説明

現像カートリッジおよび画像形成装置

【課題】像担持体に対する現像剤担持体の良好な押圧状態を維持し続けることができる現像カートリッジおよびこれを備える画像形成装置を提供すること。
【解決手段】現像カートリッジ27には、取っ手214が備えられている。コイルばね218は、取っ手214の下面と当接部材217との間で圧縮された状態に設けられている。これにより、現像カートリッジ27の交換の度に、その現像カートリッジ27が装着されるカラーレーザプリンタに新品のコイルばね218および取っ手214を備えることができる。そのため、コイルばね218の付勢力を一定に保ち続けることができ、感光ドラム29に対する現像ローラ39の良好な押圧状態を維持し続けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置およびこれに備えられる現像カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応した感光体が水平方向に並列に配置される、いわゆるタンデム型の画像形成装置が知られている。このタンデム型の画像形成装置では、各感光体に各色トナー像がほぼ同時に形成され、各感光体を順次通過する用紙に、各感光体から各色のトナー像を順次に色重ねして転写されるので、モノクロ画像形成装置とほぼ同じ速度でカラー画像を形成することができる。
【0003】
このようなタンデム型の画像形成装置として、感光体に形成される静電潜像をトナー像に現像するための現像カートリッジを装置本体に対して着脱自在に備えたものが提案されている。たとえば、特許文献1では、各色の感光体をフレームで一体に支持した構成の感光体カートリッジを備え、この感光体カートリッジを装置本体に対してスライドにより装着および離脱可能に設けるとともに、各色の現像カートリッジを感光体カートリッジに対して着脱可能に設けたものが提案されている。
【0004】
現像カートリッジには、感光体にトナーを供給するための現像ローラが備えられている。装置本体には、ばねなどの弾性部材が備えられており、現像カートリッジが装置本体に装着された状態では、その弾性部材により現像カートリッジが付勢されて、現像ローラが感光体に対して所定の押圧力で押圧される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−15378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、弾性部材が現像カートリッジを付勢する付勢力は、弾性部材の劣化に伴って次第に減少する。弾性部材の付勢力が減少すると、感光体に対する現像ローラの押圧力が減少し、トナーの供給量不足に起因する現像不良を生じるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、像担持体に対する現像剤担持体の良好な押圧状態を維持し続けることができる現像カートリッジおよびこれを備える画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、現像カートリッジにおいて、静電潜像が形成される像担持体に現像剤を供給して、当該静電潜像を可視像化するための現像剤担持体と、現像剤を収容し、前記現像剤担持体が支持される現像剤担持体支持部を一方側端部に有する筐体と、前記筐体における前記現像剤担持体支持部と反対側の他方側端部に、前記現像剤担持体の軸方向に延びる回動軸線を中心に回動自在に設けられ、前記筐体よりも前記現像剤担持体の軸方向における外方に突出し、外部から押圧力が入力される突出部、および、前記筐体の前記軸方向の側面よりも前記軸方向における内方に、前記軸方向に間隔を隔てて2つ設けられ、前記突出部に押圧力が入力されたときに、前記現像剤担持体が前記像担持体に押圧される方向に前記筐体を付勢する付勢部を有し、当該押圧力により回動して、前記付勢部を介して前記現像剤担持体が前記像担持体に押圧される方向に前記筐体を押圧する押圧部材とを備えていることを特徴としている。
【0008】
このような構成によると、押圧部材が現像カートリッジに備えられているので、現像カートリッジの交換の度に、その現像カートリッジが装着される画像形成装置に新品の押圧部材を備えることができる。そのため、押圧部材が筐体を付勢する力を一定に保ち続けることができ、像担持体に対する現像剤担持体の良好な押圧状態を維持し続けることができる
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記押圧部材は、前記現像カートリッジを移動させる際に把持される取っ手を兼ねていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によると、取っ手が備えられているので、その取っ手を把持して、現像器を移動させることができる。また、押圧部材が取っ手を兼ねるとともに、その押圧部材が回動自在であるので、取っ手として使用する際には開く方向に回動し、押圧部材として作用する際には閉じる方向に回動させることができる。しかも、押圧部材と取っ手とを別々に設けた構成よりも部品点数を少なくすることができる。そのため、現像カートリッジの操作性を優れたものとすることができながら、部品点数の低減を図ることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記押圧部材に設けられ、前記押圧力による前記付勢部の弾性変形をガイドするガイド部材を備えていることを特徴としている。
このような構成によると、ガイド部材によって、付勢部の弾性変形がガイドされる。そのため、付勢部に押圧力が入力されるときに、付勢部の姿勢を安定に保ちながら、付勢部を弾性変形させることができる。その結果、現像剤担持体を像担持体に向けて確実に付勢することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記付勢部は、1N以上20N以下の付勢力を発生させることを特徴としている。
このような構成によると、付勢部の付勢力が1N以上であれば、付勢力の不足による現像剤担持体の像担持体に対する片当たりを防止することができる。また、付勢部の付勢力が20N以下であれば、付勢力が大きすぎることがなく、像担持体の所望しない領域に現像剤が付着する、いわゆる押圧かぶりの発生を防止することができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、前記現像カートリッジは、各色に対応して設けられる複数の前記像担持体を備えるカラー画像形成装置に用いられることを特徴としている。
このような構成によると、現像カートリッジごとに、筐体に収容されている現像剤の種類(色)に応じた適切な付勢力を設定することができ、その付勢力により現像剤担持体を像担持体に対して良好に押圧させることができる。そのため、各像担持体にそれぞれ対応する色の現像剤を良好に供給することができる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記現像カートリッジは、前記カラー画像形成装置において、前記筐体の前記一方側端部が相対的に下方に位置し、前記筐体の前記他方側端部が相対的に上方に位置するように配置されることを特徴としている。
このような構成では、現像カートリッジの自重が像担持体に対する現像剤担持体の押圧に作用する。そのため、筐体内に収容される現像剤量や筐体の設計が変更されることにより、現像カートリッジの自重が変わると、像担持体に対する現像剤担持体の押圧の状態が変化する。現像カートリッジに押圧部材が備えられているので、現像カートリッジの自重が変更されても、付勢部の付勢力を調節することにより、現像剤担持体を像担持体に対して所定の押圧状態で押圧させることができる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の発明において、前記カラー画像形成装置は、装置本体と、前記装置本体に対して着脱可能に装着され、複数の前記像担持体を一体的に保持する像担持体ユニットとを備えており、前記現像カートリッジは、前記像担持体ユニットに対して着脱可能に装着され、前記押圧部材は、前記現像カートリッジが前記像担持体ユニットに装着された状態で、前記像担持体ユニットの着脱方向と交差する方向に延びる回動軸線を中心に、当該着脱方向と交差する起立状態と前記像担持体ユニットの装着時の移動方向の上流側に傾倒する傾倒状態とに回動可能に設けられていることを特徴としている。
【0015】
このような構成によると、押圧部材が起立状態と傾倒状態とに回動可能に設けられているので、像担持体ユニットを装置本体に装着するときに、起立状態の押圧部材の移動経路上に障害物(装置本体の構成部材)が存在しても、その起立状態の押圧部材は、障害物との衝突により起立状態から傾倒状態に回動する。そのため、押圧部材が像担持体ユニットの装着の妨げになるのを防止することができ、像担持体ユニットの装置本体に対するスムーズな装着を確保することができる。
【0016】
請求項8に記載の発明は、画像形成装置において、請求項1ないし7のいずれかに記載の現像カートリッジと、前記押圧部材に押圧力を入力する押圧力入力部材とを備えていることを特徴としている。
このような構成によると、像担持体に対する現像剤担持体の良好な押圧状態を維持し続けることができる現像カートリッジを備えているので、現像剤担持体から像担持体への現像剤の良好な供給を確保することができる。そのため、像担持体に形成される静電潜像の良好な可視像化を達成することができ、高品質な画像を形成することができる。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、装置本体と、前記装置本体に対して着脱可能に装着され、複数の像担持体を一体的に保持する像担持体ユニットとを備え、前記現像カートリッジは、前記像担持体ユニットに対して着脱可能に装着されることを特徴としている。
このような構成によると、複数の像担持体を保持する像担持体ユニットを、装置本体に対して着脱させることができる。そのため、ジャム処理や部品交換などのメンテナンス作業の容易化を図ることができる。
【0018】
また、複数の現像カートリッジを像担持体ユニットに対して着脱可能に装着することができる。そのため、現像カートリッジを個別に交換することができ、メンテナンスのための費用(メンテナンスコスト)の低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、像担持体に対する現像剤担持体の良好な押圧状態を維持し続けることができる。
請求項2に記載の発明によれば、現像カートリッジの操作性を優れたものとすることができながら、部品点数の低減を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、現像剤担持体を像担持体に向けて確実に付勢することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、現像剤担持体の像担持体に対する片当たりおよび押圧かぶりの発生を防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、各像担持体にそれぞれ対応する色の現像剤を良好に供給することができる。
請求項6に記載の発明によれば、現像カートリッジの自重が変更されても、付勢部の付勢力を調節することにより、現像剤担持体を像担持体に対して所定の押圧状態で押圧させることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、押圧部材が像担持体ユニットの装着の妨げになるのを防止することができ、像担持体ユニットの装置本体に対するスムーズな装着を確保することができる。
請求項8に記載の発明によれば、像担持体に形成される静電潜像の良好な可視像化を達成することができ、高品質な画像を形成することができる。
【0022】
請求項9に記載の発明によれば、ジャム処理や部品交換などのメンテナンス作業の容易化を図ることができ、かつ、メンテナンスコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のカラー画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1に示す現像カートリッジおよびドラムサブユニットの側断面図である。
【図3】図1に示すドラムユニット(4つの現像カートリッジが装着された状態)の左後上方から見た斜視図である。
【図4】図1に示すドラムユニット(1つの現像カートリッジが着脱途中であり、その他の現像カートリッジが離脱された状態)の左前上方から見た斜視図である。
【図5】図1に示すドラムユニットの左側面図である。
【図6】図1に示す現像カートリッジの左後方から見た斜視図であり、取っ手の傾倒状態が示されている。
【図7】図1に示す現像カートリッジの左後方から見た斜視図であり、取っ手の起立状態が示されている。
【図8】図1に示す現像カートリッジの左前方から見た斜視図であり、取っ手の傾倒状態が示されている。
【図9】図1に示す現像カートリッジの左前方から見た斜視図であり、取っ手の起立状態が示されている。
【図10】図1に示す現像カートリッジの平面図である。
【図11】図1に示す現像カートリッジの右側面図である。
【図12】図11に示す現像カートリッジの切断線A−Aにおける断面図である。
【図13】図1に示す現像カートリッジの右側断面図であり、取っ手の傾倒状態が示されている。
【図14】図1に示す現像カートリッジの右側断面図であり、取っ手の押圧状態が示されている。
【図15】図1に示す本体ケーシングおよびドラムユニットの右前上方から見た斜視図であり、本体ケーシングの外装板およびフロントカバーが取り外され、その本体ケーシングにドラムユニットが装着された状態が示されている。
【図16】図15に示すドラムユニットならびに左右のレールおよび離間押圧機構の右前上方から見た斜視図である。
【図17】図16に示すレールおよび離間押圧機構の右前上方から見た斜視図である。
【図18】図17に示す直動カム部材、中間部材および同期移動機構の右前上方から見た斜視図である。
【図19】図18に示す直動カム部材および中間部材の動きを説明するための斜視図である。
【図20】図19(a)の状態における直動カム部材および中間部材の右側面図である。
【図21】図19(c)の状態における直動カム部材および中間部材の右側面図である。
【図22】図19(e)の状態における直動カム部材および中間部材の右側面図である。
【図23】現像カートリッジの他の実施形態(板ばね部材を備える態様)を示す斜視図である。
【図24】現像カートリッジの他の実施形態(現像フレームの上壁の幅方向全幅にわたって弾性部材を設ける態様)を示す斜視図であり、取っ手の傾倒状態が示されている。
【図25】図24に示す現像カートリッジの斜視図であり、取っ手の起立状態が示されている。
【図26】現像カートリッジの他の実施形態(押圧突起に弾性リングが装着される態様)を示す斜視図であり、その現像カートリッジの右前上方から見た状態が示されている。
【図27】図26に示す現像カートリッジの左前上方から見た状態が示されている。
【図28】図27に示す現像カートリッジの左側上端部の斜視図である。
【図29】現像カートリッジの他の実施形態(コイルばねが取っ手に設けられる態様)を示す左前方から見た斜視図であり、取っ手の傾倒状態が示されている。
【図30】図29に示す現像カートリッジの左前方から見た斜視図であり、取っ手の起立状態が示されている。
【図31】図29に示す現像カートリッジの前方から見た正面図である。
【図32】図31に示す現像カートリッジの切断線B−Bにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1は、本発明のカラー画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
このカラーレーザプリンタ1は、後述する複数のドラムサブユニット28が水平方向において並列的に配置される、横置きタイプのタンデム型カラーレーザプリンタであって、装置本体の一例としての本体ケーシング2内に、用紙3を給紙するための給紙部4と、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5と、画像が形成された用紙3を排紙するための排紙部6とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、側面視略矩形状のボックス形状をなしており、その内部に、後述するドラムユニット26を収容するドラム収容空間7が形成されている。
【0025】
本体ケーシング2の一方側面には、ドラム収容空間7に連通する着脱口8が形成されている。また、その着脱口8が形成されている側面には、着脱口8を開閉するためのフロントカバー9が設けられている。このフロントカバー9は、本体ケーシング2の側方に傾倒して、着脱口8を開放し、本体ケーシング2の一方側面に沿って起立して、着脱口8を閉鎖する。着脱口8を開放した状態で、この着脱口8を介して、ドラムユニット26をドラム収容空間7に対して着脱させることができる。
【0026】
なお、以下の説明において、フロントカバー9が設けられる側(図1における右側)を前側とし、その反対側(図1における左側)を後側とする。また、このカラーレーザプリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。さらに、ドラムユニット26および現像カートリッジ27に関しては、特に言及がない限り、本体ケーシング2に装着されている状態で前後左右上下を規定する。
(2)給紙部
給紙部4は、本体ケーシング2内の底部に設けられている。この給紙部4は、用紙3を収容する給紙トレイ10と、その給紙トレイ10の前端部上方に設けられ、互いに対向配置される分離ローラ11および分離パッド12と、分離ローラ11の後側に設けられる給紙ローラ13と、用紙3が通過する給紙側搬送経路14とを備えている。
【0027】
給紙側搬送経路14は、側面視略U字状に形成されており、その上流側端部が分離ローラ11に隣接し、その下流側端部が後述する搬送ベルト58に前側から隣接している。
給紙側搬送経路14の途中には、分離ローラ11の前側上方に設けられ、互いに対向配置される紙粉取りローラ15およびピンチローラ16と、それらの上方に設けられる1対のレジストローラ17とが設けられている。
【0028】
給紙トレイ10の内部には、用紙3が積層状に載置される用紙押圧板18が設けられている。この用紙押圧板18は、後端部において揺動自在に支持されることによって、前端部が下方に配置され、給紙トレイ10の底板に沿う載置位置と、前端部が上方に配置され、傾斜する給紙位置との間で移動自在とされている。
また、給紙トレイ10の前端部下方には、用紙押圧板18の前端部を上方に持ち上げるレバー19が設けられている。このレバー19は、用紙押圧板18の前端部下方において、上下方向に揺動自在に支持されている。
【0029】
そして、レバー19の揺動により、用紙押圧板18の前端部が、レバー19によって持ち上げられ、用紙押圧板18が給紙位置に位置される。
用紙押圧板18が給紙位置に位置されると、用紙押圧板18上の最上位の用紙3は、給紙ローラ13に押圧され、給紙ローラ13の回転によって、分離ローラ11と分離パッド12との間に向けて給紙される。
【0030】
なお、給紙トレイ10を本体ケーシング2から離脱させると、用紙押圧板18が載置位置に位置される。用紙押圧板18が載置位置に位置されると、用紙押圧板18上に用紙3を積層状に載置することができる。
給紙された用紙3は、分離ローラ11の回転によって、分離ローラ11と分離パッド12との間に挟まれ、1枚ごとに捌かれて搬送される。搬送された用紙3は、紙粉取りローラ15とピンチローラ16との間を通過し、紙粉が除去された後、給紙側搬送経路14に沿ってレジストローラ17に向けて搬送される。
【0031】
レジストローラ17は、用紙3を、レジスト後に、搬送ベルト58に搬送する。
(3)画像形成部
画像形成部5は、スキャナ部20、プロセス部21、転写部22および定着部23を備えている。
(3−1)スキャナ部
スキャナ部20は、本体ケーシング2の上部に配置されている。このスキャナ部20は、前後左右方向に延びる支持板24と、この支持板24の上面に固定されるスキャナユニット25とを備えている。スキャナユニット25内には、たとえば、4つの光源、ポリゴンミラー、fθレンズ、反射鏡、面倒れ補正レンズなどの光学部材が配置されており、各光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、ポリゴンミラーで偏向および走査されて、fθレンズおよび面倒れ補正レンズを通過し、また、反射鏡で反射された後、後述する各色の感光ドラム29の表面上に高速走査にて照射される。
(3−2)プロセス部
プロセス部21は、スキャナ部20の下方であって、給紙部4の上方に配置されており、1つの像担持体ユニットの一例としてのドラムユニット26と、各色に対応する4つの現像カートリッジ27とを備えている。
(3−2−1)ドラムユニット
ドラムユニット26は、各色に対応して、4つのドラムサブユニット28を備えている。すなわち、ドラムサブユニット28は、ブラックドラムサブユニット28K。イエロードラムサブユニット28Y、マゼンタドラムサブユニット28Mおよびシアンドラムサブユニット28Cの4つからなる。
【0032】
各ドラムサブユニット28は、互いに前後方向に間隔を隔てて並列的に配置されており、より具体的には、前側から後側に向かって、ブラックドラムサブユニット28K。イエロードラムサブユニット28Y、マゼンタドラムサブユニット28Mおよびシアンドラムサブユニット28Cが、順次配置されている。
各ドラムサブユニット28は、後述するように、1対のサイドフレーム104と、これらの間に架設されるセンタフレーム105とを備えている(図4参照)。
【0033】
図2は、現像カートリッジ27およびドラムサブユニット28の側断面図である。なお、図1および図2においては、後述する取っ手214の図示が省略されている。
各ドラムサブユニット28は、図2に示すように、像担持体の一例としての感光ドラム29と、スコロトロン型帯電器30と、クリーニングブラシ31とを保持している。
感光ドラム29は、左右方向に沿って配置され、円筒形状をなし、最表層がポリカーボネートからなる正帯電性の感光層により形成されるドラム本体32と、このドラム本体32の軸線方向に沿って配置されるドラム軸33とを備えている。ドラム本体32は、ドラム軸33に対して回転自在に設けられている。ドラム軸33は、軸方向両端部が、1対のサイドフレーム104(図4参照)に挿通され、後述する側板103(図4参照)に回転不能に支持されている。そして、感光ドラム29は、画像形成時において、本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力により回転される。
【0034】
スコロトロン型帯電器30は、感光ドラム29の斜め上側後方に、感光ドラム29と間隔を隔てて対向配置され、センタフレーム105に保持されている。このスコロトロン型帯電器30は、感光ドラム29と間隔を隔てて対向配置された放電ワイヤ34と、放電ワイヤ34と感光ドラム29との間に設けられるグリッド35とを備えている。画像形成時には、放電ワイヤ34に高電圧が印加されて、放電ワイヤ34がコロナ放電するとともに、グリッド35に電圧が印加されて、感光ドラム29に供給される電荷量が制御されつつ、感光ドラム29の表面が一様に正極性に帯電される。
【0035】
クリーニングブラシ31は、感光ドラム29の後方において、感光ドラム29と対向して接触するように配置され、センタフレーム105に保持されている。画像形成時には、クリーニングブラシ31にクリーニングバイアスが印加される。
(3−2−2)現像カートリッジ
現像カートリッジ27は、図1に示すように、各色に対応するドラムサブユニット28に対応して、それぞれ着脱自在に設けられている。すなわち、現像カートリッジ27は、ブラックドラムサブユニット28Kに着脱自在に装着されるブラック現像カートリッジ27K、イエロードラムサブユニット28Yに着脱自在に装着されるイエロー現像カートリッジ27Y、マゼンタドラムサブユニット28Mに着脱自在に装着されるマゼンタ現像カートリッジ27M、および、シアンドラムサブユニット28Cに着脱自在に装着されるシアン現像カートリッジ27Cの4つからなる。
【0036】
各現像カートリッジ27は、図2に示すように、筐体の一例としての現像フレーム36と、その現像フレーム36内に設けられる、アジテータ37、供給ローラ38、現像剤担持体の一例としての現像ローラ39および層厚規制ブレード40とを備えている。
現像フレーム36は、下端部に開口部41が開口されるボックス形状に形成されており、隔壁42によって、トナー収容室43と現像室44とに区画されている。また、隔壁42には、トナー収容室43と現像室44とを連通する連通口45が形成されている。
【0037】
トナー収容室43には、各色に対応するトナーが収容されている。より具体的には、各現像カートリッジ27に対応して、ブラック現像カートリッジ27Kにはブラック、イエロー現像カートリッジ27Yにはイエロー、マゼンタ現像カートリッジ27Mにはマゼンタ、シアン現像カートリッジ27Cにはシアンのトナーが、それぞれ収容されている。
各色に対応するトナーは、正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが用いられる。重合トナーは、略球形であり、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる、結着樹脂を主成分とし、これに、各色に対応する着色剤や、荷電制御剤、ワックスなどが配合されることによりトナー母粒子が形成され、さらに、流動性の向上を図るべく外添剤が添加されてなる。
【0038】
着色剤としては、上記した、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各着色剤が、各色に対応して配合されている。また、荷電制御剤としては、たとえば、アンモニウム塩などのイオン性官能基を有するイオン性単量体と、スチレン系単量体やアクリル系単量体などのイオン性単量体と共重合可能な単量体との共重合によって得られる荷電制御樹脂が配合されている。また、外添剤としては、たとえば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物の粉末や、炭化物の粉末、金属塩の粉末などの無機粉末が配合されている。
【0039】
アジテータ37は、トナー収容室43内に設けられている。アジテータ37は、現像フレーム36の後述する両側壁201に回転自在に支持されるアジテータ回転軸47と、そのアジテータ回転軸47の軸方向にわたって設けられ、回転軸から径方向外方に延びる攪拌部材48とを備えている。画像形成時において、アジテータ回転軸47には、本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力が伝達され、攪拌部材48がトナー収容室43内を周回移動する。
【0040】
供給ローラ38は、現像室44内において、連通口45の下方に設けられている。この供給ローラ38は、現像フレーム36の両側壁201に回転自在に支持される金属製の供給ローラ軸49と、その供給ローラ軸49の周りを被覆する導電性のスポンジからなるスポンジローラ50とを備えている。画像形成時には、本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力が伝達され、供給ローラ38が回転される。
【0041】
現像ローラ39は、現像室44内において、供給ローラ38に対して斜め後側下方に設けられている。この現像ローラ39は、現像フレーム36に回転自在に支持される金属製の現像ローラ軸51と、その現像ローラ軸51の周りを被覆する導電性のゴムからなるゴムローラ52とを備えている。
ゴムローラ52は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴム、シリコーンゴムまたはEPDMゴムなどからなるゴムローラ層と、そのゴムローラ層の表面に被覆され、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などを主成分とするコート層との2層構造からなる。
【0042】
現像ローラ39は、供給ローラ38に対して、ゴムローラ52とスポンジローラ50とが互いに圧接するように配置されている。また、現像ローラ39は、現像室44の開口部41から下方に向けて露出するように配置されている。
画像形成時には、本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力が伝達され、現像ローラ39が回転される。また、現像ローラ39には、現像バイアスが印加される。
【0043】
層厚規制ブレード40は、現像室44内において、現像ローラ39に上方から圧接するように設けられている。層厚規制ブレード40は、金属製の板ばね部材からなるブレード53と、ブレード53の遊端部に設けられる絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部54とを備えている。
ブレード53の基端部が、固定部材55によって隔壁42に固定されており、ブレード53の弾性力により、ブレード53の遊端部に設けられる押圧部54が、現像ローラ39のゴムローラ52に対して上方から圧接される。
(3−2−3)プロセス部での現像動作
そして、各現像カートリッジ27では、トナー収容室43に収容されている各色に対応するトナーが、自重によって連通口45に移動し、アジテータ37によって攪拌されながら、連通口45から現像室44へ放出される。
【0044】
連通口45から現像室44へ放出されたトナーは、供給ローラ38に供給される。供給ローラ38に供給されたトナーは、供給ローラ38の回転により、現像ローラ39に供給され、このとき、供給ローラ38と、現像バイアスが印加されている現像ローラ39との間で正極性に摩擦帯電される。
現像ローラ39に供給されたトナーは、現像ローラ39の回転に伴って、層厚規制ブレード40の押圧部54と、現像ローラ39のゴムローラ52との間に進入して、一定厚さの薄層としてゴムローラ52の表面に担持される。
【0045】
一方、各現像カートリッジ27に対応するドラムサブユニット28では、スコロトロン型帯電器30が、コロナ放電を発生させて、感光ドラム29の表面を一様に正帯電させる。
感光ドラム29の表面は、感光ドラム29の回転に伴って、スコロトロン型帯電器30により一様に正帯電された後、スキャナ部20からのレーザビームの高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0046】
感光ドラム29がさらに回転すると、現像ローラ39の表面に担持されかつ正帯電されているトナーが、現像ローラ39の回転により、感光ドラム29に対向して接触するときに、感光ドラム29の表面に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム29の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム29の静電潜像は、現像により可視像化され、感光ドラム29の表面には、各色に対応して、反転現像によるトナー像が担持される。
【0047】
なお、転写後に感光ドラム29上に残存する転写残トナーは、現像ローラ39に回収される。また、転写後に感光ドラム29上に付着する用紙3からの紙粉は、クリーニングブラシ31によって回収される。
(3−3)転写部
転写部22は、図1に示すように、本体ケーシング2内において、給紙部4の上方であって、プロセス部21の下方において、前後方向に沿って配置されている。この転写部22は、駆動ローラ56、従動ローラ57、搬送ベルト58、転写ローラ59およびクリーニング部60を備えている。
【0048】
駆動ローラ56および従動ローラ57は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されており、駆動ローラ56は、シアンドラムサブユニット28Cよりも後方に配置され、従動ローラ57は、ブラックドラムサブユニット28Kよりも前方に配置されている。
搬送ベルト58は、エンドレスベルトからなり、カーボンなどの導電性粒子を分散した導電性のポリカーボネートやポリイミドなどの樹脂フィルムから形成されている。この搬送ベルト58は、駆動ローラ56と従動ローラ57との間に巻回されている。
【0049】
画像形成時において、駆動ローラ56には、本体ケーシング2内に設けられる図示しないモータからの駆動力が伝達され、駆動ローラ56が回転される。すると、搬送ベルト58が、駆動ローラ56および従動ローラ57の間を、各ドラムサブユニット28の感光ドラム29と対向して接触する転写位置において、感光ドラム29と逆方向に回転するように周回移動されるとともに、従動ローラ57が従動される。
【0050】
転写ローラ59は、駆動ローラ56および従動ローラ57の間に巻回されている搬送ベルト58内において、各感光ドラム29と、搬送ベルト58を挟んで対向するように、それぞれ設けられている。各転写ローラ59は、金属製のローラ軸に、導電性のゴムからなるゴムローラが被覆されている。また、各転写ローラ59は、搬送ベルト58と対向して接触する転写位置において、搬送ベルト58の周回移動方向と同方向に従動回転するように設けられており、画像形成時には、本体ケーシング2内に設けられる図示しない高圧基板からの転写バイアスが印加される。
【0051】
クリーニング部60は、駆動ローラ56および従動ローラ57の間に巻回されている搬送ベルト58の下方に配置され、1次クリーニングローラ61、2次クリーニングローラ62、掻取ブレード63およびトナー貯留部64を備えている。
1次クリーニングローラ61は、感光ドラム29および転写ローラ59が接触する上側の搬送ベルト58と反対側の、下側の搬送ベルト58と接触するように配置され、その接触位置において、搬送ベルト58の周回移動方向と同方向に駆動回転するように設けられている。1次クリーニングローラ61には、画像形成時に、1次クリーニングバイアスが印加される。
【0052】
2次クリーニングローラ62は、1次クリーニングローラ61に対して下方から接触するように配置され、その接触位置において、1次クリーニングローラ61の回転方向と逆方向に回転するように設けられている。2次クリーニングローラ62には、画像形成時に、2次クリーニングバイアスが印加される。
掻取ブレード63は、2次クリーニングローラ62に対して下方から接触するように設けられている。
【0053】
トナー貯留部64は、1次クリーニングローラ61および2次クリーニングローラ62の下方において、2次クリーニングローラ62から落下するトナーを貯留できるように設けられている。
そして、給紙部4から給紙された用紙3は、駆動ローラ56の駆動および従動ローラ57の従動により周回移動される搬送ベルト58によって、前側から後側に向かって、各ドラムサブユニット28に対応する転写位置を、順次通過するように搬送され、その搬送中に、各ドラムサブユニット28の感光ドラム29に担持されている各色のトナー像が、順次転写され、これにより、用紙3にカラー像が形成される。
【0054】
すなわち、たとえば、ブラックドラムサブユニット28Kの感光ドラム29の表面に担持されたブラックのトナー像が、用紙3に転写されると、次いで、イエロードラムサブユニット28Yの感光ドラム29の表面に担持されたイエローのトナー像が、既にブラックのトナー像が転写されている用紙3に重ねて転写され、以下同様の動作によって、マゼンタドラムサブユニット28Mの感光ドラム29の表面に担持されたマゼンタのトナー像、シアンドラムサブユニット28Cの感光ドラム29の表面に担持されたシアンのトナー像が重ねて転写され、これによって、用紙3にカラー像が形成される。
【0055】
一方、上記の転写動作において、搬送ベルト58の表面に付着したトナーは、クリーニング部60において、まず、搬送ベルト58の表面から、1次クリーニングバイアスにより1次クリーニングローラ61に転写され、さらに、2次クリーニングバイアスにより2次クリーニングローラ62に転写される。その後、2次クリーニングローラ62に転写されたトナーは、掻取ブレード63によって、掻き取られ、2次クリーニングローラ62から落下して、トナー貯留部64に貯留される。
(3−4)定着部
定着部23は、本体ケーシング2におけるシアンドラムサブユニット28Cよりも後側であって、感光ドラム29と搬送ベルト58とが接触する転写位置と、前後方向において対向するように配置されている。この定着部23は、加熱ローラ65および加圧ローラ66を備えている。
【0056】
加熱ローラ65は、その表面に離型層が形成される金属素管からなり、その軸方向に沿ってハロゲンランプが内装されている。加熱ローラ65は、ハロゲンランプにより、その表面が定着温度に加熱される。
加圧ローラ66は、加熱ローラ65の下方において、加熱ローラ65と対向配置されている。この加圧ローラ66は、加熱ローラ65を下方から押圧する。
【0057】
用紙3上に転写されたカラー像は、この定着部23に搬送され、用紙3が加熱ローラ65と加圧ローラ66との間を通過する間に、その用紙3に熱定着される。これにより、用紙3への画像の形成が達成される。
(4)排紙部
排紙部6において、用紙3の排紙側搬送経路67は、その上流側端部が、下方において定着部23に隣接し、その下流側端部が、上方において排紙トレイ68に隣接しており、用紙3が後側に向かって給紙され、反転後、前側に向かって排紙される、側面視略U字状に形成されている。
【0058】
排紙側搬送経路67の途中には、互いに対向する搬送ローラ69およびピンチローラ70が設けられている。また、排紙側搬送経路67の下流側端部には、1対の排紙ローラ71が設けられている。
また、排紙部6には、排紙トレイ68が設けられている。排紙トレイ68は、本体ケーシング2の上壁を、前側から後側に向かって次第に窪むように形成して、排紙される用紙3を積層状に載置できるように、形成されている。
【0059】
定着部23から搬送される用紙は、排紙側搬送経路67に沿って、搬送ローラ69およびピンチローラ70により搬送され、排紙ローラ71によって、排紙トレイ68上に排紙される。
2.ドラムユニット
図3は、ドラムユニット26(4つの現像カートリッジ27が装着された状態)の左後上方から見た斜視図であり、図4は、ドラムユニット26(1つの現像カートリッジ27が着脱途中であり、その他の現像カートリッジ27が離脱された状態)の左前上方から見た斜視図である。また、図5は、ドラムユニット26の左側面図である。
【0060】
ドラムユニット26は、各色に対応する4つのドラムサブユニット28と、前後方向に沿って並列に配設される4つのドラムサブユニット28の前後方向両側に配置されるフロントビーム101およびリヤビーム102と、フロントビーム101、4つのドラムサブユニット28およびリヤビーム102を、幅方向(左右方向)の両側から挟む1対の側板103とを備えている。
【0061】
ドラムユニット26は、4つのドラムサブユニット28、フロントビーム101、リヤビーム102および1対の側板103が一体となって、本体ケーシング2内のドラム収容空間7(図1参照)に対してスライド自在に着脱される。
(1)ドラムサブユニット
ドラムサブユニット28は、図4に示すように、幅方向において間隔を隔てて対向配置される1対のサイドフレーム104と、両サイドフレーム104の間において幅方向に沿って架設されるセンタフレーム105(図2参照)とを備えている。
【0062】
各サイドフレーム104は、樹脂材料を用いて、平板状に形成されている。各サイドフレーム104には、感光ドラム29のドラム軸33が挿通されている。
各サイドフレーム104には、現像カートリッジ27のドラムサブユニット28に対する着脱を案内するためのガイド溝106が形成されている。このガイド溝106は、サイドフレーム104の後側上端縁から、サイドフレーム104の前側下端近傍まで、略上下方向に沿って形成されており、その下端部(最深部)は、現像ローラ39が感光ドラム29に接触する位置における現像ローラ軸51の位置に対応して配置されている。ガイド溝106には、後述するカラー部材205がスライド自在に受け入れられる。
【0063】
また、各サイドフレーム104には、ボス107が形成されている。このボス107は、サイドフレーム104から幅方向外方へ突出する円筒状に形成され、現像カートリッジ27がドラムサブユニット28に装着された状態で、現像カートリッジ27の後述する窓206が幅方向において対向するように配置されている。
また、左側のサイドフレーム104には、現像カートリッジ27の後述するカップリング受動ギヤ208が幅方向において対向するカップリング内側挿通孔109が形成されている。このカップリング内側挿通孔109は、左側のサイドフレーム104の厚さ方向を貫通する丸穴として形成されている。
【0064】
センタフレーム105は、樹脂材料を用いて形成されている。このセンタフレーム105の上端部の幅方向両端部には、現像カートリッジ27を支持するための支持ローラ110が設けられている。支持ローラ110は、センタフレーム105の上端部に沿って幅方向に延びる回転軸(図示せず)に回転自在に支持されている。
(2)フロントビーム
フロントビーム101は、樹脂材料を用いて一体的に成形され、前後方向に沿って並列に配設される4つのドラムサブユニット28の前側に配置され、1対の側板103間に架設されている。
【0065】
このフロントビーム101は、幅方向中央に取り付けられる手前側把持部111と、手前側把持部111を回転自在に支持する支持軸112とを備えている。
手前側把持部111は、略U字状をなし、幅方向中央において、各遊端部が支持軸112に回動可能に支持されて、フロントビーム101に沿って起立する収納位置(図3参照)と、フロントビーム101の前側に傾倒する操作位置(図4参照)とに揺動可能に設けられている。
【0066】
支持軸112は、フロントビーム101を幅方向に沿って貫通するように配置され、フロントビーム101に支持されている。また、支持軸112の幅方向両端部は、フロントビーム101から幅方向外方に突出し、さらに側板103を貫通して幅方向外方に突出している。
(3)リヤビーム
リヤビーム102は、樹脂材料を用いて一体的に成形され、前後方向に沿って並列に配設される4つのドラムサブユニット28の後側に配置され、1対の側板103間に架設されている。
【0067】
このリヤビーム102は、図3に示すように、後方が開放される平面視略コ字状に形成されており、その幅方向中央において、奥側把持部113が一体的に設けられている。奥側把持部113は、背面視略U字状をなし、その各遊端部がリヤビーム102に連結され、後側下方から前側上方に傾斜して、リヤビーム102から斜め上方に突出するように設けられている。
(4)側板
各側板103は、各ドラムサブユニット23、フロントビーム101およびリヤビーム102を形成する樹脂材料よりも剛性の高い材料、たとえば、金属または繊維強化樹脂から形成されており、好ましくは、鋼板から形成されている。
【0068】
各側板103は、前後方向に延びる側面視略細長矩形板状をなし、前後方向に沿って並列的に配置されるフロントビーム101、4つのドラムサブユニット28およびリヤビーム102に対して、前端部がフロントビーム101に対向し、後端部がリヤビーム102に対向するように形成され、これらに固定されている。
各側板103の上端部は、断面L字状となるように、幅方向外側に屈曲され、前後方向にわたって幅方向外側に延びる鍔部114が形成されている。この鍔部114は、前後方向(水平方向)に沿って一直線上に延びている。
【0069】
また、各側板103の後端部は、その上端部が後方に延びる側面視略L字状に形成されており、その後方に延びる部分には、2つのころ部材118が回転自在に備えられている。この2つのころ部材118は、前後方向において、スペーサ119を挟んで配置されている。前側のころ部材118は、鍔部114の下方に配置されており、後側のころ部材118は、鍔部114の後端部の後方に配置されている。
【0070】
さらに、各側板103の後端部には、その後端縁から側面視略U字状に切り欠いた形状の切欠部120が形成されている。この切欠部120には、ドラムユニット26が本体ケーシング2に装着された状態で、本体ケーシング2内に配置される位置決め軸(図示せず)が嵌合し、これによって、ドラムユニット26が本体ケーシング2に対して位置決めされる。
【0071】
また、各側板103には、上端部において、各ドラムサブユニット28のボス107を受け入れる4つの光透過孔115が形成されている。各光透過孔115は、側板103の上端部において、前後方向に沿って互いに間隔を隔てて4つ形成されている。この光透過孔115は、各ドラムサブユニット28のボス107と幅方向に対向する位置において、厚さ方向を貫通する丸孔として形成されている。そして、各光透過孔115には、各ドラムサブユニット28のボス107が、各ボス107が幅方向外方へ露出するように嵌合されており、これによって、各ドラムサブユニット28の各側板103に対するドラム軸33を中心とする回動が規制されている。
【0072】
また、各側板103には、下端部において、各ドラム軸33の軸方向端部を挿通する軸孔116が形成されている。
左側の側板103には、各現像カートリッジ27のカップリング受動ギヤ208が幅方向において対向するカップリング外側挿通孔117がそれぞれ形成されている。各カップリング外側挿通孔117は、側板103の上下方向中央において、前後方向に沿って互いに間隔を隔てて4つ形成されている。このカップリング外側挿通孔117は、各ドラムサブユニット28のカップリング内側挿通孔109と幅方向において対向する位置において、厚さ方向を貫通する丸孔として形成されている。
3.現像カートリッジ
図6および図7は、現像カートリッジ27の左後方から見た斜視図であり、図8および図9は、現像カートリッジ27の左前方から見た斜視図である。また、図10は、現像カートリッジ27の平面図であり、図11は、現像カートリッジ27の右側面図であり、図12は、図11に示す切断線A−Aにおける断面図である。さらに、図13および図14は、現像カートリッジ27の右側断面図である。なお、図13および図14において、供給ローラ38および現像ローラ39が簡略化して示されている。
(1)現像カートリッジ
現像カートリッジ27の現像フレーム36は、幅方向に対向する1対の側壁201と、両側壁201の上端縁間に架設される上壁202と、両側壁201の前端縁間に架設される前壁203と、両側壁201の後端縁間に架設される後壁204とを一体的に備えており、両側壁201、前壁203および後壁204の下端縁によって、現像ローラ39を露出させる開口部41が形成されている。
【0073】
両側壁201には、トナー収容室43内に収容されているトナーの残量を検出するための窓206が埋設されている。これらの窓206は、トナー収容室43を挟んで対向配置されており、トナーの残量の検出のための光を幅方向に沿って通過させる。
左側の側壁201には、図6ないし図9に示すように、ギヤカバー207によって被覆されるギヤ機構部が設けられている。このギヤ機構部は、ギヤカバー207から露出するカップリング受動ギヤ208と、ギヤカバー207内でカップリング受動ギヤ208に噛合するギヤトレイン230(図12参照)とを備えている。
【0074】
ギヤカバー207の下端部には、円筒状のギヤ配置部209が幅方向外方へ突出して形成されており、カップリング受動ギヤ208は、そのギヤ配置部209内に配置されて、ギヤ配置部209の先端面から露出している。
カップリング受動ギヤ208には、本体ケーシング2内に設けられるカップリング軸(図示せず)が進退自在かつ相対回転不能に結合され、このカップリング軸から本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)の駆動力が入力される。
【0075】
ギヤトレイン230は、アジテータ37の回転軸47に固定されるアジテータ駆動ギヤ、供給ローラ38の供給ローラ軸49に固定される供給ローラ駆動ギヤ、現像ローラ39の現像ローラ軸51に固定される現像ローラ駆動ギヤなどを備えており、これらが中間ギヤなどを介してカップリング受動ギヤ208に噛合している。これにより、カップリング受動ギヤ208に入力される駆動力は、ギヤトレイン230を介して、アジテータ37、供給ローラ38および現像ローラ39に伝達される。
【0076】
右側の側壁201には、図11に示すように、窓206の上方に、トナー収容室43にトナーを充填するためのトナー充填口(図示せず)を閉鎖するキャップ210が配置されている。
さらに、右側の側壁201の下端部には、現像ローラ軸51の右側軸端部を回転可能に支持する軸受部材211が設けられている。図12に示すように、この軸受部材211に現像ローラ軸51の右側端部が回転可能に挿通されるとともに、その左側端部が左側の側壁201に回転可能に挿通されることにより、現像ローラ軸51は、現像フレーム36に回転可能に支持されている。現像ローラ軸51の左側端部および右側端部は、それぞれギヤカバー207および軸受部材211から幅方向外方に突出しており、各突出部分には、カラー部材205が被覆されている。
【0077】
また、図6ないし図9に示すように、両側壁201の上端部には、後壁204の上端部との接続部分から幅方向外方に突出する略円筒状の突出部の一例としての離間突起212が形成されている。
上壁202には、現像カートリッジ27を移動させる際に把持される押圧部材を兼ねる取っ手214が備えられている。この取っ手214は、幅方向に長い薄板状に形成されており、上壁202とほぼ直交する状態に起立する起立状態(図7および図9参照)と、起立状態より前側に傾倒して上壁202に近接する傾倒状態(図6、図8および図13参照)と、その傾倒状態よりもさらに上壁202に近接する押圧状態(図14参照)とに揺動可能に設けられている。
【0078】
より具体的には、図13および図14に示すように、上壁202の後端部には、その幅方向の両端部に、上方に向けて突出する側面視略半円形状の取っ手支持部215が一体的に形成されている。取っ手支持部215には、幅方向を貫通する貫通孔229が形成されている。一方、図6および図7に示すように、取っ手214の後端部には、その幅方向の両端部に、取っ手支持部215を嵌合可能な切欠部231が形成されている。各切欠部231には、その左側面に基端部が連結された平面視略L字状の弾性変形部232が配置されている。弾性変形部232は、遊端部が切欠部231の右側面と幅方向に間隔を隔てて対向しており、この弾性変形部232の遊端部と切欠部231の右側面との間に取っ手支持部215が嵌合されている。そして、弾性変形部232の遊端部および切欠部231の右側面には、それぞれ近接する方向に支持軸233が突出して設けられており、弾性変形部232を変形させて、これらの支持軸233の間隔を広げた状態で、各切欠部231に取っ手支持部215を嵌合させ、その後、弾性変形部232の変形を解除して、各支持軸233を取っ手支持部215の貫通孔229に挿入させることによって、取っ手214が取っ手支持部215に揺動可能に取り付けられている。
【0079】
また、上壁202の前端部には、図9および図12に示すように、その幅方向(現像ローラ39の軸方向)の両端部に、幅方向に現像ローラ39のゴムローラ50の幅方向の長さ(軸方向の長さ)とほぼ等しい間隔を隔てて、円筒状のガイド部材の一例としてのばねガイド部材216が形成されている。各ばねガイド部材216は、各取っ手支持部215と前後方向に間隔を隔てて対向し、かつ、現像ローラ39のゴムローラ52の幅方向の両端部とそれぞれ対向している。また、各ばねガイド部材216内には、図13および図14に示すように、上下方向に進退可能な当接部材217と、この当接部材217を常に上方に向けて付勢する弾性部材の一例としてのコイルばね218とが設けられている。
【0080】
当接部材217は、上面が凸湾曲した平面視略円形状の本体部219と、本体部219の下面の中央部から下方に突出するボス部220と、本体部219の下面の周縁部からばねガイド部材216の内周面に沿って延びる円筒状の延部221とを一体的に備えている。そして、延部221には、複数の係止爪部222が形成されており、各係止爪部222がばねガイド部材216に形成された溝部223に嵌められ、その先端部が溝部223の上端部に係止することによって、当接部材217がばねガイド部材216から離脱しないようにされている。
【0081】
コイルばね218は、下端部に上壁202に形成されたばね取付ボス224が挿入され、上端部に当接部材217のボス部220が挿入されて、当接部材217と上壁202との間で圧縮された状態に設けられている。
取っ手214の下面(上壁202との対向面)には、図9に示すように、各当接部材217と対応する位置に、その対応する当接部材217を受け入れ可能な伝達部の一例としての凹部225が形成されている。取っ手214が傾倒状態に傾倒した状態では、各凹部225に各当接部材217が受け入れられて、各当接部材217の先端が各凹部225の底面(取っ手214の下面)に当接する。
【0082】
また、取っ手214には、図10に示すように、幅方向の中央部に、幅方向に長い平面視略矩形状の把持孔226が形成されている。これにより、把持孔226に指を入れて、取っ手214を把持することができる。
さらに、取っ手214には、その前端部における幅方向の両端部に、幅方向外方へ突出する側面視略円柱状の押圧突起227が形成されている。各押圧突起227は、図10に示すように、同じ側に突出する離間突起212の先端面を含む平面S上にその先端面が位置するような長さに形成されている。すなわち、各押圧突起227は、幅方向において、その先端面が同じ側に突出する離間突起212の先端面と同じ位置に配置されている。また、各押圧突起227は、現像カートリッジ27がドラムサブユニット28に装着され、取っ手214が傾倒状態に傾倒した状態で、図11に示すように、離間突起212よりも低い位置に配置されている。
【0083】
前壁203には、図8および図9に示すように、幅方向の両端部に、前方に向けて突出する側面視略台形状の被支持突起228が形成されている。
(2)現像カートリッジのドラムユニットに対する着脱
各色に対応する現像カートリッジ27は、取っ手214の把持孔226に指を入れて、取っ手214を把持し、図4に示すように、ドラムユニット26の上方から、その現像カートリッジ27に対応するドラムサブユニット28へ装着する。
【0084】
より具体的には、現像カートリッジ27の現像ローラ軸51の軸方向両端部のカラー部材205を、対応するドラムサブユニット28の各サイドフレーム104のガイド溝106に挿入し、そのガイド溝106に沿って、現像カートリッジ27をドラムサブユニット28に対して下方へ押し込む。現像ローラ39が感光ドラム29に接触すると、それ以上の現像カートリッジ27の押し込みが規制される。そして、現像カートリッジ27の自重により、現像カートリッジ27が現像ローラ軸51を中心に、その上端部が前側のセンタフレーム105にもたれ掛かる方向に倒れ、現像フレーム36の前壁203に形成されている各被支持突起228が、センタフレーム105の支持ローラ110に当接して支持される。これによって、現像カートリッジ27がドラムサブユニット28に対して位置決めされ、その現像カートリッジ27のドラムサブユニット28に対する装着が達成される。
【0085】
こうして現像カートリッジ27が装着された後、起立状態の取っ手214から手が放されると、取っ手214は、自重により、支持軸233を支点として起立状態から傾倒状態へ傾倒する。
そして、すべての現像カートリッジ27がドラムサブユニット28へ装着されると、図3に示すように、フロントビーム101の手前側把持部111と、各現像カートリッジ27の取っ手214と、リヤビーム102の奥側把持部113とが、前後方向に沿って重なるように配置される。
【0086】
一方、現像カートリッジ27がドラムユニット26(ドラムサブユニット28)に装着された状態で、取っ手214を把持して、取っ手214を傾倒状態から起立状態へ引き起こし、上方に持ち上げることにより、現像カートリッジ27をドラムユニット26から離脱させることができる。
4.レール・離間押圧機構
図15は、本体ケーシング2およびドラムユニット26の右前上方から見た斜視図であり、本体ケーシング2の外装板およびフロントカバー9が取り外され、その本体ケーシング2にドラムユニット26が装着された状態を示している。
【0087】
本体ケーシング2は、ドラムユニット26を挟んで幅方向に対向配置される1対の本体フレーム301を備えており、各本体フレーム301の内側面には、ドラムユニット26の着脱を案内するためのレール302と、ドラムユニット26に装着された現像カートリッジ27の現像ローラ39を感光ドラム29に対して離間および押圧するための離間押圧機構303とを備えている。
【0088】
なお、図15では、左側の離間押圧機構303のみが示されている。
図16は、ドラムユニット26ならびに左右のレール302および離間押圧機構303の右前上方から見た斜視図である。また、図17は、左右のレール302および離間押圧機構303の右前上方から見た斜視図である。
(1)レール
左右のレール302は、ドラムユニット26を挟んで幅方向に対向配置されている。各レール302は、本体フレーム301の前端面に対向配置されるレール固定部304と、本体フレーム301の内側面に沿って前後方向(水平方向)に延びるレール本体部305と、レール固定部304とレール本体部305とを連結する連結部306とを一体的に備えている。
【0089】
レール固定部304は、ねじ307によって、本体フレーム301の前端面に固定されている。
レール本体部305は、下端部が幅方向内方に向けて屈曲された断面略L字状に形成されており、水平に延びる部分には、ドラムユニット26が本体ケーシング2に装着された状態で、ドラムユニット26の各側板103の鍔部114が載置される。
【0090】
連結部306は、レール固定部304の幅方向内側の端縁とレール本体部305の前端縁とを連結するように形成されている。この連結部306には、コロ支持軸308が幅方向に貫通して支持されており、連結部306の幅方向内面には、そのコロ支持軸308に回動可能に支持されたレールころ309が対向配置されている。レールころ309の周面の最上端部分は、レール本体部305の下端部(水平に延びる部分)よりも上方に位置している。
(2)ドラムユニットの本体ケーシングに対する装着
ドラムユニット26を本体ケーシング2に装着するには、まず、ドラムユニット26の手前側把持部111および奥側把持部113(図3参照)を両手でそれぞれ把持して、ドラムユニット26を持ち上げる。そして、図1が参照されるように、フロントカバー9を傾倒させて、着脱口8を開放し、この着脱口8からドラム収容空間7に向けて、ドラムユニット26を進入させる。
【0091】
このとき、ドラムユニット26の後端部に設けられる各ころ部材118を、レール302のレール本体部305上を転動させる。また、奥側把持部113から手を放して、ドラムユニット26の両鍔部114をそれぞれ左右のレールころ309上に載せる。この状態でドラムユニット26を後方に向けて押すと、各ころ部材118がレール本体部305上を転動するとともに、各レールころ309上を鍔部114が滑動し、これによりドラムユニット26が円滑に移動する。また、各現像カートリッジ27の離間突起212および押圧突起227が、後述するホルダ固定部322のカム収容部323上を摺動する。
【0092】
そして、各ころ部材118がレール302上から奥側に脱落し、各レールころ309上から鍔部114が各レールころ309の奥側に脱落して、各鍔部114がレール本体部305の水平に延びる部分上に載置されると、各現像カートリッジ27の押圧突起227および離間突起212がそれぞれ後述する押圧突起受入部325および離間突起受入部326に受け入れられて、ドラムユニット26の本体ケーシング2に対する装着が完了される。
【0093】
この後、手前側把持部111から手を離して、フロントカバー9を閉じて、フロントカバー9により着脱口8を閉鎖する。フロントカバー9を閉じると、これに連動して、手前側把持部111は、支持軸112を支点として、起立状態(図4参照)から収納位置(図3参照)に回動する。
(3)離間押圧機構
離間押圧機構303は、図17に示すように、1対の押圧力入力部材の一例としての直動カム部材310と、各直動カム部材310に対して設けられた中間部材311と、各直動カム部材310を前後方向に直線移動可能に保持するカムホルダ312と、1対の直動カム部材310を同期して直線移動させるための同期移動機構313とを備えている。
【0094】
図18は、直動カム部材310、中間部材311および同期移動機構313の右前上方から見た斜視図である。すなわち、この図18には、カムホルダ312の図示を省略して、離間押圧機構303の右前上方から見た斜視図が示されている。また、図19は、直動カム部材310および中間部材311の動きを説明するための斜視図である。さらに、図20は、図19(a)の状態における直動カム部材310および中間部材311の右側面図であり、図21は、図19(c)の状態における直動カム部材310および中間部材311の右側面図であり、図22は、図19(e)の状態における直動カム部材310および中間部材311の右側面図である。
【0095】
直動カム部材310は、本体フレーム301(図15参照)の内側面に沿って前後方向に延びる薄板状のカム本体板314と、カム本体板314の幅方向の内側面に設けられた4つの操作部材315とを備えている。
カム本体板314には、前後方向に等間隔を隔てて、前後方向に長い略矩形状の矩形孔316が4つ形成されている。
【0096】
4つの操作部材315は、4つの矩形孔316のそれぞれ前側に配置されている。各操作部材315は、側面視クランク形状に形成され、カム本体板314の上端縁に沿って延び、現像カートリッジ27の押圧突起227を下方に押圧するための押圧作用部317と、カム本体板314の下端縁に沿って延び、後述するように中間部材311を回動させるための接離作用部318と、押圧作用部317の後端部と接離作用部318の前端部とを連結する連結部319とを一体的に備えている。
【0097】
接離作用部318の後端部には、図20ないし図22に示すように、上方に突出する突起状の突起部320が形成されている。
また、最前の操作部材315は、それ以外の3つの操作部材315(以下「後側3つの操作部材315」という。)と形状が異なる。すなわち、最前の操作部材315の押圧作用部317は、後側3つの操作部材315の押圧作用部317と比較して、その前後方向の長さが長く形成されている。また、最前の操作部材315の接離作用部318は、後側3つの操作部材315の接離作用部318と比較して、その前後方向の長さが短く形成されている。このような形状(寸法)の違いにより、後述するように、すべての現像カートリッジ27の現像ローラ39を感光ドラム29に押圧させたり、ブラック現像カートリッジ27Kの現像ローラ39のみを感光ドラム29に押圧させたり、すべての現像カートリッジ27の現像ローラ39を感光ドラム29から離間させたりすることができる。
【0098】
4つの中間部材311は、4つの操作部材315にそれぞれ後側に配置されて、4つの矩形孔316にそれぞれ幅方向に対向している。各中間部材311は、図20ないし図22に示すように、側面視略L字状をなし、幅方向に厚みを有するブロック状に形成されている。各中間部材311の一端部には、中間部材支持軸321が幅方向に貫通しており、中間部材311は、この中間部材支持軸321に回動可能に支持されている。各中間部材311は、接離作用部318と非接触の状態(図20参照)で、下端部が接離作用部318の突起部320と前後方向に間隔を隔てて対向している。
【0099】
中間部材支持軸321は、図18に示すように、前後方向において互いに等間隔(4つの現像カートリッジ27がドラムユニット26に装着された状態での各離間突起212間の間隔と等しい間隔)を隔てて配置されている。各中間部材支持軸321は、これに支持される中間部材311が対向する矩形孔316に挿通されて、カム本体板314の幅方向外方に延び、その幅方向の内側端部がカムホルダ312に回転不能に支持されている。
【0100】
カムホルダ312は、図17に示すように、本体フレーム301の内側面に沿って前後方向に延びる薄板状のホルダ固定部322と、このホルダ固定部322の下端縁に連続するカム収容部323とを一体的に備えている。
ホルダ固定部322は、ねじ324によって、本体フレーム301の内側面に固定されている。
【0101】
カム収容部323は、ホルダ固定部322の下端縁の全長から幅方向の内方へ延び、下方へ屈曲し、さらに幅方向の外方へ屈曲する、断面略コ字状に形成されている。カム収容部323には、その上面から幅方向の内側面に連続して切り欠くことによって、現像カートリッジ27の押圧突起227を受入可能な押圧突起受入部325と、現像カートリッジ27の離間突起212を受入可能な離間突起受入部326とが、交互に、それぞれ4つずつ形成されている。すなわち、カム収容部323には、4つの押圧突起受入部326が、前後方向において、各現像カートリッジ27がドラムユニット26に装着された状態での各押圧突起227間の間隔と等しい間隔を隔てて形成されている。また、4つの離間突起受入部326が、前後方向において、各現像カートリッジ27がドラムユニット26に装着された状態での各離間突起212間の間隔と等しい間隔を隔てて形成されている。各離間突起受入部326は、各押圧突起受入部325の後方に配置されている。各離間突起受入部326に離間突起212が受け入れられた状態で、各離間突起212は、各中間部材311に対して上方から対向する。
【0102】
同期移動機構313は、左側の直動カム部材310の直線移動に伴って、その左側の直動カム部材310から右側の直動カム部材310に直線移動のための駆動力を伝達する構成になっている。
すなわち、同期移動機構313は、図18に示すように、左側の直動カム部材310の後端部の上面に形成された左側ラックギヤ327と、この左側ラックギヤ327と噛合する左側ピニオンギヤ328と、右側の直動カム部材310の後端部の上面に形成された右側ラックギヤ329と、この右側ラックギヤ329と噛合する右側ピニオンギヤ330と、左側ピニオンギヤ328および右側ピニオンギヤ330が相対回転不能に取り付けられる連結軸331とを備えている。
【0103】
また、左側の直動カム部材310には、カム本体板314の幅方向の外側面に、図示しないモータの駆動力が入力される入力ラックギヤ332が設けられている。
(4)離間押圧動作
図19ないし図22を主に参照して、離間押圧機構303の動作を説明する。
図19(a)および図20に示すように、直動カム部材310が最前方位置に移動されている状態では、各操作部材315の接離作用部318とそれらの各後方に配置される中間部材311とが、前後方向に間隔を隔てた非接触状態で対向している。最前の操作部材315の接離作用部318とその後方に配置される中間部材311との間には、後側3つの操作部材315の接離作用部318とそれらの各後方に配置される中間部材311との間の間隔よりも大きな間隔が形成されている。
【0104】
この状態では、各現像カートリッジ27が、現像ローラ39と感光ドラム29とが接触する接触位置に配置されている。そして、各操作部材315の押圧作用部317が、各現像カートリッジ27の押圧突起227に上方から当接して、各押圧突起227を下方に向けて押圧している。各押圧突起227が下方に押圧されることにより、各現像カートリッジ27において、図14に示すように、取っ手214が支持軸233を支点に回動して押圧状態となり、取っ手214(凹部225)によって当接部材217が押し下げられて、コイルばね218が収縮されている。そして、その収縮によるコイルばね218の付勢力が現像フレーム36の上壁202に入力され、現像フレーム36が下方に向けて付勢されることにより、現像ローラ39が感光ドラム29に押圧されている。このとき、コイルばね218は、1N以上20N以下の付勢力を発生する。
【0105】
この状態から、図示しないモータの駆動力が入力ラックギヤ332に入力されて、左側の直動カム部材310が後方に移動されると、この左側の直動カム部材310の移動に伴って、左側ピニオンギヤ328が回転し、この左側ピニオンギヤ328の回転が連結軸331を介して右側ピニオンギヤ330に伝達され、右側ピニオンギヤ330が左側ピニオンギヤ328と同方向に回転することにより、右側の直動カム部材310が後方に移動する。
【0106】
直動カム部材310の後方への移動が進むと、後側3つの操作部材315の押圧作用部317と現像カートリッジ27の押圧突起227との係合が解除され、それらの押圧作用部317による押圧突起227の押圧が解除される。また、図19(b)に示すように、後側3つの操作部材315の接離作用部318が、それらの各後方に配置される中間部材311の下端部に当接して、各中間部材311の下端部を後方に向けて押圧し、各中間部材311が中間部材支持軸321を支点として上方に持ち上がるように回動する。これらの各中間部材311の回動の途中で、各中間部材311がそれぞれの上方に位置する離間突起212に下方から当接し、各中間部材311から離間突起212に上方向の力が付与されることによって、イエロー現像カートリッジ27Y、マゼンタ現像カートリッジ27Mおよびシアン現像カートリッジ27Cが上方に持ち上げられていく。
【0107】
そして、直動カム部材310の後方への移動がさらに進み、図19(c)および図21に示すように、後側3つの操作部材315の接離作用部318の上面に中間部材311の一端部(中間部材支持軸321が挿通されている側の端部)が当接すると、イエロー現像カートリッジ27Y、マゼンタ現像カートリッジ27Mおよびシアン現像カートリッジ27Cが離間位置に配置され、イエロー現像カートリッジ27Y、マゼンタ現像カートリッジ27Mおよびシアン現像カートリッジ27Cの現像ローラ39が感光ドラム29から離間する。このとき、ブラック現像カートリッジ27Kの押圧突起227は、操作部材315の押圧作用部317により押圧されている。これにより、ブラック現像カートリッジ27Kの現像ローラ39のみが感光ドラム29に押圧された状態となる。
【0108】
その後、直動カム部材310の後方への移動がさらに進むと、最前の操作部材315の押圧作用部317とブラック現像カートリッジ27Kの押圧突起227との係合が解除され、その押圧作用部317による押圧突起227の押圧が解除される。また、図19(d)に示すように、最前の操作部材315の接離作用部318が、その後方に配置される中間部材311の下端部に当接して、中間部材311の下端部を後方に向けて押圧し、中間部材311が中間部材支持軸321を支点として上方に持ち上がるように回動する。この中間部材311の回動の途中で、中間部材311がその上方に位置するブラック現像カートリッジ27Kの離間突起212に下方から当接し、中間部材311から離間突起212に上方向の力が付与されることによって、ブラック現像カートリッジ27Kが上方に持ち上げられていく。
【0109】
そして、直動カム部材310の後方への移動がさらに進み、図19(e)および図22に示すように、最前の操作部材315の接離作用部318の上面に中間部材311の一端部(中間部材支持軸321が挿通されている側の端部)が当接すると、ブラック現像カートリッジ27Kが離間位置に移動され、ブラック現像カートリッジ27Kの現像ローラ39が感光ドラム29から離間する。これにより、すべての現像カートリッジ27の現像ローラ39が感光ドラム29から離間された状態となる。
【0110】
なお、図19(e)に示す状態から、直動カム部材310を前方に移動させることにより、図19(a)〜(d)に示す各状態に戻すことができる。このとき、各接離作用部318の突起部320が、中間部材311に係止して、中間部材311を離間突起212から離間する方向(下方)に向けて回動させる。
5.作用効果
以上のように、現像ローラ39を感光ドラム29に向けて付勢するためのコイルばね218およびこのコイルばね218に当接部材217を介して押圧力を伝達する取っ手214が、現像カートリッジ27に備えられているので、現像カートリッジ27の交換の度に、その現像カートリッジ27が装着されるカラーレーザプリンタ1に新品のコイルばね218および取っ手214を備えることができる。そのため、コイルばね218の付勢力を一定に保ち続けることができ、感光ドラム29に対する現像ローラ39の良好な押圧状態を維持し続けることができる。また、コイルばね218が現像カートリッジ27に備えられているので、トナーの仕様や現像ローラ39の仕様などが変更となった場合に、最適な付勢力のコイルばね218を配置することができる。
【0111】
しかも、コイルばね218が現像カートリッジ27の現像フレーム36に設けられているので、そのコイルばね218の弾性変形をガイドするばねガイド部材216を現像フレーム37と一体に形成することができる。これにより、それらの部材を取っ手214に設ける必要をなくすことができ、取っ手214の構成の簡素化を図ることができる。
また、離間押圧機構303からの押圧力が入力される押圧突起227が側壁201よりも幅方向外方に突出し、その押圧力をコイルばね218に伝達する凹部225が側壁201よりも幅方向内方に配置されているので、離間押圧機構303からの押圧力を確実に受けることができ、その押圧力をコイルばね218に安定して伝達することができる。
【0112】
さらに、取っ手214を回動させて、その取っ手214を当接部材217を介してコイルばね218に対して接触および離間させることができる。そして、取っ手214が当接部材217に接触した状態で、離間押圧機構303からの押圧力により、取っ手214がコイルばね218を圧縮する方向にさらに回動されることにより、その押圧力を取っ手214からコイルばね218に確実に伝達することができる。
【0113】
また、現像カートリッジ27に取っ手214が備えられているので、その取っ手214を把持して、現像カートリッジ27を移動させることができる。また、その取っ手214がコイルばね218に当接部材217を介して押圧力を伝達するための部材(押圧部材)を兼ねるとともに、取っ手214が回動自在であるので、取っ手214として使用する際には、取っ手214を開く方向に回動させ、押圧部材として使用する際には、取っ手214を閉じる方向に回動させることができる。しかも、取っ手214と押圧部材とを別々に設けた構成よりも部品点数を少なくすることができる。そのため、現像カートリッジ27の操作性を優れたものとすることができながら、部品点数の低減を図ることができる。
【0114】
さらにまた、現像ローラ39の軸方向である幅方向に間隔を隔てた2箇所にコイルばね218が設けられているので、現像ローラ39(ゴムローラ50)の軸方向一方端部が感光ドラム29に対して相対的に強く押圧され、他方端部が感光ドラム29に対して相対的に弱く押圧される、いわゆる現像ローラ39の感光ドラム29に対する片当たりを防止することができる。そのため、現像ローラ39をその軸方向において感光ドラム29にバランスよく押圧させることができる。その結果、現像ローラ39から感光ドラム29にトナーを良好に供給することができる。
【0115】
さらに、2つのコイルばね218は、幅方向に現像ローラ39のゴムローラ50の幅方向の長さ(軸方向の長さ)とほぼ等しい間隔を隔てて配置され、ゴムローラ50の軸方向両端部と上下方向に対向するので、そのゴムローラ50の軸方向両端部を感光ドラム29に確実に押圧させることができ、現像ローラ39の感光ドラム29に対する片当たりを確実に防止することができる。そのため、現像ローラ39から感光ドラム29にトナーを一層良好に供給することができる。
【0116】
しかも、2つのコイルばね218への押圧力の伝達は、一部品で構成された取っ手214により達成されるので、2箇所に配置された各コイルばね218に押圧力を伝達する部品を別々に設けた構成に比べて、部品点数の低減を図ることができる。
また、ばねガイド部材216によって、コイルばね218の弾性変形がガイドされる。そのため、取っ手214からコイルばね218に押圧力が入力されるときに、コイルばね218の姿勢を安定に保ちながら、コイルばね218を弾性変形させることができる。その結果、現像ローラ39を感光ドラム29に向けて確実に付勢することができる。
【0117】
また、コイルばね218は、取っ手214から押圧力が入力されたときに、1N以上20N以下の付勢力を発生する。コイルばね218の付勢力が1N以上であれば、付勢力の不足による現像ローラ39の感光ドラム29に対する片当たりを防止することができる。また、コイルばね218の付勢力が20N以下であれば、付勢力が大きすぎることがなく、感光ドラム29の所望しない領域にトナーが付着する、いわゆる押圧かぶりの発生を防止することができる。
【0118】
さらにまた、現像カートリッジ27ごとに、コイルばね218の強度を変えて、トナー収容室43に収容されているトナーの種類(色)に応じた適切な付勢力を設定することができ、その付勢力により現像ローラ39を感光ドラム29に対して良好に押圧させることができる。そのため、各感光ドラム29にそれぞれ対応する色のトナーを良好に供給することができる。
【0119】
また、現像カートリッジ27の下端部に現像ローラ39が配置され、その現像ローラ39が感光ドラム29に対して上方から押圧されるので、現像カートリッジ27の自重が感光ドラム29に対する現像ローラ39の押圧に作用する。そのため、トナー収容室43に収容されるトナー量や現像フレーム36の設計が変更されることにより、現像カートリッジ27の自重が変わると、感光ドラム29に対する現像ローラ39の押圧の状態が変化する。この実施形態では、コイルばね218が現像カートリッジ27に備えられているので、現像カートリッジ27の自重が変更されても、コイルばね218の付勢力を調節することにより、現像ローラ39を感光ドラム29に対して所定の押圧状態で押圧させることができる。
【0120】
また、取っ手214が起立状態と傾倒状態とに回動可能に設けられているので、ドラムユニット26を本体ケーシング2に装着するときに、起立状態の取っ手214の移動経路上に障害物(たとえば、本体ケーシング2の構成部材)が存在しても、その起立状態の取っ手214は、障害物との衝突により起立状態から傾倒状態に回動する。そのため、取っ手214がドラムユニット26の装着の妨げになるのを防止することができ、ドラムユニット26の本体ケーシング2に対するスムーズな装着を確保することができる。
【0121】
そして、このカラーレーザプリンタ1は、感光ドラム29に対する現像ローラ39の良好な押圧状態を維持し続けることができる現像カートリッジ27を備えているので、現像ローラ39から感光ドラム29へのトナーの良好な供給を確保することができる。そのため、感光ドラム29に形成される静電潜像の良好な可視像化を達成することができ、高品質な画像を形成することができる。
【0122】
また、ドラムユニット26を本体ケーシング2に対して着脱させることができるので、ジャム処理や部品交換などのメンテナンス作業を容易に行うことができる。そのうえ、現像カートリッジ27を個別に交換することができるので、メンテナンスのための費用(メンテナンスコスト)の低減を図ることができる。
6.現像カートリッジの他の実施形態
図23は、現像カートリッジ27の他の実施形態を示す斜視図である。この図23において、上述した各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0123】
この実施形態に係る現像カートリッジ27では、取っ手214が備えられておらず、現像フレーム36の上壁202において、幅方向の両端部に、押圧部材の一例としての板ばね部材401が設けられている。
板ばね部材401は、付勢部の一例としての一端部402が、ねじ403によって、上壁202の上面に固定されている。そして、板ばね部材401は、一端部402から上方に屈曲し、さらに幅方向外方へと屈曲して、幅方向外方に向けて延びている。そして、板ばね部材401の他端部404は、現像フレーム36の側壁201よりも幅方向外方に突出し、離間押圧機構303の押圧作用部317からの押圧力が入力される突出部を形成している。
【0124】
このような構成においても、離間押圧機構303の押圧作用部317が、板ばね部材401の他端部404に上方から当接し、その他端部404を下方に向けて押圧すると、板ばね部材401が弾性変形し、その弾性変形による板ばね部材401の付勢力が現像フレーム36の上壁202に入力され、現像フレーム36が下方に向けて付勢されることにより、現像ローラ39が感光ドラム29に押圧される。そのため、図6に示す現像カートリッジ27と同様な効果を奏することができる。
7.現像カートリッジの他の実施形態
図24および図25は、現像カートリッジ27の他の実施形態を示す斜視図である。図24および図25において、上述した各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0125】
この実施形態に係る現像カートリッジ27では、ばねガイド部材216、当接部材217およびコイルばね218が備えられておらず、現像フレーム36の端面の一例としての上壁202の前端部に、その幅方向(現像ローラ39の軸方向)の全幅にわたって、スポンジまたはゴムなどの弾性材料からなる角柱状の弾性部材411が設けられている。
このような構成においても、離間押圧機構303の押圧作用部317が、現像カートリッジ27の押圧突起227に上方から当接して、各押圧突起227を下方に向けて押圧すると、取っ手214が傾倒状態から押圧状態に回動し、取っ手214によって弾性部材411が押圧されて、弾性部材411が収縮する。そして、その収縮による弾性部材411の付勢力が現像フレーム36の上壁202に入力され、現像フレーム36が下方に向けて付勢されることにより、現像ローラ39が感光ドラム29に押圧される。そのため、図6に示す現像カートリッジ27と同様な効果を奏することができる。
【0126】
そのうえ、弾性部材411から上壁202の軸方向全幅に付勢力を与えることができ、その付勢力により現像ローラ39を感光ドラム29に向けて付勢することができる。そのため、現像ローラ39をその軸方向において感光ドラム29にバランスよく押圧させることができる。その結果、現像ローラ39から感光ドラム29にトナーを良好に供給することができる。
8.現像カートリッジの他の実施形態
図26および図27は、現像カートリッジ27の他の実施形態を示す斜視図である。また、図28は、図27に示す現像カートリッジ27の左側上端部の斜視図である。図26、図27および図28において、上述した各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0127】
この実施形態に係る現像カートリッジ27では、取っ手214が備えられておらず、現像フレーム36の上壁202において、その前端部の幅方向の両端部に、それぞれ幅方向外方に向けて突出する押圧突起421が設けられている。この押圧突起421は、現像フレーム36に一体的に形成されている。そして、その押圧突起421の先端部には、スポンジまたはゴムなどの弾性材料からなる筒状の弾性リング422が装着されている。
【0128】
このような構成では、押圧突起421の弾性リング422が装着された部分が押圧突起受入部325(図16参照)に受け入れられる。そして、離間押圧機構303の押圧作用部317が、弾性リング422に上方から当接し、その弾性リング422を下方に向けて押圧すると、弾性リング422が弾性変形し、その弾性変形による弾性リング422の付勢力が押圧突起421に入力され、現像フレーム36が下方に向けて付勢されることにより、現像ローラ39が感光ドラム29に押圧される。そのため、図6に示す現像カートリッジ27と同様な効果を奏することができる。
9.現像カートリッジの他の実施形態
図29および図30は、現像カートリッジ27の他の実施形態を示す左前方から見た斜視図である。また、図31は、現像カートリッジ27の前方から見た正面図であり、図32は、図31に示す切断線B−Bにおける断面図である。図29ないし図32において、前述した各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0129】
前述の現像カートリッジ27では、図9に示すように、現像フレーム36の上壁202に、2つのばねガイド部材216が設けられている。そして、取っ手214の下面には、各当接部材217と対応する位置に、それぞれ対応する当接部材217を受け入れ可能な凹部225が形成されている。
これに対し、この現像カートリッジ27では、図30に示すように、取っ手214の下面に形成されている各凹部225に、円筒状のばねガイド部材216が設けられている。そして、現像フレーム36の上壁202には、図29ないし図31に示すように、各当接部材217と対応する位置に、それぞれ対応する当接部材217の本体部219の先端部401を受け入れ可能な受入溝402が形成されている。
【0130】
より具体的には、各ばねガイド部材216は、取っ手214と一体的に形成されている。各ばねガイド部材216の先端部は、凹部225外に突出している。各ばねガイド部材216の周面には、その中心軸方向に延びる複数の溝部223が、それぞれ取っ手214側の端縁から中心軸方向の途中部まで形成されている。
当接部材217は、図32に示すように、各係止爪部222がばねガイド部材216の溝部223に係止し、本体部219がガイド部材216から突出した状態に設けられている。本体部219の先端部401は、側面視略半円形状をなし、前後方向に延びるリブ状に形成されている。
【0131】
また、コイルばね218は、取っ手214の下面と当接部材217との間で圧縮された状態に設けられて、当接部材217をばねガイド部材216から抜ける方向に付勢している。
取っ手214が傾倒状態に傾倒した状態では、各受入溝402に各当接部材217の先端部401が受け入れられて、各先端部401が各受入溝402の底面(現像フレーム36の上壁202)に当接する。そして、取っ手214が傾倒状態から押圧状態へ回動されると、各当接部材217が取っ手214側へ押されて、各コイルばね218が圧縮される。そして、その圧縮による各コイルばね218の付勢力が、各当接部材217から現像フレーム36の上壁202に入力され、現像フレーム36が下方に向けて付勢されることにより、現像ローラ39が感光ドラム29に押圧される。
【0132】
このように、ばねガイド部材216、当接部材217およびコイルばね218が取っ手214に設けられてもよい。この構成を採用することにより、それらの部材を現像フレーム36に設ける必要をなくすことができ、現像フレーム36の構成の簡素化を図ることができる。
【符号の説明】
【0133】
1 カラーレーザプリンタ
2 本体ケーシング
26 ドラムユニット
27 現像カートリッジ
29 感光ドラム
36 現像フレーム
39 現像ローラ
201 側壁
202 上壁
214 取っ手
216 ばねガイド部材
218 コイルばね
225 凹部
227 押圧突起
310 直動カム部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体に現像剤を供給して、当該静電潜像を可視像化するための現像剤担持体と、
現像剤を収容し、前記現像剤担持体が支持される現像剤担持体支持部を一方側端部に有する筐体と、
前記筐体における前記現像剤担持体支持部と反対側の他方側端部に、前記現像剤担持体の軸方向に延びる回動軸線を中心に回動自在に設けられ、前記筐体よりも前記現像剤担持体の軸方向における外方に突出し、外部から押圧力が入力される突出部、および、前記筐体の前記軸方向の側面よりも前記軸方向における内方に、前記軸方向に間隔を隔てて2つ設けられ、前記突出部に押圧力が入力されたときに、前記現像剤担持体が前記像担持体に押圧される方向に前記筐体を付勢する付勢部を有し、当該押圧力により回動して、前記付勢部を介して前記現像剤担持体が前記像担持体に押圧される方向に前記筐体を押圧する押圧部材とを備えていることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項2】
前記押圧部材は、前記現像カートリッジを移動させる際に把持される取っ手を兼ねていることを特徴とする、請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項3】
前記押圧部材に設けられ、前記押圧力による前記付勢部の弾性変形をガイドするガイド部材を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の現像カートリッジ。
【請求項4】
前記付勢部は、1N以上20N以下の付勢力を発生させることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像カートリッジ。
【請求項5】
前記現像カートリッジは、各色に対応して設けられる複数の前記像担持体を備えるカラー画像形成装置に用いられることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の現像カートリッジ。
【請求項6】
前記現像カートリッジは、前記カラー画像形成装置において、前記筐体の前記一方側端部が相対的に下方に位置し、前記筐体の前記他方側端部が相対的に上方に位置するように配置されることを特徴とする、請求項5に記載の現像カートリッジ。
【請求項7】
前記カラー画像形成装置は、装置本体と、前記装置本体に対して着脱可能に装着され、複数の前記像担持体を一体的に保持する像担持体ユニットとを備えており、
前記現像カートリッジは、前記像担持体ユニットに対して着脱可能に装着され、
前記押圧部材は、前記現像カートリッジが前記像担持体ユニットに装着された状態で、前記像担持体ユニットの着脱方向と交差する方向に延びる回動軸線を中心に、当該着脱方向と交差する起立状態と前記像担持体ユニットの装着時の移動方向の上流側に傾倒する傾倒状態とに回動可能に設けられていることを特徴とする、請求項5または6に記載の現像カートリッジ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の現像カートリッジと、
前記押圧部材に押圧力を入力する押圧力入力部材とを備えていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項9】
装置本体と、
前記装置本体に対して着脱可能に装着され、複数の像担持体を一体的に保持する像担持体ユニットとを備え、
前記現像カートリッジは、前記像担持体ユニットに対して着脱可能に装着されることを特徴とする、請求項8に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate


【公開番号】特開2010−26541(P2010−26541A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255251(P2009−255251)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【分割の表示】特願2009−111974(P2009−111974)の分割
【原出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】