説明

磁気抵抗効果素子およびその製造方法ならびに磁気メモリ

【課題】高いMR比を有する磁気抵抗効果素子およびその製造方法ならびに磁気メモリを提供することを可能にする。
【解決手段】第1磁性層14と、第1磁性層上に設けられたトンネルバリア層16と、トンネルバリア層上に設けられCoFeを含む第2磁性層18aと、第2磁性層上に設けられ、B、Ta、Zr、Al、Ceのうちの少なくとも1つの元素および窒素を含む非磁性層19と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気抵抗効果素子およびその製造方法ならびに磁気メモリに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CoFeB/MgO/CoFeB(以降で用いる/の記号は基板に対して上部の層/基板に対して下部の層であることを示す)のMTJ(Magnetic Tunnel Junction)膜を有する磁気抵抗効果素子は高い磁気抵抗効果比(MR比)を有するため、MRAM(Magnetic Random Access Memory)や磁気ヘッド、磁気センサの分野で応用が検討されている。CoFeB/MgO/CoFeBからなるMTJ膜で高いMR比を得るためには、このMTJ膜を500℃程度の温度で熱処理を行う必要があった。CoFeB/MgO/CoFeBからなるMTJ膜に対して500℃の熱処理を用いるのはアモルファス状態のCo40Fe4020をCoFeに結晶化させる結晶化温度が500℃であることに由来する(参考文献1、参考文献2)。例えば、アモルファス状態のCoFeBから結晶状態のCoFeBへの変態温度はBの濃度が濃くなると共に上昇し、B濃度が約20%で500℃に達する。
【0003】
一方、CoFeB/MgO/CoFeBからなるMTJ膜に対する500℃の熱処理は磁気抵抗効果素子を形成する他元素の拡散を誘発するため、MRAMで用いられるCoFeB/MgO/CoFeBからなるMTJ膜を500℃で熱処理を行なうことは不可能であった。例えば代表的なスピンバルブ膜ではCoFeB/MgO/CoFeB/Ru/CoFe/PtMn等の積層膜が用いられる。この積層膜に400℃以上の温度で熱処理を行うと、CoFeB/Ru/CoFeからなるシンセティック反強磁性結合膜中に含有される元素の相互拡散が生じることにより反強磁性結合が劣化してMR比が低下するとともに、PtMnからなる反強磁性膜中のMnがCoFeB/MgO/CoFeBからなるMTJ中に拡散し、スピン分極率の低下に伴うMR比の低下が生じる。さらにCoFeB/Ru/CoFeからなるシンセティック反強磁性結合膜において各元素の相互拡散により反強磁性結合が切れ、CoFeB層と、CoFe層との磁化の向きが平行となり、CoFeB層からの漏れ磁界によって記録層となるCoFeB層の磁化特性がシフトし誤書込みが生じる問題を有していた。
【0004】
また、従来技術においてはMTJに加えることが可能な温度は350℃程度の制限があり、高いMR比を得ることが困難であった。仮に350℃程度の低温でCoFeB/MgO/CoFeBからなるMTJ膜を完全に結晶化することが実現できれば、高いMR比を有する磁気抵抗効果素子を得ることが可能となるため、読出し出力の向上、およびスピン分極率の向上に伴う書込み電流の低減ができる。ところが、CoFeB/MgO/CoFeBからなるMTJ膜を低温で熱処理を行ってCoFeB層の結晶化を促し、高いMR比を実現した報告例及び具体的な方法はこれまで提案されてない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Appl. Phys. Lett. 89, 232510 (2006)
【非特許文献2】JOURNAL OF APPLIED PHYSICS 106, 023920 (2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、高いMR比を有する磁気抵抗効果素子およびその製造方法ならびに磁気メモリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様による磁気抵抗効果素子は、第1磁性層と、前記第1磁性層上に設けられたトンネルバリア層と、前記トンネルバリア層上に設けられCoFeを含む第2磁性層と、前記第2磁性層上に設けられ、B、Ta、Zr、Al、Ceのうちの少なくとも1つの元素および窒素を含む非磁性層と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の第2の態様による磁気抵抗効果素子は、膜面に垂直方向の磁気異方性を有する第1磁性層と、前記第1磁性層上に設けられたトンネルバリア層と、前記トンネルバリア層上に設けられCoFeを含む第2磁性層と、前記第2磁性層上に設けられ、B、Ta、Zr、Al、Ceのうちの少なくとも1つの元素および窒素を含む非磁性層と、前記非磁性層上に設けられ前記第2強磁性層と磁気結合し、かつ膜面に垂直方向の磁気異方性を有する第3磁性層と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第3の態様による磁気抵抗効果素子は、膜面に垂直方向の磁気異方性を有する第1磁性層と、前記第1磁性層上に設けられたトンネルバリア層と、前記トンネルバリア層上に設けられCoFeと、窒素と、B、Ta、Zr、Al、Ceのうちの少なくとも1つの元素とを含む第2磁性層と、前記第2磁性層上に設けられ前記第2強磁性層と磁気結合し、かつ膜面に垂直方向の磁気異方性を有する第3磁性層と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第4の態様による磁気抵抗効果素子の製造方法は、第1磁性層上にトンネルバリア層を形成する工程と、前記トンネルバリア層上に、CoFeと、B、Ta、Zr、Al、Ceのうちの少なくとも1つの元素とを含むアモルファス状態の第2磁性層を形成する工程と、窒素プラズマを用いて熱処理を行い、前記第2磁性層を結晶状態に変えるとともに、結晶状態の前記第2磁性層上に、窒素と、B、Ta、Zr、Al、Ceのうちの少なくとも1つの元素とを含む非磁性層を形成する工程と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第5の態様による磁気メモリは、第1の態様による磁気抵抗効果素子と、 前記磁気抵抗効果素子の前記第1磁性層に第1電極を介して電気的に接続された第1配線と、前記磁気抵抗効果素子の前記第2磁性層に第2電極を介して電気的に接続された第2配線と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高いMR比を有する磁気抵抗効果素子およびその製造方法ならびに磁気メモリを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】BおよびFeの窒素に対する標準生成自由エネルギーを示す図。
【図2】窒素プラズマ中に暴露した試料と、暴露しない試料のそれぞれのM−H曲線の測定結果を示す図。
【図3】図3(a)、3(b)は、CoFeBの窒素プラズマによる結晶化を説明する図。
【図4】図4(a)乃至4(c)は第1実施形態の磁気抵抗効果素子の製造工程を示す断面図。
【図5】図5(a)乃至5(c)は比較例の磁気抵抗効果素子の製造工程を示す断面図。
【図6】第1実施形態と比較例の、印加磁場に対する抵抗特性を示すグラフ。
【図7】図7(a)乃至7(c)は第1実施形態の第1変形例による磁気抵抗効果素子の製造工程を示す断面図。
【図8】図8(a)乃至8(c)は第1実施形態の第2変形例による磁気抵抗効果素子の製造工程を示す断面図。
【図9】図9(a)乃至9(c)は第2実施形態の磁気抵抗効果素子の製造工程を示す断面図。
【図10】図10(a)乃至10(c)は第2実施形態の変形例による磁気抵抗効果素子の製造工程を示す断面図。
【図11】図11(a)乃至11(c)は第3実施形態の磁気抵抗効果素子の製造工程を示す断面図。
【図12】第4実施形態による磁気メモリの回路図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を説明する前に本発明の概要について説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0015】
まず、本発明の各実施形態の磁気抵抗効果素子の製造に用いられる、CoFeB膜の窒素プラズマ熱処理による結晶化について説明する。
【0016】
BおよびFeの窒素に対する標準生成自由エネルギーを図1に示す。図1からわかるように、Feが窒化物になる反応において標準生成自由エネルギーは正になるため、Feの窒化物は形成し難い。しかし、Bの標準生成自由エネルギーは負になるためBの窒化物は容易に形成される。なお、図示しないがCoはFeよりも酸化されがたいため、Coも窒化物になる反応において標準生成自由エネルギーは正になると考えられる。例えば、CoFeBと窒素を反応させると、Bは窒化されるがCoとFeは窒化され難いといった具合に、選択的にBのみを窒化することが可能となる。ただし、窒素は不活性で安定な気体であるため、窒素雰囲気中にCoFeBを暴露してもCoFeB中のCoおよびFeはほとんど窒化されない。
【0017】
そこで、本発明者達は、窒素をプラズマ化した窒素プラズマ雰囲気中にCoFeBを暴露したところ、CoFeB中のBが選択的に窒素プラズマと反応しBN(窒化ボロン)が形成されることがわかった。
【0018】
更に、本発明者達は、CoFeBの成膜後、300℃の温度下で窒素プラズマ中に暴露した試料と、真空中で300℃の加熱を行った試料のそれぞれのM−H曲線の測定を行い、その測定結果を図2に示す。図2からわかるように、窒素プラズマ中で熱処理を行った試料の飽和磁化Msが真空中で熱処理を行った試料の飽和磁化Msに比べ増加していることがわかる。飽和磁化Msの増加は、アモルファス状態のCoFeBがCoFeへの結晶化を示し、窒素プラズマ下で熱処理を施すことでCoFeBの結晶化が促進されたことを意味する。なお、窒素プラズマ下においてもCoFeBの結晶化を促すには、Co、Fe、B各元素の移動が必要となるため300℃以上の加熱は必要である。
【0019】
CoFeBの窒素プラズマによる結晶化の模式図を図3(a)、3(b)に示す。図3(a)はCoFeBが窒化される前の状態で、図3(b)はCoFeBが窒化された後の状態を示している。成膜直後のCoFeBはアモルファス状態のため原子はランダムになっている。その後、窒素プラズマ下で熱処理を施すとBが選択的に窒化されCoFeBから抜け、CoFeBはCoFeとなる。CoFeBからBが抜けてBの濃度が低下するとCoFeBの結晶化温度が低下するため、MgO上に結晶化したCoFeが形成される。すなわち、低温下で熱処理を行うことにより、MgO上のCoFeBの結晶化を促進することが可能となり、高いMR比を実現できる。
【0020】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法を、図4(a)乃至図4(c)を参照して説明する。この第1実施形態の磁気抵抗効果素子は、磁気記録層および磁気参照層の磁化の向きは、膜面に略平行である。磁気記録層の磁化の向きは、下部電極と上部電極間に電流を流すことにより、可変であり、磁気参照層の磁化の向きは、固定されている。
【0021】
まず、図4(a)に示すように、下部電極12上に、磁気記録層14として膜厚が3nmのCoFeB層14と、トンネルバリア層16として膜厚が1nmのMgO層と、磁気参照層となる膜厚が2.5nmのアモルファス状態のCoFeB層18とを順次成膜する。その後、図4(b)に示すように、300℃で加熱を行い、さらに窒素プラズマ中に暴露する。これにより、アモルファス状態のCoFeB層18中のBが選択的に窒化されて、アモルファス状態のCoFeB層18からBが抜け、アモルファス状態のCoFeB層18は結晶状態のCoFe層18aとなる。なお、この結晶状態のCoFe層18aの上面付近の領域には、Nが含有されていてもよい。CoFeB層からBが抜けるとCoFeB層の結晶化温度が低下するため、MgO上に結晶化したCoFe層18aが形成される。このとき、CoFeB層18からの抜けたBと、窒素とが結合したBN層19がCoFe層18a上に形成される。このBN層19は、BとNとの化合物になっていると考えられるが、膜厚が数原子層であるため、単にBとNとを含む層19と考えてもよい。また、BN層19は非磁性層である。なお、このCoFe層14aにはB、Nを含んでいてもよい。
【0022】
続いて、図4(c)に示すように、BN層19上に、膜厚が0.9nmのRu層20aおよび膜厚が2.5nmのCo層20bの積層膜20と、例えば膜厚が10nmのIrMnからなる反強磁性層22と、上部電極24として膜厚が20nmのRu層とを順次成膜した。なお、CoFe層18aとCo層20bとはBN層19およびRu層20aを介して反強磁性結合を形成し、CoFe層18aと、BN層19と、積層膜20とはシンセティックな磁気参照層17として機能する。また、IrMn層22は、磁気参照層17の磁化を膜面に略平行な方向に固定する。このようにして、磁気抵抗効果素子を形成後、磁場中で300℃、1時間の熱処理を施すことにより、磁気抵抗効果素子を完成した。
【0023】
次に、本実施形態の比較例として、窒素プラズマ中で熱処理する代わりに真空中で熱処理した磁気抵抗効果素子を形成する。すなわち、この比較例の磁気抵抗効果素子の製造方法は、図5(a)乃至図5(c)に示すようになる。
【0024】
まず、図5(a)に示すように、下部電極12上に、磁気記録層14として膜厚が3nmのCoFeB層14と、トンネルバリア層16として膜厚が1nmのMgO層と、膜厚が2.5nmのアモルファス状態のCoFeB層18とを順次成膜する。その後、図5(b)に示すように、真空中で300℃の加熱を行う。続いて、図5(c)に示すように、CoFeB層18上に、膜厚が0.9nmのRu層20aおよび膜厚が2.5nmのCo層20bからなる積層膜20と、例えば膜厚が10nmのIrMnからなる反強磁性層22と、上部電極24として膜厚が20nmのRu層とを順次成膜した。CoFeB層18とCo層20bとがRu層20aを介して反強磁性結合を形成し、CoFeB層18と積層膜20とがシンセティックな磁気参照層17として機能する。このようにして、比較例の磁気抵抗効果素子を形成後、磁場中で300℃、1時間の熱処理を施すことにより、比較例の磁気抵抗効果素子を完成した。
【0025】
第1実施形態の磁気抵抗効果素子と、比較例の磁気抵抗効果素子の、それぞれの印加磁場に対する抵抗の測定結果を図6に示す。黒塗りの点が第1実施形態の測定結果であり、白抜きの点が比較例の測定結果を示している。図6からわかるように、第1実施形態の場合の方が、比較例に比べて抵抗変化が大きい。MR比で比較すると、第1実施形態の場合はMR比が91%(極小抵抗は30Ωμm)となり、比較例の場合はMR比が67%(極小抵抗は33Ωμm)となり、MR比の値も第1実施形態のMTJの方が大きい。
【0026】
以上の説明からわかるように、重要なことは、CoFeB/MgO/CoFeBからなるMTJ膜を形成後に、窒素プラズマで暴露することであり、他の膜構成は如何ようにでも替えて用いても良い。例えば、図7(a)乃至7(c)に示す第1実施形態の第1変形例のように、作成してもよい。
【0027】
この第1変形例の磁気抵抗効果素子の製造方法は、以下のようになる。まず。図7(a)に示すように、下部電極12上に、膜厚が15nmのPtMn層23と、磁気参照層として、膜厚が3nmのCoFe層20b、膜厚が0.9nmのRu層20a、および膜厚が2.5nmのCoFeB層18がこの順序で積層されたシンセティック反強磁性結合膜17と、トンネルバリア層16として膜厚が1nmのMgO層と、磁気記録層となる膜厚が2.5nmのCoFeB層14とを順次成膜する。
【0028】
その後、図7(b)に示すように、300℃で加熱を行い、さらに窒素プラズマ中に暴露する。このとき、図4(b)に示す第1実施形態の場合と同様に、CoFeB層14中のBが選択的に窒化されてCoFeBからBが抜け、CoFeB層14はCoFe層14aとなる。このとき、CoFeB層14から抜けたBと、窒素とが結合したBN層19がCoFe層14a上に形成される。なお、このCoFe層14aの上面付近の領域にはB、Nを含んでいてもよい。
【0029】
続いて、図7(c)に示すように、上部電極24の成膜を行い、磁気抵抗効果素子を形成する。その後、磁場中で300℃、1時間の熱処理を施すことにより、磁気抵抗効果素子を完成する。この第1変形例の磁気抵抗効果素子も、第1実施形態と同様に、MTJ膜を形成後に、窒素プラズマ中で暴露しているため、高いMR比を得ることができる。
【0030】
次に、第1実施形態の第2変形例について図8(a)乃至8(c)を参照して説明する。
【0031】
窒素プラズマ中に暴露するまでは、第1実施形態と同様にして形成する。すなわち、窒素プラズマ中の暴露が終了すると、図8(a)に示すように、CoFe層18a上には、BN層19が形成された状態となっている。このBN層19はMgOからなるトンネルバリア層16に直列に形成された抵抗となる。このため、図8(b)に示すように、Ar或いはKrガスを用いたプラズマエッチングでBN層19を除去するか、または膜厚を薄くすることも可能である。ただし、Ar或いはKrガスを用いたエッチング中にCoFe/MgO/CoFeBにダメージを与えない程度の弱いエネルギーでエッチングを行うことが必要である。BN層19が除去された、CoFe層18aの上面付近の領域には、Nが含まれていてもよい。
【0032】
このエッチングの終了後に、第1実施形態と同様に、図8(c)に示すように、CoFe層18a上に、膜厚が0.9nmのRu層20aおよび膜厚が2.5nmのCo層20bからなる積層膜20と、膜厚が10nmのIrMn層22と、上部電極24として膜厚が20nmのRu層とを順次成膜する。CoFe層18aとCo層20bとがRu層20aを介して反強磁性結合を形成し、CoFe層18aと積層膜20とが磁気参照層17を構成する。その後、磁場中で300℃、1時間の熱処理を施すことにより、第2変形例の磁気抵抗効果素子を完成する。
【0033】
この第2変形例も、第1実施形態と同様に、MTJ膜を形成後に、窒素プラズマ中で暴露しているため、高いMR比を得ることができる。なお、第1変形例においても、第2変形例と同様に、BN層20をAr或いはKrガスを用いたエッチングを用いて除去するか、あるいはBN層20の膜厚を薄くしてもよい。
【0034】
なお、窒素プラズマに暴露されるCoFeB層の代わりとして、CoFeTa、CoFeZr、CoFeAl、CoFeCe、CoFeBTa等の強磁性層を用いても良い。すなわち、B、Ta、Zr、Al、Ceのうちの少なくとも1つの元素が添加された強磁性層を用いてもよい。この場合、CoFeに対するB、Ta、Zr、Al、Ceの含有量は成膜時にアモルファス層が安定となる組成が好ましい。そして、この場合、窒素プラズマに暴露された後、結晶化されたCoFe層上には、BN層、TaN層、ZrN層、AlN層、CeN層、またはBTaN層がそれぞれ形成される。これらの窒化層は、第2変形例に示したように、Ar或いはKrガスを用いたエッチングを用いて削除してもよい。
【0035】
以上説明したように、第1実施形態およびその変形例によれば、低温下で熱処理を行っていることにより、MgO上のCoFeBの結晶化を促進することが可能となり、高いMR比を有する磁気抵抗効果素子を得ることができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法を、図9(a)乃至9(c)を参照して説明する。この第2実施形態の磁気抵抗効果素子は、磁気記録層および磁気参照層の磁化の向きは、膜面に略垂直となっており、磁気記録層の磁化の向きは、下部電極と上部電極間に電流を流すことにより、可変であり、磁気参照層の磁化の向きは、不変となっている。なお、ここで、磁化の向きが不変とは、スピン偏極された電子が注入された後(電流を流した後)における磁化の向きが、注入される前(電流を流す前)の磁化の向きと同じ向きとなっていることを意味する。また、第2実施形態の磁気抵抗効果素子は、トップピン構造、すなわち磁化の向きが不変となる磁気参照層が磁気記録層の上に形成された構造を有している。
【0037】
この第2実施形態の磁気抵抗効果素子は、図9(c)に示すように、下部電極32、下地層33、磁気記録層34、トンネルバリア層36、磁気参照層38、スペース層44、バイアス層46、および上部電極48が、この順序で積層された積層構造を有している。なお、バイアス層46とスペース層44は磁気記録層34と、下地層33との間に形成しても良い。この場合、バイアス層46と磁気記録層34との間にスペーサ層44が設けられる。また、下地層33と下部電極32との間にスペース層44と、バイアス層46とを設けてもよい。この場合、下地層33が磁性層である場合には、スペーサ層44は下地層33とバイアス層46との間に設けられ、下地層33が非磁性層である場合にはスペーサ層44を省略することができる。
【0038】
この第2実施形態の磁気抵抗効果素子は、以下のようにして形成される。図9(a)に示すように、下部電極32上に、下地層33としてIr/Ru/Taの積層膜、磁気記録層34としてCoFeB/CoPdの積層膜、トンネルバリア層36としてMgO層、アモルファス状態のCoFeB層39を、順次形成する。磁気記録層34の下地層33側のCoPd層は垂直磁化異方性を有し磁化の向きが膜面に略垂直となっている。磁気記録層34のCoFeB層の磁化の向きは、単層では膜面に略平行となるが、このCoFeB層は、CoPd層上に積層されることにより、全体として、磁化の向きは膜面に略垂直となる。
【0039】
CoFeB層39の形成後、図9(b)に示すように、窒素プラズマ中で熱処理を行う。この熱処理により、アモルファス状態のCoFeB層39中のBが抜けてCoFeB層39は結晶状態のCoFe層39aとなる。そして、このCoFe層39a上にBN層40が形成される。なお。CoFe層39aの上面付近の領域にはNが含まれていてもよい。
【0040】
次に、図9(c)に示すように、BN層40上に、〔Co/Pt〕が10周期積み重ねられた人工格子(強磁性層)42を成膜する。人工格子42としては、〔Co/Pt〕の代わりに〔Co/Pd〕が10周期積み重ねられた人工格子を用いても良い。この人工格子42はCoFe層39aと強磁性結合を形成し、全体として磁気参照層38を構成する。人工格子42上にスペース層44としてRu層を形成し、このRu層44上に磁場調整用のバイアス層46としてCoPd層を成膜する。その後、バイアス層46上に例えばRuからなる上部電極48を形成することにより、磁気抵抗効果素子を形成する。その後、300℃、1時間の熱処理を施すことにより、第2実施形態の磁気抵抗効果素子を完成する。なお、磁場調整用のバイアス層46は、磁気参照層38からの漏れ磁場を打ち消すために設けられ、これにより、磁気記録層の磁化特性がシフトするのを防止する。
【0041】
この第2実施形態も、CoFeB層39の形成後に、窒素プラズマ中で熱処理を行っているので、高いMR比を得ることができる。従来は、PdやPtが、MTJ膜の形成後の熱処理によってCoFeB層と、このCoFeB層直下に設けられたMgO層中に拡散してMR比を劣化させることが問題となっていた。しかし、第2実施形態においては、窒素プラズマ中における熱処理で形成されたB窒化物(BN)が人工格子〔Co/Pt〕中のPt、或いは人工格子〔Co/Pd〕中のPdがCoFe層39a、MgO層36へ拡散するのを防止することを可能にする。このため、第2実施形態においては、MR比が劣化するのを防止することができるとともに、MTJ膜の形成後、加えられる熱処理工程に対して高い耐熱性を得ることができる。
【0042】
なお、B窒化物(BN層40)は高抵抗層となる。このため、抵抗調整の目的や、CoFe層39aと人工格子42との間に形成される磁気的交換結合(強磁性結合)を強固にする目的のため、第1実施形態の第2変形例と同様に、除去するか、あるいはBN層40の膜厚を薄くしてもよい。このBN層40を除去する製造方法を第2実施形態の変形例として、図10(a)、10(b)、10(c)を参照して説明する。
【0043】
窒素プラズマ中に暴露するまでは、第2実施形態と同様にして形成する。すなわち、窒素プラズマ中の暴露が終了すると、図10(a)に示すように、CoFe層39a上には、BN層40が形成された状態となっている。続いて、図10(b)に示すように、Ar或いはKrガスを用いたプラズマエッチングでBN層40を除去する。ただし、Ar或いはKrガスを用いたエッチング中にCoFe層39a/MgO層36/磁気記録層34にダメージを与えない程度の弱いエネルギーでエッチングを行うことが必要である。なお、BN層40が除去された後の、CoFe層39aの上面付近の領域には、Nが含まれていてもよい。
【0044】
このエッチングの終了後に、第2実施形態で説明したと同様に、〔Co/Pt〕が10周期積み重ねられた人工格子42、スペース層44、バイアス層46、および上部電極48を、順次成膜することにより、変形例の磁気抵抗効果素子を形成する。その後、300℃、1時間の熱処理を施すことにより、第2実施形態の変形例の磁気抵抗効果素子を完成する。
【0045】
この変形例も、第2実施形態と同様に、MTJ膜を形成後に、窒素プラズマ中で熱処理を行っているため、高いMR比を得ることができる。
【0046】
以上説明したように、第2実施形態およびその変形例によれば、低温下で熱処理を行っていることにより、MgO上のCoFeBの結晶化を促進することが可能となり、高いMR比を有する磁気抵抗効果素子を得ることができる。
【0047】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法を、図11(a)乃至11(c)を参照して説明する。この第3実施形態の磁気抵抗効果素子は、磁気記録層および磁気参照層の磁化の向きは、膜面に略垂直となっており、磁気記録層の磁化の向きは、下部電極と上部電極間に電流を流すことにより、可変であり、磁気参照層の磁化の向きは、不変となっている。また、第2実施形態の磁気抵抗効果素子は、ボトムピン構造、すなわち磁化の向きが不変となる磁気参照層が磁気記録層の下に形成された構造を有している。
【0048】
この第3実施形態の磁気抵抗効果素子は、図11(c)に示すように、下部電極32、下地層33、磁気参照層38、トンネルバリア層36、磁気記録層34、スペース層45、バイアス層47、および上部電極48が、この順序で積層された積層構造を有している。なお、バイアス層47とスペース層45は磁気参照層38と下地層33との間に形成しても良い。この場合、バイアス層47と磁気参照層38との間にスペーサ層45が設けられる。また、下地層33と下部電極32との間にスペース層45と、バイアス層47とを設けてもよい。この場合、下地層33が磁性層である場合には、スペーサ層45は下地層33とバイアス層47との間に設けられ、下地層33が非磁性層である場合にはスペーサ層45を省略することができる。
【0049】
この第3実施形態の磁気抵抗効果素子は、以下のようにして形成される。図11(a)に示すように、下部電極32上に、下地層33としてPt/TiN/MgO/CoFeB/Taの積層膜、磁気参照層38としてCoFeB/FePtの積層膜、トンネルバリア層36としてMgO層、アモルファス状態のCoFeB層35を、順次形成する。磁気参照層38の下地層33側のFePt層は垂直磁化異方性を有し磁化の向きが膜面に略垂直となっている。磁気参照層38のCoFeB層の磁化の向きは、単層では膜面に略平行となるが、このCoFeB層は、FePt層上に積層されることにより、全体として、磁化の向きは膜面に略垂直となる。
【0050】
CoFeB層35の形成後、図11(b)に示すように、窒素プラズマ中で熱処理を行う。この熱処理により、アモルファス状態のCoFeB層35中のBが抜けてCoFeB層35は結晶状態のCoFe層35aとなる。そして、このCoFe層35a上にBN層40が形成される。なお、CoFe層35aの上面付近の領域には、Nが含まれていてもよい。
【0051】
次に、図11(c)に示すように、BN層40上に、〔Co/Pd〕が2周期積み重ねられた人工格子37を成膜する。人工格子37としては、〔Co/Pd〕の代わりに〔Co/Pt〕が2周期積み重ねられた人工格子を用いても良い。この人工格子37はCoFe層35aと強磁性結合を形成し、全体として磁気記録層34を構成する。人工格子37上にスペース層45としてTa層を形成し、このTa層45上に磁場調整用のバイアス層47として〔Co/Pd〕の人工格子を成膜する。なお、バイアス層47として〔Co/Pt〕の人工格子を用いることができる。その後、バイアス層47上に例えばRuからなる上部電極48を形成することにより、磁気抵抗効果素子を形成する。その後、300℃、1時間の熱処理を施すことにより、第3実施形態の磁気抵抗効果素子を完成する。
【0052】
この第3実施形態も、CoFeB層35の形成後に、窒素プラズマ中で熱処理を行っているので、高いMR比を得ることができる。更に、第3実施形態においては、窒素プラズマ中における熱処理で形成されたB窒化物(BN)が人工格子〔Co/Pd〕37中のPd、或いは人工格子〔Co/Pt〕37中のPtがCoFe層35a、MgO層36へ拡散するのを防止することを可能にする。このため、第3実施形態においては、MR比が劣化するのを防止することができるとともに、MTJ膜の形成後、加えられる熱処理工程に対して高い耐熱性を得ることができる。
【0053】
なお、B窒化物(BN層40)は高抵抗層となる。このため、抵抗調整の目的や、CoFe層35aと人工格子37との間に形成される磁気的交換結合(強磁性結合)を強固にする目的のため、第2実施形態と同様に、Ar或いはKrを用いたイオンでエッチングすることで除去するか、またはBN層40の膜厚を薄くしても良い。ただし、Ar或いはKrガスを用いたエッチング中にCoFe層35a/MgO層36/磁気参照層38にダメージを与えない程度の弱いエネルギーでエッチングを行うことが必要である。なお、BN層40が除去された後の、CoFe層35aの上面付近の領域には、Nが含まれていてもよい。
【0054】
この第3実施形態も第2実施形態と同様に、MTJ膜を形成後に、窒素プラズマ中で熱処理を行っているため、すなわち低温下で熱処理を行っていることにより、MgO上のCoFeBの結晶化を促進することが可能となり、高いMR比を得ることができる。
【0055】
次に、上記第1乃至第3実施形態において用いられる窒素中プラズマ熱処理条件について説明する。
【0056】
窒素プラズマ中での熱処理を行う際には、Feの窒化、及びCoの窒化を防止するため、RTA(Rapid Thermal Annealing)を用いて、なるべく高温で短時間の熱処理を行なうことが望ましい。例えば400℃の熱処理温度で数十秒程度の熱処理を行なうことで、300℃で1時間程度の窒素中熱処理を行なうよりも、効果的にBのみを窒素化することが可能となる。
【0057】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態による磁気メモリ(MRAM)について図12を参照して説明する。
【0058】
本実施形態のMRAMの回路図を図12に示す。本実施形態のMRAMは、第1乃至第3実施形態のいずれかによる磁気抵抗効果素子1をメモリセルの記憶素子として用いている。このMRAMは、マトリクス状に配列された複数のメモリセルMCを有するメモリセルアレイ100を備えている。メモリセルアレイ100には、それぞれが列(カラム)方向に延在するように、複数のビット線対BL、/BLが配設されている。また、メモリセルアレイ100には、それぞれが行(ロウ)方向に延在するように、複数のワード線WLが配設されている。
【0059】
ビット線BLとワード線WLとの交差部分には、メモリセルMCが配置されている。各メモリセルMCは、磁気抵抗効果素子1、及びnチャネルMOSトランジスタからなる選択トランジスタ101を備えている。磁気抵抗効果素子1の一端は、ビット線BLに接続されている。磁気抵抗効果素子1の他端は、選択トランジスタ101のドレイン端子に接続されている。選択トランジスタ101のゲート端子は、ワード線WLに接続されている。選択トランジスタ101のソース端子は、ビット線/BLに接続されている。
【0060】
ワード線WLには、ロウデコーダ110が接続されている。ビット線対BL、/BLには、書き込み回路124及び読み出し回路125が接続されている。書き込み回路124及び読み出し回路125には、カラムデコーダ120が接続されている。各メモリセルMCは、ロウデコーダ110及びカラムデコーダ120により選択される。
【0061】
メモリセルMCへのデータの書き込みは、以下のように行われる。先ず、データ書き込みを行うメモリセルMCを選択するために、このメモリセルMCに接続されたワード線WLが活性化される。これにより、選択トランジスタ101がオン状態となる。ここで、磁気抵抗効果素子1には、書き込みデータに応じて、双方向の書き込み電流Iwが供給される。具体的には、磁気抵抗効果素子1に、図12において左から右へ書き込み電流Iwを供給する場合、書き込み回路124は、ビット線BLに正の電圧を印加し、ビット線/BLに接地電圧を印加する。また、磁気抵抗効果素子1に、図12において右から左へ書き込み電流Iwを供給する場合、書き込み回路124は、ビット線/BLに正の電圧を印加し、ビット線BLに接地電圧を印加する。このようにして、メモリセルMCにデータ“0”、或いはデータ“1”を書き込むことができる。
【0062】
次に、メモリセルMCからのデータ読み出しは、以下のように行われる。まず、データ読み出しを行うメモリセルMCを選択するために、このメモリセルMCに接続されたワード線WLが活性化される。これにより、選択されたメモリセルMCの選択トランジスタ101がオン状態となる。読み出し回路125は、磁気抵抗効果素子1に、例えば図12において右から左へ流れる読み出し電流Irを供給する。そして、読み出し回路125は、この読み出し電流Irに基づいて、磁気抵抗効果素子1の抵抗値を検出する。このようにして、磁気抵抗効果素子1に記憶されたデータを読み出すことができる。
【0063】
本実施形態によれば、第1乃至第3実施形態のいずれかによる磁気抵抗効果素子1を用いてMRAMを構成することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 磁気抵抗効果素子
12 下部電極
14 磁気記録層
16 トンネルバリア層
17 磁気参照層
18 CoFeB層
18a CoFe層
19 BN層
20 積層膜
20a Ru層
20b Co層
22 反強磁性層
24 上部電極
32 下部電極
33 下地層
34 磁気記録層
35 CoFeB層
35a CoFe層
36 トンネルバリア層
38 磁気参照層
37 積層膜
39 CoFeB層
39a CoFe層
40 BN層
42 積層膜
44 スペーサ層
45 スペーサ層
46 バイアス層
47 バイアス層
48 上部電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1磁性層と、前記第1磁性層上に設けられたトンネルバリア層と、前記トンネルバリア層上に設けられCoFeを含む第2磁性層と、前記第2磁性層上に設けられ、B、Ta、Zr、Al、Ceのうちの少なくとも1つの元素および窒素を含む非磁性層と、を備えていることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
【請求項2】
膜面に垂直方向の磁気異方性を有する第1磁性層と、前記第1磁性層上に設けられたトンネルバリア層と、前記トンネルバリア層上に設けられCoFeを含む第2磁性層と、前記第2磁性層上に設けられ、B、Ta、Zr、Al、Ceのうちの少なくとも1つの元素および窒素を含む非磁性層と、前記非磁性層上に設けられ前記第2強磁性層と磁気結合し、かつ膜面に垂直方向の磁気異方性を有する第3磁性層と、を備えていることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
【請求項3】
膜面に垂直方向の磁気異方性を有する第1磁性層と、前記第1磁性層上に設けられたトンネルバリア層と、前記トンネルバリア層上に設けられCoFeと、窒素と、B、Ta、Zr、Al、Ceのうちの少なくとも1つの元素とを含む第2磁性層と、前記第2磁性層上に設けられ前記第2強磁性層と磁気結合し、かつ膜面に垂直方向の磁気異方性を有する第3磁性層と、を備えていることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
【請求項4】
第1磁性層上にトンネルバリア層を形成する工程と、
前記トンネルバリア層上に、CoFeと、B、Ta、Zr、Al、Ceのうちの少なくとも1つの元素とを含むアモルファス状態の第2磁性層を形成する工程と、
窒素プラズマを用いて熱処理を行い、前記第2磁性層を結晶状態に変えるとともに、結晶状態の前記第2磁性層上に、窒素と、B、Ta、Zr、Al、Ceのうちの少なくとも1つの元素とを含む非磁性層を形成する工程と、
を備えていることを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
【請求項5】
前記非磁性層上に、前記第2磁性層と磁気結合する第3磁性層を形成する工程を、さらに備えていることを特徴とする請求項4記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
【請求項6】
前記非磁性層を、アルゴンあるいはクリプトンガスを用いたプラズマエッチングにより除去する工程と、
その後、前記第2磁性層上に、前記第2磁性層と磁気結合する第3磁性層を形成する工程と、をさらに備えていることを特徴とする請求項4記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子と、
前記磁気抵抗効果素子の前記第1磁性層に第1電極を介して電気的に接続された第1配線と、
前記磁気抵抗効果素子の前記第2磁性層に第2電極を介して電気的に接続された第2配線と、
を備えていることを特徴とする磁気メモリ。
【請求項8】
前記第1電極と前記第1配線との間かまたは前記第2電極と前記第2配線との間に設けられた選択トランジスタをさらに備えていることを特徴とする請求項7記載の磁気メモリ。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−198809(P2011−198809A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60903(P2010−60903)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「スピントロニクス不揮発性機能技術プロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】