説明

方向傾き検出装置、および搬送システム

【課題】床面に貼付したテープを検出して進行方向を制御する従来の自動搬送車では、テープを検出できなくなる場合があった。
【解決手段】異なる高さに配置された第1の光センサ30、第2の光センサ31、32、第3の光センサ33を含み、搬送車の側面に取付けられる光センサユニット12を有する光センサ部と、第1の光センサの光が照射される、等間隔で配置された複数の直線状の第1の溝21と、第2の光センサの光が照射される、少なくともいずれかの第1の溝を延伸した位置に配置された直線状の第2の溝22、23と、第3の光センサの光が照射される反射面24とを有し、搬送路に沿って所定の間隔をおいて複数個配置される立体マーカ20とを備える。第2の溝は搬送路における前記立体マーカの位置を表しており、光センサ部は、搬送路における搬送車の位置を検出する位置検出部と、反射面に対する搬送車の傾きを検出する傾き検出部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動搬送車を利用する搬送システムにおける、方向傾き検出装置および搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場や倉庫などにおいて、部品や物品などを所定の棚から取り出して移動したり、所定の棚に収納するために、無人で自動走行する自動搬送車(AGV:Automated Guided Vehicles)が用いられる。
【0003】
このような自動搬送車は、例えば床面に所定幅の反射テープを貼付して自動搬送車を走行させるための走行ラインを設け、自動走行装置がこの走行ラインを光電センサ等の検出手段によって検出しながら走行するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図17に、従来の自動搬送車を上面から見た概略構成図を示す。
【0005】
自動搬送車100は、車体の進行する側の左右両側に配置された駆動輪104、およびそれらの駆動輪104を独立して駆動するための2つの駆動モータ103を備えている。そして、車体の後ろ側には、従動輪105が車体の左右に設けられている。
【0006】
また、自動搬送車100の左右の中心位置の前後の離れた2箇所に、走行センサ102を備えている。各走行センサ102は、複数の光電センサで構成されており、床面に貼付された反射テープ106を検出する。
【0007】
また、自動搬送車100の走行経路や停止位置などを指示するための無線信号を受信する無線受信部107を備えている。
【0008】
そして、無線受信部107が受信した無線信号による指示にしたがって2つの駆動モータ103を制御する駆動制御部101を備えている。また駆動制御部101は、2つの走行センサ102の検知結果に基づいて、自動搬送車100が床面に貼付された反射テープ106に沿って走行するように2つの駆動モータ103を制御する。
【0009】
駆動制御部101は、2つの走行センサ102を構成する全ての光電センサが、反射テープ106を検出するように制御する。例えば、前方に配置された走行センサ102のうち左端の光電センサが反射テープ106の非検出状態となった場合には、駆動制御部101は、右側の駆動輪104を減速させるように駆動モータ103を制御することにより、自動搬送車100の進行方向を調整する。
【0010】
なお、ここでは、反射テープ106を貼付し、走行センサ102として光電センサを用いる例で説明したが、床面に所定幅の磁気テープを貼付し、走行センサ102として磁気センサを用いる構成も多く用いられる。
【0011】
このように、従来は、自動搬送車100を進行させる経路上の床面に反射テープや磁気テープなどを貼付し、それを検出させることによって、これらのテープによって示された軌道上を自動搬送車100が走行するように制御していた。
【0012】
また、N、S極を組み合わせたマグネット板を使用したマーカセンサを床に設置しておき、マーカセンサを検知し、各マーカセンサのマグネットの組み合わせの種類によって現在地を確認しながら走行する自動搬送車もある。
【0013】
また、最近では、迷路の中をMAP情報がなくても、360度レーザセンサによって通路を探索しながら、障害物を回避する技術、所謂SLAM(Simultaneously Localization and Mapping:各種センサから取得した情報から、自己位置推定と地図作成とを同時に行う方法)を用いた搬送車の開発も行なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平9−305225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、図17に示したような従来の自動搬送車では、倉庫内等で、フォークリフトと共存させることはできなかった。また、SLAMを用いた搬送車は、探索しながら走行するために遅いという弱点がある。
【0016】
すなわち、図17に示したような従来の自動搬送車の走行制御方法では、反射テープやマーカセンサなどを床に設置するため、倉庫内等でフォークリフトと共存させた場合、フォークリフトの走行によって、反射テープやマーカセンサが汚されたり破壊されたりしてしまうので、フォークリフトと共存させることはできなかった。
【0017】
この課題は、床面に貼付したテープなどで示す軌道上を走行させるという走行制御方法に起因するものであり、例えば、無軌道である基準に平行に走行させるように制御すれば解消できる課題であるが、従来は自動搬送車をそのように走行制御できるものは無かった。
【0018】
また、SLAMを用いた搬送車には遅いという弱点があるため、結局、倉庫内のような十字に交差する迷路よりは比較的簡単な通路をフォークリフトと共存させて走行させる手段が従来にはなかったと言える。
【0019】
なお、SLAMを用いた搬送車においては、走行が遅いという弱点の他に、いまだ装置およびセンサが高価である、という問題もある。
【0020】
本発明は、上記従来の課題を考慮して、無軌道である基準に平行に自動搬送車を走行させることができ、設置および変更が容易で、かつ低コストの方向傾き検出装置および搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、
光センサ部と、複数個の立体マーカとを備えた方向傾き検出装置であって、
前記光センサ部は、光センサユニットと、位置演算部と、傾き演算部とを有し、
前記光センサユニットは、光を照射し、その反射光を検出する第1の光センサと、前記第1の光センサとは高さが異なる位置に配置され、光を照射し、その反射光を検出する第2の光センサと、前記第1の光センサおよび前記第2の光センサとは高さが異なる位置に配置され、光を照射し、その反射光を検出する第3の光センサとを有し、
前記立体マーカは、前記第1の光センサが発光する光が照射される、等間隔で配置された複数の直線状の第1の溝が形成された第1の面と、前記第2の光センサが発光する光が照射される、少なくともいずれかの前記第1の溝と所定の位置関係にある直線状の第2の溝が形成された第2の面と、前記第3の光センサが発光する光が照射される反射面とを有し、
前記光センサユニットは、搬送車の側面に取り付けられ、
前記立体マーカは、前記搬送車が通る搬送路に沿って所定の間隔をおいて複数個配置され、
前記第2の溝は、前記搬送路における前記立体マーカの位置を表しており、
前記位置演算部は、前記第1の光センサおよび前記第2の光センサが検出する反射光を利用して前記搬送路における前記搬送車の位置を演算し、
前記傾き演算部は、前記第3の光センサが検出する反射光を利用して前記反射面に対する前記搬送車の傾きを演算する、方向傾き検出装置である。
【0022】
また、第2の本発明は、
前記第3の光センサは、前記反射面までの距離を検出する距離検出センサであり、前記搬送車が移動している際に、1つの前記立体マーカの前記反射面上の複数箇所の部位までのそれぞれの距離を検出し、
前記傾き演算部は、前記検出された複数の距離と前記複数部位同士の距離とに基づいて、または、前記検出された複数の距離とそれぞれの前記部位までの距離を検出するために移動した距離とに基づいて、前記搬送車の傾きを演算する、第1の本発明の方向傾き検出装置である。
【0023】
また、第3の本発明は、
前記第3の光センサは、前記反射面までの距離を検出する距離検出センサであり、前記搬送車が移動している際に、複数の前記立体マーカの前記反射面までの距離をそれぞれ検出し、
前記傾き演算部は、前記検出された複数の距離と前記複数の立体マーカ間の距離とに基づいて、または、前記検出された複数の距離とそれぞれの前記反射面までの距離を検出するために移動した距離とに基づいて、前記搬送車の傾きを演算する、第1の本発明の方向傾き検出装置である。
【0024】
また、第4の本発明は、
前記光センサユニットは、前記搬送車の側面に取り付けられた状態において、前記第3の光センサが、前記第1の光センサおよび前記第2の光センサよりも下に配置され、
前記立体マーカは、前記搬送路に沿って配置された状態において、前記反射面が、前記第1の面および前記第2の面よりも下に配置される、第1〜第3のいずれかの本発明の方向傾き検出装置である。
【0025】
また、第5の本発明は、
前記反射面は、前記光センサユニットに対して、前記第1の面および前記第2の面よりも突出した位置に設けられている、第1〜第4のいずれかの本発明の方向傾き検出装置である。
【0026】
また、第6の本発明は、
前記第1の面および前記第2の面は、同一部材上に形成されており、
前記反射面は、前記部材とは別の部材上に形成されており、
前記別の部材は、前記部材の延伸した部分に連結されている、第5の本発明の方向傾き検出装置である。
【0027】
また、第7の本発明は、
前記第1の光センサおよび前記第2の光センサは、階段状に配置されている、第1の本発明の方向傾き検出装置である。
【0028】
また、第8の本発明は、
前記立体マーカには、前記第1の溝に代えて、直線状のスリットまたは凸条が形成されており、前記第2の溝に代えて、直線状のスリットまたは凸条が形成されている、第1の本発明の方向傾き検出装置である。
【0029】
また、第9の本発明は、
第1の本発明の方向傾き検出装置と、
側面に前記光センサユニットが取り付けられた搬送車とを備えた搬送システムであって、
前記搬送車は、前進または後退するための複数個の前後進用の車輪と、前記前後進用の車輪と直交する向きに取り付けられた左方向または右方向に進むための複数個の横進用の車輪とを有し、前進または後退する際には、前記横進用の車輪を浮かせるとともに前記前後進用の複数の車輪を同方向に回転させ、左方向または右方向に進む際には、前記前後進用の車輪を浮かせるとともに前記横進用の複数の車輪を同方向に回転させ、進行方向を変更する際には、前記横進用の車輪を浮かせるとともに前記前後進用の複数の車輪のそれぞれの回転の仕方が異なるように回転させる、搬送システムである。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、無軌道である基準に平行に自動搬送車を走行させることができ、設置および変更が容易で、かつ低コストの方向傾き検出装置および搬送システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1の自動搬送車の上面から見た概略構成図
【図2】本発明の実施の形態1の、立体マーカと自動搬送車の光センサユニットとの位置関係を示した図
【図3】(a)本発明の実施の形態1の立体マーカの正面図、(b)本発明の実施の形態1の立体マーカの側面図
【図4】本発明の実施の形態1の立体マーカと光センサユニットの位置関係を説明するための図
【図5】本発明の実施の形態1の、光センサユニットの立体マーカに対向する側から見た正面図
【図6】(a)本発明の実施の形態1の、アドレス=”1”の場合の立体マーカのスリットの配置を示す図、(b)本発明の実施の形態1の、アドレス=”2”の場合の立体マーカのスリットの配置を示す図、(c)本発明の実施の形態1の、アドレス=”3”の場合の立体マーカのスリットの配置を示す図、(d)本発明の実施の形態1の、アドレス=”4”の場合の立体マーカのスリットの配置を示す図
【図7】(a)本発明の実施の形態1のアドレス検出用センサ30で検出される検出結果を示した図、(b)本発明の実施の形態1のアドレス検出用センサ31で検出される検出結果を示した図、(c)本発明の実施の形態1のアドレス検出用センサ32で検出される検出結果を示した図、(d)本発明の実施の形態1の駆動制御部の位置演算部が、各アドレス検出用センサの検出結果から取得したアドレス情報を示す図
【図8】(a)本発明の実施の形態1の立体マーカの他のスリット形状の例を示す図、(b)本発明の実施の形態1の立体マーカの他のスリット形状の例を示す図
【図9】(a)本発明の実施の形態1の、他の構成の立体マーカの側面図、(b)本発明の実施の形態1の、他の構成の立体マーカの側面図、(c)本発明の実施の形態1の、他の構成の立体マーカの側面図
【図10】(a)本発明の実施の形態1の、距離検出用センサが立体マーカまでの距離を検出する地点を説明するための図、(b)本発明の実施の形態1の、自動搬送車の走行すべき経路に対する傾きの算出方法を説明するための図
【図11】本発明の実施の形態1の、距離検出用センサが立体マーカまでの距離を検出する地点を説明するための図
【図12】(a)本発明の実施の形態1の、複数の距離検出用センサを有する光センサユニットの正面図、(b)本発明の実施の形態1の、複数の距離検出用センサを有する光センサユニットを用いた場合の距離検出用センサが立体マーカまでの距離を検出する2地点の位置を示す図
【図13】(a)本発明の実施の形態1の、別の構成の距離検出用センサを有する光センサユニットの正面図、(b)本発明の実施の形態1の、別の構成の距離検出用センサを有する光センサユニットを用いた場合の距離検出用センサと立体マーカの位置関係を示す図
【図14】本発明の実施の形態1の立体マーカの設置方法を説明するための図
【図15】本発明の実施の形態1の自動搬送車の経路変更を説明する図
【図16】本発明の実施の形態1の、他の構成の自動搬送車の上面から見た概略構成図
【図17】従来の自動搬送車を上面から見た概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態1の、被検知体を検出して進行方向を制御する自動搬送車の上面から見た概略構成図を示す。
【0034】
本実施の形態1の自動搬送車10は、車体の進行する側の左右両側に配置された駆動輪14、およびそれらの駆動輪14を独立して駆動するための2つの駆動モータ13を備えている。そして、車体の後ろ側には、従動輪15が車体の左右に設けられている。
【0035】
また、自動搬送車10の走行経路や停止位置などを指示するための無線信号を受信する無線受信部16を備えている。
【0036】
そして、無線受信部16が受信した無線信号による指示にしたがって2つの駆動モータ13を制御する駆動制御部11を備えている。また、自動搬送車10の前方の左側の側面に光センサユニット12が取り付けられており、自動搬送車10の左側方に向けてレーザ光を発光し、立体マーカ20からの反射光を検出する。駆動制御部11は、光センサユニット12の検知結果に基づいて、自動搬送車10が所定の走行経路上を走行するように2つの駆動モータ13を制御する。
【0037】
駆動制御部11は、光センサユニット12の検知結果に基づいて、検知した立体マーカ20のアドレス情報を演算する位置演算部17と、自動搬送車10の走行すべき進行方向に対する走行している向きの傾きを演算する傾き演算部18とを有している。位置演算部17で算出されたアドレス情報と傾き演算部18で算出された傾き情報に基づいて、走行すべき経路上を正しく走行するように駆動モータ13が制御される。
【0038】
立体マーカ20は、自動搬送車10を走行させる走行経路から一定距離離れたライン上に複数、それぞれ光センサユニット12から発光される光を反射する面が自動搬送車10の側面に対向するように所定間隔をおいて床上に設置されている。
【0039】
なお、図1の一点鎖線で囲んだ部分、すなわち光センサユニット12、位置演算部17および傾き演算部18を合わせた構成が、本発明の光センサ部の一例にあたる。また、図1の二点鎖線で囲んだ部分、すなわち本発明の光センサ部に自動搬送車10の搬送路に沿って配置される複数の立体マーカ20を加えた構成が、本発明の方向傾き検出装置の一例にあたる。
【0040】
図2は、立体マーカ20からの反射光によって自動搬送車10を走行制御する際の、立体マーカ20と自動搬送車10の左側面に取り付けられた光センサユニット12との位置関係を示した図である。
【0041】
光センサユニット12は、上下に重なるように配置された4つの光センサで構成されており、それぞれの光センサが発光したレーザ光が立体マーカ20によって反射され、それらの反射光を検出する。
【0042】
自動搬送車10は、その上部に、運搬用の籠が搭載されたり、図2に示すような物品収納・取り出し機構70などが搭載される。
【0043】
物品収納・取り出し機構70として、例えばリフター機構などが搭載され、台車である自動搬送車10を自動走行制御して、指定した場所のコンテナをリフター機構によって取り出し、別の所定の場所に移動させたりする。また、物品収納・取り出し機構70として、所定の棚の商品などを取り出したり所定の棚に収納するような機構が搭載されていてもよい。
【0044】
図3(a)に立体マーカ20の正面図を、図3(b)に側面図をそれぞれ示す。
【0045】
金属製のスリット基板25に、基準スリット21、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23が形成されており、スリット基板25が自動搬送車10に対向する側の面とは反対側の面に反射板27が接着されており、反射板27と、基準スリット21、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23とによって、それぞれ溝が形成されている。
【0046】
なお、基準スリット21と反射板27によってスリット基板25の表面に形成される溝が、本発明の第1の溝の一例にあたり、上位アドレススリット22と反射板27によって形成される溝および下位アドレススリット23と反射板27によって形成される溝が、本発明の第2の溝の一例にあたる。また、スリット基板25の自動搬送車10に対向する側の面のうち、基準スリット21が形成される部分が、本発明の第1の面の一例にあたり、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23が形成される部分が、本発明の第2の面の一例にあたる。
【0047】
また、金属製のスリット基板25の自動搬送車10に対向する側の面に金属製の距離検出用ブロック26が接着されており、距離検出用ブロック26の自動搬送車10に対向する側の面が反射面24となっている。
【0048】
なお、基準スリット21、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23が形成されているスリット基板25が、本発明の、第1の面および第2の面が形成されている同一部材の一例にあたり、距離検出用ブロック26が、本発明の別の部材の一例にあたる。
【0049】
図4に、立体マーカ20と光センサユニット12の位置関係を説明するための図を示す。
【0050】
立体マーカ20は、上から、基準スリット21、上位アドレススリット22、下位アドレススリット23、反射面24の順となる向きで、正面側が自動搬送車10の左側面に対向するように床上に設置される。
【0051】
光センサユニット12は、アドレス検出用センサ30、アドレス検出用センサ31、アドレス検出用センサ32および距離検出用センサ33の4つの光センサで構成されており、立体マーカ20の基準スリット21、上位アドレススリット22、下位アドレススリット23および反射面24にそれぞれ対向するように、上から、アドレス検出用センサ30、アドレス検出用センサ31、アドレス検出用センサ32、距離検出用センサ33の順に配置されている。
【0052】
なお、アドレス検出用センサ30が、本発明の第1の光センサの一例にあたり、アドレス検出用センサ31およびアドレス検出用センサ32が、本発明の第2の光センサの一例にあたり、距離検出用センサ33が、本発明の第3の光センサの一例にあたる。
【0053】
図4に示すように、光センサユニット12のアドレス検出用センサ30、31および32は、立体マーカ20側が階段状となるように配置されている。これは、アドレス検出用センサ30、31および32によって光センサユニット12を組み立てる際に、ネジ止めなどによって組み付けし易いようにするためである。したがって、アドレス検出用センサ30、31および32の立体マーカ20側の面を、必ずしも図4のように階段状に構成しなくてもよく、例えば、各アドレス検出用センサ30、31および32の立体マーカ20側の面が同一の面となるように構成してもよい。
【0054】
図5に、光センサユニット12の、立体マーカ20に対向する側から見た正面図を示す。
【0055】
アドレス検出用センサ30、31および32のそれぞれの発光部と受光部は同一の位置であり、それぞれのレーザ光の受発光部34、35および36は、正面から見て鉛直線上に並ぶように配置されている。距離検出用センサ33の発光部と受光部も同一の位置であり、距離検出用センサ33の受発光部37もアドレス検出用センサ30、31および32の受発光部の鉛直線上に並ぶように配置されている。
【0056】
図3に示すように、基準スリット21は、等間隔に配置された10本のスリットであり、正面側から見て右端のスリットのみ他のスリットの2倍の幅であり、他の9本は、同一の幅のスリットである。
【0057】
上位アドレススリット22および下位アドレススリット23の形成されているスリットの配置は、その立体マーカ20の位置(アドレス)を示す情報であり、立体マーカ20毎に、これらのスリットが形成されている配置が異なっている。
【0058】
図3(a)に示すように、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23は、基準スリット21のいずれかのスリットを延伸した下方の位置に、基準スリット21と同一の幅で形成されている。
【0059】
なお、基準スリット21に対応して形成されている上位アドレススリット22および下位アドレススリット23と基準スリット21との位置関係が、本発明の所定の位置関係の一例にあたる。
【0060】
図6(a)〜(d)は、設置する位置(アドレス)が異なる立体マーカ20のスリットの配置をそれぞれ示している。図6(a)〜(d)は、それぞれ、アドレス=”1”、”2”、”3”、”4”の場合のスリットの配置を示している。
【0061】
上位アドレススリット22および下位アドレススリット23では、基準スリット21の左端から2番目のスリットから9番目までのスリットに対応する位置の8本のスリットがアドレス情報として使用され、左端のスリットは使用されず、右端のスリットがチェックディジット用スリット28として使用される。ここでは、例として、奇数パリティ(スリットの数が常に奇数になるようにチェックディジットスリットで調整する方法)の場合を示している。なお、基準スリット21の左端のスリットは、スタートビットとして使用される。
【0062】
図6では、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23の左端から2番目のスリットから順に、”1”、”2”、”4”、”8”、…の情報として用いるので、アドレス=”1”、”2”、”3”、”4”の場合のスリットの配置は、それぞれ図6(a)〜(d)の位置となる。上位アドレススリット22は、アドレスが”256”以上の場合に形成されるスリットなので、図6(a)〜(d)の場合には、チェックディジット用スリット28の部分にのみスリットが形成される。なお、チェックディジット用スリット28は、奇数パリティであるので、下位アドレススリット23については、ここでは図6(c)の場合にのみ形成される。
【0063】
次に、駆動制御部11の位置演算部17における、自動搬送車10の位置検出方法について説明する。
【0064】
図7(a)〜(d)は、自動搬送車10が進行方向に進みながら光センサユニット12の各アドレス検出用センサ30〜32で検出される検出結果を示している。ここでは、自動搬送車10が等速で移動しているものとしている。
【0065】
自動搬送車10が図3(a)に示す立体マーカ20の正面を左から右へと移動していくとき、アドレス検出用センサ30から発光されるレーザ光は、基準スリット21の左側のスリットから右側のスリットへと順に照射されていく。スリットが形成されていないスリット基板25の表面部分で反射されるレーザ光の方が、スリットを通過してスリット基板25の裏側に配置されている反射板27で反射されるレーザ光よりも、強い反射光が検出される。したがって、立体マーカ20の正面を左から右へと等速で移動していくときにアドレス検出用センサ30で検出される反射光の強さは、時間とともに図7(a)に示すように変化する。
【0066】
図7(a)に示すように、スリット基板25の表面で反射される反射光の強さと、反射板27で反射される反射光の強さの違いを識別できる値をしきい値と設定しておくことにより、基準スリット21の各スリットを通過する時点を特定することができる。
【0067】
図3(a)に示すように、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23は、基準スリット21のいずれかのスリットの幅の位置と同じ位置にスリットの幅の位置がくるように形成されており、かつ、図5に示すように、アドレス検出用センサ31および32のレーザ光の発光位置がアドレス検出用センサ30の発光位置の鉛直線上の位置であり、アドレス検出用センサ31および32から発光されるレーザ光がアドレス検出用センサ30から発光されるレーザ光と同一の鉛直面を通るように発光される。したがって、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23が、基準スリット21のいずれかのスリットに対応する位置に形成されている場合には、アドレス検出用センサ30でスリットが検出される時点と同じ時点に、アドレス検出用センサ31または32で検出される反射光の強さが変化することになる。
【0068】
したがって、アドレス検出用センサ31および32で検出される反射光の変化する時点を、アドレス検出用センサ30が基準スリット21の各スリットの位置を検出する各時点と照合することにより、基準スリット21のいずれのスリットに対応する位置に上位アドレススリット22および下位アドレススリット23が形成されているかを検出することができる。
【0069】
図7は、図6(c)に示したアドレス=”3”の場合の検出結果を示している。
【0070】
この場合、立体マーカ20の上位アドレススリット22については右端のチェックディジット用スリット28のみが形成されているので、チェックディジット用スリット28の位置に応じて、図7(b)のように反射光の強さが変化する。
【0071】
また、アドレス検出用センサ32では、図6(c)に示した下位アドレススリット23の部分に形成されているスリットの位置に応じて、図7(c)のように反射光の強さが変化する。
【0072】
駆動制御部11の位置演算部17は、図7(a)および図7(c)に示すようなアドレス検出用センサ30および32の検出結果から、図7(d)に示すように、このときに通過した立体マーカ20の下位アドレススリット23の配置が、”11000000B”であり、チェックディジットビットが”1”である、という情報を示す配置であると判断する。また、このとき、アドレス検出用センサ31による検出結果は、図7(b)に示すように反射光の強さの変化が検出されるので、図7(a)のアドレス検出用センサ30の検出結果と照合して、上位アドレススリット22の配置が、”00000000B”であり、チェックディジットビットが”1”である、という情報を示す配置であると判断される。これにより、位置演算部17は、自動搬送車10がアドレス=”3”で特定される立体マーカ20の位置にある、と算出する。
【0073】
基準スリット21、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23は、いずれも上下方向に所定の長さを有する縦長形状をしており、図3(a)に示すように、各アドレス検出用センサ30〜32から発光されるレーザ光は、自動搬送車10の移動にしたがってこれらの縦長形状のスリットを横切るように照射していくので、立体マーカ20に照射されるレーザ光の位置が多少上下にずれても正確にアドレス情報を検出することができる。
【0074】
なお、図3(a)に示すように、基準スリット21の右端のスリットの幅を他のスリットの2倍の幅としているので、図7(a)に示すように、アドレス検出用センサ30の検出結果では、他のスリットよりも幅の広いスリットと検出され、他のスリットと区別できる。すなわち、「連続して検出したスリットのうち、10本目のスリットの幅が他のスリットの幅よりも大きい」ことを検出することで、スリットの誤検出を防止することができる。例えば、10本のスリットのうち、1本を検出できなかった場合、位置演算部17では「連続して検出したスリットのうち、9本目のスリットの幅が他のスリットの幅よりも大きい」と認識されることとなり、誤検出したことを認識できる。
【0075】
また、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23において、基準スリット21の左端のスリットに対応する位置のスリットを使用しないこととしているが、これによっても誤検出を認識できる。すなわち、基準スリット21の左端から1本目のスリットに対応する時点に、上位アドレススリット22または下位アドレススリット23が検出された場合、「本来存在しないスリットが検出された」として、誤検出を認識することができる。
【0076】
なお、基準スリット21の本数や、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23の各スリットに割当てるアドレス情報など、上記した本実施の形態1の構成に限るものではなく、システムに応じて設定すればよい。
【0077】
例えば、本発明の第2の溝の例として、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23の上下2段構成のスリットを用いる例を示したが、1段だけのスリットを用いる構成としてもよいし、上下3段以上のスリットを用いる構成としてもよい。
【0078】
また、基準スリット21のスリットの本数を10本より少なくしてもよいし、10本より多くしてもよい。また、基準スリット21の右端のスリットの幅を、他のスリットと同じ幅としてもよいし、右端のスリットとともに左端のスリットも他のスリットの幅より太くするような構成としてもよい。
【0079】
また、上記では、自動搬送車10が等速で移動する場合について説明したが、自動搬送車10が速度を変化させながら立体マーカ20を検出する場合にも、立体マーカ20のアドレス情報を正確に検出することができる。各アドレス検出用センサ30〜32は、反射光の強さの変化点によりスリットの位置情報を検出し、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23が存在する場合には、対応する基準スリット21のスリットと同じ変化時点に反射光の強さが変化するので、自動搬送車10が等速で移動していなくても、正確に立体マーカ20のアドレス情報を検出できる。
【0080】
また、ここでは、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23を、基準スリット21のいずれかのスリットを延伸した下方の位置に、基準スリット21と同一の幅で形成することとしたが、このような構成に限らず、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23を、基準スリット21の位置を基準にして各スリットの位置が特定できる位置に形成すればよい。例えば、上位アドレススリット22や下位アドレススリット23の位置を、基準スリット21の各スリット間の位置に対応させることとして、基準スリット21の各スロット間の下方の位置に上位アドレススリット22や下位アドレススリット23のスリットを形成させるようにしてもよい。
【0081】
図8(a)および図8(b)に、立体マーカの他のスリット形状の例を示す。
【0082】
図8(a)の立体マーカ40および図8(b)の立体マーカ41は、いずれも図3(a)に示した立体マーカ20と同じ位置情報(アドレス)を示す例である。
【0083】
基準スリット21、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23は、必ずしも図3(a)のようにこれらのスリットが分離して形成されている必要はなく、図8(a)の立体マーカ40のように、基準スリット21に対応する上位アドレススリット22および下位アドレススリット23が、基準スリット21につながって一つの長いスリットを形成していてもよい。
【0084】
また、基準スリット21の上下方向の長さが、アドレス検出用センサ30によるレーザ光の上下方向のずれを許容できる長さであれば、図8(b)の立体マーカ41のように、基準スリット21の一端側が開放されているような形状であってもよい。
【0085】
製造コスト、使用する環境などに応じて、図3(a)、図8(a)、図8(b)などのスリット形状を使用すればよい。例えば、製造し易さや材料コストなどを重視する場合には、図8(a)や図8(b)のスリット形状とし、立体マーカの強度を重視する場合には、図3(a)のスリット形状とする。
【0086】
図9(a)〜(c)に、立体マーカの他の構成の側面図を示す。
【0087】
図3(a)では、スリット基板25の裏面に反射板27を接着してスリット基板25の表面に溝を形成する構成としたが、各アドレス検出用センサ30〜32が反射光の違いによってスリットの位置を検出できれば、溝を形成させるのではなくスリット形状のまま使用してもよい。
【0088】
例えば、図9(a)のように、スリットを形成させたスリット基板25の裏側の所定距離離れた位置に反射基板42を配置するようにしてもよい。図9(a)の構成では、取り付けボルト45によってスリット基板25に反射基板42を組み付けるとともに、ジャッキボルト46によって、スリット基板25と反射基板42間の距離を調整し、反射面24が前記自動搬送車の進行方向と平行でかつ床に対して垂直となるようにできるようになっている。また、ジャッキボルト46はスリット基板25の4コーナーに設けてもよく、取り付けの柱面を押してもよい。
【0089】
また、各アドレス検出用センサ30〜32が反射光の強さの違いによって立体マーカ20に形成されているスリットと同じ位置を検出できれば、スリットを用いる以外の立体形状としてもよい。
【0090】
図9(b)は、スリットの代わりに溝を形成させた立体マーカの側面図を示している。
【0091】
図9(b)の構成では、溝形成基板50の表面に、基準溝51、上位アドレス溝52および下位アドレス溝53を形成している。立体マーカの正面側から見た基準溝51、上位アドレス溝52および下位アドレス溝53の形状を、それぞれ図3(a)の基準スリット21、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23と同じ形状とすることにより、図3(a)に示した立体マーカ20と同様の検出結果を得ることができる。
【0092】
図9(c)は、スリットの代わりに凸部を形成させた立体マーカの側面図を示している。
【0093】
図9(c)の構成では、凸条形成基板55の表面に、基準凸部56、上位アドレス凸部57および下位アドレス凸部58を形成している。また、これらの凸部を形成するのではなく、厚い基板を切削等加工して、図9(c)の形状の凸条形成基板55としてもよい。
【0094】
立体マーカの正面側から見た基準凸部56、上位アドレス凸部57および下位アドレス凸部58の形状を、それぞれ図3(a)の基準スリット21、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23と同じ形状とすることにより、図3(a)に示した立体マーカ20と同様の検出結果を得ることができる。ただし、この場合は、凸条形成基板55の表面部分からの反射光よりも凸部からの反射光の方が強いので、図7(a)〜(c)とは、反射光の強弱が逆転したような変化となる。
【0095】
次に、駆動制御部11の傾き演算部18における、自動搬送車10の傾き検出方法について説明する。
【0096】
図4に示すように、光センサユニット12の最下部に配置された距離検出用センサ33は、光学的三角測距法を用いたセンサであり、自動搬送車10の走行経路から一定距離離れたライン上に配置された立体マーカ20の反射面24からの反射光を検出することにより、自動搬送車10とその立体マーカ20間の距離が算出される。
【0097】
傾き演算部18は、自動搬送車10が走行している際に、光センサユニット12の距離検出用センサ33によって異なる2地点で検出された立体マーカ20までの2つの距離情報に基づいて、自動搬送車10の走行すべき走行経路に対する傾きを算出する。
【0098】
図10(a)に、距離検出用センサ33が立体マーカ20までの距離を検出する地点を説明する図を、図10(b)に、自動搬送車10の走行すべき経路に対する傾きの算出方法を説明する図を示す。
【0099】
図10(a)は、自動搬送車10が移動している際に、距離検出用センサ33が立体マーカ20までの距離を検出する2地点における、光センサユニット12の位置を示している。
【0100】
図10(a)の、実線で示す光センサユニット12が、距離検出用センサ33が検出する第1の検出地点における光センサユニット12の位置を示している。そして、破線で示す光センサユニット12が、第1の検出地点から自動搬送車10が移動し、距離検出用センサ33が検出する第2の検出地点における光センサユニット12の位置を示している。図10(a)の場合、1つの立体マーカ20の反射面24の異なる2つの部位にレーザ光を反射させて2つの距離を検出している。
【0101】
傾き演算部18は、第1の検出地点および第2の検出地点で検出されたこれらの2つの距離情報から、自動搬送車10の走行すべき走行経路に対する傾きを算出する。
【0102】
例えば、「距離を検出した反射面24上の2つの部位間の距離」がわかれば、図10(b)に示すように、第1の検出地点で検出された距離と第2の検出地点で検出された距離との差から、三角関数を用いて反射面24に対する自動搬送車10の進行する向きの傾きθを算出できる。例えば、基準スリット21の左端から1番目のスリットが検出されるタイミングと10番目のスリットが検出されるタイミングで距離検出用センサ33が立体マーカ20までの距離を検出することとすれば、「距離を検出した反射面24上の2つの部位間の距離」として、基準スリット21の1番目のスリットと10番目のスリット間の距離を用いることができる。
【0103】
また、距離検出用センサ33を常時検出させるようにした場合には、1つの反射面24を検出している間は、ほぼ同じ距離が検出され続けるので、その反射面が検出されている期間を識別できる。1つの反射面24を識別した際の、その反射面24に対して最初に検出した距離を第1の地点で検出した距離とし、その反射面24に対して最後に検出した距離を第2の地点で検出した距離とすることにより、「距離を検出した反射面24上の2つの部位間の距離」として、反射面24の左右の幅、すなわち自動搬送車10の進行方向に沿った反射面24の長さを用いることができる。
【0104】
また、反射面24の2つの部位間の代わりに、第1の検出地点から第2の検出地点までの移動距離を用いても、三角関数を用いて、自動搬送車10の傾きθを算出することができる。
【0105】
上記では、1つの立体マーカ20の反射面24上の2つの部位に対して検出された距離情報を用いて自動搬送車10の走行すべき経路に対する傾きを算出することとしたが、異なる2つの立体マーカ20までの距離情報を用いても、算出することができる。
【0106】
図11は、自動搬送車10が移動している際に、距離検出用センサ33が立体マーカ20までの距離を検出する2地点における、光センサユニット12の位置を示している。
【0107】
図11の場合、搬送路に沿って設置されている異なる2つの立体マーカ20までの距離を検出する。ある立体マーカ20までの距離を検出した地点を第1の検出地点とし、自動搬送車10が移動して別の立体マーカ20の前を通るとき、第2の検出地点として、その立体マーカ20までの距離を検出する。
【0108】
この場合も、図10の場合と同様で、「2つの立体マーカ20までの距離がそれぞれ検出された2つの位置間の距離」がわかれば、第1の検出地点で検出された距離と第2の検出地点で検出された距離との差から、三角関数を用いて、立体マーカ20が設置されているライン、すなわち自動搬送車10が走行すべき方向に対する自動搬送車10の進行している向きの傾きθを算出できる。
【0109】
例えば、立体マーカの基準スリット21の所定の位置(例えば左から5番目)のスリットが検出されるタイミングに距離検出用センサ33が立体マーカ20までの距離を検出することとすれば、「2つの立体マーカ20までの距離がそれぞれ検出された2つの位置間の距離」として、2つの立体マーカ20間の距離を用いることができる。
【0110】
また、「2つの立体マーカ20までの距離がそれぞれ検出された2つの位置間の距離」の代わりに、第1の検出地点から第2の検出地点までの移動距離を用いても、三角関数を用いて、自動搬送車10の走行すべき経路に対する傾きθを算出することができる。
【0111】
図11のように、異なる2つの立体マーカまでの距離情報を用いる場合、図10の場合よりも、第1検出地点と第2検出地点間の距離が大きいので、より正確に自動搬送車10の傾きθを算出することができる。しかし、図10の場合には1つの立体マーカ20の前を通過する際に傾きθが算出できるのに対し、図11の場合には、少なくとも次の立体マーカ20の前を通過するまで傾きθが算出されないので、傾きθを算出するのに図10の場合よりも長い時間を要することになる。
【0112】
図12(a)に、複数の距離検出用センサを有する光センサユニットの正面図を、図12(b)に、その光センサユニットを用いた場合の距離検出用センサ33が立体マーカ20までの距離を検出する2地点の位置を示している。
自動搬送車の走行すべき経路に対する傾きの算出方法を説明するための図を示す。
【0113】
図12(a)に示すように、この光センサユニットの距離検出用センサは、独立して披検知体までの距離を検出できる2つの受発光部38、39が、自動搬送車10の進行方向に沿った離れた位置に設けられている。
【0114】
図12(b)に示すように、この光センサユニットは、受発光部38および39の両方から同時にレーザ光が発光され、1つの立体マーカ20の反射面24の異なる2つの部位までの距離が同じタイミングで検出される。
【0115】
傾き演算部18は、受発光部38で検出された距離を第1の検出地点で検出された距離とし、受発光部39で検出された距離を第2の検出地点で検出された距離として、自動搬送車10の傾きθを算出する。この場合、検出された2つの距離の差と、2つの受発光部38、39間の距離から、自動搬送車10の傾きθが算出される。
【0116】
図13(a)に、別の構成の距離検出用センサを有する光センサユニットの正面図を、図13(b)に、その光センサユニットを用いた場合の距離検出用センサ33と立体マーカ20の位置関係を示している。
【0117】
図13(a)に示すように、距離検出用センサ33は、発光部47と受光部48が、自動搬送車10の前後方向の離れた位置に配置されており、発光部47からレーザ光を発光して、立体マーカ20の反射面24で反射した反射光を受光部48で検出する。
【0118】
受光部48で検出される反射光の位置によって、立体マーカ20に対する傾きが算出される。立体マーカ20は、反射面24が、自動搬送車10の走行経路から一定距離離れたラインに沿った鉛直面となるように設置されているので、すなわち、受光部48で検出される反射光の位置によって、自動搬送車10が走行すべき走行経路に対する自動搬送車10の傾き(ずれ)が算出されることになる。
【0119】
例えば、受光部48で反射光が検出される位置が所定位置よりも前方にずれていた場合には、自動搬送車10が走行経路よりも右に傾いていると判断され、受光部48で反射光が検出される位置が所定位置よりも後方にずれていた場合には、自動搬送車10が走行経路よりも左に傾いていると判断される。また、受光部48で反射光が検出される位置の所定位置からのずれ量によって、走行経路に対する傾きの角度が算出される。
【0120】
なお、ここでいう所定位置とは、自動搬送車10に走行している向きが立体マーカ20の反射面24に平行な場合に反射光が受光部48に入射する位置であり、立体マーカ20までの距離に応じて一意に定まる位置である。
【0121】
図11〜図13のいずれに示した傾き検出方法においても、立体マーカ20が設置されている自動搬送車10の走行経路に平行なライン上からの距離を正確に検出できれば、自動搬送車10の走行経路に対する傾き角度θを正確に算出することができる。
【0122】
したがって、立体マーカ20の反射面24を、自動搬送車10の走行経路から一定距離離れたラインに正確に沿った鉛直面とすることにより、立体マーカ20までの距離が正確に検出され、自動搬送車10の走行経路に対する傾き角度θが正確に算出されることになる。なお、反射面24から正確な反射光を得るために、反射面24の表面を梨地加工しておくのが望ましい。
【0123】
なお、図3(b)では、距離検出用ブロック26をスリット基板25に接着することとしたが、図9(a)のように、距離検出用ブロック43を、取り付けネジ44によって、スリット基板25の裏側から固定するようにしてもよい。
【0124】
また、図3では、距離検出用センサ33のレーザ光を照射する反射面24を、距離検出用ブロック26をスリット基板25に接着して形成させたが、図9(b)のように、溝形成基板50の溝を形成していない表面部分を反射面部54として、距離検出用センサ33のレーザ光を照射する部分として使用してもよい。スリット基板25の場合についても、同様にスリットを形成していない表面部分を、距離検出用センサ33のレーザ光を照射する部分として使用してもよい。また、溝形成基板50やスリット基板25の表面の溝やスリットが形成されていない部分を、切削や表面仕上げ等加工して、距離検出用センサ33のレーザ光を照射する部分として使用してもよい。
【0125】
また、反射面24を正確な鉛直面となるように設置できれば、スリットを形成しているスリット基板25の表面よりも奥まった位置に反射面24が配置されていてもよい。
【0126】
反射面24を正確な鉛直面とする場合には、図3(b)のように、スリットが形成されているスリット基板25の表面の位置よりも反射面24の位置が突出している方が、立体マーカ20を設置後に反射面24を正確な鉛直面に加工し易い。
【0127】
また、図3などにおいて、反射面24を、基準スリット21、上位アドレススリット22および下位アドレススリット23よりも下に配置することとしたが、必ずしも立体マーカ20の最下部に配置しなくてもよい。
【0128】
しかし、自動搬送車10が立体マーカ20に向かって傾いている場合、距離検出用センサ33の位置が高いほど、その傾きによる影響を大きく受けて、検知結果の誤差が大きくなる。自動搬送車10の走行経路に対する傾き角度をより正確に算出するためには、立体マーカ20との距離がより正確に検出されることが要求されるため、上記の影響ができるだけ小さくなるように、距離検出用センサ33とその被検知体である反射面24は、できるだけ床に近い位置に配置するのが望ましい。つまり、立体マーカ20は、反射面24を最下部に配置するように設置するのが望ましい。
【0129】
駆動制御部11は、位置演算部17がアドレス検出用センサ30、31および32の検出結果から算出した自動搬送車10の位置情報と、傾き演算部18が距離検出用センサ33の検出結果から算出した位置情報および走行すべき経路に対する傾き情報とに基づいて、2つの駆動モータ13を制御することにより、自動搬送車10が正確に走行すべき経路上を走行するように制御する。例えば、自動搬送車10が走行すべき経路に対して左側に傾いていると判断した場合、駆動制御部11は、右側の駆動輪14を減速させるように駆動モータ13を制御する。
【0130】
次に、立体マーカ20の設置方法について説明する。
【0131】
図14は、立体マーカ20の設置方法を説明するための図である。
【0132】
自動搬送車10を走行させるべき経路71および72から一定の距離離れた平行なライン上に、所定間隔をおいて、複数の立体マーカ20をボルトなどによって床上に固定する。このとき、立体マーカ20の反射面24が自動搬送車の経路71、72側に向くようにして、スリット基板25の表面が床面に対して垂直でかつ自動搬送車の経路71、72から一定の距離離れた平行なライン上に沿うように、各立体マーカ20を床上に固定する。
【0133】
床上に設置した各立体マーカ20の下位アドレススリット23のスリットの配置は互いに異なっており、異なる位置情報(アドレス)を示すものである。
【0134】
自動搬送車10を経路71上に配置した後、自動走行を開始させると、各立体マーカ20の正面を通過する際に、そのときの自動搬送車10の位置および傾きが駆動制御部11の位置演算部17および傾き演算部18によって算出され、自動搬送車の経路71上を正確に走行するように制御される。
【0135】
位置演算部17によって自動搬送車10の現在位置が算出できるので、予め決められた位置で方向転換するように制御することができ、例えば90°方向転換することにより十字方向の経路72上を走行させることができる。そして、十字方向へ方向転換した後も、その経路72から一定距離離れた平行なラインに沿って設置された立体マーカ20を検出して、正確に方向転換後の経路72上を走行させることができる。
【0136】
各立体マーカ20を設置する間隔は、自動搬送車10を使用する環境などに応じて決定すればよい。立体マーカ20を設置する間隔を狭くすることにより、自動搬送車10がより正確に経路71、72上を進行するように制御できる。進行経路のずれの許容量が大きくてもよい使用環境では、その許容量に応じて、立体マーカ20を設置する間隔を広めに設定してもよい。
【0137】
なお、上記では、立体マーカ20を床上に固定することとしたが、自動搬送車の経路71、72から一定の距離離れた平行なライン上であれば、床に立設した壁面・棚の柱などに固定するようにしてもよい。
【0138】
本実施の形態1の立体マーカ20を適切な位置に設置することにより、自動搬送車10を予め決めておいた位置で経路変更させるように制御することができる。
【0139】
図15に、本実施の形態1の自動搬送車10の経路変更を説明する図を示す。
【0140】
図15は、棚が配置された倉庫の上面図を示しており、棚88上の物品を移動するために、複数配置された棚88の間を自動搬送車10が走行するように、立体マーカ20が棚の柱の位置毎に複数設置されている。図15において、各自動搬送車10に重ねて記載している矢印は、その位置における自動搬送車10の進行方向80を示している。
【0141】
経路変更81に示すように、自動搬送車10は直交する他の経路上まで進行して90°方向転換し、その直交する経路上に移動することができる。また、経路変更82に示すように、自動搬送車10は90°方向転換した後、今まで走行していた経路と直交する経路を走行するように、経路を変更することができる。また、経路変更83に示すように、方向が同じ離れた経路上に移動することができる。また、経路変更84に示すように、予め決められた位置で、今までの進行方向に逆行するように経路変更することができる。また、経路変更85に示すように、棚88の反対側の平行な経路に経路変更することができる。また、経路変更86に示すように、棚88の反対側の平行な経路に移動するとともに進行方向を逆転するように、経路変更することができる。また、経路変更87に示すように、棚88間の領域で、平行で離れた別の経路に経路変更することができる。
【0142】
このように、本実施の形態1の立体マーカ20を適切な位置に設置することにより、倉庫内のような十字に交差する迷路よりは比較的簡単な通路を、棚88に衝突しないようにスピーディに自動搬送車10を走行させることができる。
【0143】
図16に、本実施の形態1の、被検知体を検出して進行方向を制御する他の構成の自動搬送車の上面から見た概略構成図を示す。
【0144】
図1に示した自動搬送車10では、駆動輪は前後進用の駆動輪14のみであったが、図16に示す自動搬送車61では、左右方向に走行させる横進用の駆動輪も備えている。
【0145】
自動搬送車61は、車体の進行する側の左右両側に配置された4つの前後進用駆動輪66、およびそれらの前後進用駆動輪66の左右の2輪ずつを独立して駆動するための2つの前後進用駆動モータ64を備えている。また、車体の前後の両側に2輪ずつ進行方向に対して直交する向きに配置された4つの横進用駆動輪68、およびそれらの横進用駆動輪68の前後の2輪ずつを独立して駆動するための2つの横進用駆動モータ65を備えている。
【0146】
また、4つの前後進用駆動輪66を床面から離れるように上昇させる前後進駆動輪上下機構67と、4つの横進用駆動輪68を床面から離れるように上昇させる横進駆動輪上下機構69を備えている。
【0147】
また、自動搬送車61の走行経路や停止位置などを指示するための無線信号を受信する無線受信部75を備えている。
【0148】
そして、無線受信部75が受信した無線信号による指示にしたがって、2つの前後進用駆動モータ64、2つの横進用駆動モータ65、前後進駆動輪上下機構67および横進駆動輪上下機構69を制御する駆動制御部62を備えている。
【0149】
また、自動搬送車61の前方の左側の側面に光センサユニット63が取り付けられており、自動搬送車61の左側方に向けてレーザ光を発光し、立体マーカ20からの反射光を検出する。駆動制御部62は、光センサユニット63の検知結果に基づいて、自動搬送車61が所定の走行経路上を走行するように、2つの前後進用駆動モータ64、2つの横進用駆動モータ65、前後進駆動輪上下機構67および横進駆動輪上下機構69を制御する。
【0150】
駆動制御部62は、自動搬送車61を前進または後退させる場合には、横進駆動輪上下機構69によって4つの横進用駆動輪68を床面から離れるように上昇させておき、前後進用駆動モータ64を制御して前後進用駆動輪66を回転させる。
【0151】
また、自動搬送車61を左右方向に進行させる場合には、駆動制御部62は、横進駆動輪上下機構69によって4つの横進用駆動輪68を床面に接地するように下降させた後、前後進駆動輪上下機構67によって4つの前後進用駆動輪66を床面から離れるように上昇させ、横進用駆動モータ65を制御して横進用駆動輪68を回転させる。
【0152】
また、自動搬送車61が、走行経路に対して傾いた方向を向いていることを検出した場合には、駆動制御部62は、4つの横進用駆動輪68を上昇させたまま、左右の前後進用駆動輪66の回転の仕方が異なるように制御して、自動搬送車61の向きが走行経路に沿うように調整する。
【0153】
自動搬送車61は、横進用駆動輪68を備えたことにより、左右方向にも進行することができ、自動搬送車61が走行経路から左右に大きく外れた場合でも、短時間で走行経路上に移動させることができる。
【0154】
被検知体である本発明の立体マーカは、床上に貼付するのではなく、立設させて固定するので、フォークリフトの走行によって被検知体が汚されたり破壊されたりすることはなく、倉庫等においてフォークリフトと共存して本発明の自動搬送車を使用することができる。
【0155】
また、立設させて固定していることで汚れなども付着し難いが、反射光の強さの変化を立体形状により検出する方式なので、汚れなどが付着しても検出できなくなるということがない。
【0156】
また、本発明の立体マーカは、容易に設置できるので、自動搬送車の経路を変更する場合も立体マーカの設置位置を変更することができる。
【0157】
また、本発明の方向傾き検出装置は、高価なセンサ等を使用しないので、低コストでフォークリフトと共存できる自動搬送車を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明に係る方向傾き検出部品および搬送システムは、無軌道である基準に平行に自動搬送車を走行させることができ、設置および変更が容易で、かつ低コストで実現できるという効果を有し、自動搬送車を利用する搬送システムにおける、方向傾き検出装置、搬送システム、および自動搬送車等として有用である。
【符号の説明】
【0159】
10 自動搬送車
11 駆動制御部
12 光センサユニット
13 駆動モータ
14 駆動輪
15 従動輪
16 無線受信部
17 位置演算部
18 傾き演算部
20 立体マーカ
21 基準スリット
22 上位アドレススリット
23 下位アドレススリット
24 反射面
25 スリット基板
26 距離検出用ブロック
27 反射板
28 チェックディジット用スリット
30、31、32 アドレス検出用センサ
33 距離検出用センサ
34、35、36、37、38、39 受発光部
40 立体マーカ
41 立体マーカ
42 反射基板
43 距離検出用ブロック
44 取り付けネジ
45 取り付けボルト
46 ジャッキボルト
47 発光部
48 受光部
50 溝形成基板
51 基準溝
52 上位アドレス溝
53 下位アドレス溝
54 反射面部
55 凸条形成基板
56 基準凸部
57 上位アドレス凸部
58 下位アドレス凸部
59 反射面
61 自動搬送車
62 駆動制御部
63 走行センサ
64 前後進用駆動モータ
65 横進用駆動モータ
66 前後進用駆動輪
67 前後進駆動輪上下機構
68 横進用駆動輪
69 横進駆動輪上下機構
70 物品収納・取り出し機構
71、72 自動搬送車の経路
75 無線受信部
80 進行方向
81〜87 経路変更
88 棚
100 自動搬送車
101 駆動制御部
102 走行センサ
103 駆動モータ
104 駆動輪
105 従動輪
106 反射テープ
107 無線受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光センサ部と、複数個の立体マーカとを備えた方向傾き検出装置であって、
前記光センサ部は、光センサユニットと、位置演算部と、傾き演算部とを有し、
前記光センサユニットは、光を照射し、その反射光を検出する第1の光センサと、前記第1の光センサとは高さが異なる位置に配置され、光を照射し、その反射光を検出する第2の光センサと、前記第1の光センサおよび前記第2の光センサとは高さが異なる位置に配置され、光を照射し、その反射光を検出する第3の光センサとを有し、
前記立体マーカは、前記第1の光センサが発光する光が照射される、等間隔で配置された複数の直線状の第1の溝が形成された第1の面と、前記第2の光センサが発光する光が照射される、少なくともいずれかの前記第1の溝と所定の位置関係にある直線状の第2の溝が形成された第2の面と、前記第3の光センサが発光する光が照射される反射面とを有し、
前記光センサユニットは、搬送車の側面に取り付けられ、
前記立体マーカは、前記搬送車が通る搬送路に沿って所定の間隔をおいて複数個配置され、
前記第2の溝は、前記搬送路における前記立体マーカの位置を表しており、
前記位置演算部は、前記第1の光センサおよび前記第2の光センサが検出する反射光を利用して前記搬送路における前記搬送車の位置を演算し、
前記傾き演算部は、前記第3の光センサが検出する反射光を利用して前記反射面に対する前記搬送車の傾きを演算する、方向傾き検出装置。
【請求項2】
前記第3の光センサは、前記反射面までの距離を検出する距離検出センサであり、前記搬送車が移動している際に、1つの前記立体マーカの前記反射面上の複数箇所の部位までのそれぞれの距離を検出し、
前記傾き演算部は、前記検出された複数の距離と前記複数部位同士の距離とに基づいて、または、前記検出された複数の距離とそれぞれの前記部位までの距離を検出するために移動した距離とに基づいて、前記搬送車の傾きを演算する、請求項1に記載の方向傾き検出装置。
【請求項3】
前記第3の光センサは、前記反射面までの距離を検出する距離検出センサであり、前記搬送車が移動している際に、複数の前記立体マーカの前記反射面までの距離をそれぞれ検出し、
前記傾き演算部は、前記検出された複数の距離と前記複数の立体マーカ間の距離とに基づいて、または、前記検出された複数の距離とそれぞれの前記反射面までの距離を検出するために移動した距離とに基づいて、前記搬送車の傾きを演算する、請求項1に記載の方向傾き検出装置。
【請求項4】
前記光センサユニットは、前記搬送車の側面に取り付けられた状態において、前記第3の光センサが、前記第1の光センサおよび前記第2の光センサよりも下に配置され、
前記立体マーカは、前記搬送路に沿って配置された状態において、前記反射面が、前記第1の面および前記第2の面よりも下に配置される、請求項1〜3のいずれかに記載の方向傾き検出装置。
【請求項5】
前記反射面は、前記光センサユニットに対して、前記第1の面および前記第2の面よりも突出した位置に設けられている、請求項1〜4のいずれかに記載の方向傾き検出装置。
【請求項6】
前記第1の面および前記第2の面は、同一部材上に形成されており、
前記反射面は、前記部材とは別の部材上に形成されており、
前記別の部材は、前記部材の延伸した部分に連結されている、請求項5に記載の方向傾き検出装置。
【請求項7】
前記第1の光センサおよび前記第2の光センサは、階段状に配置されている、請求項1に記載の方向傾き検出装置。
【請求項8】
前記立体マーカには、前記第1の溝に代えて、直線状のスリットまたは凸条が形成されており、前記第2の溝に代えて、直線状のスリットまたは凸条が形成されている、請求項1に記載の方向傾き検出装置。
【請求項9】
請求項1に記載の方向傾き検出装置と、
側面に前記光センサユニットが取り付けられた搬送車とを備えた搬送システムであって、
前記搬送車は、前進または後退するための複数個の前後進用の車輪と、前記前後進用の車輪と直交する向きに取り付けられた左方向または右方向に進むための複数個の横進用の車輪とを有し、前進または後退する際には、前記横進用の車輪を浮かせるとともに前記前後進用の複数の車輪を同方向に回転させ、左方向または右方向に進む際には、前記前後進用の車輪を浮かせるとともに前記横進用の複数の車輪を同方向に回転させ、進行方向を変更する際には、前記横進用の車輪を浮かせるとともに前記前後進用の複数の車輪のそれぞれの回転の仕方が異なるように回転させる、搬送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−170486(P2011−170486A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32132(P2010−32132)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(301049571)八洲電業株式会社 (12)
【出願人】(391031948)富士物流株式会社 (4)
【Fターム(参考)】