説明

移動体管理システム及び移動体管理方法

【課題】サーバを必要とせずに、GPS端末のログを管理する。
【解決手段】GPS(Global Positioning System)端末1と携帯端末3が、一般的な通信回線100,101,102を介して通信し、GPS端末1が、発生したイベントに応じたメッセージを含む電子メールを、予め設定された電子メールアドレスに対して送信する。そして、前記電子メールアドレスに応じた携帯端末3が、前記メッセージを含む電子メールを受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPSを使った移動体管理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、GPS(Global Positioning System)を使ったサーバクライアント方式の移動体管理システムは、広く知られている。
【0003】
このGPSを使ったサーバクライアント方式の移動体管理システムの一例を図2に基づいて説明する。
【0004】
図2における移動体管理システムでは、GPS端末(例えば、小型の車載型GPS端末)1を複数台有するものとする。なお、GPS端末1が図2における移動体管理システムのクライアントと考えて良い。
【0005】
GPS端末1の構成の一例を図3に基づいて説明する。なお、図3は、GPS端末1の構成概略図である。GPS端末1は、不揮発性記憶部(例えば、FLASH−ROM(FLASH Read Only Memory))1a,揮発性記憶部(例えば、RAM)1b,演算を行い各部を制御する制御部(例えば、CPU(Central Processing Unit),OS(Operating System)など)1c,GPSから位置情報を受信するGPSモジュール1d,拡張インタフェース部(例えば、CF(Compact Flash)スロット)1eを備える。なお、OSは、不揮発性記憶部に記憶されていても良い。
【0006】
そのGPS端末1は、GPSから得られる位置情報などを制御部1cが処理し、さらに、付加情報を加えた後、拡張インタフェース部1eに接続可能なインタフェースを有する通信装置(例えば、CF型通信カード)1fを使って、移動体通信網100経由でサーバ2へ前記位置情報等を送信する。
【0007】
次に、サーバ2は、移動体通信網100,ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)や光回線などのインターネットまたは専用線などの通信回線102などを介して、GPS端末1から位置情報等を受信(取得)する。なお、移動体通信網100と通信回線102間は、通信回線業者が提供する接続サービス101を使用するものとする。
【0008】
そして、サーバ2は、受信した位置情報等を使って、地図情報上に現在位置表示およびデータベースへの保存等の処理を行う。
【0009】
さらに、上述のサーバクライアント方式の移動体管理システムを詳細に説明する。
【0010】
上述のGPSモジュール1dは、GPS衛星からのデータを、GPSモジュール本体に接続された外部GPSアンテナで受信し、受信したデータに基づいて自身(GPS端末)の現在位置等を計算し、GPS端末1の制御部1cへ測位状態の位置情報(以下、測位情報と呼ぶ)を特定の測位時間間隔(例えば、1秒間隔)で出力している。
【0011】
但し、GPSモジュール1dが自身の現在位置を計算で求めるためには、最低3個のGPS衛星を必要とし、3個以上のGPS衛星を捕捉できない場合は、その現在位置を計算できない理由を示す未測位時の位置情報(以下、未測位情報と呼ぶ)を特定の未測位時間間隔(例えば、5秒間隔)で出力している。なお、3個のGPS衛星を補足できても、GPS衛星の配置によっては、現在位置を計算できない場合もある。
【0012】
GPS端末1に拡張インタフェース部(例えば、CFスロット)1eに認識可能な通信装置(例えば、CF型通信カード)1fが接続されている場合は、予め不揮発性記憶部(例えば、FLASH−ROM)1aに保存してある接続情報に従い、移動体通信網100,通信回線102,接続サービス101を利用して、サーバ2(例えば、遠隔地に設置されたサーバ2)に接続し、位置情報の送信を行う。
【0013】
このGPS端末1とサーバ2間の接続手順は、GPS端末1からサーバ2へ接続要求を行い、GPS端末1の接続要求が接続条件を満たしている場合にのみ、サーバ2がGPS端末1へ接続許可と初期設定に必要な情報を送信する。この接続許可と初期設定情報を受信して初めて、GPS端末1は、サーバ2に対して、位置情報の送信を開始する。
【0014】
位置情報を受信したサーバ2は、後でログ表示として地図情報上に軌跡表示できるようにするために、受信した位置情報を管理する。例えば、サーバ2は、予めインストールされたデータベース管理ソフトウェアを使ってデータベースに受信した位置情報を保存する。さらに、サーバ2は、その位置情報に基づいた現在位置を、予め保有していた地図情報にリアルタイムで表示(以下、リアルタイム表示と呼ぶ)する。
【0015】
サーバ2にインストールされたアプリケーションプログラムは、位置情報の受信,配信,保存を行うアプリケーションプログラム(以下、DB(Database)管理サーバと呼ぶ)と、そのDB管理サーバから位置情報を取得し、地図情報上にリアルタイム表示またはログ表示するアプリケーションプログラム(以下、地図表示クライアントと呼ぶ)から構成されている。また、地図表示クライアントは、DB管理サーバと同一のPC(Personal Computer)上で動作させる方法とネットワーク経由で接続して動作させる方法の2通りの使用方法が適用可能(もちろん、併用も可能)となっている。
【0016】
また、上述の移動体管理システムとは異なり、サーバクライアント方式でない移動体管理システムも存在し、例えば、GPSから供給された位置情報と電子地図における座標範囲の位置関係に応じて、警告メッセージを特定のアドレス情報に基づいて送信する携帯情報端末(例えば、特許文献1参照)も知られている。
【特許文献1】特開2007−140830号公報(段落[0010]〜[0023]等)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上述のようにGPS端末の位置情報を遠隔地に設置されたサーバを使ってリアルタイム表示やログ表示させるためには、たとえGPS端末が1台であっても、GPS端末と通信を行うためのサーバ(例えば、パーソナルコンピュータ)を必要とし、さらに、DB管理サーバ,地図表示クライアント,地図情報を該サーバ内へインストールする作業と環境設定作業を必要とする。そのため、上述のような移動体管理システムを構築する際は、多くの設備と作業の費用を必要とした。
【0018】
また、利用者の望む情報がGPS端末の起動時刻や現地の到着時刻などの限られた情報だけであったとしても、上述のようなサーバを必要とする。
【0019】
加えて、使用するサーバは、GPS端末の起動状態に関係なく、常にGPS端末と接続可能な状態にしておく必要がある。そのため、サーバの稼動費用も増大することになる。
【0020】
本発明は、前記課題に基づいてなされたものであり、上述のサーバやプログラムなどを必要とせずに、GPS端末のログを管理する移動体管理システム及び移動体管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記課題の解決を図るために、請求項1記載の発明は、1つ以上のGPS端末と1つ以上の携帯端末が通信回線を介して通信し、該GPS端末を管理する移動体管理システムであって、前記GPS端末のうち少なくとも一つは、そのGPS端末内で発生するイベントに応じたメッセージを含む電子メールを、予め設定された電子メールアドレスに対して送信するメッセージ送信手段を備え、前記電子メールアドレスに応じた携帯端末は、前記メッセージを含む電子メールを受信する手段を備えた、ことを特徴とする。
【0022】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記携帯端末が、前記GPS端末内の特定のイベントに応じたメッセージを含む電子メールを受信し、内容が空の電子メールである空メールを返信し、緯度経度を含む電子メールを受信し、その緯度経度を前記通信回線上に存在する地図表示サービスサーバに送信し、その緯度経度に基づく地図情報を取得し、前記GPS端末が、空メールを受信し、その空メールの送信元電子メールアドレスを確認し、その空メールの送信元電子メールアドレスと同じものが、予め設定された電子メールアドレスに存在する場合、予め取得した測位情報から緯度経度を取り出し、その緯度経度を含む電子メールを、その空メールの送信元電子メールアドレスに対して送信する、ことを特徴とする。
【0023】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記GPS端末が、特定地点の緯度経度を含む領域であるゾーンに、そのGPS端末自身が入ったか否かを定期的にチェックし、そのGPS端末自身がゾーンに入った場合、ゾーンに関するイベントが発生したものと見做し、前記メッセージ送信手段におけるイベントが、ゾーンに関するイベントであった場合、該ゾーンに関するイベントに応じたメッセージを電子メールに含ませる、ことを特徴とする。
【0024】
請求項4記載の発明はGPS端末と携帯端末が通信回線を介して通信し、該GPS端末を管理する移動体管理方法であって、前記GPS端末が、そのGPS端末内で発生したイベントに応じたメッセージを含む電子メールを、予め設定された電子メールアドレスに対して送信するメッセージ送信ステップと、前記電子メールアドレスに応じた携帯端末が、前記メッセージを含む電子メールを受信するステップと、を有することを特徴とする。
【0025】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記GPS端末内の特定のイベントに応じたメッセージを含む電子メールを受信した携帯端末が、内容が空の電子メールである空メールを返信するステップと、前記空メールを受信したGPS端末が、その空メールの送信元電子メールアドレスを確認し、その空メールの送信元電子メールアドレスと同じものが、予め設定された電子メールアドレスに存在する場合、予め取得した測位情報から緯度経度を取り出し、その緯度経度を含む電子メールを、その空メールの送信元電子メールアドレスに対して送信するステップと、前記緯度経度を含む電子メールを受信した携帯端末が、その緯度経度を前記通信回線上に存在する地図表示サービスサーバに送信し、その緯度経度に基づく地図情報を取得するステップと、を有することを特徴とする。
【0026】
請求項6記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記GPS端末が、特定地点の緯度経度を含む領域であるゾーンに、そのGPS端末自身が入ったか否かを定期的にチェックするステップと、前記GPS端末が、そのGPS端末自身がゾーンに入った場合、ゾーンに関するイベントが発生したものと見做すステップと、前記メッセージ送信ステップにおけるイベントが、ゾーンに関するイベントであった場合、前記GPS端末が、該ゾーンに関するイベントに応じたメッセージを電子メールに含ませるステップと、を有することを特徴とする。
【0027】
前記請求項1,4記載の発明によれば、GPS端末で発生したイベントを含む電子メールをログとして携帯端末で閲覧できる。
【0028】
前記請求項2,5記載の発明によれば、GPS端末の位置する緯度経度に応じた地図情報を取得できる。
【0029】
前記請求項3,6記載の発明によれば、GPS端末で発生したゾーンに関するイベントを含む電子メールをログとして携帯端末で閲覧できる。
【発明の効果】
【0030】
以上示したように請求項1,4の発明によれば、GPS端末と携帯端末と既存ネットワークサービス(電子メールサービス)で、該GPS端末で発生したイベントを監視できる。そのため、システム構築及び稼動費用を抑えることができる。
【0031】
請求項2,5の発明によれば、GPS端末の位置する緯度経度に応じた地図情報を視認できる。
【0032】
請求項3,6の発明によれば、GPS端末と携帯端末だけで、該GPS端末で発生したゾーンに関するイベントを監視できる。
【0033】
これらを以って移動体管理技術の分野に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本実施形態は、GPSを使って位置情報を取得し、電子メールを使って位置情報をリアルタイムに表示させ、さらに、位置情報の記録を示すログを提示する移動体管理システムである。なお、本実施形態における電子メールは、例えば、RFC(Request for Comments)等の規格に準拠する電子メールと考えて良い。
【0035】
以下、本発明の実施形態における移動体管理システムを図面等に基づいて詳細に説明する。
【0036】
まず、本実施形態における移動体管理システムで使用する地図情報上の特定地点を含む領域(以下、ゾーンという)の一例を図4に基づいて説明する。
【0037】
図4中のように、地図情報上の目的地点Pの緯度経度(即ち、地図情報上の座標)と、GPSの精度を考慮した距離LBを設定する。この時に設定されるゾーンは、目的地点Pを中心とし、その目的地点Pから東西南北方向に伸ばした線分(距離LB)に対して垂直な辺を有する正方形領域Qとなる。即ち、ゾーン情報は、特定地点の緯度経度と距離を有する情報である。
【0038】
ただし、ゾーンの形状及びその形状を示すゾーン情報は、上述の正方形及び特定地点の緯度経度と距離でなくてもよく、例えば、円及び特定地点の緯度経度と距離(円の半径)であっても良い。即ち、ゾーンは、特定地点を含む領域であればよい。
【0039】
本実施形態における移動体管理システムの構成を図1に基づいて説明する。
【0040】
図1中の移動体管理システムは、GPS端末1,携帯電話3,地図表示サービスサーバ4を有し、移動体通信網100,接続サービス101,通信回線102を使って、通信を行う。なお、サーバ2は、GPS端末1からアクセスされるが、本実施形態の移動体管理システムには直接関係無く、動機付けを与える存在である。また、接続サービス101では、電子メールサービスも提供しているものとする。
【0041】
GPS端末1は、図3と同じ構成の他に、電子メールの送受信機能(例えば、制御部1cが実行する電子メールの送受信プログラム)を有する。以下の説明で、図3と同じ符号のものの説明は省略する。なお、本実施形態では、GPS端末1の通信機能は必須であるため、拡張インタフェース部1eには、通信装置1fが接続されているものとする。
【0042】
また、GPS端末1には、拡張インタフェース部1eの代わりに、通信装置1fを直結してあっても良い。GPS端末1は、GPS端末1内で発生したイベント(例えば、起動,終了)に応じて、不揮発性記憶部1aに格納されたメッセージを含ませた電子メールを送信する手段を備えていても良い。
【0043】
携帯電話3は、一般的な携帯電話であって、電子メール送受信機能、携帯電話サイトにアクセス可能なブラウザ機能を備える。本実施形態では、携帯電話3を携帯端末と考えても良い。
【0044】
図1中の地図表示サービスサーバ4は、緯度経度を受信し、その緯度経度に応じた地図情報を送信するサーバであって、例えば、携帯電話サイトにおける地図表示サービスを提供するサーバである。なお、携帯電話3には、地図表示サービスサーバ4へアクセスするための情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator))が予め設定されているものとする。
【0045】
次に、本実施形態の移動体管理システムにおける現在地の地図表示方法とログ表示方法を図1に基づいて説明する。
【0046】
まず、現在地の地図表示方法とログ表示方法の共通的な前処理を以下のように実行する。
【0047】
図1中のGPS端末1の不揮発性記憶部1a(例えば、制御部1cに内蔵された不揮発性記憶部1a)に、携帯電話3に対応する電子メールアドレス,特定地点(目的地点または通過地点)のゾーン情報,そのゾーン情報に応じたメッセージ(例えば、ゾーン通過に応じたメッセージ),GPS端末の起動に応じたメッセージ(以下、起動メッセージ)を設定しておく。なお、ゾーン情報とそのゾーン情報に応じたメッセージの組み合わせは、複数設定してあっても良い。メッセージは、電子メールに含ませられる形式のデータであれば何でも良く、例えば、テキストデータ,音声データなどであっても良い。
【0048】
上述の前処理後の現在地の地図表示方法を以下に説明する。
【0049】
まず、GPS端末1は、その起動を契機に(即ち、GPS端末1において、起動イベントが論理的に発生したものと見做し)、通信回線など(例えば、移動体通信網100,接続サービス101,通信回線102など)を使ってサーバ2にインストールされたDB管理サーバに接続要求を行うが、サーバから接続許可が得られない(M101)場合は、不揮発性記憶部1aに設定されている電子メールアドレスに対して起動メッセージを含む電子メール(以下、起動メールという)を送信する(M102)。
【0050】
次に、起動メールを受信した携帯電話3は、受信した起動メールの送信元電子メールアドレスに対して、内容が空の電子メール(以下、空メールという)を返信する。
【0051】
次に、空メールを受信したGPS端末1は、その空メールの送信元電子メールアドレスを確認し、その空メールの送信元電子メールアドレスと同じものが不揮発性記憶部1aに設定された電子メールアドレスに存在する場合、最新の測位情報から緯度経度を取り出し、その緯度経度を含む電子メールを、空メールの送信元電子メールアドレスに対して(即ち、送信元の携帯電話3に対して)送信する(M102)。
【0052】
そして、緯度経度を含む電子メールを受信した携帯電話3は、その緯度経度を地図表示サービスサーバ4に送信し、その緯度経度に基づく現在位置の地図情報(例えば、その地図情報を示す画像データ)を取得して携帯電話3の画面に表示させる(M103)。なお、携帯電話3は、例えば、HTTP(HyperText Transfer Protocol)で通信し、緯度経度の送信及び地図情報の受信を行っても良い。
【0053】
上述の現在地の地図表示方法では、起動イベントを契機にしているが、他のイベント(例えば、終了イベント)であっても良い。
【0054】
以上の現在地の地図表示方法によれば、携帯電話が空メールを返信すれば、その都度GPS端末から最新の緯度経度を取得できるため、知りたい時に現在の位置を地図で確認できる。
【0055】
上述の前処理後のログ表示方法を以下に説明する。なお、GPS端末1は、現在地の地図表示方法における起動メールを送信し、携帯電話3が該起動メールを受信済みとする。
【0056】
まず、GPS端末1は、予め設定されたゾーン情報で示されるゾーンに、自身が入ったか否かを定期的にチェックする。
【0057】
前記ゾーンにGPS端末1自身が入った(即ち、ゾーンに関するイベントが発生したものと見做す)場合、各ゾーンに応じたメッセージ(例えば、通過メッセージ,到着メッセージ等)を含む電子メールを、不揮発性記憶部1aに設定された電子メールアドレス(図1中では、携帯電話3の電子メールアドレス)ヘ送信する。
【0058】
そして、携帯電話3が、ゾーンに応じたメッセージを含む電子メールを受信し、そのメッセージを提示する。
【0059】
以上のログ表示方法では、ユーザが携帯電話のゾーンに応じたメッセージを含む電子メール自体をログと見做している。そのため、その電子メールのヘッダ情報(例えば、その電子メールの発信時刻などの時刻情報を含むヘッダ情報)を確認すれば、GPS端末の起動や通過目的地の到着の時刻を確認できる。また、現在地の地図表示方法と組み合わせれば軌跡管理としても利用できる。
【0060】
なお、本実施形態における方法の各手順(もしくは各処理)を手段(例えば、コンピュータプログラムにおける手段)として実装し、移動体管理システムを構成しても良い。
【0061】
以上のように、本実施形態によれば、ほとんどの人に所持され、24時間使用可能状態にある携帯電話(もしくは、その携帯電話に備えられたアプリケーションプログラムやインターネットサービス)を使用することによって、DB管理サーバ,地図表示クライアント,地図情報をインストールされたサーバを使用することなく、電子メールアドレスを設定するだけで、24時間のGPS端末の監視および最新の現在位置の地図表示できる。
【0062】
また、24時間使用可能状態にある(即ち、常に携帯され電源を入れた状態にある)携帯電話を使用することによって、起動,通過,到着などの情報が、DB管理サーバ,地図表示クライアント,地図情報を使用しなくても、簡易に軌跡管理を可能とする。
【0063】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本実施形態における移動体管理システムの構成図。
【図2】従来のGPSを使ったサーバクライアント方式の移動体管理システムの概要構成図。
【図3】GPS端末の構成の一例を示す図。
【図4】移動体管理システムで使用するゾーンの一例を示す図。
【符号の説明】
【0065】
1…GPS端末
1a…不揮発性記憶部
1b…揮発性記憶部
1c…制御部
1d…GPSモジュール
1e…拡張インタフェース部
1f…通信装置
2…サーバ
3…携帯電話
4…地図表示サービスサーバ
100…移動体通信網
101…回線業者が提供する接続サービス
102…ADSLや光回線などのインターネットまたは専用線などの通信回線
B…距離
P…目的地点
Q…正方形領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のGPS(Global Positioning System)端末と1つ以上の携帯端末が通信回線を介して通信し、該GPS端末を管理する移動体管理システムであって、
前記GPS端末のうち少なくとも一つは、そのGPS端末内で発生するイベントに応じたメッセージを含む電子メールを、予め設定された電子メールアドレスに対して送信するメッセージ送信手段を備え、
前記電子メールアドレスに応じた携帯端末は、前記メッセージを含む電子メールを受信する手段を備えた、
ことを特徴とする移動体管理システム。
【請求項2】
前記携帯端末が、
前記GPS端末内の特定のイベントに応じたメッセージを含む電子メールを受信し、内容が空の電子メールである空メールを返信し、
緯度経度を含む電子メールを受信し、その緯度経度を前記通信回線上に存在する地図表示サービスサーバに送信し、その緯度経度に基づく地図情報を取得し、
前記GPS端末が、
空メールを受信し、その空メールの送信元電子メールアドレスを確認し、その空メールの送信元電子メールアドレスと同じものが、予め設定された電子メールアドレスに存在する場合、予め取得した測位情報から緯度経度を取り出し、その緯度経度を含む電子メールを、その空メールの送信元電子メールアドレスに対して送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体管理システム。
【請求項3】
前記GPS端末が、
特定地点の緯度経度を含む領域であるゾーンに、そのGPS端末自身が入ったか否かを定期的にチェックし、
そのGPS端末自身がゾーンに入った場合、ゾーンに関するイベントが発生したものと見做し、
前記メッセージ送信手段におけるイベントが、ゾーンに関するイベントであった場合、該ゾーンに関するイベントに応じたメッセージを電子メールに含ませる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の移動体管理システム。
【請求項4】
GPS端末と携帯端末が通信回線を介して通信し、該GPS端末を管理する移動体管理方法であって、
前記GPS端末が、そのGPS端末内で発生したイベントに応じたメッセージを含む電子メールを、予め設定された電子メールアドレスに対して送信するメッセージ送信ステップと、
前記電子メールアドレスに応じた携帯端末が、前記メッセージを含む電子メールを受信するステップと、
を有することを特徴とする移動体管理方法。
【請求項5】
前記GPS端末内の特定のイベントに応じたメッセージを含む電子メールを受信した携帯端末が、内容が空の電子メールである空メールを返信するステップと、
前記空メールを受信したGPS端末が、その空メールの送信元電子メールアドレスを確認し、その空メールの送信元電子メールアドレスと同じものが、予め設定された電子メールアドレスに存在する場合、
予め取得した測位情報から緯度経度を取り出し、その緯度経度を含む電子メールを、その空メールの送信元電子メールアドレスに対して送信するステップと、
前記緯度経度を含む電子メールを受信した携帯端末が、その緯度経度を前記通信回線上に存在する地図表示サービスサーバに送信し、その緯度経度に基づく地図情報を取得するステップと、
を有することを特徴とする請求項4に記載の移動体管理方法。
【請求項6】
前記GPS端末が、特定地点の緯度経度を含む領域であるゾーンに、そのGPS端末自身が入ったか否かを定期的にチェックするステップと、
前記GPS端末が、そのGPS端末自身がゾーンに入った場合、ゾーンに関するイベントが発生したものと見做すステップと、
前記メッセージ送信ステップにおけるイベントが、ゾーンに関するイベントであった場合、
前記GPS端末が、該ゾーンに関するイベントに応じたメッセージを電子メールに含ませるステップと、
を有することを特徴とする請求項4または5に記載の移動体管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−251928(P2009−251928A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98862(P2008−98862)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【Fターム(参考)】