説明

携帯端末機用プログラム及び建築物内案内システム

【課題】 百貨店等の複数階を有する建築物を移動する際に、最短経路で目的場所にたどり着くことが可能な携帯端末機用プログラムを提供すること。
【解決手段】 各階毎に複数のオブジェクトが配置された建築物を表現した仮想3次元空間内における、現在位置からの様子を3次元画像として携帯端末機が備える表示部に表示するための携帯端末機用プログラムであって、携帯端末機が備える自己位置検出手段から現在位置データを取得し、仮想3次元空間を、現在位置を原点とするカメラ空間に変換するステップ、携帯端末機が備える地磁気センサから方位データを取得し、カメラ空間を、方位に対応する立体空間に変換するステップ、表示部に、視野範囲内にあるオブジェクトと、現在位置より上層又は下層の階にあるオブジェクトとを双方とも視認可能に表示するステップをコンピュータに実行させる携帯端末機用プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数階を有する建築物内を案内するための携帯端末機用プログラム及び建築物内案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各階広い面積を有し、且つ、多層階からなる百貨店等の建築物内では、自らの位置を把握できなくなる場合が少なくない。このような場合、買物客は、各階に設置されているフロアマップを見る等して自らの現在位置を把握することとなるが、フロアマップを簡単に見つけることができないことも多く、また、フロアマップを見つけたとしても、目的場所までの経路を覚えることができなく、結局、遠回りをしてしまうことがあった。
【0003】
近年、集合施設の階毎の案内図画像と店舗等に関する情報とを表示する案内情報提供装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の案内情報提供装置によれば、集合施設の階毎の案内図画像が表示されるため、利用者は、この案内図画像を頼りに目的場所まで移動することができる。
【特許文献1】特開2005−083941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の案内情報提供装置では、階毎の案内図画像が、現実に視界に映る光景とはほど遠い2次元画像として表示されるため、案内図画像のどの方向が自らの進行方向であるかがわかり難く、本当に正しい進路であるかが分かりにくいといった問題があった。また、特に、店舗や売り場コーナー等の配置方法が各階とも似ている百貨店等においては、このような平面的な地図では、少し移動すると、自らの位置が再びわからなくなり、地図上のどの位置に自らがいるのかわからなくなるため、結果として迷ってしまい、案内図として充分に機能しているとはいえないといった問題があった。さらに、案内図画像は、階毎に表示されるが、自らの位置を中心として上層又は下層の階にどのような売り場等が設けられているかを把握することはできないため、進路を決定する際に、上層又は下層の階への移動を考慮することができず、効率よく移動することができないといった問題があった。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、百貨店等の複数階を有する建築物を移動する際に、迷うことなく、最短経路で目的場所にたどり着くことが可能な携帯端末機用プログラム及び建築物内案内システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 携帯端末機のコンピュータに実行されることによって、各階毎に複数のオブジェクトが配置された、複数階を有する建築物を表現した仮想3次元空間内における、現在位置からの様子を3次元画像として上記携帯端末機が備える表示部に表示するための携帯端末機用プログラムであって、
上記携帯端末機が備える自己位置検出手段から、上記携帯端末機の現在位置を示す現在位置データを取得する現在位置取得ステップ、
上記仮想3次元空間を、現在位置データが示す現在位置を原点とするカメラ空間に変換する第1の変換ステップ、
上記携帯端末機が備える地磁気センサから、上記携帯端末機の向けられた方位を示す方位データを取得する方位取得ステップ、
上記カメラ空間を、上記方位データが示す方位に対応する立体空間に変換する第2の変換ステップ、
上記立体空間内にあるオブジェクトをクリッピングするクリッピングステップ、
上記立体空間内にある、上記現在位置データが示す現在位置より上層の階又は下層の階にあるオブジェクトを特定する特定ステップ、及び、
上記表示部に、上記現在位置から上記方位を見た視野範囲内にあるオブジェクトと、特定した上記オブジェクトとを双方とも視認可能に表示する表示ステップ
を、上記コンピュータに実行させることを特徴とする携帯端末機用プログラム。
【0007】
(1)の発明によれば、当該プログラムを携帯端末機に用いると、各階毎に複数のオブジェクト(例えば、売り場コーナー、店舗、床等)が配置された、複数階を有する建築物を表現した仮想3次元空間内における、現在位置からの様子を3次元画像として表示部に表示させることができる。従って、利用者は、表示部に表示された画像と現実に視界に映る光景とを照らし合わせながら、進路が正しいかを確認しつつ、目的地まで移動することができる。また、表示部に表示された画像と現実に視界に映る光景とを照らし合わせながら、移動することができるため、地図上のどの位置に自らがいるのかわからなくなることを防止することができる。また、現在位置から、方位データに基づいた方位を見た視野範囲内にあるオブジェクトと、現在位置より上層又は下層の階にあるオブジェクトとを双方とも視認可能に表示するため、自らの視点を中心とした上層又は下層の階に、目的となるオブジェクトがあるか否かを検索することができる。従って、現在いる階に加えて、上層又は下層の階を含めて、目的となるオブジェクトを検索することができ、上層又は下層の階への移動も含めた全体的な移動距離を短くすることができ、効率よく移動することができる。
さらに、階段やエレベータ等の位置を合わせて検索することにより、どの経路をたどれば、上層又は下層の階に位置する目的場所に最短でたどり着けるかを検索することができる。
また、地磁気センサに基づいた方位を見たときの様子が、表示部に表示されるため、利用者は、携帯端末機を進行方向に向ければよく、多方向キー等を操作しなくとも、当該画像を表示させることができる。
このように、(1)の発明によれば、百貨店等の複数階を有する建築物を移動する際に、現在位置からの様子を3次元画像として携帯端末機の表示部に表示するため、迷うことなく、最短経路で目的場所にたどり着くことができる。
【0008】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)に記載の携帯端末機用プログラムであって、
上記表示ステップは、現在位置データが示す現在位置より上層の階又は下層の階にある床オブジェクトを半透明にして表示することを特徴とする。
【0009】
(2)の発明によれば、現在位置データが示す現在位置より上層の階又は下層の階にある床オブジェクトを半透明にして表示するため、現在いる階にあるオブジェクトと、上層の階又は下層の階にあるオブジェクトとを明確に識別して表示することができる。
【0010】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の携帯端末機用プログラムであって、
利用者の操作に応じて、利用開始時に利用者が所在する階の入力を受け付けるステップをさらに実行させることを特徴とする。
【0011】
(3)の発明によれば、利用開始時に利用者が所在する階の入力を受け付けるため、GPSシステムを利用して利用者の現在位置を把握する場合に、高さ方向に精度を要することなく、確実に利用者の現在位置に対応する階の3次元画像を表示部に表示することができる。
【0012】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(4) 各階毎に複数のオブジェクトが配置された、複数階を有する建築物を表現した仮想3次元空間内における、現在位置からの様子を3次元画像として携帯端末機が備える表示部に表示する建築物内案内システムであって、
上記携帯端末機が備える自己位置検出手段から、上記携帯端末機の現在位置を示す現在位置データを取得する現在位置取得手段と、
上記仮想3次元空間を、現在位置データが示す現在位置を原点とするカメラ空間に変換する第1の変換手段と、
上記携帯端末機が備える地磁気センサから、上記携帯端末機の向けられた方位を示す方位データを取得する方位取得手段と、
上記カメラ空間を、上記方位データが示す方位に対応する立体空間に変換する第2の変換手段と、
上記立体空間内にあるオブジェクトをクリッピングするクリッピング手段と、
上記立体空間内にある、上記現在位置データが示す現在位置より上層の階又は下層の階にあるオブジェクトを特定する特定手段と、
上記表示部に、上記現在位置から上記方位を見た視野範囲内にあるオブジェクトと、特定した上記オブジェクトとを双方とも視認可能に表示する制御を行う表示制御手段と
を備えたことを特徴とする建築物内案内システム。
【0013】
(4)の発明によれば、各階毎に複数のオブジェクトが配置された、複数階を有する建築物を表現した仮想3次元空間内における、現在位置からの様子を3次元画像として表示部に表示させることができる。従って、利用者は、表示部に表示された画像と現実に視界に映る光景とを照らし合わせながら、進路が正しいかを確認しつつ、目的地まで移動することができる。また、表示部に表示された画像と現実に視界に映る光景とを照らし合わせながら、移動することができるため、地図上のどの位置に自らがいるのかわからなくなることを防止することができる。また、現在位置から、方位データに基づいた方位を見た視野範囲内にあるオブジェクトと、現在位置より上層又は下層の階にあるオブジェクトとを双方とも視認可能に表示するため、自らの視点を中心とした上層又は下層の階に、目的となるオブジェクトがあるか否かを検索することができる。従って、現在いる階に加えて、上層又は下層の階を含めて、目的となるオブジェクトを検索することができ、上層又は下層の階への移動も含めた全体的な移動距離を短くすることができ、効率よく移動することができる。
さらに、階段やエレベータ等の位置を合わせて検索することにより、どの経路をたどれば、上層又は下層の階に位置する目的場所に最短でたどり着けるかを検索することができる。
また、地磁気センサに基づいた方位を見たときの様子が、表示部に表示されるため、利用者は、携帯端末機を進行方向に向ければよく、多方向キー等を操作しなくとも、当該画像を表示させることができる。
このように、(4)の発明によれば、百貨店等の複数階を有する建築物を移動する際に、現在位置からの様子を3次元画像として携帯端末機の表示部に表示するため、迷うことなく、最短経路で目的場所にたどり着くことができる。
【0014】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(5) 上記(4)に記載の建築物内案内システムであって、
上記表示制御手段は、現在位置データが示す現在位置より上層の階又は下層の階にある床オブジェクトを半透明にして表示することを特徴とする。
【0015】
(5)の発明によれば、現在位置データが示す現在位置より上層の階又は下層の階にある床オブジェクトを半透明にして表示するため、現在いる階にあるオブジェクトと、上層の階又は下層の階にあるオブジェクトとを明確に識別して表示することができる。
【0016】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(6) 上記(4)又は(5)に記載の建築物内案内システムであって、
利用者の操作に応じて、利用開始時に利用者が所在する階の入力を受け付ける入力受付手段
を備えたことを特徴とする。
【0017】
(6)の発明によれば、利用開始時に利用者が所在する階の入力を受け付けるため、GPSシステムを利用して利用者の現在位置を把握する場合に、高さ方向に精度を要することなく、確実に利用者の現在位置に対応する階の3次元画像を表示部に表示することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、百貨店等の複数階を有する建築物を移動する際に、迷うことなく、最短経路で目的場所にたどり着くことが可能な携帯端末機用プログラム及び建築物内案内システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本実施形態に係る建築物内案内システムの一例を示すネットワーク構成図である。
建築物内案内システム100は、GPS衛星90からGPSデータを受信可能なGPS受信機及び地磁気センサを備えた携帯電話機10と、携帯電話機10とインターネットを介して無線によりデータの送受信を行うことが可能なサーバ80とを備えている。
【0020】
サーバ80には、ビル内情報が百貨店毎に複数記憶されている。利用者は、携帯電話機10を操作することにより、サーバ80からインターネットを介してビル内情報を取得することができる。
ビル内情報は、各階毎に複数のオブジェクト(売り場コーナー、喫茶コーナー、エレベータやエスカレータの位置、床や壁等)が配置された、百貨店内を表現した仮想3次元空間を構築するための情報である。
携帯電話機10には、ビル内案内プログラムが記憶されていて、このビル内案内プログラムを実行することにより、取得したビル内情報に基づいた仮想3次元空間を構築することができる。本実施形態では、仮想3次元空間が百貨店内を表現した仮想3次元空間である場合について説明するが、本発明において仮想3次元空間は、特に限定されるものではなく、例えば、オフィスビル、ホテル、多層階からなる遊戯施設、ショッピングモール等を表現したものであってもよい。また、仮想3次元空間は、地階を有する建築物であってもよい。
【0021】
携帯電話機10では、利用者から案内開始の指示入力があると、GPS衛星90から受信したGPSデータ、地磁気センサ32(図2参照)により取得した方位データ、操作部12(図2参照)を介して入力された各種のデータ等に基づいて、現在位置を特定し、ビル内の案内に係る3次元画像を液晶パネル14に表示する。
具体的には、売り場コーナーやエレベータ等の配置が、現在位置からの実際の光景と略同様の配置となっている3次元画像を取得することができる(例えば、図8参照)。このとき、利用者が所在する階の1つ上の階の床が半透明で表示される。従って、利用者は、現在所在する階の売り場コーナー等の配置に加えて、頭上の階の売り場コーナー等の配置を知ることができる。
また、利用者は、携帯電話機10を操作することにより、仮想3次元空間内における利用者の視点を移動させることができ、移動先の視点における3次元画像を液晶パネル14に表示させることかできる。
このように、建築物内案内システム100によれば、現実に百貨店内を移動しているような態様の3次元画像を携帯電話機10に表示することかできる。
【0022】
携帯電話機10は、本発明の携帯端末機に相当するものである。なお、本発明の携帯端末機は、ビル内案内プログラムを実行可能であれば、特に限定されるものではなく、例えば、パーソナル・ディジタル・アシスタンツ、上記建築物内案内システムの専用の携帯端末機等を挙げることができる。ビル内案内プログラムは、本発明における携帯端末機用プログラムに相当するプログラムである。
【0023】
図2は、図1に示した携帯電話機の内部構成を示すブロック図である。
携帯電話機10は、操作部12、表示部としての液晶パネル14、CCDカメラ16、無線部18、音声回路20、スピーカ22、マイク24、送受信アンテナ26、不揮発性メモリ28、マイクロコンピュータ30、二次電池32、GPS受信機34及び地磁気センサ36を備えている。
【0024】
無線部18は、マイクロコンピュータ30により制御されて、送受信アンテナ26を通じて電波を媒体として基地局に対して送受信する。音声回路20は、無線部18からマイクロコンピュータ30を通じて出力された受信信号をスピーカ22に出力するとともに、マイク24から出力された音声信号を送信信号としてマイクロコンピュータ30を通じて無線部18に出力する。
【0025】
スピーカ22は、音声回路20から出力された受信信号を受信音声に変換して出力し、マイク24は、操作者から発せられた送信音声を音声信号に変換して音声回路20に出力する。
CCDカメラ26は、被写体を撮像可能であり、撮像して得られた画像データは不揮発性メモリ28に記憶される。
【0026】
地磁気センサ36は、方位の算出に用いる地磁気を検出する。地磁気センサ36は、例えば、携帯電話機10内に設けられている基板(図示せず)上の固定された位置において、互いに直交する3つの方向の地磁気を検出する。すなわち、基板上に設定された所定の3軸の座標系を基準として、その各軸方向の地磁気を検出する。地磁気の検出には、例えばコイルの励磁を利用する方法や、ホール効果を利用する方法、磁気抵抗素子を利用する方法など、種々の方法が用いられる。
【0027】
不揮発性メモリ28は、携帯電話機10の機能に係る各種プログラムやビル内案内プログラムを不揮発的に記憶する。また、不揮発性メモリ28は、例えば、操作部12を介して入力された文字等のデータ、CCDカメラ16により撮像して得られた画像データ、送受信アンテナ26を介して受信したメール等のデータ等の各種データを不揮発的に記憶する。
さらに、不揮発性メモリ28は、送受信アンテナ26を介して受信したビル内情報、GPS衛星90からGPS受信機34を介して受信したGPSデータ(経度、緯度に関する情報を含むデータ)、地磁気センサ36から受信した方位データ、操作部12から入力されたフロア情報とGPSデータとに基づいて生成された現在位置を示す現在位置データ、ビル内案内に係るプログラムが実行されることに生成された3次元画像データ等を不揮発的に記憶する。
【0028】
マイクロコンピュータ30は、特に、GPS衛星90からGPS受信機34を介して受信したGPSデータと、操作部12から入力されたフロア情報とに基づいて現在位置を示す現在位置データを生成する。このとき、マイクロコンピュータ30は、現在位置を示す現在位置データを取得する現在位置取得手段として機能する。また、このとき、GPS受信機34及び操作部12は、自己位置検出手段として機能する。
【0029】
図3(a)、(b)は、ビル内情報の一例を示す図である。
図3(a)に示すように、ビル内情報は、空間データ、オブジェクトデータ及び配置データから構成されている。
空間データは、ビル内の地点、すなわち、3次元仮想空間内の地点を示すデータであり、仮想3次元空間を示すデータである。
オブジェクトデータには、図3(b)に示すように、オブジェクト情報、形状情報、色情報、2次元シンボル画像データが含まれる。オブジェクト情報は、例えば、売り場コーナー、喫茶コーナー、休憩所、エレベータやエスカレータ(乗り場)、床、壁等、各オブジェクトが何であるかを示す情報である。形状情報は、当該オブジェクトの形状を示すデータであり、頂点座標、法線ベクトル、面の情報が含まれる。2次元シンボル画像データは、オブジェクトを標識するための画像データであり、3次元画像に重ねて表示される画像を示すデータである。
配置データは、各オブジェクトがビル内の何階にあるかを示すフロア値と、フロア値が示す階のどの位置に当該オブジェクトが配置されているかを示すフロア内配置データとから構成されている。このように、配置データに基づいて、仮想3次元空間内におけるオブジェクトの配置が決定されるため、現実の百貨店において売り場コーナー等の配置が変更された場合には、ビル内情報のうち、配置データのみを変更すればよく、空間データやオブジェクトデータはそのまま使用することができるため、配置換えに容易に対応することができる。
【0030】
液晶パネル14は、例えば、操作部12を介して入力された文字、CCDカメラ16により撮像して得られた画像、送受信アンテナ26を介して受信したメール文面や画像、ビル内案内プログラムにより生成された3次元画像等を表示する。
【0031】
内部電源としての二次電池32は、各回路に電力を供給するとともに、ACアダプタが接続された場合には、ACアダプタから供給される電力により充電される。
【0032】
マイクロコンピュータ30は、CPU、ROM及びRAMから構成されたもので、上記の各種プログラムを実行することにより、携帯電話機としての機能に係る処理やビル内案内に係る処理を行う。
【0033】
本実施形態に係る建築物内案内システムでは、利用者(携帯電話機10)の移動に伴って、液晶パネル14に表示される3次元画像が同期して表示される案内モードと、現実に移動する前に、仮想3次元空間内において視点を移動させて、移動経路を検索する経路検索モードとが存在する。まず、案内モードに係る案内処理について説明する。
【0034】
図4は、携帯電話機において行われる案内処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、ステップS10において、マイクロコンピュータ30は、ビル内情報を取得し、不揮発メモリ28に記憶する。この処理において、マイクロコンピュータ30は、操作部12を介してビル内情報を取得する旨の指示入力があると、サーバ80にアクセスし、取得する指示に係る百貨店のビル内情報を取得する。
【0035】
次に、マイクロコンピュータ30は、ステップS11において、フロア情報の入力を受け付ける。この処理において、マイクロコンピュータ30は、操作部12を介して案内を開始する旨の指示入力があると、図5に示すような画像を液晶パネル14に表示する。
【0036】
図5は、フロア情報の入力を受け付ける際に、携帯電話機が備える液晶パネルに表示される画像を示す図である。
図5に示すように、液晶パネル14には、「今、何階にいますか?」という画像が表示されている。利用者は、操作部12を介して、現在所在する階を示すフロア情報を入力することができる。ステップS11の処理を実行するとき、マイクロコンピュータ30は、利用開始時に利用者が所在する階の入力を受け付ける入力受付手段として機能する。このステップは、本発明における入力受付ステップに相当するステップである。なお、ステップS30、ステップS31の処理は、すでに、経路検索モードにおいて経路検索処理(図9参照)が実行されている場合には、省略してもよい。
【0037】
次に、マイクロコンピュータ30は、GPS衛星90からGPSデータを受信し(ステップS12)、このGPSデータとフロア情報(ステップS11参照)とに基づいて現在位置を示す現在位置データを生成し、現在位置を特定する(ステップS13)。ステップS13の処理を実行するとき、マイクロコンピュータ30は、現在位置を示す現在位置データを取得する現在位置取得手段として機能する。このステップは、本発明における現在位置取得ステップに相当するステップである。
このように、利用開始時に利用者が所在する階の入力を受け付けるため、GPSシステムの高さ方向に精度を要することなく、確実に利用者の現在位置に対応する階の3次元画像を表示部に表示することができる。また、高さデータを受信しない構成とすることもできるため、システムの簡略化を図ることもできる。この処理の後、ステップS14に処理を移す。
【0038】
次に、マイクロコンピュータ30は、地磁気センサ36から方位データを受信し(ステップS14)、携帯電話機10が向けられた方位を特定する(ステップS15)。ステップS14の処理を実行するとき、マイクロコンピュータ30は、地磁気センサ36から、携帯電話機10の向けられた方位を示す方位データを取得する方位取得手段として機能する。このステップは、本発明における方位取得ステップに相当するステップである。
【0039】
次に、ステップS16において、マイクロコンピュータ30は、画像生成処理を実行する。詳しくは図6を用いて後述するが、この処理においてマイクロコンピュータ30は、現在位置データが示す位置を視点、方位データが示す方位を視線方向とした3次元画像を生成し、液晶パネル14に表示する。この処理の後、ステップS17に処理を移す。
【0040】
ステップS17において、マイクロコンピュータ30は、案内を終了する旨の指示入力があったか否かを判断し(ステップS17)、案内を終了すると判断した場合(ステップS17:YES)には、本サブルーチンを終了する。一方、案内を終了しないと判断した場合(ステップS17:NO)、ステップS12に処理を戻す。
【0041】
図6は、図4に示したサブルーチンのステップS16において呼び出されて実行される画像生成処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、マイクロコンピュータ30は、百貨店内を表現した仮想3次元空間(ワールド空間)内に、オブジェクトを配置する(ステップS30)。この処理において、マイクロコンピュータ30は、ビル内情報(図4、ステップS10参照)から空間データ、オブジェクトデータ、空間データを抽出し、空間データに基づいて仮想3次元空間を設定し、配置データに基づいて、オブジェクトを配置する。
【0042】
次に、マイクロコンピュータ30は、ステップS13(図4参照)において生成した現在位置データに基づいて、仮想3次元空間を、現在位置を原点としたカメラ空間に変換する(ステップS31)。この処理を実行するとき、マイクロコンピュータ30は、仮想3次元空間を、現在位置データが示す現在位置を原点とするカメラ空間に変換する第1の変換手段として機能する。このステップは、本発明における第1の変換ステップに相当するステップである。
【0043】
次に、マイクロコンピュータ30は、上記カメラ空間を、視点からの視野(視野角)に対応する立体空間に変換する(ステップS32)。このとき、マイクロコンピュータ30は、ステップS14(図4)において受信した方位データに基づいて、カメラ空間を、立体空間に変換する。この処理を実行するとき、マイクロコンピュータ30は、カメラ空間を、方位データが示す方位に対応する立体空間に変換する第2の変換手段として機能する。このステップは、本発明における第2の変換ステップに相当するステップである。
その結果、視野内のオブジェクトを抽出することができ、さらに、視点に近いオブジェクトを拡大するとともに、視点から遠いオブジェクトを縮小することができる。
【0044】
次に、マイクロコンピュータ30は、視点からの視野に対応した立体空間内のオブジェクトを、液晶パネル14のスクリーン座標に対応する空間にクリッピングする(ステップS33)。この処理を実行するとき、マイクロコンピュータ30は、立体空間内にあるオブジェクトをクリッピングするクリッピング手段として機能する。このステップは、本発明におけるクリッピングステップに相当するステップである。
【0045】
図7は、仮想3次元空間に表現される百貨店、仮想3次元空間における現在位置及び携帯電話機の向けられた方位を説明するための図である。
なお、図7では、説明の便宜上、仮想3次元空間に表現される百貨店のうち、1階及び2階部分の床オブジェクト及び一部の売り場コーナーオブジェクトのみを記載している。
仮想3次元空間50には、1階の床を示す1階床オブジェクト51、2階の床を示す2階床オブジェクト52が配置されている。また、1階床オブジェクト51の上には、1階売り場コーナーオブジェクト53が配置され、2階床オブジェクト52の上には、2階売り場コーナーオブジェクト54が配置されている。1階床オブジェクト51上の携帯電話機10は、現在位置データに基づいた、携帯電話機10の現在位置を示している。また、携帯電話機10の向けられている方位は、方位データに基づいた方位である。
ステップS31では、この携帯電話機10の現在位置を原点としたカメラ空間に変換されるのである。また、ステップS32では、この携帯電話機10の向けられている方位に応じた立体空間に変換されるのである。
【0046】
次に、マイクロコンピュータ30は、オブジェクト毎に設定されているフロア値とステップS11において受け付けたフロア情報とに基づいて、現在位置よりも上層の階にあるオブジェクトを特定する(ステップS34)。この処理を実行するとき、マイクロコンピュータ30は、現在位置より上層の階にあるオブジェクトを特定する特定手段として機能する。このステップは、本発明における特定ステップに相当するステップである。
【0047】
次に、マイクロコンピュータ30は、特定したオブジェクト(2階売り場コーナーオブジェクト54)を視認可能となるように、2階床オブジェクト52を半透明にした上で、各オブジェクトを構成するポリゴンの表面に所定のテクスチャデータを貼り付けるテクスチャマッピングを行い、オブジェクトの外観を決定する(ステップS35)。この処理において、マイクロコンピュータ30は、特に、2階床オブジェクト52の色情報(半透明率α)を、半透明処理後の色情報に設定した上で、テクスチャマッピングを行う。
本実施形態では、アルファ値を用いて半透明合成する方法(所謂アルファブレンド)を用いる場合について説明するが、本発明においては、例えば、下層のオブジェクトのテクスチャデータの色と、上層のオブジェクトのテクスチャデータの色との中間色をピクセルごとに決定し、決定した中間色を上層の識別情報画像のテクスチャデータの色とする方法を用いることとしてもよい。
【0048】
なお、本実施形態では、床オブジェクトを半透明で表示する場合について説明したが、本発明においては、例えば、床オブジェクトを表示しないこととしてもよく、視野範囲内にあるオブジェクトと、特定された上層の階のオブジェクトとを双方とも視認可能であれば、特に限定されない。
【0049】
次に、ステップS36において、α値に基づいて半透明合成した合成後のピクセルを表示する。その結果、レンダリングされた3次元の描画データを生成することができる。
次に、マイクロコンピュータ30は、2次元シンボル画像データをこの3次元描画データに合成する(ステップS37)。この処理において、マイクロコンピュータ30は、オブジェクトの位置に基づいて、2次元シンボル画像を、液晶パネル14の対応するスクリーン座標上に配置して、3次元描画データと合成する。
【0050】
次に、ステップS38において、マイクロコンピュータ30は、合成した画像を液晶パネル14に表示する。液晶パネル14には、図8に示すような画像が、液晶パネル14に表示される。この処理を実行するとき、マイクロコンピュータ30は、視野範囲内にあるオブジェクトと、特定されたオブジェクトとを双方とも視認可能に表示する制御を行う表示制御手段として機能する。このステップは、本発明における表示ステップに相当するステップである。
【0051】
図8は、液晶パネルに表示される画像の一例を示す図である。
図8は、図7に示した携帯電話機10の位置から見た3次元画像を示している。
液晶パネル14の画面中央下側には、1階の床を示す1階床オブジェクト51、画面中央左右には、1階売り場コーナーオブジェクト53が表示されている。また、画面上側には、2階の床を示す2階床オブジェクト52が半透明で表示されていて、2階床オブジェクト52上に配置されている2階売り場コーナーオブジェクト54が視認可能に表示されている。また、売り場コーナーオブジェクト53、54には、各オブジェクトを標識する2次元シンボル画像55が重ねて表示されている。
このように、視点60より上層の階にある2階床オブジェクト52を半透明にして表示するため、現在いる階(1階)にあるオブジェクト(1階売り場コーナーオブジェクト53)と、上層の階にあるオブジェクト(2階売り場コーナーオブジェクト54)とを明確に識別して表示することができる。
また、液晶パネル14の画面下側には、「現在の進行方向は、北です」という現在の進行方向を示す画像が表示されている。この画像は、方位データに基づいて生成されたものである。従って、利用者は、自らの進行方向を知ることができる。
【0052】
次に、経路検索モードに係る経路検索処理について説明する。
図9は、携帯電話機において行われる経路検索処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、ステップS50において、マイクロコンピュータ30は、ビル内情報を取得し、不揮発メモリ28に記憶する。この処理において、マイクロコンピュータ30は、操作部12を介してビル内情報を取得する旨の指示入力があると、サーバ80にアクセスし、取得する指示に係る百貨店のビル内情報を取得する。
【0053】
次に、マイクロコンピュータ30は、ステップS51において、フロア情報の入力を受け付ける。
【0054】
次に、マイクロコンピュータ30は、GPS衛星90からGPSデータを受信し(ステップS52)、このGPSデータとフロア情報(ステップS11参照)とに基づいて現在位置を示す現在位置データを生成し、現在位置を特定する(ステップS53)。この処理の後、ステップS54に処理を移す。
【0055】
次に、ステップS54において、マイクロコンピュータ30は、画像生成処理を実行する。この処理においてマイクロコンピュータ30は、現在位置データが示す位置を視点とした3次元画像を生成し、液晶パネル14に表示する。なお、詳しくは図6を用いてすでに説明したので省略する。この処理の後、ステップS55に処理を移す。
【0056】
ステップS55において、マイクロコンピュータ30は、操作部12を介して、視点の移動入力があったか否かを判断する。視点の移動入力があったと判断した場合、マイクロコンピュータ30は、現在位置データを、移動先に応じた現在位置データに更新し、処理をステップS54に戻す。これにより、ステップS54では、移動先の現在位置データに基づいて、移動先を視点とした3次元画像が表示されることになる。一方、視点の移動入力がなかったと判断した場合、処理をステップS56に移す。
【0057】
ステップS56において、マイクロコンピュータ30は、操作部12を介して、リセット入力があったか否かを判断する。リセット入力があったと判断した場合、処理をステップS52に戻す。これにより、移動先の現在位置データがリセットされ、再び、利用者が現在所在する位置を示す現在位置データが生成され、当該現在位置データに基づいた3次元画像が表示されることになる(ステップS54)。従って、利用者は、現在位置を起点として、他の経路を検索することができる。一方、リセット入力がなかったと判断した場合、案内を終了する旨の指示入力があったか否かを判断し(ステップS57)、案内を終了すると判断した場合(ステップS57:YES)には、本サブルーチンを終了する。一方、案内を終了しないと判断した場合(ステップS57:NO)、ステップS55に処理を戻す。
【0058】
以上、本実施形態に係る建築物内案内システム100、及び、ビル内案内プログラムによれば、各階毎に複数のオブジェクトが配置された、複数階を有する百貨店を表現した仮想3次元空間内における、現在位置からの様子を3次元画像として携帯電話機10が備える液晶パネル14に表示させることができる。従って、利用者は、液晶パネル14に表示された画像と現実に視界に映る光景とを照らし合わせながら、進路が正しいかを確認しつつ、目的地まで移動することができる。また、現在位置から、液晶パネル14に表示された画像と現実に視界に映る光景とを照らし合わせながら、移動することができるため、地図上のどの位置に自らがいるのかわからなくなることを防止することができる。また、現在位置から、方位データに基づいた方位を見た視野範囲内にあるオブジェクト(例えば、現在位置が1階である場合の視野範囲内にある1階売り場コーナーオブジェクト53)と、現在位置より上層の階にあるオブジェクト(例えば、現在位置が1階にある場合の視野範囲内にある2階売り場コーナーオブジェクト54)とを双方とも視認可能に表示するため、自らの視点を中心とした上層の階に、目的となるオブジェクトがあるか否かを検索することができる。従って、現在いる階に加えて、上層の階を含めて、目的となるオブジェクトを検索することができ、上層の階への移動も含めた全体的な移動距離を短くすることができ、効率よく移動することができる。
さらに、階段やエレベータ等の位置を合わせて検索することにより、どの経路をたどれば、上層の階に位置する目的場所に最短でたどり着けるかを検索することができる。
また、地磁気センサ36に基づいた方位を見たときの様子が、液晶パネル14に表示されるため、利用者は、携帯電話機10を進行方向に向ければよく、操作部12を操作しなくとも、当該画像を表示させることができる。
このように、百貨店等の複数階を有する建築物を現実に移動する際に、現在位置からの様子を3次元画像として携帯電話機10の液晶パネル14に表示するため、迷うことなく、最短経路で目的場所にたどり着くことができる。
【0059】
本実施形態では、GPS受信機34及び操作部12が、自己位置検出手段であり、GPS衛星90から受信したGPSデータと操作部12から入力されたフロア情報とに基づいて現在位置を特定する場合について説明したが、本発明においてはこれに限定されず、例えば、GPSデータの代わりに、携帯端末機からの信号を受信したアンテナ(基地局)の位置に基づいて現在位置を特定することとしてもよい。この場合、例えば、アンテナが自己位置検出手段に相当する。
【0060】
本実施形態では、現在位置から見た視野範囲内にあるオブジェクトと、上層の階にあるオブジェクトとを双方とも視認可能に表示する場合について発明したが、本発明においては、現在位置から見た視野範囲内にあるオブジェクトと、下層の階にあるオブジェクトとを双方とも視認可能に表示してもよく、現在位置から見た視野範囲内にあるオブジェクトと、上層の階及び下層の階にあるオブジェクトとを双方とも視認可能に表示することとしてもよい。
【0061】
本実施形態に係る建築物内案内システム100では、ビル内情報を、インターネットを介して受信する場合について説明したが、本発明においては、この例に限定されず、例えば、携帯端末機にインターフェイスを設け、このインターフェイスを介して受信することとしてもよい。インターフェイスを介して受信することとした場合、大容量のデータ通信を短時間で行うことができるからである。
インターフェイスとしては、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポートやRS−232Cポート等、有線による接続に係るものであってもよく、例えば、赤外線通信ポート等、無線による接続に係るものであってもよい。
なお、仮想3次元空間に係る情報を、インターフェイスを介して受信することとした場合、仮想3次元空間で表現されている建築物の出入り口に、データ配信装置を設置し、データ配信装置に携帯端末機のインターフェイスを接続してビル内情報を取得することとしてもよい。
また、ビル内情報が記憶された外部メモリを貸出する等して利用することとしてもよい。
【0062】
本実施形態に係る建築物内案内システム100では、携帯電話機10がビル内情報とビル内案内プログラムとに基づいて3次元画像を生成する場合について説明したが、本発明に係る建築物内案内システムにおいて携帯端末機は、3次元画像を生成しなくともよい。携帯端末機が3次元画像を生成しない場合としては、例えば、現在位置データを携帯端末機からサーバに送信し、サーバにおいて当該現在位置データに基づいて3次元画像を生成し、この3次元画像を携帯端末機に送信する場合を挙げることができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本実施形態に係る建築物内案内システムの一例を示すネットワーク構成図である。
【図2】図1に示した携帯電話機の内部構成を示すブロック図である。
【図3】(a)、(b)は、ビル内情報の一例を示す図である。
【図4】携帯電話機において行われる案内処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】携帯電話機が備える液晶パネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図6】図4に示したサブルーチンのステップS14において呼び出されて実行される画像生成処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】仮想3次元空間に表現される百貨店、仮想3次元空間における現在位置及び携帯電話機の向けられた方位を説明するための図である。
【図8】携帯電話機が備える液晶パネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図9】携帯電話機において行われる経路検索処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
10 携帯電話機
12 操作部
14 液晶パネル
26 送受信アンテナ
28 不揮発性メモリ
30 マイクロコンピュータ
34 GPS受信機
36 地磁気センサ
50 仮想3次元空間
51 1階床オブジェクト
52 2階床オブジェクト
53 1階売り場コーナーオブジェクト
54 2階売り場コーナーオブジェクト
55 2次元シンボル画像
80 サーバ
90 GPS衛星
100 建築物内案内システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末機のコンピュータに実行されることによって、各階毎に複数のオブジェクトが配置された、複数階を有する建築物を表現した仮想3次元空間内における、現在位置からの様子を3次元画像として前記携帯端末機が備える表示部に表示するための携帯端末機用プログラムであって、
前記携帯端末機が備える自己位置検出手段から、前記携帯端末機の現在位置を示す現在位置データを取得する現在位置取得ステップ、
前記仮想3次元空間を、現在位置データが示す現在位置を原点とするカメラ空間に変換する第1の変換ステップ、
前記携帯端末機が備える地磁気センサから、前記携帯端末機の向けられた方位を示す方位データを取得する方位取得ステップ、
前記カメラ空間を、前記方位データが示す方位に対応する立体空間に変換する第2の変換ステップ、
前記立体空間内にあるオブジェクトをクリッピングするクリッピングステップ、
前記立体空間内にある、前記現在位置データが示す現在位置より上層の階又は下層の階にあるオブジェクトを特定する特定ステップ、及び、
前記表示部に、前記現在位置から前記方位を見た視野範囲内にあるオブジェクトと、特定した前記オブジェクトとを双方とも視認可能に表示する表示ステップ
を、前記コンピュータに実行させることを特徴とする携帯端末機用プログラム。
【請求項2】
前記表示ステップは、現在位置データが示す現在位置より上層の階又は下層の階にある床オブジェクトを半透明にして表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機用プログラム。
【請求項3】
利用者の操作に応じて、利用開始時に利用者が所在する階の入力を受け付ける入力受付ステップをさらに実行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末機用プログラム。
【請求項4】
各階毎に複数のオブジェクトが配置された、複数階を有する建築物を表現した仮想3次元空間内における、現在位置からの様子を3次元画像として携帯端末機が備える表示部に表示する建築物内案内システムであって、
前記携帯端末機が備える自己位置検出手段から、前記携帯端末機の現在位置を示す現在位置データを取得する現在位置取得手段と、
前記仮想3次元空間を、現在位置データが示す現在位置を原点とするカメラ空間に変換する第1の変換手段と、
前記携帯端末機が備える地磁気センサから、前記携帯端末機の向けられた方位を示す方位データを取得する方位取得手段と、
前記カメラ空間を、前記方位データが示す方位に対応する立体空間に変換する第2の変換手段と、
前記立体空間内にあるオブジェクトをクリッピングするクリッピング手段と、
前記立体空間内にある、前記現在位置データが示す現在位置より上層の階又は下層の階にあるオブジェクトを特定する特定手段と、
前記表示部に、前記現在位置から前記方位を見た視野範囲内にあるオブジェクトと、特定した前記オブジェクトとを双方とも視認可能に表示する制御を行う表示制御手段と
を備えたことを特徴とする建築物内案内システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、現在位置データが示す現在位置より上層の階又は下層の階にある床オブジェクトを半透明にして表示することを特徴とする請求項4に記載の建築物内案内システム。
【請求項6】
利用者の操作に応じて、利用開始時に利用者が所在する階の入力を受け付ける入力受付手段
を備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載の建築物内案内システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−192670(P2007−192670A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−11183(P2006−11183)
【出願日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】