説明

試薬送出装置と送出方法

【課題】前駆体用化学薬品の高純度を維持することが可能で、かつ、装置中での前駆体用化学薬品の使用量を増大させることも可能で、それに応じて化学薬品の無駄を低減する、清浄化が容易な二点部品からなる気相または液相試薬送出装置を提供する。
【解決手段】複数ポートのうちの1つと、対応する弁との間にガスケットと管から成るアダプタを挿入することによって、管付きではない標準2ポート容器が、管(すなわち、ガス供給用気泡管または液体供給用浸漬管)を必要とする用途に使用できる容器に転用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体材料の製造および装置において、材料を被着するための前駆体等の気相または液相試薬の送出に使用可能な気相または液相試薬送出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体業界や製薬業界で使用される高純度の化学薬品は、保管中にその純度を維持するために特殊な包装を必要とする。これは、空気および/または空気中の水分と反応する化学薬品に特に当てはまる。かかる高純度化学薬品は、典型的には、気泡発生器または薬品容器等の容器で供給される。
【0003】
近年の化学蒸着や原子層被着の工具は、前駆体用化学薬品を被着室に供給するために気泡発生器または薬品容器を利用している。これらの気泡発生器または薬品容器は、搬送ガスを高純度液である前駆体化学薬品の容器に通して、ガスと一緒に前駆体蒸気を被着室に運ぶことによって、正常に機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5607002号明細書
【特許文献2】米国特許第3930591号明細書
【特許文献3】米国特許第6029717号明細書
【特許文献4】米国特許第7077388号明細書
【特許文献5】米国特許第6905125号明細書
【特許文献6】米国特許第6077356号明細書
【特許文献7】米国特許第6287965号明細書
【特許文献8】米国特許第6342277号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容器は、典型的には、一点部品(すなわち、上面カバーまたは上蓋が基部から取り外せない)または二点部品(すなわち、上面カバーまたは上蓋が基部から取外し可能であり、カバーまたは上蓋をボルトで基部に取り付けできる)のいずれかの容器として製造される。一点部品の容器は、一体性の程度が高いが、二点部品の容器よりも清浄化することが困難である。上面カバーまたは上蓋を基部から取外しできるから、二点部品の容器は、清浄化することがより容易であるが、密封および再使用がより困難である。より容易な清浄化は、一点部品の容器で達成され得るものを超えた二点部品の容器の再使用を可能にする。容器の再使用は、コストを極力抑えるために、また環境問題にとっても重要である。
【0006】
集積回路は大きさが小さくなってきたが、それに連れて、内部構成部材の寸法すなわち外観も小さくなってきた。大きさが小さくなるに連れて、これに呼応して、不純物の作用を極力抑えるために、より純粋な化学薬品の必要性が高まってきた。従って、供給業者は、高純度化学薬品を製造可能にする必要があるだけでなく、高純度に維持する容器に化学薬品を供給可能にする必要もある。
【0007】
これらの容器構造物の標準材料は、1990年代後半に、細心の注意を要する石英容器からステンレス鋼に移行した。例えば、特許文献1参照。これらの容器は、気泡発生器または薬品容器として業界で知られており、現在ではごく普通にステンレス鋼から構成されている。例えば、特許文献2,3,4参照。
更に、殆どの場合、前駆体の蒸気圧を高めるために、ひいては搬送ガス中の化学薬品量を増加させるために、何らかの手段で薬品容器を加熱する必要がある。薬品容器内部の前駆体用液状化学薬品の温度を監視して、蒸気圧を制御することが重要である。
【0008】
また、薬品容器内部の前駆体用液状化学薬品が残り少なった時期に気付いて、化学蒸着サイクルまたは原子層被着サイクルの終わり頃に、化学薬品を取換えできるようにすることが重要である。サイクルの半ばに薬品容器が枯渇すると、ウェーハのバッチ全体が台無しになり、数百ドルもの損害を蒙る可能性がある。それ故に、薬品容器内部の前駆体用液状化学薬品をできるだけ少量から出発させて、貴重な前駆体用液状化学薬品の無駄を避けることが望ましい。化学薬品前駆体のコストが上昇しているので、化学薬品の無駄をできるだけ少なくすることがより重要になる。
【0009】
二点部品の高純度化学薬品用容器が商業的に許容できるには、より信頼性のあるシールを開発する必要があろう。特許文献5は、半導体製造装置から流体の漏洩を阻止するC−リング・ガスケット等の金属ガスケットに関する。電子産業における高純度の化学薬品は、高真空に耐え得る気密容器を必要とする。
【0010】
当該技術分野においては、前駆体用化学薬品の高純度を維持することが可能で、かつ、装置中での前駆体用化学薬品の使用量を増大させることも可能で、それに応じて化学薬品の無駄を低減する、清浄化が容易な二点部品からなる気相または液相試薬送出装置を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、部分的に、気相試薬送出装置に係り、該気相試薬送出装置は、以下の容器、アダプタ、および締結手段を含む:
前記容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで保持するとともに、さらに、注入レベルの上に内部ガス容積部を画成するように構成された頂壁部材、側壁部材および底壁部材を含み、
前記頂壁部材は、第一の面シール・ポート開口、第二の面シール・ポート開口、および、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口を有し、
前記第一の面シール・ポート開口は、これに接続された搬送ガス供給入口金具を有し、
前記アダプタは、前記第一の面シール・ポート開口および前記内部ガス容積部を通って、前記化学薬品源中に伸張する管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、前記管を通じて前記化学薬品源中に搬送ガスを導入して前記化学薬品源を泡立たせて、少なくとも一部の化学薬品源の蒸気を前記搬送ガスに付随させ、もって、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部に気相試薬の流れを作るようになされており、さらに、前記管は、前記第一の面シール・ポート開口に隣接する入口端部と、前記底壁部材に隣接する出口端部とを有しており、前記第一の面シール・ポート開口と前記搬送ガス供給入口金具は対向面を有するが、該対向面は互いに接触しておらず、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記第一の面シール・ポート開口および前記搬送ガス供給入口金具の対向面と接触しており、
前記締結手段は、前記対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、前記搬送ガス供給入口金具を前記第一の面シール・ポート開口に固定し、前記第二の面シール・ポート開口は、これに接続された気相試薬出口接続金具を有し、該第二の面シール・ポート開口を通じて、前記気相試薬送出装置から前記気相試薬を送出することができる。
【0012】
本発明は、部分的に、気相試薬を被着室に供給する方法に係り関し、該方法は、以下の段階を含む:
気相試薬送出装置を用意する段階;
前記気相試薬送出装置に化学薬品源を加える段階;
気相試薬を用意するために、前記気相試薬送出装置内で、化学薬品源を気化させることのできる温度まで化学薬品源を加熱する段階;
後記搬送ガス供給管および後記管を通じて、前記気相試薬送出装置に搬送ガスを供給する段階;
前記気相試薬送出装置から後記気相試薬排出管を経由して、気相試薬および搬送ガスを引き出す段階;および
気相試薬および搬送ガスを前記被着室に供給する段階を含み、
前記気相試薬送出装置を用意する段階に関して、
前記気相試薬送出装置が、下記容器、アダプタ、締結手段、搬送ガス供給管、および気相試薬排出管を含み、
前記容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで保持するとともに、さらに、注入レベルの上に内部ガス容積部を画成するように構成された頂壁部材、側壁部材および底壁部材を含み、
前記頂壁部材は、第一の面シール・ポート開口、第二の面シール・ポート開口、および、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口を有し、
前記第一の面シール・ポート開口は、これに接続された搬送ガス供給入口金具を有し、
前記アダプタは、前記第一の面シール・ポート開口および前記内部ガス容積部を通って、前記化学薬品源中に伸張する管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、前記管を通じて前記化学薬品源中に搬送ガスを導入して前記化学薬品源を泡立たせて、少なくとも一部の化学薬品源の蒸気を前記搬送ガスに付随させ、もって、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部に気相試薬の流れを作るようになされており、さらに、前記管は、前記第一の面シール・ポート開口に隣接する入口端部と、前記底壁部材に隣接する出口端部とを有しており、
前記第一の面シール・ポート開口と前記搬送ガス供給入口金具は対向面を有するが、該対向面は互いに接触しておらず、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記第一の面シール・ポート開口および前記搬送ガス供給入口金具の前記対向面と接触しており、
前記締結手段は、前記対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、前記搬送ガス供給入口金具を前記第一の面シール・ポート開口に固定し、
前記搬送ガス供給管は、搬送ガスを前記化学薬品源に供給するための前記搬送ガス供給入口金具から外側に延在しており、また、該搬送ガス供給管を通る搬送ガスの流れを制御するための一つ以上の搬送ガス流量制御弁を含み、
前記第二の面シール・ポート開口は、これに接続された気相試薬出口接続金具を有し、該第二の面シール・ポート開口を通じて、前記気相試薬送出装置から前記気相試薬を送出することができ、
前記気相試薬排出管は、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部から気相試薬を取り出すための前記気相試薬出口接続金具から外側に伸長し、選択的に、該気相試薬排出管を通る前記気相試薬の流れを制御するための一つ以上の気相試薬流量制御弁を含む。
【0013】
本発明は、部分的に、液相試薬送出装置に係り関し、該液相試薬送出装置は、下記容器、アダプタ、および締結手段を含む:
前記容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで保持するとともに、さらに、注入レベルの上に内部ガス容積部を画成するように構成された頂壁部材、側壁部材および底壁部材を含み、
前記頂壁部材は、第一の面シール・ポート開口、第二の面シール・ポート開口、および、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口を有し、
前記第一の面シール・ポート開口は、これに接続された不活性ガス供給入口金具を有し、該不活性ガス供給入口金具を通じて、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部に不活性ガスを供給して、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部を加圧することができ、
前記第二の面シール・ポート開口は、これに接続された液相試薬出口接続金具を有し、
前記アダプタは、前記第二の面シール・ポート開口および前記内部ガス容積部を通って、前記化学薬品源中に伸張する管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、前記管を通じて液相試薬を前記液相試薬送出装置から送出することができ、前記管は、前記第二の面シール・ポート開口に隣接する出口端部と、前記底壁部材に隣接する入口端部とを有し、
前記第二の面シール・ポート開口と前記液相試薬出口接続金具は対向面を有するが、該対向面は互いに接触せず、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記第二の面シール・ポート開口および前記液相試薬出口接続金具の対向面と接触しており、
前記締結手段は、前記対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、前記液相試薬出口接続金具を前記第二の面シール・ポート開口に固定する。
【0014】
本発明は、さらに、部分的に、気相試薬を被着室に供給する方法に係り、該方法は、以下の段階を含む。
すなわち、
液相試薬送出装置を用意する段階;
前記液相試薬送出装置に液相試薬を加える段階;
液相試薬を用意するために、前記液相試薬送出装置内の固体化学薬品源を、固体化学薬品源を溶融させることのできる温度まで選択的に加熱する段階;
後記不活性ガス供給管を通じて、前記液相試薬送出装置に不活性ガスを供給する段階;
前記液相試薬送出装置から後記管および後記気相試薬排出管を経由して、前記液相試薬を引き出す段階;
気化装置を用意する段階;
前記気化装置内に前記液相試薬を供給する段階;
前記気相試薬を用意するために、前記液相試薬を気化させることのできる温度まで、前記気化装置内で前記液相試薬を加熱する段階;
前記搬送ガス供給管を通じて前記気化装置に搬送ガスを供給する段階;
前記気相試薬排出管を通じて、前記気化装置から前記気相試薬および前記搬送ガスを引き出す段階;および
前記被着室内に前記気相試薬および前記搬送ガスを供給する段階を含み、
前記液相試薬送出装置を用意する段階に関して、
前記液相試薬送出装置は、下記容器、アダプタ、締結手段、不活性ガス供給管、および液相試薬排出管を含む:
前記容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで入れることができ、さらに前記注入レベルの上に内部ガス容積部を画成するように構成された、頂壁部材、側壁部材、および底壁部材を含み、
前記頂壁部材は、第一の面シール・ポート開口と、第二の面シール・ポート開口と、選択的に一つ以上のその他の面シール・ポート開口とを有し、
前記第一の面シール・ポート開口は、これに接続された不活性ガス供給入口金具を有し、該不活性ガス供給入口金具を通じて、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部に不活性ガスを供給して、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部を加圧することができ、
前記第二の面シール・ポート開口は、これに接続された液相試薬出口接続金具を有し、
前記アダプタは、前記第二の面シール・ポート開口および前記内部ガス容積部を通って、前記化学薬品源中に伸張する管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、前記管を通じて液相試薬を前記液相試薬送出装置から送出することができ、前記管は、前記第二の面シール・ポート開口に隣接する出口端部と、前記底壁部材に隣接する入口端部とを有し、
前記第二の面シール・ポート開口と前記液相試薬出口接続金具は対向面を有するが、該対向面は互いに接触せず、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記第二の面シール・ポート開口および前記液相試薬出口接続金具の対向面と接触しており、
前記締結手段は、前記対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、前記液相試薬出口接続金具を前記第二の面シール・ポート開口に固定し、
前記不活性ガス供給管は、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部に不活性ガスを供給するために前記不活性ガス供給入口金具から外側に伸長し、また、該不活性ガス供給管を通る不活性ガスの流れを制御するための一つ以上の不活性ガス流量制御弁を含み、
前記液相試薬排出管は前記容器から液相試薬を取り出すための前記液相試薬出口接続金具から外側に伸長し、また、選択的に、前記液相試薬排出管を通る前記液相試薬の流れを制御するための一つ以上の液相試薬流量制御弁を含み、
前記気化装置を用意する段階に関して、
前記気化装置は、下記容器、搬送ガス供給管、気相試薬排出管を含み、
前記容器は、前記液相試薬を気化させるために容器内室を形成するように構成されており、
前記液相試薬排出管は、前記液相試薬送出装置を前記気化装置に結合しており、
前記気化装置の一部が、搬送ガス供給入口開口を有し、これを通る搬送ガスが前記気化装置に内に供給され、前記液相試薬の蒸気が前記搬送ガスに付随して、気相試薬を生作り、
前記気化装置の一部が、気相試薬出口開口を有し、これを通して前記気化装置から前記気相試薬が送出せしめられ、
前記搬送ガス供給管は、前記気化装置に搬送ガスを供給するための前記気化装置の外側に前記搬送ガス供給入口開口から伸長し、該搬送ガス供給管を通る搬送ガスの流れを制御するための一つ以上の搬送ガス流量制御弁を含み、
前記気相試薬排出管は、前記気化装置から前記被着室に気相試薬を取り出すために前記気化装置の外側に後記気相試薬出口開口から伸長し、選択的に、前記気相試薬排出管を通る気相試薬の流れを制御するための一つ以上の気相試薬流量制御弁を含む。
【0015】
本発明は、部分的に、気相試薬送出装置に係り関し、該気相試薬送出装置は、下記容器、面シールT字形接続金具、面シール・ガスケット、締結手段、およびアダプタを含む:
前記容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで保持するとともに、さらに、注入レベルの上に内部ガス容積部を画成するように構成された頂壁部材、側壁部材および底壁部材を含み、
前記頂壁部材は、面シール・ポート開口と、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口とを有し、
前記面シールT字形接続金具は、面シール開口と、搬送ガス供給入口開口と、気相試薬出口開口とを有し、
前記面シール・ポート開口は、前記面シール開口を介して接続される前記面シールT字形接続金具を有し、前記面シール・ポート開口と前記面シール開口が対向面を有し、該対向面は互いに接触せず、前記面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記面シール・ポート開口および前記面シール開口の対向面と接触しており、
前記締結手段は、前記対向面と前記面シール・ガスケットを介して、前記面シールT字形接続金具を前記面シール・ポート開口に固定するためのものであり、
前記アダプタは、前記搬送ガス供給入口開口、前記面シール開口、前記面シール・ポート開口、および前記内部ガス容積部を通って、前記化学薬品源中に伸張する管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、前記管を通じて前記化学薬品源中に搬送ガスを導入して前記化学薬品源を泡立たせて、少なくとも一部の化学薬品源の蒸気を前記搬送ガスに付随させ、もって、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部に気相試薬の流れを作るyことが可能おうになされており、さらに、前記管は、前記搬送ガス供給入口開口に隣接する入口端部と、前記底壁部材に隣接する出口端部とを有しており、前記搬送ガス供給入口開口は、これに取り付けられた搬送ガス供給入口金具を有し、
前記搬送ガス供給入口開口と前記搬送ガス供給入口金具が対向面を有し、該対向面は互いに接触せず、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記搬送ガス供給入口開口および前記搬送ガス供給入口金具の前記対向面と接触しており、
前記締結手段は、前記対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、前記搬送ガス供給入口金具を前記搬送ガス供給入口開口に固定するためのものであり、
前記管の外壁と、前記搬送ガス供給入口開口、前記面シール開口および前記面シール・ポート開口の内壁との間の環状空間を通して、前記気相試薬出口開口を通して前記気相試薬送出装置から前記気相試薬を送出することができる。
【0016】
本発明は、部分的に、気相試薬を被着室に供給する方法に係わり、該方法は以下の段階、すなわち
気相試薬送出装置を用意する段階;
化学薬品源を前記気相試薬送出装置に添加する段階;
気相試薬を用意するために、前記気相試薬送出装置内で、化学薬品源を気化させることのできる温度まで化学薬品源を加熱する段階;
前記搬送ガス供給管および前記管を通じて、前記気相試薬送出装置に搬送ガスを供給する段階;
前記気相試薬送出装置から前記気相試薬排出管を経由して、気相試薬および搬送ガスを引き出す段階;および
気相試薬および搬送ガスを前記被着室に供給する段階を含み、
前記気相試薬送出装置を用意する段階に関して、該気相試薬送出装置が、下記容器、面シールT字形接続金具、面シール・ガスケット、締結手段、アダプタ、搬送ガス供給管、および気相試薬排出管を含み、
前記容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで入れることができ、さらに前記注入レベルの上に内部ガス容積部を画成するように構成された、頂壁部材、側壁部材、および底壁部材を含み、
前記頂壁部材には、面シール・ポート開口と、選択的に一つ以上のその他の面シール・ポート開口とを有し、
前記面シールT字形接続金具は、面シール開口と、搬送ガス供給入口開口と、液相試薬出口開口とを有し、
前記面シール・ポート開口は、前記面シール開口を介して接続される前記面シールT字形接続金具を有し、前記面シール・ポート開口と前記面シール開口が対向面を有し、該対向面は互いに接触せず、前記面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記面シール・ポート開口および前記面シール開口の対向面と接触しており、
前記締結手段は、前記対向面と前記面シール・ガスケットを介して、前記面シールT字形接続金具を前記面シール・ポート開口に固定するためのものであり、
前記アダプタは、前記搬送ガス供給入口開口、前記面シール開口、前記面シール・ポート開口、および前記内部ガス容積部を通って、前記化学薬品源に伸長する管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、それらを通して前記化学薬品源中に搬送ガスを導入して前記化学薬品源を泡立たせ、少なくとも一部の化学薬品源の蒸気を前記搬送ガスに付随させ、もって、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部に気相試薬の流れを生じさせることができ、さらに、前記管が、前記搬送ガス供給入口開口に隣接する入口端部と、前記底壁部材に隣接する出口端部とを有し、
前記搬送ガス供給入口開口は、これに取り付けられた搬送ガス供給入口金具を有し、
前記搬送ガス供給入口開口と前記搬送ガス供給入口金具が対向面を有し、該対向面は互いに接触せず、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記搬送ガス供給入口開口および前記搬送ガス供給入口金具の前記対向面と接触しており、
前記締結手段が、前記対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、搬送ガス供給入口金具を前記搬送ガス供給入口開口に固定しており、
前記管の外壁と、前記搬送ガス供給入口開口、前記面シール開口および前記面シール・ポート開口の内壁との間の環状空間を通して、前記気相試薬送出装置から前記気相試薬出口開口を通して前記気相試薬を送出することができ、
前記搬送ガス供給管は、搬送ガス供給入口金具から外側に延びていて、搬送ガスを前記化学薬品源に供給すると共に、供給管を通る搬送ガスの流れを制御する一つ以上の搬送ガス流量制御弁を内蔵しており、
前記気相試薬排出管は、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部から気相試薬を取り出すための前記気相試薬出口接続金具から外側に伸長し、選択的に、該気相試薬排出管を通る前記気相試薬の流れを制御するための一つ以上の気相試薬流量制御弁を含む。
【0017】
本発明は、部分的に、液相試薬送出装置に係り関し、該液相試薬送出装置は、下記容器、面シールT字形接続金具、面シール・ガスケット、締結手段、およびアダプタを含む:
前記容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで保持するとともに、さらに、注入レベルの上に内部ガス容積部を画成するように構成された頂壁部材、側壁部材および底壁部材を含み、
前記頂壁部材は、面シール・ポート開口、および、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口を有し、
前記面シールT字形接続金具は、面シール開口と、不活性ガス供給入口開口と、液相試薬出口開口とを有し、
前記面シール・ポート開口は、前記面シール開口を介して前記面シール・ポート開口に接続される前記面シールT字形接続金具を有し、前記面シール・ポート開口と前記面シール開口が対向面を有し、該対向面は互いに接触せず、
前記面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記面シール・ポート開口および前記面シール開口の対向面と接触しており、
前記締結手段は、前記対向面と前記面シール・ガスケットを介して、前記面シールT字形接続金具を前記面シール・ポート開口に固定しており、
前記アダプタは、前記液相試薬出口開口、前記面シール開口、前記面シール・ポート開口、および前記内部ガス容積部を通って、前記化学薬品源中に伸張する管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、前記管を通じて前記液相試薬送出装置から液相試薬を送出することができ、前記管は、前記液相試薬出口開口に隣接する出口端部と、前記底壁部材に隣接する入口端部とを有しており、
前記液相試薬出口開口は、これに接続された液相試薬出口接続金具を有し、
前記液相試薬出口開口と前記液相試薬出口接続金具は対向面を有し、該対向面は互いに接触せず、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記液相試薬出口開口および前記液相試薬出口接続金具の対向面と接触しており、
前記締結手段は、前記対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、液相試薬出口接続金具を前記液相試薬出口開口に固着しており、
前記管の外壁と前記液相試薬出口開口の内壁との間の環状空間、前記面シール開口および前記面シール・ポート開口を通じて、また前記不活性ガス供給入口開口を通じて前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部に不活性ガスを供給して、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部を加圧することができる。
【0018】
本発明は、さらに、部分的に、気相試薬を被着室に供給する方法に係り、該方法は、以下の段階を含む:
液相試薬送出装置を用意する段階;
液相試薬を前記液相試薬送出装置に添加する段階;
液相試薬を用意するために、前記液相試薬送出装置内の固体化学薬品源を、固体化学薬品源を溶融させることのできる温度まで選択的に加熱する段階;
後記不活性ガス供給管を通じて、前記液相試薬送出装置に不活性ガスを供給する段階;
前記液相試薬送出装置から後記管および後記液相試薬排出管を経由して、液相試薬を引き出す段階;
気化装置を用意する段階;
前記気化装置内に前記液相試薬を供給する段階;
前記気相試薬を用意するために、前記液相試薬を気化させることのできる温度まで、前記気化装置内で前記液相試薬を加熱する段階;
前記搬送ガス供給管を通じて前記気化装置に搬送ガスを供給する段階;
前記気相試薬排出管を通じて、前記気化装置から前記気相試薬および前記搬送ガスを引き出す段階;および
前記被着室内に前記気相試薬および前記搬送ガスを供給する段階を含み、
前記液相試薬送出装置を用意する段階に関して、
該液相試薬送出装置は、下記容器、面シールT字形接続金具、面シール・ガスケット、締結手段、アダプタ、不活性ガス供給管、および液相試薬排出管を含む、
前記容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで入れることができ、さらに前記注入レベルの上に内部ガス容積部を画成するように構成された、頂壁部材、側壁部材、および底壁部材を含み、前記頂壁部材には、面シール・ポート開口と、選択的に一つ以上のその他の面シール・ポート開口とを有し、
前記面シールT字形接続金具は、面シール開口と、不活性ガス供給入口開口と、液相試薬出口開口とを有し、
前記面シール・ポート開口は、前記面シール開口を介して接続される前記面シールT字形接続金具を有し、前記面シール・ポート開口と前記面シール開口が対向面を有し、該対向面は互いに接触せず、
前記面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記面シール・ポート開口および前記面シール開口の対向面と接触しており、
前記締結手段は、前記対向面と前記面シール・ガスケットを介して、前記面シールT字形接続金具を前記面シール・ポート開口に固定するためのものであり、
前記アダプタは、前記液相試薬出口開口、前記面シール開口、前記面シール・ポート開口、および前記内部ガス容積部を通って、前記化学薬品源中に伸張する管に結合された金属面シール・ガスケットを含み、また、前記管を通じて前記液相試薬を前記液相試薬送出装置から送出することができ、前記管は、前記液相試薬出口開口に隣接する出口端部と、前記底壁部材に隣接する入口端部と前記第二の面シール・ポート開口に隣接する出口端部と、前記底壁部材に隣接する入口端部とを有し、前記液相試薬出口開口は、これに接続された液相試薬出口接続金具を有し、
前記液相試薬出口開口と前記液相試薬出口接続金具が対向面を有し、該対向面は互いに接触せず、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記液相試薬出口開口および前記液相試薬出口接続金具の前記対向面と接触しており、
前記締結手段が、前記対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、前記液相試薬出口接続金具を前記液相試薬出口開口に固定しており、
前記管の外壁と前記液相試薬出口開口、前記面シール開口および前記面シール・ポート開口の内壁との間の環状空間を通して、また、前記不活性ガス供給入口開口を通して、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部に不活性ガスを供給し、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部を加圧し、
不活性ガス供給管は、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部に不活性ガスを供給するために前記不活性ガス供給入口開口から外側に伸張し、また、該不活性ガス供給管を通る不活性ガスの流れを制御するための一つ以上の不活性ガス流量制御弁を含み、
前記液相試薬排出管は、前記容器から液相試薬を取り出すための前記液相試薬出口接続金具から外側に伸長し、また、選択的に、該液相試薬排出管を通る前記液相試薬の流れを制御するための一つ以上の液相試薬流量制御弁を含み、
前記気化装置を用意する段階に関して、
該気化装置は、下記容器、前記液相試薬排出管、搬送ガス供給管、および気相試薬排出管を含み、
前記容器は、液相試薬を気化するための容器内室を形成するように構成されており、
前記液相試薬排出管が、前記液相試薬送出装置を前記気化装置に接続し、
前記気化装置の一部が、搬送ガス供給入口開口を有し、これを通る搬送ガスが前記気化装置に内に供給され、前記液相試薬の蒸気が前記搬送ガスに付随して、気相試薬を作り、
前記気化装置の一部が、気相試薬出口開口を有し、これを通して前記気化装置から前記気相試薬が送出せしめられ、
前記搬送ガス供給管は、前記気化装置に搬送ガスを供給するために前記気化装置の外側に前記搬送ガス供給入口開口から伸長し、該搬送ガス供給管を通る搬送ガスの流れを制御するための一つ以上の搬送ガス流量制御弁を含み、
前記気相試薬排出管は、前記被着室に向けて、前記気化装置から気相試薬を取り出すために前記気化装置の外側に前記気相試薬出口開口から伸長し、選択的に、前記気相試薬排出管を通る気相試薬の流れを制御するための一つ以上の気相試薬流量制御弁を含む。
【0019】
本発明の気相試薬送出装置または組立部品は、例えば化学蒸着システムを含む広範なプロセス・システムに使用されることができ、供給容器からの気相試薬が、化学蒸着室に送られて、ソース蒸気から被着室内の基板上に材料層を堆積する。
本発明の気相若しくは液相試薬送出装置または組立部品は、清浄化が容易であり、前駆体用液状化学薬品の純度を維持し、液体または固体の前駆体用化学薬品の利用率を高め、これにより無駄を少なくする。
【0020】
本発明のその他の態様、特徴、および実施形態は、確かなものとする開示および添付の特許請求の範囲からより一層十分に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】浸漬管を備えていない気相試薬送出装置、気泡管を備えている気相試薬送出装置、および浸漬管を備えている液相試薬送出装置の全てが、部分断面図で示される概略図である。
【図2】アダプタ(すなわち、金属面シール・ガスケットと管)の概略断面図である。
【図3】2ポート容器に変換される単一ポート容器の概略断面図である。
【図4】アダプタを用いない金属面シール・ガスケット接続体の組立てに用いることのできる部品の模式的説明面図である。
【図5】アダプタを用いる金属面シール・ガスケット接続体の組立てに用いられることができる部品の模式的説明図である。
【図6】アダプタを用いた金属面シール・ガスケット接続体、および、アダプタを用いた金属面シール・ガスケット接続体を通る流路の模式的説明図である。
【実施例】
【0022】
本発明は、種々の用途を支援するに必要な容器の設計数を削減する。ポートの1つと対応する弁との間にガスケットと管から成るアダプタを挿入することによって、管を備えていない標準の二点部品の容器が、管(すなわち、ガス供給用気泡管または液体供給用浸漬管)を必要とする用途に使用できる容器に変換されることが可能である(図1参照)。容器全体の高さには変化がない。先行技術に反し、管が容器の上面に溶接されていないので、変更および/または交換が必要な場合には、管を取り外すことができる。これは自由度の増大に繋がる。
【0023】
本発明の実施では、面シール・ポートを用いる容器に(すなわち、接続部のシールに既にガスケットが用いられている)、管を追加するのに必要な長さを増大させない。圧縮接続金具付きアダプタを用いて、面シール具を用いるポートへの管の追加を行うことができる。管は圧縮接続金具を介して所望の長さに挿入され、その後、圧縮接続金具が管に固着される。気密性に関しては、圧縮接続金具は、2つの構成部材を面シール(取外し可能)でまたは溶接(取外し不可能)により接合するよりも、一般に望ましくない。溶接された管を備えた対向する面シール構成部材、すなわちポートとして異性(雄または雌)の部材を用いることにより、面シール具を用いるポートへの管の追加を行うことができる。諸経費の観点から、管はどこにでもあるので、本発明は管を金具に溶接するよりも優れている(すなわち、ガスケットと管から成るアダプタは、雄または雌いずれかの面シール・ポートと一緒に作用する)。
【0024】
本発明は、ガスケットと管から成るアダプタ組合せ体の使用を可能にさせることにより、管の追加を簡素化できる。修正プロセスに付随する汚染(例えば、機械加工または溶接からの粒子)に容器を曝すことなく、ガスケットと管から成るアダプタの修正を行うことができる。管を短く切断するか引き伸ばすことにより、管の長さを容易に変えることができる。容器から独立して、ガスケットと管から成るアダプタを漏洩検査に付すことができる。容器に直接溶接された浸漬管の継ぎ目における漏洩は、ガスケットと管から成るアダプタと比較して、是正するのにより多くのコストが嵩む(すなわち、薬品容器の価格は、ガスケットと管から成るアダプタよりも著しく高価である)。
【0025】
本発明の種々の修正および変更には次の事項が含まれる:薬品容器およびアダプタについて種々の構成材料の使用(例えば、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、テフロン(登録商標)等);アダプタを形成する際にガスケットを管に接合する種々の方法の利用(例えば、溶接、機械加工、焼嵌め等);種々の面シール・ガスケット型の使用(例えば、平坦なまたは起伏のある)および製造業者(例えば、Parker,Hy−Tech,Swagelok,Fujikin等);種々の大きさのガスケットおよび管(例えば、1/8インチ、1/4インチ[6.35mm]、1/2インチ等);変更し得る管の長さ;長さ方向に沿った穴を任意に有することができる管;並びに、長さ方向に沿って修正し得る管(すなわち、不均一な断面)。
【0026】
前記のように、また図1を見ると、本発明は1つには気相試薬送出装置に関し、気相試薬送出装置は、次の容器、アダプタ、および締結手段を含む:
容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで入れることができると共に、更に注入レベル上方に内部ガス容積部を画成するように構成された、頂壁部材、側壁部材、および底壁部材を含み;
前記頂壁部材には、第一の面シール・ポート開口と、第二の面シール・ポート開口と、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口とを設けており、
前記第一の面シール・ポート開口は、これに接続された搬送ガス供給入口金具を備えており、
アダプタは、第一の面シール・ポート開口および前記内部ガス容積部を通って、化学薬品源に延びる管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、管を通る搬送ガスを化学薬品源中で泡立たせて、少なくとも一部の化学薬品源の蒸気が前記搬送ガスに同伴するようになり、これにより、注入レベル上方の前記内部ガス容積部に気相試薬の流れを生じさせることが可能であり、一方、前記管には、第一の面シール・ポート開口に隣接する入口端部と、底壁部材に隣接する出口端部とがあり;
前記第一の面シール・ポート開口と前記搬送ガス供給入口金具には対向面があり、対向面は互いに接触することがなく、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記第一の面シール・ポート開口および前記搬送ガス供給入口金具の対向面と接触しており、
締結手段は、対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、搬送ガス供給入口金具を前記第一の面シール・ポート開口に固着させ;
前記第二の面シール・ポート開口は、これに接続された気相試薬出口接続金具を備えていて、第二の面シール・ポート開口を通る前記気相試薬を前記装置から分配することができる。
【0027】
気相試薬送出装置は、搬送ガス供給管と気相試薬排出管とを更に含み、搬送ガス供給管は、搬送ガス供給入口金具から外側に延びていて、搬送ガスを前記化学薬品源に供給すると共に、供給管を通る搬送ガスの流れを制御する一つ以上の搬送ガス流量制御弁を内蔵しており;気相試薬排出管は、気相試薬出口接続金具から外側に延びていて、注入レベル上方の前記内部ガス容積部から気相試薬を取り出すと共に、場合によっては、排出管を通る気相試薬の流れを制御する一つ以上の気相試薬流量制御弁を内蔵している。
【0028】
気相試薬送出装置は、気相試薬の流れを通じて気相供給被着システムに連通する気相試薬排出管を更に含み、前記被着システムが化学蒸着システムまたは原子層被着システムから選ばれる。
【0029】
前記のように、また図1を見ると、本発明は、部分的に、液相試薬送出装置に係り関し、該液相試薬送出装置は、下記容器、アダプタ、および締結手段を含む:
【0030】
前記容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで入れることができると共に、更に注入レベル上方に内部ガス容積部を画成するように構成された、頂壁部材、側壁部材、および底壁部材を含み;
【0031】
前記頂壁部材は、第一の面シール・ポート開口と、第二の面シール・ポート開口と、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口とを有し、
前記第一の面シール・ポート開口は、これに接続された不活性ガス供給入口金具を備えていて、第一の面シール・ポート開口を通る不活性ガスを注入レベル上方の内部ガス容積部に供給して、注入レベル上方の内部ガス容積部を加圧することができ、
前記第二の面シール・ポート開口は、これに接続された液相試薬出口接続金具を有し、
アダプタは、第二の面シール・ポート開口および内部ガス容積部を通って、化学薬品源に延びる管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、化学薬品を通る液相試薬を前記装置から分配することができ、前記管には、第二の面シール・ポート開口に隣接する出口端部と、底壁部材に隣接する入口端部とがあり、
前記第二の面シール・ポート開口と前記液相試薬出口接続金具には対向面があり、対向面は互いに接触することがなく、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記第二の面シール・ポート開口および前記液相試薬出口接続金具の対向面と接触しており、
締結手段は、対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、液相試薬出口接続金具を前記第二の面シール・ポート開口に固着させる。
【0032】
液相試薬送出装置は、不活性ガス供給管と液相試薬排出管とを更に含み、不活性ガス供給管は、不活性ガス供給入口金具から外側に延びていて、不活性ガスを注入レベル上方の前記内部ガス容積部に供給すると共に、供給管を通る不活性ガスの流れを制御する一つ以上の不活性ガス流量制御弁を内蔵しており;液相試薬排出管は、液相試薬出口接続金具から外側に延びていて、液相試薬を前記容器から取り出すと共に、場合によっては、排出管を通る液相試薬の流れを制御する一つ以上の液相試薬流量制御弁を内蔵している。
【0033】
液相試薬送出装置は、液相試薬の流れを通じて気化装置に連通する液相試薬排出管を更に含み、前記気化装置は気相試薬の流れを通じて気相供給被着システムに連通すると共に、前記被着システムが化学蒸着システムおよび原子層被着システムから選ばれる。
【0034】
容器または薬品容器は、典型的には、例えば316L等のステンレス鋼から機械加工され、液体または固体の前駆体用化学薬品源の汚染を防止するために電解研磨される。また、アダプタは典型的にはステンレス鋼から機械加工される。カバーすなわち頂壁部材は、清浄化および再使用を容易にするよう適宜取外し可能である。容器は、円筒状の側壁部材または非円筒形を画成する側壁部材を含むことができる。
【0035】
締結手段は、対向面とアダプタの金属面シール・ガスケットを介して、搬送ガス供給入口金具を第一の面シール・ポート開口に固着するために用いられる。好適な締結手段には、例えば、雄ナットまたは本体六角形のナットと雌ナットとの係合が含まれる。
締結手段は、対向面とアダプタの金属面シール・ガスケットを介して、液相試薬出口接続金具を第二の面シール・ポート開口に固着するために用いられる。好適な締結手段には、例えば、雄ナットまたは本体六角形のナットと雌ナットとの係合が含まれる。
【0036】
本発明の実施に際しては、ガスケット/管・組立部品(すなわち、アダプタ)は、関連する容器および/または配管系統を通る流体の流動パターンに影響を及ぼすであろう。気体または液体の流動パターンを転送する能力が、薄膜を蒸着する前駆体の供給に利用される。前駆体と反応しない材料を用いて、容器を製造しなければならない。前記のとおり、前駆体容器を構成する材料として、ステンレス鋼が広く採用されている。ガスケット・管組立部品は、同様の材料(例えば、ステンレス鋼またはニッケル)から構成される。
【0037】
また、反応剤の流動パターン(気相および/または液相)を反応容器に転送させるのに、本発明を利用することができる。この利用の一例として、薄膜蒸着に使用される反応剤の同時注入が挙げられる。基板表面に接触する直前まで、気相反応の影響を受けやすい反応剤の分離は、粒子生成の可能性を減少させ、膜の蒸着速度を高めることができる。
【0038】
本発明の実施に際し、ガスケットと管から成るアダプタが、予め組み立てられ、所望のポートに挿入される。その後、面シール接続体が通常の方法で(例えば、雄雌ナットを用いて接続部を堅く締め付けることにより)シールされる。面シール接続体の一例として、VCR構成部材(例えば、Swagelok社)が挙げられるが、その他の種類のものも使用できるであろう。
【0039】
前記のとおり、図4は、ガスケットと管から成る組立体(Swagelok社のカタログMS−01−24参照)を用いない金属ガスケット面シール接続体150の組立てに用いることのできる部品の断面図である。金属ガスケット120が、面接続金具(例えば、Swagelok社から市販のVCR)のシールに使用される。これは中心に穴を有するディスクからなる。121は、シールすると、面シール具100のビード(押縁)101に接触する金属ガスケット120の表面である。122は、シールすると、面シール具110のビード111に接触する金属ガスケット120の表面である。100は、金属ガスケット120を使用して、面シール具110に接続する面シール具(例えば、Swagelok社から市販のVCR)である。101は、金属ガスケット120の表面121と共に面シール具100のシール面を形成するビードである。102は、プロセス流体(液体またはガス)と接触する面シール具100の内面である。103は、シール用ビード101と反対側の面シール具100の端部である。面シール具100の端部(103)は、その他のプロセス構成部材(例えば、管類、弁、容器等)に接合される(例えば、溶接される)。圧力勾配に応じて、流体が、端部103を通って面シール具100に流入するか、あるいはそれから流出する。
【0040】
面シール具110は、金属ガスケット120を使用して面シール具100に接続する。ビード111は、金属ガスケット120の表面122と共に面シール具110のシール面を形成する。112は、プロセス流体(液体またはガス)と接触する面シール具110の内面である。113は、シール用ビード111と反対側の面シール具110の端部である。面シール具110の端部(113)は、その他のプロセス構成部材(例えば、管類、弁、容器等)に接合される(例えば、溶接される)。圧力勾配に応じて、流体が、端部113を通って面シール具110に流入するか、あるいはそれから流出する。雄ナット130が雌ナット140に当接して堅く締め付けられ、組立接続部150を形成する。
【0041】
前記のとおり、図5は、本発明において使用される金属ガスケットと管から成るアダプタを用いて、金属ガスケット面シール接続体の組立てに使用できる、構成部材の断面図である。金属ガスケットと管から成るアダプタ220は、管に接合された金属ガスケットから構成される。221は、シールすると、面シール具200のビード201に接触する金属ガスケットと管から成るアダプタ220の表面である。222は、シールすると、面シール具210のビード211に接触する金属ガスケットと管から成るアダプタ220の表面である。223は、プロセス流体(液体またはガス)と接触する金属ガスケットと管から成るアダプタ220の内面である。224は金属ガスケットと管から成るアダプタ220の端部であり、その反対側の端部では、表面221,222がそれぞれビード201,211に接触する。面シール具(例えば、Swagelok社から市販のVCR)200は、金属ガスケットと管から成るアダプタ220を使用して面シール具210に接続する。ビード201は、金属ガスケットと管から成るアダプタ220の表面121と共に面シール具200のシール面を形成する。202は、プロセス流体(液体またはガス)と接触する面シール具200の内面である。
【0042】
203は、シール用ビード201と反対側の面シール具200の端部である。面シール具200の端部(203)は、その他のプロセス構成部材(例えば、管類、弁、容器等)に接合される(例えば、溶接される)。圧力勾配に応じて、流体が、端部203を通って面シール具200に流入するか、あるいはそれから流出する。
【0043】
面シール具210は、金属ガスケットと管から成るアダプタ220を使用して面シール具200に接続する。ビード211は、金属ガスケットと管から成るアダプタ220の表面222と共に面シール具210のシール表面を形成する。212は、プロセス流体(液体またはガス)と接触する面シール具210の内面である。213は、シール用ビード211と反対側の面シール具210の端部である。面シール具210の端部(213)は、その他のプロセス構成部材(例えば、管類、弁、容器等)に接合される(例えば、溶接される)。金属ガスケットと管から成るアダプタ220を用いて接続部が形成されるので、流体は端部213を貫流しない。その代わり、流体の流れは金属ガスケットと管から成るアダプタ220の端部224を通過する。雄ナット230が雌ナット240に当接して堅く締め付けられ、組立てられた接続体250を形成する。接続体250を組み立てると、面シール具210の端部213を通る流体の流れが生じない。端部203を通って面シール具200に流入するかまたはそれから流出する流体は、端部224を通って金属ガスケットと管から成るアダプタ220に流入するかまたはそれから流出する。
【0044】
図6は組立体150,250中の流路の一例を示す。図6中の矢印は流体の流れの方向および進路を示す。組立体250における金属ガスケットと管から成るアダプタ220の使用により、組立体250中の流体の流れの進路は組立部品150と異なる。
【0045】
薬品容器は、入口弁および出口弁を含み、化学薬品を最終使用機器に供給可能にする。任意の薬品容器機器は、注入ポートと、薬品容器が殆ど空になった時を測定する化学薬品源用液面センサとを含む。低い蒸気圧の化学薬品の場合は真空下に、または、蒸気を掃き出す不活性ガスを用いて、容器中の材料が供給される。あるいは、材料は、浸漬管を通って最終使用機器に至る液体として供給されてもよく、必要に応じて材料を気化または分配することができる。
【0046】
温度センサは、好ましくは、均一な熱伝導を保証する薬品容器中に含まれる。化学薬品源用液面センサは、好ましくは、化学薬品源の有効な使用を保証する薬品容器中に含まれる。弁および化学薬品源用液面センサは、清潔で耐漏洩シールを保証する面シール接続体を介して取り付けられる。クリーン・ルーム中で組み立てられると、薬品容器は、吸着水とヘリウム・リーク検出器で検査される漏洩とを排除するように調整される。薬品容器は、数トルから大気圧より僅かに高い圧力までの圧力で使用されるように設計される。
【0047】
本発明の一実施の態様において、温度センサは、容器の上端外側から頂壁部材の一部を通って、概ね鉛直下方に向かって容器の内部容積部に延びており、温度センサの下端が底面壁の表面に干渉することなく近接して位置する。化学薬品源用液面センサは、容器の上端外側から頂壁部材の一部を通って、概ね鉛直下方に向かって容器の内部容積部に延びており、化学薬品源用液面センサの下端が底面壁の表面に干渉することなく近接して位置する。温度センサは、容器に作動可能に配置されて、容器内の化学薬品源の温度を測定し、化学薬品源用液面センサは、容器に作動可能に配置されて、容器内の化学薬品源の液位を測定し、温度センサと化学薬品源用液面センサは、容器内で互いに干渉することなく近接して位置し、温度センサの下端部が、化学薬品源用液面センサの下端部に関して、容器表面に同じ関係でまたはその表面により近く近接して位置しており、温度センサおよび化学薬品源用液面センサは、容器内で化学薬品源の流れに通じている。化学薬品源用液面センサは、超音波センサ、光学センサ、容量センサ、およびフロート型センサから選ばれ、前記温度センサはサーモウェルおよび熱電対を含む。
【0048】
本発明の一実施の態様において、底壁部材には、温度センサ、化学薬品源用液面センサ、浸漬管および/または気泡管の下端部を配置できる液溜め空所を設けている。このような配置は、最初に供給された液体または固体の化学薬品源の容量の高い百分率、例えば95%以上、好ましくは98%以上を、化学薬品源が選択的に分配される用途に利用可能にする。この配置は、また、分配された化学薬品源が用いられる化学薬品源の供給および分配システム並びにプロセスの経済性を改善することができる。
【0049】
本発明は、化学薬品源用液面センサが内容物の終焉信号を発すると、半導体前駆体用化学薬品の最低限の量を薬品容器または気泡発生器に残すようにさせる。これは、半導体用前駆体の複雑性およびコストが高まっているので、非常に重要である。コストを極力抑えるためには、半導体製造業者は、前駆体の無駄をできるだけ少なくしたいと願っているであろう。更に、本発明では、化学薬品源用液面センサと同じように、温度センサを同じ窪んだ液溜め空所に設置している。これは、化学薬品源用液面センサが前駆体の存在を示している限り、化学薬品源の半導体用前駆体の真の温度を確実に読み取れる。これは安全性の観点から重要である。温度センサが半導体用前駆体から離れているならば、誤った低温信号を加熱装置に送信することになる。これは、薬品容器に対する過剰な加熱に繋がり、薬品容器が危険な状況や半導体用前駆体の分解を引き起こし兼ねない。
【0050】
再度容器または薬品容器に言及すると、化学薬品源用液面センサを容器に装備することができる。液面センサは、容器の上部外側から下方に向かって容器の頂壁部材の非中央位置部分をとおり、容器の液溜め空所表面に非常に近接して、底壁部材の非中央に位置する下端部に延びており、化学薬品源試薬が容器に収容されていると、化学薬品源試薬の少なくとも95%が利用可能になる。化学薬品源用液面センサの上端部は、化学薬品源液位検知信号伝送回線により中央処理装置に接続され、システムの作動時に、化学薬品源用液面センサから送られてきた化学薬品源液位信号を中央処理装置に送信することができる。
【0051】
同様にして、温度センサ、すなわちサーモウェルおよび熱電対を容器に装備することができる。温度センサは、容器の上部外側から下方に向かって容器の頂壁部材の中央位置部分をとおり、容器の液溜め空所表面に非常に近接して、底壁部材の中央に位置する下端部に延びている。温度センサの上端部は、温度検知信号伝送回線により中央処理装置に接続され、システムの作動時に、温度センサから送られてきた温度信号を中央処理装置に送信することができる。
【0052】
好適なマイクロプロセッサ、コンピュータ、または他の適当な制御手段を含むことができる中央処理装置は、また、制御信号伝送回線により流量制御弁(例えば、好適な弁作動要素により)に接続され、流量制御弁を選択的に調節して、容器への搬送ガスの流量を制御することができる。中央処理装置は、また、制御信号伝送回線により第二の流量制御弁(例えば、好適な弁作動要素により)に接続され、流量制御弁を選択的に調節して、容器からの気相または液相試薬の排出を制御することができる。本発明の目的上、流量制御弁としては、遮断弁、絞り弁等が挙げられるであろう。
【0053】
本発明によれば、半導体製造業者が、薬品容器の取換え前に無駄を非常に少なくしながら、前駆体量を最大限使用できるようになる。これは、無駄を最小限に抑制すると共に、半導体用前駆体および特定の用途における投資収益を最大限に伸ばす。
【0054】
本発明において有用な化学薬品源は、広範囲にわたって変えることができ、例えば、周期律表の第2族、第3族、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、第14族、第15族、第16族、およびランタニド系列から選ばれる金属の液体または固体前駆体が含まれる。例示の化学薬品源としては、例えば、ルテニウム、ハフニウム、タンタル、モリブデン、白金、金、チタン、鉛、パラジウム、ジルコニウム、ビスマス、ストロンチウム、バリウム、カルシウム、アンチモン、およびタリウムから選ばれる金属の液体または固体前駆体、または、珪素、ゲルマニウム、およびテルルから選ばれる半金属の前駆体が挙げられる。好ましい有機金属前駆体化合物としては、ルテニウム含有、ハフニウム含有、タンタル含有、および/またはモリブデン含有の有機金属前駆体化合物が挙げられる。
【0055】
昇華する固体状化学薬品源、および加熱すると溶融する固体状化学薬品源を本発明において使用することができる。例えば、昇華する固体状化学薬品源を図1に示す気相試薬送出装置に使用することができる。加熱すると溶融する固体状化学薬品源を、図1に示す気相試薬送出装置および図1に示す液相試薬送出装置に使用することができる。同様に、液状化学薬品源を、図1に示す気相試薬送出装置および図1に示す液相試薬送出装置に使用することができる。昇華する固体状化学薬品源を使用する場合は、塵埃閉込め装置を使用する必要があろう。
【0056】
本発明において有用な気相または液相試薬は、広範囲にわたって変えることができ、例えば、周期律表の第2族、第3族、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、第14族、第15族、第16族、およびランタニド系列から選ばれる金属の液体または固体前駆体が含まれる。例示の前駆体としては、例えば、ルテニウム、ハフニウム、タンタル、モリブデン、白金、金、チタン、鉛、パラジウム、ジルコニウム、ビスマス、ストロンチウム、バリウム、カルシウム、アンチモン、およびタリウムから選ばれる金属の前駆体、または、珪素、ゲルマニウム、およびテルルから選ばれる半金属の前駆体が挙げられる。好ましい有機金属前駆体化合物としては、ルテニウム含有、ハフニウム含有、タンタル含有、および/またはモリブデン含有の有機金属前駆体化合物が挙げられる。
【0057】
気相試薬送出装置は、搬送ガス供給管に接続された搬送ガス供給源を更に含むことができる。同様に、液相試薬送出装置は、不活性ガス供給管に接続された不活性ガス供給源を更に含むことができる。
【0058】
気相試薬送出装置は、次のような被着室を更に含むことができる:
被着室は化学蒸着室または原子層被着室から選ばれ、
前記気相試薬排出管が気相試薬送出装置を被着室に接続し、
任意に加熱可能なサセプタが、被着室内に収容されて、気相試薬排出管に対して受入れ位置にあり、
排ガス放出管が被着室に接続され、
場合によっては加熱可能なサセプタ上の、基板と接触させるために、気相試薬が気相試薬排出管を通って被着室に流入し、残留排ガスが排ガス放出管を介して放出されるように、上述のとおり、排ガス放出管が被着室に接続されている。
【0059】
基板は、金属、金属珪化物、金属炭化物、金属窒化物、半導体、絶縁物、およびバリア材から選ばれる材料から構成される。基板は好ましくはパターン付与されたウェーハからなる。
【0060】
液相試薬送出装置は、次のような被着室、前記液相試薬排出管(更に気化装置)、搬送ガス供給管、気相試薬排出管、および排ガス放出管を更に含むことができる:
被着室は化学蒸着室または原子層被着室から選ばれ;
液相試薬排出管が液相試薬送出装置を気化装置に接続し;
気化装置の一部には搬送ガス供給入口開口を設けており、これを通る搬送ガスを前記気化装置に供給して、前記液相試薬の蒸気が前記搬送ガスに同伴するようになり、これにより、気相試薬を生成することが可能であり、
気化装置の一部には、前記気相試薬を前記気化装置から分配できる気相試薬出口開口を設けており、
搬送ガス供給管は、気化装置から外側に搬送ガス供給入口開口から延びていて、搬送ガスを前記気化装置に供給すると共に、供給管を通る搬送ガスの流れを制御する搬送ガス流量制御弁を内蔵しており;
気相試薬排出管は、気化装置から外側に気相試薬出口開口から延びていて、前記気化装置から気相試薬を前記被着室に取り出すと共に、排出管を通る気相試薬の流れを制御する気相試薬流量制御弁を内蔵しており;
任意に加熱可能なサセプタが、被着室内に収容されて、気化装置に対して受入れ位置にあり、
排ガス放出管が被着室に接続され;
場合によっては加熱可能なサセプタ上の、基板と接触させるために、気相試薬が気相試薬排出管を通って被着室に流入し、残留排ガスが排ガス放出管を介して放出されるように、上述のとおり、排ガス放出管が被着室に接続されている。
【0061】
基板は、金属、金属珪化物、金属炭化物、金属窒化物、半導体、絶縁物、およびバリア材から選ばれる材料から構成されることができる。基板は好ましくはパターン付与されたウェーハからなる。
【0062】
別の実施形態において、本発明は、1つには、また気相試薬送出装置に関し、気相試薬送出装置は、下記の容器、面シールT字形接続金具、面シール・ガスケット、締結手段、およびアダプタを含む:
容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで入れることができるとともに、更に注入レベル上方に内部ガス容積部を画成するように構成された、頂壁部材、側壁部材、および底壁部材を含み;
前記頂壁部材には、面シール・ポート開口と、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口とを設けており、
面シールT字形接続金具は、面シール開口と、搬送ガス供給入口開口と、気相試薬出口開口とを設けており;
前記面シール・ポート開口は、面シール開口を介して接続される前記面シールT字形接続金具を備えており、前記面シール・ポート開口と面シール開口には対向面があり、対向面は互いに接触することがなく、
例えば金属からなる面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記面シール・ポート開口および前記面シール開口の対向面と接触しており;
締結手段は、対向面と前記面シール・ガスケットを介して、面シールT字形接続金具を前記面シール・ポート開口に固着させ;
アダプタは、搬送ガス供給入口開口、面シール開口、面シール・ポート開口、および前記内部ガス容積部を通って、化学薬品源に延びる管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、管を通る搬送ガスを化学薬品源中で泡立たせて、少なくとも一部の化学薬品源の蒸気が前記搬送ガスに同伴するようになり、これにより、注入レベル上方の前記内部ガス容積部に気相試薬の流れを生じさせることが可能であり、一方、前記管には、搬送ガス供給入口開口に隣接する入口端部と、底壁部材に隣接する出口端部とがあり;
前記搬送ガス供給入口開口は、これに取り付けられた搬送ガス供給入口金具を備えており、
前記搬送ガス供給入口開口と前記搬送ガス供給入口金具には対向面があり、対向面は互いに接触することがなく、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記搬送ガス供給入口開口および前記搬送ガス供給入口金具の対向面と接触しており、
締結手段は、対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、搬送ガス供給入口金具を前記搬送ガス供給入口開口に固着させ、
前記管の外壁と、前記搬送ガス供給入口開口、前記面シール開口および前記面シール・ポート開口の内壁との間には環状空間が形成されており、前記気相試薬を前記装置から前記気相試薬出口開口を経由して分配することができる。
【0063】
気相試薬送出装置は、搬送ガス供給管および気相試薬排出管を更に含み、搬送ガス供給管は、搬送ガス供給入口金具から外側に延びていて、搬送ガスを前記化学薬品源に供給するとともに、供給管を通る搬送ガスの流れを制御する一つ以上の搬送ガス流量制御弁を内蔵しており;気相試薬排出管は、気相試薬出口開口から外側に延びていて、気相試薬を注入レベル上方の前記内部ガス容積部から取り出すとともに、場合によっては、排出管を通る気相試薬の流れを制御する一つ以上の気相試薬流量制御弁を内蔵している。
【0064】
気相試薬送出装置は、気相試薬の流れを通じて気相供給被着システムに連通する気相試薬排出管を更に含み、前記被着システムは化学蒸着システムまたは原子層蒸着システムから選ばれる。
【0065】
気相試薬送出装置は、次のような被着室を更に含む:
被着室は化学蒸着室または原子層被着室から選ばれ、
前記気相試薬排出管が気相試薬送出装置を被着室に接続し、
任意に加熱可能なサセプタが、被着室内に収容されて、気相試薬排出管に対して受入れ位置にあり、
排ガス放出管が被着室に接続され、
場合によっては加熱可能なサセプタ上の、基板と接触させるために、気相試薬が気相試薬排出管を通って被着室に流入し、残留排ガスが排ガス放出管を介して放出されるように、上述のとおり、排ガス放出管が被着室に接続されている。
【0066】
基板は、金属、金属珪化物、金属炭化物、金属窒化物、半導体、絶縁物、およびバリア材から選ばれる材料から構成される。基板は好ましくはパターン付与されたウェーハからなる。
【0067】
別の実施形態において、本発明は、1つには、液相試薬送出装置に関し、液相試薬送出装置は、下記の容器、面シールT字形接続金具、面シール・ガスケット、締結手段、およびアダプタを含む:
容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで入れることができるとともに、更に注入レベル上方に内部ガス容積部を画成するように構成された、頂壁部材、側壁部材、および底壁部材を含み;
前記頂壁部材には、面シール・ポート開口と、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口とを設けており、
面シールT字形接続金具は、面シール開口と、不活性ガス供給入口開口と、液相試薬出口開口とを設けており;
前記面シール・ポート開口は、面シール開口を介して接続される前記面シールT字形接続金具を備えており、前記面シール・ポート開口と面シール開口には対向面があり、対向面は互いに接触することがなく、
例えば金属からなる面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記面シール・ポート開口および前記面シール開口の対向面と接触しており;
締結手段は、対向面と前記面シール・ガスケットを介して、面シールT字形接続金具を前記面シール・ポート開口に固着させ;
アダプタは、液相試薬出口開口、面シール開口、面シール・ポート開口、および内部ガス容積部を通って、化学薬品源に延びる管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、出口開口を通る液相試薬を前記装置から分配することができ、前記管には、液相試薬出口開口に隣接する出口端部と、底壁部材に隣接する入口端部とがあり;
前記液相試薬出口開口は、これに接続された液相試薬出口接続金具を備えており、
前記液相試薬出口開口と前記液相試薬出口接続金具には対向面があり、対向面は互いに接触することがなく、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記液相試薬出口開口および前記液相試薬出口接続金具の対向面と接触しており、
締結手段は、対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、液相試薬出口接続金具を前記液相試薬出口開口に固着させ;
前記管の外壁と、前記液相試薬出口開口、前記面シール開口および前記面シール・ポート開口の内壁との間には環状空間が形成されており、不活性ガスを不活性ガス供給入口開口を経由して注入レベル上方の内部ガス容積部に供給して、注入レベル上方の内部ガス容積部を加圧することが可能である。
【0068】
液相試薬送出装置は、不活性ガス供給管と液相試薬排出管とを更に含み、不活性ガス供給管は、不活性ガス供給入口開口から外側に延びていて、不活性ガスを注入レベル上方の前記内部ガス容積部に供給するとともに、供給管を通る不活性ガスの流れを制御する一つ以上の不活性ガス流量制御弁を内蔵しており;液相試薬排出管は、液相試薬出口接続金具から外側に延びていて、前記容器から液相試薬を取り出すとともに、場合によっては、排出管を通る液相試薬の流れを制御する一つ以上の液相試薬流量制御弁を内蔵している。
【0069】
液相試薬送出装置は、液相試薬の流れを通じて気化装置に連通する液相試薬排出管を更に含み、前記気化装置は気相試薬の流れを通じて気相供給被着システムに連通するとともに、前記被着システムが化学蒸着システムおよび原子層蒸着システムから選ばれる。
【0070】
液相試薬送出装置は、次のような被着室、前記液相試薬排出管(更に気化装置)、搬送ガス供給管、気相試薬排出管、および排ガス放出管を更に含む:
被着室は化学蒸着室または原子層被着室から選ばれ;
前記液相試薬排出管が液相試薬送出装置を気化装置に接続し;
気化装置の一部には搬送ガス供給入口開口を設けており、これを通る搬送ガスを前記気化装置に供給して、前記液相試薬の蒸気が前記搬送ガスに同伴するようになり、これにより、気相試薬を生成することが可能であり、
気化装置の一部には、前記気相試薬を前記気化装置から分配できる気相試薬出口開口を設けており、
搬送ガス供給管は、気化装置から外側に搬送ガス供給入口開口から延びていて、搬送ガスを前記気化装置に供給するとともに、供給管を通る搬送ガスの流れを制御する搬送ガス流量制御弁を内蔵しており;
気相試薬排出管は、気化装置から外側に気相試薬出口開口から延びていて、前記気化装置から気相試薬を前記被着室に取り出すとともに、排出管を通る気相試薬の流れを制御する気相試薬流量制御弁を内蔵しており;
加熱可能なサセプタは、被着室内に収容されて、気化装置に対して受入れ位置にあり、
排ガス放出管が被着室に接続され;
加熱可能なサセプタ上の基板と接触させるために、気相試薬が気相試薬排出管を通って被着室に流入し、残留排ガスが排ガス放出管を介して放出されるように、上述のとおり、排ガス放出管が被着室に接続されている。
【0071】
基板は、金属、金属珪化物、金属炭化物、金属窒化物、半導体、絶縁物、およびバリア材から選ばれる材料から構成される。基板は好ましくはパターン付与されたウェーハからなる。
【0072】
前記のように、本発明は、気相試薬を被着室に供給する方法に関し、以下の段階を含む:
気相試薬送出装置を用意する段階;
気相試薬送出装置は、下記の容器、アダプタ、締結手段、搬送ガス供給管、および気相試薬排出管を含む:
容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで入れることができるとともに、更に注入レベル上方に内部ガス容積部を画成するように構成された、頂壁部材、側壁部材、および底壁部材を含み;
前記頂壁部材には、第一の面シール・ポート開口と、第二の面シール・ポート開口と、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口とを設けており、
前記第一の面シール・ポート開口は、これに接続された搬送ガス供給入口金具を備えており、
アダプタは、第一の面シール・ポート開口および前記内部ガス容積部を通って、化学薬品源に延びる管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、管を通る搬送ガスを化学薬品源中で泡立たせて、少なくとも一部の化学薬品源の蒸気が前記搬送ガスに同伴するようになり、これにより、注入レベル上方の前記内部ガス容積部に気相試薬の流れを生じさせることが可能であり、一方、前記管には、第一の面シール・ポート開口に隣接する入口端部と、底壁部材に隣接する出口端部とがあり;
前記第一の面シール・ポート開口と前記搬送ガス供給入口金具には対向面があり、対向面は互いに接触することがなく、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記第一の面シール・ポート開口および前記搬送ガス供給入口金具の対向面と接触しており、
締結手段は、対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、搬送ガス供給入口金具を前記第一の面シール・ポート開口に固着させ;
搬送ガス供給管は、搬送ガス供給入口金具から外側に延びていて、搬送ガスを前記化学薬品源に供給するとともに、供給管を通る搬送ガスの流れを制御する一つ以上の搬送ガス流量制御弁を内蔵しており;
前記第二の面シール・ポート開口は、これに接続された気相試薬出口接続金具を備えていて、第二の面シール・ポート開口を通る前記気相試薬を前記装置から分配することができ、
気相試薬排出管は、気相試薬出口接続金具から外側に延びていて、気相試薬を注入レベル上方の前記内部ガス容積部から取り出すとともに、場合によっては、排出管を通る気相試薬の流れを制御する一つ以上の気相試薬流量制御弁を内蔵しており;
化学薬品源を前記気相試薬送出装置に添加する段階;
気相試薬を用意するために、化学薬品源を気化させるために十分な温度に化学薬品源を前記気相試薬送出装置内で加熱する段階;
前記搬送ガス供給管および前記管を介して、搬送ガスを前記気相試薬送出装置に供給する段階;
前記気相試薬送出装置から前記気相試薬排出管を経由して、気相試薬および搬送ガスを引き出す段階;
気相試薬および搬送ガスを前記被着室に供給する段階。
【0073】
前記の方法は次の段階を更に含むことができる:
場合によっては加熱可能なサセプタ上の、基板と気相試薬を被着室内で接触させる段階;
被着室に接続された排ガス放出管を介して残留排ガスを放出する段階。被着室を化学蒸着室および原子層被着室から選ぶことができる。
【0074】
前記のシステムの作動時には、化学薬品源が、容器内に置かれ、化学薬品源を気化させるために十分な温度に加熱される。搬送ガスは、搬送ガス供給管を通って搬送ガス供給入口開口に至り、化学薬品源中で泡立てられる気泡管を通って流れることができる。搬送ガス流量制御弁は、化学薬品源に排出される搬送ガスの流れを制御する。化学薬品源からの蒸気は搬送ガスに同伴するようになり、気相試薬を生成する。
【0075】
気相試薬は、内部ガス容積部から気相試薬出口開口および気相試薬排出管を通って排出される。気相試薬排出管内の気相試薬は被着室に流れる。気相試薬流量制御弁は、被着室に流れる気相試薬の流れを制御する。被着室では、気相試薬が、加熱可能な基板または他の載置構造体に載置されたウェーハまたは他の基板要素に蒸着される。被着室からの流出蒸気は排ガス放出管に放出される。排ガスは、リサイクル、回収、廃棄物処理、廃棄処分、またはその他の廃棄手段に引き継がれる。
【0076】
この作動中に、容器内の化学薬品源の注入レベルが化学薬品源用液面センサにより検出される。化学蒸着または原子層被着サイクルの終わりに化学薬品源を取換えできるように、容器内部の前駆体用液状化学薬品源が、枯渇しそうになり始めた時期を知ることは重要である。化学薬品源の液位は、次第に下降して、最終的には液溜め空所中に最低の液体ヘッド(液溜め空所中の液体の高さ)まで低下し、この時点で、中央処理装置は、化学薬品源液位検知信号伝送回線によりに、送信されてきた対応する化学薬品源液位信号を受信する。中央処理装置は、制御信号伝送回線における制御信号を搬送ガス流量制御弁に応答可能に送信し、弁を閉成して容器への搬送ガスの流れを止め、また同時に、制御信号伝送回線における制御信号を送信し、気相試薬流量制御弁を閉成して、容器からの気相試薬の流れを止める。
【0077】
また、この作動中には、容器内の化学薬品源の温度が温度センサにより検出される。容器内部の前駆体用液状化学薬品の温度を監視して蒸気圧を制御することは重要である。容器内の化学薬品源の温度が高くなりすぎると、中央処理装置は、温度検知信号伝送回線によりに、送信されてきた対応する温度信号を受信する。中央処理装置は、制御信号伝送回線における制御信号を加熱手段に応答可能に送信して、温度を低下させる。
【0078】
本発明の例えば気泡発生器等の気相試薬送出装置は、化学気相成長法、原子層成長法、およびイオン注入プロセスに用いられる、例えば液状および固体状ソース試薬等の液体および固体材料を気化させるのに有用であろう。例えば、前記特許文献4参照。
【0079】
前記のように、本発明は、1つには、気相試薬を被着室に供給する方法に関し、以下の段階を含む:
液相試薬送出装置を用意する段階;
液相試薬送出装置は、下記の容器、アダプタ、締結手段、不活性ガス供給管、および液相試薬排出管を含む:
容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで入れることができるとともに、更に注入レベル上方に内部ガス容積部を画成するように構成された、頂壁部材、側壁部材、および底壁部材を含み;
前記頂壁部材には、第一の面シール・ポート開口と、第二の面シール・ポート開口と、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口とを設けており、
前記第一の面シール・ポート開口は、これに接続された不活性ガス供給入口金具を備えていて、第一の面シール・ポート開口を通る不活性ガスを注入レベル上方の内部ガス容積部に供給して、注入レベル上方の内部ガス容積部を加圧することが可能であり、
前記第二の面シール・ポート開口は、これに接続された液相試薬出口接続金具を備えており、
【0080】
アダプタは、第二の面シール・ポート開口および内部ガス容積部を通って、化学薬品源に延びる管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、化学薬品を通る液相試薬を前記装置から分配することができ、前記管には、第二の面シール・ポート開口に隣接する出口端部と、底壁部材に隣接する入口端部とがあり;
前記第二の面シール・ポート開口と前記液相試薬出口接続金具には対向面があり、対向面は互いに接触することがなく、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記第二の面シール・ポート開口および前記液相試薬出口接続金具の対向面と接触しており、
締結手段は、対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、液相試薬出口接続金具を前記第二の面シール・ポート開口に固着させ;
不活性ガス供給管は、不活性ガス供給入口金具から外側に延びていて、不活性ガスを注入レベル上方の前記内部ガス容積部に供給するとともに、供給管を通る不活性ガスの流れを制御する一つ以上の不活性ガス流量制御弁を内蔵しており;
液相試薬排出管は、液相試薬出口接続金具から外側に延びていて、液相試薬を前記容器から取り出すとともに、場合によっては、排出管を通る液相試薬の流れを制御する一つ以上の液相試薬流量制御弁を内蔵しており;
液相試薬を前記液相試薬送出装置に添加する段階;
場合によっては、液相試薬を用意するために、固体の化学薬品源を溶融させるために十分な温度に固体の化学薬品源を前記液相試薬送出装置内で加熱する段階;
前記不活性ガス供給管を介して、不活性ガスを前記液相試薬送出装置に供給する段階;
前記液相試薬送出装置から前記管および前記液相試薬排出管を経由して、液相試薬を引き出す段階;
気化装置を用意する段階;
気化装置は、下記の容器、前記液相試薬排出管、前記液相試薬排出管、搬送ガス供給管、および気相試薬排出管を含む:
容器は、液相試薬を気化する容器内室を形成するように構成され;
液相試薬排出管が液相試薬送出装置を前記気化装置に接続し、
気化装置の一部には搬送ガス供給入口開口を設けており、これを通る搬送ガスを前記気化装置に供給して、前記液相試薬の蒸気が前記搬送ガスに同伴するようになり、これにより、気相試薬を生成することが可能であり、
気化装置の一部には、前記気相試薬を前記気化装置から分配できる気相試薬出口開口を設けており、
搬送ガス供給管は、気化装置から外側に搬送ガス供給入口開口から延びていて、搬送ガスを前記気化装置に供給するとともに、供給管を通る搬送ガスの流れを制御する一つ以上の搬送ガス流量制御弁を内蔵しており;
気相試薬排出管は、気化装置から外側に気相試薬出口開口から延びていて、前記気化装置から前記被着室に気相試薬を取り出すとともに、場合によっては、排出管を通る気相試薬の流れを制御する一つ以上の気相試薬流量制御弁を内蔵しており;
液相試薬を前記気化装置に供給する段階;
前記気相試薬を用意するために、液相試薬を気化させるために十分な温度に液相試薬を前記気化装置内で加熱する段階;
前記搬送ガス供給管を介して搬送ガスを前記気化装置に供給する段階;
前記気相試薬排出管を介して、気相試薬および搬送ガスを前記気化装置から引き出す段階;
気相試薬および搬送ガスを前記被着室に供給する段階。
【0081】
前記方法は次の段階を更に含むことができる:
場合によっては加熱可能なサセプタ上の、基板と気相試薬を被着室内で接触させる段階;
被着室に接続された排ガス放出管を介して残留排ガスを放出する段階。被着室を化学蒸着室および原子層被着室から選ぶことができる。
【0082】
前記のシステムの作動時に、化学薬品源が容器内に置かれ、不活性ガスが、不活性ガス供給管を通って不活性ガス供給入口開口に至り、注入レベル上方の内部ガス容積部に流入して、注入レベル上方の内部ガス容積部を加圧することができる。不活性ガス流量制御弁は、注入レベル上方の内部ガス容積部に排出される不活性ガスの流れを制御する。
【0083】
液相試薬は、容器から液相試薬出口開口(例えば、浸漬管)および液相試薬排出管を通って排出される。液相試薬排出管内の液相試薬は気化装置に流れる。液相試薬流量制御弁が、気化装置に流れる液相試薬の流れを制御する。
【0084】
気化装置では、液相試薬を気化させて、その後の蒸着操作のためのソース蒸気を生成させる。気化装置は、また、液相試薬の気化により生成するソース蒸気と一緒に、またはソース蒸気を包み込む搬送ガスを受け入れることができる。あるいは、ソース蒸気は、手際よく下流の蒸着操作に引き継がれてもよい。いずれにしても、気化装置からのソース蒸気は、気相試薬排出管を通って被着室に流れる。被着室では、気相試薬が、加熱可能な基板または他の載置構造体に載置されたウェーハまたは他の基板要素に蒸着される。被着室からの流出蒸気は排ガス放出管に放出される。排ガスは、リサイクル、回収、廃棄物処理、廃棄処分、またはその他の廃棄手段に引き継がれる。
【0085】
この作動中に、容器内の化学薬品源注入レベルが化学薬品源用液面センサにより検出される。化学蒸着または原子層被着サイクルの終わりに化学薬品源を取換えできるように、容器内部の前駆体用液状化学薬品源が、枯渇しそうになり始めた時期を知ることは重要である。化学薬品源の液位は、次第に下降して、最終的には液溜め空所中に最低の液体ヘッド(液溜め空所中の液体の高さ)まで低下し、この時点で、中央処理装置は、化学薬品源液位検知信号伝送回線によりに、送信されてきた対応する化学薬品源液位信号を受信する。中央処理装置は、制御信号伝送回線における制御信号を搬送ガス流量制御弁に応答可能に送信し、弁を閉成して容器への搬送ガスの流れを止め、また同時に、液相試薬流量制御弁を閉成するように制御信号伝送回線における制御信号を送信して、容器からの液状試薬の流れを止める。
【0086】
また、この作動中には、容器内の化学薬品源の温度が温度センサにより検出される。容器内部の前駆体用液状化学薬品の温度を監視して蒸気圧を制御することは重要である。容器内の化学薬品源の温度が高くなりすぎると、中央処理装置は、温度検知信号伝送回線によりに、送信されてきた対応する温度信号を受信する。中央処理装置は、制御信号伝送回線における制御信号を加熱手段に応答可能に送信して、温度を低下させる。
【0087】
本発明の液相試薬送出装置は、化学気相成長法、原子層成長法、およびイオン注入プロセスに用いられる前駆体等の試薬を分配するのに有用であり、容器からの液状試薬の引出しを高レベルで達成できる。例えば、特許文献6参照。
【0088】
別の実施形態において、本発明は1つには気相試薬を被着室に供給する方法に関し、以下の段階を含む:
気相試薬送出装置を用意する段階;
気相試薬送出装置は、下記の容器、面シールT字形接続金具、面シール・ガスケット、締結手段、アダプタ、搬送ガス供給管、および気相試薬排出管を含む:
容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで入れることができるとともに、更に注入レベル上方に内部ガス容積部を画成するように構成された、頂壁部材、側壁部材、および底壁部材を含み;
前記頂壁部材には、面シール・ポート開口と、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口とを設けており、
面シールT字形接続金具は、面シール開口と、搬送ガス供給入口開口と、気相試薬出口開口とを設けており;
前記面シール・ポート開口は、面シール開口を介して接続される前記面シールT字形接続金具を備えており、前記面シール・ポート開口と面シール開口には対向面があり、対向面は互いに接触することがなく、
例えば金属からなる面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記面シール・ポート開口および前記面シール開口の対向面と接触しており;
締結手段は、対向面と前記面シール・ガスケットを介して、面シールT字形接続金具を前記面シール・ポート開口に固着させ;
アダプタは、搬送ガス供給入口開口、面シール開口、面シール・ポート開口、および前記内部ガス容積部を通って、化学薬品源に延びる管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、管を通る搬送ガスを化学薬品源中で泡立たせて、少なくとも一部の化学薬品源の蒸気が前記搬送ガスに同伴するようになり、これにより、注入レベル上方の前記内部ガス容積部に気相試薬の流れを生じさせることが可能であり、一方、前記管には、搬送ガス供給入口開口に隣接する入口端部と、底壁部材に隣接する出口端部とがあり;
前記搬送ガス供給入口開口は、これに取り付けられた搬送ガス供給入口金具を備えており、
前記搬送ガス供給入口開口と前記搬送ガス供給入口金具には対向面があり、対向面は互いに接触することがなく、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記搬送ガス供給入口開口および前記搬送ガス供給入口金具の対向面と接触しており、
【0089】
締結手段は、対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、搬送ガス供給入口金具を前記搬送ガス供給入口開口に固着させ;
前記管の外壁と、前記搬送ガス供給入口開口、前記面シール開口および前記面シール・ポート開口の内壁との間には環状空間が形成されており、前記気相試薬を前記装置から前記気相試薬出口開口を経由して分配することができ、
【0090】
搬送ガス供給管は、搬送ガス供給入口金具から外側に延びていて、搬送ガスを前記化学薬品源に供給するとともに、供給管を通る搬送ガスの流れを制御する一つ以上の搬送ガス流量制御弁を内蔵しており;
気相試薬排出管は、気相試薬出口開口から外側に延びていて、注入レベル上方の前記内部ガス容積部から気相試薬を取り出すとともに、場合によっては、排出管を通る気相試薬の流れを制御する一つ以上の気相試薬流量制御弁を内蔵しており;
化学薬品源を前記気相試薬送出装置に添加する段階;
気相試薬を用意するために、化学薬品源を気化させるために十分な温度に化学薬品源を前記気相試薬送出装置内で加熱する段階;
【0091】
前記搬送ガス供給管および前記管を介して、搬送ガスを前記気相試薬送出装置に供給する段階;
前記気相試薬送出装置から前記気相試薬排出管を経由して、気相試薬および搬送ガスを引き出す段階;
気相試薬および搬送ガスを前記被着室に供給する段階。
【0092】
前記の方法は次の段階を更に含む:
場合によっては加熱可能なサセプタ上の、基板と気相試薬を被着室内で接触させる段階;
被着室に接続された排ガス放出管を介して残留排ガスを放出する段階。
【0093】
上述の方法において、気相試薬送出装置は、気相試薬の流れを通じて気相供給被着システムに連通する気相試薬排出管を更に含み、前記被着システムが化学蒸着システムまたは原子層蒸着システムから選ばれる。
【0094】
別の実施形態において、本発明は1つには気相試薬を被着室に供給する方法に関し、以下の段階を含む:
液相試薬送出装置を用意する段階;
液相試薬送出装置は、下記の容器、面シールT字形接続金具、面シール・ガスケット、締結手段、アダプタ、不活性ガス供給管、および液相試薬排出管を含む:
容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで入れることができるとともに、更に注入レベル上方に内部ガス容積部を画成するように構成された、頂壁部材、側壁部材、および底壁部材を含み;
前記頂壁部材には、面シール・ポート開口と、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口とを設けており、
面シールT字形接続金具は、面シール開口と、不活性ガス供給入口開口と、液相試薬出口開口とを設けており;
前記面シール・ポート開口は、面シール開口を介して接続される前記面シールT字形接続金具を備えており、前記面シール・ポート開口と面シール開口には対向面があり、対向面は互いに接触することがなく、
例えば金属からなる面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記面シール・ポート開口および前記面シール開口の対向面と接触しており;
締結手段は、対向面と前記面シール・ガスケットを介して、面シールT字形接続金具を前記面シール・ポート開口に固着させ;
【0095】
アダプタは、液相試薬出口開口、面シール開口、面シール・ポート開口、および内部ガス容積部を通って、化学薬品源に延びる管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、出口開口を通る液相試薬を前記装置から分配することができ、前記管には、液相試薬出口開口に隣接する出口端部と、底壁部材に隣接する入口端部とがあり;
前記液相試薬出口開口は、これに接続された液相試薬出口接続金具を備えており、
前記液相試薬出口開口と前記液相試薬出口接続金具には対向面があり、対向面は互いに接触することがなく、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記液相試薬出口開口および前記液相試薬出口接続金具の対向面と接触しており、
締結手段は、対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、液相試薬出口接続金具を前記液相試薬出口開口に固着させ;
前記管の外壁と、前記液相試薬出口開口、前記面シール開口および前記面シール・ポート開口の内壁との間には環状空間が形成されており、不活性ガスを不活性ガス供給入口開口を経由して注入レベル上方の内部ガス容積部に供給して、注入レベル上方の内部ガス容積部を加圧することができ、
不活性ガス供給管は、不活性ガス供給入口開口から外側に延びていて、不活性ガスを注入レベル上方の前記内部ガス容積部に供給するとともに、供給管を通る不活性ガスの流れを制御する一つ以上の不活性ガス流量制御弁を内蔵しており;
液相試薬排出管は、液相試薬出口接続金具から外側に延びていて、前記容器から液相試薬を取り出すとともに、場合によっては、排出管を通る液相試薬の流れを制御する一つ以上の液相試薬流量制御弁を内蔵しており;
液相試薬を前記液相試薬送出装置に添加する段階;
場合によっては、液相試薬を用意するために、固体の化学薬品源を溶融させるために十分な温度に固体の化学薬品源を前記液相試薬送出装置内で加熱する段階;
前記不活性ガス供給管を介して、不活性ガスを前記液相試薬送出装置に供給する段階;
前記液相試薬送出装置から前記管および前記液相試薬排出管を経由して、液相試薬を引き出す段階;
気化装置を用意する段階;
気化装置は、下記の容器、前記液相試薬排出管、搬送ガス供給管、および気相試薬排出管を含む:
容器は、液相試薬を気化する容器内室を形成するように構成され;
液相試薬排出管が液相試薬送出装置を前記気化装置に接続し;
気化装置の一部には搬送ガス供給入口開口を設けており、これを通る搬送ガスを前記気化装置に供給して、前記液相試薬の蒸気が前記搬送ガスに同伴するようになり、これにより、気相試薬を生成することが可能であり、
気化装置の一部には、前記気相試薬を前記気化装置から分配できる気相試薬出口開口を設けており、
搬送ガス供給管は、気化装置から外側に搬送ガス供給入口開口から延びていて、搬送ガスを前記気化装置に供給するとともに、供給管を通る搬送ガスの流れを制御する一つ以上の搬送ガス流量制御弁を内蔵しており;
気相試薬排出管は、気化装置から外側に気相試薬出口開口から延びていて、前記気化装置から気相試薬を前記被着室に取り出すとともに、場合によっては、排出管を通る気相試薬の流れを制御する一つ以上の気相試薬流量制御弁を内蔵しており;
液相試薬を前記気化装置に供給する段階;
前記気相試薬を用意するために、液相試薬を気化させるために十分な温度に液相試薬を前記気化装置内で加熱する段階;
前記搬送ガス供給管を介して搬送ガスを前記気化装置に供給する段階;
前記気相試薬排出管を介して、気相試薬および搬送ガスを前記気化装置から引き出す段階;
気相試薬および搬送ガスを前記被着室に供給する段階。
【0096】
前記の方法は次の段階を更に含む:
場合によっては加熱可能なサセプタ上の、基板と気相試薬を被着室内で接触させる段階;
被着室に接続された排ガス放出管を介して残留排ガスを放出する段階。
【0097】
前記方法において、液相試薬送出装置は、液相試薬の流れを通じて前記気化装置に連通する液相試薬排出管を更に含み、前記気化装置は気相試薬の流れを通じて気相試薬供給被着システムに連通しており、前記被着システムは化学蒸着システムおよび原子層蒸着システムから選ばれる。
【0098】
本発明の一実施形態においては、粉末、膜、または被膜を形成する気相蒸着技術に有機金属化合物が用いられる。有機金属化合物は、単一のソース前駆体として使用されることが可能であり、あるいは、例えば少なくとも一種のその他の有機金属化合物または金属錯体を加熱することにより発生する蒸気と、一種以上のその他の前駆体を一緒に用いられることが可能である。
【0099】
被着をその他の気相成分の存在下に行うことができる。本発明の一実施形態において、膜蒸着は、少なくとも一種の非反応性搬送ガスの存在下に行われる。非反応性搬送ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムの他に、プロセス条件下に有機金属化合物の前駆体と反応しないその他のガスが例示される。その他の実施形態では、膜蒸着は少なくとも一種の反応性ガスの存在下に行われる。使用し得るある種の反応性ガスとしては、ヒドラジン、酸素、水素、空気、酸素に富む空気、オゾン(O)、亜酸化窒素(NO)、水蒸気、有機物蒸気、アンモニア等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。当該技術分野において既知であるが、例えば、空気、酸素、酸素に富む空気、O、NO、または有機化合物を酸化する蒸気等の酸化性ガスの存在は、金属酸化物膜の生成に有利に作用する。
【0100】
本明細書に記載の被着法を実施して、単一金属を含む膜、粉末、若しくは被膜、または、単一の金属酸化物を含む膜、粉末、若しくは被膜を形成することができる。また、混合された膜、粉末、または被膜を被着して、例えば混合金属酸化物膜を形成することができる。例えば、少なくとも一種が上述の有機金属化合物から選ばれる数種の有機金属前駆体を使用することにより、混合金属酸化物膜を形成することができる。
【0101】
気相膜被着を実施して、例えば1nm未満から1mmを超える範囲にわたて、所望の厚さのフィルム層を形成することができる。本明細書に記載の前駆体は、例えば厚さが約10nm〜約100nmの範囲にあるフィルム等の薄膜の製造に特に有用である。本発明の膜は、例えば、特に、理論上n−チャンネル金属電極として、DRAM用のキャパシタ電極として、および誘電材料として、金属電極を製造していると考えられ得る。
【0102】
被着法は、また、少なくとも2層の相または組成が異なる層状膜の調製に適している。層状膜としては、金属−絶縁体−半導体、および金属−絶縁体−金属が例示される。
【0103】
有機金属化合物の前駆体は、原子層蒸着、化学蒸着、またはより具体的には、当該技術分野において既知の有機金属化学蒸着プロセスに使用され得る。例えば、前記有機金属化合物の前駆体は、大気圧以外に低圧の化学蒸着プロセスに使用され得る。高温壁化学蒸着、すなわち反応室全体が加熱される方法だけでなく、冷水壁または温水壁型化学蒸着、すなわち基板のみが加熱される技術に、有機金属化合物を使用することができる。
【0104】
また、前記有機金属化合物の前駆体をプラズマまたは光を利用した化学蒸着プロセスに使用することができ、それぞれプラズマまたは電磁気エネルギーからのエネルギーが化学蒸着前駆体の活性化に使用される。また、有機金属化合物をイオン・ビーム、電子ビームを利用した化学蒸着プロセスに使用することができ、それぞれイオン・ビームまたは電子ビームが基板に向けられて、化学蒸着前駆体の分解エネルギーを供給する。レーザを利用した化学蒸着プロセスもまた使用することができ、レーザ光が基板に向けられて、化学蒸着前駆体の光反応に作用する。
【0105】
当該技術分野において既知であるが、例えば、高温壁または冷水壁反応器、プラズマ利用、ビーム利用、またはレーザ利用の反応器等の種々の化学蒸着反応器中で蒸着法を実施することができる。
【0106】
被着室において有用な具体的な基板としては、例えば、金属、金属珪化物、半導体、絶縁物、およびバリア材から選ばれる材料が挙げられる。好ましい基板はパターン付与されたウェーハである。蒸着法を採用して被膜され得る基板としては、例えば、Al,Ni,Ti,Co,Pt,Ta等の金属基板、例えば、TiSi,CoSi,NiSi等の金属珪化物、例えば、Si,SiGe,GaAs,InP,ダイアモンド,GaN,SiC等の半導体材料、例えば、SiO,Si,HfO,Ta,Al,チタン酸バリウム・ストロンチウム(BST)等の絶縁物、例えば、TiN,TaN等のバリア材などの固体基板、または複数の材料を併用した基板上の固体基板が例示される。更に、ガラス、セラミック、プラスチック、熱硬化性高分子材料上に、およびその他の被膜またはフィルム層上に、膜または被膜を形成することができる。好ましい一実施形態では、電子部品の製造または処理に用いられる基板上での膜蒸着がある。その他の実施形態において、酸化剤の存在下に高温で安定な低抵抗率導体の堆積物を支持、または光透過性膜を支持する基板が用いられる。
【0107】
蒸着法を実施して、表面が平滑で平坦な基板上に膜を蒸着させることができる。一実施形態において、ウェーハの製造または処理に用いられる基板上に、膜を蒸着する方法が行われる。例えば、溝、穴、またはビア等の機能を含むパターン付与された基板上に、膜を蒸着する方法を行うことができる。更にまた、蒸着法は、例えば、マスキング、エッチング等のウェーハの製造または処理時に、その他の段階と一体的に行うこともできる。
【0108】
化学膜蒸着膜を所望の厚さに蒸着することができる。例えば、形成される膜は、厚さを1μm未満、好ましくは500nm未満、より好ましくは200nm未満とすることができる。また、厚さが50nm厚未満の膜、例えば厚さが約0.1〜約20nmの膜も製造することもできる。
【0109】
また、原子層被着または原子層核形成技術により膜を形成する本発明の方法に、前記有機金属化合物の前駆体を使用することができ、前記膜の形成時には、基板が前駆体、酸化剤、および不活性ガス流の交互パルスに曝される。逐次層蒸着法が例えば特許文献7および特許文献8に記載されている。双方の特許の開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0110】
例えば、一原子層被着サイクル中に、基板は、a)不活性ガス、b)前駆体蒸気を運ぶ不活性ガス、c)不活性ガス、およびd)酸化剤に、単独または不活性ガスと一緒に段階的に曝される。一般に、各段階は、装置が許容する限りできるだけ短く(例えば、ミリ秒)、またプロセスが必要とする限りできるだけ長く(例えば、数秒または数分)することができる。一サイクルの継続時間をミリ秒ほどの短時間、また分単位ほどの長時間とすることができる。サイクルは、数分から数時間に及ぶことができる時間にわたって繰り返される。製造される膜は、数nmの薄さまたは例えば1mm以上の厚さとすることができる。
【0111】
以上のように、本発明の手段および方法は、気相または液相試薬を供給および分配するシステムの提供において、当該技術分野に実質的な前進をもたらし、前記システムでは、最初に供給された化学薬品源の容量の95〜98%が、気相または液相試薬を選択的に分配する適用に利用可能になる。二点部品の薬品容器の容易な清浄化は、一点部品の薬品容器で達成され得るものを超えた前記二点部品薬品容器の再使用を可能にする。
【0112】
これらに対応して、半導体や超伝導体製品の製造等の作業において、本発明の手段および方法は、分配容器に最初に導入された容量の2〜5%程度のレベルに、化学薬品源の無駄を低減させるとともに、薬品容器を何度も再使用することが可能である。
【0113】
従って、本発明の実施は、化学薬品源の供給および気相または液相試薬分配システム、並びに、分配された気相または液相試薬を使用するプロセスの経済性を著しく改善する。本発明は、ある場合においては、実際問題として、先行技術の慣行における無駄のレベルの特質により妨げられてきた、費用効率の高い化学薬品源の利用を容認するであろう。
【0114】
本発明の種々の修正および変更は当業者にとって明らかであろうし、当然のことながら、かかる修正および変更は、本出願の範囲並びに特許請求の範囲の精神および範囲に包含されるはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着室に気相試薬を供給する方法において、該方法が以下の段階、すなわち
(a)気相試薬送出装置を用意する段階;
(b)前記気相試薬送出装置に化学薬品源を加える段階;
(c)気相試薬を用意するために、前記気相試薬送出装置内で、化学薬品源を気化させることのできる温度まで化学薬品源を加熱する段階;
(d)後記搬送ガス供給管および後記管を通じて、前記気相試薬送出装置に搬送ガスを供給する段階;
(e)前記気相試薬送出装置から後記気相試薬排出管を経由して、気相試薬および搬送ガスを引き出す段階;および
(f)気相試薬および搬送ガスを前記被着室に供給する段階を含み、
前記段階(a)に関して、
前記気相試薬送出装置が、下記容器、アダプタ、締結手段、搬送ガス供給管、および気相試薬排出管を含み、
前記容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで保持するとともに、さらに、注入レベルの上に内部ガス容積部を画成するように構成された頂壁部材、側壁部材および底壁部材を含み、
前記頂壁部材は、第一の面シール・ポート開口、第二の面シール・ポート開口、および、任意に一つ以上のその他の面シール・ポート開口を有し、
前記第一の面シール・ポート開口は、これに接続された搬送ガス供給入口金具を有し、
前記アダプタは、前記第一の面シール・ポート開口および前記内部ガス容積部を通って、前記化学薬品源中に伸張する管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、前記管を通じて前記化学薬品源中に搬送ガスを導入して前記化学薬品源を泡立たせて、少なくとも一部の化学薬品源の蒸気を前記搬送ガスに付随させ、もって、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部に気相試薬の流れを作るようになされており、さらに、前記管は、前記第一の面シール・ポート開口に隣接する入口端部と、前記底壁部材に隣接する出口端部とを有しており、
前記第一の面シール・ポート開口と前記搬送ガス供給入口金具は対向面を有するが、該対向面は互いに接触しておらず、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記第一の面シール・ポート開口および前記搬送ガス供給入口金具の前記対向面と接触しており、
前記締結手段は、前記対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、前記搬送ガス供給入口金具を前記第一の面シール・ポート開口に固定し、
前記搬送ガス供給管は、搬送ガスを前記化学薬品源に供給するための前記搬送ガス供給入口金具から外側に延在しており、また、該搬送ガス供給管を通る搬送ガスの流れを制御するための一つ以上の搬送ガス流量制御弁を含み、
前記第二の面シール・ポート開口は、これに接続された気相試薬出口接続金具を有し、該第二の面シール・ポート開口を通じて、前記気相試薬送出装置から前記気相試薬を送出することができ、かつ
前記気相試薬排出管は、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部から気相試薬を取り出すための前記気相試薬出口接続金具から外側に伸長し、選択的に、該気相試薬排出管を通る前記気相試薬の流れを制御するための一つ以上の気相試薬流量制御弁を含む、被着室に気相試薬を供給する方法。
【請求項2】
(g)前記被着室内で、選択的に、加熱可能なサセプタ上の基板に、前記気相試薬を接触させる段階;および
(h)前記被着室に接続された排出管を通して残留廃棄物を排出する段階を更に含む請求項1に記載された方法。
【請求項3】
前記被着室が、化学蒸着室および原子層蒸着室から選ばれる請求項1に記載された方法。
【請求項4】
前記基板が、金属、金属珪化物、金属炭化物、金属窒化物、半導体、絶縁材、およびバリア材から選ばれる材料で形成されている請求項2に記載された方法。
【請求項5】
前記基板がパターン付与されたウェーハからなる請求項2に記載された方法。
【請求項6】
前記気相試薬送出装置において、前記容器がステンレス鋼で形成されている請求項1に記載された方法。
【請求項7】
前記管が、気泡管を含み、かつステンレス鋼で形成されている請求項1に記載された方法。
【請求項8】
前記気相試薬送出装置において、前記締結手段が、雄ナットまたは六角体と、雌ナットとの結合関係を含む請求項1に記載された方法。
【請求項9】
前記底壁部材が、その表面から下方に延在する液溜め空所を有する請求項1に記載された方法。
【請求項10】
前記気相試薬送出装置が、温度センサと、化学薬品源用液面センサとを更に含み、
前記温度センサは、前記頂壁部材から概ね鉛直下方に向かって前記内部ガス容積部を通って前記化学薬品源に延び、その下端部が液溜め空所の表面に干渉することなく近接して位置づけられ、
前記化学薬品源用液面センサは、前記頂壁部材にある第三の面シール・ポート開口から概ね鉛直下方に指向し、前記内部ガス容積部を通って前記化学薬品源中に伸張し、その下端部が前記液溜め空所の表面に干渉することなく近接して位置づけられており、
前記温度センサが、前記容器に作動可能に配設されて、前記容器内の化学薬品源の温度を測定し、
前記化学薬品源用液面センサが、前記容器に作動可能に配設されて、前記容器内の化学薬品源の液位を測定し、
前記温度センサと前記化学薬品源用液面センサは、前記容器内で互いに干渉することなく近接して位置づけられ、前記温度センサの下端部が、前記化学薬品源用液面センサの下端部との関係で、前記液溜め空所の表面と一致するか、または、極く接近して位置づけられており、前記温度センサおよび前記化学薬品源用液面センサが、前記容器内の化学薬品源の流れと連通している請求項9に記載された方法。
【請求項11】
前記気相試薬送出装置が、気相試薬の流れによって気相供給被着システムに連通する前記気相試薬排出管を更に含み、該気相供給被着システムが化学蒸着システムまたは原子層蒸着システムから選ばれる請求項1に記載された方法。
【請求項12】
前記気相試薬送出装置において、前記容器が、円筒形の側壁部材または非円筒形を成す側壁部材を含む請求項1に記載された方法。
【請求項13】
前記気相試薬送出装置において、前記化学薬品源が液体材料または固体材料を含む請求項1に記載された方法。
【請求項14】
前記気相試薬送出装置において、前記化学薬品源が、周期律表の第2族、第3族、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、第14族、第15族、第16族、およびランタニド系列から選ばれる金属の前駆体を含む請求項1に記載された方法。
【請求項15】
前記気相試薬送出装置において、前記化学薬品源が、ルテニウム、ハフニウム、タンタル、モリブデン、白金、金、チタン、鉛、パラジウム、ジルコニウム、ビスマス、ストロンチウム、バリウム、カルシウム、アンチモン、およびタリウムから選ばれる金属の前駆体、または、珪素、ゲルマニウム、およびテルルから選ばれる半金属の前駆体を含む請求項1に記載された方法。
【請求項16】
前記気相試薬送出装置において、前記気相試薬が、周期律表の第2族、第3族、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、第14族、第15族、第16族、およびランタニド系列から選ばれる金属の前駆体を含む請求項1に記載された方法。
【請求項17】
前記気相試薬送出装置において、前記気相試薬が、ルテニウム、ハフニウム、タンタル、モリブデン、白金、金、チタン、鉛、パラジウム、ジルコニウム、ビスマス、ストロンチウム、バリウム、カルシウム、アンチモン、およびタリウムから選ばれる金属の前駆体、または、珪素、ゲルマニウム、およびテルルから選ばれる半金属の前駆体を含む請求項1に記載された方法。
【請求項18】
前記気相試薬送出装置が、前記搬送ガス供給管に連結された搬送ガス供給源を更に含む請求項1に記載された方法。
【請求項19】
被着室に気相試薬を供給する方法において、該方法が以下の段階、すなわち
(a)液相試薬送出装置を用意する段階;
(b)前記液相試薬送出装置に液相試薬を加える段階;
(c)液相試薬を用意するために、前記液相試薬送出装置内の固体化学薬品源を、固体化学薬品源を溶融させることのできる温度まで選択的に加熱する段階;
(d)後記不活性ガス供給管を通じて、前記液相試薬送出装置に不活性ガスを供給する段階;
(e)前記液相試薬送出装置から後記管および後記気相試薬排出管を経由して、前記液相試薬を引き出す段階;
(f)気化装置を用意する段階;(g)前記気化装置内に前記液相試薬を供給する段階;
(h)前記気相試薬を用意するために、前記液相試薬を気化させることのできる温度まで、前記気化装置内で前記液相試薬を加熱する段階;
(i)前記搬送ガス供給管を通じて前記気化装置に搬送ガスを供給する段階;
(j)前記気相試薬排出管を通じて、前記気化装置から前記気相試薬および前記搬送ガスを引き出す段階;および
(k)前記被着室内に前記気相試薬および前記搬送ガスを供給する段階を含み、
前記段階(a)に関して、
前記液相試薬送出装置は、下記容器、アダプタ、締結手段、不活性ガス供給管、および液相試薬排出管を含む:
前記容器は、容器内室を形成して、化学薬品源を注入レベルまで入れることができ、さらに前記注入レベルの上に内部ガス容積部を画成するように構成された、頂壁部材、側壁部材、および底壁部材を含み、
前記頂壁部材は、第一の面シール・ポート開口と、第二の面シール・ポート開口と、選択的に一つ以上のその他の面シール・ポート開口とを有し、
前記第一の面シール・ポート開口は、これに接続された不活性ガス供給入口金具を有し、該不活性ガス供給入口金具を通じて、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部に不活性ガスを供給して、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部を加圧することができ、
前記第二の面シール・ポート開口は、これに接続された液相試薬出口接続金具を有し、
前記アダプタは、前記第二の面シール・ポート開口および前記内部ガス容積部を通って、前記化学薬品源中に伸張する管に接合された金属面シール・ガスケットを含み、また、前記管を通じて液相試薬を前記液相試薬送出装置から送出することができ、前記管は、前記第二の面シール・ポート開口に隣接する出口端部と、前記底壁部材に隣接する入口端部とを有し、
前記第二の面シール・ポート開口と前記液相試薬出口接続金具は対向面を有するが、該対向面は互いに接触せず、
前記金属面シール・ガスケットは、位置合わせされて、前記第二の面シール・ポート開口および前記液相試薬出口接続金具の対向面と接触しており、
前記締結手段は、前記対向面と前記金属面シール・ガスケットを介して、前記液相試薬出口接続金具を前記第二の面シール・ポート開口に固定し、
前記不活性ガス供給管は、前記注入レベルの上の前記内部ガス容積部に不活性ガスを供給するために前記不活性ガス供給入口金具から外側に伸長し、また、該不活性ガス供給管を通る不活性ガスの流れを制御するための一つ以上の不活性ガス流量制御弁を含み、
前記液相試薬排出管は前記容器から液相試薬を取り出すための前記液相試薬出口接続金具から外側に伸長し、また、選択的に、前記液相試薬排出管を通る前記液相試薬の流れを制御するための一つ以上の液相試薬流量制御弁を含み、
前記段階(f)に関して、
前記気化装置は、下記容器、搬送ガス供給管、気相試薬排出管を含み、
前記容器は、前記液相試薬を気化させるために容器内室を形成するように構成されており、
前記液相試薬排出管は、前記液相試薬送出装置を前記気化装置に結合しており、
前記気化装置の一部が、搬送ガス供給入口開口を有し、これを通る搬送ガスが前記気化装置に内に供給され、前記液相試薬の蒸気が前記搬送ガスに付随して、気相試薬を作り、
前記気化装置の一部が、気相試薬出口開口を有し、これを通して前記気化装置から前記気相試薬が送出せしめられ、
前記搬送ガス供給管は、前記気化装置に搬送ガスを供給するために前記気化装置の外側に前記搬送ガス供給入口開口から伸長し、該搬送ガス供給管を通る搬送ガスの流れを制御するための一つ以上の搬送ガス流量制御弁を含み、
前記気相試薬排出管は、前記気化装置から前記被着室に気相試薬を取り出すために前記気化装置の外側に前記気相試薬出口開口から伸長し、選択的に、前記気相試薬排出管を通る気相試薬の流れを制御するための一つ以上の気相試薬流量制御弁を含む、被着室に気相試薬を供給する方法。
【請求項20】
(l)前記被着室内で、選択的に、加熱可能なサセプタ上の基板に、前記気相試薬を接触させる段階;および
(m)前記被着室に接続された排出管を通して残留廃棄物を排出する段階を更に含む請求項19に記載の方法記載された方法。
【請求項21】
前記被着室が、化学蒸着室および原子層蒸着室から選ばれる請求項19に記載された方法。
【請求項22】
前記基板が、金属、金属珪化物、金属炭化物、金属窒化物、半導体、絶縁材、およびバリア材から選ばれる材料から形成されている請求項20に記載された方法。
【請求項23】
前記基板がパターン付与されたウェーハからなる請求項20に記載された方法。
【請求項24】
前記液相試薬送出装置において、前記容器がステンレス鋼製である請求項19に記載された方法。
【請求項25】
前記管が、浸漬管を含み、かつステンレス鋼製である請求項19に記載された方法。
【請求項26】
前記液相試薬送出装置において、前記締結手段が、雄ナットまたは六角体と、のナットと雌ナットとの結合関係を含む請求項19に記載された方法。
【請求項27】
前記底壁部材にその表面から下方に延在する液溜め空所を設けている請求項19に記載された方法。
【請求項28】
前記液相試薬送出装置が、温度センサと、化学薬品源用液面センサとを更に含み、
前記温度センサは、前記頂壁部材から概ね鉛直下方に向かって前記内部ガス容積部を通って前記化学薬品源に延び、その下端部が液溜め空所の表面に干渉することなく近接して位置づけられ、
前記化学薬品源用液面センサは、前記頂壁部材にある第三の面シール・ポート開口から概ね鉛直下方に指向し、前記内部ガス容積部を通って前記化学薬品源中に伸張し、その下端部が前記液溜め空所の表面に干渉することなく近接して位置づけられており、
前記温度センサが、前記容器に作動可能に配設されて、前記容器内の化学薬品源の温度を測定し、
前記化学薬品源用液面センサが、前記容器に作動可能に配設されて、前記容器内の化学薬品源の液位を測定し、
前記温度センサと前記化学薬品源用液面センサは、前記容器内で互いに干渉することなく近接して位置づけられ、前記温度センサの下端部が、前記化学薬品源用液面センサの下端部との関係で、前記液溜め空所の表面と一致するか、または、極く接近して位置づけられており、前記温度センサおよび前記化学薬品源用液面センサが、前記容器内の化学薬品源の流れと連通している請求項27に記載された方法。
【請求項29】
前記液相試薬送出装置が、液相試薬の流れによって前記気化装置と連通する前記液相試薬排出管を更に含み、前記気化装置が気相試薬の流れによって気相供給被着システムに連通しており、該気相供給被着システムは、化学蒸着システムおよび原子層蒸着システムから選ばれる請求項19に記載された方法。
【請求項30】
前記液相試薬送出装置において、前記容器が、円筒形の側壁部材または非円筒形を成す側壁部材を含む請求項19に記載された方法。
【請求項31】
前記液相試薬送出装置において、前記化学薬品源が液体材料または固体材料を含む請求項19に記載された方法。
【請求項32】
前記液相試薬送出装置において、前記化学薬品源が、周期律表の第2族、第3族、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、第14族、第15族、第16族、およびランタニド系列から選ばれる金属の前駆体を含む請求項19に記載された方法。
【請求項33】
前記液相試薬送出装置において、前記化学薬品源が、ルテニウム、ハフニウム、タンタル、モリブデン、白金、金、チタン、鉛、パラジウム、ジルコニウム、ビスマス、ストロンチウム、バリウム、カルシウム、アンチモン、およびタリウムから選ばれる金属の前駆体、または、珪素、ゲルマニウム、およびテルルから選ばれる半金属の前駆体を含む請求項19に記載された方法。
【請求項34】
前記液相試薬送出装置において、前記気相試薬が、周期律表の第2族、第3族、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、第14族、第15族、第16族、およびランタニド系列から選ばれる金属の前駆体を含む請求項19に記載された方法。
【請求項35】
前記液相試薬送出装置において、前記気相試薬が、ルテニウム、ハフニウム、タンタル、モリブデン、白金、金、チタン、鉛、パラジウム、ジルコニウム、ビスマス、ストロンチウム、バリウム、カルシウム、アンチモン、およびタリウムから選ばれる金属の前駆体、または、珪素、ゲルマニウム、およびテルルから選ばれる半金属の前駆体を含む請求項19に記載された方法。
【請求項36】
前記液相試薬送出装置が、前記搬送ガス供給管に連結された搬送ガス供給源を更に含む請求項19に記載された方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−263791(P2009−263791A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−95673(P2009−95673)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(392032409)プラクスエア・テクノロジー・インコーポレイテッド (119)
【Fターム(参考)】