説明

自動車及び、自動車用燃料貯蔵システム

自動車及び自動車用燃料貯蔵システムが提供される。第一及び第二端部と、概して開口する中央内部を持つペリメータ構造を規定するフレームが、複数の車体のいずれか一つを受けるように構成され、それによってボディ・オン・フレーム車体構造を形成する。燃料電池配列がフレームの端部の一方に近接して配置され、そして、燃料貯蔵タンクがフレームの中央内部の中に、フレームの長手方向に沿って配置される。燃料貯蔵タンクは、燃料電池用の燃料源を提供し、そして、フレームの一端から他端への燃料送出導管としての役割も果たす。燃料貯蔵システムは、燃料タンクの為の非剛体取付け構造体を含むことが出来、それによって、燃料タンクを、自動車フレームの動きから実質的に分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車及び、自動車用燃料貯蔵システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド電気自動車(hybrid electric vehicle: HEV)や燃料電池自動車(and fuel cell vehicles :FCV)のような特殊な自動車が受け入れられ始めるにつれ、自動車設計者は、ドライバーが通常の自動車に期待しているのと同じ特徴の幾つかを、これらの新しい自動車に備えることを試みている。例えば、もし自動車が、燃料補給されることが必要となる前に555.6キロメートル(300マイル)以上走行出来なければ、平均的な消費者には受け入れられない場合がある。FCVの場合、設計者は、自動車が燃料補給無しに555.6キロメートル(300マイル)以上走行出来ることを確かなものとするのに十分な燃料のための貯蔵庫を備えることに挑み続けている。
【0003】
全ての設計が、相反する利害関係を解決することを、ある程度要求される。例えば、自動車内の燃料貯蔵システムのサイズを大きくする場合、そのような増加の、乗員室即ち快適性及び、収納スペースに対する影響を考慮する必要がある。水素燃料タンクと一体化された車体の例が、2005年7月28日発行の米国特許出願公開第2005/0161934号明細書(Rife等)に記載されている。上記明細書は、フレームの長手方向に延び、中央に位置するトンネルと、その中央トンネル内に一体化された燃料タンクを持つフロアパンを含む自動車フレームを記述する。上記明細書は、燃料タンクを収容する為にサイズが拡大された大きなトンネルにより、シャシーの剛性を強めることを記述する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記明細書に記述された自動車フレームの限界の一つが、異なる車体のスタイルの夫々が、燃料貯蔵タンクを収容するのに十分な大きさのトンネルを造るべく、変更されなければならない事である。この問題は、その中において各車体が自動車の美観要求と構造要求との両方を満たすべく形成されるユニボディ構造(unibody construction)を示唆する。これは、その中において車体の構造要素の多くが、多数の車体のいずれにも適合すべく構成されたシャシーの中に見られ、それによってシャシーを多数の自動車プラットフォームに渡って有用にさせる、ボディ・オン・フレーム(body-on-frame)構造と対を成すものである。米国特許出願公開第2005/0161934号明細書(RIFE等)に記述された自動車フレームの別の限界が、貯蔵タンクを収容すべくトンネルを構成することが車体剛性を必ず増加させるということであり、これは自動車設計者にとって利用可能な選択肢を少なくする。
【0005】
したがって、自動車が燃料補給が必要になる前に長い距離を走行可能にするのに十分大きな燃料貯蔵タンク、即ち具体的には、圧縮ガスを貯蔵可能なタンクを含む、自動車用の燃料貯蔵システムを備えることが望ましい。加えて、燃料貯蔵タンクを収容する為の車体の変更が必要ない燃料貯蔵システムを備えることが望ましい。また、車体の剛性に影響しない燃料貯蔵システムを備えることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の利点の一つが、燃料貯蔵システムを収容するために種々の異なる車体のいずれにも、車体の変化を経ることなくフレームに取付けられ得るような、自動車フレームに適合可能な自動車用燃料貯蔵システムを提供することである。これは、同一の燃料貯蔵システムがフレームの一つに取付けられ、そして複数の自動車プラットフォームに渡って使用されることを可能にする。
【0007】
本発明の別の利点が、圧縮水素ガスを保持可能な燃料貯蔵タンクを備え、燃料補給されることが必要となる前に555.6キロメートル(300マイル)以上走行できる自動車を提供することである。
【0008】
本発明の更なる利点が、車体の剛性を不必要に増加させず、それによって、自動車設計者に、車体デザインの選択において、より優れた柔軟性を提供することである。
【0009】
本発明の別の利点が、単一の燃料貯蔵タンクを利用可能であり、それによって複数タンク・システムより優れた重量低減を供給する燃料貯蔵システムを提供することである。
【0010】
本発明はまた、第一及び第二の対向するサイド・レール及び、その第一及び第二サイドレールの間に配置された第一及び第二クロスメンバーを含むフレームを含んだ、自動車用燃料貯蔵システムを提供する。フレームは、複数の車体のいずれか一つを受け、それによりボディ・オン・フレーム車体構造を形成するよう、構成される。単一の、概して円筒状の水素燃料貯蔵タンクが、サイドレールの間に、フレームの長手方向に沿って配置される。非剛体取付け構造体が、タンクをフレームに取付けられるのに使用される。取付け構造体は、タンクが動くことを可能にすべく構成され、それによって、タンクが加圧されるとき及び減圧されるときの夫々において、タンクの拡張及び収縮の根拠となる。
【0011】
本発明は更に、第一端部及び第二端部を持ち、そして概して開口する中央内部を持つペリメータ(perimeter)構造を規定するフレームを含む、自動車用の燃料貯蔵システムを提供する。フレームは、複数の車体のいずれか一つを受けるように構成され、それにより、ボディ・オン・フレーム車体構造を形成する。燃料貯蔵タンクは、中央内部の中に、フレームの長手方向に沿って配置される。タンクは、フレームの各端部に近接して配置される第一端部及び第二端部を含む。タンクの端部の夫々は、そこを通って燃料が通過するのを可能とするよう構成され、それによって、タンクがフレームの長手方向に沿った燃料送出導管を形成するよう、タンクの一方の端部における燃料流入と、タンクの他方の端部における燃料出力とを可能とする。
【0012】
本発明はまた、燃料貯蔵システムを含む自動車を提供する。自動車は、第一端部及び第二端部を持ち、そして概して開口する中央内部を持つペリメータ(perimeter)構造を規定するシャシーを含む。シャシーは、複数の車体のいずれか一つを受けるように構成され、それによってボディ・オン・フレーム車体構造を形成する。燃料電池配列が、フレームの第一端部に近接して配置され、燃料を受け、そして電気エネルギーを出力するよう作動する。燃料タンクが、燃料電池用の燃料源を備えるため、中央内部の中に、シャシーの長手方向に沿って配置される。タンクは、燃料電池配列に近接して配置された燃料アウトプット及び、シャシーの第二端部に近接して配置された燃料インプットを含む。このようにして、タンクは、シャシーの長手方向に沿った燃料送出導管を形成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1A及び1Bが、本発明の実施形態に従う自動車10を示す。自動車10は、自動車10を進ませるための電気を生成するための燃料として水素ガスを使用するよう構成された、燃料電池自動車である。図1Aに示されるように、自動車10は、大きく、概して円筒状の燃料タンク14を持つ燃料貯蔵システム12を含む。燃料タンク14は、圧縮水素ガスを保持するよう構成され、そして具体的には、自動車10が燃料補給を必要とする前に555.6キロメートル(300マイル)以上走行出来るように十分なガスを保持すべく十分大きくされる。タンク14は、自動車10の最前部近くに配置された、燃料電池配列或いはスタック16に、水素ガスを供給する。燃料電池スタック16は前側及び後側の電動トランスアクスルによって直接的に使用され得、そして、後の使用の為にバッテリー22の中に蓄積され得る電気を生成すべく、燃料タンク14から供給される水素ガスを使用する。
【0014】
タンク14は、8〜12kgの圧縮水素燃料を貯蔵するために十分な大きさ、例えば、350〜400リットルの容積であると考えられる。このサイズの大きさのタンクを持つことは、自動車10が燃料補給無しに、同時に、トランクのスペース、後席の高さ或いは、足元の快適性に悪影響を与えること無しに、少なくとも555.6キロメートル(300マイル)走行可能なことを確かなものとする一助となる。例えば、350kgf/cm2(5000psi)以上の圧力においては、350リットルより小さなタンクの中に、8〜12kgの水素燃料が貯蔵可能な場合がある。しかしながら本発明は、必要に応じて比較的大きなタンクを使用することも可能にする。
【0015】
自動車10はまた、燃料電池スタック16内の電気生成反応を促進する為、燃料電池スタック16に空気を供給する圧縮器24を含む。熱交換器26が、燃料電池スタック16を冷却するために使用される。図1Bに示されるように、燃料タンク14は自動車10の長手方向に沿って中央に置かれる。通常の自動車において、この空間の多くは、変速装置及びドライブシャフトによって占められるが、この燃料電池自動車10の中には、いずれも存在しない。タンク14を自動車10の中間部に置くことによって、乗員空間及び座席への影響が最小にされる。特に、自動車10は依然として、三列目のベンチシート28、二列目のバケットシート30、31、そして前側バケットシート32、34を含む三列シートに適合可能である。したがって、自動車10は、乗員空間及び荷室空間への悪影響を最小化しながらも、長い航続距離を確保するための大きな圧縮ガス貯蔵タンクを備える利点を持つ。
【0016】
図1A及び1Bから認識できるように、自動車10は、単一のフレーム設計が複数の異なる車体に適合可能なように、ボディ・オン・フレーム構造を持つ。図2において、自動車10のシャシー或いはフレーム36が、貯蔵システム12の燃料タンク14及び他の要素と分離しているのが示される。図2に示されるように、フレーム36は、第一端部40及び第二端部42及び、概して開口する中央内部44を持つ、ペリメーター構造38を形成する。図3に示されるように、フレーム36は、車体46を受けるように構成され、そして具体的には、フレーム36は、複数の異なる形式の車体のいずれも受けることが可能であり、それにより、自動車10にデザインの柔軟性を与える。図2に戻ると、フレーム36が、第一のサイドレール48、第二の対向するサイドレール50、及び、第一と第二のサイドレール48、50の間に配置された、第一及び第二のクロスメンバー52、54を含む多数のクロスメンバーを含むのが示される。
【0017】
図2及び3を参照すると、自動車10の前部56及び自動車10の後部58が、自動車フレーム36の第一端部40及び第二端部42に概して対応する。タンク14は、多くの異なる方法のいずれによっても、フレーム36に固定され得る。例えば、図2の実施形態においては、燃料貯蔵システム12は非剛体取付け構造56を含む。より詳細には図4乃至7に示されるように、取付け構造体56は、タンク14が安定し、そしてタンク14が加圧及び減圧されるときに拡張及び収縮出来るように、タンク14がフレーム36に対して弾力的に取付けられることを可能にする。弾力的取付け構造56はまた、自動車10が動作中においてフレーム36が曲がりそして捩じれるときに、タンク14を、フレーム36の動きから、実質的に分離されることを可能とする。
【0018】
図4はタンク14の一部分を示し、具体的には、自動車10の前部56に向かって指向する部分を示す。タンク14は、タンク14の長手方向に沿った大部分において概して一定の直径を持つ中間部58を含む。タンク14は、中間部58よりかなり小さな直径を持つ第一首部60を形成する、第一端部を含む。図5を参照すると、タンク14の後部における第二首部62も示されており、第二首部もまた、タンク14の中間部58よりかなり小さな直径を持つ。燃料電池スタック16が自動車10の前方に向かって指向しているので(図1A及び1Bを参照)、燃料送出システム64がタンク14の前端部に取付けられる。
【0019】
燃料送出システムは、燃料電池スタック16に取付けられるように構成され、そして、加圧水素ガスが要求に応じて燃料電池スタック16に供給されることを可能とする。同様に、図5に示されるように、燃料受入システム66が、タンク14の後部に配置される。燃料受入システム66は、タンク14に燃料源からの加圧水素ガスを燃料補給することを可能とするように構成される。タンク14の両端部をガスが通過可能に構成することにより、タンク14は、自動車10の長手方向に沿った燃料送出導管としての役割を果たす。この構造は、仮にタンク14がもっと短い場合に、或いは、仮にタンク14内部へのアクセスが専ら一つの端部を通る場合に必要となるであろう追加の燃料通路及び/又は導管を削減する一助となる。
【0020】
図4及び5に示されているように、取付け構造体56は、タンク14の前端部及び後端部に夫々配置された第一部分68及び第二部分70を含む。図6が、タンク14から分離された取付け構造体56の第一部分68を示す。図6に示されているように、取付け構造体56の第一部分68は、第一首部60(図4を参照)の周りに配置される円周部或いは、取付けリング72を含む。
【0021】
取付けリング72は、溝74から明らかなように、分割された環状留め具として構成される。この構造は、取付けリング72が、タンク14の首部60の周りにしっかりと締め付けられることを可能にする。ボルト76、78及び夫々のナット80、82は、取付けリング72をブラケット84に保持するだけでなく、ボルト78とナット82とを締め付けることが、取付けリング72をタンク14の首部60の周りに締め付けることにもなるであろう。上述したように、取付け構造体56は非剛体取付け構造体である。この形式の取付けを容易にする為、第一の部分68、具体的にはブラケット84が、取付けリング72から横方向外側に延びる一組の細長部材或いは、延設部材86、88を含む。延設部材86、88の夫々は、各弾力的取付け構造体90、92を介してフレーム36の一部に取付けられるべく構成される。
【0022】
弾力的取付け構造体90、92は、フレーム36が曲がったり捩れたりするときにブラケット84を相対的に静止したままにするのを可能とする、エラストマー材料或いは他の可撓性材料を含み得る。弾力的取付け構造体90、92の夫々は、取付けリング72で使用したのと同様の、ナット及びボルト構造を介して、フレーム36に取付けられ得る。取付け構造体56の第一部分68の為のそのような取付け構造の結果、取付けリング72が第一首部60周りにしっかりと固定されそして、ブラケット84がフレーム36に取付けられるので、タンク14は前端部近くの長手方向の動きを抑制される。タンク14は、加圧されたときに周方向及び長手方向の両方に拡張可能なので、取付け構造体56の第二部分70は第一部分68とは異なる構造を持つ。
【0023】
図7に目を転じると、取付け構造体56の第二部分70が、同様に周辺部或いは取付けリング94を含むのが示される。取付けリング94は、タンク14の第二首部62を受けるように構成される。留め具72とは異なり、取付けリング94は第二首部62に対する固定取付けを目的として構成されていない。むしろ、第二首部62は単に、第二首部62の長手方向の動きを可能とするのに十分大きな開口96を通って突出するのみである。したがって、取付け構造体56の第二部分70を備えるので、ボルト98、100及びナット102、104は単に、取付けリング94をブラケット106に保持するのみであり、第二首部62を頑強に固定することは無い。
【0024】
ブラケット106はまた、取付けリング94から横方向外側に延びる二つの細長部材即ち、延設部材108、110を含む。図6と図7との比較が、ブラケット84、106が若干異なる構造を持つことを明らかにする。このようにフレーム36が構成されるため、二つのブラケット84、106の間の違いが、全体的なパッケージの効率即ち、空間の節約性を高める。図7に戻ると、ブラケット106が又、弾力的取付け構造体112、114を含むのが示される。第一部分68中の対応する部分と同様に、第二部分70上の弾力的取付け構造体112、114は、エラストマー材料或いは、フレーム36が曲がったり捩れたりするときにブラケット106を相対的に静止したままにするのを可能とする他の可撓性材料を含み得る。ブラケット106もまた、弾力的取付け構造体112、114を通して配置されるボルト及びナット、或いは、他の締め具を介してフレーム36の一部に取付けられ得る。図3に示したように、取付け構造体56は、タンク14の中間部58の周りへの円周方向の取付けを含まない。これは、タンク14が加圧されたときの、タンク14の直径方向の動き或いは、円周方向の拡張を容易にする。
【0025】
図8は、自動車のシャシー或いはフレーム36'の部分図を含む、本発明の別の実施形態を示す。フレーム36'が、図2に示されるフレーム36と同様に構成され、したがって、フレーム36'の主要構成は、同様の構成部品を表すべくプライム符号(’)を使用する番号で標識される。フレーム36'はペリメータ構造38'を規定するが、その端部は図8に示されていない。フレーム36'は、その中に燃料貯蔵タンク14'が配置される、概して開口する中央内部44'を含む。フレーム36と同様に、フレーム36'は、複数の異なる車体のいずれもがフレーム36'の上に載置され得るように、ボディ・オン・フレーム車体構造の一部として構成される。
【0026】
図2に示される燃料貯蔵システム12と図8に示される燃料貯蔵システム12'との間の明らかな違いの一つが、燃料貯蔵タンク14、14'の取付けである。具体的には、タンク14'は、複数の輪状帯配列(hoop strap arrangement)116、118、120を含む固定取付け構造体を使用してフレーム36'に取付けられる。輪状帯配列は、タンク14'に固定され、そして、フレーム36'にも取付けられる。それにより、付加的なクロスメンバーとしての役割を果たす。もちろん、輪状帯配列116、118、120の夫々は、タンク14'が加圧されるとき、タンク14'の直径方向の拡張を可能とすべく構成される。図8に示される形式の取付け構造を使用することは、フレーム36'のような自動車フレームに対して剛性を追加する。この増加された剛性は、場合によっては有利になり得るが、前述したように、そして他の絵において示したように、本発明はまた、自動車フレーム剛性に大きな影響を与えない非剛体取付け構造を企図している。したがって、本発明は、燃料貯蔵システム及び自動車の構成に関して、柔軟性を提供する。
【0027】
本発明を実行する為の最良の態様を詳細に記述してきたが、本発明が関連する技術の当業者は、特許請求の範囲に記載されている本発明を実施する為の、種々の代替設計及び代替実施形態を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】本発明に従った自動車の側面図である。
【図1B】本発明に従った自動車の平面図である。
【図2】本発明に従った燃料貯蔵システムの等角図である。
【図3】そこに取り付けられる車体を含む、図2に示された燃料貯蔵システムの部分断片等角図である。
【図4】燃料貯蔵タンクの前部及び、燃料貯蔵システムの取付け構造体の部分断片等角図である。
【図5】燃料貯蔵タンクの後部及び、取付け構造体の部分断片等角図である。
【図6】図4に示される取付け構造体の一部の正面図である。
【図7】図5に示される取付け構造体の一部の正面図である。
【図8】そこにおいて、燃料貯蔵タンクが自動車フレームに頑強に取り付けられた、本発明の別の実施形態に従った燃料貯蔵システムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一サイドレール及び対向する第二サイドレールと、上記第一サイドレールと上記第二サイドレールとの間に配置された第一及び第二クロスメンバーとを含み、複数の車体のうちいずれか一つを受けるように構成され、それによってボディ・オン・フレーム車体構造を形成する、フレーム、
上記フレームの長手方向に沿って上記サイドレール間に配置される、単一の、概して円筒状の水素燃料タンク、及び、
上記タンクを上記フレームに取付けるための、非剛体取付け構造体を備え、
該取付け構造体が上記タンクが動くことを可能に構成され、それによって、上記タンクが加圧及び減圧されるときに上記タンクの拡張及び収縮の根拠となる、
自動車用燃料貯蔵システム。
【請求項2】
上記タンクが、夫々が上記タンクの中間部よりも小さな直径を持ち、それによって夫々が第一首部及び第二首部を形成する第一端部及び第二端部を含み、
上記取付け構造体が、上記第一首部を上記フレームに取り付けるように構成された第一部分及び、上記第二首部を上記フレームに取り付けるように構成された第二部分を含む、
請求項1の燃料貯蔵システム。
【請求項3】
上記取付け構造体の上記第一部分が、上記タンクの長手方向の動きを抑制し、そして、上記取付け構造体の上記第二部分が、上記タンクの長手方向の動きを容易にする、
請求項2の燃料貯蔵システム。
【請求項4】
上記取付け構造体の上記第一部分が上記第一首部の周りに配置される円周部を含み、そして、上記取付け構造体の上記第二部分が上記第二首部の周りに配置される円周部を含み、
上記取付け構造体が、上記タンクの上記中間部周りに周方向の取付け具を備えず、それによって、上記タンクの直径方向の動きを容易にするように更に構成されている、
請求項3に記載の燃料貯蔵システム。
【請求項5】
上記取付け構造体の上記第一及び第二部分の夫々が、各々の周方向部から横方向に配置された一組の延設部材を含み、該延設部材の夫々が、上記フレームの一部に取り付けられる、
請求項4に記載の燃料貯蔵システム。
【請求項6】
上記取付け構造体の上記第一及び上記第二部分の夫々の延設部材の少なくとも一つが、上記フレームの一部の夫々に対する弾力的取付け具を含み、それによって、上記タンクを上記フレームの捩じり運動及び曲げ運動から実質的に分離する、
請求項5の燃料貯蔵システム。
【請求項7】
第一及び第二端部と、概して開口する中央内部を持つペリメータ構造を規定し、複数の車体のいずれか一つを受けるように構成され、それによってボディ・オン・フレーム車体構造を形成するフレーム、及び、
上記フレームの各端部に近接して配置される第一及び第二端部を含み、上記フレームの長手方向に沿って上記中央内部の中に配置される燃料貯蔵タンクを備え、
上記タンクの各端部が、燃料がそこを通過できるように構成され、それにより、上記タンクが上記フレームの長手方向に沿った燃料送出導管を形成するように、上記タンク端部の一方において燃料流入を可能とし、そして、上記タンク端部の他方において燃料出力を可能とする、
自動車用燃料貯蔵システム。
【請求項8】
上記タンクを上記フレームに取り付けるための取付け構造体を更に備え、
該取付け構造体が、夫々上記フレームの上記第一及び第二タンク端部に取り付けられるように構成された第一及び第二部分を含む、
請求項7の燃料貯蔵システム。
【請求項9】
上記取付け構造体が第一び第二部分を含み、該第一及び第二部分の夫々が、取付けリング及び、該リングから外方向に延びる一組の細長部材を含み、
上記リングの夫々が、タンク端部への取付け用に構成され、そして、
上記延設部材の夫々が、上記フレームの一部に対する取付け用に構成される、
請求項8の燃料貯蔵システム。
【請求項10】
上記リングの一方が上記タンクの横方向の動きを抑制し、そして、上記リングの他方が上記タンクの横方向の動きを容易にする、
請求項9の燃料貯蔵システム。
【請求項11】
上記取付け構造体の上記第一及び第二部分の夫々の上記細長部材の少なくとも一方が、上記フレームに対する弾力的取付け具を含み、それによって上記タンクを、上記フレームの捩じり運度及び曲げ運動から実質的に分離する、
請求項10の燃料貯蔵システム。
【請求項12】
上記タンクが、上記タンク端部の間に配置される中間部を含み、
上記取付け構造体が、上記第一及び第二部分のみを含み、それによって、上記タンクの上記中間部の直径方向の拡張及び収縮を容易にする、
請求項11の燃料貯蔵システム。
【請求項13】
上記タンクが上記フレームに対して剛性を追加するように、上記タンクを上記フレームに取り付けるための固定取付け構造体を更に備える、
請求項7の燃料貯蔵システム。
【請求項14】
燃料貯蔵システムを含む自動車において、
第一及び第二端部と、概して開口する中央内部を持つペリメータ構造を規定し、複数の車体のいずれか一つを受けるように構成され、それによってボディ・オン・フレーム車体構造を形成するシャシー、
該シャシーの上記第一端部に近接して配置され、燃料を受けて電気エネルギーを出力するよう作動する燃料電池配列、及び、
上記燃料電池用の燃料源を提供するため、上記中央内部の中に、シャシーの長手方向に沿って配置された燃料貯蔵タンクを備え、
該タンクが、上記燃料電池配列に近接して配置された燃料アウトプット及び、上記シャシーの上記第二端部に近接して配置された燃料インプットを含み、上記シャシーの長手方向に沿った燃料送出導管を形成する、自動車。
【請求項15】
上記タンクは概して円筒状であり、
上記自動車が、上記タンクを上記シャシーに取り付けるための非剛体取付け構造体を更に含み、
上記取付け構造体が、上記タンクの長手方向及び直径方向の動きを可能とするように構成され、それによって、上記タンクが加圧されるとき及び減圧されるときの夫々において、上記タンクの拡張及び収縮の根拠となる、
請求項14の自動車。
【請求項16】
上記タンクが第一及び第二端部を含み、該タンク端部の夫々が、上記タンクの中間部より小さな直径を持ち、それによって夫々が第一首部及び第二首部を形成し、そして、
上記取付け構造体が、上記第一首部を上記シャシーに取り付けるよう構成された第一部分、及び、上記第二首部を上記シャシーに取り付けるように構成された第二部分を含む、
請求項15の自動車。
【請求項17】
上記取付け構造体の上記第一部分が上記タンクの長手方向の動きを抑制し、そして、上記取付け構造体の第二部分が上記タンクの長手方向の動きを容易にする、
請求項16の自動車。
【請求項18】
上記取付け構造体の上記第一部分が、上記第一首部の周りに配置された円周部を含み、そして、上記取付け構造体の上記第二部分が、上記第二首部の周りに配置された円周部を含み、
上記取付け構造体が、上記タンクの中間部の周りに周方向取付け具を備えず、それによって上記タンクを直径方向の動きを容易にするよう更に構成されている、
請求項17の自動車。
【請求項19】
上記取付け構造体の上記第一及び第二部分の夫々が、各々の周方向部から横方向に配置された一組の延設部材を含み、
該延設部材の夫々が、上記シャシーの一部に取り付けられる、
請求項18の自動車。
【請求項20】
上記取付け構造体の上記第一及び第二部分の夫々の上記延設部材の少なくとも一つが、各々のシャシーの一部に対する弾力的取付け具を含み、それによって、上記タンクを上記シャシーの捩じり運動及び曲げ運動から実質的に分離する、
請求項19の自動車。
【請求項21】
上記タンクが上記シャシーに対して剛性を追加するように、上記タンクを上記シャシーに取り付けるための固定取付け構造体を更に備える、
請求項14の自動車。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−518827(P2008−518827A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539170(P2007−539170)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/038956
【国際公開番号】WO2006/057765
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(503136222)フォード グローバル テクノロジーズ、リミテッド ライアビリティ カンパニー (236)
【Fターム(参考)】