説明

画像形成装置

【課題】 帯電手段の構成が異なる複数の作像装置を備え、それぞれの作像装置について、各作像装置の潜像担持体に対して適切な条件で転写残トナーの除去を行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 潜像担持体である感光体3と、帯電装置4と、現像装置5と、形成されたトナー像が中間転写ベルトに転写されたあとの感光体3表面に残留する転写残トナーを除去するトナー除去手段である感光体クリーニング装置6とを有する作像装置1を複数備えた画像形成装置で、複数の作像装置1のうちの一つである黒用の作像装置1Kは、別の作像装置であるカラー用の作像装置3Tと帯電装置4の構成が異なり、帯電装置4の構成が互いに異なる黒用の作像装置1Kとカラー用の作像装置1Tとの間では、感光体クリーニング装置6の構成も互いに異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に係り、詳しくは、潜像担持体、帯電手段、現像手段及びトナー除去手段を有する作像装置を複数備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作像装置が有する潜像担持体は、その表面に潜像を形成するために帯電手段によって均一に帯電させることが必要である。帯電手段としては帯電部材が、チャージワイヤやローラ、ブラシなどのものがある。また、帯電部材を潜像担持体表面から離間した非接触状態で帯電させるものや、潜像担持体表面に接触させた接触状態で帯電させるものがある。更には、帯電部材に印加する帯電バイアスもDC成分のみを印加するものもあれば、DC成分にAC成分を重畳させて印加するものもある。
【0003】
帯電部材としてチャージワイヤを用いたものは、潜像担持体表面に対して非接触であり、帯電バイアスはDC成分のみを印加するDC帯電方式である。DC帯電方式であるため潜像担持体表面に対してハザードを与えないため潜像担持体の表面削れに対して有効であり、潜像担持体の長寿命化に有効である。また、非接触であるため潜像担持体上の汚れが帯電部材に付着しない。しかし、帯電時にオゾンやNOxが発生しやすいという問題がある。
【0004】
帯電部材としてローラ状の帯電ローラを用いたものには、潜像担持体表面に対して非接触状態で帯電する非接触帯電ローラ方式と、接触状態で帯電する接触帯電ローラ方式とがある。非接触帯電ローラ方式での帯電バイアスは、DC成分にAC成分を重畳させて印加するAC+DC帯電方式である。一方、接触帯電ローラ方式での帯電バイアスは、DC成分のみを印加するDC帯電方式と、DC成分にAC成分を重畳させて印加するAC+DC帯電方式との両方の場合がある。
【0005】
非接触帯電ローラ方式の帯電手段は、チャージワイヤを用いたものに比べて帯電時にオゾンやNOxが発生しにくく、非接触であるため潜像担持体上の汚れが帯電部材である帯電ローラに付着しにくい。しかし、AC成分の重畳により、潜像担持体表面へのハザードが大きくなるため、潜像担持体表面の膜が削れ易くなり、潜像担持体の寿命を低下させるという問題がある。潜像担持体表面の膜が削れ易くなることにより、帯電手段としてチャージワイヤを用いるものに比べて付着したトナーが除去されにくくなり、転写残トナーを除去するトナー除去手段の負担が大きくなり、トナー除去手段の寿命を低下させるという問題が生じる。
また、接触帯電ローラ方式でDC帯電方式の帯電手段は、構成が簡単であり、潜像担持体表面に対してもハザードを与えないため、潜像担持体の表面削れに対して有効であり、潜像担持体の長寿命化に有効である。しかし、潜像担持体に直接接触しているため、潜像担持体上の汚れが帯電ローラ表面に付着しやすく、帯電ローラに付着した汚れの部分で異常帯電が発生し、画像不良が発生するという問題がある。
一方、接触帯電ローラ方式でAC+DC帯電方式の帯電手段は、帯電ローラに汚れが付着してもAC成分の重畳により、接触帯電ローラ方式でDC帯電方式の帯電手段に比べて異常帯電の発生は減少する。しかし、非接触帯電ローラ方式と同様にAC成分の重畳により、潜像担持体表面へのハザードが大きくなるため、潜像担持体表面が削れ易くなり、潜像担持体の寿命を低下させるという問題がある。
【0006】
4色フルカラーの画像形成装置の作像装置の帯電手段としてはその構成によって、次のような特性がある。
帯電部材としてチャージワイヤを備えた作像装置が一つの場合、チャージワイヤを備えた作像装置が4つである場合に比べて、発生するオゾンが少なく、画像形成装置の内部から外部へオゾンが放出されることを抑制することが可能である。また、チャージワイヤを備えた作像装置が1つの場合、4つの場合に比べてNOxの発生量も少なく像流れが生じにくく、画像への影響も問題とならない程度に抑えることができる。
接触帯電ローラ方式または非接触帯電ローラ方式でAC+DC帯電方式の帯電手段は、仕様頻度が低いカラーのトナー像を作像する作像装置に用いるのであれば、潜像担持体の寿命が短いことはあまり大きな問題とならない。しかし、使用頻度が高い黒色のトナー像を作像する作像装置に用いると、潜像担持体の寿命の短さにより、実用上の問題となるおそれがある。
【0007】
このように、フルカラーの画像形成装置の4色全ての作像装置に同じ構成の帯電手段を適用すると、実用上の問題となるおそれがある。このような問題を解決可能な画像形成装置として、特許文献1には、複数の作像装置の少なくとも一つの作像装置の帯電手段の構成が、別の作像装置の帯電手段の構成とは異なる画像形成装置が記載されている。
特許文献1に記載の画像形成装置は、黒用の作像装置にはチャージワイヤを用いた帯電手段を適用し、他のカラー用の作像装置には接触帯電ローラ方式でAC+DC帯電方式の帯電手段を適用した画像形成装置がある。チャージワイヤを用いた帯電手段が一つだけであるので、オゾンの放出やNOxによる画像の流れを抑制しつつ、使用頻度が高い黒用の作像装置の潜像担持体の寿命を維持することができる。また、接触帯電ローラ方式でAC+DC帯電方式の帯電手段を使用頻度が低いカラー用の作像装置にのみ適用しているので、AC成分による潜像担持体へのハザードによって潜像担持体の寿命が短くても実用上問題とならない。さらに、AC成分の重畳により、潜像担持体上の汚れが帯電ローラに付着しにくく、帯電ローラに汚れが付着することに起因する実用上の問題は発生しない。
このように、複数の作像装置の各作像装置の特性に応じて、異なる構成の帯電手段を適用することにより、実用上の問題が発生しにくい画像形成装置を実現可能となる。
このように、複数の作像装置の各作像装置の特性に応じて、異なる構成の帯電手段を適用する画像形成装置であっても、潜像担持体上の転写残トナーを除去するトナー除去手段の構成は、作像装置同士での部品の共通化のため、どの作像装置にも同じ構成のトナー除去手段を備えていることが一般的である。
【0008】
【特許文献1】特許第3587094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、帯電手段の構成によって潜像担持体上に付着した転写残トナーの除去しやすさは異なるため、異なる構成の帯電手段を備える作像装置同士で、同一のトナー除去手段を備えていると次のような問題が生じる。
すなわち、転写残トナーが除去し易い帯電手段の作像装置に適したトナー除去手段で統一すると、転写残トナーが除去し難い帯電手段の作像装置では、トナー除去手段で転写残トナーが除去しきれず、画像不良の原因となる。一方、転写残トナーが除去し難い帯電手段の作像装置に適したトナー除去手段で統一すると、転写残トナーが除去し易い帯電手段の作像装置では、過剰なクリーニングが行われることになり、潜像担持体の不要な寿命低下につながる。
【0010】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、帯電手段の構成が異なる複数の作像装置を備え、それぞれの作像装置について、各作像装置の潜像担持体に対して適切な条件で転写残トナーの除去を行うことができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、少なくとも、潜像担持体と、該潜像担持体の表面を帯電する帯電手段と、該帯電手段によって帯電された該潜像担持体の表面上に潜像を形成する潜像形成手段によって形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像する現像手段と、該現像手段によって形成されたトナー像を転写体に転写する転写手段によって転写がなされたあとの潜像担持体表面に残留する転写残トナーを除去するトナー除去手段とを有する作像装置を複数備え、複数の作像装置のうちの少なくとも一つは、別の作像装置と該帯電手段の構成が異なる画像形成装置において、各作像装置が有する該トナー除去手段は、その作像装置が有する帯電手段の構成に応じた構成であり、該帯電手段の構成が互いに異なる該作像装置間では、該トナー除去手段の構成も互いに異なることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記帯電手段の異なる構成の一方は、DC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の構成で、他方は、これとは異なる帯電方式の構成であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記トナー除去手段として、上記潜像担持体に接触するブレード部材と、該ブレード部材が接触する位置よりも該潜像担持体の表面移動方向上流側の位置で該潜像担持体の表面に接触する回転ブラシとを備えることを特徴する画像形成装置。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、上記潜像担持体を停止させた状態での上記回転ブラシの回転トルクが、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置は、他の帯電方式の作像装置よりも小さくなるように設定したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記回転ブラシのブラシ繊維の太さが異なることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の画像形成装置において、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記回転ブラシのブラシ繊維の材質が異なることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項4、5または6の画像形成装置において、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記回転ブラシのブラシ繊維の形状が異なることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項4、5、6または7の画像形成装置において、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記回転ブラシのブラシ繊維の上記潜像担持体に対する食い込み量が異なることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項4、5、6、7または8の画像形成装置において、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記回転ブラシの外径が異なることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、上記潜像担持体の表面移動に対する回転する上記回転ブラシの線速比が、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置は、他の帯電方式の作像装置よりも小さくなるように設定したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置は上記トナー除去手段として上記潜像担持体に接触するブレード部材のみを備え、他の帯電方式の作像装置は該トナー除去手段として該潜像担持体に接触するブレード部材と、該ブレード部材が接触する位置よりも該潜像担持体の表面移動方向上流側の位置で該潜像担持体の表面に接触する回転ブラシとを備えることを特徴する画像形成装置。
また、請求項12の発明は、請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の画像形成装置において、上記トナー除去手段として上記潜像担持体に接触するブレード部材を有し、該潜像担持体に対する該ブレード部材の接触圧力が、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と、他の帯電方式の作像装置とで異なるように設定したことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、上記潜像担持体に対する上記ブレード部材の接触圧力が、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置は、他の帯電方式の作像装置よりも小さくなるように設定したことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と、他の帯電方式の作像装置とでは、上記ブレード部材の上記潜像担持体に対する食い込み量が異なることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項13または14の画像形成装置において、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記像担持体に対する上記ブレード部材の特性が異なることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15の画像形成装置において、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記ブレード部材の特性としてヤング率が異なることを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項13、14、15または16の画像形成装置において、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記ブレード部材の板厚が異なることを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項13、14、15、16または17の画像形成装置において、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記像担持体表面に対する上記ブレード部材の当接角が異なることを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項13の画像形成装置において、上記ブレード部材を回転自在に支持する支持ホルダを備え、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と、他の帯電方式の作像装置とでは、該支持ホルダによる該ブレード部材の支軸角が異なることを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19の画像形成装置において、複数の上記作像装置は、上記現像手段が上記潜像担持体に供給するトナーの色毎に設けられており、該作像装置のうち用いるトナーの色が黒のものと、他の色のものとで上記帯電手段の構成が異なり、トナーの色が黒の該作像装置が備える該帯電手段は、DC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の構成であることを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20の画像形成装置において、上記複数の作像装置は、それぞれ該画像形成装置本体から着脱可能なプロセスカートリッジであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1乃至21の発明によれば、帯電手段の構成の違いに応じて、異なる構成のトナー除去手段を適用するため、各作像装置の潜像担持体に対して適切な条件で転写残トナーの除去を行うことができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明をタンデム型のカラー画像形成装置に適用した実施形態について説明する。
図1は、実施形態にかかる画像形成装置としての複写機(以下、複写機500という)の概略構成図である。複写機500は、複写装置本体(以下、プリンタ部100という)、給紙テーブル(以下、給紙部200という)、プリンタ部100上に取り付けるスキャナ(以下、スキャナ部300という)、スキャナ部300上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)(以下、原稿搬送部400という)からなっている。また、複写機500内の各装置の動作を制御する図示しない制御部も備えている。
【0014】
プリンタ部100は、その中央に中間転写体としての中間転写ベルト10を備えている。中間転写ベルト10は、第一支持ローラ14、第二支持ローラ15及び第三支持ローラ16に掛け回され、図中時計回りに表面移動可能となっている。そして、中間転写ベルト10に対向するように、表面にブラック・イエロー・マゼンタ・シアンのうちの1色のトナー像をそれぞれ担持する潜像担持体としての4つの感光体3K,Y,M,Cを備えている。
感光体3K,Y,M,Cのまわりには、感光体3K,Y,M,Cの表面を一様に帯電する帯電手段である帯電装置4K,Y,M,Cや、トナー像を形成するための現像手段である現像装置5K,Y,M,Cを備えている。更に、一次転写後の感光体3K,Y,M,C表面に残留している転写残トナーを除去する感光体クリーニング装置6K,Y,M,Cも備えている。この感光体クリーニング装置6K,Y,M,Cは、感光体3K,Y,M,C表面に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段としての潤滑剤付与部材を備えている。
そして、感光体3K,Y,M,C、現像装置5K,Y,M,C、帯電装置4K,Y,M,C、及び、感光体クリーニング装置6K,Y,M,Cからなる画像形成ユニットである作像装置1K,Y,M,Cを構成している。また、4つの作像装置1K,Y,M,Cを横に並べて配置してタンデム画像形成ユニット20が構成する。
第三支持ローラ16と中間転写ベルト10を挟んで対向するように、トナー像を記録体としての転写紙上に転写した後の中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置17を備えている。また、プリンタ部100は、タンデム画像形成ユニット20の上方に露光装置21を備えている。
【0015】
中間転写ベルト10の内側で各感光体3K,Y,M,Cと中間転写ベルト10を挟んで対向する位置には、一次転写ローラ8K,Y,M,Cを備えている。一次転写ローラ8K,Y,M,Cは中間転写ベルト10を挟んで感光体3K,Y,M,Cに押し当てて設けられ、一次転写部を形成している。
【0016】
一方、中間転写ベルト10を挟んでタンデム画像形成ユニット20と反対の側には、二次転写装置29を備える。二次転写装置29は、二次転写ローラ22と二次転写ベルト張架ローラ23との間に、二次転写ベルト24を掛け渡して構成している。二次転写装置29は、二次転写ローラ22が支持する位置で、二次転写ベルト24が中間転写ベルト10を介して第三支持ローラ16に押し当てられている。そして、二次転写ベルト24と中間転写ベルト10との間で二次転写部としての二次転写ニップ部を形成するように配置されている。
【0017】
二次転写装置29の図中左側には、転写紙上の転写画像を定着する定着装置25を備えている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。また、上述した二次転写装置には、二次転写ニップ部でトナー像の転写を受けた転写紙を定着装置25へと搬送する転写紙搬送機能も備えてなる。なお、二次転写装置29として、転写ローラや非接触のチャージャーを配置してもよく、そのような場合は、この転写紙搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
【0018】
二次転写装置29および定着装置25の下には、上述したタンデム画像形成ユニット20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する転写紙反転装置28を備えている。これによって、転写紙の片面に画像定着後に、切換爪で転写紙の進路を転写紙反転装置側に切り換え、そこで反転させて再び二次転写ニップ部に転写紙を搬送し、トナー像を転写させた後、排紙トレイ上に排紙させることができる。
【0019】
スキャナ部300は、コンタクトガラス32上に載置された原稿の画像情報を読取センサ36で読み取り、読み取った画像情報をこの制御部に送る。
【0020】
不図示の制御部は、スキャナ部300から受け取った上記画像情報に基づき、プリンタ部100の露光装置21内に配設された図示しないレーザやLED等を制御して感光体ドラムに向けてレーザ書き込み光Lを照射させる。この照射により、感光体3の表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
【0021】
給紙部200は、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44、給紙カセットから転写紙を繰り出す給紙ローラ42、繰り出した転写紙Pを分離して給紙路46に送り出す分離ローラ45、プリンタ部100の給紙路48に転写紙を搬送する搬送ローラ47等を備えている。
【0022】
本実施形態の複写機500では、給紙部200以外に、手差し給紙も可能となっており、手差しのための手差しトレイ51、手差しトレイ51上の転写紙を手差し給紙路53に向けて一枚ずつ分離する分離ローラ52も装置側面に備えている。
【0023】
レジストローラ49は、それぞれ給紙カセット44又は手差しトレイ51に載置されている転写紙Pを1枚だけ排出させ、中間転写体としての中間転写ベルト10と二次転写装置との間に位置する二次転写ニップ部に送る。
【0024】
本実施形態の複写機500において、カラー画像のコピーをとるとき、原稿搬送部400の原稿台30上に原稿をセットするか、又は原稿搬送部400を開いてスキャナ部300のコンタクトガラス32上に原稿をセットして原稿搬送部400を閉じることで原稿を押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿搬送部400に原稿をセットしたときは原稿をコンタクトガラス32上へと搬送して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは直ちに、スキャナ部300を駆動し、第一走行体33及び第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取センサ36に入れ、原稿の画像情報を読み取る。
【0025】
帯電装置4K,Y,M,Cによって感光体3K,Y,M,Cの表面が一様に帯電され、スキャナ部300で読み取られた画像情報を色分解して、露光装置21によって各色毎に感光体3K,Y,M,Cにレーザ書き込みがなされる。これにより、感光体3K,Y,M,C表面上に静電潜像を形成する。例えば、C(シアン)の画像形成に行いて説明する。感光体3Cの表面に形成された静電潜像は、現像装置5CによってCトナーを潜像にあわせて現像し、単色のトナー像を形成する。同様にして、順次M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の順で各作像装置1M,Y,Kでも同様にして感光体3上で単色のトナ−像を形成する。このように、各感光体3上にトナー像を形成させるとともに、上記画像情報に応じたサイズの転写紙を給紙させるべく、4つの給紙ローラのうちの1つを作動させる。
また、これと同時に、不図示の駆動モータで第一支持ローラ14、第二支持ローラ15または第三支持ローラ16のうちの1つを回転駆動して他の二つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、感光体3K,Y,M,C上の単色のトナー像を順次、一次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
【0026】
一方、給紙部200では給紙ローラ42の1つを選択回転し、給紙カセット44の1つから転写紙Pを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で複写機500本体であるプリンタ部100内の給紙路48に導き、この転写紙Pをレジストローラ49に突き当てて止める。又は、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の転写紙Pを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、手差しトレイ51上の転写紙を用いる場合は、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写ローラ22との当接部である二次転写ニップ部に転写紙を送り込み、ニップに形成されている転写用電界や当接圧力などの影響によってカラー画像を二次転写して転写紙上にカラー画像を記録する。
【0027】
二次転写ニップ部でカラー画像の転写を受けた後の転写紙は、二次転写装置29の二次転写ベルト24で定着装置25へと送り込まれ、定着装置25で加圧ローラ27と定着ベルトとによる加圧力と熱の付与によりカラー画像を定着される。その後、排出ローラ56で排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。また、両面に画像形成される転写紙は、カラー画像を定着された後、切換爪55で切り換えて転写紙反転装置28に搬送され、そこで反転されて再び二次転写ニップ部へと導かれ、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出される。
一方、二次転写ニップ部で転写紙にカラー画像を転写した後の中間転写ベルト10の表面は、残留する残留トナーがベルトクリーニング装置17によって除去され、タンデム画像形成ユニット20による再度の画像形成に備える。
また、中間転写ベルト10上に転写した後の感光体3は、クリーニング前除電ランプ7によって除電された後、クリーニング装置6で転写残トナーを除去する。そして、再度帯電装置4で一様に帯電される動作を繰り返すように、再度の画像形成に備える。また、クリーニング装置6で転写残トナーを除去した後の感光体3上を除電する不図示のクリーニング後除電ランプを設けても良い。
【0028】
次に本実施形態の複写機500の特徴部について説明する。
それぞれの作像装置1は、潜像担持体である感光体3と、感光体3の表面を帯電する帯電手段である帯電装置4とを備える。また、帯電装置4によって帯電された感光体3の表面上に潜像を形成する潜像形成手段である露光装置21によって形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像する現像手段である現像装置5を備える。さらに、現像装置5によって形成されたトナー像を転写体である中間転写ベルト10に転写する転写手段である一次転写ローラ8によって転写がなされたあとの感光体3表面に残留する転写残トナーを除去するトナー除去手段である感光体クリーニング装置6とを有する。そして、画像形成装置である複写機500はこのような作像装置1を複数備え、複数の作像装置1のうちの一つである黒用の作像装置1Kは、他の3色の作像装置1とは帯電装置4の構成が異なる。詳しくは、カラーのトナー像であるイエロー、マゼンタ及びシアンのトナー像をそれぞれ作像する作像装置1(Y,M,C)は帯電装置4の構成が、帯電部材が感光体3に非接触の帯電ローラ4である。そして、帯電ローラ4に対してDC成分にAC成分を重畳した帯電電圧を印加する帯電方式である。一方、黒用の作像装置1Kは帯電部材としてチャージワイヤとグリッドとを備え、帯電電圧としてDC成分のみを印加する帯電方式である。そして、カラー用の作像装置1(Y,M,C)と黒用の作像装置1Kとが有する感光体クリーニング装置6は、各作像装置1が有する帯電装置4の構成に応じた構成である。すなわち、帯電装置4の構成が互いに異なる、カラー用の作像装置1(Y,M,C)と黒用の作像装置1Kとの間では、感光体クリーニング装置6の構成も互いに異なる。
【0029】
ここで、帯電手段である帯電装置4の構成によりトナー除去手段である感光体クリーニング装置6の構成を異ならせる理由について説明する。
例えば、感光体3へ帯電部材が接触している場合は、帯電部材が汚れて異常画像が出ることを懸念して、感光体クリーニング装置6と感光体3との対向部を対してすり抜けるトナーがより少なくなるような構成にする必要がある。また、ACを重畳した非接触の帯電の場合、感光体3がACハザードを受けるので、転写残トナーが除去し難くなる。さらに、感光体クリーニング装置6のトナー除去部材が接触型のブレード部材である場合は、感光体3やブレード部材の摩耗が著しく増加する。一方、チャージワイヤとグリッドを用い、DC成分のみを印加する帯電装置4の場合、感光体3がACハザードを受けないため、感光体3上の転写残トナーは除去しやすい。さらに、帯電部材が感光体に接触していないため、すり抜けるトナーについても接触している場合よりも厳しくない。
【0030】
従って、チャージワイヤとグリッドを用い、DC成分のみを印加する帯電方式の場合、他の帯電方式と比較して感光体クリーニング装置6にかかる負荷は少なくなる。具体的には、トナー除去部材として回転ブラシとゴムブレードとを選択した場合、回転ブラシのブラシ繊維の太さをより細くできたり、密度をより少なくしたり、繊維の形態もループではなく直毛にできたりと、回転ブラシが回転した時のトルクを下げる方向に条件を設定することができる。これは、回転ブラシのブラシ繊維の劣化を低減する他、感光体3の摩耗も低減できる。また、ゴムブレードにおいても感光体3への接触圧力を低減できるので、ゴムブレードのエッヂや感光体3の摩耗についても低減できる。このように、トナー除去手段である感光体クリーニング装置6にかかる負荷を低減できれば、トナー除去部材や感光体3の延命が可能となるので、作像装置1の延命も可能となる。
【0031】
〔実施例1〕
次に、本実施形態の特徴部を備えた一つ目の実施例(以下、実施例1と呼ぶ)について説明する。
図2は、実施例1の作像装置1の拡大説明図であり、図2(a)は、黒用の作像装置1Kの説明図、図2(b)は、他の3色(イエロー、マゼンタ、シアン)用で共通の構成であるカラー用の作像装置1Tの説明図である。
図2に示すように、作像装置1は、ユニット枠体2に感光体3と、プロセス手段として帯電装置4、現像装置5、感光体クリーニング装置6などを一体的に備えて、プロセスカートリッジとして装置本体から着脱可能となっている。本実施形態では、プロセスカートリッジとしての作像装置1そのものを交換するようになっているが、感光体3、帯電装置4、現像装置5、感光体クリーニング装置6のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
【0032】
実施例1の複写機500では、ユーザーにとって一番使用頻度が高い黒用の作像装置1Kの帯電装置4Kは、図2(a)に示すように帯電部材としてチャージワイヤとグリッドを用いる帯電チャージャー4aを備えている。そして、帯電チャージャー4aに印加する帯電バイアスはDC成分のみを印加するDC帯電方式である。一方、カラー用の作像装置1Tの帯電装置4Tは、図2(b)に示すように帯電部材として非接触の帯電ローラ4bを備えている。そして、帯電ローラ4bに印加する帯電バイアスは、DC成分にAC成分を重畳して、印加するAC+DC帯電方式である。
このように、黒用の作像装置1Kとカラー用の作像装置1Tとは、帯電装置4の構成が互いに異なる。そして、それぞれの作像装置1が有する感光体クリーニング装置6は、各帯電装置4の構成に応じた構成であり、黒用の作像装置1Kとカラー用の作像装置1Tとでは、感光体クリーニング装置6の構成も互いに異なる。以下、それぞれの感光体クリーニング装置6の構成について説明する。
【0033】
まず、図2(a)を用いて、黒用の作像装置1Kの感光体クリーニング装置6Kについて説明する。
図2(b)に示すように、黒用の作像装置1Kでの感光体クリーニング装置6Kは感光体3Kの表面移動方向上流側から順に、クリーニング前除電ランプ7K、回転ブラシであるファーブラシ63Kを備える。さらに、ブレード部材であるクリーニングブレード61K、潤滑性付与剤塗布手段としての塗布ブラシ62K、均しブレード66Kを備える。
【0034】
一次転写ローラ8Kとの対向部である一次転写部でトナー像を中間転写ベルト10に転写した感光体3Kの表面はクリーニング前除電ランプ7Kによって除電がなされ、ファーブラシ63Kによって転写残トナーが掻き乱される。これにより、感光体3Kの表面移動方向下流側のクリーニングブレード61Kによってトナーが除去され易くなる。ファーブラシ63K上に付着したトナーはフリッカー65Kによってフリッキングされ、弾き飛ばされたトナーが搬送スクリュ67Kで黒用の感光体クリーニング装置6Tの外に搬送されるようになっている。
ファーブラシ63Kは外径がφ14[mm]で、ブラシ繊維の太さが330T/48F、密度5[万本/inch]の直毛である。そして、感光体3の表面に対して1.1倍の線速差を持ちながら図中矢印に示すよう、感光体3の表面移動方向に対して連れ回り方向に回転している。
【0035】
ここで、ブラシ繊維の太さについて説明する。
図3は、ブラシ繊維の説明図である。図3に示すように、ブラシ繊維は1万[m]あたりの[g]重量を[T](デシテックス)で表す。例えば267[T]は、1万[m]あたり267[g]の太さを表す。また、1束を構成している単糸の数を[F](フィラメント)で表す。例えば、24[F]は、24本の単糸で1束のフィラメント糸を構成していること表す。
【0036】
次に、支軸角について説明する。
図4は、支軸角の説明図である。図4に示すように、クリーニングブレード61は、ブレード回転支軸61bを中心に回転可能に保持されたブレード支持ホルダ61aに固定されている。また、ブレード支持ホルダ61aがブレード押圧バネ61cによって感光体3に向けて押圧されることでクリーニングブレード61が感光体3の表面に当接している。そして、クリーニングブレード61が感光体3に当接している位置での感光体3の接線をL、この当接位置とブレード回転し軸61bとを結んだ直線をMとすると、当接位置において接線Lと直線Mとが成す角θが支軸角である。
クリーニングブレード61が感光体3に当接している状態で感光体3が回転動作をした場合、感光体3に当接しているクリーニングブレード61は当接位置での接線方向(図4中の矢印α方向)に力を受ける。この力は、当接位置からブレード回転支軸61bを押す力(図中矢印β方向の力)と、ブレード回転支軸61bを中心にクリーニングブレード61を回転させる方向(図中矢印γ方向)の力として作用する。そして、図4に示すような位置にブレード回転支軸61bを配置することにより、感光体3が回転動作したときにクリーニングブレード61は感光体3に対して食い込む方向(図4中の矢印γ方向)に回転モーメントが発生する。これにより、設定した当接圧力(ブレード押圧バネ61cの押圧力による当接圧力)よりも大きな当接圧力を得ることができる。
図4中のθで示す支軸角が大きすぎると当接位置でのクリーニングブレード61の先端が感光体3の表面移動方向にめくれるブレードめくれが発生し、支軸角が小さすぎると図4中の矢印γで示す回転モーメントが得られず、クリーニングブレード61を感光体3に対してカウンタ方向に当接させる意味が薄れる。このような点を鑑み、支軸角θは10[°]前後とすることが一般的である。なお、感光体3が停止しているときの当接圧、摩擦係数、ブレード条件などが同じであれば、支軸角θが大きいほど、感光体3が回転動作したときの当接圧は大きくなる。
【0037】
クリーニングブレード61Kは、支軸角が10[°]となるような位置に設けた支軸を中心に回転自在に保持された図2では不図示のホルダ(図4中の61a)に固定されており、感光体3Kの回転方向に対してカウンタ方向に当接するように支持されている。さらに、クリーニングブレード61Kは、感光体3Kを静止させた状態でのクリーニングブレード61Kの感光体3Kに対する接触圧力が0.19[N/cm]となるように、図2では不図示の加圧スプリング(図4中のブレード押圧バネ61c)により感光体3Kに対して加圧されトナー除去するようになっている。
クリーニングブレード61Kによってトナー除去された感光体3Kは塗布ブラシ62Kにより滑剤であるステアリン酸亜鉛を塗布される。ステアリン酸亜鉛の塗布はブラケットに保持された固形状のステアリン酸亜鉛64Kが潤滑剤加圧スプリング68Kにより塗布ブラシ62Kに加圧され、図中矢印の如く感光体3Kの回転方向に対してカウンタ方向に回転する塗布ブラシ62Kによりステアリン酸亜鉛64Kを削って感光体3K上に塗布している。塗布ブラシ62Kによりステアリン酸亜鉛64Kを塗布された感光体3Kはトレーリング方式で支持された均しブレード66Kで更に感光体3K上に緻密に塗布される。この時、塗布ブラシ62Kは図示しない回転数制御可能な駆動モータにより、感光体3Kの走行距離あたり0.08[g/km]ずつ塗布ブラシ62Kが固形状のステアリン酸亜鉛64Kを削りとり、感光体3K上へ塗布するようになっている。
【0038】
次に、図2(b)を用いて、カラー用の作像装置1Tの感光体クリーニング装置6Tについて説明する。
図2(b)に示すように、カラー用の作像装置1Tも黒用の作像装置1Kと同様に、感光体クリーニング装置6Tは感光体3Tの表面移動方向上流側から順に、クリーニング前除電ランプ7T、回転ブラシであるファーブラシ63Tを備える。さらに、ブレード部材であるクリーニングブレード61T、潤滑性付与剤塗布手段としての塗布ブラシ62T、均しブレード66Tを備える。
【0039】
各色の一次転写ローラ8(Y,M,C)との対向部である一次転写部でトナー像を中間転写ベルト10に転写した感光体3Tの表面はクリーニング前除電ランプ7Tによって除電がなされ、ファーブラシ63Tによって転写残トナーが掻き乱される。これにより、感光体3Tの表面移動方向下流側のクリーニングブレード61Tによってトナーが除去され易くなる。ファーブラシ63T上に付着したトナーはフリッカー65Tによってフリッキングされ、弾き飛ばされたトナーが搬送スクリュ67Tで感光体クリーニング装置6T外に搬送されるようになっている。
ファーブラシ63Tは外径がφ18[mm]で、ブラシ繊維の太さが330T/48F、密度7[万本/inch]の直毛である。そして、感光体3の表面に対して1.4倍の線速差を持ちながら図中矢印に示すよう、感光体3の表面移動方向に対して連れ回り方向に回転している。
【0040】
また、クリーニングブレード61Tは、支軸角が12[°]となるような位置に設けた支軸を中心に回転自在に保持された図示しないホルダに固定されており、感光体3Tの回転方向に対してカウンタ方向に当接するように支持されている。さらに、クリーニングブレード61Tは、感光体3Tを静止させた状態でのクリーニングブレード61Tの感光体3Tに対する接触圧力が0.23[N/cm]となるように、図示しない加圧スプリングにより感光体3に対して加圧されトナー除去するようになっている。
クリーニングブレード61Tによってトナー除去された感光体3Tは塗布ブラシ62Tにより滑剤であるステアリン酸亜鉛を塗布される。ステアリン酸亜鉛の塗布はブラケットに保持された固形状のステアリン酸亜鉛64Tが潤滑剤加圧スプリング68Tにより塗布ブラシ62Tに加圧され、図中矢印の如く感光体3Tの回転方向に対してカウンタ方向に回転する塗布ブラシ62Tによりステアリン酸亜鉛64Tを削って感光体3T上に塗布している。塗布ブラシ62Tによりステアリン酸亜鉛64Tを塗布された感光体3Tはカウンタ方式で支持された均しブレード66Tで更に感光体3上に緻密に塗布される。この時、塗布ブラシ62Tは図示しない回転数制御可能な駆動モータにより、感光体3Tの走行距離あたり0.13[g/km]ずつ塗布ブラシ62Tが固形状のステアリン酸亜鉛64Tを削りとり、感光体3T上へ塗布するようになっている。
【0041】
実施例1では、クリーニングブレード61として、黒用の作像装置1Kとカラー用の作像装置1Tとで、同一特性、同一板圧、同一突き出し量のゴムブレードを用い、加圧スプリングで接触圧力を変えている。加圧スプリングよる押圧力に限らず、ゴムブレードの特性、板圧、突き出し量で接触圧力を変えてもよい。また、固定式のクリーニングブレード61は感光体3の表面に対する当接角を異ならせることで感光体3の回転時の接触圧力を異ならせることができる。
また、実施例1では、クリーニングブレード61Kの支軸角を10[°]とし、クリーニングブレード61Tの支軸角を12[°]として、黒用の作像装置1Kとカラー用の作像装置1Tとで支軸角を異ならせている。これにより、感光体3を回転駆動させたときの接触圧力を異ならせることができる。具体的には、支軸角の値が小さい黒用の作像装置1Kの方が、カラー用の作像装置1Tよりも接触圧力が小さくなる。
【0042】
クリーニングブレード61の特性を異ならせる構成としては、黒用の作像装置1Kが備えるクリーニングブレード61Kとして、カラー用の作像装置1Tが備えるクリーニングブレード61Tよりもヤング率の値が低いものを用いる。これにより、クリーニングブレード61の感光体3に対する当接圧力がカラー用の作像装置1Tよりも黒用の作像装置1Kのほうが小さくなる。
また、クリーニングブレード61の板厚を異ならせる構成としては、黒用の作像装置1Kが備えるクリーニングブレード61Kとして、カラー用の作像装置1Tが備えるクリーニングブレード61Tよりも板厚が薄いものを用いる。これにより、クリーニングブレード61の感光体3に対する当接圧力がカラー用の作像装置1Tよりも黒用の作像装置1Kのほうが小さくなる。
さらに、クリーニングブレード61の突き出し量を異ならせる構成としては、黒用の作像装置1Kが備えるクリーニングブレード61Kの突き出し量を、カラー用の作像装置1Tが備えるクリーニングブレード61Tの突き出し量よりも小さくする。これにより、クリーニングブレード61の感光体3に対する食い込み量が、カラー用の作像装置1Tよりも黒用の作像装置1Kのほうが小さくなり、クリーニングブレード61の感光体3に対する当接圧力がカラー用の作像装置1Tよりも黒用の作像装置1Kのほうが小さくなる。
【0043】
また、実施例1では、黒用の作像装置1Kとカラー用の作像装置1Tとにおいて、ファーブラシ63の外径及び密度を異ならせることにより、ファーブラシ63の回転トルクがカラー用の作像装置1Tよりも黒用の作像装置1Kのほうが小さくなるように設定している。黒用の作像装置1Kとカラー用の作像装置1Tとは、感光体3の回転中心に対するファーブラシ63の回転中心の位置は同じである。そして、黒用の作像装置1Kが備えるファーブラシ63のほうが外径は小さいため、黒用の作像装置1Kよりもカラー用の作像装置1Tの方が感光体3に対するファーブラシ63の食い込み量が大きくなる。これにより、ファーブラシ63の回転トルクがカラー用の作像装置1Tよりも黒用の作像装置1Kのほうが小さくなる。なお、同じ大きさの外径のファーブラシ63を用いる場合は、感光体3の回転中心に対するファーブラシ63の回転中心の位置を異ならせることにより、感光体3に対するファーブラシ63の食い込み量を異ならせることが出来る。
また、カラー用作像装置1Tが備えるファーブラシ63Tの方がブラシ繊維の密度も大きいため、ファーブラシ63の回転トルクがカラー用の作像装置1Tよりも黒用の作像装置1Kのほうが小さくなる。
【0044】
帯電装置4として帯電チャージャー4aを備える黒用の作像装置1Kは感光体クリーニング装置6に求められるクリーニング性がカラー用の作像装置1Tよりも厳しくない。このため、ファーブラシ63の回転トルクが小さくなることでファーブラシ63によるクリーニング性は低下するが、実用上の問題は生じない。さらに、ファーブラシ63の回転トルクが小さくなることにより、感光体3やファーブラシ63の負担が軽減し、カラー用の作像装置1Tに比べて使用頻度が高い黒用の作像装置1Kの寿命の延長を図ることができる。
【0045】
ファーブラシ63の回転トルクがカラー用の作像装置1Tよりも黒用の作像装置1Kのほうが小さくなるように設定する構成としては、ファーブラシ63の外径やブラシ繊維の密度を異ならせるものに限るものではない。
ブラシ繊維の太さ、材質、形状などを異ならせることによって、ファーブラシ63の回転トルクがカラー用の作像装置1Tよりも黒用の作像装置1Kのほうが小さくなるように設定しても良い。
【0046】
ブラシ繊維の太さを異ならせる構成としては、黒用の作像装置1Kが備えるファーブラシ63Kとして、カラー用の作像装置1Tが備えるファーブラシ63Tよりもブラシ繊維が細いものを用いる。これにより、ファーブラシ63の回転トルクがカラー用の作像装置1Tよりも黒用の作像装置1Kのほうが小さくなる。
【0047】
ブラシ繊維の材質を異ならせる構成としては、黒用の作像装置1Kが備えるファーブラシ63Kのブラシ繊維の材料としてナイロンを用い、カラー用の作像装置1Tが備えるファーブラシ63Tのブラシ繊維の材質としてポリエステルを用いる。このように、黒用の作像装置1Kが備えるファーブラシ63Kのブラシ繊維として、カラー用の作像装置1Tが備えるファーブラシ63Tのブラシ繊維よりも柔らかい材質のものを用いることにより、ファーブラシ63の回転トルクがカラー用の作像装置1Tよりも黒用の作像装置1Kのほうが小さくなる。
【0048】
図5は、ブラシ繊維の形状を異ならせる構成の説明図である。
ブラシ繊維の形状を異ならせる構成としては、黒用の作像装置1Kが備えるファーブラシ63Kとして図5(a)に示すように直毛のものを用い、カラー用の作像装置1Tが備えるファーブラシ63Tとして図5(b)に示すようにループ状のものを用いる。
ブラシ繊維を同じ太さにすると、直毛ブラシは感光体3に対して表面移動方向に平行な線状に接触する。一方、ループ状のブラシは感光体3に対して表面移動方向に縄跳び状(輪状)に接触するため、直毛ブラシよりも掻き取り能力が高い。
このように、黒用の作像装置1Kが備えるファーブラシ63Kとしてブラシ繊維が直毛のものを用い、カラー用の作像装置1Tが備えるファーブラシ63Tとしてブラシ繊維がループ状のものを用いることにより、ファーブラシ63の回転トルクがカラー用の作像装置1Tよりも黒用の作像装置1Kのほうが小さくなる。
【0049】
〔実施例2〕
次に、本実施形態の特徴部を備えた二つ目の実施例(以下、実施例2と呼ぶ)について説明する。
図6は、実施例2の黒用の作像装置1の拡大説明図である。
実施例2は、実施例1の構成に対して、黒用の感光体クリーニング装置6Kの構成が異なり、他の構成については共通するため、相違点についてのみ説明する。なお、カラー用の作像装置1Tの構成は実施例1と同様であるため、図及び説明は省略する。
【0050】
実施例2の黒用の作像装置1Kは、図6に示すように、トナー除去手段である感光体クリーニング装置6Kのクリーニング部材として感光体3Kに接触するブレード部材であるクリーニングブレード61Kのみを備える。一方、カラー用の作像装置1Tは実施例1と同様であり、図2で示すように、クリーニング部材としてクリーニングブレード61Tと、クリーニングブレード61が接触する位置よりも感光体3Tの表面移動方向上流側の位置で感光体3Tの表面に接触する回転ブラシであるファーブラシ63Tとを備えている。
【0051】
帯電装置4として帯電チャージャー4aを備える黒用の作像装置1Kは感光体クリーニング装置6に求められるクリーニング性がカラー用の作像装置1Tよりも厳しくない。このため、クリーニング部材をクリーニングブレード61のみとすることで感光体クリーニング装置6によるクリーニング性は低下するが、作像装置1の構成によっては実用上の問題は生じない。さらに、ファーブラシ63を備えないことにより、感光体3に対する負担が軽減し、カラー用の作像装置1Tに比べて使用頻度が高い黒用の作像装置1Kの寿命の延長を図ることができる。
【0052】
以上、本実施形態によれば、少なくとも、潜像担持体である感光体3と、感光体3の表面を帯電する帯電手段である帯電装置4と、帯電装置4によって帯電された感光体3の表面上に潜像を形成する潜像形成手段である露光装置21によって形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像する現像手段である現像装置5と、現像装置5によって形成されたトナー像を転写体である中間転写ベルト10に転写する転写手段である一次転写ローラ8によって転写がなされたあとの感光体3表面に残留する転写残トナーを除去するトナー除去手段である感光体クリーニング装置6とを有する作像装置1を複数備え、複数の作像装置1(Y,M,C,K)のうちの一つである黒用の作像装置1Kは、別の作像装置であるカラー用の作像装置3Tと帯電装置4の構成が異なり、それぞれの作像装置1(Y,M,C,K)が有する感光体クリーニング装置6は、その作像装置1が有する帯電装置4の構成に応じた構成であり、帯電装置4の構成が互いに異なる黒用の作像装置1Kとカラー用の作像装置1Tとの間では、感光体クリーニング装置6の構成も互いに異なることにより、帯電装置4の構成の違いに応じて、異なる構成の感光体クリーニング装置6を適用するため、それぞれの作像装置1(Y,M,C,K)の感光体3(Y,M,C,K)に対して適切な条件で転写残トナーの除去を行うことができる。
また、帯電装置4の異なる構成の一方である黒用の作像装置1Kの帯電装置4Kは、DC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の構成である帯電チャージャー4aで、他方であるカラー用の作像装置1Tの帯電装置4Tは、これとは異なる非接触の帯電ローラ4bにAC+DCの帯電電圧を印加する帯電方式の構成であので、帯電装置4が帯電チャージャー4aである黒用の作像装置1Kに求められる長寿命と、帯電装置4がAC+DCの帯電電圧が印加される帯電ローラ4bであるカラー用の作像装置1Tに求められる高いクリーニング性能とを両立することが出来る。
また、トナー除去手段である感光体クリーニング装置6がクリーニング部材として、潜像担持体である感光体3に接触するブレード部材であるクリーニングブレード61と、クリーニングブレード61が接触する位置よりも感光体3の表面移動方向上流側の位置で感光体3の表面に接触する回転ブラシであるファーブラシ63とを備えることにより、クリーニングブレード61によるトナー除去の負荷を軽減することができ、作像装置1の延命化を図ることができる。
また、潜像担持体である感光体3を停止させた状態での回転ブラシであるファーブラシ63の回転トルクが、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式である帯電チャージャー4aの黒用の作像装置1Kは、帯電方式が他の帯電方式としてAC+DCの帯電電圧を印加される非接触型の帯電ローラ4bのカラー用の作像装置1Tよりも小さくなるように設定することにより、感光体クリーニング装置6に求められるクリーニング性がカラー用の作像装置1Tよりも厳しくない、黒用の作像装置1Kのファーブラシ63の回転トルクを小さくすることができるため、それぞれの帯電方式によりトナー除去手段の最適な条件としつつ、黒用の作像装置1Kが備える感光体3Kやファーブラシ63Kの負担が軽減し、カラー用の作像装置1Tに比べて使用頻度が高い、チャージワイヤによるDC帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kの寿命の延長を図ることができる。さらに、カラー用の作像装置1Tでのファーブラシ63Tの回転トルクを維持することができ、高いクリーニング性が求められるカラー用の作像装置1Tが備える感光体クリーニング装置6Tのクリーニング性を維持することが出来る。
また、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式である帯電チャージャー4aの黒用の作像装置1Kと他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tとでは、回転ブラシであるファーブラシ63のブラシ繊維の太さが異なり、黒用の作像装置1Kの方が細いことにより、黒用の作像装置1Kのファーブラシ63Kの回転トルクをカラー用の作像装置1Tのファーブラシ63Tの回転トルクよりも小さくする設定を実現することができる。
また、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kと他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tとでは、回転ブラシであるファーブラシ63のブラシ繊維の材質が異なり、黒用の作像装置1Kの方が柔らかい材質であることにより、黒用の作像装置1Kのファーブラシ63Kの回転トルクをカラー用の作像装置1Tのファーブラシ63Tの回転トルクよりも小さくする設定を実現することができる。
また、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kと他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tとでは、回転ブラシであるファーブラシ63のブラシ繊維の形状が異なり、黒用の作像装置1Kのファーブラシ63Kのブラシ繊維が直毛で、カラー用の作像装置1Tのファーブラシ63Tのブラシ繊維がループ状であることにより、黒用の作像装置1Kのファーブラシ63Kの回転トルクをカラー用の作像装置1Tのファーブラシ63Tの回転トルクよりも小さくする設定を実現することができる。
また、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kと他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tとでは、回転ブラシであるファーブラシ63のブラシ繊維の感光体3に対する食い込み量が異なり、黒用の作像装置1Kの方を食い込み量が小さくなるように設定することにより、黒用の作像装置1Kのファーブラシ63Kの回転トルクをカラー用の作像装置1Tのファーブラシ63Tの回転トルクよりも小さくする設定を実現することができる。
また、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kと他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tとでは、回転ブラシであるファーブラシ63の外径が異なり、黒用の作像装置1Kのファーブラシ63の外径が小さくなるように設定することにより、黒用の作像装置1Kの方を食い込み量が小さくなる設定を実現することが出来る。
また、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kと他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tとでは、潜像担持体である感光体3の表面移動に対する回転する回転ブラシでありファーブラシ63の線速比について、黒用の作像装置1Kのファーブラシ63Kは1.1倍に設定し、カラー用の作像装置1Tのファーブラシ63Tは1.4倍に設定して、黒用の作像装置1Kのファーブラシ63Kの線速比の方が小さくなるように設定することにより、感光体クリーニング装置6に求められるクリーニング性がカラー用の作像装置1Tよりも厳しくない、黒用の作像装置1Kのファーブラシ63Kの感光体3Kに対する線速比を小さくすることができるため、それぞれの帯電方式によりトナー除去手段の最適な条件としつつ、感光体3Kやファーブラシ63Kの負担が軽減し、カラー用の作像装置1Tに比べて使用頻度が高い、チャージワイヤによるDC帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kの寿命の延長を図ることができる。
また、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kはトナー除去手段である感光体クリーニング装置6のクリーニング部材として潜像担持体である感光体3Kに接触するブレード部材であるクリーニングブレード61Kのみを備え、他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tは感光体クリーニング装置6のクリーニング部材としてクリーニングブレード61Tと、クリーニングブレード61Tが接触する位置よりも感光体3Tの表面移動方向上流側の位置で感光体3Tの表面に接触する回転ブラシであるファーブラシ63とを備えることにより、感光体クリーニング装置6に求められるクリーニング性がカラー用の作像装置1Tよりも厳しくない、黒用の作像装置1Kのクリーニング部材をクリーニングブレード61Kのみとすることができ、それぞれの帯電方式によりトナー除去手段の最適な条件としつつ、感光体3Kの負担が軽減し、カラー用の作像装置1Tに比べて使用頻度が高い、チャージワイヤによるDC帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kの寿命の延長を図ることができる。
また、トナー除去手段である感光体クリーニング装置6として潜像担持体である感光体3に接触するブレード部材であるクリーニングブレード61を有し、感光体3に対するクリーニングブレード61の接触圧力が、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kと、他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tとで異なるように設定することにより、感光体クリーニング装置6に求められるクリーニング性がカラー用の作像装置1Tよりも厳しくない、黒用の作像装置1Kの感光体3Kに対するクリーニングブレード61Kの接触圧力を小さくすることができるため、それぞれの帯電方式によりトナー除去手段の最適な条件としつつ、黒用の作像装置1Kが備える感光体3Kやクリーニングブレード61Kの負担が軽減し、カラー用の作像装置1Tに比べて使用頻度が高い、チャージワイヤによるDC帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kの寿命の延長を図ることができる。さらに、カラー用の作像装置1Tでのクリーニングブレード61Tの接触圧力を維持することができ、高いクリーニング性が求められるカラー用の作像装置1Tが備える感光体クリーニング装置6Tのクリーニング性を維持することが出来る。
また、潜像担持体である感光体3に対するブレード部材であるクリーニングブレード61の接触圧力が、帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kは、他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tよりも小さくなるように設定したことにより、黒用の作像装置1Kの寿命の延長を図りつつ、カラー用の作像装置1Tが備える感光体クリーニング装置6Tのクリーニング性を維持することが出来る。
また、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kと、他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tとでは、ブレード部材であるクリーニングブレード61の潜像担持体である感光体3に対する食い込み量が異なり、黒用の作像装置1Kの方が食い込み量が小さいことにより、黒用の作像装置1Kのクリーニングブレード61Kの感光体3Kに対する接触圧力を、カラー用の作像装置1Tのクリーニングブレード61Kの感光体3Kに対する接触圧力よりも小さくする設定を実現することができる。
また、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kと、他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tとでは、像担持体である感光体3に対するブレード部材であるクリーニングブレード61の特性が異なり、黒用の作像装置1Kが備えるクリーニングブレード61Kとして、カラー用の作像装置1Tが備えるクリーニングブレード61Tよりも柔らかいブレードを用いることにより、黒用の作像装置1Kのクリーニングブレード61Kの感光体3Kに対する接触圧力を、カラー用の作像装置1Tのクリーニングブレード61Kの感光体3Kに対する接触圧力よりも小さくする設定を実現することができる。
また、ブレード部材であるクリーニングブレード61の特性としてヤング率が異なり、黒用の作像装置1Kが備えるクリーニングブレード61Kとして、カラー用の作像装置1Tが備えるクリーニングブレード61Tよりもヤング率が低い材料を用いることにより、黒用の作像装置1Kが備えるクリーニングブレード61Kとして、カラー用の作像装置1Tが備えるクリーニングブレード61Tよりも柔らかいブレードを用いることを実現することが出来る。
また、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kと、他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tとでは、像担持体である感光体3に対するブレード部材であるクリーニングブレード61の板厚が異なり、黒用の作像装置1Kが備えるクリーニングブレード61Kとして、カラー用の作像装置1Tが備えるクリーニングブレード61Tよりも板厚が薄いブレードを用いることにより、黒用の作像装置1Kのクリーニングブレード61Kの感光体3Kに対する接触圧力を、カラー用の作像装置1Tのクリーニングブレード61Kの感光体3Kに対する接触圧力よりも小さくする設定を実現することができる。
また、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kと、他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tとでは、像担持体である感光体3に対するブレード部材であるクリーニングブレード61の当接角が異なり、黒用の作像装置1Kが備えるクリーニングブレード61Kの感光体3Kに対する当接角を、カラー用の作像装置1Tが備えるクリーニングブレード61Tの感光体3Tに対する当接角よりも小さくなるようにブレードを配置することにより、黒用の作像装置1Kのクリーニングブレード61Kの感光体3Kに対する接触圧力を、カラー用の作像装置1Tのクリーニングブレード61Tの感光体3Tに対する接触圧力よりも小さくする設定を実現することができる。
また、帯電手段である帯電装置4がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置である黒用の作像装置1Kと、他の帯電方式の作像装置であるカラー用の作像装置1Tとでは、ブレード部材であるクリーニングブレード61を支持するブレード支持ホルダ61aによるクリーニングブレード61の支軸角が異なり、黒用の作像装置1Kが備えるクリーニングブレード61Kの支軸角を、カラー用の作像装置1Tが備えるクリーニングブレード61Tの支軸角よりも小さくなるように設定することにより、黒用の作像装置1Kのクリーニングブレード61Kの感光体3Kに対する接触圧力を、カラー用の作像装置1Tのクリーニングブレード61Kの感光体3Kに対する接触圧力よりも小さくする設定を実現することができる。
また、複数の作像装置1は、現像手段である現像装置5が潜像担持体である感光体3に供給するトナーの色毎に設けられており、作像装置1のうち用いるトナーの色が黒である黒用の作像装置1Kと、他の色であるカラー用の作像装置1Tとで帯電手段である帯電装置4の構成が異なり、黒用の作像装置1Kが備える帯電装置4kが、DC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の帯電チャージャー4aであることにより、使用頻度が高い黒用の作像装置1Kの延命化を図ることができる。
また、各作像装置1を装置本体から着脱可能なプロセスカートリッジとすることにより、作像装置1の交換性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施形態に係る複写機の概略構成図。
【図2】実施例1の作像装置の拡大説明図。(a)は、黒用の作像装置の説明図、(b)は、他の3色用で共通の構成であるカラー用の作像装置の説明図。
【図3】ブラシ繊維の説明図。
【図4】支軸角の説明図。
【図5】ブラシ繊維の形状を異ならせる構成の説明図、(a)は、ブラシ繊維が直毛であるファーブラシの説明図、(b)は、ブラシ繊維がループ状であるファーブラシの説明図。
【図6】実施例2に係る黒用の作像装置の概略説明図。
【符号の説明】
【0054】
1 作像装置
2 ユニット枠体
3 感光体
4 帯電装置
4a 帯電チャージャー
4b 帯電ローラ
5 現像装置
6 感光体クリーニング装置
7 クリーニング前除電ランプ
10 中間転写ベルト
61 クリーニングブレード
62 塗布ブラシ
63 ファーブラシ
64 ステアリン酸亜鉛
65 フリッカー
66 均しブレード
67 搬送スクリュ
68 潤滑剤加圧スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、潜像担持体と、
該潜像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
該帯電手段によって帯電された該潜像担持体の表面上に潜像を形成する潜像形成手段によって形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像する現像手段と、
該現像手段によって形成されたトナー像を転写体に転写する転写手段によって転写がなされたあとの潜像担持体表面に残留する転写残トナーを除去するトナー除去手段とを有する作像装置を複数備え、
複数の作像装置のうちの少なくとも一つは、別の作像装置と該帯電手段の構成が異なる画像形成装置において、
各作像装置が有する該トナー除去手段は、その作像装置が有する帯電手段の構成に応じた構成であり、
該帯電手段の構成が互いに異なる該作像装置間では、該トナー除去手段の構成も互いに異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記帯電手段の異なる構成の一方は、DC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の構成で、
他方は、これとは異なる帯電方式の構成であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
上記トナー除去手段として、上記潜像担持体に接触するブレード部材と、該ブレード部材が接触する位置よりも該潜像担持体の表面移動方向上流側の位置で該潜像担持体の表面に接触する回転ブラシとを備えることを特徴する画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成装置において、
上記潜像担持体を停止させた状態での上記回転ブラシの回転トルクが、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置は、他の帯電方式の作像装置よりも小さくなるように設定したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記回転ブラシのブラシ繊維の太さが異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4または5の画像形成装置において、
上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記回転ブラシのブラシ繊維の材質が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4、5または6の画像形成装置において、
上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記回転ブラシのブラシ繊維の形状が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項4、5、6または7の画像形成装置において、
上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記回転ブラシのブラシ繊維の上記潜像担持体に対する食い込み量が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項4、5、6、7または8の画像形成装置において、
上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記回転ブラシの外径が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、
上記潜像担持体の表面移動に対する回転する上記回転ブラシの線速比が、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置は、他の帯電方式の作像装置よりも小さくなるように設定したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項2の画像形成装置において、
上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置は上記トナー除去手段として上記潜像担持体に接触するブレード部材のみを備え、
他の帯電方式の作像装置は該トナー除去手段として該潜像担持体に接触するブレード部材と、該ブレード部材が接触する位置よりも該潜像担持体の表面移動方向上流側の位置で該潜像担持体の表面に接触する回転ブラシとを備えることを特徴する画像形成装置。
【請求項12】
請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の画像形成装置において、
上記トナー除去手段として上記潜像担持体に接触するブレード部材を有し、
該潜像担持体に対する該ブレード部材の接触圧力が、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と、他の帯電方式の作像装置とで異なるように設定したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12の画像形成装置において、
上記潜像担持体に対する上記ブレード部材の接触圧力が、上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置は、他の帯電方式の作像装置よりも小さくなるように設定したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項13の画像形成装置において、
上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と、他の帯電方式の作像装置とでは、上記ブレード部材の上記潜像担持体に対する食い込み量が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項13または14の画像形成装置において、
上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記像担持体に対する上記ブレード部材の特性が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項15の画像形成装置において、
上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記ブレード部材の特性としてヤング率が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
請求項13、14、15または16の画像形成装置において、
上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記ブレード部材の板厚が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
請求項13、14、15、16または17の画像形成装置において、
上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と他の帯電方式の作像装置とでは、上記像担持体表面に対する上記ブレード部材の当接角が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
請求項13の画像形成装置において、
上記ブレード部材を回転自在に支持する支持ホルダを備え、
上記帯電手段がDC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の作像装置と、他の帯電方式の作像装置とでは、該支持ホルダによる該ブレード部材の支軸角が異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項20】
請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19の画像形成装置において、
複数の上記作像装置は、上記現像手段が上記潜像担持体に供給するトナーの色毎に設けられており、
該作像装置のうち用いるトナーの色が黒のものと、他の色のものとで上記帯電手段の構成が異なり、
トナーの色が黒の該作像装置が備える該帯電手段は、DC帯電のみを印加するチャージワイヤによる帯電方式の構成であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20の画像形成装置において、
上記複数の作像装置は、それぞれ該画像形成装置本体から着脱可能なプロセスカートリッジであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−48018(P2009−48018A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215200(P2007−215200)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】