説明

用量分注デバイス

【課題】最高レベルの機能的信頼性、および環境汚染のリスクに関して実現し得る最良の安全性を実現する用量分注デバイスを提供する。
【解決手段】用量分注デバイス100は、吐出スパウト111を備える用量物質用の容器110と、吐出スパウトに隣接する調量要素120とを備える。調量要素は、容器の方向に向く側の入口開口123、閉状態においてはスロット形状となり、容器から離れる方向に向く側に配置された、出口開口124、および、入口開口と出口開口との間に延在する、内面および外面を有する壁部125を有する。さらに、少なくとも入口開口およびスロット形状出口開口を貫通し、壁部の内面を覆う、フォイル形状材料140を、用量分注デバイス内に挿入することが可能である。用量分注デバイスは、ホースセクション141の一部分を伸張する役割を果たす伸張デバイス130を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の導入部分において規定される、吐出スパウトを備える用量物質容器、およびこの吐出スパウトに隣接する調量要素から構成される、用量分注デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
用量分注デバイスは、1つあるいは複数の混合プロセスおよび/または処理プロセスの過程で、最終生成物が多数の様々な粉状のまたは粒状の材料物質から生成される領域において、その用途がある。そのようなプロセスに関して挙げることが可能な例には、化学工業、さらには製薬工業が含まれる。開発段階の調合物が、極少量から実験室規模までにおいて混合される際に、最終生成物の製造業者は、工業規模の量の材料物質を消費する。その理由は、それが、十分なロットサイズを得るための、したがって経済的生産を確保するための唯一の方法であるからである。とりわけ、製薬/化学工業においては、一方では産業のほぼ全ての部門における認証システムの体制において確立されている品質基準の維持が、厳しい品質管理によってのみ可能となるため、使用される器具および用具の清浄度は、材料製品の純度に加えて、最も重要である。この事情においては、使用される器具が、使用の直後に極めて厳しい洗浄処置を受けることがとりわけ重要である。その後に、様々な洗浄度検査および機能チェックを受けた後で、これら器具は、使用に戻すことが可能となる。化学製品の生成において、とりわけ薬品の製造において特に重要な局面は、原材料物質または中間生成物の、中間保持容器および/または混合容器内への移送、ならびに、製造プロセスの終了時における輸送容器および保管容器内への移送である。
【0003】
規定量の調合物成分を、大量であっても実現し得る最も高い精度にて分注するための一手段として、可変式出口孔を有する調量要素が使用される。このような調量要素は、容器間に、さらにはホース導管の内部に配置することが可能であり、それにより、製品流を、用量分注プロセスの精度および速度に関する要件に準じて、手動によりまたは自動的に制御することが可能となる。
【0004】
この態様において調量要素を使用することの問題は、充填プロセスまたは分注プロセスの際に、この要素の少なくとも内側が、分注されることとなる製品と恒常的に接触状態にあることである。この結果、試用期間を可能な限り延ばすための方法として、特定の調量要素が、分注されることとなるそれぞれ異なる物質ごとに使用されなければならなくなる、または、特に前述の品質基準を考慮して、調量要素が、異なる物質間における相互汚染を防ぐために、各用量分注プロセス後に洗浄処理および検査処置を受けることになる。
【0005】
これに加えて、用量分注プロセスが完了し、受容器が取り外された後のある一定期間の間に、充填デバイスのユーザが用量物質に接触するおそれがある、という問題がある。これは、例えば、製品残留物が調量要素内に残された場合に、および/または、粉末を放散しやすい粉状製品が分注されつつある場合に生じる。したがって、ユーザが、皮膚、粘膜、または気道との接触により汚染され得る、またそれによりユーザの健康が危険に晒され得る可能性を、排除することは不可能である。
【0006】
最後に述べた側面を排除するための、または可能な限り危険を低減させるための一手段として、バルクバッグ用の保持デバイスを備え、内方チューブおよび外方チューブを有する二重チューブデバイスが保持器デバイスの下方にて中心に整列された状態で配置される、内方バッグおよび外方バッグを有するバッグ(すなわち、いわゆるバルクバッグ)のための内容物排出デバイスが、EP0835829A1において提案されている。二重チューブデバイスは、好ましくは内方チューブ内に配置され、上下方向に移動可能な、把持具デバイスを有し、この把持具デバイスは、内方バッグのバッグ出口を保持する役割を果たし、この把持具デバイスを、外方から操作可能な引っ張りデバイスによって上方位置から下方位置に引っ張ることが可能である。
【0007】
汚染を引き起こすことなく可撓性のバルク物質容器の中身を排出するおよび充填するためのデバイスが、EP1708941B1において説明されている。これは、中身を排出されることとなる容器から連結具ホースまたは入口開口への連結部材として、フォイルホースを使用する。充填プロセスまたは内容物排出プロセスが完了した後には、このフォイルホースは、可撓性容器および/または充填された容器と共に結わえられ、その上で汚染されたフォイルホースが、取り外され、処分される。
【0008】
前述のデバイスは、様々な欠点を有する。全てのデバイスにおいて、充填物質の偶発的な漏出が、可能な限り防がれ、したがって環境およびユーザを汚染する危険が、かなりの度合まで低減されるが、充填物質は、提案される全ての構成において、輸送プロセスまたは充填プロセスの際に、充填デバイスおよび/または調量要素と接触状態にある。したがって、センシティブな領域においてこれらの種類のデバイスを使用した後には、充填装置または用量分注装置の全体を、洗浄および/または汚染除去することが必要となる。適切な洗浄には、多大な時間およびコストがかかり、充填デバイスまたは用量分注デバイスを使用に戻すことが可能となるまでには、一連の検査チェックが必要となる。
【0009】
参照によりその全体として本明細書に内容が組み込まれるWO2008/017175においては、用いることによりこれらの欠点を大幅に回避することが可能となる用量分注デバイスが、提案されている。この用量分注デバイスは、調量要素内まで延在する吐出スパウトを備える、用量物質用の容器を有する。調量要素は、容器に対面する側の入口開口、吐出スパウトおよび調量要素を解除自在に連結するためのクランププロファイルおよび/または高速締めデバイス、容器から離れる方向に向く側のスロット形状出口開口、吐出スパウトと入口開口との間の環状ギャップ、入口開口と出口開口との間に延在する内面および外面を有する壁部、ならびに、吐出スパウトの区域に保管されるフォイル形状材料の、とりわけプラスチックフォイルまたはエラストマーフォイルの供給源を有する。容器としては、吐出スパウトが緊密に連結される、例えば溶接される、リザーバホッパを使用することが可能である。しかし、さらには、例えばバッグが充填ノズル内に挿入され得るように、またはバッグが大型サイロの出口開口の下方に配置され得るように構成された、漏斗の形状において、調量要素を容器に装着することもまた可能である。さらに、入口開口、壁部の内面、およびスロット形状出口開口が、フォイル形状材料により覆われることが、意図される。
【0010】
しかし、上述の構成により、ポケット形状折曲部またはしわが用量分注プロセスの際にフォイル形状材料において生じ得る、および、用量物質がこれらのしわ内に捕捉され得る可能性がある。これにより、調量要素の出口開口は、もはや十分には閉鎖され得なくなり、これらのポケットの中の1つがスロット形状出口開口において形成されると、漏れを生じる結果となる可能性がある。さらには、これにより、フォイル形状材料の破壊が生じ、フォイル形状材料がその保護機能をもはや果たさなくなる可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】EP0835829A1
【特許文献2】EP1708941B1
【特許文献3】WO2008/017175
【特許文献4】WO2007/000349A1
【特許文献5】米国特許第7,104,293号
【特許文献6】米国特許出願公開第3,440,696号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、前述の種類に属するが、最高レベルの機能的信頼性、および環境汚染のリスクに関して実現し得る最良の安全性を実現する用量分注デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、請求項1の特徴を備える用量分注デバイスによって解決される。本発明のさらに好ましい実施形態が、従属請求項に示される。
【0014】
本発明による用量分注デバイスは、吐出スパウトを備える用量物質用の容器と、吐出スパウトに隣接する調量要素とを備える。「容器」という語には、例えばタンク、サイロ、保管バンカ、漏斗、ホース、バッグ、パイプ、キャニスタ、ボール、槽、ダクト、および同様のものなど、用量物質を保持するのに適したあらゆる物体が含まれる。
【0015】
調量要素は、容器の方向に向く側の入口開口、閉状態においてはスロット形状となり、容器から離れる方向に向く側に配置された、出口開口、および、入口開口と出口開口との間に延在する、内面および外面を有する壁部を有する。さらに、少なくとも入口開口およびスロット形状出口開口を貫通し、壁部の内面を覆う、フォイル形状材料を、用量分注デバイス内に挿入することが可能である。この挿入されるフォイル形状材料は、予めホースとして構成されてよい。しかし、フォイル形状材料が、バンドとして保管され、このバンドが、ロールの上に巻かれ、フォイル形状材料が少なくとも入口開口から出口開口を貫通して出口開口の下方の空間内に延在するホースセクションを形成するように、少なくとも調量要素を貫通して引き込まれる、他の設計もまた実現可能である。したがって、用量分注プロセスの際には、用量物質は、入口開口の手前でまたは入口開口で始まるこのホースセクションを介して送られ、それにより、調量要素と用量物質との間の接触が防がれる。粗粒バルク物質に関しては、フォイル形状材料は、長手方向に共に溶接されてホースになされる必要すらない。保護機能は、フォイルの境界区域の十分な重畳によっても実現され得る。
【0016】
本発明によれば、用量分注デバイスは、ホースセクションの一部分を伸張する役割を果たす伸張デバイスを備える。この伸張デバイスは、ホースセクションの前述の部分を固定するために、少なくとも1つの第1の固定位置決め具および少なくとも1つの第2の固定位置決め具を備える。この2つの固定位置決め具は、ホースセクションの長手方向に対して角度をなして配置された伸張ラインの上に配置される。「角度をなして」という表現は、伸張ラインがホースセクションの長手方向に対して平行には延在しないことを意味する。したがって、ホースセクションは、常に、その長さ部分に対して交差方向に引っ張られ得る。当然ながら、伸張ラインとホースセクションの中央長手方向軸との間に囲まれる角度には、好ましい範囲がある。囲まれる角度の好ましい範囲は、90°の角度が水平配向の伸張ラインに相当する場合には、30°から90°の間である。
【0017】
ホースセクションの伸張を可能にするために、固定位置決め具の中の少なくとも1つが、伸張ラインに沿って直線変位することが可能である必要がある。伸張ライン上にしわが存在しないようにするために、ホースセクションの前記部分は、断面周囲が実質的に均等な長さの2つの周囲セグメントに分割されるように、断面周囲にて、第1および第2の固定位置決め具に固定される。断面周囲は、伸張ラインを含む面内におけるホースセクションの断面の周囲である。
【0018】
好ましくは、伸張ラインは、スロット形状出口開口を含み、ホースセクションの長手方向に延在する面内に配置される。スロット形状出口開口に対する伸張ラインのこの配向は、出口開口が閉じられつつある場合にしわが形成されるのを最小限に抑えることに寄与する。
【0019】
本発明の好ましい一実施形態においては、伸張ラインが、スロット形状出口開口に対して平行に配置され、スロット形状出口開口からの伸張ラインの距離が、フォイル形状材料の材料特性によって規定される最大許容距離に等しい、またはこの最大許容距離よりも小さいことが、予期される。フォイル形状材料の材料厚さが小さくなるほど、フォイルはその剛性に関して安定性が低下する。したがって、ホースセクションの前記部分が伸張されつつある場合に、薄いフォイルは、より厚いフォイルと比較した場合に、伸張ラインからより近い距離にてしわを形成する。理論的には、この同一の効果が、異なる材料特性を有するフォイルに関しても認められ得る。
【0020】
伸張ラインは、調量要素の内部にまたは調量要素の外部に配置される必要は必ずしもない。伸張ラインは、閉状態においてはスロット形状となる出口開口に対して角度をなして配置されてもよく、より正確には、伸張ラインは、出口開口に交差することが可能である。これが可能となるためには、固定位置決め具の中の少なくとも1つが、調量要素の内部に配置されなければならない。
【0021】
しかし、好ましくは、伸張ラインは、出口開口の内部に延在し、第1の固定位置決め具は、スロット形状出口の第1の端部の区域に配置され、第2の固定位置決め具は、スロット形状出口の第2の端部の区域に配置される。この構成は、伸張ラインにおいて折り目が全く形成されないことが見込まれるため、最も安全である。
【0022】
本発明による伸張デバイスは、スロット形状出口を有する調量要素を備えるあらゆる用量分注デバイスにおいて、使用することが可能である。さらに、この伸張デバイスは、スロット形状出口開口が中に形成される弾性材料を含む、WO2007/000349A1において開示されている調量要素を備える。
【0023】
当然ながら、調量要素は、前述の調量要素でなければならない必要は必ずしもない。スロット形状出口開口を有するいずれの調量要素も、適切である。その結果、調量要素は、少なくとも1つのシャッタスライドまたはシャッタ顎部を有することも可能である。シャッタ顎部は、例えば直線状被誘導移動または旋回移動用に構成されてよい。全く同様に、本発明による伸張デバイスは、米国特許第7,104,293号において開示される調量要素として使用される結合要素と組み合わせて、使用することが可能である。
【0024】
好ましくは、スロット形状出口開口は、伸張ライン方向に延在するように設計される。しかし、より有利であることが明らかな場合には、出口開口は、弧形状であってもよい。弧形状である場合には、フォイル形状材料の伸張にもかかわらず、出口開口が閉ざされつつある際に、出口開口の区域におけるしわの発生が依然として防がれるように、弧の半径の選択において注意を払う必要がある。
【0025】
WO2007/000349A1において開示されている調量要素は、さらなる利点を提供する。例えば、固定位置決め具を、スロット形状出口の端部に剛体的にまたは弾性的に連結させることが可能であり、これによって、ホースセクションは、出口の閉鎖と同時に伸張され得る。
【0026】
さらに、この種の調量要素は、出口の区域を囲む固定手段を有することも可能であり、これにより、ホースセクションの周囲全体が、固定され得る。このような固定手段は、例えば、米国第3,440,696A1号(Ziploc)において開示されているリブ連結具から構成することが可能である。この連結具の溝部は、スロット形状出口開口中に形成され、スナップ閉鎖リブは、フォイル形状材料の上に形成されることとなる。当然ながら、固定位置決め具は、クランプ顎部、戻り止め要素、マジックテープ(登録商標)、または接着剤パッドであってもよい。
【0027】
用量分注デバイス内に挿入するためのフォイル形状材料は、複数の様々な適切な構成をとることが可能である。本発明の好ましい一実施形態によれば、フォイル形状材料は、それが保管されることとなる形態において、閉断面を有するホースである、すなわち、フォイル形状材料は、連続ホースとして構成される。さらなる可能性として、材料は、個別のホースセクションの形態において保管されてもよい。調量要素が定位置に設置される前に、または、用量分注プロセスが開始される前に、ホースセクションは、吐出スパウトを覆って押し込まれ、調量要素を貫通して引き込まれてよく、したがって、ホースセクションの供給源が、容器の吐出スパウトの近傍に保管されてよい。
【0028】
さらに、規定の位置に目打ちを有し、この目打ちにての切取りにより個別のセクションに分離される連続フォイルホースとして、この材料を保管することが可能である。他の好ましい一実施形態によれば、フォイル形状材料は、使用時にのみ、すなわちフォイル材料が吐出スパウトと入口開口との間の環状ギャップを貫通して通される際に、ラジアル方向には通過不能なホースに形成される、フォイルの連続バンドとして供給される。バンドからホースを形成するこのステップは、入口開口の近傍に配置され、長手方向シームをもたらす、フォイル溶接デバイスまたは接着結合デバイスによって達成される。連続ホースまたは連続バンドが使用される場合には、新たなホースセクションが定位置に引き込まれる前の、汚損されたホースセクションの清浄な分離を確実にするために、開口の中の1つの近傍に交点溶接/フォイル分離デバイスを配置することが、有利である。使用されるフォイル材料に応じて、例えば溶接顎部、ナイフ、または電熱線などによって、この分離を達成することが可能である。
【0029】
ホースセクションの前記部分が、固定位置決め具にて、クランプ顎部によってクランプされ、ホースセクションが、どのような特定の様態にも設計されない場合には、クランプにより、ホースセクションの通路穴は縮小される。出口が開かれた場合にホースセクションを通り流れる充填物質または注入物質が、固定位置決め具の区域にて詰まるおそれを防ぐために、フォイル形状材料は、少なくともホースセクションの固定部分において、ホースセクションからラジアル方向に突出する耳状部またはシームなどの、適切に構成された固定パーツを有することが可能である。
【0030】
既に上記において述べられたように、熱可塑性フォイル形状材料を分離するために、少なくとも1つの電熱線が、固定位置決め具間に配置されてよく、好ましくは、電気的接触が、固定位置決め具を介して生じる。当然ながら、電熱線は、フォイル形状材料の中に埋め込まれてもよく、したがって、フォイル形状材料は、材料の長手方向に対して交差して配置された少なくとも1つの電熱線を備えることが可能である。電熱線の代わりに、導電性フィルム層、導電性フィラメント、導電性リボン、またはこの種の任意の他のデバイスもまた可能である。フォイル材料中へのこれらの電気加熱手段の埋め込みは、フォイル材料中に加熱手段を、インプリントする、積層する、接着結合する、蒸着する、スプレーする、溶融する、または注型することによって、達成することが可能である。加熱手段の電気的接触は、空所として残された接触位置を介して、または、加熱手段を覆うフォイル形状材料の絶縁層を目打ちする、穿孔する、もしくは部分的に除去することによって、生じる。
【0031】
さらに、電熱線の代わりに、溶接顎部が、固定位置決め具に組み込まれてよく、または、用量分注デバイスが、固定位置決め具とは無関係に動作可能な溶接顎部を有することが可能である。溶接顎部は、フォイル形状材料中に溶接シームをもたらす役割を果たす加熱デバイスを備え、フォイル形状材料が間を通過する対である2つの溶接顎部が、溶接プロセスの際に互いに対して押圧される。
【0032】
とりわけ乾燥した微粉などの多数の用量物質が、用量分注プロセスの際に静電気により帯電する傾向がある。特に、プラスチックフォイルの使用に関しては、フォイル上において強力な静電荷が蓄積することにより、かなりの量の用量物質が、フォイルに付着される可能性がある。この作用を回避するために、フォイル形状材料は、少なくとも1つの導電面を備えることが可能である。この面は、例えばスプレー、蒸着、積層などにより、または、ガルバニックプロセスにより、金属被覆をプラスチックフォイルに施すことによって作製され得る。当然ながら、導電性ポリマーフォイル、添加剤物質により導電性になされたプラスチックフォイル、または純金属フォイルを使用することも可能である。用量分注デバイス内に挿入されたフォイル形状材料の導電性被覆は、接地、すなわち静電荷の蓄積を防止するのに一般的に十分である手段に接続される。これらの措置が十分ではない場合には、導電性被覆を、交流電圧下に、好ましくは高周波交流電圧下におくこともまた可能である。
【0033】
用量物質の残留物がフォイルの分離時に漏れることによる汚染の危険を最小限に抑えるための一方法として、3つの電熱線または溶接顎部を、伸張ラインに対して平行に配置することもまた可能である。中央に位置する電熱線が、他の2つの電熱線よりも低い電気抵抗を有し、それにより、中央の電熱線に沿ったフォイル形状材料の制御された分離を実現し、その一方で、他の2つの電熱線は、分離されたホースセクションを溶接閉鎖する役割のみを果たす。要望に応じて、3つの電熱線全てを電源に、同時に、または個別に接続することが可能である。
【0034】
調量要素が用量物質とはもはや直接接触状態におかれないことにより、調量要素は、完全に緊密にシールされる必要はもはやない。その結果、調量要素は、フォイル形状材料の挿入を容易にするために、実質的に垂直な面に沿って2つの要素パーツに分離するように設計されてよい。
【0035】
本発明は、双方の固定位置決め具が、さらに用量分注具とは無関係に、互いの方向に、または互いから離れる方向に同期的に移動され得るというコンセプトをさらに含む。用量分注具とは無関係に動作可能な伸張デバイスにより、用量分注プロセスに直接的に影響を与えることが可能である。ユーザがこの可能性を活用するために複数の可能な方法が存在する。第1に、固定位置決め具の振動性運動または振動によって、用量物質のホースセクションを介する移動を促進することが可能となる。第2に、伸張デバイスが出口開口と容器との間に配置される場合には、伸張デバイスにより、ホースセクションの流通穴を変化させることが可能となり、これにより、調量要素を通過する用量物質の質量流量に影響を与えることが可能となる。第3に、振動式固定位置決め具を用いることにより、調量要素の下方のホースセクションの部分を完全に空にすることが可能となり、ある場合には、さらに洗浄することが可能となる。
【0036】
以下、例により、および図面を参照として、本発明による用量分注デバイスをより詳細に説明する。全ての図面において、例えば棚、足場、ホルダ、台、および同様のものなどの、支持構造物は一切図示されない。さらに、軸受支えまたは制御デバイスおよび同様のものなどの、一般的に知られている補助デバイスは、本発明に実際に関連性のあるパーツのよりよい視認を可能にするために、意図的に除外されている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】容器、調量要素、および、端部がホース状に形成され、入口開口を貫通し、調量要素を貫通し、出口開口を貫通して引き込まれた、フォイル形状材料のロールを備える、ならびに、調量要素の外部に配置され、図においては2つの固定位置決め具のみによって示される、伸張デバイスを備える、本発明による用量分注デバイスの3次元概略図である。
【図2】開かれ得る調量要素を備え、長手方向シームを溶接するためのデバイスを備え、交差シームを溶接するためのデバイスを備える、図1に図示される用量分注デバイスを実質的に示す図である。
【図3】容器および調量要素を備え、ホースとして構成されたフォイル形状材料であって、このフォイル形状材料の供給源が容器の近傍にて保持され、このフォイル形状材料が調量要素および出口開口を貫通して引き込まれた、フォイル形状材料を備え、ならびに、スロット形状出口開口において組み込まれた伸張デバイスを備える、出口開口が閉鎖された状態の断面における、本発明による用量分注デバイスの概略図である。
【図4】図3に示されるものと同一の容量分注デバイスであるが、出口開口が開状態にある、容量分注デバイスの図である。
【図5A】図5Aは、周囲固定手段が出口開口の周囲に配置され、出口開口が閉状態において示されている、図3および図4に図示されるものと実質的に同一の調量要素の断面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aの調量要素の平面図である。
【図6】伸張ラインがスロット形状出口開口に対して角度をなして配置された、図3および図4に図示されるものと実質的に同一の用量分注デバイスの図である。
【図7】漏斗形状容器、調量要素としての摺動シャッタ、および、容器内部に配置され、用量物質を収容する、ホースとして形成されたフォイル形状材料を備え、フォイルホースの充填開口を形成する一方の端部が、結わえられて閉じられ、他方の端部が、調量要素およびその出口開口を貫通して引き込まれ、伸張デバイスが、調量要素の内部に配置された、出口開口が閉鎖された状態の本発明による用量分注デバイスの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、調量要素120の入口開口123内まで延在する吐出スパウト111を有する容器110を備える、本発明による用量分注デバイス100の3次元概略図を示す。容器110および調量要素120が実質的に垂直方向構成であることにより、容器110内の用量物質は、それ自体の重力において、吐出スパウト111を通り調量要素120内に流入することが可能である。調量要素120は、閉状態においてはスロット形状構成をとる出口開口124を有する。調量要素120の壁部125は、入口開口123と出口開口124との間に延在する。調量要素120は、概して弾性材料から作成され、それ故に、出口開口124は、第1の押し棒121および第2の押し棒122によって開閉され得る。このような調量要素120の機能的コンセプトは、WO2007/000349において正確に述べられており、その全内容が、本明細書における参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
さらに、用量分注デバイス100においては、ロール上に巻かれ、容器110の側部に配置されたフォイルバンドとして構成された、フォイル形状材料140が使用されている。フォイル形状材料140は、吐出スパウト111と入口開口123の壁部125との間の環状ギャップを貫通して、調量要素120の内部内に案内され、この環状ギャップの貫通において、フォイル形状材料140のバンドは、ホースセクション141へと形成される。
【0040】
このホースセクション141の端部は、調量要素120の出口開口124から突出する。出口開口124の下方には、伸張デバイス130が設置され、2つの固定位置決め具131、132によって概略的な様式においてのみ示される。ホースセクション141の部分145が、第1の固定位置決め具131および第2の固定位置決め具132においてクランプされる。フォイル形状材料の配向は、重畳部142(破線により示される)が、第1の固定位置決め具131に配置されるように、選択される。これは、部分145の2つの連続周囲セグメントUがやはり張力下におかれ得ることを実現することが可能となる、唯一の方法である。2つの固定位置決め具131、132は、スロット形状出口開口124に対して平行に延在する伸張ラインSに沿って、互いの方向にまたは互いから離れる方向に、直線的に移動され得る。用量の物質が中に分注されることとなる標的容器(図面には図示せず)を、ホースセクション141の下方に配置することが可能である。標的容器については、容器110の説明において先に述べられたものと同一のタイプのレセプタクルを使用することが可能である。
【0041】
用量制御アルゴリズム、分注される用量物質、またはユーザのニーズに応じて、固定位置決め具131、132は、押し棒121、122と同時に、さらには、押し棒121、122の動きとは完全に無関係に、移動させることが可能である。さらに、伸張デバイス130全体は、2つの固定位置決め具131、132が垂直方向にもさらに移動可能となるように構成することが可能であり、それにより、フォイル形状材料140は、伸張デバイス130の補助を伴って引かれ得るようになる。
【0042】
図2は、断面的に見た場合の用量分注デバイス200を概略的に図示する。用量分注デバイス200は、図1の用量分注デバイス100と実質的に同一の構成を有し、同一の構成要素は全て、同一の参照符号を共有し、以下の説明において再び詳細には説明されない。さらに、同様のことが、以下において説明される全ての図面に関して同様に当てはまる。
【0043】
オペレータの便宜を向上させる一方法として、図2に提示される用量分注デバイス200は、開かれ得る調量要素220を有する。調量要素220は、開状態において示され、両矢印Pにより象徴的に示されるような単純な態様において開閉され得る。組立固定具要素が、図面から意図的に省略されているが、当業者は、自身の好みに応じて、ヒンジ、ねじ式固定具、またはスナップ式連結具を、調量要素220に追加してよい。また、図面において、容器110と調量要素220との間には、長手方向シームを溶接するための、2つのローラによって象徴的に示されるデバイス260が、図示されている。この溶接デバイス260により、ロールから供給されるフォイル形状材料240のバンドは、長手方向に対して垂直な閉鎖プロファイルを有するホースセクション241となって終端され得る。当然ながら、フォイル形状材料は、例えばローラ間で互いに対して圧着されそれにより互いに対して結合される、その側方境界部に沿った、接着剤塗布された区域を有することも可能である。
【0044】
さらに、この構成は、交差シームを溶接するためのデバイス290を備える。交差シーム溶接デバイス290は、ホースセクションを2つの部分に分離する役割を果たす。図2における交差シーム溶接デバイス290の一部が、伸張デバイス230に組み込まれ、交差シーム溶接デバイス290の別の一部が、フォイル形状材料240に組み込まれる。伸張デバイス230の2つの固定位置決め具231、232はそれぞれ、電源への各結線295、294を有し、それにより、2つの固定位置決め具231、232の間にクランプされる電熱線291、292、293を、赤熱状態まで加熱することが可能となる。1つまたは複数の電熱線291、292、293は、固定位置決め具231、232の間に常設することが可能であり、または、図2に図示されるように、所与の間隔にてフォイル形状材料240に組み込むことが可能である。図2に図示される構成においては、複数グループの3つの電熱線291、292、293が、近距離をおいて、および互いに対して平行に、フォイル形状材料240に埋め込まれる。電熱線は、フォイル形状材料240の幅の少なくとも半分にわたって延在する必要がある。2つの外方の細い電熱線291、292は、引裂き抵抗シームをもたらす役割を果たし、それにより、ホースセクション241は、所与の間隔にて、フォイル形状材料の長手方向に対して垂直に延在するシームによって緊密にシールされ得る。中央電熱線293は、比較的大きなライン幅により象徴的に示されるように、比較的低い電気抵抗を有し、したがって、外方電熱線291、292よりも強い加熱力を有する。中央電熱線293は、ホースセクション241を切断する役割を果たす。当然ながら、電熱線291、292、293を、それぞれの接触子に接続することも可能であり、それにより、電熱線291、292、293に電流を、個別におよび/またはそれぞれ異なる期間の間、供給することが可能となる。フォイル形状材料240のパネルが、確実な溶接を確保するのに十分には緊密に互いに接触状態にない場合には、クランプを側方に設置して(図面には図示せず)、フォイル形状材料240が間を通される対向するクランプ顎部が、溶接プロセスの際に互いに対して押圧されるようにすることが可能である。他の1つの可能性としては、この態様において装備された用量分注デバイス200を使用して、フォイル形状材料240から標的容器270を、すなわち用量物質で充填され溶接閉鎖される個別の小袋を作製することも可能である。
【0045】
当然ながら、電熱線291、292、293の代替として、溶接顎部(図面には図示せず)を、固定位置決め具231、232に組み込むことが可能であり、または、用量分注デバイス200が、固定位置決め具231、232とは無関係に動作可能な溶接顎部を有することが可能である。溶接顎部は、フォイル形状材料240中に溶接シームをもたらすための加熱デバイスを備え、フォイル形状材料240が間を通過する顎状溶接機の2つの半部が、溶接プロセスの際に互いに対して押圧される。
【0046】
図1の用量分注デバイス100とは異なり、図3における用量分注デバイス300は、断面周囲の周りで閉じられた、すなわちホースとして構成された、フォイル形状材料340を使用し、フォイル形状材料340の供給源が、吐出スパウト111の区域に保管される。他の1つの特徴としては、フォイル形状材料340には、複数対のラジアル方向に突出する耳状部344が、一定の間隔で配置されている。これらの耳状部344がフォイル形状材料を伸張デバイスの固定位置決め具331、332にて固定する役割を果たすことにより、固定位置決め具331、332においてこの耳状部をクランプすることによって、ホースセクション341の穴断面の圧迫が引き起こされなくなる。ホースセクション341の端部は、標的容器370内まで延在する。また、耳状部344を弾性のものとして設計することも可能であり、それにより、フォイル形状材料340は、調量要素320が閉鎖される際には、予め伸張されることとなる。
【0047】
吐出スパウト111に隣接する調量要素320は、同時に伸張デバイスとして機能する。このため、第1の固定位置決め具331は、スロット形状出口開口324の第1の端部326に配置され、第2の固定位置決め具332は、スロット形状出口開口324の第2の端部327に配置されることとなる。スロット形状出口開口324は、閉状態において示され、したがって、容器110からもたらされ、吐出スパウト111を通りホース形状フォイル材料340内に流入する用量物質380(グレーの陰影により示される)は、閉じられた出口開口324までのみ至ることが可能であり、その位置において止められる。
【0048】
出口開口324が、2つの押し棒121、122によって開かれ次第、伸張ラインに沿って張力下にあるフォイル形状材料340に対する牽引力も緩められ、押し棒121、122の互いの方向への変位に応じて、対応する通路穴が開放される。
【0049】
まさにこの状態が、図4に図示されている。用量物質380の流出量によれば、用量分注デバイス300の出口開口324が部分的に開かれているにすぎないことが、明らかである。用量物質380は、押し棒121、122が、互いから離れる方向への直線移動により、弾性材料から作製された調量要素320に対する圧縮力を緩め、それにより出口開口324が、閉じられ、同時にフォイル形状材料340が、伸張ラインSに沿って張力下におかれるまで、ホース端部346の下方に設置された標的容器370内に流入する。
【0050】
図5Aは、1つの小さな変更点ではあるが、優れた結果をもたらす変更点を除いては、図3および図4に図示されるものと実質的に同一の調量要素を、断面図において示す。この調量要素420においては、フォイル形状材料440は、スロット形状出口開口424内において同様に固定されるが、2つのみの固定位置決め具にて保持される代わりに、フォイル材料440は、連続固定手段490によって、その周囲全体にわたって固定される。このような連続周囲固定手段490は、図示されるように、閉じられた外側周囲の周りにフォイル形状材料440の上に形成された、ラジアル方向に突出するリブ491と、出口開口424内に形成され、リブ491に合致する、周囲溝492とから構成することが可能である。周囲リブ491および周囲溝492は、リブ491が、溝492内にスナップ嵌入され、さらにある一定の度合の力を加えることにより再び解除され得るように、構成される。当然ながら、マジックテープ(登録商標)または接着剤パッドなど、他の周囲固定具手段を想定することも可能である。
【0051】
出口開口424の下方には、溶接顎部481、482が設置される。第1の溶接顎部481は、実質的に形状保持具としての役割を果たし、ナイフ483を備える。第2の溶接顎部482は、2つの電熱線484、485およびカッター刃486を備える。フォイル形状材料440を切断し、結果的に得られたセクションを溶接シームにより閉鎖するために、2つの溶接顎部481、482は、押し合わされ、溶接および切断が、1つのステップで実施される。
【0052】
図5Bは、図5Aの調量要素420およびフォイル形状材料440を平面図において示す。閉状態のスロット形状出口開口424、および破線によって示される周囲固定手段490が、はっきりと確認される。
【0053】
図6は、図3および図4に図示されるものと実質的に同一の用量分注デバイスを示す。しかし、図3および図4のデバイスとは異なり、図6の用量分注デバイス500は、スロット形状出口開口524に対して斜角にて配向された伸張軸Sを有する。第1の固定位置決め具531が、調量要素520の内部に配置され、第2の固定位置決め具が、調量要素520の外部に配置される。その結果、伸張軸Sおよび閉状態のスロット形状出口開口524は、互いに交差する。耳状部の代わりに、フォイル形状材料540のホースが、長手方向に延在する2つのシーム544を有する。
【0054】
図7は、漏斗形状容器610および調量要素620を有する用量分注デバイス600の概略断面図を示す。弾性調量要素の代わりに、図7の調量要素620は、摺動シャッタ621を有し、この摺動シャッタ621は、調量要素620の平坦側壁部と共に、閉状態においてはスロット形状となる出口開口624を形成する。当然ながら、平坦側壁部の代わりに、この構成が、摺動シャッタ621と関連して移動可能な第2の摺動シャッタを備えることも可能である。容器610の内部には、用量物質680を収容する、フォイル形状材料640のホースから形成されるバッグが配置される。フォイル形状材料640のホースの入口開口を形成する一方の端部が、結わえられて閉じられ、他方の端部が、調量要素620およびその出口開口624を貫通して引き込まれる。第1の固定位置決め具631のみが視認可能である伸張デバイス630が、容器610と出口開口624との間に配置される。伸張デバイス630の伸張ラインおよびスロット形状出口開口624は、図7の図面平面に対して直角に配向される。前述の実施形態と比較した場合に、この伸張デバイス630の設計および機能において、違いはない。
【0055】
フォイル形状材料640により内側を覆われた容器610の代わりに、このバッグ自体が、容器としての役割を果たすことが可能であり、図7に図示されるように、バッグの一方の端部が調量要素624を貫通して引き込まれた状態で、適切なハンガーデバイス(図面には図示せず)から懸吊される。このバッグは、ゴム製グローブの指部に類似する複数の端部をさらに有することが可能であり、それぞれの指部は、必要に応じて逐次的に調量要素を貫通して引き込まれ得る。互いに対して平行に配置された複数の調量要素624を有し、バッグの個々の端部が各調量要素624を通過する、前述の複数端部バッグを用いる適切な用量分注デバイス600の一実施形態が、さらに想定可能である。
【0056】
特定の実施形態の例を説明することにより本発明を提示したが、例えば特定の実施形態について本明細書において示された溶接デバイスなどの構成体が、他の実施形態において使用される場合、および/または、ホース形状フォイル材料などの、一実施形態のある特定の機能ユニットが、バンドの形態の材料と交換される場合などに、多数の他の変形形態が本発明の知識にもとづいて作製可能であることは、明らかであると見なされる。さらに、それぞれがそれ自体の伸張デバイスを備える複数の調量要素を、容器に連結することも可能である。とりわけ、例えば自動化されたバージョンの用量分注デバイスをさらに大型の装置の構成要素として使用する場合などに、この発明の主題を組み込み得る他の構成を想定することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
600、500、300、200、100 用量分注デバイス
610、110 容器
111 吐出スパウト
620、520、420、320、220、120 調量要素
121 第1の押し棒
122 第2の押し棒
123 入口開口
624、524、424、324、124 出口開口
125 壁部、具体的には壁部の外側面
630、230、130 伸張デバイス
631、531、331、231、131 第1の固定位置決め具
532、332、232、132 第2の固定位置決め具
640、540、440、340、240、140 フォイル形状材料
341、241、141 ホースセクション
142 重畳部
145 ホースセクションの部分
370、270 標的容器
260 長手方向シーム溶接デバイス
290 交差シーム溶接デバイス
292、291 外方電熱線
293 中央電熱線
295、294 電気結線
326 スロットの第1の端部
327 スロットの第2の端部
680、380 用量物質
344 耳状部
346 ホースの端部
481 第1の溶接顎部
482 第2の溶接顎部
483 ナイフ
485、484 電熱線
486 カッター刃
490 周囲固定手段
491 周囲リブ
492 周囲溝
544 シーム
621 摺動シャッタ
P 両矢印
S 伸張ライン
U 周囲セグメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出スパウト(111)を備える用量物質(380、680)用の容器(110、610)と、前記吐出スパウト(111)に隣接する調量要素(120、220、320、420、520、620)とを備える用量分注デバイス(100、200、300、500、600)であって、前記調量要素(120、220、320、420、520、620)は、
前記容器(110、610)の方向に向く側の入口開口(123)、
閉状態においてはスロット形状となり、前記容器(110、610)から離れる方向に向く側に配置された、出口開口(124、324、424、524、624)、および
前記入口開口(123)と前記出口開口(124、324、424、524、624)との間に延在する、内面および外面を有する壁部(125)
を備え、
少なくとも前記入口開口(123)および前記出口開口(124、324、424、524、624)を貫通して延在し、前記壁部の前記内面を覆う、フォイル形状材料(140、240、340、440、540、640)を、この用量分注デバイス(100、200、300、500、600)内に挿入することが可能であり、さらに、
前記挿入されたフォイル形状材料(140、240、340、440、540、640)は、少なくとも前記入口開口(123)から前記出口開口(124、324、424、524、624)を貫通して前記出口開口(124、324、424、524、624)の下方の空間内に延在する、ホースセクション(141、241、341)を形成する、用量分注デバイス(100、200、300、500、600)において、
この用量分注デバイス(100、200、300、500、600)は、前記ホースセクション(141、241、341)の部分(145)を伸張する役割を果たす伸張デバイス(130、230、630)を備え、前記伸張デバイス(130、230、630)は、前記部分(145)を固定するために、少なくとも第1の固定位置決め具(131、231、331、531、631)および少なくとも第2の固定位置決め具(132、232、332、532)を備え、
前記2つの固定位置決め具(131、231、331、531、631、132、232、332、532)は、前記ホースセクション(141、241、341)の長手方向に対して角度をなして配置される伸張ライン(S)の上に配置され、
前記固定位置決め具(131、231、331、531、631、132、232、332、532)のうちの少なくとも1つが、前記伸張ライン(S)に沿って直線変位することが可能であり、
前記伸張ライン(S)を含む面により画定される前記部分(145)の断面周囲が、前記断面周囲が実質的に均等な長さの2つの周囲セグメント(U)に分割されるように、前記第1および第2の固定位置決め具(131、231、331、531、631、132、232、332、532)にて固定されることを特徴とする、用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項2】
前記スロット形状出口開口(124、324、424、524、624)を含み、かつ前記ホースセクション(141、241、341)の長手方向に延在する面内に、前記伸張ライン(S)は配置されることを特徴とする、請求項1に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項3】
前記伸張ライン(S)は、前記スロット形状出口開口(124、324、424、524、624)に対して平行に配向され、前記伸張ライン(S)と前記スロット形状出口開口(124、324、424、524、624)との間の距離が、前記フォイル形状材料(140、240、340、440、540、640)の材料特性により規定される最大許容距離に等しい、または前記最大許容距離よりも短いことを特徴とする、請求項1または2に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項4】
前記固定位置決め具(131、231、331、531、631、132、232、332、532)のうちの少なくとも1つが、前記調量要素(120、220、320、420、520、620)の内部に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項5】
前記伸張ライン(S)は、前記出口開口(124、324、424、524、624)内において延在し、前記第1の固定位置決め具(131、231、331、531、631)は、第1の端部(326)の近傍に配置され、前記第2の固定位置決め具(132、232、332、532)は、前記スロット形状出口開口(124、324、424、524、624)の第2の端部(327)の近傍に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項6】
前記調量要素(120、220、320、420、520、620)は、前記出口開口(124、324、424、524、624)が中に形成された弾性材料を含むことを特徴とする、請求項1から5の一項に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項7】
前記調量要素(120、220、320、420、520、620)において、前記固定位置決め具(131、231、331、531、631、132、232、332、532)は、前記スロット形状出口開口(124、324、424、524、624)の前記端部(326、327)に固定連結され、前記ホースセクション(141、241、341)は、前記出口開口(124、324、424、524、624)の閉鎖と同時に伸張され得ることを特徴とする、請求項6に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項8】
前記調量要素(120、220、320、420、520、620)は、前記出口開口(124、324、424、524、624)の区域に、前記ホースセクション(141、241、341)の周囲全体を固定する役割を果たす周囲固定手段(490)を有することを特徴とする、請求項6に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項9】
前記調量要素(120、220、320、420、520、620)は、少なくとも1つの摺動シャッタ(621)または少なくとも1つのシャッタ顎部を備えることを特徴とする、請求項1から5の一項に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項10】
前記ホースセクション(141、241、341)からラジアル方向に突出し、かつ前記固定位置決め具(131、231、331、531、631、132、232、332、532)に連結するように適切に構成された、耳状部(344)またはシーム(544)などの固定パーツを、前記フォイル形状材料(140、240、340、440、540、640)は少なくとも前記部分(145)にて備えることを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項11】
前記フォイル形状材料(140、240、340、440、540、640)は、断面において、閉鎖周囲ホースプロファイルを有することを特徴とする、請求項1から10の一項に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項12】
前記固定位置決め具(131、231、331、531、631、132、232、332、532)の間に、前記固定位置決め具(131、231、331、531、631、132、232、332、532)を介して電気的に接触され得る少なくとも1つの電熱線(291、292、293)が配置されることを特徴とする、請求項1から11の一項に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項13】
3つの電熱線(291、292、293)が、前記伸張ライン(S)に対して平行に配置され、中央電熱線(293)が、前記中央電熱線(293)に沿った前記フォイル形状材料(140、240、340、440、540、640)の制御された分離を実施するために、外方電熱線(291、292)よりも低い電気抵抗を有することを特徴とする、請求項12に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項14】
前記用量分注デバイス(100、200、300、500、600)は、少なくとも2つの溶接顎部(481、482)を備えることを特徴とする、請求項1から11の一項に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項15】
前記調量要素(120、220、320、420、520、620)は、前記フォイル形状材料(140、240、340、440、540、640)の挿入を容易にするために、実質的に垂直面に沿って少なくとも2つの要素パーツに分離可能であることを特徴とする、請求項1から14の一項に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項16】
双方の固定位置決め具(131、231、331、531、631、132、232、332、532)を、互いの方向に、または互いから離れる方向に、同期的に移動させることが可能であることを特徴とする、請求項1から15の一項に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項17】
前記フォイル形状材料(140、240、340、440、540、640)は、少なくとも1つの導電性面を有することを特徴とする、請求項1から16の一項に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)。
【請求項18】
請求項1から17の一項に記載の用量分注デバイス(100、200、300、500、600)において使用するためのフォイル形状材料(140、240、340、440、540、640)であって、熱可塑性ポリマーを含み、ホースセクション(141、241、341)の形成に適したフォイル形状材料(140、240、340、440、540、640)において、前記フォイル形状材料の長手方向に対して交差して配置された、少なくとも1つの電熱線(291、292、293)、導電性トレース、導電性フィラメント、または導電性リボンを、前記フォイル形状材料(140、240、340、440、540、640)は備えることを特徴とする、フォイル形状材料(140、240、340、440、540、640)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−179960(P2010−179960A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−254588(P2009−254588)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
【Fターム(参考)】