説明

携帯機収納システム及び携帯機

【課題】待機状態である携帯機の電子回路に対する電力供給を遮断することで、内部電源を長期に使用することができ、また、車両内に保管された携帯機の不正な持出しを防止することができる携帯機収納システム及び携帯機を提供する。
【解決手段】携帯機収納システム2は、補助鍵3と、鍵収納部18と、イモビライザ部101と、ECU100と、を備えて構成されている。補助鍵3は、スイッチ37を有し、鍵収納部18に収納されているとき、鍵収納部18のアクチュエータ184による先端部186の変位に基づいてスイッチ37をオフ状態にすることによって補助鍵ECU30に対する電力の供給を遮断するので、待機状態の電力の消費をゼロに抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機収納システム及び携帯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、携帯機の内部電源の電力消費を抑えることで、内部電源を長期に渡って使用することを目的とした車両用ワイヤレス制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この車両用ワイヤレス制御装置は、起動信号受信手段、制御手段及び内部電源を有する携帯機と、携帯機に対して起動信号を送信する起動信号送信モジュールと、を備えて概略構成されている。
【0004】
携帯機の制御手段は、車両の起動信号送信モジュールから送信された起動信号を起動信号受信手段によって受信したか否かを判断し、起動信号を受信するまで携帯機を非作動状態とするので、内部電源の電力消費を抑えることができる。
【特許文献1】特開2008−50943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の車両用ワイヤレス制御装置の携帯機は、起動信号を受信するまでの待機中、電力を全く消費しないわけではないので、内部電源の電力消費の抑制に限界があった。
【0006】
従って本発明の目的は、待機状態である携帯機に対する内部電源からの電力供給を遮断することで、内部電源を長期に使用することができる携帯機収納システム及び携帯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は上記目的を達成するため、電子回路に電力の供給を行う電源部と、オフ状態となることによって前記電力の供給を遮断するスイッチ部と、を有する携帯機と、前記携帯機を収納する収納部と、前記携帯機が前記収納部に収納されたとき、所定の操作に基づいて前記スイッチ部を前記オフ状態として前記電力の供給を遮断する遮断部と、を有する携帯機収納部と、を備えたことを特徴とする携帯機収納システムを提供する。
【0008】
(2)本発明は上記目的を達成するため、前記携帯機は、側面に第1の開口部を有し、前記スイッチ部は、前記第1の開口部に設けられた押圧板と、前記押圧板を変位させる第1の変位部と、前記押圧板と接続されたロッドと、前記押圧板と前記ロッドを介して接続され、前記スイッチ部がオン状態にあるとき、前記電子回路の固定電極と接触する電極と、を備えたことを特徴とする前記(1)に記載の携帯機収納システムを提供する。
【0009】
(3)本発明は上記目的を達成するため、前記携帯機収納部は、前記携帯機が収納されたとき、前記携帯機の前記第1の開口部と対向する前記収納部の側面に第2の開口部を有し、前記遮断部は、前記第2の開口部内を変位する凸部と、前記凸部を変位させる第2の変位部と、を備えたことを特徴とする前記(2)に記載の携帯機収納システムを提供する。
【0010】
(4)本発明は上記目的を達成するため、前記第1の変位部は、ばねであることを特徴とする前記(2)に記載の携帯機収納システムを提供する。
【0011】
(5)本発明は上記目的を達成するため、前記第2の変位部は、ソレノイドアクチュエータであることを特徴とする前記(3)に記載の携帯機収納システムを提供する。
【0012】
(6)本発明は上記目的を達成するため、前記携帯機収納システムは、検知部及び制御部を有し、前記検知部は、前記収納部に前記携帯機が収納されているか否かの検知を行い、前記制御部は、前記検知に基づいて前記第2の変位部を制御して前記凸部を変位させ前記スイッチ部を前記オフ状態又は前記オン状態にさせることを特徴とする前記(3)に記載の携帯機収納システムを提供する。
【0013】
(7)本発明は上記目的を達成するため、前記制御部は、前記携帯機の使用が許可されていないとき、前記第2の変位部を制御して前記携帯機の取出しを規制することを特徴とする前記(6)に記載の携帯機収納システムを提供する。
【0014】
(8)本発明は上記目的を達成するため、本体側面に設けられた第1の開口部と、固定電極を有する電子回路に電力の供給を行う電源部と、前記第1の開口部に設けられた押圧板、弾性力に基づいて前記押圧板を外側に向けて変位させるばね、前記押圧板と接続されたロッド、及び前記押圧板と前記ロッドを介して接続され、オン状態にあるとき、前記電子回路の前記固定電極と接触する電極、を備えたスイッチ部と、を有する携帯機と、前記携帯機を収納する収納部と、前記収納部の側面に設けられた第2の開口部と、前記携帯機が前記収納部に収納されたとき、前記押圧板を押すことによって前記スイッチ部をオフ状態として前記電力の供給を遮断する凸部と、前記凸部を変位させるソレノイドアクチュエータと、を有する携帯機収納部と、前記収納部に前記携帯機が収納されているか否かの検知を行う検知部と、前記検知に基づいて前記ソレノイドアクチュエータを制御し、前記スイッチ部の前記オン状態及び前記オフ状態を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする携帯機収納システムを提供する。
【0015】
(9)本発明は上記目的を達成するため、電子回路に電力の供給を行う電源部と、本体側面に設けられた開口部と、前記開口部に設けられ、外部からの作用に基づいてオフ状態となることによって前記電力の供給を遮断するスイッチ部と、を備えたことを特徴とする携帯機を提供する。
【発明の効果】
【0016】
上記のような構成によれば、待機状態である携帯機に対する内部電源からの電力供給を遮断することで、内部電源を長期に使用することができ、また、車両内に保管された携帯機の不正な持出しを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の携帯機収納システム及び携帯機の実施の形態を図面を参考にして詳細に説明する。
【0018】
[実施の形態]
(車両1の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る車両内の概略図である。本発明の携帯機収納システムを車両1に搭載した場合について説明する。なお、本実施の形態においては、車両1は、通常モードとバレットモードの2種類のモードを有するものとし、通常モードとは、補助鍵3による操作を無効にし、すべての操作を行うことができるモードのことであり、バレットモードとは、補助鍵3による操作を有効とし、補助鍵3による操作をエンジンの始動・停止、及びドアロックの施錠・解錠に制限したモードのことであるとする。
【0019】
車両1は、各種電子機器及びエンジン等を搭載する車両本体10と、機械式鍵が挿入され、機械式鍵とともに回転操作されることによってエンジンの始動・停止を行うことができるキーシリンダ11と、電子鍵としての機能を有する正規鍵との認証が成立したのち、押下げることによってエンジンの始動・停止を行うことができるエンジンスイッチ12と、車両1の舵取装置の一部であり、左右に回転操作することによって、車両1の走行方向を決めることができるステアリング13と、各種計器類及びスイッチ類が設置されたインストルメントパネル14と、後述するグローブボックス15と、音声を出力する音声出力部16と、画像を表示する表示部17と、を備えて概略構成されている。
【0020】
ここで正規鍵とは、車両の所有者が通常使用する鍵のことであり、本実施の形態においては、車両と無線で通信を行うことによってID(identifier)の認証を行い、所有者は、正規鍵を携帯するだけで車両1に対する各種操作を行うことができるものとする。
【0021】
また、正規鍵に付属する機械式鍵は、内蔵された電池が切れ、車両1との通信が行えないときに使用される非常用である。なお、後述する補助鍵に付属する機械式鍵についても同様である。
【0022】
(携帯機収納システム2の構成)
図2は、本発明の実施の形態に係る携帯機収納システムに関するブロック図である。携帯機収納システム2は、補助鍵(携帯機)3と、後述する鍵収納部(携帯機収納部)と、イモビライザ部(検知部)101と、ECU(制御部;Electronic Control Unit)100と、を備えて構成されている。
【0023】
イモビライザ部101は、アンテナ102を介して補助鍵3からのID31又は38を受信し、復号化する送受信部103と、車両1の識別番号コードであるID105を有し、アンテナ102及び送受信部103を介して受信した補助鍵3のID31又は38を車両1のID105と比較し、認証を行う認証ECU104と、を備えて概略構成されている。なお、アンテナ102は、後述する鍵収納部近傍に設けられるものとし、アンテナ102を介した通信範囲は、グローブボックス15近傍であるものとする。なお、正規鍵4用のアンテナは、アンテナ102とは別に設けられるものとする。
【0024】
イモビライザ部101は、所定の時間間隔で補助鍵3と通信を行うものとし、通信の成立・不成立に基づいて後述する鍵収納部からの補助鍵3の取出し、及び挿入を検知することができる。なお、補助鍵3と通信を行うとき、イモビライザ部101は、記憶するID105と補助鍵3のID31又は38との認証を行うものとする。
【0025】
ECU100は、車両1の各種電子機器及びセンサ等を総合的に制御するものであり、一例として、駆動部15eと、音声出力部16と、表示部17と、イモビライザ部101と、エンジンを制御するエンジンECU106と、鍵収納部に設けられたLED182と、が接続されている。
【0026】
(グローブボックス15の構成)
図3は、本発明の実施の形態に係る閉状態にあるグローブボックス近傍の概略図であり、図4は、本発明の実施の形態に係る開状態にあるグローブボックス近傍の概略図である。
【0027】
グローブボックス15は、扉15aと、扉15aの正面の開口部15cに設けられたキーシリンダ15bと、レバー15dと、駆動部15eと、ロック機構部15fと、凸部15gと、書類や貴重品等を収納することができる収納部15hと、を備えて概略構成されている。
【0028】
キーシリンダ15bは、一例として、正規鍵4に付属する機械式鍵を挿入されたのち、回転操作されることによってロック機構部15fを介して凸部15gの規制及び規制解除を行うことができる。なお、凸部15gの規制は、駆動部15eによっても行うことができるものとする。
【0029】
レバー15dは、開口部15c内の上部に設けられ、正規鍵4による規制解除がなされたのち、操作者側に引く操作が行われることによって、凸部15gとインストルメントパネル14に設けられた開口部14aとの結合を解除することができる。
【0030】
ロック機構部15fは、凸部15gを開口部14aに突出させる機構と、キーシリンダ15bの鍵穴を塞ぐシャッタを開閉する機構とを備えて概略構成されている。
【0031】
ここで駆動部15eによるロックとは、例えば凸部15gと開口部14aの結合を保持するように、凸部15gの動きを規制することであり、アンロックとは、レバー15dに行われた操作に基づいて凸部15gが自由に変位できるように規制解除することである。
【0032】
またキーシリンダ15bの鍵穴を塞ぐシャッタは、駆動部15eによって駆動されるものとする。
【0033】
(補助鍵3の構成)
図5は、本発明の実施の形態に係る鍵収納部及び補助鍵の概略図である。補助鍵3は、正規鍵4が有する操作機能を制限された鍵のことであり、グローブボックス15内の鍵収納部18に収納されているものとする。
【0034】
補助鍵3は、図2に示すように、補助鍵3の各部を総合的に制御する補助鍵ECU30と、補助鍵ECU30に記憶され、補助鍵3の識別番号コードであるID31と、アンテナ33を介して車両1から送信された信号を復号化して補助鍵ECU30に送信する受信部32と、アンテナ35を介して車両1にID31を暗号化して送信する送信部34と、補助鍵3の電力源である電池(電源部)36と、後述するスイッチ(スイッチ部)37と、を備えて概略構成されている。
【0035】
また補助鍵3は、図5に示すように、本体3Aと、機械式鍵3Bと、本体3Aの短手側の側部に設けられた開口部3Cと、本体3Aの長手側の側面に設けられた開口部(第1の開口部)3Dと、を備えて概略構成されている。
【0036】
機械式鍵3Bは、開口部3Cに収納されており、一例として、エンジンの始動・停止、及び車両1のドアロックの施錠・解錠を行うことができる鍵である。この機械式鍵3Bは、補助鍵3の電池36の電池切れのときに主に使用される。
【0037】
(スイッチ37の構成)
スイッチ37は、第1及び第2の電極370、371と、コイルばねであるばね(第1の変位部)372と、可動電極373と、を備えて概略構成されている。
【0038】
可動電極373は、一例として、矩形状を有する押圧板374と、矩形状を有する電極375と、押圧板374と電極375とに接続され、さらに補助鍵3の開口部3Dの底部3Eと押圧板374の間にばね372が設けられたロッド376と、を備えて概略構成されている。なお、底部3Eには、ロッド376が貫通する貫通孔が設けられているものとし、また、押圧板374及び電極375の形状はこれに限定されず、円形状でもその他の形状でも良い。
【0039】
ばね372は、一例として、弾性力を補助鍵3の外側、つまり矢印B方向に付加しており、開口部3Dの底部3Eにその一端が接し、他端によって押圧板374に対して弾性力を矢印B方向に付加している。なお、弾性力を押圧板374に付加する機械要素は、これに限定されず、板ばねや樹脂の弾性力を利用したもの、モータ、又はソレノイドアクチュエータ等の公知の機械要素を使用することができる。
【0040】
なおスイッチ37は、上記の構成に限定されず、公知のレギュレータIC(Integrated Circuit)を用いたスイッチ、又はFET(Field Effect Transistor)等を用いた電気的なスイッチによって構成されても良い。
【0041】
(鍵収納部18の構成)
鍵収納部18は、グローブボックス15の収納部15h内に設けられ、本体180と、補助鍵3が挿入される開口部181と、LED182と、を備えて概略構成されている。
【0042】
LED182は、一例として、補助鍵3が鍵収納部18から取り出されたとき、点灯するものである。
【0043】
本体180に設けられた開口部(第2の開口部)183は、鍵収納部18に収納された補助鍵3の開口部3Dに対向する側面に設けられ、開口部3D内には、ロッド185を介して先端部(凸部)186を有するアクチュエータ(第2の変位部)184が設けられている。遮断部は、先端部186、ロッド185及びアクチュエータ184によって構成されている。
【0044】
先端部186は、一例として、矩形状を有し、アクチュエータ(ソレノイドアクチュエータ)184によって鍵収納部18の開口部181内に突出自在に設けられている。なお、先端部186の形状はこれに限定されず、補助鍵3側の先端が尖ったような形状としても良く、これに限定されない。
【0045】
アクチュエータ184は、ソレノイドアクチュエータであり、ECU100によって制御され、補助鍵3の取出しが許可された際は、開口部183内に先端部186が収納されるよう構成されている。
【0046】
また、アクチュエータ184は、補助鍵3の取出しが不許可である際は、開口部183から先端部186が突出し、補助鍵3の押圧板374を矢印A方向に押し、鍵収納部18の開口部3D内に侵入するように構成されている。なお、アクチュエータ184は、板ばねや樹脂の弾性力を利用したもの、モータ、又はソレノイドアクチュエータ等の公知の機械要素で良く、これに限定されない。
【0047】
(動作)
以下に、本実施の形態における携帯機収納システムの動作を各図を参照して詳細に説明する。
【0048】
(待機状態の電力消費について)
【0049】
補助鍵3は、図2に示すように、鍵収納部18の本体180に収納されているとき、先端部186が、補助鍵3の開口部3Dと鍵収納部の開口部183の双方に侵入しているので、補助鍵3は、鍵収納部18からの取出しはできない(不正な持出しの防止)。
【0050】
このとき、電極375は、アクチュエータ184、ロッド185、先端部186、押圧板374、ロッド376、ばね372及びロッド376を介して電極375を矢印A方向に変位させているので、電極375と第1及び第2の電極370、371との接触状態が解除されている。
【0051】
電極375と第1及び第2の電極370、371との接触状態の解除によって、スイッチ37は、オフ状態となり、補助鍵ECU30に対する電力供給が遮断される。
【0052】
車両1のイモビライザ部101は、一例として、100ms間隔でサーチ信号をアンテナから外部に向けて発信する。
【0053】
電力が供給されている補助鍵は、このサーチ信号をアンテナを介して受信し、待機状態であってもサーチ信号に対してのアンサー信号を受信部を介してアンテナから車両に向けて発信していた。
【0054】
このアンサー信号を発信する動作は、100ms間隔で行われるため、補助鍵は待機状態であっても電力を消費することとなる。
【0055】
しかし、本実施の形態の補助鍵3は、鍵収納部18に収納された待機状態において、電子回路がスイッチ37によって遮断されるので、サーチ信号に対してアンサー信号を返すことがなく、待機状態の電力消費をゼロに抑えることができ、長期間に渡って補助鍵3を使用することができる。
【0056】
また、本実施の形態の補助鍵3は、鍵収納部18に収納された待機状態では、先端部186によって鍵収納部18からの補助鍵3の取出しが規制されるので、補助鍵3の不正な取出しを防止することができる。
【0057】
(補助鍵3の取出しについて)
図6は、本発明の実施の形態に係る補助鍵を鍵収納部から取出した様子を示した模式図である。
【0058】
運転者は、一例として、車両1をバレットパーキング係に貸し出すとき、車両1を通常モードからバレットモードに切り替える。
【0059】
ECU100は、アクチュエータ184を制御し、ロッド185を介して先端部186を矢印B方向に変位させ、図6に示すように、先端部186を開口部183に収納し、補助鍵3を取出し可能な状態とする。
【0060】
このとき、先端部186の矢印B方向の変位によって押圧板374は、ばね372による弾性力を矢印B方向に付加され、変位する。
【0061】
この押圧板374の変位は、ロッド376を介して電極375を変位させ、電極375は、第1及び第2の電極370、371と接触状態となり、スイッチ37がオン状態となる。
【0062】
続いてECU100は、先端部186が収納されたのち、認証ECU104を制御し、認証ECU104は、バレットモードに基づいて補助鍵3のID31を受信部32、アンテナ33、102、送受信部103を介して取得すると、車両1のID105と認証を行い、認証が成立したのち、補助鍵3を有効とする。
【0063】
ECU100は、補助鍵3が有効となったことを示すため、LED182を点灯状態にする。
【0064】
運手者は、LED182の点灯を確認したのち、補助鍵3を鍵収納部18から取り出し、バレットパーキング係に渡す。
【0065】
バレットパーキング係は、補助鍵3に許可されたエンジンの始動・停止、及びドアロックの施錠・解錠(所定の操作)を行い、車両1を所定の場所に停車させ、補助鍵3を所定の保管場所に保管する。
【0066】
(効果)
上記した実施の形態における携帯機収納システム2によれば、補助鍵3が待機状態であっても、スイッチ37によって電池36からの電力の供給を遮断することができるので、待機状態の電池36の消費電力をゼロに抑えることができ、長期間に渡って補助鍵3を使用することができる。また、上記した実施の形態における携帯機収納システム2によれば、待機状態の補助鍵3を鍵収納部18から取出すことが出来ないので、不正な持出しを防止することができる。
【0067】
(他の実施の形態について)
本実施の形態において、鍵収納部18はグローブボックス15内に設けられたが、トランク、又はアームレスト等の収納コンパーメント内に設けても良い。
【0068】
また本実施の形態において、検知部としてイモビライザ部101を設けたがこれに限定されず、鍵収納部18に補助鍵3の取出し・挿入を検知する公知の磁気センサ又はスイッチを設けて携帯機収納システム2を構成しても良い。
【0069】
さらに本実施の形態においてアクチュエータ184としてソレノイドアクチュエータを設けたがこれに限定されず、アクチュエータ184をばねで構成しても良い。例えば、鍵収納部18に補助鍵3を収納するときは、先端部186が補助鍵3の側面に接触することよって矢印B方向に押し込まれ、補助鍵3の開口部3Dと本体180の開口部183が対向したとき、押し込まれたことによって蓄積されたばねの弾性力が開放されることで先端部186が押圧板374を矢印A方向に押し込み、スイッチ37をオフ状態とする構成としても良い。
【0070】
本実施の形態において、グローブボックス15の施錠を例にとって説明したが、これに限定されず、例えば、機械式鍵で解錠できるトランク、又はアームレスト等の収納コンパートメントに対して所定の条件に基づいて施錠を行うようにしても良い。
【0071】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両内の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る携帯機収納システムに関するブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る閉状態にあるグローブボックス近傍の概略図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る開状態にあるグローブボックス近傍の概略図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る鍵収納部及び補助鍵の概略図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る補助鍵を鍵収納部から取出した様子を示した模式図である。
【符号の説明】
【0073】
1…車両、2…携帯機収納システム、3…補助鍵、4…正規鍵、3A…本体、3B…機械式鍵、3C…開口部、3D…開口部、3E…底部、10…車両本体、11…キーシリンダ、12…エンジンスイッチ、13…ステアリング、14…インストルメントパネル、14a…開口部、15…グローブボックス、15a…扉、15b…キーシリンダ、15c…開口部、15d…レバー、15e…駆動部、15f…ロック機構部、15g…凸部、15h…収納部、16…音声出力部、17…表示部、18…鍵収納部、30…補助鍵ECU、31…ID、32…受信部、33…アンテナ、34…送信部、35…アンテナ、36…電池、37…スイッチ、100…ECU、101…イモビライザ部、102…アンテナ、103…送受信部、104…認証ECU、105…ID、106…エンジンECU、180…本体、181…開口部、182…LED、183…開口部、184…アクチュエータ、185…ロッド、186…先端部、370…第1の電極、371…第2の電極、372…ばね、373…可動電極、374…押圧板、375…電極、376…ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路に電力の供給を行う電源部と、オフ状態となることによって前記電力の供給を遮断するスイッチ部と、を有する携帯機と、
前記携帯機を収納する収納部と、前記携帯機が前記収納部に収納されたとき、所定の操作に基づいて前記スイッチ部を前記オフ状態として前記電力の供給を遮断する遮断部と、を有する携帯機収納部と、
を備えたことを特徴とする携帯機収納システム。
【請求項2】
前記携帯機は、側面に第1の開口部を有し、
前記スイッチ部は、前記第1の開口部に設けられた押圧板と、前記押圧板を変位させる第1の変位部と、前記押圧板と接続されたロッドと、前記押圧板と前記ロッドを介して接続され、前記スイッチ部がオン状態にあるとき、前記電子回路の固定電極と接触する電極と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯機収納システム。
【請求項3】
前記携帯機収納部は、前記携帯機が収納されたとき、前記携帯機の前記第1の開口部と対向する前記収納部の側面に第2の開口部を有し、
前記遮断部は、前記第2の開口部内を変位する凸部と、前記凸部を変位させる第2の変位部と、を備えたことを特徴とする請求項2に記載の携帯機収納システム。
【請求項4】
前記第1の変位部は、ばねであることを特徴とする請求項2に記載の携帯機収納システム。
【請求項5】
前記第2の変位部は、ソレノイドアクチュエータであることを特徴とする請求項3に記載の携帯機収納システム。
【請求項6】
前記携帯機収納システムは、検知部及び制御部を有し、
前記検知部は、前記収納部に前記携帯機が収納されているか否かの検知を行い、
前記制御部は、前記検知に基づいて前記第2の変位部を制御して前記凸部を変位させ前記スイッチ部を前記オフ状態又は前記オン状態にさせることを特徴とする請求項3に記載の携帯機収納システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記携帯機の使用が許可されていないとき、前記第2の変位部を制御して前記携帯機の取出しを規制することを特徴とする請求項6に記載の携帯機収納システム。
【請求項8】
本体側面に設けられた第1の開口部と、固定電極を有する電子回路に電力の供給を行う電源部と、前記第1の開口部に設けられた押圧板、弾性力に基づいて前記押圧板を外側に向けて変位させるばね、前記押圧板と接続されたロッド、及び前記押圧板と前記ロッドを介して接続され、オン状態にあるとき、前記電子回路の前記固定電極と接触する電極、を備えたスイッチ部と、を有する携帯機と、
前記携帯機を収納する収納部と、前記収納部の側面に設けられた第2の開口部と、前記携帯機が前記収納部に収納されたとき、前記押圧板を押すことによって前記スイッチ部をオフ状態として前記電力の供給を遮断する凸部と、前記凸部を変位させるソレノイドアクチュエータと、を有する携帯機収納部と、
前記収納部に前記携帯機が収納されているか否かの検知を行う検知部と、
前記検知に基づいて前記ソレノイドアクチュエータを制御し、前記スイッチ部の前記オン状態及び前記オフ状態を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする携帯機収納システム。
【請求項9】
電子回路に電力の供給を行う電源部と、
本体側面に設けられた開口部と、
前記開口部に設けられ、外部からの作用に基づいてオフ状態となることによって前記電力の供給を遮断するスイッチ部と、
を備えたことを特徴とする携帯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−262783(P2009−262783A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115424(P2008−115424)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】