説明

渋滞情報表示装置及びセンター装置

【課題】渋滞情報を適切な表示態様で表示し、有意義な渋滞情報を運転者に与える。
【解決手段】車載ナビゲーション装置1は、センター装置2から連続する複数本の渋滞情報を受信し、それら連続する複数本の渋滞情報を接続する接続点の接続角度が所定条件を満たすときに、連続する複数本の渋滞情報を道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報となるように接続して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センター装置が車両から受信したプローブデータ(現在位置、方位、車速)に基づいて渋滞レベルを表す所定長さの渋滞情報(渋滞線)を生成して渋滞情報表示装置に配信し、渋滞情報表示装置がセンター装置から受信した渋滞情報を道路地図データの道路リンク上に重畳して表示するように構成されてなるシステムで用いられる渋滞情報表示装置及びセンター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、センター装置が車載ナビゲーション装置から受信したプローブデータ(現在位置、方位、車速)に基づいて渋滞レベルを表す所定長さの渋滞情報(渋滞線)を生成して車載ナビゲーション装置に配信し、車載ナビゲーション装置がセンター装置から受信した渋滞情報を道路地図データの道路リンク上に重畳して表示するように構成されてなるシステムが供されている(例えば特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平7−239997号公報
【特許文献2】特開2001−194170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、渋滞情報を曲線道路の道路リンク上に重畳して表示する場合には、連続する複数の渋滞情報を折れ線の表示態様で表示することになるので、視認性の点で劣るという問題がある。特に、例えば高速道路同士が合流・分岐する所謂ジャンクションと称される箇所や高速道路と一般道路とが合流・分岐する所謂インターチェンジと称される箇所のように道路の曲率が大きい箇所ほど上記したような問題は顕著である。
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、渋滞情報を適切な表示態様で表示することで有意義な渋滞情報を運転者に与えることができる渋滞情報表示装置、渋滞情報を適切な配信態様で配信することで渋滞情報表示装置から有意義な渋滞情報を運転者に与えることができるセンター装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載した渋滞情報表示装置によれば、制御手段は、センター装置から渋滞レベルを表す所定長さの渋滞情報を渋滞情報受信手段により受信すると、道路地図データ記憶手段から道路地図データを読出し、その受信した渋滞情報を道路地図データの道路リンク上に重畳して表示手段に表示させる。ここで、制御手段は、センター装置から連続する複数の渋滞情報を受信し、それら連続する複数の渋滞情報を接続する接続点の接続角度が所定条件を満たすときであれば、連続する複数の渋滞情報を道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して表示手段に表示させる。
【0006】
これにより、連続する複数の渋滞情報を接続する接続点の接続角度が例えば第1の所定角度以下または第2の所定角度以上であり、連続する複数の渋滞情報を重畳する道路が曲線道路であると判定すると、それら連続する複数の渋滞情報を折れ線の表示態様で表示する従来のものとは異なって、それら連続する複数の渋滞情報を道路地図データの道路リンクの形状に追従する曲線の表示態様で表示することができ、視認性を高めることができ、有意義な渋滞情報を運転者に与えることができる。
【0007】
請求項2に記載した渋滞情報表示装置によれば、制御手段は、接続すべき連続する複数の渋滞情報が所定数以上であれば、接続すべき連続する複数の渋滞情報が所定数未満となるように当該所定数以上の連続する複数の渋滞情報を分割し、分割した所定数未満の連続する複数の渋滞情報を道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して表示手段に表示させる。これにより、曲線道路が続く区間では、曲線道路の全体で一の渋滞情報を表示するのではなく、曲線道路をある程度の区間毎に区切って複数の渋滞情報を表示することができ、視認性をより高めることができる。
【0008】
請求項3に記載した渋滞情報表示装置によれば、制御手段は、接続すべき連続する複数の渋滞情報が所定数未満で且つ接続数が均等となるように当該所定数以上の連続する複数の渋滞情報を分割し、分割した所定数未満の連続する複数の渋滞情報を道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して表示手段に表示させる。これにより、曲線道路をある程度の区間毎に区切って複数の渋滞情報を表示する際に、接続数が均等となるように分割して複数の渋滞情報を均等の長さで表示することができ、視認性をより高めることができる。
【0009】
請求項4に記載した渋滞情報表示装置によれば、制御手段は、渋滞レベルが異なる連続する複数の渋滞情報を接続するときには、渋滞レベル毎に渋滞レベルが同一である渋滞情報の長さの総計を計算し、当該連続する複数の渋滞情報を道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して表示手段に表示させる際に、当該一の渋滞情報を長さの総計が最大である渋滞レベルで表示手段に表示させる。これにより、渋滞レベルが異なる連続する複数の渋滞情報を接続した一の渋滞情報を信頼性の高い渋滞レベルで表示することができ、信頼性の高い渋滞情報を運転者に与えることができる。
【0010】
請求項5に記載したセンター装置によれば、制御手段は、車両からプローブデータをプローブデータ受信手段により受信すると、プローブデータ受信手段が受信したプローブデータに基づいて渋滞レベルを表す所定長さの渋滞情報を生成して渋滞情報配信手段から渋滞情報表示装置に配信させる。ここで、制御手段は、生成した連続する複数の渋滞情報を接続する接続点の接続角度が所定条件を満たすときであれば、連続する複数の渋滞情報を道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して渋滞情報配信手段から渋滞情報表示装置に配信させる。
【0011】
これにより、連続する複数の渋滞情報を接続する接続点の接続角度が例えば第1の所定角度以下または第2の所定角度以上であり、連続する複数の渋滞情報を重畳する道路が曲線道路であると判定すると、それら連続する複数の渋滞情報を道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して配信することにより、渋滞情報表示装置では、上記した請求項1に記載したものと同様にして、連続する複数の渋滞情報を道路地図データの道路リンクの形状に曲線の表示態様で表示することができ、視認性を高めることができ、有意義な渋滞情報を運転者に与えることができる。
【0012】
請求項6に記載したセンター装置によれば、制御手段は、接続すべき連続する複数の渋滞情報が所定数以上であれば、接続すべき連続する複数の渋滞情報が所定数未満となるように当該所定数以上の連続する複数の渋滞情報を分割し、分割した所定数未満の連続する複数の渋滞情報を道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して渋滞情報配信手段から渋滞情報表示装置に配信させる。これにより、曲線道路が続く区間では、曲線道路の全体で一の渋滞情報を配信するのではなく、曲線道路をある程度の区間毎に区切って複数の渋滞情報を配信することにより、渋滞情報表示装置では、上記した請求項2に記載したものと同様にして、曲線道路をある程度の区間毎に区切って複数の渋滞情報を表示することができ、視認性をより高めることができる。
【0013】
請求項7に記載したセンター装置によれば、制御手段は、接続すべき連続する複数の渋滞情報が所定数未満で且つ接続数が均等となるように当該所定数以上の連続する複数の渋滞情報を分割し、分割した所定数未満の連続する複数の渋滞情報を道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して渋滞情報配信手段から渋滞情報表示装置に配信させる。これにより、曲線道路をある程度の区間毎に区切って複数の渋滞情報を配信する際に、接続数が均等となるように分割して複数の渋滞情報を均等の長さで配信することにより、渋滞情報表示装置では、上記した請求項3に記載したものと同様にして、接続数が均等となるように分割して複数の渋滞情報を均等の長さで表示することができ、視認性をより高めることができる。
【0014】
請求項8に記載したセンター装置によれば、制御手段は、渋滞レベルが異なる渋滞情報を接続するときには、渋滞レベル毎に渋滞レベルが同一である渋滞情報の長さの総計を計算し、当該連続する複数の渋滞情報を道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して渋滞情報配信手段から渋滞情報表示装置に配信させる際に、当該一の渋滞情報を長さの総計が最大である渋滞レベルで渋滞情報配信手段から渋滞情報表示装置に配信させる。これにより、渋滞情報表示装置では、上記した請求項4に記載したものと同様にして、渋滞レベルが異なる連続する複数の渋滞情報を接続した一の渋滞情報を信頼性の高い渋滞レベルで表示することができ、信頼性の高い渋滞情報を運転者に与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を、車載ナビゲーション装置に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は車載ナビゲーション装置の構成を機能ブロックの組み合わせにより示しており、図2はシステムの全体構成を概略的に示している。
【0016】
車両に搭載されている車載ナビゲーション装置1(本発明でいう渋滞情報表示装置)と交通情報センターに設置されているセンター装置2とは移動通信網を介して通信可能に構成されている。車載ナビゲーション装置1とセンター装置2とはN(不特定多数)対1の関係にあり、センター装置2は、不特定多数の車載ナビゲーション装置1と移動通信網を介して通信可能に構成されている。
【0017】
車載ナビゲーション装置1は、制御部3(本発明でいう渋滞情報表示装置の制御手段)、位置検出器4、道路地図データ入力器5、操作スイッチ群6、通信装置7(本発明でいう渋滞情報受信手段)、外部メモリ8、表示装置9(本発明でいう表示手段)、音声コントローラ10、音声認識装置11及びリモコンセンサ12を備えて構成されている。
【0018】
制御部3は、CPU、RAM、ROM及びI/Oバスを有し、周知のマイクロコンピュータから構成され、制御プログラムを実行することにより装置全体の動作を制御する。位置検出器4は、Gセンサ4a、ジャイロスコープ4b、距離センサ4c及びGPS受信機4dを備えて構成され、これらの各構成要素は互いに性質の異なる検出誤差を有している。制御部3は、これら各構成要素から入力した検出信号を互いに補完して現在位置を検出(特定)する。この場合、位置検出器4は、要求される検出精度で現在位置を検出可能であれば、これら全ての構成要素を備える必要はなく、また、ステアリングの舵角を検出するステアリングセンサや各車輪の回転を検出する車輪センサなどが組み合わされて構成されていても良い。
【0019】
道路地図データ入力器5は、例えばDVD−ROMからなる記録媒体13(本発明でいう道路地図データ記憶手段)を装着し、記録媒体13に記録されている道路地図データ(道路種別、道路形状及びノード情報などを含む)、目印データ及びマップマッチング用データなどを入力する。尚、記録媒体13は、CD−ROM、メモリカード或いはHDDなどであっても良い。操作スイッチ群6は、表示装置9の周辺に配置されているメカニカルスイッチや表示装置9に形成されるタッチスイッチから構成され、運転者を含む乗員が行う操作内容(例えばメニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、表示画面変更及び音量調整など)を検出して制御部3に出力する。
【0020】
通信装置7は、センター装置2との間で移動通信網を介した通信を行う。外部メモリ8は、HDDなどの大容量記憶装置から構成され、大容量のデータや電源オフでも保持されるべきデータなどを記憶する。表示装置9は、例えばカラー液晶ディスプレイから構成され、メニュー表示選択画面などの各種の表示画面を表示したり現在位置を表す現在位置図形や走行軌跡などを道路地図データの道路リンク上に重畳して表示したりする。尚、表示装置9は、有機ELやプラズマディスプレイなどから構成されていても良い。
【0021】
音声コントローラ10は、音声認識装置11を動作制御すると共に、スピーカ14から例えば経路案内の音声ガイダンスなどを出力させる。音声認識装置11は、マイク15が入力した音声を音声認識アルゴリズムにしたがって音声認識する。リモコンセンサ12は、操作リモコン16から受信した操作信号を制御部3に出力する。
【0022】
尚、制御部3は、その機能毎に、道路地図データを取得する道路地図データ取得部、現在位置と道路地図データ取得部が取得した道路地図データを比較して現在位置が存在する道路リンクを特定するマップマッチング部、マップマッチング部が特定した現在位置から乗員が設定した目的地までの経路を探索する経路探索部、経路探索部が探索した経路及び道路地図データに含まれている交差点の位置データなどに基づいて経路案内に必要な地点を算出して経路案内する経路案内部、現在位置周辺の地図や高速道路の略図や交差点付近の拡大図などを描画する描画部などを備えている。
【0023】
また、制御部3は、現在位置、方位及び車速を1単位とするプローブデータを通信装置7から移動通信網を介してセンター装置2に定期的に送信させると共に、センター装置2から配信された渋滞情報(渋滞線)を通信装置7により受信すると、その受信した渋滞情報を記録媒体13から読出した道路地図データの道路リンク上に重畳して表示する。尚、このように構成された車載ナビゲーション装置1が搭載されている車両は、特に用途が限定される車両でなくても良い。
【0024】
センター装置2は、制御部17(本発明でいうセンター装置の制御手段)、車載ナビゲーション装置1から送信されたプローブデータを受信するプローブデータ受信部18(本発明でいうプローブデータ受信手段)、渋滞情報を配信する渋滞情報配信部19(本発明でいう渋滞情報配信手段)、道路地図データを格納する道路地図データベース20(本発明でいう道路地図データ記憶手段)、渋滞情報を格納する渋滞情報データベース21を備えて構成されている。制御部17は、CPU、RAM、ROM及びI/Oバスを有し、周知のマイクロコンピュータから構成され、制御プログラムを実行することにより装置全体の動作を制御する。
【0025】
この場合、制御部17は、車載ナビゲーション装置1から送信されたプローブデータをプローブデータ受信部18により受信すると、その受信したプローブデータから現在位置及び方位を抽出し、その抽出した現在位置及び方位に対応する道路地図データを道路地図データベース20から読出し、現在位置を道路地図データベース20から読出した道路地図データの道路リンクにマップマッチングする。また、制御部17は、プローブデータから車速を抽出し、現在位置をマップマッチングした道路リンクに対して当該抽出した車速に応じて渋滞情報を生成する。
【0026】
具体的には、プローブデータから抽出した車速が「時速10km未満」であれば、当該道路リンクの渋滞レベルを交通量が多いことを表す「渋滞」と特定する渋滞情報を生成し、車速が「時速20km未満」であれば、当該道路リンクの渋滞レベルを交通量が中くらいであることを表す「混雑」と特定する渋滞情報を生成し、車速が「時速20km以上」であれば、当該道路リンクの渋滞レベルを交通量が少ないことを表す「空き道」と特定する渋滞情報を生成する。そして、制御部17は、このようにして渋滞情報を生成する毎に、その生成した渋滞情報と道路リンクとの対応を渋滞情報データベース21に書込んで渋滞情報データベース21を更新すると共に、最新の渋滞情報を渋滞情報配信部19から車載ナビゲーション装置1に配信させる。
【0027】
車載ナビゲーション装置1において、制御部3は、センター装置2から配信された渋滞情報を通信装置7により受信すると、その受信した渋滞情報を重畳する道路地図データの道路リンクを記録媒体13から読出し、その受信した渋滞情報を該当する道路地図データの道路リンク上に重畳して表示装置9に表示させる。この場合、制御部3は、センター装置2から受信した渋滞情報を渋滞レベルに応じて表示態様(例えば表示色)を異ならせて表示させる。
【0028】
具体的には、制御部3は、センター装置2から受信した渋滞情報の渋滞レベルが「渋滞」であれば、その渋滞情報を赤色で表示させ、センター装置2から受信した渋滞情報の渋滞レベルが「混雑」であれば、その渋滞情報を橙色で表示させ、センター装置2から受信した渋滞情報の渋滞レベルが「空き道」であれば、その渋滞情報を青色で表示させる。つまり、運転者は、表示される渋滞情報の表示色を確認することにより、渋滞レベルの大小(渋滞の度合い)を確認することができる。
【0029】
次に、上記した構成の作用について、図3ないし図6を参照して説明する。
車載ナビゲーション装置1において、制御部3は、センター装置2から配信された渋滞情報を通信装置7により受信したか否かを判定しており(ステップS1)、センター装置2から配信された渋滞情報を通信装置7により受信した旨を判定すると(ステップS1にて「YES」)、その受信した渋滞情報が連続する箇所が存在するか否かを判定する(ステップS2)。次いで、制御部3は、渋滞情報が連続する箇所が存在する旨を判定すると(ステップS2にて「YES」)、それら連続する複数本の渋滞情報を接続する接続点の接続角度が第1の所定角度以下または第2の所定角度以上であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0030】
ここで、接続点の接続角度とは、図4に示すように、連続する複数本の渋滞情報を重畳する道路のカーブの程度を示す指標であり、制御部3は、接続角度(R)が第1の所定角度(例えば150度)を超えて第2の所定角度(例えば210度)未満の範囲内であれば、連続する複数本の渋滞情報を重畳する道路が直線道路である旨を判定し、接続角度が第1の所定角度以下あれば、連続する複数本の渋滞情報を重畳する道路が進行方向から見て左側にカーブする曲線道路である旨を判定し、接続角度が第2の所定角度以上あれば、連続する複数本の渋滞情報を重畳する道路が進行方向から見て右側にカーブする曲線道路である旨を判定する。尚、ここでいう第1の所定角度及び第2の所定角度は予め設定されている固定値であっても良いしユーザなどが自在に設定可能な可変値であっても良い。
【0031】
制御部3は、連続する複数本の渋滞情報を接続する接続点の接続角度が第1の所定角度以下または第2の所定角度以上である旨を判定すると(ステップS3にて「YES」)、その接続角度が第1の所定角度以下または第2の所定角度以上である条件を満たす接続点が連続し、接続すべき連続する複数本の渋滞情報が所定数以上であるか否かを判定する(ステップS4)。尚、ここでいう所定数も予め設定されている固定値であっても良いしユーザなどが自在に設定可能な可変値であっても良い。そして、制御部3は、接続すべき連続する複数本の渋滞情報が所定数未満である(所定数以上でない)旨を判定すると(ステップS4にて「NO」)、それら連続する複数本の渋滞情報を記録媒体13から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報となるように接続する(ステップS5)。
【0032】
これに対して、制御部3は、接続すべき連続する複数本の渋滞情報が所定数以上である旨を判定すると(ステップS4にて「YES」)、接続すべき連続する複数本の渋滞情報が所定数未満となるように分割し(ステップS6)、記録媒体13から該当する道路地図データを読出し、分割した所定数未満の連続する複数本の渋滞情報を記録媒体13から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報となるように接続する(ステップS5)。
【0033】
そして、制御部3は、連続する複数本の渋滞情報の各々の渋滞レベルに基づいて表示すべき渋滞レベルを特定し(ステップS7)、連続する複数本の渋滞情報を接続した道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報を当該特定した渋滞レベルで表示装置9に表示させる(ステップS8)。
【0034】
具体的には、連続する複数本の渋滞情報を分割するか否かの判断基準である所定数を「4」に設定している場合を例にして説明すると、制御部3は、図5(a)に示すように、渋滞レベルが「渋滞」である2本の渋滞情報(a1,a2)が、その接続点の接続角度が第1の所定角度以下または第2の所定角度以上である条件を満たして接続している場合であれば、表示すべき渋滞レベルとして2本の渋滞情報(a1,a2)に共通する「渋滞」を特定し、それら連続する2本の渋滞情報(a1,a2)を接続した道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報(b1)を「渋滞」の渋滞レベルで表示装置9に表示させる。
【0035】
また、制御部3は、図5(b)に示すように、渋滞レベルが「渋滞」である渋滞情報(a1)と渋滞レベルが「混雑」である渋滞情報(a2)との2本の渋滞情報が、その接続点の接続角度が第1の所定角度以下または第2の所定角度以上である条件を満たして接続している場合であれば、表示すべき渋滞レベルとして渋滞情報の長さが長い方の渋滞情報(a1)の渋滞レベルを優先して「渋滞」を特定し、それら連続する複数本の渋滞情報(a1,a2)を接続した道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報(b1)を「渋滞」の渋滞レベルで表示装置9に表示させる。
【0036】
また、制御部3は、図6(a)に示すように、渋滞レベルが「渋滞」である6本の渋滞情報(a11〜a16)が、それら全ての接続点の接続角度が第1の所定角度以下または第2の所定角度以上である条件を満たして接続している場合であれば、6本の渋滞情報を3本の渋滞情報毎に分割し、前半部分で表示すべき渋滞レベルとして3本の渋滞情報(a11〜a13)に共通する「渋滞」を特定すると共に、後半部分で表示すべき渋滞レベルとして3本の渋滞情報(a14〜a16)に共通する「渋滞」を特定し、それら前半部分の連続する3本の渋滞情報(a11〜a13)を接続した道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報(b11)を「渋滞」の渋滞レベルで表示装置9に表示させると共に、それら後半部分の連続する3本の渋滞情報(a14〜a16)を接続した道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報(b12)を「渋滞」の渋滞レベルで表示装置9に表示させる。
【0037】
さらに、制御部3は、図6(b)に示すように、渋滞レベルが「渋滞」である3本の渋滞情報(a11,a12,a15)と渋滞レベルが「混雑」である3本の渋滞情報(a13,a14,a16)が、それら全ての接続点の接続角度が第1の所定角度以下または第2の所定角度以上である条件を満たして接続している場合であれば、6本の渋滞情報を3本の渋滞情報毎に分割し、前半部分(a11〜a13)で表示すべき渋滞レベルとして渋滞情報の長さの総計が長い方の渋滞情報(a11、a12)の渋滞レベルを優先して「渋滞」を特定すると共に、後半部分(a14〜a16)で表示すべき渋滞レベルとして渋滞情報の長さの総計が長い方の渋滞情報(a14、a16)の渋滞レベルを優先して「混雑」を特定し、それら前半部分の連続する3本の渋滞情報(a11〜a13)を接続した道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報(b11)を「渋滞」の渋滞レベルで表示装置9に表示させると共に、それら後半部分の連続する3本の渋滞情報(a14〜a16)を接続した道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報(b12)を「混雑」の渋滞レベルで表示装置9に表示させる。尚、図6では、6本の渋滞情報を3本の渋滞情報毎に分割する場合を説明したが、6本の渋滞情報を4本の渋滞情報と2本の渋滞情報とに分割しても良い。
【0038】
ところで、以上は、車載ナビゲーション装置1において、センター装置2から受信した連続する複数本の渋滞情報を接続して道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報を表示する場合を説明したが、センター装置2において、車載ナビゲーション装置1から受信したプローブデータに基づいて渋滞情報を生成する際に、連続する複数本の渋滞情報を接続して道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報を生成し、その生成した道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報を車載ナビゲーション装置1に配信するようにしても良い。
【0039】
すなわち、センター装置2において、制御部17は、車載ナビゲーション装置1から送信されたプローブデータをプローブデータ受信部18により受信すると、その受信したプローブデータに基づいて渋滞情報を生成し、生成した連続する複数本の渋滞情報を接続する接続点の接続角度が所定条件を満たすときに、それら連続する複数本の渋滞情報を道路地図データベース20から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報となるように接続して渋滞情報配信部19から車載ナビゲーション装置1に配信させるようにしても良い。
【0040】
以上に説明したように本実施形態によれば、車載ナビゲーション装置1において、センター装置2から連続する複数本の渋滞情報を受信し、それら連続する複数本の渋滞情報を接続する接続点の接続角度が所定条件を満たすときに、それら連続する複数本の渋滞情報を道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報となるように接続して表示するように構成したので、連続する複数本の渋滞情報を折れ線の表示態様で表示する従来のものとは異なって、それら連続する複数本の渋滞情報を道路地図データの道路リンクの形状に追従する曲線の表示態様で表示することができ、視認性を高めることができ、有意義な渋滞情報を運転者に与えることができる。
【0041】
また、接続すべき連続する複数本の渋滞情報が所定数以上であれば、接続すべき連続する複数本の渋滞情報が所定数未満となるように当該所定数以上の連続する複数本の渋滞情報を分割し、分割した所定数未満の連続する複数本の渋滞情報を道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報となるように接続して表示するように構成したので、曲線道路が続く区間では、曲線道路の全体で1本の渋滞情報を表示するのではなく、曲線道路をある程度の区間毎に区切って複数本の渋滞情報を表示することができ、視認性をより高めることができる。
【0042】
また、接続数が均等となるように当該所定数以上の連続する複数本の渋滞情報を分割し、分割した所定数未満の連続する複数本の渋滞情報を道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報となるように接続して表示するように構成したので、曲線道路をある程度の区間毎に区切って複数本の渋滞情報を表示する際に、接続数が均等となるように分割して複数本の渋滞情報を均等の長さで表示することができ、視認性をより高めることができる。
【0043】
さらに、渋滞レベルが異なる連続する複数本の渋滞情報を接続するときには、渋滞レベル毎に渋滞レベルが同一である渋滞情報の長さの総計を計算し、当該連続する複数本の渋滞情報を道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報となるように接続して表示する際に、当該1本の渋滞情報を長さの総計が最大である渋滞レベルで表示するように構成したので、渋滞レベルが異なる連続する複数本の渋滞情報を接続した1本の渋滞情報を信頼性の高い渋滞レベルで表示することができ、信頼性の高い渋滞情報を運転者に与えることができる。
【0044】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
連続する複数本の渋滞情報を分割するか否かの判断基準である所定数は「4」以外であても良い。
渋滞レベルが異なる連続する複数本の渋滞情報を接続するときに、渋滞レベルが同一である渋滞情報の長さの総計を計算し、連続する複数本の渋滞情報を接続した1本の渋滞情報を長さの総計が最大である渋滞レベルを優先して表示することに限らず、連続する複数本の渋滞情報を接続した1本の渋滞情報を自車両に近い渋滞レベルを優先して表示するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、車載ナビゲーション装置の機能ブロック図
【図2】システムの全体構成を示す図
【図3】フローチャート
【図4】連続する複数本の渋滞情報の接続角度を示す図
【図5】連続する複数本の渋滞情報を接続する態様を示す図
【図6】図5相当図
【符号の説明】
【0046】
図面中、1は車載ナビゲーション装置(渋滞情報表示装置)、2はセンター装置、3は制御部(渋滞情報表示装置の制御手段)、7は通信装置(渋滞情報受信手段)、9は表示装置(表示手段)、13は記録媒体(道路地図データ記憶手段)、17は制御部(センター装置の制御手段)、18はプローブデータ受信部(プローブデータ受信手段)、19は渋滞情報配信部(渋滞情報配信手段)、20は道路地図データベース(道路地図データ記憶手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センター装置から渋滞レベルを表す所定長さの渋滞情報を受信する渋滞情報受信手段と、道路地図データを記憶している道路地図データ記憶手段から道路地図データを読出し、前記渋滞情報受信手段が受信した渋滞情報を前記道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンク上に重畳して表示手段に表示可能な制御手段とを備えた渋滞情報表示装置であって、
前記制御手段は、前記渋滞情報受信手段が受信した連続する複数の渋滞情報を接続する接続点の接続角度が所定条件を満たすときには、それら連続する複数の渋滞情報を前記道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して前記表示手段に表示させることを特徴とすることを特徴とする渋滞情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載した渋滞情報表示装置において、
前記制御手段は、接続すべき連続する複数の渋滞情報が所定数以上であるときには、接続すべき連続する複数の渋滞情報が所定数未満となるように当該所定数以上の連続する複数の渋滞情報を分割し、分割した所定数未満の連続する複数の渋滞情報を前記道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して前記表示手段に表示させることを特徴とすることを特徴とする渋滞情報表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載した渋滞情報表示装置において、
前記制御手段は、接続すべき連続する複数の渋滞情報が所定数未満で且つ接続数が均等となるように当該所定数以上の連続する複数の渋滞情報を分割し、分割した所定数未満の連続する複数の渋滞情報を前記道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して前記表示手段に表示させることを特徴とする渋滞情報表示装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載した渋滞情報表示装置において、
前記制御手段は、渋滞レベルが異なる連続する複数の渋滞情報を接続するときには、渋滞レベル毎に渋滞レベルが同一である渋滞情報の長さの総計を計算し、当該連続する複数の渋滞情報を前記道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して前記表示手段に表示させる際に、当該一の渋滞情報を長さの総計が最大である渋滞レベルで前記表示手段に表示させることを特徴とすることを特徴とする渋滞情報表示装置。
【請求項5】
車両からプローブデータを受信するプローブデータ受信手段と、道路地図データを記憶している道路地図データ記憶手段と、前記プローブデータ受信手段が受信したプローブデータに基づいて渋滞レベルを表す所定長さの渋滞情報を生成して渋滞情報配信手段から渋滞情報表示装置に配信させる制御手段とを備えたセンター装置であって、
前記制御手段は、生成した連続する複数の渋滞情報を接続する接続点の接続角度が所定条件を満たすときには、それら連続する複数の渋滞情報を前記道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して前記渋滞情報配信手段から渋滞情報表示装置に配信させることを特徴とすることを特徴とするセンター装置。
【請求項6】
請求項5に記載したセンター装置において、
前記制御手段は、接続すべき連続する複数の渋滞情報が所定数以上であるときには、接続すべき連続する複数の渋滞情報が所定数未満となるように当該所定数以上の連続する複数の渋滞情報を分割し、分割した所定数未満の連続する複数の渋滞情報を前記道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して前記渋滞情報配信手段から渋滞情報表示装置に配信させることを特徴とすることを特徴とするセンター装置。
【請求項7】
請求項6に記載したセンター装置において、
前記制御手段は、接続すべき連続する複数の渋滞情報が所定数未満で且つ接続数が均等となるように当該所定数以上の連続する複数の渋滞情報を分割し、分割した所定数未満の連続する複数の渋滞情報を前記道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して前記渋滞情報配信手段から渋滞情報表示装置に配信させることを特徴とするセンター装置。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれかに記載したセンター装置において、
前記制御手段は、渋滞レベルが異なる連続する複数の渋滞情報を接続するときには、渋滞レベル毎に渋滞レベルが同一である渋滞情報の長さの総計を計算し、当該連続する複数の渋滞情報を前記道路地図データ記憶手段から読出した道路地図データの道路リンクの形状に追従する一の渋滞情報となるように接続して前記渋滞情報配信手段から渋滞情報表示装置に配信させる際に、当該一の渋滞情報を長さの総計が最大である渋滞レベルで前記渋滞情報配信手段から渋滞情報表示装置に配信させることを特徴とすることを特徴とするセンター装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−93407(P2009−93407A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263259(P2007−263259)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】