説明

表示装置

【課題】表示装置が備えるディスプレイの表示領域の一部がセンターコンソール部に隠蔽されている場合でも、隠蔽されていない表示領域を利用して、ナビゲーション情報以外のユーザにとって有益な情報を提供すること。
【解決手段】制御部が、表示内容切替処理において、表示部のディスプレイがセンターコンソール部に格納されていると判断された場合には(S120:YES)、オーディオ情報を取得し、その取得したオーディオ情報からオーディオ画像を生成し、その生成したオーディオ画像をディスプレイの露出領域に表示させる(S150)。このことにより、ディスプレイの表示領域の一部がセンターコンソール部に隠蔽されている場合でも、隠蔽されていない領域である露出領域を利用して、例えばオーディオ情報といったナビゲーション情報以外のユーザにとって有益な情報を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の近傍に配置され、ナビゲーション装置等によって出力される視覚情報を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ナビゲーション装置によって出力される視覚情報(例えば、地図情報や、経路情報や、施設情報等)は、車両のコンソールボックスに配置された表示装置(例えば、液晶ディスプレイ等)に表示されて運転者に伝達されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、この種の表示装置の中には、液晶ディスプレイをダッシュボードやセンターコンソール部に収納可能に構成された可動式ディスプレイを有する表示装置がある。
【特許文献1】特開平05−24485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、可動式ディスプレイを備える表示装置においては、可動式ディスプレイの一部をインパネなどに収納した場合にその表示領域の一部が隠蔽されるため、ナビゲーションの地図などの表示内容が一部見えなくなるという問題や可動式ディスプレイを格納する場合は機能が提供不能になる等の問題があった。
【0005】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、表示装置が備えるディスプレイの表示領域の一部がセンターコンソール部に隠蔽されている場合でも、隠蔽されていない表示領域を利用して、ナビゲーション情報以外のユーザにとって有益な情報を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る表示装置は、ディスプレイの表示領域の一部がセンターコンソール部に隠蔽されている場合には、ディスプレイの表示領域における隠蔽されていない部分である露出領域に表示するための画像を車両情報またはオーディオ情報から生成し、その生成した画像をディスプレイの露出領域に表示することを特徴とする。
【0007】
具体的には、上述の表示装置は、車両の運行に伴う種々の情報を表示可能な表示領域を有するディスプレイを備える。このディスプレイは、「隠蔽位置」と「露出位置」との間で移動可能である。なお、隠蔽位置とは、車両のセンターコンソール部の内部に表示領域の一部が隠蔽される位置を云い、露出位置とは、センターコンソール部から表示領域すべてが露出する位置を云う。また、ディスプレイ移動手段が、ディスプレイを隠蔽位置と露出位置との間で移動させることが可能であり、位置制御手段が、制御信号に応じて、ディスプレイ移動手段を制御することによってディスプレイの位置を隠蔽位置と露出位置とで切り替える。また、ナビゲーション情報取得手段がナビゲーション情報を取得可能であり、車両情報・オーディオ情報取得手段が車両情報またはオーディオ情報を取得可能である。
【0008】
ディスプレイが露出位置にある場合には、画像生成手段が、露出位置にあるディスプレイの表示領域に表示させるための「第一の画像」をナビゲーション情報取得手段によって取得されたナビゲーション情報または車両情報・オーディオ情報取得手段によって取得された車両情報またはオーディオ情報から生成する。一方、ディスプレイが隠蔽位置にある場合には、画像生成手段が、隠蔽位置にあるディスプレイの表示領域におけるセンターコンソール部から露出する部分である「露出領域」に表示させるための「第二の画像」を車両情報・オーディオ情報取得手段によって取得された車両情報またはオーディオ情報から生成する。そして、ディスプレイが露出位置にある場合には、報知制御手段が、画像生成手段によって生成された第一の画像をディスプレイの表示領域に表示させる。一方、ディスプレイが隠蔽位置にある場合には、報知制御手段が、画像生成手段によって生成された第二の画像をディスプレイの露出領域に表示させる。
【0009】
このように構成された本発明の表示装置によれば、ディスプレイの表示領域の一部がセンターコンソール部に隠蔽されている場合には、表示領域における隠蔽されていない部分である露出領域に表示するための画像を車両情報またはオーディオ情報から生成し、その生成した画像をディスプレイの露出領域に表示する。したがって、ディスプレイの表示領域の一部がセンターコンソール部に隠蔽されている場合でも、隠蔽されていない領域である露出領域を利用して、例えば車両情報やオーディオ情報といったナビゲーション情報以外のユーザにとって有益な情報を提供することができる。
【0010】
なお、車両情報の具体例としては、車両の速度やエンジン回転数、室内温度、室外温度、エコ情報(燃費情報、充電状態情報など)、などが挙げられる。
ところで、上述のようにディスプレイの表示領域にナビゲーション情報の表示が行われている際に、ディスプレイの表示領域の一部がセンターコンソール部に隠蔽されることで画像によるナビゲーション案内が受けられないときでも、何らかのナビゲーション案内が継続されれば、利用者にとっては有益である。
【0011】
そこで、ディスプレイの一部が隠蔽されている場合においてナビゲーション案内中であるときには、ナビゲーションに関する音声によるガイダンスを継続して実行することが考えられる。具体的には、請求項2のように、ナビゲーション情報には音声によるガイダンスを示すガイダンス情報が含まれており、ガイダンス情報に基づいて音声を出力可能な音声出力手段を備え、ディスプレイが隠蔽位置にある場合においてナビゲーション情報取得手段がナビゲーション情報を取得中であるときには、報知制御手段が、ナビゲーション情報取得手段によって取得されたナビゲーション情報に含まれるガイダンス情報に基づいて音声を音声出力手段に出力させることが考えられる。
【0012】
このようにすれば、ディスプレイの表示領域にナビゲーション情報の表示が行われている際に、ディスプレイの表示領域の一部がセンターコンソール部に隠蔽されることで画像によるナビゲーション案内が受けられなくなっても、音声によるガイダンスによってナビゲーション案内を引き続き受けることができ、利用者の利便性を向上させることができる。
【0013】
なお、上述のように音声によるガイダンスを継続して実行する場合に、音声ガイダンスをより詳細なものに変更することが考えられる。具体的には、請求項3のように、ナビゲーション情報に含まれるガイダンス情報には、画像によるナビゲーションが行われる場合に音声を出力するための「第一のガイダンス情報」と、画像によるナビゲーションが行われない場合に音声を出力するための「第二のガイダンス情報」と、が含まれており、ディスプレイが隠蔽位置にある場合においてナビゲーション情報取得手段がナビゲーション情報を取得中であるときには、報知制御手段が、ナビゲーション情報に含まれるガイダンス情報のうち第二のガイダンス情報に基づいて音声を音声出力手段に出力させることが考えられる。このようにすれば、例えば第二のガイダンス音声を詳細なものにすることにより、画像によるナビゲーション案内は受けられなくても、詳細なガイダンス音声によってナビゲーション案内を受けることができ、したがって、利用者の利便性をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0015】
[構成の説明]
図1は、本発明の表示装置の機能が組み込まれたナビゲーション装置20の概略構成を示すブロック図である。また、図3は表示部26のディスプレイ26aを示す説明図であり、図3(a)は露出位置にあるディスプレイ26aを示し、図3(b)は隠蔽位置にあるディスプレイ26aを示す。
【0016】
ナビゲーション装置20は車両に搭載され、車両の現在位置を検出する位置検出器21と、利用者からの各種指示を入力するためのタッチパネル22と、タッチパネル22と同様に各種指示を入力可能であってナビゲーション装置20とは別体となったリモートコントロール端末(以下、リモコンと称す)23aと、リモコン23aからの信号を入力するリモコンセンサ23bと、パケット通信網等に接続して外部と通信を行う外部通信機24と、地図データや音声データ等が記録された地図記憶媒体からデータを入力する地図データ入力器25と、地図や各種情報の表示を行うための表示部26と、各種のガイド音声等を出力するための音声出力部27と、利用者が発話した音声に基づく電気信号を出力するマイクロフォン28と、上述した位置検出器21,タッチパネル22,リモコンセンサ23b,外部通信機24,地図データ入力器25,マイクロフォン28からの入力に応じて各種処理を実行し、外部通信機24,表示部26,音声出力部27を制御する制御部29と、を備えている。
【0017】
位置検出器21は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を、図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ21cとを備えている。そして、これら各センサ等21a〜21cからの出力信号に基づいて制御部29が、車両の位置,方位,速度等を算出する。なお、GPS受信機21aからの出力信号に基づいて現在位置を求める方式は様々な方式があるが、単独測位方式、相対測位方式の何れであってもよい。
【0018】
タッチパネル22は、ユーザによって触れられた座標を出力するパネルから構成され、表示部26と積層一体化されている。なお、ユーザの操作を検知する方式としては、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
【0019】
外部通信機24は、路側に設置された光ビーコンや電波ビーコン等を介してVICSの情報センタから事故情報や渋滞情報等を取得する。
地図データ入力器25は、図示しない地図データ記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、背景データ、道路データ、名称データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。なお、地図データ記憶媒体からこれらのデータを入力する代わりに、通信ネットワークを介してこれらのデータを入力するようになっていてもよい。
【0020】
表示部26は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTなどがあるが、その何れを用いてもよい。この表示部26は、ディスプレイ26aと、駆動機構26bと、を有している。このうちディスプレイ26aは、車両の運行に伴う種々の情報を表示可能な表示領域をそのほぼ中央に有している。そして、ディスプレイ26aの表示領域には、位置検出器21にて検出した車両の現在位置と地図データ入力器25より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。
【0021】
また、ディスプレイ26aは、「隠蔽位置」(図3(b)参照)と「露出位置」(図3(a)参照)との間で移動可能である。なお、隠蔽位置とは、車両のセンターコンソール部30の内部にディスプレイ26aの表示領域の一部が隠蔽される位置を云う(図3(b)参照)。なおこの場合、ディスプレイ26aの表示領域におけるセンターコンソール部30に隠蔽されずに露出する部分を露出領域と云う。また、露出位置とは、センターコンソール部30からディスプレイ26aの表示領域すべてが露出する位置を云う(図3(a)参照)。
【0022】
また、駆動機構26bは、制御部29によって制御され、ディスプレイ26aを隠蔽位置と露出位置との間で移動させるよう構成されている。なお、上述の駆動機構26bについては公知技術に従っているのでここではその詳細な説明は省略する。
【0023】
音声出力部27は、地図データ入力器25より入力した施設のガイドや各種案内の音声を出力することができる。
マイクロフォン28は、利用者が音声を入力(発話)するとその入力した音声に基づく電気信号(音声信号)を制御部29に出力するものである。利用者はこのマイクロフォン28に様々な音声を入力することにより、ナビゲーション装置20を操作することができる。
【0024】
制御部29は、CPU、ROM、RAM、SRAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、位置検出器21からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器25を介して読み込んだ現在位置付近の地図等を表示部26に表示する処理や、地図データ入力器25に格納された地図データと、タッチパネル22やリモコン23a等の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を算出する経路算出処理や、その算出した経路を表示部26に表示させたり音声出力部27に音声として出力させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。
【0025】
また、制御部29は、タッチパネル22やリモコン23aから入力された操作信号やマイクロフォン28からの音声信号を用いた音声認識機能による制御信号、及び、メイン電源の状態を示す信号などの制御信号に応じて、表示部26の駆動機構26bを制御することにより、表示部26のディスプレイ26aの位置を隠蔽位置と露出位置とで切り替える機能を有する。また、制御部29は、上述の車両の現在位置や経路案内などのナビゲーションに関するナビゲーション情報を取得する機能を有するとともに、外部の各種ECUから車両情報やオーディオ情報を取得する機能を有する。なお、ナビゲーション情報には音声によるガイダンスを示すガイダンス情報が含まれている。そして、制御部29は、ディスプレイ26aが露出位置にある場合に、露出位置にあるディスプレイ26aの表示領域に表示させるためのナビゲーション画像(図3(a)参照)をナビゲーション情報から生成し、一方、ディスプレイ26aが隠蔽位置にある場合に、露出領域に表示させるためのオーディオ画像(図3(b)参照)をオーディオ情報から生成する機能を有する。なお、ナビゲーション画像は特許請求の範囲における第一の画像に相当し、オーディオ画像は特許請求の範囲における第二の画像に相当する。
【0026】
[動作の説明]
次に、制御部29が実行する各種処理のうち表示内容切替処理について図2のフローチャートおよび図3を用いて説明する。なお、制御部29が実行する一般的な処理(経路算出処理や経路案内処理等)については説明を省略する。
【0027】
この表示内容切替処理は、運転者によってイグニッションキーが操作されてアクセサリー給電(ACC)の状態になったときに、制御部29にて実行される処理である。
まず、制御部29が、ナビゲーション装置20のメイン電源および表示部26aのディスプレイ26aの電源がオンとなっているか否かを判断する(S110)。ナビゲーション装置20のメイン電源および表示部26aのディスプレイ26aの電源がオンとなっておらず、少なくとも一方の電源がオフとなっていると判断された場合には(S110:NO)、制御部29が、表示部26のディスプレイ26aに何れの画像も表示させないと決定し(S160)、S110に移行する。
【0028】
一方、ナビゲーション装置20のメイン電源および表示部26aのディスプレイ26aの電源がオンとなっていると判断された場合には(S110:YES)、制御部29が、表示部26のディスプレイ26aがセンターコンソール30に格納されているか否かを判断する(S120)。一例を挙げると、制御部29が、駆動機構26bの駆動状態を示す信号や、ディスプレイ26aの位置を検出する位置センサからの出力信号などからディスプレイ26aの位置を検出してディスプレイ26aがセンターコンソール30に格納されているか否かを判断するといった具合である。表示部26のディスプレイ26aがセンターコンソール30に格納されておらず、ディスプレイ26aの表示領域すべてが露出していると判断された場合には(S120:NO)、制御部29が、ナビゲーション情報を取得し、その取得したナビゲーション情報からナビゲーション画像を生成し、その生成したナビゲーション画像をディスプレイ26aの表示領域に表示させる(S170)。なおこの場合、制御部29が、オーディオ情報を取得し、その取得したオーディオ情報からオーディオ画像を生成し、その生成したオーディオ画像をディスプレイ26aの表示領域に表示させてもよい。また、制御部29が、車両情報を取得し、その取得した車両情報から車両情報画像を生成し、その生成した車両情報画像をディスプレイ26aの表示領域に表示させてもよい。そして、S110に移行する。
【0029】
一方、表示部26のディスプレイ26aがセンターコンソール30に格納されていると判断された場合には(S120:YES)、制御部29が、ナビゲーション案内中であるか否かを判断する(S130)。なおこの場合、ナビゲーション情報がナビゲーション装置20の各構成から出力されており、制御部29がその出力されているナビゲーション情報から「ナビゲーション案内中である」と判断する。ナビゲーション案内中でないと判断された場合には(S130:NO)、制御部29が、オーディオ情報を取得し、その取得したオーディオ情報からオーディオ画像を生成し、その生成したオーディオ画像をディスプレイ26aの表示領域の露出領域に表示させ(S150)、S110に移行する。
【0030】
一方、ナビゲーション案内中であると判断された場合には(S130:YES)、制御部29が、ナビゲーション情報を取得し、その取得したナビゲーション情報に含まれるガイダンス情報を音声出力部27に出力させる(S140)。そして、制御部29が、オーディオ情報を取得し、その取得したオーディオ情報からオーディオ画像を生成し、その生成したオーディオ画像をディスプレイ26aの露出領域に表示させ(S150)、S110に移行する。
【0031】
[効果]
(1)このように本実施形態のナビゲーション装置20によれば、制御部29が、表示内容切替処理において、表示部26のディスプレイ26aがセンターコンソール部30に格納されていると判断された場合には(S120:YES)、オーディオ情報を取得し、その取得したオーディオ情報からオーディオ画像を生成し、その生成したオーディオ画像をディスプレイ26aの露出領域に表示させる(S150)。このことにより、ディスプレイ26aの表示領域の一部がセンターコンソール部30に隠蔽されている場合でも、隠蔽されていない領域である露出領域を利用して、例えばオーディオ情報といったナビゲーション情報以外のユーザにとって有益な情報を提供することができる。
【0032】
(2)また、本実施形態のナビゲーション装置20によれば、制御部29が、表示内容切替処理を実行する際に、表示部26のディスプレイ26aがセンターコンソール部30に格納されていると判断された場合において(S120:YES)、ナビゲーション案内中であると判断されたときには(S130:YES)、ナビゲーション情報を取得し、その取得したナビゲーション情報に含まれるガイダンス情報を音声出力部27に出力させる(S140)。このことにより、ディスプレイ26aの表示領域にナビゲーション情報の表示が行われている際に、ディスプレイ26aの表示領域の一部がセンターコンソール部30に隠蔽されることで画像によるナビゲーション案内が受けられなくなっても、音声によるガイダンスによってナビゲーション案内を引き続き受けることができ、利用者の利便性を向上させることができる。
【0033】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、制御部29が、表示内容切替処理において、表示部26のディスプレイ26aがセンターコンソール30に格納されていると判断された場合には(S120:YES)、オーディオ情報を取得し、その取得したオーディオ情報からオーディオ画像を生成し、その生成したオーディオ画像をディスプレイ26aの表示領域の露出領域に表示させるが(S150)、これには限らない。制御部29が、上述のオーディオ情報の代わりに車両情報を取得し、その取得した車両情報からディスプレイ26aの露出領域に表示するための画像を生成し、その生成した画像をディスプレイ26aの露出領域に表示させるようにしてもよい。なお、車両情報の具体例としては、車両の速度やエンジン回転数、室内温度、室外温度、エコ情報(燃費情報、充電状態情報など)、などが挙げられる。このように構成しても上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0034】
(2)上記実施形態では、制御部29が、表示内容切替処理において、ナビゲーション案内中であると判断された場合には(S130:YES)、ナビゲーション情報を取得し、その取得したナビゲーション情報に含まれるガイダンス情報を音声出力部27に出力させるが(S140)、この際、音声ガイダンスをより詳細なものに変更するようにしてもよい。但し、そのためには、ナビゲーション情報に含まれるガイダンス情報に、画像によるナビゲーションが行われる場合に音声を出力するための「第一のガイダンス情報」と、画像によるナビゲーションが行われない場合に音声を出力するための「第二のガイダンス情報」と、が含まれている必要がある。このようにすれば、例えば第二のガイダンス音声を詳細なものにすることにより、画像によるナビゲーション案内は受けられなくても、詳細なガイダンス音声によってナビゲーション案内を受けることができ、したがって、利用者の利便性をさらに向上させることができる。
【0035】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態と特許請求の範囲との対応を示す。制御部29が位置制御手段、ナビゲーション情報取得手段、車両情報・オーディオ情報取得手段、画像生成手段および報知制御手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】ナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】表示内容切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】表示部のディスプレイを示す説明図であり、(a)は露出位置にあるディスプレイを示し、(b)は隠蔽位置にあるディスプレイを示す。
【符号の説明】
【0037】
20…ナビゲーション装置、21…位置検出器、21a…GPS受信機、21b…ジャイロスコープ、21c…距離センサ、22…タッチパネル、23a…リモコン、23b…リモコンセンサ、24…外部通信機、25…地図データ入力器、26…表示部、26a…ディスプレイ、26b…駆動機構、27…音声出力部、28…マイクロフォン、29…制御部、30…センターコンソール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運行に伴う種々の情報を表示可能な表示領域を有し、前記車両のセンターコンソール部の内部に前記表示領域の一部が隠蔽される隠蔽位置と前記センターコンソール部から前記表示領域すべてが露出する露出位置との間で移動可能なディスプレイと、
前記ディスプレイを前記隠蔽位置と前記露出位置との間で移動させるディスプレイ移動手段と、
制御信号に応じて、前記ディスプレイ移動手段を制御することによって前記ディスプレイの位置を前記隠蔽位置と前記露出位置とで切り替える位置制御手段と、
ナビゲーション情報を取得可能なナビゲーション情報取得手段と、
車両情報またはオーディオ情報を取得可能な車両情報・オーディオ情報取得手段と、
前記ディスプレイが前記露出位置にある場合には前記露出位置にある前記ディスプレイの前記表示領域に表示させるための第一の画像を前記ナビゲーション情報取得手段によって取得されたナビゲーション情報または前記車両情報・オーディオ情報取得手段によって取得された車両情報またはオーディオ情報から生成し、前記ディスプレイが前記隠蔽位置にある場合には前記隠蔽位置にある前記ディスプレイの前記表示領域における前記センターコンソール部から露出する部分である露出領域に表示させるための第二の画像を前記車両情報・オーディオ情報取得手段によって取得された前記車両情報またはオーディオ情報から生成する画像生成手段と、
前記ディスプレイが前記露出位置にある場合には前記画像生成手段によって生成された第一の画像を前記ディスプレイの前記表示領域に表示させ、一方、前記ディスプレイが前記隠蔽位置にある場合には前記画像生成手段によって生成された第二の画像を前記ディスプレイの前記露出領域に表示させる報知制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記ナビゲーション情報には音声によるガイダンスを示すガイダンス情報が含まれており、
前記ガイダンス情報に基づいて音声を出力可能な音声出力手段を備え、
前記報知制御手段は、前記ディスプレイが前記隠蔽位置にある場合において前記ナビゲーション情報取得手段がナビゲーション情報を取得中であるときには、前記ナビゲーション情報取得手段によって取得されたナビゲーション情報に含まれるガイダンス情報に基づいて音声を前記音声出力手段に出力させること
を特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置において、
前記ナビゲーション情報に含まれる前記ガイダンス情報には、画像によるナビゲーションが行われる場合に音声を出力するための第一のガイダンス情報と、画像によるナビゲーションが行われない場合に音声を出力するための第二のガイダンス情報と、が含まれており、
前記報知制御手段は、前記ディスプレイが前記隠蔽位置にある場合において前記ナビゲーション情報取得手段が前記ナビゲーション情報を取得中であるときには、前記ナビゲーション情報に含まれる前記ガイダンス情報のうち前記第二のガイダンス情報に基づいて音声を前記音声出力手段に出力させること
を特徴とする表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−213604(P2008−213604A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51980(P2007−51980)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】