説明

樹脂組成物並びにこれを用いたプリプレグ及び積層板

【課題】 プリント配線板材料用シアン酸エステル樹脂系組成物において、耐熱性および吸湿耐熱性を改善し、弾性率などの機械特性に優れ、ハロゲンフリーで難燃性を有する樹脂組成物の提供を目的とするものであり、併せてこれを用いたプリプレグ及び積層板を提供する。
【解決手段】 特定構造のシアン酸エステル化合物および/またはそのオリゴマーからなるシアン酸エステル樹脂成分A、およびエポキシ樹脂およびマレイミド化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分Bとを含有する樹脂組成物、および成分Bとして少なくともエポキシ樹脂を含有する成分Bと成分Aとを含有する樹脂組成物を用いたプリプレグおよび積層板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路を形成するプリント配線板用に好適に使用される樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、積層板に関する。
【背景技術】
【0002】
シアン酸エステル樹脂は、吸湿耐熱性や誘電特性などに優れる熱硬化性樹脂として古くから知られており、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂と、他の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂との樹脂組成物が開示されている(例えば特許文献1参照)。これらの樹脂組成物は、電気特性、機械特性、耐薬品性、接着性などに優れた特性を有することから、これらの技術をベースにして、近年、半導体プラスチックパッケージ用などの高機能のプリント配線板用材料などに幅広く使用されている。しかし、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂は、耐熱性の面では、過酷な条件下では不十分な場合があり、他の構造のシアン酸エステル樹脂の検討が行われている。また、近年の電子部品における小型化・軽量化の要請の高まってきており、素材となる樹脂組成物の耐熱性や弾性率などの機械特性において更なる向上が求められていた。
【0003】
また、プリント配線板用の樹脂組成物としては、通常難燃性が必要であり、一般的に臭素系難燃剤を併用する処方が用いられている(例えば特許文献2参照)が、昨今の環境問題の高まりに呼応して、ハロゲン系化合物を使用しない樹脂組成物が求められている。しかし、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂は、難燃性を満たすために無機充填物を通常よりも多く入れなければならず、その影響から成形性に難があり、基板外観の改善には限界があった。
【0004】
これらの問題を解決するために、他の構造のシアン酸エステル樹脂をベースにした樹脂組成物の検討が行われている。耐熱性及び難燃性に優れるシアン酸エステル樹脂としては、ノボラック型シアン酸エステル樹脂の事例が多く見受けられる(例えば特許文献3参照)が、ノボラック型シアン酸エステル樹脂は、通常の硬化条件では、硬化不足になり易く、得られる硬化物は、吸水率が大きく、吸湿耐熱性が低下するなどの問題があった。ノボラック型シアン酸エステル樹脂の改善手法として、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂にノボラック型シアン酸エステル樹脂を反応させて得られたシアン酸エステル樹脂・コプレポリマーが開示されている(例えば特許文献4参照)。しかしながら、本コプレポリマーは、硬化性の点は向上するものの、その他の諸特性の面で未だ不十分であった。従って、耐熱性と吸湿耐熱性のみならず、ハロゲン系の難燃剤を用いずに難燃性を確保する、シアン酸エステル系樹脂組成物が切望されていた。
【特許文献1】特公昭54-30440号公報
【特許文献2】特開平11-021452号公報
【特許文献3】特開平11-124433号公報
【特許文献4】特開2000-191776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、プリント配線板材料用シアン酸エステル樹脂系組成物において、耐熱性および吸湿耐熱性を改善し、弾性率などの機械特性に優れ、ハロゲンフリーで難燃性を有する樹脂組成物の提供を目的とするものであり、併せてこれを用いたプリプレグ及び積層板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、特定構造のシアン酸エステル樹脂にエポキシ樹脂を配合することで、硬化性が高く、耐熱性、吸湿耐熱性に優れる樹脂組成物が得られることを見出した。特に非ハロゲン系エポキシ樹脂及び無機充填材の配合により、更にハロゲンフリーで難燃性を有する樹脂組成物となる事を見出した。また、特定構造のシアン酸エステル樹脂にマレイミド化合物を併用することで、耐熱性、弾性率に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、式(1)で示されるシアン酸エステル化合物および/またはそのオリゴマーからなるシアン酸エステル樹脂成分Aならびにエポキシ樹脂およびマレイミド化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分Bとを含有する樹脂組成物を提供する。
【化1】

本発明は、さらに無機充填材を含む上記樹脂組成物、該樹脂組成物を硬化してなる硬化物を提供する。
本発明はさらに上記式(1)で示されるシアン酸エステル化合物および/またはそのオリゴマーからなるシアン酸エステル樹脂成分A、およびエポキシ樹脂、またはエポキシ樹脂およびマレイミド化合物からなる成分Bとを含有する樹脂組成物を提供する。本発明はさらに無機充填材を含む上記樹脂組成物、エポキシ樹脂が非ハロゲン系エポキシ樹脂である上記樹脂組成物、上記樹脂組成物と基材とからなるプリプレグ、上記プリプレグを用いた積層板、および上記プリプレグから得られた金属箔張り積層板を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の樹脂組成物は、特定のシアン酸エステル樹脂の骨格の剛直な構造により耐熱性や難燃性に優れ、さらにエポキシ樹脂やビスマレイミド化合物を配合することで、シアン酸エステル樹脂の分子構造などによる反応阻害要因を低減させて硬化性を高めることにより、優れた吸湿耐熱性や高弾性率が得られる樹脂組成物となる。また、本発明のプリプレグを硬化してなる積層板や金属箔張り積層板は、高密度化対応のプリント配線板材料に好適であり、工業的な実用性は極めて高いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明において用いられる成分Aは、式(1)で示されるシアン酸エステル化合物および/またはそのオリゴマーからなるシアン酸エステル樹脂である。式(1)で示されるシアン酸エステル化合物は、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノンとシアン酸とを縮合させて得られるものであり、その製法は特に限定されず、シアン酸エステル合成として現存するいかなる方法で製造してもよい。具体的に例示すると、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノンとハロゲン化シアンを不活性有機溶媒中で、塩基性化合物存在下反応させることにより得ることができる。式(1)で示されるシアン酸エステル化合物のオリゴマーは、たとえば、式(1)で示されるシアン酸エステル化合物を温度140〜160℃において溶融させて、撹拌しながらシアン酸エステル基を反応させる製法で得る事ができる。
【0009】
本発明において用いられる成分Bはエポキシ樹脂および/またはマレイミド化合物からなるシアン酸エステル基と反応可能な化合物である。
【0010】
成分Bとして使用されるエポキシ樹脂は、2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエンなどの2重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物等が挙げられる。好適なものとして、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
【0011】
また、エポキシ樹脂として、分子内に意図的にハロゲン原子を含まない非ハロゲン系エポキシ樹脂を用いることでハロゲンフリー樹脂組成物とすることができる。非ハロゲン系エポキシ樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエンなどの2重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物等が挙げられる。好適なものとして、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂が挙げられる。これらの非ハロゲン系エポキシ樹脂は、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
【0012】
成分Bとしてエポキシ樹脂を用いる場合、成分Aとエポキシ樹脂の配合量の比は特に限定されないが、重量比で成分A:エポキシ樹脂=10:90〜90:10の範囲が好ましく、30:70〜70:30の範囲が特に好適である。エポキシ樹脂が非ハロゲン系エポキシ樹脂でも同様である。成分Aの配合比が過小になると、得られる積層板の耐熱性が低下し、多くなりすぎると、溶剤溶解性や硬化性などが低下する。
【0013】
成分Bとして使用されるマレイミド化合物は1分子中に2個以上のマレイミド基を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。その具体例としては、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル}プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、これらマレイミド化合物のプレポリマー、もしくはマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマーなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。より好適なものとしては、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル}プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンが挙げられる。
【0014】
成分Bとしてマレイミド化合物を用いる場合、成分Aとマレイミド化合物の配合量の比は特に限定されないが、重量比で成分A:マレイミド化合物が25:75〜95:5の範囲が好ましく、30:70〜90:10の範囲が特に好適である。成分Aの配合比が過小になると、得られる積層板の吸湿時の特性が低下し、多くなりすぎると、曲げ強度や耐熱性が低下する。
【0015】
成分Bとしてエポキシ樹脂およびマレイミド化合物を併用した場合は、シアン酸エステル樹脂の分子構造などによる反応阻害要因を低減させて硬化性を高めることにより、吸湿耐熱性と耐熱性の点で優れた効果を示すので好ましい。
【0016】
本発明において使用される無機充填材は、一般に使用されるものであれば、特に限定されるものではないが、その具体例としては、天然シリカ、溶融シリカ、アモルファスシリカ、中空シリカ等のシリカ類、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム加熱処理品(水酸化アルミニウムを加熱処理し、結晶水の一部を減じたもの)、ベーマイト、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、アルミナ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、ガラス短繊維(EガラスやDガラスなどのガラス微粉末類)、中空ガラスなどが挙げられる。無機充填材の平均粒子径としては、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmであり、粒度分布や平均粒子径を変化させたものを適宜組み合わせて使用することも出来る。無機充填材の配合割合は、特に限定されないが、成分Aと成分Bとの合計配合量100重量部に対し、10〜300重量部が好ましく、特に30〜200重量部が好適である。
【0017】
本発明において使用される無機充填材に関して、シランカップリング剤や湿潤分散剤を併用することも可能である。これらのシランカップリング剤としては、一般に無機物の表面処理に使用されているシランカップリング剤であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン系、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシラン系、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などのカチオニックシラン系、フェニルシラン系などが挙げられ、1種もしくは2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。また湿潤分散剤とは、塗料用に使用されている分散安定剤であれば、特に限定されるものではない。例えばビッグケミー・ジャパン製のDisperbyk−110、111、996、W903等の酸基を有する共重合体ベースの湿潤分散剤などが挙げられる。
【0018】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じ、硬化速度を適宜調節するために硬化促進剤を併用することも可能である。これらは、シアン酸エステル樹脂、エポキシ樹脂またはマレイミド化合物の硬化促進剤として一般に使用されるものであれば、特に限定されるものではない。これらの具体例としては、成分Bがエポキシ樹脂の場合、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル等の有機金属塩類、イミダゾール類及びその誘導体、第3級アミン等が挙げられる。成分Bがマレイミド化合物の場合、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチル-ジ−パーフタレート等で例示される有機過酸化物;アゾビスニトリル等のアゾ化合物;2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル-メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル-メチルイミダゾール、1−グアナミノエチル−2−メチルイミダゾール等で例示されたイミダゾール類、更にはこれらのイミダゾール類のカルボン酸もしくはその酸無水類の付加体など;N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、2−N−エチルアニリノエタノール、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、キノリン、N−メチルモルホリン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルブタンジアミン、N−メチルピペリジンなどの第3級アミン類;フェノール、キシレノール、クレゾール、レゾルシン、カテコールなどのフェノール類;ナフテン酸鉛、ステアリン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、オレイン酸錫、ジブチル錫マレート、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸コバルト、アセチルアセトン鉄などの有機金属塩;これら有機金属塩をフェノール、ビスフェノールなどの水酸基含有化合物に溶解してなるもの;塩化錫、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどの無機金属塩;ジオクチル錫オキサイド、その他のアルキル錫、アルキル錫オキサイドなどの有機錫化合物などが挙げられる。これら硬化促進剤の配合量は、一般的な範囲で十分であり、例えば樹脂組成物に対して10wt%以下、通常0.01〜2wt%程度で使用される。
【0019】
本発明の樹脂組成物には、式(1)で表されるシアン酸エステル化合物以外のシアン酸エステル樹脂を使用することも可能である。式(1)で表されるシアン酸エステル化合物以外のシアン酸エステル樹脂としては、公知のものが使用できる。例えば、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂、ビスフェノールF型シアン酸エステル樹脂、ビスフェノールM型シアン酸エステル樹脂、ビスフェノールP型シアン酸エステル樹脂、ビスフェノールE型シアン酸エステル樹脂、フェノールノボラック型シアン酸エステル樹脂、クレゾールノボラック型シアン酸エステル樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型シアン酸エステル樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアン酸エステル樹脂、ビフェノール型シアン酸エステル樹脂、フェノールアラルキル型シアン酸エステル樹脂、キシレノールアラルキル型シアン酸エステル樹脂、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル樹脂等、及びこれらのオリゴマーが挙げられ、1種もしくは2種以上適宜混合して使用することも可能である。
【0020】
本発明の樹脂組成物には、所期の特性が損なわれない範囲において、他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びそのオリゴマー、エラストマー類などの種々の高分子化合物、他の難燃性の化合物、添加剤などの併用も可能である。これらは一般に使用されているものであれば、特に限定されるものではない。例えば、難燃性の化合物では、リン酸エステル、リン酸メラミンなどのリン化合物、メラミンやベンゾグアナミンなどの窒素含有化合物、オキサジン環含有化合物、シリコン系化合物などが挙げられる。樹脂としては、ポリイミド、ポリビニルアセタール、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、水酸基もしくはカルボキシル基を持ったアクリル樹脂、アルキッド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂;ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジエン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴム、フッ素ゴム、天然ゴムなどのエラストマー類;スチレン−イソプレンゴム、アクリルゴム、これらのコアシェルゴム、エポキシ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン-プロピレン共重合体、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポリビニルフェノール、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、ポリ−4−フッ化エチレン、フッ化エチレン-プロピレン共重合体、4−フッ化エチレン−6−フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデンなどのビニル化合物重合体類;ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステル、ポリエーテルサルホン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリフェニレンサルファイトなどの熱可塑性樹脂類並びにこれらの低分子量重合体類;(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリルオキシービスフェノールなどのポリ(メタ)アクリレート類、スチレン、ビニルピロリドン、ジアクリルフタレート、ジビニルベンゼン、ジアリルベンゼン、ジアリルエーテルビスフェノール、トリアリルイソシアヌレートなどのポリアリル化合物及びそのプレポリマー類;ジシクロペンタジエン及びそのプレポリマー類、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマー類及びそのプレポリマー類、ポリイソシアネート類などの硬化性のモノマー又はプレポリマー類などが挙げられる。添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光沢剤、重合禁止剤等、所望に応じて適宜組み合わせて使用することも可能である。
【0021】
本発明において、成分Aと成分Bとを含有する樹脂組成物の調合方法は特に限定されないが、例えば、成分Aと成分Bとを単純に溶融混合するか、有機溶剤に溶解して混合することができる。又、成分Aと成分Bとの内、1〜2種類を予めオリゴマー化させた後に混合することや、2〜3種類を事前に混合してからオリゴマー化させる事も可能である。
【0022】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、有機溶剤を使用することが可能である。この有機溶剤としては、成分Aと成分Bとの混合物が溶解するものであれば、特に限定されるものではない。具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミド類等が挙げられる。
【0023】
本発明の樹脂組成物は、単独で硬化反応させて硬化物を得ることもできるが、基材に含浸してプリプレグとすることで積層板または金属箔張積層板に適用できる。
【0024】
本発明において好適に使用される基材には、各種プリント配線板材料に用いられている公知のものを使用することが出来る。例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、NEガラス、Tガラス、クォーツ等のガラス繊維、カーボン繊維、アルミナファイバー、炭化珪素ファイバー、アスベスト、ロックウール、スラグウール、石膏ウィスカーなどの無機繊維、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、フッ素繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、綿、麻、セミカーボン繊維などの有機繊維が挙げられ、目的とする用途や性能により適宜選択し、単独もしくは2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。形状としては織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフェシングマットなどが挙げられる。厚みについては、特に制限はされないが、通常は0.01〜0.3mm程度を使用する。また、シランカップリング剤などで表面処理したものや、織布において物理的に開繊処理を行ったものは、吸湿耐熱性の面から好適に使用できる。また、基材としてポリイミド、ポリアミド、ポリエステルなどのフィルムも使用可能であり、フィルムの厚みは、とくに制限されないが、0.002〜0.05mm程度が好ましく、プラズマ処理などで表面処理したものがより好ましい。
【0025】
本発明のプリプレグの製造方法は、成分Aと成分Bとを含有する樹脂組成物と基材とを組み合わせてプリプレグを製造する方法であれば、特に限定されない。例えば、上記樹脂組成物を基材に含浸または塗布した後、100〜200℃の乾燥機中で、1〜60分加熱させる方法などにより半硬化させ、プリプレグを製造する方法などが挙げられる。プリプレグ全体に対する樹脂含有量は、無機充填材を含有する場合も含めて、20〜95重量%の範囲が好ましい。
【0026】
本発明の積層板および金属箔張り積層板は、上述のプリプレグを用いて積層成形したものである。具体的には前述のプリプレグを1枚あるいは複数枚以上を重ね、所望によりその片面もしくは両面に、銅やアルミニウムなどの金属箔を配置した構成で、積層成形することにより製造する。使用する金属箔は、プリント配線板材料に用いられるものであれば、特に限定されない。成形条件としては、通常のプリント配線板用積層板および多層板の手法が適用できる。例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機などを使用し、温度は100〜300℃、圧力は2〜100kgf/cm、加熱時間は0.05〜5時間の範囲が一般的である。また、本発明のプリプレグと、別途作成した内層用の配線板を組み合わせ、積層成形することにより、多層板とすることも可能である。
【実施例】
【0027】
(合成例1)3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノンの合成
2.04 molの3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン(八代製薬製)及び4.49molのトリエチルアミンを塩化メチレン3250gに溶解させた(溶液1)。5.51molの塩化シアンを溶解した塩化メチレン溶液1462.45gに−10℃で溶液1を3時間かけて滴下した。30分撹拌した後、0.20molのトリエチルアミンを滴下し、さらに30分撹拌して反応を完結させた。得られた溶液を0.1N塩酸 3000mLにより洗浄した後、水1000mLによる洗浄を4回繰り返した。濃縮後、冷却し、黄白色結晶を得た。得られた結晶をn−ヘキサン2000mLにて洗浄した後、減圧乾燥することにより、白色結晶の3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノンを677g得た。このようにして得られたシアン酸エステル化合物は、赤外吸収スペクトル測定の結果、フェノール性OH基の吸収3200〜3600cm−1が消失し、シアン酸エステルのニトリルの吸収2264cm−1付近に吸収を有することが確認された。融点は130℃であった。
【0028】
(実施例1)
合成例1で得た3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン 70重量部とビス(4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−H、ケイ・アイ化成)30重量部とを160℃、10分間溶融混合したものを、注型用金型に流し込み、165℃で 15分間、真空脱泡した後、180℃で4時間、200℃で4時間、250℃で4時間加熱硬化させて、厚み 3mm及び2mmの硬化物を得た。得られた硬化物の物性測定結果を表1に示す。
【0029】
(比較例1)
実施例1において、3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン 70重量部の代わりに、2,2―ビス(4−シアナートフェニル)プロパン(CX、三菱ガス化学製)70重量部を使用する以外は、実施例1と同様にして行い、厚み 3mm及び2mmの硬化物を得た。得られた硬化物の物性測定結果を表1に示す。
【0030】
(比較例2)
実施例1において、3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン 70重量部の代わりに、フェノールノボラック型シアン酸エステル樹脂(PrimasetPT−30,ロンザ社製)70重量部を使用する以外は、実施例1と同様にして行い、厚み 3mm及び2mmの硬化物を得た。得られた硬化物の物性測定結果を表1に示す。
【0031】
(比較例3)
合成例1で得た3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノンを160℃、10分間溶融したものを、注型用金型に流し込み、165℃で 15分間、真空脱泡した後、180℃で4時間、200℃で4時間、250℃で4時間加熱硬化させて、厚み 3mm及び2mmの硬化物を得た。得られた硬化物の物性測定結果を表1に示す。なお、シアン酸エステル樹脂の分子構造などによる反応阻害要因によって硬化が不十分であったためか、ガラス転移温度の測定が安定せず測定不能であった。
【0032】
(実施例2)
合成例1で得た3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン50重量部とビス(4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−H)50重量部とを160℃、10分間溶融混合したものを、注型用金型に流し込み、165℃で 15分間、真空脱泡した後、180℃で4時間、200℃で4時間、250℃で4時間加熱硬化させて、厚み 3mm及び2mmの硬化物を得た。得られた硬化物の物性測定結果を表2に示す。
【0033】
(比較例4)
実施例2において、3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン 50重量部の代わりに、2,2―ビス(4−シアナートフェニル)プロパン(CX、三菱ガス化学製)50重量部を使用する以外は、実施例2と同様にして行い、厚み 3mm及び2mmの硬化物を得た。得られた硬化物の物性測定結果を表2に示す。
【0034】
(比較例5)
実施例2において、3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン 50重量部の代わりに、フェノールノボラック型シアン酸エステル樹脂(PrimasetPT−30,ロンザ社製)50重量部を使用する以外は、実施例2と同様にして行い、厚み 3mm及び2mmの硬化物を得た。得られた硬化物の物性測定結果を表2に示す。
【0035】
【表1】

【表2】

【0036】
(実施例3)
合成例1で得た3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン45重量部とクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(ESCN−220F, 住友化学工業製)55重量部ををメチルエチルケトンで溶解混合し、オクチル酸亜鉛 0.04重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ 0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、165℃で 6分間加熱乾燥して、樹脂含有量39重量%のプリプレグを得た。次に、このプリプレグを4枚重ね、厚さ18μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力30kgf/cm2、温度220℃で120分間プレスを行い、厚さ 0.4mmの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板の物性測定結果を表3に示す。
【0037】
(比較例6)
実施例3において、3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン45重量部の代わりに、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパンのプレポリマー(BT2070、三菱ガス化学製)45重量部を使用する以外は、実施例3と同様にして行い、厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板の物性測定結果を表3に示す。
【0038】
(比較例7)
実施例3において、3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン45重量部の代わりに、フェノールノボラック型シアン酸エステル樹脂(PrimasetPT−30,ロンザ社製)45重量部を使用する以外は、実施例3と同様にして行い、厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板の物性測定結果を表3に示す。
【0039】
【表3】

【0040】
(実施例4)
合成例1で得た3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン50重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC3000−H,日本化薬製)50重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に球状合成シリカ(SC−2050,アドマテックス製)100重量部、オクチル酸亜鉛 0.04重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ 0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、165℃で6分間加熱乾燥して、樹脂含有量45重量%のプリプレグを得た。次に、このプリプレグを4枚重ね、厚さ12μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力30kgf/cm、温度 220℃で120分間プレスを行い、厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板の物性測定結果を表4に示す。
【0041】
(比較例8)
実施例4において、3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン50重量部の代わりに、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパンのプレポリマー(BT2070,三菱ガス化学製)50重量部を使用する以外は、実施例4と同様にして行い、厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板の物性測定結果を表4に示す。
【0042】
(比較例9)
実施例4において、3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン50重量部の代わりに、フェノールノボラック型シアン酸エステル樹脂(PrimasetPT−30,ロンザ社製)50重量部を使用する以外は、実施例4と同様にして行い、厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板の物性測定結果を表4に示す。
【0043】
【表4】

【0044】
(実施例5)
合成例1で得た3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン30重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC3000−H,日本化薬製)50重量部とビス(4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−H、ケイ・アイ化成)20重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に球状合成シリカ(SC−2050,アドマテックス製)100重量部、オクチル酸亜鉛0.04重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ 0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、165℃で 14分間加熱乾燥してプリプレグを得た。次に、このプリプレグを4枚重ね、厚さ12μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力30kgf/cm2、温度220℃で120分間プレスを行い、厚さ 0.4mmの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板の物性測定結果を表5に示す。
【0045】
(比較例10)
実施例5において、3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン30重量部の代わりに、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパンのプレポリマー(BT2070、三菱ガス化学製)30重量部を使用する以外は、実施例5と同様にして行い、厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板の物性測定結果を表5に示す。
【0046】
(比較例11)
実施例5において、3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン30重量部の代わりに、フェノールノボラック型シアン酸エステル樹脂(PrimasetPT−30,ロンザ社製)30重量部を使用する以外は、実施例5と同様にして行い、厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板の物性測定結果を表5に示す。
【0047】
(実施例6)
合成例1で得た3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン15重量部とフェノールノボラック型シアン酸エステル樹脂(PrimasetPT−30,ロンザ社製)15重量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC3000−H,日本化薬製)50重量部とビス(4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−H、ケイ・アイ化成)20重量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に球状合成シリカ(SC−2050,アドマテックス製)100重量部、オクチル酸亜鉛0.06重量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ 0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、165℃で 5分間加熱乾燥してプリプレグを得た。次に、このプリプレグを4枚重ね、厚さ12μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力30kgf/cm2、温度220℃で120分間プレスを行い、厚さ 0.4mmの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板の物性測定結果を表6に示す。
【0048】
(比較例12)
実施例6において、3,3−ビス(4−シアナートフェニル)−1(3H)−イソベンゾフラノン15重量部の代わりに、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパンのプレポリマー(BT2070、三菱ガス化学製)15重量部を使用する以外は、実施例6と同様にして行い、厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板の物性測定結果を表6に示す。
【0049】
【表5】

【表6】

【0050】
(測定方法)
1) ガラス転移温度 (単位 : ℃)
注型成形物 : サイズ 5mm×5mm×3mmの試験片を使用し、TMA装置(TA Instrument 2940型)にて、荷重5g、昇温10℃/分の条件下で測定。
積層板 : 両面銅張積層板の銅箔を全て除去したのち、JIS-C6481に準拠して、DMA法により測定。
2) 曲げ弾性率 (単位 : GPa)
サイズ 10mm×50mm×2mmの試験片を使用し、JIS−K6911に準じて、オートグラフ(島津製作所製、AG5000B)にて、常温で測定。
3) 吸湿耐熱性
50mm×50mmの銅張積層板サンプルの片面の半分以外の全銅箔をエッチング除去した試験片を、プレシッヤークッカー試験機(平山製作所製、PC−3型)で121℃、2気圧で3時間または5時間処理後、260℃のハンダ中に30秒浸漬した後の外観変化を目視で観察。(フクレ発生数/試験数)
4) 耐燃焼性
UL94垂直試験法に準拠して測定。
5) 銅箔ピール強度 (単位 : kgf/cm)
JIS−C6481に準拠して測定。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で示されるシアン酸エステル化合物および/またはそのオリゴマーからなるシアン酸エステル樹脂成分A、およびエポキシ樹脂および/またはマレイミド化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分Bとを含有する樹脂組成物。
【化1】

【請求項2】
さらに無機充填材を含む請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
成分Bがエポキシ樹脂、またはエポキシ樹脂およびマレイミド化合物である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
エポキシ樹脂が非ハロゲン系エポキシ樹脂である、請求項3に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
【請求項6】
請求項3に記載の樹脂組成物および基材とからなるプリプレグ。
【請求項7】
請求項6に記載のプリプレグを硬化して得られる積層板。
【請求項8】
請求項6に記載のプリプレグおよび金属箔を積層し、次いで硬化して得られる金属箔張り積層板。

【公開番号】特開2009−132886(P2009−132886A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275153(P2008−275153)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】