説明

車両の走行状態検出装置、ナビゲーション装置、及びプログラム

【課題】加速度センサや角速度センサを用いて車両の走行状態を検出する装置において、センサからの検出信号に車両の上下振動による振動ノイズが重畳されたときに、その旨を速やかに検出して検出信号から振動ノイズを除去できるようにする。
【解決手段】加速度センサ及び角速度センサを備えたナビゲーション装置において、これら各センサからの検出信号は、ノイズ除去用のフィルタリング処理を行う前に振動ノイズ除去処理を行う。この処理では、各センサからの検出信号を周期的にサンプリングし(S120、S130)、過去n回分のサンプリングデータの最大値と最小値との差Da、Dbを求め(S150、S180)、その差が共に判定値Ta、Tbを越えると、各検出信号に車両の上下振動による振動ノイズが重畳されていると判断して、各サンプリングデータから振動ノイズ成分を除去する(200,210)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速度センサや角速度センサを用いて車両の走行状態を検出する走行状態検出装置、この走行状態検出装置を備えたナビゲーション装置、及び、走行状態検出装置としての機能をコンピュータを用いて実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両のナビゲーション装置には、車両の進行方向や傾斜角等を検出するためのセンサとして、車両の水平面に直交する軸回りの角速度を検出する角速度センサや、車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサ等が設けられている。
【0003】
また、ナビゲーション装置は、通常、車両のインパネ(インストルメントパネル)部分に取り付けられるが、装置本体が車両に対して傾いて取り付けられると、装置本体に内蔵されている角速度センサや加速度センサの検出軸も正規の軸に対して傾いてしまい、角速度や加速度を良好に検出することができなくなることがある。
【0004】
そこで、従来より、車両のナビゲーション装置においては、装置本体が車両に対して傾いて取り付けられても、その傾きを検出して、角速度センサや加速度センサからの検出信号に基づき得られる車両の走行状態(車両の進行方向や傾斜角等)を補正することが考えられている。
【0005】
つまり、例えば、車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサからの検出信号に基づき、車両の前後方向の傾斜角(ピッチ角)を検出するように構成されたナビゲーション装置においては、角速度センサからの検出信号に基づき得られる車両の方位変化と、GPS受信機にて検出された車両位置変化から得られる車両の方位変化との差から、ナビゲーション装置の車両に対する傾き(詳しくは前後方向の傾き)を検出し、その検出した傾きに基づき、加速度センサからの検出信号に基づき得られたピッチ角を補正することが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
【特許文献1】特開2004−020207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記提案の技術は、角速度センサからの検出信号等に基づきナビゲーション装置の傾きを検出して、加速度センサからの検出信号に基づき得られる車両のピッチ角を補正するものであることから、角速度センサや加速度センサからの検出信号に、不要なノイズが含まれていなければ、車両のピッチ角を正確に検出することができる。
【0007】
しかし、上記提案の技術では、角速度センサや加速度センサが本来の検出軸に対して傾いて固定されていることを前提としていることから、角速度センサからの検出信号には、車両の水平面に直交する軸回りの角速度成分と車両の上下方向の振動成分とが含まれ、加速度センサからの検出信号にも、車両の前後方向の加速度成分と車両の上下方向の振動成分とが含まれることになり、この振動成分によって、車両の進行方向やピッチ角の検出精度が低下してしまうことがあった。
【0008】
つまり、加速度センサからの検出信号は、加速度センサの検出軸が車両の進行方向と同一となっているときに正しい値となり、角速度センサからの検出信号は、その検出軸が水平面に対して直交しているときに正しい値となるため、ナビゲーション装置が車両に対して斜めに固定され、これら各センサの検出軸が正規の軸に対して傾斜していると、例えば、車両が段差を乗り越えて上下に大きく振動したような場合に、各センサからの検出信号に車両の上下振動による振動ノイズが重畳され、車両の加速度や旋回角(延いては車両の進行方向やピッチ角)の検出精度が低下してしまうのである。
【0009】
なお、加速度センサや角速度センサからの検出信号に対しては、通常、不要な高周波ノイズを除去するために、移動平均等のフィルタリング処理が施されるが、こうしたフィルタリング処理では、車両が段差を乗り越えたときに生じる上下振動のような低周波数(数Hz以下)の低周波数の振動ノイズ成分は除去することはできない。
【0010】
また、このフィルタリング処理によって振動ノイズを除去できるように、ノイズ除去用のローパスフィルタのカットオフ周波数を低く設定すると、加速度や角速度を検出することができなくなってしまう。
【0011】
そして、上述の問題は、ナビゲーション装置に内蔵される角速度センサや加速度センサに限らず、例えば、車両のエンジン制御や姿勢制御、或いは走行制御等で車両の走行状態を検出するために車両に搭載される角速度センサや加速度センサでも同様に発生する。
【0012】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、加速度センサや角速度センサを用いて車両の走行状態を検出する装置において、これら各センサからの検出信号に車両の上下振動による振動ノイズが重畳されたときに、その旨を検出して、検出信号から振動ノイズを除去できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の車両の走行状態検出装置においては、車両の走行状態として、車両の加速度若しくは車両の所定軸周りの角速度を検出する2つのセンサが備えられており、第1変動判定手段が、第1センサからの検出信号が車両振動判定用の第1判定周波数以上で且つ第1判定値を越える変動量にて変動しているか否かを判定し、第2変動判定手段が、第2センサからの検出信号が車両振動判定用の第2判定周波数以上で且つ第2判定値を越える変動量にて変動しているか否かを判定する。
【0014】
そして、これら各変動判定手段にて各センサからの検出信号が共に変動していると判定されると、振動ノイズ除去手段が、各センサからの検出信号には車両の上下振動による振動ノイズが重畳されていると判断して、各検出信号から、各検出信号毎に設定された振動判定用の判定周波数及び判定値にて規定される振動ノイズを除去する。
【0015】
つまり、本発明の走行状態検出装置においては、センサからの検出信号が車両振動判定用の判定周波数及び判定値にて規定される変動量で変動したときに、その変動成分を振動ノイズとして検出信号から除去するのではなく、車両の上下振動の影響を受ける2つのセンサ(加速度センサや角速度センサ)からの検出信号が同時に(換言すれば同期して)変動したときに、各検出信号から振動ノイズを除去する。
【0016】
従って、本発明の走行状態検出装置によれば、車両が段差等を通過して車両が実際に上下振動しているときに限って、検出信号から、その上下振動による変動成分(つまり振動ノイズ)を除去することができるようになり、車両の加速度や角速度の検出精度を向上することができる。
【0017】
ここで、第1センサ及び第2センサとしては、上述したナビゲーション装置に搭載されるセンサ、つまり、車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサと、車両の水平面に直交する軸周りの角速度(延いては車両の旋回角)を検出する角速度センサとの組み合わせであってもよいが、車両の上下振動の影響を受けるセンサとしては、車両の左右方向の加速度を検出する加速度センサや、車両を前後或いは左右に分断する垂直面に直交する軸周りの角速度(延いては車両のローリングやヨーイング或いはピッチング)を検出する角速度センサ等も存在することから、これらセンサの2つを、本発明の第1センサ及び第2センサとしてもよい。
【0018】
また、振動ノイズ除去手段は、第1及び第2変動判定手段による判定結果に基づき車両が上下振動していると判定して、第1センサ及び第2センサからの検出信号から振動ノイズを除去するものであるが、車両に加速度センサや角速度センサが3個以上搭載されているときには、振動ノイズ除去手段を、第1及び第2変動判定手段による判定結果に基づき車両が上下振動していると判定した際に、車両に搭載された他のセンサ(加速度センサ若しくは角速度センサ)による検出信号からも振動ノイズを除去するように構成してもよい。
【0019】
また、車両に加速度センサや角速度センサが3個以上搭載されているときには、各センサ毎に変動判定手段を設けて、各センサからの検出信号の変動を判定するようにし、振動ノイズ除去手段については、これら各変動判定手段にて検出信号の変動が判定されたときに、各検出信号から振動ノイズを除去するように構成してもよい。
【0020】
一方、車両に、周囲の画像を撮像する撮像装置が搭載されている場合には、請求項2に記載のように、車両振動判定手段にて、その撮像装置による撮像画像の変化から、各センサからの検出信号に影響を及ぼす振動周波数及び振動レベルにて車両が振動しているか否かを判定するようにし、振動ノイズ除去手段については、この車両振動判定手段にて車両が振動していると判定され、しかも、各変動判定手段にて各センサからの検出信号が共に変動していると判定されているときに、各検出信号から振動ノイズを除去するように構成してもよい。
【0021】
そして、このようにすれば、振動ノイズ除去手段において、各検出信号に振動ノイズが重畳されていることを、より正確に検出することができるようになり、車両が振動していないときに各検出信号を誤って補正してしまう確率を低減できる。
【0022】
また、このように車両に撮像装置が搭載されている場合には、必ずしも2つのセンサからの検出信号の変動に基づき車両が振動していることを確認する必要はなく、請求項3に記載のように、車両振動判定手段にて車両が振動していると判定され、一つの変動判定手段にてセンサ(加速度センサ又は角速度センサ)からの検出信号が変動していると判定されているときに、その検出信号から振動ノイズを除去するように、振動ノイズ除去手段を構成してもよい。
【0023】
そして、振動ノイズ除去手段をこのように構成すれば、車両又は車載装置(ナビゲーション装置等)に、加速度又は角速度検出用のセンサが一つだけ設けられている場合であっても、その検出信号から振動ノイズを除去して、加速度や角速度の検出精度を向上することが可能となる。
【0024】
次に、変動判定手段は、例えば、検出信号から車両の振動周波数に対応した信号成分のみを選択的に通過させるバンドパスフィルタと、そのバンドパスフィルタを通過した信号を検波して振幅を検出する検波回路と、この検波回路による検波電圧が振動判定レベルを越えたか否かを判定するコンパレータとにより、アナログ回路として構成することができる。
【0025】
しかし、こうしたアナログ回路は、外乱ノイズの影響を受けやすく、また、温度変化等、周囲環境の影響も受けやすいことから、変動判定手段は、所謂デジタル回路にて構成することが望ましい。
【0026】
そして、このように変動判定手段をデジタル回路にて構成する場合には、請求項4に記載のように、変動判定手段は、車両振動判定用の判定周波数に対応したサンプリング期間内に検出信号を複数サンプリングして、そのサンプリングにより得られた複数のサンプリング値の最大値と最小値との差を求め、その差が判定値を越えているときに、検出信号が変動していると判定するように構成するとよい。
【0027】
つまり、変動判定手段をこのように構成すれば、周期的なサンプリング処理を行うデジタル回路を利用して、検出信号の変動を判定することができるようになり、その判定動作を外乱ノイズや周囲環境の影響を受けることなく実行することが可能となる。
【0028】
なお、この場合、判定周波数は、検出信号のサンプリング周期とサンプリング期間とで決定されることから、これら各パラメータを、検出信号に影響を与える車両の振動特性に応じて適宜設定すれば、検出信号が車両の上下振動により変動していることを正確に判定することができる。
【0029】
またこのように変動判定手段をデジタル回路にて構成した場合、振動ノイズ除去手段については、請求項5に記載のように、変動判定手段がサンプリング期間内にサンプリングした全サンプリング値の中間の値を求め、その値をセンサによる最新の検出値として設定することにより、検出信号から振動ノイズを除去するように構成するとよい。
【0030】
つまり、このようにすれば、変動判定手段及び振動ノイズ除去手段を、検出信号をデジタル処理するデジタル回路にて構成することができる。
なお、振動ノイズ除去手段をこのように構成する場合、ノイズ除去後の検出値としては、変動判定手段がサンプリングした全サンプリング値の中から中央値を選択するようにしてもよく、或いは、全サンプリング値の平均値を求めて設定するようにしてもよい。
【0031】
次に、請求項6に記載のナビゲーション装置は、上述した本発明(請求項1〜請求項5)の走行状態検出装置を備えたことを特徴とする。従って、このナビゲーション装置によれば、加速度センサや角速度センサからの検出信号に基づき、車両の走行状態(車両の傾斜角や旋回角等)を正確に認識して、車両の走行軌跡を求めることができるようになり、車両運転者に対する走行案内を良好に行うことが可能となる。
【0032】
また、請求項7に記載のプログラムは、請求項1〜請求項5の何れかに記載の走行状態検出装置における変動判定手段及び振動ノイズ除去手段としての機能を、コンピュータにて実現するためのものである。よって、このプログラムを用いれば、車両に搭載された各種制御用のコンピュータ若しくは走行状態検出専用のコンピュータを利用して、本発明の走行状態検出装置を実現することができる。
【0033】
なお、請求項2又は3に記載のように、走行状態検出装置に、撮像装置による撮像画像を処理して車両の上下振動を判定する車両振動判定手段が設けられている場合、請求項7に記載のプログラムは、車両振動判定手段としての機能についても、コンピュータの処理にて実現できるように構成してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に本発明の一実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明が適用された第1実施形態のナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【0035】
図1に示すように、本実施形態のナビゲーション装置2は、車両の速度に応じた検出信号を出力する車速センサ4、車両の前後方向に加わる加速度に応じた検出信号を出力する加速度センサ6、車両の旋回時に生じる角速度(詳しくは車両の水平面に直交する軸周りの角速度)を検出する角速度センサ8等からなる自立系のセンサと、GPS用の人工衛星からの送信電波を受信し、車両の位置、速度、進行方向等を検出するGPS受信機12と、使用者が各種指令を入力するための操作スイッチ群14と、外部装置との間で情報のやりとりを行うための外部情報入出力装置16と、記憶媒体から地図データ等を読み込むための地図データ入力装置18と、地図や経路案内画面等を表示するための表示装置20と、各種ガイド用の音声を発生するための音声出力装置22と、遠隔操作用のリモートコントロール端末(以下、単にリモコンという)24と、このリモコン24から送信された指令信号を受信して入力するリモコンセンサ26と、これら各部に接続されて走行案内用の各種制御処理を実行する制御回路30と、を備える。
【0036】
ここで、操作スイッチ群14は、表示装置20と一体に構成されたタッチパネル及び表示装置20の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成される。
また、外部情報入出力装置16は、外部装置として道路に敷設されたビーコンとの間で情報のやりとりを行うことにより、情報センタから道路交通情報を取得したり、或いは、車両に搭載された各種制御装置との間で通信を行うことにより車両状態を表す各種情報を取得するものであり、各種通信装置にて構成されている。
【0037】
また、地図データ入力装置18は、CD−ROM、DVDーROM、ハードディスク等の記憶媒体から、位置検出精度向上のためのマップマッチング用データや、経路案内用の音声データ等を含む地図データを読み込み、制御回路30に入力するための装置である。
【0038】
また、表示装置20は、カラー表示可能な液晶ディスプレイ等にて構成されている。そして、この表示装置20の表示画面には、制御回路30の制御の下に、車両の現在位置周囲の地図や、使用者により指定された目的地までの走行経路等が表示される。
【0039】
また、音声出力装置22は、スピーカ等から構成されており、制御回路30による制御の下に、目的地までの経路案内用のガイド音声や、外部情報入出力部を介して取得した道路交通情報を案内するためのガイド音声を出力する。
【0040】
次に、制御回路30は、CPU32、ROM34、RAM36、及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータにて構成されている。
そして、CPU32は、ROM34等に記憶されたプログラムに従って、自立系のセンサ(車速センサ4、加速度センサ6、角速度センサ8)から入力される各種検出信号とGPS受信機12による測位結果とに基づき、車両の走行状態(詳しくは、車両の現在位置、車速、進行方向、傾斜角度等)を検出して、車両の走行軌跡を演算する演算処理を実行する。
【0041】
また、CPU32は、地図データ入力装置18を介して車両の現在位置を含む地図データを記憶媒体から読み取り、その読み取った地図データに基づき、車両の現在位置や走行軌跡を含む道路地図を表示装置20に表示する地図表示処理や、操作スイッチ群14又はリモコンセンサ26から入力される指令に従い目的地までの経路演算を行い、その演算結果に従って経路案内画像を表示装置20に表示したり経路案内用のガイド音声を音声出力装置22から出力させる経路案内処理、等も実行する。
【0042】
また、CPU32が車両の走行状態を検出するために自立系のセンサ(車速センサ4、加速度センサ6、角速度センサ8)から検出信号を取り込む際には、その検出信号から高周波ノイズ成分を除去するフィルタリング処理等を実行するが、本実施形態では、こうしたフィルタリング処理を実行する前に、加速度センサ6及び角速度センサ8から入力される検出信号から、車両の上下振動によって検出信号に重畳された振動ノイズを除去する、振動ノイズ除去処理を行うようにされている。
【0043】
つまり、制御回路30を機能ブロックで記述すると、制御回路30には、図2に示すように、加速度センサ6及び角速度センサ8から入力される検出信号を処理するセンサ信号処理部40が設けられているが、このセンサ信号処理部40には、加速度センサ6及び角速度センサ8からの検出信号により得られる加速度データ及び角速度データに対して上述のフィルタリング処理を行うデータ処理部42、44が設けられる。
【0044】
そして、本実施形態では、従来のように、これら各データ処理部42、44に対して、加速度センサ6及び角速度センサ8からの検出信号により得られる加速度データ及び角速度データをそのまま入力するのではなく、加速度データ及び角速度データを各データ処理部42、44へ入力する前に、振動ノイズ除去部46にて、加速度データ及び角速度データに車両の上下振動による振動ノイズが含まれているか否かを判定し、振動ノイズが含まれていれば、加速度データ及び角速度データからその振動ノイズを除去して、各データ処理部42、44へ入力するようにされているのである。
【0045】
以下、この振動ノイズ除去部46の機能を実現するためにCPU32にて実行される振動ノイズ除去処理(換言すればプログラム)を、図3に示すフローチャートに沿って説明する。
【0046】
この振動ノイズ除去処理は、CPU32にて車両走行時に繰り返し実行される処理であり、この処理が開始されると、CPU32は、まずS110(Sはステップを表す)にて、前回S120以降のサンプリング処理を実行してから予め設定されているサンプリング時間(例えば、100ms.)が経過したか否かを判断することにより、サンプリング時間が経過するのを待つ。
【0047】
そして、サンプリング時間が経過すると、S120に移行し、加速度センサ6からの検出信号をA/D変換して取り込み、そのデータ値をメモリ(RAM36)に格納する。また、続くS130では、角速度センサ8からの検出信号をA/D変換して取り込み、そのデータ値をメモリ(RAM36)に格納する。
【0048】
つまり、S110〜S130では、所定のサンプリング時間毎に加速度センサ6及び角速度センサ8からの検出信号をサンプリングして、その値をメモリに順に格納する。
こうして、加速度及び角速度がサンプリングされると、S140に移行して、メモリ(RAM36)から、過去n回分の加速度のサンプリングデータを読み込み、続くS150にて、その読み込んだ加速度データの最大値と最小値との差Daを算出する。
【0049】
そして、続くS160では、S150にて算出された加速度データの最大値と最小値との差Daが、予め設定された判定値Taよりも大きいか否かを判定し、差Daが判定値Taよりも大きい場合には、S170に移行し、逆に、差Daが判定値Ta以下であれば、S220に移行する。
【0050】
次に、S170では、メモリ(RAM36)から、過去n回分の角速度のサンプリングデータを読み込む。そして、続くS180では、その読み込んだ角速度データの最大値と最小値との差Dbを算出し、続くS190にて、その算出された角速度データの最大値と最小値との差Dbが、予め設定された判定値Tbよりも大きいか否かを判定する。
【0051】
S190にて、差Dbが判定値Tbよりも大きい場合(つまり、加速度及び角速度の過去n回のサンプリングデータの最大値と最小値との差Da、Dbが共に判定値Ta、Tbを越えている場合)には、車両が段差を乗り越えたこと等によって、加速度センサ6及び角速度センサ8からの検出信号に振動ノイズが重畳されたと判断して、S200に移行し、逆に、S190にて、差Dbが判定値Tb以下であると判断された場合には、S220に移行する。
【0052】
そして、S200では、S140にて読み込んだn個の加速度データの中から、値が最も中間に位置する加速度データの値(中央値)を、今回検出した加速度データとして選択し、その選択した加速度データを、加速度データ処理部42での処理対象となる最新の加速度データとしてメモリ(RAM36)に格納し、S210に移行する。
【0053】
また、S210では、S170にて読み込んだn個の角速度データの中から、値が最も中間に位置する角速度データの値(中央値)を、今回検出した角速度データとして選択し、その選択した角速度データを、角速度データ処理部44での処理対象となる最新の角速度データとしてメモリ(RAM36)に格納し、S110に移行する。
【0054】
一方、S220では、S120にてA/D変換して読み込んだ加速度データを、そのまま、加速度データ処理部42での処理対象となる最新の加速度データとしてメモリ(RAM36)に格納し、S230に移行する。
【0055】
また、S230では、S130にてA/D変換して読み込んだ角速度データを、そのまま、角速度データ処理部44での処理対象となる最新の角速度データとしてメモリ(RAM36)に格納し、S110に移行する。
【0056】
なお、本実施形態においては、図3に示した振動ノイズ除去処理のうち、S140及びS150の処理が、本発明の第1変動判定手段に相当し、S170及びS180の処理が、本発明の第2変動判定手段に相当し、S200及びS210の処理が、本発明の振動ノイズ除去手段に相当する。
【0057】
以上説明したように、本実施形態のナビゲーション装置2においては、車両の上下振動の影響を受け易い加速度センサ6及び角速度センサ8からの検出信号については、ノイズ除去のためのフィルタリング処理を行う前に、振動ノイズ除去処理を行う。
【0058】
そして、この振動ノイズ除去処理では、図4(a)に例示するように、まず、加速度センサ6及び角速度センサ8からの検出信号を、サンプリング時間毎にサンプリングすると共に、そのサンプリングの度に、過去n回分のサンプリングデータの最大値と最小値との差D(Da、Db)を求めて、その差D(Da、Db)が共に判定値T(Ta、Tb)を越えたか否かを判断することにより、加速度センサ6及び角速度センサ8からの検出信号が、サンプリング時間(周期)とサンプリングデータの個数nとで決まる判定周波数以上の周波数で、同時に(同期して)、判定値Ta、Tbで決まる変動量よりも大きく変動しているか否かを判定する。
【0059】
そして、各検出信号がその判定周波数以上の周波数で判定値Ta、Tb以上の変動量で共に変動している場合には、車両が段差に乗り上げる等して車両に振動が発生し、各センサ6、8がその振動の影響を受けて、各検出信号に振動ノイズが重畳されたものと判断して、各検出信号のn個のサンプリングデータの中央値を最新の検出データ(加速度データ、角速度データ)として設定することにより、各検出データ(加速度データ、角速度データ)から振動ノイズ成分を除去する。
【0060】
従って、本実施形態のナビゲーション装置2によれば、例えば、加速度センサ6及び角速度センサ8からの検出信号に、図4(b)に示すような振動ノイズが重畳された場合、各検出信号からは、図4(b)に点線で示すように、振動ノイズ成分が除去され、その振動成分除去後の検出信号(詳しくは加速度データ及び角速度データ)に基づき、走行軌跡演算等が実行されることになる。
【0061】
よって、本実施形態のナビゲーション装置2によれば、車両が段差等を通過して加速度センサ6及び角速度センサ8からの検出信号に車両の振動ノイズが重畳された場合であっても、車両の加速度や角速度(換言すれば車両の走行状態)を精度よく検出して、車両の走行軌跡等を正確に求めることができるようになり、運転者に対する走行案内等を正確に行うことが可能となる。
【0062】
なお、図4(a)は、図3に示したノイズ除去処理の動作手順を分かり易く説明するためのものであり、判定周波数を決定するサンプリングデータの個数n(図に示す時点t0からt1に至るサンプリング期間内の検出データの個数)を限定するものではない。つまり、この個数nや、振動判定用の判定値Tは、車両が段差等を通過した際に生じる振動特性や各センサ6、8からの検出信号の出力特性等によって適宜設定すればよい。
【0063】
そして、本実施形態では、各センサ6、8からの検出信号が車両の上下振動により同期して変動していることを正確に判定できるようにするために、各センサ6、8からの検出信号を同タイミングでサンプリングするようにしているが、これら各センサ6、8からの検出信号のサンプリングタイミングは必ずしも一致させる必要はなく、異なる周期・タイミングでサンプリングするようにしてもよい。つまり、このようにしても、各センサ6、8からの検出信号が略同時に変動すれば、各検出信号に、車両の上下振動による振動ノイズが重畳されたと判断することができる。
【0064】
また、本実施形態では、加速度センサ6及び角速度センサ8からの検出信号に振動ノイズが重畳されていると判断すると、各検出信号のn個のサンプリングデータの中央値を、最新の検出データ(加速度データ、角速度データ)として設定するようにしているが、これら各検出データ(加速度データ、角速度データ)から振動ノイズ成分を除去する際には、各検出信号のn個のサンプリングデータの平均値を求め、その値を、最新の検出データ(加速度データ、角速度データ)として設定するようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明が適用された第2実施形態のナビゲーション装置10について説明する。
【0065】
図5は、このナビゲーション装置10の概略構成を表すブロック図である。
図5に示すように、本実施形態のナビゲーション装置10は、第1実施形態のナビゲーション装置2と略同様に構成されており、第1実施形態のナビゲーション装置2と異なる点は、車両前方の走行路を撮影するために、撮像装置としてのカメラ50が備えられている点である。
【0066】
このカメラ50は、例えば、カメラ50による撮像画像から、車両が走行している走行路上の白線を認識し、車両がその白線にから逸脱しないように警告、補助する走行制御装置等で利用されるものである。
【0067】
そして、本実施形態のナビゲーション装置10では、図6に示すように、センサ信号処理部60において、カメラ50による撮像画像を取り込み、画像振動検出部52により、カメラ50による撮像画像から車両が上下振動しているか否かを判定し、画像振動検出部52にて車両が上下振動していることが判定されたときに限って、振動ノイズ除去部46による加速度データ及び角速度データの補正(振動ノイズ成分の除去)を許可するようにされている。
【0068】
即ち、本実施形態では、制御回路30内のCPU32が、振動ノイズ除去部46としての振動ノイズ除去処理とは別に、画像振動検出部52としての画像振動検出処理を実行することにより、カメラ50による撮像画像の変化から、車両が上下振動しているか否かを判定し、その判定結果に従い、振動ノイズ除去処理において、上述したS140以降の処理を実行するか否かを切り換えるようにされているのである。
【0069】
以下、このようにCPU32にて実行される画像振動検出処理について、図7に示すフローチャートに沿って説明する。なお、この画像振動検出処理(換言すれば図6に示した画像振動検出部52)は、本発明の画像振動判定手段に相当する。
【0070】
図7に示すように、この画像振動検出処理では、まずS310にて、カメラ50による画像1枚分の画像撮像時間(例えば、NTSC方式の一般的なカメラでは1/30秒)が経過したか否かを判断することにより、画像撮像時間が経過するのを待ち、画像撮像時間が経過すると、S320に移行して、カメラ50から入力された車両前方の最新の撮像画像を取り込む。
【0071】
そして、続くS330では、S320で取得した撮像画像を解析することにより、撮像画像上での水平線の位置(詳しくは撮像画像上下方向の位置座標)Pを検出し、その水平線位置Pを、メモリ(RAM36)に格納する
また次に、続くS340では、メモリ(RAM36)から、過去m回分の水平線位置Pの検出データを読み込み、続くS350にて、その読み込んだ過去m回分の水平線位置Pの検出データの最大値と最小値との差(換言すれば画素数)Dpを水平線の位置変化量として算出する。
【0072】
そして、続くS360では、S350にて算出した水平線の位置変化量Dpが予め車両振動判定用として設定されている判定値Tpよりも大きいか否かを判断し、位置変化量Dpが判定値Tpよりも大きい場合には、S370に移行して、車両振動検出フラグFをセット(F=1)し、逆に、位置変化量Dpが判定値Tp以下であれば、S380に移行して、車両振動検出フラグFをリセット(F=0)する。そして、このように車両振動検出フラグFをセット又はリセットした後は、再度S310に移行する。
【0073】
以上のように、図7に示した画像振動検出処理では、カメラ50により周期的に得られる撮像画像m枚分を利用して、撮像画像上での水平線位置の変化量(画素数)Dpを求め、その位置変化量Dpが判定値Tpを越えたか否かを判定することにより、車両が、カメラ50による撮像周期と振動判定に用いる撮像画像の枚数mとで決まる判定周波数以上の周波数で、且つ、判定値Tpを越える振幅にて、上下振動しているか否かを判定し、車両が上下振動していると判定した場合には車両振動検出フラグFをセットし、車両が振動していないと判定した場合には車両振動検出フラグFをリセットする。
【0074】
そして、この画像振動検出処理にてセット/リセットされる車両振動検出フラグFは、図8に示すように、振動ノイズ除去処理において、S130の処理の実行後に、S300にて、カメラ50による撮像画像を用いて車両の上下振動が検出されているか否かを判定するのに利用される。
【0075】
つまり、本実施形態の振動ノイズ除去処理では、S300にて、車両振動検出フラグFがセットされていると判定されたとき(つまり撮像画像を用いて車両の上下振動が検出されているとき)には、図3に示した振動ノイズ除去処理と同様に、S140に移行するが、S300にて、車両振動検出フラグFがセットされていないと判定されたとき(つまり撮像画像を用いて車両の上下振動が検出されていないとき)には、そのままS220、S230の処理を実行し、S110に移行する。
【0076】
従って、本実施形態のナビゲーション装置10によれば、加速度センサ6及び角速度センサ8からの検出信号に、車両の上下振動に伴う振動ノイズが重畳されていることを、より正確に検出することができるようになり、車両が上下振動していないときに加速度データ及び角速度データを誤って補正してしまうのを防止できる。
【0077】
なお、本実施形態のように、カメラ50等の撮像装置を用いて走行路等の周囲画像を撮像し、その撮像画像の上下動から車両の上下振動を判定する際には、本実施形態のように、撮像画像の上下の変動量を、撮像画像の画素数で求めるようにしてもよいが、例えば、カメラの仕様から画素数を角度に変換することにより、上下変動角幅として求めるようにしてもよい。
(変形例)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態の限定されるものではなく、本発明の技術範囲内にて種々の態様を採ることができる。
【0078】
例えば、上記実施形態では、車両の上下振動の影響を受ける加速度センサ6と角速度センサ8とを備えたナビゲーション装置において、これら各センサ6、8からの検出信号の変化から車両の上下振動による振動ノイズを検出して、各検出信号からその振動ノイズを除去することについて説明したが、本発明の走行状態検出装置は、こうしたナビゲーション装置とは異なる車載装置であっても、上記実施形態と同様に適用することができる。
【0079】
また、振動ノイズを除去する2つのセンサとしては、加速度センサ6と角速度センサ8との組み合わせ以外にも、加速度センサ同士の組み合わせ、或いは、角速度センサ同士の組み合わせであってもよく、3つ以上のセンサの組み合わせであってもよい。
【0080】
また、第2実施形態のように、車両に走行路等の周囲画像を撮像する撮像装置(カメラ)が搭載されている場合には、このカメラによる撮像画像から車両が上下振動したか否かを判定して、車両が上下振動したと判定したときにだけ、加速度センサ又は角速度センサからの検出信号の変化から、検出信号に重畳された振動ノイズを検出して、検出信号からその振動ノイズを除去するようにしてもよい。
【0081】
つまり、例えば、加速度センサ6からの検出信号をA/D変換して取り込み、その取り込んだ加速度データを各種制御装置に出力する加速度検出装置の場合には、図9(a)に示すように、そのセンサ信号処理部70に、加速度センサ6からの検出信号の変化から振動ノイズを検出して振動ノイズを除去する振動ノイズ除去部72と、図6に示した第2実施形態の画像振動検出部52とを設けて、画像振動検出部52にてカメラ50による撮像画像から車両の上下振動が検出されたときにだけ、振動ノイズ除去部72による振動ノイズの除去動作を許可するようにしてもよい。
【0082】
また、例えば、角速度センサ8からの検出信号をA/D変換して取り込み、その取り込んだ加速度データを各種制御装置に出力する角速度検出装置の場合には、図9(b)に示すように、そのセンサ信号処理部80に、角速度センサ8からの検出信号の変化から振動ノイズを検出して振動ノイズを除去する振動ノイズ除去部82と、図6に示した第2実施形態の画像振動検出部52とを設けて、画像振動検出部52にてカメラ50による撮像画像から車両の上下振動が検出されたときにだけ、振動ノイズ除去部82による振動ノイズの除去動作を許可するようにしてもよい。
【0083】
なお、図9(a)、(b)に示すセンサ信号処理部70、80において、振動ノイズ除去部72、82は、CPUにおいて、図8に示した振動ノイズ除去処理から、角速度センサ8又は加速度センサ6からの検出信号に基づく処理を除いた処理を実行するようにすればよい。
【0084】
つまり、具体的には、加速度センサ6からの検出信号を処理するセンサ信号処理部70における振動ノイズ除去部72は、CPUにおいて、図8に示す振動ノイズ除去処理からS130、S170〜S190、S210及びS230を除いた振動ノイズ除去処理を実行するように構成すればよく、角速度センサ8からの検出信号を処理するセンサ信号処理部80における振動ノイズ除去部82は、CPUにおいて、図8に示す振動ノイズ除去処理からS120、S140〜S160、S200及びS220を除いた振動ノイズ除去処理を実行するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】第1実施形態のナビゲーション装置の概略構成を表すブロック図である。
【図2】第1実施形態のセンサ信号処理部の機能ブロックを表す説明図である。
【図3】第1実施形態の振動ノイズ除去処理を表すフローチャートである。
【図4】第1実施形態の振動ノイズ除去処理の動作を説明するタイムチャートである。
【図5】第2実施形態のナビゲーション装置の概略構成を表すブロック図である。
【図6】第2実施形態のセンサ信号処理部の機能ブロックを表す説明図である。
【図7】第2実施形態の画像振動検出処理を表すフローチャートである。
【図8】第2実施形態の振動ノイズ除去処理を表すフローチャートである。
【図9】加速度又は角速度検出装置のセンサ信号処理部の機能ブロックを表す説明図である。
【符号の説明】
【0086】
2,10…ナビゲーション装置、4…車速センサ、6…加速度センサ、8…角速度センサ、12…GPS受信機、14…操作スイッチ群、16…外部情報入出力装置、18…地図データ入力装置、20…表示装置、22…音声出力装置、24…リモコン、26…リモコンセンサ、30…制御回路、40,60,70,80…センサ信号処理部、42…加速度データ処理部、44…角速度データ処理部、46,72,82…振動ノイズ除去部、50…カメラ、52…画像振動検出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の加速度若しくは車両の所定軸周りの角速度をそれぞれ検出する第1センサ及び第2センサと、
前記第1センサからの検出信号が、車両振動判定用の第1判定周波数以上で且つ第1判定値を越える変動量にて変動しているか否かを判定する第1変動判定手段と、
前記第2センサからの検出信号が、車両振動判定用の第2判定周波数以上で且つ第2判定値を越える変動量にて変動しているか否かを判定する第2変動判定手段と、
前記各変動判定手段にて前記各センサからの検出信号が共に変動していると判定されているとき、前記各センサからの検出信号には車両の上下振動による振動ノイズが重畳されていると判断して、前記各検出信号から前記各判定周波数及び判定値にて規定される振動ノイズを除去する振動ノイズ除去手段と、
を備えたことを特徴とする車両の走行状態検出装置。
【請求項2】
車両周囲の画像を撮像する撮像装置と、
該撮像装置による撮像画像の変化から、車両が、前記各センサからの検出信号に影響を及ぼす振動周波数及び振動レベルにて振動しているか否かを判定する車両振動判定手段と、
を備え、前記振動ノイズ除去手段は、前記車両振動判定手段にて車両が振動していると判定され、しかも、前記各変動判定手段にて前記各センサからの検出信号が共に変動していると判定されているときに、前記各検出信号から前記振動ノイズを除去することを特徴とする請求項1に記載の車両の走行状態検出装置。
【請求項3】
車両の加速度又は車両の所定軸周りの角速度を検出するセンサと、
車両周囲の画像を撮像する撮像装置と、
前記センサからの検出信号が、車両振動判定用の判定周波数以上で且つ判定値を越える変動量にて変動しているか否かを判定する変動判定手段と、
前記撮像装置による撮像画像の変化から、車両が、前記センサからの検出信号に影響を及ぼす振動周波数及び振動レベルにて振動しているか否かを判定する車両振動判定手段と、
該車両振動判定手段にて車両が振動していると判定され、しかも、前記変動判定手段にて前記検出信号が変動していると判定されているときに、該検出信号には車両の上下振動による振動ノイズが重畳されていると判断して、該検出信号から前記判定周波数及び判定値にて規定される振動ノイズを除去する振動ノイズ除去手段と、
を備えたことを特徴とする車両の走行状態検出装置。
【請求項4】
前記変動判定手段は、前記車両振動判定用の判定周波数に対応したサンプリング期間内に前記検出信号を複数サンプリングして、該サンプリングにより得られた複数のサンプリング値の最大値と最小値との差を求め、その差が前記判定値を越えているときに、前記検出信号が変動していると判定することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の車両の走行状態検出装置。
【請求項5】
前記振動ノイズ除去手段は、前記変動判定手段が前記サンプリング期間内にサンプリングした全サンプリング値の中間の値を求め、その値を前記センサによる最新の検出値として設定することにより、前記検出信号から振動ノイズを除去することを特徴とする請求項4に記載の車両の走行状態検出装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れかに記載の走行状態検出装置を備えたことを特徴とする車両のナビゲーション装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1〜請求項5の何れかに記載の走行状態検出装置における変動判定手段及び振動ノイズ除去手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−139595(P2007−139595A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−334220(P2005−334220)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】