説明

案内システム

【課題】構内や通路等の広範囲なエリアでの移動で目的地まで迷うことなく確実に到達することができるように、構内や通路等で、適宜、次の行き先または行き先への進行方向を案内用端末装置に表示するようにした案内システムを提供する。
【解決手段】構内の出入口11に利用者22が存在することを検知し、利用者に対して地図情報を送る案内手段12,20と、利用者が所定の利用行為を行ったときに、利用者が次に行く場所に係る信号を送る案内信号送信手段54,64,74と、利用者に装備され、地図情報を受信して地図を表示し、案内信号送信手段から送られた利用者が次に行く場所に係る信号を受信して地図上に次に行く場所の方向を矢印で表示する案内用端末装置23と、からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は案内システムに関し、特に、構内や通路等で、適宜、次の行き先または行き先への進行方向を利用者の所持する携帯型案内装置に表示をする案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、駅の構内や通路は広範囲に渡るようになってきており、利用者が目的の行き先まで到達するまでに迷ったりしてしまうこともある。特に、大都市での駅や、地下鉄の駅などは構内や通路が広範囲に渡りかつ複雑になっており、目的地までの経路を把握することが難しくなってきている。そこで、駅の構内や通路では、掲示板などが用意されており、利用者は、その掲示板を見て目的地までの経路をたどることができる。また、目的地までの経路の複数箇所にRFタグを設置し、携帯端末でRFタグからの情報により案内する案内システムも考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−180967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の案内システムとしての掲示板は、駅の構内や通路の特定の箇所にしかなく、利用者は、その掲示板を探すのにも苦労してしまう。また、特許文献1に開示される案内システムでは、RFタグが設置されている箇所にたどり着くまでは、案内がなく携帯端末に表示される地図とRFタグの設置箇所をたどって行くほかない。そのため、掲示板と目的地の間で迷ってしまったり、RFタグが設置されている箇所間で迷ってしまったりする可能性がある。
【0004】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、構内や通路等の広範囲なエリアでの移動で目的地まで迷うことなく確実に到達することができるように、構内や通路等で、適宜、次の行き先または行き先への進行方向を案内用端末装置に表示するようにした案内システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る案内システムは、上記目的を達成するために、次のように構成される。
【0006】
第1の案内システム(請求項1に対応)は、構内の出入口に利用者が存在することを検知し、利用者に対して地図情報を送る案内手段と、利用者が所定の利用行為を行ったときに、利用者が次に行く場所に係る信号を送る案内信号送信手段と、利用者に装備され、地図情報を受信して地図を表示し、案内信号送信手段から送られた利用者が次に行く場所に係る信号を受信して地図上に次に行く場所の方向を矢印で表示する案内用端末装置と、からなることで特徴づけられる。
【0007】
上記の案内システムによれば、利用者の案内用端末装置で、地図情報を受信して地図を表示し、さらに利用者が次に行く場所に係る信号を受信して次に行く場所の方向を矢印で表示するため、利用者は、案内用端末装置の画面にて表示された矢印の方向を見ることにより、行き先(目的地)まで迷うことなく確実に到達することができる。
【0008】
第2の案内システム(請求項2に対応)は、構内の出入口に利用者が存在することを検知し、利用者に対して地図情報を送る案内手段と、利用者が所定の利用行為を行ったときに、利用者が次に行く場所に係る信号を送る案内信号送信手段と、利用者に装備され、地図情報を受信して地図を表示し、案内信号送信手段から送られた利用者が次に行く場所に係る信号を受信して地図上に次に行く場所の位置を表示する案内用端末装置と、からなることで特徴づけられる。
【0009】
第3の案内システム(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは案内信号送信手段は、専用案内端末、無線マーカー、またはタグに設けられていることで特徴づけられる。
【0010】
第4の案内システム(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは案内用端末装置は、利用者が所持する携帯型案内装置であることで特徴づけられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、案内手段、または案内信号送信手段から送られる情報に基づいて、利用者の案内用端末装置にて、地図情報を受信して地図を表示し、また利用者が次に行く場所に係る信号を受信してその次に行く場所の方向を矢印で表示するため、利用者は、案内用端末装置の画面の矢印の表示を見ることにより、行き先(目的地)まで迷うことなく確実に到達することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図11を参照して本発明の本実施形態に係る案内システムを説明する。本実施形態において、案内システムは、駅の構内でのシステムとして適用される。しかし、本発明に係る案内システムの適用は、駅の構内に限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る案内システムの全体的構成を示す図である。案内システム10は、駅の構内の出入口11付近に出入口案内部12を設け、券売機13a,13b,13cには券売機案内部14a,14b,14cを設け、改札機15a,15b,15cには、改札機案内部16a,16b,16cを設け、精算機17a,17bには、精算機案内部18a,18bを設け、ホーム19には、出入口案内部12と同様の装置である出入口案内部20案内部が設けられている。また、図1には、トイレ21a,21bも示されている。さらに、図1には、駅の構内に入場しようとしている利用者22が示されており、利用者22は、携帯案内装置23(または案内用端末装置)を所持または装備している。
【0015】
出入口案内部12は、駅の構内の出入口11に来た利用者22の存在を検知し、利用者22が所持している携帯案内装置23に駅の構内の地図データを送信する。そのとき、利用者位置の初期設定用データも送信する。その地図データは、構内の通路と券売機13a,13b,13cと改札機15a,15b,15cと精算機17a,17bの配置とホーム19とトイレ21a,21bなどの配置等を備えている。携帯案内装置23は、出入口案内部12から送られた地図データを受信し、図3で示す表示部37に表示する。また、携帯案内装置23は、送られた利用者位置の初期設定用データに基づいてその表示部37に表示された地図上での利用者の位置を地図上でのプロットにより表示する。また、券売機案内部14a,14b,14cや改札機案内部16a,16b,16cや精算機案内部18a,18bから送られる案内情報を受信し、その案内を表示部37の地図上で表示する。例えば、券売機13aで乗車券を購入すると、券売機案内部14aは、案内信号を送信し、携帯案内装置23の地図上では、利用者22が次に行く場所である改札機15a,15b,15cの箇所が点滅する。そのとき、利用者の位置を示すプロットからは、次に行く場所である改札機15a,15b,15cの方向を示す矢印が表示される。券売機案内部14a,14b,14cは、利用者が乗車券を購入すると、利用者が次に行くべき改札機15a,15b,15cの場所を地図上で点滅させる信号(案内信号)を携帯案内装置23に送る。改札機案内部16a,16b,16cは、利用者が改札機15a,15b,15cのいずれかに乗車券や定期券を通すと、その乗車券や定期券の表示を読み取り、ホーム19の位置を地図上で点滅させる信号(案内信号)を携帯案内装置23に送る。精算機案内部18a,18bは、利用者が精算したとき、地図上の改札機15a,15b,15cの場所を点滅させる信号(案内信号)を携帯案内装置23送る。また、出入口案内部20は、出入口案内部12と同様の装置が設けられ、図示しない電車から降りた利用者に、利用者22が所持している携帯案内装置23に駅の構内の地図データを送信する。
【0016】
この案内システム10では、利用者22が駅の構内の出入口に来たとき、または、図示しない電車からホーム19に降りたとき、出入口案内部12または出入案内部20は、携帯案内装置23に駅の構内の地図データを送る。それによって、携帯案内装置23は地図データを記憶し、表示部37に駅構内の地図を表示する。利用者22は、携帯案内装置23に表示された地図により券売機13a,13b,13cの場所、改札機15a,15b,15cの場所、精算機17a,17bの場所、ホーム19の場所、トイレ21a,21bの場所などを把握することができる。また、携帯案内装置23は、その地図上で利用者22の位置をプロットで示す。利用者22は、乗車券を購入する必要があるときは、図3で示す行き先入力部35から「券売機」と入力することにより、地図上での券売機13a,13b,13cの位置が点滅する。そのとき、利用者22の位置を示すプロットからは、券売機13a,13b,13cの方向を示す矢印が表示される。利用者22は、その点滅と矢印を見ることにより、券売機13a,13b,13cの位置と利用者からの方向をよりはっきりと知ることができる。利用者22は、通路を通って券売機13a,13b,13cに向かって歩いていく。そのとき、携帯案内装置23の表示部37に表示された地図上には、利用者22の位置を示すプロットも移動して表示される。利用者22が券売機13a,13b,13cの位置に着き、例えば券売機13aで乗車券を購入すると、券売機案内部14aは、利用者22が次に行くべき改札機15a,15b,15cの位置データ(案内信号)を携帯案内装置23に送る。それとともに、券売機13aの案内表示部55には、駅構内の地図上で改札機の位置が点滅して表示される。携帯案内装置23は、改札機15a,15b,15cの位置データを受信し、地図上で改札機の位置を点滅する。そのとき、利用者22の位置を示すプロットからは、券売機15a,15b,15cの方向を示す矢印が表示される。利用者22は、その点滅を見て駅の構内での改札機15a,15b,15cの位置を把握することができる。次に利用者22は、改札機15a,15b,15cの所に行き、例えば改札機15aに乗車券を通過させる。それにより、改札機案内部15aは、ホーム19の場所に関するデータ(案内信号)を携帯案内装置23に送るとともに、図6で示される案内表示部65に地図上でのホーム19の位置を点滅させる。携帯案内装置23は、ホーム19の場所に関するデータを受信し、表示部37の地図上でホーム19の位置を点滅させる。そのとき、利用者22の位置を示すプロットからは、ホーム19の方向を示す矢印が表示される。それにより、利用者22は、ホーム19の駅の構内での位置と方向を把握することができる。また、利用者22が例えば精算機17aで精算を行ったとき、精算機案内部18aは、改札機15a,15b,15cの位置のデータ(案内信号)を携帯案内装置23に送るとともに、表示部に地図上での改札機15a,15b,15cの位置を点滅させる。携帯案内装置23は、表示部37に表示された地図上で改札機15a,15b,15cの位置が点滅する。そのとき、利用者22の位置を示すプロットからは、券売機15a,15b,15cの方向を示す矢印が表示される。それにより、利用者は、次にいくべき改札機15a,15b,15cの位置と方向を把握することができる。また、トイレに行きたいときは、図3で示す携帯案内装置23の行き先入力部35から「トイレ」という単語を入力することにより、トイレの地図上での位置が点滅する。そのとき、利用者22の位置を示すプロットからは、トイレ21a,21bの方向を示す矢印が表示される。それにより、トイレ21a,21bの位置と方向を把握することができる。このように、この案内システム10により、利用者は、駅の構内で迷うことなく目的地に行くことができる。
【0017】
なお、図1では、出入口案内部12,20と券売機案内部14a,14b,14cと改札機案内部16a,16b,16cと精算機17a,17bは、それぞれ独立に存在するものとして示しているが、中央管理の案内装置を設け、その中央管理の案内装置と出入口案内部12,20と券売機案内部14a,14b,14cと改札機案内部16a,16b,16cと精算機17a,17bを接続し、連携して動作するようにしてもよい。
【0018】
次に、図2〜図11を参照して案内システム10を説明する。図2は入り口案内部12,20の機能ブロック図である。図3は、携帯案内装置23の外観図である。図4は、携帯案内装置23の機能ブロック図である。図5は、券売機13a,13b,13cの機能ブロック図である。図6は、改札機15a,15b,15cの機能ブロック図である。図7は、精算機17a,17bの機能ブロック図である。図8〜図11は、案内システム10の代表的動作を示すフローチャートである。
【0019】
図2に示すように、出入口案内部12,20は、入場者検知部30と送信部31と制御部32と記憶部33を備えている。記憶部33には、駅の構内の地図情報が記憶されている。入場者検知部30は、出入口11またはホーム19に利用者が存在することを検知する。送信部31は、記憶部33に記憶される地図情報を携帯案内装置23に送る。制御部32は、入場者検知部30と送信部31と記憶部33の動作を制御する。出入口案内部12,20は、それぞれ出入口11、ホーム19に利用者が存在することを検知すると、記憶部33に記憶される地図情報を送信部31から携帯案内装置23に送る。携帯案内装置23は、その信号を受信し、図3で示す表示部37に駅の構内の地図を表示する。
【0020】
図3は、携帯案内装置23の外観図である。携帯案内装置23は、行き先入力部35と案内処理ボタン36と表示部37を備えている。行き先入力部35は、行き先を指定するときに行き先を入力するためのものである。案内処理ボタン36は案内処理の動作を実行させるためのボタンである。表示部37は出入口案内部12,20から送られた地図データに基づき、駅の構内の地図38を表示する。また、その地図上で利用者の位置をプロット39で表示する。さらに、行き先を入力したとき、その行き先の場所を地図上で点滅させる。さらに、券売機13a,13b,13cのそれぞれで乗車券を購入したときには、券売機案内部14a,14b,14cからの案内信号により、改札機の地図上の位置を点滅し、改札機15a,15b,15cを乗車券を通したときは、それぞれ改札機案内部16a,16b,16cからの案内信号により、ホームの地図上での位置を点滅し、精算機17a,17bで精算したときは、精算機案内部18a,18bからの案内信号により改札機15a,15b,15cの位置を地図上で点滅する。利用者22は、それらの点滅を見て行き先の位置を知ることができる。また、利用者の位置を示すプロットからは、行き先の場所の方向を示す矢印Aが表示される。したがって、利用者22は、この表示部での地図上での点滅と矢印Aを見ることによって迷うことなく容易に目的地に到達することができる。
【0021】
図4は、携帯案内装置23の機能ブロック図である。携帯案内装置23は、行き先入力部35と案内処理ボタン36と受信部42と位置特定部43と案内処理部44と記憶部45と制御部46と表示部37を備えている。行き先入力部35は、行き先を入力する。記憶部45は、出入口案内部12,20から送られた地図データを記憶する。受信部42は、出入口案内部12,20、券売機案内部14a,14b,14c、改札機案内部16a,16b,16c、精算機案内部18a,18bからの案内信号を受信する。位置特定部43は、自立航法装置などにより構成され、利用者22の位置を特定する。この位置特定部43により特定された利用者22の位置は、表示部37に表示された地図38上でプロット39として表示される。案内処理部44は、図3で示した案内処理ボタン32が押されると同時に実行され、地図データでのその行き先のデータを検索し、その位置を表示部37で点滅させる。また、受信部42で受信した券売機案内部14a,14b,14c、改札機案内部16a,16b,16c、精算機案内部18a,18bからの案内信号により、点滅させるデータを検索し、表示部上での点滅により表示させる。また、利用者22の位置を示すプロットからは、行き先の方向を示す矢印が表示される。制御部46は、行き先入力部35と受信部42と位置特定部43と案内処理部44と記憶部45と表示部33を制御する。
【0022】
なお、利用者の位置を特定する手段として、自律航法装置を用いることを述べたが、駅の構内の所々に位置情報を信号として発信するタグを埋めておき、そのタグからの信号を検出することにより位置を特定するようにしてもよい。また、光信号に位置情報を載せて発する光マーカを駅の構内の所々に設置しておき、その光マーカからの光信号を受けることにより位置を特定するようにしてもよい。
【0023】
図5は、券売機の機能ブロック図である。券売機13a、13b、13cは、同一の装置であるので、ここでは券売機13aについて説明する。券売機13aは、券売処理部51と券売機案内部14aを備えている。券売機案内部14aは、制御部52と記憶部53と送信部54と案内表示部55を備えている。券売処理部51は、従来の券売機の発券の処理を行う装置である。券売機案内部14aの記憶部53は、地図データと改札機の位置のデータを記憶している。案内信号送信部54は、携帯案内装置23に改札機の位置データ(案内信号)を送信する。案内表示部43は、利用者が乗車券を購入したとき、地図を表示し、改札機の位置を点滅する。制御部52は、記憶部53と案内信号送信部54と案内表示部55を制御する。この券売機13aでは、利用者が乗車券を購入すると、制御部52は、記憶部53から地図データと改札機データを読み出し、案内信号送信部54から改札機位置データ(案内信号)を送る。また、制御部52は、地図データを案内表示部55に表示し、改札機データにより地図上での改札機の位置を点滅させる。さらに、携帯案内装置23は、送信部54から送信された改札機位置データを受信し、携帯案内装置23の表示部37での地図38上での改札機の位置を点滅させる。利用者22は、改札機の案内表示部55での地図上での改札機の位置の点滅または、携帯案内装置23の表示部37での地図上での改札機の位置の点滅と矢印を見ることにより、次に行くべき改札機の位置を知ることができる。それにより、利用者は、駅の構内で迷うことなく改札機の場所に行くことができる。
【0024】
図6は、改札機の機能ブロック図である。改札機15a,15b,15cは、それぞれ同一の装置であるので、ここでは改札機15aの説明を行う。改札機15aは、改札処理部61と改札機案内部16aを備えている。改札機案内部16aは、制御部52と記憶部63と送信部64と案内表示部65を備えている。改札処理部61は、従来の改札機の処理を行う装置である。改札機案内部16aの記憶部63は、地図データとホームの位置のデータを記憶している。送信部64は、携帯案内装置23にホームの位置データ(案内信号)を送信する。案内表示部65は、利用者が改札機を通したとき、地図を表示し、ホームの位置を点滅する。制御部62は、記憶部63と送信部64と案内表示部65を制御する。この改札機では、利用者が改札機を通すと、制御部62は、記憶部63から地図データとホームの位置データを読み出し、送信部からホームの位置データを送る。また、制御部62は、地図データを案内表示部65に表示し、ホームデータにより地図上でのホームの位置を点滅させる。さらに、携帯案内装置23は、送信部64から送信されたホームの位置データを受信し、携帯案内装置23の表示部37での地図上でのホームの位置を点滅させ、方向を示す矢印を表示する。利用者22は、改札機の案内表示部16aでの地図上でのホームの位置の点滅または、携帯案内装置23の表示部37での地図上でのホームの位置の点滅と方向を示す矢印を見ることにより、次に行くべきホームに位置を知ることができる。それにより、利用者は、駅の構内で迷うことなくホームの場所に行くことができる。
【0025】
図7は、精算機の機能ブロック図である。精算機17a,17bは、それぞれ同一の装置であるので、ここでは精算機17aについて説明する。精算機17aは、精算処理部71と精算機案内部18aを備えている。精算機案内部18aは、制御部72と記憶部73と案内信号送信部74と案内表示部75を備えている。精算処理部71は、従来の精算機の精算の処理を行う装置である。精算機案内部18aの記憶部73は、地図データと改札機の位置のデータを記憶している。案内信号送信部74は、携帯案内装置23に改札機の位置データ(案内信号)を送信する。案内表示部75は、利用者22が乗車券を精算したとき、地図を表示し、改札機の位置を点滅する。制御部72は、記憶部73と案内信号送信部74と案内表示部75を制御する。この精算機17aでは、利用者22が乗車券を精算すると、制御部72は、記憶部73から地図データと改札機の位置データを読み出し、案内信号送信部74から改札機の位置データを送る。また、制御部72は、地図データを案内表示部75に表示し、改札機の位置データにより地図上での改札機の位置を点滅させる。さらに、携帯案内装置23は、案内信号送信部74から送信された改札機の位置データを受信し、携帯案内装置23の表示部37での地図上での改札機の位置を点滅させる。また、そのとき、改札機の方向を矢印で表示する。利用者22は、改札機の案内表示部での地図上での改札機の位置の点滅または、携帯案内装置23の表示部37での地図上での改札機の位置の点滅と矢印を見ることにより、次に行くべき改札機に位置と方向を知ることができる。それにより、利用者は、駅の構内で迷うことなく改札機の場所に行くことができる。
【0026】
図8と図9は、案内システム10の代表的動作を示すフローチャートである。まず、利用者が駅の構内の出入口11に来たとき、出入口案内部12は、利用者の存在を検知する(ステップS11)。出入口案内部12は、地図データを送る(ステップS12)。携帯案内装置23は出入口案内部12から送られてきた地図データを受信し、記憶部45に記憶し、表示部37に地図を表示する(ステップS13)。携帯案内装置23は、利用者22の位置を特定し、地図上でプロットで示す(ステップS14)。利用者は、図3で示した行き先入力部35から行き先、例えば「券売機」を入力する(ステップS15)。その入力された行き先は記憶部45に記憶される(ステップS16)。利用者は駅の構内に入り、図3で示した案内処理ボタン36を押す(ステップS17)。それにより、地図上で券売機の位置を点滅する(ステップS18)。利用者は、その点滅を見て券売機の位置を把握し、その方向に向かって歩く。そのとき、利用者の位置が移動するとともに、プロットが表示部の地図上で移動する。利用者が券売機13aで乗車券を購入する。券売機13aは、券売処理を行う(ステップS21)。それにより、券売機案内部14aは、改札機の位置のデータを携帯案内装置23に送る(ステップS22)。また、案内表示部55に地図と改札機の位置の点滅を表示する(ステップS13)。券売機案内部14aからの案内信号を受信した携帯案内装置23は、案内処理部44により処理し、表示部37に表示された地図上での改札機15a,15b,15cの位置を点滅させ、方向を矢印で表示する(ステップS24)。利用者は、案内表示部55または、携帯案内装置23の表示部37の地図上での改札機の位置の点滅と矢印を見ることにより、改札機15a,15b,15cの位置と方向を知り、改札機の場所まで移動する。そのとき、利用者の位置は、表示部37の地図上でのプロットが移動することによって示される。利用者が改札機15aに乗車券を通過させる。改札機15aは改札処理を行う(ステップS31)。そのとき、改札機案内部16aは、ホームの位置のデータを携帯案内装置23に送る(ステップS32)。また、案内表示部65に地図とその地図上でのホーム19の位置の点滅を表示する(ステップS33)。改札機案内部16aから送られた案内信号を受信した携帯案内装置23は、案内処理部44により処理し、表示部37に表示された地図上でのホーム19の位置を点滅し、方向を矢印で表示する(ステップS34)。利用者は、案内表示部65を見たり、携帯案内装置23の表示部37を見ることにより、ホームの位置と方向を知ることができる。それにより、利用者は、迷うことなく容易に行き先(目的地)に到達することができる。
【0027】
図10と図11は、案内システム10の代表的動作を示す別のフローチャートである。まず、利用者が電車を降りて駅のホーム19に来たとき、出入口案内部20は、利用者の存在を検知する(ステップS41)。出入口案内部20は、地図データを携帯案内装置23に送る(ステップS42)。携帯案内装置23は出入口案内部20から送られてきた地図データを受信し、記憶部45に記憶し、表示部37に地図を表示する(ステップS43)。携帯案内装置23は、利用者の位置を特定し、地図上でプロットで示す(ステップS44)。利用者は、図3で示した行き先入力部35から行き先、例えば「精算機」を入力する(ステップS45)。その入力された行き先は記憶部45に記憶される(ステップS46)。利用者は駅の構内に入り、図3で示した案内処理ボタン36を押す(ステップS47)。それにより、地図上で精算機の位置を点滅し、方向を矢印で表示する(ステップS48)。利用者は、その点滅と矢印を見て精算機17a,17bの位置と方向を把握し、その方向に向かって歩く。そのとき、利用者の位置が移動するとともに、利用者の位置を示すプロットが表示部37の地図上で移動する。利用者が精算機17aで乗車券を精算する。精算機17aは、精算処理を行う(ステップS51)。そのとき、精算機案内部18aは、改札機15a,15b,15cの位置のデータを携帯案内装置23に送る(ステップS52)。また、案内表示部75に地図と改札機の位置の点滅を表示する(ステップS53)。位置のデータである案内信号を受信した携帯案内装置23は、案内処理部44により処理し、表示部37に表示された地図上の改札機の位置を点滅させ、方向を矢印で表示する(ステップS54)。利用者は、案内表示部75または、携帯案内装置23の表示部37の地図上での改札機の位置の点滅と矢印を見ることにより、改札機15a,15b,15cの位置を知り、改札機15a,15b,15cの場所まで移動する。そのとき、利用者の位置は、表示部の地図上でのプロットとして示される。利用者が改札機15aに乗車券を通過させる。そのとき、改札機15aは、改札処理を行う(ステップS61)。そのとき、改札機案内部16aは、駅の出入口11の位置のデータを携帯案内装置23に送る(ステップS62)。また、案内表示部65に地図とその地図上での出入口の位置の点滅を表示する(ステップS63)。出入口11の位置のデータである案内信号を受信した携帯案内装置23は、案内処理部44により処理され、表示部37に表示された地図上での出入口11の位置を点滅させ、方向を矢印で表示する(ステップS64)。利用者は、案内表示部65または携帯案内装置23の表示部37の表示により、利用者は、出入口11の位置を知ることができる。それにより、利用者は、迷うことなく容易に行き先(目的地)に到達することができる。
【0028】
また、途中で、別の場所、例えば、トイレに行きたくなったときは、利用者は、図3で示した行き先入力部35から行き先、例えば「トイレ」を入力する。その入力された行き先は記憶部45に記憶される。利用者は駅の構内に入り、図3で示した案内処理ボタン36を押す。それにより、携帯案内装置23の表示部37に表示された地図上でトイレの位置が点滅する。また、そのとき、トイレの方向を示す矢印が表示される。利用者は、その点滅と矢印を見てトイレの位置を把握し、その方向に向かって行くことができる。
【0029】
以上のとおり、この案内システム10により、利用者は、迷うことなく容易に行き先(目的地)に到達することができる。
【0030】
なお、上記の実施形態では、携帯案内装置を用いて説明したが、その携帯案内装置の機能を設けた携帯電話を利用しても良い。また、案内を起動する装置として、券売機、精算機、改札機を用いて説明したが、案内の起動は、専用案内端末、無線マーカー、タグを用いても良い。例えば、案内信号送信部を設けた専用案内端末を構内に設置しておき、専用案内端末を操作したときに案内信号送信部から案内信号を携帯型案内装置に送るようにする。また、無線マーカーに案内信号送信部を設け、無線マーカーから案内信号を送るようにする。さらに、タグに案内信号送信部を設け、タグに利用者が接近したときに案内信号を送るようにしても良い。
【0031】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、構内や通路を利用する利用者のための行き先までの案内を行うための案内システムとして利用される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係る案内システムの全体的構成を示す図である。
【図2】入り口案内部の機能ブロック図である。
【図3】携帯案内装置の外観図である。
【図4】携帯案内装置の機能ブロック図である。
【図5】券売機の機能ブロック図である。
【図6】改札機の機能ブロック図である。
【図7】精算機の機能ブロック図である。
【図8】案内システムの代表的動作を示すフローチャートである。
【図9】案内システムの代表的動作を示すフローチャートである。
【図10】案内システムの別の代表的動作を示すフローチャートである。
【図11】案内システムの別の代表的動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0034】
10 案内システム
11 出入口
12 出入口案内部
13a,13b,13c 券売機
14a,14b,14c 券売機案内部
15a,15b,15c 改札機
16a,16b,16c 改札機案内部
17a,17b 精算機
18a,18b 精算機案内部
19 ホーム
20 出入口案内部
21a,21b トイレ
22 利用者
23 携帯案内装置
54 案内信号送信部
64 案内信号送信部
74 案内信号送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構内の出入口に利用者が存在することを検知し、前記利用者に対して地図情報を送る案内手段と、
前記利用者が所定の利用行為を行ったときに、前記利用者が次に行く場所に係る信号を送る案内信号送信手段と、
前記利用者に装備され、前記地図情報を受信して地図を表示し、前記案内信号送信手段から送られた前記利用者が次に行く場所に係る信号を受信して前記地図上に前記次に行く場所の方向を矢印で表示する案内用端末装置と、
からなることを特徴とする案内システム。
【請求項2】
構内の出入口に利用者が存在することを検知し、前記利用者に対して地図情報を送る案内手段と、
前記利用者が所定の利用行為を行ったときに、前記利用者が次に行く場所に係る信号を送る案内信号送信手段と、
前記利用者に装備され、前記地図情報を受信して地図を表示し、前記案内信号送信手段から送られた前記利用者が次に行く場所に係る信号を受信して前記地図上に前記次に行く場所の位置を表示する案内用端末装置と、
からなることを特徴とする案内システム。
【請求項3】
前記案内信号送信手段は、専用案内端末、無線マーカー、またはタグに設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の案内システム。
【請求項4】
前記案内用端末装置は、利用者が所持する携帯型案内装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の案内システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−240273(P2007−240273A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−61664(P2006−61664)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】