説明

画像形成装置

【課題】像担持手段と、潜像を可視像化する現像手段と、可視像化された像の転写を受けると共にこの可視像を用紙に転写する中間転写手段を少なくとも具備している画像形成装置において、構成部品の交換作業性および部品の有効利用性を高めること。適正な時期に部品の交換を行なうこと。
【解決手段】像担持体ユニット140、現像ユニット6、中間転写ユニット100にそれぞれユニット化して本体に組み付け、少なくとも1つのユニットについてこのユニットを構成する部品又は材料のうち2種類以上の部品又は材料について所定の性能を維持できなくなる時期が略同一となるように形態、材質、使用条件を定め、前記時期が到来するときを基準に独立して前記組み付けを解除できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びこの装置を構成するユニットの交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
像担持手段と、前記潜像を可視像化する現像手段と、可視像化された像の転写を受けると共にこの可視像を用紙に転写する中間転写手段を少なくとも具備している画像形成装置がある。このような画像形成装置においてユーザーサイドで交換すべき部品として(イ)前記像担持手段、前記現像手段、前記中間転写手段を構成する各種部品(ロ)前記像担持手段や前記中間転写手段において回収される排トナーの回収箱(ハ)などがあり、また、補充すべきものとして用紙やトナーなどがある。これら交換、補充の作業のうち、ユーザーにとって最も面倒な作業は交換作業である。
【0003】
また、これら像担持手段、現像手段、中間転写手段などがそれぞれ一定のまとまりをもった部品の集合体として構成され、これらの集合体を単位として交換される場合、この集合体を構成する各種部品に寿命の長短があり、最も短い部品の寿命に合わせて前記集合体全体が交換されるため、長い寿命の部品が無駄に廃棄されてしまうという問題がある。
【0004】
一方、複数の像形成ユニットが感光体の軸芯よりを重力方向上側に前記現像手段を配置し重力方向下側にクリーナ手段を配置した状態で像形成動作を行う構成であるカラー電子写真装置がある(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平7−287502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は画像形成装置を構成する部品の交換作業性および部品の有効利用性を高めることのできる画像形成装置を提供することを目的とする。また、本発明は適正な時期に部品の交換を行なうことのできる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するため、以下の構成とした。
(1).像担持手段と、潜像を可視像化する現像手段と、可視像化された像の転写を受けると共にこの可視像を用紙に転写する中間転写手段を少なくとも具備している画像形成装置において、前記像担持手段を該像担持手段及びその付帯部材を含む一体的な構成からなる像担持体ユニット、前記現像手段を該現像手段及びその付帯部材を含む一体的な構成からなる現像ユニット、前記中間転写手段及びその付帯部材を含む一体的な構成からなる中間転写ユニットにそれぞれユニット化して本体に組み付け、前記各ユニットの少なくとも1つのユニットについてこのユニットを構成する部品又は材料のうち2種類以上の部品又は材料について所定の性能を維持できなくなる時期が略同一となるように形態、材質、使用条件を定め、前記時期が到来するときを基準に独立して前記組み付けを解除できるよう
にした(請求項1)。
(2).(1)記載の画像形成装置において、前記性能を維持できなくなる時期とは、前記部品や前記材料の寿命の時期をいい、前記部品が容器を構成している場合にはこの容器への収容物が経時的に増していき満杯になる時期とした(請求項2)。
(3).(1)記載の画像形成装置において、前記像担持体ユニットは、少なくとも感光体、前記感光体を一様に帯電する帯電手段、前記感光体をクリーニングするクリーニング手段を付帯したユニットケースを有する感光体ユニットであり、前記ユニットケースに付帯されていて前記クリーニング手段により前記感光体からクリーニングされた排トナーを収容する容器状の排トナー収容部と、前記排トナー収容部における排トナーの満杯時を検知する排トナー満杯検知手段とを設け、前記排トナー満杯検知手段による前記排トナーの満杯時に前記感光体ユニットの交換時期がくるように該感光体ユニットの構成部品、材料の寿命を設定した(請求項3)。
(4).(3)記載の画像形成装置において、前記感光体ユニットの交換時期を決定する構成部品が感光体であり、前記感光体の寿命と前記排トナー満杯時とが略同時期、又は前記感光体の寿命前に前記排トナー満杯時が到来するように前記排トナー収容部の容量を設定し、前記排トナーの破棄サイクルと前記感光体の交換サイクルとを合致させた(請求項4)。
(5).(4)記載の画像形成装置において、前記感光体はドラム状をしており、交換に用いる未使用の感光体は周面を保護フィルムにより被覆されたものとした(請求項5)。
(6).(3)記載の画像形成装置において、前記感光体ユニットの構成部品のうち、一番寿命が短い構成部品の寿命と前記排トナー満杯時とが略同時期となるように前記排トナー収容部の容量を設定し、前記排トナー収容部に収容された排トナーの破棄サイクルと前記一番寿命が短い構成部品の交換サイクルとを合致させた(請求項6)。
(7).(6)記載の画像形成装置において、前記一番寿命が短い構成部品が前記帯電手段としての帯電ブラシであることとした(請求項7)。
(8).(3)、(4)、(6)又は(7)記載の画像形成装置において、前記感光体ユニットを複数具備し、これら複数の感光体ユニットは全て同一形状、同一大きさであり、前記本体に対する取り付けの互換性を有することとした(請求項8)。
(9).(1)記載の画像形成装置において、前記現像ユニットは、少なくとも現像ローラ、トナー撹拌搬送手段からなる現像手段を付帯したユニットケースを有していて、この現像ユニット内にはトナーを含む現像剤が充填されており、この現像剤の寿命による交換は、前記ユニットケースごと現像ユニット全体として行なうこととした(請求項9)。
(10).(9)記載の画像形成装置において、前記現像手段はそれぞれ異なる色の現像剤が充填される複数の現像手段として構成されていて、各色の現像剤の寿命による交換は、全て同時に前記ユニットケースごと現像ユニット全体として行なうこととした(請求項10)。
(11).(9)又は(10)記載の画像形成装置において、前記現像ユニットを複数具備し、これら複数の現像ユニットは全て同一形状、同一大きさとし、これら複数の現像ユニットは全て前記本体に対する取り付けの互換性を有すること
とした(請求項11)。
(12).(1)、(2)、(3)、(4)、(6)、(7)、(8)、(9)
、(10)又は(11)記載の画像形成装置において、前記像担持体ユニット又は前記感光体ユニットと前記現像ユニットとを互いに着脱自在な複合ユニットとして構成するとともに複合ユニットとしても前記本体に着脱自在に組み付け、前記像担持体ユニット又は前記感光体ユニットと前記現像ユニットのうち、交換サイクル又は寿命の短い方のユニットを前記本体又は前記複合ユニットに対して着脱自在とした(請求項10)。
(13).(1)記載の画像形成装置において、前記中間転写ユニットは少なくとも中間転写ベルト、前記像担持体の像を前記中間転写ベルトに転写する転写バイアス印加用の転写手段、前記中間転写ベルトをクリーニングするクリーニング手段を付帯したユニットケースを有していて、前記ユニットケースに付帯されていて前記クリーニング手段により前記中間転写ベルトからクリーニングされた排トナーを収容する容器状の排トナー収容部と、前記排トナー収容部における排トナーの満杯時を検知する排トナー満杯検知手段とを設け、前記排トナー満杯検知手段による前記排トナーの満杯時に前記中間転写ユニットの交換時期がくるように該中間転写ユニットの構成部品、材料の寿命を設定した(請求項10)。
(14).(13)記載の画像形成装置において、前記中間転写ベルトの寿命と前記排トナー満杯時とが略同時期、又は前記中間転写ベルトの寿命前に前記排トナー満杯時がくるように前記排トナー収容部の容量を設定し、前記排トナー収容部内に収容された排トナーの破棄サイクルを前記中間転写ベルトの交換サイクルに合致させた(請求項14)。
(15).(13)記載の画像形成装置において、前記中間転写ユニットの構成部品のうち、一番寿命が短い構成部品の寿命と前記排トナー満杯時とが略同時期となるように前記排トナー収容部の容量を設定し、前記排トナーの破棄サイクルを前記一番寿命が短い構成部品の交換サイクルに合致させた(請求項15)。
(16).少なくとも、感光体、前記感光体を帯電する帯電手段、前記感光体をクリーニングするクリーニング手段を付帯したユニットケースを有する感光体ユニットを本体に着脱自在に設けた画像形成装置におけるユニットの交換方法であって、前記ユニットケースに付帯されていて前記クリーニング手段により前記感光体からクリーニングされた排トナーを収容する容器状の排トナー収容部での排トナーの満杯時を検知する排トナー満杯検知手段による前記排トナーの満杯の検知時に前記感光体ユニットを交換することとした(請求項16)。
(17).少なくとも中間転写ベルト、像担持体の像を前記中間転写ベルトに転写する転写バイアス印加用の転写手段、前記中間転写ベルトをクリーニングするクリーニング手段を付帯したユニットケースを有する中間転写ユニットを本体に着脱自在に設けた画像形成装置におけるユニットの交換方法であって、前記ユニットケースに付帯されていて前記クリーニング手段により前記中間転写ベルトからクリーニングされた排トナーを収容する容器状の排トナー収容部での排トナーの満杯時を検知する排トナー満杯検知手段による前記排トナーの満杯の検知時に前記中間転写ユニットを交換することとした(請求項17)。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明では、ユニットを構成する部品の所謂寿命時期が略同じ時期になるので、作業の二重手間を省いて部品の交換作業性および部品の有効利用性を高めることができる。請求項2記載の発明では、ユニットを構成する部品が容器であるときに放置による収容物の溢れを回避することができる。
請求項3記載の発明では、感光体ユニットの交換時に合わせて排トナーの処理を行なうことができる。請求項4記載の発明では排トナーの満杯のときにはまだ感光体の寿命にはなっていないので、感光体に起因する画質の低下を回避できる。
請求項5記載の発明では保管中や交換作業に際しての感光体ドラムの損傷を防止できる。請求項6記載の発明ではユニット中で一番寿命が短い1部品のために画像形成の機能全体が失われることが回避される。請求項7記載発明では、帯電ブラシが機能不全になることにより画像形成装置の機能全体が失われるということがない。
請求項8記載の発明では製造コストの低減、ユーザーサイドで予備として保管しておく部品の量を減らすことができる。請求項9記載の発明では現像剤全体として交換するので煩雑な作業である現像剤の交換作業から解放される。請求項10記載の発明ではカラー現像剤交換作業から解放される。請求項11記載の発明では複数の現像ユニットについて製造コストの低減をはかることができ、かつ交換の予備として保管しておく部品の量を減らすことができる。
請求項12記載の発明では、複合ユニット全体として本体から分離し、こうして分離した状態でさらに複合ユニットを作業性のよい環境でその構成ユニット毎に分解して構成ユニット個々での交換ができるので、交換作業が容易となり得る。
請求項13記載の発明では中間転写ユニットの寿命時期を排トナーの検知により知ることができる。請求項14記載の発明では中間転写ベルトの寿命前に排トナーの検知によりそれを知ることができ対処が可能である。請求項15記載の発明では排トナーの満杯検知により構成部品交換のタイミングを知ることができる。
請求項16記載の発明では排トナーの満杯検知時に感光体ユニットの交換を行なうのであるから、これら両者に対する対処を確実に行なうことができるとともに、作業の二重手間を省くことができる。請求項17記載の発明では排トナーの満杯検知時に中間転写ユニットの交換を行なうのであるから、これら両者に対する対処を確実に行なうことができるとともに、作業の二重手間を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[1]画像形成装置全体の説明
[1]−a.画像形成装置全体
以下に、本発明の実施に適する画像形成装置の一例を画像形成のプロセスとともに説明する。この画像形成装置は、像担持体としてドラム状の感光体(以下、感光体ドラムという。)を用い、この感光体のまわりに、帯電器、書き込み手段、現像手段、クリーニング手段などを配置してなる画像ステーションを構成し、このような画像ステーションを中間転写ベルトの同一移動面に沿って一定の間隔をおいて2つ配置している。
【0010】
画像の形成プロセスは、1つの画像ステーションに着目すれば、一般の静電記録方式に準じていて、暗中にて帯電器により一様に帯電された感光体上に書き込み手段によりある色の静電潜像を書き込み、この静電潜像を現像手段により可視像化して中間転写ベルトに転写する。
【0011】
各画像ステーションにおける現像手段について、それぞれ2つの異なる色のトナーによる可視像化機能を有するものとすると、3原色にブラックを加えて4色となるので、これらの色を各現像手段に分担すれば、フルカラー画像を形成することができる。
【0012】
よって、中間転写ベルトの同一画像形成領域が2つの画像ステーションを順次通過する間に、各画像ステーションによりそれぞれ1色ずつトナー像を重ね転写されるようにし、この中間転写ベルト上の2色重ね転写された画像領域がもう一度上記2つの画像ステーションを順次通過する間に、各画像ステーションによりそれぞれ先程とは異なる色のトナー像を重ね転写されるようにすれば、上記同一画像形成領域が各画像ステーションを2回通過した時点で、フルカラートナー画像が重ね転写されていることとなる。このフルカラートナー画像を転写紙に転写すれば、転写紙上にフルカラー画像を得ることができる。この転写紙上のトナー像を定着手段により定着して、転写紙上にフルカラーの最終画像を得ることができる。
【0013】
以下に説明する例は、このような画像プロセスを用いた画像形成装置であり、中間転写ベルトの回転に同期して、高速なプリント出力を得ることを可能とするもので、像担持体としての感光体ドラム、書き込み手段としてLEDと集束性光伝送体とを組み合わせたものを用いたものを例示しているが、この変形応用例として、像担持体として無端ベルト状のものを使用してもよいし、書き込み手段としてレーザ光源を使用してもよい。さらに、像担持体として、感光体に限られるものではなく、光以外の作用だけで潜像を形成しうる媒体、また、そのような像担持体に光以外の作用により電気的磁気的な変化を与え得る書き込み手段を使用することもできる。
【0014】
[1]−b.画像形成プロセスの概要
この例は、感光体ドラムや感光体ベルトなどの画像担持体に少なくともA色、B色、C色の三原色で形成されるトナー画像を中間転写体としての中間転写ベルトに転写し、この中間転写ベルト上のカラー画像を転写手段により転写紙に転写する画像形成方法において、図18に示すように、矢印a’の向きに走行する中間転写ベルト10の同一移動面に沿って一定の間隔を置いて配置され、感光体ドラム、帯電手段、現像手段をそれぞれ有する第1の画像ステーション14及び第2の画像ステーション24により、中間転写ベルト10上に、図19または図20に示す順序でトナー画像を転写し、中間転写ベルト10上に得られたカラー画像を転写手段11で転写紙Pに転写するものである。
【0015】
[1]−c.画像形成プロセスの具体例(その1)
ここで、中間転写ベルト10の全長をL、転写紙Pの転写時における移動方向の長さの相当する長さをmとしたとき、図19はL=m+αである場合のカラー画像形成工程を、図20はL=2(m+α)である場合のカラー画像形成工程をそれぞれ示す。ただし、図19、図20では、αは中間転写ベルト上の非画像領域の中間転写ベルト移動方向の長さであって、図19、図20では、α<mであるとする。なお、αの長さは、中間転写ベルト上の画像領域の長さ、または用いられる転写紙の長さによって変化する。したがって転写紙Pの長さによってはα>mの場合も存在する。
【0016】
図19において、
(1)A色現像手段を有する第1の画像ステーション14により中間転写ベルト10にA色トナー画像を転写する。
【0017】
(2)第2の画像ステーション24によりA色トナー画像にB色トナー画像を重ね転写してA、B色トナー画像を得、このA、B色トナー画像に第1の画像ステーション14によりC色トナー画像を重ね転写してA、B、C色トナー画像を得る。この時点で中間転写ベルト10は略1回転する。
【0018】
(3)工程(2)で得られたA、B、C色トナー画像に、第2の画像ステーション24によりD色トナー(黒色トナー)画像を重ねて転写し、得られたフルカラー画像を転写紙P(1枚目)に転写手段としての転写ローラ11により転写する。転写紙P(1枚目)への転写は中間転写ベルト10の2回転目中に行なわれる。
【0019】
(4)複数枚のカラープリントをとる場合は、上記(3)の工程における第2の画像ステーション24によるD色トナー画像の重ね転写と同時に、第1の画像ステーション14によりA色トナー画像を転写し、第2の画像ステーション24によりB色トナー画像を重ね転写してA、B色トナー画像を得る。
【0020】
(5)工程(4)で得られたA、B色トナー画像に、第1の画像ステーション14によりC色トナー画像を、続いて第2の画像ステーション24によりD色トナー画像を重ねて転写して得、これを2枚目の転写紙P(2枚目)に転写する。転写紙P(2枚目)への転写は中間転写ベルト10の4回転目中に行なわれる。
【0021】
(6)3枚目以降のプリントは、工程(3)からの工程が繰り返されることにより、中間転写ベルト10の6回転目に得られる。
【0022】
[1]−d.画像形成プロセスの具体例(その2)
図20において(L/2=m+α)の場合
(1)A色現像手段を有する第1の画像ステーション14により中間転写ベルト10にA色トナー画像を転写する。
【0023】
(2)さらに第1の画像ステーション14により中間転写ベルト10に後続のA色トナー画像を転写しながら、先行のA色トナー画像に第2の画像ステーション24によりB色トナー画像を重ねて転写してA、B色トナー画像を得る。この時点で中間転写ベルト10は略1回転する。
【0024】
(3)工程(2)で得た中間転写ベルト10上のA、B色トナー画像に、第1の画像ステーション14によりC色トナー画像を重ねて転写してA、B、C色トナー画像を得、このA、B、C色トナー画像に第2の画像ステーション24によりD色トナー(黒色トナー)画像を重ねて転写し、得られたフルカラー画像を転写紙P(1枚目)に転写手段11により転写する。転写紙P(1枚目)への転写は、中間転写ベルト10の略1.5回転から開始される。
【0025】
(4)複数枚のカラーコピーをとる場合は、工程(3)で第1の画像ステーション14によりA、B、C色トナー画像を得、第1の画像ステーション14によりA色トナー画像を転写しながら、A、B、C色トナー画像に第2の画像ステーション24によりD色トナー画像を重ねて転写し、得られたフルカラー画像を2枚目の転写紙P(2枚目)に転写する。転写紙P(2枚目)への転写は、中間転写ベルトの略2.5回転から開始される。
【0026】
(5)工程(4)で第1の画像ステーション14により転写されたA色トナー画像に、第2の画像ステーション24によりB色トナー画像を重ねて転写する。
【0027】
(6)第1の画像ステーション14により中間転写ベルト10に後続のA色トナー画像を転写しながら、工程(4)で得られたA色トナー画像に第2の画像ステーション24によりB色トナー画像を重ねて転写してA、B色トナー画像を得る。(7)工程(6)で得られたA、B色トナー画像に、第1の画像ステーション14によりC色トナー画像を重ねて転写してA、B、C色トナー画像を得、このA、B、C色トナー画像に第2の画像ステーション24によりD色トナー画像を重ねて転写し、得られたカラー画像を3枚目の転写紙P(3枚目)に転写する。転写紙P(3枚目)への転写は、中間転写ベルト10の略3.5回転から開始される。
【0028】
(8)第1の画像ステーション14によりA色トナー画像を転写しながら、工程(7)で得られたA、B、C色トナー画像に第2の画像ステーション24によりD色トナー画像を重ねて転写し、得られたカラー画像を4枚目の転写紙P(4枚目)に転写する。転写紙P(4枚目)への転写は、中間転写ベルト10の略4.5回転から開始される。
【0029】
このように、中間転写ベルト10が、用いられる転写紙Pの2倍以上の長さを有する場合、一枚目のプリントは中間転写ベルト10の2回転で、2枚目は3回転で、3枚目は4回転で、4枚目は5回転でそれぞれ得られる。すなわち、各プリントは、プリント枚数に約0.5を加えた中間転写ベルト10の回転数目で開始され、得ようとするプリント枚数は、このプリント枚数に1を加えた回転数で得られる。
【0030】
[1]−e.画像形成装置全体の構成
画像形成装置の全体の概要を示した図21において、中間転写ベルト10は従動ローラ13と駆動ローラ12との間に掛け渡されており、駆動ローラ12によって矢印a’の向きに走行するように駆動される。中間転写ベルト10は、テンションローラ60により最適の張力が与えられている。中間転写ベルト10の下側走行面には、中間転写ベルト10の走行方向に沿って、第1の画像ステーション14と、第2の画像ステーション24とが一定の間隔を置いて配置されている。中間転写ベルト10は、この実施例の画像形成装置に使用される最大サイズの転写紙の移動方向の長さよりも非画像領域分だけ長い。
【0031】
第1の画像ステーション14は、画像担持体としての感光体ドラム16の表面を一様に帯電するブラシ状の帯電器17と、感光体ドラム16の帯電表面に原稿に基づく画像信号によって変調されたビームで書き込みを行う書き込み手段18と、A色現像器19、C色現像器20、クリーニング手段21から主に構成されていて、A色現像器19とC色現像器20とで第1の現像装置6を構成している。
【0032】
第2の画像ステーション24は、第1の画像ステーション14と同じ構成からなり、感光体ドラム26と、帯電器27と、書き込み手段28と、B色現像器29、D色現像器30、クリーニング手段31を具備しており、B色現像器29とD色現像器30とで第2の現像装置8を構成している。第2の画像ステーション24は第1の画像ステーション14と同じ姿勢で装置本体に装着されている。
【0033】
各画像ステーション14、24は、装置本体に対し着脱自在に設けられている。各感光体ドラム16、26の回転は中間転写ベルト10の走行と同期しており、その周速は、中間転写ベルト10の走行速度と厳密に一致するように定められている。帯電器17、27に代えて、コロナ放電器またはローラによる帯電手段を採用することができる。
【0034】
各現像器は2成分現像剤を使用している。A色現像器19はマゼンタトナー及びキャリアを、C色現像器20はシアントナー及びキャリアを、B色現像器29はイエロートナー及びキャリアを、D色現像器30はブラックトナー及びキャリアをそれぞれ収容しており、帯電器17と書き込み手段18とによる周知の方法で形成された各感光体ドラム16、26上の静電潜像を、それぞれの現像ローラ32、33、34、35により現像する。これらの現像ローラ32、33、34、35はそれぞれが現像手段であって、固定磁石のまわりを非磁性のスリーブを回転させる形式のものを使用した磁気ブラシ現像方式を採用している。
【0035】
4個の現像器19、20、29、30はそれぞれ現像剤撹拌器であるパドルやトナー補給器である搬送スクリュー等を具備する同様の構成を有し、例えば、特開平8−160697号公報記載その他の周知のカラー現像器を採用することができる。
【0036】
搬送スクリュー4M、4C、4Y、4Bは羽根を螺旋状に巻いた如き構成をしている。パドル2M、2C、2Y、2Bは現像剤の撹拌機能と搬送機能をもたせるために、螺旋状の羽根1cと、8枚の放射状の板を有している。パドル2Mと搬送スクリュー4Mとはそれぞれ回転により軸方向上互いに逆向きに現像剤を搬送し、現像ローラ32の軸長手方向上に均等に現像剤を分布させる。各感光体ドラム16、26には、転写用のバイアス電圧が印加される第1の転写ブラシ41及び第2の転写ブラシ42が、中間転写ベルト10を挾んでそれぞれ接離自在に、また、従動ローラ13には、転写用のバイアス電圧を印加される転写ローラ11が、中間転写ベルト10を介して接離自在にそれぞれ設けられている。なお、転写ブラシ41、42に代えて転写ローラまたはコロナ放電器を使用することが
できる。
【0037】
各感光体ドラム16、26は、平生、中間転写ベルト10から下方に僅かに離れており、また第1の転写ブラシ41及び第2の転写ブラシ42は、中間転写ベルト10から上方に僅かに離れており、各感光体ドラム16、26上のトナー画像を中間転写ベルト10に転写する工程で、第1の転写ブラシ41及び/または第2の転写ブラシ42により中間転写ベルト10を感光体ドラム16及び/または26に接触させる。
【0038】
従動ローラ13と転写ローラ11とによりカラー画像の転写部45を構成している。転写ローラ11に代えて、コロナ放電器または転写ブラシによる転写手段を採用することができる。駆動ローラ12には中間転写ベルト10の表面に残存するトナーを除去するクリーニング装置61が接離自在に設けられている。このクリーニング装置61は図示省略の中間転写体用クリーニング装置の接離駆動手段104により接離制御される。
【0039】
第1、第2の画像ステーション14、24の下方には、積載された転写紙Pを図18、図21において右方に一枚ずつ送り出す給紙装置(図示されず)が配置される。この給紙装置から送り出された一枚の転写紙Pは、送りローラ対43、一対のレジストローラ44によって転写部45に給送される。転写部45の斜め上方には、矢印bの向きに回転駆動される加熱ローラ47とこの加熱ローラ47に圧接して回転する加圧ローラ48とからなる定着装置50が配置されている。加熱ローラ47には同加熱ローラの表面にオフセット防止液を塗布するローラ51が必要に応じて当接し、また、転写紙剥離用の爪52を接触させている。
【0040】
定着装置50の下流側には、定着装置50から送り出される転写紙を排紙トレイ53上に送り出す排紙ローラ対54が配置されている。図21の左上部には、排熱用の排気ファン55が設けられており、排紙トレイ53の下位に収められる電装部品が定着装置50の熱の影響で加熱されるのを防止している。
【0041】
第1の画像ステーション14における感光体ドラム16と第2の画像ステーション24における感光体ドラム26とは、形状、大きさ、材質など全く同じものが使用されている。感光体ドラム16と感光体ドラム26とは同じ線速度で駆動される必要がある。このため、図12に示すように感光体ドラム16と同軸かつ一体的にウォーム歯車からなるギヤ72、感光体ドラム26と同軸かつ一体的にギヤ72と同じウォーム歯車からなるギヤ72’をそれぞれ設け、ギヤ72にはウォーム16W、ギヤ72’にはウォーム16Wと共通のウォーム軸250に設けたウォーム26Wをそれぞれ噛み合わせて、該ウォーム軸250をベルト36を介してモータM2により駆動するようにしている。かかる構成により、モータM2の回転速度を制御することによって、感光体ドラム16、26の線速度を中間転写ベルト10の線速度に合わせることができる。
【0042】
図21に述べた画像形成装置の全体の概要を具体的な構成例として示したのが図22に示した画像形成装置である。そこで、図22に示した画像形成装置を図21に示した画像形成装置との比較において説明する。
第1の相違点は、図22の画像形成装置では転写ブラシまわりの構成が具体化されて示されていることである。
図21における第1の転写ブラシ41は図22に示す画像形成装置では、揺動体37に固定されている。揺動体37は不動部材に支持された軸38を支点として揺動されるようになっていて、第1の転写ブラシ41はこの揺動体37の自由端側に位置している。また、該揺動体37の自由端側には転写ローラ39が設けられている。第1の転写ブラシ41は中間転写ベルト10に常時接触させておくようにしてもよいが、この例では、摩耗を避けるため、感光体ドラム16上のトナー像を中間転写ベルト10に転写する転写工程でのみ中間転写ベルト10に接触させるように揺動体37の揺動角を制御しているので、上記転写工程以外では、第1の転写ブラシ41及び転写ローラ39は中間転写ベルト10から離間している。
【0043】
第2の転写ブラシ42まわりの構成も第1の転写ベルトまわりの構成と全く同様で、揺動体37’、軸38’、転写ローラ39’などと共に構成されているので、説明は省略する。第1の転写ブラシ41と第2の転写ブラシ42とは、中間転写ベルト10に対する接離のタイミングが異なる。図22では第1転写の転写ブラシ41及び転写ローラ39が中間転写ベルト10から離間した状態が示され、第2の転写ブラシ42及び転写ローラ39’が中間転写ベルト10に接触した状態が示されている。このように、第2の転写ブラシ42と転写ローラ39’とが間隔をおいて中間転写ベルト10を介して感光体ドラム26に接触することで、中間転写ベルト10を所定のニップ幅で感光体ドラム26に接触させることができ、転写性能を高めることができる。第1の転写ブラシ41及び転写ローラ3
9についても、転写工程では同じように中間転写ベルト10に接触した状態となる。ここで、これら転写ローラ39、39’、第1の転写ブラシ41、第2の転写ブラシ42などはこれらの付帯部材も含めて、図22の紙面に垂直な方向に中間転写ベルト10の幅に合わせた所定の奥行きを有していることはもちろんである。
【0044】
第2の相違点は、図22にはクリーニング装置61まわりの構成が具体化されて示されていることである。クリーニング装置61は、中間転写ベルト10に接離自在なブレード61aと、ブレード61aを支持している揺動体61cと、揺動体61cを支持している軸61dと、ブレード61aが中間転写ベルト1−に押し付けられる向きに揺動体61cを付勢している伸張性のばねからなる弾性手段61b、ブレード61aにより掻き取られたトナーや紙粉などを下方に案内するガイド61i、ガイド61iの下部に設けられたまんじ形をした回転体61g、回転体61gに自由端側を接するように設けられた板ばね61e、板ばね61eを挾んで回転体61gの反対側に設けられた収容箱61fなどからなる。
【0045】
ここで、回転体61gはその中心軸61hを中心に回転駆動されるようになっている。また、板ばね61eの基端側はフレーム92に支持されている。さらに、軸61dは図示しない駆動手段に連結されていて、この駆動手段を制御することにより揺動体61cを弾性手段61bの付勢力に抗してブレード61aが中間転写ベルト10から離間する状態に回動させその状態を保持させたり、或いは図22に示すように上記回動力を解除して弾性手段61bの付勢力でブレード61を中間転写ベルト10に当接した状態にすることができるようになっている。
【0046】
ブレード61は中間転写ベルト10上のトナー像を乱してはならないので通常は中間転写ベルト10から離間しており、転写ローラ11部で転写紙Pに対する転写を終えた中間転写ベルト10上に付着している残留トナーや紙粉などを掻き取るべき所定のタイミングのときのみ、中間転写ベルト10に当接して掻き取りを行なう。掻き取られた紙粉や排トナーなどの混合廃剤は、カイド61iに沿って自重で回転体61gまで送られる。回転体61gはその回転に応じて板ばね61eを間欠的に撓ませて、上記混合廃剤を排トナー収容部としての収容箱61fに送り出す。ここで、これらブレード61a、ガイド61i、回転体61g、収容箱61fなどはこれらの付帯部材も含めて、図22の紙面に垂直な方向に中間転写ベルト10の幅に合わせた所定の奥行きを有していることはもちろんである
。収容箱61fに回収した排トナーが所定量、例えば、満杯が収容された時点で、収容箱61fと一体的に構成される中間転写ユニット100を交換する。
【0047】
第3の相違点は、図22には図21に示された送りローラ対43が設けられておらず、また、積載された転写紙Pの最上部に給紙コロ91が示されていることである。給紙コロ91は不動部材に軸支されていて、駆動系に連結されており、給紙に際して回転駆動される。積載された転写紙Pは図示しないガイドにより整列されて底板(図示せず)上に積載されており、上の紙から順に給紙コロ91により送り出されることにより減少した分だけ、上記底板が上昇され給紙コト91に対して最上位の転写紙が常に適当な圧接力で接触するように公知の手段により制御されるようになっている。なお、送りローラ対43は、図22に示す構成では設けられていないが、必要に応じて設けることもできる。
【0048】
第4の相違点は、図22に示す画像形成装置ではクリーニング手段21、31の構成が具体的に示されていることである。これらクリーニング手段21、31の構成は、図1、図2、図3、図15などにより後述するとおりであり、ここで概要を述べれば、例えば、クリーニング手段21については、感光体ドラム16に対向する大きさの幅方向の長さで構成されるクリーニングブレード21aにより掻き取られた残留トナーを、該クリーニングブレード21aとほぼ同じ幅方向の長さで構成される断面形状がU字状をした軸支持部64−1内に回収し、オーガ70の回転により感光体ユニット140の幅方向の端部に設けた箱状の取り出し部74(図1参照)に送り出して回収するようにしている。クリーニング手段31についてもこれと同じ構成を採用している。
【0049】
第5の相違点は、図22に示す画像形成装置では各構成物が所要な量の構成単位のグループで区画され、或いはユニット化されたことである。例えば、転写紙Pを積載収容した部位は当該画像形成装置内部の最下部に位置していて上下方向で仕切り板91により仕切られている。仕切り板91の上方には第1の現像装置6や第2の現像装置8などが位置している。これらの現像装置部では、トナーを扱う関係でトナーが積載された転写紙P上に落下してくるおそれがあるが、この仕切り板91が積載された転写紙Pを覆っているので、落下トナーによる汚染を免れる。
【0050】
仕切り板91と中間転写ベルト10とで囲まれた空間内には、書き込み手段18、28、第1の現像装置6や第2の現像装置8、感光体ユニット140、240などが収容されている。これらのうち、既に述べたように書き込み手段18と感光体ユニット140とは共通組付部材900、1100を介して本体側板300、400に着脱可能に取り付けられる。また、後述するように、第1の現像装置6や第2の現像装置8などもそれぞれユニット化されて、共通組付部材900、1100を介して本体側板300、400に着脱可能に取り付けられる。なお、A色現像器19、C色現像器20、B色現像器29、D色現像器30内にそれぞれ符号120M、120C、120Y、120Bで示した円は、各現像器内にトナーを補給する補給開口であり、これらの補給開口より、各現像器内にトナー
が補給される。
【0051】
中間転写ベルト10及びその付帯物である駆動ローラ12、従動ローラ13、転写ローラ11、第1の転写ブラシ41、第2の転写ブラシ42、転写ローラ39、39’、クリーニング装置61などは、フレーム92、転写紙のガイドを兼ねたフレーム93、ガイド61i,ガイド94などを骨組みとする平たい箱状をした筐体98に収容されて中間転写ユニット100を構成している(図24、図47、図49参照)。この中間転写ユニット100は、仕切り板95の下に図示しないガイドに支持されて、当該画像形成装置から着脱自在である。駆動ローラ12の上方には、ベルトマークセンサ101Sが設けられている。このベルトマークセンサ101Sは、中間転写ベルト100の幅方向(駆動ローラ12の軸方向)の端部に設けられたマークを検知するためのセンサであり、このセンサの読み取り情報に基づいて、画像形成プロセスにおける諸タイミングが設定される。また、中間転写ベルト100の回転回数の算出などが行なわれる。ベルトマークセンサ101Sは電装基板96に直結又はソケットを介して取り付けられている。電装基板96上の空間97には当該画像形成装置を駆動したり、制御したりする電装系が搭載されている。この電装系で発生した熱を含む内部空気は排気ファン55を介して排出される。
【0052】
第6の相違は後述する図24における説明と関係するが、外装ケース104が下ケース105と上ケース106とに分かれ、さらに、手前側から奥側に向かって右側の部位が下ケース105に設けた軸105Jを支点として開閉可能なカバー108を示していることである。ユニットケースは上ケース106と一体的に構成されている。また、カバー108には転写ローラ11、用紙のガイド99、一対のレジストローラ44を構成する一方のローラ44aなどが設けられている。かかる構成に、カバー108を開くと、これら転写ロー11、ローラ44a,ガイド99なども該カバー108と共に開き、用紙の搬送路が開放状態にされる。この開放状態ではジャム紙を除去することができるし、また、図24で説明するように該カバー108を開くことにより、筐体98からの中間転写ユニット100の取り出しが可能となる。
【0053】
図22に示した画像形成装置が図21に述べた画像形成装置の全体の概要に対して異なる点は以上に述べたとおりである。
【0054】
このような図22に示す画像形成装置のうち、クリーニング手段21、31の構成に変更を加えた例を図23に示す。図1、図2、図3、図15、図22などに示した構成では、オーガ70が設けられかつ、このオーガ70を駆動するために、ギヤ71、ギヤ77などが必要である。これに対して、図23に示す構成ではクリーニングブレード21aの幅方向の長さとほぼ同じ幅方向の長さの回収箱103を設けているだけである。
【0055】
図23に示した構成では、図1、図2、図3、図15、図22などに示した構成と比較して、オーガ70、ギヤ71、ギヤ77などが不要であり、回収箱103に回収トナーが所定量、例えば、満杯が収容された時点で、図1、図2、図3などに示すように回収箱103と一体的に構成される感光体ドラム16などを含む感光体ユニット全体を交換する。
【0056】
これら図22、図23に示した構成の画像形成装置の何れも、図24に示すように、画像形成装置全体としては、図24に示すような外装ケース104に収められている。外装ケース104は、第1の現像装置6、第2の現像装置8、その他の部材及び転写紙Pを積載した状態で収容する下ケース105と、中間転写ユニット100、定着装置50、排紙ローラ対54、排気ファン55、電装系の部品その他の部材を収容しかつ排紙トレイ53を具備した上ケース106からなる。
【0057】
上ケース106は図24における左右方向であって第1の現像装置6が配置された側の端部を軸107により下ケース105に枢着されている。これら上ケース106や下ケース105内に収容された諸部材の一般的なメンテンス、部材交換などの用に供するため、カバー108を開いた上で上ケース106は下ケース105に対して、軸107を中心にして図24に2点鎖線で示すようにワニ口状に開くことができる。開き角度θ1の上限は開閉動作の操作性などを考慮して本例では70°に設定している。
【0058】
[1]−f.画像形成装置全体の動作
以上述べた構成による画像形成動作を、L=m+αの場合を例にとって説明する。
(1)第1の画像ステーション14の感光体ドラム16に、帯電器17と書き込み手段18とによりA色現像器19に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像がA色現像器19で顕像化されてマゼンタトナー像(以下、M像という)が得られる。このM像が第1の転写ブラシ41により中間転写ベルト10に転写される。
【0059】
(2)一方、中間転写ベルト10の矢印a’方向への走行に従い、M像が第2の画像形成ステーション24に近づく間に、感光体ドラム26に帯電器27と書き込み手段28とによりB色現像器29に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像がB色現像器29で顕像化されてイエロートナー像(以下、Y像という)が得られる。このY像が中間転写ベルト10上の、第1の画像ステーション14で得られたM像に第2の転写ブラシ42で重ね転写される。
【0060】
(3)M、Y像の重ね像が、中間転写ベルト10の走行に従い、第1の画像ステーション14に近づく間に、感光体ドラム16に帯電器17と書き込み手段18とによりC色現像器20に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像がC現像器20で顕像化されてシアントナー像(以下、C像という)が得られる。このC像が中間転写ベルト10上の、第2の画像形成ユニット24で得られたM、Y像に第1の転写ブラシ41で重ね転写される。
【0061】
(4)M、Y、C像の重ね像が、中間転写ベルト10の走行に従い、第2の画像ステーション24に近づく間に、感光体ドラム26に帯電器27と書き込み手段28とによりD色現像器35に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像がD色現像器35で顕像化されてブラックトナー像(以下、BK像という)が得られる。このBK像が中間転写ベルト10上の、第1の画像ステーション14で得られたM、Y、C像に第2の転写ブラシ42で重ね転写される。
【0062】
第2の転写ブラシ42でフルカラー画像が中間転写ベルト10上に形成される頃、給紙装置から送り出された転写紙がレジストローラ対44で転写部45に送り込まれて、ここで転写紙にフルカラー画像が転写される。転写されたフルカラー画像は定着装置50で転写紙に定着され、排紙ローラ54で排紙トレイ53に送り出される。一方、カラー画像の転写を終えた中間転写ベルト10はクリーニング装置61で残存トナーを除去される。
複数枚のプリントを得る場合は、M、Y像の重ね像が第2の画像ステーション24で中間転写ベルト10に転写されるときに、第1の画像ステーション14で引き続いてM像を中間転写ベルト10に転写し、上記(1)〜(4)の工程を繰り返す。
【0063】
[2]共通組付部材(その1)
[2]A.感光体ユニットを直接取り付けるタイプの共通組付部材
本発明を、前記図21に示した画像形成装置を具体的な装置として構成する場合の例として図1〜図17により説明する。図1において、符号140、240はそれぞれ図21における第1の画像ステーション14、第2の画像ステーション24を構成する感光体ユニットを示し、これらの感光体ユニット140、240を不動部材としての本体側板300、400に取り付ける際の状態を示している。これら本体側板300、400は感光体ユニット140、240を取り付けることができる間隔をおいて平行に対向して設けられた板状の部材で、薄肉で強度を確保するため、上部がL字状に折り曲げられている。以下、図1をはじめ、本体側板300が位置する側を手前側、本体側板400が位置する側を奥側と称する。
【0064】
第1図、第4図において、本体側板300上であって、第1の画像ステーション14を構成する部位にはU字状に切り欠かれた部位を有する取り付け部90が形成されている。本体側板400上であって、取り付け部90と対向した部位には、取り付け部90と略同じ形状をした取り付け部110が形成されている。同様に、本体側板300上であって、第2の画像ステーション24を構成する部位にはU字状に切り欠かれた部位を有する取り付け部130が形成されている。本体側板400上であって、取り付け部130と対向した部位には、取り付け部130と略同じ形状をした取り付け部150が形成されている。
【0065】
第1の画像ステーション14について、取り付け部90に本体側板300の手前側から共通組付部材900が、取り付け部110に本体側板400の奥側から共通組付部材1100がそれぞれ取り付けられる。第2の画像ステーション24について、取り付け部130に本体側板300の手前側から共通組付部材1300が、取り付け部150に本体側板400の奥側から共通組付部材1100’がそれぞれ取り付けられる。
【0066】
これにより、共通組付部材900と共通組付部材1100とは感光体ユニット140に組み込まれた感光体ドラム16の軸方向に対向した位置関係で配置されたことになる。共通組付部材1300と共通組付部材1100’との位置関係についても同様である。
ここで、共通組付部材900、1100には、感光体ドラム16を支える軸部(図3における軸部62、63)を支持するための軸支持部910、1110がそれぞれ形成されている。同様に、共通組付部材1300、1100’には、感光体ドラム26を支える軸部(図3における軸部62、63相当)を支持するための軸支持部1310、1110’がそれぞれ形成されている。
【0067】
また、共通組付部材900、1100の下部はそれぞれL字状に折曲していて、これらの折曲部を以って書き込み手段18、具体的には書き込み手段の基台18fを取り付けるための書き込み手段支持部920、1120をそれぞれ構成している。同様に、共通組付部材1300、1100’の下部はそれぞれL字状に折曲していて、これらの折曲部を以って書き込み手段28を取り付けるための書き込み手段支持部1320、1120’をそれぞれ構成している。
【0068】
ここで、第1の画像ステーション14における奥側の本体側板400に設けられる共通組付部材1100と、第2の画像ステーション24における奥側の本体側板400に設けられる共通組付部材1100’とは、図4に示すように、ウォーム軸250を支持するための駆動部材支持部1140、1540の位置が、ウォーム軸250のウォーム16W、26Wのそれぞれ外側(ウォーム軸250の各軸端側)を支持するようにするために、形成位置を異にするだけで他の構成は全く同じである。そこで、図8における共通組付部材1100の各構成部材と共通する、共通組付部材1100’の各構成部材については、共通組付部材1100の各構成部材に付した符号にダッシュ「 ’」の符号を付して図示し、説明を省略する。
【0069】
これら書き込み手段支持部920、1120、1320、1120’はそれぞれ軸支持部910、1110、1310、1110’との関係位置が定められている。
さらに、第1の画像ステーション14において、対向して配置された共通組付部材900と共通組付部材1100のうちの奥側の共通組付部材1100には、像担持体(感光体ドラム16)に回転駆動力を与える駆動部材(ウォーム軸250)を支持するための支持穴1140aを有する駆動部材支持部1140が形成されている。同様に、第2の画像ステーション24において、対向して配置された共通組付部材1300と共通組付部材1100’には、像担持体(感光体ドラム26相当)に回転駆動力を与える駆動部材(ウォーム軸250)を支持するための支持穴1540aを有する駆動部材支持部1540が形成されている。
【0070】
このように、第1の画像ステーション14について、本体側板300に取り付けられた共通組付部材900の軸支持部910と本体側板400に取り付けられた共通組付部材1100の軸支持部1110に、感光体ユニット140が取り付けられ、また、共通組付部材900の書き込み手段支持部920と共通組付部材1100の書き込み手段支持部1120に、書き込み手段18が取り付けられる。
【0071】
同様に、第2の画像ステーション24について、本体側板300に取り付けられた共通組付部材1300の軸支持部1310と本体側板400に取り付けられた共通組付部材1100’の軸支持部1110’に感光体ユニット240がそれぞれ取り付けられ、また、共通組付部材1300の書き込み手段支持部1320と共通組付部材1100’の書き込み手段支持部1120’に、書き込み手段28がそれぞれ取り付けられる。さらに、共通組付部材1100の駆動部材支持部1140と共通組付部材1100’の駆動部材支持部1540にはウォーム軸250が取り付けられる。
【0072】
なお、この例では、本体側板300、400に直接、共通組付部材900、1100、1300、1100’等を取り付けているが、これに限らず、例えば、本体側板300、400に対して取り付けられる別の不動部材(以下、中間部材という)を用い、この中間部材に対して、共通組付部材900、1100、1300、1100’等を取り付けた上、この中間部材を本体側板300、400に組み付けることも可能である。
感光体はその上位概念である像担持体の中に含まれる。感光体を例にして説明する本例の内容は、感光体以外の潜像形成媒体を像担持体として使用するタイプの画像形成装置に対しそのまま適用可能である。
【0073】
[2]A−a.感光体ユニット
本体側板300、400に取り付けられるメインの部材である感光体ユニット140、240であるが、これらの構成については、感光体ユニット140と、感光体ユニット240とでは、同じ構成を有している。そこで、感光体ユニット140についてその構成を図2、図3により詳述し、感光体ユニット240については説明を省略し、必要に応じ構成の詳細を示す場合には、感光体ユニット140に用いた部材の符号にダッシュ「 ’」の符号を付すこととする。
【0074】
なお、感光体ユニット140、240などが取り付けられる対象である不動部材としての本体側板300、400まわりの構成についても、第1の画像ステーション14を構成する側に形成した共通組付部材の取り付け部と第2の画像ステーション24側とでは同じ構成であるので、同様に、第1の画像ステーション14側について詳述し、第2の画像ステーション側については、必要があれば第1の画像ステーション側の構成部を示す符号にダッシュ「 ’」の符号を付し詳細な構成の説明は省略する。
【0075】
図2、図3において、感光体ドラム140の手前側の側端面からは該感光体ドラムの回転軸線(図15における回転中心Oの紙面を貫く方向)上に該ドラムと一体的に手前側に軸部62が突き出ている。この軸部62には手前側に向けて、大径部62a,小径部62b,止め溝部62cが順に形成されている。同様に、該ドラムの奥側の側端面からは軸部63が突き出ている。この軸部63には奥側に向けて、大径部63a,小径部63b,テーパ部63cが順に形成されている。
【0076】
この感光体ユニット140を支持する感光体ケース64は全体の概形が略コの字状をしていて、手前側の軸支持部64−1、奥側の軸支持部64−2と、これらの軸支持部を連結している架橋部64−3とからなる。軸支持部64−1と軸支持部64−2とは少なくとも感光体ドラム16を収容できる間隔をあけて対向した板状の部位を有しており、これらの板状の部位には感光体ドラム16を支持する軸受を支持するための鍵穴状の開口64−1a,64−1bがそれぞれ形成されている。
【0077】
これら鍵穴状の開口64−1a、64−1bを形成する開口は、それぞれ円形の穴部とこの穴部の径よりもせまい幅であって該穴部を外方に連通開放している平行な溝部とからなる。これらの平行な溝部は、軸部62の大径部62a、軸部63の大径部63aをそれぞれ通過させ得る大きさであり、また、前記穴部の径は、軸受65の小径部65a、軸受66の小径部66aをそれぞれ圧入固定し得る大きさに形成されている。
【0078】
感光体ドラム16を感光体ケース64に取り付ける手順としては、軸部62、63を開口64−1a,64−1bの前記各溝部を介して穴部の中心に位置した状態で保持しつつ、これらの軸部62の大径部62aに軸受65を挿通させて該軸受65の小径部65aを開口64−1aの前記穴部に圧入する。同様に、軸部63の大径部63aに軸受66を挿通させて該軸受66の小径部66aを開口64−1bの前記穴部に圧入する。これにより、感光体ドラム16は感光体ケース64に回転自在に支持されたことになる。しかる後、手前側については鍔部67aを有する軸受67を小径部62bに回転自在に嵌合させ、止め部材69を止め溝部62cに装着して抜け止めする。
【0079】
奥側については、後述するオーガ70を駆動するためのギヤ71を大径部63aに嵌合固定し、さらに外側から鍔部68aを有する軸受68を小径部63bに回転自在に嵌合させてギヤ71の位置を保持し、テーパ部63cにギヤ72を嵌合させた上で、該テーパ部63cの軸端部に形成したねじ穴に止めねじ73を捩じ込み、ギヤ72をテーパ面に押圧した状態で該軸部63に固定する。このようにテーパ部を利用してギヤ72を固定することにより、ギヤ72は感光体ドラム16の回転軸と正確に合致した状態で固定される。
【0080】
架橋部64−3には図21において符号21で示したクリーニング手段を構成するクリーニングブレード21aを取り付ける取り付け面が形成されていて、この取り付け面にクリーニングブレード21aが設けられる。また、図21に符号17で示した帯電ブラシからなるブラシ状の帯電器17を取り付けるための取付台17aが形成されていて、この取付台17aには帯電器17が固定される。
【0081】
さらに、軸支持部64−2から架橋部64−3、軸支持部64−1にかけては、スクリューコンベアからなるオーガ70を装着するための開口が形成されている。この開口は、軸支持部64−1においては、手前側に突出した廃トナーの取り出し部74の内部まで及んでいて、該オーガ70の外径に沿う円形の穴部となっていて、軸方向では閉じており、図3における下側について矩形の連通路をもって外部に開放されている。軸支持部64−2においてはオーガ70の外径よりも大きい径の軸穴が形成されている。図3における架橋部64−3の上部は、クリーニングブレード21aで掻き落された転写残トナーの落下を妨げないように、外部と連通した開放状態になっていて、カバー80が取り付けられる(図2、図15参照)。
【0082】
オーガ70は、図3に示す1点鎖線で案内されるように、軸穴75側から感光体ケース64に挿入され、先端部が取り出し部74内の穴部に保持される。この状態で、オーガ70の他端側の軸部70aに軸受76を挿通するとともに、鍔部76aが当たるまで該軸受の外径部76bを軸穴75に圧入する。さらに、軸部70aに駆動用のギヤ77を嵌合固定し、止め部材78で抜け止めする。なお、ギヤ71とギヤ77との間には、アイドルギヤ79が軸支持部64−2に設けた軸(図示省略)に軸支されている。
【0083】
これより、ギヤ72に駆動力がかかると、感光体ドラム16が回転し、オーガ70は廃トナーを取り出し部74側に向けて送るように回転する。オーガ70により送られる廃トナーは取り出し部74に形成された連通路より下方に落下するようになっている。落下するトナーは、取り出し部74に接続されるダクト81、81’(図1参照)を介して廃トナー収容部(図示省略)に送り出されるようになっている。
【0084】
このように構成された感光体ユニット140は、軸受65の大径部65b、軸受66の大径部66b及び軸受67の外径部67b、軸受68の外径部68bのそれぞれについて、当該感光体ユニット140を他部材に取り付ける際の部位として機能させる関係上、軸直角方向について障害物がないように構成している。
【0085】
なお、必要があれば、上記の組み立て手順と逆の手順により、感光体ドラム16まわりの各部材を取外し、最後に、軸受65、66を軸支持部64−1、64−2から外すことにより、感光体ケース64に対し感光体ドラム16を着脱することが可能である。
【0086】
[2]A−b.本体側板に対する共通組付部材の取り付け(手前側)(図5〜7)
図5により手前側の共通組付部材900を説明する。既に述べたように、共通組付部材900は軸支持部910と書き込み手段支持部920を有しているが、その他に、位置決め用の長穴911、位置決め用の段部912、取り付け穴913a、913b、913cを有している。また、軸支持部910の上部は軸受67を案内しやすいように、傾斜面914、915が形成されている。軸支持部910はU字溝状の形状をしていて、このU字溝の下部は軸受67の外径部67bと同じ径の半円形であり、上部は外径部67bと同径で外部に開放されている。段部912は軸支持部910よりもひとまわり大きいU字状の輪郭を有する段部として形成されている。
【0087】
長穴911は軸支持部910の下部に形成された半円形の形状部分の軸心(この軸心は感光体ドラム16の軸心と合致する)を中心とする回転方向上の位置を決定するためのもので、該軸心に向かう向きに長い長穴として形成されていて、後述する位置決めピン318に嵌合する径を有している。
図6により手前側の本体側板300を説明する。本体側板300の上部であって第1の画像ステーション14を構成すべき箇所は、L字状に折曲された部位について符号310で示すように矩形に抜かれており、かつ、鉛直な部位も符号312、313で示すように段状に切り欠かれ、前記図5で説明した段部912に嵌合するU字溝316が形成されている。
【0088】
本体側板300の鉛直な壁部には位置決めピン318が手前側に突出するように形成されている。位置決めピン318の斜め下の位置には、書き込み手段支持部920を手前側から奥側へ貫通させる穴部320と、ダクト81の通過を許す穴部322とが連通して形成されている。U字溝316のまわりには共通組付部
材900を取り付けるための取り付け穴324a、324b,324cが形成されている。U字溝316の上部と段状に切り欠かれた部位312、313との境界部位は、傾斜面314、315が形成されている。
【0089】
このような本体側板300に対して、共通組付部材900は図7に示すように、段部912をU字溝316に嵌合させ、かつ、位置決めピン318に長穴911を係合させる。段部912とU字溝316との嵌合により、軸支持部910の軸心位置が決定され、位置決めピン318と長穴911との係合により書き込み手段支持部920の上記軸心を中心とする回転方向上の位置が決定される。
【0090】
この状態で取り付け穴913a,913b,913cと取り付け穴324a,324b,324cが合致するので、これらの取り付け穴を利用して共通組付部材を本体側板300に固定する。この状態で、書き込み手段支持部920は穴部320を挿通して本体側板300の奥側に向けて突出した状態になっている。また、傾斜面914、915と傾斜面314、315とは段差がなく連続した面になっている。
【0091】
[2]A−c.本体側板に対する共通組付部材の取り付け(奥側)(図8〜図11)
図8により奥側の共通組付部材1100を説明する。既に述べたように、共通組付部材1100は軸支持部1110と書き込み手段支持部1120を有しているが、その他に、位置決め用の長穴1111、位置決め用の段部1112、取り付け穴1113a、1113b、1113cを有している。また、軸支持部1110の上部は軸受68を案内しやすいように、傾斜面1114、1115が形成されている。軸支持部1110はU字溝状の形状をしていて、このU字溝の下部は軸受68の外径部68bと同じ径の半円形であり、上部は外径部68bと同径で外部に開放されている。
【0092】
段部1112は軸支持部1110よりもひとまわり大きいU字状の輪郭を有する段部として形成されている。長穴1111は軸支持部1110の下部に形成された半円形の形状部分の軸心(この軸心は感光体ドラム16の軸心と合致する)を中心とする回転方向上の位置を決定するためのもので、該軸心に向かう向きに長い長穴として形成されていて、後述する位置決めピン418に嵌合する径を有している。また、共通組付部材1100の奥側の面には、軸受用の穴が形成された駆動部材支持部1140が設けられている。
【0093】
図10により奥側の本体側板400を説明する。本体側板400の上部であって第1の画像ステーション14を構成すべき箇所は、L字状に折曲された部位について符号410で示すように矩形に抜かれており、かつ、鉛直な部位も符号412、413で示すように段状に切り欠かれ、前記図8で説明した段部1112に嵌合するU字溝416が形成されている。
【0094】
本体側板400の鉛直な壁部には位置決めピン418が奥側に突出するように形成されている。位置決めピン418の斜め下の位置には、書き込み手段支持部1120を奥側から手前側へ貫通させる穴部420が形成されている。U字溝416のまわりには共通組付部材1100を取り付けるための取り付け穴424a、424b,424cが形成されている。U字溝416の上部と段状に切り欠かれた部位412、413との境界部位は、傾斜面414、415が形成されている。
【0095】
このような本体側板400に対して、共通組付部材1100は図8に示すように、段部1112をU字溝416に嵌合させて取り付ける。このとき、図11には示していないが、位置決めピン418に長穴1111を係合させている。段部1112とU字溝416との嵌合により、軸支持部1110のU字部の中心、つまり軸心位置が決定され、位置決めピン418と長穴1111との係合により書き込み手段支持部1120の上記軸心を中心とする回転方向上の位置が決定される。
【0096】
この状態で取り付け穴1113a,1113b,1113cと取り付け穴424a,424b,424cが合致するので、これらの取り付け穴を利用して共通組付部材1100を本体側板400に固定する。この状態で、書き込み手段支持部1120は穴部420を挿通して本体側板400の手前側に向けて突出した状態になっている。また、傾斜面1114、1115と傾斜面414、415とは段差がなく連続した面になっている。
【0097】
[2]A−d.共通組付部材に対するウォーム軸の取り付け
このようにして、奥側の本体側板400に取り付けられた共通組付部材1100、1100’に対して、図4に示すように、ウォーム軸250が取り付けられる。ウォーム軸250は図4に示すように、ウォーム16W側を先にして、駆動部材支持部1540の支持穴1540a、駆動部材支持部1140の支持穴1140aの順に挿入される。ウォーム軸250の先端側はウォーム16Wよりも軸端側の部位が駆動部材支持部1140により軸受253を介して軸支され、テーパ部257にプーリ254が装着され、ナット256を利用して固定される。ウォーム軸250の後端側はウォーム26Wよりも軸端側の部位が駆動部材支持部1540により軸受252を介して軸支され、端部を止め部材255により、抜け止めされる。
このように、各駆動部材支持部1140及び駆動部材支持部1540により支持された状態では、ウォーム16W、26Wは、軸支持部1110、1110’の軸心の真下に位置している。
【0098】
[2]A−e.共通組付部材に対する感光体ユニットの取り付け
このように、図4、図7、図11に示すように、第1のステーション14では、本体側板300に取り付けられた共通組付部材900の軸支持部910に軸受67の外径部67b、本体側板400に取り付けられた共通組付部材1100の軸支持部1110に軸受68の外径部68bがそれぞれ係合するようにして感光体ユニット140が取り付けられ、感光体ドラム16の回転軸線が上記軸支持部910、1110の各軸心位置と合致するように取り付けられる。
【0099】
なお、この状態で感光体ユニット140自体は、その全体が感光体ドラム16の回転軸心まわりに回動自在であるがこの回動方向の位置は、図示しない手段により第1の現像装置6と係合することにより位置決めされる。また、軸支持部910、1110は上部が開放されているので、外径部67bと本体側板300との間、及び外径部68bと本体側板400との間、にそれぞれ図示しないくさび状の部材を介在させることにより軸受67、68の浮きを防止する。
【0100】
これらのくさび状の部材は簡単に外すことができ、軸支持部910、1110、1310、1110’がU字状に開放されているので、感光体ユニット140、240を各共通組付部材900、1100、1300、1100’に対して容易に脱着することが可能である。さらに、感光体ケース64から軸受65、66を分解することにより、開口54−1a,64−1bを利用して容易に感光体ユニット140から感光体ドラム16を分解することができる。
【0101】
第2の画像ステーション24においても、第1の画像ステーションにおける例に準じて、感光体ユニット240が共通組付部材1300、1100’に取り付けられる。
このようにして、感光体ユニット140が共通組付部材900、1100に取り付けられたとき、ギヤ72がウォーム16Wに噛み合わされている。同様に感光体ユニット240が共通組付部材1300、1100’に取り付けられたとき、ギヤ72’がウォーム26Wに噛み合わされている。
【0102】
2つの画像ステーションにおける感光体ドラム16と感光体ドラム26とを正確に同期させて回転させるには、このようなウォーム軸による回転駆動部材を利用するのが有利であり、ウォームを利用した駆動系では、ウォームとこれに噛み合うギヤとは、高度な位置精度が要求されるため、本例のように、第1の画像ステーション14において、共通組付部材1100上に軸支時部1110と駆動部材支持部1140とを所定の関係位置精度を以って構成した。第2の画像ステーション24においても、同様に、共通組付部材1100’上に軸支時部1110’と駆動部材支持部1540とを所定の関係位置精度を以って構成した。
【0103】
[2]A−f.共通組付部材に対する書き込み手段の取り付け
図1、図7及び図11に示すように、第1の画像ステーション14において、本体側板300より奥側に突出した書き込み手段支持部920と、本体側板400より手前側に突出した書き込み手段支持部1120とに、書き込み手段18が着脱可能に取り付けられる。この書き込み手段18の取り付けの態様としては、(a)書き込み手段18と感光体ドラム16との間隔を調整するための間隔調整手段を介して取り付けるケースと、
(b)上記間隔調整手段に代えて、感光体ドラム16に対する書き込み手段18の主走査方向(感光体ドラムの軸方向)の位置を調整する主走査方向調整手段、或いは感光体ドラム16の回転軸線(回転中心線)に対して書き込み手段18による感光体16上での書き込みラインの傾きを調整するためのライン調整手段を設けるケースと、
(c)上記間隔調整手段、感光体ドラム16に対する書き込み手段18の主走査方向(感光体ドラムの軸方向)の位置を調整する主走査方向調整手段及び感光体ドラム16の回転軸線に対して書き込み手段18による感光体16上での書き込みラインの傾きを調整するためのライン調整手段の3つの手段を有するケースとがある。
【0104】
何れのケースにおいても、共通組付部材900、1100、1300、1100’に設けた書き込み手段支持部920、1120、1320、1120’を利用して書き込み手段18、28が取り付けられるのであり、これら共通組付部材900、1100、1300、1100’には感光体ユニット140、240の位置基準でもある軸支持部910、1110、1310、1110’が設けられているので、感光体ドラム16、24と書き込み手段18、28との関係位置を正確に加工し、組み立てることが、容易に可能となる。また、各書き込み手段18、28は、共通組付部材900、1100、1300、1100’に対して着脱自在であり、メンテナンスに際し分解可能であり、部品の交換も容易である。
(a)のケース
図13(a)において、書き込み手段支持部920には、段付きのねじ600の大径部600aが、図において左右方向に長い長穴920aを挿通しており、小径部600bを書き込み手段18の基台18fの穴18aに嵌合させた上で、ねじ部600cを穴18aの底部のねじ穴に螺合させている。また、書き込み手段18の基台18fの上面と書き込み手段支持部920の下面との間には伸張性のばね601が介在して書き込み手段18を下向きに付勢している。このように構成された間隔調整手段700と全く同じ構成が、反対側の書き込み手段支持部1120と書き込み手段18との間にも設けられている。このように取り付けられた状態で、書き込み手段から出射される書き込み用の光は、感光体ドラム16の回転軸線に向かうように設定される。
【0105】
ねじ600を回転するにより、書き込み手段支持部920に対して、書き込み手段18の位置を調整することができる。このことは同時に、書き込み手段18から出射される光の焦点調整が行なわれることを意味する。また、長穴920は、光書き込み手段がLEDや半導体レーザを使用する場合のように、熱により、図13(a)における左右方向(主走査方向)に熱膨張、熱収縮ときの変位を吸収する逃げ部として機能する。
【0106】
このような熱変位の逃げ部としては、書き込み手段支持部920でなく、書き込み手段18の基台18f側に設けることもできる。その場合には、図13(b)に示すように、基台18に小径部600bと嵌合する幅寸法の長穴18bを形成して熱変位の逃げ部とし、この長穴18bにねじ600の小径部600bを嵌合させた上で、ねじ部600cをナット18cで締め付ける構成とし、間隔調整手段701を構成することもできる。調整に際しては、ナット18cを進め、あるいは戻す向きに回転させる。
【0107】
(b)のケース
書き込み手段18の焦点方向の位置を部品の加工精度で十分達成できる場合には、上記のような間隔調整手段に代えて、感光体ドラム16に対する書き込み手段18の主走査方向(感光体ドラムの軸方向)の位置を調整する主走査方向調整手段、或いは感光体ドラム16の回転軸線に対して書き込み手段18による感光体16上での書き込みラインの傾きを調整するライン調整手段を設ける。このように、主走査方向調整機能とライン調整機能とを合わせもつ構成を単に調整手段と称し、図14、図15に手前側の調整手段を符号800’、奥側の調整手段を符号800でそれぞれ示す。
【0108】
これらの図において、調整手段800については、偏心ピン620は大径部620aと、小径部620bと、ねじ部620cとからなる。大径部620aと小径部620bとは偏心している。書き込み手段18には、前記図13(a)、(b)で述べた長穴18b,920aと同じ逃げ部としての機能を有するように、長穴18cが形成されている。この長穴18cの幅は大径部620aの径と嵌合する関係に形成してある。また、書き込み手段支持部920には、小径部620bと嵌合する穴920aが形成されている。
【0109】
なお、奥側の調整手段800’については、基本的な構成は図14、図15に示した手前側の調整手段800と同じであるが、これらの図における長穴18cに対応する部位が偏心ピン620の大径部620aに対応する部位と嵌合する丸穴18gになっていて、書き込み手段18を主走査方向に調整可能にしている点がことなるだけで、他の構成は手前側の調整手段800における構成と全く同じであるので、対応する部材の符号にダッシュ「’」を付し、詳細な説明は省略する。
【0110】
組み立てに際しては、書き込み手段支持部920の下面に書き込み手段18の基台18fの上面を重ね、偏心ピン620の大径部620aに伸張性のばね632を通して、ピン634を該大径部620の穴620dに通して抜け止めした上で、大径部620aを長穴18cに通し、小径部620bを穴920aに嵌合させ、ねじ部620cにワッシャ630を介してナット631で締め付ける。
【0111】
主走査方向の調整に際しては、ナット631、631’をゆるめて調整手段800’についてピン634’を手でまわすことにより、小径部620’bを軸にして大径部620’aが書き込み手段18とともに揺動するのでこれにより、書き込み手段18は主走査方向に移動するので、主走査方向の位置を調節することができる。副走査方向の調整については、同様の走査を手前側の調整手段800について行なう。
【0112】
これにより、書き込み手段18を奥側の調整手段800’における偏心ピン620’と丸穴18gとの嵌合部位を支点として揺動させて、感光体ドラムの回転軸線に対する書き込み手段18による書き込みラインの傾きを調整することができる。このようにして、主走査方向の調整とラインの傾き調整の両方を行なうことができ、さらに、ラインの傾きだけでなく、回転軸線との合致を図ることもできる。
【0113】
第2の画像ステーション24においても上記図14、図15に則して説明した調整手段800、800’と同様の調整手段を設けることにより、第1の画像ステーション14と第2の画像ステーション24間での書き込みラインのずれをなくし、画像のずれ(色ずれ)をなくすことができる。第1の画像ステーション14について、調整手段を設けた場合、第2の画像ステーション24については、上記例のごとく、奥側における調整手段800’のように偏心ピン620’と丸穴18gとの嵌合による書き込み手段18の主走査方向での、機械的な位置調整を行なわず、書き込み光に画像信号をのせるタイミングを制御するという電気的な方法を採用することにより、第1の画像ステーションにおける書き出し位置とを合わせることもできる。
【0114】
感光体ドラム16の回転軸線に対する書き込みラインの傾きの誤差は、感光体ドラム上での書き込み光の主走査方向での結像径の変化となって現れるが、このような径の変化を許容し得る範囲での誤差内ならば、その画像ステーション内での調整の必要はないが、画像ステーション間での書き込みライン同士の平行の調整は必要であり、このような調整手段により調整可能である。
【0115】
例えば、第2の画像ステーション24については、調整手段(調整手段800、800’相当)を設けず、第1の画像ステーション14についてのみ調整手段800、800’を設けた場合、第2の画像ステーション24での書き込み結果に応じて、つまり、第2の画像ステーション14における感光体ドラム26上での書き込みラインと平行になるように、第1の画像ステーション14における上記の調整手段800、800’により調整を行なう。これと逆に、上記の調整手段800、800’相当のものを第2の画像ステーション24側についてのみ設け、第1の画像ステーション側については、書き込み手段18を書き込み手段支持部920、1120に固定するようにしてもよい。
なお、熱変位を生ずる程の発熱を伴わない書き込み手段を採用した場合には、熱変位吸収手段としての逃げ部を形成する必要はない。なお、この例では、書き込み手段18はLED(図示せず)と主走査方向に列状に構成した集束性光伝送体18との組合せからなり、下部に放熱フィン18eを設けている。
【0116】
(c)のケース
このケースは、この例は、間隔調整手段、主走査方向調整手段、ライン調整手段の3つの手段を有する。以下、これらの手段の例を手前側の書き込み手段支持部920側について示した図16(a)、図16(b)により説明する。なお、奥側の書き込み手段支持部1120側についても、図16(a)、図16(b)に示す構成について、長穴18cに代えて、大径部625aに丸穴を嵌合させる構成にした点を除き、これら図16(a),図16(b)に示したのと同じ構成が採用されている。この例では、手前側の書き込み手段支持部920と奥側の書き込み手段支持部1120との間に架橋状に設けられた中間支持部材1600上に書き込み手段18を設けている。
【0117】
ここで、書き込み手段支持部920と中間支持部材1600との間には、前記図13に示した構成に準じた間隔調整手段702が介在し、中間支持部材1600と書き込み手段18との間には前記図14、図15に示した構成に準じた調整手段801(主走査方向調整手段としての機能とライン調整手段として機能を有するもの)が設けられている。
【0118】
間隔調整手段702は、段付きねじ605の大径部605aを書き込み手段支持部920に嵌合挿通させた上、小径部605bを中間支持部材1600の段付き穴の大径部に嵌合させ、ねじ部605cを該段付き穴の小径部に螺合させ、書き込み手段支持部920と中間支持部材1600との間に伸張性のばね601を設けている。段付きねじ605を回転することにより、中間支持部材1600の位置を変位させることができ、書き込み手段18と感光体ドラム16との間隔を調整し、感光体ドラム上に所定の結像径を以ってドットを結像させることができる。ばね601は調整動作を確実にする。
【0119】
調整手段801は、大径部625a,小径部625b,ねじ部625cを有し、大径部625aと小径部625bとが偏心している偏心ピン625の大径部625aを基台18fの長穴18c(熱変位の逃げ部)に嵌合挿通させ、小径部625bを中間支持部材1600の穴に嵌合させ、ねじ部をワッシャ635を介してナット636で止めている。なお、大径部625aには伸張性のばね637を設け、ピン639で抜け止めしている。調整時には、ナット636をゆるめて、ピン639をつかみ、偏心ピン625をまわす。
【0120】
図17に第1の画像ステーション14、第2の画像ステーション24における書き込み手段の支持態様の例を示す。図17において、第1のステーション14では、中間支持部材1600と書き込み手段支持部920及び書き込み手段支持部1120との間は、何れも間隔調整手段702を用いて支持している。これより、書き込み手段18と感光体ドラム16との間隔を調整できる。
【0121】
第1のステーション14において、書き込み手段18と中間支持部材1600との間は、手前側については、ピン860により書き込み手段18を中間支持部材1600に対して揺動自在に支持し、奥側については前記調整手段801と同じ構成の調整手段801−1により熱変位を吸収するための長穴を介して支持している。この調整手段801−1に用いる偏心ピンの偏心量は0.1〜0.2mm程度の比較的大きい偏心量とし、ピン860を中心として書き込み手段18を揺動させることにより、感光体ドラム16の回転軸心と集束性光伝送体18dのラインとの平行がでるように調整する。
【0122】
第2のステーション24では、中間支持部材1600’と書き込み手段支持部1320及び書き込み手段支持部1120’との間には、間隔調整手段702と同じ構成の間隔調整手段702’を用いて支持している。また、中間支持部材1600’と書き込み手段28との間には、手前側については前記調整手段800’の例における偏心ピン620’と丸穴18gとの嵌合の構成に準じた、偏心ピンと丸穴との嵌合による構成としている。奥側は、前記調整手段801と同じ構成の調整手段801’−1とし、手前側は前記調整手段800’の例における偏心ピン620’と丸穴18gとの嵌合の構成に準じた、偏心ピンと丸穴との嵌合による構成を有した調整手段801’−2としている。これより、書き込み手段28について、主走査方向、副走査方向、焦点方向について調整できる。
【0123】
ここで、調整手段801’−1に用いる偏心ピンは、調整手段801−1に用いている偏心ピンと同じ0.1〜0.2mm程度の大きい偏心量のものを用いており、この調整手段801’−1により第1の画像ステーション14における書き込み手段18による書き込みラインとの平行を調節する。
一方、調整手段801’−2により、書き込み手段18の主走査方向での書き込み位置を、第1の画像ステーションにおける書き込み手段18による主走査方向の書き出し位置との関係で調整する。この調整量は、隣合う画素間の距離(ドットピッチ)の1/2以上とする必要はなく、ピッチ間の位相さえなくなれば、あとは、画像信号の印加のタイミングで調整できる。また、偏心ピンの偏心量は小さくてもよく、また、偏心量を大きくすると、副走査方向の傾きが生じてしまうので、この調整装置801’−2に用いる偏心ピンの偏心量は、0.05mm程度と、小さい偏心量とする。
【0124】
なお、この例で、機械的な加工精度だけで十分に、各書き込み手段18、28と感光体ドラム16、26との間隔が所定精度にできる場合には、調整手段702、702’及び中間支持部材1600、1600’は必要ないので、その場合には、中間支持部材1600、1600’を介在させずに書き込み手段18、28を各書き込み手段支持部920、1120、1320、1120’に支持する。
【0125】
[2]A−g.像担持体の他の例及び画像ステーションの他の例
(A)上記例において、書き込み手段18は光照射手段としているが、像担持体が感光体ドラムでなく、電気的、磁気的手段により潜像を形成し得るドラム状の媒体の場合には、そのような電気的磁気的な変化を与えて潜像を形成させるように手段とすることができる。また、上記において、像担持体はドラム状の場合の他、無端ベルト状のものとして構成することもできる。
【0126】
(B)上記例では、画像ステーションが2つの場合について説明したが、画像ステーションが1つだけの場合や、画像ステーションが2つ以上の構成の画像形成装置においても上記説明に準じた共通組付部材を用いて、実施することができる。これらの場合、全ての画像ステーションについて、感光体ドラムの回転軸線方向に対向して対をなす共通支持部材の一方(例えば奥側のもの)に対して駆動部材支持部(駆動部材支持部1140、1150相当)を設けた構成とすることもできるし、また、全ての画像ステーションについて、感光体ドラムの回転軸線方向に対向して対をなす共通支持部材の何れにも駆動部材支持部(駆動支持部1140、1150相当)を設けない構成とすることもできる。このように、駆動部材支持部を設けない場合は、適宜の手段により感光体ドラムを駆動する。
【0127】
(C)上記(B)において、画像ステーションが2つ以上の場合には、駆動部材支持部を有する画像ステーションの構成と、有しない画像ステーションの構成を組み合わせることも可能である。
【0128】
(D)画像ステーションが2つ以上の場合、全ての画像ステーションについて、或いは任意の1つの画像ステーションを除く全ての画像ステーションについて、感光体ドラムの回転軸線に対する書き込み手段による該感光体ドラム上での書き込みラインの傾きを調整する調整手段、前記説明した調整手段800、800’801、801−1、801−1’、801−2’に準ずるものを適宜選択して設けることができる。この場合、対向する奥側と手前側にそれぞれ設ければ、感光体ドラムの回転軸線に対する書き込みラインの傾きのみならず、回転軸線に対し書き込みラインを合致させることもできる。
【0129】
尤も、感光体ドラムの回転軸線に対する位置ずれについては、機械による加工精度が得られる等により調整不要の場合には、基準となるべきものとして選択した1つの画像ステーションについて、感光体ドラムの回転軸線に対する書き込みラインの位置を合致させる調整を、奥側の調整手段と手前側の調整手段をそれぞれ用いて調整を行なったならば、他の画像ステーションについては、上記基準となる画像ステーションにおける書き込みラインとの平行が出るように、書き込みラインの傾きを調整すればよいので、奥側或いは手前側の調整手段だけを調整することで足る。
【0130】
各画像ステーション間での感光体ドラムの回転軸線の平行まで出そうとするのであれば、さらに別の手段が必要となるが、実用上は、機械加工の精度でさしつかえなく、上記の別の手段は必要ない。
なお、以上に述べた全ての各実施例は、可能な限り相互に組み合わせて実施することができる。
【0131】
[2]A−h.現像ユニット
これまでに説明した例では図1で説明したように、本体側板300、400に取り付けられている共通組付部材900、1100に感光体ユニット140を取り付けるというものであり、共通組付部材900、1100に設けられた書き込み手段支持部920、1120には書き込み手段18が取り付けられることから、共通組付部材900、1100を介して感光体ユニット140と書き込み手段18との位置関係が定まるというものであった。なお、以後の説明において、共通組付部材1300、1100’に対する感光体ユニット240などの取り付けの態様については、共通組付部材920、1120に対する感光体ユニット140などの取り付けの態様と同じであるので、説明は省略する。
【0132】
本例では、感光体ユニットと現像装置とを組み付け得る構成とすることにより、共通組付部材を媒介としてこれら感光体ユニットを組み付けるとともに、感光体ユニットに現像装置を組み付けることで現像装置と書き込み手段との高精度な位置決めを可能とするものである。このため、本例では、像担持体としての感光体ドラム16上の潜像を可視像化する第1の現像装置6であってユニットケースに組み付けられて一体化されたものを現像ユニットと称することとし、この現像ユニットの一端側には感光体ドラム16を支える受部としての軸受67の外径部67bを着脱可能に位置決め保持する受部保持手段を設け、現像ユニットの他端側には不動部材としての本体側板300、400に掛止される被掛止部をそれぞれ設けた構成とした。
【0133】
具体的には、図21、図22等に示した第1の現像装置6は図25に示すようにユニットケース6−1、6−2内に組み込まれて全体として現像ユニット6−3を構成している。図25における符号2C−J、2M−Jはそれぞれ図21、図22に示したパドル2C、2Mの軸部を示し、同じく図25における符号4C−J、4M−Jは図21、図22に示した搬送スクリュー4C、4Mの軸部を示す。なお、ユニットケース6−2には対向して同じ大きさ形状のユニットケースが設けられているが図示を省略している。図25には現像ユニット6−3に感光体ユニット140が組付けられた状態が示され、図26には現像ユニット6−3から感光体ユニット140を取外した状態を示している。
図25、図26において、ユニットケース6−1の左右方向端に設けたユニットケース6−2はほぼU字状に斜め上方に開放された開放溝6−2aが形成されている。この開放溝6−2aはより詳しくいえば該開放溝6−2aの底部が軸受65の大径部65bの外周に嵌合する大きさ形状に形成されており、上方に向かうほど、着脱の容易さを考慮して溝幅が開いた形状をしている。
【0134】
感光体ユニット140の軸受65の大径部65bが開放溝6−2aの底に嵌合しただけでは、感光体ドラム16の軸心と現像ローラ32、33の各軸心間寸法は定まっても、感光体ドラム16周面上での現像ローラ32、33とクリーニングブレード21a、帯電器17などとの位置関係は定まらない。そこで、これらの関係を定めるため、図26に示すように、軸支時部64−1にピン64−1cを植設するとともに、開放溝6−2aの斜面部を案内にして軸受65の大径部65bが開放溝6−2aの底に嵌合した状態でこのピン64−1cと嵌合するような位置に、回り止め手段としの凹部6−2a1を形成している。
【0135】
ユニットケース6−2の外側面部には、開放溝6−2aに嵌合された軸受65の大径部65bを上から開放溝6−2aの底に向けて押圧し浮きをおさえて該開放溝6−2a内に固定保持する押さえ手段としてのレバー131が軸132によりユニットケース6−2に枢着されている。ここで、レバー131、軸受65の大径部65b、開放溝6−2a相互の関係を図27により説明すると、レバー131には半月状の凹部131aが形成されている。この凹部131aは係合部としての大径部65bと係合される被係合部である。開放溝6−2a内に軸受65の大径部65bを嵌合させ、さらに、ピン64−1cを凹部6−2a1に係合させて位置決めをした上で、把手131bを掴んでレバー131を図27において2点鎖線で示した開放位置から実線で示す固定位置に回動させる。これにより、
凹部131aは大径部65bに係合される。
【0136】
このとき、凹部131aは少なくとも軸132の中心O1と軸受65の大径部65bの中心O2とを結ぶ線n−nの左上半分の周面を覆う。より詳しくは凹部131aのうち下部に位置する角部は線n−n上に位置し、凹部131aのうち上部に位置する角部は符号Δ1で示すようにわずかな寸法分だけ線n-nを越えた部位まで弾性変形してまわり込み、しっかりと軸受65を保持している。つまり、レバー131を実線の位置に傾ける際、レバー131はわずかに弾性変形してクリック状に軸受65の大径部65bをしっかりと、線n−n方向に押し付けて固定して状態を保持する。軸受65を解放する場合は、レバー131を2点鎖線の位置に開く。これにより、軸受65の大径部65bの上方は開放されるので、感光体ユニット140を掴んで、開放溝6−2aの方向に引き出すことができ
る。
【0137】
図25、図28において、本体側板300、400に装着した状態でのユニットケース6−2の左右方向上であって、受部保持手段134が設けられた側の他端側にはピン136が植設されている。このピン136は不動部材としての本体側板300の切欠き部302に掛止される被掛止部である。同様に、奥側にも図28に示すようにピン136’が設けられている。
【0138】
図28を参照しながら、受部保持手段134を用いて現像ユニット6−3に感光体ユニット140を一体的に組み合わせた状態の複合ユニットを、本体側板300、400に取り付ける手順を説明する。この取り付けは、手前側については感光体ユニット140の軸受65の大径部65bがユニットケース6−2の手前側に出ているので、この軸受65の大径部65bを共通組付部材900の軸支持部910に嵌入させる。奥側についても同様に軸受66の大径部66bを共通組付部材1100の軸支持部1110に嵌入させる。また、該複合ユニットの左右方向での左側については、ピン136を切欠き部302、ピン136’を切欠き部402上に自重で掛止する。これにより、本体側板300、400に対する複合ユニットの取り付けがなされる。
【0139】
図28に示した感光体ユニット140の構成のうち、クリーニング手段21について、オーガ70や取り出し部74などを使用せずに、感光体ドラム16の軸方向に対応した幅を有する回収箱103を使用するタイプのものを図23により説明したが、この図23に示したタイプのクリーニング手段を具えた感光体ユニットを図25、図26などに示した現像ユニット6−3と組み合わせて複合ユニットを構成し、本体側板300、400の共通組付部材900、1100に取り付ける場合も図28におけると全く同様にして行なうことができる。
【0140】
図28と図29とを比較した場合、図29に示す感光体ユニット140’の構成ではオーガ70がないので該オーガ70を駆動するために図28に図示されていたギヤ71、77などがなく、代りに回収箱103が設けられていることである。他の点は図28に図示した感光体ユニット140の構成と同じである。
【0141】
ここで、図28、図29の各例いずれにおいても、感光体ユニット140、140’について左右方向の右側については軸受65の大径部65bを開放溝6−2aに嵌入させており、左右方向の左側についてはピン136を切欠き部302に掛止している。
【0142】
軸支持部910に嵌入された外径部67bの保持状態を安定させるため、この外径部67bを上からおさえるようにする。例えば、左右方向にスライドする板状のスライド部材を本体側板300に設け、このスライド部材をスライドさせて外径部67bをおさえる。本体側板400につても同様におさえる。また、スライドさせておさえを解除する。このスライド部材は、図44において後述するスライド部材に準じて構成することができる。
【0143】
一方、左右方向の左側のピン136の部位では、図12においてギヤ72がウォーム16Wからの動力を受けて回転し、感光体が時計回りの向きに回転するので、受部保持手段134側を支点としてピン136が切欠き部302から浮き上がる向きのモーメントを受けるが、このモーメントは複合ユニットの自重に比べて無視してよい値であり、浮き上がりの問題はない。
【0144】
これに加えて図30に示すように、現像ユニット6−3の外側には、搬送スクリュー4Cの軸4C−Jと同軸にギヤ4C−JG、搬送スクリュー4Mの軸4M−Jと同軸にギヤ4M−JGがそれぞれ設けられており、ギヤ4C−JGには駆動源と連結された駆動ギヤ15G1、ギヤ4M−Jには駆動源と連結された駆動ギヤ15G2がそれぞれ、必要なときに退避位置から図30に示すように噛み合い状態になるようにしてある。これらの駆動ギヤ15G1とギヤ4C−JGとの噛み合い位置は斜め左下の位置であり、回転方向は図示のように定められているので、これらのギヤの噛み合い部では、複合ユニットはピン136が切欠き部302に押し付ける向きのモーメントを受ける。駆動ギヤ15G2とギヤ4M−JGとの噛み合い関係においても同様に、ピン136が切欠き部302に押し付ける向きのモーメントを受けるので、ピン136が切欠き部302から浮き上がることはない。したがって、スライド部材のおさえ手段を設ける必要はない。
【0145】
共通組付部材900、1100には書き込み手段18が取り付けられていて、同じ共通組付部材900、1100に、現像ユニット6−3を取り付けた感光体ユニット140を取り付けるのであるから、共通組付部材を媒介として、これら書き込み手段18、現像ユニット6−3、感光体ユニット140の三者の関係が定まることになる。
【0146】
しかも、感光体ユニット140と現像ユニット6−3とを一体化したままの状態で本体側板300、400に装着された共通組付部材900、1100に対して着脱可能であるし、レバー131の操作により大径部65bの押圧を解除することにより、本体側板300、400側に現像ユニット6−3を残したままで、感光体ユニット140だけを共通組付部材900、1100に対して着脱することも可能である。
【0147】
ここで、感光体ユニット140と現像ユニット6−3とを一体化したままの状態で本体側板300、400に装着された共通組付部材900、1100に対して着脱する場合、図24で説明したように、上ケース106の開き角度θ1がほぼ70°に設定されていることから、真上に引き上げると上ケース106に装着さされたままの中間転写ユニット100と干渉するおそれがある。中間転写ユニット100の下面には中間転写ベルト10が露出している。
【0148】
そこで中間転写ベルト10に対する干渉を避けるため、図27に示すように、開放溝6−2aの傾きを上ケース106とほぼ同じ傾きに設定している。これにより、感光体ドラム16或いは感光体ユニット140の現像ユニット6−3に対する着脱方向が、中間転写ベルト10と干渉しない一定の方向に規制され、中間転写ベルト10を傷つけるという事故を回避することができる。なお、このように、開放溝6−2aを傾けた場合には、図33に示す共通組付部材900”、1110”の軸支持部910”、1110”のように溝の向きを鉛直方向ではなく、開放溝6−2aに沿う向きに同じ角度で傾けて形成することとする。また、これら軸支持部910”、1110”に合わせて書き込み手段支持部920”、1120”を設定する。
【0149】
軸支時部910の向きが鉛直方向に向いている構成の場合には図27に破線で示すように開放溝6−2aの一方の溝面が共通組付部材に取り付けた状態のもとで鉛直方向に向かうように形成することとするが、この場合には鉛直方向の上方に感光体ユニット140を引き出すことになるので、中間転写ベルト10と干渉しないように注意する必要がある。
【0150】
また、感光体ユニット140を本体側板300、400側から取外した場合、不用意に平坦な面に置いたとき、安定性がよくないため全体が傾き架橋部64−3や回収箱103からトナーがこぼれるおそれがある。これを防止するため、図31に示すように、感光体ドラム16の周面に接するように薄い合成樹脂板からなるシールカバー137をカバー80の先端部に設ける。
【0151】
対向する軸支持部64−1、64−2に固定して設ける。
【0152】
図25〜図29などでは現像ユニット6−3側に、レバー131を設けて押さえ手段としたがこの例に限るものではなく、例えば、図32に示すように、感光体ユニット140の構成のうち、感光体ドラム16の軸受65と一体的に回転するレバー152を設け、このレバー152の自由端側に把手152a、把手152aと対向する自由端側に掛止用の凹部152bを形成し、他方、現像ユニット6−3(この場合、レバー131を具備する必要はない。)には、この凹部152bと係合する軸部を設けた構成とすることもできる。
【0153】
さらに、図32に示したようなレバー152を具えた感光体ユニット140を、レバーを用いての現像ユニットに対する取り付け手段としてではなく、レバー152を用いて広く、画像形成装置の本体部分などへの取り付けとして用いることもできる。その場合には、感光体ユニット140を簡単に画像形成装置に対して着脱できるので、感光体ユニット140のメンテナンスや交換作業が簡単になる。また、感光体ユニット140として構成するのでなく、感光体ドラム単体として、その軸受部にレバー152相当のレバーを取り付けた構成とすることもでき、その場合には、感光体ドラム単体としてのメンテナンスや交換作業が容易となる。
【0154】
[3]共通組付部材(その2)
[3]B. 現像ユニットを直接取り付けるタイプの共通組付部材
前記した図25〜図29、図30などで説明した例では、感光体ユニット140を現像ユニット6−3に一体的に固定した複合ユニットの状態で共通組付部材900、900”、1100、1100”などに対して着脱する場合には何の問題もない。しかし、現像ユニット6−3を共通組付部材900、900”、1100、1100”に残したままで、感光体ユニット140だけを取り外そうとすると、問題を生じる場合がある。この問題について説明する。
【0155】
図34において2点鎖線で示すように、現像ユニット6−3と感光体ユニット140とは一体化された状態で本体側板及び共通組付部材に装着されている。この状態では、左右方向の右側では軸受67の外径部67bが共通組付部材900の軸支持部910に嵌合し(図34では図が複雑になるのでこの状態は図示を省略している。)、左右方向の左側ではピン136が切欠き部302に掛けられている。この状態のもとで、感光体ユニット140だけをとり外す場合を想定する。先ず、レバー131を操作して軸受65の大径部65bの保持を解除する。この時点で現像ユニット6−3はピン136を支点とする自重によるモーメントにより回動しようとするが、大径部65bがピン64−1cにより回動することができず、そのままの状態を保持している。
【0156】
しかし、感光体ユニット140を持ち上げることにより、軸受65と軸受67が軸支持部910と開放溝6−2aの両溝から外れると、現像ユニット6−3の左右方向での右側の部位では支えるものがなくなるので、自重によるモーメントにより現像ユニット6−3はピン136を支点として時計まわりの向きに回動し、図34に実線で示すように画像形成装置の底部に突き当たることにより停止した状態になる。このように傾いた状態なると、再度感光体ユニット140を装着する場合に現像ユニット6−3を引き上げてやらねばならず、作業が大変である。そこで本体側板や共通組付部材に対する現像ユニットの取り付け状態に何らの変化も与えることなく、現像ユニットに対して感光体ユニットを着脱可能にすることができるようにした。
【0157】
本例では、図21、図22、図23などにおける像担持体(感光体ドラム16、26)上の潜像を可視像化する現像装置(第1の現像装置6、第2の現像装置8)であってユニットケースに組み付けられて一体化された現像ユニットを支持するための現像ユニット支持部と、書き込み手段18、28などを支持するための書き込み手段支持部とを具備した共通組付部材を介して前記現像ユニットと前記書き込み手段との位置関係を設定することとした。
【0158】
図36において、本体側板300、400に取り付けられている共通組付部材900A、1100Aは基本的には図1、図4などにおいて説明した共通組付部材900、1100と同じものであり、書き込み手段支持部920、1110に代えて書き込み手段支持部920A,1120Aや、軸支持部910、1110に代えて現像ユニット支持部910A,1110Aを有している。なお、これら共通組付部材900A,1100Aよりも左右方向の右側の位置には、図1、図4などにおいて説明した共通組付部材1300に相当する共通組付部材1300A(図44参照)、共通組付部材1100’に相当する共通組付部材などが設けられているが、説明が重複するのでここでは図示及び説明を省略する。本体側板300、400にはそれぞれ前記図29において説明したものと同じ切欠き部3
02、402が形成されている。
【0159】
これらの共通組付部材900A,1100Aに組付けられるべき現像ユニット6−3Aは図28で説明した現像ユニット6−3に対応し、図21、図22における第1の現像装置6を具備している。第1の現像装置6はA色現像器19とB色現像器20を含むので、現像ユニット6−3には異なる色の可視像化を行なうことができる複数の現像装置が具備されていることになる。
【0160】
[3]B−a. 現像ユニット
この現像ユニット6−3Aには現像ユニット支持部910Aに嵌合して位置決めされる中間支持部材200が設けられている。なお、現像ユニット6−3Aには、奥側にも中間支持部材200と全く同じ中間支持部材が対向して設けられているが、図36では隠れているので明瞭に図示されていない。図37において中間支持部材200は現像ユニット支持部910Aに着脱可能に嵌合される凸形状の被嵌合部201を有している。また、図36に示される感光体ユニット140A’が具備する受部65A2と着脱可能に嵌合する凹形状の嵌合部202とをあわせ有し、凹形状の嵌合部202は半月状の上方が開放されている。中間支持部材200の被嵌合部201の曲率は現像ユニット支持部910Aの曲率と合致しておりこれらは着脱可能に嵌合する関係にある。
【0161】
図35には感光体ユニット140Aが示されている。図35と図36とを比較した場合、図35に示す感光体ユニット140Aはオーガ70によって取り出し部74に廃トナーを送るタイプのものであって、図28に示した感光体ユニット140に類するものであり、図36に示した感光体ユニット140A’は感光体ドラム16の軸方向の幅に対向して設けた回収箱103にクリーニングブレード21aで掻き取られた廃トナーを収容するタイプのものであって、図29に示した感光体ユニット140’に類するものであり、図36に示す感光体ユニット140A’の構成ではオーガ70がないので該オーガ70を駆動するために図35に図示されていたギヤ71、77などがなく、代りに回収箱103が設けられている。これらの相違を除けば図35に示した感光体ユニット140Aと図36に
示した感光体ユニット140A’の構成とは同じであり、現像ユニット6−3Aに対する着脱の手段においても相違するところはない。
【0162】
図36において、現像ユニット6−3Aには、図28で説明した現像ユニット6−3におけると同様にピン136、136’が設けられている。これらのピン136、136’は中間支持部材200が設けられた部位とは異なる位置で不動部材としての本体側板300、400に掛止される被掛止部としての機能を有している。従って、手前側について、中間支持部材200を現像ユニット支持部910Aに嵌合させまた、ピン136を切欠き部302に掛止させ、奥側についても同様のことを行なうことにより、現像ユニット6−3Aを共通組付部材900A.1100Aを介して本体側板300、400に着脱可能に組み付けることができる。このように、現像ユニット6−3Aは手前側、奥側のそれぞれについて左右方向の2点、合計4点で支持されるので、常時安定した状態に保持される。
【0163】
このように、本体側板300、400に対して安定した取り付け状態にある現像ユニット6−3Aに対して、本例では感光体ユニット140A’(図30の場合は現像ユニット140A)を上から積み上げ的に組み付けるようにすることにより、現像ユニット6−3Aの本体側板300、400に対する組付状態に何らの影響を与えることなく、現像ユニット6−3Aに対する感光体ユニット140Aの自由な着脱を可能としている。以下にその手段について説明する。
【0164】
図37、39に拡大して示すように現像ユニット6−3Aの外装部を構成する手前側のユニットケース6−2Aには嵌合部202の曲率と同心でかつ同じ曲率の円周面の一部からなる面を底部203とし、この底部203から上方に向かって平行に対向して延びる面204、205で構成されるU字状の溝206が設けられている。
一方、図38において回収箱103は感光体ケース64Aと一体に設けられており、この感光体ケース64Aの外側面部に軸受65Aが一体的に固定されている。この軸受65Aは感光体ドラム16の軸部62を回転自在に支持するものであって、軸直角の断面形状が図42、図43に示すようにほぼ小判形の形状をした小判形状部65A1、軸直角の断面形状が円筒状の形状をした受部65A2,外径部65A3、外径部65A4などからなる。
【0165】
図42、図43に示すように、小判形状部65A1は軸部62が貫通する穴の中心O3を中心にして等分に振り分けられた平行平面部65A1a、65A1bと、中心O3を中心とする受部65A2(図38参照)と同径の円周の一部からなる曲面部65A1c,65A1dを有している。平行平面部65A1aと平行平面部65A1bとの間隔、つまり厚さは溝206に摺動可能に嵌合できる大きさになっている。また、平行平面部65A1a、65A1bは軸方向からみたとき、帯電器27およびクリーニングブレード21aに対して所定の角度に設定されている。この所定の角度とは、例えば、感光体ドラム16に対して現像ユニット6−3A内の現像ローラ32、33が図21、図22などに示した所定の作像プロセスを可能とし得る角度である。
従って、図39、図42に示すように、小判形状部65A1を溝206に入れることにより、曲面部65A1dを底部203に自重により密着させて、感光体ユニット140A’を現像ユニット6−3Aに所定の位置関係で取り付けることができる。また、溝206の方向に斜め上向きに引き出すことにより、容易に現像ユニット6−3Aから離脱させることができる。このように、現像ユニット6−3Aに対して何らの操作を加えることなく、感光体ユニット140A’だけを単独で現像ユニット6−3Aに対して着脱可能である。
【0166】
ここで、図36において説明したように、本体側板300、400に対して組付られた状態にある現像ユニット6−3Aに対して感光体ユニット140A’を着脱する場合、図24で説明したように上ケース106の開き角度θ1に制限があるため、感光体ユニット140Aを鉛直方向に引き上げると、中間転写ベルト10と干渉してしまう。そこで、本例では図42に示すように溝206を水平に対して開き角度θ1に合わせた角度θ3で傾けている。このように、感光体ユニット140A’の現像ユニット6−3Aからの離脱方向を規制することにより、中間転写ベルト10などとの干渉を防止して損傷を防止するとともに着脱作業が容易となる。
【0167】
[3]B−b. 共通組付部材に対する現像ユニットの取り付け
中間支持部材200の凹形状の嵌合部202と受部65A2との嵌合関係は、溝206中に感光体ユニット140’をその自重により落し込むだけの保持状態では不安定である。そこで、嵌合部202に対する受部65A2の嵌合およびその保持状態をより確実にするため、受部65A2を嵌合部202に押圧し、またその解除が自在な受部固定手段を設けた。
【0168】
受部固定手段の第1の例は、感光体ユニット140A’の一部に枢着されていて自由端側に被係合部を有するレバーと、現像ユニット6−3Aの一部に設けられ前記レバーの前記被係合部と係合する係合部とからなる。
受部固定手段の第1の例について説明する。
図38において外径部65A2は受部65A2よりも小径に形成されていて受部65A2との境にレバー304の端部を当てるための段差が設けられている。レバー304は外径部65A2と嵌合する内径部304bと、この内径部304bより外形に延出した自由端側に設けた把手304aと、把手304aと対向する自由端側に設けた非係合部としての凹部304cを有している。このレバー304の内径部304bを外径部65A3に装着し、外径部65A3よりも小径の外径部65A4に座金305を装着した上で、軸部62に止めリング306を嵌めて抜け止めをすることにより、レバー304を外径部65A3に枢着する。一方、図39に示すように、ユニットケース6−2Aには中間支持部200まわりの所定の部位に凹部304cと係合する係合部としての軸208が植設されている。
【0169】
このため図35、図36に示すように、現像ユニット支持部910Aにはこの軸208を収納するための凹部910A1が形成されている。現像ユニット支持部1110Aについても同様に凹部1110A1が形成されている。
【0170】
このようにして受部固定手段を構成し、感光体ユニット140A’を現像ユニット6−3Aに取り付けた状態つまり受部65A2を嵌合部202に嵌合させた状態のもとで把手304を操作して凹部304cを軸208に係合させる。図40に示すようにこの係合状態のもとでは凹部304cの先端が、軸208の外周上、中心O4と軸部62の中心O5と結ぶ線分e−eを越えた部位に弾性変形してまわり込み、しっかりと軸208を保持しており、嵌合部202に受部65A2を押圧した状態となっている。こうして、現像ユニット6−3Aに感光体ユニット140A’を一体的に固定保持した状態を図41に示す。
【0171】
このように現像ユニット6−3Aと感光体ユニット140A’とが一体化された全体を複合ユニットと称し、符号2000で示す。現像ユニット6−3Aから感光体ユニット140A’を分解する場合には、レバー304を係合時と逆に回転させて軸208に対する凹部304cの係合を解除した上で溝206に沿って小判形状部65A1を引き出し、感光体ユニット208を持ち上げればよい。把手304aは、このように感光体ユニット140A’を持ち上げて現像ユニット6−3Aから離脱する際の把手部としても機能する。
【0172】
受部固定手段の第3の例を図43を参照して説明する。この例では、U字状の溝206の底の部位に、小判形状部65A1を小判形状部65A1の変位に応じて掛止することのできる凹部を形成しており、この凹部を以って受部固定手段としている。この例では、平行平面部65A1aと曲面部65A1dとが交わる角部を収容する凹部206Xと.平行平面部65A1bと曲面部65A1cとが交わる角部を収容する凹部206Yとで、受部固定手段としての凹部を構成している。これらの凹部206Xと凹部206Yとは、小判形形状部65A1を溝206の底部に位置させた状態で中心O3を中心にして回動させてと仮定したときに、平行平面部65A1aと曲面部65A1dとが交わる角部および平行平面部65A1bと曲面部65A1cとが交わる角部が、溝206の各対向面204、205に食い込んでつくる凹状の空間に相当する。
【0173】
本例では、小判形状部65A1を溝206に嵌合させた上で、時計回りの向きに回動させた状態にすれば、小判形状部65A1を所定の位置に保持することができ、逆にまわして平行平面部65A1a、65A1bが溝206の対向面204、205と平行な状にすれば、上記保持状態を解除して引き出すことができる。
【0174】
以上により、受部固定手段により現像ユニット6−3Aと感光体ユニット140Aとを一体化して構成される複合ユニット2000(図41参照)の状態で、現像ユニット6−3Aの一端側での共通組付部材900Aに対する中間支持部材200の着脱(共通組付部材1100Aについて同じ)及び現像ユニット6−3Aの他端側での本体側板300、400に対するピン136、136’による掛止及び掛止の解除を行ない本体側板300、400に対する複合ユニット2000の着脱が可能である。
【0175】
ここで現像ユニット6−3Aに対する感光体ユニット140A’の固定は、前記したように受部固定手段により固定するので問題なく、また、本体側板300、400に対するピン136、136’による掛止に関しては、前記図28に即して述べたように、現像ユニットの自重や下向きのモーメントなどの作用により浮き上がることはないので、別段の上からのおさえの手段は必要ないが、現像ユニット支持部910Aに対する中間支持部材200の支持は上からのおさえがないと不安定である。
【0176】
そこで本例では図44に示すように、受部65A2を間にして中間支持部材200と対向する位置に移動し、また、該位置からの退避が可能なスライド部材450を設け、このスライド部材450により受部65A2を介して中間支持部材200を共通組付部材900Aとで挾持することにより、複合ユニット2000(図41参照)を共通組付部材900Aに保持することとした。ここで、スライド部材450は、横長の板状の部材からなる。スライド部材450は本体側板300に固定された上ガイド450uと下ガイド450dとに上下の各縁部を支持されていて、左右方向に移動可能である。上ガイド450u、下ガイド450dの形状は図45に示すように、凹字状をしていて、この溝部にスライド部材450が入っている。
【0177】
これらの上ガイド450uおよび下ガイド450dに案内させることにより、スライド部材450を図44に実線で示すおさえ位置と、このおさえ位置から退避した退避位置とに移動させることができる。なお、図44においてスライド部材450’は図22における感光体ドラム26や第2の現像装置8などによる複合ユニットをおさえるためのスライド部材を示し、スライド部材450と同じに構成されている。
【0178】
図44に示されるようにスライド部材450、450’のように、片側の本体側板について2つ設けることせずに、これらのスライド部材を一体的につないだ長尺なスライド部材とし、左右方向に離れて位置する各受部及び中間支持部材を共通におさえて共通組付部材とで挾持するようにすることもできる。この場合には、この長尺なスライド部材の大きさは、左右方向において、各受部のおさえおよび解除が可能な大きさとし、これをガイドする上ガイド450uと下ガイド450dもこのガイド部材のストロークを可能にする範囲にわたり設ける。
【0179】
共通組付部材を用いた諸部材の組立て手順
[4]A. 潜像担持体ユニットを基準に本体に組み立てる組立て方法
図28などにより説明した例では、まず、像担持体(感光体ユニット140)を支える受部(外径部67b)を支持するための支持部(軸支持部910)と書き込み手段18(図14、図24参照)を支持するための支持部(書き込み手段支持部920)とを像の書き込みに適する所定の関係位置を満足するように形成している共通組付部材900を画像形成装置の本体側板300に組み付ける。つぎに、この共通組付部材900に書き込み手段18を組み付ける。一方、潜像を可視像化する現像装置を具備した現像ユニット6−3に像担持体(感光体ユニット140又は感光体ユニット140’)を組み付けて一体化する。或いは、予めこのように一体化された複合ユニットをサービス部門に準備しておく。つぎに、この複合ユニットを構成している感光体ドラム16の受部(外径部67b)を共通組付部材900に組み付けるという組立ての手順で組み立てる。このように潜像担持体ユニットを基準に本体に組み立てる組立て方法では、複合ユニットの状態で作業のしやすい場所で、複合ユニットの状態から感光体ユニットと現像ユニットとに分解して交換や所要のメンテナンスを行なうことができ、また、複合ユニットの状態に一体化した上で、本体に組み立てることができる。
【0180】
[4]B 現像ユニットを基準に本体に組み立てる組立て方法
図35、図36などにより説明した例では、先ず、現像ユニット6−3Aと一体化された中間支持部材200を支える支持部(共通組付部材900Aの現像ユニット支持部910A)と書き込み手段18(図14、図24参照)を支持する支持部(書き込み手段支持部920)とを画像形成に必要な所定の関係位置を満足するように形成している共通組付部材900Aを画像形成装置の本体側板300に組み付ける。つぎに、この共通組付部材300に、書き込み手段18及び現像ユニット6−3Aをそれぞれ組み付け、こうして共通組付部材900Aに組み付けられた現像ユニット6−3Aの中間支持部材200に、感光体ユニット140A’(図35の場合は感光体ユニット140A)を組み付けるという組立ての手順を踏んで組み立てる。
【0181】
このように、現像ユニットを基準に本体に組み立てる組立て方法では、下から、共通組付部材900A、中間支持部材200、受部65A2の順に積み上げていく組立ての手順が可能な構成となっているので、一番上に受部65A2を介して乗っている感光体ユニット140A’(140A)は下に位置する現像ユニット6−3には何の影響も与えずに単独で本体側板300(共通組付部材900A)に対して着脱することが可能である。
また、上に感光体ユニット140A、140A’を乗せた組立て状態のままで、つまり、図41に示すような複合ユニット2000の状態で、該複合ユニット2000を本体側板300に対して着脱可能である。この場合には、複合ユニット2000を作業のしやすい場所にて、複合ユニット2000の状態から感光体ユニットと現像ユニットとに分解して所要の部品交換やメンテナンスを行なうことができ、また、複合ユニット2000の状態に一体化した組立て状態のままで、画像形成装置本体に組み立てることも可能である。
【0182】
[5]各ユニットの交換時期及び交換方法
ここでは前記説明をふまえ、像担持体ユニット、現像ユニット、中間転写ユニットなどの各ユニットの交換時期およぶ交換方法にかかる請求項1〜17にかかる例ついて説明する。
ここで像担持体ユニットとしては前記説明における感光体ユニット140、240、140A’、現像ユニットとしては前記説明における現像ユニット6−3、6−3A、中間転写ユニットとしては前記説明における中間転写ユニット100などが相当する。
【0183】
請求項1にかかる発明では、第1画像ステーションにおける感光体ユニット140、140A’及びこれらに準じた第2画像ステーションにおける感光体ユニット240など、第1画像ステーションにおける現像ユニット6−3、6−3A及びこれらに準じた第2画像ステーションにおける現像ユニット、中間転写ユニット100などのうち少なくとも1つについて、本体に着脱可能に組み付けた構成とし、当該ユニットを構成する部品又は材料のうち2種類以上の部品又は材料について所定の性能を維持できなくなる時期が略同一となるように形態、材質、使用条件を定め、前記時期が到来するときを基準に独立して前記組み付けを解除できるようにしたことを内容としている。
【0184】
請求項2にかかる発明では、前記性能を維持できなくなる時期として、前記部品や前記材料の寿命の時期とし、前記部品が容器を構成している場合にはこの容器への収容物が経時的に増していき満杯になる時期とすることを内容とする。これらのさらに具体的な例は以下に説明する。
【0185】
[5]−a.感光体ユニット
この項では主として、請求項3〜8及び16にかかる例を説明する。
請求項3における感光体ユニットに対応するのは、図36で例示した第1の画像ステーション14における感光体ユニット140A’であり、この感光体ユニット140A’は図23、図39、図41にも示したように容器状の排トナー収容部たる回収箱103を有している。
【0186】
図23において回収箱103の内部には、排トナーの満杯検知手段としてのセンサS1が設けれている。このセンサS1は回収箱103内に回収される排トナーの上面レベルが該センサS1の位置に達したときに信号を出力する。この信号は、当該画像形成装置の制御を行なっている制御手段3Aに入力されるようになっている。制御手段3AはセンサS1の信号を受けて、当該画像形成装置の操作パネルの見やすい個所に設けた表示部3aの警告灯ランプを点灯して、或いは警告音を発して満杯になったことをユーザーに知らせる。これら警告に基づき、ユーザーは感光体ユニット140を交換する。
【0187】
これら警告が発せられる回収箱103における排トナーの満杯時に感光体ユニット140A’の交換時期がくるように該感光体ユニット140A’の構成部品、材料の寿命を設定したのが請求項3の発明である。図23では、第1画像ステーション14における回収箱103と同様に構成した第2の画像ステーション24における回収箱103’にも、同様なセンサS2を設け、制御手段3Aに信号が入力されるようにし、当該センサS2の信号に基づいて第2の画像ステーション24においても同様に感光体ユニットを交換することとしている。
【0188】
請求項4、16では、回収箱103が満杯となるときに交換時期がくる構成部品を感光体16としている。つまり、感光体16の寿命と回収箱103の満杯時期とが略同じ時期となるようにし、回収箱103に回収された排トナーの破棄サイクルと感光体16の交換サイクルとを合致させたことを内容とする。この例では、センサS1に基づく警告があったときに、回収箱103における排トナーが満杯になっており、このとき、感光体も寿命なっているので、感光体ユニット140A’を交換することで上記両部品の交換時期が合致し、作業の二重手間が回避されるとともに、部品の使用効率も最大限高められる。
【0189】
感光体ユニット140A’の交換作業のしかたについては、既に説明したとおりである。例えば、受部保持手段134を具備したタイプの現像ユニット6−3は前記[2]A−hの項で図25、図29等に則して説明したように受部保持手段134を用いて現像ユニット6−3に感光体ユニット140或いは感光体ユニット140’を一体的に組み合わせた状態の複合ユニットをつくり、この複合ユニットの状態で感光体ユニット140或いは感光体ユニット140’を本体側板300、400と一体的な中間支持部材900、1100に組み付けたり、組み付けを解除することができるが、[3]B項で説明したように現像ユニット6−3単独での交換が困難であるので、実用上は図25で示したように現像ユニット6−3を感光体ユニット140と組み合わせた複合ユニットの状態で本体に対して組み付け、或いは組み付けを解除する。その上で、複合ユニットから感光体ユニット140或いは感光体ユニット140’を取り外して交換する。
これに対して、中間支持部材200を具備したタイプの現像ユニット6−3Aについては、前記[3]B−bの項で図35、図36等に則して説明したように感光体ユニット140Aは現像ユニット6−3Aとは独立に複合ユニット2000の状態から現像ユニット6−3Aに対して取外すことができる。
【0190】
この場合、感光体ユニット140Aや感光体ユニット140A’は全体新しいものと交換することも可能であるし、或いは、寿命の短い部品だけを交換することもできる。
【0191】
交換部位品としての感光体16については、図46に示すように未使用な新しい感光体について周面を保護フィルム5で円周面部を覆う構成としたものを予め準備しておく。この保護フィルム5で覆われたものを感光体ユニットに取り付けるようにすれば、取り付け作業に際して感光体の感光面を傷つけることがないので感光面が保護されるとともに交換の作業性も向上する。
【0192】
この場合は、前記図3において説明したように軸受65の小径部65aを鍵穴状の開口64−1a、64−1bを形成する穴部に圧入し、同様に軸部63の大径部63aに軸受66を挿通させて該軸受66の小径部66aを開口64−1bの前記穴部に圧入するという構成は採用せずに、小径部65a、66aは前記穴部に分解可能に固定する手段、例えば螺合させるなどの手段を採用するものとする。これにより、組付と逆の手順により分解可能で、感光体の取り替えができる。新しい感光体16を取り付けたならば図46に示した保護フィルム5の耳の部分5aを掴んで引っ張ることにより感光体16の回転とともに保護フィルム5を簡単にひき剥がすことができる。
【0193】
請求項6では、感光体ユニットを構成する部品のうち、一番寿命が短い構成部品の寿命と排トナー満杯時とが略同時期となるように回収箱103の容量を設定し、回収箱103に収容された排トナーの破棄サイクルと前記一番寿命が短い構成部品の交換サイクルとを合致させることとしたもので、この一番寿命が短い部品の寿命がきたときに回収箱103が満杯になるようにしておく。このようにすれば、表示部3Bにおける警告に基づいて交換を行なうことができる。
【0194】
上記の場合、感光体ユニット140A’を構成する部品のなかで一番寿命が短い部品が帯電ブラシからなる帯電器17としたのが請求項7の発明である。帯電器17は摺擦される構成のためコストとの関係で制約を受けた場合材料の選択に制限を受け、寿命が短くなり交換サイクルが最も早くくるケースが多い。この場合、帯電器17の寿命に合わせて回収箱の容量を定めれば、請求項3における作用効果を得ることができる。
【0195】
以上の各例において、第1の画像ステーション14における感光体ユニット140A’について説明したが、第2の画像ステーション24においても同じ形状、大きさの感光体ユニットが設けられており、これらは相互に当該画像形成装置の本体に対する取り付けの互換性を有するように構成されている。よって、交換の自由度が増すことにより、ユーザーが準備しておくべき部品の量が少なくて済み、またメーカーとして、部品の種類が減ることにより製作設備の単純化などから製作上のコストが低減する利点がある。
【0196】
[5]−b.現像ユニット
この項では主として、請求項9〜12にかかる例を説明する。
画像形成装置本体に対して組み付け可能であり、また組み付けの解除が可能な現像ユニットは、前記[2]A−hの項で図25、図29等に則して説明したように受部保持手段134を具備したタイプの現像ユニット6−3と、前記[3]B−aの項で図35〜図37及び図39等に則して説明したように中間支持部材200を具備したタイプの現像ユニット6−3Aの2つのタイプがある。これらうち、現像ユニット6−3はユニットケース6−1、6−2に第1の現像装置6が設けられこの第1の現像装置6には現像ローラ32、33やトナー撹拌手段としての機能を有するパドル2C、2Mや搬送スクリュー4C、4M等の現像手段が備えられている。現像ユニット6−3Aについても同様である。
【0197】
受部保持手段134を具備したタイプの現像ユニット6−3は前記[2]A−hの項で図25、図29等に則して説明したように受部保持手段134を用いて現像ユニット6−3に感光体ユニット140或いは感光体ユニット140’を一体的に組み合わせた状態の複合ユニットをつくり、この複合ユニットの状態で感光体ユニット140或いは感光体ユニット140’を本体側板300、400と一体的な中間支持部材900、1100に組み付けたり、組み付けを解除することができる。
【0198】
中間支持部材200を具備したタイプの現像ユニット6−3Aは前記[3]B−bの項で図35、図36等に則して説明したように現像ユニット6−3Aの中間支持部材200の部分を本体側板300、400と一体的な中間支持部位900、1100に組み付けたり、組み付けを解除することができる。このタイプの現像ユニット6−3Aでは、本体に対する組み付けに際し、現像ユニット6−3Aに予め感光体ユニット140或いは感光体ユニット140A’を組み付けておき、図41に示すように複合ユニット2000を構成した上で本体に対する組み付けを行なう。
【0199】
これら例示した現像ユニット6−3、6−3Aにおいて、第1の現像装置6にA色現像器19とC色現像器20とを備えている。A色現像器19には現像手段としてのパドル2Mや搬送スクリュー4M等が配置され、C色現像器20には現像手段としてのパドル2Cや搬送スクリュー4C等が配置されている。従って、本例の場合には、現像ユニット6−3或いは現像ユニット6−3Aを交換するとき、A色現像器19とC色現像器20について共にそれぞれの現像剤も交換される。なお、現像ユニットの内容として現像器を1つだけ備えた単色の画像形成装置を構成するも本例により容易に可能であり、その場合にはユニットケースごと現像ユニット全体として単色の現像剤が交換される。
【0200】
図21、図22に示したような画像形成装置においては、第1ステーション14と第2ステーション24においてそれぞれ現像ユニットが設けられているので、2つの現像ユニットが存在し、これらの各現像ユニットにおいては収容される現像剤のうちトナーの色が異なるものの、形状、大きさが同一であり、本体に対する取り付けの互換性を有するようにしてある。よって、交換の直前に所要の色の現像剤を充填するようにすれば、交換の自由度が増すことにより、ユーザーが準備しておくべき部品の量が少なくて済み、またメーカーとして、部品の種類が減ることにより製作設備の単純化などから製作上のコストが低減する利点がある。
【0201】
[5]−c.複合ユニット
この項では主として、請求項12にかかる例を説明する。
受部保持手段134を具備したタイプの現像ユニット6−3については、[3]B項で説明したように現像ユニット6−3単独での交換が困難であるので、実用上は図25で示したように現像ユニット6−3を感光体ユニット140と組み合わせた複合ユニットの状態で本体に対して組み付け、或いは組み付けを解除す
る。現像ユニット6−3と感光体ユニット140とは組み付け及び組み付けの解除が可能なように着脱可能に組立てられているので、本体から複合ユニットの状態で取外したのち、この複合ユニットを構成している感光体ユニット140と現像ユニット6−3との組み付けを解除し、両者のうち寿命の短い方のユニットを新しいものと交換して組み付けて複合ユニット化し、本体に組み付ける。なお、この場合、交換サイクル又は寿命の短い方のユニットの構成部品の中でその短い寿命なり交換サイクルを決定している部品だけを交換することもできる。
【0202】
中間支持部材200を具備したタイプの現像ユニット6−3Aについても、感光体ユニット140Aと現像ユニット6−3Aとが組み付け及び組み付けの解除が可能なように着脱可能に組立てられているので図41に示すような複合ユニット2000の状態で本体から取外した上で、感光体ユニット140Aと現像ユニット6−3Aとの組み付け状態を分け、各ユニットの何れか或いは両方を交換し、或いはユニットの構成部品を交換する。
【0203】
[5]−d.中間転写ユニット
この項では主として、請求項13〜15及び17にかかる例を説明する。
図24、図47、図49における中間転写ユニット100は図22に示した中間転写ベルト10、感光体16、27の像を中間転写ベルト10に転写する転写バイアス印加用の転写手段としての転写ローラ39、39’や第1の転写ブラシ41、第2の転写ブラシ42、中間転写ベルト10をクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニング装置61等を具備し、これらの諸部材はユニットケース100aに設けられている。
【0204】
さらに、このユニットケース100aには、クリーニング装置61により中間転写ベルト10からクリーニングされた排トナーを収容する容器状の排トナー収容部としての収容箱61fを設けている。さらに、図23に示すように、この収容箱61fにおける排トナーの満杯時を検知する排トナー満杯検知手段としてのセンサS3を設けている。
【0205】
このセンサS3は収容箱61f内に回収される排トナーの上面レベルが該センサS2の位置に達したときに信号を出力する。この信号は、当該画像形成装置の制御を行なっている制御手段3Aに入力されるようになっている。制御手段3AはセンサS3の信号を受けて、当該画像形成装置の操作パネルの見やすい個所に設けた表示部3aの警告灯ランプを点灯して、或いは警告音を発して満杯になったことをユーザーに知らせる。これら警告に基づき、ユーザーは中間転写ベルトユニット100を交換する。これら警告が発せられる収容箱61fにおける排トナーの満杯時に中間転写ユニット100の交換時期がくるように該中間転写ユニット100の構成部品、材料の寿命を設定したのが請求項13の発明である。
【0206】
請求項14の発明では、中間転写ベルト10の寿命と収容箱61fにおける排トナー満杯時とが略同時期、又は中間転写ベルト10の寿命前に排トナー満杯時がくるように収容箱61fの容量を設定し、該収容箱61f内に収容された排トナーの破棄サイクルを中間転写ベルト10の交換サイクルに合致させたものである。このようにすれば、表示部3Bにおける警告に基づいて中間転写ユニットの交換を行なうことができる。
【0207】
請求項15、16の発明では、中間転写ユニット100の構成部品のうち、一番寿命が短い構成部品の寿命と排トナー満杯時とが略同時期となるように収容箱61fの容量を設定し排トナーで満杯となる位置にセンサS3を設けることで、排トナーの破棄サイクルをその一番寿命が短い構成部品の交換サイクルに合致させたものである。この例では、センサS3に基づく警告があったときに、収容箱61fにおける排トナーが満杯になっており、このとき、中間転写ベルト10も寿命なっているので、中間転写ユニット100を交換することで上記両部品の交換時期が合致し、作業の二重手間が回避されるとともに、部品の使用効率も最大限高められる。
【0208】
中間転写ユニット100を画像形成装置本体に対して組み付けたり、組み付けを解除したりする手段について説明する。図24で説明したように、上ケース106には中間転写ユニット100を収容する筐体98が一体的に設けられている。この筐体98は図47に略コ字状をした形状で示され、左右方向の右端部は開放されていて左端部は閉じている。また上側は、ハッチングを施した部位と接続されたかたちでカバーにより塞がれている。筐体98を構成する奥側の部材98aの内側には各ブロック状をした保持部材120が一体的に設けられている。手前側の部材98の内側にも同じように各ブロック状をした保持部材121が設けられている。保持部材120、121は共に全く同じ形状、大きさをしている。
【0209】
図47に示すようにこれらの保持部材120、121は下記ウォーム128支え部材129以外は共に対向する内側の面に、左右方向に長い溝120a1が形成されている。この溝120a1の右端部は外界に開放され、左側部は閉じている。
【0210】
また、奥側の部材98aの左右方向の右端部には溝122aが形成されている。この溝122の右端は外部に開放されている。同様に手前側の部材98bの左右方向の右端部にも溝122bが形成されている。この溝122bも右端が外部に開放されている。部材98aの奥側の面上であって溝122aよりも左右方向で左側の位置には軸124aを支点として揺動可能なレバー125が設けられている。同様に部材98bの手前側の面上であってレバー125と対向する位置には軸124bを支点として揺動可能なレバー126が設けられている。レバー125とレバー126とは同じ大きさ形状をしている。
【0211】
また、保持部材120の左方の位置にはウォーム128が鉛直方向に設けられている。このウォーム128は中間転写ベルト10を駆動する駆動系の一部であり、筐体98のカバー部に設けたモータ(図示省略)に連結されて回転駆動されるようになっている。該ウォーム128の下端部は保持部材120と一体的に設けた支え部材129に軸支されている。
【0212】
図47において、中間転写ユニット100には図22に符号61で示したクリーニング装置61が設けられているが全てを図示するのは困難であるので、収容箱61fだけを示している。また、図22に示した転写ローラ39、39’や第1の転写ブラシ41や第2の転写ブラシ42等も設けられているが図47では図示を省略している。
【0213】
中間転写ユニット100には従動ローラ13と一体的な軸を支持する軸受56aと軸受56bとが左右方向に突出している。また、駆動ローラ12と一体的な軸を支持する軸受57aと軸受57bとが左右方向に突出している。軸受57aは保持部材120の溝120a1に係合可能であるし、軸受57bは保持部材121の溝(溝120a1と同じ溝。図示省略。)に係合可能である。同様に、軸受56aは溝122aに係合可能であるし、軸受56bは溝122bに係合可能である。
【0214】
軸受57aの部分に設けられたギヤ58Gおよび軸受57aの部分に設けられたギヤ59Gは共に駆動ローラ12の軸に固定されていて、駆動ローラ12と共に回転する。ギヤ59Gにはアイドルギヤ80G、81Gを介してギヤ82Gが噛み合わされている。ギヤ82Gは図22に示した中心軸61hに固定されている。なお、これらアイドルギヤ80G、81Gやギヤ82Gに相当するギヤはギヤ58Gまわりには設けられていない。これらアイドルギヤ80G、81Gは回転体61gの回転の向きを中間転写体の回転の向きとの関係で調整するためのものである。
【0215】
図47において、中間転写ユニット100を筐体98に組み立てるときには、中間転写ユニット100を矢印の向きに移動して、軸受57a,57bを保持部材120、121の溝120a1に係合し、同時に軸受56a,56bを溝122a,122bにそれぞれ係合し、これらの溝の奥につき当てられた位置で、図22に示す第1の現像装置6、第2の現像装置8、感光体ユニット140、240等との関係位置が適正に設定される。また、このとき、ギヤ58Gとウォーム128とが噛み合っている(図48参照)。このような位置を保持するため、軸受56bをレバー126、軸受56bをレバー126でそれぞれ保持する。この様子を図49に示す。
【0216】
レバー125による軸受56aの保持とレバー126による軸受56bの保持の関係は同じであるので、レバー125による軸受56aの保持の様子を図50により説明する。図50において、レバー126の軸124bの中心と軸受56bの中心とは同一水平面上にあり、レバー126の爪126aは軸受56bの中心を通る水平面よりも下の該軸受56bの周面に弾性力で圧接して、軸受56bを保持している。レバー126の先端部は把手を兼ねており、この把手を掴んでレバー126を矢印方向に回せば軸受56bの保持が解除される。
【0217】
中間転写ユニット100を本体から外すときには、図24において、カバー108を開き、上ケース106を2点鎖線の位置まで起こした上、レバー125、126を操作して軸受56ba,56bを解除してから、筐体98より中間転写ユニット100を引き出せばよい。組み付けるときは、この逆の順となる。
【0218】
請求項17の発明では、例えば、クリーニング装置61により中間転写ベルト10からクリーニングされた排トナーを収容する収容箱61fでの排トナーの満杯時を排トナー満杯検知手段としてのセンサS3で検知しこの検知時に、図24、図47〜図50により説明した前記方法により中間転写ユニット100を交換することとしたものである。
【0219】
[6]各ユニットの交換サイクル及びその決定要因の例
前記例における図22に画像形成装置における試算例を以下に示す。
[6]A.各ユニットの構成部品の寿命
[6]A−a.感光体ユニット
感光体16について、その径を30mm、材質をOPC(有機光導電体)とし、静電疲労、光疲労、現像剤やブレードによる傷、摩耗等の交換要因により交換することとしたときの交換サイクルはフルカラー画像で用紙20K枚の処理毎である。但し、後述するように、帯電ブラシが10枚毎の交換のときに単独交換とする。以下に内訳を述べる。
【0220】
帯電ブラシ17について、材質を導電性繊維(レーヨン+カーボン、被抵抗10Ωcm)とし、ゴミやトナー等の付着、折れや曲がり、電気特性劣化等の交換要因により交換することとしたときの交換サイクルはフルカラー画像で用紙10K〜20K枚の処理毎である。帯電ブラシの交換サイクルに幅があるのは、不確定要因が介在するからであり、実際の使用現場において初めて具体的な値が定まるからである。よって、他の部品よりも特に短い場合には帯電ブラシのみの単独交換とする。
【0221】
クリーニングブレードについて、21aについて、材質をポリウレタンゴム(高度70Hs)とし、ブレードエッジの劣化(摩耗、亀裂、欠け等)、硬度低下等の交換要因により交換することとしたときの交換サイクルはフルカラー画像で用紙40K枚の処理毎である。
【0222】
感光体16の表面状態を所定の転写性能を維持するためにコーティングバーを摺接させることがあり、その場合コーティングバーについて、材質をステアリン酸亜鉛とし、消耗を交換要因としたときの交換サイクルは、コーティングバーの摺接ユニット全体としてフルカラー画像で用紙20K枚の処理毎である。
【0223】
よって、この例では、感光体ユニットとしては基本的には20Kの交換サイクルが可能である。但し、帯電ブラシについては10K枚毎に交換を要する場合がある。
【0224】
[6]A−b.現像ユニット
第1の現像装置6を構成する現像ユニットと第2の現像装置8を構成する現像ユニットについて、2成分現像剤を使用し、2つの画像ステーションを同時にユニット交換するものとして、電気特性の劣化(抵抗値、誘電率、摩擦帯電性等の劣化)、キャリアコーティング膜の削れ、スペント化(トナーとキャリアの融着)等の交換要因により交換することとしたときの交換サイクルはフルカラー画像で用紙80K枚/400g、つまり、現像剤400gのとき80K枚、従って、200gのときは40K枚の処理毎である。
【0225】
[6]A−c.中間転写ユニット
中間転写ユニット100の交換サイクルはフルカラー画像で用紙40K枚の処理毎である。以下にその内訳を述べる。
【0226】
中間転写ベルト10は材質をフッ素系樹脂シート(体積抵抗1014Ωcm、表面抵抗1012Ω/cm)とし、電気特性劣化(抵抗値、誘電率等の劣化)、現像剤やブレードによる傷や摩耗、亀裂、伸び等の交換要因により交換することとしたときの交換サイクルはフルカラー画像で用紙40K枚の処理毎である。
【0227】
クリーニングブレード61aは材質をポリウレタンゴム(硬度70Hs)とし、ブレードエッジの劣化(摩耗、亀裂、欠け)、硬度低下等の交換要因により交換することとしたときの交換サイクルはフルカラー画像で用紙40K枚の処理毎である。
【0228】
転写ブラシ41、42は材質を導電性繊維(レーヨン+カーボン、被抵抗10Ωcm)とし、ゴミやトナー等の付着、折れや曲がり、電気特性劣化等の交換
要因により交換することとしたときの交換サイクルはフルカラー画像で用紙10K〜20K枚の処理毎である。転写ブラシの交換サイクルに幅があるのは、不確定要因が介在するからであり、実際の使用現場において初めて具体的な値が定まるからである。よって、他の部品よりも特に短い場合には転写ブラシのみの単独交換とする。
【0229】
中間転写ベルト10の表面状態を所定の転写性能を維持するためにコーティングバーを摺接させることがあり、その場合コーティングバーについて、材質をステアリン酸亜鉛とし、消耗を交換要因としたときの交換サイクルは、コーティングバーの摺接ユニット全体としてフルカラー画像で用紙40K枚の処理毎である。
【0230】
よって、この例では、中間転写ユニットとしては基本的には40Kの交換サイクルが可能である。但し、転写ブラシについては10K枚毎に交換を要する場合がある。
【0231】
[6]B.排トナー量試算
[6]B−a.感光体ユニットにおける排トナー量
感光体ユニットの交換サイクルを用紙20K枚のフルカラー処理をした場合の排トナー量見積を試算すると以下のようになる。但し、感光体16、26から中間転写ベルト10への転写効率を80%、各感光体16、26上のトナー付着量(2色分)を20mg、未転写(残付着)トナー量を4mgと仮定した場合。各ユニットの排トナー量=4mg×20K=80g
よって、回収箱103、103’の容量或いは、センサS1、S2の位置は80gを目安として定める。
但し、部品寿命と排トナー満杯時が何時でも同時期となるとは限らない。時期がずれる場合を考慮し、排トナー満杯はセンサで検知し、部品の早期特性劣化(傷を含む)はプロセスコントロールや感光体を直接目視で判断する。その場合は、一方が交換時期でなくてもユニット交換を行なうのがよい。
【0232】
[6]B−b.中間転写ユニットにおける排トナー量
中間転写ユニットの交換サイクルを用紙40K枚のフルカラー処理をした場合の排トナー量見積を試算すると以下のようになる。但し、中間転写ベルト10から用紙への転写効率を転写効率を80%、中間転写ベルト10上のトナー付着量(4色分)を32mg、未転写(残付着)トナー量を6.4mgと仮定した場合。排トナー量=6.4mg×40K=256g
よって、収容箱61fの容量或いは、センサS3の位置は256gを目安として定める。但し、部品寿命と排トナー満杯時が何時でも同時期となるとは限らない。時期がずれる場合を考慮し、排トナー満杯はセンサで検知し、部品の早期特性劣化(傷を含む)はプロセスコントロールや中間転写ベルトを直接目視で判断する。その場合は、一方が交換時期でなくてもユニット交換を行なうのがよい。
【0233】
[7]画像形成装置の全体形状と各ユニットの形状との関係
以上に説明した実施の態様において、画像形成装置の構成要素として書き込み手段18、28、感光体ユニット140A、140A’、現像ユニット6−3、6−3A、中間転写ユニット100等を例示した。これらは、互いに着脱可能な感光体ユニットと現像ユニットとして構成され、これらが一体化された例えば複合ユニット2000、2000’が、図51に示すように同じ形状同じ大きさのユニットとして第1の画像ステーション14と第2の画像ステーション24にそれぞれ横並びに配置される。
【0234】
このような形状及び配置からなる構成は画像形成プロセス手段として1つのまとまりをなし、破線で示す全体構成の中に実線で示す各構成が収まる矩形形状となっているので無駄なスペースのないレイアウトが可能となり、全体の大きさがコンパクト化され、装置構成も簡略化するし、組立ての作業も容易である、等の利点を得ることができる。さらに、中間転写ユニット100の上方には横長矩形状の排紙トレイを配置できるし、両複合ユニットの下にはやはり横長矩形状の記録用の用紙収容部を構成でき、その場合でも、全体の形状が矩形となり、スペース上の観点からのレイアウトの無駄がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0235】
【図1】感光体ユニットの本体側板に対する取り付け態様を説明した分解斜視図である。
【図2】感光体ユニットの全体斜視図である。
【図3】感光体ユニットの分解斜視図である。
【図4】本体側板に対する共通組付部材の取り付け態様を説明した分解斜視図である。
【図5】手前側の共通組付部材の斜視図である。
【図6】手前側の本体側板の斜視図である。
【図7】手前側の本体側板への共通組付部材の組み付け状態を示した斜視図である。
【図8】奥側の共通組付部材の斜視図である。
【図9】奥側のもう一つの共通組付部材の斜視図である。
【図10】奥側の本体側板の斜視図である。
【図11】奥側の本体側板への共通組付部材の組み付け状態を示した斜視図である。
【図12】感光体ドラムの駆動系を説明した図である。
【図13】図13(a)は間隔調整手段の一例を示した断面図であり、図13(b)は間隔調整手段の他の例を示した断面図である。
【図14】調整手段を説明した分解斜視図である。
【図15】感光体ドラムまわりの諸部材の構成を説明した断面図である。
【図16】図16(a)は調整手段の他の態様を説明した部分断面の正面図、図16(b)は図6(a)に示した図の平面図である。
【図17】各画像ステーション間での調整手段による調整の一例を説明した図である。
【図18】画像形成プロセスを説明した図である。
【図19】カラー画像形成のプロセスの第1の例を説明した図である。
【図20】カラー画像形成のプロセスの第2の例を説明した図である。
【図21】画像形成装置の概略構成を説明した図である。
【図22】画像形成装置の構成を説明した図である。
【図23】図22に示した画像形成装置のクリーニング手段及び排トナーの検知手段を説明した図である。
【図24】画像形成装置の外観の概要を示した図である。
【図25】現像ユニットと感光体ユニットとを組み合わせた複合ユニットの斜視図である。
【図26】現像ユニットと感光体ユニットとを組み合わせた複合ユニットの分解斜視図である。
【図27】レバーによる軸受の保持態様を説明した図である。
【図28】感光体ユニット基準で本体側板に対する複合ユニットの取り付け態様を説明した分解斜視図である。
【図29】感光体ユニット基準で本体側板に対する複合ユニットの取り付け態様を説明した分解斜視図である。
【図30】搬送スクリューに対する駆動系を説明した図である。
【図31】クリーニング手段の部位におけるトナーの漏れ防止のシール構造を説明した図である。
【図32】像担持体側に固定用のレバーを設けた例を説明した斜視図である。
【図33】共通組付部材の溝を傾斜させて設けた場合を説明した斜視図である。
【図34】複合ユニットの状態で感光体ユニットを分解した場合に現像ユニットが傾く様子を説明した図である。
【図35】現像ユニット基準で本体側板に対する複合ユニットの取り付け態様を説明した分解斜視図である。
【図36】現像ユニット基準で本体側板に対する複合ユニットの取り付け態様を説明した分解斜視図である。
【図37】中間支持部材を説明した部分斜視図である。
【図38】感光体ユニットとレバーとの組合せ関係を説明した分解斜視図である。
【図39】複合ユニットの分解斜視図である。
【図40】レバーによる軸との掛止及びその解除の様子を説明した図である。
【図41】複合ユニットの外観斜視図である。
【図42】小判形状部と溝との嵌合関係を説明した図である。
【図43】小判形状部と溝との嵌合関係を説明した図である。
【図44】受部を保持するスライド部材を説明した正面図である。
【図45】受部を保持するスライド部材をその長手方向から見た部分断面図である。
【図46】保護フィルムで覆った感光体の斜視図である。
【図47】筐体と中間転写ユニットとの組合せを説明した分解斜視図である。
【図48】中間転写ベルトの駆動機構部の説明図である。
【図49】中間転写ユニットを装着した筐体の正面図である。
【図50】レバーが軸受を保持した状態を説明した正面図である。
【図51】画像形成装置を構成する要素の形状及びレイアウトを説明した図である。
【符号の説明】
【0236】
6−3、6−3A 現像ユニット
16、26 (像担持体としての)感光体ドラム
18、28 書き込み手段
100 中間転写ユニット
140、140A’240 感光体ユニット
2000 複合ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持手段と、潜像を可視像化する現像手段と、可視像化された像の転写を受けると共にこの可視像を用紙に転写する中間転写手段を少なくとも具備している画像形成装置において、
前記像担持手段を該像担持手段及びその付帯部材を含む一体的な構成からなる像担持体ユニット、前記現像手段を該現像手段及びその付帯部材を含む一体的な構成からなる現像ユニット、前記中間転写手段及びその付帯部材を含む一体的な構成からなる中間転写ユニットにそれぞれユニット化して本体に組み付け、
前記各ユニットの少なくとも1つのユニットについてこのユニットを構成する部品又は材料のうち2種類以上の部品又は材料について所定の性能を維持できなくなる時期が略同一となるように形態、材質、使用条件を定め、前記時期が到来するときを基準に独立して前記組み付けを解除できるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記性能を維持できなくなる時期とは、前記部品や前記材料の寿命の時期をいい、前記部品が容器を構成している場合にはこの容器への収容物が経時的に増していき満杯になる時期とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記像担持体ユニットは、少なくとも感光体、前記感光体を一様に帯電する帯電手段、前記感光体をクリーニングするクリーニング手段を付帯したユニットケースを有する感光体ユニットであり、
前記ユニットケースに付帯されていて前記クリーニング手段により前記感光体からクリーニングされた排トナーを収容する容器状の排トナー収容部と、
前記排トナー収容部における排トナーの満杯時を検知する排トナー満杯検知手段とを設け、前記排トナー満杯検知手段による前記排トナーの満杯時に前記感光体ユニットの交換時期がくるように該感光体ユニットの構成部品、材料の寿命を設定したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3記載の画像形成装置において、
前記感光体ユニットの交換時期を決定する構成部品が感光体であり、前記感光体の寿命と前記排トナー満杯時とが略同時期、又は前記感光体の寿命前に前記排トナー満杯時が到来するように前記排トナー収容部の容量を設定し、前記排トナーの破棄サイクルと前記感光体の交換サイクルとを合致させたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置において、
前記感光体はドラム状をしており、交換に用いる未使用の感光体は周面を保護フィルムにより被覆されたものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3記載の画像形成装置において、
前記感光体ユニットの構成部品のうち、一番寿命が短い構成部品の寿命と前記排トナー満杯時とが略同時期となるように前記排トナー収容部の容量を設定し、前記排トナー収容部に収容された排トナーの破棄サイクルと前記一番寿命が短い構成部品の交換サイクルとを合致させたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成装置において、
前記一番寿命が短い構成部品が前記帯電手段としての帯電ブラシであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項3、4、6又は7記載の画像形成装置において、
前記感光体ユニットを複数具備し、これら複数の感光体ユニットは全て同一形状、同一大きさであり、前記本体に対する取り付けの互換性を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記現像ユニットは、少なくとも現像ローラ、トナー撹拌搬送手段からなる現像手段を付帯したユニットケースを有していて、この現像ユニット内にはトナーを含む現像剤が充填されており、この現像剤の寿命による交換は、前記ユニットケースごと現像ユニット全体として行なうことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、
前記現像手段はそれぞれ異なる色の現像剤が充填される複数の現像手段として構成されていて、各色の現像剤の寿命による交換は、全て同時に前記ユニットケースごと現像ユニット全体として行なうことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項9又は10記載の画像形成装置において、
前記現像ユニットを複数具備し、これら複数の現像ユニットは全て同一形状、同一大きさとし、これら複数の現像ユニットは全て前記本体に対する取り付けの互換性を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1、2、3、4、6、7、8、9、10又は11記載の画像形成装置において、
前記像担持体ユニット又は前記感光体ユニットと前記現像ユニットとを互いに着脱自在な複合ユニットとして構成するとともに複合ユニットとしても前記本体に着脱自在に組み付け、前記像担持体ユニット又は前記感光体ユニットと前記現像ユニットのうち、交換サイクル又は寿命の短い方のユニットを前記本体又は前記複合ユニットに対して着脱自在としたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記中間転写ユニットは少なくとも中間転写ベルト、前記像担持体の像を前記中間転写ベルトに転写する転写バイアス印加用の転写手段、前記中間転写ベルトをクリーニングするクリーニング手段を付帯したユニットケースを有していて、
前記ユニットケースに付帯されていて前記クリーニング手段により前記中間転写ベルトからクリーニングされた排トナーを収容する容器状の排トナー収容部と、
前記排トナー収容部における排トナーの満杯時を検知する排トナー満杯検知手段とを設け、前記排トナー満杯検知手段による前記排トナーの満杯時に前記中間転写ユニットの交換時期がくるように該中間転写ユニットの構成部品、材料の寿命を設定したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項13記載の画像形成装置において、
前記中間転写ベルトの寿命と前記排トナー満杯時とが略同時期、又は前記中間転写ベルトの寿命前に前記排トナー満杯時がくるように前記排トナー収容部の容量を設定し、前記排トナー収容部内に収容された排トナーの破棄サイクルを前記中間転写ベルトの交換サイクルに合致させたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項13記載の画像形成装置において、
前記中間転写ユニットの構成部品のうち、一番寿命が短い構成部品の寿命と前記排トナー満杯時とが略同時期となるように前記排トナー収容部の容量を設定し、前記排トナーの破棄サイクルを前記一番寿命が短い構成部品の交換サイクルに合致させたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
少なくとも、感光体、前記感光体を帯電する帯電手段、前記感光体をクリーニングするクリーニング手段を付帯したユニットケースを有する感光体ユニットを本体に着脱自在に設けた画像形成装置におけるユニットの交換方法であって、
前記ユニットケースに付帯されていて前記クリーニング手段により前記感光体からクリーニングされた排トナーを収容する容器状の排トナー収容部での排トナーの満杯時を検知する排トナー満杯検知手段による前記排トナーの満杯の検知時に前記感光体ユニットを交換することを特徴とするユニットの交換方法。
【請求項17】
少なくとも中間転写ベルト、像担持体の像を前記中間転写ベルトに転写する転写バイアス印加用の転写手段、前記中間転写ベルトをクリーニングするクリーニング手段を付帯したユニットケースを有する中間転写ユニットを本体に着脱自在に設けた画像形成装置におけるユニットの交換方法であって、
前記ユニットケースに付帯されていて前記クリーニング手段により前記中間転写ベルトからクリーニングされた排トナーを収容する容器状の排トナー収容部での排トナーの満杯時を検知する排トナー満杯検知手段による前記排トナーの満杯の検知時に前記中間転写ユニットを交換することを特徴とするユニットの交換方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持手段と、潜像を可視像化する現像手段と、可視像化された像の転写を受けると共にこの可視像を、用紙搬送路を経由して供給された用紙に転写する中間転写手段と、を少なくとも具備る画像形成装置であって、
画像形成装置本体は前カバー、上ケース、下ケースを有し、前記上ケース及び下ケースが軸を中心に回転自在に係合され、前記前カバー及び下ケースが軸を中心に回動自在に係合されており、前記用紙搬送路が前記前カバーに設置された画像形成装置において、
前記上ケースは着脱自在に設置された、前記中間転写手段を有する中間転写ユニットを備え、
前記前カバーを前記下ケースに対して、軸を中心にして下方に開くことにより前記用紙搬送路を開放した上で、
前記上ケースを前記下ケースに対して、軸を中心にして上方にワニ口状に開き、前記中間転写ユニットを前記上ケースから着脱できるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記用紙搬送路より搬送された用紙が前記中間転写手段により転写された後に定着されて排紙される排紙トレイを、前記中間転写ユニットの上方に設け、前記用紙の排紙される方向が前記前カバーの開口方向とは反対側であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
前記中間転写ユニットはさらにクリーニング手段を有し、前記クリーニング手段を前記上ケースの回動支点に近い側となるように設置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載の画像形成装置において、
少なくとも前記像担持手段を有するユニットが前記下ケースに着脱自在に設置され、
前記ユニットを前記下ケースと係合する部材から、前記上ケースの開口方向であって前記ワニ口の開き角度とほぼ同じ傾き方向に規制された斜め上向きに着脱できるようにしたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【公開番号】特開2006−58913(P2006−58913A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322703(P2005−322703)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【分割の表示】特願平11−19634の分割
【原出願日】平成11年1月28日(1999.1.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】