説明

絶縁膜形成用組成物

【課題】電子デバイスなどの層間絶縁膜に用いられる低い誘電率と優れた機械強度を有する層間絶縁膜を形成できる絶縁膜形成用組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とを酸触媒により脱水縮合して得られるポリマーを含有することを特徴とする。
【化1】


(R〜Rのうち、少なくとも2つはヒドロキシル基、メトキシ基等から選ばれ、残りはメチル基、エチル基等から選ばれる。Aはカゴ型構造を有する構造を表し、Y〜Yのうち少なくとも2つはヒドロキシル基であり、残りは水素、メチル基、エチル基等から選ばれる。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは、電子デバイスなどに用いられる誘電率、機械強度等の良好な層間絶縁膜を形成できる絶縁膜形成用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子材料分野においては、高集積化、多機能化、高性能化の進行に伴い、回路抵抗や配線間のコンデンサー容量が増大し、消費電力や遅延時間の増大を招いている。中でも、遅延時間の増大は、デバイスの信号スピードの低下やクロストークの発生の大きな要因となるため、この遅延時間を減少させてデバイスの高速化を図るべく、寄生抵抗や寄生容量の低減が求められている。この寄生容量を低減するための具体策の一つとして、配線の周辺を低誘電性の層間絶縁膜で被覆することが試みられている。また、層間絶縁膜には、実装基板製造時の薄膜形成工程やチップ接続、ピン付け等の後工程に耐え得る優れた耐熱性やウェットプロセスに耐え得る耐薬品性が求められている。さらに、近年は、Al配線から低抵抗のCu配線が導入されつつあり、これに伴い、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)による平坦化が一般的となっており、このプロセスに耐え得る高い機械的強度が求められている。
【0003】
有機ポリマー系の層間絶縁膜としては古くからポリベンゾオキサゾール、ポリイミド、ポリアリーレン(エーテル)等が開示されているが、高速デバイスを実現するためには更に誘電率の低い材料が要望されている。該材料のようにポリマー分子内に酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子や芳香族炭化水素ユニットを導入すると、高モル分極に起因して誘電率が高くなったり、吸湿に起因して経時で誘電率が上昇したり、さらには電子デバイスの信頼性を損なう問題が生じるため改良が必要であった。
一方、飽和炭化水素で構成されるポリマーは含ヘテロ原子ユニットや芳香族炭化水素ユニットで構成されるポリマーと比べてモル分極が小さくなるため、より低い誘電率を示すという利点がある。しかし例えばポリエチレン等のフレキシビリティーの高い炭化水素は耐熱性が不十分であり、電子デバイス用途に利用することは出来ない。
なお、より低い誘電率と優れた機械的強度を得るために、特許文献1及び特許文献2に記載の技術が提案されているが、未だ満足できるものではなかった。
【0004】
【特許文献1】特開2001−332542号公報
【特許文献2】特開2003−252982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題点を解決するための組成物を提供することにあり、具体的には電子デバイスなどの層間絶縁膜に用いられる低い誘電率と優れた機械強度を有する層間絶縁膜を形成できる絶縁膜形成用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討の結果、上記課題が下記の手段により解決されることを見出した。
(1)少なくとも下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とを酸触媒により脱水縮合して得られるポリマーを含有することを特徴とする絶縁膜形成用組成物。
【0007】
【化1】

【0008】
(R〜Rのうち、少なくとも2つはヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基から選ばれ、残りはメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、スチリル基から選ばれる。)
【0009】
【化2】

【0010】
(Aはカゴ型構造を有する構造を表し、Y〜Yのうち少なくとも2つはヒドロキシル基であり、残りは水素、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、スチリル基から選ばれる。)
(2)前記ポリマーに下記一般式(3)で表される化合物を反応させて得られるポリマーを含有することを特徴とする前記(1)記載の絶縁膜形成用組成物。
【0011】
【化3】

【0012】
(R〜Rのうち1つはヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基から選ばれ、残りの3つはメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、スチリル基から選ばれる。)
【発明の効果】
【0013】
本発明の絶縁膜形成用組成物は、機械強度の高いシロキサン化合物(一般式(1)で表される)と、嵩高い不飽和炭化水素であるダイヤモンド構造化合物(一般式(2)で表される)を連結させることで、半導体素子などにおける層間絶縁膜として使用するのに適した、機械強度が高く、誘電率が低い絶縁膜を形成することができる。また、上記シロキサン化合物及びダイヤモンド構造化合物の脱水縮合が有する、吸湿の原因となりうるヒドロキシル基を、一般式(3)で表される化合物でターミネイトすることで、吸湿を抑制し、さらに、該一般式(3)で表される化合物がビニル基またはエチニル基を有することにより、架橋性を持たすことができ、さらには該塗布液を用いて得られる電子デバイスの層間絶縁膜および該絶縁膜を層構成層として有する電子デバイスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の膜形成用組成物は、少なくとも下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とを酸触媒により脱水縮合して得られるポリマーを含有することを特徴とする。
【0015】
【化4】

【0016】
〜Rのうち、少なくとも2つはヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基から選ばれ、残りはメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、スチリル基から選ばれる。
【0017】
【化5】

【0018】
Aは、カゴ型構造を有する構造を表し、Y〜Yのうち少なくとも2つはヒドロキシル基であり、残りは水素、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、スチリル基から選ばれる。
【0019】
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリヒドロキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、エチニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリヒドロキシシラン、スチリルトリヒドロキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0020】
本発明の膜形成用組成物に用いる一般式(2)で表される化合物中のAは、カゴ型構造を有する構造を表す。
本明細書で述べる「カゴ型構造」とは、「カゴ型多環炭素環構造」を指しており、共有結合した原子で形成された複数の炭素環によって容積が定まり、容積内に位置する点は環を通過せずには容積から離れることができないような分子構造を指す。例えば、アダマンタン構造はカゴ型構造と考えられる。一方、ノルボルナン(ビシクロ[2,2,1]ヘプタン)などの単結合架橋を有する環状構造は、単結合架橋した環状化合物の環が容積を定めないことから、多環炭素環構造ではあってもカゴ型構造とは考えられない。
【0021】
本発明のカゴ型構造は飽和、不飽和結合のいずれを含んでいても良く、酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子を含んでも良いが、低誘電率の見地から飽和炭化水素が好ましい。
【0022】
本発明におけるカゴ型構造は1つ以上の置換基を有していても良く、置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子)、炭素数1〜10の直鎖、分岐、環状のアルキル基(メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、炭素数2〜10のアルケニル基(ビニル、プロペニル等)、炭素数2〜10のアルキニル基(エチニル、フェニルエチニル等)、炭素数6〜20のアリール基(フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、炭素数2〜10のアシル基(ベンゾイル等)、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル等)、炭素数1〜10のカルバモイル基(N,N−ジエチルカルバモイル等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(フェノキシ等)、炭素数6〜20のアリールスルホニル基(フェニルスルホニル等)
、ニトロ基、シアノ基、シリル基(トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、トリビニルシリル等)等から選ばれる原子または基を表す。
【0023】
上記一般式(2)で表される化合物中のAの「カゴ型構造を有する構造」の「カゴ型構造」としては、特に限定されないが、例えば、アダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン等の構造が挙げられる。
また、「カゴ型構造を有する構造」とは、例えば、「カゴ型構造」がアダマンタンであったとしたら、Aが1つのアダマンタン構造のみであってもよく、また、複数のアダマンタン構造が連結しているようなものであっても良い。さらには、アダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン等の各種複数の構造が連結・複合しているものであっても良い。
【0024】
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、1,3アダマンタンジオール、1,3,5アダマンタントリオール、4,9ジアマンタンジオール、1,4,9ジアマンタントリオール、及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0025】
また、上記の一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物とを脱水縮合して得られるポリマーに、さらに下記一般式(3)で表される化合物を反応させて得られるポリマーを用いることが好ましい。
【0026】
【化6】

【0027】
〜Rのうち1つはヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基から選ばれ、残りの3つはメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、スチリル基から選ばれる。
【0028】
以下に、一般式(3)で表される化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、トリビニルメトキシシラン、トリエチニルメトキシシラン、及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0029】
本発明の絶縁膜形成用組成物のポリマーは、少なくとも、機械強度の高いシロキサン化合物<一般式(1)で表される>と、嵩高い不飽和炭化水素であるダイヤモンド構造化合物<一般式(2)で表される>を少なくとも連結させることで、機械強度が高く、誘電率が低いポリマーが得られる。さらに、該ポリマーの吸湿の原因となりうるヒドロキシル基を一般式(3)で表される化合物でターミネイトすることで、吸湿を抑制し、且つ、一般式(3)で表される化合物がビニル基、エチニル基等を有することにより、該ポリマーに架橋性を持たせることができる。
【0030】
一般式(1)〜(3)でそれぞれ表される化合物は1種のみ、または2種以上を混合して用いてよい。
【0031】
本発明において、少なくとも一般式(1)で示される化合物と一般式 (2)で示される化合物とを酸触媒により脱水縮合して得られるポリマー(以下、単に縮合体とも称する)の質量平均分子量は1000〜500000、好ましくは3000〜300000、より好ましくは5000〜200000である。分子量が1000より小さいと加熱により膜の厚さが減少するという問題があり、500000より大きいと溶媒への溶解性が悪化して問題となる。
【0032】
分子量分布の広がりを示す指標としては多分散度(Mw/Mn)が挙げられる。Mw/Mnが1に近づくほど分子量分布が狭くなることを意味している。本発明の重合体の多分散度は、この重合体を用いて得られる絶縁膜の作製過程においてクラックの生成や機械的強度の低下などの抑制、塗布面状の均一性の向上の観点から、通常100以下であり、好ましくは50以下、より好ましくは30以下である。
【0033】
本発明の上記ポリマーは単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
【0034】
本発明の絶縁膜形成用組成物(以下、膜形成用組成物とも称する)は有機溶媒を含んでいてもよい。有機溶媒としては特に限定はされないが、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、3−メトキシプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶媒、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル系溶媒、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒などが挙げられ、これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
より好ましい有機溶媒は、1−メトキシ−2−プロパノール、プロパノール、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、t−ブチルベンゼンであり、特に好ましくは1−メトキシ−2−プロパノール、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、t−ブチルベンゼン、アニソールである。
【0035】
本発明の膜形成用組成物の固形分濃度は、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは0.5〜30質量%であり、特に好ましくは1〜15質量%である。
ここで固形分とは、この組成物を用いて得られる絶縁膜を構成する全成分に相当する。
【0036】
本発明で用いる縮合体は有機溶媒へ十分な溶解性を有することが好ましい。溶解度は25℃でシクロヘキサノンまたはアニソールに3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上の溶解度である。
【0037】
本発明の膜形成用組成物には不純物としての金属含量が充分に少ないことが好ましい。膜形成用組成物の金属濃度はICP−MS法にて高感度に測定可能であり、その場合の遷移金属以外の金属含有量は好ましくは30ppm以下、より好ましくは3ppm以下、特に好ましくは300ppb以下である。また、遷移金属に関しては酸化を促進する触媒能が高く、プリベーク、熱硬化プロセスにおいて酸化反応によって本発明で得られた膜の誘電率を上げてしまうという観点から、含有量がより少ないほうがよく、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下、特に好ましくは100ppb以下である。
【0038】
膜形成用組成物の金属濃度は本発明の膜形成用組成物を用いて得た膜に対して全反射蛍光X線測定を行うことによっても評価できる。X線源としてW線を用いた場合、金属元素としてK、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pdが観測可能であり、それぞれ100×1010atom・cm−2以下が好ましく、より好ましくは50×
1010atom・cm−2以下、特に好ましくは10×1010atom・cm−2以下である。また、ハロゲンであるBrも観測可能であり、残存量は10000×1010atom・cm−2以下が好ましく、より好ましくは1000×1010atom・cm−2以下、特に好ましくは400×1010atom・cm−2以下である。また、ハロゲンとしてClも観測可能であるが、CVD装置、エッチング装置等へダメージを与えるという観点から残存量は100×1010atom・cm−2以下が好ましく、より好ましくは50×1010atom・cm−2以下、特に好ましくは10×1010atom・cm−2以下である。
【0039】
更に、本発明の膜形成用組成物には、得られる絶縁膜の特性(耐熱性、誘電率、機械強度、塗布性、密着性等)を損なわない範囲で、ラジカル発生剤、コロイド状シリカ、界面活性剤、シランカップリング剤、密着促進剤などの添加剤を添加してもよい。
【0040】
ラジカル発生剤とは熱または光エネルギー照射によって炭素、酸素、窒素等のラジカルを発生する化合物を指し、硬膜反応を促進する機能を有するものである。
【0041】
本発明にいかなるコロイド状シリカを使用してもよい。例えば、高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶媒もしくは水に分散した分散液であり、通常、平均粒径5〜30nm、好ましくは10〜20nm、固形分濃度が5〜40質量%程度のもの等が使用できる。
【0042】
本発明では塗布性や膜形成性を改善する限り、いかなる界面活性剤を使用してもよいが、用いられる界面活性剤には、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などが挙げられ、さらにシリコーン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が挙げられる。本発明で使用する界面活性剤は、一種類でも良いし、二種類以上でも良い。界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。
【0043】
本発明で使用する界面活性剤の添加量は、膜形成用組成物の全量に対して0.01質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることが更に好ましい。
【0044】
本発明に用いるシリコーン系界面活性剤は、少なくとも1原子のSi原子を含む界面活性剤である。すなわち、公知のSi原子を有してかつ界面活性をも具備した化合物であり、アルキレンオキシド及びジメチルシロキサンを含む構造であることが好ましい。とくに下記化学式を含む構造であることが更に好ましい。
【0045】
【化7】

【0046】
上記一般式中、Rは水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜5)を表し、xは1〜20の整数を表し、m、nはそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。複数のRは同じでも異なっていてもよい。
【0047】
本発明に使用するシリコン系界面活性剤としては、例えばBYK306、BYK307(ビックケミー社製)、SH7PA、SH21PA、SH28PA、SH30PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、TroysolS366(トロイケミカル社製)等を挙げることができる。
【0048】
本発明に使用するノニオン系界面活性剤としては、公知のいかなるノニオン系界面活性剤でもよい。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンジアルキルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリオキシエチレン類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等を挙げることができる。
【0049】
本発明に使用する含フッ素系界面活性剤としては、公知のいかなる含フッ素系界面活性剤でもよい。例えば、パーフルオルオクチルポリエチレンオキシド、パーフルオルデシルポリエチレンオキシド、パーフルオルドデシルポリエチレンオキシド等が挙げられる。
【0050】
本発明に使用するアクリル系界面活性剤としては、公知のいかなるアクリル系界面活性剤でもよい。例えば、(メタ)アクリル酸系共重合体等が挙げられる。
【0051】
本発明に基板との密着性を改善する、公知のいかなるシランカップリング剤を使用してもよいが、例えば、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。本発明で使用するシランカップリング剤は、一種類でも良いし、二種類以上でも良い。
シランカップリング剤の好ましい使用量は、全固形分100質量部に対して10質量部以下、特に0.05〜5質量部であることが好ましい。
【0052】
本発明にはいかなる密着促進剤を使用してもよいが、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、アルミニウムモノエチルアセトアセテートジイソプロピレート、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−
クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、ビニルトリクロロシラン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、チオ尿素化合物等を挙げることができる。官能性シランカップリング剤が密着促進剤として好ましい。密着促進剤の好ましい使用量は、全固形分100質量部に対して10質量部以下、特に0.05〜5質量部であることが好ましい。
【0053】
本発明の膜形成用組成物には膜の機械強度の許す範囲内で、空孔形成因子を使用して、膜を多孔質化し、低誘電率化を図ることができる。空孔径の大きさとしては、最大で10nm、好ましくは5nm、特に好ましくは1nmである。
空孔形成剤となる添加剤としての空孔形成因子としては特に限定はされないが、非金属化合物が好適に用いられ、膜形成用塗布液で使用される溶媒との溶解性、本発明の重合体との相溶性を同時に満たすことが必要である。またこの空孔形成剤の沸点若しくは分解温度は、好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃である。分子量としては、200〜50000であることが好ましく、より好ましくは300〜10000、特に好ましくは400〜5000である。添加量は膜を形成する重合体に対して、質量%で好ましくは0.5〜75%、より好ましくは0.5〜30%、特に好ましくは1%〜20%である。また、空孔形成因子として、重合体の中に分解性基を含んでいても良く、その分解温度は好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃であると良い。分解性基の含有率は膜を形成する重合体のモノマー量に対して、モル%で0.5〜75%、より好ましくは0.5〜30%、特に好ましくは1〜20%である。
【0054】
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、膜形成用組成物をスピンコーティング法、ローラーコーティング法、ディップコーティング法、スキャン法等の任意の方法により基板に塗布した後、溶媒を加熱処理で除去することにより形成することができる。
溶媒を乾燥するための加熱は100℃〜250℃で1分〜5分行うことが好ましい。基板に塗布する方法としては、スピンコーティング法、スキャン法によるものが好ましい。特に好ましくは、スピンコーティング法によるものである。スピンコーティングについては、市販の装置を使用できる。例えば、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D−スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業製)等が好ましく使用できる。スピンコート条件としては、いずれの回転速度でもよいが、膜の面内均一性の観点より、300mmシリコン基板においては1300rpm程度の回転速度が好ましい。
また組成物溶液の吐出方法においては、回転する基板上に膜形成用組成物溶液を吐出する動的吐出、静止した基板上へ膜形成用組成物溶液を吐出する静的吐出のいずれでもよいが、膜の面内均一性の観点より、動的吐出が好ましい。また、膜形成用組成物の消費量を抑制する観点より、予備的に組成物の主溶媒のみを基板上に吐出して液膜を形成した後、その上から組成物を吐出するという方法を用いることもできる。スピンコート時間については特に制限はないが、スループットの観点から180秒以内が好ましい。また、基板の搬送の観点より、基板エッジ部の膜を残存させないための処理(エッジリンス、バックリンス)をすることも好ましい。熱処理の方法は、特に限定されないが、一般的に使用され
ているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した加熱方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。好ましくは、ホットプレート加熱、ファーネスを使用した加熱方法である。ホットプレートとしては市販の装置を好ましく使用でき、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D−スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業製)等が好ましく使用できる。ファーネスとしては、αシリーズ(東京エレクトロン製)等が好ましく使用できる。
【0055】
本発明の重合体は基板上に塗布した後に加熱処理することによって硬化(焼成)させることが特に好ましい。例えば重合体中に残存する炭素三重結合の後加熱時の重合反応が利用できる。この後加熱処理の条件は、好ましくは100〜450℃、より好ましくは200〜420℃、特に好ましくは350℃〜400℃で、好ましくは1分〜2時間、より好ましくは10分〜1.5時間、特に好ましくは30分〜1時間の範囲である。後加熱処理は数回に分けて行っても良い。また、この後加熱は酸素による熱酸化を防ぐために窒素雰囲気下で行うことが特に好ましい。
また、本発明では加熱処理ではなく高エネルギー線を照射することで重合体中に残存する炭素三重結合の重合反応を起こして硬化させても良い。高エネルギー線とは、電子線、紫外線、X線などが挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
高エネルギー線として、電子線を使用した場合のエネルギーは50keV以下が好ましく、より好ましくは30keV以下、特に好ましくは20keV以下である。電子線の総ドーズ量は好ましくは5μC/cm2以下 、より好ましくは2μC/cm2以下、特に好ましくは1μC/cm2以下である。電子線を照射する際の基板温度は0〜450℃が好ましく、より好ましくは0〜400℃、特に好ましくは0〜350℃である。圧力は好ましくは0〜133kPa、より好ましくは0〜60kPa、特に好ましくは0〜20kPaである。本発明の重合物の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、電子線との相互作用で発生するプラズマ、電磁波、化学種との反応を目的に酸素、炭化水素、アンモニアなどのガスを添加してもよい。本発明における電子線照射は複数回行ってもよく、この場合は電子線照射条件を毎回同じにする必要はなく、毎回異なる条件で行ってもよい。
高エネルギー線として紫外線を用いてもよい。紫外線を用いる際の照射波長領域は190〜400nmが好ましく、その出力は基板直上において0.1〜2000mWcm−2が好ましい。紫外線照射時の基板温度は250〜450℃が好ましく、より好ましくは250〜400℃、特に好ましくは250〜350℃である。本発明の重合物の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、その際の圧力は0〜133kPaが好ましい。
【0056】
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、半導体用層間絶縁膜として使用する際、その配線構造において、配線側面にはメタルマイグレーションを防ぐためのバリア層があっても良く、また、配線や層間絶縁膜の上面底面にはCMPでの剥離を防ぐキャップ層、層間密着層の他、エッチングストッパー層等があってもよく、更には層間絶縁膜の層を必要に応じて他種材料で複数層に分けても良い。
【0057】
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、銅配線あるいはその他の目的でエッチング加工をすることができる。エッチングとしてはウエットエッチング、ドライエッチングのいずれでもよいが、ドライエッチングが好ましい。ドライエッチングは、アンモニア系プラズマ、フルオロカーボン系プラズマのいずれもが適宜使用できる。これらプラズマにはArだけでなく、酸素、あるいは窒素、水素、ヘリウム等のガスを用いることができる。また、エッチング加工後に、加工に使用したフォトレジスト等を除く目的でアッシングすることもでき、さらにはアッシング時の残渣を除くため、洗浄することもできる。
【0058】
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、銅配線加工後に、銅めっき部を平坦化するためCMP(化学的機械的研磨)をすることができる。CMPスラリー(薬液)としては、市販のスラリー(例えば、フジミ製、ロデールニッタ製、JSR製、日立化成製等)を適宜使用できる。また、CMP装置としては市販の装置(アプライドマテリアル社製、荏原製作所製等)を適宜使用することができる。さらにCMP後のスラリー残渣除去のため、洗浄することができる。
【0059】
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、多様の目的に使用することが出来る。例えばLSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体装置、マルチチップモジュール多層配線板等の電子部品における絶縁皮膜として好適であり、半導体用層間絶縁膜、エッチングストッパー膜、表面保護膜、バッファーコート膜の他、LSIにおけるパッシベーション膜、α線遮断膜、フレキソ印刷版のカバーレイフィルム、オーバーコート膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等として使用することが出来る。
さらに、別の用途として本発明の膜に電子ドナーまたはアクセプターをドープすることによって導電性を付与し、導電性膜として使用することも出来る。
【実施例】
【0060】
以下の実施例は本発明を説明するものであり、その範囲を限定するものではない。
〔実施例1〕
1,3,5アダマンタントリオール1.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート8gに溶解させ、攪拌しながら80℃に加熱した後、硫酸0.1g、トリメトキシメチルシラン0.4gを投入。30分攪拌後、トリビニルメトキシシラン0.4gを投入し2時間攪拌、重合した。反応液を室温にした後、メタノール100mlに添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。質量平均分子量約15000の重合体(A)を1.0g得た。
重合体(A)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度は25℃で20質量%以上であった。
重合体(A)1.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10gに完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で200℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製、水銀プローバおよび横河ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.48であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、8.9GPaであった。
【0061】
〔実施例2〕
1,3,5ジアマンタンジオール1.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート8gに溶解させ、攪拌しながら80℃に加熱した後、硫酸0.1g、トリメトキシビニルシラン0.4gを投入。30分攪拌後、トリビニルメトキシシラン0.4gを投入し2時間攪拌、重合した。反応液を室温にした後、メタノール100mlに添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。質量平均分子量約15000の重合体(B)を1.0g得た。
重合体(B)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度は25℃で20質量%以上であった。
重合体(B)1.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10gに完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気
流下ホットプレート上で200℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製、水銀プローバおよび横河ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.50であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、9.2GPaであった。
【0062】
〔比較例1〕
1,3,5トリビニルアダマンタン1.2gとジクミルパーオキサイド0.15gをシクロヘキサノン8gに溶解させ、攪拌しながら140℃、5時間加熱した。反応液を室温にした後、メタノール100mlに添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。質量平均分子量約15000の重合体(C)を1.0g得た。
重合体(C)1.0gをシクロヘキサノン10gに完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で200℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製、水銀プローバおよび横河ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.50であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、4.7GPaであった。
【0063】
上記実施例1〜2、比較例1から明らかなように、本発明の絶縁膜形成用組成物に係わる各実施例は、比誘電率およびヤング率の特性が良好な膜を形成できる結果を得たが、比較例ではヤング率が不満足な結果であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とを酸触媒により脱水縮合して得られるポリマーを含有することを特徴とする絶縁膜形成用組成物。
【化1】

(R〜Rのうち、少なくとも2つはヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基から選ばれ、残りはメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、スチリル基から選ばれる。)
【化2】

(Aはカゴ型構造を有する構造を表し、Y〜Yのうち少なくとも2つはヒドロキシル基であり、残りは水素、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、スチリル基から選ばれる。)
【請求項2】
前記ポリマーに下記一般式(3)で表される化合物を反応させて得られるポリマーを含有することを特徴とする請求項1記載の絶縁膜形成用組成物。
【化3】

(R〜Rのうち1つはヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基から選ばれ、残りの3つはメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、スチリル基から選ばれる。)

【公開番号】特開2009−79080(P2009−79080A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247505(P2007−247505)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】