説明

窒素ラジカル変調制御法による窒素含有化合物半導体多層積層体の製造方法

【課題】強いポテンシャル変調を有するとともに、ヘテロ界面においても急峻なN原子の濃度勾配を有する、GaNAs等のIII-V(N)族化合物半導体多層体の製造方法を提供する。
【解決手段】真空容器にGa(III族元素)粒子ビーム源、As(V族元素)粒子ビーム源、及びN(窒素)粒子ビーム源を設け、GaNAs層(N含有層)を形成する際にのみプラズマを点火して窒素粒子ビームを生成し、GaAs層(N非含有層)を形成する際にはプラズマを消火することによりGaAs層のN原子含量を1%未満としかつGaNAs層のN原子含量を1〜10%とする化合物半導体多層積層体の製造が可能となった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素ラジカル変調制御法を用いた窒素含有化合物半導体多層積層体の製造方法と、それにより製造される、量子井戸構造を有する窒素含有化合物半導体多層積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の超薄膜形成技術の進歩によって、異なる材料からなる超薄膜を交互に積層した量子井戸構造が形成しうるようになった。この構造では、電子は層厚方向には閉じこめられるが、面内では2次元的に自由な運動が可能となっている。この構造により、2次元電子ガスや2次元励起子などが実現され、いろいろな新しい魅力的な物性が発見されてそのデバイス応用が進められている(非特許文献1)。
【0003】
一方、III-V族化合物に窒素(N)を数%混入させたGaNAsやGaInNAs等のIII-V(N)族化合物半導体は、1.5μm波長領域の長波長領域発光材料として注目を集めている。これは、GaAsのAsをNで置換すると、本来置換率に応じて単調に増加すべきバンド幅が逆に大きく減少するためであり、その変化の大きさは置換率1%(N組成の1%の変化)に対し100meV以上にも及ぶ。これは、GaNAsがNの組成により半導体的にも金属的にもなりうる可能性を示している。従って、GaAs化合物半導体をバリア層に、GaNAsを井戸層にしたヘテロ構造(量子井戸構造)を用いれば大きなバンドギャップが得られ、強いポテンシャル変調を実現することが可能となる。また、バリア層としてGaAsの代わりにAlAsやAlGaAsを、井戸層にAlNAsやAlGaNAsを用いた場合には、更に大きなバンドギャップが得られる。
【0004】
これまでの窒素を含む化合物半導体の製造においては(特許文献1、特許文献2)、窒素分子は反応性が乏しいため、通常、アンモニアガスをプラズマによりラジカル化してN原子源として用いている。しかし、プラズマの点火が困難であることから、ガスの流量を大きくし、かつ常時プラズマを点火しておくことが必要であった。そのため、分子線シャッターによるNラジカルのon-off特性が悪く、N原子を必要としない層にもN原子が混入し、強いポテンシャル変調を得ることが困難であった。また、ヘテロ界面において急峻なN原子の濃度勾配を得ることが困難であった。
【0005】
そこで、半導体層に含有させたN原子の拡散を防ぎ、N原子濃度勾配を大きく保つため、層間に障壁層を設けるという技術が開発された(特許文献3)。しかし、この技術では障壁層を設けるためのプロセスが必要であり、コスト上昇を招く。
【0006】
【非特許文献1】A. Shik 著, 岩渕 修一訳「量子井戸−2次元電子系の物理とエレクトロニクス」物理学叢書,吉岡書店,2002年10月
【特許文献1】特開2002-353568号公報
【特許文献2】特開2003-101152号公報
【特許文献3】特開2004-253801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、窒素ラジカル変調制御法を用いた窒素含有化合物半導体多層積層体の製造方法において、その新規な製造条件を提供することにより、強いポテンシャル変調を得ることができるとともに、ヘテロ界面において急峻な窒素原子の濃度勾配を得ることができる窒素含有化合物半導体多層積層体の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明に係る化合物半導体多層積層体の製造方法は、
粒子ビームを用いて、エピタキシャル結晶成長によりN含有層及びN非含有層が交互に積層される化合物半導体多層積層体を製造する方法において、
N含有層を形成する際にのみプラズマを点火して窒素粒子ビームを生成し、N非含有層を形成する際にはプラズマを消火することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る化合物半導体多層積層体の製造方法は、更に具体的には、
前記粒子ビームとしてIII族元素、V族元素及びN(窒素)の粒子ビームを用い、
前記N含有層を形成する際の窒素粒子ビームの生成を、初期に大流量で窒素ガスを窒素粒子ビーム生成室に導入し、その後所定時間経過後に高周波電力を投入してプラズマを点火し、次の所定時間経過後に窒素ガス流量を結晶成長用小流量とし、更に所定時間経過後に窒素粒子ビーム室と基板との間のシャッターを開放して行うことにより、
エピタキシャル結晶成長によりIII-V(N)族化合物半導体量子井戸を製造することを特徴とする。
【0010】
ここにおいて、具体的にはIII族元素としてGaを、V族元素としてAsを用いることができる。
【0011】
本発明は、次の製造装置をも含む。
真空容器に設けられたIII族元素粒子ビーム源、V族元素粒子ビーム源、及び、N(窒素)粒子ビーム源を有するIII-V(N)族化合物半導体製造装置において、
前記N粒子ビーム源が、
a) 前記真空容器内に開口を有する窒素粒子ビーム生成室と、
b) 該窒素粒子ビーム生成室に流入する窒素ガスの流量を制御する流量制御弁と、
c) 該窒素粒子ビーム生成室内の窒素ガスに高周波電力を投入するRF印加装置と、
d) 前記開口を開閉するシャッターと、
e) プラズマ点火用の初期大流量で窒素ガスを窒素粒子ビーム生成室に導入し、その後所定時間経過後に高周波電力を投入してプラズマを点火し、次の所定時間経過後に窒素ガス流量を結晶成長用小流量とし、更に所定時間経過後に前記シャッターを開放するように各装置を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするIII-V(N)族化合物半導体製造装置。
【0012】
また、本発明は、上記方法で製造可能となった次の窒素含有化合物半導体多層積層体も含む。
N原子含量が1%未満であるGaAs層と、N原子含量が1%以上かつ10%未満であるGaNAs層が交互に10層以上積層されて成り、各層の厚みが0.25〜10nmの量子井戸構造を有する窒素含有化合物半導体多層積層体。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るIII-V(N)族化合物半導体多層積層体の製造方法では、化合物半導体の各層毎にプラズマの点火と消火を行うため、非窒素含有層における窒素含有量を殆どゼロとすることができ、強いポテンシャル変調を得ることができる。また、ヘテロ界面における窒素原子の濃度勾配も非常に急峻なものとなり、得られた化合物半導体多層積層体の量子井戸特性が従来のものよりも向上する。
【0014】
特に、III族元素としてGaを、V族元素としてAsを用いてGaAs-GaNAsの多重量子素子を正続することにより、商業的に利用価値の高い1.5μm波長領域長波長発光材料の高性能のものを製造することができる。
【0015】
なお、本発明に係る方法は窒素の導入方法に関するものであるため、Gaの一部をInで置換したGaInAs-GaInNAsや、更にはAlやBで置換したGaAlAs-GaAlNAs等の製造にも、原理的には問題なく本発明に係る方法を適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係る方法の実施に用いた化合物半導体製造装置の概略構成を図1に示す。真空ポンプ11が接続された真空容器10の中央には、ヒーターが組み込まれた基板台12が固定されている。この基板台12に向けて、Ga粒子ビーム源13、As粒子ビーム源14、及び、N(窒素)粒子ビーム源15が設けられている。各ビーム源13、14、15にはシャッター131、141、151が設けられている。
【0017】
N粒子ビーム源15は、真空容器10内に開口を有する窒素粒子ビーム生成室152と、該生成室152に流入する窒素ガスの流量を制御する流量制御弁(MFC)153と、生成室152内の窒素ガスに高周波電力を投入するRF電源(RF)154と、前記開口を開閉するシャッター151及びその制御部(SHT)155とを備えている。流量制御弁(MFC)153、RF電源(RF)154及びシャッター制御部(SHT)155はいずれも窒素制御部16に接続され、それにより制御される。
【0018】
従来は、窒素プラズマを多数回に亘って安定的に点火することが困難であったため、窒素プラズマは常時点火しておき、シャッター151の開閉のみによってN粒子ビームのon-offを行っていた。しかし、シャッター151により粒子ビームを完全に遮断することは困難であって、シャッター151を閉とした期間も少量のN原子が真空容器10内に流入し、被処理基板17の成膜中の層に混入するのを避けることができなかった。そのため、N原子を含有すべき層と含有すべきでない層との間でのN原子の濃度勾配が不十分となり、GaAs-GaNAs多層積層体の性能が不十分であった。
【0019】
本発明においては、以下の実施例に記載するような方法により、N粒子ビームのon-offを完全に行い、N原子を含有すべきでない層(GaAs層)の生成においてはN原子のプラズマ生成を停止することにより、GaAs層の窒素含有量を最小限に抑えるとともに、GaAs/GaNAs層境界におけるN原子の濃度勾配の大きい、すなわち急峻なN原子勾配を有する半導体多層積層体の生成に成功した。
【実施例1】
【0020】
第1の方法に従い、図2に示すような手順でN粒子ビームを生成した。図の横軸は時間の経過を示す。
この方法では、まずシャッターを閉めた状態で、RFコイルにRF電力を投入し、同時に流量制御弁(MFC)153の開度を大きく開放することにより、大流量(流量R1)でN2ガスを窒素粒子ビーム生成室152に導入する。これにより窒素プラズマが発生し(点火し)、その後は継続的にプラズマが生成する。プラズマが安定した時点t3でN2ガスの流量を成膜処理に必要十分な流量であるR2に減少させる。流量を減少させた当初はプラズマがやや不安定であるため、それが安定した時点t4でシャッター151を開放する。このとき同時にGa粒子ビーム源13及びAs粒子ビーム源14のシャッター131、141も開放し、被処理基板17上にN含有層を形成する。
【0021】
所定の成膜時間が経過した後、それらのシャッター131、141、151を閉鎖し、N含有層(GaNAs層)の形成を終了する。このとき、流量制御弁153を閉鎖してN2ガス流量をゼロとするとともに、RF電源154も停止する。
【0022】
この方法で、各種条件を変えて窒素プラズマのof-offを繰り返したとき、窒素プラズマの点火が何回可能であるかを調査した。その結果は、表1に示す通り、28回が最高であった。
この原因は、RF電力の印加と窒素ガスの流入を止めたとしても、窒素粒子ビーム生成室内に放電後の不純物が残存し、これがその次の放電開始の妨害となっているためと推定される。
なお、本実施例の装置では真空容器10の容積は約0.05m3であり、GaNAs層成膜時のN2ガスの定常流量(R2)は0.45sccmである。
【0023】
【表1】

【実施例2】
【0024】
次に、第2の方法に従い、図2に示すような手順でN粒子ビームを生成した。第1の手順との違いは、RF電力の印加を、大流量R2でN2ガスを窒素粒子ビーム生成室152に導入した後にしたことである。具体的には、まず時刻t1に窒素ガスを大流量R1で窒素粒子ビーム生成室152に導入する。そして、所定の時間(t2−t1)後の時刻t2にRF電力を投入する。
このように、RF電力を投入する前にまず大流量の窒素ガスを流しておくことにより、窒素粒子ビーム生成室152内が清掃され、プラズマの発生が容易となるとともに、発生したプラズマがより安定化されるものと考えられる。その後、時刻t3に窒素ガス流量を成膜用の定常流量(0.45sccm)に減少させる。この流量でプラズマが安定した時刻t4でシャッター151を開け、N原子の粒子ビームを被処理基板17に向けて噴出させる。このとき同時に、Ga粒子ビーム源13及びAs粒子ビーム源14のシャッター131、141も開放する。これにより、第1の場合と同様にN原子を含有する化合物半導体層(GaNAs層)を形成させることができる。
所定の成膜時間が経過した後、シャッター131、141、151を閉鎖するとともに、流量制御弁153を閉鎖し、N2流量をゼロとし、RF電力を切断する。これにより、所定厚さのGaNAs層が形成される。
【0025】
引き続き、N原子を含有しないGaAs層を形成するときは、Ga粒子ビーム源13及びAs粒子ビーム源14のシャッター131、141を開放する。このとき、N粒子ビーム源15のシャッター151が閉鎖されていることはもちろん、流量制御弁153が閉鎖されて窒素粒子ビーム生成室152にはN2ガスが供給されず、また、RF電源も停止されているため、成膜されるGaAs層にはN原子の混入が非常に少ない。
【0026】
第2の方法で、条件を変えてN粒子ビームのon-offを行わせた結果を表2に示す。この表にも示すように、RF電力の印加を大流量N2ガスの導入よりも遅らせることにより、on-offを連続100回成功させることができ、安定にN粒子ビームの制御ができることを見いだした。
【0027】
【表2】

【実施例3】
【0028】
上記試験の結果より、図1の試験装置において、RF出力=300W、窒素ガス大流量=6.5sccm、大流量時間(t3−t1)=1.8s、遅延時間(t2−t1)=1sを最適条件と定めた。
N原子含量が1%未満であるGaAs層と、N原子含量が1%以上でかつ10%未満であるGaNAs層が交互に10層以上積層されて構成され、各層の厚みが0.25〜10nmである化合物半導体多層積層体は、560℃に保持されたGaAs基板上に以下の手順で製造することができる。
【0029】
Ga粒子ビーム源13、As粒子ビーム源14を運転しつつ、N粒子線ビーム源15を上記実施例2の手順(図3)で操業する。ここに、Ga粒子ビームの流量BFM(Beam Equivalent Pressure)は10-7Torr台、As粒子ビームの流量BFMは10-6Torr台、窒素粒子ビーム生成室152の操業パラメータは上記の通り[RF出力=300W、窒素ガス大流量=6.5sccm、大流量時間(t3−t1)=1.8s、遅延時間(t2−t1)=1s]とし、偏向電圧を40Vとして連続的に100層積層した。この条件下でのGaAsの成長速度は約1μm/hr程度であった。後述のサンプルCについて各層の厚みを透過電子顕微鏡で測定したところ、厚さ32.79nmのGaAs層と厚さ3.65nmのGaNAs層を単位とする周期構造が確認された。最上層は厚さ5nmのGaAs層とした。
【0030】
製造された量子井戸のGaAs層及びGaNAs層における窒素原子の含有量(モル比)は、X線回折法による格子歪の測定から、それぞれ1%以下及び3.5〜4.6%であることを確認した。なお、N粒子線ビームシャッターの開放時間及びN2ガスの流量を制御することによりGaNAs層でのN原子含量は1〜10%の間の任意の値に設定することができる。
【0031】
GaNAs層の成長時間をA:4.9sec、B:12.7sec、C:13.7secと変化させ、50段の量子井戸構造を形成した、3種の多重量子井戸構造積層体サンプルA、B、Cについて、低温(10K)にてPL発光強度を測定した結果を図4に示す。量子井戸の井戸層であるGaNAs層の成長時間が大きくなり井戸幅が増えるに連れて、発光エネルギはA:1.30eV、B:1.18eV、C:1.13eVと低エネルギー側にシフトしている。発光半値全幅(FWHM)は井戸構造の井戸幅の揺らぎが大きいほど大きくなるため、FWHMの値が小さいほど井戸幅の揺らぎの小さい、GaAs/GaNAs界面の平坦な良好な量子井戸構造であるといえる。FWHM:27meVは、従来の量子井戸構造(I. A. Buyanova, W. M. Chen and B. Monemar: Appl. Phys. Lett. 75 (1999) 3781.)と比較すると半分以下であり、揺らぎの少ないことを示している。これらのサンプルは50段の多重量子井戸構造であることから、一つ井戸の揺らぎが小さいばかりではなく、50回の繰り返しの中での揺らぎも小さいことを示している。
【0032】
上記実施例の記載は一例であり、その要点を変更しない範囲で種々の変更があり得ることはいうまでもない。例えば、III族元素としてはGa以外にAl, B, In等を、V族元素としてはAs以外にP, Sb等を用いた半導体についても、本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る方法の実施に用いた化合物半導体製造装置の概略構成。
【図2】第1の窒素プラズマ発生手順のタイミングチャート。
【図3】第2の窒素プラズマ発生手順のタイミングチャート。
【図4】GaNAs層成長時間を変化させた3種の多重量子井戸構造積層体サンプルのPL発光強度測定結果のグラフ。
【符号の説明】
【0034】
10…真空容器
11…真空ポンプ
12…ヒーター付き基板台
13…Gaビーム源
14…Asビーム源
15…窒素粒子ビーム源
16…窒素制御部
17…被処理基板
131、141、151…シャッター
152…窒素粒子ビーム生成室
153…流量制御弁(MFC)
154…高周波電源(RF)
155…シャッター制御部(SHT)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子ビームを用いて、エピタキシャル結晶成長によりN含有層及びN非含有層が交互に積層される化合物半導体多層積層体を製造する方法において、
N含有層を形成する際にのみプラズマを点火して窒素粒子ビームを生成し、N非含有層を形成する際にはプラズマを消火することを特徴とする化合物半導体多層積層体の製造方法。
【請求項2】
前記粒子ビームとしてIII族元素、V族元素及びN(窒素)の粒子ビームを用い、
前記N含有層を形成する際の窒素粒子ビームの生成を、初期に大流量で窒素ガスを窒素粒子ビーム生成室に導入し、その後所定時間経過後に高周波電力を投入してプラズマを点火し、次の所定時間経過後に窒素ガス流量を結晶成長用小流量とし、更に所定時間経過後に窒素粒子ビーム室と基板との間のシャッターを開放して行うことを特徴とする
請求項1に記載の化合物半導体多層積層体の製造方法。
【請求項3】
III族元素としてGaを、V族元素としてAsを用いる請求項1又は2に記載の化合物半導体多層積層体の製造方法。
【請求項4】
真空容器に設けられたIII族元素粒子ビーム源、V族元素粒子ビーム源、及び、N(窒素)粒子ビーム源を有するIII-V(N)族化合物半導体製造装置において、
前記N粒子ビーム源が、
a) 前記真空容器内に開口を有する窒素粒子ビーム生成室と、
b) 該窒素粒子ビーム生成室に流入する窒素ガスの流量を制御する流量制御弁と、
c) 該窒素粒子ビーム生成室内の窒素ガスに高周波電力を投入するRF印加装置と、
d) 前記開口を開閉するシャッターと、
e) プラズマ点火用の初期大流量で窒素ガスを窒素粒子ビーム生成室に導入し、その後所定時間経過後に高周波電力を投入してプラズマを点火し、次の所定時間経過後に窒素ガス流量を結晶成長用小流量とし、更に所定時間経過後に前記シャッターを開放するように各装置を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするIII-V(N)族化合物半導体製造装置。
【請求項5】
N原子含量が1%未満であるGaAs層と、N原子含量が1%以上かつ10%未満であるGaNAs層が交互に10層以上積層されて成り、各層の厚みが0.25〜10nmの量子井戸構造を有する窒素含有化合物半導体多層積層体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−201345(P2007−201345A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−20695(P2006−20695)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 『2005年度支部学術講演会講演予稿集』、2005年7月30日、日本物理学会中国支部・四国支部、応用物理学会中国四国支部発行
【出願人】(304028346)国立大学法人 香川大学 (285)
【Fターム(参考)】