体的には、案内情報を内部生成する場合は、案内情報取得部116は、目的地情報と現在位置情報とに基づいて記憶部107(またはROM110C)に予め記憶されていた地図データ上において案内経路を特定し、当該案内経路を含んだ地図データを生成する。なお、地図データは記憶部107から取得される態様に限定されず、インターネット7から取得される態様としてもよい。一方、案内情報を外部取得する場合は、案内情報取得部116は、目的地情報と現在位置情報とをサーバ装置6に転送し、案内経路を含んだ案内地図をサーバ装置6からダウンロードすることによって取得する。
【0035】
<動作>
以下では、携帯電話機1Aの動作について説明する。
【0036】
携帯電話機1Aでは、ユーザは、タッチパネル105,106等を用いた選択操作によって、ナビゲーションモード、撮影モード、および画像表示モード等を有効化させることができる。ここでは、目的地までの案内を行うナビゲーションモードが有効化されている場合の携帯電話機1Aの動作について説明する。図5は、ナビゲーションモードにおける携帯電話機1Aの動作を示すフローチャートである。図6は、画像を選択する際の選択画面を示す図である。図7は、データテーブルとして記憶された表示変更可否データを示す図である。図8および図9は、携帯電話機1Aの各表示部15,16における表示態様を示す図である。
【0037】
目的地までの案内を行うナビゲーションモードでは、目的地情報が携帯電話機1Aに入力されて、目的地までの案内地図が表示される。目的地情報の入力は、例えば、目的地の住所を携帯電話機1Aに直接入力すること、或いは地図上で目的地を指定することによって実現できるが、本実施形態では、関連付けられた位置情報(「関連位置情報」とも称する)を有する画像データをユーザが指定することによって目的地情報の入力を行う。すなわち、ここでは、画像データに関連付けられた位置情報によって示される地点を目的地として、目的地までの案内地図を表示する場合について例示する。
【0038】
なお、関連位置情報を有する画像データは、例えば、デジタルスチルカメラによって生成されるExifの規格に基づいた画像ファイルである。当該画像ファイルは、デジタルスチルカメラで撮影が行われた際に、撮影地点、撮影日時および撮影条件等の付加情報(「Exif情報」とも称する)を撮影画像に関連付けて生成される。また、関連位置情報には、撮影された際の撮影地点に関する情報が含まれていてもよく、被写体の存在位置に関する情報が含まれていてもよい。撮影地点および被写体の存在位置に関する各情報は、撮影後に、ユーザによって付加される場合も想定される。
【0039】
携帯電話機1Aの具体的動作としては、まず、図5に示されるように、ステップSP11において、表示制御部113によって第1表示部15に画像が表示される。画像の表示態様としては、例えば、図6に示されるように第1表示部15の画面に複数の縮小画像を並べて表示する表示態様を採用することができる。
【0040】
ステップSP11で第1表示部15に表示される画像は、記憶部107に予め記憶されている画像、或いは通信ネットワーク5を介して外部(インターネット7等)からリアルタイムに取得される画像であってもよい。なお、記憶部107に予め記憶されている画像は、ユーザが携帯電話機1Aで撮影した画像であってもよく、ユーザが通信ネットワーク5を介して外部から取得した画像であってもよい。すなわち、携帯電話機1Aが備える画像データの取得手段には、撮像部103および撮影制御部111によって実現される撮影手段、および無線送受信部102を用いた外部通信によって実現されるデータ取得手段が含まれる。
【0041】
ステップSP12では、表示面へのタッチ操作(タップ)によって、表示された画像の中から関連位置情報を有する画像(「位置情報付き画像」とも称する)が選択されたか否かが判断される。位置情報付き画像が選択されなかった場合は、目的地情報が入力されなかったことになるので、目的地までの案内動作を行うことなくステップSP14に移行され、画像選択に基づいた画像表示等の通常処理が実行される。一方、タッチ操作によって位置情報付き画像が選択された場合は、動作工程は、ステップSP13に移行される。
【0042】
ステップSP13では、第2表示部16の表示内容を表示変更可能か否かが判断される。表示変更可能か否かの判断(表示変更可否判断)は、ROM110Cに記憶された表示変更可否データHDに基づいて行うことができる。表示変更可否データHDは、例えば、図7に示されるようなデータテーブルとして記憶されていてもよい。図7に示される表示変更可否データHDでは、アプリケーションソフトウェアAP1,AP3,AP4,AP6に関する情報が第2表示部16に表示されている場合に、表示変更「可」と設定され、アプリケーションソフトウェアAP2,AP5に関する情報が第2表示部16に表示されている場合に、表示変更「不可」と設定されている。
【0043】
当該ステップSP13で、第2表示部16の表示変更が不可であると判定された場合は、目的地までの案内動作を行うことなくステップSP14の通常処理が実行される。一方、第2表示部16の表示変更が可能であると判定された場合は、動作工程は、ステップSP15に移行される。
【0044】
ステップSP15では、表示制御部113によって、第2表示部16の表示内容が変更され、第2表示部16に選択された画像(選択画像)が表示される。図8に示されるように、例えば、選択画像として画像SG6が選択された場合は、第2表示部16には画像SG6が拡大されて表示される。
【0045】
ステップSP16では、選択画像から目的地情報が取得される。具体的には、選択画像の画像データに関連付けられた位置情報が目的地情報として取得される。
【0046】
ステップSP17では、位置情報取得部115によって現在位置情報が取得される。
【0047】
ステップSP18では、案内情報取得部116によって地図データが取得され、ステップSP19では、案内情報取得部116によって、地図データ上における目的地(ここでは、関連位置情報が示す地点)までの案内経路が特定され、当該案内経路を含んだ地図データが生成される。
【0048】
そして、ステップSP20では、表示制御部113によって案内経路を含む地図が第1表示部15に表示される。具体的には、図9に示されるように、現在地CPから目的地MP(画像SG6の関連位置情報により得られた地点)までの案内経路KRを含む地図MAが、第1表示部15に表示される。
【0049】
次のステップSP21では、ナビゲーションモードが継続されているか否かが判定され、ナビゲーションモードが継続されていない場合は、ナビゲーションモードにおける携帯電話機1Aの動作は終了される。一方、ナビゲーションモードが継続されている場合は、動作工程は、ステップSP17に移行される。すなわち、ナビゲーションモードが継続されている間は、携帯電話機1Aでは、ステップSP17〜ステップSP21の処理が繰り返し実行されることになる。
【0050】
以上のように、現在地CPから目的地MPまでの案内経路KRを含む地図MAを第1表示部15に表示させるとともに、第2表示部16に目的地で撮影された画像SG6を表示させることによれば、ユーザは、画像と当該画像に関連する地図とを同時に視認することが可能になるので、視認性を向上させることができる。
【0051】
また、同時に視認可能な第1表示部15と第2表示部16とを有する携帯電話機1Aでは、地図と画像とを異なる画面に別々に表示させることが可能になるので、地図および画像の視認性をさらに向上させることができる。
【0052】
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、携帯電話機1Aが常にオープン状態である場合を想定していたが、第2実施形態では、携帯電話機1Bのスライド状態に応じて第2表示部16の表示制御が行われる。
【0053】
なお、第2実施形態に係る携帯電話機1Bは、携帯電話機1Aとほぼ同様の構造および機能(図1〜図4参照)を有しており、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0054】
携帯電話機1Bの動作について図10を用いて説明する。図10は、ナビゲーションモードにおける携帯電話機1Bの動作を示すフローチャートである。図11は、携帯電話機1Bのスライド状態に応じた表示部の表示態様を示す図である。
【0055】
図10に示されるように、携帯電話機1Bでは、ステップSP31において、表示制御部113(図4参照)によって第1表示部15に画像が表示される。
【0056】
ステップSP32では、表示面へのタッチ操作によって、表示された画像の中から関連位置情報を有する画像が選択されたか否かが判断される。位置情報付き画像が選択されなかった場合は、目的地情報が入力されなかったことになるので、目的地までの案内動作を行うことなくステップSP33に移行され、画像選択に基づいた画像表示等の通常処理が実行される。一方、タッチ操作によって位置情報付き画像が選択された場合は、動作工程は、ステップSP34に移行される。
【0057】
ステップSP34では、選択画像の画像データに関連付けられた位置情報が目的地情報として取得される。
【0058】
ステップSP35では、状態検出部114によって、携帯電話機1Bのスライド状態に応じた状態検出が行われる。ステップSP35でオープン状態でない(クローズ状態である)と判定された場合は、動作工程はステップSP36を飛ばしてステップSP37に移行される。なお、クローズ状態であると判定された場合は、第2表示部16の表示は、自動的にオフされる。
【0059】
一方、ステップSP35でオープン状態であると判定された場合は、動作工程はステップSP36に移行される。
【0060】
ステップSP36では、表示制御部113によって、第2表示部16に選択画像が拡大して表示される。
【0061】
ステップSP37では、位置情報取得部115によって現在位置情報が取得される。
【0062】
ステップSP38では、案内情報取得部116によって地図データが取得され、ステップSP39では、案内情報取得部116によって、地図データ上における目的地までの案内経路が特定され、当該案内経路を含んだ地図データが生成される。
【0063】
そして、ステップSP40では、表示制御部113によって案内経路を含む地図が第1表示部15に表示される。
【0064】
次のステップSP41では、ナビゲーションモードが継続されているか否かが判定され、ナビゲーションモードが継続されていない場合は、ナビゲーションモードにおける携帯電話機1Bの動作は終了される。一方、ナビゲーションモードが継続されている場合は、動作工程は、ステップSP35に移行される。すなわち、ナビゲーションモードが継続されている間は、携帯電話機1Bでは、ステップSP35〜ステップSP41の処理が繰り返し実行されることになる。
【0065】
以上のように、携帯電話機1Bでは、オープン状態の検出に応じて第2表示部16に選択画像の表示が行われることになる。具体的には、図11に示されるように、クローズ状態ST1では、第1表示部15に案内経路KRを含む地図MAが表示され、オープン状態ST2になると、第1表示部15に案内地図MAが表示されるとともに、第2表示部16に選択画像SG6が表示される。これによれば、オープン状態では、ユーザは、地図と画像とを同時に視認することが可能になるので、利便性が向上する。
【0066】
<3.第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上記第1実施形態では、目的地情報の入力を関連位置情報を有する画像データを指定することにより行っていたが、第3実施形態では、ユーザが目的地の住所を入力することによって、或いはユーザが地図上で目的地を指定することによって、目的地情報が入力される。図12は、第3実施形態に係る携帯電話機1Cの機能構成を示すブロック図である。
【0067】
なお、第3実施形態に係る携帯電話機1Cは、携帯電話機1Aとほぼ同様の構造および機能(図1〜図4参照)を有しており、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0068】
図12に示されるように、携帯電話機1Cの全体制御部110では、画像検索部117がさらに実現される。
【0069】
画像検索部117は、入力された目的地情報に基づいて、記憶部107に記憶された、関連位置情報を有する画像データの中から、目的地周辺の位置情報を関連付けられた画像データを検索する機能を有している。なお、画像の検索領域としては、ユーザによって予め設定された領域としてもよく、例えば、目的地を中心とした所定範囲の領域を採用することができる。
【0070】
ここで、携帯電話機1Cの動作について説明する。図13は、ナビゲーションモードにおける携帯電話機1Cの動作を示すフローチャートである。
【0071】
図13に示されるように、携帯電話機1Cでは、ステップSP51において、目的地情報が携帯電話機1Cに入力されたか否かが判定される。目的地情報が入力された場合は、ステップSP52に移行され、入力されない場合は、待機状態となる。なお、目的地の入力は、目的地となる場所の住所入力、または、地図上での目的地の指定等によって行われる。
【0072】
ステップSP52では、位置情報取得部115によって現在位置情報が取得される。
【0073】
ステップSP53では、案内情報取得部116によって地図データが取得され、ステップSP54では、案内情報取得部116によって、入力された目的地までの案内経路が地図データ上で特定され、当該案内経路を含んだ地図データが生成される。
【0074】
そして、ステップSP55では、表示制御部113によって案内経路を含む地図が第1表示部15に表示される。
【0075】
ステップSP56では、状態検出部114によって、携帯電話機1Cのスライド状態に応じた状態検出が行われる。ステップSP56でオープン状態でない(クローズ状態である)と判定された場合は、動作工程はステップSP60に移行される。
【0076】
一方、ステップSP56でオープン状態であると判定された場合は、動作工程はステップSP57に移行される。
【0077】
ステップSP57では、画像検索部117によって、記憶部107に記憶されている画像の中から、目的地周辺の関連位置情報を有する画像(「周辺画像」とも称する)が検索される。周辺画像の検索は、画像データが有する関連位置情報により特定される地点が、検索領域に含まれるか否かに基づいて行われる。なお、本実施形態では、目的地周辺の画像検索は、オープン状態の検出後に行っているが、オープン状態の検出前(ステップSP56の前)で行ってもよい。
【0078】
ステップSP58では、記憶部107に記憶された画像データの中から周辺画像が発見(抽出)されたか否かが判断される。周辺画像が発見されなかった場合は、動作工程はステップSP60に移行される。一方、周辺画像が発見された場合は、動作工程はステップSP59に移行される。
【0079】
ステップSP59では、表示制御部113によって、第2表示部16に周辺画像が表示される。
【0080】
次のステップSP60では、ナビゲーションモードが継続されているか否かが判定され、ナビゲーションモードが継続されていない場合は、ナビゲーションモードにおける携帯電話機1Cの動作は終了される。一方、ナビゲーションモードが継続されている場合は、動作工程は、ステップSP52に移行される。すなわち、ナビゲーションモードが継続されている間は、携帯電話機1Cでは、ステップSP52〜ステップSP60の処理が繰り返し実行されることになる。
【0081】
以上のように、撮像装置1Cでは、ユーザによって目的地に関する目的地情報が入力され、現在地から入力された目的地までの案内経路を含む地図が第1表示部15に表示される。そして、目的地周辺の関連位置情報を有する周辺画像が検索され、オープン状態の際には、当該周辺画像が第2表示部16に表示される。これによれば、オープン状態では、ユーザは、地図と目的地周辺の画像とを同時に視認することが可能になるので、利便性が向上する。
【0082】
<4.変形例>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0083】
例えば、上記実施形態では、第1表示部15に案内経路を含む地図を表示し、第2表示部16に目的地で撮影された画像を表示していたが、これに限定されない。
【0084】
具体的には、第1表示部15に目的地で撮影された画像を表示し、第2表示部16に案内経路を含む地図を表示してもよい。
【0085】
また、第1表示部15の表示内容と第2表示部16の表示内容とをタッチパネル上での所定操作に応じて入れ替えてもよい。図14は、タッチパネル操作による表示内容の入れ替え動作を示すフローチャートである。
【0086】
具体的には、図14に示されるように、タッチパネルへの接触が検出されると、ステップSP71では、操作内容認識部112によって、タッチパネル上での操作が第1表示部15における下方への払い操作(「フリック」とも称する)であるか否かが判定される。具体的には、第1表示部15と第2表示部16とが並んで配置されるオープン状態において、第1表示部15に設けられたタッチパネル105で実行される払い操作が、第1表示部15から第2表示部16に向かう方向への操作であるか否かが判定される。下方への払い操作であった場合は、動作工程はステップSP73に移行される。一方、下方への払い操作でなかった場合は、動作工程はステップSP72に移行される。
【0087】
ステップSP72では、操作内容認識部112によって、タッチパネル上での操作が第2表示部16における上方への(詳細には、第2表示部16から第1表示部15に向かう方向への)払い操作であるか否かが判定される。上方への払い操作であった場合は、動作工程はステップSP72に移行される。一方、上方への払い操作でなかった場合は、動作工程はステップSP76に移行され、通常のタッチパネル検出処理が行われる。
【0088】
ステップSP73では、第1表示部15に画像が表示され、かつ第2表示部16に地図が表示されているか否かの表示内容判定が行われる。ステップSP73の表示内容判定において、判定条件を満足すると判定された場合は、動作工程はステップSP75に移行される。一方、ステップSP73の表示内容判定において、判定条件を満足しないと判定された場合は、動作工程はステップSP74に移行される。
【0089】
ステップSP74では、第1表示部15に地図が表示され、かつ第2表示部16に画像が表示されているか否かの表示内容判定が行われる。ステップSP74の表示内容判定において、判定条件を満足すると判定された場合は、動作工程はステップSP75に移行される。一方、ステップSP74の表示内容判定において、判定条件を満足しないと判定された場合は、動作工程はステップSP76に移行され、通常のタッチパネル検出処理が行われる。
【0090】
ステップSP73またはステップSP74の表示内容判定において、判定条件を満足する場合は、ステップSP75において、表示制御部113によって表示内容の入れ替え処理が行われる。
【0091】
このように、ユーザの指示により第1表示部15の表示内容と第2表示部16の表示内容とを入れ替えることによれば、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【符号の説明】
【0092】
1A,1B 携帯電話機
10 携帯型電子機器
11,12 筐体
15 第1表示部
16 第2表示部
105,106 タッチパネル
107 記憶部
111 撮影制御部
112 操作内容認識部
113 表示制御部
114 状態検出部
115 位置情報取得部
116 案内情報取得部
KR 案内経路
MA 案内地図
MP 目的地
ST1 クローズ状態
ST2 オープン状態

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示部を有する第1筐体と、
第2表示部を有する第2筐体と、
画像データと当該画像データに関連付けられた位置情報とを取得する取得手段と、
現在位置に関する現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記画像データに関連付けられた前記位置情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記現在位置から前記画像データに関連付けられた前記位置情報によって示される地点までの経路を表した案内地図を取得する案内情報取得手段と、
前記第1表示部および前記第2表示部における表示内容を制御する表示制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記案内地図を前記第1表示部に表示させ、前記画像データに基づく画像を前記第2表示部に表示させる携帯型電子機器。
【請求項2】
前記第2表示部を視認可能な第1状態と、前記第2表示部を視認不可能な第2状態との間で変位可能に、前記第1筐体と前記第2筐体とを連結する機構と、
前記第1状態と前記第2状態とを検出する状態検出手段と、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記案内地図を前記第1表示部に表示させるとともに、前記状態検出手段によって前記第1状態が検出された場合、前記画像データに基づく画像を前記第2表示部に表示させる請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項3】
第1表示部を有する第1筐体と、
第2表示部を有する第2筐体と、
前記第2表示部を視認可能な第1状態と、前記第2表示部を視認不可能な第2状態との間で変位可能に、前記第1筐体と前記第2筐体とを連結する機構と、
前記第1状態と前記第2状態とを検出する状態検出手段と、
画像データと当該画像データに関連付けられた位置情報とを取得する取得手段と、
現在位置に関する現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、
入力された目的地に関する目的地情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記現在位置から前記目的地までの経路を表した案内地図を取得する案内情報取得手段と、
前記第1表示部および前記第2表示部における表示内容を制御する表示制御手段と、
前記画像データの中から、前記目的地周辺の位置情報を関連付けられた画像データを検索する画像検索手段と、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記案内地図を前記第1表示部に表示させるとともに、前記状態検出手段によって前記第1状態が検出された場合、前記画像検索手段によって検索された画像データに基づく画像を前記第2表示部に表示させる携帯型電子機器。
【請求項4】
前記第1表示部の表示面に設けられた第1タッチパネル、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記第1タッチパネル上での所定操作に応じて、第1表示部の表示内容と第2表示部の表示内容とを入れ替える請求項2または請求項3に記載の携帯型電子機器。
【請求項5】
前記第2表示部の表示面に設けられた第2タッチパネル、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記第2タッチパネル上での所定操作に応じて、第1表示部の表示内容と第2表示部の表示内容とを入れ替える請求項2または請求項3に記載の携帯型電子機器。
【請求項6】
第1表示部および第2表示部を有する携帯型電子機器の動作方法であって、
a)画像データと当該画像データに関連付けられた位置情報とを取得する工程と、
b)現在位置に関する現在位置情報を取得する工程と、
c)前記画像データに関連付けられた前記位置情報と前記現在位置情報とに基づいて、前記現在位置から前記画像データに関連付けられた前記位置情報によって示される地点までの経路を表した案内地図を取得する工程と、
d)前記案内地図を前記第1表示部に表示させ、前記画像データに基づく画像を前記第2表示部に表示させる工程と、
を備える携帯型電子機器の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−7703(P2011−7703A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153010(P2009−153010)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】