説明

液処理装置、液処理方法および記憶媒体

【課題】簡易な構成の液処理装置を提供する。
【解決手段】液処理装置10は、ウエハ21に対してSPM液を吐出する吐出機構50と、吐出機構50に硫酸を供給する第1液供給機構12と、吐出機構50に過酸化水素水を供給する第2液供給機構14と、を備えている。第1液供給機構12は、第1温度に加熱された第1の液を保持する一次温調機構30と、一次温調機構30に接続された二次温調機構40と、二次温調機構40と吐出機構50を接続する吐出ライン51と、を有している。二次温調機構40は、一次温調機構30の第1循環ライン33から分岐し、一次温調機構30に戻る第2循環ライン41と、第2循環ライン41に設けられ、第1の液を第1温度よりも高い供給温度に加熱する第2加熱器42と、を有している。吐出ライン51は、第2加熱器42よりも下流側で第2循環ライン41から切替弁44を介して分岐している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度調節された液を用いて基板を処理する液処理装置および液処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体ウエハ等の基板(以下、ウエハともいう)を水平状態に保持した状態で当該ウエハの表面や裏面に処理液を供給することによりウエハの洗浄処理やエッチング処理、メッキ処理等の液処理を行う液処理装置として、様々な種類のものが知られている。また、処理液による反応を活性化し、これによって処理を進行しやすくするため、ウエハに供給される処理液の温度を高くすることが提案されている。例えば特許文献1において、ウエハに供給される処理液を、処理液を貯留するタンクの近傍で循環させながら加熱することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−123393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
処理液による反応は、一般に温度が高いほど活性化される。一方、処理液の温度を高くする場合、高温の処理液が液処理装置の供給タンクや循環ラインなどを通ることになる。しかし、循環ラインに設けられたポンプなどの各要素の中には、高温の処理液に対する耐熱性や耐薬性を備えられないものがある。
【0005】
本発明は、高温の処理液に対する耐熱性や耐薬性を備えつつ、高温の処理液を供給できる液処理装置および液処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点によれば、温度調節された第1の液を用いて基板を処理する液処理装置であって、基板を保持する基板保持部が内部に設けられた処理室と、前記基板保持部に保持された基板に対して第1の液を吐出する吐出機構と、
前記吐出機構に第1の液を供給する第1液供給機構と、を備え、前記第1液供給機構は、第1温度に加熱された第1の液を保持する一次温調機構と、前記一次温調機構に接続された二次温調機構と、前記二次温調機構と前記吐出機構を接続する吐出ラインと、を有し、前記一次温調機構は、第1の液を貯留する供給タンクと、前記供給タンクに接続され第1の液を循環させる第1循環ラインと、第1の液を第1温度に加熱する第1加熱器と、前記第1循環ライン上に設けられたポンプとを有し、前記二次温調機構は、前記第1循環ラインから分岐し、前記一次温調機構に戻る第2循環ラインと、前記第2循環ラインに設けられ、第1の液を前記第1温度よりも高い供給温度に加熱する第2加熱器と、を有し、前記吐出ラインは、前記第2加熱器よりも下流側で前記第2循環ラインから切替弁を介して分岐していることを特徴とする液処理装置が提供される。
【0007】
本発明の第2の観点によれば、温度調節された第1の液を用いて基板を処理する液処理方法であって、処理室の内部に設けられた基板保持部により基板を保持させることと、第1液供給機構から吐出機構に第1の液を供給することと、吐出機構により、前記基板保持部により保持された基板に対して第1の液を吐出することと、を備え、前記第1液供給機構は、第1温度に加熱された第1の液を循環させる第1循環ラインを有する一次温調機構と、前記第1循環ラインから分岐するとともに前記一次温調機構に戻る第2循環ラインを有する二次温調機構と、前記第2循環ラインから切替弁を介して分岐するとともに前記吐出機構に接続された吐出ラインと、を有し、吐出機構に第1の液を供給する時は、前記二次温調機構によって前記第1温度よりも高い供給温度に加熱された第1の液が前記切替弁および前記吐出ラインを介して前記吐出機構に供給され、吐出機構に第1の液を供給しない時は、前記二次温調機構の前記第2循環ラインおよび前記切替弁を介して第1の液が前記一次温調機構に戻されることを特徴とする液処理方法が提供される。
【0008】
本発明の第3の観点によれば、液処理装置を制御する制御機構によって実行されるプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記プログラムが前記制御機構によって実行されることにより、上記記載の液処理方法を液処理装置に実施させる、記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の液処理装置および液処理方法によれば、高温の処理液に対する耐熱性や耐薬性を備えつつ、高温の処理液を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態による液処理装置の全体構成を概略的に示す図。
【図2】図2は、図1の液処理装置の一次温調機構の第1加熱器を示す断面図。
【図3】図3は、図1の液処理装置の二次温調機構の第2加熱器を示す断面図。
【図4】図4は、図1の液処理装置の二次温調機構の切替弁を概略的に示す図。
【図5】図5は、図1の液処理装置の処理室を示す縦断面図。
【図6】図6は、図1の液処理装置の処理室を示す平面図。
【図7】図7は、液処理装置の一変形例を概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0012】
以下の実施の形態においては、本発明を、半導体ウエハの洗浄処理に適用する例について説明する。洗浄処理においては、硫酸(第1の液)と過酸化水素水(第2の液)とを混合することにより得られるSPM液を用いた処理、リンス処理液を用いた処理および乾燥用液を用いた処理がウエハに施される。このうち、SPM液を構成する硫酸は、本発明の一実施の形態による液処理装置により温度調節された状態で供給されて過酸化水素水と混合される。しかしながら、当然に、本発明は、洗浄処理用の硫酸の温度調節への適用に限定されるものではなく、その他の様々な液の温度調節のために適用され得る。また当然に、本発明は、ウエハの洗浄処理への適用に限定されるものではなく、エッチング処理、メッキ処理、現像処理等の様々な液処理のために適用され得る。
【0013】
液処理装置
まず図1および図2により、本実施の形態における液処理装置10全体について説明する。図1に示すように、液処理装置10は、ウエハ21が配置された処理室20と、ウエハ21に対してSPM液を吐出する吐出機構50と、吐出機構50に硫酸(第1の液)を供給する第1液供給機構12と、吐出機構50に過酸化水素水(第2の液)を供給する第2液供給機構14と、第1液供給機構12および第2液供給機構14を制御する制御機構60と、を備えている。このうち第1液供給機構12は、図1に示すように、一次温調機構30と、一次温調機構30に接続された二次温調機構40と、二次温調機構と吐出機構を接続する第1吐出ライン51を有している。後述するように、第1液供給機構12の硫酸は、予め定められた供給温度以上の温度まで一次温調機構30および二次温調機構40によって加熱された状態で第1吐出ライン51に供給される。また第2液供給機構14は、図1に示すように、過酸化水素水を貯留する供給タンク14aと、供給タンク14aと吐出機構50とを接続する第2吐出ライン52と、第2吐出ライン52に設けられたポンプ14cと、第2吐出ライン52を介して吐出機構50に送られる過酸化水素水の流量を調節するためのバルブ14bと、を有している。
【0014】
図1に示すように、吐出機構50は、前記第1吐出ライン51および第2吐出ライン52に接続された内部配管53aと、SPM液をウエハ21に対して吐出するための吐出口54と、を含むノズル53を有している。図1に示すように、第1吐出ライン51を介して供給される硫酸と、第2吐出ライン52を介して供給される過酸化水素水とは、ノズル53内の内部配管53aにおいて混合されてSPM液となる。この場合、混合により生じる熱のため、SPM液の温度は、二次温調機構40によって加熱された硫酸の温度からさらに高い温度(吐出温度)に上昇する。そして、吐出温度まで上昇した状態のSPM液が、ノズル53の吐出口54からウエハ21に対して吐出される。
【0015】
一次温調機構
次に、第1液供給機構12の一次温調機構30について説明する。図1に示すように、一次温調機構30は、硫酸を貯留する供給タンク31と、供給タンク31に接続され、硫酸を循環させるタンク用循環手段32と、タンク用循環手段32に設けられ、硫酸を加熱する第1加熱器35と、タンク用循環手段32に介挿されたフィルタ36と、を有している。このうちタンク用循環手段32は、その一端および他端がそれぞれ供給タンク31に接続された第1循環ライン33と、第1循環ライン33に介挿されたポンプ34と、を含んでいる。また第1加熱器35は、第1循環ライン33内の硫酸を、予め定められた第1温度まで加熱するよう制御されている。この場合、供給タンク31から第1循環ライン33に送り出された硫酸は、はじめに第1加熱器35によって第1温度まで加熱される。その後、硫酸は、一部分は二次温調機構40に供給され、その他の部分は第1循環ライン33を介して供給タンク31に戻る。なお図1においては、第1加熱器35が第1循環ライン33に取り付けられている例を示したが、これに限られることはなく、第1加熱器35が供給タンク31に取り付けられていてもよい。この場合、硫酸は、供給タンク31内で第1加熱器35により第1温度まで加熱される。
【0016】
第1循環ライン33に設けられている各構成要素、例えばポンプ34およびフィルタ36には、第1温度に加熱された硫酸に耐える耐熱性および耐薬性が求められる。
【0017】
好ましくは、供給タンク31から第1循環ライン33に送り出された硫酸のうち、第1循環ライン33を介して供給タンク31に戻る硫酸の流量は、二次温調機構40に供給される硫酸の流量よりも大きくなっている。この結果、一次温調機構30において、供給タンク31および第1循環ライン33内の硫酸の温度は、第1温度近傍の温度で常に安定に保持されることになる。第1温度の具体的な値が特に限られることはないが、例えば170度となっている。
【0018】
(第1加熱器)
次に第1加熱器35について説明する。図2は、第1循環ライン33内に設けられた第1加熱器35を示す縦断面図である。第1循環ライン33は、例えば、石英などから形成される第1循環管33aによって構成されている。図2に示すように、第1加熱器35は、第1循環管33a内に配置され、硫酸を加熱するための加熱部、例えばハロゲンヒータ35bと、ハロゲンヒータ35bを囲む被覆管35cと、を含む加熱機構を複数有している。このように第1循環管33a内に複数の加熱機構を設けることにより、第1循環管33a内の硫酸に対して十分な熱を供給することができ、かつ、第1循環管33a内の硫酸を場所によらず均一に加熱することができる。
【0019】
二次温調機構
次に、第1液供給機構12の二次温調機構40について説明する。図1に示すように、二次温調機構40は、一次温調機構30の第1循環ライン33から分岐し、一次温調機構30に戻る第2循環ライン41と、第2循環ライン41に設けられ、硫酸を加熱することができる第2加熱器42と、第2加熱器42よりも下流側に設けられ、第2循環ライン41に介挿されるとともに第1吐出ライン51に接続された切替弁44と、第2加熱器42と切替弁44との間に設けられ、第2循環ライン41内の硫酸の温度を測定する温度センサ45と、を含んでいる。このうち第2循環ライン41は、一次温調機構30の第1循環ライン33に接続され、第2加熱器42が設けられた供給ライン41aと、供給ライン41aに切替弁44を介して接続され、かつ一次温調機構30に接続された戻しライン41bと、から構成されている。また切替弁44は、第2循環ライン41と第1吐出ライン51との間が制御機構60からの制御に応じて連通または遮断され得るよう構成されている。切替弁44の具体的な構成については後述する。
【0020】
また図1に示すように、二次温調機構40は、第2循環ライン41の第2加熱器42の上流側に設けられたバルブ48と、切替弁44の下流側に設けられたバルブ49と、をさらに有している。このうちバルブ48は、一次温調機構30から二次温調機構40に供給される硫酸の流量を調節できるよう構成されている。硫酸の流量の調整は、例えば、第2循環ライン41に設けられ、硫酸の流量を測定する流量センサ46からの情報に基づいて実施される。またバルブ49は、後述する供給モードおよび循環モードに応じて開閉可能となるよう構成されている。
【0021】
後述するように、第2加熱器42は、二次温調機構40の硫酸を吐出機構50に供給する供給モードの際、少なくとも、予め定められた供給温度よりも高い温度まで硫酸を加熱するよう制御される。ここで供給温度とは、硫酸が過酸化水素水と混合されるときの温度であり、上述の第1温度よりも高い温度、例えば200度に設定されている。このため二次温調機構40の各要素のうち第2加熱器42の下流側に配置されている要素、例えば切替弁44、温度センサ45およびバルブ49などは、少なくとも供給温度に加熱された硫酸に耐える耐熱性(例えば、約200度の耐熱性)と耐薬性を有するよう構成されている。一方、二次温調機構40の各要素のうち第2加熱器42の上流側に配置されている要素、例えばバルブ48は、第2加熱器42によって加熱された硫酸に接することがない。従って、バルブ48に対しては、供給温度に加熱された硫酸に耐える耐熱性や耐薬性は求められない。このため、バルブ48は、少なくとも上述の第1温度に加熱された硫酸に耐える耐熱性(例えば、約170度の耐熱性)と耐薬性を有していればよい。
【0022】
第2循環ライン41を介して一次温調機構30の供給タンク31に戻る硫酸の温度は、硫酸が第2循環ライン41内を流れている間に上述の供給温度から第1温度以下または第1温度よりも若干高い温度まで低下する。一方、第1循環ライン33を介して供給タンク31に戻る硫酸は、循環中に第1温度よりも低い温度に低下した後に供給タンク31に戻る。また、第1循環ライン33を介して供給タンク31に戻る第1の液の流量は、第2循環ライン41を介して供給タンク31に戻る第1の液の流量よりも大きくなっている。そして供給タンク31には、第1循環ライン33を介して戻ってきた硫酸と、第2循環ライン41を介して戻ってきた硫酸とが混合されて貯留される。この場合、仮に第2循環ライン41を介して戻ってきた硫酸が、第1温度よりも若干高い温度を有していたとしても、第1循環ライン33を介して戻ってきた硫酸と混合されることにより、供給タンク31内における硫酸の温度が第1温度以下となる。このように一次温調機構30に戻る硫酸の温度が第1温度以下となることにより、一次温調機構30には第1温度より高温の硫酸が流れることはない。したがって、一次温調機構30の各要素、例えばフィルタ36やポンプ34を、供給温度ではなく第1温度の硫酸に耐える耐熱性と耐薬性を想定して設計することができる。これによって、一次温調機構30の各要素に供給温度の硫酸への耐熱性と耐薬性が求められる場合に比べて、一次温調機構30の各要素のコストを低くすることができる。
【0023】
(第2加熱器)
次に第2加熱器42について説明する。図3は、第2循環ライン41の供給ライン41a内に設けられた第2加熱器42を示す縦断面図である。供給ライン41aは、例えば、石英などから形成される供給管41cによって構成されている。図3に示すように、第2加熱器42は、供給管41c内に配置され、硫酸を加熱するための加熱機構、例えばハロゲンヒータ42bと、ハロゲンヒータ42bを囲む被覆管42cと、を含んでいる。
【0024】
(切替弁)
次に切替弁44について説明する。図4は、切替弁44を概略的に示す図である。図4に示すように、切替弁44は、二次温調機構40の第2循環ライン41の供給ライン41aに接続された第1ライン44aと、二次温調機構40の第2循環ライン41の戻しライン41bに接続された第2ライン44bと、吐出機構50の第1吐出ライン51に接続された第3ライン44cと、を含んでいる。このうち第1ライン44aおよび第2ライン44bは、図4に示すように、第2循環ライン41の供給ライン41aと戻しライン41bとの間が常に連通するよう構成されている。
【0025】
また図4に示すように、切替弁44は、第3ライン44c内に配置された被駆動部材44dをさらに含んでいる。この被駆動部材44dは、第3ライン44c内で硫酸が流れることを可能とする連通位置と、第3ライン44c内における硫酸の流れを遮断する遮断位置と、の間で、制御機構60からの制御に応じて移動可能となっている。このため、被駆動部材44dの位置を制御することにより、供給ライン41と第1吐出ライン51との間が連通される状態、または、供給ライン41と第1吐出ライン51との間が遮断される状態のいずれかを適宜選択することができる。
【0026】
被駆動部材44dの具体的な構成が特に限られることはないが、例えば、被駆動部材44dとして、バネなどの弾性体が取り付けられたダイヤフラムが用いられる。この場合、例えば、切替弁44内に空気を導入することによってバネの伸縮を制御し、これによって、ダイヤフラムを移動させることにより、被駆動部材44dの位置の制御が実現され得る。
【0027】
処理室
次に図5および図6を参照して、処理室20について説明する。図5は、処理室20を示す縦断面図であり、図6は、処理室20を示す平面図である。
【0028】
図5に示すように、処理室20の内部には、ウエハ21を保持するための基板保持部22が設けられている。この基板保持部22は、図5および図6に示すように、上下に伸延する円筒状の回転軸23と、回転軸23の上端部に取り付けられたターンテーブル24と、ターンテーブル24の上面外周部に設けられ、ウエハ21を支持するウエハチャック25と、回転軸23を回転駆動する回転機構62と、を有している。このうち回転機構62は、制御機構60により制御される。回転機構62からの駆動により回転軸23が回転すると、ウエハチャック25により支持されるウエハ21が同時に回転する。
【0029】
図5および図6に示すように、処理室20内には、ウエハ21に向けてSPM液を吐出するための上述の吐出口54を含むノズル53が配置されている。このノズル53は、アーム82の先端部に取り付けられており、またアーム82は、上下方向に延伸可能であるとともに回転機構65により回転駆動される支持軸81に固定されている。このような構成により、SPM液を、ウエハ21の表面の任意の箇所に所望の高さから吐出することが可能となっている。
【0030】
なお図5においては、SPM液を構成するための硫酸および過酸化水素水を吐出口54に向けて送る第1吐出ライン51および第2吐出ライン52が、アーム82の外側に配置されているように示されている。しかしながら、第1吐出ライン51および第2吐出ライン52の配置が特に限られることはなく、例えば、第1吐出ライン51および第2吐出ライン52がアーム82の内側に配置されていてもよい。
【0031】
図5および図6に示すように、洗浄処理のためのその他の液をウエハ21に対して吐出するための吐出口56および吐出口57を有するノズル55が処理室20内にさらに設けられていてもよい。洗浄処理のためのその他の液の種類が特に限られることはないが、図5に示す例においては、吐出口56は、リンス処理のための液、例えば純水をウエハ21に対して吐出するものとなっており、吐出口57は、乾燥処理のための液、例えばIPA(イソプロピルアルコール)をウエハ21に対して吐出するものとなっている。図5に示すように、吐出口56にはリンス処理液供給機構16が接続されており、吐出口57には乾燥用液供給機構18が接続されている。また上述のノズル53の場合と同様に、ノズル55は、アーム84の先端部に取り付けられており、またアーム84は、上下方向に延伸可能であるとともに回転機構63により回転駆動される支持軸83に固定されている。
【0032】
また図5に示すように、処理室20内には、ターンテーブル24およびウエハ21を側方から囲むよう構成されたカップ70が設けられている。このカップ70は、排出経路73,74にそれぞれ接続された排出口71,72を有している。またカップ70は、カップ70を上下方向に駆動するための昇降機構64に接続されている。
【0033】
後述するように、ウエハ21から飛散した洗浄処理用の各液は、種類ごとに排出口71,72を介して排出流路73,74から排出される。各液と排出口71,72との対応は特には限られないが、例えば、排出口71および排出流路73は、SPM液を排出するよう割り当てられており、また排出口72および排出流路74は、純水およびIPAを排出するよう割り当てられている。
【0034】
上述のように構成される液処理装置10は、制御機構60に設けた記憶媒体61に記録された各種のプログラムに従って制御機構60で駆動制御され、これによって基板21に対する様々な処理が行われる。ここで、記憶媒体61は、各種の設定データや後述するめっき処理プログラム等の各種のプログラムを格納している。記憶媒体61としては、コンピューターで読み取り可能なROMやRAMなどのメモリーや、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROMやフレキシブルディスクなどのディスク状記憶媒体などの公知のものが使用され得る。
【0035】
次に、このような構成からなる液処理装置10の動作について説明する。ここでは、供給モードおよび循環モードの場合の液処理装置10の動作についてそれぞれ説明する。なお「供給モード」とは、第1液供給機構12の二次温調機構40から吐出機構50に硫酸を供給するためのモードであり、「循環モード」とは、第1液供給機構12の二次温調機構40から吐出機構50に硫酸を供給することなく、二次温調機構40の硫酸を一次温調機構30に戻すためのモードである。
【0036】
循環モード
はじめに、循環モードの場合の液処理装置10の動作について説明する。
【0037】
(一次温調機構の動作)
まず、第1液供給機構12の一次温調機構30の動作について説明する。はじめに制御機構60は、一次温調機構30のポンプ34を駆動させる。これによって、供給タンク31に貯留されている硫酸が、第1循環ライン33内を循環する。第1循環ライン33内を循環する硫酸の流量が特に限られることはないが、例えば20リットル/分となっている。
【0038】
また制御機構60は、第1循環ライン33内を循環する硫酸を第1温度まで加熱するよう、一次温調機構30の第1加熱器35を稼働させる。第1温度の具体的な値が特に限られることはないが、例えば上述のように第1温度は170度に設定されている。
【0039】
(二次温調機構の動作)
次に、第1液供給機構12の二次温調機構40の動作について説明する。まず制御機構60は、一次温調機構30の第1循環ライン33から循環する硫酸の一部分が二次温調機構40に供給されるよう、バルブ48を開く。これによって、第1温度に調節された硫酸が二次温調機構40の第2循環ライン41に供給される。二次温調機構40に供給される硫酸の流量が特に限られることはないが、例えば1リットル/分となっている。
【0040】
また制御機構60は、第2循環ライン41に供給された硫酸をさらに第2温度まで加熱するよう、二次温調機構40の第2加熱器42を稼働させる。第2温度の具体的な値は、第2温度が上述の第1温度よりも高く、供給温度より低い限りにおいて特に限定されないが、例えば第2温度は180〜190度の範囲内に設定されている。
【0041】
第2加熱器42によって第2温度まで加熱された硫酸は、図1に示すように切替弁44に到達する。循環モードの際、切替弁44は、第2循環ライン41の供給ライン41aと吐出機構50の第1吐出ライン51との間を遮断するよう制御機構60によって制御されている。このため、切替弁44に到達した硫酸は、吐出機構50の第1吐出ライン51には流れ込まず、第2循環ライン41の戻しライン41bにのみ流れる。
【0042】
第2循環ライン41内の硫酸は、開放されているバルブ49を通った後、一次温調機構30の供給タンク31に戻る。ここで第2循環ライン41を流れる硫酸の温度は、第2循環ライン41内を流れている間に上述の供給温度から第1温度以下または第1温度よりも若干高い温度まで低下する。よって、上述のように、供給タンク31において第1循環ライン33を介して戻ってきた硫酸と混合された後の硫酸の温度は、少なくとも第1温度よりも低い温度となる。
【0043】
供給モード
次に、供給モードの場合の液処理装置10の動作について説明する。なお、供給モードの場合の一次温調機構30の動作は、循環モードの場合の一次温調機構30の動作と略同一であるので、説明を省略する。また、供給モードの場合の二次温調機構40のバルブ48の動作は、循環モードの場合の二次温調機構40のバルブ48の場合の動作と略同一であるので、説明を省略する。
【0044】
(二次温調機構の動作)
制御機構60は、第2循環ライン41に供給された硫酸を、供給温度以上の温度まで加熱するよう、二次温調機構40の第2加熱器42を制御する。供給温度の具体的な値は、SPM処理において求められる洗浄特性に応じて適宜設定されるが、例えば上述のように200度に設定されている。
【0045】
図1に示すように、第2加熱器42によって加熱された硫酸の温度が、第2加熱器42と切替弁44との間に設けられた温度センサ45によって測定される。測定された温度に関する情報は、温度センサ45から制御機構60に送られる。
【0046】
制御機構60は、温度センサ45により測定された温度に関する情報に基づいて、第2加熱器42を制御する。これによって、第2加熱器42によって加熱された硫酸の温度が上述の供給温度以上の温度となるよう、第2加熱器42を適切に制御することができる。
【0047】
供給モードの際、切替弁44は、第2循環ライン41の供給ライン41aと吐出ライン51との間が連通されるよう制御されている。例えば、切替弁44内に空気を導入することなどによって、切替弁44の被駆動部材44dが図4における上方へ移動されており、これによって、第2循環ライン41の供給ライン41aと第1吐出ライン51との間が連通される。この結果、供給温度以上の温度に加熱された硫酸が、二次温調機構40の供給ライン41aから第1吐出ライン51へ供給される。なお供給モードの際、バルブ49は閉じられている。
【0048】
(洗浄処理)
次に、加熱された硫酸を利用してウエハ21を洗浄する洗浄処理について説明する。
【0049】
はじめに、液処理装置10は循環モードとなっている。すなわち第1液供給機構12においては、上述のように少なくとも第1温度に加熱された硫酸が一次温調機構30および二次温調機構40を循環している。このとき、図5に示される処理室20において、排出口71とウエハ21の外周端縁とが対向する位置までカップ70を昇降機構64により移動させる。次に、回転軸23を回転機構62により回転させる。これによって、ターンテーブル24およびウエハ21が回転する。
【0050】
次に、液処理装置10は循環モードから供給モードに切り替えられる。このため、供給温度に加熱された硫酸が吐出機構50に供給される。吐出機構50においては、図1に示すように、第1吐出ライン51に供給された硫酸と、第2吐出ライン52に供給された過酸化水素水とが、ノズル53の吐出口54の近傍で混合される。この結果、吐出口54の近傍においてSPM液が生成される。また、硫酸と過酸化水素水との混合により生じる熱によって、SPM液の温度が上昇する。例えば、約200度の硫酸に所定の比率で過酸化水素水を混合した場合、約250度のSPM液が得られる。
【0051】
このようにして生成された高温のSPM液は、吐出口54からウエハ21に対して吐出される。これによって、ウエハ21の表面にある不要なレジスト膜が除去される。ウエハ21に吐出されたSPM液は、その後、排出口71および排出流路73を介して排出される。SPM液の供給が終わると、液処理装置10は供給モードから循環モードに切り替えられる。
【0052】
次に、処理室20において、排出口73とウエハ21の外周端縁とが対向する位置までカップ70を昇降機構64により移動させる。その後、吐出口56からリンス処理液(純水)がウエハ21に対して吐出される。これによって、ウエハ21の表面にリンス処理が施される。次に、吐出口57から乾燥用液(IPA)がウエハ21に対して吐出される。これによって、ウエハ21の表面に乾燥処理が施される。ウエハ21に吐出されたリンス処理液および乾燥用液は、排出口72および排出流路74を介して排出される。このようにして、ウエハ21に対する洗浄処理が実施される。
【0053】
洗浄処理が実施された後のウエハ21は、処理室20に設けられた開口(図示せず)から搬出される。その後、別のウエハ21が処理室20内に搬入され、このウエハ21に対して洗浄処理が施される。なお、吐出機構50に硫酸が供給されていない間、第1液供給機構12は、制御機構60によって循環モードで制御されている。そして、ウエハ21が処理室20内に搬入されてSPM液による処理が再開されると、制御機構60は、供給モードで第1液供給機構12を制御する。
【0054】
本実施の形態によれば、上述のように、吐出機構50に供給される硫酸は、はじめに一次温調機構30によって第1温度まで加熱され、次に二次温調機構40によって供給温度以上の温度まで加熱される。このように二段階で硫酸が加熱されるため、二次温調機構40の各要素のうち第2加熱器42の上流側に配置されている要素、および一次温調機構30の各要素は、第1温度よりも高い温度に曝されることがない。このことにより、二次温調機構40の各要素のうち第2加熱器42の上流側に配置されている要素、および一次温調機構30の各要素を、供給温度ではなく第1温度に加熱された硫酸に耐える耐熱性と耐薬性を想定して設計することができる。また、これらの各要素のコストを低くすることができる。
【0055】
また、本実施の形態によれば、第1液供給機構12は、第1温度に加熱された硫酸を保持する一次温調機構30と、一次温調機構30と吐出機構50との間に介在された二次温調機構40と、を有し、循環モードの間、二次温調機構40の第2加熱器42は、硫酸を第1温度よりも高く、供給温度より低い第2温度まで加熱するよう制御されている。このうち二次温調機構40は、一次温調機構30から供給された硫酸を一次温調機構30に戻すことができるよう構成されている。このため、硫酸が吐出機構50に供給されていない間であっても、二次温調機構40の温度を高温に保つことができる。例えば、二次温調機構40に含まれる第2循環ライン41、第2加熱器42、切替弁44、バルブ48およびバルブ49などの各要素の温度を高温に保つことができる。このため、二次温調機構40から吐出機構50に硫酸を供給するための供給モードに第1液供給機構12が切り換えられた後、第2加熱器42によって硫酸を迅速に供給温度以上の温度まで加熱することができる。このことにより、第1液供給機構12が供給モードに切り換えられてから、第2加熱器42により加熱された硫酸の温度が供給温度以上となるまでに要する時間(予備加熱時間)を短くすることができる。なお、本実施の形態による、予備加熱時間を短くするという効果は、二次温調機構40に含まれる各要素の熱容量が大きいほど顕著になる。
【0056】
また本実施の形態によれば、上述のように、二次温調機構40の切替弁44は、循環モードまたは供給モードのいずれの場合であっても切替弁44内で硫酸が流れるよう構成されている。このため、一般に他の要素に比べて熱容量が大きくなっている切替弁44を、より確実に常に高温に保つことができる。このことにより、上述の予備加熱時間が短くなることをより確実に実現することができる。また、供給ライン41aと第1吐出ライン51との間が連通している場合と連通していない場合との間での切替弁44の温度差を低減することができる。
【0057】
また本実施の形態によれば、上述のように、吐出機構50は、硫酸と過酸化水素水とが吐出口54の近傍で混合されるよう構成されている。ここで、SPM液の温度は、硫酸と過酸化水素水との混合により生じる熱によって上昇する。吐出口54の近傍で混合を実施することにより、吐出機構50の各要素のうち、供給温度以上に温度が上昇したSPM液に曝される要素の割合を小さくすることができる。このことにより、吐出口54の近傍にのみ、温度が上昇したSPM液に対する耐熱性と耐薬性を備えればよく、第1液供給機構12と第2液供給機構14の各要素のコストを低くすることができる。
【0058】
なお本実施の形態において、上述した本実施の形態に対して、様々な変更または追加を施すことが可能である。以下、変形または追加の例について説明する。
【0059】
例えば図7に示すように、一次温調機構30に、第1循環ライン33内を循環する硫酸の流量を測定する流量センサ37と、流量センサ37により測定された硫酸の流量が所定の下限流量を下回った場合に第1加熱器35を停止させる停止手段35aとがさらに設けられていてもよい。これによって、硫酸の流量に比べて過剰な熱量が第1加熱器35から放出されることを防止することができる。このことにより、第1循環ライン33内を循環する硫酸の温度が高くなりすぎることを防ぐことができ、また、いわゆる空焚きによって第1加熱器35が劣化してしまうことを防ぐことができる。
【0060】
また図7に示すように、二次温調機構40に、第2循環ライン41を通って循環する硫酸の流量を測定する流量センサ46と、流量センサ46により測定された硫酸の流量が所定の下限流量を下回った場合に第2加熱器42を停止させる停止手段42aと、がさらに設けられていてもよい。これによって、硫酸の流量に比べて過剰な熱量が第2加熱器42から放出されることを防止することができる。このことにより、第2循環ライン41を通って循環する硫酸の温度が高くなりすぎることを防ぐことができ、また、いわゆる空焚きによって第2加熱器42が劣化してしまうことを防ぐことができる。
【0061】
なお図7に示す例においては、停止手段35aおよび停止手段42aがそれぞれ第1加熱器35および第2加熱器42に取り付けられている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、停止手段35aおよび停止手段42aは、制御機構60の一部分として構成されていてもよい。この場合、流量センサ37または流量センサ46によって得られた、硫酸の流量に関する情報は、制御機構60に送られる。制御機構60は、流量センサ37または流量センサ46により測定された流量が所定の下限流量を下回っている場合、第1加熱器35または第2加熱器42を停止させることができる。
【0062】
また本実施の形態において、一次温調機構30によって第1温度で保持されている硫酸が、図1に示す一つの二次温調機構40に供給される例を示した。しかしながら、一次温調機構30から硫酸を供給される機構が、図1に示される二次温調機構40に限られることはない。すなわち、図1において一点鎖線の矢印によって示されているように、一次温調機構30は、その他の複数の機構に対して硫酸を供給することもできる。
【0063】
また本実施の形態において、循環モードの間、二次温調機構40の第2加熱器42が、硫酸の温度を第2温度まで上昇させるよう制御される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、循環モードの間に二次温調機構40の各要素の温度がある程度高温に保たれる限りにおいて、様々な制御が実施され得る。例えば、一次温調機構30によって第1温度に加熱された硫酸を二次温調機構40の第2循環ライン41に流すことのみによって、二次温調機構40の各要素の温度を高温に保つことができる場合、制御機構60は、循環モードの間、第2加熱器42を停止させてもよい。
【0064】
また本実施の形態において、二次温調機構40の第2循環ライン41が一次温調機構30の供給タンク31に接続されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、一次温調機構30のその他の要素に二次温調機構40の第2循環ライン41が接続されていてもよい。例えば、一次温調機構30の第1循環ライン33に二次温調機構40の第2循環ライン41が接続されていてもよい。
【0065】
また本実施の形態において、切替弁44として、切替弁44を通って第2循環ライン41内で常に硫酸が流れるよう構成されている弁が用いられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、切替弁44として、第2循環ライン41の供給ライン41aと第1吐出ライン51との間、または第2循環ライン41の供給ライン41aと戻しライン41bとの間のいずれか一方を選択的に連通させる弁が用いられてもよい。この場合であっても、循環モードの間、加熱された硫酸によって常に二次温調機構40の各要素の温度を高温に保つことができ、このことにより、上述の予備加熱時間を短くすることができる。
【0066】
また本実施の形態において、第2循環ライン41の戻しライン41bに、硫酸を第1温度以下まで冷却するための冷却機構(図示せず)が設けられていてもよい。これによって、第2循環ライン41を介して供給タンク31に戻る硫酸の温度を確実に第1温度まで低下させることができる。
【0067】
また本実施の形態において、吐出口54を有するノズル53が、支持軸81を軸として回転可能なアーム82によって支持されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、ノズル53は、ノズル53がウエハ21上を直線的に移動可能となるよう支持されていてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10 液処理装置
12 第1液供給機構
20 処理室
21 ウエハ
22 基板保持部
30 一次温調機構
31 供給タンク
33 第1循環ライン
34 ポンプ
35 第1加熱器
40 二次温調機構
41 第2循環ライン
42 第2加熱器
44 切替弁
45 温度センサ
50 吐出機構
51 第1吐出ライン
52 第2吐出ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度調節された第1の液を用いて基板を処理する液処理装置であって、
基板を保持する基板保持部が内部に設けられた処理室と、
前記基板保持部に保持された基板に対して第1の液を吐出する吐出機構と、
前記吐出機構に第1の液を供給する第1液供給機構と、を備え、
前記第1液供給機構は、第1温度に加熱された第1の液を保持する一次温調機構と、前記一次温調機構に接続された二次温調機構と、前記二次温調機構と前記吐出機構を接続する吐出ラインと、を有し、
前記一次温調機構は、第1の液を貯留する供給タンクと、前記供給タンクに接続され第1の液を循環させる第1循環ラインと、第1の液を第1温度に加熱する第1加熱器と、前記第1循環ライン上に設けられたポンプとを有し、
前記二次温調機構は、前記第1循環ラインから分岐し、前記一次温調機構に戻る第2循環ラインと、前記第2循環ラインに設けられ、第1の液を前記第1温度よりも高い供給温度に加熱する第2加熱器と、を有し、
前記吐出ラインは、前記第2加熱器よりも下流側で前記第2循環ラインから切替弁を介して分岐していることを特徴とする液処理装置。
【請求項2】
前記第1液供給機構の前記二次温調機構から前記吐出機構に第1の液を供給しない時は、前記切替弁によって第1の液が前記供給タンクへ供給されることを特徴とする請求項1に記載の液処理装置。
【請求項3】
前記第1液供給機構の前記二次温調機構から前記吐出機構に第1の液を供給する時は、前記切替弁によって第1の液が前記第2循環ラインから前記吐出ラインへ供給されることを特徴とする請求項1または2に記載の液処理装置。
【請求項4】
前記一次温調機構の前記第1循環ラインを介して前記供給タンクに戻る第1の液の流量が、前記第2温調機構から前記第2循環ラインを介して前記供給タンクに戻る第1の液の流量よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3に記載の液処理装置。
【請求項5】
前記第1液供給機構の前記二次温調機構から前記吐出機構に第1の液を供給しない時は、前記二次温調機構の前記第2加熱器を停止させることを特徴とする請求項1乃至4に記載の液処理装置。
【請求項6】
前記第1液供給機構の前記二次温調機構から前記吐出機構に第1の液を供給しない時は、前記二次温調機構の前記第2加熱器は、前記第1温度と前記供給温度との間の所定の第2温度に第1の液を加熱することを特徴とする請求項1乃至4に記載の液処理装置。
【請求項7】
前記二次温調機構は、第1の液の流量を測定する流量センサと、前記流量センサにより測定された流量が所定の下限流量を下回った場合に前記第2加熱器を停止させる停止手段と、を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の液処理装置。
【請求項8】
吐出機構に接続され、第2の液を吐出機構に供給する第2液供給機構をさらに備え、
前記吐出機構は、第1液供給機構から供給される第1の液と、前記第2液供給機構から供給される第2の液とを混合して基板に向けて吐出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の液処理装置。
【請求項9】
温度調節された第1の液を用いて基板を処理する液処理方法であって、
処理室の内部に設けられた基板保持部により基板を保持させることと、
第1液供給機構から吐出機構に第1の液を供給することと、
吐出機構により、前記基板保持部により保持された基板に対して第1の液を吐出することと、を備え、
前記第1液供給機構は、第1温度に加熱された第1の液を循環させる第1循環ラインを有する一次温調機構と、前記第1循環ラインから分岐するとともに前記一次温調機構に戻る第2循環ラインを有する二次温調機構と、前記第2循環ラインから切替弁を介して分岐するとともに前記吐出機構に接続された吐出ラインと、を有し、
吐出機構に第1の液を供給する時は、前記二次温調機構によって前記第1温度よりも高い供給温度に加熱された第1の液が前記切替弁および前記吐出ラインを介して前記吐出機構に供給され、
吐出機構に第1の液を供給しない時は、前記二次温調機構の前記第2循環ラインおよび前記切替弁を介して第1の液が前記一次温調機構に戻されることを特徴とする液処理方法。
【請求項10】
前記一次温調機構の前記第1循環ラインを循環する第1の液の流量が、前記第2温調機構から前記第2循環ラインを介して前記一次温調機構に戻る第1の液の流量よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の液処理方法。
【請求項11】
前記第1液供給機構の前記二次温調機構から前記吐出機構に第1の液を供給しない時は、前記二次温調機構によって第1の液が加熱されることなく、第1の液が前記第2循環ラインおよび前記切替弁を介して前記一次温調機構に戻される
ことを特徴とする請求項9または10に記載の液処理方法。
【請求項12】
前記第1液供給機構の前記二次温調機構から前記吐出機構に第1の液を供給しない時は、前記切替弁よりも上流側において前記二次温調機構によって第1の液が前記第1温度と前記供給温度との間の所定の第2温度に加熱された後、第1の液が前記第2循環ラインおよび前記切替弁を介して前記一次温調機構に戻される
ことを特徴とする請求項9または10に記載の液処理方法。
【請求項13】
第1の液の流量が所定の下限流量を下回った場合、前記二次温調機構は第1の液を加熱しないことを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の液処理方法。
【請求項14】
前記吐出機構において、第1液供給機構から供給される第1の液と、第2液供給機構から供給される第2の液とが混合されて基板に向けて吐出されることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の液処理方法。
【請求項15】
液処理装置を制御する制御機構によって実行されるプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記プログラムが前記制御機構によって実行されることにより、請求項9乃至14のいずれかに記載された液処理方法を液処理装置に実施させる、記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−45972(P2013−45972A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183996(P2011−183996)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】