説明

薄膜の形成方法、プラズマ成膜装置及び記憶媒体

【課題】被処理体の表面の凹部の開口部近傍にオーバハング部が形成されることを防止し、この結果、ピンチオフやボイドを発生させることなく凹部内を埋め込むことが可能な薄膜の形成方法を提供する。
【解決手段】高融点金属よりなる金属ターゲット96をスパッタしつつ発生した金属粒子をプラズマでイオン化し、載置台60上に載置された表面に凹部を有する被処理体2の表面に前記イオン化された金属粒子をバイアス電力により引き込んで高融点金属を含む薄膜を堆積する成膜工程を有する薄膜の形成方法において、被処理体を、堆積されつつある薄膜がフローを生ずるようなフロー温度に加熱した状態に維持するようにする。これにより、表面拡散を生ぜしめて被処理体の表面の凹部の開口部近傍にオーバハング部が形成されることを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜の形成方法、プラズマ成膜装置及び記憶媒体に係り、特に半導体ウエハ等の被処理体に形成されている凹部を埋め込む時等に形成するバリヤ層等を形成する薄膜の形成方法、プラズマ成膜装置及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体デバイスを製造するには、半導体ウエハに成膜処理やパターンエッチング処理等の各種の処理を繰り返し行って所望のデバイスを製造するが、半導体デバイスの更なる高集積化及び高微細化の要請より、線幅やホール径が益々微細化されている。そして、配線材料や埋め込み材料としては、従来は主としてアルミニウム合金が用いられていたが、最近は線幅やホール径が益々微細化されて、且つ動作速度の高速化が望まれていることからタングステン(W)や銅(Cu)等も用いられる傾向にある。
【0003】
そして、上記Al、W、Cu等の金属材料を配線材料やコンタクトのためのホールの埋め込み材料として用いる場合には、例えばシリコン酸化膜(SiO )等の絶縁材料と上記金属材料との間で例えばシリコンの拡散が生ずることを防止したり、膜の密着性を向上させる目的で、或いはホールの底部でコンタクトされる下層の電極や配線層等の導電層との間の密着性等を向上する目的で、上記絶縁層や下層の導電層との間の境界部分にバリヤ層を介在させることが行われている。そして、上記バリヤ層としてはTa膜、TaN膜、Ti膜、TiN膜等が広く知られている(特許文献1及び2)。この点について図8を参照して説明する。
【0004】
図8は半導体ウエハの表面の凹部の埋め込み状態を示す断面図である。図8に示すように、被処理体として例えばシリコン基板等よりなる半導体ウエハ2の表面には例えば配線層等となる導電層4が形成されており、この導電層4を覆うようにして半導体ウエハ2の表面全体に例えばSiO 膜等よりなる絶縁層6が所定の厚さで形成されている。上記導電層4がトランジスタやコンデンサ等の電極等に対応する場合もある。
【0005】
そして、上記絶縁層6には、上記導電層4に対して電気的コンタクトを図るためのスルーホールやビアホール等のコンタクト用の凹部8が形成されている。尚、上記凹部8として細長いトレンチ(溝)を形成する場合もある。そして、この凹部8内の底面及び側面を含めた半導体ウエハ2の表面全体に、すなわち絶縁層6の上面全体に上述したような機能を有するバリヤ層10を所望の厚さで形成し、更に、このバリヤ層10上に配線材料や埋め込み材料として導電性の金属を堆積させて導電層12を形成し、上記凹部8内を埋め込むようにしている。
【0006】
ここで上記バリヤ層10としては種々存在し、例えばTi膜及びTiN膜を順次積層してなる2層構造のバリヤ層や、TaN膜及びTa膜を順次積層してなる2層構造のバリヤ層や、更には、Ti膜、TiN膜、Ta膜及びTaN膜の内の1層のみを用いたバリヤ層も存在し、いずれにしても、このバリヤ層10の上層に形成される導電層12の種類によってバリヤ層10の材質及び構造が決定される。
【0007】
そして、最近にあっては、上記したバリヤ層10の材質の中で、特にTi膜よりなる、或いはTi膜を含むバリヤ層10が注目されている。その理由は、Ti膜よりなるバリヤ層やTi膜を含むバリヤ層は金属等の拡散を特に抑制でき、電気抵抗も非常に小さく、更には体積膨張率も小さく、配線材料との密着性も良好である等の利点を有するからである。
【0008】
【特許文献1】特開2003−142425号公報
【特許文献2】特開2006−148074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記Ti膜は一般的にはプラズマ成膜装置を用いたプラズマスパッタ法により成膜される。図9は表面に凹部を有する半導体ウエハの表面にTi膜が形成される時の状態を示す断面図である。周知のように、プラズマスパッタ法は指向性が大きいために、図9に示すように、ウエハの上面やホール等の凹部8内の底面等のようにウエハ表面に対する法線14に直交する面には比較的厚くTi膜が成膜されるのに対して、凹部8内の側面などのように上記法線14に平行する面には比較的薄くしかTi膜が成膜されない。
【0010】
そのため、上記凹部8内の側壁のステップカバレジを確保するために、上記Ti膜16を成膜した直後には、例えばArガスを用いたスパッタリングを行い(これを「リスパッタリング」と称す)、厚く堆積した部分のTi膜をスパッタリングにより削り取って、これを堆積膜厚の薄い上記凹部8内の側面等に再付着させて全体の膜厚ができるだけ均一になるようにしている。
【0011】
しかしながら、上記Ti膜16は、スパッタリングにより比較的削り取られ易い物質であり、特に、図9に示すように、凹部8の肩部8A、すなわち凹部8の開口部のコーナ部は非常に削り取られ易い。
【0012】
このため、この肩部8Aでスパッタリングにより削り取られたTi金属粒子18Aは対向する側の面に再付着して堆積する傾向となり、この結果、図9中で一点鎖線で示すように凹部8の開口部近傍に中央部側へ凸状に突出したオーバハング部20が形成されてしまっていた。このため、この凹部8の開口が閉じてピンチオフが発生したり、この後工程で上記凹部8内を導電層で埋め込む際に、上記オーバハング部20が障害となって十分に埋め込みができずに、凹部8内にボイド(空洞)が発生する、といった問題があった。
【0013】
上記問題は、線幅やホール径が100nmよりも大きくて設計基準が緩かった従来の場合には、Ti膜の膜厚を厚くする等の対応により防ぐことができたが、より微細化傾向が進んで、線幅やホール径として100nm以下の設計基準が要求される現在にあっては、上記問題点の早期解決が求められている。
【0014】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、被処理体の表面の凹部の開口部近傍にオーバハング部が形成されることを防止し、この結果、ピンチオフやボイドを発生させることなく凹部内を埋め込むことが可能な薄膜の形成方法、プラズマ成膜装置及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者等は、バリヤ層の形成方法について鋭意研究した結果、Ti膜のプラズマスパッタリングによる成膜に際して、半導体ウエハの温度を堆積しつつあるTi膜が流れ出すフロー温度に維持することによりTi膜の表面拡散を生ぜしめ、これによりオーバハング部の発生を抑制することができる、という知見を得ることにより、本発明に至ったものである。
【0016】
請求項1に係る発明は、高融点金属よりなる金属ターゲットをスパッタしつつ発生した金属粒子をプラズマでイオン化し、載置台上に載置された表面に凹部を有する被処理体の表面に前記イオン化された金属粒子をバイアス電力により引き込んで高融点金属を含む薄膜を堆積する成膜工程を有する薄膜の形成方法において、前記被処理体を、前記堆積されつつある薄膜がフローを生ずるようなフロー温度に加熱した状態に維持するようにしたことを特徴とする薄膜の形成方法である。
【0017】
このように、表面に凹部を有する被処理体の表面に薄膜を堆積して形成するに際して、被処理体を、堆積されつつある薄膜がフローを生ずるようなフロー温度に加熱した状態に維持するようにしたので、堆積しつつある薄膜が流れ出して表面拡散が生じ、これにより、被処理体の表面の凹部の開口部近傍にオーバハング部が形成されることを防止し、この結果、ピンチオフやボイドを発生させることなく凹部内を埋め込むことができる。
【0018】
この場合、例えば請求項2に記載したように、前記被処理体は、前記成膜工程が行われてる間において加熱されている。
また、例えば請求項3に記載したように、前記フロー温度は、前記被処理体の下層の耐熱温度以下である。
また、例えば請求項4に記載したように、前記バイアス電力は、50〜1600ワットの範囲内に設定されている。
【0019】
また、例えば請求項5に記載したように、前記薄膜はTi膜であり、前記フロー温度は300℃以上である。
【0020】
また、例えば請求項6に記載したように、前記被処理体には、前記成膜工程を行う直前に前記被処理体を前記フロー温度に予備加熱する予備加熱工程が施される。
また、例えば請求項7に記載したように、前記予備加熱工程は、プラズマ成膜装置とは異なる予備加熱装置で行われる。
【0021】
請求項8に係る発明は、真空引き可能になされた処理容器と、被処理体を載置するための載置台と、前記被処理体を加熱する加熱手段と、前記処理容器内へ所定のガスを導入するガス導入手段と、前記処理容器内へプラズマを発生させるためのプラズマ発生源と、高融点金属よりなる金属ターゲットと、前記金属ターゲットへ前記ガスのイオンを引きつけるための電圧を供給するターゲット用の電源と、前記載置台に対してバイアス電力を供給するバイアス電源と、装置全体の動作を制御して請求項1乃至6のいずれか一項に記載の成膜方法を実行させる装置制御部とを備えたことを特徴とするプラズマ成膜装置である。
【0022】
請求項9に係る発明は、真空引き可能になされた処理容器と、被処理体を載置するための載置台と、前記被処理体を加熱する加熱手段と、前記処理容器内へ所定のガスを導入するガス導入手段と、前記処理容器内へプラズマを発生させるためのプラズマ発生源と、高融点金属よりなる金属ターゲットと、前記金属ターゲットへ前記ガスのイオンを引きつけるための電圧を供給するターゲット用の電源と、前記載置台に対してバイアス電力を供給するバイアス電源と、装置全体の動作を制御する装置制御部とを備えたプラズマ成膜装置を用いて前記被処理体に薄膜を堆積するに際して、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の成膜方法を実行するように制御するコンピュータに読み取り可能なプログラムを記憶する記憶媒体である。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る薄膜の形成方法、プラズマ成膜装置及び記憶媒体によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
表面に凹部を有する被処理体の表面に薄膜を堆積して形成するに際して、被処理体を、堆積されつつある薄膜がフローを生ずるようなフロー温度に加熱した状態に維持するようにしたので、堆積しつつある薄膜が流れ出して表面拡散が生じ、これにより、被処理体の表面の凹部の開口部近傍にオーバハング部が形成されることを防止し、この結果、ピンチオフやボイドを発生させることなく凹部内を埋め込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明に係る薄膜の形成方法、プラズマ成膜装置及び記憶媒体の一実施態様を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明のプラズマ成膜装置を有する処理システムの一例を示す模式図、図2は本発明に係るプラズマ成膜装置の一例を示す断面図である。ここではプラズマ成膜装置としてICP(Inductively Coupled Plasma)型プラズマスパッタ装置を例にとって説明する。
【0025】
まず、本発明に係るプラズマ成膜装置を有する処理システム22の一例について説明する。図1に示すように、この処理システム22は、真空排気可能になされた多角形状、ここでは七角形状になされた共通搬送室24を有しており、この七角形状の共通搬送室24の各辺に相当する部分に気密に開閉されるゲートバルブGが設けられる。そして、この上記各辺の一辺に上記ゲートバルブGを介して必要に応じて使用される予備加熱装置26が接続され、また他の一辺には本発明に係るプラズマ成膜装置28が接続される。上記予備加熱装置26では、被処理体である半導体ウエハ2を所定の温度に加熱できるようになっている。
【0026】
また、この共通搬送室24内には、屈伸及び旋回可能になされた第1の搬送アーム30が設置されており、各ゲートバルブGの方向に対してウエハ2を搬送できるようになっている。また上記各ゲートバルブGの内の隣り合う2つの辺には、ゲートバルブGを介して真空引き及び大気圧復帰の繰り返しが可能になされたロードロック室32がそれぞれ接続されている。
【0027】
そして、これらのロードロック室32には、それぞれゲートバルブGを介して縦長のローダ室34が接続されている。そして、このローダ室34の一側には、I/Oポート36が設けられ、このI/Oポート36に、ウエハ2を複数枚収容したカセット容器等のウエハ収納容器38を設置できるようになっている。また、上記ローダ室34の一端側には、ウエハ2の位置決めを行うオリエンタ40が設けられている。
【0028】
更に、このローダ室34内には、その長手方向へ移動可能になされ、且つ旋回及び屈伸可能になされた第2の搬送アーム42が設けられており、上記ウエハ2の受け渡しを行うようになっている。
【0029】
このような処理システム22では、上記I/Oポート36に設置したウエハ収納容器38からは第2の搬送アーム42を用いてウエハ2を取り出し、このウエハ2をオリエンタ40にて位置決めした後に、上記いずれか一方のロードロック室32内へ収容する。そして、このロードロック室32内を真空引きした後に、このウエハ2を第1の搬送アーム30で取りに行って共通搬送室24内に取り込む。そして、取り込んだウエハ2を、予備加熱装置26やプラズマ成膜装置28へ収容する。
【0030】
また、この第1の搬送アーム30により上記両装置26、28間のウエハ2の搬送も行うことになる。そして、所定の処理が完了したウエハ2は、上記した経路を逆に辿って(オリエンタ40は通らない)、上記ウエハ収納容器38内へ戻ることになる。
【0031】
次に、本発明に係るプラズマ成膜装置28について説明する。図2に示すように、このプラズマ成膜装置28は、例えばアルミニウム等により筒体状に成形された処理容器50を有している。この処理容器50は接地され、この底部52には排気口54が設けられて、圧力調整を行うスロットルバルブ56を介して真空ポンプ58により真空引き可能になされている。
【0032】
この処理容器50内には、円板状の載置台60が設けられる。この載置台60は、例えばアルミニウムよりなる載置台本体60Aと、この上面に設置される静電チャック60Bとよりなり、この静電チャック60B上に被処理体である半導体ウエハ2を吸着して保持できるようになっている。この静電チャック60B内には、電極62が設けられている。
【0033】
また上記載置台本体60A内には、加熱手段として例えば絶縁された抵抗加熱ヒータ66が全面に亘って設けられており、この載置台60上に載置したウエハ2を加熱し得るようになっている。尚、この載置台本体60Aに、上記加熱手段と共に、ウエハ2を必要に応じて冷却する冷媒を流す冷媒通路を形成するようにしてもよい。この載置台60は、この下面の中心部より下方へ延びる支柱68により支持されており、この支柱68の下部は、上記容器底部52を貫通している。そして、この支柱68は、図示しない昇降機構により上下移動可能になされており、上記載置台60自体を昇降できるようにしている。
【0034】
上記支柱68を囲むようにして伸縮可能になされた蛇腹状の金属ベローズ70が設けられており、この金属ベローズ70は、その上端が上記載置台60の下面に気密に接合され、また下端が上記底部52の上面に気密に接合されており、処理容器50内の気密性を維持しつつ上記載置台60の昇降移動を許容できるようになっている。
【0035】
また容器底部52には、これより上方に向けて例えば3本(図示例では2本のみ記す)の支持ピン72が起立させて設けられており、また、この支持ピン72に対応させて上記載置台60にピン挿通孔74が形成されている。従って、上記載置台60を降下させた際に、上記ピン挿通孔74を貫通した支持ピン72の上端部でウエハ2を受けて、このウエハ2を外部より侵入する第1の搬送アーム30(図1参照)との間で移載ができるようになっている。このため、処理容器50の下部側壁には、上記第1の搬送アーム30を侵入させるために開閉可能になされたゲートバルブGが設けられている。
【0036】
またこの載置台本体60A上に設けた上記静電チャック60Bの電極62には、配線76を介してチャック用電源78及び例えば13.56MHzの高周波を発生する高周波電源よりなるバイアス電源80がそれぞれ接続されており、ウエハ2を静電力により吸着保持すると共に、上記載置台60に対してイオン引き込み用の所定のバイアス電力を印加できるようになっている。またこのバイアス電源80はその出力されるバイアス電力を必要に応じて可変的に制御できるようになっている。
【0037】
また、載置台本体60Aの抵抗加熱ヒータ66には、支柱68内に挿通された配線77の一端が接続され、この配線77の他端は供給電力が制御可能になされたヒータ電源79に接続されている。
【0038】
一方、上記処理容器50の天井部には、例えば酸化アルミニウム等の誘電体よりなる高周波に対して透過性のある透過板82がOリング等のシール部材84を介して気密に設けられている。そして、この透過板82の上部に、処理容器50内の処理空間86に例えばプラズマ励起用ガスとしてのArガスをプラズマ化してプラズマを発生するためのプラズマ発生源88が設けられる。
【0039】
尚、このプラズマ励起用ガスとして、Arに代えて他の不活性ガス、例えばHe、Ne等の希ガスを用いてもよい。具体的には、上記プラズマ発生源88は、上記透過板82に対応させて設けた誘導コイル部90を有しており、この誘導コイル部90には、プラズマ発生用の例えば13.56MHzの高周波電源92が接続されて、上記透過板82を介して処理空間86に高周波を導入できるようになっている。
【0040】
ここで、この高周波電源92より出力されるプラズマ電力も必要に応じて制御できるようになっている。
【0041】
また上記透過板82の直下には、導入される高周波を拡散させる例えばアルミニウムよりなるバッフルプレート94が設けられる。そして、このバッフルプレート94の下部には、上記処理空間86の上部側方を囲むようにして例えば断面が内側に向けて傾斜されて環状(截頭円錐殻状)になされた金属ターゲット96が設けられており、この金属ターゲット96にはArイオンを引きつけるための電圧を供給するターゲット用の可変になされた直流電源98が接続されている。尚、この直流電源に代えて交流電源を用いてもよい。
【0042】
従って、この可変直流電源98から出力される直流電力も必要に応じて制御できるようになっている。また、金属ターゲット96の外周側には、これに磁界を付与するための磁石100が設けられている。ここでは金属ターゲット96として高融点金属である例えばTi(チタン)が用いられ、このTiはプラズマ中のArイオンにより金属原子、或いは金属原子団としてスパッタされると共に、プラズマ中を通過する際に多くはイオン化される。尚、上記金属ターゲット96としては、Ti、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Nb(ニオブ)、Mn(マンガン)、Ta(タンタル)よりなる群より選択される1の材料を用いることができる。
【0043】
またこの金属ターゲット96の下部には、上記処理空間86を囲むようにして例えばアルミニウムよりなる円筒状の保護カバー102が設けられており、この保護カバー102は接地されると共に、この下部は内側へ屈曲されて上記載置台60の側部近傍に位置されている。また処理容器50の底部には、この処理容器50内へ必要とされる所定のガスを導入するガス導入手段として例えばガス導入口104が設けられる。このガス導入口104からは、プラズマ励起用ガスとして例えばArガスや他の必要なガス例えばN ガス等が、ガス流量制御器、バルブ等よりなるガス制御部106を通して供給される。
【0044】
ここでプラズマ成膜装置28の各構成部は、例えばコンピュータ等よりなる装置制御部108に接続されて制御される構成となっている。具体的には装置制御部108は、バイアス電源80、プラズマ発生用の高周波電源92、可変直流電源98、ガス制御部106、スロットルバルブ56、真空ポンプ58等の動作を制御し、本発明方法により薄膜を成膜する時に次のように動作する。
【0045】
まず装置制御部108の支配下で、真空ポンプ58を動作させることにより真空にされた処理容器50内に、ガス制御部106を動作させつつArガスを流し、スロットルバルブ56を制御して処理容器50内を所定の真空度に維持する。その後、可変直流電源98を介して直流電力を金属ターゲット96に印加し、更に高周波電源92を介して誘導コイル部90に高周波電力(プラズマ電力)を印加する。これと同時に、ヒータ電源79も制御されて加熱手段である抵抗加熱ヒータ66に電力を印加することによってウエハ2を所定の温度に加熱し、例えばこの温度を維持する。
【0046】
一方、装置制御部108はバイアス電源80にも指令を出し、載置台60に対して所定のバイアス電力を印加する。このように制御された処理容器50内においては、誘導コイル部90に印加されたプラズマ電力によりアルゴンプラズマが形成されてアルゴンイオンが生成され、これらイオンは金属ターゲット96に印加された電圧に引き寄せられて金属ターゲット96に衝突し、この金属ターゲット96がスパッタされて金属粒子が放出される。
【0047】
また、スパッタされた金属ターゲット96からの金属粒子である金属原子、金属原子団はプラズマ中を通る際に多くはイオン化される。ここで金属粒子は、イオン化された金属イオンと電気的に中性な中性金属原子とが混在する状態となって下方向へ飛散して行く。特に、この処理容器50内の圧力は、例えば5mTorr程度になされており、これによりプラズマ密度を高めて、金属粒子を高効率でイオン化できるようになっている。
【0048】
そして、金属イオンは、載置台60に印加されたバイアス電力により発生したウエハ面上の厚さ数mm程度のイオンシースの領域に入ると、強い指向性をもってウエハ2側に加速するように引き付けられてウエハ2に堆積する。このように、高指向性を持った金属イオンにより堆積された薄膜は、基本的には垂直形状のカバレッジを得ることが可能となる。
【0049】
ここで装置各構成部の制御は、装置制御部108により、所定の条件で金属膜の成膜が行われるように作成されたプログラムに基づいて制御されるようになっている。この際、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、フラッシュメモリー、ハードディスク等よりなる記憶媒体110に、各構成部の制御を行うための命令を含むプログラムを格納しておき、このプログラムに基づいて所定の条件で処理を行うように各構成部を制御させる。
【0050】
次に、以上のように構成されたプラズマ成膜装置28を用いて行われる本発明の薄膜の形成方法について図3及び図4も参照して説明する。
図3は凹部内に形成される薄膜の状態を説明する説明図、図4は本発明に係る薄膜の形成方法の第1の実施形態を示すフローチャートである。尚、図8及び図9に記載された部分と同一構成部分については、同一符号を付してある。
【0051】
本発明は、例えば半導体ウエハ2の表面に絶縁層と導電層とを形成する際に、上記絶縁層と導電層との間に介在される薄膜としてバリヤ層を形成する際に用いられる。ここで図8においては上記絶縁層としては絶縁層6が対応し、上記導電層としては埋め込み配線用の導電層12が対応している。
【0052】
まず、図2において載置台60を下方へ降下させた状態で処理容器50のゲートバルブGを介して予め減圧雰囲気になされている処理容器50内へウエハ2を搬入し(S1)、これを支持ピン72上に支持させる。そして、この状態で載置台60を上昇させると、この上面にウエハ2が受け渡されて載置され、このウエハ2が静電チャック60Bにより載置台60の上面に吸着される(S2)。
【0053】
そして、載置台60上にウエハ2を載置して吸着固定したならば、成膜処理を開始する。この時、ウエハ2の上面には、図3(A)に示すように、図8及び図9において説明した構造と同じ構造の凹部8が絶縁層6の一部に予めウエハ搬入前に前工程で形成されている。この凹部8は、溝状のトレンチや穴状のホールよりなり、この底部に下層の配線層4が露出している。
【0054】
まず、処理容器50内を所定のプロセス圧力に維持しつつ加熱手段である抵抗加熱ヒータ66への供給電力を増大して載置台60上に載置しているウエハ2の昇温を開始する(S3)。そして、このウエハ2を所定の温度T1、すなわちこれから堆積されることになる薄膜がフロー(リフロー)を生ずるようなフロー温度まで加熱昇温して行く(S4のNO)。この場合、載置台60を予め予備加熱しておくのが望ましい。
【0055】
この所定の温度T1は例えば400℃程度である。尚、載置台60には、図示しない熱電対等よりなる温度測定センサが設けられている。そして、ウエハ2の温度が所定の温度T1に到達したならば(S4のYES)、次にプラズマを用いたスパッタ成膜へ移行する(S5)。
【0056】
まず、プラズマ発生源88の誘導コイル部90にプラズマ電力を印加し、且つバイアス電源80より所定のバイアス電力を載置台60の静電チャック60Bに印加する。更に金属ターゲット96には可変直流電源98より所定の直流電圧を印加して成膜を行う。ここでは、Ti合金膜を形成するためにガス導入口104よりプラズマ励起用ガスである例えばArガスを処理容器50内に供給する。
【0057】
これにより、プラズマ電力でもってアルゴンプラズマが形成されてアルゴンイオンが生成され、これらイオンはTiよりなる金属ターゲット96に衝突し、この金属ターゲットがスパッタされて金属粒子が放出される。この金属粒子は、金属原子、金属原子団等よりなり、プラズマによりイオン化され、或いはイオン化されないで中性粒子のままウエハ2の方向へ飛散し、ウエハ表面に堆積して、図3(B)に示すように凹部8内の底面及び側面を含む絶縁層6の表面全体にTi膜122よりなる薄膜としてバリヤ層10が所定の厚さで形成される。
【0058】
この場合、プラズマによる自己バイアスや載置台60に引加されているバイアス電力によって金属イオンは載置台60の表面に対して直交する方向(法線)に引き込まれるように指向性を有しているので、法線14(図9参照)と直交する面、例えば絶縁層6の上面や凹部8の底面には比較的厚くTi膜122が堆積するが、法線14と平行な面、例えば凹部8の側面には、上記底面と比較してTi膜122は薄くしか堆積しない。
【0059】
しかも、凹部8の開口部である肩部8Aには、多くのTi膜が堆積して中央に膨らんで行ってオーバハング部が形成される傾向にあり、この開口の面積が次第に狭くなっていく傾向にある。ここで、本発明にあっては、このプラズマスパッタリングによる成膜の期間中は、ウエハ2の温度が上記フロー温度を維持するように制御している(S6)。
【0060】
このように、成膜中に亘ってウエハ2の温度をフロー温度に維持することにより、堆積しつつあるTi膜112にはフロー温度の熱によるエネルギーのみならず、引き込みによるイオンエネルギーが加わってTi膜112の表面が流れ出し、矢印114に示すように下向き方向へ表面拡散が生じることになる。すなわち、Ti膜112の表面積が少なくなる方向へ金属元素が移動して行く。この結果、上記肩部8Aに堆積しつつあるTi膜112は上記矢印114に示す方向へ表面拡散が生じて肩部8AにおけるTi膜112の膨らみ、すなわちオーバハング部が解消されて図3(C)に示すように、開口の間口が大きい状態で維持され、且つ凹部8内の側壁にもTi膜112を厚く堆積させることができる。
【0061】
従って、凹部8内の壁面に膜厚の均一性が高い状態でTi膜112を形成することができる。そして、所定の時間の成膜処理が完了したならば、成膜処理を終了し、処理容器60内から処理済みのウエハ2を搬出して(S7)、処理を終了することになる。
【0062】
このようにして、Ti膜112よりなる薄膜であるバリヤ層10の形成が完了したならば、他の装置で凹部8内の埋め込み処理を行う。例えば凹部8内にスパッタリングによりCuのシード膜を形成した後に、Cu電気メッキ処理により凹部8内を銅により埋め込んだり、タングステンの成膜処理により凹部8内をタングステンで埋め込んだりすることになる。
【0063】
ここで上記ステップS5、S6における成膜工程では、ウエハ2のフロー温度は、Ti膜を成膜する場合には300℃であり、この成膜期間に亘って300℃以上を維持しておく。この場合、ウエハ温度が300℃よりも低いと、温度が低過ぎて十分な表面拡散が生じないので好ましくない。また、表面拡散を生ぜしめるためには、ウエハ温度は高い程よいが、この凹部8の下層に形成されたトランジスタ等の素子の耐熱温度以下に設定する。この耐熱温度は、下層に作り込まれた素子の種類にもよるが、例えば450℃程度である。
【0064】
ここで、一般的には金属物質は融点以上に加熱すれば上述したような表面拡散が生ずるが、融点が1600℃程度と非常に高いTi膜が300℃程度の低温でも表面拡散が生ずる理由は、バイアス電力により引き込まれるプラズマイオンによるイオンエネルギーがアシストして表面拡散が生ずるものと、考えられる。
【0065】
この場合、バイアス電力は50〜1600ワットの範囲内であり、バイアス電力が50ワットよりも小さい場合には、イオンエネルギーが十分ではなくて表面拡散が生じ難くなり、逆に、バイアス電力が1600ワットよりも大きい場合には、スパッタリングによる成膜レートが大きくなり過ぎてしまって肩部8Aの膨らみは表面拡散で減少する以上の速さで成長してしまい、好ましくない。
【0066】
更には、ターゲット金属96に印加する直流電源98の電圧は、1kW〜10kWの範囲が好ましい。また、プロセス時間は堆積するTi膜112の膜厚にもよるが、例えば目標膜厚が15nmの場合には45秒程度である。
【0067】
また、本発明では表面拡散を生ぜしめることが必要であることから、Ti膜の成膜中、ウエハ温度をフロー温度、例えば300℃以上に維持していればよいのであって、常に一定温度、例えば400℃に維持するように制御してもよく、また、一定温度に維持する必要もない。
【0068】
従って、自然放熱による温度低下速度と成膜処理時間とを考慮して成膜処理完了時に300℃以上を保持しているならば、例えばウエハ温度を一旦400℃程度まで昇温したならば抵抗加熱ヒータ66のヒータ電源79をオフするようにしてもよい。
【0069】
更には、第2の実施形態として、このプラズマ成膜装置28とは別に設けた予備加熱装置26(図1参照)で、このウエハ2を予めフロー温度以上に予備加熱しておき、その後、直ちにこの予備加熱されたウエハ2をプラズマ成膜装置28内へ搬入して上述したようなプラズマスパッタによるTi膜の成膜処理を行うようにしてもよい。この場合には、予備加熱装置26でウエハ2は加熱されているので、プラズマ成膜装置28の載置台60に加熱手段66を設ける必要がない。尚、この場合にも、予備加熱温度は、ウエハの搬送時の自然放熱とTi膜成膜時の自然放熱によるウエハ温度の低下を考慮して決定すればよい。
【0070】
このように、本発明によれば、表面に凹部8を有する被処理体(半導体ウエハ)2の表面に薄膜(Ti膜)112を堆積して形成するに際して、被処理体2を、堆積されつつある薄膜がフローを生ずるようなフロー温度に加熱した状態に維持するようにしたので、堆積しつつある薄膜112が流れ出して表面拡散が生じ、これにより、被処理体2の表面の凹部8の開口部近傍にオーバハング部が形成されることを防止し、この結果、ピンチオフやボイドを発生させることなく凹部内を埋め込むことができる。
【0071】
<本発明方法の評価>
次に、本発明方法に従って実際に凹部を有する半導体ウエハにTi膜を形成して実験を行ったので、その評価結果について図5及び図6を参照して説明する。ここでは凹部の開口の幅が35nmと45nmの溝(trench)を有するウエハに対して成膜を行った。また比較のためのウエハを加熱しないで常温(60℃)のままで成膜を行う従来の成膜方法についても行った。
【0072】
プロセス条件は以下の通りである。
ウエハ温度:400℃
プロセス圧力:5mTorr
バイアス電力:100W/800W
プラズマ用高周波電力:5.25kW
ターゲット用電圧:9kW
成膜時間:45sec(膜厚:15nm)
【0073】
図5は凹部に形成した薄膜のオーバハング率を示すグラフ、図6は凹部に形成された薄膜の断面を示す電子顕微鏡写真である。尚、オーバハング率とは、図5に併記した凹部の断面図に示すように、ウエハ上面上の膜厚aと凹部の開口部の水平方向における膜厚bとの比(b/a)で表される。
【0074】
図5に示すように、オーバハング率に関して、トレンチの幅が35nmの場合は、従来方法では76.9%、本発明方法では46.2%であり、またトレンチの幅が45nmの場合は、従来方法では73.1%、本発明方法では46.2%であり、オーバハング率に関しては共に本発明方法が従来方法よりも大幅に改善できることを確認することができた。また、この点は、図6に示す電子顕微鏡写真からも明確であり、従来方法と比較して本発明方法の場合は凹部の開口近傍に形成されるオーバハング部の厚さを大幅に抑制できることを確認することができた。尚、上記結果は載置台60へのバイアス電力が100ワットの場合も800ワットの場合も同じであった。
【0075】
また上記実施態様では、Ti膜112の一層だけでバリヤ層10を構成したが、これに限定されず、複数層でバリヤ層10を構成してもよい。
また、上記凹部8の変形例として図7に示すような構成の凹部にも本発明を適用することができる。図7は凹部の形状の変形例を示す図である。図7に示すように、ここでは絶縁層6に形成される凹部8は、細長い溝状のトレンチ8xと、このトレンチ8xの底部の一部に形成された穴状のホール8yとにより構成されており、このホール8yの底部に下層の配線層等の導電層4が露出して、この導電層4に対して電気的なコンタクトを図ることになる。このような2段構造をDual Damasceneの構造と称す。
【0076】
このような構造の凹部8の場合にも、前述した本発明を適用することができる。また、ここでは被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、これに限定されず、ガラス基板、LCD基板、セラミック基板等にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明のプラズマ成膜装置を有する処理システムの一例を示す模式図である。
【図2】本発明に係るプラズマ成膜装置の一例を示す断面図である。
【図3】凹部内に形成される薄膜の状態を説明する説明図である。
【図4】本発明に係る薄膜の形成方法の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図5】凹部に形成した薄膜のオーバハング率を示すグラフである。
【図6】凹部に形成された薄膜の断面を示す電子顕微鏡写真である。
【図7】凹部の形状の変形例を示す図である。
【図8】半導体ウエハの表面の凹部の埋め込み状態を示す断面図である。
【図9】表面に凹部を有する半導体ウエハの表面にTi膜が形成される時の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0078】
2 半導体ウエハ(被処理体)
4 導電層
6 絶縁層
8 凹部
10 バリヤ層(薄膜)
12 導電層
22 処理システム
24 共通搬送室
26 予備加熱装置
28 プラズマ成膜装置
30 第1の搬送アーム
32 ロードロック室
50 処理容器
60 載置台
60A 載置台本体
60B 静電チャック
62 電極
66 抵抗加熱ヒータ(加熱手段)
79 ヒータ電源
80 バイアス電源
88 プラズマ発生源
92 高周波電源
96 金属ターゲット
98 直流電源
104 ガス導入口(ガス導入手段)
108 装置制御部
112 Ti膜(薄膜)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高融点金属よりなる金属ターゲットをスパッタしつつ発生した金属粒子をプラズマでイオン化し、載置台上に載置された表面に凹部を有する被処理体の表面に前記イオン化された金属粒子をバイアス電力により引き込んで高融点金属を含む薄膜を堆積する成膜工程を有する薄膜の形成方法において、
前記被処理体を、前記堆積されつつある薄膜がフローを生ずるようなフロー温度に加熱した状態に維持するようにしたことを特徴とする薄膜の形成方法。
【請求項2】
前記被処理体は、前記成膜工程が行われてる間において加熱されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜の形成方法。
【請求項3】
前記フロー温度は、前記被処理体の下層の耐熱温度以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜の形成方法。
【請求項4】
前記バイアス電力は、50〜1600ワットの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の薄膜の形成方法。
【請求項5】
前記薄膜はTi膜であり、前記フロー温度は300℃以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の薄膜の形成方法。
【請求項6】
前記被処理体には、前記成膜工程を行う直前に前記被処理体を前記フロー温度に予備加熱する予備加熱工程が施されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の薄膜の形成方法。
【請求項7】
前記予備加熱工程は、プラズマ成膜装置とは異なる予備加熱装置で行われることを特徴とする請求項6記載の薄膜の形成方法。
【請求項8】
真空引き可能になされた処理容器と、
被処理体を載置するための載置台と、
前記被処理体を加熱する加熱手段と、
前記処理容器内へ所定のガスを導入するガス導入手段と、
前記処理容器内へプラズマを発生させるためのプラズマ発生源と、
高融点金属よりなる金属ターゲットと、
前記金属ターゲットへ前記ガスのイオンを引きつけるための電圧を供給するターゲット用の電源と、
前記載置台に対してバイアス電力を供給するバイアス電源と、
装置全体の動作を制御して請求項1乃至6のいずれか一項に記載の成膜方法を実行させる装置制御部とを備えたことを特徴とするプラズマ成膜装置。
【請求項9】
真空引き可能になされた処理容器と、
被処理体を載置するための載置台と、
前記被処理体を加熱する加熱手段と、
前記処理容器内へ所定のガスを導入するガス導入手段と、
前記処理容器内へプラズマを発生させるためのプラズマ発生源と、
高融点金属よりなる金属ターゲットと、
前記金属ターゲットへ前記ガスのイオンを引きつけるための電圧を供給するターゲット用の電源と、
前記載置台に対してバイアス電力を供給するバイアス電源と、
装置全体の動作を制御する装置制御部とを備えたプラズマ成膜装置を用いて前記被処理体に薄膜を堆積するに際して、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の成膜方法を実行するように制御するコンピュータに読み取り可能なプログラムを記憶する記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−182140(P2009−182140A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19574(P2008−19574)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】