説明

植物系樹脂ペレット及びその製造方法並びに植物系樹脂材料による射出成形装置

【課題】溶融粘度が低く、成形性に優れるとともに、天然木材等に近い良好な外観を付与することが可能で、しかも成形時の変色(焼けこげ)が抑制され、物性に優れる成形品を得ることができる木質樹脂ペレット、植物系樹脂ペレット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】この発明にかかる木質樹脂ペレットは、木粉70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなり、また、この発明にかかる植物系樹脂ペレットは、植物系粉末70〜91重量部融点と、40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
木粉70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなる木質樹脂ペレット。
【請求項2】
植物系粉末70〜91重量部融点と、40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなる植物系樹脂ペレット。
【請求項3】
30〜200μmの木粉70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とを、40〜100℃に昇温して、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を溶融させて木粉と混ぜて、前記木粉の外表面に前記ワックス材料を膜状に付着させ、降温させて木粉を結合し造粒して固化させてペレット状に形成された、請求項1に記載の木質樹脂ペレット。
【請求項4】
30〜200μmの植物系粉末70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とを、40〜100℃に昇温して、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を溶融させて植物系粉末と混ぜて、前記植物系粉末の外表面に前記ワックス材料を膜状に付着させ、降温させて植物系粉末を結合し造粒して固化させてペレット状に形成された、請求項2に記載の植物系樹脂ペレット。
【請求項5】
前記融点を40〜100℃の間に持つワックス材料は、炭素数16〜40の高級α−オレフィンモノマーを重合して得られた高結晶性高級α−オレフィン系重合体である、請求項1又は請求項2に記載の木質樹脂ペレット又は植物系樹脂ペレット。
【請求項6】
融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、
(1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気190℃で5分保持した後、−10℃まで、5℃/分で降温させ、−10℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測される融点(Tm)が4055〜100℃であり、
前記(1)における融点(Tm)測定において、融点の融解吸熱ピーク全体のベースラインからピークトップまでの高さの中点におけるピーク幅である半値幅(Wm)が、10℃以下の高結晶性高級α−オレフィン系重合体である、請求項1又は請求項2に記載の木質樹脂ペレット又は植物系樹脂ペレット。
【請求項7】
融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、融点(Tm)が55〜100℃の高結晶性高級α−オレフィン系重合体であり、
加熱して木粉の表面に付着された前記高結晶性ポリアルファオレフィン系重合体が55℃未満に温度を降温させて造粒されるように構成された、請求項5に記載の木質樹脂ペレット又は植物系樹脂ペレット。
【請求項8】
木粉70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなる木質樹脂ペレットを作るための木粉であって、
前記ワックス材料と同質の油分補充剤で油分を補充された、30〜200μmの木粉。
【請求項9】
植物系粉末70〜91重量部融点と、40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とからなる植物系樹脂ペレットを作るための植物系粉末であって、
前記ワックス材料と同質の油分補充剤で油分を補充された、30〜200μmの植物系粉末。
【請求項10】
30〜200μmの木粉70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とを、40〜100℃に昇温して、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を溶融させて木粉と混ぜて、前記木粉の外表面に前記ワックス材料を膜状に付着させ、降温させて木粉を結合し造粒して固化させてペレット状に形成された、木質樹脂ペレットの製造方法。
【請求項11】
30〜200μmの植物系粉末70〜91重量部と、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料1〜15重量部とを、40〜100℃に昇温して、融点を40〜100℃の間に持つワックス材料を溶融させて植物系粉末と混ぜて、前記植物系粉末の外表面に前記ワックス材料を膜状に付着させ、降温させて植物系粉末を結合し造粒して固化させてペレット状に形成された、植物系樹脂ペレットの製造方法。
【請求項12】
前記融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、炭素数16〜40の高級α−オレフィンモノマーを重合して得られた高結晶性高級α−オレフィン系重合体である、請求項10又は請求項11に記載の木質樹脂ペレットの製造方法又は植物系樹脂ペレットの製造方法。
【請求項13】
融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、
(1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気190℃で5分保持した後、−10℃まで、5℃/分で降温させ、−10℃で5分保持した後、190℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測される融点(Tm)が40〜100℃であり、
前記(1)における融点(Tm)測定において、融点の融解吸熱ピーク全体のベースラインからピークトップまでの高さの中点におけるピーク幅である半値幅(Wm)が、10℃以下の高結晶性高級α−オレフィン系重合体である、請求項10又は請求項11に記載の木質樹脂ペレットの製造方法又は植物系樹脂ペレットの製造方法。
【請求項14】
融点を40〜100℃の間に持つワックス材料が、融点(Tm)が55〜100℃の高結晶性高級α−オレフィン系重合体であり、
加熱して木粉の表面に付着された前記高結晶性ポリアルファオレフィン系重合体が55℃未満に温度を降温させて造粒されるように構成された、請求項12に記載の木質樹脂ペレットの製造方法又は植物系樹脂ペレットの製造方法。
【請求項15】
木粉と融点を40〜100℃の間に持つワックス材料との混合物を100重量部,水又は温水を10〜20重量部混合して、混練する、請求項14に記載の木質樹脂ペレットの製造方法又は植物系樹脂ペレットの製造方法。
【請求項16】
30〜200μmの木粉70〜91重量%と、ポリオレフィン樹脂3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、25〜90℃の希釈剤で混ぜて、ペレット状に形成されたことを特徴とする木質樹脂ペレット。
【請求項17】
30〜200μmの木粉70〜91重量%と、ポリプロピレン3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、25〜80℃の温水で混ぜて、ペレット状に形成されたことを特徴とする、木質樹脂ペレット。
【請求項18】
30〜200μmの木粉70〜91重量%と、ポリエチレン3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、25〜80℃の温水で混ぜて、ペレット状に形成されたことを特徴とする、木質樹脂ペレット。
【請求項19】
添加剤は、界面活性剤としてのステアリン酸である、請求項16ないし請求項18のいずれかに記載の木質樹脂ペレット。
【請求項20】
添加剤として、カルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%又はポリビニルアルコール1〜10重量%を混合された、請求項16ないし請求項19のいずれかに記載の木質樹脂ペレット。
【請求項21】
更に、添加剤として、無水マレイン酸1〜10重量%を混ぜられた、請求項16ないし請求項20のいずれかに記載の木質樹脂ペレット。
【請求項22】
更に、添加剤として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン5〜15重量%を混ぜられた、請求項16ないし請求項20のいずれかに記載の木質樹脂ペレット。
【請求項23】
30〜200μmの木粉70〜91重量%と、アルファオレフィン3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、40〜80℃の温水で混ぜて、ペレット状に形成された、木質樹脂ペレット。
【請求項24】
30〜200μmの木粉70〜91重量%と、ポリプロピレンワックス3〜15重量%と、添加剤12.5重量%以下とを、70〜90℃の温水で混ぜて、ペレット状に形成された、木質樹脂ペレット。
【請求項25】
ポリプロピレンワックスは、低粘度の単独重合体型ポリプロピレンワックスである、請求項24に記載の木質樹脂ペレット。
【請求項26】
更に、添加剤として、分散剤としてのステアリン酸を混合された、請求項23又は請求項24に記載の木質樹脂ペレット。
【請求項27】
添加剤として、カルボキシメチルセルロース樹脂1〜10重量%又はポリビニルアルコール1〜10重量%を混合された、請求項16ないし請求項26のいずれかに記載の木質樹脂ペレット。
【請求項28】
30〜200μmの木粉70〜91重量%、ポリオレフィン樹脂3〜15重量%、添加剤を一括して、混合機に投入し、撹拌しつつ25〜90℃の希釈剤を投入して混合させ、混合物を溶融混練してペレット化する、木質樹脂ペレットを製造する方法。
【請求項29】
30〜200μmの木粉70〜91重量%、ポリプロピレン3〜15重量%、添加剤を一括して、混合機に投入し、撹拌しつつ25〜80℃の温水を投入して混合させ、混合物を溶融混練してペレット化する、木質樹脂ペレットを製造する方法。
【請求項30】
30〜200μmの木粉70〜91重量%、ポリエチレン3〜15重量%、添加剤を一括して、混合機に投入し、撹拌しつつ25〜80℃の温水を投入して混合させ、混合物を溶融混練してペレット化する、木質樹脂ペレットを製造する方法。
【請求項31】
30〜200μmの木粉70〜91重量%、アルファオレフィン3〜15重量%、添加剤を一括して、混合機に投入し撹拌しつつ、40〜80℃の温水を投入して混合させ、混合物を溶融混練してペレット化する、木質樹脂ペレットを製造する方法。
【請求項32】
30〜200μmの木粉70〜91重量%、ポリプロピレンワックス3〜15重量%、添加剤を一括して、混合機に投入し、撹拌しつつ70〜90℃の温水を投入して混合させ、混合物を溶融混練してペレット化する、木質樹脂ペレットを製造する方法。
【請求項33】
ポリプロピレンワックスは、単独重合体型ポリプロピレンワックスである、請求項32に記載の木質樹脂ペレットを製造する方法。
【請求項34】
添加剤は、カルボキシメチルセルロース樹脂、又はポリビニルアルコール1〜10重量%を混合する、請求項28ないし請求項33のいずれかに記載の木質樹脂ペレットを製造する方法。
【請求項35】
添加剤は、界面活性剤又は分散剤としての、ステアリン酸1〜10重量%を混合する、請求項28ないし請求項34のいずれかに記載の木質樹脂ペレットを製造する方法。
【請求項36】
添加剤は、無水マレイン酸1〜10重量%又は無水マレイン酸変性ポリプロピレン1〜10重量%を混合する、請求項28ないし請求項35のいずれかに記載の木質樹脂ペレットを製造する方法。
【請求項37】
温水は、前記木質系材料及び樹脂系材料に対して、重量比で0.5〜2.0倍混合する、請求項28ないし請求項36のいずれかに記載の木質樹脂ペレットを製造する方法。
【請求項38】
木粉と樹脂とを混練した木質樹脂成形材料を射出成形装置に供給して、金型のキャビティ部に射出することにより、木質樹脂成形材料による成形体を成形する木質樹脂成形材料による射出成形装置において、
前記金型のキャビティ部に連通する脱気孔を形成したことを特徴とする、木質樹脂成形材料による射出成形装置。
【請求項39】
前記脱気孔の配置位置よりも上流側に圧力検知手段を配置し、
前記圧力検知手段による検知圧力が設定値を超えた状態で、前記脱気孔に連通した真空ポンプを作動させて脱気することを特徴とする、請求項38に記載の木質樹脂成形材料による射出成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−236410(P2011−236410A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84885(P2011−84885)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(510101918)サンキョー化成株式会社 (1)
【出願人】(511047941)宮坂木材産業株式会社 (1)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】