説明

画像生成装置および画像生成プログラム

【課題】クロスフェードによる3D動画像の切り換え処理を実現する画像生成装置および画像生成プログラムを提供する。
【解決手段】切り換え元となる第1画像V1を生成する第1画像生成部(201)と、換え先となる第2画像V2を生成する第2画像生成部(202)、第1画像V1および第2画像V2のうち一方の画像を記憶する画像記憶部(307)、第1画像V1および第2画像V2のうち他方の画像と記憶された画像とを、一方の画像に対する他方の画像の割合を変更しながらピクセル毎に合成演算する合成部(309)を備える。画像生成装置において一方の画像がフェードアウトし、他方の画像がフェードインするようなクロスフェード効果を創出することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に適する画像生成装置に係り、特に、複数の画像間をクロスフェード(ミックス)させながら切り換える特殊効果技術に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のパチンコ等の遊技機は、仮想三次元空間にオブジェクトをモデリングし、所定視点を基準に透視投影変換してレンダリング処理によりピクセルデータを生成することで構成される画像(以下「3D画像」という。)を表示可能に構成されている。
【0003】
このような3D画像を表示可能な遊技機では、所定条件や操作に応じて、図柄の変動内容や背景画像が相違する複数の表示態様を切り替えながら表示していた。例えば、特開2006−340762号公報には、中央および上下左右それぞれの画像からなる3D背景画像のマップを表示用メモリに展開し、遊技者の十字ボタン操作に応じた方向の背景画像を表示するように構成した遊技機が開示されている(特許文献1)。このような処理により、遊技者に指定された方向の背景画像に素早く画面切り替えることが可能となっていた。
【特許文献1】特開2006−340762号公報(段落0107等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記先行技術における複数の3D画像の切り替えは十字ボタンの操作に応じて瞬時に行うものであり、クロスフェードによる画像切り換え処理は行われていなかった。ここで「クロスフェード」とは、切り換え前の画像の濃度を下げてフェードアウトさせるのと同時に、切り換え後の画像の濃度を上げてフェードインさせる特殊効果をいい、スイッチャの分野では「ミックス」ともいう。
【0005】
これは、遊技機や家庭用ゲーム機に搭載される画像生成装置では、フレーム期間毎に更新される3D画像(以下「3D動画像」という。)を混合して表示するような構成になっておらず、そのままではクロスフェードを行うことができなかったことも原因の一つと考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、クロスフェードによる3D動画像の切り換え処理を実現する画像生成装置および画像生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の画像生成装置は、仮想三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影変換した画像を画像更新タイミング毎に生成する画像生成装置であって、切り換え元の第1画像と切り換え先の第2画像とを切り換える際に、第1画像および第2画像のうち一方の画像をテクスチャとして記憶し、第1画像および第2画像のうち他方の画像とテクスチャとを、一方の画像に対する他方の画像の割合を変更しながらピクセル毎に合成することを特徴とする。
【0008】
また本発明の画像生成装置は、仮想三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影変換した画像を画像更新タイミング毎に生成する画像生成装置であって、
1)切り換え元となる第1画像を生成する第1画像生成部と、切り換え先となる第2画像を生成する第2画像生成部と、
2)第1画像および第2画像のうち一方の画像を記憶する画像記憶部と、
3)第1画像および第2画像のうち他方の画像と記憶された画像とを、一方の画像に対する他方の画像の割合を変更しながらピクセル毎に合成演算する合成部と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
また本発明の画像生成プログラムは、コンピュータを、仮想三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影変換した画像を画像更新タイミング毎に生成する画像生成装置として動作させる画像生成プログラムであって、コンピュータに、
1)切り換え元となる第1画像を生成する機能と、
2)切り換え先となる第2画像を生成する機能と、
3)第1画像および第2画像のうち一方の画像を記憶させる機能と、
4)第1画像および第2画像のうち他方の画像と記憶された画像とをピクセル毎に合成演算する機能と、
3)一方の画像に対する他方の画像の合成の割合を経時的に変更する機能と、
を実行させる。
【0010】
係る発明によれば、第1画像と第2画像とを切り換える際に、一方の画像を生成したら一旦テクスチャとして記憶し、別途生成された他方の画像に対し当該テクスチャとして記憶された第1画像がピクセル毎に合成演算される。その合成演算の際、一方の画像と他方の画像との合成割合、すなわち濃度(透明度)を経時的に変化させるので、動画像としては両画像が重なりながらも、一方の画像がフェードアウトし、他方の画像がフェードインするような画像が提供されることとなり、クロスフェード効果が創出される。
【0011】
ここで、一方の画像に対する他方の画像の割合は、第1画像の第2画像に対する割合が経時的に減少していくよう変更されるものである。係る発明によれば、切り換え前の第1画像の濃度が切り換え後の第2画像の濃度に対して徐々に減少していくので、第1画像がフェードアウトしていき、第2画像はフェードインしていくものとなり、クロスフェード効果そのものとなる。
【0012】
ここで、一方の画像に対する他方の画像の割合は、所定の変化特性に従って変更される。例えば、この変化特性は、一次線形的な単調増加または単調減少とすることができ、この場合には、効果開始時からの経過時間に対する一方の画像に対する他方の画像の割合が一定の変化率で変化していく。また、この変化特性は多次線形的な増加または減少であっても指数対数的な変化特性であってもよい。この変化特性は、所定の演算式に時間を代入しての演算で出力してもよいが、関数テーブルを用いて出力するようにしてもよい。
【0013】
ここで、例えば第1画像および第2画像のすくなくとも一方の画像のモデリング変換時に、モデリング変換の対象となるオブジェクトの動きを禁止することが可能である。係る構成によれば、第1画像および第2画像という2つの3D画像が生成されているクロスフェード期間中に、オブジェクトの動きが無いという前提で取り扱われるので、モデリング変換に費やす演算処理量が低減されることとなり、クロスフェード期間中の装置に対する演算処理負荷を軽減することが可能となる。
【0014】
なお、本発明の画像生成プログラムは、記憶媒体に格納されて流通されるものである。このような記憶媒体としては、コンピュータに読み取り可能な媒体であり、各種ROM、フラッシュメモリを備えたUSBメモリ、USBメモリ、SDメモリ、メモリスティック、メモリカードや、FD、CD−ROM、±R/W、RAM、DVD−ROM、±R/W、RAM、等の物理的な記憶媒体を含む。また広義の記録媒体として、プログラムを伝送可能なインターネット等の伝送媒体をも含むものとする。伝送媒体を通して伝送されたプログラム(ダウンロード)されたプログラムは、そのままメモリに記憶されて、コンピュータに実行されるものだからである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、一方の画像を生成後にテクスチャとして記憶し、他方の画像生成後に一方の画像に対する他方の画像の割合を経時的に変化させながら両画像をピクセル毎に合成演算するので、画像生成装置において一方の画像がフェードアウトし、他方の画像がフェードインするようなクロスフェード効果を創出することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態として、遊技場等に設置される遊技機(スロットマシン)において、本発明の画像生成プログラムを実行することにより実現される画像生成装置を例示する。以下の実施形態は本発明の適応例に過ぎず、本発明は実施形態に限定されず種々に変更して適用することが可能である。
【0017】
(定義)
本明細書における用語を以下のように定義する。
「遊技」とはメダルの投入からストップスイッチの操作を経た次のメダルの投入前までの一連の動作をいう。
「通常遊技」とは、デフォルト状態のために設定された期待値で実行される「遊技」をいう。
「特別遊技」とは、「通常遊技」とは異なる「遊技」であって遊技者に有利な「遊技」をいう。
【0018】
「抽選」とは、遊技機が所定の条件(スイッチの操作状態等)になった場合に、乱数等を用いて、予め定められた期待値でコンピュータがくじを引く処理をいう。
「当選」とは、「抽選」の結果、当たりになった場合をいい、特に、コンピュータによるくじ引きで当たりとなった場合をいう。本実施形態では機械的に定まる「入賞」と区別して用いる。
「入賞」とは、停止したリールにより示される有効ライン上の図柄の組合せが、特定の役を示す状態となっていることをいう。
【0019】
「役」とは、抽選の結果が当選である場合に、その当選の種類を特定するものである。「当選役」または図柄が揃った場合には「入賞役」ともいう。
「特別役」とは、「特別遊技」に移行させるための役である。
「小役」とは、その小役の種類に応じた枚数のメダルを遊技者に払い出すための役である。
【0020】
「リプレイ」とは、前回の遊技で投入されたメダル枚数を維持したまま再遊技を行う権利を与えるための役である。
「有効ライン」とは、停止した図柄の並びを便宜上示すもので、有効ライン上に並んだ図柄の組合せによって特定の「役」であるか「ハズレ」であるかを示すものである。複数の「有効ライン」が設定されている場合には、それらをまとめて「有効ライン群」という。
【0021】
(筐体構成)
まず実施形態共通の筐体構成から説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るスロットマシン10の筐体の前面部は、開閉自在にフロントパネル20が取り付けられている。フロントパネル20の上部に表示機能を有する演出表示装置40が設けられた表示領域となっており、中央部に操作部が設けられている。
【0022】
筐体上部には、表示機能を有する演出表示装置40が設けられている。演出表示装置40は、例えば液晶パネルを含んで構成されており、種々の演出のための画像や遊技に必要な情報を表示画面に表示可能に構成されている。演出表示装置40には、1つの透明な表示窓21が設けられている。表示窓21の領域には、画像を表示するための液晶や液晶を構成する部材(偏光板など)や液晶を制御する回路などが設けられておらず、光を透過するようになっており、物理的に画像表示できない領域となっている。
【0023】
筐体内部であって表示窓21を通して視認可能な位置には、3つのリール(回胴)が配置されている。正面から見て左側から、左リール31L、中リール31C、右リール31Rの順番で配置されている。
【0024】
リール31L、31C及び31Rは、リング状の中空構造に成形されている。リールの外周は、外周面に貼られるリールテープの幅に成形されており、外周面にはリールテープ上に印刷される図柄の形状に合わせて開口が複数設けられている。リールの内部は中空になっており、外周面から延びるフレームで回転軸が支持されている。
【0025】
リールの外周面には入賞図柄(入賞役を構成する図柄)を印刷したリールテープが各々貼られている。それぞれのリールテープには、例えば21個の図柄が等間隔で配列されて印刷されている。図柄の配列は、リールテープごとに異なるようになっている。リールテープの図柄が、リールの外周面に設けられた開口に対応するようになっている。表示窓21からは、この表示窓を通してリール31L、31C及び31Rが観察されるようになっており、各リール外周面の上下方向で連続する3つの図柄が見えるように表示窓21の大きさが設定されている。図1では、リール群31(リール31L、31C及び31Rのまとまりを意味する)上に示された円が、一つの図柄を示している。
【0026】
リール31L、31C及び31Rのそれぞれの回転軸には、ステッピングモータ(図示せず)が各々連結されている。このステッピングモータは、リール31L、31C及び31Rを任意の速度で回転させたり、任意の角度(位置)で停止させたりすることが可能になっている。各リールが回転する場合には、リール31L、31C及び31Rの図柄が表示窓21内で上下に移動しているように視認されるようになっている。
【0027】
リール31L、31C及び31Rの内側には、バックランプ(図示せず)が設けられている。バックランプはリールごとに3個ずつ配置されており、リールが停止した時に表示窓21から見える総計で9個の図柄に対して、リール外周面の開口を通して光を照射するようになっている。
【0028】
図1に示す表示窓21上の破線は、有効ライン22a、22b及び22cからなる有効ライン群22を示すものである。有効ライン群22は、水平方向の中段の有効ライン22aと、水平方向の上段及び下段の2本の有効ライン22bと、右下がり及び左下がりの斜め方向の2本の有効ライン22cとから構成されている。そして、リール31L、31C及び31Rに付された図柄は、リール31L、31C及び31Rが停止した時に、表示窓21から見える9個の図柄が全てこれらの有効ライン群22上に位置するような間隔で配置されている。
【0029】
スロットマシン10の筐体の中央部において、演出表示装置40の右下側に当たる位置には、メダル投入口23が設けられている。メダル投入口23からメダルが投入されると、投入されたメダル枚数に応じて有効ライン22a、22b及び22cの1ライン乃至5ラインが有効になるように構成されている。すなわち、投入した枚数のメダルが掛け金として徴収される。投入されたメダルが1枚の場合には1つの有効ライン22aが有効になり、2枚のときは水平方向の3つの有効ライン22a及び22bが有効になり、3枚のときはさらに加えて斜め方向の2つの有効ライン22cを含む総計で5つの有効ライン22a〜22cが有効になる。これらの制御は、後述のメインCPU(中央演算装置)51(図2参照)により行われる。例えば、3枚のメダルが投入されている場合には、リール31L、31C及び31Rが停止した時に、少なくとも1つの有効ライン22a〜22cに特定の図柄の組み合わせが停止していれば、その組み合わせに応じた役に入賞したこととなる。
【0030】
また筐体の中央部には、遊技者によって操作される各種の操作スイッチが設けられている。例えば、本実施形態では、スタートスイッチ41、ストップスイッチ群42及びベットスイッチ群43が設けられている。
【0031】
スタートスイッチ41は、リール31L、31C及び31Rの回転をスタートさせるときに遊技者が操作するスイッチ、例えばボタンやレバーである。ストップスイッチ群42は、左リール31Lを停止させるときに操作する左ストップスイッチ42Lと、中リール31Cを停止させるときに操作する中ストップスイッチ42Cと、右リール31Rを停止させるときに操作する右ストップスイッチ42Rとから構成されている。これらのストップスイッチ42L、42C及び42Rは、例えばボタンとして並設されている。
【0032】
ベットスイッチ群43は、遊技者がクレジット内のメダルを投入する際にベット数(賭数)を指定するスイッチ群であり、1ベット・2ベットスイッチ43a及びMAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)43bから構成されている。これらのベットスイッチ43a及び43bも、例えばボタンとして配置されている。1ベット・2ベットスイッチ43aが操作されると、1枚又は2枚のメダルがベットされ(ゲームの掛け額として徴収され)、MAXベットスイッチ43bが操作されると、最大ベット数である3枚のメダルがベットされる。すなわち、ベットスイッチ群43の操作で指定されるベット数が、クレジットとなっているメダル数から徴収され、クレジットがベット数だけ減算される。
【0033】
さらに、筐体の下部の中央部には、メダル払出口90が設けられ、メダル払出口90の両側には、スピーカ71(左スピーカ71Lおよび右スピーカ71R)が設けられている。遊技(ゲーム)中には、種々の演出、例えばバックランプの点灯、演出表示装置40を用いた画像表示及びスピーカ71からの音声の出力等が行われる。さらに、このような演出として、入賞可能性の告知演出が行われることもある。
【0034】
これらの構成を有するスロットマシンにおいて実施される通常遊技の概要を簡単に説明する。
スロットマシン10において、遊技者がメダル投入口23からメダルを投入するか、ベットスイッチ群43を操作すると、有効ライン22a〜22cがベット数に応じて有効化される。
【0035】
ベット数を指定した遊技者がスタートスイッチ41を操作すると、ベット数に応じた役の抽選が行われると共に、リール31L、31C及び31Rが回転し始める。そして、遊技者がストップスイッチ42L、42C及び42Rを操作すると、操作されたボタンに応じてリール31L、31C及び31Rの回転が停止する。このとき、スタートスイッチ41の操作と同時に行われている役の抽選結果が当選であった場合には、有効化されている有効ライン群22上に並ぶ図柄の組み合わせが、予め定められた何らかの役の図柄の組み合わせに一致するようにリールが停止制御され、その入賞役に応じたメダルの払い出し等が行われる。
【0036】
(システム構成)
次に、スロットマシン10の内部構成等のシステム構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るスロットマシン10のシステム構成を示すブロック図である。スロットマシン10の筐体内部には、メイン制御基板50、並びにこのメイン制御基板50に接続されたサブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13が配置されている。
【0037】
(メイン制御基板50)
メイン制御基板50には、メインCPU51、ROM52、RAM53及びインタフェース回路(I/F回路)54が設けられており、これらはバス55を介して互いに接続されている。
【0038】
メインCPU51は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、メインCPU51は、ROM52に記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、これらに基づいてスロットマシン10全体の制御を行う。
【0039】
ROM52には、メインCPU51に、後述の図6のフローチャートに示すような操作に基づく抽選処理及びその他の遊技の制御に必要なソフトウェアプログラム及びデータ等が記憶されている。また、RAM53は、メインCPU51が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶可能に構成されている。
【0040】
I/F回路54は、メイン制御基板50と、サブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13との間で行われる信号の送受信の際に、タイミングの制御等を行うようになっている。
【0041】
(サブ制御基板60)
サブ制御基板60には、サブCPU61、ROM62、制御用RAM63、画像制御プロセッサ64、ROM65、ビデオRAM66、画像データROM67、音源回路68、サウンドROM72、アンプ70及びインタフェース回路(I/F回路)69が設けられている。サブCPU61、ROM62、RAM63、画像制御プロセッサ64、及びI/F回路69はバス73を介して互いに接続されている。また、ROM65、ビデオRAM66、画像データROM67、および音源回路68は画像制御プロセッサ64に接続され、アンプ70およびサウンドROM72は音源回路68に接続されている。
【0042】
サブ制御基板60は、大きく、演出制御基板60aと、画像音響生成基板60bとに分けられる。演出制御基板60aには、サブCPU61、ROM62、RAM63、I/F回路69が属し、画像音響生成基板60bには、画像制御プロセッサ64、ROM65,ビデオRAM66、画像データROM67、音源回路68、アンプ70、およびサウンドROM72が属している。演出制御基板60aはROM62に格納された演出制御プログラムに基づいて動作し、画像音響生成基板60bはROM65に格納された画像生成プログラムに基づいて動作するようになっている。
【0043】
サブCPU61は、演出制御基板60aの動作を司る演算素子であり、ROM62に記憶されている演出制御プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)し、ROM62に記憶されているデータを読み出し、演出制御を行うようになっている。なお、サブCPU61の処理能力や開発言語等には、何らの制約もない。
【0044】
ROM62には、サブCPU61に実行させるための、演出制御プログラム及びデータが記憶されている。また、RAM63は、サブCPU61が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶可能に構成されている。
【0045】
これらのサブCPU61、ROM62及びRAM63は、夫々メイン制御基板50に設けられたメインCPU51、ROM52及びRAM53と同様の機能を有するものである。なお、ROM62及びRAM63は、夫々ROM52及びRAM53と同一のものを用いてもよいが、これらよりも容量の大きいものを用いてもよい。
【0046】
I/F回路69は、メイン制御基板50からの信号の受信の際に、タイミングの制御等を行う。なお、上述のように、メイン制御基板50からサブ制御基板60への信号の送信は行われるが、サブ制御基板60からメイン制御基板50への信号の送信は行われない。すなわち、一方向の送信のみが可能となっている。
【0047】
画像制御プロセッサ64は、画像音響生成基板60bの動作を司る専用演算素子であり、ROM65に記憶されている画像生成プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)し、画像データROM67に記憶されているデータを読み出し、画像生成を行うようになっている。また音源回路68にコマンドを送出し、音響生成を行うようになっている。なお、画像制御プロセッサ64の処理能力や開発言語等には、何らの制約もない。
【0048】
ROM65には、画像制御プロセッサ64に実行させるための、後述のフローチャートに示すような画像生成プログラム及びデータが記憶されている。
【0049】
画像データROM67には、画像演出のためのキャラクタ、文字及び背景等の画像データを生成するための元画像データが記憶されている。ビデオRAM66は、画像制御プロセッサ64が演出表示装置40に表示しようとする画像データを生成する時に用いられ、画像データROM67から読み出した元画像データ等に基づき生成された画像データがフレーム画像データとして展開されるようになっている。演出表示装置40は、ビデオRAM66に記憶されたフレーム画像データを表示可能にサブ制御基板60に接続されている。
【0050】
音源回路68は、画像制御プロセッサ64の制御により音響生成を行うようになっている。具体的に、音源回路68は、所定のチャネル数、例えば8つの音響チャネルの発音回路を備えており、音響チャネル数分のフレーズの同時再生が可能になっている。音源回路68は、画像制御プロセッサ64からの音響演出情報に基づいてサウンドROM72から所定の音源データを読み出し音響信号を、右チャネル、左チャネル別に発生させる。そしてD/A変換してアナログ音響信号として出力する。アンプ70は、この左右のチャネルそれぞれのアナログ音響信号を増幅し、右スピーカ71R・左スピーカ71Rに、ステレオ音響を送出させる。
【0051】
(リール基板11)
リール基板11には、左リール31L、中リール31C及び右リール31Rを駆動するためのステッピングモータ(図示せず)が接続されている。各ステッピングモータは、さらに、これらのリール31L、31C及び31Rの回転軸に接続されていく。これらのリール31L、31C及び31Rの動作を制御するための制御信号は、メインCPU51からリール基板11に供給されるようになっている。
【0052】
(中央表示基板12)
中央表示基板12は、例えばフロントパネル20の裏側の中央部に取り付けられる。
中央表示基板12には、セレクタ81、1ベット・2ベットスイッチ43a、MAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)43b、スタートスイッチ(レバー)41、左ストップスイッチ(ボタン)42L、中ストップスイッチ(ボタン)42C、右ストップスイッチ(ボタン)42R、設定表示部82及び設定変更スイッチ83が接続されている。
【0053】
セレクタ81は、メダル投入口23から投入されたメダルが正規のものであるか識別し、不正なメダルを排除するように構成されている。設定表示部82は、フロントパネル20の裏側から見えるように配置されており、確率や払い出しに関する設定(例えば、設定1〜設定6)等が表示される。設定変更スイッチ83は、確率や払い出しに関する設定等を変更する際に操作されるスイッチである。
【0054】
(電源装置基板13)
電源装置基板13には、設定変更有効化スイッチ91、電源スイッチ92、ホッパ装置93及び電源装置94が接続されている。
設定変更有効化スイッチ91は、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更を可能な状態にする際に操作するスイッチである。すなわち、設定変更有効化スイッチ91がオンの状態になっているときに限り、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更が可能になる。電源スイッチ92は、電源装置94のオン/オフを切り換えるためのスイッチである。ホッパ装置93は、メダルの貯蔵及び払い出しを行う装置であり、電源装置基板13を介したメインCPU51からの指示に基づいて、予め貯蔵しておいたメダルから所定枚数のメダルをメダル払出口90に払い出すようになっている。
【0055】
(メイン制御基板における機能ブロック)
図3は、メイン制御基板50の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、本実施形態においては、例えばメインCPU51がROM52内に記録される演出制御プログラムを実行することにより、以下の制御部101、役抽選部103、リール制御部106、入賞判定部107、遊技状態制御部108及び払出制御部109が機能的に実現される。また、例えばRAM53が、以下のフラグ情報記憶部105として機能し、例えばROM52に、以下の抽選テーブル102のデータが記憶されている。
【0056】
(役抽選部103)
役抽選部103は、役(特別役、小役、リプレイ等)の抽選を行う機能ブロックである。役抽選部103は、遊技毎に、内部で乱数を発生させた後に一の乱数を取得し、ROM52に記憶されている抽選テーブル102を参照し、取得した乱数が属する領域に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定するようになっている。
【0057】
例えば、役抽選部103は、スタートスイッチ41が操作された場合に抽選を行い、この「遊技」が「当選」であるか「ハズレ」であるか及び「当選」である場合の「役」を決定する。すなわち、役抽選部103は、スタートスイッチ41の押下があった場合に、所定の範囲の乱数(例えば、10進法で0〜65535)を発生させ、所定の条件が満たされたときに一の乱数値を取得する。抽選テーブル102には、役抽選部103が取得可能な乱数値に対して、特別役当選領域、小役当選領域、リプレイ当選領域、及び非当選(ハズレ)領域等が、所定の割合で設定されている。
【0058】
さらに役抽選部103は、リール31L、31C、及び31Rは、ストップスイッチ42L、42C、及び42Rのそれぞれが押下された後に、「当選」していた場合にはその当選の役を表す図柄の並びとなるように停止制御され、当選役と同じ役に入賞させる。また、抽選の結果が「ハズレ」(非当選)ていた場合には図柄の並びがいずれかの役を表さないように停止制御される。いずれの場合でも、ストップスイッチ42L,42C,及び42Rの押下タイミングが前後しても、停止図柄が変わることはない。
【0059】
なお、役抽選部103が実施する抽選は、一つの遊技当たりに一回のみ実施して役までを決定してしまってもよいが、複数回の抽選を実施するように構成してもよい。
また、スタートスイッチ41の押下やストップスイッチ42L、42C、及び42Rの押下タイミングで抽選を実施して抽選結果を定めるという役抽選部103主導の構成にする他、特別な引き込み動作をせずにリール群31を停止させ、結果的にリール31L、31C、及び31Rが停止した位置を入賞判定部107が検出して入賞の有無や、入賞役を判定するように構成してもよい。この場合、抽選や当選役という概念は無く、役抽選部103は存在しなくてもよい。また、遊技の種類に応じて、役抽選部103主導か否かを、つまり抽選をするか、リールによる入賞判定をするかを切り換えてもよい。
【0060】
(制御部101)
制御部101は、役抽選部103や、後述のリール制御部106及び入賞判定部107等の動作タイミングを制御する中心的機能ブロックである。
例えば、制御部101は、スタートスイッチ41が操作されたことを条件として、役抽選部103に役の抽選を行わせると共に、リール制御部106にリール群31の回転を開始させ、また、ストップスイッチ群42が操作されたことを条件として、リール制御部106にリール群31の停止制御を行わせ、さらに、リール群31が停止したことを条件として、入賞判定部107に入賞判定を行わせるものである。
なお、制御部101の動作はこれらに限定されるものではなく、メイン制御基板50に必要とされる制御一般を司るものである。
【0061】
(フラグ情報記憶部105)
フラグ情報記憶部105は、役抽選部103の抽選結果によって何らかの役に対するフラグがオンされた場合に、当選した役の種類及びそのフラグがオンになったことを記憶可能に構成されている。
【0062】
(リール制御部106)
リール制御部106は、制御部101からの指示に基づいて、リール群31(リール31L、31C及び31R)の回転及び停止の制御を行う機能ブロックである。
より詳細には、リール制御部106は、遊技状態(例えば、通常遊技状態、特別遊技状態等)、役抽選部103による抽選の結果、及びストップスイッチ群42(ストップスイッチ42L、42C及び42R)が操作されたタイミング等に基づいて、リール31L、31C及び31Rの停止位置を決定すると共に、ステッピングモータの駆動を制御して、その決定した位置でリール31L、31C及び31Rの回転を停止させるようになっている。
【0063】
例えば、役抽選部103による抽選の結果「ハズレ」となり、いずれの役にも当選していないときは、有効になっている有効ライン上にどの役の図柄の組合せも停止しないように、各リール31L、31C及び31Rの停止位置を定め、定められた位置で各リールを停止させる。一方、何らかの役に「当選」している場合には、有効になっている有効ライン上に当選した役の図柄の組合せが停止するように図柄の組合せを定め、その図柄の組合せがその時に有効になっている有効ラインに表れるように各リール31L、31C及び31Rの停止位置を定め、定められた位置で各リールを停止させる。
【0064】
特に、特別役に「当選」している場合には、有効になっている有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止するように、リール31L、31C及び31Rの停止制御の範囲内(例えば、4図柄以内)でできる限り特別役に係る図柄が揃うような引き込み制御を行う。但し、特別役が「当選」している場合であっても、小役やリプレイに「当選」した場合には、有効化されている有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止しないように、リール31L、31C及び31Rの停止位置を定め、停止制御をする。
なお、このようなリール31L、31C及び31Rを停止させる際の制御は、リール制御用のテーブルを用いて行ってもよい。
【0065】
(入賞判定部107)
入賞判定部107は、最終的な入賞状態を判定するための機能ブロックである。
入賞判定部107は、有効ライン群22のうち、有効になっている有効ラインのいずれかに役の図柄の組合せが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当遊技でその役に入賞したと判定するものである。役の抽選は、役抽選部103によって予め決定されてはいるが、機械的なリールを用いる場合などにはリールが予定どおりに停止できない場合がるため、最終的に停止したリールの位置を検出しなければならないからである。
【0066】
入賞判定部107は、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ラインに位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の入賞の有無を判定する。
【0067】
なお、役抽選部103によって予め役を定めて、それに併せてリール31L、31C及び31Rを停止させる代わりに、引き込み可能な位置に各リールを次々停止させ、最終的に停止した実際のリール31L、31C及び31Rの位置を検出して、入賞判定部107が図柄の組合せを判定し、役を決定するように構成してもよい。
【0068】
(遊技状態制御部108)
遊技状態制御部108は、入賞判定部107による判定の結果、特別役に入賞していた場合に、次遊技から所定の終了条件が満たされるまでの間、特別遊技の制御を行うための機能ブロックである。
【0069】
例えば、遊技状態制御部108は、特別遊技中における役抽選部103の抽選結果に応じて、リール制御部106に特別遊技用のリール制御を行わせたり、サブ制御基板60に特別遊技用の演出を行わせたりする。
【0070】
(払出制御部109)
払出制御部109は、入賞判定部107による判定の結果、入賞している役に応じたメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせるための機能ブロックである。
【0071】
(メイン制御基板(抽選実行部)における動作)
図5は、メイン制御基板50によるメイン制御処理を示すフローチャートである。
図5において、遊技者によってメダルが投入され、スタートスイッチ41が操作されると、制御部101は、ステップS101において、スタートスイッチ41がオンになったことを検知し、役抽選部103は役の抽選処理を行う(YES、ステップS102)。一方、ステップS101において、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されず、スタートスイッチ41がオンとなったことを検知できなかった場合は(NO)、制御部101は、スタートスイッチ41がオンとなったことを検知するまでステップS101の処理を繰り返し実行する。
【0072】
ステップS102の役抽選処理においては、役抽選部103は、乱数を取得し、取得した乱数と抽選テーブルとを照らし合わせて役の抽選処理を行う。抽選の結果、何らかの役の当選があった場合、フラグ情報記憶部105内において当役のフラグをオンにさせる。役抽選部103による抽選結果は、当選役情報としてI/F回路54を介してサブ制御基板60に送信される(ステップS103)。
【0073】
ステップS104において、リール制御部106は、ストップスイッチ群42の何れか1個が操作されたか否かを判断する。何れか1個のストップスイッチが操作されると(YES)、リール制御部106は、ステップS105に移行し、当選役が入賞可能となるようなリール制御を行って、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転を停止させる。次いでステップS106に移行し、入賞判定部107は、ストップスイッチ群42のいずれかが操作される度に、ストップスイッチが押下された旨の情報をサブ制御基板60に送信する。
【0074】
なお、ステップS102の役抽選処理において何れの役にも当選していなかった場合は(「ハズレ」に当選した場合)、リール制御部106は、ステップS105において何れの役にも当選しなかった場合に対応するリール制御を行う。
【0075】
続いて、ステップS107において、リール制御部106は、全てのストップスイッチが操作され、全リールが停止したか否かを判断する。全リールが未だ停止していない場合には(NO)、ステップS104におけるストップスイッチ操作の有無の検出処理からの処理を繰り返す。
【0076】
ステップS107において全てのリールが停止すると(YES)、入賞判定部107は、ステップS108に移行し、有効化された有効ライン上に並んでいる図柄の組合せに基づいて入賞の有無を判断する。この結果、何らかの入賞がある場合には(YES)、入賞した役に対応する入賞処理が実行される(ステップS109)。またステップS110において、入賞判定部107は入賞内容を含む入賞情報をサブ制御基板60に送信する。
【0077】
入賞役が「特別役」である場合、次の遊技から所定の終了条件が満たされるまでの間「特別遊技」を実行するための移行処理を遊技状態制御部108が行う。
一方、ステップS108において、何も入賞がないと判断された場合には(NO)、処理はステップS101に戻る。
【0078】
入賞処理において、遊技状態制御部108は、「特別遊技」中において、「特別役」であるビッグボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームに応じた遊技状態を遊技者に提供するよう、リール制御部106に「特別遊技」中のリール制御を行わせたり、サブ制御基板60に「特別遊技」用の演出を行わせたりする。ビックボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームの規定回数の遊技を終えると、「通常遊技」に移行する処理を行う。
【0079】
入賞役が「特別役」でない場合、フラグ情報記憶部105において特別役のフラグがオンの状態で記憶されていれば、フラグ情報記憶部105でのそのフラグの記憶状態は次の遊技に持ち越される。
【0080】
また、入賞役が「リプレイ」である場合、入賞判定部107は、制御部101に対して当遊技でのベット(賭数)を次の遊技に持ち越させる。一方、入賞役が「特別役」でも「リプレイ」でもない場合には、払出制御部109が入賞役に応じた枚数のメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせる。
【0081】
(実施形態1)
次に本発明の実施形態1における画像生成装置の構成・動作を説明する。この画像生成装置は、画像音響生成基板60bにおいて本発明の画像生成プログラムが実行されることにより実現されるものである。
【0082】
まず実施形態1における発明原理を説明する。
以下、切り換え前に表示されている画像を第1画像V1と称し、切り換え後に表示されることになる画像を第2画像V2と称する。
【0083】
図7Aおよび図8Aに、それぞれの画像について、仮想三次元空間においてモデリングされるオブジェクトと透視投影変換する範囲を規定する視体積を概念的に斜視図として示す。図7Aは切り換え前の第1画像V1に対応した仮想三次元空間を示しており、図8Aは切り換え後の第2画像V2に対応した仮想三次元空間を示している。
【0084】
当該画像生成装置は、仮想三次元空間に配置された所定の視点Cに対して一定の空間範囲内に入るオブジェクトのみを画像化対象としている。この一定の空間範囲は、仮想三次元空間内に配置されたオブジェクトを二次元平面に透視投影変換する範囲を規定するもので、視体積(View Volume)400という。視体積400の横方向の幅(X軸方向)や縦方向の幅(Y軸方向)は、表示画面の大きさに対応している。視点Cからは遠方に配置されるオブジェクトも見えてしまうため、視体積400には後方クリッピング面401が設けられ、あまりに多くのオブジェクトが画像化の対象とされることを防止している。また、視点に近すぎるオブジェクトが存在すると視野が遮られてしまうので、視体積400には前方クリッピング面402が設けられ、視点Cに対して余りに接近しているオブジェクトを画像化の対象から除外している。画像制御プロセッサ64は、視点が与えられると、自らZ軸方向を中心とする視体積400を把握し、その体積内にモデリングされているオブジェクトに対しレンダリング処理を行う。
【0085】
図7Aに示すように、第1画像V1に対応する仮想三次元空間には、例えばオブジェクト501および502が視体積400内にモデリングされている。このオブジェクト501および502を含む視体積400内のオブジェクトは、表示画面に対応した物理平面を備える第1画像の投影面500に透視投影変換され、投影面500の各ピクセルの色がレンダリング処理で生成される。
【0086】
図7Bは、レンダリング処理された後の図7Aに対応する第1画像V1の表示例である。図7Bに示すように、投影面500には視点Cを基準にオブジェクト501および502が透視投影され、視点Cからオブジェクトを観察したかのごとく、オブジェクト501および502が画像化されている。
【0087】
図8Aに示すように、第2画像V2に対応する仮想三次元空間には、例えばオブジェクト511および512が視体積400内にモデリングされている。このオブジェクト511および512を含む視体積400内のオブジェクトは、表示画面に対応した物理平面を備える第2画像の投影面510に透視投影変換され、投影面510の各ピクセルの色がレンダリング処理で生成される。
【0088】
図8Bは、レンダリング処理された後の図8Aに対応する第2画像V2の表示例である。図8Bに示すように、投影面510には視点Cを基準にオブジェクト511および512が透視投影され、視点Cからオブジェクトを観察したかのごとく、オブジェクト511および512が画像化されている。
【0089】
生成された上記第1画像および第2画像は、それぞれをビデオRAM66内のフレームバッファに記憶されれば、画像更新タイミング、例えばフレーム期間毎に読み出されて、図7Bや図8Bのとおりに演出表示装置40の表示画面に表示される。画像表示のための最終データ格納場所はフレームバッファ一つのみであり、そこへの新たな画像の書き込みは、それまでの画像の上書きになってしまい、画像の完全な入れ換えとなる。よって、単純に第1画像V1から第2画像V2に切り換えること、すなわちあるフレームまでは第1画像を表示し、次のフレームからは第2画像を表示するのなら、あるフレームから第1画像に代えて第2画像の生成とフレームバッファへの上書きを行えばよい。
【0090】
しかしながら、このようなフレームバッファへの上書きではクロスフェードさせて両画像を切り換えることはできない。
そこで、本発明では、切り換え元の第1画像V1と切り換え先の第2画像V2とを切り換える際に、第1画像V1および第2画像V2のうち一方の画像をテクスチャとして記憶し、第1画像V1および第2画像V2のうち他方の画像と該テクスチャとを、一方の画像に対する他方の画像の割合を変更しながらピクセル毎に合成することを特徴としている。以下、第1画像V1と第2画像V2とが共に混合されて表示されている期間を「クロスフェード期間」と称する。
【0091】
図9に、本実施形態におけるクロスフェード期間の前後における第1画像および第2画像の透明度の変化特性を示す。実線で示す変化特性f1は第1画像V1の透明度の変遷を示しており、破線で示す変化特性f2は第2画像V2の透明度の変遷を示している。
【0092】
透明度の大小は、そのまま第1画像と第2画像との合成の濃度割合に対応している。透明度が0%であれば、その画像の各ピクセルにおける色濃度が100%反映されていることを示しており、透明度が100%であれば、その画像の各ピクセルにおける色濃度は0%であって一切反映されていないことを示している。第1画像の透明度と第2画像の透明度との合計は100%になるように設定されているので、両画像の透明度に差がある場合、透明度の低い方の画像が透明度の高い方の画像よりも色濃度が高く、よりはっきりと見える状態で両画像が混合されていることを意味している。
【0093】
図9に示すように、本発明では、第1画像V1と第2画像V2との間で、第1画像V1の第2画像V2に対する割合が経時的に減少していくよう変更される。すなわち、第1画像V1の濃度が徐々に減少し、代わりに第2画像V2の濃度が上昇していく。特に本実施形態では、その色濃度の変化特性が一次線形的な変化となっており、第1画像V1は濃度が単調減少し、第2画像V2は濃度が単調増加していく。
【0094】
時刻t0より前の段階では、第1画像V1のみを通常処理として表示すればよく、本画像生成装置は、第1画像V1のオブジェクトを投影面500へ透視投影変換することを含むレンダリング処理を実施している。画像処理装置は、生成した第1画像V1をビデオRAM66のフレームバッファに書き込み、このフレームバッファに記憶された第1画像V1が表示画面に表示される。
【0095】
時刻t0において、クロスフェード期間が開始すると、本画像生成装置は、それまでフレームバッファに出力していた第1画像V1を一時記憶のための画像記憶部、例えばビデオRAM66のテクスチャデータエリアに出力する。この画像記憶部はそこに記憶されたデータがそのまま表示されることはない一時的な画像記憶のためのエリアとなっている。
【0096】
本画像生成装置は、第1画像V1の生成および一時記憶と併行して、第2画像V2の生成も開始する。すなわち第2画像V2のオブジェクトを投影面510へ透視投影変換することを含むレンダリング処理を実施する。そして画像処理装置は、生成した第2画像V2をフレームバッファに書き込む。
【0097】
さらに本画像生成装置の合成部は、画像表示のためフレームバッファからデータ読み出しが始まる前に、画像記憶部に一時記憶された第1画像V1とフレームバッファに出力した第2画像V2との間でピクセル単位の加算演算を実施する。具体的には、フレームバッファに記憶された第2画像V2の所定アドレスのピクセルデータを読み出し、画像記憶部307の対応するアドレスに一時記憶されている第1画像V1のピクセルデータと、図9の透明度の変化特性で規定される色濃度の割合で加算演算を行い、その結果として生成されたピクセルデータをフレームバッファの同じアドレスに書き込むことにより、フレームバッファのピクセルデータを更新する。この作業をフレームバッファの最初のアドレスから順に、総てのピクセルについて実施していく。総てのアドレスのピクセルデータの更新が終了した後にはフレームバッファに第1画像V1と第2画像V2とが合成された表示画像が格納されていることになる。この画像を演出表示装置40に転送することで、所定の色濃度割合で合成された画像が表示される。
【0098】
すなわち図9の下段に示すように、第1画像V1はクロスフェード期間が開始するまでは通常処理され直接フレームバッファへ出力されるが、クロスフェードが開始した瞬間からテクスチャデータとして画像記憶部に一時記憶される。その代わりにクロスフェード開始と共に第2画像V2の生成が開始され、生成された第2画像V2は通常処理と同様に、フレームバッファに出力される。クロスフェード期間が終了しても第2画像V2はそのままフレームバッファに出力されるのである。
【0099】
図10に、図9の各時刻との対比で、最終的に合成される表示画像の例を概念的に示している。時刻t0より前の画像は、図7Bのとおりの第1画像V1であり、時刻t4より後の画像は、図8Bのとおりの第2画像V2となる。
【0100】
図10に示すように、時刻t0になった瞬間は、第1画像V1の透明度が0%、すなわち色濃度100%であり、第2画像V2の生成は開始されていない。第1画像V1の透明度が0%より大きくなるフレームから、第1画像V1の生成に加えて、第2画像V2の生成が開始される。
【0101】
時刻t1になると、例えば第1画像の透明度が10%、第2画像の透明度が90%とされて、両者の画像が合成されたものが出力される。すなわち、第1画像V1に係るオブジェクト501および502は色濃くはっきりと表示されるが、第2画像V2に係るオブジェクト511および512もうっすらと透明度に対応した色濃度で表示されてくる。
【0102】
時刻t2になると、第1画像V1と第2画像V2の透明度は共に50%になるので、第1画像V1に係るオブジェクト501および502も、第2画像V2に係るオブジェクト511および512も同じくらいの色濃度で表示される。
【0103】
時刻t3になると、例えば第1画像の透明度が90%、第2画像の透明度が10%とされるので、第1画像V1に係るオブジェクト501および502の色濃度が大分薄れているのに対し、第2画像V2に係るオブジェクト511および512は色濃くはっきりと表示されてくるようになる。
【0104】
時刻t4になり、第2画像V2の透明度が0%になった瞬間、第1画像V1を生成する必要性が無くなるので、第1画像の生成を終了し、通常処理どおり、第2画像のみが生成されフレームバッファに出力される。
【0105】
クロスフェード期間全体としては、切り換え前の第1画像V1の濃度が切り換え後の第2画像V2の濃度に対して徐々に減少していくので、第1画像V1がフェードアウトしていき、第2画像V2はフェードインしていく画像表示となり、クロスフェード効果を経て両画像の切り換えが行われたことになる。
【0106】
(サブ基板60の機能ブロック図)
以下、本実施形態1におけるサブ基板60の機能ブロックを説明する。
図4は、実施形態1に係るサブ制御基板60の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
サブ制御基板60は、演出制御基板60aと画像音響生成基板60bとに分離している。
演出制御基板60aには、演出制御部200が含まれている。演出制御部200は、サブCPU61がROM62内に記録されたコンピュータに読み取り可能な演出制御プログラムを実行することにより機能的に実現されるものである。
【0107】
画像音響生成基板60bには、第1画像生成部201、第2画像生成部202、前述した画像記憶部307、前述したフレームバッファ308、および前述した合成部309を備える。第1画像生成部201および第2画像生成部202は、ともに同様の機能ブロックを有しており、オブジェクトデータ記憶部301、モデリング部302、座標変換部303、透視投影変換部304、テクスチャデータ記憶部305、および色展開部306をそれぞれ備えている。これらのうち、オブジェクトデータ記憶部301およびテクスチャデータ記憶部305は画像データROM67が相当している。画像記憶部307およびフレームバッファ308は、ビデオRAM66が相当している。その他の機能ブロックは、画像制御プロセッサ64がROM65に記憶された画像生成プログラムを実行することにより機能的に実現される。
【0108】
(演出制御部200)
演出制御部200は、メイン制御基板50の抽選結果に応じた演出パターンを抽選によって決定する機能ブロックである。
具体的には、演出制御部200は、メイン制御基板50の役抽選部103からの抽選結果情報を受けて、当選した役等に応じて乱数に基づく抽選を実施し、複数適用可能な演出パターンの中からいずれか一つを選択したり、メイン制御基板50の入賞判定部107及び特別役遊技制御部108からの抽選結果情報を受けて、入賞役や遊技状態に応じた演出パターンを抽選により決定したりする。
【0109】
ここで演出パターンは、通常、スタートスイッチ41や各ストップスイッチ42の押下状態や、リール31L、31C、及び31Rの停止状態や、抽選の結果、決定した役の種類、通常遊技か特別遊技かといった遊技状態に応じて選択される。
【0110】
演出制御部200は、画像の演出内容を定める画像演出情報を音響の演出内容を定める音響演出情報と共に出力する。これら演出情報は、所定のコマンド形式で送付してもよい。画像演出情報には、次の画像更新タイミングにどのオブジェクトを仮想三次元空間でどのような位置にどのような姿勢で配置するかを規定する情報や、画像切り換えに伴って変更される視点位置、オブジェクト等に関する情報を含んでいる。
【0111】
(第1画像生成部201および第2画像生成部202)
第1画像生成部201は、切り換え元となる第1画像V1を生成する機能ブロックであり、第2画像生成部202は、切り換え先となる第2画像V2を生成する機能ブロックである。
両機能ブロックとも以下に説明する同じ構成の機能ブロックを有するが、クロスフェード期間中、第1画像生成部201は、生成された第1画像V1を画像記憶部307に出力するのに対し、第2画像生成部202は、生成された第2画像V2をフレームバッファ308に出力する点で両者は異なっている。
【0112】
(モデリング部302)
モデリング部302は、オブジェクトデータ記憶部301に記憶されているオブジェクトデータを参照してオブジェクトを仮想三次元空間に配置するためのモデリング変換を行う機能ブロックである。
【0113】
第1画像生成部201のモデリング部302は第1画像V1のオブジェクトに対するモデリング変換を行い、第2画像生成部202のモデリング部302は第2画像V2のオブジェクトに対するモデリング変換を行う。
【0114】
モデリング部302は、演出制御部200から出力された画像演出情報によって指定されたオブジェクトを仮想三次元空間に配置するための座標変換演算を実施する。オブジェクトデータ記憶部301に記憶されているオブジェクトデータは、個別のモデリング座標系(ローカル座標系、オブジェクト座標系、ボディ座標系)で定義されている。モデリング変換は、それぞれ独立した座標系で定義されたオブジェクトを同一の仮想三次元空間を定義するワールド座標系、すなわちワールド座標系(グローバル座標系)で定義するための座標変換処理である。
【0115】
モデリング部302は、まず、画像演出情報を参照して次回の画像更新タイミングにおけるオブジェクトの姿勢をモデリング座標系で定める。次いで姿勢が定まったオブジェクトに対し座標変換処理を実施し、ワールド座標系における位置座標を演算する。オブジェクトの表面を構成するポリゴンの位置はその頂点座標を演算することで定まる。
【0116】
(座標変換部303)
座標変換部303は、モデリング変換されたオブジェクトに対し、視点を中心にした視点座標系(ビューイング座標系)に変換するビューイング変換、正規化座標系に変換する正規化変換を実施する機能ブロックである。この座標変換以降の処理は、二次元画像を生成するための描画処理であり、レンダリング処理に関する。
【0117】
第1画像生成部201の座標変換部303は第1画像V1のオブジェクトに対する座標変換を行い、第2画像生成部202の座標変換部303は第2画像V2のオブジェクトに対する座標変換を行う。
【0118】
座標変換時、座標変換部303は、正規化された視体積に含まれないオブジェクトやオブジェクトの部分を座標変換対象から除外するクリッピング処理をする。すなわち、図7Aや図8Aにおける視体積400において、前方クリッピング面402より視点側にあるオブジェクトは排除される。また後方クリッピング面401より奥に配置されたオブジェクト、視体積400の外側に配置されたオブジェクトも、透視投影変換の対象から排除される。
【0119】
(透視投影変換部304)
透視投影変換部304は、正規化座標系で定義されたオブジェクトに対して表示画面に対応する二次元投影面に投影するための投影変換を実施する機能ブロックである。
第1画像生成部201の透視投影変換部304は第1画像V1のオブジェクトに対する透視投影変換を行い、第2画像生成部202の透視投影変換部304は第2画像V2のオブジェクトに対する透視投影変換を行う。
【0120】
透視投影変換には、1点透視投影、2点透視投影、3点透視投影等の透視投影変換と、並行投影とがあり、画像生成装置の目的に応じた投影変換が適用される。透視投影変換により、二次元投影面、すなわちビュースクリーンに視点から観察したオブジェクトが投影される。
【0121】
なお、表示画面の物理的空間領域が、透視投影変換されるビュースクリーンとは異なる領域に設定されている場合には、表示画面の空間領域のみを切り出すビューポート変換が実施される。
【0122】
(色展開部306)
色展開部306は、テクスチャデータ記憶部305に記憶されたテクスチャデータを読み出して、透視投影変換後のオブジェクト表面に模様をマッピング(展開)する機能ブロックである。
【0123】
第1画像生成部201の色展開部306は第1画像V1に対するマッピングを行い、クロスフェード期間中は、生成されたピクセルデータを画像記憶部307に出力する。第2画像生成部202の色展開部306は第2画像V2に対するマッピングを行い、生成されたピクセルデータをフレームバッファ308に出力する。
【0124】
色展開部306は、公知のイメージテクスチャマッピング手法を用いてテクスチャデータをポリゴンにマッピングする。テクスチャデータは所定面積の二次元画像として定義されているので、このテクスチャに対し変形、回転、拡大、縮小等の補間処理をしてポリゴン形状に適合させるラップマッピング方法を適用する。その他マッピング方式は目的に応じて種々に選択できる。イメージテクスチャマッピングの代わりにソリッドテクスチャマッピングを利用したり、ラップマッピングの代わりに、並行投影、UV、反復等のマッピングをしたりすることができる。また、カラー、バンプ、変位、透明度、環境等のマッピングを利用したり、多重、ミップ等のマッピングをしたりすることが可能である。
【0125】
なお、色展開部306では、テクスチャマッピングにシェーディング処理やシャドウイング処理を併用してもよい。レンダリング処理に関する公知技術を種々適用して、各ピクセルデータを確定することができるものであればよい。
【0126】
(画像記憶部307)
画像記憶部307は、第1画像生成部201によって生成された第1画像V1を一時的に格納するメモリエリアであり、フレームバッファとしての記憶容量を備えている。
なお、後述するように、クロスフェード期間中に画像記憶部307に第1画像V1を記憶させるか第2画像V2を記憶させるかは任意に設定できる。
【0127】
(フレームバッファ308)
フレームバッファ308は、第2画像生成部202によって生成された第2画像V2を記憶するメモリエリアであり、また、クロスフェード期間以外の通常処理においても出力用画像を記憶する記憶部となっている。
【0128】
なお、後述するように、クロスフェード期間中にフレームバッファ308に第2画像V2を記憶させるか第1画像V1を記憶させるかは任意に設定できる。
【0129】
また、本実施形態では、クロスフェード期間中に、生成された第2画像V2をフレームバッファ308に直接出力し、出力後に第1画像V1とのピクセル単位の合成演算による画像内容更新を実施していたが、これに限定されない。すなわち、画像記憶部307と同様の記憶部を別途設けておき、その記憶部に第2画像V2を出力し、その後、画像記憶部307に記憶された第1画像V1とその記憶部に記憶された第2画像V2との合成演算を実施し、その出力をフレームバッファに出力するようにしてもよい。画像制御プロセッサ64に設けられている機能に従ってメモリの構成を適宜変更可能である。
【0130】
(合成部309)
合成部309は、画像記憶部307に記憶された第1画像V1とフレームバッファ308に記憶された第2画像V2とを、一方の画像に対する他方の画像の合成色濃度割合を変更しながらピクセル毎に合成演算する機能ブロックである。
【0131】
具体的には、フレームバッファ308の最初のアドレスから順に第2画像V2に係るピクセルデータを読み出し、設定された色濃度割合に従って、画像記憶部307の対応するアドレスから読み出されたピクセルデータと加算演算を実施し、その結果を再び、フレームバッファ308の同じアドレスに出力してピクセルデータを更新する。これを表示画像の総てのピクセルデータについて実施する。
【0132】
以上のような合成演算により生成された第1画像V1と第2画像との合成演算後の画像データは、フレームバッファ308から演出表示装置40に転送され画像更新タイミングに表示画面に表示される。
【0133】
(動作の説明)
次に、上記画像音響生成基板60bの機能ブロック画像生成処理を説明する。
図6は、サブ制御基板60の画像音響生成基板60bにて実行される画像生成処理を示すフローチャートである。当該処理は、画像の更新タイミングごとに実施される。
【0134】
ステップS201において、画像音響生成基板60bは、演出制御部200からの画像演出情報を読み取る。次いでステップS202に移行し、画像音響生成基板60bは、クロスフェード効果による画像切り換えが指示されたか否かを判定する。クロスフェード効果を適用する場合(YES)、ステップS203に移行し、画像音響生成基板60bは、クロスフェード期間中であることを示すクロスフェードフラグをセットする。次いでステップS204に移行し、画像音響生成基板60bは、現在表示中の演出画像を第1画像V1とし、クロスフェード効果を経て切り換えるべき演出画像を第2画像V2として記録する。次いでステップS205に移行し、画像音響生成基板60bは、第1画像V1と第2画像V2との合成演算のための色濃度割合として、第2画像V2の透明度TRの初期値を設定する。初期値はクロスフェード期間後の最初のフレーム画像であるため、いきなり第2画像V2が色濃く見えないように、極めて薄く見えるような濃度、例えば99%に設定する。
【0135】
ステップS206〜S209は、第1画像生成部201における第1画像V1の生成処理に関する。ステップS206において、第1画像生成部201のモデリング部302は、第1画像V1に係るオブジェクトデータをオブジェクトデータ記憶部301から読み取り、モデリング座標で表現されたオブジェクトデータ、すなわちサーフェスを構成するポリゴンの頂点座標のそれぞれをワールド座標系に変換する座標変換演算をする。この処理により、オブジェクトは仮想三次元空間に配置される。次いでステップS207において、第1画像生成部201の座標変換部303はワールド座標系で定義されていたオブジェクトに対し、ビューイング変換演算・正規化変換演算を実行する。次いでステップS208において、第1画像生成部201の透視投影変換部304は正規化座標系で定義されたオブジェクトに対し、透視投影変換演算を実行し、ビュースクリーンに対する投影位置を算出する。次いでステップS209において、第1画像生成部201の色展開部306はテクスチャデータ記憶部307に格納されていたテクスチャデータを参照しながら、透視投影変換されたオブジェクトのポリゴン表面にテクスチャをマッピングしていく。オブジェクトが重なっている場合にはZ値を参照して視点に近い方のピクセルの色情報を優先させる隠面消去処理等を実施する。以上の処理により、第1画像V1のレンダリング処理が終了する。
【0136】
次にステップS210において、画像音響生成基板60bは、クロスフェードフラグがオンであるか否か、すなわちクロスフェード期間中であるか否かを判定する。クロスフェードフラグがオンであった場合(YES)、クロスフェード期間中であると判断し、ステップS211に移行し、第1画像生成部201は、レンダリング処理された第1画像V1を画像記憶部307にテクスチャデータとして格納する。そして切り換え先の画像である第2画像V2の生成に移る。なお、ステップS210でクロスフェードフラグがオフであった場合(NO)、通常処理期間中であると判断し、ステップS220に移行し、画像音響生成基板60bは、第1画像V1をフレームバッファ308に格納させ、演出表示装置40に転送して画像表示させる。
【0137】
ステップS212〜S215は、第2画像生成部202における第2画像V2の生成処理に関する。ステップS212において、第2画像生成部202のモデリング部302は、第2画像V2に係るオブジェクトデータをオブジェクトデータ記憶部301から読み取り、モデリング座標で表現されたオブジェクトデータ、すなわちサーフェスを構成するポリゴンの頂点座標のそれぞれをワールド座標系に変換する座標変換演算をする。この処理により、オブジェクトは仮想三次元空間に配置される。次いでステップS213において、第2画像生成部202の座標変換部303はワールド座標系で定義されていたオブジェクトに対し、ビューイング変換演算・正規化変換演算を実行する。次いでステップS214において、第2画像生成部202の透視投影変換部304は正規化座標系で定義されたオブジェクトに対し、透視投影変換演算を実行し、ビュースクリーンに対する投影位置を算出する。次いでステップS215において、第2画像生成部202の色展開部306はテクスチャデータ記憶部307に格納されていたテクスチャデータを参照しながら、透視投影変換されたオブジェクトのポリゴン表面にテクスチャをマッピングしていく。オブジェクトが重なっている場合にはZ値を参照して視点に近い方のピクセルの色情報を優先させる隠面消去処理等を実施する。以上の処理により、第2画像V2のレンダリング処理が終了する。
【0138】
ステップS216において、合成部309は、フレームバッファ308から第2画像V2のピクセルデータを順に読み出し、画像記憶部307から順に読み出される第1画像V1のピクセルデータに透明度TRで加算演算を実施する。加算演算後のピクセルデータは再びフレームバッファ308の同じアドレスに格納される。これらの処理を総てのピクセルデータについて実施することで、第1画像V1と第2画像V2との色濃度合成処理を行う。
【0139】
ステップS217に移行し、合成部309は透明度TRを所定の変化量Δtrだけ減算する。この透明度の変化量Δtrは、透明度TR(色濃度に対応)の変化速度に対応しており、透明度を100%から0%まで変化させるためのフレーム数に応じて定める。例えば33フレーム、約1秒間でクロスフェードを終了させるなら、変化量Δtrを1にセットする。小数点演算が可能なら変化量Δtrを小数点まで含めて設定してもよい。
【0140】
ステップS218において減算した透明度TRがゼロ以下になったか否かを判定する。ゼロ以下となっていれば(YES)、クロスフェード処理が終了したものと判断し、画像音響生成基板60bはステップS219に移行し、クロスフェードフラグをリセットする。透明度TRがゼロより大きければ(NO)、クロスフェード処理は継続するものと判断し、クロスフェードフラグはセットされたままとする。
【0141】
ステップS220において、画像更新タイミングの最後の処理として、演出表示装置40はフレームバッファ308中のフレーム画像を表示画面に表示させる。
【0142】
(本実施形態1の利点)
本実施形態によれば、次のような利点がある。
(1)上記実施形態1によれば、第1画像V1と第2画像V2とを切り換える際に、一方の画像を生成したら一旦テクスチャデータとして画像記憶部307に記憶し、別途フレームバッファ308に記憶された他方の第2画像V2に対し、当該テクスチャデータとして記憶された第1画像V1がピクセル毎に合成演算される。その合成演算の際、一方の画像と他方の画像との合成割合、すなわち透明度TRが画像更新タイミング毎に減算されるので、動画像としては両画像が重なりながらも、第1画像V1がフェードアウトし、第2画像V2がフェードインするような画像が提供されることとなり、クロスフェード効果が創出される。
【0143】
(2)上記実施形態1によれば、第1画像の第2画像に対する透明度(色濃度)変化速度が単調減少であるため、時間と共に濃度が薄れていく標準的なクロスフェード効果を創出可能である。
【0144】
(3)上記実施形態1によれば、フレームバッファに格納した第2画像V2に対して直接第1画像の加算演算が可能であるため、フレームバッファ領域を余計に設ける必要がない。
【0145】
(実施形態2)
本実施形態2は、第1画像に対する第2画像の透明度(色濃度)変化特性の変形例に関する。
本実施形態2についての機能ブロック図は、図4で説明した前記実施形態1の機能ブロック図とほぼ同じである。但し、合成部309が画像更新タイミング毎に更新する透明度設定方法が異なる。
【0146】
図14に、本実施形態2におけるクロスフェード期間の前後における第1画像および第2画像の透明度の変化特性を示す。実線で示す変化特性f1は第1画像V1の透明度の変遷を示しており、破線で示す変化特性f2は第2画像V2の透明度の変遷を示している。
【0147】
図14に示すように、本実施形態2における透明度の変化特性は、一時線形的な変化ではなく、多次線形的な変化特性となっている。よって、本実施形態2では、クロスフェード開始の時刻t0から時刻t1までは第1画像V1および第2画像V2の色濃度変化が緩慢であるがその後急激に変化し、再び時刻t3以降に緩慢になるような特性で変化する。このような合成演算の色濃度変化特性は、視覚的効果を勘案して任意に設定可能であり、多次線形的な変化の他、指数関数的な変化特性であってもよい。
【0148】
本実施形態2の動作上の変更点としては、図6のステップS217において、合成部309は、単純に透明度TRから変化量Δtrを減算する代わりに、上記変化特性を示す所定の演算式に時間を代入する関数演算を行って新たな透明度を求めることになる。なお、変化特性は、このような演算式に基づく関数演算により出力してもよいが、関数テーブルを用いて出力するようにしてもよい。複雑な変化特性である場合には、関数テーブルを利用した方が処理負担を少なくできる。
【0149】
以上実施形態2によれば、任意の色濃度変化特性を設定することにより、多彩なクロスフェードの色濃度変化演出を提供することが可能となる。
【0150】
(変形例)
本発明は、上記に限定されることなく種々に変形して実施することが可能である。
(1)例えば上記実施形態では、クロスフェード期間中、第1画像V1を画像記憶部307に一時記憶し、第2画像V2を通常処理と同じくフレームバッファ308に出力していた。これは図14の下段における実施例の処理に対応している。
【0151】
しかしながら、第1画像V1と第2画像V2のどちらの画像をテクスチャデータとして一時記憶させてもフレームバッファに直接記憶させても、画像更新タイミングまでに両画像が合成されるので出力結果は同じである。よって、テクスチャデータ化する画像とフレームバッファに出力する画像とを入れ替えても問題ない。
【0152】
すなわち図14の変形例1で示すように、第1画像V1をクロスフェード期間が開始した後も通常処理どおりフレームバッファに出力し、代わりに新たに生成が開始した第2画像V2を画像記憶部に出力し、テクスチャデータ化してもよい。この場合、第1画像V1が格納されたフレームバッファのピクセルデータを読み出して、テクスチャデータ化された第2画像V2のピクセルデータと合成し、再びフレームバッファに上書きするように処理される。クロスフェード期間が終了したとき、第1画像V1の生成を終了するのと同フレームで、第2画像V2の出力先をフレームバッファとすればよい。
【0153】
(2)また、第1画像V1と第2画像V2とでどちらをテクスチャデータ化してもフレームバッファに出力してもよいのであるから、両者の出力先を切り換えるタイミングはクロスフェードの開示時刻や終了時刻に合わせる必要はなく、クロスフェード期間の任意の時刻としてもよい。
【0154】
すなわち図14の変形例2で示すように、クロスフェード期間中の任意の時刻txで、それまでフレームバッファに出力していた第1画像V1を画像記憶部に出力しテクスチャデータ化し、それまで画像記憶部307に出力してテクスチャデータ化していた第2画像V2をフレームバッファに出力するようにしてもよい。
【0155】
(3)また、上記実施形態では、第1画像V1も第2画像V2とも、モデリング変換、座標変換、透視投影変換、色展開を経る、レンダリング処理により、両画像とも画像更新タイミング毎に更新される動画像として出力していたが、装置の演算処理能力によっては、2つの動画像を一つの画像更新タイミング(例えばフレーム期間)毎に生成することができない場合が存在する。このような装置で2つの動画像を生成しようとすれば、画像更新期間中に演算処理が間に合わない、いわゆる処理落ちの問題が生ずる。
【0156】
このような装置の場合、第1画像V1および第2画像V2のすくなくとも一方の画像のモデリング変換時に、モデリング変換の対象となるオブジェクトの動きを禁止することが好ましい。このように構成によれば、クロスフェード期間中に、オブジェクトの動きが無いという前提でモデリング変換されるので、演算処理量が大幅に低減されることとなり、クロスフェード期間中の処理落ちを防止することが可能である。また、クロスフェード期間中は短い期間であり、2つの画像が重なって見えるため、それらの画像の少なくとも一方の動きが止まっていても目立たない場合も少なくない。
【0157】
(4)また、上記実施形態では、遊技機に本発明を適用したが、これに限定されず、この画像処理装置・方法に関するプログラムを実行する可能なコンピュータを備える装置一般に適用することが可能である。例えば、ゲーム装置やシミュレーション装置などに本発明を適用可能である。
【実施例1】
【0158】
図11〜図13に、本実施形態を適用して作成した第1画像、第2画像、およびクロスフェード期間中の合成画像の実施例を示す。この実施例は、「塔」の下から上へと視点が移動していき、「塔」の内側に立つメインキャラクタが浮かび上がってくるという演出である。よって「塔」の画像が第1画像V1であり、メインキャラクタの画像が第2画像V2となる。
【0159】
図11は切り換え前の第1画像V1に関し、表示画面600には塔オブジェクト602が画像化されている。図13は切り換え後の第2画像V2に関し、表示画面600にはメインキャラクタオブジェクト604が画像化されている。図12は、第1画像V1と第2画像V2とが所定の色濃度混合比で合成されている状態の画像であり、両画像が重なっているクロスフェード処理の中途段階の画像となっている。
【0160】
この実施例のように、図11に示す「塔」の第1画像と図13に示すメインキャラクタの第2画像とは直接の関連性がない。このような両画像を第1画像から第2画像へ、通常処理により瞬時に切り換えると、両シーンの関連性が見いだせないため観察者は混乱する。このような場合にクロスフェード効果で両画像を切り換えると、シーンの関連性・連続性を認識させることが可能となる。
【0161】
また図11に示す「塔」の頭部にまで視点が第2画像の視点まで移動することで「塔」の中からメインキャラクタが現れるようにすれば画像の切り換えなくして関連性を表現可能である。しかし、視点の移動距離が長くすると演出時間が長くなったり、煩雑な表現になったりするため、やはりクロスフェード効果を経て2つの画像を切り換える方が好ましい。
【0162】
以上の実施例に示すように、本実施形態によれば、第1画像で視点が移動する様子を動画像として表現しながら、第2画像の視点となる位置までの移動時間を省き、視点の移動速度を一定に維持しながら、シーンの切換が可能となり、画像演出上好ましい。この実施例の場合、第2画像のメインキャラクタの動きを静止させておいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシンの正面図
【図2】本発明の実施形態に係るスロットマシンのシステム構成を示すブロック図
【図3】メイン制御基板の機能的な構成を示す機能ブロック図
【図4】サブ制御基板の機能的な構成を示す機能ブロック図
【図5】メイン制御基板のメイン制御処理を示すフローチャート
【図6】サブ制御基板の画像生成処理を示すフローチャート
【図7A】第1画像V1の視体積とオブジェクト配置との関係を示す斜視図
【図7B】第1画像V1のみの画像表示例
【図8A】第2画像V2の視体積とオブジェクト配置との関係を示す斜視図
【図8B】第2画像V2のみの画像表示例
【図9】実施形態1の一次線形的なクロスフェードの合成色濃度割合の特性図
【図10】クロスフェード期間における複数時刻における画像表示例
【図11】第1画像の実施例
【図12】クロスフェード期間中の第1画像および第2画像の混合表示の実施例
【図13】第2画像の実施例
【図14】実施形態2の多次線形的なクロスフェードの合成色濃度割合の特性図
【符号の説明】
【0164】
10 スロットマシン
21 表示窓
31 リール
31L 左リール
31C 中リール
31R 右リール
40 演出表示装置
50 メイン制御基板
51 メインCPU
52、62 ROM
53、63 RAM
54、69 I/F回路
60 サブ制御基板
60a 演出制御基板
60b 画像音響生成基板
101 制御部
102 抽選テーブル
103 役抽選部
105 フラグ情報記憶部
106 リール制御部
107 入賞判定部
108 遊技状態制御部
200 演出制御部
201 第1画像生成部
202 第2画像生成部
301 オブジェクトデータ記憶部
302 モデリング部
303 座標変換部
304 透視投影変換部
305 テクスチャデータ記憶部
306 色展開部
307 画像記憶部
308 フレームバッファ
309 合成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影変換した画像を画像更新タイミング毎に生成する画像生成装置であって、
切り換え元の第1画像と切り換え先の第2画像とを切り換える際に、該第1画像および該第2画像のうち一方の画像をテクスチャとして記憶し、
該第1画像および該第2画像のうち他方の画像と該テクスチャとを、一方の画像に対する他方の画像の割合を変更しながらピクセル毎に合成することを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
仮想三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影変換した画像を画像更新タイミング毎に生成する画像生成装置であって、
切り換え元となる第1画像を生成する第1画像生成部と、
切り換え先となる第2画像を生成する第2画像生成部と、
該第1画像および該第2画像のうち一方の画像を記憶する画像記憶部と、
該第1画像および該第2画像のうち他方の画像と該記憶された画像とを、一方の画像に対する他方の画像の割合を変更しながらピクセル毎に合成演算する合成部と、
を備えたことを特徴とする画像生成装置。
【請求項3】
前記一方の画像に対する他方の画像の割合は、該第1画像の該第2画像に対する割合が経時的に減少していくように変更される、請求項1または2に記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記一方の画像に対する前記他方の画像の割合は、所定の変化特性に従って変更される、請求項1または2に記載の画像生成装置。
【請求項5】
前記第1画像および前記第2画像のすくなくとも一方の画像のモデリング変換時に、モデリング変換の対象となるオブジェクトの動きを禁止する、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像生成装置。
【請求項6】
コンピュータを、仮想三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影変換した画像を画像更新タイミング毎に生成する画像生成装置として動作させる画像生成プログラムであって、
該コンピュータに、
切り換え元となる第1画像を生成する機能と、
切り換え先となる第2画像を生成する機能と、
該第1画像および該第2画像のうち一方の画像を記憶させる機能と、
該第1画像および該第2画像のうち他方の画像と該記憶された画像とをピクセル毎に合成演算する機能と、
該一方の画像に対する該他方の画像の合成の割合を経時的に変更する機能と、
を実行させるための画像生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−242664(P2008−242664A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−80217(P2007−80217)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】